JP6376642B2 - 香り付き携帯用ティシュペーパー製品 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯用ティシュペーパー製品、特に香り付きの携帯用ティシュペーパー製品に関する。
ポケットティシューとも称される、10〜20組程度のティシュペーパーの束を樹脂製の包装フィルムによって包装した携帯用ティシュペーパー製品はよく知られる。この携帯用ティシュペーパー製品の中には、香りを発するようにしたものがある。
香り付きの携帯用ティシュペーパー製品は、ティシュペーパー自体に香料を塗布したもののほか、ティシュペーパーの束と包装フィルムとの間に、一方面から香りを発するようにしたシート材を介在させるようにしたものがある(特許文献1)。
このシート材を用いた携帯用ティシュペーパー製品は、ティシュペーパー自体に香料を塗布するものと比較して、香りが過度に強くならず、また香りの持続性にも優れ、さらに安価に製造できるという利点がある。
他方、この香りを発するシート材は、例えばポリエチレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムなど酸素透過度に差がある異素材のフィルムを、香料を含む接着剤で積層した層構造となっており、酸素透過度の高い素材のフィルム面から香料が揮散するようになっている。
しかし、このシート材は、酸素透過度の異なるフィルムの素材が異なっているため、それらの熱収縮率に大きな差異があり、これに起因して温度変化によってカールしやすい。
このため、包装フィルム内に介在させる前に予めカールを修正する工程が必要になったり、包装フィルムでティシュペーパーの束を包装する際に、シート材がカールして、所定位置にシート材が収まらないなど包装不良の原因となることがあるなど、携帯用ティシュー製品の製造ロスの原因となることがあった。また、携帯用ティシュペーパー製品は、内包されるティシュペーパーの組数が少ないため、包装フィルム内で芳香シート材がカールしてしまうと、ティシュペーパーの束が崩れたり、ティシュペーパーをスムーズに引き出せなくなるおそれがある。
特開2014−31175号公報 特開2014−5075号公報 特開2013−203043号公報 特許第4183468号 特許第5225591号
そこで、本発明の主たる課題は、香りが過度に強くならず、また香りの持続性に優れるといった香りを発するシート材の利点を有し、しかもシート材がカールし難く、製造し易く、製造時の製造ロスも少なく、ティシュペーパー束を崩すようなこともない、携帯用ティシュペーパー製品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
折り畳まれたティシュペーパーが複数枚重ねられた束が、包装フィルムによって包装され、その包装フィルムとティシュペーパーの束との間に、香りを発する芳香シート材が介在された、携帯用ティシュペーパー製品であって、
前記芳香シート材が、香料を含む接着剤層又は粘着剤層によって、香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層とが接着されて積層一体化されたものであり、
前記香料不透過性フィルム層が、前記香料透過性フィルム層と同素材のフィルム層の一方面がアルミ蒸着処理か酸化ケイ素又はアルミナを蒸着させる透明蒸着処理されて香料不透過にされたものであり、
そのアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理された面が香料を含む接着剤層又は粘着剤層側に位置している、
ことを特徴とする香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
〔請求項2記載の発明〕
香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層との熱収縮率の差が、縦方向と横方向でともに±0.2%以下である、請求項1記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
〔請求項3記載の発明〕
香料透過性フィルム層は、酸素透過度が700cc/m2・24h・atm以上であり、香料不透過性フィルムは、酸素透過度が200cc/m2・24h・atm未満である請求項1又は2記載の携帯用ティシュペーパー製品。
〔請求項4記載の発明〕
香料透過性フィルム層及び香料不透過性フィルム層が、ポリプロピレンフィルム層及びポリエチレンフィルム層の何れかである、請求項1〜3の何れか1項に記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
〔請求項5記載の発明〕
香料透過フィルム層及び香料不透過フィルム層の厚みが10〜60μmであり、香料を含む接着剤層又は粘着剤層の厚みが10〜30μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
以上のとおり、本発明によれば、香りが過度に強くならず、また香りの持続性に優れるといった香りを発するシート材の利点を有し、しかもシート材がカールし難く、製造し易く、製造時の製造ロスも少なく、ティシュペーパー束を崩すようなこともない、携帯用ティシュペーパー製品が提供される。
本発明に係る携帯用ティシュペーパー製品の斜視図である。 そのII-II断面図である。 そのIII-III断面図である。 本発明に係る芳香シート材の断面図である。 カール防止性の測定方法を説明するための図である。
次いで、本発明の実施の形態を図1〜4を参照しながら以下に詳述する。
本発明にかかる携帯用ティシュペーパー製品100は、既知のポケットティシューの折り方にしたがって折り畳まれたティシュペーパーが10〜20組程度重ねられてなるティシュペーパーの束2を、樹脂製の包装フィルム1により包装したものであり、略長方形状の上面11及び下面12と、これら繋ぐ長側縁13及び短側縁14とからなる座布団様の偏平型の立体形状の外形をなすものである。その大きさは、概ね短側縁14の長さL1×長側縁13の長さL2×厚さが、75±10mm×125±10mm×15±5mmである。
包装フィルム1によるティシュペーパー束2の包装形態は、既知の携帯用ティシュペーパー製品の包装形態にしたがえばよく、特に限定されない。図示例では、ティシュペーパーの束2を包装フィルムで額巻きした後に、その両端面開口部がヒートシール等の融着処理により封止された態様となっている(融着部は符号15で示す)。
他方、本実施形態の携帯用ティシュペーパー製品100は、既知の製品と同様に、包装フィルム1のティシュペーパー束2の上面21に対面する部分のほぼ中央に長側縁13に沿う方向に取出口形成部としてのミシン目線16が形成されている。このミシン目線16を裂開することで形成されるスリット状の取出口から内部のティシュペーパーが取出し可能となる。
図示の形態では、既知の態様にしたがって、包装フィルム1を額巻きとした際にフィルム縁同士が重ならない部分がティシュペーパー束2の上面21に対面するように構成されているが、この形態に限定されない。
包装フィルム1は、本発明では特に限定されず、既知のものが使用できる。具体例としては、厚み20〜100μmのポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムである。
また、内包されるティシュペーパー束2を構成するティシュペーパーも、本発明では特に限定されず、既知のものが使用できる。
ここで、本発明に係る携帯用ティシュペーパー製品100では、包装フィルム1とティシュペーパー束2の間に香りを発する芳香シート材30が介在されている。この芳香シート材30は、香料透過性フィルム層31及び香料不透過性フィルム層32とこれらの間に介在して両フィルムを接着する接着剤層又は粘着剤層33とを有しており、特にその接着剤層又は粘着剤層33に香料が含有され、前記香料透過フィルム層31を透過して香料が揮散するようになっている。したがって、包装フィルム1内において、芳香シート材30から揮散した香料が拡散し、その香料がティシュペーパー束2に移ることで、ティシュペーパーに香気が付与される。このため、ティシュペーパーに直接的に香料を塗布するものと比較して、ほのかにかつ長期に香りが感じられるものとなる。
包装フィルム内における芳香シート材30の配置としては、図示の形態では、包装フィルム1とティシュペーパー束2の底面22との間に芳香シート材30を位置させているが、必ずしもこの位置に限定はされない。但し、ティシュペーパー束2の底面22と包装フィルム1との間は、内包されるティシュペーパーを取出口16から取り出す際に邪魔にならない位置であるためこの位置とするのが望ましい。
ここで、本発明に係る芳香シート材30が、一方面が香料透過性フィルム層31、他方面が香料不透過性フィルム層32とされているのは、双方の面を香料透過性フィルム層とするよりも、接着剤層又は粘着剤層中に含まれる香料が効果的に外部に揮散されるようになるからである。また、そのような効果的な香料の外部への揮散が促されるとともに、特に、香料透過性フィルム層31側がティシュペーパー束2に対面し、香料不透過性フィルム層32側が包装フィルム1に対面するようにして配置することで、ティシュペーパーに香気が移りやすくなるからである。特に、上述のとおり包装フィルム1は、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムが一般的であり、これらのフィルムは比較的ガス透過性が高い。香料不透過性フィルム層32が包装フィルム1に対面するようにして芳香シート材30を配置することで、包装フィルム外へ香料が漏れにくくなるのである。
他方、本発明に係る芳香シート材30は、特徴的に、香料不透過性フィルム層32が、香料透過性フィルム層31と同素材のフィルム層32Aの少なくとも一方面がアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されて香料不透過にされたものとなっている(図中、アルミ蒸着処理又は透明蒸着処理により付着された付着物の層は符号32Bで示す)。
香料透過性フィルム層31は、ポリエチレンフィルム層、ポリプロピレンフィルム層が例示できる。好ましくは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム層、無延伸ポリプロピレンフィルム層である。
したがって、香料不透過性フィルム層32は、ポリエチレンフィルム層、ポリプロピレンフィルム層の少なくとも一方面がアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されたものが例示できる。好ましくは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム層、無延伸ポリプロピレンフィルム層の少なくとも一方面がアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されたものである。
本発明に係る芳香シート材30では、香料透過フィルム層31と香料不透過フィルム層32のフィルム層とが同素材であるため各層における熱収縮率の差を小さくすることができる。したがって、芳香シート材30が温度変化によって極めてカールし難い。
香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層との熱収縮率の差は、縦方向と横方向でともに±0.2%以下とするのが望ましい。この範囲であれば、カール防止性効果が高まる。この範囲は、各層を構成する素材及び厚さの選定により達成することができる。
ここで、熱収縮率の測定は次(1)〜(8)のように行なう。(1)まず、香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層を構成するフィルムシートの試料を用意し、このフィルムシートを20×100mmの四角形に裁断して試料とする。(2)試料は、長辺がMD方向(縦方向)に沿うものと、長辺がCD方向(横方向)に沿うものとを、それぞれ5本ずつ用意する。(3)各試料の幅方向(短辺に沿う方向)中央に長辺と平行な目視可能な直線を長辺方向の全長に渡って、適宜の筆記具により付する。(4)各試料を23℃、50%RHにて2時間以上十分に調湿した後、前記直線の長さを測定して試料の寸法Aとする。(5)各試料を、フィルムシートの素材に応じた適宜の温度及び時間に設定した恒温恒湿槽に保管する。湿度は50%RHとする。(6)設定時間後の試料の直線の長さを測定して試料の寸法Bとする。(7)熱収縮率(%)=(((寸法B)−(寸法A))/(寸法A))×100の式に当てはめて熱収縮率を算出する。(8)なお、恒温恒湿槽の設定温度及び設定時間は、フィルムシートの素材の融点以下の温度で試料の熱収縮或いは伸張が十分に完了する温度及び時間とする。温度は、より具体的には、ポリエチレンフィルムシートであれば90℃、ポリプリプロピレンフィルムシートであれば120℃、ポリエチレンテレフタレートフィルムシートであれば、150℃である。時間は、30μmのポリエチレンフィルムシートでは上記温度で30分、15μmのポリプリプロピレンフィルムシートでは、上記温度で5分、12μmのポリエチレンテレフタレフタレートフィルムシートであれば、上記温度で30分である。
他方、香料透過性フィルム層31及び香料不透過性フィルム層32の具体的な厚みとしては、10〜60μmである。この範囲であれば、香料透過性フィルム層については、香料を透過させることができ、その一方、香料不透過性フィルム層32については、アルミ蒸着処理又は透明蒸着処理により香料を透過させないものとすることができる。
また、香料透過性フィルム層31と香料不透過性フィルム層32の厚みの差を、25μm以下、好ましくは15μm以下とすると、熱収縮率の差によるカールがより確実に防止されるようになる。なお、各フィルム層31,32の厚さは、断面をマイクロスコープによって測定することで測定することが可能である。
香料透過性フィルム層31の具体的なガスバリア性については、酸素透過度が、700cc/m2・24h・atm以上とするのがよい。この酸素透過度であれば香料が透過するものとなる。上述のポリプロピレンフィルム層、ポリエチレンフィルム層であればこの酸素透過度とすることができる。加えて、炭酸ガスの透過度が4000cc/m2・24h・atm以上であると透過できる香料の種類が増加して香気のバリエーションを増加させることができる。
また、香料不透過性フィルム層32の具体的なガスバリア性については、酸素透過度が200cc/m2・24h・atm未満とするのがよい。この酸素透過度であれば香料の透過を効果的に抑制できる。ポリプロピレンフィルム層、ポリエチレンフィルム層に対してアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理を行なえば、かかる酸素透過度とすることができる。加えて、炭酸ガス透過度については900cc/m2・24h・atm未満であるのが望ましい。本発明における炭酸ガス透過度は、JIS K 7126−2(2006)に基づいて、23℃、65%RHの測定条件で測定した値である。
接着剤層又は粘着剤層33を形成するための接着剤、粘着剤としては、ポリエステル系接着剤、ラテックス系粘着剤、ホットメルト接着剤、アクリル系粘着剤が例示できる。好ましくは、ポリエステル系接着剤、アクリル系粘着剤である。接着剤層又は粘着剤層33の厚みは、5〜80μmが望ましく、15〜35μmであるのがより望ましい。例示の接着剤及び粘着剤33、さらに厚み範囲であれば、各フィルム層を確実に接着でき、また、香料を十分に含有させることができる。接着剤層又は粘着剤層中における香料の配合比率は、香料の濃度や種類によって適宜設計できるが、好ましくは、0.5〜15g/m2、より好ましくは0.5〜6g/m2である。この範囲であれば、適度な香りの強さとすることができる。
他方、本発明に係る芳香シート材30は、例えば、香料透過性フィルム層31に係る香料透過性フィルムシートと、この香料透過性フィルムシートと同素材のフィルムシートの一方面又は双方面を予めアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理した香料不透過性フィルムシートとを、ドライラミネート法、ホットラミネート法、ウェットラミネート法などによって、接着剤層又は粘着剤層33に係る接着剤又は粘着剤によって積層一体化した後、適宜に裁断して形成することができる。
ここで本発明に係るアルミ蒸着処理は、アルミニウムの蒸気をフィルム表面に付着させる処理であり、例えば、高真空状態で電子ビームや高周波誘導などによってアルミニウムを加熱蒸発させて、その蒸気をフィルムの表面に付着させるようにする。アルミ蒸着処理されたフィルムは、金属光沢を有するとともに高いガスバリア性を有するものとなる。このように、アルミ蒸着処理されたものは遮光性が発現し、紫外線による接着剤層中の香料の紫外線による劣化を防止する効果も得られる。
また、透明蒸着処理は、酸化ケイ素やアルミナの蒸気を、フィルムに付着させる処理であり、アルミ蒸着処理と同様に行なうことができる。透明蒸着処理は、フィルムの透明性を維持できるため、芳香シート材30を目立たなくすることができる。さらに包装フィルムの印刷デザインに影響を与えないという効果が得られる。
なお、香料不透過性フィルム層32は、両面にアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理が施されたものであっても、一方面にアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理が施されたものであってもよいが、一方面にのみアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理が施されたものであっても十分にガスバリア性を確保できる。したがって、製造の手間やコストの点では、一方のみに係る蒸着処理がされたものであるのが望ましい。
なお、フィルム層に蒸着されるアルミニウムや酸化ケイ素等の厚さは、5〜500nm程度であり、基材の熱収縮性への影響は無視できる。
また、本発明の携帯用ティシュペーパー製品100では、包装フィルム1と芳香シート材30とは、必ずしも一体化されていることは要しないが、意図せず包装フィルム1内で芳香シート材30が動かないように、適宜接着するなどして一体化することができる。その態様としては、接着剤や粘着剤等による接着のほか熱融着、超音波融着等の融着処理によって一体化されていてもよい。そして、このように熱融着や超音波融着で一体化するのであれば、芳香シート材30の包装フィルム1と対面する面は、アルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されていないほうが望ましい。また、外部からの刺激によって蒸着されたアルミニウムや酸化ケイ素などがフィルムから離脱し難くなるという点でも、芳香シート材30の包装フィルム1と対面する面は、アルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されていないほうが望ましい。
したがって、本発明に係る芳香シート材30では、香料不透過性フィルム層32は、接着剤層又は粘着剤層33と対面する側の面のみアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理されているのが望ましい。
他方、本発明に係る芳香シート材30は、香料が香料透過性フィルム層31を通して放散させるものであるため、香料は、マイクロカプセルに封入するような態様は採らず、直接的に蒸散可能な態様で接着剤層又は粘着剤層33に含有させるのが望ましい。
また、本発明に係る携帯用ティシュペーパー製品100では、接着剤層又は粘着剤層中に含有させる香料は、適宜に選択することができる。具体例として、リュウゼン香、安息香、海狸香、霊猫香、丁字油、ガルバナム、ジャスミンアブソリュート、ラブタナム、マテ茶、メリロット、ミモザ、ムスクトンキン、ミルラ、オークモスまたはモスドシェーヌ、乳香、ビャクシ香、オリス、バチュリ、ローズマリー油、白檀油、ベチバー油、バイオレットリーフアブソリュートなどの天然香料、高級アルコール、アルデヒド、ベンズアルデヒド、安息香酸、ケイ皮酸、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮アルコール、クマリン、エステル、インドール、ケトン、サリチル酸と関連化合物、テルペノイド、バニリンなどの各種の合成香料あるいはこれらの2つ以上の混合香料を挙げることができる。市販品を使用することもできる。
他方、本発明に係る携帯用ティシュペーパー製品100では、内包されるティシュペーパー束2を構成するティシュペーパーは、上述のとおり限定されないが、2枚〜3枚の薄葉紙が積層されたプライ構造を有しているものが望ましい。
その薄葉紙の原料パルプとしては、NBKPとLBKPとを配合したものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
本発明に係るティシュペーパーの各プライを構成する薄葉紙一枚あたりの米坪は、好ましくは9〜25g/m2、より好ましくは10〜15g/m2である。米坪が9g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に米坪が25g/m2を超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、米坪は、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法による。
また、本発明に係るティシュペーパーの紙厚は、2プライの状態で100〜160μm、より好ましくは120〜140μmであるのが望ましい。紙厚が100μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、ティシュペーパーとしての強度を適正に確保することが困難となる。また、160μm超では、ティシュペーパーの肌触りが悪化するとともに、使用時にゴワツキ感が生じるようになる。
なお、ティシュペーパーの紙厚の測定は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。
次いで、本発明の実施例及び比較例に係る芳香シート材を作成し、そのカール防止性について試験した。各例に係る芳香シート材の構成は、下記表1に示すとおりである。
なお、各例に係る芳香シート材は、表1に示す素材のフィルムシートをドライラミネート法によって積層一体化したものであり、各素材の熱収縮率はその芳香シート材に形成する前に測定した。なお、表1中、CPPフィルムは、無延伸ポリプロピレンフィルムシート、OPPフィルムは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムシート、PETフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムシート、LLDPEフィルムは、低密度ポリエチレンフィルムシートである。また、接着剤は、ポリエステル系接着剤を用い、香料は天然香料3質量%、アルコール類34質量%、アルデヒド類10質量%、エステル類30質量%、合成ムスク類17質量%、その他6質量%を含む合成香料を用いた。接着剤層中の香料の配合割合は1.0g/m2とした。
熱収縮率の測定は、上述の熱収縮率の測定方法にしたがって、測定した。温度、時間は表1のとおりである。また、カール防止性の試験は下記のとおりとした。
(カール防止性)
試料の大きさは、MD方向(縦方向)80mm×CD方向(横方向)100mmとする。この試料を、23℃、50%RHで2時間、調湿した後、同じ環境下で、香料不透過性フィルム層が上、香料透過性フィルム層が下となる向きで水平台の上に静かに載置する。
その際に、図5(A)及び(B)に示すように、水平台F上でU字型又は逆U字型などにカールした試料Xの水平台Fから最も離れた部位と水平台Fとの距離Lcを測定する。評価は、その距離Lcが10mm以内であれば○、10mmを超える場合には×とした。
Figure 0006376642
表1に示されるとおり、実施例1及び実施例2の芳香シート材ではカール防止性が達成されているのに対して、比較例1〜3はカールが発生した。このことから、本発明に係る香り付き携帯用ティシュペーパーでは、芳香シート材のカールによる製造ロスや束崩れなどが効果的に改善されるといえる。
100…携帯用ティシュペーパー製品、1…包装フィルム、2…ティシュペーパー束、11…携帯用ティシュペーパー製品の上面、12…携帯用ティシュペーパー製品の下面、13…携帯用ティシュペーパー製品の長側縁、14…携帯用ティシュペーパー製品の短側縁、15…融着部、21…ティシュペーパー束の上面、16…取出口(取出口形成用ミシン目線)、30…芳香シート材、31…香料透過性フィルム層、32…香料不透過性フィルム層、33…接着剤層又は粘着剤層、22…ティシュペーパー束の底面、L1…短側縁の長さ、L2…長側縁の長さ、32A…香料不透過フィルム層のフィルム層、32B…アルミ蒸着処理又は透明蒸着処理により付着された付着物の層、F…水平台、X…試料。

Claims (5)

  1. 折り畳まれたティシュペーパーが複数枚重ねられた束が、包装フィルムによって包装され、その包装フィルムとティシュペーパーの束との間に、香りを発する芳香シート材が介在された、携帯用ティシュペーパー製品であって、
    前記芳香シート材が、香料を含む接着剤層又は粘着剤層によって、香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層とが接着されて積層一体化されたものであり、
    前記香料不透過性フィルム層が、前記香料透過性フィルム層と同素材のフィルム層の一方面がアルミ蒸着処理か酸化ケイ素又はアルミナを蒸着させる透明蒸着処理されて香料不透過にされたものであり、
    そのアルミ蒸着処理又は透明蒸着処理された面が香料を含む接着剤層又は粘着剤層側に位置している、
    ことを特徴とする香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
  2. 香料透過性フィルム層と香料不透過性フィルム層との熱収縮率の差が、縦方向と横方向でともに±0.2%以下である、請求項1記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
  3. 香料透過性フィルム層は、酸素透過度が700cc/m2・24h・atm・以上であり、香料不透過性フィルムは、酸素透過度が200cc/m2・24h・atm未満である請求項1又は2記載の携帯用ティシュペーパー製品。
  4. 香料透過性フィルム層及び香料不透過性フィルム層が、ポリプロピレンフィルム層及びポリエチレンフィルム層の何れかである、請求項1〜3の何れか1項に記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
  5. 香料透過フィルム層及び香料不透過フィルム層の厚みが10〜60μmであり、香料を含む接着剤層又は粘着剤層の厚みが10〜30μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載の香り付き携帯用ティシュペーパー製品。
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