JP6375255B2 - 水素充填設備、及び、水素充填設備での品質管理方法 - Google Patents
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Description
水素ステーションには、別の場所にある水素出荷設備にて製造された水素を専用の運搬車両(水素トレーラー等)によって搬入し、貯蔵及び供給のみを行うオフサイト型水素ステーションと、水素製造設備を有して、製造と、貯蔵及び供給とを行うオンサイト型水素ステーションとがある。
また、スペックアウトした水素については、無駄とならないよう、再利用できるように、システムを構築することが求められる。
また、不純物混入の要因分析のために、各工程での品質確認が必要と考えられるが、この点についても、システムとして確立されていない。
水素出荷設備は、水素製造装置1と、水素精製装置2と、圧縮機3と、蓄圧器4と、充填機5とを備える。尚、これらの機器により水素ラインが形成され、機器間にはバルブ等が設けられるが、簡略化のため図示は省略した(以下の実施形態についても同じ)。
品質確認部101は、水素製造装置1に供給される原料物質の品質、例えば原料であるLPGの成分を備え付けのセンサにより検出して確認する。
品質確認部102は、水素製造装置1出口側の水素の品質を確認する。具体的には、不純物である水分、HC、CO2、COなどの成分量を備え付けのセンサにより検出して確認する。
品質確認部103は、水素精製装置2出口側の水素の品質を確認する。具体的には、不純物である水分、HC、CO2、COなどの成分量を備え付けのセンサにより検出して確認する。尚、一般的に水素精製装置2ではCOが最も除去しにくいので、COの成分量を代表して検出することで、H2純度を確認することも可能である。
尚、ISO規格14687−2で規定される水素性状は、純度99.97%以上、非水素成分については、水分(H2O):5ppm以下、HC:2ppm以下(但し炭素数1の場合)、O2:5ppm以下、He:300ppm以下、N2:100ppm以下、CO2:2ppm以下、CO:0.2ppm以下などである。
また、水素ライン上の水素の品質確認と同時に、水素ライン上の各機器の運転条件(稼働状況)を確認し、品質悪化の要因を分析する際に利用するとよい。
尚、品質確認部101〜104及び放出処理部105は、制御システムの一部をなして、互いに連繋している(以下の実施形態についても同じ)。
また、品質確認部については、図示の他、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、例えば充填機5の入口側に設けてもよい。系外放出部についても同様で、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、複数設けてもよい。
また、特に水素出荷設備では、水素トレーラー6に充填された水素について品質確認を行うと共に、水素トレーラー6から規格外の水素を系外へ放出できるように、水素トレーラー6に対し、品質確認部と系外放出部とを設けるようにしてもよい。
オフサイト型水素ステーションは、圧縮機11と、蓄圧器12と、圧縮機13と、蓄圧器14と、ディスペンサー15とを備える。
品質確認部111は、水素トレーラー6から受け入れる水素の品質(純度等)を確認する。
品質確認部112は、図1の充填機5出口側の品質確認部104と同様、FVC28供給前のディスペンサー15出口側での水素の品質(例えば水分の混入度合など)を確認する。
また、水素ライン上の水素の品質確認と同時に、水素ライン上の各機器の運転条件(稼働状況)を確認するとよい。
尚、品質確認部については、図示の他、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、例えばディスペンサー15の入口側に設けてもよい。系外放出部についても同様で、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、複数設けてもよい。
オンサイト型水素ステーションは、水素製造装置21と、水素精製装置22と、圧縮機23と、蓄圧器24と、圧縮機25と、蓄圧器26と、ディスペンサー27とを備える。
水素精製装置22は、水素製造装置21により製造された水素を精製する。具体的には、PSA方式、TSA方式、膜分離方式、各種吸着剤などを用いて、水分、HC、CO2、COなどの不純物を除去する。
品質確認部121は、水素製造装置21に供給される原料物質の品質、例えば原料であるLPGの成分、又はMCHの純度を備え付けのセンサにより検出して確認する。
品質確認部122は、水素製造装置21出口側の水素の品質を確認する。具体的には、不純物である水分、HC、CO2、COなどの成分量、又は水素の濃度(純度)を備え付けのセンサにより検出して確認する。
品質確認部123は、水素精製装置2出口側の水素の品質を確認する。具体的には、不純物である水分、HC、CO2、COなどの成分量を備え付けのセンサにより検出して確認する。尚、一般的に水素精製装置22ではCOが最も除去しにくいので、COの成分量を代表して検出することで、H2純度を確認することも可能である。有機ハイドライドの場合は、不純物であるメタン、トルエンなどの成分量を備え付けのセンサにより検出して確認する。
また、水素ライン上の水素の品質確認と同時に、水素ライン上の各機器の運転条件(稼働状況)を確認するとよい。
尚、品質確認部については、図示の他、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、例えばディスペンサー27の入口側に設けてもよい。系外放出部についても同様で、水素ライン上であれば、どこに設けてもよく、複数設けてもよい。
図4の実施形態では、回復処理部200として、充填機5の出口側を水素精製装置2の入口側につなぐ循環ライン(戻しライン)201を設けている。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、循環ライン201を開路状態にして、充填機5の出口側から、水素を循環ライン201を介して水素精製装置2に戻し、水素精製装置2にて不純物を除去するようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、水素を(必要により複数回)循環させて、規格内となるように回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部105による放出処理を実施する。
尚、品質確認部101〜104、放出処理部105及び回復処理部200は、制御システムの一部をなして、互いに連繋している(以下の実施形態についても同じ)。
図5の実施形態では、回復処理部200として、ディスペンサー27の出口側を水素精製装置22の入口側につなぐ循環ライン(戻しライン)202を設けている。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、循環ライン202を開路状態にして、ディスペンサー27の出口側から、水素を循環ライン202を介して水素精製装置22に戻し、水素精製装置22にて不純物を除去するようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、水素を(必要により複数回)循環させて、規格内となるように回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部125による放出処理を実施する。
図6の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置203を設けている。品質回復用の水素精製装置203は、水素ライン上の水素精製装置2と同様、PSA方式、TSA方式、膜分離方式、各種吸着剤などを用いて、水分、HC、CO2、COなどの不純物を除去することができる。後述する品質回復用の水素精製装置205、207、209〜211、212−1〜212−5、213−1〜213−5、214−1〜214−7、215、216、217、220についても同様である。
そして、充填機5の出口側を減圧器204を介して水素精製装置203の入口側に配管接続し、水素精製装置203の出口側を圧縮機3の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置203への通路を開路状態にして、充填機5の出口側の高圧水素を減圧器204にて減圧してから水素精製装置203に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した水素を圧縮機3の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置203を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部105による放出処理を実施する。
図7の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置205を設けている。そして、ディスペンサー15の出口側を減圧器206を介して水素精製装置205の入口側に配管接続し、水素精製装置205の出口側を圧縮機11又は13の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置205への通路を開路状態にして、ディスペンサー15の出口側の高圧水素を減圧器206にて減圧してから水素精製装置205に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した水素を圧縮機11又は13の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置205を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部113による放出処理を実施する。
図8の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置207を設けている。そして、ディスペンサー27の出口側を減圧器208を介して水素精製装置207の入口側に配管接続し、水素精製装置207の出口側を圧縮機23又は25の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置207への通路を開路状態にして、ディスペンサー27の出口側の高圧水素を減圧器208にて減圧してから水素精製装置207に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した水素を圧縮機23又は25の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置207を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部125による放出処理を実施する。
尚、上記の第6〜第8実施形態(図6〜図8)では、回復用の水素精製装置の出口側を圧縮機の入口側(低圧側)に接続しているが、回復用の水素精製装置の出口側に圧縮機(水素ライン上の圧縮機とは別の圧縮機)を設ければ、回復用の水素精製装置の出口側を水素ライン上の圧縮機の出口側(蓄圧器の入口側)に接続することもできる。従って、水素ライン上の1つの機器の出口側を回復用の水素精製装置を介して前記機器より上流側の水素ラインに接続することができる。
図9の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置209を設けている。そして、充填機5の出口側を水素精製装置209の入口側に配管接続し、水素精製装置209の出口側を充填機5の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置209への通路を開路状態にして、充填機5の出口側の高圧水素をそのまま水素精製装置209に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した高圧の水素を充填機5の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置209を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部105による放出処理を実施する。
図10の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置210を設けている。そして、ディスペンサー15の出口側を水素精製装置210の入口側に配管接続し、水素精製装置210の出口側をディスペンサー15の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置210への通路を開路状態にして、ディスペンサー15の出口側の高圧水素をそのまま水素精製装置210に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した高圧の水素をディスペンサー15の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置210を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部113による放出処理を実施する。
図11の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の水素精製装置211を設けている。そして、ディスペンサー27の出口側を水素精製装置211の入口側に配管接続し、水素精製装置211の出口側をディスペンサー27の入口側に配管接続している。すなわち、水素の品質確認の結果、規格外の場合に、品質回復用の水素精製装置211への通路を開路状態にして、ディスペンサー27の出口側の高圧水素をそのまま水素精製装置211に導き、ここで不純物を除去するようにしている。そして、不純物を除去した高圧の水素をディスペンサー27の入口側に戻すようにしている。
このように、水素の品質確認の結果、規格外の場合は、品質回復用の水素精製装置211を用いて水素の回復処理を実施する。そして、回復処理後に規格外の場合に、放出処理部125による放出処理を実施する。
図12の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン上の各機器1〜5ごとに水素ライン外に品質回復用の水素精製装置212−1〜212−5を設けている。そして、各機器1〜5の出口側を水素ライン外の対応する水素精製装置212−1〜212−5を介して各機器1〜5の入口側に接続してある。
図13の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン上の各機器11〜15ごとに水素ライン外に品質回復用の水素精製装置213−1〜213−5を設けている。そして、各機器11〜15の出口側を水素ライン外の対応する水素精製装置213−1〜213−5を介して各機器11〜15の入口側に接続してある。
図14の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン上の各機器21〜27ごとに水素ライン外に品質回復用の水素精製装置214−1〜214−7を設けている。そして、各機器21〜27の出口側を水素ライン外の対応する水素精製装置214−1〜214−7を介して各機器21〜27の入口側に接続してある。
図15の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の単一の水素精製装置215を設け、水素ライン上の各機器1〜5の出口側を水素ライン外の単一の水素精製装置215を介して各機器1〜5の入口側に接続可能としてある。
図15の実施形態では、また、水素トレーラー6に対しても回復用の水素精製装置215を接続可能とし、水素トレーラー6内も浄化できるようにしている。
図16の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の単一の水素精製装置216を設け、水素ライン上の各機器11〜15の出口側を水素ライン外の単一の水素精製装置216を介して各機器11〜15の入口側に接続可能としてある。
図16の実施形態でも、また、水素トレーラー6に対し回復用の水素精製装置216を接続可能とし、水素トレーラー6内も浄化できるようにしている。
図17の実施形態では、回復処理部200として、水素ライン外に品質回復用の単一の水素精製装置217を設け、水素ライン上の各機器21〜27の出口側を水素ライン外の単一の水素精製装置217を介して各機器21〜27の入口側に接続可能としてある。
品質確認の結果、規格外となり、その原因が機器内の汚れであると考えられる場合は、水素ボンベなどを用い、次のような回復処理方法を採用できる。
水素ボンベの供給口を水素ライン上の機器の入口側に接続し、水素ボンベ内の水素を機器内に供給して、機器内を洗浄し、機器の出口側の系外放出部から不純物を含む水素を放出処理する。これにより、汚染された機器を洗浄でき、回復させることができる。
例えば、図示の実施形態では、図1、図2又は図3を参照し、蓄圧器4、14又は26に蓄圧されている水素を充填機(ディスペンサー)5、15、又は27により充填しているが、蓄圧器4、14又は26をバイパスして圧縮機3、13又は25と充填機5、15又は27とをつなぐバイパス通路を備え、圧縮機3、13又は25により直接充填できる構成の水素充填設備であってもよい。
また、図示の実施形態の水素ステーションでは、図2又は図3を参照し、圧縮機と蓄圧器とを中圧及び高圧の2段に設けているが、1段構成の水素充填設備であってもよい。更には圧縮機により直接充填する方式とした蓄圧器なしの水素充填設備であってもよい。
また、図示の実施形態では、水素出荷設備とオフサイト型水素ステーションとをつなぐ水素輸送用容器として、自走式の水素トレーラー6を用いたが、水素カードルを用いてもよい。水素カードルは、小型のボンベ(シリンダ)を束ねた形の水素輸送用容器で、車両により運搬される。
2、22 水素精製装置
3 圧縮機
4 蓄圧器
5 充填機
6 水素トレーラー
11、23 圧縮機
12、24 蓄圧器
13、25 圧縮機
14、26 蓄圧器
15、27 ディスペンサー(充填機)
28 FCV
101〜104、111〜112、121〜124 品質確認部
105、113、125 放出処理部
200 回復処理部
201、202 循環ライン
203、205、207、209〜211、212−1〜212−5、213−1〜213−5、214−1〜214−7、215、216、217、220 品質回復用の水素精製装置
204、206、208 減圧器
Claims (3)
- 水素を圧縮する圧縮機と、圧縮された水素を蓄圧する蓄圧器と、蓄圧されている水素を車両に充填する充填機と、を含んで構成される、水素充填設備であって、
水素ライン上の少なくとも1箇所で水素の品質確認を行う品質確認部と、
水素が規格外の場合に規格内となるように水素性状の回復処理を行う回復処理部と、
を更に含んで構成され、
前記回復処理部は、水素ライン上の各機器ごとに水素ライン外に品質回復用の水素精製装置を有し、各機器の出口側を水素ライン外の対応する水素精製装置を介して各機器の入口側に接続可能としたことを特徴とする、水素充填設備。 - 水素を圧縮する圧縮機と、圧縮された水素を蓄圧する蓄圧器と、蓄圧されている水素を車両に充填する充填機と、を含んで構成される、水素充填設備であって、
水素ライン上の少なくとも1箇所で水素の品質確認を行う品質確認部と、
水素が規格外の場合に規格内となるように水素性状の回復処理を行う回復処理部と、
を更に含んで構成され、
前記回復処理部は、水素ライン外に品質回復用の単一の水素精製装置を有し、水素ライン上の各機器の出口側を水素ライン外の水素精製装置を介して各機器の入口側に接続可能としたことを特徴とする、水素充填設備。 - 回復処理後に規格外の場合に、規格外の水素を系外に放出するように放出処理を行う放出処理部を更に含んで構成される、請求項1又は請求項2記載の水素充填設備。
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