JP6380791B2 - マイクロサイズ銀粒子を用いた接合方法 - Google Patents

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Description

本発明はマイクロサイズ銀粒子を用いた接合方法に関し、より具体的には、接合層内の残留有機成分及び結晶粒界を低減することができ、熱伝導性及び電気伝導性に優れた接合部を得ることができる安価な接合方法に関する。
金属部品と金属部品とを機械的及び/又は電気的及び又は熱的に接合するために、従来より、はんだ、導電性接着剤、銀ペースト及び異方導電性フィルム等が用いられている。これら導電性接着剤、銀ペースト及び異方導電性フィルム等は、金属部品だけでなく、セラミック部品や樹脂部品等を接合する場合に用いられることもある。例えば、LED等の発光素子の基板への接合、半導体チップの基板への接合、及びこれらの基板の更に放熱部材への接合等が挙げられる。
なかでも、はんだ並びに金属からなる導電フィラーを含む接着剤、ペースト及びフィルムは、電気的な接続を必要とする部分の接合に用いられている。更には、金属は一般的に熱伝導性が高いため、これらはんだ並びに導電フィラーを含む接着剤、ペースト及びフィルムは、放熱性を上げるために使用される場合もある。
一方、例えば、LED等の発光素子を用いて高輝度の照明デバイスや発光デバイスを作製する場合、或いは、パワーデバイスと言われる高温で高効率の動作をする半導体素子を用いて半導体デバイスを作製する場合等には、発熱量が上がる傾向にある。デバイスや素子の効率を向上させて発熱を減らす試みも行われているが、現状では十分な成果が出ておらず、デバイスや素子の使用温度が上がっているのが実情である。
また、接合時におけるデバイスの損傷を防ぐという観点からは、低い接合温度(例えば350℃以下)で十分な接合強度を確保できる接合材が求められている。したがって、デバイスや素子等を接合するための接合材に対しては、接合温度の低下とともに、接合後におけるデバイスの動作による使用温度の上昇に耐えて十分な接合強度を維持できる耐熱性が求められているが、従来からの接合材では十分な対応ができないことが多い。例えば、はんだは、金属を融点以上に加熱する工程(リフロー工程)を経て部材同士を接合するが、一般的に融点はその組成に固有であるため、耐熱温度を上げようとすると加熱(接合)温度も上がってしまう。
更に、はんだを用いて素子や基板を数層重ね合わせて接合する場合、重ね合わせる層の数だけ加熱工程を経る必要であり、既に接合した部分の溶融を防ぐためには、次の接合に用いるはんだの融点(接合温度)を下げる必要があり、また、重ね合わせる層の数だけはんだ組成の種類が必要になり、取扱いが煩雑になる。
他方、導電性接着剤、銀ペースト及び異方導電性フィルムでは、含有するエポキシ樹脂等の熱硬化を利用して部材同士を接合するが、得られたデバイスや素子の使用温度が上がると樹脂成分が分解、劣化することがある。例えば、特許文献1(特開2008−63688号公報)においては、接合材の主材として用いて被接合部材同士を接合した時により高い接合強度が得られるようにした微粒子が提案されているが、使用温度上昇時における樹脂成分の分解、劣化の問題は解消されていない。
また、高い使用温度において用いられる高温はんだには、従来より鉛を含むはんだが用いられている。鉛は有毒性があるため、はんだは鉛フリー化への流れが顕著である。高温はんだには他に良い代替材料が存在しないため、依然として鉛はんだが使用されているが、環境問題の観点から、鉛を使用しない接合材が切望されている。
近年、高温はんだの代替材料として、銀、金などの貴金属を中心とする金属ナノ粒子を用いた接合材が開発されている(例えば、特開2012−046779)。しかしながら、金属ナノ粒子は高価であるだけでなく、金属ナノ粒子の焼結によって得られる接合層には金属ナノ粒子の分散剤や溶媒として使用される有機物が残留してしまう。また、金属ナノ粒子の焼結によって得られる接合層では結晶粒界の割合が大きくなってしまい、熱伝導性及び電気伝導性を低下させる原因となる。加えて、金属ナノ粒子を接合に用いる場合は有機物の蒸発により、接合中の体積変化が大きくなってしまうという問題が存在する。
特開2008−63688号公報 特開2012−046779号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、接合層内の残留有機成分及び結晶粒界を低減することができ、熱伝導性及び電気伝導性に優れた接合部を得ることができる安価な接合方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく接合用組成物の組成について鋭意研究を重ねた結果、毬栗形状を有するマイクロサイズの銀粒子を含有する金属接合用組成物を被接合材間に塗布して低温で加熱することが上記目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
放射状に延設された凸部と、前記凸部の間隙に凹部と、を備えるとともに、内部に、導電材料としての銀を結晶成長させるための核物質であって、前記核物質として、金属系粒子又はセラミック系粒子を含んでなる銀を含み、前記核物質の平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする導電粉を含む接合用組成物を用い、
接合すべき2つの部材の間に前記接合用組成物を介在させた後、前記部材を150〜350℃に加熱するとともに加圧する工程を含むこと、
を特徴とする接合方法を提供する。
換言すると、本発明の接合方法は、
接合すべき2つの部材の間に接合用組成物を介在させた後、前記2つの部材を150〜350℃に加熱するとともに加圧する工程を含み、
前記接合用組成物が、放射状に延設された凸部と、前記凸部の間隙における凹部と、を備えるとともに、内部に、導電材料としての銀を結晶成長させるための核物質として、金属系粒子又はセラミック系粒子を含んでなる銀を含む平均粒径が1〜10μmの導電粉を含むこと、
を特徴とするものである。
平均粒径が1〜10μmであるマイクロサイズ銀粒子を使用することで、分散性確保等のための有機物を低減することができ、接合層内の残留有機成分及び接合プロセス中の接合層の体積変化を大幅に低減することができる。また、ナノサイズの金属粒子と比較して接合層内の結晶粒界の割合を低下させることができるため、熱伝導性及び電気伝導性に優れた接合部を得ることができる。更に、マイクロサイズ銀粒子は一般的な金属ナノ粒子と比較して安価に製造することができるため、接合にかかるコストを低減することができる。ここで、マイクロサイズ銀粒子が有する微細な凸部が低温焼結性を担保するため、150〜350℃の低温における接合が可能となる。
本発明の接合方法においては、前記接合用組成物における前記導電粉の含有量が70〜80質量%であること、が好ましい。導電粉の含有量が70質量%以上であると、被接合面に塗布した接合用組成物が加熱された際に、導電粉同士の接触を担保することができ、十分な接合強度を得ることができる。加えて、導電粉の含有量が70質量%以上であると接合用組成物に適度な粘性が発現し、接合用組成物を被接合面に塗布しやすくなる。また、導電粉の含有量が80質量%以下であると、被接合面に接合用組成物を均一に塗布しやすくなる。
ここで、接合用組成物の導電粉の含有量が少なくなると導電粉同士の接点(焼結の起点)が少なくなり、接合強度が著しく低下するのが一般的である。これに対し、本発明の接合方法においては、導電粉として比較的大きなマイクロサイズ銀粒子を使用していることに加え、当該マイクロサイズ銀粒子は表面に放射状に延設された凸部を有していることから、接合用組成物中の導電粉の含有量が70〜80質量%と少ない場合であっても十分な接合強度を発現することができる。
本発明の接合方法においては、前記凸部の形状が、針状、桿状、又は花弁状からなる群から選択される少なくとも一つの形状であること、が好ましい。また、前記凸部の形状が針状からなる前記導電粉、前記凸部の形状が桿状からなる前記導電粉、及び前記凸部の形状が花弁状からなる前記導電粉を全て含む前記接合用組成物を用いること、が好ましい。
更に、本発明の接合方法においては、前記工程の加圧を10MPa程度と低くすることができ、前記部材の自重圧下で行うことも可能である。
本発明によれば、接合層内の残留有機成分及び結晶粒界を低減することができ、熱伝導性及び電気伝導性に優れた接合部を得ることができる安価な接合方法を提供する。
実施例で用いたマイクロサイズ銀粒子のSEM写真である。 実施例で用いた接合試験片の概略図である。 実施例で得た接合継手のせん断強度を示すグラフである。 250℃で加熱したマイクロサイズ銀粒子のSEM写真である。 実施例で得た接合継手1の接合層断面のSEM写真である。 実施例で得た接合継手のせん断強度を示すグラフである。
以下、本発明のマイクロサイズ銀粒子を用いた接合方法の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態を示すに過ぎず、これらによって本発明が限定されるものではなく、また、重複する説明は省略することがある。
(1)接合用組成物
本実施形態の接合用組成物は、金属粒子として、平均粒径が1〜10μmである毬栗状の導電粉(マイクロサイズ銀粒子)と有機溶媒等との混合物であることを特徴とし、必要に応じて分散剤等を含有している。以下においてこれら各成分について説明する。
(1−1)導電粉(マイクロサイズ銀粒子)
本実施形態の接合用組成物の金属粒子としては、平均粒径が1〜10μmである毬栗状の導電粉を用いることが好ましい。平均粒径をマイクロサイズとすることで、ナノサイズの粒子と比較して分散性及び安定性が向上するため、分散性及び安定性を確保するために必要となる有機物の量を大幅に低減することができる。加えて、平均粒径を10μm未満とすることで、金属粒子間の接点等を確保するために十分な表面積を得ることができる。導電粉の平均粒径は、レーザー方式のパーティクルカウンターにより測定することができるし、あるいは電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
また、本実施形態の接合用組成物の金属粒子として好ましいのは、(a)凹凸{即ち、粒子の中心からみて放射状に延設された凸部(突起と称することがある)、及び当該凸部同士の間隙にある凹部(窪みと称することがある)と、}を備えるとともに、(b)内部に、導電材料としての銀を結晶成長させるための核物質であって、当該核物質として、金属系粒子又はセラミック系粒子を含んでなる銀を含み、前記核物質の平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする導電粉である。放射状に延設された凸部同士、及び放射状に延設された凸部と当該凸部の間隙の凹部とが良好に接触し、低温(150〜350℃)に保持することで当該接触部から焼結が効果的に進行する。
上述のとおり、導電粉の凸部の形状は、針状(若しくは繊維状)、桿状、及び花弁状からなる群から選択される少なくとも一つの形状であること、が好ましい。更には、接合用組成物に、凸部の形状が針状からなる導電粉、凸部の形状が桿状からなる導電粉、及び凸部の形状が花弁状からなる導電粉を全て含むことが好ましい。
針状の凸部を有する銀粉と、桿状の凸部を有する銀粉と、花弁状の凸部を有する銀粉とを組合せることにより、接点の形成が容易となって、低温焼結性がさらに向上する。より具体的には、導電粉の全体量を100重量%としたときに、針状の凸部を有する銀粉を10〜50重量%、桿状の凸部を有する銀粉を15〜50重量%、及び花弁状の凸部を有する銀粉を20〜50重量%の範囲内で適宜混合使用することが好ましい。
凸部の長さは、当該凸部の先端に接して囲む閉曲面の成す球の平均半径の40%超とすることが好ましい。この理由は、このような凸部であれば、適当な大きさを有することになり、凹部との嵌合連結がより確実なものとなり、嵌合部分の機械的安定性も向上するためである。
凹部は、凸部同士の間隙に設けられた窪み形状であって、断面方向横からみた場合に、凸部が入り込むことのできる形状(より理想的には凸部が凹部に嵌合連結可能な形状)であれば良い。この理由は、このように構成することにより、隣接する導電粉間で、凸部と凹部とが容易に嵌合連結することができるためである。また、凹部の深さ(大きさ)を導電粉に占める凹部の体積、すなわち凹部からなる空隙率で表すことが可能である。具体的に、凸部の先端を囲む閉曲線からなる球の体積を100容量%としたときに、凹部からなる空隙率を40容量%以上の値とすることが好ましい。この理由は、かかる凹部からなる空隙率が40容量%未満の値となると、凸部と、凹部との嵌合連結が不十分となる場合があるためである。一方、かかる凹部からなる空隙率が過度に大きくなると、導電粉の機械的強度が著しく低下する場合がある。したがって、凹部からなる空隙率を42〜70容量%の範囲内の値とすることがより好ましく、45〜60容量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
核物質は、金属系粒子又はセラミック系粒子(無機系粒子)であることが好ましい。この理由は、金属系粒子を使用することにより、比重や粒径の調整が容易になるばかりか、形状保持性や電気抵抗率の調整についても容易になるためである。さらに、セラミック系粒子を使用することにより、比重や粒径の調整が容易になるばかりか、形状保持性や耐熱性等の特性についてもさらに向上させることができるためである。
ここで、金属系粒子としては、銀粒子、金粒子、銅粒子、アルミニウム粒子、亜鉛粒子、半田粒子、錫粒子、ニッケル粒子等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられるが、銀粒子を用いることが好ましい。さらに、セラミック系粒子としては、シリカ粒子(ホワイトカーボン)、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化スズ粒子、酸化ニオブ粒子等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。 特に、これらの粒子のうち、シリカ粒子(ホワイトカーボン)や酸化チタン粒子を使用することにより、比重や粒径、あるいは電気抵抗率の調整が容易になるばかりか、形状保持性等の特性についても著しく向上させることができることから、好ましい核物質である
また、核物質の種類に関して、多孔質であるか、あるいは凝集粒子であることが好ましい。この理由は、多孔質や凝集粒子の核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設することができ、粒度分布がさらに狭く、かつ形状保持性に優れた導電粉を得ることができるためである。したがって、多孔質や凝集粒子からなる核物質に関して、BET表面積を0.01〜500m2/gの範囲内の値とすることが好ましい。なお、核物質が多孔質、あるいは凝集粒子であるか否かは、電子顕微鏡観察によって、容易に確認することができる。
核物質の添加量は、全体量に対して、0.01〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる核物質の添加量が0.01重量%未満の値になると、核物質を中心として、放射状に凸部を均一に延設することが困難になる場合があるためである。一方、かかる核物質の添加量が30重量%を超えると、導電粉の電気抵抗率が著しく上昇する場合があるためである。したがって、核物質の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、核物質の添加量は、所定量以上、例えば、1重量%以上であれば、一例として、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて測定することができる。
接合用組成物における導電粉の含有量は70〜80質量%とすることが好ましく、70〜77質量%とすることがより好ましく、70〜74質量%とすることが最も好ましい。導電粉の含有量が70質量%以上であると、被接合面に塗布した接合用組成物が加熱された際に導電粉同士の接触を担保することができ、十分な接合強度を得ることができ、80質量%以下であると、被接合面に接合用組成物を均一に塗布しやすい。また、当該質量%の範囲内でより導電粉の含有量が少ない範囲、具体的には70〜77質量%とすることで、比較的高価な導電粉の使用量をより低減させることができる(接合強度は維持される)。更に、70〜74質量%とすることで、接合強度の低下を最低限に抑えつつ、導電粉の使用量をより低減することができる。
ここで、接合用組成物の導電粉の含有量が少なくなると導電粉同士の接点が少なくなり、接合強度が著しく低下するのが一般的である。これに対し、本発明の接合方法においては、導電粉として比較的大きなマイクロサイズ銀粒子を使用していることに加え、当該マイクロサイズ銀粒子は表面に放射状に延設された凸部を有していることから、接合用組成物中の導電粉の含有量が70〜80質量%と少ない場合であっても十分な接合強度を発現することができる。
本実施形態の接合用組成物の金属粒子は、上述の特徴を有する導電粉(マイクロサイズ銀粒子)であれば特に制限されないが、例えば、化研テック株式会社製の導電粉を好適に用いることができる。
(1−2)その他
本実施形態の接合用組成物に用いる有機溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲で種々の有機溶媒を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、テルペン系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、セロソルブ系溶剤、カルビトール系溶剤等が挙げられる。より具体的には、ターピネオール、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、ブチルカービトール、デカン、ウンデカン、テトラデカン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ケロシン等の有機溶媒を用いることができる。
本実施形態の接合用組成物には、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、使用目的に応じた適度な粘性、密着性、乾燥性又は印刷性等の機能を付与するために、分散媒や、例えばバインダーとしての役割を果たすオリゴマー成分、樹脂成分、有機溶剤(固形分の一部を溶解又は分散していてよい。)、界面活性剤、増粘剤又は表面張力調整剤等の任意成分を添加してもよい。かかる任意成分としては、特に限定されない。
任意成分のうちの分散媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で種々のものを使用可能であり、例えば炭化水素及びアルコール等が挙げられる。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、環状炭化水素及び脂環式炭化水素等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
環状炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
更に、脂環式炭化水素としては、例えば、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等が挙げられる。
また、アルコールは、OH基を分子構造中に1つ以上含む化合物であり、脂肪族アルコール、環状アルコール及び脂環式アルコールが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、OH基の一部は、本発明の効果を損なわない範囲でアセトキシ基等に誘導されていてもよい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和C6-30脂肪族アルコール等が挙げられる。
環状アルコールとしては、例えば、クレゾール、オイゲノール等が挙げられる。
更に、脂環式アルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、テルピネオール(α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等が挙げられる。
本実施形態の接合用組成物中に分散媒を含有させる場合の含有量は、粘度などの所望の特性によって調整すれば良く、接合用組成物中の分散媒の含有量は、1〜30質量%であるのが好ましい。分散媒の含有量が1〜30質量%であれば、接合用組成物として使いやすい範囲で粘度を調整する効果を得ることができる。分散媒のより好ましい含有量は1〜20質量%であり、更に好ましい含有量は1〜15質量%である。
樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ブロックドイソシアネート等のポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メラミン系樹脂又はテルペン系樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、上記の分散媒として挙げられたものを除き、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、重量平均分子量が200以上1,000以下の範囲内であるポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量が300以上1,000以下の範囲内であるポリプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、グリセリン又はアセトン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、クレイ、ベントナイト又はヘクトライト等の粘土鉱物、例えば、ポリエステル系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリウレタン系エマルジョン樹脂又はブロックドイソシアネート等のエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キサンタンガム又はグアーガム等の多糖類等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記有機成分とは異なる界面活性剤を添加してもよい。多成分溶媒系の金属コロイド分散液においては、乾燥時の揮発速度の違いによる被膜表面の荒れ及び固形分の偏りが生じ易い。本実施形態の接合用組成物に界面活性剤を添加することによってこれらの不利益を抑制し、均一な導電性被膜を形成することができる接合用組成物が得られる。
本実施形態において用いることのできる界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の何れを用いることができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。少量の添加量で効果が得られるので、フッ素系界面活性剤が好ましい。
なお、有機成分量を所定の範囲に調整する方法は、加熱を行って調整するのが簡便である。また、導電粉を作製する際に添加する有機成分の量を調整することで行ってもよい。加熱はオーブンやエバポレーターなどで行うことができ、減圧下で行ってもよい。常圧下で行う場合は、大気中でも不活性雰囲気中でも行うことができる。更に、有機成分量の微調整のために、アミン(及びカルボン酸)を後で加えることもできる。
本実施形態の接合用組成物の粘度は、固形分の濃度は本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整すればよいが、例えば0.01〜5000Pa・Sの粘度範囲であればよく、0.1〜1000Pa・Sの粘度範囲がより好ましく、1〜100Pa・Sの粘度範囲であることが特に好ましい。当該粘度範囲とすることにより、被接合材に接合用組成物を塗布する方法として幅広い方法を適用することができる。
粘度の調整は、導電粉の粒径の調整、有機物の含有量の調整、分散媒その他の成分の添加量の調整、各成分の配合比の調整、増粘剤の添加等によって行うことができる。金属接合用組成物の粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計(例えばアントンパール社製のレオメーターMCR301)により測定することができる。
本発明の接合方法で用いる接合用組成物は、上述の導電粉及び有機溶媒等を従来公知の種々の方法で均一に混合することにより得ることができる。なお、混合方法は、乾式混合であっても良いし、溶媒等を用いて湿式混合を実施しても良い。
(2)接合方法
本実施形態の金属接合用組成物を用いれば、加熱を伴う部材同士の接合において高い接合強度を得ることができる。即ち、上記金属接合用組成物を第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布する接合用組成物塗布工程と、第1の被接合部材と第2の被接合部材との間に塗布した接合用組成物を、所望の温度(例えば350℃以下、好ましくは150〜300℃)で焼成して接合する接合工程と、により、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを接合することができる。この際、外部から加圧することもできるが、被接合部材の自重圧下のみでも十分な接合強度を得ることができるのも本発明の利点のひとつである。また、焼成を行う際、段階的に温度を上げたり下げたりすることもできる。また、予め被接合部材表面に界面活性剤又は表面活性化剤等を塗布しておくことも可能である。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記金属接合用組成物塗布工程での金属接合用組成物として、上述した本実施形態の金属接合用組成物を用いれば、第1の被接合部材と第2の被接合部材とを、高い接合強度をもってより確実に接合できる(接合体が得られる)ことを見出した。
ここで、本実施形態の金属接合用組成物の「塗布」とは、金属接合用組成物を面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗布されて、加熱により焼成される前の状態の金属接合用組成物からなる塗膜の形状は、所望する形状にすることが可能である。したがって、加熱による焼成後の本実施形態の接合体では、金属接合用組成物は、面状の接合層及び線状の接合層のいずれも含む概念であり、これら面状の接合層及び線状の接合層は、連続していても不連続であってもよく、連続する部分と不連続の部分とを含んでいてもよい。
本実施形態において用いることのできる第1の被接合部材及び第2の被接合部材としては、金属接合用組成物を塗布して加熱により焼成して接合することのできるものであればよく、特に制限はないが、接合時の温度により損傷しない程度の耐熱性を具備した部材であるのが好ましい。
このような被接合部材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミクス、ガラス又は金属等を挙げることができるが、なかでも、金属製の被接合部材が好ましい。金属製の被接合部材が好ましいのは、耐熱性に優れているとともに、無機粒子が金属である本発明の金属接合用組成物との親和性に優れているからである。
また、被接合部材は、例えば板状又はストリップ状等の種々の形状であってよく、リジッドでもフレキシブルでもよい。基材の厚さも適宜選択することができる。接着性若しくは密着性の向上又はその他の目的ために、表面層が形成された部材や親水化処理等の表面処理を施した部材を用いてもよい。
金属接合用組成物を被接合部材に塗布する工程では、種々の方法を用いることが可能であるが、上述のように、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー式、バーコート式、スピンコート式、インクジェット式、ディスペンサー式、ピントランスファー法、刷毛による塗布方式、流延式、フレキソ式、グラビア式、又はシリンジ式等のなかから適宜選択して用いることができる。
上記のように塗布した後の塗膜を、被接合部材を損傷させない範囲で、例えば350℃以下の温度に加熱することにより焼成し、本実施形態の接合体を得ることができる。本実施形態においては、先に述べたように、本実施形態の金属接合用組成物を用いるため、被接合部材に対して優れた密着性を有する接合層が得られ、強い接合強度がより確実に得られる。
本実施形態においては、金属接合用組成物がバインダー成分を含む場合は、接合層の強度向上及び被接合部材間の接合強度向上等の観点から、バインダー成分も焼結することになるが、場合によっては、各種印刷法へ適用するために接合用組成物の粘度を調整することをバインダー成分の主目的として、焼成条件を制御してバインダー成分を全て除去してもよい。
上記焼成を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば従来公知のオーブン等を用いて、被接合部材上に塗布又は描画した上記金属接合用組成物の温度が、例えば350℃以下となるように焼成することによって接合することができる。上記焼成の温度の下限は必ずしも限定されず、被接合部材同士を接合できる温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲の温度であることが好ましい。ここで、上記焼成後の金属接合用組成物においては、なるべく高い接合強度を得るという点で、有機物の残存量は少ないほうがよいが、本発明の効果を損なわない範囲で有機物の一部が残存していても構わない。
なお、本発明の接合方法で用いる金属接合用組成物には、有機物が含まれているが、従来の例えばエポキシ樹脂等の熱硬化を利用したものと異なり、有機物の作用によって焼成後の接合強度を得るものではなく、前述したように融着した導電粉の融着によって十分な接合強度が得られるものである。このため、接合後において、接合温度よりも高温の使用環境に置かれて残存した有機物が劣化ないし分解・消失した場合であっても、接合強度の低下するおそれはなく、したがって耐熱性に優れている。
本発明の接合方法で用いる金属接合用組成物によれば、例えば150〜250℃程度の低温加熱による焼成でも高い導電性を発現する接合層を有する接合を実現することができるため、比較的熱に弱い被接合部材同士を接合することができる。また、焼成時間は特に限定されるものではなく、焼成温度に応じて、接合できる焼成時間であればよい。
本実施形態においては、上記被接合部材と接合層との密着性を更に高めるため、上記被接合部材の表面処理を行ってもよい。上記表面処理方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、基材上にあらかじめプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法等が挙げられる。
接合工程の雰囲気は特に制限されず、大気中、不活性ガス雰囲気下、減圧下等で行うことができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、導電粉としてマイクロサイズ銀粒子のみを使用した場合について説明したが、例えば、接合用組成物にナノ粒子等を適宜添加して使用することもできる。
以下、実施例において本発明のマイクロサイズ銀粒子を用いた接合方法について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例1≫
化研テック株式会社製の微細な突起を有する銀粒子と有機溶剤(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)とを混合し、銀粒子の含有量が77質量%であるペースト状の接合用組成物1を得た。図1に用いたマイクロサイズ銀粒子のSEM写真を示す。銀粒子の平均粒径は約3μmであり、放射状に伸びた微細な突起部と中心部に結晶成長させるための核物質とを含むような独特な形状をしていることが確認できる。
接合試験に用いた無酸素銅からなる接合試験片の形状を図2に示す。それぞれの試験片の接合面はRmax=3.2Sとなるように旋盤加工により仕上げ、アセトン中での超音波洗浄と塩酸中での酸洗いを行った後、水洗と乾燥を経て試験に供した。大きい方の円板試験片の接合面に接合用組成物を一定量塗布し、小さい方の試験片を重ねて軽く圧しつけながら接合用組成物が接合面全体に広がるように接合試験片を調整した。当該試験片を250℃の接合温度で大気中での接合試験を行なった。接合に際しては、加圧力10MPaで加圧を行い、接合時間は10分とした。なお、試験後は直ちに試験片を装置外に取り出して空冷した。
接合試験により得られた接合継手1について、ボンドテスターを用いてせん断試験を行い、接合強度を求めた。得られたせん断強度を図3に示す。なお、接合継手は3つ作製し、それぞれの接合継手についてせん断試験を行った。
用いた銀粒子の低温焼結特性を確認するため、当該銀粒子を250℃の大気中で10分間保持した(加圧なし)。加熱後の銀粒子のSEM写真を図4に示す。銀粒子はマイクロサイズであるが、多数の微細な突起を有することで、250℃程度に加熱するだけでナノサイズの粒子にみられるような低温焼結現象を起こしていることが分かる。
接合継手1の接合層断面のSEM写真を図5に示す。250℃における保持に加え、10MPaの加圧によって銀粒子同士の焼結が促進され、接合層が緻密化されていることが確認できる。
≪実施例2≫
接合温度を300℃とした以外は実施例1と同様にして接合継手2を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度を図3に示す。
≪実施例3≫
接合温度を350℃とした以外は実施例1と同様にして接合継手3を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度を図3に示す。
接合継手3の放熱特性について定常法により測定したところ、熱伝導率は130W/mKであった。一般的な高温はんだの熱伝導率が35W/mK程度であり、本発明の接合方法で得られた接合継手3は極めて良好な放熱特性を有している。
図3に示すとおり、接合継手1〜3はいずれも良好な接合強度を示している。特に、接合温度が300℃以上の場合には、接合時の加圧力が10MPaと低いにもかかわらず、約30MPaのせん断強度を示している。一般的な高温はんだを用いた場合のせん断強度が20MPa程度であり、本発明の接合方法においては、用いる銀粒子がマイクロサイズであっても十分な接合強度が得られている。
≪実施例4≫
接合時の温度プロファイルを変更(130℃で5分保持後、10MPaの加圧と共に300℃に昇温して10分間保持)した以外は実施例1と同様にして接合継手4を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度の平均値を図6に示す。
≪実施例5≫
銀粒子の含有量を70質量%としたペースト状の接合用組成物2を使用した以外は実施例4と同様にして接合継手5を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度の平均値を図6に示す。
≪実施例6≫
銀粒子の含有量を74質量%としたペースト状の接合用組成物3を使用した以外は実施例4と同様にして接合継手6を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度の平均値を図6に示す。
≪実施例7≫
銀粒子の含有量を80質量%としたペースト状の接合用組成物4を使用した以外は実施例4と同様にして接合継手7を得た。実施例1と同様にして得られたせん断強度の平均値を図6に示す。
≪実施例8≫
銀粒子の含有量を67質量%としたペースト状の接合用組成物5を使用した以外は実施例4と同様にして接合継手の作成を試みたが、接合用組成物5は十分に高い粘度を有しておらず、被接合面への接合用組成物5の均一な塗布は困難であった。その結果、焼成により接合層となる塗布膜を十分な厚さに形成させることができなかった。
≪実施例9≫
銀粒子の含有量を83質量%としたペースト状の接合用組成物6を使用した以外は実施例4と同様にして接合継手の作成を試みたが、接合用組成物6は十分な流動性を有しておらず、被接合面への接合用組成物6の均一な塗布は困難であった。その結果、焼成により接合層となる塗布膜を十分な厚さに形成させることができなかった。
図6に示すとおり、接合継手4〜7はいずれも良好な接合強度を示している。接合継手4〜7の作成に用いた接合用組成物1〜4は銀粒子の含有量が70〜80質量%と低いにもかかわらず、当該含有量内において接合強度の顕著な低下は認められない。特に、銀粒子の含有量が70〜74質量%と低い領域においても、約25MPaの高いせん断強度を維持している。

Claims (5)

  1. 放射状に延設された凸部と、前記凸部の間隙に凹部と、を備えるとともに、内部に、導電材料としての銀を結晶成長させるための核物質であって、前記核物質として、金属系粒子又はセラミック系粒子を含んでなる銀を含み、前記核物質の平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする導電粉を含む接合用組成物を用い、
    接合すべき2つの部材の間に前記接合用組成物を介在させた後、前記部材を250〜350℃に加熱するとともに加圧する工程を含むこと、
    を特徴とする接合方法。
  2. 前記接合用組成物における前記導電粉の含有量が70〜80質量%であること、
    を特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記凸部の形状が、針状、桿状、及び花弁状からなる群から選択される少なくとも一つの形状であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の接合方法。
  4. 前記凸部の形状が針状からなる前記導電粉、前記凸部の形状が桿状からなる前記導電粉、及び前記凸部の形状が花弁状からなる前記導電粉を全て含む前記接合用組成物を用いること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記工程を自重圧下で行うこと、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
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