JP6379018B2 - 荷電粒子線装置および検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は,荷電粒子線装置およびそれを用いた検査方法に関する。
荷電粒子線装置において,試料の拡大観察可能な顕微鏡として電子線を用いた電子顕微鏡があり,ナノレベルの微細な形状観察や組成解析に利用されている。特に,走査型電子顕微鏡(以下SEMと略す)は,試料サイズに制限されずにミリオーダからナノオーダの寸法まで解析できる特徴を有しており,機能性材料の形態,組成解析から,半導体デバイスの微細パターン計測検査などに広く利用されている。これら形態,組成解析や微細パターンの計測検査では,試料の表面の情報のみならず,試料内部の材料や構造など断面方向(深さ方向)の情報も含めた解析が必要とされている。断面方向の情報を取得する場合,試料を割断し,断面観察する方法が一般的であるが,破壊観察となってしまう。非破壊で,試料の内部を解析するSEM法に,電子源に印加された電子線の加速電圧を制御する方法がある。SEMでは,加速電圧の制御によって,試料に照射する電子線のエネルギを調整する。電子線が試料に侵入する深さは,電子線のエネルギに依存しており,電子線が侵入した深さ位置にある内部の構造からは,反射電子が放出される。前記反射電子を検出することで,試料の内部の情報が主なSEM像が得られる。また,特許文献1には,パルス化した電子線によって,電子の照射量を制御し,表面の帯電に起因する電位コントラストによって,埋もれた構造を観察する方法が開示されている。前記電位コントラストは,電子線照射の帯電によって生じる表面電位の差を反映したコントラストであり,前記表面電位の差は,試料の電気特性(抵抗や静電容量)の差に起因している。試料の内部の構造の有無によって,試料の電気特性が異なるため,帯電を制御した電位コントラストで,内部の構造が可視化できる。
特開2012−252913号公報
前記加速電圧を制御したSEM像や,特許文献1に示したパルス化した電子線による電位コントラスト像で得られる主な試料の情報は,内部構造の有無や,内部構造の横方向のサイズであり,内部構造がある深さ(どの程度の深さのところに存在するのか)や断面方向の長さ(深さ方向の寸法)などの情報は含まれない。そこで,発明者等は前記断面方向の情報を解析するために,加速電圧を可変制御し,内部構造が識別できた加速電圧値から,電子線の侵入深さを計算し,試料の断面方向の情報を推定する方法について検討した。しかしながら,電子線は散乱によってランダムな動きを伴いながら,試料内部に侵入するため,侵入深さにばらつきが生じる。そのため,本方法では,試料の断面方向の解析精度は低く,また,電子線を内部まで侵入させるため,試料に与えるダメージは無視できないことが分かった。
本発明の目的は,上記課題を解決し,内部構造を有する試料の断面方向(深さ方向)の情報を非破壊,かつ低ダメージで取得し,試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性(内部構造の深さ及び/又は深さ方向の寸法等)を解析する荷電粒子線装置およびそれを用いた検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するための一実施形態として,荷電粒子線源と,
前記荷電粒子源から放出された荷電粒子線の照射エネルギを設定する手段と,
制御信号の時間基準を設ける手段と,
前記荷電粒子線を,前記時間基準に同期して試料に照射すると共に,照射位置を制御する手段と,
前記時間基準に同期して,前記試料からの放出電子を検出する手段と,
前記放出電子の検出信号から前記放出電子の放出特性を解析する手段と,
前記放出電子の前記放出特性に基づき,前記試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性を解析する手段と,を含むことを特徴とする荷電粒子線装置とする。
また,荷電粒子線源と,
前記荷電粒子源から放出された荷電粒子線の照射エネルギを設定する手段と,
制御信号の時間基準を設ける手段と,
前記荷電粒子線を,前記時間基準に同期して試料に照射すると共に,照射位置を制御する手段と,
前記時間基準に同期して,前記試料からの放出電子を検出する手段と,
前記照射位置を制御する第1制御信号と,前記荷電粒子線を前記試料に照射する第2制御信号と,前記放出電子の検出信号から画像を形成する手段と,
前記画像の明度またはコントラストから,前記試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性を解析する手段と,を含むことを特徴とする荷電粒子線装置とする。
また,導電層が絶縁層で覆われた検査試料を準備する工程と,
前記検査試料の前記導電層が形成された検査領域に,前記絶縁層を介してパルス幅の異なる荷電粒子線を照射してコントラストが異なる複数の画像を取得する工程と,
前記複数の画像からコントラストが最大となるパルス幅を抽出する工程と,
導電層を覆って形成された絶縁層の厚さが既知の標準試料を用いて得られたコントラストが最大となるパルス幅と静電容量との関係を用いて,前記検査試料の前記検査領域においてコントラストが最大となるパルス幅に対応する静電容量を抽出する工程と,
抽出された前記静電容量を用いて,前記検査試料の導電層の深さ位置を求める工程と,
求めた前記導電層の深さ位置と,予め定めた判断基準とを照らし合わせ,正常、或いは欠陥の判定を行う工程と,を有することを特徴とする検査方法とする。
本願発明によれば,内部構造を有する試料の断面方向(深さ方向)の情報を非破壊,かつ低ダメージで取得し,内部構造の深さ及び/又は深さ方向の寸法を解析する荷電粒子線装置およびそれを用いた検査方法を提供することができる。
本発明の第1の実施例に係る荷電粒子線装置(走査電子顕微鏡)の一例を示す構成図である。 本発明の第1の実施例に係る走査電子顕微鏡で得られる2次電子の検出信号の照射時間依存性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る検査方法で用いる校正データ(酸化膜の静電容量と時定数の関係)の一例を示す図である。 第1の実施例で用いる試料の断面構造を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る検査方法に含まれる解析フローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施例1に係る走査電子顕微鏡の表示部に表示するGUIの一例を示す図である。 本発明の第2から第4の実施例に係る荷電粒子線装置(走査電子顕微鏡)の一例
を示す構成図である。
本発明の第2の実施例で用いる試料の断面構造を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る走査電子顕微鏡の表示部に表示するGUIの一例を示す図である。 本発明の第3の実施例で用いる試料の断面構造を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る走査電子顕微鏡において,パルス幅が異なる条件で電子線を試料に照射して撮像したSEM画像の一例を示す平面図である。 本発明の第3の実施例で用いる他の試料の断面構造を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る検査方法に含まれる解析フローチャートの一例を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る検査方法で用いる校正データ(コントラストが最大となるパルス幅と静電容量との関係)の一例を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る走査電子顕微鏡の表示部に表示するGUIの一例を示す図である。 本発明の第4の実施例で用いる試料の断面構造を示す図である。 本発明の第4の実施例に係る検査方法に含まれる解析フローチャートの一例を示す図である。 本発明の第4の実施例に係る走査電子顕微鏡の表示部に表示するGUIの一例を示す図である。 本発明の第4の実施例に係る走査電子顕微鏡の表示部に表示するGUIの他の一例を示す図である。
発明者等は,内部構造を有する試料の断面方向(深さ方向)の情報を非破壊,かつ低ダメージで取得する方法について各種検討し,距離の情報を含む静電容量に着目した。以下,この観点で行った検討の結果について説明する。
試料が絶縁体である場合,電子線の照射によって,試料表面が帯電する。2次電子放出率σは電子の照射量に対する2次電子の放出量の比率であり,2次電子放出率σは,電子線の照射による帯電により時間変化する。この際,試料に蓄積される電荷Qは式(1)で表される。
Figure 0006379018
ここで,σは,帯電が影響しない材料固有の真の2次電子放出率で,tは電子の照射時間,τは帯電による2次電子放出率の時間変化の時定数である。さらに,試料の静電容量Cは式(2)となる。
Figure 0006379018
ここで,Vは試料の表面電位である。式(1)および式(2)から,静電容量Cは,真の2次電子放出率σと2次電子放出率の時間変化の時定数τの関数であり,試料のσとτの解析に基づき,電子線の照射位置の静電容量Cを算出できることが判る。また,静電容量Cは式(3)で表される。
Figure 0006379018
ここで,εは材料の誘電率,Sは電子線の照射面積,dは材料の厚さである。よって,前記算出した静電容量から,式(3)に基づき,試料の厚さが解析できる。また,式(3)を拡張した合成容量モデルに従い,積層試料の層構造を解析することもできる。また本方法では,電子線を内部まで侵入させる必要がなく,帯電の制御に好適な5kV以下の低い加速電圧を用いるため,電子線照射による試料ダメージを抑制できる。
本願発明は,このような2次電子放出率の過渡特性に関する知見に基づきなされたものであって,本発明による断面方向(深さ方向)の試料情報が解析可能な電子顕微鏡は,時間基準を定めた電子線の照射手段と,前記時間基準に同期した2次電子の検出手段と,前記検出手段で取得した前記2次電子の検出信号の過渡特性(放出特性)から,試料の電気特性または試料の断面方向の情報を解析する手段とを具備する。この方法によれば,試料の断面方向の情報を非破壊で高精度に解析できる。
ここで,前記2次電子の検出信号の過渡特性(放出特性)とは,検出信号の信号値,前記信号値が定常となる時定数,前記信号値の積分値のいずれかであることを特徴とする。
また,SEM画像のコントラストCNRは,領域Aと領域Bの2次電子放出率の差であり,2次電子放出率が時間変化する帯電試料では,式(4)となる。
Figure 0006379018
ここで,tは単位面積(画素サイズ,電子線の走査距離,視野サイズ)あたりの電子の照射時間である。式(1)と同様に,式(4)の時間積分はAおよびB領域に蓄積された電荷Qの差であり,前記蓄積された電荷Qの差は,式(2)から,静電容量の差であることが判る。つまり,単位面積(画素サイズ,電子線の走査距離,視野サイズ)あたりの電子の照射時間を制御して取得したSEM画像のコントラストから,静電容量の差を推定することができる。
本発明による断面方向(深さ方向)の試料情報が解析可能な電子顕微鏡は,時間基準を定めた電子線の照射手段と,前記時間基準に同期した前記電子線の偏向手段と,前記時間基準に同期した2次電子の検出手段と,前記検出手段で取得した前記2次電子の検出信号から,SEM画像を形成する手段と,前記SEM画像の明度およびコントラストから,試料の電気特性または試料の断面方向の情報を解析する手段とを具備する。
また,式(4)の時間積分が,AおよびB領域の静電容量の差であることから,複数の前記電子の照射時間tで取得したSEM画像のコントラストの累積値から,静電容量の差を算出し,さらに,式(3)から試料の厚さや積層構造の情報が抽出できる。ここで,前記SEM画像の明度およびコントラストが,複数の電子の照射条件で取得した複数枚の前記SEM画像の明度およびコントラストであることを特徴とする。
ここで,前記時間基準を定めた電子線の照射手段が,前記時間基準に同期して電子線を断続的に照射する手段であることを特徴とする。
ここで,前記時間基準に同期して電子線を断続的に照射する手段が,電子の照射時間と,前記断続的な照射と照射の間隔時間を制御する手段であることを特徴とする。
ここで,前記試料の電気特性または断面方向の情報であって,前記電気特性が,前記試料の静電容量または抵抗値であって,前記断面方向の情報が,下層構造の深さ位置,長さ,厚さであることを特徴とする。
ここで,前記2次電子の検出信号の過渡特性(放出特性),または,前記SEM画像の明度およびコントラストと,前記電気特性または断面方向の情報との関係を示すデータベースを保有する手段と,前記データベースに基づき,前記2次電子の検出信号の過渡特性,または,前記SEM画像の明度およびコントラストとから,前記電気特性または断面方向の情報を解析する手段とを有することを特徴とする。
ここで,前記試料の複数の箇所で前記試料の電気特性または断面方向の情報を解析し,前記試料の前記電気特性または断面方向の情報のマッピング像を表示させる手段を有することを特徴とする。
ここで,前記試料が,半導体デバイスの製造工程におけるウェーハであって,前記画像から,前記ウェーハに形成された微細パターンの前記微細パターンの寸法または前記微細パターンのパターン形状の不良を解析する手段を有することを特徴とする。
ここで,前記微細パターンのパターン形状の不良を解析する手段であって,前記単一の照射条件からなる画像の明度またはコントラストの差から,前記ウェーハに形成された微細パターンの欠陥箇所を抽出する手段と,前記抽出した欠陥箇所で取得した複数の照射条件からなる複数の画像から解析した前記画像の明度またはコントラストに基づき,前記試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性を解析することを特徴とする。
以下,本発明について実施例により図面を用いて説明する。なお,同一符号は同一構成要素を示す。また,実施例においては一次荷電粒子として電子を用いた走査電子顕微鏡について説明するが,一次荷電粒子としてイオンを用いた装置にも適用可能である。
本発明の第1の実施例について図1から図6を用いて説明する。本実施例では2次電子の検出信号の過渡特性(放出特性)に基づき断面方向の情報を解析する荷電粒子線装置の一つである走査電子顕微鏡について説明する。本実施例における走査電子顕微鏡の構成図を図1に示す。走査電子顕微鏡101は電子光学系,ステージ機構系,制御系,画像処理系,操作系により構成されている。電子光学系は電子銃102,偏向器103,対物レンズ104,検出器105により構成されている。ステージ機構系は,XYZステージ106,試料ホルダ107により構成されている。試料ホルダ107には試料108に電圧を印加するための電圧印加手段を接続することができる。制御系は電子銃制御部109,偏向信号制御部110,対物レンズコイル制御部111,検出器制御部112,XYZステージ制御部113,偏向信号制御部110と検出器制御部112とを時間同期させるマスタクロック生成部114から構成されている。画像処理系は,検出信号処理部115,画像形成部116,により構成されている。操作系には,検出信号処理部115,画像形成部116で解析した結果を表示する表示部を含む解析・表示部117,操作インターフェースを含む制御系の制御パラメータ設定部118から構成されている。電子銃102より加速された電子線119は,対物レンズ104で集束され,試料108に照射される。試料上の照射位置は,偏向器103で制御する。試料108より放出される2次電子120は,試料上の電界の影響を受けながら,検出器105に誘導検出される。2次電子120の検出信号の過渡特性を解析する場合,偏向器103を用いて,電子線119を解析領域外に設定しておく。マスタクロック生成部114で制御されたタイミングで,偏向信号制御部110により偏向器103で,解析領域に電子線を移動させ,同時に,試料108から放出された2次電子120の検出信号を検出器制御部112でサンプリングし,検出信号処理部115で2次電子の検出信号の過渡特性を解析する。
図2に,加速電圧300V,照射電流10pAで取得した酸化膜の厚さdの異なる試料の2次電子の検出信号の照射時間依存性を示す。なお,加速電圧は一度300V以上の電圧を印加して電子線を加速し,その後減速し,試料に照射する際に300Vの加速電圧とすることが収差低減の上で望ましい。本実施例では,同じ種類の酸化膜を用いたため,帯電が影響しない真の2次電子放出率σは,膜の厚さによらず一定である。したがって,照射直後の2次電子の検出信号においても,膜の厚さによらず一定の検出信号を示している。しかしながら,2次電子の検出信号が定常となる際の照射時間の依存性は,酸化膜の厚さdが厚くなるほど急峻である。図2に示す2次電子の検出信号の照射時間依存性から,検出信号処理部115により,2次電子の検出信号が定常となる時定数を解析した。
図3に酸化膜の静電容量と時定数の関係を示す。本実施例では,図3の酸化膜の静電容量と時定数の関係を校正データとし,本校正データに基づき,解析位置の試料の静電容量を抽出する。図4に,本実施例で解析する試料の断面の構成図を示す。基板121の上に酸化膜122が形成された試料であり,酸化膜の断面方向(深さ方向)の長さが領域によって異なる。本実施例では,各領域の断面方向の長さ(酸化膜の厚さ)を解析する。
試料の断面方向の長さを解析するフローチャートを図5に示す。本実施例では,解析前にあらかじめ,断面方向の情報が明確な試料を用いて,図3に示した校正データを取得し,保存したデータベースを参照し,解析位置の静電容量を抽出する。なお,データベースは制御パラメータ設定部118や解析・表示部117等の内部に備えた記憶部に保存することができる。記憶部を独立して配置することもできる。校正データの取得は,本実施例に限定されるものではなく,解析ごとに取得しても構わない。図5のフローチャートに示すように,まず,断面方向(深さ方向)の情報を解析する電子線の照射位置を設定する(S1)。次に,加速電圧,照射電流,照射時間などの電子線の照射条件を設定する(S2)。S1およびS2の設定は制御パラメータ設定部118にて実行される。本実施例では,加速電圧300V,照射電流10pA,照射時間10μsとした。次いで,設定した位置に電子線を照射し,2次電子の検出信号の照射時間依存性を取得する(S3)。引き続き,取得した2次電子の検出信号の時間変化から,検出信号が定常となる時定数を解析する(S4)。S3の取得とS4の解析は検出信号処理部115にて実行される。次に,あらかじめデータベースにセットした校正データを呼び出す(S5)。次いで,前記校正データに基づき,解析した時定数から照射部の静電容量を抽出する(S6)。引き続き,式(2)を用いて,断面方向の長さ(深さ方向の寸法)dを算出し(S7),算出結果を解析・表示部117に表示する(S8)。S5からS7は解析・表示部117にて実行される。
解析・表示部117に表示するGUIの例を図6に示す。照射位置(解析位置)の設定部123では,既に撮像したSEM像や光学顕微鏡像,試料を作成した際の設計データをもとに断面方向の長さを解析する位置を決定する。電子線の照射条件は,照射条件設定部124で設定する。なお,照射エネルギは,電子線の加速電圧と試料に印加する電圧の組合せを用いて設定することもできる。取得した2次電子の検出信号の照射時間依存性は,取得データ表示部125に表示される。本実施例ではあらかじめ取得した校正データをデータベースから呼び出す校正データの設定部126を設けた。2次電子の検出信号の照射時間依存性および校正データに基づき解析した時定数,静電容量,断面方向の長さは,解析結果表示部127に表示される。
このように本実施例を用いれば,2次電子の検出信号の照射時間依存性から,内部構造を有する試料の断面方向(深さ方向)の情報を非破壊,かつ低ダメージで取得し,試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性(内部構造の深さ及び/又は深さ方向の寸法等)を解析できる荷電粒子線装置およびそれを用いた検査方法を提供することができる。
本発明の第2の実施例について,図7から図9を用いて説明する。なお,実施例1に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。本実施例では,電子線の照射時における時間基準との同期精度を高めた電子顕微鏡の構成と複数の材料で構成された断面方向(深さ方向)の長さ解析法について述べる。
本実施例に係る走査電子顕微鏡の構成図を図7に示す。本実施例の走査電子顕微鏡には,図1に示す走査電子顕微鏡に,電子線を遮断するブランカ130と,ブランカにパルス状の遮断制御波形を印加するブランキング制御部131とが搭載されている。ブランキング制御部131は,マスタクロック生成部114で制御されたタイミングで,パルス状の遮断制御波形をブランカに印加する。前記ブランカ130によって,パルス状の電子線132が試料に照射される。さらに,パルス化されて試料から放出された2次電子133は,マスタクロック生成部114で制御されたタイミングで,検出器制御部112によりサンプリングされる。本構成によれば,ブランカにパルス状の遮断制御波形の調整によって,電子の照射量を制御できる。
本実施例で用いた試料断面の構成図を図8に示す。シリカ134の中にレジン135が埋め込まれた有機無機ハイブリッド材料である。図8に示すように,断面方向には,シリカ/レジン/シリカの積層構造になっている。したがって,静電容量のモデル式は式(5)となる。
Figure 0006379018
ここで,C,C,C,はそれぞれシリカ/レジン/シリカの層構造に対応している。本実施例では,埋めたレジンの断面方向の長さを解析する。本実施例では,実施例1の校正データ,および解析フローチャートを用いた。本実施例では,校正データを用いて抽出した静電容量は,シリカ/レジン/シリカの合成容量である。ここで,試料作製上のプロセスから,試料の全厚さおよび下層のシリカの厚さは同じであることが判っており,本条件を考慮し,式(5)を用いて,C,C,C,を求め,各静電容量から,式(3)により断面方向の長さを解析した。本実施例で用いたGUIを図9に示す。校正データに基づき抽出した静電容量と断面方向の長さは,解析結果表示部127に表示される。
このように本実施例を用いれば,実施例1と同様の効果を得ることができる。また,2次電子の検出信号の照射時間依存性から,内部構造が複数の材料で構成された場合であっても断面方向の長さが解析できる。
本発明の第3の実施例について,図7,図10から図15を用いて説明する。なお,実施例1又は2に記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。本実施例では,SEM画像を用いて断面方向(深さ方向)の形態特性を解析し,埋もれたパターンを検査する機能を備えた電子顕微鏡について説明する。
本実施例では,図7記載の電子線のパルス化により照射時間の高精度制御が可能な走査電子顕微鏡を用いた。本構成によれば,マスタクロック生成部114で制御されたタイミングで,パルス状の電子線132の照射と偏向器103による照射位置が制御される。さらに,パルス化されて試料から放出された2次電子133は,マスタクロック生成部114で制御されたタイミングで,検出器制御部112によりサンプリングされる。偏向信号制御部110の制御波形,ブランキング制御部131の制御波形,および前記サンプリングした2次電子の検出信号値に基づき,画像形成部116により電子線の走査平面上のSEM画像を形成する。本実施例では,パルス状の電子線の照射時間幅(以降,パルス幅とする)により,単位面積あたりの電子の照射量を制御する。本実施例では,偏向信号制御部110の制御波形をステップ信号とし,照射位置を画素単位で固定し,単位画素あたりの照射量を制御した。本実施例以外の単位面積あたりの電子の照射量の制御法に,電子線の照射電流もしくは走査速度を制御して単位走査長さあたりの照射量を制御する方法,走査に同期してパルス幅とパルスとパルスの間隔時間を制御して単位走査長さあたりの照射量を制御する方法,同一領域を繰り返し照射する繰り返し数を制御して単位視野あたりの照射量を制御する方法があり,何れの方法でも電子の照射量の制御方法として適用が可能である。
図10に本実施例で解析した3種類の埋め込み深さを持つ試料断面の構成図を示す。酸化膜140にポリSiのラインパターン(配線パターン)141が埋め込まれた試料である。ポリSiのラインパターン141は,酸化膜140の表面から100nm,500nm,1000nmの位置に埋め込まれている。本実施例では,ポリSiのラインパターン141を接地した。前記ラインパターン141の接地により,埋め込み深さの検査感度が向上する。一方,ポリSiのラインパターン141を接地しない場合,試料裏面の試料ホルダ(接地)までの合成容量となるため,ポリSiのラインパターン141の厚さや,ラインパターン下の厚さが検査できる。検査項目に応じて,導体部の接地,非接地を考慮することが望ましい。
図11に,加速電圧300V,照射電流10pAで撮像した3種類の埋め込み深さを持つ試料のSEM像(平面図)を示す。パルス幅は500nsから10000nsまで制御した。3種類の埋め込み深さ(100nm,500nm,1000nm)の試料いずれにおいても,パルス幅が長くなるに従い,ポリSiのラインパターン141の視認性が向上し,コントラスト最大化ののちに,画像全体の明度が低下し,ポリSiのラインパターン141の視認性が低下する。さらに,ポリSiのラインパターン141の埋め込み深さが深くなるに従い,コントラストが最大となるパルス幅は短くなることが判る。コントラストは,式(4)で表される。本実施例では,表面は酸化膜であるため,A,Bの領域によらず帯電が影響しない真の2次電子放出率σiA,σiBは,同じ値を示す。したがって,式(4)に示すように,埋もれた下層パターンのコントラストは,領域A,Bの時定数の差にのみ依存するため,照射時間t(パルス幅)の制御によりコントラストが最大化する。また,前記領域A,Bの時定数の差は,試料の静電容量の差ゆえ,埋め込み深さが異なる(静電容量の異なる)試料では,コントラストが最大となるパルス幅が異なる。本実施例では,前記コントラストが最大となるパルス幅が,静電容量に依存する特性を用いて,埋め込まれたパターンの断面方向の形態特性を解析する。
図12は,本実施例で用いた試料の断面の構成図であり,酸化膜中に,金属の配線パターン141が埋め込まれた試料である。本試料は,半導体デバイスの製造工程におけるウェーハ試料であり,本実施例では,ウェーハ面内での断面方向の形態ばらつきを検査する。
図13にウェーハ面内の断面方向の形態ばらつきを検査する検査フローチャートを示す。まず,ウェーハのマップデータを作成する(S11)。本ステップでは半導体デバイスのチップ単位(以降,本単位をダイとする)を基準としたウェーハのマップを設定する。前記各ダイは,同じ繰り返しパターンである。次に,ダイ内の解析位置,および解析するダイを設定する(S12)。さらに,加速電圧,照射電流,照射時間などの電子線の照射条件を設定する(S13)。S11からS13は制御パラメータ設定部118にて実行される。本実施例では,加速電圧300V,照射電流5pA,とし,パルス幅は1000nsから10000nsまで,1000nsピッチで制御した。パルス幅の異なる計10枚の画像からコントラストが最大となるパルス幅値を抽出する。
図14に,静電容量が明確な試料を用いて取得した静電容量とコントラストが最大となるパルス幅値との関係を示す。本実施例では,図14の校正データを予めデータベースとして保有し,検査時にデータベースより呼び出して使用する(S14)。S14は解析・表示部117にて実行される。次に,欠陥と正常の判定基準を定める(S15)。S15は制御パラメータ設定部にて実行される。本実施例では,埋もれた配線の横幅と断面方向の配線の深さ位置を検査する。本実施例では,デバイスの設計データに基づき横幅と深さ位置の閾値を定めた。本実施例の閾値は横幅±5nm,深さ位置±10nmとした。閾値の定め方として,任意の複数の箇所で横幅と深さ位置を解析し,解析結果のヒストグラムから閾値を定める方法もある。
次に,前記ステップS12で設定した解析位置に移動し(S16),複数のパルス幅の条件で複数枚のSEM画像を取得する(S17)。S16はXYZステージ制御部113にて,S17は画像形成部116にて実行される。本実施例では,パルス幅を1000nsのピッチで,1000nsから10000nsまで制御し,計10枚のSEM像を取得する。前記SEM像のコントラストを解析し,コントラストが最大となるパルス幅値を抽出する(S18)。本実施例ではコントラストCNRの解析に,次の式(6)を用いた。
Figure 0006379018
ここで,S,Sは下層に配線がない領域とある領域の画像明度であり,δ,δは下層に配線がない領域とある領域の画像明度の標準偏差である。前記ステップS18で解析したコントラストが最大となるパルス幅値に基づき,図14の校正データから,下層に配線がある領域の静電容量を抽出する(S19)。本実施例では配線部が導体ゆえ,式(3)の単層モデルを用いて,配線の深さ位置を導出する(S20)。前記ステップS15で定めた正常と欠陥の判断基準に基づき,解析部の正常,欠陥を判定する(S21)。S18からS21は解析・表示部117にて実行される。
次に,前記ステップS12で定めた,ダイ内の他の解析位置または,他のダイの解析位置に移動し,前記ステップS16からステップS21を繰り返し,検査終了後,結果を解析・表示部117に表示する(S22)。図15に検査結果を表示するGUIを示す。前記GUIは,前記ウェーハの設定デザインに基づいた検査マップを表示する検査マップ表示部142と,検査マップ表示部142で選択したダイ(例えば,欠陥ID14,矢印で表記)の検査SEM像を表示するSEM画像表示部143と,前記ダイの配線の検査結果を示す検査結果表示部144とで構成されている。
このように本実施例を用いれば,実施例1と同様の効果を得ることができる。また,パルス幅の異なる複数のSEM画像から,断面方向の深さ位置を検査することができる。
本発明の第4の実施例について,図7,図16から図19を用いて説明する。なお,実施例1から3のいずれかに記載され本実施例に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施例にも適用することができる。本実施例では,SEM画像を用いて断面方向(深さ方向)の形態特性を解析し,埋もれたパターンを検査する機能を備えた電子顕微鏡について述べる。
本実施例では,図7記載の電子線のパルス化により照射時間の高精度制御が可能な走査電子顕微鏡を用いた。図16に本実施例で解析した試料の断面図を示す。誘電率の低い絶縁膜150に,配線151が埋め込まれており,配線間には比誘電率が1のエアギャップ152が形成されている。本試料は,半導体デバイスの製造工程におけるウェーハ試料であり,本実施例では,ウェーハ面内での,前記エアギャップの断面方向の長さ(深さ方向の寸法)を解析,検査する。実施例3では,設定した解析箇所においてパルス幅の異なる複数のSEM像を取得し,前記複数のSEM像から,コントラストが最大となるパルス幅を算出した。本実施例では,1つのパルス幅の条件で取得したSEM像から欠陥部を判定し,抽出した欠陥エアギャップの断面方向の長さを解析する。図11に示すように,2000nsのパルス幅で撮像した場合,埋め込み深さ500nmのSEM像に対し,静電容量が大きくなるほど(埋め込み深さ100nm)コントラストが低下し,画像全体も明るくなる。一方,埋め込み深さ500nmのSEM像に対し,静電容量が小さくなると(埋め込み深さ1000nm)コントラストが低下し,画像全体は暗くなる。つまり,基準となる静電容量でコントラストが得られるパルス幅の条件でSEM像を取得し,前記SEM像の明度とコントラストから,欠陥が判別できる。
本実施例におけるエアギャップの長さ(深さ方向の寸法)を検査する検査フローチャートを図17に示す。ステップS31からステップ37までは,欠陥を判定するフローチャートであり,ステップS38からステップS45は,前記抽出した欠陥エアギャップの断面方向の長さを解析するフローチャートである。
まず,ウェーハのマップデータを作成する(S31)。次に,前記マップデータで設定したダイ内の解析位置,および解析するダイを設定する(S32)。さらに,加速電圧,照射電流,パルス幅などの電子線の照射条件を設定する(S33)。本実施例では,加速電圧300V,照射電流5pA,パルス幅は2000nsとした。次に,欠陥と正常の判定基準として,SEM画像のコントラストと明度の判定閾値を設定する(S34)。本実施例では,検査レシピ作成時にランダムに抽出したSEM像のコントラストと明度のヒストグラムから閾値を定めた。S31からS34は,制御パラメータ設定部118にて実行される。
次に,前記ステップS32で設定した解析位置に移動し(S35),前記ステップS33で設定した電子線の条件でSEM画像を取得し(S36),前記SEM像のコントラストと明度を解析し,前記ステップS34で設定した判定閾値に基づき,欠陥箇所を抽出する(S37)。S35はXYZステージ制御部113にて,S36は画像形成部116にて,S37は解析・表示部117にて実行される。
次に,前記ステップS32で定めた,ダイ内の他の解析位置または,他のダイの解析位置に移動し,前記ステップS35からステップ37を繰り返す。本実施例では,欠陥箇所の抽出後に,欠陥の詳細解析を実施する。しかしながら,必ずしも,欠陥の詳細解析を実施する必要はなく,ステップ37でフローを終了しても構わない。
次に,複数のパルス幅を持つ欠陥解析用の電子線の照射条件を設定する(S38)。本実施例では,加速電圧300V,照射電流5pA,とし,パルス幅は500nsから10000nsまで,500nsピッチで制御した。校正データには,図14の校正データを予めデータベースとして保有し,検査時にデータベースより呼び出して使用する(S39)。S38は制御パラメータ設定部118にて,S39は解析・表示部117にて実行される。
次いで,前記ステップ37で抽出した欠陥箇所(座標)に移動し(S40),パルス幅の異なる複数枚のSEM像を取得する(S41)。S40はXYZステージ制御部にて,S41は画像形成部116にて実行される。次に,前記SEM像のコントラストを解析し,コントラストが最大となるパルス幅値を抽出する(S42)。次に,前記ステップS42で解析したコントラストが最大となるパルス幅値に基づき,図14の校正データから,エアギャップがある領域の静電容量を抽出する(S43)。本実施例では,誘電率の低い絶縁膜150に,エアギャップ152が積層された構造ゆえ,式(5)の積層モデルを用いて,エアギャップの断面方向の長さを導出する(S44)。S42からS44は解析・表示部117にて実行される。次いで,前記ステップS37で抽出した欠陥箇所(座標)に移動し,前記ステップS41からステップS44を繰り返し,検査終了後,結果を解析・表示部117に表示する(S45)。
本実施例で用いたGUIを図18,図19に示す。図18は欠陥箇所を抽出した結果を表示するGUIで,図19は,図18で抽出した欠陥のエアギャップの断面方向の長さ(深さ方向の寸法)を解析した結果を表示するGUIである。
図18に示すように,検査マップ表示部153には,欠陥エアギャップを有するダイと前記欠陥エアギャップの特徴(基準長さに対する長短)が表示されている。SEM像解析表示部154には,SEM画像のコントラストと明度の分布図が表示される。エアギャップでは,エアギャップの断面方向の長さが短い方が,静電容量は大きくなるため,SEM画像の明度は明るくなる。一方,エアギャップの断面方向の長さが長い方が,静電容量は小さくなり,明度は暗くなる。SEM像解析表示部154には,本特性を考慮し,エアギャップの長短を判定している。さらに,ステップS34で示した欠陥抽出のための閾値を表示している。本実施例では閾値により抽出した欠陥をDOIと呼ぶ。検査結果として,エアギャップ欠陥の欠陥数を検査結果表示部155に表示した。
図19には,前記抽出したDOIのエアギャップの断面方向の長さ(深さ方向の寸法)を解析した結果を示しており,ID管理したDOIの複数のパルス幅で撮像したSEM像をSEM画像表示部156に表示し,エアギャップの長さの解析結果を,詳細解析結果表示部157に表示する。なお,ウェーハ検査マップの左下の矢印は欠陥ID14のダイを示す。
このように本実施例を用いれば,実施例1と同様の効果を得ることができる。又,SEM画像から,断面方向の形態が異なる欠陥箇所を特定し,さらに前記欠陥の断面方向の長さ(深さ方向の寸法)を解析することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101…走査電子顕微鏡,102…電子銃,103…偏向器,104…対物レンズ,105…検出器,106…XYZステージ,107…試料ホルダ,108…試料,109…電子銃制御部,110…偏向信号制御部,111…対物レンズコイル制御部,112…検出器制御部,113…XYZステージ制御部,114…マスタクロック生成部,115…検出信号処理部,116…画像形成部,117…解析・表示部,118…制御パラメータ設定部,119…電子線,120…2次電子,121…基板,122…酸化膜,123…照射位置(解析位置)の設定部,124…照射条件設定部,125…取得データ表示部,126…校正データの設定部,127…解析結果表示部,130…ブランカ,131…ブランキング制御部,132…パルス状の電子線,133…2次電子,134…シリカ,135…レジン,140…酸化膜,141…配線(ポリSiや金属の配線パターン),142…検査マップ表示部,143…SEM画像表示部,144…検査結果表示部,150…誘電率の低い絶縁膜,151…配線,152…エアギャップ,153…検査マップ表示部,154…画像解析表示部,155…検査結果表示部,156…SEM画像表示部,157…詳細解析結果表示部。

Claims (6)

  1. 荷電粒子線源と,
    前記荷電粒子線源から放出された荷電粒子線の照射エネルギを設定する手段と,
    制御信号の時間基準を設ける手段と,
    前記荷電粒子線を,前記時間基準に同期して試料に照射すると共に,照射位置を制御す
    る手段と,
    前記時間基準に同期して,前記試料からの放出電子を検出する手段と,
    前記照射位置を制御する第1制御信号と,前記荷電粒子線を前記試料に照射する第2制
    御信号と,前記放出電子の検出信号から画像を形成する手段と,
    前記画像を形成する手段で形成した複数の照射条件からなる複数の画像の明度またはコ
    ントラストから,前記試料の電気特性もしくは断面方向の形態特性を解析する手段と,を
    含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項記載の荷電粒子線装置において,
    前記試料の前記電気特性もしくは前記断面方向の形態特性を解析する手段は,前記試料
    の複数の箇所で,前記電気特性または,前記断面方向の形態特性を解析し,マッピングさ
    れた前記電気特性または,前記断面方向の形態特性を表示する手段を含むことを特徴とす
    る荷電粒子線装置。
  3. 請求項記載の荷電粒子線装置において,
    前記試料は,半導体デバイスの製造工程におけるウェーハであり,
    前記試料の前記電気特性もしくは前記断面方向の形態特性を解析する手段は,前記画像
    から,前記ウェーハに形成された微細パターンの前記微細パターンの寸法または前記微細
    パターンのパターン形状の不良を解析する手段を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項記載の荷電粒子線装置において,
    前記画像から,前記ウェーハに形成された微細パターンの前記微細パターンの寸法また
    は前記微細パターンのパターン形状の不良を解析する手段は,単一の照射条件からなる画
    像の明度またはコントラストの差から,前記ウェーハに形成された前記微細パターンの欠
    陥箇所を抽出する手段を備え,前記抽出した欠陥箇所で取得した複数の照射条件からなる
    複数の画像から解析した前記画像の明度またはコントラストに基づき,前記試料の前記電
    気特性もしくは前記断面方向の形態特性を解析するものであることを特徴とする荷電粒子
    線装置。
  5. 導電層が絶縁層で覆われた検査試料を準備する工程と,
    前記検査試料の前記導電層が形成された検査領域に,前記絶縁層を介してパルス幅の異
    なる荷電粒子線を照射してコントラストが異なる複数の画像を取得する工程と,
    前記複数の画像からコントラストが最大となるパルス幅を抽出する工程と,
    導電層を覆って形成された絶縁層の厚さが既知の標準試料を用いて得られたコントラス
    トが最大となるパルス幅と静電容量との関係を用いて,前記検査試料の前記検査領域にお
    いてコントラストが最大となるパルス幅に対応する静電容量を抽出する工程と,
    前記抽出された前記静電容量を用いて,前記検査試料の前記導電層の深さ位置を求める
    工程と,
    前記求めた前記導電層の深さ位置と,予め定めた判断基準とを照らし合わせ,正常、或
    いは欠陥の判定を行う工程と,を有することを特徴とする検査方法。
  6. 請求項記載の検査方法において,
    前記検査試料の前記導電層は,接地されていることを特徴とする検査方法。
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