JP6376367B1 - 切断自在なスケール - Google Patents

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【課題】きちんと測定できないような狭い現場など測定が困難な場合に、スケールを手指で簡単に折って切断でき、短くして簡単かつ確実に測定できる切断自在なスケールを提供する。【解決手段】直尺スケール1の表裏いずれか一方の面2又は表裏両面に、切断自在な凹状の切断用スリット5が直尺スケール1の幅方向に複数形成され、切断用スリット5の所望位置Pで直尺スケール1が切断できる。特に、直尺スケール1の表面2において幅方向に平行形成の目盛スリット4に対応する直尺スケール1の裏面に、切断用スリット5が10mm毎等の所定間隔をあけて形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、直尺スケールをきちんと当てがって測定できない狭隘な場所など測定が困難な場合に、当該スケールを手指で簡単に折って切断でき、短くして確実に測定する切断自在なスケールの技術分野に関するものである。
直尺スケールで種々測定する際、狭い所では、この直尺スケールを当てがうことができず、思うように測定ができない。そのため、使用者自身でカッター等の工具を別途用意し、当該直尺スケールをその工具で短く切断して測定を行うしかない。
かかる使用者が、自分の手指により現場で簡単に直尺スケールを切断して短くして使用できるスケールは従来存しない。
これに関連し、ゲージ本体の全長に満たない比較的狭い空間でも使用できる技術として特許文献1がある。同文献には、「所定長さの短尺形に設定され、その長さ寸法が正確に保たれ、表裏面方向にのみ彎曲、捻れ自在な可撓性を有し、少なくともその一方端がわの所定範囲または全体が、所定隙間に挿し込み可能とするよう所定厚さ寸法内および所定巾寸法内に設定され、その先端に平坦エッジ状に形成された挿し込み用当接端縁を有し、表裏面の少なくとも一方の挿し込み用当接端縁から他方端がわに亘る所定範囲に、深さ寸法測定用の目盛りが表示されると共に、表裏面の目盛り表示箇所から外れた適所か、表裏面間左右端縁かの何れか一方または双方の当接端縁付近から他方端に亘る範囲に直線状のガイドレール部を形成したゲージ本体を有し、当該ゲージ本体の長さより十分短く設定され、挿し込み用当接端縁がわに対応する端縁を同挿し込み用当接端縁に平行な平端面状の目盛り指示用端縁に形成し、少なくともゲージ本体目盛り表示箇所に対応する範囲を透明素材製のものとしたカーソルが、当該ゲージ本体ガイドレール部の当接端縁付近から他方端の範囲に亘り、摺動自在に嵌着可能とするよう一体に設けられたレール嵌合部を介して当該ガイドレール部に対し、摺動可能に装着されてなるものとしたことを特徴とする深さゲージ」が記載されている(同文献1の請求項1)。
登録実用新案第3122384号公報
上述した狭い所で、直尺スケールによる測定思うように行えないとき、カッター等の工具を別途用意し、当該直尺スケールを工具で短く切断して測定を行う際、直尺スケールは通常硬い材料のため、容易に切断することができない。しかも、切断する位置がずれたり、切断面が不揃いになったりする不都合がある。
そのため、使用者自身で切断する場合には、簡易型手動切断機などの機械を用い、切断後には切断面のバリ取りや面取りといった後処理が必要となる。また、使用者自身の熟練度も要求されるといった問題点がある。
また、前記特許文献1記載の深さゲージは、手や腕を挿し込み難いような奥まった箇所の溝の深さや、段差寸法・肉厚寸法等をある程度測定できる。しかし、当該深さゲージを切断できる構成ではなく、自ずと狭い場所での確実な測定には限界がある。
したがって、本発明の目的は、スケールできちんと測定できないような狭い現場など測定が困難な場合に、当該スケールを手指で簡単に折って切断でき、短くして簡単かつ確実に測定できる使用勝手に優れ、製造コストの低廉化も図れて経済的な切断自在なスケールを提供することである。
課題を解決するための手段として、請求項1に記載した切断自在なスケールは、炭素工具鋼よりなる直尺スケール1の表裏いずれか一方の面3(2)又は表裏両面2、3に、エッチング凹加工による腐食によって形成されている切断自在な凹状の切断用スリット5が直尺スケール1の幅W方向に複数形成されており、前記切断用スリット5の所望位置Pで当該直尺スケール1が切断できる構成であることを特徴とする。
請求項2に記載した切断自在なスケールは、前記直尺スケール1の表面2において幅W方向に平行な複数の目盛スリット4(K)に対応する当該直尺スケール1の裏面3に、切断用スリット5(S)が所定間隔をあけて平行に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した切断自在なスケールは、前記直尺スケール1の表面2に形成される10mm毎の目盛スリット4(K)の位置に対応する当該直尺スケール1の裏面3に、切断用スリット5(S)が10mm間隔で形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した切断自在なスケールは、前記切断用スリット5が、直尺スケール1の幅W方向の両端縁9、9に亘って当該直尺スケール1の幅寸(W)と同じ長さで直線状に平行形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載した切断自在なスケールは、前記切断用スリット5の深さDが0.04mm、縦Xの長さが直尺スケール1の幅寸(W)と同長の12.7mm、横Yの長さが0.2mmに形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載した切断自在なスケールは、前記直尺スケール1の表面2における10mm毎の目盛スリット4の深さ、縦の長さ、横の長さが、当該直尺スケール1の裏面3における切断用スリット5の深さD、縦Xの長さ、横Yの長さと同じであることを特徴とする。
請求項7に記載した切断自在なスケールは、前記直尺スケール1に代わるテーパーゲージ6の表裏いずれか一方の面8(7)又は表裏両面7、8に、切断用スリット5が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1にかかる切断自在なスケールによれば、炭素工具鋼よりなる直尺スケールの表裏いずれかの面又は両面に、エッチング凹加工による腐食によって形成されている切断自在な凹状の切断用スリットが直尺スケールの幅方向に複数形成されているので、直尺スケールをきちんと当てがって測定できないような狭い現場などの測定が困難な場合に、短くしたい長さの所望位置の切断用スリットの箇所で、当該スケールを手指で簡単に折って切断でき、所望長さに短くした当該スケールによって、確実に測定できる自在性、利便性に優れている。
また、直尺スケールの表面の目盛スリットに対応して、その裏面に切断用スリットが所定間隔をあけて形成されている。特には、直尺スケール表面の10mm毎に平行形成の目盛スリットの位置に対応して、その裏面に切断用スリットが10mm間隔で平行形成されているため(請求項2、請求項3)、現場の作業者は、所望の位置で直尺スケール表面の目盛スリットが、切断すべき分かり易い目安となり、切断箇所を目視で確認した後、切断位置がズレることなく容易に切断できる。その際、請求項4のように、切断用スリットは、直尺スケールの幅方向の両端縁に亘って当該直尺スケールの幅寸と同じ長さで直線状に平行形成されているから、真っすぐに綺麗に切断できる。
当該切断用スリットは、その深さが0.04mm、縦の長さが直尺スケールの幅寸と同長の12.7mm、横の長さが0.2mmに形成され、工具を使わずして手指により容易に切断できる。しかも、この切断用スリットは、そのスケール表面における10mm毎の目盛スリットの深さ、縦の長さ、横の長さと同じであり、よって直尺スケールは10mm毎の箇所が表裏面で凹んだ状態であり、手指による僅かな力での切断をより一層簡単に行うことができる(請求項5、請求項6)。
さらに、切断用スリットは、炭素工具鋼よりなる直尺スケールの表裏いずれか一方の面又は表裏両面に、エッチング凹加工による腐食によって形成されるので(請求項1)、製作の迅速化、コストの低廉化が達成される。
なお、直尺スケールに代わるテーパーゲージその他の測定器具の表裏いずれか一方の面又は表裏両面に、上述した切断用スリットを形成して実施できる融通性にも優れている(請求項7)
本発明の切断自在なスケールの切断用スリットを示した裏面図である。 図1の正面図である。 直尺スケールにおいて切断用スリットの所望箇所で切断した状態を示した斜視図である。 切断された直尺スケールを示した部分拡大図である。 切断用スリットを拡大して示した部分側面図である。 切断自在なテーパーゲージを示した裏面図である。 図6の正面図である。
本発明の切断自在なスケールの好適な実施形態を、以下図面にしたがって説明する。この切断自在なスケールは、被測定箇所に当該尺スケールをきちんと当てがって測定できないような狭隘な作業現場等において、当該スケールを所望箇所で手指により折って切断し、短くして使用するものである(図3、図4参照)。
当該切断自在なスケールが直尺スケール1に実施された形態について説明する。炭素工具鋼よりなる直尺スケール1は、その全長が146mm、幅寸(W)が12.5mmの短尺仕様である(図1、図2)。但し、この長さに限定されるものではなく、例えば、当該直尺スケール1の全長を、75mm〜335mmの範囲で、幅寸(W)を12.5mm〜25mmの範囲で、適宜設定して好適に実施される。
本実施形態では、下記に説明する切断用スリット5が、直尺スケール1の裏面3にのみ形成された場合(図1)を示している。但し、直尺スケール1の表面2にのみ又は表裏両面2、3に切断用スリット5を形成する形態でも好適に実施される。また、切断用スリット5が、直尺スケール1の裏面3又は表面2に1箇所、或いは表裏面2、3の対応する箇所にそれぞれ1箇所形成する実施形態も採用可能である(図示は省略)。
図1は、直尺スケール1の裏面3に形成された切断用スリット5・・・を示している。この切断用スリット5・・・は、下記に詳述するエッチング凹加工による腐食により、直尺スケール1の幅W方向に凹状の折り目として複数形成されている。これら複数の切断用スリット5・・・の所望位置Pで、手指Tにより当該直尺スケール1が簡単に切断できる(図3参照)。それは、直尺スケール1の表面2において、幅W方向に平行形成の目盛スリット4(K)に対応する当該直尺スケール1の裏面3に、切断用スリット5(S)が所定間隔をあけて形成されているからである(図5参照)。
すなわち、直尺スケール1の表裏面2、3の同じ位置で、切断用スリット5(S)と目盛スリット4(K)が幅W方向に形成されているため、かかる位置S、Kの強度が弱くなっており、手指Tの僅かな力で容易に切断することができる(図5、図1、図2)。
切断用スリット5(S)は、直尺スケール1の表面2に平行形成される10mm毎の目盛スリット4(K)・・・の位置に対応する当該直尺スケール1の裏面3に、10mm間隔で平行に形成されている。また、この切断用スリット5は、図1に示した直尺スケール1の幅Wの方向の両端縁9、9(同図1の上下方向)に亘って凹んだ切込む形で、当該直尺スケール1の幅寸(W)と同じ長さで直線状に平行形成されている(図5参照)。
具体的には、切断用スリット5は、その深さDが0.04mm(図5)、図1に示した縦Xの長さが直尺スケール1の幅寸(W)と同長の12.7mm、図5に示した横Yの長さが0.2mmに形成されている。
そして、目盛スリット4は、図2に示した直尺スケール1の表面2における10mm毎の当該目盛スリット4において、その深さ、縦の長さ、横の長さが、前記切断用スリット5の深さD、縦Xの長さ、横Yの長さと同じに形成されている(図5参照)。当該10mm毎の目盛スリット4以外は、1mm単位の目盛スリット40・・・が形成されている。
以下に、本切断自在なスケールの製造法、とりわけ、直尺スケール1の切断用スリット5と、目盛スリット4のエッチング凹加工について説明する。
(第1)感光液塗布・・・ディップコータマシン。
直尺スケール1用のスケール平板材料を全面脱脂し(汚れ油分の除去)、乾燥した後、感光液を均一の厚みに塗布し乾燥機に入れ、約100℃で乾燥焼付ける。そして、感光前のため、材料を冷ました後、暗室で保管する。
(第2)露光機・・・切断用スリット5と目盛スリット4を露光(露光写真撮影)。
感光液を乾燥させた材料を目盛作業原版フィルム(ネガフィルム)で挟み、フィルムが材料に密着するようにバキューム装置で真空密着し、光を照射することで切断用スリット5と目盛スリット4が感光し、露光が完了する。
(第3)切断用スリット5、目盛スリット4、文字数字ロゴなどの現像。
2種類の現像液を水で希釈し、約20℃に保温し、現像処理を行なうと、切断用スリット5、目盛スリット4の感光膜が除去され、生地面が露出する。
(第4)感光膜バーニング加工・・・感光膜を硬化処理する。
感光膜を硬化させ傷防止を図るため、乾燥機に入れて約230℃で30分位焼き付けバーニング処理を行なう。
(第5)腐食加工・・・エッチング。
直尺スケール1(スケール目盛板)に梨地シルバークロムメッキ処理された材料は、この時点で材料表面のクロムメッキ膜を破る(剥離)処理を行ない、下地の生地面を露出させる。腐食目盛装置に通し、塩化第二鉄液をノズルで噴射し、切断用スリット5や目盛スリット4、文字数字ロゴなどを腐食加工(エッチング)して完成する。
かくして、本実施形態では、切断用スリット5及び10mm目盛スリット4の各深さが0.04mm、横(Y)の長さが0.2mmに形成され、1mm目盛単位の目盛スリット40の各深さが0.4mm、横の長さが0.15mmに形成されている。また、5mm毎の目盛スリット40の横の長さが0.2mmに形成されている(図2、図4参照)。
図6と図7は、上述した切断用スリット5がテーパーゲージ6に実施された形態を示している。図6に示したように、前記の切断用スリット5が、テーパーゲージ6の裏面8にのみ形成されている。テーパーゲージ6の表面7には、10mm単位毎に長い目盛スリット4、1mm単位毎に短い目盛スリット40が形成されている。但し、テーパーゲージ6の表面7にのみ(図7参照)又はその表裏両面7、8に切断用スリット5を形成する形態でも好適に実施される。また、切断用スリット5がテーパーゲージ6の裏面8又は表面7に1箇所、或いは表裏面7、8の対応する箇所にそれぞれ1箇所形成する形態でも実施可能である(図示は省略)。
したがって、被測定箇所に直尺スケールやテーパーゲージをきちんと当てがって測定できないような狭い箇所の測定困難な場合に、上述した切断自在な直尺スケール1やテーパーゲージ6を用いて、切断用スリット5の所望箇所で、切断箇所を間違えることなく手指Tにより簡単に折って切断し、短くして確実に測定される(図3、図4参照)。
その他、図示は省略する各種スケールやゲージ等の測定工具においても、前記同様に切断用スリット5を形成して実施することができる。また、如上のとおり、実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
1 直尺スケール
2 表面
3 裏面
4(K) 目盛スリット
5(S) 切断用スリット
6 テーパーゲージ
7 表面
8 裏面
D 深さ
W 幅
X 縦
Y 横
P 所望位置

Claims (7)

  1. 炭素工具鋼よりなる直尺スケールの表裏いずれか一方の面又は表裏両面に、エッチング凹加工による腐食によって形成されている切断自在な凹状の切断用スリットが直尺スケールの幅方向に複数形成されており、前記切断用スリットの所望位置で当該直尺スケールが切断できる構成であることを特徴とする切断自在なスケール。
  2. 直尺スケールの表面において幅方向に平行な複数の目盛スリットに対応する当該直尺スケールの裏面に、切断用スリットが所定間隔をあけて平行に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した切断自在なスケール。
  3. 直尺スケールの表面に形成される10mm毎の目盛スリットの位置に対応する当該直尺スケールの裏面に、切断用スリットが10mm間隔で形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した切断自在なスケール。
  4. 切断用スリットは、直尺スケールの幅方向の両端縁に亘って当該直尺スケールの幅寸と同じ長さで直線状に平行形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した切断自在なスケール。
  5. 切断用スリットは、その深さが0.04mm、縦の長さが直尺スケールの幅寸と同長の12.7mm、横の長さが0.2mmに形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載した切断自在なスケール。
  6. 直尺スケールの表面における10mm毎の目盛スリットの深さ、縦の長さ、横の長さは、当該直尺スケールの裏面における切断用スリットの深さ、縦の長さ、横の長さと同じであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載した切断自在なスケール。
  7. 直尺スケールに代わるテーパーゲージの表裏いずれか一方の面又は表裏両面に、切断用スリットが形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載した切断自在なスケール。
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