本明細書は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体、前記多孔質構造体の遠位端に近接する移動防止環、および前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブを有する胃腸装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線(guide wire)を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテルの管腔内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルとを備え、前記外側カテーテルは、前記胃腸装置を前記送達装置の遠位端から露出させるように前記内側カテーテルを定位置に保持しつつ前記内側カテーテルに沿って近位方向に後退されるように構成される、送達装置を開示する。
必要に応じて、前記スリーブは、一旦前記胃腸装置が送達されると前記スリーブの近位端が患者の幽門の近くに位置し、前記スリーブの遠位端が患者の十二指腸の一部に位置するような長さを有する。
必要に応じて、前記外側カテーテルは約1.5メートルの長さを有し、前記送達装置は約3メートルの全長を有する。
必要に応じて、前記胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない(atraumatic)構造である。
必要に応じて、前記外側カテーテルは、送達中のX線造影用に遠位端にX線不透過性マーカーを備える。
必要に応じて、前記送達装置は、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、近位端、遠位端、および可変剛性を有する長さを有し、遠位球体および近位球体で構成され、前記内側カテーテルの遠位端から延びている長尺可撓性案内部材と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とをさらに備え、前記胃内装置を送達する前は、前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は露出されて前記外側カテーテルによって被覆されておらず、前記外側カテーテルを後退させると、前記第1の止め機構と前記第2の止め機構は前記内側カテーテルから順に取り外されるように構成される。
送達装置は、前記案内部材および前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つを覆う親水性被膜をさらに含んでいてよく、前記親水性被膜が活性化されると、前記親水性被膜によって前記送達装置の挿入と誘導が容易になるように構成される。
送達装置は、前記内側カテーテルの前記管腔に流体を注入する前記第1のハンドルおよび前記外側カテーテルの前記管腔に液体を注入する第2のハンドルのうちの少なくとも一つに注入口をさらに有していてもよい。
必要に応じて、前記近位球体は送達中に組織を傷つけないように構成され、かつX線造影用のX線不透過性マーカーを有し、前記遠位球体は組織を傷つけないボール先端形状に構成される。
必要に応じて、前記案内部材の前記可変剛性は前記案内部材の近位端では前記外側カテーテルの前記遠位端の剛性より小さく、かつ前記案内部材の遠位端では0.035インチの誘導線の剛性とほぼ等しい。
必要に応じて、前記第1の止め機構および第2の止め機構は、蝶ナットを用いて前記内側カテーテルを固定するプラスチックリングを備える。
本明細書は、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテルの管腔内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルと、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とを備えた送達装置を用いて、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に近接する移動防止環と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備えた胃腸装置を患者の胃腸管内に送達する方法であって、前記送達装置を誘導線に沿って前記患者の胃腸管内で摺動させる工程と、蛍光透視法を用いて、前記可撓性外側カテーテルの前記遠位端の位置を決定し、前記送達装置の正確な位置決めを確実にする工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第1の止め機構に後退させる工程と、前記外側カテーテルの前記遠位端が患者の幽門のちょうど近くに位置するまで、送達装置全体を後退させる工程と、前記第1の止め機構を前記内側カテーテルから取り外す工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第2の止め機構に後退させる工程と、前記第2の止め機構を取り外す工程と、前記第1のハンドルを保持して前記内側カテーテルを定位置に保ち、かつ前記外側カテーテルを前記第1のハンドルに後退させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り出す工程と、を含む方法も開示する。
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第1の止め機構に後退させると、前記スリーブの一部が前記患者の胃腸管の腸の部分に送達されてその部分に位置する。
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第2の止め機構に後退させると、前記スリーブの一部と前記多孔質構造体の一部が前記患者の胃腸管の胃の部分に送達されてその部分に位置する。
必要に応じて、前記外側カテーテルを前記第1のハンドルに後退させると、前記多孔質構造体の全体が前記患者の胃腸管の胃の部分に送達されてその部分に位置する。
必要に応じて、胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない構造である。
前記胃腸装置を送達する前は、前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は露出されてよく、前記外側カテーテルによって被覆されていなくてもよい。
必要に応じて、前記送達装置は、遠位球体と近位球体を有し前記内側カテーテルの前記遠位端から延びている長尺可撓性案内部材をさらに備える。
前記案内部材と前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つは親水性被膜を備えていてよく、前記方法は、前記送達装置を前記誘導線に沿って摺動させる前に、前記親水性被膜を活性化する工程をさらに含んでいてもよい。
本明細書は、胃腸装置と送達装置を備え、患者の胃腸管内に前記胃腸装置を送達する送達システムも開示する。前記胃腸装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端の近接する移動防止環と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端、遠位端、および管腔を有する可撓性外側カテーテルと、近位端、遠位端、および誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有し、前記外側カテーテル内に同軸配置され摺動可能に構成された可撓性内側カテーテルと、前記内側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記誘導線を摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第1のハンドルと、前記外側カテーテルの近位端に取り付けられ、近位端、遠位端、および前記内側カテーテルを摺動可能に受け入れるように構成された管腔を有する第2のハンドルと、遠位球体と近位球体を有し前記内側カテーテルの遠位端から延びている長尺可撓性部材と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられた第1の止め機構と、前記内側カテーテルの露出部分に着脱可能に取り付けられ、前記第1の止め機構の近くに位置する第2の止め機構とを備える。前記第1のハンドルと前記第2のハンドルの間に位置する前記内側カテーテルの近位部は前記外側カテーテルによって完全には被覆されておらず、前記内側カテーテルの前記遠位端は前記多孔質構造体の開口を通るようになっており、前記スリーブは前記内側カテーテルの周りに同軸状に巻き付けられており、前記外側カテーテルは、前記内側カテーテルを定位置に保持しつつ前記内側カテーテルに沿って近位方向に後退可能であり、前記外側カテーテルを後退させて胃腸装置を前記送達装置の前記遠位端から露出して送達すると、前記第1の止め機構と前記第2の止め機構が前記内側カテーテルから順に取り外されるように構成される。
前記送達システムは、前記長尺可撓性部材および前記外側カテーテルの前記遠位端のうちの少なくとも一つを覆う親水性被膜をさらに含んでいてよく、前記親水性被膜が活性化されると、親水性被膜によって前記送達装置の挿入と誘導が容易になる。
請求項の送達システムは、前記内側カテーテルの前記管腔に流体を注入する前記第1のハンドルおよび前記外側カテーテルの前記管腔に液体を流入する第2のハンドルのうちの少なくとも一つに注入口をさらに有していてもよい。
必要に応じて、前記送達装置はその長さに沿った可変剛性を有する。
必要に応じて、胃腸装置の移動防止環は近位側に傾斜し、多孔質構造体の遠位部は、多孔質構造体の遠位側を向いた端部が多孔質構造体の近位端の方に向けられるように折り曲げられる。必要に応じて、移動防止環は、多孔質構造体の遠位端の周りに周状に位置する任意の湾曲した/組織を傷つけない構造である。
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、前記送達装置は、近位端および遠位端を有する長尺体と、前記展開前の形態で前記長尺体の前記遠位端の外側で同軸に前記装置を収縮させる制限機構とを備える、送達装置も開示する。
一実施形態では、送達装置は、前記送達装置を特定の位置にロックするロック機構をさらに備える。
一実施形態では、前記遠位端は最遠位部および近位側遠位部を備え、前記最遠位部は前記近位側遠位部よりも柔軟である。
一実施形態では、送達装置は、前記近位端に糸引っ張り口をさらに備え、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置の周りに巻き付けられた糸を備える。
一実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆するジッパー付鞘を備える。別の実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆する引き離し鞘を備える。別の実施形態では、前記制限機構は、前記展開前の形態で前記装置を同軸に被覆する引き裂き鞘を備える。
送達装置は、近位端、遠位端を有する長尺体と、前記胃内装置の外側で同軸に摺動して、前記展開前の形態で前記胃内装置を前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端の外側で同軸に収縮させる引き離し鞘とを備えていてもよく、また、前記胃内装置を送達させる方法は、前記収縮した胃内装置を前記展開前の形態で前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端の外側に同軸に配置する工程と、内視鏡器具を用いて前記送達装置を患者に挿入し、前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端を前記患者の十二指腸または空腸まで前進させる工程と、胃内装置を位置決めした時点で、前記鞘を同軸に引き離して前記鞘を前記収縮した胃内装置から取り外す作業器具を用いて、前記胃内装置を自動的に膨張させて前記展開後の形態にする工程と、前記送達装置の前記長尺体の前記遠位端を摺動させて前記膨張した胃内装置から同軸に離し、前記送達装置を前記患者から取り外す工程とを含んでいてもよい。
必要に応じて、この方法は、前記圧縮した胃内装置に冷却部材を当て、前記鞘を取り外す過程で前記多孔質構造体が膨張するのを遅らせて前記送達装置の取り外しを容易にする工程をさらに含む。
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管から取り外す回収装置も開示する。ここで、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の周りに配置された少なくとも一つの周囲収縮機構と、その近位端に回収機構と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する長尺体と、前記管腔内に配置され、近位端および遠位端を有する長尺金属線と、前記金属線の前記遠位端から形成され、前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端および前記多孔質構造体の前記回収機構を把持する把持機構と、前記金属線の前記近位端に取り付けられたアクチュエータとを備える。
必要に応じて、前記回収装置は、前記長尺体の前記近位端にハンドルをさらに備える。
必要に応じて、前記アクチュエータは前記ハンドル内にある。
一実施形態では、前記回収装置は、前記長尺体の前記遠位端に取り付けられた2つの対向する顎部を有して前記金属線の前記近位端で前記アクチュエータに作動的に連結している把持部材と、前記把持部材の前記顎部どうしの間に配置された少なくとも一つのクランプとをさらに備え、前記顎部は、前記クランプを前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端の周りで圧縮するように構成される。
本明細書は、送達装置を用いて胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。ここで、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、この方法は第1の処置で前記多孔質構造体を前記スリーブなしで展開して前記多孔質構造体を膨張させて前記展開後の形態にする工程と、第2の処置で前記スリーブを前記膨張した多孔質構造体内で展開する工程と、前記第2の処置過程で前記スリーブの近位端を前記多孔質構造体の遠位端に結合させる工程とを含む。
必要に応じて、この方法は、前記第1の処置で前記圧縮した胃内装置に冷却部材を当て、展開中に前記多孔質構造体が膨張するのを遅らせる工程をさらに含む。
必要に応じて、前記第1の処置は第1のカテーテルを用いて実施される。
必要に応じて、前記第2の処置は第2のカテーテルを用いて実施される。
本明細書は、回収装置を用いて患者の胃腸管から装置を回収する方法も開示する。前記装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の周りに配置された少なくとも一つの周囲収縮機構と、その近位端に回収機構と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する長尺体と、前記管腔内に配置され、近位端および遠位端を有する長尺金属線と、前記金属線の前記遠位端から形成され、前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端および前記多孔質構造体の前記回収機構を把持する把持機構と、前記金属線の前記近位端に取り付けられたアクチュエータとを備える。前記方法は、内視鏡器具を用いて前記回収装置を前記患者に挿入し、前記回収装置の前記長尺体の前記遠位端を前記装置の近位端まで前進させる工程と、前記回収装置の前記把持機構を操作して前記多孔質構造体の周りに配置された前記少なくとも一つの周囲収縮機構の自由端に係合する工程と、前記回収装置の前記アクチュエータを引っ張って収縮させ、前記少なくとも一つの周囲収縮機構を自動的にロックし、それによって前記多孔質構造体を圧縮して前記展開前の形状にする工程と、前記回収装置の前記把持機構を操作して前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端の係合を外す工程と、前記把持機構を操作して前記回収機構を前記多孔質構造体の前記近位端で係合する工程と、前記アクチュエータを引っ張って前記装置の近位部を前記回収装置の前記管腔内に引き出す工程と、前記回収装置および前記装置を前記患者から取り外す工程とを含む。
胃内装置は、前記多孔質構造体の周りに位置する3つの周囲収縮機構を備えていてもよく、前記方法は、前記回収装置の前記把持機構を連続的に操作して前記3つの周囲収縮機構それぞれの自由端を係合する工程と、前記回収装置の前記アクチュエータを引っ張って収縮させ、前記3つの周囲収縮機構の各々を自動的にロックし、それによって前記多孔質構造体を完全に圧縮して前記展開前の形状にする工程とをさらに備えていてもよい。
一実施形態では、この方法は、前記圧縮した装置に冷却部材を当て、前記回収装置および前記装置を取り外す過程で前記多孔質構造体が再度膨張するのを防止する工程をさらに備える。
回収装置は、前記長尺体の前記遠位端に取り付けられた2つの対向する顎部を有して前記金属線の前記近位端で前記アクチュエータに作動的に連結している把持部材と、前記把持部材の前記顎部どうしの間に位置する少なくとも一つのクランプとをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記回収装置の前記把持部材を操作して、前記少なくとも一つのクランプを前記圧縮した多孔質構造体に近接する前記少なくとも一つの周囲収縮機構の前記自由端に当てる工程をさらに備えていてもよい。
本明細書は、内視鏡器具を用いて胃内装置を患者の胃腸管から取り外す回収装置も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備え、前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する可撓性カテーテルと、前記カテーテルの前記管腔内に位置し、近位端および遠位端を有し、前記金属線の前記遠位端の一部が把持機構のとして形成される長尺金属線と、前記カテーテルの前記近位端に位置するハンドルと、近位端、遠位端、および内部に第1の管腔を有する長尺管とを備え、前記管は前記カテーテルの外側に同軸に位置し、前記把持機構は前記多孔質構造体を把持するように構成され、前記長尺管はその遠位端で前記多孔質構造体を受け入れるように構成される。
ハンドルは、第1のハンドル部材および第2のハンドル部材を備えていてもよく、前記第1のハンドル部材および第2のハンドル部材は、前記長尺管を前記カテーテルの上で摺動させたり摺動しながら外したりできるように取り外される。必要に応じて、前記第1のハンドル部材および第2のハンドル部材は組み立てられ、ネジを用いて一つに保持される。
長尺管は、その近位端にアダプタをさらに備えていてもよく、前記アダプタは前記第2のハンドル部材に取り付けられるように構成される。
必要に応じて、長尺管は、この長尺管の前記遠位端に位置する膨張可能なバルーンと、この長尺管の前記近位端に位置する吹き込み口と、前記膨張可能なバルーンおよび前記吹き込み口と流体連通している別個の第2の管腔と、前記長尺管の前記遠位端に位置し、前記バルーンが収縮しているときに前記バルーンを収容するように構成された区画とをさらに備え、前記バルーンは前記吹き込み口および前記第2の管腔を介して膨張可能であり、膨張しているときの前記バルーンは、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
必要に応じて、長尺管は、前記長尺管の前記第1の管腔に冷流体を点滴注入するための点滴口を近位端にさらに備え、前記多孔質構造体は温度の影響を受けやすい材料からなり、前記冷流体は、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
カテーテルは、前記把持機構を制限する鞘をさらに備えていてもよい。
必要に応じて、把持機構はフックを備える。
本明細書は、回収装置を用いて胃内装置を患者の胃腸管から回収する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態の間で変化しうる多孔質構造体を備え、かつ前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブを備え、前記回収装置は、近位端および遠位端ならびに内部に管腔を有する可撓性カテーテルと、前記カテーテルの前記管腔内に位置し、近位端および遠位端を有し、前記金属線の前記遠位端の一部が把持機構のとして形成される長尺金属線と、前記カテーテルの前記近位端に位置するハンドルと、近位端、遠位端、および内部に第1の管腔を有する長尺管とを備え、前記管は前記カテーテルの外側で同軸に位置する。前記方法は、前記患者に挿入された内視鏡の動作チャネルの中に前記カテーテルを挿入する工程と、前記内視鏡の遠位端を前記患者の胃内で前記胃内装置の近くに配置する工程と、前記長尺金属線を操作して前記把持機構を前記カテーテルの前記遠位端よりも先に延ばし、前記把持機構で前記多孔質構造体を把持する工程と、前記カテーテルから前記ハンドルを取り外す工程と、前記長尺管を前記カテーテルの外側でスライドさせる工程と、前記ハンドルを取り替える工程と、前記長尺金属線を引いて前記多孔質構造体を前記長尺管内に引き入れる工程と、前記回収装置をその内部にある前記胃内装置を用いて前記患者から取り外す工程とを含む。
長尺管は、前記長尺管の前記遠位端に位置する膨張可能なバルーンと、前記長尺管の前記近位端に位置する吹き込み口と、前記膨張可能なバルーンおよび前記吹き込み口と流体連通している別個の第2の管腔と、前記長尺管の前記遠位端に位置し、前記バルーンが収縮しているときに前記バルーンを収容するように構成された区画とをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記バルーンを前記吹き込み口および前記第2の管腔を介して膨張する工程をさらに含んでいてもよく、前記膨張したバルーンは前記区画から延びており、前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助するのに使用される。
必要に応じて、長尺管は、前記長尺管の前記第1の管腔に冷流体を点滴注入するための点滴口を近位端にさらに備え、前記多孔質構造体は温度の影響を受けやすい材料からなり、前記方法は、冷流体を前記第1の管腔内に点滴注入して前記多孔質構造体を圧縮して展開前の形態にするのを補助する工程をさらに含む。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通ってこの多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通ってこの多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目(a first plurality of nodes)、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を備える。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記胃内装置は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を備え、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
必要に応じて、前記スリーブの前記近位端は前記環に結合されている。
前記複数の結び目の各群は、10〜100個の個々の結び目を有していてもよい。必要に応じて、前記複数の結び目の各群は44個の結び目を有する。必要に応じて、前記複数の結び目の各群は36個の結び目を有する。
多孔質構造体は所定の長さを有し、前記多孔質構造体は、前記長さに沿って様々な場所に横方向に分布した2〜60個の複数の結び目を有していてもよい。前記多孔質構造体にある結び目の総数のうち少なくとも10%は前記上部および前記下部に位置していてもよい。必要に応じて、結び目の総数の75%以下は前記複数の結び目の群のいずれか一つに位置している。
金網は形状記憶金属で構成されていてもよい。
金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は、曲げひずみ率によって規定されてもよく、この曲げひずみ率は、前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しい。必要に応じて、曲げひずみ率は0.1〜20%である。必要に応じて、曲げひずみ率は8%以下である。
必要に応じて、前記太さは0.1〜1mmである。必要に応じて、前記曲げ半径は0.013〜20cmである。
太さおよび曲げ半径は、前記太さの2倍が前記半径よりも小さく、この半径が前記太さの2000倍よりも小さくなるように構成されてもよい。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。前記金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は曲げひずみ率によって規定され、この曲げひずみ率は前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しく、さらに、前記曲げひずみ率は0.1〜20%である。さらに前記多孔質構造体は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
必要に応じて、前記曲げひずみ率は8%以下である。必要に応じて、前記太さは0.1〜1mmである。必要に応じて、前記曲げ半径は0.013〜20cmである。
太さおよび曲げ半径は、前記太さの2倍が前記半径よりも小さく、この半径が前記太さの2000倍よりも小さくなるように構成されてもよい。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。各群の複数の結び目はそれぞれ44個以下の個々の結び目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。前記金属線は所定の太さを有し、前記環の前記曲がり目は所定の曲げ半径を有し、前記多孔質構造体が圧縮されて前記展開前の形状になるにつれて前記環が遠位方向に折れ曲がったときの前記曲がり目は曲げひずみ率によって規定され、この曲げひずみ率は前記太さの2倍を前記半径で割ったものに100を掛けたものに等しく、さらに、前記曲げひずみ率は0.1〜20%である。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されている。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる少なくとも一つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記金属線の太さおよび前記金属線のピッチによって規定されるひずみ率を有し、さらに、前記ピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記金属線に沿った任意の2点の間の距離によって規定される。
螺旋状金属線は形状記憶金属で構成されてもよい。必要に応じて、形状記憶金属はニチノールである。
螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、0.1〜20%のひずみ率を有していてもよい。必要に応じて、螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、8%以下のひずみ率を有する。ピッチは5〜150mmであってもよい。必要に応じて、ピッチは60mmである。
スリーブは、1cm〜120cmの長さを有していてもよく、組織を傷つけずに患者の幽門に出入りするように構成されてもよい。
スリーブは、実質的に漏斗状であってもよく、前記スリーブが前記近位端から前記遠位端に延びるにつれて短くなる直径を有していてもよい。
必要に応じて、前記スリーブの近位部は漏斗状であり、前記スリーブの前記近位端は前記スリーブ本体の任意の他の部分に沿った直径よりも大きい直径を有し、前記近位端の直径は前記スリーブ本体が遠位側に延びるにつれて徐々に小さくなる。
必要に応じて、前記スリーブ本体の遠位部は、前記遠位部を強化し、かつ前記展開後の形状であるときに前記スリーブ本体を長尺形状に維持するように構成された2つ以上の層を有する。
必要に応じて、スリーブは近位部および遠位部を備え、前記近位部は前記スリーブの前記近位端から前記スリーブ本体上の移動点まで延びており、前記遠位部は前記移動点から前記スリーブの前記遠位端まで延びており、さらに、前記近位部は漏斗状であり、前記近位部が前記スリーブの前記近位端から前記移動点まで延びるにつれて小さくなる直径を有する。引き続き必要に応じて、前記遠位部は漏斗状であり、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端に延びるにつれて小さくなる直径を有する。あるいは、前記遠位部は筒状であり、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端まで一定のままの直径を有する。必要に応じて、前記遠位部の直径は、前記遠位部が前記移動点から前記スリーブの前記遠位端に延びるにつれて大きくなる。
スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、低密度ポリエチレン(low-densitypolyethylene、LDPE)、高密度ポリエチレン(high-densitypolyethylene、HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(ultra-high-molecular-weightpolyethylene、UHMWPE)のうちの一つまたはこれらの組み合わせからなる少なくとも一つの層で構成されてもよい。必要に応じて、スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のうちの一つまたはこれらの組み合わせからなる少なくとも二つの層を有し、前記層の間に位置する少なくとも一つの金属線の支持体をさらに備える。
必要に応じて、胃内装置は、前記スリーブの前記遠位端に取り付けられて前記遠位端が身体組織を傷つけなくするように構成された部材をさらに備え、前記部材は、筒状本体、近位端、遠位端、および内部の管腔を有し、前記部材は両端が開口し、前記部材の前記管腔は前記スリーブ内部と流体連通し、さらに、前記部材の外面は溝および前記溝内に位置する環状要素を備え、前記部材は、前記スリーブの一部を前記溝内かつ前記環状要素の下に配置することによって前記スリーブに取り付けられる。
必要に応じて、前記部材は、前記外面から延びるフランジをさらに備え、前記フランジは、前記スリーブの前記遠位端の自由端を覆う。あるいは、前記部材は、前記環状要素および溝の外側に位置する熱収縮管をさらに備える。引き続き必要に応じて、前記スリーブの遠位端は、前記スリーブの前記遠位端の自由端が前記スリーブ内部の中に位置した状態になるように前記環状要素の下に折り曲げられる。
必要に応じて、胃内装置は、前記スリーブの前記遠位端から延びる少なくとも一つの尾部をさらに備え、前記尾部は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。
前記スリーブの遠位部は複数のスリーブ房部を備えていてもよく、前記房部は前記スリーブの前記遠位端にある要素に取り付られ、さらに前記要素は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。必要に応じて、房部および遠位要素は落下傘状である。
前記スリーブの遠位端は複数の縫い目を有していてもよく、各縫い目は近位端および遠位端を有し、前記縫い目の前記近位端は前記スリーブの前記遠位端に取り付けられ、前記縫い目の前記遠位端は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成された要素に取り付けられる。必要に応じて、房部および遠位要素は落下傘状である。
前記スリーブの遠位端は複数の縫い目を有していてもよく、各縫い目は近位端および遠位端を有し、前記縫い目の前記近位端は前記スリーブの前記遠位端に取り付けられ、前記縫い目の前記遠位端は、それぞれが個々の要素に取り付られ、それぞれの個々の要素は、前記スリーブを遠位方向に引いて前記スリーブを患者の胃腸管内で的確な向きにするのを補助するように構成される。
必要に応じて、前記スリーブはスリーブ自体の周りで少なくとも一回前記スリーブの長手軸に沿って折り曲げられて前記スリーブに追加構造を提供する。
スリーブは、前記スリーブの長手軸に沿って延びる少なくとも一つのチャネルを備えていてもよく、前記少なくとも一つのチャネルは支持要素を受け入れて前記スリーブに追加構造を提供する。
前記スリーブの少なくとも一部は、前記スリーブに追加構造を提供するために交互になった溝部と隆起部からなる波形構造を有していてもよい。
前記スリーブの少なくとも一部は、前記スリーブに追加構造を提供するために編組構造に構成された可撓金属線を備えていてもよい。
スリーブは、前記スリーブの長手軸に沿って延びる少なくとも一つのチャネルを備えていてもよく、前記少なくとも一つのチャネルは、前記スリーブに追加構造を提供するために流体を受け入れるように構成される。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる3つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記個々の金属線の太さおよび前記個々の金属線の個々のピッチによって規定されるひずみ率を有し、さらに、前記個々のピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記個々の金属線に沿った任意の2点の間の距離によって規定される。
各々の前記螺旋状金属線は形状記憶金属で構成されてもよい。必要に応じて、形状記憶金属はニチノールである。
各々の前記螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、0.1〜20%の個別のひずみ率を有していてもよい。必要に応じて、各々の螺旋状金属線は、スリーブが圧縮されて展開前の形状に折り曲がるにつれて圧縮されたとき、8%以下の個別のひずみ率を有する。
各々の前記螺旋状金属線の個々のピッチは5〜150mmであってもよい。
必要に応じて、各々の前記螺旋状金属線の個々のピッチは60mmである。
必要に応じて、各々の前記金属線は、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある2つの隣接する金属線に沿った任意の2点の間の距離であると規定される、隣接する金属線とのピッチを有し、前記隣接する金属線とのピッチは20mmである。
必要に応じて、前記スリーブの近位部は漏斗状であり、前記スリーブの前記近位端は前記スリーブ本体の任意の他の部分に沿った直径よりも大きい直径を有し、前記近位端の直径は前記スリーブ本体が遠位側に延びるにつれて徐々に小さくなる。
必要に応じて、前記スリーブ本体の遠位部は、前記遠位部を強化し、かつ前記展開後の形状であるときに前記スリーブ本体を長尺形状に維持するように構成された2つ以上の層を有する。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは、前記展開後の形状であるときに前記スリーブを支持するように構成された、前記長尺体に沿って延びる少なくとも一つの螺旋状金属線をさらに備え、前記螺旋状金属線は、前記金属線の太さおよび前記金属線のピッチによって規定されるひずみ率を有し、前記スリーブは、前記ひずみ率が20%を超えないように少なくとも5回スリーブ自体に重ねて折り曲がることができる。さらに、前記ピッチは、前記スリーブの長手軸に沿った同じ平面内にある前記金属線に沿った任意の2点の間の距離で規定される。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、前記第2群の複数の結び目にある結び目総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。
前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の前記一部分の各結び目は、各結び目の最も遠位側の位置で前記スリーブの前記近位端に縫合されてもよい。必要に応じて、前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の一部分は、前記第2群の複数の結び目内に前記結び目をすべて含んでいる。必要に応じて、前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の一部分は、前記第2群の複数の結び目内にそれ以外の全結び目を含んでいる。
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
前記第2群の複数の結び目にある前記結び目総数の前記一部分分の前記結び目の各々に前記スリーブを結合している各縫い目は、結び目を一つのみ有していてもよい。
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてよく、前記端部は金属管を用いて一つに束ねられ圧着(クリンプ)される。
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部を外向きに輪を作って前記スリーブへの取付点を形成する。
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、各結び目に近接する前記金属線の一部分は、隣接する結び目に近接する金属線の別の一部分と交差して交点を形成し、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。
必要に応じて、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の前記総数の一部分は、前記多孔質構造体の前記下部に近接する前記交点をすべて含む。必要に応じて、前記多孔質構造体の前記下部にある前記交点の前記総数の一部分は、前記多孔質構造体の前記下部に近接するそれ以外の全交点を含む。
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
前記多孔質構造体の前記下部に近接する交点の前記総数の前記一部分の前記交点の各々に前記スリーブを結合している各縫い目は、結び目を一つのみ有していてもよい。
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてよく、前記端部は金属管を用いて一つに束ねられ圧着(クリンプ)される。
前記金網の金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部を外向きに輪を作って前記スリーブへの取付点を形成する。
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
本明細書は、胃内装置を圧縮して展開前に送達装置に搭載する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有し、前記上部に第1群の複数の結び目、前記下部に第2群の複数の結び目、および前記上部と前記下部との間の側面箇所に位置する第3群の複数の結び目を少なくとも有する金網を有する。各結び目は、前記金網の金属線に単一の支持されていない自由端または曲がり目を有する。さらに前記多孔質構造体は、多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記第2群の複数の結び目に結合されており、前記第2群の複数の結び目にある結び目総数の少なくとも一部分は、縫い目によって前記スリーブの前記近位端に結合されている。前記方法は、前記多孔質構造体の中心長手軸の周りで前記金網を圧縮する工程と、前記スリーブの前記遠位端を引っ張り、前記環が実質的に直線状になるように前記環の前記曲がり目を下向きに湾曲させる工程とを含む。
縫い目は、前記金網と前記スリーブとの間で何らかの相対的な動きが可能なようにゆるめに作られてもよい。
スリーブは、支持用の金属線を備えていてもよく、前記金属線は少なくとも2つの端部を有していてもよく、前記端部を折り返して前記金属線上で輪を作って組織を傷つけない金属線端部を形成するか、前記端部で外向きに輪を作って前記金網に結合する取付点を形成するか、前記端部を用いて本装置を圧縮する過程で前記スリーブを引っ張る。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で引いたり押したりでき、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。
摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。必要に応じて、摩擦係数は0.10以下である。
スリーブは所定の外面を有し、前記外面は艶消面であってもよい。前記スリーブの外面に粒子状物質を施してもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で前後に引き、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。前記方法は、前記多孔質構造体を送達装置に搭載する工程と、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる工程と、前記折り曲げたスリーブを前記送達装置の一部分の周りに巻き付ける工程と、前記多孔質構造体および前記スリーブを備えている前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に挿入する工程と、前記送達装置を操作して前記スリーブを完全に展開させる工程と、前記送達装置をさらに操作して前記多孔質構造体を完全に展開させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り外す工程とを含む。
摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。
この方法は、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる前に前記スリーブの外面に粒子状物質を施す工程をさらに備えていてもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備え、前記スリーブは、第1の長さを有する展開前の形状と、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する展開後の形状とを有し、スリーブが前記展開後の形状であるときに、前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合している。前記スリーブは所定の摩擦係数を有し、それによって前記スリーブを少なくともスリーブ自体に重ねて折り曲げ、展開装置の一部分の周りに巻き付け、展開過程で引いたり押したりでき、前記スリーブに構造上の損傷を与えることなく完全に展開できる。前記方法は、前記多孔質構造体を送達装置に搭載する工程と、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる工程と、前記折り曲げたスリーブを前記送達装置の一部分の周りに巻き付ける工程と、前記多孔質構造体および前記スリーブを備えている前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に挿入する工程と、前記送達装置を操作して前記スリーブを部分的に展開させ、前記スリーブを前記送達装置から完全に解放するが前記折り曲げた状態から一部のみを広げる工程と、前記送達装置をさらに操作して前記多孔質構造体を完全に展開させる工程と、前記送達装置を前記患者から取り外す工程と、蠕動作用で腸が前記スリーブの上で収縮することによって前記スリーブを完全に広げる工程とを含む。
前記摩擦係数は0.01〜0.30であってもよい。
この方法は、前記スリーブをスリーブ自体に重ねて折り曲げる前に前記スリーブの外面に粒子状物質を施す工程をさらに含んでいてもよい。必要に応じて、粒子状物質はコーンスターチである。必要に応じて、粒子状物質は生体適合性粉末である。
スリーブは、スリーブ自体に重ねて少なくとも2回折り曲げられてもよい。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える、送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有する可撓性長尺体であって、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える、長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式の可撓性プランジャ部材であって、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部および前記近位端に取り付けられた第2のハンドルを備える、プランジャと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式の可撓性長尺ロッドであって、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第3のハンドルをさらに備える、ロッドと、第1の端部および第2の端部を有する引っ張り機構であって、前記第1の端部は前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられ、前記第2の端部は前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している、引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよい。
必要に応じて、前記引っ張り機構は生物分解性であり、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
必要に応じて、前記スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫される。
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられてもよい。
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。
長尺体は、所定の長さを有し、前記長さは可変剛性を有していてもよい。必要に応じて、この長さは少なくとも3つの領域を有し、最も遠位側の領域が中心の遠位領域よりも柔軟であり、中心の遠位領域は遠位側から最も離れた領域よりも柔軟である。
長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
長尺体の遠位端、プランジャ、およびロッドは、組織を傷つけないように構成されてもよい。 本発明は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた作動機構を備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端は前記作動機構に作動的に取り付けられる、可撓性プランジャ部材と、前記作動機構に取り付けられ、動作すると前記作動機構を前記プランジャを前記長尺体の長手方向に沿って前後に動かすように構成されたアクチュエータハンドルおよびアクチュエータトリガと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を備え、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられたロッドハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
送達装置は、前記先端部と前記作動装置との間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよい。
必要に応じて、前記引っ張り機構は生物分解性であり、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
必要に応じて、前記スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫される。
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられてもよい。
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端、遠位端、および内部にプランジャ管腔を備え、前記遠位端に先端部および前記近位端に取り付けられた第2のハンドルを備える可撓性プランジャと、同軸に位置し、前記プランジャ管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体が前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第3のハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部は前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられ、前記第2の端部は前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。前記方法は、前記送達装置を誘導線に沿って前記患者の前記胃腸管内に摺動させる工程と、第1のハンドルを用いて前記長尺体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する工程と、第2のハンドルを押してスリーブが前記長尺体から押し出されるまでプランジャ部材を押し込む工程と、第3のハンドルを押してスリーブが完全に展開されるまでロッドをプランジャ管腔内で前進させる工程と、前記送達装置を引き戻して長尺体の遠位端を患者の胃内に再び配置する工程と、第1のハンドルを引き戻し第2のハンドルをそのまま保持し、プランジャを定位置に維持して金網構造体を解放する工程と、送達装置を患者から取り外す工程とを含む。
送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備えていてもよく、前記ストッパは、一旦前記スリーブが前記長尺体から押し出されると前記プランジャがさらに遠位側へ動くのを停止するように構成される。
送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備えていてもよく、前記方法は、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張させて送達装置を前記患者の胃腸管内に固定させる工程をさらに含んでいてもよい。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する送達装置であって、前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える、送達装置も開示する。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式の可撓性長尺ロッドとを備える。この長尺体は、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体は、前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第2のハンドルをさらに備える。さらに、前記送達装置は、前記可撓性長尺ロッドの近位部の外側で同軸に位置し、かつ前記可撓性長尺ロッドとともに長手方向に移動可能で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端で前記第2のハンドルに取り付けられる可撓性プランジャ部材と、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。
引っ張り機構は生物分解性であってもよく、縫い糸すなわちフックを備える。あるいは、前記引っ張り機構は生物分解性ではなく、ループエンドになっている縫い糸を備える。
スリーブは、環状、円錐状または傘状の圧迫装置で圧迫されてもよい。
必要に応じて、前記プランジャの前記先端部は、複数のフィンを備える網保持部材を備え、前記多孔質構造体の近位部は、前記プランジャが近位方向に動くと前記フィンが前記多孔質構造体を近位方向に動かすように前記フィンの上に位置する。
必要に応じて、前記スリーブは、前記ロッドの周りに巻き付けられる前にスリーブ自体に重ねて2〜10回折り曲げられる。
必要に応じて、送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備え、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張し、前記膨張したバルーンを使用して前記送達装置を前記患者の前記胃腸管内に固定する。
必要に応じて、送達装置は、送達中の展開力を軽減する水流機構または注流機構をさらに備える。
長尺体は所定の長さを有していてもよく、前記長さは可変剛性を有する。
長尺体は少なくとも3つの領域を有していてもよく、最も遠位側の領域が中心の遠位領域よりも柔軟であり、中心の遠位領域は遠位側から最も離れた領域よりも柔軟である。
長尺体は編組カテーテルを備えていてもよい。
長尺体の遠位端、プランジャ、およびロッドは、組織を傷つけないように構成されてもよい。 本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管内に送達する方法も開示する。前記胃内装置は、展開前の圧縮形態と展開後の膨張形態との間で変化しうる多孔質構造体と、前記多孔質構造体の遠位端に結合した長尺スリーブとを備える。前記送達装置は、近位端および遠位端、ならびに内部に長尺体管腔を有し、前記遠位端に開口、および前記近位端に取り付けられた第1のハンドルを備える可撓性長尺体と、同軸に位置し、前記長尺体の管腔内で長手方向に可動式で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端の近くに位置する第1の球体および前記遠位端に位置する第2の球体を備え、前記第1の球体は、前記第2の球体の直径よりも大きい直径を有し、前記近位端に取り付けられた第2のハンドルをさらに備える可撓性長尺ロッドと、前記可撓性長尺ロッドの近位部の外側で同軸に位置し、かつ前記可撓性長尺ロッドとともに長手方向に移動可能で、近位端および遠位端を有し、前記遠位端に先端部を有し、前記近位端で前記第2のハンドルに取り付けられる可撓性プランジャ部材と、前記胃内装置の前記スリーブに取り付けられる第1の端部および前記第1の球体と前記第2の球体との間の位置で前記ロッドに取り外し可能に結合している第2の端部を有する引っ張り機構とを備え、前記胃内装置は送達用に前記送達装置内に搭載され、その結果、前記多孔質構造体は前記長尺体の管腔内で前記プランジャ先端部の遠位側かつ前記スリーブの近位側に位置し、前記ロッドは前記多孔質構造体内で少なくとも2つの開口を通り、前記少なくとも2つの開口は前記多孔質構造体の長手中心軸沿いにあるのではなく、前記スリーブは、前記長尺体の管腔内で前記多孔質構造体の遠位側かつ前記第1の球体の近位側に位置し、前記スリーブはスリーブ自体に重ねて折り曲げられた後に前記ロッドの一部分の周りに巻き付けられ、さらに前記スリーブは、前記引っ張り機構の前記第1の端部に取り付けられる。前記方法は、前記送達装置を誘導線に沿って前記患者の前記胃腸管内に摺動させる工程と、第1のハンドルを用いて前記長尺体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する工程と、第2のハンドルを押してスリーブが完全に展開されるまでプランジャ部材およびロッドを押し込む工程と、前記送達装置を引き戻して長尺体の遠位端を患者の胃内に再び配置する工程と、第1のハンドルを引き戻し第2のハンドルをそのまま保持し、プランジャおよびロッドを定位置に維持して金網構造体を解放する工程と、送達装置を患者から取り外す工程とを含む。
必要に応じて、前記送達装置は、前記先端部と前記第2のハンドルとの間で前記プランジャ上に位置するストッパをさらに備え、前記ストッパは、一旦前記スリーブが前記長尺体から押し出されると前記プランジャおよびロッドがさらに遠位側へ動くのを停止するように構成される。
必要に応じて、前記送達装置は、前記長尺体の前記遠位端に膨張可能なバルーンと、前記長尺体の前記近位端に入口と、前記長尺体に沿って延び前記バルーンおよび前記入口と流体連通しているチャネルとをさらに備え、前記方法は、前記入口および前記チャネルを用いて前記バルーンを膨張させて送達装置を前記患者の胃腸管内に固定させる工程をさらに含む。
本明細書は、胃内装置を送達する送達システムも開示する。前記送達システムは、近位端および遠位端を有し、長さに沿って可変剛性を有する外側カテーテルと、外側カテーテルの内部に同軸に位置し、近位端、組織を傷つけない遠位端、およびガイド装置を受け入れる管腔を有する可撓性内側カテーテルとを備え、前記胃内装置は内側カテーテルと外側カテーテルとの間の空間に位置し、前記内側カテーテルは、少なくとも5cmの長さを有する可撓性延長部を遠位端に有し、この延長部は前記外側カテーテルの前記遠位端の先に延びている。
必要に応じて、ガイド装置は誘導線である。あるいは、ガイド装置は送達部全体に亘る内視鏡(endoscope for over the scope delivery)である。
組織を傷つけない遠位端はボール状先端部であってもよい。
前記内側カテーテルはその長さに沿って可変剛性を有していてもよい。
必要に応じて、前記可撓性延長部は、近位端および遠位端を有し、かつその長さに沿って可変剛性を有し、この剛性は、前記遠位端にある誘導線の剛性と前記近位端にある前記内側カテーテルの剛性とで異なる。
本明細書は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える、胃内装置も開示する。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。前記多孔質構造体は、実質的に球形の展開後の形状を有する金網を有する。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記金属線の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記環に結合されており、スリーブは、患者の幽門を遮断することなく前記幽門に断続的に係合するように設計され、食物が胃からスリーブの前記管腔を通って小腸に入るようになっている。
本明細書は、胃内装置を患者の胃腸管に送達するシステムも開示する。このシステムは、第1の管腔を有する多孔質網構造体と、両端が前記多孔質網構造体に取り付けられ第2の管腔を有するスリーブと、外側カテーテルおよび内側カテーテルを備える同軸カテーテルシステムとを備え、送達前に前記多孔質網構造体および前記スリーブは、前記外側カテーテルと内側カテーテルの間の空間に向けて圧迫され、外側カテーテルは胃内装置の大部分に及び、内側カテーテルは網構造体の大部分の第1の管腔の内部を通るがスリーブの大部分の第2の管腔の外部を通る。
必要に応じて、前記内側カテーテルは、作動時に内側カテーテルがスリーブを同軸カテーテルシステムから押し出し、その後スリーブから取り外されて胃内装置を胃腸管に送達するように、前記内側カテーテルの遠位端で機能できるようにスリーブに取り付けられる。
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開されるように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記胃内装置の少なくとも一部分は、前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられることなく前記患者の前記胃腸管と常時物理的に接触した状態になる。
物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
前記胃内装置の一部分は前記多孔質構造体の一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管の前記一部分は幽門近くに胃の一部分を含んでいてもよい。必要に応じて、前記胃の一部分は前記胃の前記胃排出領域を含んでいてもよく、前記胃内装置は前記領域を閉塞しない。
前記胃内装置の一部分は前記スリーブの一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管の前記一部分は幽門の一部分を含んでいてもよい。
前記胃内装置の一部分は前記スリーブの一部分を含んでいてもよく、前記患者の前記胃腸管前記一部分は十二指腸の一部分を含んでいてもよい。
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
胃内装置は、前記患者の幽門の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供し得る。必要に応じて、胃内装置は、前記患者の幽門および十二指腸の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供する。
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開するように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記多孔質構造体は、前記患者の胃の内部で胃の一部分と物理的に接触する位置になり、前記スリーブは、前記胃内装置が前記患者の幽門の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供するように前記患者の幽門および十二指腸の内部に位置し、前記患者が消化した食物は前記幽門のどの部分とも物理的に接触できない。
前記胃の前記一部分との物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
必要に応じて、胃内装置は前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられない。
本明細書は、患者の体重減少を促進するシステムも開示する。前記システムは、胃内装置、送達装置、および回収装置を備え、前記胃内装置は、患者の胃腸管内で一時的に展開するように構成される。前記胃内装置は、上部、下部、内部を有し、第1の容積を有する展開前の形状と、前記第1の容積よりも大きい第2の容積を有する展開後の形状とを有する多孔質構造体を備える。前記多孔質構造体は、前記展開後の形状では、前記上部に近接する少なくとも一つの第1の開口と、前記下部に近接する少なくとも一つの第2の開口とを有し、それによって食物が前記少なくとも一つの第1の開口を通って前記多孔質構造体に入り、前記内部を通過し、前記少なくとも一つの第2の開口を通って前記多孔質構造体から出るようになっている。さらに前記多孔質構造体は、前記多孔質構造体の前記下部に位置し、曲がり目を有する環を有し、前記曲がり目は、前記多孔質構造体の長手中心軸から離れる方向に湾曲しているとともに、前記多孔質構造体の前記上部に向かう上向きの方向に湾曲している前記多孔質構造体の延長部を有する。さらに前記胃内装置は、可撓性長尺体、第3の開口を有する近位端、第4の開口を有する遠位端、およびスリーブ内部を有するスリーブを備える。前記少なくとも一つの第2の開口から出る食物が前記第3の開口を通って前記スリーブに入り、前記スリーブ内部を通過し、前記第4の開口を通って前記スリーブから出るように、前記スリーブの前記近位端は前記多孔質構造体の前記下部に結合されており、一旦前記胃内装置が前記患者の胃腸管内で展開されると、前記多孔質構造体は、前記患者の胃の内部で胃の一部分と物理的に接触する位置になり、前記スリーブは、前記胃内装置が前記患者の十二指腸の一定かつ実質的に完全なバイパスを提供するように前記患者の幽門および十二指腸の内部に位置し、前記患者が消化した食物は前記十二指腸のどの部分とも物理的に接触できない。
前記胃の前記一部分とのシステムの物理的接触は、小腸の蠕動作用で前記胃内装置の前記スリーブを前記小腸内に引っ張ることで起きてもよい。
胃内装置は、この胃内装置自体を通して食物を誘導してもよく、それによって食物を前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動させ、前記食物の移動を遮断することがない。必要に応じて、前記患者の胃から前記患者の小腸へ移動する食物の少なくとも10%、好ましくは50%は前記胃内装置を通過する。
必要に応じて、胃内装置は前記患者の生体構造のどの部分にも物理的に取り付けられない。
本発明の上記の実施形態およびその他の実施形態を、以下の図面および詳細な説明によりさらに深く説明する。
本発明の前記機能や他の機能および利点は、以下の詳細な記述を参照し、添付の図面と関連付けて考察することにより、理解が深まり正しく評価されるであろう。
図1は、上部胃腸システムの図である。
図2Aは、本明細書の一実施形態に従う、遠位端に装着され、近位に傾斜する移動防止盤すなわち移動防止環を有する展開後の構成における金網構造体の図である。
図2Bは、本明細書の一実施形態に従う、遠位端に形成され、近位に湾曲する移動防止環を有する、展開後の構成における金網構造体の図である。
図3Aは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の近位端および遠位端に配置される複数の自由端すなわち結び目を示す図である。
図3Bは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端に配置される複数の重なり合う結び目を示す図である。
図3Cは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端に配置される、第1群の複数の結び目、および第1群の複数の結び目に近位する第2群の複数の結び目を示す図である。
図3Dは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目と第2群の複数の結び目の図であり、第1群の複数の針金に形成される輪を示す。
図3Eは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目と第2群の複数の結び目の図であり、第2群の複数の針金に形成される輪を示す。
図3Fは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目と第2群の複数の結び目の図であり、第1群の複数の一つおきの針金、および第2群の複数の一つおきの針金に形成される輪を示す。
図3Gは、本明細書の一実施形態に従う、近位端に第1群の複数の結び目、および遠位端に第2群の複数の結び目を有する金網構造体を示す。
図3Hは、本明細書の一実施形態に従う、近位端に第1群の複数の結び目、および遠位端に第2群の複数の結び目を有し、また表面に沿って分配された第3群の複数の結び目および第4群の複数の結び目を有する金網構造体を示す。
図3Iは、本明細書の複数の実施形態に従う、考えられる様々な結び目の形を示す。
図4Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の金網構造体の組織を傷付けない移動防止環を詳細に示す図である。
図4Bは、本明細書の別の実施形態に従う、胃内装置の金網構造体の組織を傷付けない移動防止環を詳細に示す図である。
図4Cは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、胃内装置の金網構造体の組織を傷付けない移動防止環を詳細に示す図である。
図5Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材の一部を示す図であり、スリーブ本体にらせん状に沿う1本の針金による支持を示す。
図5Bは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材の一部を示す図であり、スリーブ本体にらせん状に沿う、複数の針金による支持を示す。
図5Cは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の図であり、スリープ上のらせん状の針金の輪による支持を示す。
図5Dは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材の図であり、スリーブの近位端の漏斗形の開口を示す。
図5Eは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の図であり、スリーブ本体の外部表面の複数の標識を示す。
図5Fは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の図であり、スリーブ本体の外部表面のスリーブの長さに従って伸ばした標識線を示す。
図5Gは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の図であり、スリーブ本体の外部表面の複数の標識、およびスリーブの長さに従って伸ばした標識線を示す。
図6Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の断面図であり、複数のスリーブ層を示す。
図6Bは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の断面図であり、複数のスリーブ層を示す。
図6Cは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の断面図であり、複数のスリーブ層を示す。
図6Dは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の断面図であり、複数のスリーブ層を示す。
図6Eは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材の断面図である。
図6Fは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置のスリーブ部材に対するステント支持の図である。
図6Gは、図6Fのステント支持を有する、胃内装置のスリーブ部材の図である。
図7は、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の漏斗形のスリーブの図である。
図8は、本明細書の別の実施形態に従う、胃内装置の漏斗形のスリーブの図である。
図9Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成におけるスリーブ部材が装着された金網構造体の図であり、スリーブの近位端に向けた金網支持の平滑端を示す。
図9Bは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における金網構造体および装着されたスリーブ部材の近位部分の図であり、金網構造体内に配置される送達カテーテルを示す。
図10Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、漏斗形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Bは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、円錐形の遠位端を有する、漏斗形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Cは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Dは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体に装着された、図10Cの円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Eは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における、円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Fは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体に装着された、図10Eの円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Gは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、組織を傷付けない遠位先端部を有する、円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図10Hは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における、組織を傷付けない遠位先端部を有する、円錐形で網状の短いスリーブ部材の図である。
図11Aは、展開後の構成における、スリーブが装着された胃内装置の一実施形態を示す断面図である。
図11Bは、展開前の構成における、図11Aの胃内装置を示す断面図である。
図11Cは、展開後の構成における、スリーブが装着された胃内装置の別の実施形態を示す断面図である。
図11Dは、展開前の構成における、図11Cの胃内装置を示す断面図である。
図12Aは、本明細書の一実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図12Bは、本明細書の別の実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図12Cは、本明細書の別の実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図12Dは、本明細書の別の実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図12Eは、本明細書の別の実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図12Fは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図13Aは、本明細書の一実施形態に従う、漏斗形のスリーブの近位端に接続される金網構造体の遠位端に配置される複数の結び目の図である。
図13Bは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の遠位端およびそれに接続される、熱収縮チューブで覆われた漏斗形のスリーブの近位端の図である。
図14は、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、漏斗形のスリーブを備える胃内装置の図である。
図15は、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における、円筒形のスリーブを備える胃内装置の図である。
図16Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の金網構造体の移動防止環に装着される、漏斗形のスリーブの詳細図である。
図16Bは、本明細書の別の実施形態に従う、胃内装置の金網構造体の移動防止環に装着され、先端がほつれたスリーブの近位端を有する、漏斗形のスリーブの詳細図である。
図16Cは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体と装着されたスリーブを含む、胃内装置の図である。
図16Dは、図16Cの胃内装置の図であり、スリーブをまっすぐにして周囲組織と相対的に装置の大きさを示す。
図16Eは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体と胃内装置のスリーブの図であり、前記金網構造体上の回収引きひもを示す。
図16Fは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体と胃内装置のスリーブの図であり、前記金網構造体上の1本の回収引きひもを示す。
図17Aは、スリーブの遠位端の断面図であり、前記遠位端が人体組織に傷をつけないよう構成するために選定された、一部材の一実施形態を示す。
図17Bは、スリーブの遠位端の断面図であり、前記遠位端が人体組織に傷をつけないよう構成するために選定された、一部材の別の実施形態を示す。
図17Cは、スリーブの遠位端の断面図であり、前記遠位端が人体組織に傷をつけないよう構成するために選定された、一部材の別の実施形態を示す。
図18は、本明細書の一実施形態に従う、位置決めの尾部が装着された、スリーブの遠位端の図である。
図19Aは、本明細書の一実施形態に従う、一つの輪に結合する複数のフリンジを含むスリーブの遠位端の図である。
図19Bは、本明細書の一実施形態に従う、一つの円球に結合する複数のフリンジを含むスリーブの遠位端の図である。
図19Cは、本明細書の一実施形態に従う、あるスリーブの遠位端に装着される一つの円球の断面図である。
図19Dは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの遠位端の図であり、このスリーブから複数の縫い目が伸び一つの円球に結合している。
図19Eは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの遠位端の図であり、このスリーブから、縫い目の輪またはビーズが装着された少なくとも一つの縫い目が伸びている。
図20Aは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの遠位端の図であり、このスリーブ壁内の少なくとも一つの折りたたみを示す。
図20Bは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの遠位端の図であり、このスリーブ壁内の少なくとも一つの管と支持構造体を示す。
図20Cは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの一部の図であり、波形のスリーブ壁を示す。
図20Dは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの一部の図であり、表編みされたスリーブ壁を示す。
図20Eは、本明細書の一実施形態に従う、スリーブの一部の図であり、表編みされたスリーブ壁、および先端がほつれたスリーブの遠位端を示す。
図20Fは、本明細書の様々な実施形態に従う、スリーブの典型的な編み目模様を示す。
図21Aは、本明細書の一実施形態に従う、患者の胃腸菅に展開される、楕円形の金網構造体を有する胃内装置の図である。
図21Bは、本明細書の別の実施形態に従う、患者の胃腸菅に展開される、楕円形の金網構造体を有する胃内装置の図である。
図22は、本明細書の一実施形態に従う、第1の胃内装置の拡張された金網構造体、および注入カテーテルの遠位端に結合される第2の胃内装置の収縮された金網構造体の図である。
図23は、本明細書の一実施形態に従う、送達カテーテル上で部分的に収縮された金網構造体を備える胃内装置の図である。
図24Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第1の事例を説明する図である。
図24Bは、本明細書の一実施形態に従う、図24Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図25Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第2の事例を説明する図である。
図25Bは、本明細書の一実施形態に従う、図25Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図25Cは、本明細書の一実施形態に従う、引き離し鞘を含む送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図26Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第3の事例を説明する図である。
図26Bは、本明細書の一実施形態に従う、図26Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図26Cは、本明細書の別の実施形態に従う、図26Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図26Dは、金網構造体とスリーブを別々に送達し、患者の胃腸菅内で 胃内装置を組み立てる際に含まれる手順を示す流れ図である。
図27Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第4の事例を説明する図である。
図27Bは、図27Aの送達装置の別の図であり、送達装置のさまざまな部材の相対的な長さを示す。
図27Cは、本明細書の一実施形態に従う、送達装置の遠位端の図であり、誘導のための案内オリーブ色を示す。
図27Dは、本明細書の一実施形態に従う、送達装置の一部の図であり、網保持部材を示す。
図27Eは、本明細書の一実施形態に従う、図27Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図28Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第5の事例を説明する図である。
図28Bは、本明細書の一実施形態に従う、図28Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図29Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第6の事例を説明する図である。
図29Bは、本明細書の一実施形態に従う、送達装置内での胃内装置のスリーブについて、展開前の同軸上での配置を示す断面図である。
図29Cは、本明細書の別の実施形態に従う、送達装置内での胃内装置のスリーブについて、展開前の同軸上での配置を示す断面図である。
図29Dは、本明細書の一実施形態に従う、送達装置内での胃内装置のスリーブについて、展開前の同軸上での配置を内視鏡で描写した場合の断面図である。
図29Eは、本明細書の一実施形態に従う、図29Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図30Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置の送達装置の第7の事例を説明する図である。
図30Bは、図30Aの送達装置に使用するための外側カテーテルの一つの典型的な実施形態の図である。
図30Cは、外側カテーテルの別の実施形態の図であり、外側カテーテルの大きさと相対的に、胃内装置の圧縮されたスリーブと圧縮された金網構造体の大きさを示す。
図30Dは、図30Aの送達装置の遠位端の詳細図であり、案内部材、および近位球体と遠位球体を示す。
図30Eは、図30Aの送達装置の近位端の図であり、第1の止め機構に格納された外側カテーテルを示す。
図30Fは、図30Eに示された外側カテーテルの位置に対応して、部分的に展開される胃内装置のスリーブの一実施形態を示す図である。
図30Gは、図30Aの送達装置の近位端を示す図であり、第2の止め機構に格納された外側カテーテルを示す。
図30Hは、図30Iに示された外側カテーテルの位置に対応して、部分的に展開される胃内装置の金網構造体の一実施形態の図である。
図30Iは、本明細書の一実施形態に従う、図30Aの送達装置を用いて胃内装置を送達する際に含まれる手順を示す流れ図である。
図31Aは、本明細書の一実施形態に従う、送達装置に装着中の胃内装置の金網構造体の図である。
図31Bは、送達装置にさらに装着中の図31Aの金網構造体の図である。
図31Cは、送達装置に装着されている図31Aの金網構造体の図であり、移動防止環のみはまだ装着すべき状態である。
図31Dは、送達装置に完全に装着されている図31Aの金網構造体の図である。
図31Eは、送達装置に部分的に装着されている図31Aの胃内装置のスリーブを示す図である。
図31Fは、送達装置に完全に装着されている図31Aの胃内装置の図である。
図32Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置を取り除くための回収装置の図である。
図32Bは、本明細書の一実施形態に従う、図31Aの回収装置を用いて患者から胃内装置を取り除く際に含まれる手順を示す流れ図である。
一実施形態では、本明細書は、体重の減少を誘導するため肥満の患者に使用される、動的重量を持つ胃内装置に関するものである。いくつかの実施形態では、胃内装置は、展開前の形状と展開後の形状を有する、多孔性の三次元構造体を含む。一実施形態では、多孔性の三次元構造体は非膨張性の金網構造体であり、または形状記憶合金や形状記憶ポリマー製のらせん状の構造体である。らせん状の構造体は、展開前の圧縮された円筒形から、展開後の球、長円体、インゲン豆、または有効体積を持つ任意の所定の形状に変化する。別の実施形態では、胃内装置は、プラスチック材料、ポリエーテルケトン(PEEK)などのポリマー、ポリエステル、生体吸収性材料で作製される。本装置は最低限の機械力およびまたは室温での展開前の形状から体温での展開後の形状への変化に伴う温度変化によって、展開前の形状から展開後の形状に、また展開後の形状から展開前の形状に変化する。本装置は、カテーテルを介して、内視鏡的に胃へ送達される。本装置は、内視鏡や蛍光透視の案内や補助により、内視鏡や誘導線を通して、内視鏡によって配置してもよい。
本装置は、展開前は挿入を容易にするため圧縮された形状を有し、また展開後は拡張された形状を有し、胃の管腔内に存在する。本装置の展開後の体積は、展開前の体積よりかなり大きい。一実施形態では、展開後の装置は少なくとも100mLの体積を有する。展開後の装置は、胃の中でかなりの容積を占有するため、摂取された食物の貯蔵に利用できる胃の利用可能容積を削減する。これにより、食物の摂取量を制限し、満腹を誘導し、人の食欲を抑制する。一実施形態では、本装置はまた、胃の蠕動とともに胃から小腸への食物の通過を断続的に遅らせる、または妨げるために作製され、それによって胃が空になるのを遅らせる。いくつかの実施形態では、本装置は、膵液分泌の作用をうけないよう摂取食物をバイパスすることにより、または食物が摂取されないよう膵液分泌をバイパスすることにより、胆膵迂回路を作り出す機能がある。
一実施形態では、本装置は形状記憶合金を含み、いったん展開されると自己展開し、展開前の形状から展開後の形状へ変化する。別の実施形態では、本装置は、温度感知金属を含み、展開前の形状では冷却されており、その後人の体温にさらされると自己拡張し、展開後の形状を実現する。別の実施形態では、展開道具を用いて、最低限の機械力を利用して装置の形状を展開前の形状から展開後の形状に変更する。別の実施形態ではプラスチック、ポリマー、炭素繊維、生体吸収性材料を用いて、胃内装置を組み立てる。
一実施形態では、針金構造体は、部位の重さに差異を設けた材料を含み、胃の内部で適切な位置決めを補助する。一実施形態では、より軽い材料は、針金構造体の上端の開口に近位する上端部に配置され、より重い材料は、針金構造体の下端の開口に近位する下端部に配置される。部位の重さに差異を設けることにより、本装置は胃の内部で適切に配置され、胃内容排出を遅らせるという、意図した効果を達成する。さらに、部位の重さに差異を設けることにより、胃壁へ金網構造体を物理的にしっかりと固定する必要なく、適切に胃内での位置決めを行う。さらに、本装置に入り重力で装置の下端の方に選択的に蓄積された摂取食物材料によっても、重さが部位により異なるという特性をもたせることができる。また上端と下端に半分ずつ異なる量の材料を用いることによっても、部位の重さに差異を設けることができる。金網構造体は、胃の内部で自由に移動することができるが、同時に重力により上端と下端の正しい配置を維持する。
一実施形態では、本装置は金網構造体を含み、展開後は網目構造の針金の間に網目の開口を含む形状になる。一実施形態では、網目の開口は直径が1mmを超える。一実施形態では、金網構造体の針金は、耐食性の材料で被覆される。耐食性の材料は、展開後に金網構造体の針金が胃内の酸性物質にさらされて劣化することを防ぐ。耐食性の材料は、金網構造体の針金を完全に覆うが、網目の開口は覆うことはない。一実施形態では、耐食性の材料はパリレンを含む。パリレンは、耐久性があり、ニッケルイオンの溶出を軽減し、より目立たない状態(適用後はより薄い)を有するという点で、被覆として有益である。いくつかの実施形態では、耐食性の材料は、シリコーン、ポリエステル、ポリエーテルケトン(PEEK)、医療用のエポキシ、セラミック、付加的な金属、適切で柔軟性のある耐食性の材料などを含む。一実施形態では、被覆金属としてタンタルを用いる。タンタルには、耐食性と放射線不透過性がある。一実施形態では、被覆にセラミックを用いるが、セラミック被覆層は数オングストロームの厚さを有する。いくつかの実施形態では、上記耐食性材料の一つまたは複数の組み合わせを用いて、金網構造体の金属を被覆する。
一実施形態では、網目の開口は異なる大きさに構築され、網を出入りする食物の流れを調整する。一実施形態では、装置の下半分にある少なくとも一つの開口は、装置の上半分にあるどの開口よりも大きく、これにより食物材料をさらに小さくしなくとも、網に入る食物は抜け出ることができる。
別の実施形態では、胃内装置はさらに、移動防止部材、すなわち遠位端の一部に結合される移動防止環を含む。移動防止部材は、胃内装置の金網と同様に、送達のための圧縮された第1の構成と展開後の拡張された第2の構成をとることができる。移動防止部材は、物理的な停止装置として機能し、胃内装置が幽門を通過することを防止する。いくつかの実施形態では、移動防止部材の直径は、緩やかな幽門の直径よりも大きい。一実施形態では、移動防止部材は胃内装置の金網構造体の拡張を含む。別の実施形態では、移動防止部材は、独立した一つの金網であり、胃内装置の遠位端の一部に装着される。いくつかの実施形態では、移動防止部材は、緩衝器、準緩衝器、円板、受け皿など、装置の幽門の先への移動を防止する形状に近づけた形状を有する。
他の実施形態では、スリーブは胃内装置に装着することができるが、スリーブは胃から、空になった十二指腸に伸びるか、または十二指腸を介して空腸に伸びる。一実施形態では、スリーブは、隔離された糜粥を金網構造体から直接、十二指腸の中央、または空腸の中央に通過させるよう機能する。別の実施形態では、スリーブは胃内装置に結合されるが、直接装置から食物を受け取ることはない。本実施形態では、スリーブの近位端は装置に遠位し、食物は直接胃または十二指腸から受け取る。スリーブに入る食物は遠位端で抜け出て、小腸の一部をバイパスして十二指腸または空腸に入る。
従って、スリーブは、胃腸の(GI)管を部分的にバイパスし、腸での特定物質の吸収を制限する。スリーブがもたらす利点は、ルーワイ(Roux-en-Y)法による胃のバイパス手術の利点と同様で、体重の減少と2型糖尿病の改善が挙げられる。
装置の埋め込み後、本明細書の胃腸装置、特に移動防止環は実際には患者の人体に物理的に装着されていないが、常時患者の人体に物理的に接触した状態にある。これは、スリーブが小腸の蠕動運動によって引き下げられることで達成される。スリーブが引き下げられると、金網構造体の移動防止環は、幽門に近位する胃に接触する。スリーブは、常時物理的に幽門と接触した状態である。しかしながら、常時幽門と接触していても、食物の通過を妨げることはない。金網構造体の開口とスリーブの管腔によって、幽門はいかなる箇所もふさがれることなく、食物は幽門を通過し腸に流れ込む。本明細書の胃内装置は、胃の空の部分を物理的にふさぐが、いかなる箇所も完全にふさぐことはない。本明細書の胃内装置は、可変の排出ドレーン管として機能し、食物の通過の停止装置としては動作しない。
本明細書の胃腸装置は、腸に流れ込む食物の量を最小にするのではなく、捕捉されスリーブを通って腸に流れ込む食物の量を最大にするよう作製される。幽門と胃に常時接触することにより、本装置は食物が装置の周辺または外部を通過することを防止するよう作製される。いくつかの実施形態では、患者の胃を抜け出る食物の少なくとも10%は装置の周辺ではなく装置の中を通過する。一実施形態では、患者の胃を抜け出る食物の少なくとも50%は装置の周辺ではなく装置の中を通過する。いくつかの実施形態では、本装置に入りスリーブを通過する食物は決して患者の十二指腸に接触することはなく、それにより本装置は真の幽門バイパスとして機能する。
一実施形態では、本装置はスリーブを装着した膨張式の風船であるが、スリーブの管腔との流体連通はなく、またスリーブを胃腸壁に据え付けたり固定したりする必要なく、単にスリーブの位置を保持するよう動作する。この風船は、流体により膨張または収縮するが、人の胃の中に存在するよう作製される。スリーブは、柔軟に風船に装着され、近位開口と遠位開口を有する。近位開口は患者の膨大部の近くにあるよう、また遠位開口は患者の膨大部の遠位にあるよう作製される。部分的に消化された食物は、近位開口に入り遠位開口を抜け出て、膨大部をバイパスする。スリーブは、胃腸壁のいかなる箇所にも据え付けたり固定したりすることはない。金網構造体
いくつかの実施形態では、胃内装置は、展開後の形状と展開前の形状を有する多孔性の三次元構造体を含む。一実施形態では、本装置は展開後の構成においては、所定の内容積を規定し、近位端と遠位端を有する三次元金網構造体を含む。
いくつかの実施形態では、金網構造体は自由端、すなわち金網構造体の針金の曲がりや曲線を含む「結び目」を含む。この曲がりや曲線は支えがなく、金網のいかなる箇所にも接続されていない。いくつかの実施形態では、金網構造体は2つの群の複数の結び目を含む。第1群の複数の結び目は構造体の近位端に配置され、第2群の複数の結び目は構造体の遠位端に配置される。金網構造体が展開前の構成に圧縮されると、構造体の近位端にある第1群の複数の結び目と構造体の遠位端にある第2群の複数の結び目は、共に寄せ集められ「束になる」。これにより、近位端と遠位端の間で圧縮された構造体の断面積と比べると、構造体の近位端と遠位端に、より大きな断面積(直径)を作り出す。断面積が大きくなるにつれ、圧縮された金網構造体は、細い送達装置やカテーテルを通して展開することがますます困難になる。この送達の問題は、少なくとも二つの異なる方法で対処することができる。いくつかの実施形態では、各群における結び目の数を削減する。各郡の結び目の数を削減すると、構造体の圧縮がより容易になり、また構造体の近位端と遠位端の断面積がより小さくなる。これにより、圧縮された構造体が送達カテーテルに加える力が軽減されるため、圧縮された構造体がカテーテルを通過するのがより容易になる。いくつかの実施形態では、第1群の複数の結び目と第2群の複数の結び目のうちのいずれか、または両方の結び目の一部が構造体の近位端と遠位端から移設されて構造体の本体に沿って配置され、複数の結び目を持つ群が複数追加される。このように結び目をずらすと、圧縮された構造体の任意の箇所において断面積が削減され、また圧縮された構造体が送達カテーテルへ加える力が分散されるので、カテーテルを通した送達構造体の通過が容易になる。いくつかの実施形態では、構造体の全体にわたって、各群における結び目の数を削減し、また複数群においてそれぞれの結び目をずらすことで、圧縮された構造体が送達カテーテルへ加える力が削減および分散される。この力の削減と分散によって、送達がより容易になり、また直径がより小さい送達カテーテルを使用することができる。力の削減と分散はまた、より小さく圧縮することが可能な、より大きな網構造体を作り出すことができる。
いくつかの実施形態では、複数の結び目を持つ各群は、10個から100個の個別の結び目を含む。一実施形態では、複数の結び目を持つ各群は、44個の結び目を含む。別の実施形態では、複数の結び目を持つ各群は、36個の結び目を含む。いくつかの実施形態では、金網構造体は、金網構造体の長さに応じた異なる位置で円周方向に分散された、2個から60個の群の複数の結び目を含む。一実施形態では、結び目をずらして、構造体の結び目の総数の内、少なくとも10%が近位端と遠位端に配置される。いくつかの実施形態では、複数の結び目を持つ任意の群に、結び目の総数の75%を超える結び目が配置されることはない。いくつかの実施形態では、結び目は構造体の長さに応じて少なくとも三つの異なる、複数の結び目を持つ群に横方向に分散される。
金網構造体の圧縮性はまた、網の柔軟性に依存する。柔軟性は同様に、とりわけ針金の太さ、針金の交差角度、および針金の数に依存する。針金の交差角度に関しては、構造体の針金が相互に平行に近づくように配置すると、構造体は柔軟性を増す。いくつかの実施形態では、金網構造体は展開前の構成では、全体の長さが5cmから50cmあり、針金の太さは0.1mmから1mmの範囲にある。一実施形態では、針金の太さは0.44mmある。金網構造体の針金は、構造体が圧縮された時にどのように振る舞うかを決定する曲げ歪を有する。いくつかの実施形態では、針金は形状記憶合金を含み、一実施形態ではニチノールを含む。形状記憶合金は一定の曲げ歪率を有し、その値を超えるとその前の形状を正確に復元する能力を失う。歪率(%)は次式で定義することができる。歪%=2t/R×100ここで、tは針金の太さ、Rは曲げ半径である。一実施形態では、歪率が8%に達すると形状記憶合金に恒久的な変化が導入され、その結果完全には元の形状に戻ることはない。この要素は、金網構造体が送達のために展開前の形状に圧縮される時に重要になる。いくつかの実施形態では、金網構造体は一つの環、すなわち遠位端で移動防止部材として機能する金網の環状拡張部を含む。この環は圧縮されている間は遠位に折り重ねなければならないが、そうすることで圧縮された構造体は送達装置やカテーテルの大きさに適合する。圧縮されている間は環が折り重ねられるので、金網構造体に「こぶ」が発生する。歪率が8%未満であれば、圧縮された金網構造体に作り出されるこぶはより小さくなり、圧縮された構造体の送達カテーテルでの通過がより容易になる。従って、いくつかの実施形態では、環の歪率が20%を超えず、なるべく8%未満になるよう針金の太さや環の曲げ半径をもたせて、金網構造体が構成される。いくつかの実施形態では、環の半径は針金の太さの10倍未満である。いくつかの実施形態では、歪率は0.1%から20%の範囲にある。いくつかの実施形態では、金網の針金は0.1mmから1.0mmの太さがあり、また環は0.013cmから20cmの曲げ半径を有する。一実施形態では、金網の針金は0.4mmの太さがある。いくつかの実施形態では、針金の太さと曲げ半径は次式を満たすよう構成される。2t<R<2000tここで、tは針金の太さ、Rは曲げ半径である。
いくつかの実施形態では、金網構造体の針金の両端は、送達、回収、および展開の際に人体組織に外傷を与える可能性を最小にするような方法で終端される。いくつかの実施形態では、金網構造体は、三次元構造体に折り重ねられる1本の針金を含む。他の実施形態では、金網構造体は、結合して三次元構造体に折り重ねられる少なくとも一本の針金を含む。いくつかの実施形態では、針金の自由端または針金は、チタン管やニチノール(または他の形状記憶合金)管を自由端に圧着することにより結合される。他の実施形態では、針金の自由端または針金は、自由端をあわせてスポット溶接することにより結合される。一実施形態では、針金の交差箇所は溶接されない。別の実施形態では、針金の交差箇所は溶接される。スリーブ
いくつかの実施形態では、本明細書の胃内装置はさらに、金網構造体に結合される柔軟性のあるスリーブ部材を含む。複数の実施形態では、上記に考察した任意の金網構造体は、下記に考察する任意のスリーブ部材に結合される。スリーブ部材は、近位端、遠位端、管腔を有する長尺管状体を含む。
一実施形態では、スリーブは全体の長さにわたって一定の直径を有する。他の実施形態では、スリーブは近位端に近位する漏斗形で構成される。このスリーブの直径はスリーブ本体の近位端の第1の開口で最大で、遠位に向かうにつれ徐々に減少し、全長の中間点に近位する位置で最小になる。この直径は、残余の長さにわたって遠位に一定のままである。
いくつかの実施形態では、金網構造体は遠位端に一つの環を有し、スリーブの近位端は上記に記載したいずれかの方法により環の底部表面に装着される。いくつかの実施形態では、本装置が展開前の構成に圧縮される時にスリーブ本体が引き下げられ、環を折り重ねるのに役立つ。上記に記載するように、スリーブの近位端が環の底部表面に装着されると、環は折り重ねられても完全には真っすぐにならず、装置の展開前の構成においては環に大きな膨らみが作り出される。この膨らみは、金網構造体の厚みとスリーブの2倍の厚みを含む大きな直径を有する。従って、好適な実施形態では、スリーブの近位端は、複数のゆるい縫い目によって環の自由端、すなわち結び目に装着される。スリーブは、傘の親骨の先端に布を装着するのと酷似した方法で各結び目に縫合される。傘が閉じられると布はつぶれて圧縮される。本明細書の胃内装置は同様な方法で機能する。いくつかの実施形態では、送達装置に装着するために金網構造体が圧縮される時、スリーブの遠位端が引き下げられる。スリーブはゆるい縫い目で金網の結び目に装着され金網と連動するので、環は遠位に引っ張られ、より直線的な形状に伸びる。このような装着を行うことにより、展開前の構成の環に大きな膨らみが作り出されることを防止する。圧縮されている間にスリーブ本体が引き上げられると、環はより完全に折り重ねられ、その結果生じる膨らみの直径はより小さくなり金網構造体の厚みのみを含む。いくつかの実施形態では、胃内装置が展開前の構成にある場合環とスリーブの間にゼロから最小値の重複部が存在する。展開後、金網構造体の形状記憶の特性により、傘が開く時に布を広げるのと同様に、環が広がる時にスリーブを環の方へ引っ張る。
いくつかの実施形態では、金網構造体(または環)の遠位端にある結び目は、縫合によってスリーブの近位端に装着される。これにより、金網構造体のスリーブへの装着部で膨化が生じることがある。従って、他の実施形態では、スリーブに縫合される結び目の数はより少ない。例えば一実施形態では、結び目は一つ置きにスリーブに縫合され、縫合の結び目の数を削減し膨化を軽減する。縫合の結び目に接着剤と複数の輪を含めると、金網構造体のスリーブへの装着点で膨化が生じることがある。
そのようなことから、いくつかの実施形態では、接着剤は使用されず、また縫合の結び目はひとつの輪に制限される。スリーブを結び目に縫合すると、結び目を含む針金の長さに応じて縫合の結び目が滑ることがあり、金網構造体に連動した、スリーブの予期せぬ動きをもたらす。滑りを防止するため、いくつかの実施形態では、縫合の結び目は、結び目に近位する複数の針金の第1の接合部に配置される。実際には、縫い目は二つの針金上に配置されるので、一本の針金またはもう一本の針金に沿って滑ることはあり得ない。過度の膨化を取り除くため、いくつかの実施形態では、第1の針金接合部よりも多くの接合部がスリーブへ縫合されることはない。例えば一実施形態では、一つ置きに第1の接合部がスリーブへ縫合される。
いくつかの実施形態では、金網およびまたはスリーブの針金の鋭利な先端は、圧着されて針金の方かまたは外側に輪状になり、スリーブを腸に移動するかまたはスリーブを金網構造体に接続するための引っ張り箇所としての役割を果たす。
スリーブは遠位端に重量を持つよう作製してもよく、そうすることによりスリーブは十二指腸の一部を通して伸びる長尺の形状を保持する。一実施形態では、スリーブは遠位端に装着される小さな重りを含む。別の実施形態では、スリーブ本体の遠位端の第2の開口はスリーブ本体に沿って遠位端に配置され、スリーブ本体の遠位端はさらに出口のない小袋を含む。この出口のない小袋は、食物の小片や流動物を断続的に捕捉するよう機能する。捕捉された食物や流動物は、スリーブ本体の遠位端が垂れ下がるよう作動し、それによりスリーブ部材は長尺の形状を保つ。一実施形態では、スリーブの遠位端は少なくとも一つの第2の層で強化され、遠位端を下方に配置した状態に保つのに役立つとともに、遠位端が折り重なることを防止する。
一実施形態では、上記に記載した金網構造体の構成と同様に、スリーブは複数の結び目を有する金網構造を含む。
別の実施形態では、スリーブ部材は柔軟性があり小腸の収縮によって圧縮しやすい被覆を含む。一実施形態では、スリーブは最低限の水準の構造体を含む。この構造体はスリーブに最低限の構造強度を与えるので、スリーブは胃腸の力による座屈に耐え機能し続ける。一実施形態では、最低限の水準の構造体は単一の構造体を含むが、この構造体はスリーブの長さの少なくとも10%は伸びるので、スリーブに直線方向の強度を与える。いくつかの実施形態では、単一の構造体として、直線の針金、らせん状の針金、または金網が挙げられる。一実施形態では、膜状のスリーブ部材は、スリーブ本体の長さに応じた複数の水平およびまたは垂直支持部品を含む。一実施形態では、水平部品は、スリーブ本体の長さに応じて間隔を空けて離ればなれに配置される針金の輪を含む。いくつかの実施形態では、針金の輪は2インチから24インチの間隔で離ればなれに配置される。一実施形態では、針金の輪は6インチの間隔で離ればなれに配置される。一実施形態では垂直支持部品は長尺状の金属線を含む。いくつかの実施形態では、金属線は2インチから60インチの長さがある。一実施形態では、金属線は6インチの長さがある。別の実施形態では、膜状のスリーブ部材は、長さに応じて伸びるらせん状の金属線を含む。らせん状の金属線はスリーブ部材を支持し、長尺状の形状を維持する。いくつかの実施形態では、らせん状の金属線はニチノールなどの形状記憶合金を含む。らせん状の金属線は、間隔幅が短すぎることがないようにしなければならない。さもなければスリーブは、送達のため圧縮されるとねじれて完全な形状を復元できない。いくつかの実施形態では、スリーブのらせん状の金属線は0.1mmから1.0mmの太さを有する。一実施形態では、スリーブのらせん状の金属線は0.2mmの太さを有する。環の曲げ半径に関連して上記に考察したのと同様に、スリーブのらせん状の金属線が持つ曲げ半径は歪率が0.1%から20%の範囲でなるべく8%未満に収まるようにしなければならない。いくつかの実施形態では、らせん状の金属線の歪率(%)は次式で規定することができる。
ここで、dは金属線の直径、Rfは最終曲げ半径、Riは初期曲げ半径である。従って、いくつかの実施形態では、らせん状の金属線は5mmから150mmの間隔幅を有する。一実施形態では、らせん状の金属線は60mmの間隔幅を有する。いくつかの実施形態では、スリーブは少なくとも一本のらせん状の金属線を含み、充分な支持を行うとともに恒久的なよじれを防止する。一実施形態では、スリーブは三本のらせん状の金属線を含み、個々の金属線は60mmの間隔幅を有し、三本の金属線は二本の離れた金属線の間隔幅が20mmになるよう配置される。別の実施形態では、スリーブはらせん状の六本の金属線を含み、スリーブを構造的に支持する。いくつかの実施形態ではスリーブ部材の被覆は金網構造体の下位部の方に近くに伸び、下位部の全てまたは一部を覆う。
スリーブは柔軟性と圧縮性を有し、送達中は送達装置の遠位端側で、圧縮された構成で拘束されている。一実施形態では、スリーブ自体が伸縮し、長さを縮めて送達を容易にする。さらに本装置が展開前の構成にあるときは、スリーブは折りたたまれて長さが縮まるので、本装置を送達装置やカテーテルに挿入しやすくなる。いくつかの実施形態では、スリーブは2回から10回折りたたんだ後、送達装置や送達のためのカテーテルに沿って折りたたまれるか、または巻き付けられる。一実施形態では、スリーブは誘導線、送達装置、またはカテーテルに対して同軸的に送り込まれる。別の実施形態では、スリーブは送達装置やカテーテルの側面または周辺に沿って折りたたまれる。これにより、誘導線および送達装置/カテーテルを引っ込めるとき、スリーブが誘導線および/または送達装置/カテーテルに突き刺ささらなくなる。スリーブが誘導線や送達装置/カテーテルに対して同軸上に送り込まれた場合にこの問題に直面することがある。
他の実施形態では、本明細書の胃内装置によっては、上に記載した長さよりも短いスリーブを含む。いくつかの実施形態では、短いスリーブは100mmから120mmの全長を有する。いくつかの実施形態では、短いスリーブは漏斗形または円錐形を有する。いくつかの実施形態では、上に記載した金網構造体の構成と同様に、短いスリーブは金網構造体に形成された針金や複数の結び目を有する網を含む。一実施形態では、網は一本の針金を用いて作製される。一実施形態では、針金は形状記憶合金で構成される。一実施形態では、形状記憶合金としてニチノールが用いられる。他の実施形態では網は複数の針金を編み上げる機械で作製される。いくつかの実施形態では、結び目の間隔幅は統一されている。他の実施形態では、この間隔幅は変えることができる。網の末端は人体組織を傷つけにくいように作製される。一実施形態では、末端は先が丸められる。別の実施形態では、末端は柔らかいポリマー製の尖端で蓋が取り付けられる。いくつかの実施形態では、短いスリーブの一部は、所定の被覆で覆われる。いくつかの実施形態では、被覆された部分は浮動的な結び目を含む。一実施形態では、被覆にシリコーンが用いられる。いくつかの実施形態では、スリーブの近位端の直径は、金網構造体の遠位端にある移動防止環の外径にほぼ等しい。このような実施形態ではスリーブの近位端は移動防止環に合わせて装着される。他の実施形態では、スリーブの近位端の直径は移動防止環の外径よりも小さく、環を金網構造体に接続する、環の頸状部の直径とほぼ等しい。これらの実施形態ではスリーブの近位端は環の頸状部に装着される。
一実施形態では、結び目の数は網全体にわたり統一されている。一実施形態では、結び目の数は24ある。他の実施形態では、結び目の数は網全体にわたり変えることができる。例えばいくつかの実施形態では、短いスリーブの網は近位端に24個の結び目、遠位端に18個または12個の結び目を含む。これらの実施形態では、近位端と遠位端で結び目の数に差異(例えば6個と12個の結び目)がある複数の結び目は浮動的な結び目であり、短いスリーブの本体に沿って配置される。
短いスリーブを有する胃内装置が展開されると、短いスリーブは幽門に固定されることなく患者の幽門をふさぐ。これにより、食物が幽門を通過することを防止し短いスリーブを通して食物を強制的に胃から十二指腸に流し込むため、胃からの流出を制御することになる。いくつかの実施形態では、短いスリーブの遠位端の開口は直径が1mmから30mmあるが、直径の大きさによって胃からの流出速度が決まる。一実施形態では、幽門がふさがれている場合、開口の直径は0mmであり、それによって流出は完全に妨げられる。従って、幽門がふさがれていない、または部分的にふさがれている場合のみ、食物は胃から十二指腸に流れ込む。
いくつかの実施形態では、本スリーブは従来技術のスリーブと比べると、大きな摩擦係数を有する。いくつかの実施形態では、スリーブの摩擦係数は0.01から0.30の範囲にある。一実施形態では、スリーブの摩擦係数は0.10以下である。比較的表面が滑らかなスリーブは展開の際、送達カテーテルの内部やスリーブ自体に突き刺さることがあるが、スリーブを開放しようとする力が働くためスリーブの破壊を招く。従って、より粗い外面を有するスリーブの方がより容易に送達装置やカテーテルに送り込み展開することができる。いくつかの実施形態では、スリーブは艶消しの外面を含む。他の実施形態では、スリーブを送達装置に装着し展開する前に、スリーブの外面にコーンスターチや生態適合性粉末などの粒子状物質や比較的粗い物質が塗られる。
いくつかの実施形態では、スリーブは少なくとも一つのX線不透過性マーカーを含み、X線画像を用いることによりスリーブが適切に配置されていることを確実にする。いくつかの実施形態では、X線不透過性マーカーはスリーブ本体の外面に沿う複数の個別のマーカーを含む。他の実施形態では、X線不透過性マーカーはスリーブ本体の外面に沿って伸びる1本の線を含む。1本の線がらせん状に写っている場合は、スリーブがよじれていることを示す。さらに他の実施形態では、X線不透過性マーカーは複数の個別のマーカーおよびスリーブ本体の外面に沿って伸びる1本の線を含む。他の実施形態ではスリーブの支持部品の針金が十分太くX線造影が可能なので、X線不透過性マーカーは不要である。回収機構
いくつかの実施形態では、金網構造体やスリーブ部材が結合された金網構造体は少なくとも一つの回収機構を含み、少なくとも一つの回収機構は金網構造体の近位端にある少なくとも一つの開口の近くに配置される。一実施形態では、回収機構は80lbの回収縫い目を含む。移動防止部材
いくつかの実施形態では、金網構造体やスリーブ部材が結合された金網構造体は、少なくとも一つの移動防止部材または環を含む。一実施形態では、移動防止部材は所定の金属を含む。一実施形態では、金属としてニチノールなどの形状記憶合金が用いられる。移動防止部材は金網構造体の遠位端(スリーブを含む装置の実施形態では金網構造体とスリーブ部材の接合部)に配置するのが好ましく、装置が展開されると幽門の近くに静止する。移動防止部材は、金網構造体や装置全体が幽門を通過することを防止するよう機能する。
いくつかの実施形態では、金網構造体、回収機構およびまたは移動防止部材を含む様々な装置部材が治療薬剤で被覆され、装置の機能を拡張する。
いくつかの実施形態では、金網構造体、留め金およびまたは移動防止部材はX線造影のためのX線不透過性マーカーを含み、送達や回収を容易にする。いくつかの実施形態では、金網構造体、留め金およびまたは移動防止部材は超音波造影のための超音波マーカーを含み、送達や回収を容易にする。送達装置
本明細書はまた、患者の胃腸管に胃内装置を展開するために用いられる送達装置の様々な実施形態を開示する。送達装置に胃内装置をあらかじめ装着した後、送達装置を用いて胃内装置の金網を胃に送達するとともに胃内装置のスリーブを近位の小腸に送達する。
一実施形態では、送達装置は同軸プランジャー、カテーテル、複数のハンドルを有する長尺管状体を含む。ハンドルを操作して、複数の段階で胃内装置のスリーブと金網構造体を展開する。一実施形態では、管状体は送達装置の様々な部材の移動を制御する引き金を含み、胃内装置の展開を達成する。
いくつかの実施形態では、胃内装置は標準のオーバーチューブ、内視鏡、把持器を用いて回収することができる。
本発明は、複数の実施形態のために行われるものである。以下の開示を行うことにより、当業者は本発明を実行することができる。本明細書で使用する言葉は、任意の特定の実施形態を全般的に否定していると解釈するものではなく、また使用する用語の意味を超えて請求項を制限するために利用するものでもない。本明細書に規定する一般原理は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および使用法に応用してもよい。また使用する用語および語法は、実施形態の事例を記載することを目的にしており実施形態の事例を制限しているとみなされるものではない。よって、本発明は、開示される原理と機能への相反がない最も広い範囲で、多数の代替案、修正案および均等な案を包含しているとみなされるべきである。明確化のために、本発明に関連する技術分野で既知の技術資料に関する細部は詳細には記載しなかったが、本発明が不必要に曖昧になるのを避けるためである。
図1は、上部胃腸システムの図である。嚥下後、食物は食道111を通って胃112に急速に流れ込む。そこで食物は一定の時間消化され、胃液と擦り合いまた混ざり合うことにより、等浸透圧濃度になるまで希釈の作用を受ける。胃112は弛緩して消化された食物全体を収容する。胃112が食物で満たされたときに、胃壁内の伸張受容器によって満腹感が生成され、人は食べる動作を止める。等浸透圧の食物は糜粥として知られているが、次に幽門113を通って十二指腸114に流れ込む。十二指腸114に糜粥が流れ込むと、膵臓115から高酵素の膵液が分泌され、また肝臓116から高塩分の胆汁が分泌される。胆汁は総胆管117を通って移動し、膵管118を通って来る膵液と混ざり、またこの二つの管は結合してファーター膨大部119を形成する。ファーター膨大部119は分泌物を十二指腸114に置くための入り口としての役目を果たす。空腸120では、膵液と胆汁が糜粥と混合することにより、タンパク質、脂肪、炭水化物が消化されて血流に吸収される。
図2Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における金網構造体201の図であり、この金網構造体は遠位端から伸びるかまたは遠位端に装着される、近位に傾斜する移動防止盤すなわち移動防止環204を有する。金網構造体201は、所定の内容積を有する多孔性の三次元構造体を含む。金網構造体201は、楕円形の形状を有しまた回収機構203を含む。一実施形態では、回収機構は生糸の縫い糸の輪である。一実施形態では、回収機構は80lb太さの回収縫い糸である。移動防止環204は金網構造体201の遠位部を含み、この金網構造体201において金網構造体201の遠位に向いた末端が金網構造体201の近位端に向かうよう折りたたまれているという点で、近位に傾斜している。他の実施形態では、移動防止環204は曲線状の/人体組織を傷つけにくい任意の構造体を含み、この構造体は金網構造体201の遠位端の周辺に円周方向に配置される。移動防止環204は金網構造体201が幽門に入り幽門を通過することを防止するのに役立つ。一実施形態では、金網構造体201は、球根状で大部分が球状、すなわち楕円形の近位端および拡張された遠位端を含む。一実施形態では、構造体の遠位側半分は被覆で覆われており、食物が金網構造体201の外に通過することを妨げ、食物を遠位の開口に向かわせる。一実施形態では、金網構造体201は、近位端に任意の逆流防止弁を有し、また遠位端に任意の別の逆流防止弁を有する。遠位端の逆流防止弁は、金網構造体201の内部から金網構造体201の外部に向かう糜粥や部分的に消化された食物の流れを制御する役割を果たす。
図2Bは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における金網構造体210の図であり、この金網構造体は遠位端に形成され近位に湾曲する移動防止環214を有する。金網構造体210は近位端および遠位端を持ち楕円形の形状を有する。金網構造体210は、本体に緩められた結び目216と緩められた結び目218を含み、送達および除去のための圧縮を容易にする。金網構造体210はまた、近位端に一組の緩められた結び目217を含む。近位端の緩められた結び目217は、構造体を掴む位置を提供し、それによって構造体の回収がより容易になる。移動防止環214は金網構造体210の針金が延長されて遠位端に形成される。移動防止環214は、金網構造体210の本体に向かって近くに曲がり、その末端215が丸められた形状に形成されるので人体組織を傷付けにくい。いくつかの実施形態では、金網構造体210は鋭利な先端がなく、擦り傷の発生を防止する。またその半径方向力は胃の収縮および幽門での通過による重大または恒久的な変形を防止するのに十分な大きさがあるが、金網構造体210が堅すぎて曲がらないほどの大きさではない。これにより、金網構造体210を通した食物の移動が容易になるのに十分な胃の収縮が、金網構造体210に作用することになる。いくつかの実施形態では、金網構造体は200mmHgまでの収縮力に耐え完全に圧縮されることはない。
図3Aは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の近位端および遠位端に配置される複数の自由端すなわち結び目301と結び目302を示す図である。結び目301は金網構造体の近位端に配置され、結び目302は金網構造体の遠位端に配置される。結び目は金網構造体の針金の曲がりや曲線を含む。この曲がりや曲線は支えがなく金網の他の部分に接続されていない。言い換えれば、結び目とは金網構造体の近位端と遠位端にある、自由端を含む輪または曲がりのことである。金網構造体は少なくとも2つの群の複数の結び目を含み、一つの群の複数の結び目301が近位端にあり、少なくとも一つの群の複数の結び目302が遠位端にある。他の金網構造体の実施形態、例えば以下の図3Bと図3Cを参照して考察される実施形態は2つを超える群の複数の結び目を含み、金網構造体により高い圧縮性を与える。このような金網構造体は、構造体の近位端と遠位端に複数の自由端すなわち結び目を含み、さらに構造体の本体の長さに応じて側面に複数の自由端すなわち結び目を含む。
図3Bは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端に配置される複数の重なり合う結び目303を示す図である。図3Bに示されるように、結び目303はすべて、横方向に同一の高さに配置される。これにより、金網構造体が展開前の構成に圧縮されるとき、この側面の位置に膨らみが作り出される。この膨らみにより、金網構造体の送達の際、送達装置やカテーテルに作用するけん引力が作り出される。図3Cは本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端に配置される、第1群の複数の結び目304、および第1群の複数の結び目304の近くに配置される第2群の複数の結び目305を示す図である。図3Cにおいて、二つの群の複数の結び目304と複数の結び目305は、横方向に二つの異なる高さに交互に配置されている。複数の結び目を交互に配置すると、金網構造体が展開前の形状に圧縮されたときに生じる膨らみがより小さくなる。その結果、送達装置やカテーテルに作用するけん引力が弱まり、従って金網構造体の送達および回収がより容易になる。
図3Dは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目306と第2群の複数の結び目307の図であり、第1群の複数の結び目306の針金に形成される複数の輪308を示す。図3Dを参照すると、輪308は金網構造体の中心に向かった方向に伸びている。他の実施形態では、輪は金網構造体の中心から離れる方向で外側に伸びる。いくつかの実施形態では、輪308は図4Bおよび図4Cを参照してさらに考察されるように、他の装置部材、例えばスリーブ部材への装着点としての役目を果たす。
図3Eは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目316と第2群の複数の結び目317の図であり、第2群の複数の結び目317の針金に形成される輪318を示す。図3Fは、本明細書の一実施形態に従う、金網構造体の一端での第1群の複数の結び目310と第2群の複数の結び目319の図であり、第1群の複数の結び目310の一つおきの針金、および第2群の複数の結び目319の一つおきの針金に形成される輪を示す。図3D、図3E、図3Fに示される針金の輪の実施形態はさまざまな結び目の輪の選択肢を開示しているだけで、実施形態を制限する意図はない。いくつかの実施形態では、第1の複数の結び目か第2の複数の結び目、または第1の複数の結び目および第2の複数の結び目の両方を対象に任意の数または割合の針金を輪状にしてもよい。例えば一実施形態では、金網構造体の中心に対して最も外側の結び目だけを輪状にする。別の実施形態では、最も外側の結び目のすぐ近くの結び目だけを輪状にする。いくつかの実施形態では、結び目の0%から100%の間で輪状にする。一実施形態では、50%の結び目を輪状にする。別の実施形態では、30%未満の結び目を輪状にする。
図3Gは、本明細書の一実施形態に従う、近位端に第1群の複数の結び目311、および遠位端に第2群の複数の結び目312を有する金網構造体315を示す。図3Gの金網構造体315は、考えられる最も少ない群の複数の結び目(2つ)を含むが、展開前の構成に圧縮されると、近位端および遠位端に最大の膨らみを持つ。図3Hは、本明細書の一実施形態に従う、近位端に第1群の複数の結び目321、および遠位端に第2群の複数の結び目322を持ち、また表面に沿って分配された第3群の複数の結び目323および第4群の複数の結び目324を持つ金網構造体320を示す。複数の結び目の群が増えると、各郡の横方向に配置される個々の結び目の数は少なくなる。そのようなことから、圧縮されるとき、金網構造体は各郡の結び目の横方向に膨らみを含むが、その膨らみは図3Gに示す金網構造体が圧縮されるときに近位端および遠位端に作り出される膨らみよりも直径がより小さくなる。従って、図3Hの金網構造体が展開前の構成に圧縮されていると、送達装置やカテーテルに作用するけん引力が弱まり、展開がより容易になる。図3Hの金網構造体320には、4つの群の複数の結び目321、複数の結び目322、複数の結び目323、複数の結び目324が示されているが、任意の金網構造体は3つの群の複数の結び目、または4つを超える群の複数の結び目を持つことがある。いくつかの実施形態では、金網構造体は横方向の異なる高さに配置される、2から60の群の複数の結び目を含む。
図3Iは、本明細書の複数の実施形態に従う、考えられる様々な結び目の形状を示す。考えられる結び目の形状は、鋭角の曲げ331、奥行きの浅い曲げ332、先端の尖った曲げ333、円形の曲げ334、および結び目の先端に針金の輪345を含む、安全ピンの先端と同様な形状335を含むがこれらに限定されない。
図4Aは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置400の金網構造体410が持つ、人体組織を傷付けない移動防止環414を詳細に示す図である。移動防止環414は円環体で球状の形状を持ち、金網構造体410に向かって近くに伸びる、丸みを帯びた先端部415を含む。丸みを帯びた先端部415は、人体組織を傷付けないように作製される。上記に考察したように、いくつかの実施形態では、先端部415はさまざまな結び目に分離され、圧縮されるときに針金の集群を防止するが、これにより浸食が生じることがある。環412の長軸は、金網構造体の長軸411に比べ、90°を超える角度413で湾曲しており、これにより丸みを帯びた先端部415が金網構造体410の方向に向いている。
図4Bは、本明細書の別の実施形態に従う、胃内装置420の金網構造体421が持つ、人体組織を傷付けない移動防止環424を詳細に示す図である。移動防止環424は円環体で球状の形状を持ち、金網構造体421に向かって近くに伸びる、丸みを帯びた先端部425を含む。丸みを帯びた先端部425は、人体組織を傷付けないように作製される。いくつかの実施形態では、先端部425はさまざまな結び目427l、結び目427sに分離され、圧縮されるときに針金の集群を防止するが、これにより浸食が生じることがある。この結び目は長い結び目427lと短い結び目427sを含み、長い結び目427lは金網構造体421の上端の方へ戻して、短い結び目717sよりも近位方向にさらに伸びている。いくつかの実施形態では、環424は9個の長い結び目427lおよび9個の短い結び目427sを含む。長い結び目427lの自由端はスリーブ部材の近位端を縫合するための金輪428を含む。金輪428は長い結び目427lの自由端から外側に向かって伸びている。一実施形態では、金輪428aは長い結び目427lの自由端を金輪の形状にねじることにより形成される。別の実施形態では、金輪428bは長い結び目427lの自由端に縫合される、分離した針金の金輪を含む。いくつかの実施形態では、スリーブが装着されると追加の縫合の結び目が、ねじれたまたは分離した針金の金輪の接合部に配置され、スリーブの取り付けがずれないようにしている。
図4Cは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、胃内装置430の金網構造体431が持つ、人体組織を傷付けない移動防止環434を詳細に示す図である。移動防止環434は円環体で球状の形状を持ち、金網構造体431に向かって近くに伸びる、丸みを帯びた先端部435を含む。丸みを帯びた先端部435は、人体組織を傷付けないように作製される。いくつかの実施形態では、先端部435はさまざまな結び目437l、結び目437sに分離され、圧縮されるときに針金の集群を防止するが、これにより浸食が生じることがある。この結び目は長い結び目437lと短い結び目437sを含み、長い結び目437lは金網構造体431の上端の方へ戻して、短い結び目717sよりも近位方向にさらに伸びている。いくつかの実施形態では、環434は9個の長い結び目437lおよび9個の短い結び目437sを含む。長い結び目437lの自由端はスリーブ部材の近位端を縫合するための金輪439を含む。金輪439は金網構造体431の遠位端で曲線状に曲がる方に内側に伸びる。一実施形態では、金輪439aは長い結び目437lの自由端を金輪の形状に輪状にすることにより形成される。別の実施形態では、金輪439bは長い結び目437lの自由端に縫合される、分離した針金の金輪を含む。いくつかの実施形態では、スリーブが装着されると追加の縫合の結び目が、環状のまたは分離した針金の金輪の接合部に配置され、スリーブの取り付けがずれないようにしている。
いくつかの実施形態では、スリーブ部材は金網構造体の遠位端、または胃内装置の移動防止環に装着される。いくつかの実施形態では、本明細書のスリーブ部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、注型ポリテトラフルオロエチレン(例えばテフロン)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)とポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシ(PFA)被覆、ペルフルオロアルコキシ、押出フッ素化エチレンプロピレンおよび押出ペルフルオロアルコキシ、押出ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ポリマー、シリコーンのいずれかでできている。一実施形態では、シリコーンのスリーブは人手による注入および編み上げで製造される。別の実施形態では、シリコーンのスリーブは機械による編み上げで製造される。いくつかの実施形態では、スリーブ部材は6インチから6フィート以上の範囲の長さを持つ。一実施形態では、スリーブ部材は24インチの長さを持つ。別の実施形態では、スリーブ部材は30インチの長さを持つ。いくつかの実施形態では、スリーブ部材は1cmから10cmの範囲の直径を持つ。一実施形態では、スリーブ部材は3cmの直径を持つ。
図5Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材500の一部を示す図であり、スリーブ500の本体にらせん状に沿う1本の針金による支持構造体501を示す。金属線は支持するのに十分間隔幅が短いらせん形状を持つ必要があるが、間隔幅が短すぎることがないようにしなければならない。さもなければスリーブは送達のため圧縮されるとねじれて完全な形状を復元できない。図5Aを参照すると、らせん状の金属線501は長さlで示される60mmの間隔幅を持つ。針金の太さが0.1mmから1mmあると、この間隔幅によって、らせん状の金属線の歪率は20%を超えることはないが8%未満がより好ましい。
図5Bは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材505の一部を示す図であり、スリーブ505の本体にらせん状に沿う、複数の針金による支持構造体506、507、および508を示す。スリーブは少なくとも1本のらせん状の金属線を含み、充分な支持を行うとともに恒久的なよじれを防止する。図5Bを参照すると、個々の針金506、507、および508は長さl1で示される60mmの間隔幅を持つ。個々の針金506、507、および508は間隔をあけて配置され、長さl2で示される、2本の異なる針金の間隔幅は20mmである。
図5Cは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材510の図であり、スリープ510面にある、らせん状の針金の輪による支持構造体511および513を示す。図5Cに示される一実施形態では、スリーブ510は2組の針金の輪による支持構造体511および513を持つ。針金の輪による支持構造体511および513の各組は2本の個別の針金から成る輪を含むので、スリーブ510上に合計4本の針金を含む。針金の輪による支持構造体511および513はそれぞれ先端部515を丸めて終端され、人体組織を傷付けないようしてある。針金の輪による支持構造体511および513はねじられてらせん状の構成になっており、またスリーブ510の長さに応じて輪状になっている。一実施形態では、輪511と輪513(および輪511と輪513の各針金)の間隔幅は長さlで規定され、およそ15mmである。
図5Dは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置のスリーブ部材520の図であり、スリーブの近位端の漏斗形の開口521を示す。漏斗形の開口521は、以下の図11Cおよび図11Dを参照して詳細に考察されるように、本明細書の胃内装置のいくつかの実施形態における金網構造体の遠位端に配置される、移動防止環の結び目への装着によく適している。
図5Eは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材525の図であり、スリーブ本体の外部表面にある複数の標識527を示す。複数の標識527はX線を通さず、それらがX線造影されることにより、装置を送達する際スリーブの適切な配置に役立つ。
図5Fは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材530の図であり、スリーブ本体の外部表面のスリーブ530の長さに従って伸ばした、1本の標識線533を示す。標識線533はX線を通さず、それらがX線造影されることにより、装置を送達する際スリーブの適切な配置に役立つ。さらに、スリーブの中心軸周辺の標識線がらせん状になるかまたは回転することにより、スリーブがよじれていることを示すことができる。
図5Gは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材535の図であり、スリーブ本体の外部表面にある、複数の標識537およびスリーブ535の長さに応じて伸ばした標識線538を示す。標識537および標識線538はX線を通さず、それらがX線造影されることにより、装置を送達する際スリーブの適切な配置を助け、またスリーブ535のねじれの検出にも役立つ。
図6Aは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材600の断面図であり、複数のスリーブの層606、607、608、および609を示す。一実施形態では、スリーブの層606、607、608、および609はポリテトラフルオロエチレンを含む。スリーブ600は最も内側に第1の層606を含み、この第1の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブの長さに応じた構成で伸びている。第1の層606はスリーブ600の全長にわたって伸びている。スリーブ600は第1の層606に重なる第2の層607を含み、この第2の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ600の近位部616およびスリーブ600の遠位部618のみに沿って伸びる。一実施形態では、近位部616は漏斗形の構造体601、および漏斗形の構造体601を超えて約30mmから40mm遠位に伸びるl1の長さをもつ追加の構造を含む。一実施形態では、スリーブ600は約20mmから30mmの長さを持つ遠位端を含む。遠位部618は最も近位に約10mmの長さl2のみを含む。一実施形態では、第2の層607はスリーブ600の幅に応じた構成で伸びている。スリーブ600は第2の層607に重なる第3の層608、および第1の層606の中心部617を含む。第3の層608は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ600の幅に応じた構成で伸びる。スリーブ600は第3の層608に重なる第4の層609を含み、この第4の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ600の長さに応じた構成で伸びる。従って、図6Aに示す実施形態では、スリーブ600は近位部616に4つの層、中心部617に3つの層、および遠位部618に4つの層を含む。層606、607、608、および609は層をまたがって接合されるか、または異なる構成(スリーブ600の幅に応じた構成に対して、スリーブ600の長さに応じた構成)で使用され、スリーブの耐久性を高める。一実施形態では、スリーブ600はさらに、第2の層607と第3の層608の間(または、スリーブ600の中心部617における第1の層606と第3の層608の間)に金属線の支持構造体605を含み、構造的な支持を行う。一実施形態では、スリーブは金網構造体に接続するための縫合点619を含む。
図6Bは、本明細書の別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材620の断面図であり、複数のスリーブの層626、627、628、629、および630を示す。いくつかの実施形態では、スリーブの層626、627、628、629、および630はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のいずれか一つまたは組み合わせを含む。一実施形態では、スリーブ620は最も内側に第1のポリテトラフルオロエチレン層626を含み、この第1の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブの長さに応じた構成で伸びる。第1のポリテトラフルオロエチレン層626はスリーブ620の全長にわたって伸びる。スリーブ620は第1のポリテトラフルオロエチレン層626に重なる第2のポリテトラフルオロエチレン層627を含み、この第2の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ620の近位部636およびスリーブ620の遠位部638のみに沿って伸びる。一実施形態では、近位部636は漏斗形の構造体621、および漏斗形の構造体621を超えて約30mmから40mm遠位に伸びるl1の長さを持つ追加の構造を含む。一実施形態では、スリーブ620は約20mmから30mmの長さを持つ遠位端を含む。遠位部638は最も近位に約10mmの長さl2のみを含む。一実施形態では、第2のポリテトラフルオロエチレン層627はスリーブ620の幅に応じた構成で伸びている。スリーブ620は第2のポリテトラフルオロエチレン層627に重なる第3のポリテトラフルオロエチレン層628、および第1のポリテトラフルオロエチレン層626の中心部637を含む。第3のポリテトラフルオロエチレン層628は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ620の幅に応じた構成で伸びる。スリーブ620は第3のポリテトラフルオロエチレン層628に重なる第4のポリテトラフルオロエチレン層629を含み、この第4の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ620の長さに応じた構成で伸びる。一実施形態では、スリーブはさらに、第3のポリテトラフルオロエチレン層628と第4のポリテトラフルオロエチレン層629の間に挟まれた第5のポリテトラフルオロエチレン層630を含む。一実施形態では、第5のポリテトラフルオロエチレン層630は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ620の長さに応じた構成で伸びる。従って、図6Bに示す実施形態では、スリーブ620は近位部636に5つの層、中心部637に4つの層、および遠位部638に5つの層を含む。いくつかの実施形態では、層626、層627、層628、層629、層630は層をまたがって接合されるか、または異なる構成(スリーブ620の幅に応じた構成に対して、スリーブ620の長さに応じた構成)で使用され、スリーブの耐久性を高める。一実施形態では、スリーブ620はさらに、第2のポリテトラフルオロエチレン層627と第3のポリテトラフルオロエチレン層628の間(または、スリーブ620の中心部637における第1のポリテトラフルオロエチレン層626と第3のポリテトラフルオロエチレン層628の間)に金属線の支持構造体625を含み、構造的な支持を行う。一実施形態では、スリーブは金網構造体に接続するための縫合点639を含む。
図6Cは、本明細書の一実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材640の断面図であり、複数のスリーブの層643、644、646、647、648、649、および650を示す。いくつかの実施形態では、スリーブの層643、644、646、647、648、649、および650はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のいずれか一つまたは組み合わせを含む。一実施形態では、スリーブ640は最も内側に第1のポリテトラフルオロエチレン層643を含み、この第1の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブの長さに応じた構成で伸びる。第1のポリテトラフルオロエチレン層643はスリーブ640の全長にわたって伸びる。スリーブ640は第1のポリテトラフルオロエチレン層643に重なる第2のポリテトラフルオロエチレン層644を含み、この第2の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ640の近位部656およびスリーブ640の遠位部658のみに沿って伸びる。一実施形態では、近位部656は漏斗形の構造体641、および漏斗形の構造体641を超えて約30mmから40mm遠位に伸びるl1の長さを持つ追加の構造を含む。一実施形態では、スリーブ640は約20mmから30mmの長さを持つ遠位端を含む。遠位端658は最も近位に約10mmの長さl2のみを含む。一実施形態では、第2のポリテトラフルオロエチレン層644はスリーブ640の幅に応じた構成で伸びている。スリーブ640は第2のポリテトラフルオロエチレン層644に重なる第3のポリテトラフルオロエチレン層646、および第1のポリテトラフルオロエチレン層643の中心部657を含む。第3のポリテトラフルオロエチレン層646は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ640の幅に応じた構成で伸びる。スリーブはさらに、第2のポリテトラフルオロエチレン層644と第3のポリテトラフルオロエチレン層646の間に挟まれる、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648と第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649を含む。一実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648と第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649はともに、約0.06mmの厚さがある。一実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648と第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649はともに、スリーブ640の長さに応じた構成で伸びる。別の実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648と第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649はともに、スリーブ640の幅に応じた構成で伸びる。別の実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648はスリーブ640の長さに応じた構成で伸び、第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649はスリーブ640の幅に応じた構成で伸びる。さらに別の実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648はスリーブ640の幅に応じた構成で伸び、第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649はスリーブ640の長さに応じた構成で伸びる。スリーブ640は第3のポリテトラフルオロエチレン層646に重なる第4のポリテトラフルオロエチレン層647を含み、この第4の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ640の長さに応じた構成で伸びる。スリーブはさらに、第3のポリテトラフルオロエチレン層646と第4のポリテトラフルオロエチレン層647の間に挟まれた、第3のポリテトラフルオロエチレン中間層650を含む。一実施形態では、第3のポリテトラフルオロエチレン中間層650は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ640の長さに応じた構成で伸びる。従って、図6Cに示す実施形態では、スリーブ640は近位部656に7つの層、中心部657に6つの層、および遠位部658に7つの層を含む。いくつかの実施形態では、層643、644、646、647、648、649、および650は層をまたがって接合されるか、または異なる構成(スリーブ640の幅に応じた構成に対して、スリーブ640の長さに応じた構成)で使用され、スリーブの耐久性を高める。一実施形態では、スリーブ640はさらに、第1のポリテトラフルオロエチレン中間層648と第2のポリテトラフルオロエチレン中間層649の間に金属線の支持構造体645を含み、構造的な支持を行う。一実施形態では、スリーブは金網構造体に接続するための縫合点659を含む。
図6A、図6B、図6Cは複数のポリテトラフルオロエチレン層を持つスリーブを示すが、これらの構成によって実施形態を制限する意図はない。他のスリーブの実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン層の数がより多いか、またはより少ないことが想定される。または他の物質を含み、さまざまな個別の層の積み重ねを有する、多層の実施形態も想定される。
図6Dは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材660の断面図であり、複数のスリーブ層を示す。スリーブは円筒部660cおよび漏斗形の構造体660fを含む。いくつかの実施形態では、円筒部660cは約500mmの長さlcを持ち、漏斗形の構造は約100mmの長さlfを持つ。図6Dのスリーブ部材660は複数のスリーブ層の間に挟まれる、1本の針金の機械編み構造体661を含む。一実施形態では、1本の針金の機械編み構造体661は所定の軸方向に引き伸ばした構成になっている。1本の針金の機械編み構造体661はスリーブ660の円筒部660cの近位部のみに沿って伸びる。一実施形態では、スリーブ660の円筒部660cが持つ近位部の約450mmの部分には1本の針金の機械編み構造体661が含まれ、スリーブ660の遠位端の最短でも50mmの部分には針金は含まれない。一実施形態では、スリーブ660の遠位端は約24.5mmの直径を持つ遠位開口682を含む。漏斗形の構造体660fは複数の結び目672の近くに終端される、針金による支持構造体671を含む。一実施形態では、スリーブ660は合計18個の結び目を含み、この結び目は上に記載したように等間隔に配置され、交互に長い結び目と短い結び目を含む。いくつかの実施形態では、スリーブの層は長い結び目を超えて、最短でも5mm先に近位に伸びる。一実施形態では、スリーブ660の近位端は約63mmの直径を持つ近位開口681を含む。いくつかの実施形態では、1本の針金の機械編み構造体661および針金による支持構造体671はそれぞれ、0.100mmから0.150mmの範囲の直径を持つ針金を含む。一実施形態では、1本の針金の機械編み構造体661および針金による支持構造体671はそれぞれ、0.127mmの直径の針金を含む。別の実施形態では、1本の針金の機械編み構造体661および針金による支持構造体671はそれぞれ、0.140mmの直径の針金を含む。
スリーブ660は最も内側に第1のポリテトラフルオロエチレン層662を含み、この第1の層はスリーブ660の幅に応じた構成で伸びる。第1のポリテトラフルオロエチレン層662はスリーブ660の全長にわたって伸びる。一実施形態では、第1のポリテトラフルオロエチレン層662は0.06mmの厚さを持つ。1本の針金の機械編み構造体661は円筒部660cの近位部に沿って第1のポリテトラフルオロエチレン層662に重なり、また針金による支持構造体671はスリーブ660の漏斗形の構造体660fに沿って第1のポリテトラフルオロエチレン層662に重なる。近位のポリテトラフルオロエチレン中間層663pは漏斗形の構造体660fに沿って針金による支持構造体671に重なり、スリーブ660の円筒部660cが持つ1本の針金の機械編み構造体661に重なって約5mmから7mm遠位に伸びる。遠位のポリテトラフルオロエチレン中間層663dはスリーブの遠位端で第1のポリテトラフルオロエチレン層662に重なり、スリーブ660の円筒部660cが持つ1本の針金の機械編み構造体661に重なって約5mmから7mm近位に伸びる。複数の円筒形のポリテトラフルオロエチレン中間層663cはスリーブ660が持つ円筒部の複数の部分に沿って、1本の針金の機械編み構造体661に重なる。いくつかの実施形態では、スリーブ660は三つの円筒形のポリテトラフルオロエチレン中間層663cを含み、各中間層は約3mmから5mmの長さを持ち、相互にかつスリーブの近位端にある近位のポリテトラフルオロエチレン中間層663pおよびスリーブの遠位端にある遠位のリテトラフルオロエチレン中間層663dから、70mmから80mmの間隔をあけて配置される。スリーブ660は最も外側に第2のポリテトラフルオロエチレン層664を含み、この第2の層は約0.06mmの厚さがあり、スリーブ660の長さに応じた構成で伸びる。
いくつかの実施形態では、スリーブ660はさらに、少なくとも一つのマーカーを含み、このマーカーをX線検査で目視することにより送達後の適切な配置を決定する。図6Dを参照すると、スリーブは3つのマーカー665を含み、このマーカーはそれぞれ、1本の針金の機械編み構造体661の近位端の近く、1本の針金の機械編み構造体1601の中心の近く、および1本の針金の機械編み構造体661の遠位端の近くに配置される。一実施形態では、各マーカー665はポリテトラフルオロエチレンの継ぎ当て666で覆われて固定されており、この継ぎ当ては約5mmの長さ、約5mmの幅、および約0.06mmの厚さを持つ。一実施形態では、複数のマーカー665は相互に約145mmから155mmの間隔をあけて配置される。一実施形態では、複数のマーカー665は一つ置きの円筒形のポリテトラフルオロエチレン中間層663cに配置される。一実施形態では、複数のマーカー665はスリーブ660の一側面に配置される。一実施形態では、複数のマーカー665はタンタルで作製される。
図6A、図6B、図6C、図6Dを参照すると、いくつかの実施形態では、ポリテトラフルオロエチレンを含むスリーブの層はまた、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含むことがある。スリーブの層は接合する代わりに縫合してもよい。
図6Eは、本明細書のさらに別の実施形態に従う、展開後の構成における胃内装置の漏斗形のスリーブ部材690の断面図である。図6Eを参照すると、スリーブ690は近位の漏斗形の構造体690pおよび遠位の円筒形の構造体690dを含む。近位の構造体690pは人手で編み上げ、ポリテトラフルオロエチレンで覆われたニチノールの金網691を含む。遠位の構造体690dは機械で編み上げ、ポリテトラフルオロエチレンで覆われたニチノールの金網692を含む。遠位の構造体690dはまた、少なくとも一本のフッ素ポリマーの帯695を含み、この帯を重ねることによりニチノールの金網とポリテトラフルオロエチレンがさらに良く接合する。また、少なくとも一本のX線不透過性マーカーの帯693が遠位部690dに含まれる。
図6Fは、本明細書の一実施形態に従う、胃内装置のスリーブ部材に対するステント支持構造体680の図である。図示の実施形態では、ステント支持構造体680は針金のジグザグの部分に形成される複数の輪683を含む。別の実施形態では、ステント支持構造体は連続したらせん状の針金による支持構造体を含み、らせんの針金はジグザグ形に構成される。一実施形態では、ステント支持構造体680は図20Fに示す模様2033と同様の形状を持つ。図6Fを再び参照すると、一実施形態では、それぞれの輪683は一本の直線の針金684によって接続され、これによりそれぞれの輪683の間に空白部685が存在するが、この空白部はスリーブ部材の残りの層のみを含む。いくつかの実施形態では、輪683は1cmから2cmの範囲の長さを持つ。いくつかの実施形態では、接続用の直線の針金684は1インチから2インチの範囲の長さを持ち、また空白部685は1インチから2インチの範囲の長さを持つ。一実施形態では、ステント支持構造体680の近位端は漏斗形の輪の部分686を含む。一実施形態では、漏斗形の輪の部分686は遠位の第1の輪683aに接続される縫合接続部687を含む。いくつかの実施形態では、漏斗形の輪の部分686の直径は、装着先の金網構造体の遠位端にある移動防止部材の直径に合うように作製される。
図6Gは、図6Fのステント支持構造体680を有する、胃内装置のスリーブ部材688の図である。ステント支持構造体680は複数の直線の針金684によって接続される複数の輪683を含む。複数の輪683の各組の間には、スリーブ部材688が持つ、ポリテトラフルオロエチレンなどの他の層689が示されている。ジグザグ形のステント支持構造体680によってスリーブ部材688は構造的な完全性を有する。この支持構造体は腸の収縮を受けてつぶれることはないが、胃腸管のさまざまな曲線に合わせることができる柔軟性をスリーブ部材688に持たせる。
図7には本明細書の一実施形態による胃内装置用の漏斗形スリーブ700が説明されている。このスリーブ700は漏斗形を有し、その直径はスリーブの近位端の第1の開口713から遠位端の第2の開口719にスリーブが延びるにつれて小さくなる。スリーブ700は少なくとも1本の折りたたみ線材702で構成され、十字織り目模様を持つ漏斗形を作り出している。スリーブ700は遠位方向に延びるにつれてその直径は小さくなり、十字織りの線材の交点は互いに近づく。スリーブ700の近位端および遠位端は複数の湾曲部すなわち自由端を備える。この自由端は人体組織を傷付けないように設計されている。一部の実施形態によれば、第1の開口713の直径は金網構造体の移動防止環の直径とほぼ等しいかやや大きい。スリーブ700は移動防止環に被せて、移動防止環を構成している結び目にスリーブの近位端の自由端714を縫い合わせることによって所定位置に固定されている。スリーブ700の遠位端の自由端718は第2の開口719を囲んでいる。いくつかの実施形態によれば、スリーブ700は1cm〜120cmの範囲の全長を有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ700は10cmの全長を有する短いスリーブである。図示の実施形態によれば、円錐形の漏斗部はスリーブ長さの100%を占有する。
図8には本明細書の別の実施形態による胃内装置用の漏斗形スリーブ800が説明されている。このスリーブは第1の開口813を有する近位端および第2の開口819を有する遠位端を備える。スリーブ800は近位部分811および遠位部分816をさらに備える。スリーブ800の近位部分811および遠位部分816は両方とも漏斗形をしており、各々の直径は両部分811、816が遠位に延びるにつれて小さくなる。近位部分811の直径はスリーブ800の近位端すなわち第1の開口813の位置で最も大きく、近位部分811が遠位方向に延びるにつれて、スリーブ800が移行点803で遠位部分816に移行するまで小さくなる。移行点803では近位部分811と遠位部分816の直径は等しい。遠位部分816の直径はその後、上記遠位部分816が遠位方向に延びるにつれて小さくなる。別の実施形態によれば、遠位部分の直径はその長さに沿って変わらない。さらに別の実施形態によれば、遠位部分の直径は、遠位部分が遠位方向に延びるにつれて大きくなる。スリーブ800の遠位部分816は胃内装置800の遠位端の第2の開口819で終了している。近位部分は第1の折りたたみ線材802で構成され、第1の十字織り目模様を持つ漏斗形を作り出している。遠位部分は第2の折りたたみ線材812で構成され、第2の十字織り目模様を持つ漏斗形を作り出している。一部の実施形態によれば、第2の線材812は第1の線材802の延長部である。別の実施形態によれば、第1の線材802と第2の線材812は別々の線材であり、これらが移行点803で接続されている。一実施形態によれば、これらの別々の線材は互いに点溶接されている。近位部分811および遠位部分816では共に、これらが遠位に延び漏斗形が狭くなるにつれて、織り目が各部分811、816の遠位端で密になるように線材の交差分部は互いに近づく。一実施形態によれば、近位部分811の織り目は遠位部分816と同じである。別の実施形態によれば、近位部分811の織り目は遠位部分816の織り目よりも密である。別の実施形態によれば、遠位部分816の織り目は近位部分811の織り目より密である。
一実施形態によれば、近位部分811の長さは遠位部分816の長さに等しい。別の実施形態によれば、近位部分811の長さは遠位部分816の長さより小さい。別の実施形態によれば、近位部分811の長さは遠位部分816の長さより大きい。スリーブ800はその近位端および遠位端に複数の湾曲部すなわち自由端を備える。これらの自由端は人体組織に傷を付けないように設計されている。一部の実施形態によれば、第1の開口813の直径は金網構造体の移動防止環の首部の直径にほぼ等しいかわずかに小さい。スリーブ800を移動防止環の首部に挿入し、スリーブの近位端の自由端814を移動防止環の首部の線材の交点に縫い付けることによってスリーブ800を所定位置に固定する。スリーブ800の遠位端の自由端818は第2の開口819を囲んでいる。いくつかの実施形態によれば、スリーブ800は1cm〜120cmの範囲の全長を有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ800は10cmの全長を有する短いスリーブである。図示の実施形態によれば、円錐形の漏斗部はスリーブ長さの100%を占有する。
図9Aには、本明細書の一実施形態による、展開後の形状における、スリーブ部品944が取り付けられた金網構造体930が説明されており、スリーブ944の近位端の方を向いた金網補助部材の平滑末端952が描かれている。スリーブ944は、金網構造体930の遠位端の近位方向に湾曲した人体組織を傷付けない移動防止環942に接続されており、4層を有する近位部945、および3層を有する中央部955を備える。
図9Bには、本明細書の一実施形態による、展開後の形状における、スリーブ部品959の近位部分が取り付けられた金網構造体957が説明されており、金網構造体957内に配置された送達カテーテル969が描かれている。スリーブ959は近位方向に湾曲した移動防止部材958に取り付けられている。
図10Aには、本明細書の一実施形態による、展開後の形状における、漏斗形に編まれた短いスリーブ部品1000が説明されている。このスリーブ1000はその近位端および遠位端に複数の結び目1001を有する金網構造体で構成されている。これらの結び目1001は先に図3Aを参照して記述したものと構造が似ており、針金の編み構造体の中に保持されていない自由曲げ部を備える。一実施形態によれば、スリーブ1000の近位端および遠位端の結び目の数が等しくなるように結び目の数は均一である。一実施形態によれば、両端の均一な結び目の数は24である。別の実施形態によれば、スリーブ1000の近位端および遠位端の結び目の数が異なるように結び目の数を変えることができる。スリーブの遠位端にない結び目は全てスリーブの本体内でジグザグに配置されている。例えば、一実施形態によれば、スリーブはその近位端に結び目を24個、遠位端に18個持つ。残りの6個の結び目はスリーブの本体内でジグザグに配置されている。別の実施形態によれば、スリーブはその近位端に結び目を24個、遠位端に12個持つ。残りの12個の結び目はスリーブの本体内でジグザグに配置されている。実施形態が変われば結び目のジグザグ配置も変わる。一実施形態によれば、スリーブの遠位部分は被覆1002を備える。いくつかの実施形態によれば、遠位端の約30〜60mmが被覆1002で覆われている。一実施形態によれば、被覆1002はシリコーンである。一実施形態によれば、ジグザグに配置された結び目は被覆1002を有する遠位部分に配置されており、人体組織を傷付け易い表面をなくすために覆われている。
図10Aに描かれたスリーブ1000はその近位端に漏斗形部分1005を、遠位端に円筒形部分1006を備える。一実施形態によれば、この漏斗形部分1005は長さl1を有する近位部および遠位部を有する。一実施形態によれば、この長さl1は約30mmである。漏斗形部分全体は長さl2を持ち、これは一実施形態によれば約60mmである。円筒形部分1006は長さl3を持ち、これは一実施形態によれば約60mmである。したがって一実施形態によれば、スリーブ1000は約120mmの全長ltを持つ。スリーブ1000はその近位端に直径d1の第1の開口1003を有する。一実施形態によれば、直径d1は約75mmである。スリーブはその遠位端に第2の開口1004を有する。いくつかの実施形態によれば、第2の開口1004の直径d2は1〜30mmである。
図10Bには、本明細書の一実施形態による、展開後の形状における、円錐形の遠位端1017を持つ漏斗形に編まれた短いスリーブ部品1010が説明されている。いくつかの実施形態によれば、このスリーブ1010は複数の結び目1011を有する金網構造体で構成されており、これらの結び目の数は図10Aを参照して述べたように均一あるいは可変である。一実施形態によれば、スリーブの遠位部分は被覆1012を備える。いくつかの実施形態によれば、遠位端の約30〜60mmは被覆1012で覆われている。一実施形態によれば、被覆1012はシリコーンである。一実施形態によれば、ジグザグ配置された結び目は被覆1012を有する遠位部分に配置されており、人体組織を傷付け易い表面をなくすために覆われている。
図10Bに描かれたスリーブ1010はその近位端に漏斗形部分1015を、その遠位端に円錐形部分1017を備える。一実施形態によれば、漏斗形部分1015は長さl1を持つ近位部および遠位部を有する。一実施形態によれば、長さl1は約30mmである。全漏斗形部分は長さl2を持ち、この長さは一実施形態によれば約60mmである。円錐形部分1787は長さl3を持ち、この長さは一実施形態によれば約55mmである。一実施形態によれば、漏斗形部分1015と円錐部分1017の間にスリーブの短い直線部分1016が配置されている。一実施形態によれば、この短い直線部分1016は5mmの長さを持つ。したがって一実施形態によれば、スリーブ1010は約120mmの全長ltを持つ。スリーブ1010はその近位端に直径d1の第1の開口1013を有する。一実施形態によれば、直径d1は約75mmである。スリーブはその遠位端に直径d2の第2の開口1014を有する。一実施形態によれば、直径d2は約10mmである。
図10Cには、本明細書の一実施形態による、展開後の形状における、円錐形に編まれた短いスリーブ部品1020が説明されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1020は複数の結び目1021を有する金網構造体で構成されており、これらの複数の結び目は図10Aを参照して述べたように均一あるいは可変である。一実施形態によれば、スリーブの遠位部分は被覆1022を備える。いくつかの実施形態によれば、遠位端の約30〜60mmが被覆1022で覆われている。一実施形態によれば、被覆1022はシリコーンである。一実施形態によれば、ジグザグ配置された結び目が被覆1022を有する遠位部分に配置されており、人体組織を傷付け易い表面をなくすために覆われている。一実施形態によれば、スリーブ1020は約120mmの全長ltを持つ。スリーブ1020はその近位端に直径d1の第1の開口1023を持つ。一実施形態によれば、直径d1は約75mmである。スリーブはその遠位端に直径d2の第2の開口1024を有する。一実施形態によれば、直径d2は約10mmである。
図10Dには本明細書の一実施形態による金網構造体1030に取り付けられた図10Cの円錐形に編まれた短いスリーブ部品1020が説明されている。図10Cと10Dを同時に参照すると、スリーブ1020の第1の開口1023の直径d1は、金網構造体1030の移動防止環1034の直径と類似の寸法である。金網構造体1030をスリーブ1020に取り付けるには、スリーブ1020を移動防止環1034に点線1035で示すように被せ、次に取り付ける。これらの2つは直径が類似寸法である第1の開口を有し、図10Aのスリーブ1000および図10Bのスリーブ1010はそれぞれ金網構造体に取り付けられ、その方法は図10Cのスリーブ1020と同じである。言い換えれば、スリーブ1000、1010は金網構造体の移動防止環に被せられる。
図10Eには、本明細書の別の実施形態による、展開後の形状における、円錐形に編まれた短いスリーブ部品1040が説明されている。スリーブ1040は、その第1の開口1043が小さいこと以外は図10Cのスリーブ1020と類似である。図10Eを参照すると、いくつかの実施形態によれば、スリーブ1040は複数の結び目1041を有する金網構造体で構成されており、上記複数の結び目は図10Aを参照して述べたように均一あるいは可変である。一実施形態によれば、スリーブの遠位部分は被覆1042を備える。いくつかの実施形態によれば、遠位端の約30〜60mmは被覆1042で覆われている。一実施形態によれば、被覆1042はシリコーンである。一実施形態によれば、被覆1042を有する遠位部分に結び目がジグザグ配置されており、人体組織を傷付け易い表面をなくすために覆われている。一実施形態によれば、スリーブ1040は約120mmの全長lを持つ。スリーブ1040はその近位端に直径d1の第1の開口1043を有する。一実施形態によれば、直径d1は約30mmである。スリーブはその遠位端に直径d2の第2の開口1044を有する。一実施形態によれば、直径d2は約10mmである。
図10Fには本明細書の一実施形態による金網構造体1050に取り付けられた図10Eの円錐形に編まれた短いスリーブ部品1040が説明されている。図10Eと10Fを同時に参照すると、スリーブ1040の第1の開口1043の直径d1は金網構造体1050の移動防止環1054の首部1052の直径と類似の寸法である。移動防止環1054の外径自体は直径d1より大きい。したがって、金網構造体1050をスリーブ1040に取り付けるには、スリーブ1040を移動防止環1054に点線1055で示すように挿入し、環状の首部1052に取り付ける。
図10Gと10Hには、本明細書の実施形態による、人体組織を傷付けない遠位端1062、1067を有し展開後の形状における円錐形に編まれた短いスリーブ部品1060、1065が説明されている。図10Gと10Hを同時に参照すると、スリーブ部品1060の線材1061は遠位端1062の中まで延びておらず、リーブ部品1065の線材1066は遠位端1067の中まで延びていない。遠位端1062、1067は、PTFEなどのより可撓性があるスリーブ層のみを備え、したがって胃腸粘膜を傷付けることがない。一部の実施形態によれば、遠位端1062、1067は約10cmの直径d1および5〜15cmの範囲の長さを持つ。一部の実施形態によれば、図10Aから10Fに描かれたスリーブ部品はそれぞれ、図10Gおよび10Hを参照して記述したものと類似の人体組織を傷付けない遠位端を備える。
図11Aは、展開後の形状における、スリーブ1102が取り付けられた胃内装置1100の一実施形態を描いた断面図である。この装置1100はその遠位端に環1103を持つ金網構造体1101を備える。スリーブ1102は円筒形状体であり、その近位端は環1103の底面に取り付けられている。図11Bは、展開前の形状の図11Aの胃内装置1100を描いた断面図である。装置1100をその展開前の形状に圧縮するとき、金網構造体1101の環1103の折り畳みを容易にするためにスリーブ1102の本体を引っ張る。環1103は、装置1100の直径が十分に小さくなって送達装置すなわちカテーテルの中に収まるように折りたたまなければならない。図11Bを参照すると、スリーブ1102の近位端は環1103の底面に取り付けられているため、環1103を折り畳むと、環の厚さ1103’およびスリーブの厚さ1102’、1102”の2倍の厚さから成る膨らみができる。
図11Cは、展開後の形状における、スリーブ1112を有する胃内装置1110の別の実施形態を描いた断面図である。装置1110はその遠位端に環1113を有する金網構造体1111を含む。スリーブ1112は円筒形状の本体を有し、その本体は環1113の遠位端の結び目すなわち自由端に取り付けられた漏斗形の近位端を有する。スリーブ1112は環1113に複数の縫い目1117により取り付けられている。図11Dは展開前の形状の図11Cの胃内装置を描いた断面図である。装置1110をその展開前の形状に圧縮すると、スリーブ1112の本体は引っ張られ、金網構造体1111の環1113の折り畳みが容易になる。スリーブ1112を環1113に接続している縫い目1117は緩く固定されているため、スリーブ1112と環1113の間にいくらかの最小限の動きが可能になる。したがって、図11Dからわかるように、環1113が折りたたまれると、スリーブ1112の漏斗形部分および環1113は互いに相対的に動いて、圧縮された装置の最終的な膨らみに環の厚さ1113’だけが含まれるようになる。これによって、圧縮された装置の断面積または直径が小さくなり、送達装置すなわちカテーテル経由の展開が容易になる。
さらに、図11Cに描かれた環1113には図11Aに描かれた環1103よりも鋭い曲げが少ない(より丸い)。環に鋭い曲げが少ないため人体組織を傷付けることが少なく、環の形状の維持が可能であるというのは、環は小さなひずみ率を持つからである。
図12Aには、本明細書の一実施形態による漏斗形のスリーブ1202の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1205が説明されている。図11Cおよび11Dからわかるように、金網構造体の遠位端すなわち環の遠位端に結び目1205が配置されている。図12Aを参照すると、各結び目1205はスリーブ1202に縫い目1208により取り付けられている。図11Cと11Dを参照して述べたように、これらの縫い目は緩く固定されているため、スリーブ1202は金網構造体に対して相対的に多少動くことができる。
図12Bには、本明細書の別の実施形態による漏斗形のスリーブ1212の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1215が説明されている。図12Bに描かれているように、一つおきの接点1215だけが縫い目1218によりスリーブに取り付けられている。金網構造体をスリーブ1212に固定的に取り付けているが、縫い目1218の数は図12Aに示した実施形態と比べると減っているため、展開前の圧縮形状の膨らみの直径が小さい装置ができる。このように圧縮された装置は送達装置すなわちカテーテルの中をより容易に通過することになる。
これらの縫い目を結び目の最遠位端に直接固定すると、縫い目が各結び目の線材に沿って滑って、スリーブは金網構造体に対して相対的に過剰に動くことになる。図12Cには、本明細書の別の実施形態による漏斗形のスリーブ1222の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1225が説明されている。縫い目1228を各結び目1225の最遠位端に配置せず、2つの隣り合う結び目1225の線材の交点1229の周囲に配置している。このようにすると縫い目がいずれかの線材に沿って遠くまで滑ることがなく、しかもスリーブ1222は圧縮中に金網構造体に対し相対的に最小限に動くことができる。
図12Dには、本明細書の別の実施形態による漏斗形のスリーブ1232の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1235が説明されている。図12Dに描かれているように、隣接する結び目1235の線材の一つおきの交点1239だけをスリーブに縫い目1238により接続している。金網構造体をスリーブ1232に固定的に取り付けているが、縫い目1238の数は図12Cに示した実施形態と比べると減っているため、展開前の圧縮形状の膨らみの直径が小さい装置ができる。このように圧縮された装置は送達装置すなわちカテーテル内をより容易に通過することになる。
図12Eには、本明細書の別の実施形態による漏斗形のスリーブ1242の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1245が説明されている。結び目1245は金網構造体の遠位端または移動防止環の遠位端に配置されており、ループ1246を備える。このループ1246は結び目1245の線材で形成されており、金網構造体の中心方向に延びている。結び目1205の各ループ1246はスリーブ1242に縫い目1248により取り付けられている。
図12Fには、本明細書のさらに別の実施形態による漏斗形のスリーブ1252の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1255が説明されている。結び目1255は金網構造体の遠位端または移動防止環の遠位端に配置されており、ループ1256を備える。このループ1256は結び目1255の線材で形成されており、金網構造体の中心方向に延びている。各結び目1255の各ループ1256はスリーブ1252に縫い目1258により取り付けられている。図12Fに描かれているように、一つおきの結び目1255だけがスリーブに縫い目1258により取り付けられている。金網構造体をスリーブ1252に固定的に取り付けているが、縫い目1258の数は図12Eに示した実施形態と比べると減っているため、展開前の圧縮形状の膨らみの直径が小さい装置ができる。このように圧縮された装置は送達装置すなわちカテーテル内をより容易に通過することになる。
図13Aには、本明細書の一実施形態による漏斗形のスリーブ1302の近位端に接続された金網構造体の遠位端に配置された複数の結び目1305が説明されている。図13Aに描かれているように、隣り合う結び目1305間の交点1309および結び目1305の端部1304の中には、どちらもスリーブ1302に結び目1308により縫い付けられているものがある。
一実施形態によれば、金網構造体の遠位端はスリーブの近位端の独立した9個の接続点に接続されている。各接続点は8つの結び目を備え、さらに接着剤および熱収縮性チューブで固定されている。一実施形態によれば、各結び目は30ポンドの破壊強度の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE:ultra-high-molecular- weight-polyethylene)で編まれた縫合糸で構成されていて、金網とスリーブどうしを確実に接続している。図13Bには、本明細書の一実施形態による金網構造体1320の遠位端が説明されており、この遠位端は熱収縮性チューブ1326で覆われた漏斗形のスリーブの近位端に接続されている。
図14には本明細書の一実施形態による展開後の形状における、漏斗形のスリーブ1410を有する胃内装置1400が説明されている。胃内装置1400は近位端および遠位端を有する金網構造体1405を備え、この遠位端に移動防止環1420が形成されている。スリーブ1410は近位端および遠位端を備え、この近位端で移動防止環1420に取り付けられている。
金網構造体1405は少なくとも1本の折りたたみ金属線で構成され、複数の湾曲した自由端を有する十字織り目模様すなわち結び目を構造体に沿って作り出している。その展開後の膨張形態では、金網構造体1405は楕円形状を有する。容易な送達と取り外しに最適な展開および圧縮を促進するため、金網構造体1405はその長さに沿って複数のジグザグ配置された結び目1406、1407、1408、1409を備える。第1の組のジグザグ配置された結び目1406が金網構造体1405の近位端に配置され、第1の開口1401を囲んでいる。一実施形態によれば、上記第1の組のジグザグ配置された結び目1406の各結び目は、上方に曲げられて金網構造体1405の内部と反対方向に延びている。上記第1の組のジグザグ配置された結び目1406は、胃内装置1400の取り外し中に回収装置のための把持点として用いられる。金網構造体1405は、上記第1の組1406に対して遠位かつ金網構造体1405の中間点に対して近位に第2の組のジグザグ配置された結び目1407を備える。第3の組のジグザグ配置された結び目1408が上記中間点に対して遠位かつ金網構造体1405の遠位端に対して近位に配置されている。第4の組のジグザグ配置された結び目1409が金網構造体1405の遠位端に配置されており、移動防止部材1420の自由端を備える。各組のジグザグ配置された結び目1406、1407、1408、1409の結び目を構成する全ての湾曲部が人体組織を傷付けない曲げを有するように設計されている。結び目はジグザグ配置されて、金網構造体を展開前の形状に圧縮するときに線材の曲げ点が集中して嵩張らないようになっている。結び目を金網構造体の長さに沿って分散させることによって本装置の圧縮時の全体的な直径を小さくすることができる。
スリーブ1410は近位部分1411および遠位部分1416を備え、これらはスリーブ1410の本体に沿った移行点1415で繋がっている。スリーブ1410の近位部分1411および遠位部分1416は両方とも漏斗形であり、それぞれの直径は、近位部分1411、遠位部分1416が遠位に延びるにつれて小さくなる。一実施形態によれば、近位部分1411の近位端の直径は移動防止環1420の近位端の直径とほぼ同じである。近位部分1411の直径は、近位部分1411が遠位に延びるにつれて小さくなり、この減少はスリーブ1410がその遠位部分1416に移行するまで続き、この移行点では、近位部分1411と遠位部分1416の直径は等しい。その後遠位部分1416の直径は、遠位部分1416が遠位に延びるにつれて減少する。スリーブ1410の遠位部分1416は、胃内装置1400の遠位端の第2の開口1419で終わる。一実施形態によれば、近位部分1411の長さは遠位部分1416の長さより短い。いくつかの実施形態によれば、漏斗形のスリーブ1410は少なくとも1つの線材支持部材を備える。実施形態によっては、この少なくとも1つの線材支持部材は近位部分1411および遠位部分1416の両方とも同じ線材で構成される。別の実施形態によれば、近位部分1411および遠位部分1416は別々の線材支持部材で構成され、この線材は近位部分1411の遠位端および遠位部分1416の近位端で互いに接続されている。一実施形態によれば、この別々の線材は互いに点溶接されている。線材は折りたたまれてスリーブ1410に十字織り目模様を作る。近位部分1411および遠位部分1416では共に、これらが遠位に延び漏斗形が狭くなるにつれて、織り目が各部分1411、1416の遠位端で密になるように線材の交差部は次第に近づく。スリーブ1410はその近位端および遠位端に、金網構造体1405の結び目と類似の湾曲部すなわち自由端を備える。この自由端は人体組織を傷付けないように設計されている。スリーブ1410の近位端の自由端は、金網構造体1405の第4の組のジグザグ配置された結び目1409に1本以上の縫い目1422により取り付けられている。スリーブ1410の遠位端の自由端は第2の開口1419を囲んでいる。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1410は5cm〜120cmの範囲の全長を有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ1410は60cmの全長を有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ1410は遠位端に人体組織を傷付けない柔軟な先端1430を備える。この先端1430には線材がなく、スリーブの先端で腸粘膜を傷付けないようになっている。
スリーブ1410を金網構造体1405に取り付けると、スリーブ1410の近位部分1411が金網構造体の遠位端の開口を覆うように、スリーブ1410の近位部分1411の近位端は移動防止部材1420の少なくとも一部に被さる。この配置によって金網構造体1405の内部とスリーブ1410内部の間の流体連通が可能になり、食物が上記第1の開口1401から上記金網構造体1405の上記内部に入り、上記スリーブ1410の上記内部を通って上記第2の開口1419から出る経路ができる。
図15には、本明細書の一実施形態による展開後の形状における、円筒形状のスリーブ1510を有する胃内装置1500が説明されている。胃内装置1500は近位端および遠位端を有する金網構造体1505を備え、上記遠位端に移動防止環1520が形成されている。スリーブ1510は近位端および遠位端を備え、この近位端で移動防止環1520に取り付けられている。一実施形態によれば、スリーブ1510はその遠位端に人体組織を傷付けない柔軟な先端1530を備える。この先端1530に線材はなく、スリーブの先端で腸粘膜を傷付けないようになっている。
この金網構造体1505は図14を参照して述べた構造体1405と類似であり、十字織り目模様の楕円形状、複数のジグザグ配置された結び目1506、1507、1508、1509、およびその近位端に第1の開口1501を備える。各組のジグザグ配置された結び目1506、1507、1508、1509の結び目を構成する全ての湾曲部が人体組織を傷付けない曲がりを有するように設計されている。
スリーブ1510は近位部分1511および遠位部分1516を備え、これらはスリーブ1510本体に沿った移行点1515で互いに繋がっている。スリーブ1510の近位部分1511は漏斗形であり、その直径は近位部分1511が遠位に延びるにつれて小さくなる。一実施形態によれば、近位部分1511の近位端の直径は移動防止環1520の近位端の直径とほぼ同じである。近位部分1511の直径は近位部分1511が遠位に延びるにつれて小さくなり、この減少はスリーブ1510が遠位部分1516に移行するまで続き、その移行点で近位部分1511および遠位部分1516の直径は等しい。その後、遠位部分1516の直径は遠位部分1516が遠位に延びても変わらず、遠位部分1516はほぼ円筒形状になる。スリーブ1510の遠位部分1516は胃内装置1500の遠位端の第2の開口1519で終わる。一実施形態によれば、近位部分1511の長さは遠位部分1516の長さより小さい。
いくつかの実施形態によれば、スリーブ1510の漏斗形の近位部分1511は少なくとも1つの線材支持部材を備える。線材は折りたたまれてスリーブ1510に十字織り目模様を作り出す。近位部分1511が遠位に延び漏斗形が狭くなるにつれて、織り目が近位部分1511の遠位端でより密になるように線材の交差部は互いに近づく。いくつかの実施形態によれば、遠位部分1516は少なくとも1つの螺旋状の線材支持部材を備える。この線材支持部材はその円筒形の長さに沿って延びている。螺旋状の線材支持部材のピッチは、得られる螺旋状の織り構造体がスリーブ1510の遠位部分1516の長さに沿って同じ模様を有するように一定である。実施形態によっては、遠位部分1516の螺旋状の線材支持部材は、近位部分1511の少なくとも1つの線材支持部材の延長部分である。別の実施形態によれば、近位部分1511および遠位部分1516は別々の線材支持部材で構成され、この線材は互いに近位部分1511の遠位端および遠位部分1516の近位端で繋がれている。一実施形態によれば、この別々の線材は互いに点溶接されている。スリーブ1510はその近位端および遠位端に金網構造体1505の結び目に似た湾曲部すなわち自由端を備える。この自由端は人体組織を傷付けないように設計されている。スリーブ1510の近位端の自由端は、金網構造体1505の第4の組のジグザグ配置された結び目1509の結び目に1つ以上の縫い目1522で接続されている。スリーブ1510の遠位端の自由端は第2の開口1519を囲んでいる。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1510は5cm〜120cmの範囲の全長を有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ1510は60cmの全長を有する短いスリーブである。漏斗形の円錐形部分はスリーブ全長の1%から100%まで変わり得る。
スリーブ1510を金網構造体1505に取り付けると、スリーブ1510の近位部分1511が金網構造体の遠位端の開口を覆うように、スリーブ1510の近位部分1511の近位端は移動防止部1520に被さる。この配置によって金網構造体1505の内部とスリーブ1510の内部の間の流体連通が可能になり、食物が上記第1の開口1501から上記金網構造体1505の内部に入り、上記スリーブ1510の内部を通って上記第2の開口1519から出る経路ができる。
図16Aは本明細書の一実施形態による胃内装置1600の金網構造体1605の移動防止環1604に取り付けられた漏斗形のスリーブ1602の拡大図である。スリーブ1602は移動防止環1604に複数の縫い目1608により取り付けられている。
16Bは、本明細書の別の実施形態による胃内装置1610の金網構造体1615の移動防止環1614に取り付けられた漏斗形のスリーブ1612の拡大図である。移動防止環1614に複数の縫い目1618により取り付けられたスリーブ1612はその近位端に複数のほぐれた端部1611を備えて、この端部を人体組織を傷付けにくい端部にしている。
図16Cには、本明細書の一実施形態による金網構造体1625および取り付けられたスリーブ1622を有する胃内装置1620が説明されている。金網構造体1625は固定部がなく、人体組織を傷付けない線材端部を有する。一実施形態によれば、金網構造体1625はニチノールで構成される。金網構造体1625は移動防止環1624を備え、これにスリーブ1622が取り付けられている。実施形態によっては、金網構造体1625は、図16Eを参照して描かれているように近位短の近くに回収用の引きひもを備える。スリーブ1622は固定部を持たない遮水性のフッ素化重合体のライナーを備え、このライナーは小腸の近位部分、具体的には中部十二指腸内を延びるように設計されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1622は高分子材料層内に埋め込まれたニチノール製ステント構造体を備え、スリーブ1622で人体組織を傷付けずかつニチノールのどの部分も小腸と接触しないようになっている。一実施形態によれば、スリーブ1622は送達および留置を補助する放射線不透過性マーカーを備える。
金網構造体1625には固定部がなく胃内で空間を占有する。金網構造体1625は胃内で自由に浮遊し、胃内壁に接触すると胃の一部に人体組織を傷付けない穏やかな伸張力を間欠的に加える。この伸張力は患者の満腹感を誘起する。移動防止環1624は付属スリーブ1622を収容するのに適切な形状に作られている。胃の内容物は、金網構造体1625の近位端の第1の開口1621または金網構造体1625の線材の間の複数の開口1629から金網構造体1625に入り、取り付けられているスリーブ1622の方に向けられる。その後胃の内容物はスリーブ1622を通過し、スリーブ1622の遠位端の第2の開口1623から出て、スリーブ1622の長さによって十二指腸または空腸に入る。スリーブ1622は予め金網構造体1625の移動防止環1624に取り付けられている。スリーブ1622に埋め込まれたニチノール製ステント構造体はスリーブ1622に対する支えを提供し、小腸筋肉の動きによるスリーブ1622のねじれまたは折れ曲がりを防ぐ。また、ニチノール製ステント構造体は小腸壁に穏やかな半径方向の伸張力を与え、患者の満腹感を誘起するとともに糜粥(びじゅく)がスリーブ1622の周囲を通過しないようにしている。
図16Dには、装置1620の寸法を周囲の生体構造と対比させて描くため、スリーブ1622を伸ばした状態の図16Cの胃内装置1620が説明されている。スリーブ1622は、金網構造体1625の移動防止環に取り付けられた近位の漏斗形すなわち円錐形部分1622p、およびこの近位部分1622pから遠位に延びる遠位の円筒形部分1622dを備える。金網構造体1625およびスリーブ1622の近位部分1622pは患者の胃内にあるように構成されており、両方とも約8インチの最大外径および長さl1を有する。実施形態によっては、長さl1は約10インチである。実施形態によっては、完全に展開した金網構造体1625の容積は約1リットルである。スリーブ1622の近位部分1622pおよびスリーブ1620の遠位部分1622dは、患者の幽門に収まるように構成された接合点1622jで出会う。スリーブ1620の遠位部分1622dは患者の小腸、具体的には十二指腸内にあるように構成されており、約1.0インチの最大外径および長さl2を持つ。実施形態によっては、長さl2は約10〜25インチである。実施形態によっては、遠位部分1622dの長さl2は、胃の内容物が胃から本装置1620を通過し幽門を迂回して十二指腸に直接入るようにスリーブ1622の遠位端が十二指腸内に配置される長さである。別の実施形態によれば、長さl2は、胃の内容物が胃から本装置1620を通過し、幽門と十二指腸を迂回して空腸に直接入るようにスリーブ1622の遠位端が空腸内に配置される長さである。別の実施形態によれば、金網構造体の最大直径は18インチ、最大長さは24インチ、最大容積は2.5リットルである。
図16Eには本明細書の一実施形態による胃内装置1630の金網構造体1635およびスリーブ1632が説明されており、上記金網構造体1635の回収用の引きひも1637、1638が描かれている。スリーブ1632は金網構造体1635の遠位端の移動防止環1634に取り付けられている。一部の実施形態によれば、移動防止環1634は図4Cに示すように結び目の遠位端に結び目の線材のループを備え、移動防止環1634のこれらのループにスリーブ1632が縫い付けられている。図示の実施形態によれば、一対の回収用の引きひも1637、1638が金網構造体1635の近位端の近くに配置されている。第1の引きひも1637は金網構造体1635の近位端に配置されており、第2の引きひも1638は第1の引きひも1637に対して遠位だが、依然金網構造体1635の近位端の近くに配置されている。回収用の引きひも1637、1638は金網構造体1635の線材間の開口を貫通している。回収中、回収用の引きひも1637、1638の自由端を把持器で引いて金網構造体1635を収縮させて外径を小さくし、金網構造体1635を患者から内視鏡経由で取り除いてもよい。一実施形態によれば、2本の引きひも1637、1638は相互に接続されていて、一方の引きひもを締めると他方の引きひもが同時に締まるように操作することができる。
図16Fには、本明細書の一実施形態による胃内装置1640の金網構造体1645およびスリーブ1642が説明されており、上記金網構造体1645に回収用の引きひも1648が1本描かれている。スリーブ1642は金網構造体1645の遠位端の移動防止環1644に取り付けられている。一部の実施形態によれば、移動防止環1644は図4Cに示すように結び目の遠位端にその線材のループを備え、これらのループにスリーブ1642が縫い付けられている。図示の実施形態によれば、1本の回収用の引きひも1648が金網構造体1645の近位端の近くに配置されている。この回収用の引きひも1648は金網構造体1645の線材間の開口を貫通している。回収中、回収用の引きひも1648の自由端を把持器で引いて金網構造体1645を収縮させて外径を小さくし、金網構造体1645を患者から内視鏡経由で取り除いてもよい。図示の実施形態によれば、1本の引きひも1648で金網構造体1645の2群の複数の結び目1647、1649(すなわち金網構造体1645の近位端の第1群の複数の結び目1647および引きひも1648の高さにある第2群の複数の結び目1649)を十分に収縮させることができる。別の実施形態によれば、1本の引きひもで金網構造体の1つあるいは3群以上の複数の結び目を十分に収縮させることができる。
スリーブが金属線補助部材を備える一部の実施形態によれば、線材の端部または線材は人体組織を傷付けないように設計されている。いくつかの実施形態によれば、線材の端部は丸められ、折り返され、あるいは他の線材の端部に溶接されている。別の実施形態によれば、スリーブの遠位端は上記遠位端で人体組織を傷付けないように設計された部品を備える。図17Aはスリーブ1705の遠位端の断面図であり、上記遠位端が人体組織を傷付けないように設計された部品1710の一実施形態を示す。部品1710は円筒形状で、近位端1711および遠位端1719を有し、その中に管腔1716を有する。部品1710は両端部1711、1719で開放されている。部品1710の管腔1716はスリーブ1705の管腔1706と流体連通していて、食物が本装置の金網、スリーブ1705、および部品1710を通過することができる。遠位端1719は人体組織を傷付けない滑らかな形状に丸められている。部品1710の外面は、環状部材すなわちOリング1714を受けるように構成された溝1713を備える。部品1710をスリーブ1705に取り付けるには、スリーブ1705の一部が上記溝1713に配置されるようにスリーブ1705の遠位端を部品1710の近位端1711に同軸的に被せる。次にOリング1714をスリーブ1705に被せ、溝1713に入れ、スリーブ1705を部品1710にしっかり接続する。次にスリーブの遠位端1707を近位方向に折り返してスリーブ1705本体の方向に向ける。一実施形態によれば、部品1710は輪縁1712を備える。この輪縁1712は部品1710の外面から外側に延びた後に近位方向に延びている。この輪縁1712は折り曲げられたスリーブの遠位端1707にある鋭利な端部を全て覆い、さらに人体組織を外傷から守る役目をする。いくつかの実施形態によれば、部品1710は5mm〜500mmの範囲の長さ、3mm〜30mmの範囲の外径、および0.5〜50mmの範囲の内径を有する。
図17Bはスリーブ1705の遠位端の断面図であり、人体組織を傷付けないように設計された部品1720の別の実施形態が描かれている。部品1720は円筒形状で、近位端1721および遠位端1729を有し、その中に管腔1726を有する。部品1720は両端部1721、1729で開放されている。部品1720の管腔1726はスリーブ1705の管腔1706と流体連通していて、食物が本装置の金網、スリーブ1705、および部品1720を通過することができる。遠位端1729は人体組織を傷付けない滑らかな形状に丸められている。部品1720の外面は、環状部材すなわちOリング1724を受けるように構成された溝1723を備える。部品1720をスリーブ1705に取り付けるには、スリーブ1705の一部が上記溝1723に配置されるようにスリーブ1705の遠位端を部品1720の近位端1721に同軸的に被せる。Oリング1724をスリーブ1705に被せ、溝1723に入れる。次にスリーブの遠位端を近位方向に折り返してスリーブ1705本体の方向に向ける。次に熱収縮性チューブ1725を上記スリーブの遠位端および上記Oリング1724に被せる。熱収縮性チューブ1725を加熱して収縮させて、スリーブ1705を部品1720に確実に接続するようにする。スリーブの遠位端の鋭利な端部は全て熱収縮性チューブ1725の下に収容され人体組織に露出しない。
図17Cはスリーブ1705の遠位端の断面図であり、人体組織を傷付けにくいように設計された部品1730の別の実施形態が描かれている。部品1730は円筒形状で、近位端1731および遠位端1739を有し、その中に管腔1736を有する。部品1730は両端部1731、1739で開放されている。部品1730の管腔1736はスリーブ1705の管腔1706と流体連通していて、食物が本装置の金網、スリーブ1705、および部品1730を通過することができる。遠位端1739は人体組織を傷付けない滑らかな形状に丸められている。部品1730の外面は、環状部材すなわちOリング1734を受けるように構成された溝1733を備える。部品1730をスリーブ1705に取り付けるには、スリーブ1705を最初に裏返す。次にスリーブ1705の一部が上記溝1733に配置されるようにスリーブ1705の遠位端を部品1730の遠位端1739に同軸的に被せる。Oリング1734をスリーブ1705に被せ、溝1733に入れる。次にスリーブ1705を近位方向に折り返してOリング1734および部品1730の近位端1731に被せ、スリーブ1705を部品1730にしっかり接続する。スリーブ1705を部品1730に接続するこの工程により、スリーブの遠位端1707は確実にスリーブ管腔1706内に配置される。スリーブの遠位端1707の鋭利な端部は全てスリーブ管腔1706内に収容され人体組織に露出しない。
図18には、本明細書の一実施形態による配置用尾部1810が取り付けられたスリーブ1805の遠位端が説明されている。この配置用尾部1810は5mm〜500mmの長さを有する短いスリーブ1805の遠位端に取り付けられている。配置用尾部1810はリボン材料で構成されており、スリーブ1805の遠位端から患者の十二指腸の中まで延びており、これを用いてスリーブ1805の患者の幽門に対する相対的に適切な向きの埋め込みを維持する。いくつかの実施形態によれば、配置用尾部1810は5mm〜500mmの範囲の長さlを有する。一実施形態によれば、配置用尾部1810は25mmの長さlを有する。一実施形態によれば、配置用尾部1810の遠位端は、この遠位端を重くする玉縁1815を備える。別の実施形態によれば、配置用尾部の遠位端は馬の尻尾に似た複数に分かれた自由端を備える。別の実施形態によれば、配置用尾部の遠位端は、この遠位端を重くするすなわちこの遠位端を牽引するように設計された任意の機構または部品を備え、この尾部を引っ張って確実にスリーブを適切な向きにすることができるようにしている。一実施形態によれば、配置用尾部の遠位端にはどのような追加部品もない。
図19Aには、本明細書の一実施形態による輪1908に接続された複数の縁部1907を備えるスリーブ1905の遠位端が説明されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1905の遠位端は2つ以上の縁部1907を備える。一実施形態によれば、スリーブ1905の遠位端は4つの縁部1907を備える。各縁部1907はスリーブ材料の一部で構成され、隣接する縁部1907から分離されている。縁部1907は空間1906で互いに分離されているため、食物が胃内装置を通過してスリーブ1905から出ることができる。いくつかの実施形態によれば、各縁部1907は5mm〜500mmの範囲の長さ、1mm〜15mmの範囲の幅を有する。実施形態によっては、各縁部1907の幅は縁部1907が遠位に延びるにつれて狭くなる。縁部1907はスリーブ1905の最遠位端で輪1908に接続されている。輪1908は中央に食物の通過のための開口1909を備える。実施形態によっては、輪1908は半剛体である。いくつかの実施形態によれば、輪1908は1mm〜30mmの範囲の外径、1mm〜30mmの範囲の内径を有する。いくつかの実施形態によれば、輪1908は各縁部1907に縫合、糊付け、接着、あるいは他の任意の取り付け方法で接続されている。輪1908は複数の縁部1907を繋ぎ合わせ、スリーブ1905の遠位端を押し下げて本装置を適切に向けるのを助ける役目をする。輪1908の表面は人体組織を傷付けない滑らかな形状に丸められている。実施形態によっては、縁部1907および輪1908は落下傘形状である。
図19Bには、本明細書の一実施形態によるボール1913に接続された複数の縁部1912を備えるスリーブ1910の遠位端が説明されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1910の遠位端は2つ以上の縁部1912を備える。一実施形態によれば、スリーブ1910の遠位端は4つの縁部1912を備える。各縁部1912はスリーブ材料の一部で構成され、隣接する縁部1912から分離されている。縁部1912は空間1911で互いに分離されているため、食物が胃内装置を通過してスリーブ1910から出ることができる。いくつかの実施形態によれば、各縁部1912は5mm〜500mmの範囲の長さ、1mm〜15mmの範囲の幅を有する。一部の実施形態によれば、縁部1912の幅は縁部1912が遠位に延びるにつれて小さくなくなる。縁部1912はスリーブ1910の最遠位端でボール1913に接続されている。いくつかの実施形態によれば、ボール1913は2mm〜30mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態によれば、ボール1913は各縁部1907に糊付けすなわち接着されている。ボール1913は複数の縁部1912を繋ぎ合わせ、スリーブ1910の遠位端を押し下げて本装置を適切に向けるのを助ける役目をする。ボール1913は球体形状であるため鋭利な部分がなく、人体組織を傷付けない。別の実施形態によれば、縁部1912の最遠位端は一つに結び合わされてボール1913を形成しており、追加の球形部品を必要としない。実施形態によっては、縁部1912およびボール1913は落下傘形状である。
一実施形態によれば、図19Cでわかるように、このボール1913は誘導線を通すことができる管腔1933を有する。別の実施形態によれば、ボール1913は、内側押し込みカテーテルすなわち送達装置のプランジャーを受ける溝すなわち凹み1932を有する。一実施形態によれば、ボールの外周は送達装置の外側カテーテルの内部に収まるように設計されている。
図19Dには、本明細書の一実施形態によるスリーブ1915の遠位端から延びてボール1918に接続されている複数の縫い目1917を有するスリーブ1915の遠位端が説明されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ1915は2本以上の縫い目1917を備える。一実施形態によれば、スリーブ1915は6本の縫い目1917を備える。いくつかの実施形態によれば、縫い目1917は5mm〜500mmの範囲の長さを有する。一実施形態によれば、縫い目1917はナイロン製である。各縫い目1917の近位端はスリーブ1915の遠位端に接続されており、各縫い目1917の遠位端はボール1918に接続されている。いくつかの実施形態によれば、ボール1918は各縫い目1917に糊付けされている。いくつかの実施形態によれば、このボールは3mm〜30mmの範囲の直径を有する。ボール1918はスリーブ1915の遠位端を押し下げて、スリーブ1915を適切に埋め込み方向に引っ張るように設計されている。ボール1918は球形であるため鋭利な端部がなく、人体組織を傷付けない。食物はスリーブ1915の遠位端を通過し、縫い目1917の間の空間1916を通過する。一実施形態によれば、ボール1918は中央に誘導線の通過用の開口1919を有する。いくつかの実施形態によれば、ボール1918は、スリーブ1915を押し下げ確実に装置を適切に向けるように設計された輪または類似の部品で置き換えられる。実施形態によっては、縫い目1917およびボール1918は落下傘形状である。
図19Eには、本明細書の一実施形態による少なくとも1本の縫い目1922を有するスリーブ1920の遠位端が説明されており、この縫い目1922はスリーブ1920の遠位端から延び、これに縫い目の輪すなわち玉縁1923が付いている。一実施形態によれば、スリーブ1920は6本の縫い目1922を備える。いくつかの実施形態によれば、縫い目1922は5mm〜500mmの範囲の長さを有する。一実施形態によれば、縫い目1922はUHMWPE製である。各縫い目1922の近位端はスリーブ1920の遠位端に接続され、各縫い目1922の遠位端には縫い目の輪すなわち玉縁1923が取り付けられている。縫い目の輪すなわち玉縁1923はスリーブ1920の遠位端を押し下げて、スリーブ1920を適切に埋め込み方向に引っ張るように設計されている。縫い目の輪すなわち玉縁1923は各々球形であるため鋭利な縁がなく、人体組織を傷付けない。
図20Aには本明細書の一実施形態によるスリーブ2005の遠位端が説明されており、スリーブ壁2006の少なくとも1つの折りたたみ部2007が描かれている。一実施形態によれば、スリーブ2005はその壁2006に3つの折りたたみ部2007を有する。これらの折りたたみ部2007はスリーブ2005の長軸に沿って作られている。いくつかの実施形態によれば、折りたたみ部2007は互いに等距離に配置されている。図20Aを参照すると、スリーブ2005は2回折りたたまれ、各折りたたみ部2007に3層のスリーブ壁2006ができる。スリーブのこの複数の層は各折りたたみ部2007で互いに接着されている。一実施形態によれば、スリーブ層は互いに熱溶着される。スリーブ壁2006を折りたたむことによってひだ効果が生まれ、スリーブ2005に対して構造および安定性を追加する。この追加された構造はスリーブ2005の患者の幽門に対する相対的に適切な向きを維持・促進し、スリーブ2005が患者の胃腸管の動きによる変形を防ぐのを助ける。
図20Bには本明細書の一実施形態によるスリーブ2010の遠位端が説明されており、スリーブ壁2011内の少なくとも1つの管路2012および支持構造体2013が描かれている。一実施形態によれば、スリーブ2010はその壁2011に4つの管路2012を備え、各管路2012は中に支持構造体2013を備える。いくつかの実施形態によれば、支持構造体2013は管または玉縁で構成される。いくつかの実施形態によれば、支持構造体2013は管路2012内にぴったり合うように寸法が決められている。管路2012はスリーブ2010の長軸に沿って延びている。一実施形態によれば、管路2012はスリーブ2010の全長に延びている。別の実施形態によれば、この管路はスリーブ2010の遠位端の一部だけに沿って延びている。いくつかの実施形態によれば、管路2012は互いに等距離に配置されている。管路2012および支持構造体2013を備えることによってスリーブ2010に構造と安定性を与える。この追加の構造は、スリーブ2010の患者の幽門に対する相対的に適切な向きを維持・促進し、スリーブ2010が患者の胃腸管の動きによる変形を防ぐのを助ける。一実施形態によれば、管路2012は中空の管路であり、これを水や空気などの流体で満たして、すなわち膨らませて、スリーブ2010に剛性および/または構造を与えることができる。
図20Cには本明細書の一実施形態によるスリーブ2015の一部が説明されており、波形のスリーブ壁が描かれている。このスリーブ2015はその長さに沿って交互に延在する複数の環状の溝2016および稜2017を有する。一実施形態によれば、スリーブ2015全体に波形が付けられている。別の実施形態によれば、スリーブ2015の遠位端の一部だけに波形が付けられている。いくつかの実施形態によれば、スリーブ2015の波形部分はフッ素化重合体またはポリエチレン(PE)製である。図20Cを参照すると、一実施形態によれば、スリーブ2015の波形部分は円筒形であり、その直径は全長に沿って一定である。別の実施形態によれば、スリーブの波形部分は漏斗形であり、その直径はスリーブが遠位に延びるにつれて小さくなる。いくつかの実施形態によれば、波形が付けられたスリーブ2015の遠位端は柔軟で、丸められ、人体組織を傷付けないように構成されている。この波形構造体は、スリーブ2015の患者の幽門に対する相対的に適切な向きを維持・促進し、スリーブ2015が患者の胃腸管の動きによる変形を防ぐのを助ける。
図20Dには本明細書の一実施形態によるスリーブ2020の一部が説明されており、編まれたスリーブ壁が描かれている。このスリーブ2020はその長さに沿って延在する線材編み模様2021を備える。一実施形態によれば、スリーブ2020全体が編まれている。別の実施形態によれば、スリーブ2020の例えば遠位端など特定の部分だけが編まれている。図20Dを参照すると、一実施形態によれば、スリーブ2020の編まれた部分は円筒形であり、その直径は全長に沿って一定である。いくつかの実施形態によれば、スリーブ2020は1cm〜10cmの範囲の直径を有する。一実施形態によれば、スリーブの直径は25mm、長さは500mmである。別の実施形態によれば、スリーブの編まれた部分は漏斗形であり、その直径はスリーブが遠位に延びるにつれて小さくなる。いくつかの実施形態によれば、編まれたスリーブ2020の遠位端は柔軟で、丸められており、かつ人体組織を傷付けないように構成されている。この編み構造体はスリーブ2020の患者の幽門に対する相対的に適切な向きを維持・促進し、スリーブ2020が患者の胃腸管の動きによる変形を防ぐのを助ける。編み構造体はスリーブ2020に構造的な完全性を与え、スリーブ2020の折れ曲がり、ねじれ、または詰まりを防止する。いくつかの実施形態によれば、スリーブ2020は、胃腸管の蠕動による変形を防止するのに十分に高いがスリーブ2020を圧縮して食物をスリーブ2020の中で伝播することができるように十分に低い半径方向の力を有する。さらに、この半径方向の力は、スリーブが過剰に硬くなく胃腸管に擦り傷など外傷を与えないように十分に低い。一実施形態によれば、スリーブ2020の編み構造体はステントと類似の機能をし、スリーブ2020を患者の小腸内で適切な位置に保つ。
図20Eには本明細書の一実施形態によるスリーブ2025の一部が説明されており、編まれたスリーブ壁およびほぐれた端部2028を有するスリーブの遠位端が描かれている。スリーブ2025はその長さに沿って延在する線材編み模様2026を備える。スリーブ2025の遠位端のほぐれた端部2028は人体組織を傷付けにくい。
図20Fには、本明細書のいくつかの実施形態による例示的なスリーブの編み模様2031、2032、2033、2034、2035、2036、2037が説明されている。
図21Aには、本明細書の一実施形態による患者の胃腸管内で展開された楕円形の金網構造体2131を有する胃内装置2130が説明されている。図示の実施形態によれば、装置2130は、移動防止環2134を有しスリーブ2132が取り付けられた金網構造体2131を備える。本装置2130は金網構造体2131が胃2160の中にあるように展開され、そのとき移動防止環2134は幽門2161に対してすぐ近位に配置されかつスリーブ2132が幽門2161を通って十二指腸2170内に延びている状態である。スリーブ2132の遠位端は十二指腸2170の中にある。移動防止環は本装置2130全体が幽門2161を通過して十二指腸2170に入らないようにしている。本装置2130は胃2160のある容積を占有し、幽門2161を完全には通過せず、かつ食物が幽門2161および十二指腸2170の一部を通過するための迂回路を提供する。いくつかの実施形態によれば、スリーブ2132は5cm〜120cmの範囲の長さを有する短いスリーブである。一実施形態によれば、スリーブ2132は60cmの全長を有する短いスリーブである。一部の実施形態によれば、この短いスリーブ2132は金網構造体2131を押し下げ、この金網構造体2131を正しく幽門2161に向ける機能を果たす。さらに、一実施形態によれば、短いスリーブ2132を有する本装置2130は、展開後に患者の胃2160内を自由に動くことができる。短いスリーブ2132は幽門2161の中を傷付けることなく行き来することができる。本装置2130が動いて短いスリーブ2132が幽門2161および十二指腸2170内に配置されず本装置2130の残りの部分とともに胃2160にあるような状況の間も、短いスリーブは食物の幽門2161への流れを妨げ、規制するように機能する。これは食物が金網構造体2131の近位端から本装置2130に入り、金網構造体2131およびスリーブ2132の中を移動するときに生じ、食物の前進は漏斗形のスリーブ2132を通過するときに遅れる。正しく機能している間、本装置は決して胃腸管の壁に固定的にすなわち永久的に繋がれていない。展開の後、本装置が機能している殆どの時間、本装置の少なくとも一部あるいは全体は胃または小腸に対して相対的に自由に動くことができる。本装置に管腔がある結果、正常に機能している間はどのような臨床的に重要な時間も、本装置は決して胃の内容物が小腸に通過するのを完全にすなわち永久的に遮断することはない。いくつかの実施形態によれば、本装置はスリーブの形状を基に胃排出を増やすことも、減らすことも、あるいは影響を与えないこともできる。
図21Bには、本明細書の別の実施形態による患者の胃腸管内で展開された楕円形状の金網構造体2141を有する胃内装置2140が説明されている。金網構造体2141は患者の胃2160内に配置され、スリーブ2142が取り付けられた移動防止環2144を備える。スリーブ2142は胃内の幽門2161に対して直ぐ近位にある近位漏斗形部分2142pを備える。スリーブ2142は幽門2161および十二指腸2170を通過して空腸2172内で終わる遠位円筒形部分2142dも備え、胃内装置2140を通過した胃の内容物は、幽門2161および十二指腸2170を効果的に迂回して出てゆく。別の実施形態によれば、スリーブの長さはもっと短く十二指腸内で終わり、胃の内容物が胃内装置を通過し幽門および十二指腸の近位部分だけを迂回するようになっている。正しく機能している間、本装置は決して胃腸管の壁に固定的すなわち永久的に繋がれるときはない。展開の後、本装置が機能している殆どの時間、本装置の少なくとも一部あるいは全体は胃または小腸に対して相対的に自由に動くことができる。本装置に管腔がある結果、正常に機能している間はどのような臨床的に重要な時間も、本装置は決して胃の内容物が小腸に通過するのを完全にすなわち永久的に遮断することはない。いくつかの実施形態によれば、本装置はスリーブの形状を基に胃排出を増やすことも、減らすことも、あるいは影響を与えないこともできる。
図22には、本明細書の一実施形態による展開後の形状における第1の胃内装置2200の拡張された金網構造体2201、および埋め込みカテーテル2250の遠位端に連結された第2の胃内装置2220の収縮された金網構造体2221が説明されている。第2の胃内装置2220は金網構造体2221の遠位端に連結されたスリーブ2222も備える。第2の胃内装置2220の金網構造体2221およびスリーブ2222は圧縮されており、埋め込みカテーテル2250の遠位端に同軸的に被せられている。図示の実施形態によれば、金網構造体2221およびスリーブ2222は、金網構造体2221およびスリーブの両方に巻き付けられた縫い目すなわち糸2225によって圧縮形状に維持されている。本装置2220が患者の胃および十二指腸内に配置されると、縫い目すなわち糸2225はほどかれ、金網構造体2221およびスリーブ2222はその展開形状に拡張する。本装置2220は拡張するときにカテーテル2250から開放される。その後カテーテル2250は患者から取り除かれる。別の実施形態によれば、圧縮された金網構造体およびスリーブは埋め込みカテーテルの所定位置に外挿同軸鞘で保持されている。展開時はこの鞘を外し、引き離し、あるいは垂直方向に引き裂いて本装置を放出する。
図23には本明細書の一実施形態による胃内装置2300が説明されており、金網構造体2301が送達カテーテル2350に一部拘束された状態が説明されている。本装置2300も結合されたスリーブ2302と移動防止部材2304を備える。図示の実施形態では、金網構造体2301の近位端はまだ縫い目すなわち糸2340で拘束されている。スリーブ2302、移動防止部材2304、および金網構造体2301の一部は、拘束している縫い目すなわち糸が既にこれらの部品から取り除かれているため広がり始めている。
図24Aには、本明細書の一実施形態による胃内装置2400用の第1の例示的な送達装置2450が説明されている。圧縮された金網構造体2401およびスリーブ2402を備える胃内装置400が送達装置すなわちカテーテル2450の遠位端の周りに同軸的に配置されている。胃内装置2400の周りに縫い目すなわち糸2440が巻かれており、胃内装置2400は圧縮形状に維持されている。カテーテル2450はさらに糸口2458を備え、胃内装置2400の圧縮に使用されている縫い目すなわち糸2440がここからカテーテル2450の近位端に出ている。医師が縫い目すなわち糸2440の自由端2459を引いて胃内装置2400を開放する。一実施形態によれば、このカテーテル2450は本装置2450を所定位置に固定するための固定機構2455も備える。
図24Bは本明細書の一実施形態による胃内装置を図24Aの送達装置を用いて送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2410で、圧縮された本胃内装置を送達装置すなわちカテーテルの遠位端に同軸的に被せる。次に工程2412で、このカテーテルを患者に内視鏡的に挿入し、その遠位端を十二指腸まで進める。次に工程2414で、胃内装置の金網構造体が胃の幽門に対して直ぐ近位にありかつ本装置のスリーブが幽門を通過して十二指腸内に入るようにカテーテルの遠位端を配置する。工程2416で、医師が糸の自由端を引っ張って胃内装置の周囲の締め付け糸を取り除き、胃内装置を自動的に拡張させる。最後に工程2418で、カテーテルを胃内装置から同軸的に外し、患者から取り除く。
図25Aには本明細書の一実施形態による胃内装置2500用の第2の例示的な送達装置2550が説明されている。圧縮された金網構造体2501およびスリーブ2502を備える胃内装置2500が、送達装置すなわちカテーテル2550の遠位端の周囲に同軸的に配置されている。ファスナー式の拘束鞘2541が胃内装置2500に同軸的に配置されており、胃内装置2500を圧縮形状に維持している。
図25Bは本明細書の一実施形態による図25Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2510で、圧縮された本胃内装置を送達装置すなわちカテーテルの遠位端に同軸的に被せる。次に工程2512で、このカテーテルを患者に内視鏡的に挿入し、その遠位端を十二指腸まで進める。次に工程2514で、胃内装置の金網構造体が胃の幽門に対して直ぐ近位にありかつ本胃内装置のスリーブが幽門を通過して十二指腸内に入るようにカテーテルの遠位端を配置する。工程2516で、作業具を用いて胃内装置の周囲の拘束鞘を外し、胃内装置が自動的に拡張できるようにする。最後に工程2518で、カテーテルを胃内装置から抜き取り、患者から取り除く。
あるいはこの鞘2541は、胃内装置から抜き取られて胃内装置を所望の位置に放出する標準的な筒状鞘である。図25Cは本明細書の一実施形態による抜き取り鞘を備える送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2550で、圧縮された胃内装置を送達装置すなわちカテーテルの遠位端に同軸的に被せる。次に工程2552で、このカテーテルを患者に内視鏡的に挿入し、その遠位端を十二指腸まで進める。次に工程2554で、胃内装置の金網構造体が胃の幽門に対して直ぐ近位にありかつ胃内装置のスリーブが幽門を通過して十二指腸内にあるようにカテーテルの遠位端を配置する。工程2556で、作業具を用いて胃内装置の周囲の圧縮鞘を抜き取り、胃内装置が自動的に拡張できるようにする。最後に工程2558で、カテーテルを胃内装置から抜き取り、患者から取り除く。
図26Aには本明細書の一実施形態による胃内装置2600用の第3の例示的な送達装置2650が説明されている。圧縮された金網構造体2601およびスリーブ2602を備える胃内装置2600が送達装置すなわちカテーテル2650の遠位端の周囲に同軸的に配置されている。引き裂き拘束鞘2642が胃内装置2600に同軸的に配置されており、胃内装置2600を圧縮形状に維持している。
図26Bは本明細書の一実施形態による図26Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2610で、圧縮された胃内装置を送達装置すなわちカテーテルの遠位端に同軸的に被せる。次に工程2612で、このカテーテルを患者に内視鏡的に挿入し、その遠位端を十二指腸まで進める。次に工程2614で、胃内装置の金網構造体が胃の幽門に対して直ぐ近位にありかつ胃内装置のスリーブが幽門を通過して十二指腸内にあるようにカテーテルの遠位端を配置する。工程2616で、作業具を用いて胃内装置の周囲の拘束鞘を引き裂き、胃内装置が自動的に拡張できるようにする。最後に工程2618で、カテーテルを胃内装置から同軸的に抜き取り、患者から取り除く。
図26Cは本明細書の別の実施形態による図26Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2620で、圧縮された胃内装置を送達装置すなわちカテーテルの遠位端に同軸的に被せる。次に工程2622で、このカテーテルを患者に内視鏡的に挿入し、その遠位端を胃まで進める。次に工程2624で、胃内装置の金網構造体およびスリーブがともに幽門に対して近位に配置されるようにカテーテルの遠位端を配置する。工程2626で、作業具を用いて胃内装置の周囲の拘束鞘を引き裂き、胃内装置が自動的に拡張できるようにする。工程2628で、カテーテルを胃内装置から同軸的に抜き取り、患者から取り除く。最後に工程2630で、胃の蠕動で胃内装置のスリーブを押して幽門から十二指腸に入れる。
図26Dは、金網構造体およびスリーブを別々に送達し胃内装置を患者の胃腸管内で組み立てることを含む工程を説明している流れ図である。工程2660で、金網構造体を第1のカテーテルによって患者の胃の中に送達する。次に工程2662で、スリーブを第2のカテーテルによって金網構造体の中に送達する。次に工程2664で、スリーブの遠位端を金網構造体の遠位開口内で拡張させる。最後に工程2666で、スリーブの近位端を金網構造体の遠位端に接続する。
図27Aおよび27Bには本明細書の一実施形態による胃内装置用の第4の例示的な送達装置2700が説明されている。この送達装置2700は長尺の可撓性装置本体すなわち外側カテーテル2704を備え、この外側カテーテルは近位端および遠位端を有し、その中に管腔を有する。遠位端は開口2703を備え、近位端は第1のハンドル2705に接続されている。第1のハンドル2705は、送達装置2700を患者の胃腸管内に配置するために用いられる。可撓性プランジャー部品2716がこの装置本体2704の管腔内に同軸的に、長手方向に可動式に配置されている。プランジャー部品2716は近位端および遠位端を有し、その中に管腔も有する。プランジャー2716の遠位端2714は、複数の羽根2715を備える網保持部品2719を含む。羽根2715は胃内装置の金網構造体2701を確実に保持し、プランジャー2716が装置本体2704内で前後に動くと金網構造体2701を押し引きする役目をする。プランジャー2716を装置本体2704の管腔内で長手方向に動かすために、第2のハンドル2706がプランジャー2716の近位端に配置されている。必要なら、一実施形態によれば、プランジャー2716は遠位方向に動き過ぎないための止め機構2718を備える。可撓性長尺棒すなわち内側カテーテル2717がプランジャー2716の管腔内に同軸的に、長手方向に可動式に配置されている。棒2717は近位端および遠位端を備える。棒2717の遠位端の近くに配置されているのは第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708であり、棒2717の遠位端に配置されているのは第2の球形部品すなわちオリーブ型球2709である。第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708の直径は、第2の球形部品すなわちオリーブ型球2709の直径に類似かそれよりも大きい。棒2717の近位端に取り付けられているのは、棒2717をプランジャー2716の管腔内で長手方向に動かすために用いる第3のハンドル2707である。金網構造体2701およびスリーブ2702を備える胃内装置が展開の前に送達装置2700内に配置されている。金網構造体2701はサイドループと一緒に棒2717の周囲かつプランジャー2716の先端2714に対して遠位に配置されていて、金網構造体2701の一部が先端2714の羽根2715に引っ掛けられた状態になっている。一部の実施形態によれば、棒2717は金網構造体2701の少なくとも2つの開口を貫通しており、これらの開口は金網構造体2701の長手方向中心軸沿いにはない。一実施形態によれば、金網構造体2701は、送達装置2700内に配置するため、約20cmの圧縮長さを有するように圧縮されている。金網構造体2701に取り付けられているスリーブ2702は、金網構造体2701に対して遠位かつ第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708に対して近位に配置されている。スリーブ2702は2〜10回折りたたまれた後、棒2717の周囲に巻き付けられる。一実施形態によれば、スリーブ2702は80cmの長さを有し、3回折りたたまれ、最終的に約30cmの圧縮長さになる。スリーブ2702は同軸方向に棒2717を越えていない。縫い目の輪2713の第1および第2の端は、それぞれスリーブ2702に取り付けられ、第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708に対して遠位の位置の棒2717表面に巻かれている。棒の周囲の縫い目の輪2713の直径は第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708の直径より小さいが、第2の球形部品すなわちオリーブ型球2709の直径より大きい。棒2717を装置本体2704から押し出すと、第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708が縫い目の輪2713を押し、取り付けられたスリーブ2702が装置本体2704から引き出される。送達装置2700を棒2717と共に患者の胃腸管から取り除くと、縫い目の輪2713は第2の球形部品すなわちオリーブ型球2709の小さい直径表面を滑り、胃内装置を患者の体内に残すことができる。一実施形態によれば、縫い目の輪2713は生分解性であり、時間経過とともに分解する。別の実施形態によれば、縫い目の輪2713は非生分解性である。別の実施形態によれば、縫い目の輪2713は生分解性のフック、輪、円錐、または傘である。
必要なら、一実施形態によれば、送達装置2700は装置本体2704の遠位端に風船2710をさらに備える。管路2711が装置本体2704の長さに沿って延びており、この管路2711は装置本体2704の近位端に入力口2712を備える。この入力口2712と管路2711を使って風船2710を膨らませて、送達装置を患者の胃腸管内に固定する。固定することによって送達装置に大きな牽引力を与えて本胃内装置の送達中の押し引きを可能にする。
一部の実施形態によれば、送達装置2700は洗浄すなわち潅流機構をさらに備えて送達中の展開力を低減する。
いくつかの実施形態によれば、送達装置すなわちカテーテルはその長さに沿って変化する剛性を有する。送達装置はその遠位端ほど可撓性があり、その長さに沿って近位端ほど可撓性がない。一部の実施形態によれば、送達装置は可撓性の3つの領域すなわち、近位域、中央域、および遠位域を有する。一実施形態によれば、近位域は100cmの長さおよび55Dの可撓性を有し、中央域は20cmの長さおよび40Dの可撓性を有し、および遠位域は30cmの長さおよび35Dの可撓性を有する。必要なら、一実施形態によれば、遠位域はさらに2つの領域に分割され、より手元に遠い領域およびより手元に近い領域を備える。両領域とも長さは15cmで、手元に近い領域は35Dの可撓性を有し、手元に遠い領域は25Dの可撓性を有する。一実施形態によれば、近位域は織られ、中央域および遠位域は螺旋状に巻かれている。
この送達装置は人体組織を傷付けない遠位端を備え、ハンドルが3つある方式によって装置全長を短くできる。いくつかの実施形態によれば、図27Bを参照すると、送達装置は次の寸法、すなわち275cm〜320cmの範囲の全長、100cm〜150cmの範囲の本装置本体すなわち外側カテーテル2704の長さ、120cm〜150cmの範囲の上記プランジャー2716の長さ、275cm〜320cmの範囲の上記棒すなわち内側カテーテル2717の長さ、10cmに等しい各ハンドル2705、2706、2707の長さ、15cm〜30cmの範囲の上記第2の球形部品すなわちオリーブ型球2709と上記第1の球形部品すなわちオリーブ型球2708間の距離、60cmに等しい送達前の初期形状の上記第1のハンドル2705と上記第2のハンドル2706間の距離、および50cmに等しい送達前の初期形状の上記第2のハンドル2706と上記第3のハンドル2707間の距離を有する。一部の実施形態によれば、本装置本体すなわち外側カテーテル2704の外径は10mm以下である。一実施形態によれば、本送達装置は0.035インチの誘導線に装着可能である。いくつかの実施形態によれば、プランジャー2716および棒2717は人体組織を傷付けずに腸内に誘導することができるように十分に可撓性がある。一部の実施形態によれば、堅い外側カテーテルは80度まで曲げることができ、30mm〜50mmの半径を有する湾曲部を案内することができる。一実施形態によれば、この堅い外側カテーテルを約50mmの半径の螺旋にすると、スリーブおよび網はよじれ、すなわち所定位置にきつく締まって展開しない。したがって、一部の実施形態によれば、図27Cに描かれているように、本装置本体すなわち外側カテーテル2704は編まれた可撓性カテーテルを備える。この編まれた可撓性カテーテルは上記の限度を超えて曲げることおよび螺旋にすることが可能で、スリーブおよび金網の展開の失敗がない。
図27Cには本明細書の一実施形態による送達装置2700の遠位端が説明されており、案内オリーブ型球すなわち誘導用の第1の球形部品2709が描かれている。この案内オリーブ型球2709は、棒すなわち送達装置2700の内側カテーテル2717の遠位端に取り付けられた外面が滑らかな小球で構成されている。案内オリーブ型球2709は送達中に本装置2700を案内し、本装置2700のねじれを防ぎ、周囲の人体組織を傷付けないようにする。図27Cを参照すると、外側カテーテル2704から延びる内側カテーテル2717のこの部分は案内部材を備える。案内部材は外側カテーテル2704の遠位部分より可撓性がある。一部の実施形態によれば、この案内部材の剛性は変化し、近位端では外側カテーテル2704の遠位端の剛性に近く、遠位端では0.035インチの誘導線の剛性に近い。
図27Dには本明細書の一実施形態による送達装置2700の一部が説明されており、網保持部品2719が描かれている。網保持部品2719は複数の羽根2715を備える。羽根2715は胃内装置の金網構造体を確実に保持し、プランジャー2716が装置本体2704内を前後に動くと金網構造体を押し引きする役目をする。
一実施形態によれば、スリーブは送達中に一部しか展開されない。金網構造体は本装置を位置決めしておくための固定具として機能する。患者が食事をすると、胃腸管の動きによってスリーブは広がり完全に展開する。
図27Eは本明細書の一実施形態による図27Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明する流れ図である。工程2720で、この送達装置を誘導線に沿って患者の胃腸管内の所定位置に入れる。工程2721で、医師が第1のハンドルを用いて送達装置本体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する。必要なら工程2722で、医師は本装置の遠位端の風船を膨らませて送達装置を患者の胃腸管内に固定する。次に工程2723で、医師は第2のハンドルを押してスリーブが装置本体から押し出されるまでプランジャー部品を押す。必要なら、医師が第2のハンドルを押すのをいつ止めるべきかがわかるように、プランジャーは止め機構を備える。この時点でスリーブは約20cm前進し第1の球形部品を通過しており、第2の球形部品に対して直ぐ近位にある。金網構造体は第1の球形部品および本装置の遠位端の開口に対して直ぐ近位にある。次に工程2724で、医師は第3のハンドルを押して、スリーブが完全に展開し完全に拡張するすなわち圧縮が開放されるまで棒をプランジャーの管腔内に約60cm押し込む。工程2725で、医師は本装置を約5〜10cm引き戻すことによってスリーブの漏斗形部分の遠位端が胃内にあるように本装置を再度配置する。その後工程2726で、医師は第2のハンドルを動かさないように保持したまま第1のハンドルを引いてスリーブの漏斗形部分および金網構造体を胃の中で展開する。この操作によってプランジャーを所定位置に保持したまま装置本体は引き戻され、そうして金網構造体を放出する。次に工程2727で、送達装置を患者から取り除き、展開した胃内装置を患者の胃腸管内に残す。
図28Aには本明細書の一実施形態による胃内装置用の第5の例示的な送達装置2830が説明されている。送達装置2830は長尺の可撓性装置本体すなわち外側カテーテル2834を備え、近位端および遠位端を有し、その中に管腔を有する。遠位端は開口2833を備え、近位端は作動機構2835に取り付けられている。作動機構2835は作動ハンドル2849および作動引き金2848を備え、送達装置の複数の部品を互いに相対的に動かすために使用される。また作動機構は送達装置2830を患者の胃腸管内に配置するのにも使用される。可撓性プランジャー部品2846が装置本体2834の管腔内に同軸的に長手方向に可動式に配置されている。プランジャー2846は近位端および遠位端を備え、その中に管腔も備える。プランジャー2846の遠位端2844は、複数の羽根2845を備える網保持部品2819を備える。羽根2845は胃内装置の金網構造体2831を確実に保持し、プランジャー2846が装置本体2834内を前後に動かされると金網構造体2831を押し引きする。プランジャー2846の近位端は作動機構内に配置されており、作動引き金2848を引くとプランジャー2846が装置本体2834の管腔内を長手方向に前後に動く。可撓性長尺棒すなわち内側カテーテル2847がプランジャー2846の管腔内に配置されている。棒2847は近位端および遠位端を備える。棒2847の遠位端の近くに配置されているのは第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838であり、棒2847の遠位端に配置されているのは第2の球形部品すなわちオリーブ型球2839である。オリーブ型球2838、2839は球形の付属品で構成され、これが胃内装置の送達の案内を容易にする。第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838は、第2の球形部品すなわちオリーブ型球2839よりも大きい直径を有する。棒2847の近位端に取り付けられているのは棒ハンドル2837であり、これを用いて棒2847をプランジャー2846の管腔内で長手方向に動かす。金網構造体2831およびスリーブ2832を備える胃内装置が送達前に送達装置2830内に配置されている。いくつかの実施形態によれば、スリーブは軸方向に圧縮されている。別の実施形態によれば、スリーブは同軸的に圧縮されていない。金網構造体2831は、棒2847の周囲かつプランジャー2846の先端2844に対して遠位にサイドループと一緒に配置されており、金網構造体2831の一部が先端2844の羽根2845に引っ掛けられた状態になっている。金網構造体2831に取り付けられているスリーブ2832は、金網構造体2831に対して遠位かつ第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838に対して近位に配置されている。スリーブ2832は2〜10回折りたたまれた後、棒2847に巻かれている。スリーブ2832は同軸方向に棒2847を越えていない。スリーブ2832に取り付けられ第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838に対して遠位の位置で棒2847に巻かれているのは縫い目の輪2843である。棒2847の周りの縫い目の輪2843の直径は第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838の直径より小さいが、第2の球形部品すなわちオリーブ型球2839の直径より大きい。棒2847を装置本体2834から押し出すと、第1の球形部品すなわちオリーブ型球2838が縫い目の輪2843を押し、それによって取り付けられたスリーブ2832が装置本体2834から引き出される。送達装置2830を棒2847と共に患者の胃腸管から取り除くと、縫い目の輪2843は小さい直径の第2の球形部品すなわちオリーブ型球2839表面を滑り、胃内装置を患者内に残すことができる。一実施形態によれば、縫い目の輪2843は生分解性であり、時間経過とともに溶解する。別の実施形態によれば、縫い目の輪2843は生分解性のフック、輪、円錐、または傘である。
必要なら、一実施形態によれば、送達装置2830は装置本体2834の遠位端に風船2840をさらに備える。管路2841が装置本体2834の長さに沿って延びており、装置本体2834の近位端に入力口2842を備える。風船2840を入力口2842および管路2841を用いて膨らませて送達装置を患者の胃腸管内に固定する。固定することによって送達装置に大きな牽引力を与え、送達中の胃内装置の押し引きが可能になる。
図28Bは本明細書の一実施形態による図28Aの送達装置を用いる胃内装置の送達に含む工程を説明している流れ図である。工程2850で、送達装置を誘導線に沿って患者の胃腸管内の所定位置に入れる。工程2851で、医師が作動機構を用いて送達装置の遠位端を患者の十二指腸内に配置する。必要なら工程2852で、医師は装置本体の遠位端の風船を膨らませて送達装置を患者の胃腸管内に固定する。次に工程2853で、医師は作動引き金を最初に固定されるまで引き、スリーブが装置本体から押し出されるまで棒ハンドルを押す。必要なら、医師が第2のハンドルを押すのをいつ止めるべきかがわかるように、プランジャーは止め機構を備える。この時点で、スリーブは約20cm前進し第1の球形部品を通過しており、第2の球形部品に対して直ぐ近位に配置されている。金網構造体は第1の球形部品および装置本体の遠位端の開口に対して直ぐ近位に配置されている。必要なら工程2854で、医師は引き金を引いてスリーブが完全に展開し広がるすなわち圧縮から開放されるまでプランジャーを約60cm前進させる。工程2855で、医師はスリーブの漏斗形部分の遠位端が胃内にあるように装置を約5〜10cm引き戻すことによって装置を再度配置する。次に工程2856で、医師は再度作動引き金を再度固定されるまで引く。これによってプランジャーは所定位置に保たれたまま装置本体は引き戻され、スリーブの漏斗形部分および金網構造体が開放される。次に工程2857で、送達装置を患者から取り除き、展開した胃内装置を患者の胃腸管内に残す。
図29Aには本明細書の一実施形態による胃内装置用のさらに別の例示的な送達装置2900が説明されている。図29Aの送達装置2900は、2つのハンドル2905、2906、装置本体すなわち外側カテーテル2904、および棒すなわち内側カテーテル2917だけを備える点が図27Aに描いた送達装置2700と異なる。図29Aの送達装置2900は、独自にハンドルを有する別のプランジャーを備えていない。代わりに、プランジャー2916は第2のハンドル2906と一体化されており、内側カテーテル2917の近位部分に同軸的に包まれている。送達装置2900は長尺の可撓性装置本体すなわち外側カテーテル2904を備え、近位端および遠位端を有し、その中に管腔を有する。遠位端は開口2903を備え、近位端は第1のハンドル2905に取り付けられている。第1のハンドル2905は送達装置2900を患者の胃腸管内に配置するのに使用される。一実施形態によれば、第1のハンドル2905はY型コネクターを備える。可撓性長尺棒すなわち内側カテーテル2917が外側カテーテル2904の管腔内に同軸的に、長手方向に可動式に配置されている。棒2917は第2のハンドル2906に取り付けられた近位端、および遠位端を備える。可撓性プランジャー部品2916が内側カテーテル2917の近位部分に同軸的に被せられ長手方向に動く。プランジャー2916は同じく第2のハンドル2906に取り付けられた近位端、および遠位端を備える。プランジャー2916の遠位端は複数の羽根2915を備える網保持部品2919を備える。羽根2915は胃内装置の金網構造体2901を確実に保持し、プランジャー2916および内側カテーテル2917が外側カテーテル2904内を前後に動くと金網構造体2901を押し引きする役目する。第2のハンドル2906は、プランジャー2916および内側カテーテル2917を外側カテーテル2904の管腔内で長手方向に動かすために、プランジャー2916および内側カテーテル2917の近位端に配置されている。必要なら、一実施形態によれば、プランジャーは、プランジャーおよび内側カテーテルが遠位方向に移動し過ぎないようにする止め機能を備える。内側カテーテル2917の遠位端の近位に配置されているのは第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908であり、内側カテーテル2917の遠位端に配置されているのは第2の球形部品すなわちオリーブ型球2909である。第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908は第2の球形部品すなわちオリーブ型球2909の直径より大きい直径を有する。金網構造体2901およびスリーブ2902を備える胃内装置が展開前に送達装置2900内に配置される。金網構造体2901は棒2917の周りかつプランジャー2916の先端の遠位にサイドループと共に配置されており、金網構造体2901の一部が保持部品2919の羽根2915に引っ掛かった状態になっている。一部の実施形態によれば、棒2917は金網構造体2901の少なくとも2つの開口を通過しており、これらの開口は金網構造体2901の長手方向の中心軸に沿っていない。一実施形態によれば、金網構造体2901は、送達装置2900内に配置するために約30cmの圧縮長さを有するように圧縮されている。金網構造体2901に取り付けられているスリーブ2902は、金網構造体2901に対して遠位かつ第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908に対して近位に配置されている。スリーブ2902は2〜10回折り畳まれた後に内側カテーテル2917の周囲に巻かれる。一実施形態によれば、スリーブ2902は80cmの長さを有し、3回折り畳まれ、約30cmの圧縮長さにされている。スリーブ2902は同軸方向に内側カテーテル2917を越えていない。縫い目の輪2913の第1および第2の端は、それぞれスリーブ2902に取り付けられ、第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908に対して遠位の位置の内側カテーテル2917表面に巻かれている。棒の周りの縫い目の輪2913の直径は第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908の直径より小さいが、第2の球形部品すなわちオリーブ型球2909の直径より大きい。内側カテーテル2917が外側カテーテル2904から押し出されると、第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908が縫い目の輪2913を押し、それによって取り付けられたスリーブ2902が外側カテーテル2904から引き出される。送達装置2900が内側カテーテル2917とともに患者の胃腸管から取り除かれると、縫い目の輪2913は小さな直径の第2の球形部品すなわちオリーブ型球2909表面を滑り、胃内装置を患者内に残すことができる。一実施形態によれば、縫い目の輪2913は生分解性であり、時間経過とともに溶解する。別の実施形態によれば、縫い目の輪2913は生分解性のフック、輪、円錐、または傘である。
必要なら、一実施形態によれば、送達装置2900はさらに装置本体の遠位端に風船を備える。管路が装置本体の長さに沿って延びており、装置本体の近位端に入力口を備える。この風船をこの入力口および管路を用いて膨らませて送達装置を患者の胃腸管内に固定する。固定することによって送達装置に大きな牽引力を与え、送達中の胃内装置の押し引きが可能になる。
一部の実施形態によれば、送達装置2900は洗浄すなわち灌流機構をさらに備えて送達中の展開力を低減する。
いくつかの実施形態によれば、送達装置すなわちカテーテルはその長さに沿って変化する剛性を有する。送達装置はその遠位端でより可撓性があり、その長さに沿って近位端に向かうと可撓性がない。一部の実施形態によれば、送達装置は可撓性の3つの領域すなわち、近位域、中央域、および遠位域を有する。一実施形態によれば、近位域は100cmの長さおよび55Dの可撓性を有し、中央域は20cmの長さおよび40Dの可撓性を有し、および遠位域は30cmの長さおよび35Dの可撓性を有する。必要なら、一実施形態によれば、遠位域は2つの領域に分割され、より手元に遠い領域およびより手元に近い領域を備える。両領域とも長さは15cmで、手元に遠い領域は35Dの可撓性を有し、手元に遠い領域は25Dの可撓性を有する。一実施形態によれば、近位域は織られ、中央域および遠位域は螺旋状に巻かれている。
この送達装置は人体組織を傷付けない遠位端を備え、本送達装置のハンドルが3つある方式によって短い装置全長を可能にしている。いくつかの実施形態によれば、送達装置は次の寸法、すなわち265cm〜310cmの範囲の全長、100cm〜150cmの範囲の装置すなわち外側カテーテル2904の長さ、120cm〜150cmの範囲のプランジャー2916の長さ、265cm〜310cmの範囲の上記棒すなわち内側カテーテル2917の長さ、10cmに等しい各ハンドル2905、2906、2907の長さ、15cm〜30cmの範囲の上記第2の球形部品すなわちオリーブ型球2909と上記第1の球形部品すなわちオリーブ型球2908間の距離、110cmに等しい送達前の初期形状の上記第1のハンドル2905と上記第2のハンドル2906間の距離を有する。一部の実施形態によれば、装置本体すなわち外側カテーテル2904の外径は10mm以下である。一部の実施形態によれば、送達装置は0.035インチの誘導線に装着可能である。いくつかの実施形態によれば、プランジャー2916および内側カテーテル2917は人体組織を傷付けずに腸内に誘導することができるように十分に可撓性がある。一部の実施形態によれば、堅い外側カテーテルは80度まで曲げることができ、30mm〜50mmの半径の湾曲部を案内することができる。一実施形態によれば、堅い外側カテーテルを約50mmの半径で巻くと、スリーブおよび網はよじれ、すなわち所定位置にきつく締まって展開しない。したがって、一部の実施形態によれば、外側カテーテル2904は編まれた可撓性カテーテルを備える。この編まれた可撓性カテーテルは上記の限度を超えて曲げることおよび螺旋状にすることができ、スリーブおよび金網の展開の失敗がない。
一実施形態によれば、スリーブは送達中に一部しか展開されない。金網構造体は本装置を配置し続ける固定具として機能する。患者が食事をすると、スリーブは胃腸管の動きによって広がり完全に展開する。
一部の実施形態によれば、外側カテーテルはその長さに沿って変わる剛性を有し、外側カテーテル内に同軸的に配置されている内側カテーテルは、人体組織を傷付けない遠位端および案内装置を収容する管腔を備える。送達の前に、胃内装置が内側カテーテルと外側カテーテル間の空間に配置される。内側カテーテルはその遠位端に、少なくとも5cmの長さを有し外側カテーテルの遠位端を越えて延びている可撓性延長部をさらに備える。一部の実施形態によれば、案内装置は誘導線である。別の実施形態によれば、案内装置は経内視鏡送達用の内視鏡である。一部の実施形態によれば、内側カテーテルの人体組織を傷付けない遠位端は球形の先端である。一部の実施形態によれば、内側カテーテルはその長さに沿って変化する剛性を有する。一部の実施形態によれば、上記可撓性延長部は近位端および遠位端を備え、その長さに沿って変化する剛性を有し、この剛性は上記遠位端の誘導線の剛性から上記近位端の上記内側カテーテルの剛性まで変化する。別の実施形態によれば、可撓性延長部の剛性はその長さに沿って一定である。
図29Bは本明細書の一実施形態による送達装置2930内の胃内装置のスリーブ2935の展開前の同軸配置を説明する断面図である。送達装置2930は、外側カテーテル2937の管腔2936内に同軸的に配置された内側カテーテル2933を備える。内側カテーテル2933は、送達の案内を補助する誘導線を挿入する誘導線口2932を備える。いくつかの実施形態によれば、誘導線は0.035〜0.038インチの範囲の直径を有する超剛性誘導線である。図29Bに描かれた配置によれば、スリーブ2935は、内側カテーテル2933がスリーブ2935の管腔2934の中に配置されているように内側カテーテル2933の周りに描かれている。
図29Cは本明細書の一実施形態による送達装置2930内の胃内装置のスリーブ2935の展開前の同軸配置の断面図である。送達装置2930は、外側カテーテル2937の管腔2936内に同軸的に配置された内側カテーテル2933を備える。内側カテーテル2933は、送達の案内を補助する誘導線を挿入する誘導線口2932を備える。図29Cに描かれた配置によれば、スリーブ2935は、内側カテーテル2933がスリーブ2935の管腔2934の外側に配置されているように内側カテーテル2933に隣接して描かれている。
図29Dは本明細書の一実施形態による内視鏡2939を覆う送達装置2930内の胃内装置のスリーブ2933の展開前の同軸配置の断面図である。送達装置2930は外側カテーテル2937の管腔2936内に同軸的に配置された内側カテーテル2933を備える。内側カテーテル2933は内視鏡口2938を備え、この中に内視鏡2939が配置されて送達の案内を助ける。図29Dに描かれた配置によれば、スリーブ2935は、内側カテーテル2933がスリーブ2935の管腔2934内に配置されているように内側カテーテル2933の周りに描かれている。
一部の実施形態によれば、胃内装置を患者の胃腸管に送達する装置は、第1の管腔を有する多孔質網構造体、上記多孔質網構造体に取り付けられかつ第2の管腔を有するスリーブ、および外側カテーテルと内側カテーテルを備える同軸カテーテル装置を備え、送達の前に、上記多孔質網構造体および上記スリーブは、上記外側カテーテルと内側カテーテル間の空間に拘束され、外側カテーテルは胃内装置のかなりの部分を覆い、内側カテーテルは網の第1の管腔の大部分を通過しているがスリーブの第2の管腔の大部分の外側にある。一部の実施形態によれば、内側カテーテルは、操作されるときに同軸のカテーテル装置からスリーブを押し出し、スリーブから外れて胃内装置を胃腸管内に送達するように、遠位端がスリーブに操作自在に取り付けられている。
図29Eは本明細書の一実施形態による図29Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明している流れ図である。工程2920で、送達装置を誘導線に沿って滑らせて患者の胃腸管内の所定位置に入れる。工程2921で、医師が第1のハンドルを用いて送達装置本体の遠位端を患者の十二指腸内に配置する。必要なら、工程2922で、医師は装置本体の遠位端の風船を膨らませて送達装置を患者の胃腸管内に固定する。次に工程2923で、医師は第2のハンドルを(約60cm)押して、プランジャーおよび内側カテーテルをスリーブが送達装置本体から押し出され完全に展開するまで前進させる。必要なら、医師がいつ第2のハンドルを押すのを止めるべきかがわかるように、プランジャーは止め機構を有する。工程2924で、医師は本体を約5〜10cm引き戻すことによってスリーブの漏斗形部分の遠位端が胃内にあるように本体を再配置する。次に工程2925で、医師は第2のハンドルをしっかり保持しながら第1のハンドルを引き戻して、スリーブの漏斗形部分および金網構造体を胃内で展開する。これによってプランジャーおよび内側カテーテルを所定位置に維持しながら装置本体を引き戻し、金網構造体を開放する。次に工程2926で、送達装置を患者から取り除き、展開した胃内装置を患者の胃腸管に残す。
図30Aには本明細書の一実施形態による胃内装置の第7の例示的な送達装置3000が説明されている。送達装置3000は、可撓性外側カテーテル3002軸、および胃内装置が予め装着されている可撓性内側カテーテル3001軸を有する同軸の送達システムで構成されている。外側カテーテル3002は近位端および遠位端を備え、その中に管腔を備える。内側カテーテル3001は外側カテーテル3002の管腔内に配置されており、同様に近位端および遠位端を備え、その中に管腔を備える。内側カテーテル3001の管腔は誘導線を収容するように構成されている。いくつかの実施形態によれば、送達装置3000は長さが約3メートルで、これを用いて胃内装置を患者の口から胃および十二指腸または空腸内に送達する。送達装置3000はその長さに沿って変化する剛性を有し、腸内の小さな湾曲部の中をたどるのに十分な可撓性を提供すとともに、胃で湾曲しない十分な押し込み能力を有する。いくつかの実施形態によれば、外側カテーテル3002は約1.5メートルの長さを有する。一部の実施形態によれば、外側カテーテル3002の遠位部分は潤滑性の親水性被覆を備え、これを展開の直前に活性化して誘導を容易にすることができる。一実施形態によれば、この被覆は外側カテーテル3002の遠位の約0.65メートルを覆う。本装置3000の近位端は、外側カテーテル3002で覆われていない内側カテーテル3001の近位部分を備える。一対の止め機構3004、3006が、図30Eと30Gを参照して更に述べられているように内側カテーテル3001に配置されている。近位端、遠位端、および誘導線を収容するように構成された管腔を有する第1のハンドル3003が、内側カテーテル3001の近位端に取り付けられている。近位端、遠位端、および上記内側カテーテル3001を収容するように構成された管腔を有する第2のハンドル3008が、外側カテーテル3002の近位端に取り付けられており、内側カテーテル3001の周りに同軸的にかつ摺動可能に配置されている。第2のハンドル3008の第1のハンドル3003に対する相対的に近位方向および遠位方向の動きによって、外側カテーテル3002は内側カテーテル3001表面を近位方向および遠位方向に摺動することになる。
内側カテーテル3001の遠位端から遠位方向に延びているのは案内部材3007である。この案内部材は近位端および遠位端を有する超可撓性長尺棒を備える。案内部材の近位端は、下の図30Dおよび30Eを参照して述べるように近位球形部品すなわちオリーブ型球を備える。案内部材3007の遠位端は、下の図30Dおよび30Fを参照してさらに述べるように遠位球形部品すなわちオリーブ型球を備える。一部の実施形態によれば、案内部材3007も潤滑性の親水性被覆で覆われている。
図30Bには図30Aの送達装置に用いられる外側カテーテル3050の例示的一実施形態が説明されている。外側カテーテル3050は、剛性が異なり各々近位端、遠位端、および管腔を有する3つの部分、すなわち近位区画3051、中央区画3052、遠位区画3053を備える。近位区画3051の近位端に取り付けられているのは第2のハンドル3054である。遠位区画3053の遠位端に取り付けられているのは柔軟な先端3055である。第2のハンドル3054および柔軟な先端3055はともに内側カテーテルを収容する管腔を備える。一実施形態によれば、外側カテーテル3050は、柔軟な先端3055と遠位区画3053の接合部に第1の放射線不透過性マーカー3056を、および中央区画3052と近位区画3051の接合部から約4〜6cmの中央区画3052に第2の放射線不透過性マーカー3057を備える。いくつかの実施形態によれば、近位区画3051は約85cmの長さ、および中央区画3052の剛性の120%の剛性を有する。いくつかの実施形態によれば、中央区画3052は約52〜54cmの範囲の長さを有する。いくつかの実施形態によれば、遠位区画3053は約11〜13cmの範囲の長さ、および中央区画3052の剛性の80%の剛性を有する。いくつかの実施形態によれば、外側カテーテル3050は、第2のハンドル3054または柔軟な先端3055を除き150〜152cmの範囲の全長を有する。一実施形態によれば、第2のハンドル3054は10cmの長さを有する。一実施形態によれば、柔軟な先端3055は0.5cmの長さを有する。送達中、第2のハンドル3054は患者の体外にある。一部の実施形態によれば、送達中、近位区画3051の近位側約50cmは食道内にある。一部の実施形態によれば、送達中、近位区画3051の遠位側35cmおよび中央区画3052の近位側4〜6cmは胃の中にある。一部の実施形態によれば、送達中、中央区画3052の遠位側約48cmおよび遠位区画3053と柔軟な先端3055は全て腸内にある。
図30Cには外側カテーテル3070の別の実施形態が説明されており、胃内装置3060の圧縮されたスリーブ3062および圧縮された金網構造体3061の外側カテーテル3070の寸法に対する相対的な寸法が描かれている。図30Cの外側カテーテル3070は近位区画3071および遠位区画3073のみを備える。遠位区画3073は63〜67cmの範囲の長さを有し、59〜61cmは腸の中に、4〜6cmは胃の中にある。圧縮されたスリーブ3062は54〜56cmの範囲の長さを有し、遠位区画3073内に完全に収容され、全体に腸内に配置されている。圧縮された金網構造体3061は約29〜31cmの範囲の長さを有する。金網構造体3061の約9〜11cmは遠位区画3073の近位端に収容され、金網構造体3061の19〜21cmは近位区画3071の遠位端に収容されている。金網構造体3061の約4〜6cmは腸内に、金網構造体の24〜26cmは胃内に配置されている。
図30Dは図30Aの送達装置3000の遠位端の拡大図であり、案内部材3007および近位球形部品3011と遠位球形部品3013が描かれている。近位球形部品3011は人体組織を傷付けない形状であり、送達中の放射線造影用の放射線不透過性マーカー3012を備える。遠位球形部品3013は球形先端の形状であり、同じく人体組織を傷付けにくいように設計されている。案内部材3007および近位球形部品3011と遠位球形部品3013の設計は、人体組織を傷付けないことおよび「誘導線により」腸の湾曲部内を容易にたどることを促進するように構成されている。案内部材3007の剛性は外側カテーテルの遠位部分の剛性より小さい。一部の実施形態によれば、案内部材3007は変化する剛性を有し、近位端では外側カテーテルの遠位端の剛性に近い剛性があり、遠位端では0.035インチの誘導線の剛性に近い剛性がある。
図30Eには図30Aの送達装置の近位端が説明されており、第1の止め機構3004に格納された外側カテーテル3002が描かれている。送達装置に予め装着された胃内装置を送達中、使用者が第1のハンドル3003をしっかり押さえて内側カテーテル3001を所定位置に保持しながら、第2のハンドル3008を用いて内側カテーテル3001に被せられた外側カテーテル3002を後退すなわち近位方向に滑らせる。外側カテーテル3002は第2のハンドル3008の近位端が第1の止め機構3004に接触するまで後退する。また、第2の止め機構3006が内側カテーテル3001の第1の止め機構3004に対して近位に配置されている。一部の実施形態によれば、止め機構3004、3006は、内側カテーテルに蝶ナット3004a、3006aを用いてしっかり固定されたプラスチック製の輪を備える。一部の実施形態によれば、第1のハンドル3003は、内側カテーテル3001の管腔を洗浄する生理食塩水または水などの流体を注入する第1の口3013を備える。一部の実施形態によれば、第2のハンドル3008は、外側カテーテル3002の管腔を洗浄する生理食塩水または水などの流体を注入する第2の口3018を備える。
図30Fには、図30Eに描かれた外側カテーテル3002位置に対応した部分的に展開された胃内装置のスリーブ3022の一実施形態が説明されている。図30Eおよび30Fを同時に参照すると、第2のハンドル3008の近位端が第1の止め機構3004と接触するように外側カテーテル3002が後退したとき、スリーブ3022は図30Fに示すように部分的に展開している。展開したスリーブ3022のこの部分は、図16Dを参照して述べた円筒形の遠位部分1622dである。これはスリーブ3022が患者の小腸内に存在する部分である。外側カテーテル3002は図16Dで述べたスリーブの接合点1622jまで後退している。図30Fに示したように、一部の実施形態によれば、スリーブ3022は送達装置の内側カテーテル3001の周りに同軸的に巻かれている。言い換えれば、内側カテーテル3001はスリーブ3022の管腔を通過しない。一実施形態によれば、外側カテーテル3002の遠位端は、放射線造影の下で本送達装置を確実・適切に配置するための放射線不透過性マーカー3009を備える。
図30Gには図30Aの送達装置の近位端が説明されており、第2の止め機構3006まで後退した外側カテーテル3002が描かれている。第1の止め機構は外されていて、外側カテーテル3002をさらに後退させることができる。胃内装置の送達を続けながら、使用者は第1のハンドル3003をしっかり押さえて内側カテーテル3001を所定位置に保持しながら、第2のハンドル3008を用いて、内側カテーテル3001に被せた外側カテーテル3002をさらに後退させる。外側カテーテル3002を、第2のハンドル3008の近位端が第2の止め機構3006に接触するまで後退させる。
図30Hには、図30Gに描いた外側カテーテル3002位置に対応する部分的に展開した胃内装置の金網構造体3021の一実施形態が説明されている。図30Gおよび30Hを同時に参照すると、第2のハンドル3008の近位端が第2の止め機構3006と接触するように外側カテーテル3002が後退したとき、金網構造体3021は図30Hに示すように部分的に展開している。金網構造体3021の移動防止環3024は展開しており、図11Dに描いたようにその形状記憶特性の結果、展開前の形状から展開後の形状に外転している。ここで完全に展開したスリーブ3022の近位端は移動防止環3024に取り付けて描かれている。図30Hに示すように、一部の実施形態によれば、内側カテーテル3001は、上記構造体3021の側部に沿った金網構造体3021の線材間の空間を通過している。言い換えれば、内側カテーテル3001は金網構造体3021の中心を通過しない。
図30Iは本明細書の一実施形態による図30Aの送達装置を用いて胃内装置を送達することを含む工程を説明する流れ図である。工程3030で、必要なら、送達装置の遠位端を濡らして潤滑性の親水性被覆を活性化し、送達装置の挿入および誘導を容易にする。次に工程3032で、送達装置を誘導線に沿って滑らせて患者の胃腸管に入れる。工程3034で、蛍光透視法を用いて外側カテーテルの遠位端の位置を決定して、送達装置を確実・正確に配置する。工程3036で、第1のハンドルをしっかり保持して内側カテーテルを所定の位置に維持しながら、外側カテーテルを第1の止め機構まで後退させて、予め装着された胃内装置のスリーブの一部を、患者の胃腸管の腸部分の中で展開し配置する。次に工程3038で、外側カテーテルの遠位端を幽門に対して直ぐ近位に配置するまで、送達装置全体を後退させる。工程3040で、第1の止め機構を内側カテーテルから外す。工程3042で、第1のハンドルをしっかり保持して内側カテーテルを所定の位置に維持しながら、外側カテーテルを第2の止め機構まで後退させて、胃内装置のスリーブの一部および金網構造体の一部を患者の胃腸管の胃部の中で展開し配置する。工程3044で、第2の止め機構を内側カテーテルから外す。工程3046で、第1のハンドルをしっかり保持して内側カテーテルを所定位置に維持しながら、外側カテーテルを第1のハンドルまで後退させて金網構造体の全てを患者の胃腸管の胃部の中で展開し配置する。次に工程3048で、送達装置を患者から取り除く。
図31Aには、本明細書の一実施形態による送達装置に装着されている胃内装置3100の金網構造体3101が説明されている。図31Aを参照すると、送達装置の内側カテーテル3131および案内部材3137の一部が描かれている。送達装置は内側カテーテル3101から案内部材3137に移行する部分に近位球形部品3135を備える。金網構造体3101は移動防止環3104に取り付けられたスリーブ3102を備える。胃内装置3100を送達装置に取り付けるとき、近位球形部品3135が金網構造体3101に対して直ぐ遠位に配置されかつ内側カテーテル3131が金網構造体3101の内部容積の中にあるように、案内部材3137は金網構造体3101の線材間の中心からずれた開口に通される。
図31Bには、さらに送達装置に装着された図31Aの金網構造体3101が説明されている。金網構造体3101の近位端は圧縮されており、ここでは送達装置の外側カテーテル3132の遠位端に収容されている。金網構造体3101は内側カテーテル3131に沿って既に近位方向に前進しており、近位球形部品はもはや見えない。図31Bを参照すると、内側カテーテルは金網構造体3101の中心からずれた開口から出ている。次に、図31Cを参照して述べるように、スリーブは内側カテーテルの周りに同軸的に巻かれている。別の実施形態によれば、内側カテーテル(および付属の案内部材)は金網構造体内を進み、スリーブの近位漏斗形部分の側部の開口から出る。別の実施形態によれば、内側カテーテルは金網構造体内を進み、スリーブの遠位円筒形部分の側部の開口から出る。さらに別の実施形態によれば、内側カテーテルは金網構造体の中を進み、スリーブ全てを通過し、スリーブの遠位端にある開口から出る。
図31Cには、移動防止環3104だけが未装着であるように送達装置に装着された図31Aの金網構造体3101が説明されている。図31Dには送達装置に完全に装着された図31Aの金網構造体が説明されている。図31Dを参照すると、金網構造体は外側カテーテル3132の遠位端に完全に収容されていてもはや見えない。スリーブ3102は内側カテーテル3131の周りに同軸的に巻かれている。
図31Eには送達装置に部分的に装着された図31Aの胃内装置のスリーブ3102が説明されている。内側カテーテル3131に同軸的に巻かれたスリーブ3102の一部が外側カテーテル3132の遠位端から延びているのが見える。図31Fには送達装置に完全に装着された図31Aの胃内装置が説明されている。近位球形部材3135は外側カテーテル3132の遠位端に配置されている。一実施形態によれば、スリーブの遠位端から延びる複数の縫い目3105が近位球形部材3135に結び付けられていて、送達準備が整うまで胃内装置を所定位置に維持する。送達の前に、胃内装置を展開できるように縫い目3105はほどかれる。
図32Aには本明細書の別の実施形態による胃内装置を取り外すための回収装置3200が説明されている。この回収装置3200は、近位端、遠位端、およびその中に管腔を有する長尺体で構成された可撓性外管3202を備える。第1のハンドル3212が近位端に取り付けられ、開口3222が外管3202の遠位端に配置されている。近位端および遠位端を有する長尺体で構成された内側部材3204が、外管3202の管腔内に配置されている。一実施形態によれば、内側部材3204は可撓性金属線で構成されている。第2のハンドル3214が近位端に取り付けられ、回収機構3224が内側部材3204の遠位端で形成されている。一実施形態によれば、回収機構3224はフックで構成されている。一実施形態によれば、このフックは固定することができる。
図32Bは本明細書の一実施形態による図32Aの回収装置を用いて胃内装置を患者から取り外すことを含む工程を説明する流れ図である。工程3232で、医師が回収装置の外管を患者に挿入済みの内視鏡の作業用管路に挿入する。このとき、内側部材の遠位端にある回収機構は外管の遠位端に収容されている。工程3234で、医師は第1のハンドルをしっかり保持して回収装置を患者の胃腸管内に配置する。次に工程3236で、医師は第2のハンドルを押して回収機構を開口から延ばし外管の遠位端から出す。工程3238で、医師は第2のハンドルを操作して回収機構で胃内装置の近位端を把持する。一実施形態によれば、胃内装置の近位端は回収機構で把持し易いように(図16Bを参照して結び目1615で描いた)1組のジグザグ配置された結び目を備える。胃内装置を回収機構で確保したら、工程3240で、医師は第2のハンドルを引いて回収機構を引き、取り付けられた胃内装置の少なくとも一部を外管の遠位端内に入れる。胃内装置は形状記憶金属製であるため上記外管にぴったり入る寸法に容易に圧縮することができる。必要なら、工程3242で、医師は回収装置の固定機構を作動させて回収機構および取り付けられた胃内装置が外管の遠位端から滑り落ちないようにする。最後に工程3244で、医師は回収装置および取り付けられた胃内装置を患者から取り除く。
当然のことだが、本開示は本発明のいくつかの例示的な実施形態の教示を提供することを目的とし、本明細書に開示された具体的な構造に限定すべきではない。当業者が理解し得る開示された実施形態の他の変更形態は本明細書に包含され、複数の請求項でさらに定義されるように特許請求の範囲内にある。