JP6377027B2 - 真空管 - Google Patents

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Description

本発明は、アナログ増幅器として動作する真空管に関する。
真空管に関する技術として蛍光表示管が知られており、例えば特許文献1,2に示された構造が知られている。特許文献1では、所定以上の温度で熱電子を放出する直線状に張られたフィラメントを「ヒータH」と呼んでいる。そして、フィラメントと平行に配置されたアノード(特許文献1の「陽極4」)と、フィラメントとアノードの間に、アノードと対向するように配置されたグリッドを備えている(特許文献1の第1図、第2図参照)。特許文献2も基本的な構造は特許文献1と同じである。また、特許文献1,2に示された蛍光表示管の制御方法として非特許文献1に示された駆動方式が知られている。
実公昭49−5240号公報 特開2007−42480号公報
ノリタケ伊勢電子株式会社,"蛍光表示管(VFD)全般 アプリケーションノート 駆動方法−駆動方式",[平成27年7月8日検索]、インターネット<https://www.noritake-itron.jp/cs/appnote/apf100_vfd/apf201_houshiki.html>.
音楽業界を中心に真空管の特性を好むユーザからの要望があるので、アナログ増幅器として使用する真空管の需要はあり、アナログ増幅器として使用できる真空管は存在する。しかし、製造量が減っており、価格の上昇や入手が困難という課題がある。一方、真空管の一種であり、安価で普及している蛍光表示管は、非特許文献1に示された駆動方式からも分かるようにデジタルの制御なので、オン−オフの特性が安定していればよい。しかし、アナログ増幅器として使用するためには高いレベルでの特性の安定性が求められる。
本発明は、安価で入手しやすい蛍光表示管に近い構造の真空管(絶縁体の基板上にアノードを形成している真空管)において、特性を安定にすることを目的とする。
本発明の真空管は、フィラメント、アノード、グリッド、帯電防止電極を備える。フィラメントは、直線状に張られ熱電子を放出する。アノードは、フィラメントと平行に配置された絶縁体の基板上に形成されている。グリッドは、フィラメントとアノードの間にアノードと対向するように配置される。帯電防止電極は、基板上に、アノードとは絶縁されるように形成されている。また、帯電防止電極はグランドもしくは正電位の直流電圧源に接続される。
本発明の真空管によれば、帯電防止電極によってアノード周辺に負電荷が帯電することによる真空管の特性の変化を防止できるので、特性を安定にできる。
真空管の平面図。 先願の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図。 グリッドの形状を示す図。 アノードがガラス基板上に形成された様子を示す図。 増幅回路の様子を示す図。 アノードとグリッドの間隔を0.3mm程度、フィラメントとグリッドの間隔は0.4mm程度にした場合のアノード電圧Vと電流Iとの関係をグリッドの電圧ごとに示す図。 特性が変化したときのアノード電圧Vと電流Iとの関係をグリッドの電圧ごとに示す図。 帯電防止電極の第1の例の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図。 帯電防止電極の第1の例のアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図。 帯電防止電極の第1の例の増幅回路の様子を示す図。 帯電防止電極の第2、第3、第4の例のときの真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図。 帯電防止電極の第2の例のときのアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図。 帯電防止電極の第2、第3、第4の例のときの増幅回路の様子を示す図。 帯電防止電極の第3の例のときのアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図。 帯電防止電極の第4の例のときのアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図。 帯電防止電極の第5の例のときの真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図。 帯電防止電極の第5の例のときのアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図。 帯電防止電極の第5の例のときの増幅回路の様子を示す図。 帯電防止電極に直流電圧源を接続した場合の増幅回路を示す図。 帯電防止電極に接続する直流電圧源としてグリッドのバイアス電源を用いた場合の増幅回路を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
<先願の発明の説明>
本願出願時には未公開であるが本願出願人の先願(特願2015−8345)において、安価で入手しやすい蛍光表示管に近い構造であって、アナログ増幅器として動作させやすい真空管が示されている。図1は真空管の平面図、図2は先願の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図、図3はグリッドの形状を示す図、図4はアノードがガラス基板上に形成された様子を示す図、図5は増幅回路の様子を示す図である。
先願に示された真空管900は、所定以上の温度で熱電子を放出する直線状に張られたフィラメント110と、フィラメント110と平行に配置されたアノード120と、フィラメント110とアノード120の間にアノードと対向するように配置されたグリッド130を備える。そして、フィラメント110とグリッド130の間隔が0.2mm以上0.6mm以下であることを(第1の)特徴とする。さらに、アノード120とグリッド130の間隔が0.15mm以上0.35mm以下であることを第2の特徴としてもよい。図4に示すように、アノード120は、平面基板上(ガラス基板125)に形成されている。図4の点線はグリッド130のフレーム部131の位置(言い換えるとフレーム部131と対向する部分)を示している。また、アノード120には、アノード配線122を介してアノード端子121が接続されている。アノード120は、例えばアルミニウムの薄膜で形成すればよい。なお、図1ではアノード120の位置が分かるようにグリッド130の一部を記載していない。実際の真空管900では、アノード120の上にメッシュ状のグリッド130(図3参照)が存在するので、アノード120は見えにくい状態である。真空管900は、ケース180とガラス基板125とを封着し、排気穴(図示していない)から空気を抜くことで内部を真空にする。また、実際の真空管はゲッターリングなども備えているが、本発明とは関連しないので説明を省略する。
フィラメント110は直接型のカソードである。例えば、フィラメント110は、直流電流を流すことで650度程度に加熱すると熱電子を放出するように、酸化バリウムのコーティングを施せばよい。この例では、上記の「所定以上の温度」が650度であるが、650度に限定するものではない。フィラメント110はあらかじめ決められた張力が付加された状態でフィラメント支持部材113に固定されている。なお、張力は、フィラメントの振動の基本周波数が高くなるように決める方が望ましく、基本周波数が10kHz以上に調整できればフィラメントの振動による雑音を人には聞こえにくくできる。
図3に示すようにグリッド130は、メッシュ状であるメッシュ部132と、メッシュ部132の周囲に存在するフレーム部131を有する。グリッド130は、SUSなどで形成すればよい。上述のとおり、図1ではアノード120を分かりやすく示すためにグリッド130の一部の記載を省略している。実際のグリッド130は、図3に示すとおりである。また、グリッド130はグリッド支持部材133に固定されている。グリッド支持部材133の板厚によって、アノード120とグリッド130との間隔、フィラメント110とグリッド130との間隔が決められている。
フィラメント110は直流電圧源310(例えば0.7V)が接続され、熱電子を放出する所定の温度(例えば650度)まで加熱される。アノード120にはアノード電圧源320によってアノード電圧Vが抵抗325を介して印加される。そして、例えば、入力信号Vinに所定のバイアス電圧Vgbが付加された信号Vがグリッド130に入力される。そして、アノード120の電圧Voutが出力される。
次に、先願の発明の特徴の必要性について説明する。一般的な蛍光表示管も、所定以上の温度で熱電子を放出する直線状に張られたフィラメントと、フィラメントと平行に配置されたアノードと、フィラメントとアノードの間にアノードと対向するように配置されたグリッドとを備える。ただし、一般的な蛍光表示管であれば、アノードとグリッドの間隔は0.5mm程度以上であり、フィラメントとグリッドの間隔は1.0mm程度以上である。また、フィラメントの固有振動の基本周波数は考慮しない。蛍光表示管の場合、ON,OFFの制御を行うので、グリッドの電圧を変化させたときに中途半端に電流が流れることを避けなければならない。そこで、上記のような寸法となっている。また、蛍光表示管として使用する場合は、人間の残像も利用するのでアノード電圧を常時印加しておく必要がないので、アノード電圧を高く設定できる。一方、アナログ増幅器として利用するためにはアノード電圧を常時印加しておく必要があるので、熱膨張の影響を考慮するとアノード電圧Vを高くできない。つまり、アノード電圧を高くできないことも、蛍光表示管としての利用と対比してアナログ増幅器としての利用が難しい原因である。
図6に、アノードとグリッドの間隔を0.3mm程度、フィラメントとグリッドの間隔は0.4mm程度にした場合のアノード電圧Vと電流Iとの関係をグリッドの電圧ごとに示す。この図から、バイアス電圧Vgbを3V、入力信号Vinの振幅の最大値を1Vとすれば、アノード電圧Vが4V程度以上の範囲でほぼ線形な増幅特性が得られることが分かる。したがって、アナログ増幅用の真空管として利用しやすい。そして、フィラメント110とグリッド130の間隔が0.2mm以上0.6mm以下であれば、一般的な蛍光表示管に比べ、アナログ増幅用として利用しやすい真空管にできる。つまり、先願の真空管の(第1の)特徴によれば、フィラメントからアノードへの電子の流れを、グリッドの電位によってアナログ的に変化させることができるのでアナログ増幅器として使用しやすい。
また、アノード120とグリッド130の間隔が0.35mmを超える場合は、グリッド支持部材133を折り曲げ成形する必要がある。一方、アノードとグリッドの間隔が0.15mm以上0.35mm以下であれば、グリッド支持部材133は平板を抜き加工しただけで構成可能である。この場合はアノードとグリッドの間隔が、グリッド支持部材の板厚だけで決定されるため、高精度の間隔を維持できる。またグリッド支持部材133を折り曲げ成形した場合は、グリッドも振動やすくなりノイズの原因となる。グリッド支持部材133を平板打ち抜き加工とした場合は、グリッドの振動を抑えることができ、アナログ増幅用として利用しやすい真空管にできる。
<分析>
先願の真空管900は、使用を開始したときには図6に示す特性を得られるが、使用し続けている間に特性が安定しない現象が生じた。図7に特性が変化したときのアノード電圧Vと電流Iとの関係をグリッドの電圧ごとに示す。全体的にアノード電流Iが流れにくくなっていることが分かる。例えば、図6に示した特性ではアノード電圧Vが1Vのあたりからアノード電流Iが流れはじめるが(図6のBの部分を参照)、図7に示した特性ではアノード電圧Vが1Vのあたりではアノード電流Iは流れないことが分かる(図7のCの部分を参照)。また、一度図7のような特性になった真空管でも、使用しない状態で長時間放置していると図6に示す特性に戻ることなども分かった。
このような現象から、原因は、使用によってガラス基板125に負電荷が帯電し、帯電した負電荷によってアノード電流Iが流れにくくなるためと考えられる。図5を用いて説明すると、真空管900の使用前はガラス基板125には負電荷が帯電していないので、フィラメント110から放出された電子はグリッド130に引き寄せられ、アノード120へと流れる。ところが、一部の電子はガラス基板125に帯電し、その電子によってフィラメント110からアノード120への電子の流れが妨げられていると考えられる。また、帯電している負電荷が一定であれば特性は安定となるが、帯電している電荷を制御できないので特性が不安定になっていると考えられる。
<本発明>
本発明の真空管100は、フィラメント110、アノード120、グリッド130、帯電防止電極220を備える。フィラメント110は、直線状に張られ熱電子を放出する。アノード120は、フィラメント110と平行に配置されている絶縁体の基板(ガラス基板125)上に形成されている。グリッド130は、フィラメント110とアノード120の間にアノード120と対向するように配置される。グリッド130は、例えばメッシュ部132と、メッシュ部132の周囲に存在するフレーム部131を有する。帯電防止電極は、アノード120と同一平面上(ガラス基板125上)にアノード120とは絶縁されるように形成される。グリッド130がメッシュ部132とフレーム部131を有する場合には、帯電防止電極は、少なくともメッシュ部132と対向する部分の一部に形成すればよい。帯電防止電極はグランドもしくは正電位の直流電圧源に接続される。フィラメント110、アノード120、グリッド130については、真空管900と同じである。相違点は帯電防止電極が設けられていることである。ただし、グリッド130はメッシュ部132のみで形成してもよい。つまり、図3で示したフレーム部131の部分もメッシュ状にしてもよい。
帯電防止電極としては後述するようないくつかの例があるが、共通することは「アノード120と同じ基板上に、アノード120とは絶縁されるように形成されている」ことであり、特に、アノード120の近傍周辺の帯電防止電極が大切である。グリッド130がメッシュ部132とフレーム部131を有する場合は、帯電防止電極を、少なくともメッシュ部132と対向する部分の一部に形成すればよい。また、帯電防止電極は、グランドもしくは正電位の直流電源に接続されていることが望ましい。本発明の真空管によれば、帯電防止電極によってアノード周辺に負電荷が帯電することによる真空管の特性の変化を防止できるので、特性を安定にできる。
図1に示した真空管の平面図には帯電防止電極は示していないが、真空管の外観は同じなので、以下の帯電防止電極の例の説明では、図1のA−A線で切ったときの断面の違いやガラス基板上の形状の違いを説明する。
<帯電防止電極の第1の例>
図8に帯電防止電極の第1の例の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図を示す。図9は第1の例のアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図、図10は増幅回路の様子を示す図である。図9の点線はグリッド130のフレーム部131の位置(言い換えるとフレーム部131と対向する部分)を示している。なお、上述のように、グリッド130は、フレーム部131の部分もメッシュ状にしてもよい。
図9の網掛け部分全面が帯電防止電極220であり、網掛け部分全体に例えば、アルミニウムの薄膜を形成することで、帯電防止電極220とすればよい。図8,9の例では、帯電防止電極220は、ガラス基板125上のアノード120及びアノード120との絶縁を確保するために必要な領域以外の広い範囲(グリッド130と対向する部分よりも広い範囲)に形成されている。グリッド支持部材133と帯電防止電極220との間には絶縁膜232が配置されている。
図10の増幅回路では帯電防止電極220はグランドに接続されている。増幅回路としての動作は図5と同じであるが、フィラメント110側からアノード120側に流れる電子の一部が帯電防止電極220に届いた場合、グランドに流れるのでアノード120の周辺に負電荷が帯電することを防ぐことができる。したがって、図6に示した特性を長時間使用しても維持できる。よって、真空管100の特性を安定にできる。
<帯電防止電極の第2の例>
図11に帯電防止電極の第2の例のときの真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図を示す。図12はアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図、図13は増幅回路の様子を示す図である。
第1の例との違いは、グリッド130のフレーム部131に対向する部分には帯電防止電極を形成していないことである。図12の点線はグリッド130のフレーム部131の位置(言い換えるとフレーム部131と対向する部分)を示している。図12に示すように、帯電防止電極221は、ガラス基板125上のアノード120及びアノード120との絶縁を確保するために必要な領域、フレーム部131と対向する領域以外の広い範囲(グリッド130と対向する部分よりも広い範囲)に形成されている。図12の例も帯電防止電極221は網掛け部分全面に形成されている。
ここで、第2の例と第1の例との違いについて説明する。帯電防止電極220とグリッド130とは対向しているので、コンデンサとして機能してしまう。そして、グリッド130から見た前段の出力インピーダンスRとグリッド130とグランドとの間の静電容量Cは、RC回路を形成してしまうので、ローパスフィルタとして機能してしまう。例えば、前段の出力インピーダンスが330kΩとすると、人の可聴帯域(20Hz〜20kHz)の信号を遮断しないようにするためには、静電容量Cを25pF以下にする必要がある。
フレーム部131は板状なので(メッシュ状ではないので)フレーム部131を通過する電子はない。よって、そもそもフレーム部131と対向する部分に帯電防止電極を設ける意義は小さい。その一方で、板状なので(メッシュ状ではないので)対向する電極があると、静電容量が増加しやすい。したがって、帯電防止電極221のようにフレーム部131と対向する部分には帯電防止電極を形成しない方が、特性の安定化(帯電防止)と特性の劣化防止(ローパスフィルタによる信号のカットオフ防止)を両立させやすい。ただし、第1の例のような帯電防止電極220にするのか、第2の例のような帯電防止電極221にするのかは、前段の出力インピーダンスも考慮しながら選択すればよい。なお、グリッド130とグランドとの間の静電容量Cには、グリッド130と帯電防止電極220との間の静電容量だけでなく、グリッド130とフィラメント110との静電容量も影響を与えることにも注意が必要である。
図13の増幅回路でも帯電防止電極221はグランドに接続されている。増幅回路としての動作は図5と同じであるが、フィラメント110側からアノード120側に流れる電子の一部が帯電防止電極221に届いた場合、グランドに流れるのでアノード120の周辺に負電荷が帯電することを防ぐことができる。したがって、図6に示した特性を長時間使用しても維持できる。よって、真空管100の特性を安定にできる。
<帯電防止電極の第3の例>
帯電防止電極の第3の例の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図は図11と同じである。図14はアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図、増幅回路の様子を示す図は図13と同じである。
第2の例との違いは、グリッド130と対向していない部分の帯電防止電極223をメッシュ状にしたことである。例えば、アルミニウムの線幅0.01mmで0.3mmピッチのようなメッシュ状の帯電防止電極にしてもよい。このようなメッシュ状にすることで帯電防止電極の面積を1〜20%に減らせば、静電容量を小さくでき、かつ、帯電を防止できる。フィラメント110とグランドとの静電容量を小さくできるので、例えばグリッド130とフィラメント110との間の静電容量が大きい場合などに有効である。また、この例では、負電荷が帯電しやすいグリッド130のメッシュ部132と対向する帯電防止電極222は、全面に帯電防止電極を形成している(メッシュ状ではない)。
図13の増幅回路でも帯電防止電極222,223はグランドに接続されている。増幅回路としての動作は図5と同じであるが、フィラメント110側からアノード120側に流れる電子の一部が帯電防止電極222,223に届いた場合、グランドに流れるのでアノード120の周辺に負電荷が帯電することを防ぐことができる。したがって、図6に示した特性を長時間使用しても維持できる。よって、真空管100の特性を安定にできる。
<帯電防止電極の第4の例>
帯電防止電極の第4の例の真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図は図11と同じである。図15はアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図、増幅回路の様子を示す図は図13と同じである。
第2の例との違いは、帯電防止電極224をメッシュ状にしたことである。例えば、アルミニウムの線幅0.01mmで0.3mmピッチのようなメッシュ状の帯電防止電極にしてもよい。このようなメッシュ状にすることで帯電防止電極の面積を1〜20%に減らせば、静電容量を小さくでき、かつ、帯電を防止できる。この例と第3の例との違いは、グリッド130のメッシュ部132と対向する部分もメッシュ状にしたことである。グリッド130とグランドとの間の静電容量をできるだけ小さくしたい場合に有効な方法である。
図13の増幅回路でも帯電防止電極224はグランドに接続されている。増幅回路としての動作は図5と同じであるが、フィラメント110側からアノード120側に流れる電子の一部が帯電防止電極224に届いた場合、グランドに流れるのでアノード120の周辺に負電荷が帯電することを防ぐことができる。したがって、図6に示した特性を長時間使用しても維持できる。よって、真空管100の特性を安定にできる。
<帯電防止電極の第5の例>
図16に帯電防止電極の第5の例のときの真空管を図1のA−A線で切ったときの断面図を示す。図17はアノードと帯電防止電極がガラス基板上に形成された様子を示す図、図18は増幅回路の様子を示す図である。
第2の例との違いは、グリッド130と対向していない部分に帯電防止電極を形成していないことである。つまり、グリッド130のメッシュ部132と対向する部分の一部に、アノードとは絶縁されるように帯電防止電極222が形成されている。「一部」とは、アノード120が形成されている部分やアノード120との絶縁に必要な領域、フレーム部131に対向する部分に近い部分には帯電防止電極222を形成していないため、メッシュ部132と対向する部分全部ではないことを示している。この例は、負電荷が帯電しやすいグリッド130のメッシュ部132と対向する部分にのみ帯電防止電極222を形成し、静電容量を小さくするものである。帯電防止電極222は、全面に帯電防止電極を形成している(メッシュ用ではない)。静電容量をさらに小さくせざるを得ない場合には、メッシュ状の帯電防止電極224をグリッド130のメッシュ部132と対向する部分の一部に形成することにしても、小さくはなるが帯電防止の効果は得られる。
図18の増幅回路でも帯電防止電極222(224)はグランドに接続されている。増幅回路としての動作は図5と同じであるが、フィラメント110側からアノード120側に流れる電子の一部が帯電防止電極222(224)に届いた場合、グランドに流れるのでアノード120の周辺に負電荷が帯電することを防ぐことができる。したがって、図6に示した特性を長時間使用しても維持できる。よって、真空管100の特性を安定にできる。
上述の帯電防止電極の例は、帯電の問題と静電容量増加による高周波の遮断の問題の両方を解決するためのバリエーションであり、前段の出力インピーダンスや真空管100に要求される仕様などから選択すればよい。言い換えると、本発明は、このような設計自由度が得られる発明である。
<帯電防止電極の電位>
図10,13,18では、帯電防止電極220,221,222,223,224をグランドに接続していたが、図19に示すように、正電位の直流電圧源230に接続してもよい。直流電圧源の電圧は、例えば0〜5Vの範囲から決めればよい。図20には、直流電圧源としてグリッド130のバイアス電源330を用いた例を示している。このようにバイアス電源330を用いれば、電源の種類を増やす必要がない。図19,20は、図10を変形したものであるが、図13,18のグランドに接続している部分を、図19,20のように直流電圧源230,バイアス電源330に接続すれば、同様に変形できる。
帯電防止電極220,221,222,223,224は導体であるが、抵抗は存在するので、グランドに接続しただけでは帯電防止電極220,221,222,223,224上で電位のムラが生じ、部分的に負電位になるリスクがある。そして、負電位になった部分によってアノード電流Iが流れにくくなる恐れがある。帯電防止電極220,221,222,223,224を正電位にしておけば、ムラが生じたとしても負電位になる部分が発生しないという効果がある。したがって、アノード周辺に負電荷が帯電することによる真空管の特性の変化を防止でき、真空管の特性を安定にできる。
帯電防止電極220,221,222,223,224の材料と厚さ、全面に形成するかメッシュ状にするかなどによって抵抗は変わるが、抵抗を考慮してグランドに接続するか正電位にするかを決めればよい。
100,900 真空管 110 フィラメント
113 フィラメント支持部材 120 アノード
121 アノード端子 122 アノード配線
125 ガラス基板 130 グリッド
131 フレーム部 132 メッシュ部
133 グリッド支持部材 180 ケース
220,221,222,223,224 帯電防止電極
230,310 直流電圧源 232 絶縁膜
320 アノード電圧源 325 抵抗
330 バイアス電源

Claims (6)

  1. 熱電子を放出する直線状に張られたフィラメントと、
    前記フィラメントと平行に配置された絶縁体の基板上に形成されたアノードと、
    前記フィラメントと前記アノードの間に前記アノードと対向するように配置されたグリッドと、
    前記基板上に、前記アノードとは絶縁されるように形成された帯電防止電極
    を備え、
    前記帯電防止電極はグランドもしくは正電位の直流電圧源に接続され
    前記フィラメントとグリッドの間隔が0.2mm以上0.6mm以下であり、
    前記アノードとグリッドの間隔が0.15mm以上0.35mm以下であ
    ことを特徴とする真空管。
  2. 請求項1に記載 の真空管であって、
    前記グリッドは、メッシュ部と、前記メッシュ部の周囲に存在するフレーム部を有し、
    前記帯電防止電極は、前記基板上の少なくとも前記メッシュ部と対向する部分の一部に形成される
    ことを特徴とする真空管。
  3. 請求項2記載の真空管であって、
    前記帯電防止電極は、前記フレーム部と対向する部分には形成されていない
    ことを特徴とする真空管。
  4. 請求項1から3記載の真空管であって、
    前記帯電防止電極は、全部または一部がメッシュ状である
    ことを特徴とする真空管。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の真空管であって、
    前記帯電防止電極は、前記グリッドと対向しない部分には形成されていない
    ことを特徴とする真空管。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の真空管であって、
    前記帯電防止電極は、前記グリッドのバイアス電源に接続される
    ことを特徴とする真空管。
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