JP6381329B2 - 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法 - Google Patents

薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6381329B2
JP6381329B2 JP2014149398A JP2014149398A JP6381329B2 JP 6381329 B2 JP6381329 B2 JP 6381329B2 JP 2014149398 A JP2014149398 A JP 2014149398A JP 2014149398 A JP2014149398 A JP 2014149398A JP 6381329 B2 JP6381329 B2 JP 6381329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
chemical
fabric sheet
roll
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014149398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016023387A5 (ja
JP2016023387A (ja
Inventor
久満 石川
久満 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tsubakimoto Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Kogyo Co Ltd filed Critical Tsubakimoto Kogyo Co Ltd
Priority to JP2014149398A priority Critical patent/JP6381329B2/ja
Publication of JP2016023387A publication Critical patent/JP2016023387A/ja
Publication of JP2016023387A5 publication Critical patent/JP2016023387A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6381329B2 publication Critical patent/JP6381329B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

本発明は、オフセット印刷機等のブランケット胴や圧胴等のシリンダを洗浄する薬液含
浸不織布シートの製造装置及び製造方法に関する。
オフセット印刷機は、水とインキとの本質的な反発を応用したものであり、刷版で形成された画線を一旦ブランケットに転移させ、圧胴により、加圧しながら印刷用紙に転移させている。この印刷方式においては、ブランケット及び圧胴等のシリンダ周面に、インキカスや紙粉、コーンスターチ等を主成分とする裏付き防止剤等の異物が付着推積し、印刷物の品質を徐々に低下させるため、最近のオフセット印刷機の多くはこれらの異物を除去するための自動洗浄装置を備えている。
シリンダ周面上のこれらの異物を除去する方法として、ブラシローラやゴムローラで掻き落とすものもあるが、不織布製の洗浄シートで拭き取るタイプが主流である。この拭き取るタイプに用いられる不織布としては、乾式パルプ不織布,メルトブローン不織布,スパンボンド不織布,スパンレース不織布等があるが、オフセット印刷機シリンダの自動洗浄には、洗浄液を含浸させたスパンレース不織布が一般的に使用されている。
スパンレース不織布に洗浄液を含浸させる方法としては、例えば図7(A)に示すように、巻芯101に巻回されたロール状のスパンレース不織布102をロール状のまま容器103に注入された洗浄液104の中に漬け込んで洗浄液104を含浸させる方法(以下、ディッピング方式という。特許文献1を参照。)と、例えば図7(B)に示すように、巻芯101'に巻回されたロール状のスパンレース不織布シート102'を繰り出しながら該不織布シート102'の幅方向に複数のスプレーノズル105を備えたスプレーバー106から洗浄液104'を噴射して含浸させる方法(以下、スプレーバー方式という。特許文献2を参照。)の2つの方法が知られている。
特許4915976号公報 特開平09−295398号公報
しかしながら、ディッピング方式の場合、不織布シートロールのまま洗浄液の中に漬け込むので、ロールの表面近傍の不織布シートと不織布シートの両縁部分は、洗浄液が十分に含浸するものの、巻芯近傍の不織布シートは、表面から隔たりがあり、浸透に時間がかかる。加えて、巻き圧に起因して膨潤が抑制されるため、洗浄液が十分に含浸し難い。その結果、巻芯近傍の不織布シートと不織布シートロールの表面付近の不織布シートとでは洗浄液の含浸量に差が生じ、印刷機用洗浄シートロールの巻回方向に含浸ムラが発生するという問題があった。
また、スプレーバー方式の場合、隣接するスプレーノズルから噴射される洗浄液が重なる領域と重ならない領域との間で不織布シートの幅方向に含浸量のムラが生じやすく、特に、繊維がシートの巻回方向に並び易いスパンレース不織布からなる洗浄シートの場合、洗浄液が巻回方向に浸透し、幅方向に広がり難いこともあり、印刷機用洗浄シートロールの幅方向に含浸ムラが生じるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、薬液含浸不織布シートロールの巻回方向や幅方向に含浸ムラが生じない薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法を提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造装置は、巻芯にロール状に巻かれた不織布シートロールから不織布シートを繰り出す不織布シート繰出手段と、薬液の入った容器中に浸った転写ロールを回転させて該転写ロール表面に薬液を転写させる薬液転写手段と、前記薬液転写手段によって前記薬液を転写された転写ロールと該転写ロールを挟むように対峙する2つのテンションロールとの間を、前記不織布繰出手段によって繰り出された不織布シートを前記転写ロールに接触させながら、前記不織布シートに前記転写ロール表面の薬液を含浸させる薬液含浸手段と、前記薬液含浸手段によって薬液が含浸された前記不織布シートを巻き取りロールによって巻き取る不織布シート巻取手段とを含み、前記転写ロールは、前記テンションロールから離間しており、回転周速度及び回転方向を前記不織布シートの移動と同調させずに変更可能に設けられていることを特徴としている。
前記構成により、不織布シートを転写ロール表面の薬液に接触させて薬液を不織布シートに転写して含浸させているので、薬液含浸不織布シートの巻回方向に含浸ムラが生じやすいディッピング方式や、不織布シートの幅方向に含浸ムラが生じやすいスプレーバー方式に比べて、薬液が転写ロールに均一にピックアップされ、両テンションロール間の不織布シートのテンションが転写ロール表面に作用する結果、薬液含浸不織布シートの巻回方向や幅方向に含浸ムラを生じさせることなく均一に含浸させることができる。
また、転写ロール回転周速度や回転方向を不織布シートの移動と同調させずに変更可能にしているので、不織布シートや薬液の性質や用途に応じて、含浸方向の変更や、含浸量の調節を容易に行うことができる。
さらに、転写ロールを挟むように対峙するテンションロールとの間を離間させているので、転写ロールの回転周速度や回転方向を変えて薬液の含浸方向や含浸量を増加させても、不織布シートに伸びや皺、割けを発生させることなく薬液を不織布シートに均一に含浸させることができる。
本発明の第2の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造装置は、前記転写ロールの回転周速度Vと前記不織布シートの移動速度Vとの速度差V−Vが0≦V−V≦100m/minであり、前記転写ロールと前記テンションロールとの離間距離は、薬液が含浸される前の不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲にあることを特徴としている。
前記構成により、転写ロールの回転周速度Vと不織布シートの移動速度V(テンションロールの回転周速度と同程度の速度。)との速度差V−Vを0≦(V−V)≦100m/minとしており、転写ロールとテンションロールとの離間距離を、薬液が含浸される前の不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲にしているので、不織布シートに伸びや皺、割けを発生させることなく、含浸ムラが生じない薬液の転写ができるとともに、不織布シートに一旦含浸された薬液を液だれさせることなく不織布シート中に保持させることができる。
すなわち、V −Vが100m/minを超え、かつ、転写ロールとテンションロールとの離間距離を不織布シートの厚みを0.2mm未満とすると、不織布シートにストレスが掛かり、該不織布シート表面の毛羽立ち、皺、割けが生じやすくなるところ、V−Vを100m/min以下、かつ、離間距離を不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲とするので、不織布シート表面の毛羽立ち、皺、割けを回避することができる。
また、不織布シートは、薬液が含浸するにつれて、厚み方向に膨潤して厚くなるが、転写ロールとテンションロールとの離間距離を不織布シートの厚み程度とすると、両ロール間を通過する時に、離間距離の厚みに圧縮されるので、一旦含浸した薬液が絞り出されてしまうところ、離間距離を、不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲としているので、不織布シート中に薬液が所望の量で保持され、転写ロールの回転速度や、薬液の粘度・濃度を調整して転写ロール表面への薬液のピックアップ量を多くしても、液だれさせることなく、効率的に不織布シートへの含浸量を増加させて薬液の含浸ムラを回避することができる。
さらにまた、本発明の第3の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造装置は、前記薬液は、印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液であることを特徴としている。
前記構成により、薬液は、印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液としているので、印刷機等のブランケット胴や圧胴等のシリンダを洗浄する薬液含浸不織布シートを製造することができる。
また、転写ロールとテンションロールとの離間距離を不織布シートの厚みを超える範囲としており、不織布シート表面の毛羽立ち、皺、割けを生じないようにして洗浄液を不織布シートに含浸させているので、微小繊維が不織布シートから離脱し難く、印刷機等のブランケット胴や圧胴等のシリンダを洗浄する際に、微小繊維がシリンダ表面に付着し難い薬液含浸不織布シートを製造することができる。
さらにまた、本発明の第4の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造装置は、前記不織布シートと前記転写ロールの外周とが接触する円周角度θが1°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴としている。
前記構成により、不織布シートと転写ロールの外周とが接触する円周角度θを1°未満とすると、不織布シートと転写ロール表面との接触時間が短くなり、不織布シートの親水性又は疎水性の性質がならされないため、薬液の含浸ムラが生じ易くなるところ、円周角度θを1°≦θ≦180°とするので、薬液の含浸ムラを防ぐことができる。
ここで、不織布シートの親水性又は疎水性の性質がならされないため、薬液の含浸ムラが生じ易くなるという意味は、不織布シートに洗浄液を含浸するために、親水性のある木材パルプやレーヨン繊維を配合する必要があるが、親水性のある該木材パルプやレーヨン繊維のみからなる不織布シートでは、湿潤強度(該不織布シートのJIS P 8135で定義される縦方向及び横方向の湿潤引張強度)がなく不織布シートが破断するのを防ぐため、疎水性のポリエステル繊維等の合成繊維が配合されており、不織布シートと転写ロール表面との接触時間が短いと不織布シート中の疎水性繊維の存在によって繊維間への浸透が制限されて含浸ムラができるとの意味である。
すなわち、前記接触時間を長くするのは、疎水性の繊維が配合されていても、親水性の繊維の存在により不織布の繊維間に洗浄液を浸透させることができるからである。
また、円周角度θをθ≧1°としながら、不織布シートと転写ロールとの接触時間を長くしようとするには、転写ロールの外周直径を大きくする必要があり、転写装置のコンパクト化の観点から好ましくない。
また、不織布シートと転写ロール表面の洗浄液とが接触する円周角度θをθ≦180°としているので、薬液の含浸量を増加する場合において、転写ロールの外周直径を大きくすることなく、装置全体を小型化できる。
本発明の第5乃至8の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造方法は、本発明の第1乃至4の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造装置に関する発明を方法のカテゴリーによって再定義したものである。
すなわち、本発明の第5の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造方法は、巻芯にロール状に巻かれた不織布シートロールを繰り出す不織布シート繰出工程と、薬液の入った容器中に浸った転写ロールを回転させて該転写ロール表面に薬液を転写させる薬液転写工程と、前記薬液転写工程によって前記薬液を転写された転写ロールと該転写ロールを挟むように対峙する2つのテンションロールとの間を、前記不織布繰出工程によって繰り出された不織布シートを前記転写ロールに接触させながら、前記不織布シートに前記転写ロール表面の薬液を含浸させる薬液含浸工程と、前記薬液含浸工程によって薬液が含浸された前記不織布シートを巻き取りロールによって巻き取る不織布シート巻取工程とを含み、前記転写ロールは、前記テンションロールから離間しており、回転周速度及び回転方向を前記不織布シートの移動と同調させずに変更可能に設けられていることを特徴としている。
本発明の第6の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造方法は、前記転写ロールの回転周速度Vと前記不織布シートの移動速度Vとの速度差V−Vは、0≦(V−V)m/minであり、前記転写ロールと前記テンションロールとの離間距離は、薬液が含浸される前の不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲にあることを特徴としている。
本発明の第7の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造方法は、前記薬液は、印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液であることを特徴としている。
本発明の第8の側面に係る薬液含浸不織布シートの製造方法は、前記不織布シートと前記転写ロールの外周とが接触する円周角度θが1°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴としている。
本発明によれば、薬液含浸不織布シートロールの巻回方向や幅方向に含浸ムラが生じない薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法を提供することができる。
薬液含浸不織布シートの製造装置の一実施形態を模式的に示した側面図である。 薬液含浸不織布シートの製造装置の一実施形態を模式的に示した平面図である。 薬液含浸不織布シートの製造装置の不織布シート繰出部の構成の説明に供する図であって、(A)巻芯に巻回された不織布シートロールの図であり、(B)巻芯の中空部に軸芯が挿入された不織布シートロールの図である。 薬液含浸不織布シートの製造装置の薬液含浸部の構成及び動作の説明に供する図である。 薬液含浸不織布シートの製造装置の他の実施形態を模式的に示した側面図であって、(A)薬液含浸不織布シートの製造装置の全体図であり,(B)(A)の薬液含浸部の部分拡大図である。 薬液含浸不織布シートの製造工程を示すフローチャートである。 従来の薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法の説明に供する図であって、(A)ディッピング方式、(B)スプレーバー方式である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、例えば図1又は図5に示すような構成の薬液含浸不織布シート11の製造装置1,21に適用される。
1.薬液含浸不織布シート11の製造装置1,21の構成
先ず、図1乃至図3を参照して、薬液含浸不織布シート11の製造装置1の構成について説明する。
薬液含浸不織布シート11の製造装置1は、図1に示すように、薬液含浸前の不織布シート10(以下、単に不織布シート10という。)の繰出部31と、薬液転写部32と、薬液含浸部33と、薬液含浸不織布シート11の巻取部34と、前記各部の回転ロールを軸支するフレーム40とを主要部として備えている。フレーム40は、図2に示すように、不織布シート10の繰出部31,薬液転写部32,薬液含浸部33,薬液含浸不織布シート11の巻取部34の順に、不織布シート10及び薬液含浸不織布シート11の流れに沿って、前記各部に設けられている回転ロールの軸芯の両端部を軸支する一対の対向支持板41,41'が取り付けられている。
不織布シート10の繰出部31は、回転ロールの軸芯61と、軸芯61の回転を制御するパウダーブレーキ51と、パウダーブレーキ制御盤50と、軸芯61に着脱自在に取り付けられた不織布シートロール12とを備えている。不織布シートロール12は、図3(A)に示すように、巻芯12'に不織布シート10がロール状に巻回されたものであり、図3(B)に示すように、円筒形の形状をした巻芯12'の中空部に軸芯61が着脱自在に挿入されている。軸芯61は、両端部が、支持板41,41'に軸支されている。
薬液転写部32は、洗浄液を含む薬液15が注入されているトレー様の容器16と、薬液15にロール外周面の一部が浸漬している転写ロール13と、転写ロール13を回転駆動させる駆動装置52とを備えている。
容器16は、支持板41,41'の間に納まる幅をなしており、両端部が、支持板41,41'に固定されている。薬液15としては、例えば印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液が挙げられる。
転写ロール13は、不織布シート10の流れに対して垂直、且つ、床面に対して水平に設置されており、外周面の下側の一部が、軸心方向の全幅に亘って、容器16に注入された薬液15に浸漬するように配置されている。転写ロール13は、ロール本体の両端面中心から突出した軸芯62を備えており、この軸芯62を回転軸として支持板41,41'に軸支されている。なお、図5に示すように、転写ロール13と不織布シート10との間に、転写ロール13と接触させて同方向に回転する別の転写ロール13'を設けてもよい(製造装置21に相当。)。転写ロール13'を設けることで、転写ロール13から不織布シート10に供給される薬液量の変動を容易に低減することができる。なお、転写ロール13は、後述の駆動装置52によって駆動する。
駆動装置52は、電気モーター72(図示省略。)と、電気モーター72の回転を軸芯62に伝達するベルトやギヤ(図示省略。)等を備え、ベルトやギヤ等を介して、軸芯62の端部の一方に連結され、軸芯62が、電気モーター72の回転駆動に連動して回転するようになっている。駆動装置52は、後述する制御部81によって、電気モーター72の回転速度が制御される。
薬液含浸部33は、薬液転写部32の容器16に注入された薬液15を転写する転写ロール13と、転写ロール13を回転駆動させる駆動装置52と、繰出部31から送られてくる不織布シート10にテンションを付与するとともに転写ロール13に不織布シート10を接触させる角度θを設定するためのテンションロール14,14'とを備えている。
テンションロール14,14'は、不織布シート10の流れに対して垂直、且つ、床面に対して水平に設置されており、ロール本体の両端面中心から突出した軸芯63,63'を備えており、この軸芯63,63'を回転軸として支持板41,41'に軸支されている。テンションロール14,14'は、例えば、金属ロールやゴムロールを使用することができる。
転写ロール13は、薬液転写部32と薬液含浸部33との両方にまたがっているので、ここでは[0035]段落の記載と重複する箇所の説明を省略する。転写ロール13は、テンションロール14,14'とに対峙するように設けられていてもよい。転写ロール13とテンションロール14,14'との間に、不織布シート10の厚み以上に離間した離間部17が形成されている。離間部17の離間距離Lは、例えば、薬液15が含浸される前の不織布シート10の厚みを0.2〜5mm超える範囲に設定する。
駆動装置52は、電気モーター72(図示省略。)と、電気モーター72の回転を軸芯62に伝達するベルトやギヤ(図示省略。)等を備え、ベルトやギヤ等を介して、軸芯62の端部の一方に連結され、軸芯62が、電気モーター72の回転駆動に連動して回転するようになっている。駆動装置52は、後述する制御部81によって、電気モーター72の回転速度が制御される。
巻取部34は、薬液含浸部33の後段に位置し、2つの巻取ドラム19,19'と、軸芯64,64'を回転駆動させる駆動装置53と、ライダーロール20とから構成されている。巻芯18'が両巻取ドラム19,19'とライダーロール20との3点で支持されながら回転することによって、薬液含浸不織布シートロール18が、巻芯18'に巻き取られる。軸芯64と軸芯64'とは、両端部が、支持板41,41'に軸支されている。薬液含浸不織布シートロール18は、ライダーロール20によって上方から加圧されることで、薬液含浸不織布シートロール18の巻き締めの硬さがコントロールされるようになっている。
駆動装置53は、電気モーター73と、電気モーター73の回転を軸芯64,64'に伝達するベルトやギヤ(図示省略。)等を備え、ベルトやギヤ等を介して、軸芯64,64'の端部の一方に連結され、軸芯64,64'が、電気モーター73の回転駆動に連動して回転するようになっている。駆動装置53は、後述する制御部81によって、電気モーター73の回転速度が制御される。
制御部81は、駆動装置52,53に設けられた電気モーターのそれぞれに対して、起動や、停止、回転方向、回転速度等を制御する制御回路を備えている。
2.薬液含浸不織布シート11の製造方法
次に、図1及び図6を参照しながら、薬液含浸不織布シート11の製造方法について説明する。図6は、薬液含浸不織布シート11の製造工程を示すフローチャートである。
薬液含浸不織布シート11の製造方法は、図6のフローチャートに示すように、不織布シートロール12から不織布シート10を繰り出すステップST1(特許請求の範囲における不織布シート繰出工程に対応する。)と、転写ロール13のロール表面に薬液15を転写させるステップST2(特許請求の範囲における薬液転写工程に対応する。)と、不織布シート10に転写ロール表面の薬液15を含浸させるステップST3(特許請求の範囲における薬液含浸工程に対応する。)と、薬液15が含浸された薬液含浸不織布シート11を巻き取るステップST4(特許請求の範囲における不織布シート巻取工程に対応する。)とで構成されている。
ステップST1では、図1及び図2に示すように、巻取部34は、駆動装置53を駆動させ、2つの巻取ドラム19,19'を回転駆動させて、巻芯18'を回転周速度Vで回転させる。巻芯18'が巻取速度Vで回転すると、不織布シートロール12及びテンションロール14,14'が回転周速度Vで回転し、不織布シート10が繰出速度Vで薬液転写部32に繰り出される。各回転周速度Vは、例えば、100m/minである。
ステップST2では、図1及び図2に示すように、薬液転写部32において、制御部81からの信号を受けて、駆動装置52の電気モーター72が回転し、ベルト又はギヤを介して、転写ロール13が回転周速度Vで回転する。転写ロール13の回転周速度Vは、V≧100m/minとする。
次いで、転写ロール13が、転写ロール13の表面に薬液15をピックアップしながら、ステップST1で不織布シート繰出部31から繰り出された不織布シート10に薬液15を転写する。
ステップST2では、不織布シート11は、テンションロール14,14'が、不織布シート11の移動方向にテンションを掛けながら転写ロール13に接触させて不織布シート11に薬液を転写させる。テンションロール14,14'の回転周速度は、通常、不織布シート11の移動速度Vと同一速度であるが、テンションロール14,14'と不織布シート11との間でスリップが生ずる場合には、移動速度Vよりも回転速度が遅くなる。
ステップST2では、薬液転写部32は、図4に示すように、転写ロールの回転周速度Vとテンションロールの回転周速度Vとの速度差V−Vは、V−V≧0である。転写ロール13とテンションロール14,14'との離間距離Lが、不織布シート10の厚みを0.2〜5mm超える範囲に設定されると、薬液含浸不織布シート11に伸びや皺、割けを発生させることなく、含浸ムラが生じない薬液15の転写ができるとともに、薬液含浸不織布シート11に一旦含浸された薬液15を液だれさせることなく薬液含浸不織布シート11中に保持させることができる。
また、薬液転写部32は、図4に示すように、不織布シート10と転写ロール13の外周とが接触する円周角度θをθ≧1°とするので、薬液15の含浸ムラを防ぐことができ、円周角度θをθ≦180°とするので、薬液15の含浸量を増加する場合において、転写ロール13の外周直径を大きくすることなく、製造装置1,21全体を小型化できる。
ステップST3では、テンションロール14,14'は、ステップST1で不織布シート繰出部31から繰り出された不織布シート10を転写ロール13とテンションロール14,14'との離間部17に通し、不織布シート10に薬液15を含浸させながら巻取部34に送り出す。なお、図1及び図2において、薬液転写部32と薬液含浸部33とは別の位置に配されているが、薬液15の転写と含浸が同時に実現する場合には、薬液含浸部33は、薬液転写部32の位置に配されることになる。
ステップST4では、図1及び図2に示すように、巻取部34は、制御部81からの信号を受けて、駆動装置52の電気モーター72が回転周速度Vで回転し、2つの巻取ドラム19,19'とライダーロール20とを介して、巻芯18'が回転周速度Vで回転する。巻芯18'が回転周速度Vで回転すると、ステップST3でテンションロール14,14'から送り出され、薬液15が含浸した薬液含浸不織布シート11が巻芯18'に巻き取られて薬液含浸不織布シートロール18が形成される。
以上の工程を経て、不織布シート10に適量の薬液15が均一に含浸するので、薬液15の液だれや含浸ムラのない薬液含浸不織布シート11を製造することができる。
3.薬液含浸不織布シート11の評価
薬液含浸不織布シート11を評価するにあたり、製造装置1を使用して、本発明に係る製造方法により、薬液含浸不織布シート11を製造した。製造条件は下記の通りである。
不織布シート10は、繊維配合が、パルプが40g/m(38.5wt%に相当する。)、ポリエステル繊維が25g/m(61.5wt%に相当する。)であって、スパンレース法で目付65g/mに抄造されたものを採用し、巻芯12'にロール幅が1,676mmで、巻長さが1,000mに巻回された不織布シートロール12を使用した。
次に、薬液15には、オフセット印刷機のシリンダの洗浄液(水80wt%、洗浄液有効成分20wt%)を採用した。不織布シート10への洗浄液含浸量は、65g/m程含浸させて、合計目付130g/m(元の65g/mの目付の200wt%に相当。)とした。
転写ロール13とテンションロール14,14'との離間距離Lは、不織布シート10の厚み+10mmに設定した。
前述した製造条件で製造された薬液含浸不織布シート11は、薬液15の含浸量が65g/m、薬液含浸不織布シートロール18の重量が217.88kgであった(巻芯18'の重量を除く)。
以下の項目を評価した。
(1)薬液含浸不織布シートロール18の幅方向の薬液含浸不織布シート11の薬液含浸のムラがないこと(以下、幅方向の薬液含浸ムラという。)。
(2)薬液含浸不織布シートロール18の巻回方向の薬液含浸不織布シート11の薬液含浸のムラがないこと(以下、巻回方向の薬液含浸ムラという。)。
(3)薬液含浸不織布シートロール18の液だれがないこと(以下、液だれという。)。
各評価項目の評価基準は以下の通りである。
(1)幅方向の薬液含浸ムラについては、薬液含浸不織布シートロール18の外周表面の薬液含浸不織布シート11の幅方向の5点の水分率の平均値のバラツキが10%以内であること。
(2)巻回方向の薬液含浸ムラについて、薬液含浸不織布シートロール18の外周面の水分率と巻き芯水分率との差が10%以内であること。
(3)液だれについて、薬液含浸不織布シートロール18の肉眼で観察した際に表面の反射がないこと。
測定方法は以下の通りである。
(1)巻薬液含浸不織布シートロール18の幅方向の5点の水分率測定(JIS P 8127に準じる水分測定法による。)
(2)薬液含浸不織布シートロール18の外周面の薬液含浸不織布シート11幅方向全幅の水分率及び測定及び巻き芯際の不織布シート11の幅方向の水分率の測定(JIS P 8127に準じる水分測定法による。)
(3)薬液含浸不織布シートロール18表面の肉眼による観察で光反射が認められないこと。
前記の評価の結果は、上記評価基準を満たすものであった。
前述した製造条件で製造された薬液含浸不織布シート11を用いて、オフセット印刷機のシリンダの洗浄を行った結果、薬液含浸不織布シートロール18の幅方向及び薬液含浸不織布シート11の繰り出し方向において薬液15の含浸ムラがなく洗浄効果は良好であった。
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1,21 薬液含浸不織布シートの製造装置
10 不織布シート
11 薬液含浸不織布シート
12 不織布シートロール
12',18' 巻芯
13,13' 転写ロール
14,14' テンションロール
15 薬液
16 容器
17 離間部
18 薬液含浸不織布シートロール
19,19' 巻取ドラム
20 ライダーロール
31 繰出部
32 薬液転写部
33 薬液含浸部
34 巻取部
40 フレーム
41,41' 支持板
50 パウダーブレーキ制御盤
51 パウダーブレーキ
52,53 駆動装置
61,62,63,63',64,64' 軸芯
72,73 電気モーター
81 制御部
101,101' 巻芯
102 スパンレース不織布
102' スパンレース不織布シート
103 容器
104,104' 洗浄液
105 スプレーノズル
106 スプレーバー
107,107' 薬液含浸不織布シート
L 離間距離

Claims (6)

  1. 巻芯にロール状に巻かれた不織布シートロールから不織布シートを繰り出す不織布シート繰出手段と、
    薬液の入った容器中に浸った転写ロールを回転させて該転写ロール表面に薬液を転写させる薬液転写手段と、
    前記薬液転写手段によって前記薬液を転写された転写ロールと該転写ロールを挟むように対峙する2つのテンションロールとの間を、前記不織布繰出手段によって繰り出された不織布シートを前記転写ロールに接触させながら、前記不織布シートに前記転写ロール表面の薬液を含浸させる薬液含浸手段と、
    前記薬液含浸手段によって薬液が含浸された前記不織布シートを巻き取りロールによって巻き取る不織布シート巻取手段とを含み、
    前記転写ロールは、前記テンションロールから離間しており、回転周速度及び回転方向を前記不織布シートの移動と同調させずに変更可能に設けられており、
    前記転写ロールの回転周速度V と前記不織布シートの移動速度V との速度差V −V が0≦V −V ≦100m/minであり、
    前記転写ロールと前記テンションロールとの離間距離は、薬液が含浸される前の不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲にあることを特徴とする薬液含浸不織布シートの製造装置。
  2. 前記薬液は、印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液であることを特徴とする請求項に記載の薬液含浸不織布シートの製造装置。
  3. 前記不織布シートと前記転写ロールの外周とが接触する円周角度θが1°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴とする請求項又は請求項に記載の薬液含浸不織布シートの製造装置。
  4. 巻芯にロール状に巻かれた不織布シートロールから不織布シートを繰り出す不織布シート繰出工程と、
    薬液の入った容器中に浸った転写ロールを回転させて該転写ロール表面に薬液を転写させる薬液転写工程と、
    前記薬液転写工程によって前記薬液を転写された転写ロールと該転写ロールを挟むように対峙するテンションロールとの間を、前記不織布繰出工程によって繰り出された不織布シートを前記転写ロールに接触させながら、前記不織布シートに前記転写ロール表面の薬液を含浸させる薬液含浸工程と、
    前記薬液含浸工程によって薬液が含浸された前記不織布シートを巻き取りロールによって巻き取る不織布シート巻取工程とを含み、
    前記転写ロールは、前記テンションロールから離間しており、回転周速度及び回転方向を前記不織布シートの移動と同調させずに変更可能に設けられており、
    前記転写ロールの回転周速度V と前記不織布シートの移動速度V との速度差V −V が0≦V −V ≦100m/minであり、
    前記転写ロールと前記テンションロールとの離間距離は、薬液が含浸される前の不織布シートの厚みを0.2〜5mm超える範囲にあることを特徴とする薬液含浸不織布シートの製造方法。
  5. 前記薬液は、印刷機のシリンダの周面を洗浄する洗浄液であることを特徴とする請求項に記載の薬液含浸不織布シートの製造方法。
  6. 前記不織布シートと前記転写ロールの外周とが接触する円周角度θが1°≦θ≦180°の範囲にあることを特徴とする請求項又は請求項に記載の薬液含浸不織布シートの製造方法。
JP2014149398A 2014-07-23 2014-07-23 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法 Active JP6381329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149398A JP6381329B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014149398A JP6381329B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016023387A JP2016023387A (ja) 2016-02-08
JP2016023387A5 JP2016023387A5 (ja) 2017-08-03
JP6381329B2 true JP6381329B2 (ja) 2018-08-29

Family

ID=55270428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014149398A Active JP6381329B2 (ja) 2014-07-23 2014-07-23 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6381329B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016023387A (ja) 2016-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3442368B2 (ja) 印刷機の胴、特に版胴及びゴム胴用の消去兼クリーニング装置
CN107614404B (zh) 液体喷射装置和液体喷射装置的传送带的清洁方法
KR20120113239A (ko) 티슈 페이퍼 제품용 2차 원단 롤의 제조방법
JP2011067985A (ja) 液体吐出ヘッド清掃装置およびインクジェット記録装置、液体吐出ヘッド清掃方法
US7998275B2 (en) Method for cleaning a circumferential surface of a cylinder of a printing press
JP6381329B2 (ja) 薬液含浸不織布シートの製造装置及び製造方法
JP4995705B2 (ja) アニロックス式印刷ユニットを作動させる方法
JP2016023387A5 (ja)
EP1592521A2 (en) System for production-line printing on wet web material
WO2018078694A1 (ja) 印刷用ブランケットの活性化装置及び印刷用ブランケットを使用した印刷方法
GB2319018A (en) Web retrieval device
JP4678197B2 (ja) 半田ペースト用クリーニングシート
US20160250844A1 (en) A method for producing a wash cloth for cleaning the printing cylinders of a printing press and a wash cloth manufactured by the method
JP6963885B2 (ja) ブランケット胴の洗浄方法
EP3359379B1 (en) Method for fabricating cleaning cloths for printing cylinders
JP2606047Y2 (ja) 印刷機の洗浄ワイピング装置
FI101059B (fi) Menetelmä painokoneen keskisylinterin puhdistamiseksi
CN101835614A (zh) 油墨捕集方法及其装置
JP2013132836A (ja) 凹版印刷機のワイピング装置
DE102006009085B4 (de) Verfahren und Vorrichtung zum Waschen eines Zylinders einer Druckmaschine
DE102014113178A1 (de) Reinigungsvorrichtung für eine Druckmaschine
JP5795216B2 (ja) 印刷機のドラム洗浄装置
KR102238057B1 (ko) 기능성 필름 프린팅 장치
JP6709940B2 (ja) 印刷機のインキ供給装置
JPH0999549A (ja) 印刷機の元ローラ洗浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170615

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6381329

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S631 Written request for registration of reclamation of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313631

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250