JP6379466B2 - 扉用基材及び扉用化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、玄関や食器棚、洗面台、収納家具などにおける開き扉や引き扉などに用いられる扉用基材及び扉用化粧材に関し、特に、金具による把手部がなく、木質基板からなる板状の本体部に扉開閉時に指が掛かる凹状の把手部が形成された把手扉用基材及び扉用化粧材に関する。
この種の扉用基材として、図9に示すような、凹状の把手部101が板状の本体部102の端部に形成されたものが従来から知られている。把手部101は、前面側縁部103と、後面側縁部104と、前面側縁部103及び後面側縁部104の間に形成された凹溝105とによって構成されており、凹溝105内に指を引っ掛けることで本体部102の開閉が行われる。扉用化粧材は、この扉用基材100の表面に、扉の見栄えを良くするために、化粧シート106が貼り付けられたものである(例えば、特許文献1を参照)。
上記構成の扉用基材100は、図10に示すMDF(中密度繊維板)などの矩形状の木質基板107を用意し、木質基板の一方の端部107Aを、モルダーやテノーナーなどを用いて把手部101の形状(凹状)に切削加工することで形成される。
特許4725303号公報
しかしながら、上記方法で把手部101を形成すると、把手部101の表面、特に後面側縁部104の表面104Aに切削加工による毛羽立ちやササクレなどが生じやすく、その結果、表面状態が凹凸になって平滑性が悪くなるという問題がある。把手部101の表面凹凸は、バフロールなどを用いた研磨加工を行っても平滑にしづらい一方で、表面凹凸がある状態で化粧シート106を貼り付けると、この表面凹凸に追従して化粧シート106の表面に凹凸や変形が生じる。特に表面が鏡面の化粧シート106の場合には、シート表面の凹凸などが非常に目立つため、化粧シート106による意匠性を大幅に低下させてしまうところ、把手部101の中でも後面側縁部104の表面104Aは、扉100を正面側から見た際に使用者の視野に容易に入るので、見た目の印象に大きく影響する。
上記した問題は、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、MDFなどの木質基板は、その密度が厚み方向において変化する、具体的には、表面及び裏面近傍は密度が高い一方で、内部は密度が低いという性質を有しており、切削加工により密度の低い部分が露出すると、毛羽立ちやササクレなどが発生して切削加工表面が凹凸することを見出し、把手部101の切削加工において、後面側縁部104の表面が木質基板の密度が低い領域に当たるように切削しているために、良好な平滑性が得られず、また、基材密度が低い部分をバフ研磨加工行っても、新たにササクレを生じさせるため平滑な面を得られなかったことが判明した。
本発明は上記した問題に着目してなされたもので、把手部の表面平滑性を良好にできる扉用基材及び扉用化粧材を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、1層又は複数層の木質基板からなり、板状の本体部に扉開閉時に指が掛かる凹状の把手部が形成された扉用基材において、前記把手部の表面のうち、少なくとも前記本体部の後面に沿って延びる底面部分の密度が0.8g/cm以上である扉用基材によって達成される。
上記構成の扉用基材の好ましい実施態様においては、複数層の木質基板からなり、一方の面が前記本体部の後面をなす後面側の木質基板の両面の密度が0.8g/cm以上であり、前記後面側の木質基板の他方の面の一部分が前記底面部分となるように前記把手部が形成されていることを特徴としている。
さらに好ましい実施態様においては、3層以上の木質基板からなり、一方の面が前記本体部の前面をなす前面側の木質基板の両面の密度が0.8g/cm以上であることを特徴としている。
さらに好ましい実施態様においては、前記把手部は、前記本体部の前面と連続する前面側縁部と、前記本体部の後面と連続する後面側縁部と、前記前面側縁部及び前記後面側縁部の間の凹溝とによって形成されることを特徴としている。
さらに好ましい実施態様においては、前記木質基板は、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、又は、パーティクルボード(PB)であることを特徴としている。
本発明の上記目的は、上記構成の扉用基材の表面に、化粧シートが貼り付けられてなる扉用化粧材によっても達成される。
上記構成の扉用化粧材の好ましい実施態様においては、前記化粧シートのJIS Z−8741−1997による測定のグロス値が60以上であることを特徴としている。
本発明によると、把手部の表面平滑性を良好にできるので、化粧シートの表面に凹凸や変形が生じにくく、化粧シートによる意匠性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る扉の斜視図である。 図1の扉の把手部の断面図である。 材料基材の端部の断面図である。 他の実施形態に係る扉の把手部の断面図である。 他の実施形態に係る扉の把手部の断面図である。 MDF基材の厚み方向に沿う密度分布を示すグラフである。 扉の把手部の他の形成方法を説明する断面図である。 扉の把手部の他の形成方法を説明する断面図である。 比較例の扉の把手部の断面図である。 比較例の扉の材料となる材料基材の端部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る扉用化粧材10の外観を示しており、図2は、図1の扉用化粧材10の把手部3の断面構造を拡大して示している。扉用化粧材10は、玄関や食器棚、洗面台、収納家具などにおける扉に用いられるものであり、二枚一組で観音開きの扉として使用することもできるし、一枚で片開きの扉として用いることもできる。また、開き扉だけでなく引き扉として用いることもできる。なお、扉用化粧材10は、扉用基材1の表面(前後側面)や上下の端面に化粧シート4やエッジテープ5を貼り合わせたものをいう。
扉用基材1は、1層又は複数層の木質基板(以下、「材料基材M」という。)からなり、複数層の木質基板からなる場合には、複数層の木質基材を接着剤などで貼り合わせてなるものである。本実施形態の扉用基材1は、図2に示すように、2種類の木質基材A,Bを3層に積層してなり、木質基板Aを、木質基板Aよりも厚みの薄い2枚の木質基板Bの間に挟んでいる。木質基板A,Bとしては、木質繊維板やパーティクルボード(PB)などを例示することができ、木質繊維板には、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)などがある。
扉用基材1の厚みDは、特に限定されるものではないが、15mm以上であることが好ましい。扉用基材1の厚みDが15mmよりも小さいと、扉が薄くなり過ぎるために、その耐久性(物理的強度)が弱くなり、例えば耐衝撃性に劣るおそれがあるうえ、扉の取り付け時に本体部2に反りなどが生じやすいおそれがあるためである。さらに、後述するように、把手部3を形成するための切削加工が難しくなるおそれがあるためである。一方で、扉用基材1の厚みDは24mm以下であることが好ましい。扉用基材1の厚みDが24mm以上であると、扉の重量が増す結果、扉の加工時や搬送時において作業者の負荷が増し、かつ使用材料が増えて環境負荷の増大が問題となるおそれがあるからである。
扉用基材1は、本体部2と、本体部2に形成された扉開閉時に指が掛かる凹状の把手部3とを備えている。把手部3は、図3に示すように、材料基材Mの左右一方の端部M1を、モルダーやテノーナーなどを用いて凹状に切り欠く切削加工を施すことにより本体部2に一体形成される。
本実施形態では、材料基材Mの端部M1が断面視でJ字形状となるように切削加工されることで、凹状の把手部3が形成されており、把手部3は、本体部2の前面Frと連続する前面側縁部30と、本体部2の後面Baと連続する後面側縁部31と、前面側縁部30及び後面側縁部31の間の凹溝32とによって形成されている。前面側縁部30は、後面側縁部31よりもその長さが短く、前面側縁部30側から凹溝32に指を挿入して引っ掛けることで、本体部2が開閉される。なお、図示例では、前面側縁部30の端部は断面視円形状に形成されており、後面側縁部31の端部は角が丸みを帯びた断面視略角形状に形成されているが、両者ともに断面視円形状に形成されていてもよいし、断面視略角形状に形成されていてもよい。
なお、把手部3の形状は、図2の例(J字形状)に限られるものではなく、図4に示すように、前面側縁部30及び後面側縁部31の長さがほぼ同じとなる、つまりは、材料基材Mの端部M1を断面視でU字形状となるように切削加工することで、凹状の把手部3を形成してもよい。また、図5に示すように、材料基材Mの端部M1を断面視でコ字形状となるように切削加工することで、凹状の把手部3が形成してもよい。この図5の例では、材料基材Mの端部M1側の前面が凹状に切り取られており、把手部3は、本体部2の後面Baと連続する後面側縁部31と、後面側縁部31と直交する側面側縁部33と、本体部2とによって形成されている。
把手部3は、その表面のうち、少なくとも本体部2の後面Baに沿って延びる底面部分Boの密度が、0.8g/cm以上となっている。把手部3の表面の本体部2の後面Baに沿う底面部分Boは、扉を前面(正面)もしくは斜め前面(正面)から見た際に使用者の視野に容易に入る部分であり、図2、図4及び図5の例では、後面側縁部31の内面が底面部分Boに相当している。なお、底面部分Boは、図2、図4及び図5の例のように、必ずしも本体部2の後面Baと平行に延びている必要はなく、本体部2の後面Baに対して前後に若干傾斜(平面・湾曲面を問わない)していてもよい。
把手部3は、材料基材Mを凹状に切削加工することで形成されるが、材料基材Mを構成する木質基板、特に木質繊維板やパーティクルボードは、製造方法に由来して木質基板の表裏面付近の密度が大きく、厚み方向中心に向かうに連れて密度が小さくなっており、切削加工により木質基板の密度の低い部分が露出すると、毛羽立ちやササクレなどが生じて表面状態が凹凸になる。その結果、化粧シート4を貼り付けても化粧シート4の表面に凹凸や変形が生じやすい。底面部分Boは、上記したように使用者が容易に視認可能な部分であるので、化粧シート4の表面に凹凸や変形が生じると特に目立って、見た目の印象に大きく影響する。よって、本実施形態では、材料基材Mに対して、底面部分Boの密度が0.8g/cm以上の高密度となるような切削加工を行い、底面部分Boの表面に毛羽立ちやササクレなどが生じるのを防止することで、底面部分Boの表面平滑性を良好なものにして上記問題を解消している。
ここで、木質基板の密度は、以下の方法により測定することができる。まず、測定対象の木質基板を、幅10mm、長さ10mmに切断加工した後、ミクロトームを用いて厚み0.1mm毎にスライスすることで、木質基板の厚み方向に沿って複数の計測用切片を採取する。次に、木質基板の表面側から裏面側までの厚み方向に沿った複数の計測用切片の重量をそれぞれ測定して密度(g/cm)を算出することで、木質基板の厚み方向に沿う密度分布を計測することができる。また、扉用基材1の底面部分Boの密度を測定するためには、扉用基材1から上記した方法により底面部分Boを含む厚み0.1mmの計測用切片を採取して重量を測定することで、密度(g/cm)を算出することができる。
扉用基材1の底面部分Boの密度を0.8g/cm以上の高密度とするために、本実施形態では、扉用基材1の前面側及び後面側に配置された2層の木質基板Bの表裏両面の密度が0.8g/cm以上となっており、後面側に配置された木質基板Bの表面の一部分が底面部分Boとなるように凹状に切削加工することで、把手部3が形成されている。これにより、把手部3を切削加工により形成する際に、密度が0.8g/cm以上となっている位置が木質基板A及び木質基板Bの境目に当たり、この境目が目印となって密度が0.8g/cm以上となっている位置を容易に判別できるので、切削加工がしやすくなる。なお、後面側に配置された木質基板Bの表面が、完全に底面部分Boと一致する必要はなく、当該木質基板Bの表面が僅かに切削されて表面近傍が底面部分Boとなっていてもよい。
また、前面側の木質基板Bは表面が本体部2の前面をなし、後面側の木質基板Bは裏面が本体部2の後面をなしており、扉用基材1の前面及び後面についても密度が0.8g/cm以上の高密度となる。そのため、扉用基材1の前面及び後面に対して表面平滑のために多少の加工を施しても、表面に毛羽立ちやササクレなどが生じるのを防止できるので、扉用基材1の前面及び後面の平滑性も良好なものとすることができる。
また、扉用基材1を3層の木質基板B,A,Bで構成することで、1層の木質基板Aで構成するよりも、間に配置される木質基板Aの厚みを薄くすることができる。木質繊維板やパーティクルボードなどは、木質基板Aの厚みが厚いほど、内部の密度が表裏面の密度よりも大幅に低下する。図6は、上記した方法により計測した、それぞれ厚みが4mm、18mmの中密度木質繊維板(MDF)の厚み方向に沿う密度分布を示している。中密度木質繊維板(MDF)の製造時における条件(圧力・温度・樹脂など)にもよるが、一般的な製造条件で製造される中密度木質繊維板(MDF)は、厚みが4mmでは、表裏両面の近傍の密度が0.8g/cm以上となっていて、厚み方向中心付近でも0.7g/cm程度と大きく密度が低下していない一方で、厚みが18mmでは、表裏両面の近傍の密度が0.8g/cm以上となっているものの、内部に向かうにつれて大きく低下し、厚み方向中心付近では0.5g/cm程度と大幅に密度が低下している。よって、間に配置される木質基板Aの厚みを薄くすることで、把手部3の表面全体において密度を高くすることができ、その結果、平滑性も良好なものとすることができる。
また、扉用基材1を3層の木質基板B,A,Bで構成することで、扉用基材1は、厚み方向の断面構造において、バランスの取れた構造(対称構造)となる。よって、扉用基材1に反りが発生しにくく、クローゼットの扉などの高さの高い長尺(例えば2m程度)の扉にも好適に用いることができる。
なお、扉用基材1を3層の木質基材B,A,Bにより構成した本実施形態においては、3層の木質基材B,A,Bを予め貼り合わせた後に、把手部3形成のための切削加工を施してもよいが、図7に示すように、前面側の木質基材Bと木質基材Aとを貼り合わせた状態で、把手部3を形成するための切削加工を施し、その後、後面側の木質基材Bを木質基材B及び木質基材Aの積層体に貼り合わせるようにしてもよい。これによっても、後面側に配置された木質基板Bの表面の一部分が底面部分Boとなるので、底面部分Boの密度が0.8g/cm以上の高密度となるうえ、切削加工を容易に行うことができる。
また、扉用基材1は、必ずしも3層の木質基材で構成されている必要はなく、1層、2層、もしくは4層以上の木質基材で構成されていてもよい。
例えば、1層の木質基材Aで扉用基材1を構成する場合には、木質基材Aの厚み方向の密度分布は、上記した方法により予め計測できるため、図8に示すように、密度が0.8g/cm以上となる木質基材Aの後面側の位置にマークmを施すなどし、このマークmの位置が底面部分Boとなるように、マークmを目印にして凹状に切削加工して把手部3を形成すれば、底面部分Boの密度を0.8g/cm以上とすることができる。
また、2層の木質基材A,Bで扉用基材1を構成する場合には、厚みの厚い方の木質基材Aを後面側に配置することもできるし、前面側に配置することもできる。厚みの厚い方の木質基材Aを前面側に配置する場合には、図2の例と同様に、密度が0.8g/cm以上となっている位置が木質基板A及び木質基板Bの境目に当たるので、この境目が底面部分Boとなるように凹状に切削加工して把手部3を形成することで、底面部分Boの密度を0.8g/cm以上とすることができる。なお、同様に、木質基板Bの表面が、完全に底面部分Boと一致する必要はなく、当該木質基板Bの表面が僅かに切削されて表面近傍が底面部分Boとなっていてもよい。一方で、厚みの厚い方の木質基材Aを後面側に配置する場合には、図8の例と同様に、木質基材Aの厚み方向の密度分布を上記した方法により予め計測できるため、密度が0.8g/cm以上となる木質基材Aの後面側の位置にマークmを施し、このマークmの位置が底面部分Boとなるように凹状に切削加工して把手部3を形成することで、底面部分Boの密度を0.8g/cm以上とすることができる。
上記構成の扉用基材1の表面(本体部2の前面、後面、側面、及び、把手部3の表面)に化粧シート4を貼り合わせるとともに、扉用基材1の上下の端面にエッジテープ5を貼り合わせることで、扉用化粧材10が製造される。化粧シート4は、例えば紙系の化粧シートや樹脂系の化粧シート(木質調化粧シート、鏡面調化粧シートなど)、突板、鏡面含むメラミン板などを、接着剤などを用いてラミネータなどによって貼着することで、貼り付けられる。化粧シート4の厚みとしては、例えば木質調化粧シートであれば0.05mm〜0.3mm、鏡面調化粧シートであれば0.1mm〜0.4mm、鏡面含むメラミン板であれば0.2mm〜1.5mm、突板であれば0.2mm〜0.7mm程度の範囲とすることができる。その中でも加工性と意匠性を考慮すると、樹脂系の化粧シートが好ましい。そして、樹脂系の化粧シートにおいても、表面にエンボスや木目、木肌調の凹凸模様を有する木質調化粧シートの他、表面のグロス値(JIS Z−8741−1997に準拠)が60以上といった表面が平滑で高い艶を有する鏡面調化粧シートが、意匠性の点から好ましい。なお、化粧シート4に変えて、扉用基材1の表面を塗装などで化粧することもできる。
本実施形態の扉用基材1及び扉用化粧材10によると、木質基板からなる材料基材Mに対してモルダーやテノーナーなどを用いた切削加工により凹状の把手部3を形成したとしても、使用者の視野に容易に入る把手部3の底面部分Boの切削加工後の表面密度が0.8g/cm以上となるようにしているので、底面部分Boに切削加工による毛羽立ちやササクレなどが生じることを防止でき、底面部分Boの表面平滑性を良好とすることができる。その結果、化粧シート4を貼り合わせても、化粧シート4の表面に凹凸や変形が生じることを防止でき、優れた外観を呈することができる。特に、グロス値(JIS Z−8741−1997に準拠)が60以上といった表面が鏡面の化粧シート4を貼り合わせる場合には、シート表面に凹凸などがあると非常に目立つため、特に意匠性を向上させることが可能である。
以下に本発明に係る扉用基材及び扉用化粧材の実施例と比較例とを示すが、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1
厚み4mmのMDF基材Bと、厚み12mmのMDF基材Aと、厚み4mmのMDF基材Bとを酢酸ビニル系の接着剤を用いてプレス加工することで一体化し、材料基材Mを作製した。材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「J」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この切削加工時、材料基材Mの裏面側から厚み4mmの位置に把手部の底面部分が当たるように、つまりは、裏面側の木質基板Bの表面が底面部分となるように、切削加工を施した。この把手部の底面部分の密度は、1.0g/cmであった。把手部の底面部分に日本研紙社製のバフロールを用いて研摩加工を施し、扉用基材を作製した。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
実施例2
厚み4mmのMDF基材Bと、厚み15mmのMDF基材Aとを酢酸ビニル系の接着剤を用いてプレス加工することで一体化し、材料基材Mを作製した。材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「J」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この切削加工時、材料基材Mの裏面側から厚み3.9mmの位置に把手部の底面部分が当たるように切削加工を施した。この把手部の底面部分の密度は、0.9g/cmであった。把手部の底面部分に日本研紙社製のバフロールを用いて研摩加工を施し、扉用基材を作製した。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
実施例3
材料基材Mとして、厚み18mmのMDF基材Aを用意し、材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「J」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この切削加工時、材料基材Mの裏面側から厚み2mmの位置に把手部の底面部分が当たるように切削加工を施した。この把手部の底面部分の密度は、0.8g/cmであった。把手部の底面部分に日本研紙社製のバフロールを用いて研摩加工を施し、扉用基材を作製した。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
実施例4
厚み4mmのMDF基材Bと、厚み12mmのMDF基材Aとを酢酸ビニル系の接着剤を用いてプレス加工することで一体化し、材料基材Mを作製した。材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「U」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この材料基材Mの裏面側に、厚み4mmのMDF基材Bを酢酸ビニル系の接着剤を用いてプレス加工することで一体化し、扉用基材を作製した。この把手部の底面部分の密度は、1.1g/cmであった。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
比較例1
材料基材Mとして、厚み18mmのMDF基材Aを用意し、材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「J」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この切削加工時、材料基材Mの裏面側から厚み6mmの位置に把手部の底面部分が当たるように切削加工を施した。この把手部の底面部分の密度は、0.5g/cmであった。把手部の底面部分に日本研紙社製のバフロールを用いて研摩加工を施し、扉用基材を作製した。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
比較例2
材料基材Mとして、厚み18mmのMDF基材Aを用意し、材料基材Mの端部M1を、テノーナー機を用いて断面形状がアルファベットの「J」の形状になるように切削加工して、凹状の把手部を形成した。この切削加工時、材料基材Mの裏面側から厚み4.5mmの位置に把手部の底面部分が当たるように切削加工を施した。この把手部の底面部分の密度は、0.6g/cmであった。把手部の底面部分に日本研紙社製のバフロールを用いて研摩加工を施し、扉用基材を作製した。この扉用基材に、グロス値60の化粧シートをPUR系接着剤を用いてラッピング加工により貼り付けた後、必要な長さ・サイズに切断し、上下の端面にエッジテープを貼り付けることで、扉用化粧材を作製した。
試験例1(扉用基材の把手部(底面部分)の表面平滑性)
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した扉用基材の把手部(底面部分)の表面平滑性(毛羽立ちやササクレの有無)を目視にて確認するとともに、白色チョークにて把手部(底面部分)に線を引いて白線を形成し、白線の着色状態を目視にて確認することで、評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:毛羽立ちが目視では視認できず、白色チョーク確認で一様に着色される。
○:毛羽立ちが目視では視認できず、白色チョーク確認で部分的に色抜けが存在する。
△:毛羽立ちが目視では視認できず、白色チョーク確認でまだら模様に着色される。
×:毛羽立ちが目視にて視認できる。
試験例2(扉用化粧材の把手部(底面部分)の外観)
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した扉用化粧材の把手部(底面部分)の外観(不陸程度)を正面光及び斜光における目視にて確認した。評価基準は以下の通りとした。
◎: 正面光及び斜光ともに平滑に見える。
:正面光では平滑だが、斜光でやや浅い凹凸が見える。
○:正面光では平滑だが、斜光では浅い凹凸が見える。
:正面光及び斜光ともに浅い凹凸が見える。
△:正面光及び斜光ともにやや深い凹凸が見える。
×:正面光及び斜光ともに全体的に深い凹凸が見える。
試験例3(反り)
実施例1〜4及び比較例1,2で作製した扉用化粧材の経時的な変形(反り)を測定した。25度雰囲気中に放置(30日間)し、扉用化粧材の反り量(矢高量)を測定した。反り量は隙間ゲージで測定した。長手方向の反り量が10mm以下を○、10mm〜15mmを△、15mmよりも大きいと×、とした。得られた結果を表1に示す。
表1の実施例1〜6の結果と比較例1,2の結果とを比べれば、把手部の底面部分の密度が0.8g/cm以上に高くなればなるほど、切削加工後の表面平滑性に優れ、よって、扉用化粧材の外観も優れていることが確認される。なお、実施例2は、厚み方向の断面構造において、バランスの取れた構造(対称構造)となっていないため、反りが発生しやすくなっているものの、食器棚や洗面台の扉などの高さの低い短尺の扉であれば何ら問題なく使用することができる。また、実施例3は、把手部の後面側縁部の厚みが2mmと 薄いため、用途に応じて裏打ち材を用いて衝撃に対する補強を行うことが好ましい。
以上のとおり、本発明の扉用基材1及び扉用化粧材10は、把手部3の底面部分Boの密度を0.8g/cm以上とすることで、底面部分Boの表面に毛羽立ちやササクレなどが生じるのが防止され、底面部分Boの表面平滑性を良好なものにすることができる。よって、表面に化粧シート4を貼り合わせても、化粧シート4の表面に凹凸や変形が生じることを防止できるので、優れた外観を呈することができ、これは、グロス値(JIS Z−8741−1997に準拠)が60以上といった表面が鏡面の化粧シート4を貼り合わせる場合に特に有効である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
1 扉用基材
2 本体部
3 把手部
4 化粧シート
30 前面側縁部
31 後面側縁部
32 凹溝
Bo 底面部分

Claims (6)

  1. 1層又は複数層の木質基板からなり、本体部に扉開閉時に指が掛かる凹状の把手部が形成された扉用基材において、
    前記木質基板は、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、又は、パーティクルボード(PB)であり、
    前記把手部の表面には、前記本体部の後面に沿って延びる底面部分が含まれ、
    少なくとも前記底面部分を構成する厚さ0.1mmの範囲は、密度が0.8g/cm 以上である扉用基材。
  2. 複数層の木質基板からなり、
    後面側の木質基板の一方の面が前記本体部の後面をなし、
    前記後面側の木質基板の他方の面の一部分が前記底面部分となるように前記把手部が形成されており、
    前記後面側の木質基板の一方の面を構成する厚さ0.1mmの範囲や、前記後面側の木質基板の他方の面を構成する厚さ0.1mmの範囲は、密度が0.8g/cm 以上である請求項1に記載の扉用基材
  3. 3層以上の木質基板からなり、
    前面側の木質基板の一方の面が前記本体部の前面をなし、
    前記前面側の木質基板の一方の面を構成する厚さ0.1mmの範囲や、前記前面側の木質基板の他方の面を構成する厚さ0.1mmの範囲は、密度が0.8g/cm 以上である請求項2に記載の扉用基材。
  4. 前記把手部は、前記本体部の前面と連続する前面側縁部と、前記本体部の後面と連続する後面側縁部と、前記前面側縁部及び前記後面側縁部の間の凹溝とによって形成される請求項1〜3のいずれかに記載の扉用基材。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の扉用基材の表面に化粧シートが貼り付けられてなる扉用化粧材。
  6. 前記化粧シートのJIS Z−8741−1997による測定のグロス値が60以上である請求項に記載の扉用化粧材。
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