JP6380027B2 - 電子装置 - Google Patents

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本発明は、発熱部品が筐体内に収容される電子装置に関するものである。
従来、外部環境に露出する電子装置は、その筐体を密閉(防水)構造もしくは相当の構造にする必要がある一方で、筐体内に収容される発熱部品の放熱を図る必要がある。密閉構造の筐体では、筐体内での空気の流れが発生し難いため、筐体内での対流による発熱部品への放熱作用は小さくなる。そこで、筐体内の発熱部品の放熱を促すために必要な熱容量を有する放熱板(ヒートシンク)を筐体内に設けることで、発熱部品からの熱が放熱板、筐体内空気、筐体を介して外部に放熱される放熱経路が形成される。
放熱板を利用して発熱部品の放熱を図る電子装置に関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示されるプリント基板が知られている。このプリント基板には、一方の面に発熱部品が実装され、他方の面に発熱部品の放熱を促すヒートシンクが装着されている。これにより、発熱部品の放熱を確保しながらプリント基板上のスペース効率を高めている。
特開平11−017371号公報
ところで、熱伝導率が小さい放熱板では、筐体内空気への放熱に時間がかかるため、過渡(数秒〜数十秒)時の放熱作用は小さくなる。この問題を解決するため、熱容量のみで温度上昇させないだけの質量を有する大型の放熱板(ヒートシンク)を構成すると、装置自体の質量が増大してしまうという問題が生じる。このような電子装置を自動車等に搭載すると、燃費が低下するだけでなく、質量増大に応じて固有振動数が変化することで耐振性が悪化してしまう。また、放熱板と筐体とを高熱伝導材料で熱的に接続して筐体の熱容量を利用する放熱構造を採用することで、質量増大を抑制することができる。しかしながら、上述のような構成では、放熱板と筐体との間に熱伝導材料等を塗布する必要があるため、製造コストが増加するだけでなく、部品配置自由度や実装密度が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、小型化を妨げることなく放熱板の放熱性を向上させ得る電子装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、発熱部品(20,20a,20b)が放熱板(30)を介して回路基板(12)に実装されて筐体(11)内に収容される電子装置(10)であって、前記放熱板は、熱容量の異なる複数の部材から構成されており、前記発熱部品からの熱が伝わる伝熱面(31)が、前記複数の部材のうち少なくとも低熱容量部材(50)および高熱容量部材(40)を含む2以上の部材により形成され、前記放熱板の表面は、前記回路基板に対向する面(41)および前記伝熱面を除き、前記低熱容量部材により形成されることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、発熱部品からの熱を放熱するための放熱板が、熱容量の異なる複数の部材から構成されている。そして、発熱部品からの熱が伝わる放熱板の伝熱面が、上記複数の部材のうち少なくとも低熱容量部材および高熱容量部材を含む2以上の部材により形成される。
これにより、発熱部品からの熱は、伝熱面を介して低熱容量部材と高熱容量部材とにそれぞれ伝わることとなる。低熱容量部材は、熱容量が小さいことから高熱容量部材よりも温度上昇が速くなることで、発熱部品の作動開始直後における過渡的な発熱であっても筐体内空気との温度差が大きくなるので、筐体内空気への放熱を直ちに開始することができる。一方、高熱容量部材は、その高い熱容量に応じて発熱部品からの熱を蓄熱するように作用する。このように、低熱容量部材にて筐体内空気への放熱が促進されるとともに高熱容量部材にて蓄熱されるので、放熱板が1つの熱容量の高い部材にて構成される場合と比較して、放熱板による放熱性の維持・向上を図りつつ、放熱板のうち低熱容量部材が占める分に応じて軽量化を図ることができる。したがって、小型化を妨げることなく放熱板の放熱性を向上させることができる。
第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。 図1のヒートシンクの断面図である。 ヒートシンクを発熱部品側から見た側面図である。 本発明に係るヒートシンクを利用した放熱効果と単一の部材からなるヒートシンクを利用した放熱効果との比較結果を示すグラフである。 本発明に係るヒートシンクを利用して放熱した際の温度分布を示す説明図である。 本発明に係るヒートシンクによる過渡温度特性と従来のヒートシンクによる過渡温度特性との比較結果を示すグラフである。 第1実施形態の変形例に係るヒートシンクを発熱部品側から見た側面図である。 第2実施形態に係る電子装置の要部を示す断面図である。 第3実施形態に係る電子装置の要部を示す断面図である。 第4実施形態に係る電子装置の要部を示すブロック図である。 発熱部材に対する供給電力の状態を説明する説明図である。 発熱部材の動作速度を説明するための説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る電子装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る電子装置は、車両に搭載されたエンジン等の車載機器を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit)など、様々な電子部品が多層の回路基板に実装される装置として構成されている。図1に示す電子装置10は、例えば、自動車用シフト切り替えアクチュエータを駆動制御するFET等を有する制御装置として構成されている。この電子装置10は、外郭を構成する金属等からなる筐体11と、この筐体11により形成される密閉空間内に収容される回路基板12等を備えている。
図2は、図1のヒートシンク30の断面図である。図3は、ヒートシンク30を発熱部品側から見た側面図である。なお、図3では、便宜上、発熱部品20を二点鎖線にて図示している。
回路基板12は、エポキシ樹脂等からなる絶縁層と銅箔等からなる導電層とが交互に積層される多層基板として構成されている。この回路基板12の実装面12aには、所定の制御に応じて発熱する発熱部品20がヒートシンク30を介して実装されている。また、回路基板12の実装面12aや裏面には、他の電子部品やコネクタ13等が実装されている。なお、図1では、一部の電子部品の図示を省略している。
図2および図3に示すように、発熱部品20は、例えば、FETであって、半導体素子21とリード22の一部とがモールド材23によりモールドされて構成されている。発熱部品20は、その背面24にて図略の熱伝導性の接着剤等を介してヒートシンク30の伝熱面31に固定された状態で、各リード22にて実装面12aに形成される所定のスルーホールを介して回路基板12に電気的に接続されている。
ヒートシンク30は、発熱部品20の放熱を促す放熱板として機能するものであり、表面の一部が例えばフィン状であって放熱性を向上させるためその表面積を大きくするように形成されている。本実施形態では、ヒートシンク30は、熱容量の異なる2つの部材、具体的には、熱容量が比較的高い部材(以下、高熱容量部材40ともいう)と、この高熱容量部材40よりも熱容量が比較的低い部材(以下、低熱容量部材50ともいう)とから構成されている。本実施形態では、熱容量が比較的高い高熱容量部材40を構成する材料として、例えば、アルミニウムが採用されており、熱容量が比較的低い低熱容量部材50を構成する材料として、例えば、銅が採用されている。なお、高熱容量部材40として、アルミニウムが採用されることに限らず、例えば、鉄のような熱容量が比較的高い部材が採用されてもよい。また、低熱容量部材50として、銅が採用されることに限らず、例えば、タングステンのような熱容量が比較的低い部材が採用されてもよい。
高熱容量部材40は、底面41にて回路基板12の実装面12aに接着剤等を介して固定されている。低熱容量部材50は、高熱容量部材40に対して上側から嵌合可能であって、その嵌合状態にて、高熱容量部材40の底面41および底面41の縁部近傍と発熱部品20側に突出する突出面42とを除き、高熱容量部材40を覆うように形成されている。低熱容量部材50は、発熱部品20側の側面51が嵌合時の突出面42と面一となるように形成されている。このため、発熱部品20が固定される伝熱面31は、高熱容量部材40における突出面42の上部と低熱容量部材50における側面51の一部とにより形成される。
本実施形態では、例えば、低熱容量部材50における側面51とこの側面51から離れた側面52との距離Lを50mm、ヒートシンク30の高さHを30mmとするとき、低熱容量部材50は、例えば、側面51での厚みX1が5mm、側面52での厚みX2が5mm、上面での厚みX3が5mmとなるように形成されている。
また、低熱容量部材50は、高熱容量部材40との嵌合時に下端面53が回路基板12に接触しないように、下端面53と実装面12aとの間に所定の隙間が介在するように形成されている。
次に、上述のように高熱容量部材40と低熱容量部材50とを用いてヒートシンク30を構成する理由について、図4を参照して詳述する。図4は、本発明に係るヒートシンク30の過渡時の温度変化Tと単一の部材からなるヒートシンクの過渡時の温度変化T1〜T3とを示すグラフである。なお、図4の例では、単一の部材からなりヒートシンク30と同じ外形形状のヒートシンクであってそれぞれ熱容量が異なる3つのヒートシンクを比較例として用意している。そして、図4では、3つのヒートシンクのうち熱容量が最も大きな第1ヒートシンクの過渡時の温度変化(図4のT1参照)と、熱容量が二番目に大きな第2ヒートシンクの過渡時の温度変化(図4のT2参照)と、熱容量が最も小さな第3ヒートシンクの過渡時の温度変化(図4のT3参照)とを図示している。
図4からわかるように、単一の部材からなるヒートシンクを利用する場合、過渡時のヒートシンクの温度は、その熱容量が大きくなるほど低くなる。一方で、過渡時のヒートシンクの温度は、その熱容量が大きくなるほど温度上昇が小さくなる傾向にあるため、熱容量が大きなヒートシンクでは、筐体内空気への放熱が作用し始める温度に上昇するまでの時間がかかってしまう。例えば、熱容量が二番目に大きな第2ヒートシンクでの温度が所定の定格温度Tmaxに到達するまでの時間は、熱容量が最も小さな第3ヒートシンクでの温度が所定の定格温度Tmaxに到達するまでの時間に対して長くなっていることがわかる。
ヒートシンクから筐体内空気への放熱は、ヒートシンクと筐体内空気との温度差が大きくなるほど放熱効果が高まる。そうすると、単に熱容量が大きなヒートシンクを採用したのでは、重量が重くなるだけでなく、ヒートシンクと筐体内空気との温度差が大きくなりにくいため、過渡時の筐体内空気への放熱効果が悪くなる。
このため、上述のように形成される高熱容量部材40および低熱容量部材50を嵌合してヒートシンク30を構成することで、以下の効果を奏することができる。すなわち、低熱容量部材50は、熱容量が比較的小さいことから高熱容量部材40よりも温度上昇が速いため、発熱部品20の作動開始直後における過渡的な発熱であっても筐体内空気との温度差が大きくなるので、筐体内空気への放熱が直ちに開始されて、発熱部品20の放熱を促進することができる。一方、高熱容量部材40は、その高い熱容量に応じて発熱部品20からの熱を蓄熱するように作用することで、発熱部品20の放熱を促進することができる。
次に、上述のように構成されるヒートシンク30を利用した発熱部品20の放熱作用について、図5および図6に示す熱シミュレーション結果を参照して詳述する。なお、本熱シミュレーションでは、ヒートシンク30および発熱部品20等の構成を一部簡素化して行っている。
図5は、本発明に係るヒートシンク30を利用して放熱した際の温度分布を示す説明図であり、発熱部品20を過渡的に動作させて発熱した状態での温度分布を示している。図5からわかるように、半導体素子21および伝熱面31が最も温度が高くなっている。また、高熱容量部材40および低熱容量部材50は、熱伝導性の接着剤等を介すことなく単に嵌合により組み付けられているため、高熱容量部材40と低熱容量部材50との間で温度差が生じやすく、両部材間での直接的な熱交換が困難になっている。
そして、低熱容量部材50では、側面51と半導体素子21から離れた位置との温度差が、高熱容量部材40における突出面42と半導体素子21から離れた位置との温度差よりも小さくなっている。すなわち、発熱部品20からの熱は、過渡状態での放熱効果が低い高熱容量部材40よりも、過渡状態での放熱効果が高い低熱容量部材50に対してより伝わっていることがわかる。
図6は、本発明に係るヒートシンク30による過渡温度特性と従来のヒートシンクによる過渡温度特性との比較結果を示すグラフである。なお、図6の例では、高熱容量部材40と同じ材料からなりヒートシンク30と同じ外形形状のヒートシンクを従来構成の比較例として用意している。そして、図6では、ヒートシンク30を利用した発熱部品20の温度変化をTf、図5の点Pに相当する位置でのヒートシンク30の温度変化をTp、比較例に係るヒートシンクを利用した発熱部品20の温度変化をTof、図5の点Pに相当する位置での比較例に係るヒートシンクの温度変化をTopとして図示している。なお、図5に示す点Pは、側面51から厚みX1に相当して離れた低熱容量部材50の上面に設定されている。
図6からわかるように、図5の点Pに相当する位置において、ヒートシンク30の温度Tpは、比較例に係るヒートシンクの温度Topよりも高くなっていることがわかる。このように、ヒートシンク30では表面の大部分を構成する低熱容量部材50の温度が高くなるため、筐体内空気との温度差が大きくなり、筐体内空気に対して好適に放熱がなされる。一方、比較例に係るヒートシンクでは熱が内部に蓄積されて表面の温度が高くなるまで時間がかかるため、筐体内空気への放熱効率が悪くなる。
このように、ヒートシンク30の温度Tpが比較例に係るヒートシンクの温度Topよりも高くなるため、図6に示すように、ヒートシンク30を利用した発熱部品20の温度Tfは、比較例に係るヒートシンクを利用した発熱部品20の温度Tofよりも低くなる。すなわち、本発明に係るヒートシンク30を放熱に利用することで、高熱容量部材からなる同じ外形形状のヒートシンクを放熱に利用する構成よりも、発熱部品20の放熱が促進されて発熱部品20を好適に冷却することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子装置10では、発熱部品20からの熱を放熱する放熱板として構成されるヒートシンク30が、熱容量の異なる2つの部材である高熱容量部材40および低熱容量部材50から構成されている。そして、発熱部品20からの熱が伝わるヒートシンク30の伝熱面31が、高熱容量部材40における突出面42の上部と低熱容量部材50における側面51の一部とにより形成される。
これにより、発熱部品20からの熱は、伝熱面31を介して低熱容量部材50と高熱容量部材40とにそれぞれ伝わることとなり、低熱容量部材50にて筐体内空気への放熱が促進されるとともに高熱容量部材40にて蓄熱される。このため、ヒートシンクが1つの熱容量の高い部材にて構成される場合と比較して、ヒートシンク30による放熱性の維持・向上を図りつつ、ヒートシンク30のうち低熱容量部材50が占める分に応じて軽量化を図ることができる。したがって、小型化を妨げることなくヒートシンク30の放熱性を向上させることができる。
また、ヒートシンク30の表面は、回路基板12に対向する面である底面41および伝熱面31の下部を除き、低熱容量部材50により形成されているため、高温状態である表面積が大きくなる。これにより、ヒートシンク30全体としての放熱量が大きくなるので、ヒートシンク30の放熱性をさらに向上させることができる。
また、ヒートシンク30は、回路基板12に対向する面が高熱容量部材40の底面41により形成されているので、回路基板12に対向する面が低熱容量部材50の底面により形成される場合と比較して、発熱部品20からの熱が回路基板12に伝わりにくくなる。これにより、発熱部品20からの熱に起因する回路基板12に実装される他の電子部品への熱害を防止することができる。
図7は、第1実施形態の変形例に係るヒートシンク30を発熱部品側から見た側面図である。
ヒートシンク30は、1つの発熱部品20を放熱するための放熱板として構成されることに限らず、複数の発熱部品20を放熱するための放熱板として構成されてもよい。例えば、図7に例示するように、ヒートシンク30は、3つの発熱部品20を放熱するための放熱板として構成されてもよい。後述する他の実施形態においても同様である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電子装置について、図8を用いて説明する。なお、図8は、第2実施形態に係る電子装置10の要部を示す断面図である。
本第2実施形態では、ヒートシンク等に対して熱放射率を調整する表面処理が施される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態に係る電子装置10では、ヒートシンク30の一部を構成する低熱容量部材50の表面のうち、低耐熱部品14に近接して対向する面54を除き、熱放射率を高める表面処理が施されている(図8の符号S1参照)。同様に、筐体11の内面にも熱放射率を高める表面処理が施されている(図8の符号S2参照)。一方、低熱容量部材50の表面のうち低耐熱部品14に近接して対向する面54には、熱放射率を低める表面処理が施されている(図8の符号S3参照)。
ここで、上述した熱放射率を高める表面処理として、例えば、熱放射率の高い材料を塗布する処理や表面粗さを大きくする処理、表面を酸化する処理等を採用することができる。また、上述した熱放射率を低める表面処理として、例えば、鏡面加工を施す処理や熱放射率の低い材料を塗布する処理等を採用することができる。
上述のように低熱容量部材50の表面に対して熱放射率を高める表面処理(図8のS1)を施すことで、低熱容量部材50からの放熱が促進されるので、ヒートシンク30の放熱性を向上させることができる。特に、筐体11の内面にも熱放射率を高める表面処理(図8のS2)が施されているため、ヒートシンク30と筐体11との間でも熱移動が促進されるため、ヒートシンク30の放熱性をさらに向上させることができる。
なお、熱放射率を高める表面処理は、低熱容量部材50の表面および筐体11の内面の双方に施されることに限らず、例えば、低熱容量部材50の表面の少なくとも一部と筐体11の内面の少なくとも一部との一方に施されてもよい。
また、上述のように低熱容量部材50の表面のうち低耐熱部品14に近接して対向する面54に熱放射率を低める表面処理(図8のS3)が施されているので、発熱部品20からの熱に起因する低耐熱部品14への熱害を防止することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電子装置について、図9を用いて説明する。なお、図9は、第3実施形態に係る電子装置10の要部を示す断面図である。
本第3実施形態では、低熱伝導部材を新たに採用する点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に係る電子装置10では、ヒートシンク30の一部を構成する高熱容量部材40の底面41と回路基板12の実装面12aとの間に、高熱容量部材40よりも熱伝導率の低い部材(以下、低熱伝導部材15ともいう)を介在させている。なお、本実施形態では、低熱伝導部材15として、例えば、フェノール材料から構成される部材が採用されている。
このように、低熱伝導部材15を高熱容量部材40の底面41と回路基板12の実装面12aとの間に介在させることで、発熱部品20からの熱が回路基板12に伝わりにくくなる。これにより、発熱部品20からの熱に起因する回路基板12に実装される他の電子部品(例えば、上記低耐熱部品14)への熱害を防止することができる。
なお、上述した低熱伝導部材15を高熱容量部材40の底面41と回路基板12の実装面12aとの間に介在させる本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態も適用することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る電子装置について、図10〜図12を用いて説明する。なお、図10は、第4実施形態に係る電子装置10の要部を示すブロック図である。図11は、発熱部材20に対する供給電力の状態を説明する説明図であり、図11(A)はヒートシンク30の温度Tと所定の温度Tbとの関係を示し、図11(B)はヒートシンク30の温度Tと供給電力との関係を示す。図12は、発熱部材20の動作速度を説明するための説明図であり、図12(A)は動作速度を低めた状態を示し、図12(B)は動作速度を高めた状態を示す。
本第4実施形態では、ヒートシンク30の温度に応じて発熱部品20の制御がなされる点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、上述のように構成されるヒートシンク30を用いて冷却される発熱部品20について、ヒートシンク30の温度Tを考慮した制御がなされる。上述のように構成されるヒートシンク30を用いることで、例えば、シフト操作のように短時間での駆動による過渡的な発熱であっても発熱部品20の放熱を好適に促進することができるからである。
本実施形態では、図10に示すように、発熱部品20は、一対のFET20a,20bとして構成されており、例えば、自動車用シフト切り替えアクチュエータなどの所定の電子負荷61に対して電源62からの電力を供給する際に、制御回路63により制御されるゲート動作回路64からの駆動信号に応じて駆動制御されるように構成されている。本実施形態では、1つのヒートシンク30がFET20aおよびFET20bの双方の放熱板として機能するように構成されている。なお、制御回路63は、「制御手段」の一例に相当し得る。
また、本実施形態では、ヒートシンク30の温度を測定する測定手段として温度センサ65が設けられている。この温度センサ65は、例えばサーミスタ等であって、低熱容量部材50について所定の測定位置(例えば、図5のP参照)における表面温度に応じた信号を制御回路63に出力するように構成されている。
次に、制御回路63にてなされるFET20a,20bの駆動制御処理について、図11および図12を参照して詳述する。
制御回路63による駆動制御処理では、温度センサ65により測定されるヒートシンク30の温度に応じてFET20a,20bの駆動電力が制御される。具体的には、図11(A)の期間t1に示すように、ヒートシンク30の温度が所定の温度Tb未満である場合には、放熱性能的に余裕があるとみなし、図11(B)に示すように、通常の電力Eoよりも高い電力E1を電子負荷61に対して供給するようにFET20a,20bを駆動制御する。なお、所定の温度Tbは、ヒートシンク30の放熱性能等に応じて設定されるものである。
放熱性能的に余裕がある期間t1では、図12(A)に示すように、供給電圧Vの立ち上がり速度(動作速度)を低くすることで、損失の増大に応じてFET20a,20bの温度が上昇するが、FET20a,20b駆動時のノイズを抑制することができる。
一方、図11(A)の期間t2に示すように、ヒートシンク30の温度が所定の温度Tb以上となると、図11(B)に示すように、通常の電力Eoよりも低い電力E2を電子負荷61に対して供給するようにFET20a,20bを駆動制御する。最初に通常の電力Eoよりも高い電力E1を電子負荷61に対して供給しているため、ヒートシンク30の温度が所定の温度Tb以上となった後はその増加させた電力分だけ電力供給を下げることができる。なお、ヒートシンク30の温度が所定の温度Tb以上となった後、供給する電力を電力E2まで下げることなく通常の電力Eoを供給してもよい。
ヒートシンク30の温度が所定の温度Tb以上となった期間t2では、図12(B)に示すように、供給電圧Vの立ち上がり速度(動作速度)を高くすることで、ノイズ抑制よりも、損失の低減、すなわち、FET20a,20bの温度上昇の抑制を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子装置10では、FET20a,20b(発熱部品20)を駆動制御する制御回路63およびゲート動作回路64と、ヒートシンク30の温度を測定する温度センサ65とが設けられている。そして、制御回路63は、温度センサ65により測定されるヒートシンク30の温度に応じて、FET20a,20bの動作速度を変更する。
これにより、放熱性能的に余裕がある期間t1では、FET20a,20bの動作速度を低くすることで(図12(A)参照)、損失の増大に応じてFET20a,20bの温度が上昇するが、FET20a,20b駆動時のノイズを抑制することができる。
なお、ヒートシンク30の温度に応じて発熱部品20の動作速度を変更する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態も適用することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
ヒートシンク30は、熱容量の異なる2つの部材である高熱容量部材40および低熱容量部材50から構成されることに限らず、熱容量の異なる3つ以上の部材から構成されてもよい。この場合には、発熱部品20からの熱が伝わる伝熱面31が、熱容量の異なる3つ以上の部材のうち少なくとも熱容量の低い部材(例えば低熱容量部材50)および熱容量の高い部材(例えば高熱容量部材40)を含む2以上の部材により形成されることで、上記効果を奏する。
ヒートシンク30は、自動車用シフト切り替えアクチュエータを駆動制御するFET20a,20bのように、短時間での駆動により過渡的に発熱する発熱部品20の放熱用として採用されることに限らず、例えば、断続的な駆動により発熱する発熱部品の放熱用として採用されてもよいし、連続的な駆動により発熱する発熱部品の放熱用として採用されてもよい。
10…電子装置
11…筐体
12…回路基板
20,20a,20b…発熱部品
30…ヒートシンク(放熱板)
31…伝熱面
40…高熱容量部材
50…低熱容量部材
63…制御回路(制御手段)
65…温度センサ(測定手段)

Claims (6)

  1. 発熱部品(20,20a,20b)が放熱板(30)を介して回路基板(12)に実装されて筐体(11)内に収容される電子装置(10)であって、
    前記放熱板は、熱容量の異なる複数の部材から構成されており、前記発熱部品からの熱が伝わる伝熱面(31)が、前記複数の部材のうち少なくとも低熱容量部材(50)および高熱容量部材(40)を含む2以上の部材により形成され
    前記放熱板の表面は、前記回路基板に対向する面(41)および前記伝熱面を除き、前記低熱容量部材により形成されることを特徴とする電子装置。
  2. 前記放熱板は、前記回路基板に対向する面(41)が前記高熱容量部材により形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記放熱板の表面および前記筐体の内面の少なくとも一方には、熱放射率を高める表面処理(S1,S2)が施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子装置。
  4. 前記回路基板には、低耐熱部品(14)が実装され、
    前記放熱板の前記低耐熱部品に対向する面(54)には、熱放射率を低める表面処理(S3)が施されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子装置。
  5. 前記放熱板と前記回路基板との間には前記高熱容量部材よりも熱伝導率の低い部材(15)が介在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子装置。
  6. 前記発熱部品を駆動制御する制御手段(63)と、
    前記放熱板の温度を測定する測定手段(65)と、を備え、
    前記制御手段は、前記測定手段により測定される前記放熱板の温度に応じて、前記発熱部品の動作速度を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子装置。
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