JP6380013B2 - 超音波プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、体腔内に挿入され、超音波振動子を機械的に走査させる超音波プローブに関する。
近年、例えば直腸や膣等の体腔内に挿入し、体腔内に向けて放射した超音波の反射波であるエコー信号を取得する超音波プローブを備え、このエコー信号を画像化する超音波診断装置が広く用いられるようになった。
このように体腔内に挿入して、超音波振動子を機械的に走査させて用いる超音波プローブは、先端部に配設された、超音波を送受信する複数の振動子を有する振動子ユニットをモータの駆動力により揺動運動させて超音波の走査を行う(特許文献1、2)ものが一般的である。
特開平10−179588号公報 特開2000−70268号公報
体腔用の超音波プローブには、更なる操作性の向上が要求されている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、軽量化等、操作性の向上に貢献する体腔用の超音波プローブを提供する。
本発明の超音波プローブは、超音波を送受信する複数の振動子を有する振動子ユニットと、前記振動子ユニットを揺動可能に保持する振動子保持フレームと、超音波透過性を有する材料で形成され、前記振動子ユニットの超音波送受面の前面部分に設けられ、前記振動子保持フレームに密封固定される音響ウインドウと、を具備し、前記振動子保持フレームと前記音響ウインドウとにより、内部に前記振動子ユニットを含む第1の空間を形成し、さらに、前記振動子ユニットを揺動させるための駆動力を発生させる駆動手段と、前記駆動手段を保持し、内部に前記駆動手段の出力軸を含む第2の空間を形成する駆動手段保持フレームと、前記第1の空間および前記第2の空間と連通する中空部分を有するパイプと、前記パイプの中空部分を通され、前記駆動手段の駆動力を伝達して前記振動子ユニットを揺動させる伝達手段と、記振動子保持フレーム、前記駆動手段、前記駆動手段保持フレーム、前記パイプ、および、前記伝達手段を内部に含む筐体と、を具備し、前記第1の空間、前記パイプの中空部分、および、前記第2の空間に、カップリング液が充填された、構成を採る。
本発明によれば、振動子保持フレームと音響ウインドウで形成された第1の空間、駆動手段保持フレーム内部の第2の空間、および、パイプの中空部分のみに、カップリング液を充填すれば良いので、カップリング液の容量を少なくすることができ、超音波プローブの軽量化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの上面断面図 本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの正面断面図 本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの部分斜視図 ワイヤの固定方法を説明する図 本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの部分斜視図 本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの部分斜視図
以下、本実施の形態について、図面を用いて説明する。図1、図2は、それぞれ、本発明の一実施の形態に係る超音波プローブの上面断面図、正面断面図である。図1、2に示すように、超音波プローブ1の筐体10は、体腔外で操作者が握るグリップ部11と、体腔内に挿入される挿入部12と、により構成される。
挿入部12の先端部13の内部には、振動子保持フレーム20が固定的に取り付けられる。振動子保持フレーム20は、アルミニウム、プラスチック等の材料で片端開口の中空形状に形成され、側面外周部21において、筐体10の挿入部12の端部の内周に固定される。振動子保持フレーム20の底面22には、信号線(FPC:Flexible printed circuits)70a、70bを通すための孔23a、23b(図5参照)、および、パイプ130a、130bを取り付けるための孔24a、24bが設けられている。
振動子保持フレーム20には、揺動シャフト30が回動可能に取り付けられる。揺動シャフト30は、ステンレス鋼等の材料で円柱形状に形成される。揺動シャフト30には、従動側プーリ40および振動子ユニット50が固定的に取り付けられる。
従動側プーリ40は、モータ(駆動手段)120の駆動に基づくワイヤ(伝達手段)140の移動に伴って揺動シャフト30を揺動させる。なお、従動側プーリ40へのワイヤ140の掛け方の詳細については後述する。
振動子ユニット50には、超音波を送受信するための複数の振動子(圧電振動素子)が配設されている。各振動子は、電気信号を超音波に変換して被検体の体内に放射し、体内で反射された超音波(反射波)を検出して電気信号に変換する。振動子ユニット50は、揺動シャフト30の揺動に伴って、超音波送受波面51に垂直な方向(図2における紙面上下方向)に延びる揺動シャフト30の中心軸の回りを揺動する。振動子ユニット50を揺動させることにより、超音波形成面を移動させ、三次元の超音波画像を形成することができる。
振動子ユニット50の超音波送受面51の前面部分には、音響ウインドウ60が取り付けられる。音響ウインドウ60は、超音波透過性を有する材料でドーム形状に形成され、振動子保持フレーム20の開口部25を覆うように振動子保持フレーム20に密封固定される。その結果、振動子ユニット50は、音響ウインドウ60と振動子保持フレーム20で形成された空間(第1の空間)内に配置されることになる。
音響ウインドウ60と振動子保持フレーム20で形成された空間(第1の空間)には、超音波の伝搬性を向上させ、超音波を少ない減衰で体表面まで導くためにカップリング液が充填される。
振動子ユニット50に配設された各振動子には、信号線70a、70bが接続される。信号線70a、70bは、振動子保持フレーム20の底面22に設けられた孔23a、23bから引き出され、診断装置本体(図示せず)から出力された電気信号を各振動子に伝達し、各振動子から出力された電気信号を診断装置本体に伝達する。なお、孔23a、23bの封止方法の詳細については後述する。
また、振動子保持フレーム20の底面22に設けられた孔24a、24bには、それぞれパイプ130a、130bの一端部が差し込まれる。この状態で、パイプ130a、130bが振動子保持フレーム20に溶接され、孔24a、24bが塞がれる。なお、音響ウインドウ60と振動子保持フレーム20で形成された空間は、パイプ130a、130bの中空部分と連通している。このため、パイプ130a、130bの中空部分にも、カップリング液が充填される。
筐体10のグリップ部11の内部には、ケーシング(駆動手段保持フレーム)90が固定的に取り付けられる。ケーシング90は、例えば、金属やプラスチック材料で中空の形状に形成される。ケーシング90の振動子保持フレーム20に対向する第1面91には、パイプ130a、130bを取り付けるための孔92a、92bが設けられている。ケーシング90の振動子保持フレーム20に対向する第2面93には、モータ120の出力シャフト121を内部に入れるための孔94が設けられている。
ケーシング90の第2面93には、モータ120が、孔94にモータ120の出力シャフト121が差し込まれた状態で、固定的に取り付けられる。モータ120は、振動子ユニット50を揺動させる駆動機構として機能する。孔94とモータ120の出力シャフト121との間にはオイルシール122が嵌められる。これにより、孔94は封止される。
また、ケーシング90の第1面91に設けられた孔92a、92bには、それぞれパイプ130a、130bの他端部が差し込まれる。この状態で、パイプ130a、130bがケーシング90に溶接され、孔92a、92bが塞がれる。なお、ケーシング90の内部空間は、パイプ130a、130bの中空部分と連通している。このため、ケーシング90の内部空間にも、カップリング液が充填される。
ケーシング90の内部空間(第2の空間)には、駆動側プーリユニット100および中間プーリ110a、110bが収められる。
駆動側プーリユニット100は、モータ120の出力シャフト121の先端に、同軸上に固定的に取り付けられる。駆動側プーリユニット100には、駆動側プーリ101a、101bが形成されている。駆動側プーリ101a、101bの回転軸は、従動側プーリ40の回転軸に対して直交する。なお、駆動側プーリユニット100の詳細については後述する。
中間プーリ110a、110bは、それぞれ、取り付けシャフト111a、111bを介して、取り付けシャフト111a、111bの回りを、又は、取り付けシャフト111a、111bと共に、回転可能にケーシング90に取り付けられる。中間プーリ110a、110bの回転軸は、従動側プーリ40の回転軸および駆動側プーリ101a、101bの回転軸のそれぞれに対して直交する。中間プーリ110a、110bの外周には、ワイヤ140を掛けるためのワイヤ溝が形成される。
パイプ130a、130bは、金属材料により形成され、それぞれ、一端部が孔24a、24bに差し込まれて振動子保持フレーム20に固定され、他端部が孔92a、92bに差し込まれてケーシング90に固定される。パイプ130a、130bの中空部分は、音響ウインドウ60と振動子保持フレーム20で形成された空間、および、ケーシング90の内部空間と連通している。このため、カップリング液は、パイプ130a、130bの中空部分およびケーシング90の内部空間にも充填される。
ワイヤ140は、一端部が駆動側プーリ101aに固定された状態で、順に、駆動側プーリ101aおよび中間プーリ110aに掛けられ、パイプ130aの中を通され、従動側プーリ40に掛けられ、従動側プーリ40の孔44(図3参照)を通される。さらに、孔44を通されたワイヤ140は、順に、従動側プーリ40に掛けられ、パイプ130bの中を通され、中間プーリ110aおよび駆動側プーリ101bに掛けられる。そして、ワイヤ140は、他端部が駆動側プーリ101bに固定される。
次に、従動側プーリ40へのワイヤ140の掛け方の詳細について図3を用いて説明する。図3に示すように、従動側プーリ40の外周面41には、2つのワイヤ溝42、43が設けられ、ワイヤ溝42とワイヤ溝43とを繋ぐ孔44が形成されている。従動側プーリ40には、ワイヤ溝42に掛けられたワイヤ140が孔44を通ってワイヤ溝43にも掛けられるように、ワイヤ140が2重に掛け渡される。ワイヤ140は、孔44の一部でピン部材などにより従動側プーリ40に固定される。
ワイヤの固定方法として、従来は、図4Aに示すように、従動側プーリの溝上にワイヤを固定するためのワイヤ固定部を設けることが一般的であった。この場合、ワイヤ固定部があるために、従動側プーリおよび振動子ユニットの揺動角度を180°以上回転させることが困難であった。
一方、本発明は、図4Bに示すように、従来のようにワイヤ固定部を設ける必要がなく、ワイヤが2重に掛け渡されているので、従動側プーリおよび振動子ユニットの揺動角度を180°以上とすることができる。
次に、孔23a、23bの封止方法の詳細について図5を用いて説明する。図5に示すように、孔23a、23bには、それぞれ信号線70a、70bを挟み込んだ保持部材80a、80bが差し込まれる。この状態で、孔23a、23bに接着剤が注入され、孔23a、23bが封止される。
これにより、信号線70a、70bは、振動子ユニット50の揺動により可動する範囲においては、接着剤が付着することなく、振動子保持フレーム20に固定される。
次に、駆動側プーリユニット100の詳細について図6を用いて説明する。図6に示すように、駆動側プーリ101a、101bには、それぞれ、ワイヤ140を掛けるためのワイヤ溝102a、102bが設けられる。ワイヤ140の両端部は、それぞれ、ワイヤ溝102a、102bに掛けられた状態で、ワイヤ端固定部103において、ネジ止めにより、駆動側プーリ101a、101bに固定される。
また、駆動側プーリユニット100には、コイルばね104a、104bが取り付けられている。コイルばね104a、104bをねじることにより、ワイヤ140にテンションをかけることができ、ねじる度合いにより、ワイヤ140のテンションを調整することができる。これにより、テンションを発生させるテンショナーを新たに設置することなくワイヤ140に必要なテンションをかけられ、駆動側プーリユニットを小型・軽量化することができる。また、これにより、ワイヤ140は、モータ120の駆動に伴う出力シャフト121の回転量に応じて、振動子ユニット50を揺動させることができる。
次に、超音波プローブ1の操作について説明する。まず、操作者は、グリップ部11を保持して、挿入部12を体腔内に挿入する。
次に、操作者は、診断装置本体の操作部(図示せず)を操作して、超音波画像の形成を指示する。この指示を受信すると、診断装置本体の制御部(図示せず)は、モータ120の出力シャフト121(駆動側プーリユニット100)を揺動回転させる。これにより、駆動側プーリユニット100の回転運動が、ワイヤ140により従動側プーリ40に伝達され、振動子ユニット50を回転軸を中心に揺動回転させ、超音波形成面を移動させることができる。
また、診断装置本体の制御部は、信号線70a、70bを介して、各振動子に電気信号を送信する。各振動子は、振動子ユニット50の揺動に合わせて、受信した電気信号を超音波に変換して被検体の体内に放射し、体内で反射された超音波(反射波)を検出して電気信号に変換し、信号線70a、70bを介して、診断装置本体の制御部に送信する。これにより、制御部は、三次元の超音波画像を形成して画面に表示させることができる。
以上のように、本発明によれば、振動子保持フレーム20とケーシング90とをパイプ130a、130bで繋ぎ、パイプ130a、130bの中にワイヤ140を通すことにより、筐体10の挿入部12においてパイプ130a、130bの中だけカップリング液を充填すればよいので、カップリング液の容量を少なくすることができ、超音波プローブ1を軽量化することができる。
また、本発明によれば、金属のパイプ130a、130bが所定の強度を有するので、筐体10の挿入部12を、プラスチックなどの軽い材質のもので形成することができ、超音波プローブ1を軽量化することができる。
また、本発明によれば、信号線70a、70bをパイプ130a、130bの外に通すことにより、信号線70a、70bのカップリング液に触れる部分を少なくすることができ、信号線70a、70bがワイヤ140と接触により擦れて傷ついてしまうことを防ぐことができる。
さらに、本発明によれば、従動側プーリ40に2つのワイヤ溝42、43とこれらを繋ぐ孔44を形成し、ワイヤ溝42に掛けたワイヤ140を孔44に通してワイヤ溝43に掛けるように、従動側プーリ40においてワイヤ140を2重に掛けることにより、振動子ユニット50の揺動角度を従来よりも大きくすることができる。
なお、上記実施の形態では、パイプが2本である場合について説明したが、本発明はこれに限られず、パイプが1本であっても良い。
本発明は、体腔内に挿入され、超音波振動子を機械的に走査する超音波プローブに利用することができる。
1 超音波プローブ
10 筐体
11 グリップ部
12 挿入部
13 先端部
20 振動子保持フレーム
23a、23b、24a、24b 孔
30 揺動シャフト
40 従動側プーリ
42、43 ワイヤ溝
44 孔
50 振動子ユニット
60 音響ウインドウ
70a、70b 信号線
80a、80b 保持部材
90 ケーシング(駆動手段保持フレーム)
92a、92b、94 孔
100 駆動側プーリユニット
101a、101b 駆動側プーリ
110a、110b 中間プーリ
120 モータ(駆動手段)
121 出力シャフト
130a、130b パイプ
140 ワイヤ(伝達手段)

Claims (6)

  1. 超音波を送受信する複数の振動子を有する振動子ユニットと、
    前記振動子ユニットを揺動可能に保持する振動子保持フレームと、
    超音波透過性を有する材料で形成され、前記振動子ユニットの超音波送受面の前面部分に設けられ、前記振動子保持フレームに密封固定される音響ウインドウと、
    を具備し、
    前記振動子保持フレームと前記音響ウインドウとにより、内部に前記振動子ユニットを含む第1の空間を形成し、
    さらに、
    前記振動子ユニットを揺動させるための駆動力を発生させる駆動手段と、
    前記駆動手段を保持し、内部に前記駆動手段の出力軸を含む第2の空間を形成する駆動手段保持フレームと、
    前記第1の空間および前記第2の空間と連通する中空部分を有するパイプと、
    前記パイプの中空部分を通され、前記駆動手段の駆動力を伝達して前記振動子ユニットを揺動させる伝達手段と、
    記振動子保持フレーム、前記駆動手段、前記駆動手段保持フレーム、前記パイプ、および、前記伝達手段を内部に含む筐体と、
    を具備し、
    前記第1の空間、前記パイプの中空部分、および、前記第2の空間に、カップリング液が充填された、
    超音波プローブ。
  2. 前記振動子ユニットに連結される従動側プーリと、
    前記第2の空間の内部に収められ、前記駆動手段の出力軸に固定され、前記駆動手段の駆動力により回転する2つの駆動側プーリと、
    を具備し、
    前記伝達手段は、
    前記従動側プーリおよび前記2つの駆動側プーリに掛けられ、前記2つの駆動側プーリのそれぞれに両端の一方が固定されるワイヤである、
    請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記2つの駆動側プーリは、回転軸が前記従動側プーリの回転軸に対して直交するように配置され、
    前記第2の空間の内部に収められ、回転軸が前記従動側プーリの回転軸および前記2つの駆動側プーリの回転軸のそれぞれに対して直交するように配置された2つの中間プーリを具備し、
    前記ワイヤは、前記従動側プーリと前記2つの駆動側プーリとの間で、前記2つの中間プーリに掛けられる、
    請求項2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記従動側プーリは、外周部分に2つの溝が形成され、前記2つの溝を繋ぐ連結孔が形成され、
    前記ワイヤは、前記従動側プーリにおいて、前記一方の溝に掛けられた後、前記連結孔に通され、前記他方の溝に掛けられるように、2重に掛けられる、
    請求項2または3に記載の超音波プローブ。
  5. 前記振動子に接続され、前記振動子との間で電気信号の送受を行う信号線を有し、
    前記振動子保持フレームには、前記信号線を前記パイプの外へ通すための封止孔が形成される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  6. 前記封止孔は、前記信号線を挟み込んだ保持部材が差し込まれた状態で封止される、
    請求項5に記載の超音波プローブ。
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