JP6380145B2 - スラグ製品素材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼工程で発生するスラグ(製鋼スラグ)を原料とする高品質のスラグ製品素材、およびそのような素材を製造するための方法であって、製鋼スラグに対してその組成を各種用途に適合するように改質する還元および改質処理を施し、さらに、その還元および改質したスラグを適切に凝固させて高品質のスラグ製品素材とする、高品質のスラグ製品素材の製造方法に関する。
製鋼工程では、転炉や電気炉において大量の製鋼スラグが発生している。製鋼スラグは、精錬上の必要性から塩基度(CaO質量/SiO2質量)が高く、フリーCaOを多量に含んでいるために膨張・崩壊性を有していて、路盤材、骨材等への利用が制限されている。したがって、近年、資源のリサイクルが積極的に推進されていることも背景にあって、製鋼スラグの用途を広げて有効に活用しようとする方法が多数提案されている。しかし、生産性向上やコスト低減等の一般的な課題に加えて、高品質を要求される用途への拡大に関しても、未だ多くの課題が残っている。
中でも、上層路盤材、コンクリート用骨材、石材原料等は、天然石が従来用いられてきた高級用途であって、スラグ製品で代替させるためには特に高いスラグ品質が求められる。したがって、製鋼スラグをこのような高級用途に用いる場合には、先ずその組成を天然石の代替とすることができるように改質する技術が必要である。そのような技術として、特許文献1には、製鋼スラグをセメント原料、土工材料、セラミックス製品等の様々な用途に使用可能な材料に改質する技術が開示されている。
また、天然石の代替とするためには凝固した後のスラグ強度も重要で、その強度はスラグ中に含まれる気泡の影響が大きい。このスラグ中に含まれる気泡は、製鋼溶融スラグに必ず含まれている酸化鉄と溶鉄中のCや還元材中のCとの反応により生成したCOのほか、製鋼溶融スラグと溶鉄および還元材とを撹拌するためのガスがスラグ中に残留したものである。さらに、スラグを還元および改質した後には、その処理炉から別の容器に移して凝固させるので、その別の容器にスラグを移す際に、中に気泡を巻き込むこともある。これらの気泡がスラグ中に残留すると、気泡を起点として割れやすくなり、天然石に代替できる強度が得られなくなる。
スラグ中の気泡を減らす技術として、特許文献2に記載の方法では、溶融スラグ中に含まれる酸化鉄の一部が還元されて生成した高炭素濃度の溶鉄とスラグとが反応して生成するCOの量を抑制するために、処理炉の炉底形状を工夫している。また、特許文献3には、溶融スラグの改質材として石炭灰を含むものを用いる処理において、その改質材中の炭素を完全に燃焼させてしまう酸素を供給して、COもしくはCO2気泡の生成を抑制する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、処理炉から溶融スラグが別の容器に移されて凝固する途中のスラグに固体状物質を添加してスラグ中の気泡を破泡し、凝固後に残留する気泡を減少させる方法が開示されている。
特許第5522320号公報 特開2010−18827号公報 特開2008−290935号公報 特開2004−59345号公報
鉄と鋼 Vol95(2009),No.12,P-807-812
特許文献1に記載の方法によれば、製鋼スラグを様々な用途に使用可能な材料に改質することができるので、その方法を本発明に係る基礎技術として利用することができる。但し、改質後のスラグを天然石が従来用いられてきた上層路盤材、コンクリート用骨材、石材原料等の高級用途に充てられる高品質のスラグ製品素材にするためには、粒径や強度も必要なところ、そのような粒径や強度にするための具体的な考え方は記載されていない。したがって、さらに検討する必要がある。
また、特許文献2に記載の方法は、粒鉄中のCと反応してCOガスが発生するのを抑制するために炉形状を工夫しており、スラグ排出時にはCO気泡は発生しないが、出滓時に空気を巻き込み、空気が気泡としてスラグ中に残存してしまう。また、地金がスラグとともに排出されると、空気と地金中のCとが反応して排出したスラグ容器内で微細な気泡が発生してしまう。
さらに、特許文献3に記載の方法は、石炭灰中のCを事前に燃焼させて、スラグ中酸化鉄との反応をなくすことを主眼においているが、粒鉄が改質スラグと一緒に排出されると、スラグ容器内で粒鉄中のCとスラグ中の酸化鉄とが反応して微細COガスが発生し、気泡として残留してしまう。
また、特許文献4に記載の方法は、40mm以下程度に粉砕して粒度調整されて使用することを前提としている。つまり、固体状物質の周りにスラグが凝固することになり、異相が存在することになるため、異相界面で割れると、例えば200〜300mm程度の割栗石の代替として使用する場合には、強度が低く使用できないという問題がある。
そこで本発明は、前述の問題点を鑑み、製鋼スラグを原料とする天然石代替とすることが可能な高品質のスラグ製品素材、およびそのようなスラグ製品素材を、生産性をもって製造することができる、高品質のスラグ製品素材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)製鋼スラグを原料として製造されるスラグ製品素材であって、
スラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)が1.7以上、Al23濃度が8質量%以下の化学組成を有すると共に、
JIS A 1132に準拠して測定される一軸圧縮強度が150MPa以上であることを特徴とするスラグ製品素材。
(2)溶融した製鋼スラグを還元および改質処理してスラグ製品素材を製造する方法であって、
前記還元および改質処理によってスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)を1.7以上、Al23濃度が8質量%以下とした溶融スラグを処理炉から排滓して容器内で凝固させる際に、
排滓完了時の容器内の溶融スラグの温度が、前記溶融スラグの固相率が質量比率で30%になる温度+150℃以上となるように、当該溶融スラグの温度を調整して排滓することを特徴とするスラグ製品素材の製造方法。
本発明によれば、製鋼スラグを原料とする、天然石の代替品に用いることが可能な高品質のスラグ製品素材を提供することができる。さらに、本発明に係る製造方法によれば、製鋼スラグから天然石代替とすることが可能な高品質のスラグ製品素材を、生産性をもって製造することができる。したがって、製鋼工程において大量に発生している製鋼スラグの用途を、高品質を要求される用途へ拡大することができる。
スラグの塩基度およびAl23濃度と、固相率が質量比率で30%になる温度との関係を示す図である。 固相率が質量比率で30%となる温度からのスーパーヒートと改質スラグの強度との関係を示す図である。
1.製鋼スラグの還元および改質処理について
本発明に係る製鋼スラグの還元および還元処理は、特許文献1に記載された方法を基本的に利用すれば良いが、必ずしも特許文献1に具体的に記載された方法に限定される必要は無く、その技術的思想を利用すれば十分である。但し、先ず、還元および改質処理に適するとともに、後述する凝固条件を調整することによって気泡を減少させるのに適し、かつ、天然石代替用途に適したスラグ組成を選定する必要がある。
製鋼スラグの多くは、スラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)が3〜5程度であって、スラグ中のAl23濃度は2質量%以下である(以下、本明細書において濃度に関する%の表記は、質量%の意味で用いる。)。特許文献1に記載の実施例では、セメント原料への適用も考えて、高炉スラグ相当のスラグ組成への改質を試みている。しかし、セメント原料への適用を考えず、割栗石への適用など天然石の代替を行う場合、それに必要な化学成分としては、改質後のスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)を1.3まで製鋼スラグからみて大幅に下げる必要は無いし、Al23濃度を高める必要もない。このことにより、天然石代替とする場合には製鋼スラグを改質する際にその改質剤の添加量を少なくすることができ、スラグ製品素材の生産性を高めることが可能である。
しかしながら、図1に示すように、スラグ塩基度の上昇、またはAl23濃度の低下にともなって、固相率が30%になる温度が上昇する。非特許文献1には、固相率が30%以上で急激に見かけの粘度が上昇することが開示されており、粘度が上昇すると、スラグ内部に存在した気泡が抜けきらず、気泡が多数残存した状態でスラグが凝固してしまう。
図1に示した調査では、処理中のスラグ温度1500〜1600℃では改質後のスラグに気泡が残留し、強度が出ないケースが発生した。したがって、改質後のスラグ組成に応じて、処理後の温度を設定する必要があると分かった。例えばAl23濃度が4%で塩基度が1.5の場合には、固相率が30%になる温度は1470℃である。改質終了時の温度を1650℃とした場合、改質処理炉から凝固用容器であるスラグ鍋へと排滓する際の温度降下量が100℃であるので、排滓終了時のスラグ鍋中のスラグ温度は1550℃となる。この場合、固相率が30%になる温度との差が80℃しかないため、気泡が残留して改質スラグの強度が低くなる。塩基度が1.6、1.7と高くなるにつれ、改質終了時の処理炉内スラグ温度が1650℃では、強度の高いスラグ製品素材を得ることが難しくなる。
したがって、製鋼スラグが元々有している組成から考えると、改質処理後のスラグ塩基度やAl23濃度は元の組成に近い方が手間やコストが掛からず好ましいのであるが、固相率が30%になる温度が高くなる組成では、その高温にしてその状態を維持するための加熱コストが掛かるために、両面からのバランスをとって組成を決める必要がある。
なお、本発明に用いる製鋼スラグの還元・改質処理方法は、特許文献1に記載の方法に限られる必要は無いのであるが、製鋼スラグの多くは酸化鉄をその酸化鉄に含まれるFeの質量で計算して(以下、T.Feと記載する。)15〜25%含有しているので、大概の還元・改質方法ではその処理炉で炭材を還元剤として用いて、スラグ中のT.Fe%を低減する。酸化鉄を多く含んだ状態では、炭材または炭材により還元されて生成した高炭素溶鉄と酸化鉄との反応でスラグ中にCO気泡が多く発生してしまいがちだからである。
一部には、特許文献2及び3に記載の方法のようにスラグ中の酸化鉄を還元せずに改質する方法もあるが、それらにはそれぞれ前記した特別な工夫を必要とする。
以上のことを考慮しつつ、本発明に用いる製鋼スラグの還元および改質処理方法について、さらに例示的に説明する。
本発明では、まず、還元改質炉に製鋼溶融スラグを装入し、還元・改質処理を行う。還元材としては、コークス粉や無煙炭粉等の炭材を添加して、T.Feの濃度を低下させる。このとき、T.Feの濃度を1.0%以下にすることが好ましく、0.5%以下にすることが一層好ましい。
さらに、改質材として、石炭灰、SiO2やAl23を多く含むスラグ粉、レンガ屑、アルミドロスなどを添加し、スラグ塩基度やAl23濃度を調整する。そして、スラグ塩基度を1.5以上にするとともに、Al23濃度を8質量%以下にする。スラグ塩基度が1.5未満である場合には、改質材の添加量が多くなり、コストが多く掛かってしまうし、スラグ塩基度は小さいほど粘性が高くなることから、気泡が抜けにくくなってしまうからである。但し、塩基度は高くなるほどスラグの融点が高くなり、固相率が30%になる温度も上昇してしまうことから、2.0以下とすることが好ましい。
また、Al23濃度が8質量%を超える場合も同様に、改質剤の添加量が多くなってコストが多く掛かってしまうし、Al23濃度は高いほど粘性が高くなることから、気泡が抜けにくくなってしまうので、Al23濃度は8質量%以下にする必要がある。同じ観点から、Al23濃度は6質量%以下にすることがより好ましい。なお、還元・改質後のスラグ中Al23濃度は、元の製鋼スラグに通常1%程度以上含まれている上に、炭材や改質剤にAl23が含まれているので、2%程度以上になるのが普通である。
2.還元および改質した溶融スラグの排滓および凝固処理について
以上のように天然石の代替に適するように改質した後、そのスラグを還元改質炉から凝固用の容器へ排滓する。この際に、上記したスラグ組成の範囲内で、製造するスラグの組成が変わっても、安定して強度の高いスラグ製品素材を製造することができるようにしておかなければならない。
高い品質のスラグ製品素材を安定して製造するためには、多様な原因に関わらず、スラグから気泡を確実に低減する方法が必要である。スラグ中に気泡が生成する条件にも色々あるが、上記したように所要の化学組成に調整しておくことを前提として、最終的にスラグから気泡が除かれる工夫を施すことによって凝固スラグ中の気泡量が減少し、ひいてはその凝固スラグの強度が高まって高品質のスラグ製品素材を製造することができる。スラグ製品素材中に気泡が残留する条件には、スラグの組成のほか、その温度と冷却速度とが大きく影響すると考えられるが、工業的規模では冷却速度を大きく変えることは難しい。したがって、適切なスラグ組成と凝固させる容器内での温度条件との関係が重要となる。
前述したように、固相率が30%以上で急激に見かけの粘度が上昇することが分かっているため、本発明では、改質目標とするスラグ組成に関して、その組成での固相率が30%になる温度を、市販の熱力学平衡計算ソフトウェア等を用いることにより事前に計算しておく。
その上で、改質した溶融スラグを当該還元・改質処理に用いた処理炉から排滓して容器内で凝固させる際に、その排滓完了時の容器内のスラグの温度が、その固相率が30%となる温度+100℃以上となるように、還元・改質処理の終点温度を制御して排滓する。還元・改質炉から容器に移す間の温度降下代は、事前に測定しておけば、還元・改質処理の終点温度に反映させることができるので、その終点温度を適切に制御することを通じて、そのスラグの固相率が30%となる温度を制御するのである
但し、この温度降下代は、排滓の速度や凝固用容器の状態によって影響を受けるために、上記した+100℃という規定は、+150℃とする方がスラグに含まれる気泡を少なくするためには好ましい。固相率が30%となる温度との差が大きければ大きいほど、排滓後のスラグから気泡が放出しやすくなるからである。しかし、固相率が30%となる温度との差が大きいほど、還元改質炉での加熱温度が高くなり、エネルギーロスが大きくなってしまう。したがって、改質スラグ排滓後の温度が、固相率が30%となる温度+200℃以下とすることが好ましい。
以下、改質スラグ排滓後の温度と固相率が30%となる温度との差(以下、スーパーヒート)と、スラグ製品素材の強度との関係を調査した実験結果について説明する。図2には、固相率が30%となる温度からのスーパーヒートと異なるスラグ組成の強度との関係を示している。なお、図2中に示す改質後のスラグA及びスラグBの組成は、以下の表1に示したものであり、表1中のC/Sはスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)を表し、TL(℃)は、スラグの融点を示し、T30は、固相率が30%となる温度を表す。また、圧縮強度については、JIS A 1132に準拠して測定した。
Figure 0006380145
図2に示すように、スーパーヒートが100℃未満の場合は、気泡残留率が大きく、強度が硬石の強度(49MPa)よりも低く、天然石の代替として使用することができないことがわかった。一方、スーパーヒートが100℃以上である場合には硬石以上の強度である50MPa以上が得られた。したがって、高品質のスラグ製品素材として、製鋼スラグを原料とし、化学組成としてスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)が1.5以上、Al23濃度が8質量%以下を有すると共に、JIS A 1132に準拠して測定される一軸圧縮強度が、50MPa以上であるスラグ製品素材を提示することができる。
また、スーパーヒートが150℃以上では、ほとんど気泡の残留がなく、天然石の代替として十分に使用できる150MPa以上の一軸圧縮強度が得られることがわかった。したがって、本発明に係る高品質のスラグ製品素材として、製鋼スラグを原料とし、化学組成としてスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)が1.5以上、Al23濃度が8質量%以下を有すると共に、JIS A 1132に準拠して測定される一軸圧縮強度が、150MPa以上であるスラグ製品素材を提示することができる。
上記した50MPa以上および150MPa以上の強度のスラグ製品素材に含まれるAl23濃度は、図1に示したようにAl23濃度が高くなるほど改質終了時の処理炉内スラグ温度を低くできる。しかしAl23濃度が高くなると粘性が上昇し気泡が残留しスラグ製品素材の強度が低くなる傾向にあるため、それぞれ6質量%以下であることが好ましい。
スーパーヒートの調整は、前記したように天然石の代替に適した組成に改質した後、還元改質炉から改質スラグを排滓する際に、排滓完了時の容器内の改質スラグの温度が、当該改質スラグについて予め求めておいた固相率が30%になる温度より100℃以上高くなるように、当該溶融スラグの温度を調整して排滓するようにすれば良い。この100℃以上という温度は、スラグ中の気泡を減らして改質スラグの強度を安定して高める上では150℃以上に調整する方が好ましいが、そのためには加熱コストを余計に要するために総合的に判断して決めたらよい。
なお、凝固用容器の形状については、容器の内面の最大断面積をA、容器の深さをLとした場合に、A/Lを1以上16以下とすることが好ましい。ここで最大断面積とは、容器の内面で面積が最大となる面での断面積を指す。例えば容器が円錐台のような形状であると、容器の最上面が最大断面積となる。A/Lが1より小さい場合は、改質スラグの浴深が深く、気泡の上昇距離が長くなるため、気泡が残留しやすくなる。また、A/Lが16より大きい場合は、スラグの浴深が浅いため、凝固するまでの時間が短く、気泡が上昇するまでに改質スラグが固まってしまい、気泡が残留しやすくなる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
参考例
まず、表2に示す組成の製鋼スラグを電気炉に装入して、還元材としてコークス粉、改質材としてフライアッシュを添加して、表3に示す組成のスラグに改質した。この改質スラグの固相率が30%になる温度(T30)を市販の熱力学平衡計算ソフトウェアで計算した結果、1470℃であった。そこで、改質終了時のスラグ温度を1680℃に昇温して排滓作業に移った。内面の最大断面積が9m2であり、深さが2mのスラグ鍋に改質スラグを20t排出した後、スラグ鍋内のスラグ温度を測定した結果、1582℃であった。すなわち、スーパーヒートΔT=112℃であった。
Figure 0006380145
Figure 0006380145
スラグ鍋でスラグを凝固させた後、スラグ塊から100mm×100mm×200mmのスラグサンプルを切り出し、JIS A 1132に準拠して一軸圧縮試験により強度評価を行った。その結果、80Mpaと硬石以上の強度を有し、割栗石(天然石)の代替として使用することができることを確認できた。
(実施例2)
まず、表2に示す組成の製鋼スラグを電気炉に装入して、還元材としてコークス粉、改質材としてフライアッシュを添加して、表4に示す組成のスラグに改質した。この改質スラグの固相率が30%になる温度を市販の熱力学平衡計算ソフトウェアで計算した結果、1525℃であった。そこで、改質終了時のスラグ温度を1785℃に昇温して排滓作業に移った。内面の最大断面積が9m2であり、深さが2mのスラグ鍋に改質スラグを30t排出した後、スラグ鍋内のスラグ温度を測定した結果、1683℃であった。すなわち、スーパーヒートΔT=158℃であった。
Figure 0006380145
スラグ鍋でスラグを凝固させた後、スラグ塊から100mm×100mm×200mmのスラグサンプルを切り出し、JIS A 1132に準拠して一軸圧縮試験により強度評価を行った。その結果、150Mpaと高強度を有し、割栗石(天然石)の代替として使用することができることを確認できた。
(比較例)
まず、表2に示す組成の製鋼スラグを電気炉に装入して、還元材としてコークス粉、改質材としてフライアッシュを添加して、表3に示す組成のスラグに改質した。この改質スラグの固相率が30%になる温度を市販の熱力学平衡計算ソフトウェアで計算した結果1470℃であった。そこで、改質終了時のスラグ温度が1610℃に昇温して排滓作業に移った。内面の最大断面積が9m2であり、深さが2mのスラグ鍋に改質スラグを30t排出した後、スラグ鍋内のスラグ温度を測定した結果、1510℃であった。すなわち、スーパーヒートΔT=40℃であった。
スラグ鍋でスラグを凝固させた後、スラグ塊から100mm×100mm×200mmのスラグサンプルを切り出し、JIS A 1132に準拠して一軸圧縮試験により強度評価を行った。その結果、38Mpaと強度が低く、硬石の基準に満たさず、割栗石(天然石)の代替として使用できないことを確認できた。

Claims (2)

  1. 製鋼スラグを原料として製造されるスラグ製品素材であって、
    スラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)が1.7以上、Al23濃度が8質量%以下の化学組成を有すると共に、
    JIS A 1132に準拠して測定される一軸圧縮強度が、150MPa以上であることを特徴とするスラグ製品素材。
  2. 溶融した製鋼スラグを還元および改質処理してスラグ製品素材を製造する方法であって、
    前記還元および改質処理によってスラグ塩基度(CaO質量/SiO2質量)を1.7以上、Al23濃度が8質量%以下とした溶融スラグを処理炉から排滓して容器内で凝固させる際に、
    排滓完了時の容器内の溶融スラグの温度が、前記溶融スラグの固相率が質量比率で30%になる温度+150℃以上となるように、当該溶融スラグの温度を調整して排滓することを特徴とするスラグ製品素材の製造方法。
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