JP6382103B2 - 照明システム、照明装置及び照明方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の照明システムは、高照度光と中照度光と低照度光とを得ることができる照明器具と、照明器具の点灯制御を行う制御装置とからなる。制御装置は照明器具の点灯制御により、朝からほぼ夕刻までの第1時間帯Aは高照度光を、夕刻から夜就寝するまでの第2時間帯Bは第1時間帯Aにおける照度の最大値よりも少なくとも時間軸上の平均照度が低い中照度光を、夜就寝から朝までの第3時間帯Cは第2時間帯Bにおける照度の最大値よりも平均照度が低い低照度光を生じさせる。これにより、1日を通して光照度を適切な状態に管理している。
上記特許文献2の照明制御装置は、光出力と相対色温度を変化させており、細やかな光環境を生成できるが、特許文献1と異なり、仕事場所において利用されることを想定している。
実施形態の一態様に係る照明システムは、調色及び調光可能であって複数の生活空間のそれぞれに1つ以上配置された複数の照明部と、前記複数の照明部の点灯を制御する制御部とを備える照明システムにおいて、前記制御部は、前記複数の生活空間のうち、少なくとも生活する人が存在する生活空間において、(1)夕食予定時間帯の前に存する夕食予定前時間帯では3,000ケルビンより高い第1色温度帯であって100ルクスより明るい第1照度帯の光環境となるように、(2)前記夕食予定時間帯の後に存する夕食予定後時間帯では3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって200ルクス以下の第2照度帯の光環境となるように、(3)起床予定前時刻から起床予定時刻までは3,000ケルビン以下の第3色温度から3,000ケルビンより高い第4色温度へと上げるとともに、100ルクス以下の第3照度から100ルクスより明るい第4照度に指数関数的に上がる光環境となるように、前記照明部の点灯を制御する。
実施形態の一態様に係る照明方法は、例えば、第1の生活空間では、上記の(1)の夕食予定前時間帯で上記の光環境となるように照明部を照明させた後消灯するようにし、第2の生活空間では上記の(2)の夕食予定後時間帯で上記の光環境と上記の(3)の時間帯で上記光環境となるように照明部を照明しそれ以外の時間帯では点灯しないような方法も含まれる。つまり、実施形態の一態様に係る照明方法は、複数の生活空間において、各生活空間に配された照明部の点灯を個別に制御し、複数の生活空間全体で上記の(1)〜(3)の時間帯での光環境となるような照明方法も含む。この場合、各生活空間の照明部の点灯の設定は人によって行われてもよい。
上記の構成では、夕食予定前時間帯において体内時計の乱れが抑制されるとともにセロトニンが生成される。夕食予定後時間帯において体内時計の乱れを抑制し、セロトニンからメラトニンが合成される。起床予定前時刻から起床予定時刻までにおいて目覚め易くしている。これにより、体内時計の乱れが抑制されてサーカディアンリズムが整い、良質な睡眠をえることができる。
別の態様において、前記夕食予定後時間帯は、前記就寝予定時刻の2時間前の時刻から前記就寝予定時刻までの時間帯を含むとしてもよい。就寝時刻の2時間前から松果体によるメラトニンの分泌が上昇し始めるので、メラトニンが充分に分泌される。
別の態様において、前記第2照度帯は、30ルクス以上100ルクス以下の範囲であるとしてもよい。これにより、メラトニンの分泌が阻害されるのを防ぐことができる。
別の態様において、前記制御部は、前記夕食予定時間帯において、前記夕食予定前時間帯において点灯した色温度よりも低い第5色温度であって、前記夕食予定前時間帯において点灯した照度よりも低く且つ100ルクスより明るい第5照度で、前記照明部を点灯させる。これにより、照度の変化のない状態で夕食等を摂ることができ、また、夕食等を摂るのに十分な明るさが確保される。またこの時間帯での睡眠を抑制することができる。
別の態様において、前記夕食予定時間帯は、30分以上3時間以下の範囲にあるとしてもよい。これにより、夕食の時間を確保できる。
別の態様において、前記制御部は、前記夕食予定前時間帯から前記夕食予定時間帯へ移行する時間帯において、暗順応の範囲内で照度を増減させてもよい。これにより、照度が低下しても視認性が悪くなるようなことを抑制できる。
第1実施形態では、本発明の一態様である照明システムを病院、介護施設、寮等に適用した例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る照明システムの概略図である。
照明システム1は、同図に示すように、複数の生活空間(部屋)3を有する施設等に設けられ、複数の生活空間3の光環境を生成している。なお、生活空間に生活する人であって、就寝している人及び就寝しようとしている人を以下、「就寝者」とする。
(1)照明器具
図2は生活空間の様子を示す図であり、図3の(a)は照明器具の概略構成図であり、図3の(b)は照明器具の出射光のスペクトルを示す図である。
照明器具5は、例えば、図2に示すように、生活空間3を構成する天井11に設けられるベースライトタイプである。ここでは、天井に埋め込まれた埋め込みタイプである。
照明器具5は、例えば、壁13に設けられた操作ユニット15の非常点灯用のスイッチSW2が操作されると、サーカディアン点灯から非常点灯、あるいは非常点灯からサーカディアン点灯にそれぞれ切り替える。なお、スイッチSW2がOFF状態のときは、常時サーカディアン点灯される。
照明器具5は、図3の(a)に示すような第1発光部21と第2発光部23とを有する直管LEDランプ25(図2参照)を備える。第1発光部21と第2発光部23は、互いに独立して電力が供給される。これにより、照明器具5は、上記の範囲で調色・調光可能となる。
例えば、6,000ケルビン等の高い色温度の光を照射する場合には第1発光部21からの光出力(発光比率)を増やせばよく、3,000ケルビン等の低い色温度の光を照射する場合には第2発光部23から光出力(発光比率)を増やせばよい。
また、6,000ケルビンの色温度であって、例えば100ルクスの光を出射する場合には、6,000ケルビンの色温度となる第1発光部21と第2発光部23とからの発光比率を維持して、第1発光部21と第2発光部23の光出力(輝度)を調整すればよい。
(2−1)構成
図4は、制御装置のブロック図である。
制御装置7は、例えば、同図に示すように、電源部31、供給部33、制御部35を有している。
制御部35は、ここでは、CPU45、時計47、メモリー49等を含む。メモリー49は、点灯スケジュールに沿って時刻に対応する照度及び色温度の値を格納する点灯テーブル等を記憶する。CPU45は、時計47から時刻を取得して、時刻に合わせた照度及び色温度をメモリー49から取得して、供給部33に指示をする。なお、時計47として電波時計等を利用することができる。
制御部35は、少なくとも3つの点灯モードを制御する。3つの点灯モードは、夕食予定前時間帯の照明を制御する夕食予定前時間帯モードと、夕食予定後時間帯の照明を制御する夕食予定後時間帯モードと、起床前の照明を制御する起床前モードとである。
夕食予定前時間帯モードは、夕食予定前時間帯において、3,000ケルビンより高い第1色温度帯(斜線部分a)であって、100ルクスより明るい第1照度帯(斜線部分b)で点灯させる。
図6において示すA〜Gは、上記7つのモードに対応する時間帯であり、以下説明する。
(A)夕食予定前時間帯モード
夕食予定前時間帯モードは、時刻T1から時刻T13までの夕食予定前時間帯Aにおいて制御されるモードである。
時刻T1において、3,000ケルビンより高い色温度CT1、100ルクスより明るい照度I1で点灯している。時刻T1から時刻T11までは色温度CT1を一定に制御し、時刻T11から時刻T13にかけて色温度CT1が色温度CT3(3,000ケルビン)まで徐々に下がるように制御する。
また、時刻T1から時刻T12までは照度I1を一定に制御し、時刻T12から照度I1が徐々に下がるように制御する。
夕食予定前時間帯Aの時刻T1は14時〜17時までの範囲内、時刻T13は16時〜18時の範囲内にあるのが好ましい。色温度CT1は4,500ケルビン〜6,500ケルビンの範囲内にあるのが好ましい。また、照度I1は、15時以前では3,000ルクス以上が好ましく、16時以降では200ルクス〜300ルクスの範囲内にあるのが好ましい。
また、夕食予定前時間帯Aを上記好ましい範囲とすることで、夕食予定時間帯を早い時間に確保することができる。
第1の移行モードは、時刻T13から時刻T2までの第1の移行時間帯Bにおいて制御されるモードである。
時刻T13以降は、色温度CT3を一定(3,000ケルビン)に制御する。なお、時刻T13から起床予定前時刻T5まで、色温度CT3を一定に制御しているが、3,000ケルビン以下の色温度帯で変化させてもよい。
また、時刻T13から時刻T2にかけて、照度Iが照度I2まで徐々に下がるように制御する。この場合、就寝者が照度の低下に暗順応できる範囲で下げるのが好ましい。
夕食予定時間帯モードは、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯Cにおいて制御されるモードである。
時刻T2から時刻T3前までの夕食予定時間帯においては、色温度CT3及び照度I2が一定となるように制御する。食事中は色温度や照度の変動がない方が好ましく、食欲増進につながるからである。
照度I2が上記範囲にあると、住居者が一時的に睡眠するのを抑制する(覚醒を維持する)ことができる。なお、この時間に睡眠してしまうと、睡眠リズムが大きく崩れ、睡眠予定時間帯で入眠が困難になるためである。特に、この時間に睡眠する傾向にある高齢者にとって効果が大きい。
夕食予定時間帯Cにおける色温度及び照度は一定であることが好ましい。これは、一般的に食事中にこれらの変化を嫌うためである。
第2の移行モードは、時刻T3から時刻T31までの第2の移行時間帯Dにおいて制御されるモードである。
時刻T3から時刻T31にかけて、照度I2が照度I3(100ルクス以下)まで徐々に下がるように制御する。この場合、就寝者が照度の変化を認識できる範囲であって暗順応できる範囲で下げるのが好ましい。これにより、例えば、これ以降はリラックスするための時間であるような時間帯になることを就寝者に知らせることができる。
また、第2の移行時間帯Dでは、照度が変化しているため、この時間帯を入浴時間帯とすることもできる。
なお、第2の移行モード(D)は必須ではなく、後述の変形例に示すように、夕食予定時間帯モード(C)から夕食予定後時間帯モード(E)に直接移行する場合は、第2の移行モード(D)は省略される場合がある。
夕食予定後時間帯モードは、時刻T31から時刻T4までの夕食予定後時間帯Eにおいて制御されるモードである。
夕食予定後時間帯Eとは、夕食予定時間帯Cの終了時刻T3から就寝予定時刻T4までの所定の時間帯をいう。ただし、3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって、200ルクス以下の第2照度帯に限る。
これにより、安全に作業や歩行を行うための明るさが確保される。上記範囲の照度は暗いため、就寝者は静かに過ごすことができ、睡眠潜時の短縮及び睡眠効率の向上につながる。
時刻T33から就寝予定時刻(入眠予定時刻)T4前までは、色温度CT3及び照度14を一定に制御する。
また、時刻T31を就床予定時刻T34の2時間以上前にすることで、入浴からの時間を十分におくことができ、入居者の体温が下がり、入眠潜時を短縮できる。
睡眠予定時間帯モードは、時刻T4から時刻T5までの睡眠予定時間帯Fにおいて制御されるモードである。
時刻T4から起床予定前時刻T5までは、色温度CT3及び照度14を一定に制御する。なお、照度は、さらに、下げてもよい。例えば、1ルクス以下に下げてもよいし、0.5ルクスに下げてもよいし、さらには、0ルクスまで下げてもよい。
起床前モードは、時刻T5から時刻T6までの起床前時間帯Gにおいて制御されるモードである。
時刻T5から起床予定時刻T6にかけて、色温度CT3から色温度CT2へと徐々に上げるとともに、照度I4から照度I1まで指数関数的に上がるように点灯させる。
なお、時刻T5における照度14は0ルクスでない場合、照度I4と指数関数曲線との交差時刻T51から、指数関数的に上がるように点灯させる。
起床予定時刻T6とは、起床する予定の時刻をいい、実際に起床したか否かとは関係がない。起床予定時刻T6は、5時30分から7時30分の間が好ましい。
そこで、睡眠潜時や朝方のレム睡眠の延長を考慮して、例えば6時間睡眠を希望する場合は就床予定時刻T34を起床予定時刻T6の6時間30分前に、例えば7時間30分睡眠を希望する場合は就床予定時刻T34を起床予定時刻T6の8時間前に、それぞれ設定するのが好ましい。
図7は、図6の点灯スケジュール用の点灯テーブルである。
制御部35は、メモリー49に格納されている点灯スケジュール用の点灯テーブルTa1から時刻に対応した照度と色温度を取得する。点灯テーブルTa1は、図7に示すように、時刻と、その時刻での照度の値と色温度の値を記憶している。ここでは、各時刻での照度と色温度の値が格納されているが、制御部35が第1PWM回路41と第2PWM回路43とにそれぞれ指示するデューテュ比であってもよい。
照度は、時刻T1〜時刻T12において、図6に示すように一定である。点灯テーブルTa1において、照度は時刻T1〜時刻T12で「I1」である。
照度は、時刻T12〜時刻T2において、図6に示すように徐々に下がる。ここでは、線形的に暗くなる。点灯テーブルTa1において、照度は、時刻が時刻T2になったときに照度が「I2」になるように、時刻T12〜時刻T2で下がる。なお、例えば、時刻T12と時刻T2との間の時刻T13の照度は「I1k」となっており、この「I1k」は、「I1」より小さく、「I2」より大きい。
照度は、時刻T3〜時刻T31において、図6に示すように徐々に下がる。ここでは、線形的に暗くなる。点灯テーブルTa1において、照度は、時刻が時刻T31になったときに照度が「I3」になるように、時刻T3〜時刻T31で下がる。
照度は、時刻T31〜時刻T32において、図6に示すように一定である。点灯テーブルTa1において、照度は時刻T31〜時刻T32で「I3」である。
照度は、時刻T32〜時刻T33において、図6に示すように徐々に下がる。ここでは、線形的に暗くなる。点灯テーブルTa1において、照度は、時刻が時刻T33になったときに照度が「I4」になるように、時刻T32〜時刻T33で下がる。
照度は、時刻T33〜時刻T4〜時刻T51において、図6に示すように一定である。点灯テーブルTa1において、照度は時刻T33〜時刻T51で「I4」である。
照度は、時刻T51〜時刻T6において、図6に示すように指数関数的に上がる。点灯テーブルTa1において、照度は、時刻が時刻T6になったときに照度が「I1」になるように、時刻T51〜時刻T6で上がる。なお、指数関数は、時刻T5のときに照度が「0」に、時刻T6で照度が「I1」になるような関数である。
色温度は、時刻T1〜時刻T11において、図6に示すように一定である。点灯テーブルTa1において、色温度は時刻T1〜時刻T11で「CT1」である。
色温度は、時刻T11〜時刻T3において、図6に示すように徐々に下がる。ここでは、線形的に低くなる。点灯テーブルTa1において、色温度は、時刻が時刻T13になったときに色温度が「CT3」になるように、時刻T11〜時刻T13で下がる。
色温度は、時刻T13〜時刻T5において、図6に示すように一定である。点灯テーブルTa1において、色温度は時刻T13〜時刻T5で「CT3」である。
色温度は、時刻T5〜時刻T6において、ここでは、図6に示すように指数関数的に上がる。点灯テーブルTa1において、色温度は、時刻が時刻T6になったときに色温度が「CT2」になるように、時刻T5〜時刻T6で上がる。例えば、時刻T5と時刻T6との間の時刻T51の色温度は「CT3m」となっており、この「CT3m」は、「CT2」より小さく、「CT3」より大きい。なお、時刻T5〜時刻T6の色温度の指数関数は、時刻T5のときに色温度が「CT3」に、時刻T6のときに色温度が「CT2」にそれぞれなるような関数である。
図8は、第1の実施形態に係る制御部のフローチャートである。
制御部35は、管理用のメインスイッチSW1(以下、単に「SW1」ともいう。)がONされると、図8に示すフローチャートを実行する。なお、メインスイッチSW1は、メンテナンス等以外は、常時ONになっており、通常、1年中サ−カディアン点灯されるように構成されている。
制御部35は、例えば、壁13に設けられた操作ユニット15のスイッチSW2(以下、「SW2」ともいう。)がONされると、非常点灯に切り替わるように構成されている。なお、スイッチSW2がOFFされると、OFFされた時点のモードでプログラムを再開するように構成されている。
制御部35は、プログラムがスタートすると、まず、変数である時刻T、照度I、色温度CTの0クリアを行う(S1)。
0クリアが終了すると、現在の時刻Tを時計47から取得し(S2)、時刻Tに対応する照度I、色温度CTを点灯テーブルTa1から取得する(S3)。制御部35は、取得した照度Iと色温度CTとなるように、第1PWM回路41と第2PWM回路43とに指示する(S4)。
ステップS5で、SW2が「ON」と判定される(「Yes」である。)と、非常点灯になるような照度と色温度とを第1第1PWM回路と第2PWM回路とに指示する(S7)。その後、ステップ8でSW2が「OFF」と判定されると(「Yes」である。)、ステップS2へと進む。
(1)実施例1
図9は、春秋モードの7.5時間タイプにおける、照明器具5の点灯スケジュールを説明する図である。
(A)夕食予定前時間帯モード
Aは、15時から16時30分までの夕食予定前時間帯である。
15時において、色温度が6,000ケルビン、照度が245ルクスで点灯している。本実施例では、15時から15時30分までは色温度を一定(6,000ケルビン)に制御し、15時30分からは色温度が徐々に下がるように制御する。
また、15時から16時までは照度を一定(245ルクス)に制御し、16時からは照度が228ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Bは、16時30分から18時までの時間帯である。
16時30分から色温度を一定(3,000ケルビン)に制御する。なお、色温度は起床予定前時刻の5時45分まで一定(3,000ケルビン)に制御しているが、一定でなくてもよい。
また、16時30分から18時まで、照度が176ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Cは、18時から19時まで夕食予定時間帯である。
夕食予定時間帯Cにおいては、色温度が3,000ケルビン、照度が176ルクスで一定となるように制御する。
Dは、19時から20時までの時間帯である。
19時から20時にかけて、照度が33ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Eは、20時から22時15分までの夕食予定後時間帯である。
20時から21時30分までは、照度を一定(33ルクス)に制御する。
21時30分から21時45分までを減光時間帯とし、照度33ルクスから照度12ルクスまで徐々に下がるように制御する。なお、減光時間帯後の照度は12ルクス以下としてもよく、0.3ルクス程度まで下げてもよい。
21時45分から22時15分までは、照度を一定(12ルクス)に制御する。
Fは、22時15分から5時45分までの睡眠予定時間帯である。
22時15分から起床予定前時刻の5時45分までは、色温度を3,000ケルビン、照度を12ルクスで一定になるように制御する。
Gは、5時45分から6時までの時間帯である。
起床予定前時刻の5時45分から起床予定時刻の6時にかけて、色温度3,000ケルビンから色温度5,000ケルビンまで指数関数的に上げるとともに、照度12ルクスから照度245ルクスまで指数関数的に上がるように制御する。
また、夕食予定後時間帯Eにおいて、色温度が3,000ケルビン以下、照度が100ルクス以下の明るさとなるように点灯させている。これにより、体内時計の乱れを抑制でき、メラトニンが分泌されやすくなる。
さらに、起床予定前時刻から起床予定時刻において、色温度が3,000ケルビンより高く、照度が200ルクス以上に指数関数的に上がるように点灯させている。これにより、目覚め易くなる。
実施例1では7.5時間タイプについて説明したが、6時間タイプとすることも可能である。図10は、春秋モードの6時間タイプにおける、照明器具5の点灯スケジュールを説明する図である。
6時間タイプは7.5時間タイプに比べて、夕食予定時間帯Cが約1時間、夕食予定後時間帯Eが約30分長いため、その分、就寝予定時刻から起床予定時刻までの時間が約1時間30分短くなっている。それ以外は、図9に示した実施例1の7.5時間タイプと略同様に点灯を制御する。
(A)夕食予定前時間帯モード
Aは、15時から16時30分までの点灯が夕食予定前時間帯である。
15時において、色温度が6,000ケルビン、照度が245ルクスで点灯している。本実施例では、15時から15時30分までは色温度を一定(6,000ケルビン)に制御し、15時30分からは色温度が徐々に下がるように制御する。
また、15時から16時までは照度を一定(245ルクス)に制御し、16時からは照度が228ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Bは、16時30分から18時までの第1の移行時間帯である。
16時30分から色温度を一定(3,000ケルビン)に制御する。なお、色温度は起床予定前時刻の5時45分まで一定(3,000ケルビン)に制御しているが、一定でなくてもよい。
また、16時30分から18時まで、照度が176ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Cは、18時から20時までの夕食予定時間帯である。
夕食予定時間帯Cにおいては、色温度が3,000ケルビン、照度が176ルクスで一定となるように制御する。
Dは、20時から21時までの第2の移行時間帯である。
20時から21時にかけて、照度が33ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Eは、21時から23時45分までの夕食予定後時間帯である。
21時から23時前までは、照度を一定(33ルクス)に制御する。
23時から23時15分までを減光時間帯とし、照度33ルクスから照度12ルクスまで徐々に下がるように制御する。なお、減光時間帯後の照度は12ルクス以下としてもよく、0.3ルクス程度まで下げてもよい。
23時15分から23時45分までは、照度を一定(12ルクス)に制御する。
Fは、23時45分から5時45分までの睡眠予定時間帯である。
23時45分から起床予定前時刻の5時45分までは、色温度を3,000ケルビン、照度を12ルクスで一定になるように制御する。
Gは、5時45分から6時までの起床時間帯である。
起床予定前時刻の5時45分から起床予定時刻の6時にかけて、色温度3,000ケルビンから色温度5,000ケルビンまで指数関数的に上げるとともに、照度12ルクスから照度245ルクスまで指数関数的に上がるように制御する。
第1の実施形態において、点灯スケジュールは一年を通じて同じものとして説明している。しかしながら、日没時刻を考慮して、点灯スケジュールを変化するようにしてもよい。
第2の実施形態では、日没時刻が遅い「夏モード」と、日没時刻が早い「冬モード」と、夏モードと秋モードの中間である「春秋モード」の3種類のモードを有する照明システムについて説明する。
春秋モードは、第1の実施形態の図6に示す点灯スケジュールであり、夏モード及び冬モードは、第1の実施形態の点灯モードを基準にしている。
第2の実施形態における3つのモードは、照度の動作曲線は同じであり、色温度の動作曲線がそれぞれ異なる。つまり、色温度を下げ始める時刻が、冬モード、春秋モード、夏モード順で遅くなっている。
図13は、制御装置のブロック図である。
第2の実施形態では、制御部が第1の実施形態の制御部と構成が異なり、照明器具、制御装置の電源部や供給部は、第1の実施形態と同じである。このため、制御部について説明する。
制御装置51の制御部53は、CPU55、メモリー57、時計59の他、カレンダー61を備える。カレンダー61は、CPU55からの要求により、要求された時点の月日を読み出し、CPU55に出力する。
メモリー57には、夏モード用、冬モード用、春秋モード用の3つの点灯テーブル1Ta1,1Ta2,1Ta3が格納されている。夏モード用の点灯テーブルが「1Ta1」であり、冬モード用の点灯テーブルが「1Ta2」であり、春秋モード用の点灯テーブルが「1Ta3」である。
制御部53は、上記構成を有することにより、点灯する際の月日(季節)に合わせて、夏モード、冬モード、春秋モードの3種類から1つを選択して、その点灯スケジュールに沿って照明器具5を点灯させる。
2.点灯テーブル
3種類のモードは、夕食予定前時間帯Aにおける色温度を下げるタイミングが異なる。このため、ここでは、夏モード用と冬モード用の各点灯テーブル1Ta1,1Ta2において、夕食予定前時間帯Aに対応する色温度について説明する。なお、春秋モード用の点灯テーブル1Ta3は、第1の実施形態の図7で示す点灯テーブルTa1と同じである。
色温度は、時刻T1〜時刻T11において、図11に示すように一定であり、点灯テーブル1Ta1において、時刻T1〜時刻T11で「CT1」である。
色温度は、時刻T11〜時刻T12において、図11に示すように徐々(線形的)に低くなる。点灯テーブル1Ta1において、時刻が時刻T12になったときに色温度が「CT3」になるように、色温度が時刻T11〜時刻T12で下がる。
色温度は、時刻T1〜時刻T11において、図12に示すように徐々(線形的)に低くなる。点灯テーブル1Ta2において、時刻が時刻T11になったときに色温度が「CT3」になるように、色温度が時刻T1〜時刻T11で下がる。
図16は、第2の実施形態に係る制御部のフローチャートである。
第2の実施形態におけるフローチャートは、メインスイッチ1SW1(以下、単に、「1SW1」ともいう。)がONされると開始され、非常用のスイッチ1SW2(以下、「1SW2」ともいう。)がONされると、非常用の点灯に切り替わるように構成されている。なお、スイッチ1SW2がOFFされると、OFFされた時点からプログラムを再開するように構成されている。
制御部53は、1SW1が「ON」されると、プログラムをスタートさせる。
制御部53は、まず、変数である時刻T、照度I、色温度CT、月日情報等の0クリアを行う(S101)。
0クリアが終了すると、現在の月日をカレンダー61から取得し(S102)、月日に対応するモードを選択して、当該モードの点灯テーブル1Taをメモリー57から取得する(S103)。なお、点灯テーブル1Taは、1Ta1,1Ta2,1Ta3のうちの何れかである。
モードの選択は、取得した「月」が、5月から7月の場合は夏モード、2月から4月、8月から10月の場合は春秋モード、11月から1月の場合は冬モードとなるように、行われる。
また、カレンダーに合わせて、1日単位、1週間単位、1ケ月単位等のモードを設定して動作させることも可能である。
その後、1SW2が「ON」されているかを判定する(S107)。「ON」されていない場合(「No」である。)、1SW1が「ON」であるかを判定する(S108)。「ON」である場合(「Yes」である。)はステップS102へと戻り、「OFF」になっている場合(「No」である。)はプログラムを終了する。
ステップS107で、1SW2が「ON」と判定される(「Yes」である。)と、非常点灯を第1PWM回路と第2PWM回路とに指示する。その後、1SW2が「OFF」されると(ステップS110の「Yes」である。)、ステップS104へと進む。
(1)実施例3
第1の実施形態においては、春秋モードについて説明したが、季節に応じて(夏モード、冬モード)点灯を制御することもできる。
図17は、夏モードの7.5時間タイプにおける、照明器具5の点灯スケジュールを説明する図である。
ここで説明する点灯スケジュールは、第1の実施形態における実施例1(図9)の夕食予定前時間帯モードと第1の移行モードとが異なり、それ以降のモードは同じである。このため、ここでは、夕食予定前時間帯モードと第1の移行モードについて説明する。
Aは、15時から17時まで夕食予定前時間帯である。
15時から16時までは色温度を一定(6,000ケルビン)に制御し、16時から色温度が3,000ケルビンまで徐々に下がるように制御する。
また、15時から16時までは照度を一定(245ルクス)に制御し、16時から照度が210ルクスまで徐々に下がるように制御する。
Bは、17時から18時までの第1の移行時間帯である。
17時から色温度を一定(3,000ケルビン)に制御する。なお、色温度は起床予定前時刻の5時45分まで一定(3,000ケルビン)に制御しているが、一定でなくてもよい。
また、16時から18時まで、照度が176ルクスまで徐々に下がるように制御する。
なお、実施例3においても、第1の実施形態の実施例1と同様の効果を得ることができる。
図18は、冬モードの7.5時間タイプにおける、照明器具5の点灯スケジュールを説明する図である。
ここで説明する点灯スケジュールは、第1の実施形態における実施例1(図9)の夕食予定前時間帯モードと第1の移行モードとが異なり、それ以降のモードは同じである。このため、ここでは、夕食予定前時間帯モードと第1の移行モードについて説明する。
Aは、15時から16時までの夕食予定前時間帯である。
15時から16時にかけて色温度6,000ケルビンから3,000ケルビンまで徐々に下がるように制御する。
また、15時から16時にかけて、照度を一定(245ルクス)に制御する。
Bは、16時から18時までの第1の移行時間帯である。
16時から色温度を一定(3,000ケルビン)に制御する。なお、色温度は起床予定前時刻の5時45分まで一定(3,000ケルビン)に制御しているが、一定でなくてもよい。
また、16時から18時まで、照度が245ルクスから176ルクスまで徐々に下がるように制御する。
実施例4においても、第1の実施形態の実施例1と同様の効果を得ることができる。特に、夕食予定前時間モードと第1の移行モードにおいて、照度を16時から下げ始める際には、色温度が6,000ケルビンから3,000ケルビン近くに下がっている。これにより、以下の効果が得られる。
冬の場合、春、夏、秋に比べて日没時刻が早い。このため、16時から照度を下げ始めると、プルキンエシフトにより、オレンジ色の視認性が低下するおそれがある。しかしながら、本例では、照度を下げる前に、色温度を前もって下げているため、プルキンエシフトの影響を受けにくくできる。
第1及び第2の実施形態では、複数の生活空間(部屋)を有する施設等に設けられる照明システムについて説明している。
しかしながら、本発明は一般照明装置にも適用することができる。以下、一般家庭で使用される照明装置としてシーリングライトに適用した実施形態について説明する。
図19は、第3の実施形態の照明装置の斜視図であり、図20は、第3の実施形態の照明装置の断面図であり、図21は、第3の実施形態の照明装置の透光性カバーを外した状態を光の出射方向から見た図である。
照明装置の一例であるシーリングライト100は、図19から図21に示すように、装置本体101と透光性カバー103とリモコン102(図22参照)とから構成される。
装置本体101は、高い色温度の光を出射する高発光部と、高発光部が出射する光の色温度よりも低い色温度の光を出射する低発光部と、高発光部と低発光部とのそれぞれの点灯を制御する制御ユニットとを有する。
ここで、本発明の「照明部」の一例は、低発光部と高発光部とで構成され、制御ユニットは、本発明「制御部」の一例に相当する。
高発光部と低発光部は、図21に示すように、高い色温度の光を出射する高LED105aと、低い色温度の光を出射する低LED105bと、高LED105aと低LED105bを実装するLED基板107とから構成される。なお、LED基板107は、高LED105a用の配線パターンと、低LED105b用の配線パターンとを有している。
制御ユニットは、電源部、供給部及び制御部を有している。電源部及び供給部は、第1の実施形態の電源部及び供給部と同じである。
制御ユニットは、コンデンサ、抵抗、ダイオード、トランジスタ、IC等の電子部品109a,109b,109cから構成され、これらの電子部品109a,109b,109cは回路基板111に実装されている。本実施形態においては、制御部は、人感センサー113を備え、人を感知した場合に点灯するように構成されている。また、制御部は、リモコン102(図22参照)に示す送信部139から送信される点灯情報を受信する受信部114を有している。
LED基板107及び回路基板111は、板状のベース部材115に設けられている。なお、電源部は、図19に示す引掛刃117を介して、天井に設けられている引掛けシーリング(図示省略)に電気的に接続されている。
リモコン102は、図22に示すように、操作部131、表示部133、制御部135、時計137、送信部139等を備える。
(1)構成
図23は、制御部のブロック図である。
制御部141は、図23に示すように、CPU143、メモリー145、カウンター147、人感センサー113、受信部114を有している。メモリー145は、点灯パターンに対応した点灯テーブル等を備える。カウンター147は、リモコン102から定期的に送信される時刻情報に基づいて時間をカウントする。受信部114及び人感センサー113は上記した通りである。
制御部141は、操作者の要求により、例えば2つの点灯パターンを行うことができるように構成されている。1つ目の点灯パターンは、照度、色温度を自動的に変化させるサーカディアン点灯である。2つ目の点灯パターンは、所謂、通常点灯であり、操作者がリモコン102を操作して設定した所望の照度、色温度で点灯させるものである。なお、設定されない場合は、予め設定されたデフォルトに従って点灯される。
図24は、第3の実施形態の制御部のフローチャートである。
制御部141は、例えば、壁スイッチのメインスイッチ2SW1(以下、単に、「2SW1」ともいう。)がOFFからONされたり、メインスイッチ2SW1がONでリモコン102のスイッチ2SW2(点灯を指示するON信号でもある)がONされたりしたときに、プログラムをスタートさせる。
その後、点灯パターンを変更する信号をリモコン102から受信したか判定する(S202)。点灯パターンに変更が有る場合(「Yes」である。)、受信した新しい点灯パターンのID番号に変更(S203)して、新しいIDを記憶する(S204)する。点灯パターンに変更がない場合(ステップS202で「No」である。)、IDをそのままにして(S205)、そのIDを記憶する(S204)。これにより、メインスイッチ2SW1やリモコン102のスイッチ2SW2がOFFされた場合でも、直前の点灯パターンを記憶し、再度ONされたときに、同じ点灯パターンで点灯される。
ステップS206でIDが「1」と判断された場合は、サーカディアン点灯を行う(S207)。ここでは、第1の実施形態の図8に示す、ステップS2〜ステップS4を行う。これにより、例えば、1の実施形態の図6に示す点灯スケジュールの光環境が生成される。
ステップS210で人感センサー113が「OFF」の場合(「No」である。)、部屋に人が存在していない場合であり、人感センサー113が「ON」するまで消灯させる(S211)。
ステップS213でスイッチ2SW2が「ON」される(「Yes」である。)と、S214に進んで、メインスイッチ2SW1が「OFF」されているか判定する。メインスイッチ2SW1が「OFF」されていない場合(「No」である。)はステップS202に進み、「OFF」されている場合(「Yes」である。)は、終了(エンド)する。
ステップS210でリモコン102のスイッチ2SW2が「OFF」されていない場合(「No」である。)、ステップS214に進む。
一方、ステップS206でIDが「2」と判断された場合は、通常点灯を行い(S208)、サーカディアン点灯と同様に、ステップS209へと進む。
シーリングライト100は、一般家庭において、図6に示す点灯スケジュールのサーカディアン点灯を行う。これによる一般家庭での特有の作用について説明する。なお、第1の実施形態で説明した効果については、同様に得られる場合もあり、ここでの説明は省略する。
図6における照度I3は、第1の実施形態と同様に、20ルクス〜45ルクスの範囲内にあるのが好ましい。より好ましいのは、25ルクス〜40ルクスの範囲内である。
これは、勤労者が例えば時刻T31後に帰宅した場合に、帰宅者(勤労者)が生活空間の明るさのままで生活に入れるようにするためである。この照度は、帰宅者が帰宅した際に、家の中が暗いと感じさせ難い明るさであり、また、自宅でゆっくりと過ごすことができる明るさである。当然、食事もできる明るさである。
1.点灯スケジュール
点灯スケジュールについて、第1及び第2の実施形態で説明したが、例えば、以下のような変形例であってもよい。なお、第1の実施形態で説明した図6の点灯スケジュールと同じモードについては、その説明を省略する。
(1)変形例1
図25は、変形例1に係る点灯スケジュールを説明する図である。
変形例1では、夕食予定時間帯モード以降のモードは第1の実施形態と同じである。
Aは、時刻T1から時刻T2までの夕食予定前時間帯である。
時刻T1において、3,000ケルビンより高い色温度CT1、100ルクスより明るい照度I1で点灯している。時刻T1から時刻T2にかけて、色温度CT1が徐々に下がるように制御する。
また、時刻T1から時刻T11までは照度I1を一定に制御し、時刻T11から時刻T2にかけて照度I1が下がるように制御する。
Cは、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯である。
時刻T2から時刻T3においては、色温度CT3及び照度I2が一定となるように制御する。なお、夕食予定時間帯モードは第1の実施形態と同じである。
図26は、変形例2に係る点灯スケジュールを説明する図である。
変形例2では、夕食予定後時間モード以降のモードは第1の実施形態と同じである。
(A)夕食予定前時間帯モード
Aは、時刻T1から時刻T12までの夕食予定前時間帯である。
時刻T1において、3,000ケルビンより高い色温度CT1、100ルクスより明るい照度I1で点灯している。時刻T1から時刻T21までは色温度CT1を一定に制御する。なお、時刻T21から時刻T22にかけて色温度CT1が色温度CT3(3,000ケルビン)まで徐々に下がるように制御する。
また、時刻T1から時刻T12までは照度I1を一定に制御する。
Bは、時刻T11から時刻T2までの第1の移行時間帯である。
時刻T11以後は、色温度CT3を一定(3,000ケルビン)に制御する。
また、時刻T11から時刻T2にかけて、照度I1から照度I2aへと徐々に下がるように制御する。
Cは、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯である。
変形例2では、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯Cを、前半と後半に分けた。すなわち、時刻T2から時刻T21までの前半時間帯C1と、時刻T22から時刻T3までの後半時間帯C3とに分けた。時刻T21から時刻T22までは、前半時間帯C1から後半時間帯C3への移行時間帯C2を示す。
前半時間帯C1においては、色温度CT3が3,000ケルビン、照度I2aで一定となるように制御する。
移行時間帯C2においては、照度I2aから照度I2bへと徐々に下がるように制御する。これに合わせて、色温度CT1が色温度CT3へと徐々に下がるようにしている。
ここでは、色温度を3,000ケルビンより高い色温度(例えば6,000ケルビンである。)を前半時間帯C1の終了まで維持している。これにより、例えば、前半時間帯C1において作業(例えば、勉強、仕事等である。)する場合に、集中力を高めることができる光環境を提供できる。
後半時間帯C3においては、色温度CT3(3,000ケルビン)、照度I2bで一定となるように制御する。
Dは、時刻T3から時刻T31までの第2の移行時間帯である。
時刻T3から時刻T31にかけて、照度I2bから照度I3へと徐々に下がるように制御する。
図27は、変形例3に係る点灯スケジュールを説明する図である。
変形例3では、夕食予定後時間モード以降のモードは第1の実施形態と同じである。
(A)夕食予定前時間帯モード
Aは、時刻T1から時刻T2までの夕食予定前時間帯である。
時刻T1において、3,000ケルビンより高い色温度CT1、100ルクスより明るい照度I1で点灯している。時刻T1から時刻T11までは色温度CT1を一定に制御し、時刻T11から時刻T12にかけて、色温度CT1から色温度CT4へと徐々に下がるように制御する。時刻T12から時刻T3までは、色温度CT4を一定に制御する。
また、時刻T1から時刻T12までは照度I1を一定に制御し、時刻T12から時刻T2にかけて、照度I1から照度I2へと徐々に下がるように制御する。
Cは、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯である。
時刻T2から時刻T3においては、色温度CT4及び照度I2が一定となるように制御する。
Dは、時刻T3から時刻T31までの第2の移行時間帯である。
時刻T3から時刻T31にかけて、色温度CT4から色温度CT3へと徐々に下がるように制御する。
また、時刻T3から時刻T31にかけて、照度I2から照度I3へと指数関数的に下がるように制御する。
図28は、変形例4に係る点灯スケジュールを説明する図である。
(A)夕食予定前時間帯モード
Aは、時刻T1から時刻T12までの夕食予定前時間帯である。
時刻T1において、3,000ケルビンより高い色温度CT1、100ルクスより明るい照度I1で点灯している。時刻T1から時刻T11までは色温度CT1を一定に制御し、時刻T11から時刻T12にかけて色温度CT1が色温度CT3(3,000ケルビン)まで徐々に下がるように制御する。
また、時刻T1から時刻T12までは照度I1を一定に制御し、時刻T12から照度I1が徐々に下がるように制御する。
Bは、時刻T12から時刻T2までの第1の移行時間帯である。
時刻T12以降は、色温度CT3を一定(3,000ケルビン)に制御する。
また、時刻T12から時刻T2にかけて、照度が照度I2まで徐々に下がるように制御する。
Cは、時刻T2から時刻T3までの夕食予定時間帯である。
時刻T2から時刻T3まで、色温度CT3及び照度I2が一定となるように制御する。
Dは、時刻T3から時刻T31までの第2の移行時間帯である。
時刻T3から時刻T31にかけて、照度I2が照度I3(100ルクス以下)まで徐々に下がるように制御する。
Eは、時刻T31から就寝予定時刻T4までの夕食予定後時間帯である。
時刻T31から時刻T33にかけて、照度I3から照度I4へと徐々に下がるように制御する。
なお、時刻T33以降は、第1の実施形態と同じである。
(5)その他
上記の実施形態や変形例では、時刻T1で点灯し、時刻T6で消灯している。しかしながら、24時間連続で点灯する点灯スケジュールであってもよい。また、睡眠予定時間帯モード(F)で、一旦消灯してもよい。消灯のタイミングとしては、日の出が早くなる季節での起床予定時刻前等が考えられる。
上記実施形態や変形例では、夕食予定後時間帯モードと睡眠予定時間帯モードで照度が異なっているが、一定であってもよいし、徐々に変化してもよい。変化の態様は、指数関数的であってもよいし、直線的であってもよいし、段差的であってもよい。
上記実施形態や変形例では、起床前モードにおいて、色温度も指数関数的に変化しているが、直線的に変化させてもよい。
(1)構造
第1及び第2の実施形態において、本発明の照明部の一例に相当する照明器具5は、第1・第2発光部21,23を有しているが、例えば、本発明の制御部の一例に相当する制御装置7の電源部31、供給部33、制御部35の少なくとも一つを有してもよい。さらに、複数の照明器具5のうち、1つの照明器具5に制御装置7の機能を組み込んでもよい。つまり、照明システムとして、照明部と制御部を有しておればよく、照明部及び制御部に含まれる構成の組み合わせは特に限定するものではない。
第1及び第2の実施形態において、照明部の一例である照明器具5は、埋め込みタイプのベースライトを利用したが、他のタイプのベースライトであってもよいし、ダウンライトを利用してもよいし、ベースライトとダウンライトとの両方を利用してもよい。
第1及び第2の実施形態において、照明器具5は2つの第1・第2発光部21,23を有していたが、例えば、3つ以上の発光部を有していてもよい。例えば、赤色光を発する赤色発光部と、緑色光を発する緑色発光部と、青色光を発する青色発光部との3つの発光部から照明器具を構成してもよい。この場合も、各発光部にLEDを利用することができる。
制御部の一例である制御装置7は、調光制御にパルス幅制御(第1・第2PWM回路41,43)を利用しているが、他の方式を利用してもよい。他の方式として、振幅制御、位相制御等がある。なお、位相制御の場合、光源としてLEDを利用すると適用できない場合もある。
第1及び第2の実施形態では、制御装置7は、すべての照明器具5に対して同一の点灯制御をおこなっていたが、例えば、生活空間で生活する人に合わせて個別に点灯制御するようにしてもよい。この場合、制御部は、複数の生活空間のそれぞれに対応した副制御部を複数備えることで実施できる。
(4)その他
第1及び第2の実施形態では、照明システムを病院、介護施設、寮等に適用した例について説明している。しかしながら、複数の生活空間を有する住宅に適用してもよい。
また、第1及び第2の実施形態では、生活空間に人の存在に関係なく、照明部が点灯されているが、第3の実施形態で説明したように、人感センサー等を設けて、人が存在する生活空間に対して点灯制御するようにしてもよい。例えば、病院等での食堂は、夕食予定時間帯、夕食準備時間、夕食片付け時間だけ照明部を点灯させ、その後は消灯するようにしてもよい。
(1)種類
第3の実施形態では、本発明に係る照明装置をシーリングライトに適用していたが、例えば、LED電球や、ペンダントライト、ベースライト等であってもよい。
第3の実施形態では、シーリングライト100は、制御部135を装置本体101側に備えている。制御部141は、リモコン102から点灯パターンを示す設定値IDを受信している。
しかしながら、例えば、制御部141の機能をリモコン側に持たせてもよい。この場合、リモコンから照明装置の第1及び第2PWM回路にデューティ比を送信することで実施できる。
また、第3の実施形態では、シーリングライト100専用のリモコンを利用していたが、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末の通信手段(赤外線、ブルートゥース等)を利用できるようにしてもよい。
第3の実施形態では、一般家庭の照明装置に本発明を適用した一例について説明している。しかしながら、家族構成に対応させた点灯スケジュールを予め設けても有していてもよい。
例えば、起床時間を学校の始業時刻に合わせて子供モードや、就床予定時間と起床予定時間を早めた高齢者モードや、夕食予定時間帯を短くした大人モード等である。
さらに、帰宅時間、夕食予定時間帯、入浴予定時刻、就床予定時刻を入力するようにして、就寝者の生活スタイルに合わせた点灯スケジュールを作成するようにしてもよい。
この場合、パソコンやスマートフォン上でアプリケーションソフトを利用して点灯スケジュールを作成し、照明装置に送信することで実施できる。なお、送信には、WiFiやブルートゥース等の通信プロトコルを利用できる。
(1)太陽光
各実施形態における夕食予定前時間帯では、太陽光の状態に関係なく、第1照度帯で点灯させている。しかしながら、太陽光の状態を考慮して、発光部を点灯するようにしてもよい。つまり、太陽光を含めて、第1照度帯で点灯するようにしてもよい。これにより、1日中、サーカディアンモードで動作させても日中の無駄な点灯を危惧する必要がなくなる。
以下、太陽光を含めて、第1照度帯の光環境となるようにした変形例5について説明する。
変形例5の点灯スケジュールにおいて、図29の実線で示すように、照度は、時刻T11まで一定であり、時刻T11から減少している。
図29における線L1は、点灯スケジュールの生活空間内の照度(目標値)を示し、線L2は太陽光の実際の照度を示している。
変形例5において、制御部は、照度センサーから生活空間内の照度を取得できるように構成されている。制御部は、太陽光を含めて生活空間内全体として、発光部からの出射光が線L1で示す照度となるように、発光部からの光出力を制御する。
この場合、領域S1が出射光であり、領域S2が太陽光であり、合計して目標の照度(線L1である。)となる。
つまり、夕食予定前時間帯では、生活空間内の照度が第1照度帯となるように、発光部を点灯させればよい(制御部は、目標の光環境となるように発光部の点灯を制御している。)。具体例で説明すると、日没の遅い夏の青天の日あって南向きの生活空間では、太陽光だけで目標の照度となる。このような場合、制御部は照度が「0」となるように制御する。
第2の実施形態における照明システムは、日没時刻を考慮して、夏モード、冬モード、春秋モードを有しているが、例えば、さらにGPS機能を備え、位置情報から日没時間を取得すると、地理的な時間のずれを少なくすることができる。
第1の実施形態から第3の実施形態では、夕食予定時間帯を基準に各時間帯の点灯を制御したが、就寝予定時刻を基準に点灯を制御してもよい。
例えば、就寝予定時刻前の第1の時間帯において、3,000ケルビンより高い色温度帯であって、100ルクスより明るい照度帯で照明し、就寝予定時刻前の第2の時間帯において、3,000ケルビン以下の色温度帯であって200ルクス以下の照度帯で照明してもよい。
3 生活空間
5 照明器具(照明部)
7 制御装置(制御部)
100 照明装置
Claims (12)
- 調色及び調光可能であって複数の生活空間のそれぞれに1つ以上配置された複数の照明部と、前記複数の照明部の点灯を制御する制御部とを備える照明システムにおいて、
前記制御部は、
前記複数の生活空間のうち、少なくとも生活する人が存在する生活空間において、
夕食予定時間帯の前に存する夕食予定前時間帯では3,000ケルビンより高い第1色温度帯であって100ルクスより明るい第1照度帯の光環境となるように、
前記夕食予定時間帯の後に存する夕食予定後時間帯では3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって200ルクス以下の第2照度帯の光環境となるように、
起床予定前時刻から起床予定時刻までは3,000ケルビン以下の第3色温度から3,000ケルビンより高い第4色温度へと上げるとともに、100ルクス以下の第3照度から100ルクスより明るい第4照度に指数関数的に上がる光環境となるように、
前記照明部の点灯を制御する
ことを特徴とする照明システム。 - 前記第1色温度帯は、4,000ケルビンより高く、7,000ケルビン以下の範囲である
請求項1に記載の照明システム。 - 前記夕食予定後時間帯は、就寝予定時刻の2時間前の時刻から前記就寝予定時刻までの時間帯を含む
請求項1又は2に記載の照明システム。 - 前記第2照度帯は、30ルクス以上100ルクス以下の範囲である
請求項1〜3の何れか1項に記載の照明システム。 - 前記夕食予定時間帯は、前記就寝予定時刻の2時間前に終わる
請求項3に記載の照明システム。 - 前記制御部は、前記夕食予定時間帯において、前記夕食予定前時間帯において点灯する色温度よりも低い第5色温度であって、前記夕食予定前時間帯において点灯する照度よりも低く且つ100ルクスより明るい第5照度の光環境となるように、前記照明部の点灯を制御する
請求項1〜5の何れか1項に記載の照明システム。 - 前記第5照度は、200ルクス以下の範囲内にある
請求項6に記載の照明システム。 - 前記夕食予定時間帯は、30分以上3時間以下の範囲にある
請求項1〜7の何れか1項に記載の照明システム。 - 前記制御部は、前記夕食予定前時間帯から前記夕食予定時間帯へ移行する時間帯において、暗順応の範囲内で照度を増減させる
請求項1〜8の何れか1項に記載の照明システム。 - 調光及び調色可能であって生活空間に配される照明部と、前記照明部の点灯を制御する制御部とを備える照明装置において、
前記制御部は、
少なくとも人が存在する前記生活空間において、
夕食予定時間帯の前に存する夕食予定前時間帯では3,000ケルビンより高い第1色温度帯であって100ルクスより明るい第1照度帯の光環境となるように、
前記夕食予定時間帯の後に存する夕食予定後時間帯では3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって200ルクス以下の第2照度帯の光環境となるように、
起床予定前時刻から起床予定時刻までは、3,000ケルビン以下の第3色温度から3,000ケルビンより高い第4色温度へと上げるとともに、100ルクス以下の第3照度から100ルクスより明るい第4照度に指数関数的に上がる光環境となるように、
前記照明部の点灯を制御する
ことを特徴とする照明装置。 - 調光及び調色可能であって生活空間に配される照明部の照明方法において、
少なくとも前記生活空間に人が存在する場合に、
夕食予定時間帯の前に存する夕食予定前時間帯では3,000ケルビンより高い第1色温度帯であって100ルクスより明るい第1照度帯の光環境となるように照明し、
前記夕食予定時間帯の後に存する夕食予定後時間帯では3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって200ルクス以下の第2照度帯の光環境となるように照明し、
起床予定前時刻から起床予定時刻までは、3,000ケルビン以下の第3色温度から3,000ケルビンより高い第4色温度へと上げるとともに、100ルクス以下の第3照度から100ルクスより明るい第4照度に指数関数的に上がる光環境となるように照明する
ことを特徴とする照明方法。 - 調光及び調色可能であって生活空間に配される照明部の照明方法において、
少なくとも前記生活空間に人が存在する場合に、
就寝予定時刻前の第1の時間帯では、3,000ケルビンより高い第1色温度帯であって100ルクスより明るい第1照度帯の光環境となるように照明し、
前記第1の時間帯後の第2の時間帯では、3,000ケルビン以下の第2色温度帯であって200ルクス以下の第2照度帯の光環境となるように照明し、
起床予定前時刻から起床予定時刻までにおいて、3,000ケルビン以下の第3色温度から3,000ケルビンより高い第4色温度へと上げるとともに、100ルクス以下の第3照度から100ルクスより明るい第4照度に指数関数的に上がる光環境となるように照明する
ことを特徴とする照明方法。
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