JP6375023B2 - 超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料 - Google Patents

超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料 Download PDF

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Description

本発明は、超硬材料分野に関し、具体的には、超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料、及びその製造方法に関する。
ダイヤモンドは、眩しいジュエリーとして用いられるだけでなく、自然の材料の中で最も硬い硬度を有するため、工業で切替えない超硬材料となっている。また、ダイヤモンドは自然界で最も硬い物質として、「硬度の王様」とも呼ばれる。ダイヤモンドは、超高の硬度を有するだけでなく、感熱性、熱伝導、及び半導体等の優れた物性を更に有するため、例えば、工芸品、半導体デバイス、地質掘削用のドリル、工業中の切断、及び研削ツール等のような広い範囲で使用される。しかし、機械的性質の異方性と劈開面が存在されるため、単結晶のダイヤモンドの実際の応用では、ボトルネック(bottleneck)に出会い、その応用範囲も制限される。より広い範囲の工業的応用を獲得するため、多(ポリ)結晶ダイヤモンドと多(マルチ)結晶ダイヤモンドが合成された。
ダイヤモンドと結合剤を焼結すると、ダイヤモンド多(ポリ)結晶が得られる。ダイヤモンド粉末と結合剤(コバルト、ニッケル等の金属を含有する)を一定の比例で高温(1000〜2000℃)、高圧(5〜10万個大気圧)下で焼結すると、ダイヤモンド多(ポリ)結晶が得られる。焼結過程において、結合剤の加入により、ダイヤモンド結晶の間にはTiC、SiC、Fe、Co、Ni等を主な成分とする結合橋が形成されて、ダイヤモンド結晶が共有結合の形で、結合橋の骨格中に埋め込まれている。
単結晶ダイヤモンドに比べると、人工多(ポリ)結晶ダイヤモンドは、以下の利点がある。1)結晶粒はランダムであり、方向性がなく、硬度が均一である、2)強度、特に抗衝撃性の強度が強くて、高い切断量が用いられる、3)特定の形に製造でき、異なる加工需要に適用される、4)製品の性能が設計できるので、製品に必要な特性を与えることにより、ある特定の用途に適用される。従って、多(ポリ)結晶ダイヤモンドは単結晶ダイヤモンドに比べて切断カッターの製造により良く適用される。
結合剤の存在のため、このようなダイヤモンド多(ポリ)結晶の硬度(50〜70GPa)が低く、熱安定性が悪い。特に、金属結合剤が用いられる場合に、温度が600〜700℃に達すると、金属イオンは、ダイヤモンドがグラファイトになれるよう触媒作用をするため、ツールの有効性が失われる。結合剤によるカスク効果(cask effect)を解消するために、2003年日本のTetsuo Irifune等(文献:“Ultrahard polycrystalline diamond from graphite”,Nature,421,P599-600)は、超高圧高温技術を用いて12〜25GPaと2300〜2500℃条件下でグラファイトを直接的に結晶粒径が10〜200nmである超硬多結晶ダイヤモンドに変換させた。また、このような多結晶ダイヤモンドは、無色透明のバルクであり、ヌープ硬度(Knoop hardness)が最大140GPaに達し、ダイヤモンド単結晶の硬度(60〜100GPa)に比べて、当該超硬多結晶ダイヤモンドの硬度が明らかに高くて、異方性がない(即ち、各方向の硬度等の性能が全部同じである)。
2006年、独国のNatalia Dubrovinskaia等(文献:“Superior Wear Resistance of Aggregated Diamond Nanorods”,Nano Letters,2006,6,P824-826)は、高圧高温技術を用いて20GPaと2500K条件下でC60を直接的に結晶粒径が20nm程度である超硬多結晶ダイヤモンドに変換させた。このような多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度が最大127GPaに達し、その破壊靭性がダイヤモンド単結晶の破壊靭性(3.4〜5.0MPa・m0.5)に比べて2〜3倍高い11.1±1.2 MPa・m0.5に達する。そのため、結晶粒の微細化は、多結晶ダイヤモンドの性能を向上させる有効な方法である。
他の合成ダイヤモンドは、オニオンライクカーボン(Onion-like carbon:OLC)を原料として得られたダイヤモンドである。例えば、2003年7月29日に開示されている米国特許出願09/818,594(公開番号:US6599492B2)、VL Kuznetsov等の論文“Onion-like carbon from ultra-disperse diamond”,Chemical Physics Letters,1994,222,P343-348等には、当該オニオンライクカーボンの製造方法に関して詳しく記載されている。このような方法で製造されたオニオンライクカーボンは、そのコア部にダイヤモンド核が屡々残されている。また、オニオンライクカーボンは、高温高圧下でダイヤモンドに変換される。2009年、王明智等は、2〜6GPa、1000〜1600℃条件下でこのようなオニオンライクカーボンをポリダイヤモンドに変換させた(公開の中国特許出願番号:200910175257、公開番号:CN101723358A)。その中で、使用されたオニオンライクカーボンはダイヤモンド核を有し、得られた多(ポリ)結晶ダイヤモンドバルクの結晶粒径が20nm未満であり、ビッカース硬度(Vickers Hardness)が45〜61GPaで、硬度が低い。
多(ポリ)結晶ダイヤモンドと多(マルチ)結晶ダイヤモンドが既に合成されているが、工業界では、硬度が更に高く、靭性が更に高く、応用範囲が更に広い合成ダイヤモンドとその製造方法が求められている。
本発明は、超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料、及びその製造方法を提供する。
本発明は、以下の発見に基づいている。
我々の理論研究によると、Hall-Petch効果と量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)との共同作用により、超硬材料の硬度が有効的に向上される(Int.J.Refract.Met.Hard Mater.2012,33,P93-106)。この理論に基づき、我々はオニオンライク構造のナノ球状窒化ホウ素を原料として、高温高圧下で高密度双晶を有するナノ立方晶窒化ホウ素を獲得した。そのため、ナノ双晶構造の獲得が、超硬材料の硬度を明らかに向上させる新方法になっている(Nature,2013,493,P385-388)。これに基づき、通常使用されているグラファイトの代わりに無核オニオンライクカーボン粒子を原料とし、高温高圧下で、無核オニオンライクカーボンからダイヤモンドへの相転移過程で大量の双晶が生じされることにより、結晶粒が大きくなるのを防ぎ、高密度双晶構造のナノ立方晶ダイヤモンドが獲得できる。また、このようなナノ双晶立方晶ダイヤモンドは超高の硬度を有し、その硬度が単結晶ダイヤモンドと従来技術で知られている多結晶ダイヤモンドに比べると遥かに大きい。従来技術により、有核オニオンライクカーボンを原料として高温高圧合成を行う場合に、ダイヤモンド核が大きくなり易いので、高密度双晶構造の立方晶ダイヤモンド材料が獲得できない。
無核オニオンライクカーボン粒子を用いて超高硬度ナノ双晶ダイヤモンド材料を製造するのは、未だ報道されていない。また、ナノ双晶ダイヤモンドバルクの合成も報道されていない。
具体的に、本発明は、超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料の高圧下の製造による合成方法を開示し、前記方法は以下のステップを含む。
(1)無核オニオンライクカーボン粒子を原料として、金型に入れて、一定の形状を有するプレフォームに押し付ける。
(2)プレフォームを高圧合成金型に入れて、圧力4〜25GPa、温度1200〜2300℃の条件下で1〜120分間保温させる。
(3)圧力を放出し冷却させる。
オニオンライクカーボン(オニオンヘッドカーボンと呼ぶ文献もある)は、オニオンライク構造のナノ球状カーボンであり、最近開発された既知の材料である。そして、当該材料の性質、特徴、及び製造方法は、当業者に知られている。また、オニオンライクカーボンの主な製造方法は、例えば、Zhijun Qia等の論文“Graphitization and microstructure transformation of nanodiamond to onion-like carbon”,Scripta Materialia,2006,54,P225-229のように、ナノダイヤモンドを1400℃以上まで加熱させて得られ、このオニオンライクカーボンのコア部には普通ダイヤモンド核がある。しかし、本発明の原料は、そのコア部にダイヤモンド核のないオニオンライクカーボン、即ち、無核オニオンライクカーボンである。これらの無核オニオンライクカーボンは、本発明者の他の特許技術(特許出願番号が201310314469.8であり、その全文が引用によって本文に取り込まれる)により製造されている。
“オニオンライク構造”(“onion-like structure”,“オニオンヘッド構造”とも呼ばれる)は、結晶学分野で公知の構造である。即ち、電子顕微鏡で観察すると、これら粒子が多層の共心球状構造を有している。
簡単に言えば、本発明で使用されるオニオンライク構造のナノ球状カーボンは、このような球状カーボンの各層の結晶面が球面状であることと、その粒径が5〜70nm(10〜50nmが好ましい)範囲内に入り、粒径分布が均一であり、そのコア部にダイヤモンド核がないことと、を特徴とする粒子が球状に似ているナノレベルのカーボン材料である。当該材料は、特許出願番号201310314469.8に開示される方法で製造される。例えば、その製造方法は以下の方法であってもいい。カーボンブラックをアルコールに入れて懸濁液を調製し、調製された懸濁液を液流式粉砕機に入れる。液流式粉砕機は、懸濁液に高速噴流による乱流を生成させ、発振器を励起させて超音波、衝動波を生成させ、カーボンブラック懸濁液が数回押し付けられて変形された後、オニオンライク構造のナノ球状カーボンが得られる。また、このようなオニオンライクカーボンのコア部には、ダイヤモンド核がない。
より詳しく言うと、本発明で使用される無核オニオンライクカーボンは、以下の例示的な方法により製造できる。
(1)カーボンブラックを原料として、粒径が30〜100nmのカーボンブラック粉末をアルコール(analytically pure)の中に入れて、1〜30wt%濃度の懸濁液を調製する。
(2)懸濁液を超細粒化装置(例えば、廊坊ナノ機械有限会社が開発したPEL-20型超細粒化机上実験装置は、懸濁液の最大のパワーが1500kg/cm2、即ち、150MPaの圧力まで達するようにすることができる)で循環的な処理を行い、圧力100〜150MPaで循環的に50〜1000回実行させる。
(3)産物溶液を乾燥機に入れて、45〜60℃環境で3〜6時間乾燥させ、乾燥産物を粉末に粉砕した後、収集すると、粒径が5〜50nmのナノオニオンライクカーボンが得られる。
図1(a)は、例示的な無核オニオンライクカーボン粒子の電子顕微鏡写真である。
本発明の原料であるナノレベルの無核オニオンライクカーボン粒子として、粒径が5〜70nmであるのが好ましく、10〜50nmであるのが更に好ましい。反応原料として、その純度が90%以上であるのが好ましく、その純度が95%以上であるのが更に好ましい。
本発明方法の高温高圧合成前に必ず無核オニオンライクカーボン粉末を押し付けてプレフォームとする。例えば、窒素雰囲気のグローブボックスのような不活性ガス雰囲気が好ましい。
本発明の第2ステップの高温高圧合成で、使用される温度範囲が通常1200〜2300℃である。例えば、1300℃、1400℃、1500℃又は1600℃から1800℃、1900℃、2000℃又は2100℃までであり、また例えば1800〜2300℃であってもいい。使用される圧力の範囲は、通常4〜25GPaである。例えば、5、6、7、8、9、10、11又は12GPaから18、19、20、21、22、23、24又は25GPaまでである。反応時間は、通常キーポイントではなく、例えば、1〜600分、1〜240分、1〜120分、2〜120分、10-120分等であっても良く、使用される温度、圧力により調節させることができる。
高温高圧合成ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料の設備が既に知られているため、本発明の方法は、例えば、米国Rockland Research会社T25型1000トン高温高圧合成及び原位置高圧物理性能テストシステムのような知られている設備で行われる。
通常高温高圧合成を行う場合に、原料プレフォームを1つの高温高圧組立ブロックに入れ、そして原料プレフォームを有する高温高圧組立ブロックを、高温高圧合成設備の中に入れる。図2は、高温高圧組立ブロックを例示的に示す図である。その原理は、MgO等のセラムミックス粉末を用いて中心穴を有するバルク(T25システムでは、八面体である)に製造し、中心穴に試料と加熱体及び温度測定部品が入られ、MgOバルクを加圧で高密度化して、合成過程の圧力伝送と密封及び断熱等の作用を実現する。本発明の実施例で使用される高温高圧組立ブロックは米国Arizona州立大学で製造され、米国TJ Pegasus会社から購入され、合成中で10/5と8/3の2種類の規格の高温高圧合成ブロックが使用される。
ステップ(2)の高温高圧条件下で、無核オニオンライクカーボンが立方晶ダイヤモンドに変換される。前述のように、本発明で無核オニオンライクカーボン粒子を原料とするため、この過程において、球状結晶面を有する原料が立方相に変換する時に大量の双晶を形成することにより、結晶粒が大きくなるのが阻止され、知られている方法に比べて更に小さい(同効果)結晶粒サイズが形成され、そのため、その性能が大幅に向上される。
高温高圧合成後、圧力を放出し冷却させることにより、双晶ナノ立方晶ダイヤモンドバルクを含有する材料が得られる。これは、超硬ナノ双晶多結晶立方晶(又は複相)ダイヤモンドバルク材料であり、以下の特徴/性能の1種類又は複数の種類を有する。
1)ナノ双晶ダイヤモンドバルクは、ビッカース硬度が、例えば、155、160、165、170、175、180、190又は200GPaから280、290、300、310、320、330、340又は350GPaまでの155〜350GPaに達し、ヌープ硬度が、例えば、120、125、130、135又は140GPaから200、210、220、225、230、235又は240GPaまでの120〜240GPaに達する。
2)ナノ双晶ダイヤモンドバルクは、破壊靭性(K1C)が、例えば、17〜22MPa・m1/2、18〜21MPa・m1/2の10〜30MPa・m1/2である。
3)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの結晶粒のサイズが、例えば、2、4、5、6、8、10、12、15、18又は20nmから65、70、75、80、85、90又は95nmまでの2〜100nmである。
4)結晶粒内に高密度双晶構造を有し、双晶幅が1〜15nmである。
5)ナノ双晶ダイヤモンドバルクは、無色透明又は黒色不透明の結晶である。
6)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの体積が、例えば、1〜1500mm3、5〜1500mm3、5〜1000mm3、10〜1500mm3、10〜800mm3、10〜500mm3、又は10〜200mm3の1〜2000mm3である。
また、本発明は更に、内部が高密度双晶を有するナノ立方晶構造であり、結晶粒径が2〜100nmであり、ビッカース硬度が160〜350GPaであり、ヌープ硬度が140〜240GPaである超高硬度立方晶ダイヤモンドバルク材料(ナノ双晶ダイヤモンドバルク)に関する。
研究により、本発明の超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料の構造は、純立方晶閃亜鉛鉱構造の単相又は立方晶閃亜鉛鉱構造と少量の6Hダイヤモンド構造との2種類の高密度相で組成されるとともに、結晶粒内に大量の双晶距離が1〜15nmである双晶組織を有する。
本発明と従来技術とを比べると、獲得されるナノ双晶ダイヤモンドバルクは、普通の立方晶ダイヤモンド単結晶より遥かに高い硬度を有する。そのビッカース硬度が、最大単結晶ダイヤモンドの3倍ぐらいの350GPaに達し、ヌープ硬度が最大240GPaに達する。ナノ双晶ダイヤモンドバルクは、精密及び超精密加工分野、研摩用具と伸線ダイス及び特種光学デバイス等の分野で広い応用前景を有する。
本発明は、硬度が高い以外にも、更に以下の突出した得点と有益効果の1個又は複数を有する。
1)本発明は、工芸が簡単で、反応原料に対して特別な処理が要らなく、高圧合成パラーメータが制御し易い。
2)高温高圧合成方法でバルク材料が製造され、材料の密度が高い。
3)ナノ双晶立方晶(又は複相)ダイヤモンドバルクの体積が大きく、そのサイズの範囲が1〜2000mm3であってもいい。
4)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの破壊靭性(K1C)が10〜30MPa・m1/2である(例えば、17〜22MPa・m1/2)。
5)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの結晶粒のサイズが5〜100nmである。
6)ナノ双晶ダイヤモンドバルクが無色透明又は黒色不透明の結晶である。
図1(a)は、本発明に用いられる無核オニオンライクカーボン原料のTEM像を示す。図1(b)は、ナノダイヤモンドを加熱処理して得た有核オニオンライクカーボンのTEM像(VL Kuznetsov等の論文“Onion-like carbon from ultra-disperse diamond”,Chemical Physics Letters,1994,222,P343-348)を示す。 本発明に用いられる高温高圧組立ブロックを例示的に示す図である。 15GPaと1850℃の高圧高温下で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクを示す。 15GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトルを示す。 15GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのヌープ微小硬度を示す。 15GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクの高解像度電子顕微鏡像を示す。 15GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクの双晶を示す。 15GPaと2000℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクを示す。 15GPaと2000℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトルを示す。 15GPaと2000℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのヌープ微小硬度を示す。 12GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクを示す。 12GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトルを示す。 12GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのビッカース微小硬度を示す。 8〜15GPaと1200〜2000℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトルを示す。 15GPaと1850℃で合成されたナノ双晶ダイヤモンドバルクの熱性能を示す。
材料の準備
本発明で使用される原料である無核オニオンライクカーボン粒子は、特許出願番号201310314469.8の実施例1に開示される製造方法により製造できる。
(1)3gのカーボンブラックと、300mlのアルコール(analytically pure)を混合して懸濁液(1.27wt%)を調製して準備する。
(2)調製された懸濁液をPEL-20型超細粒化装置に入れる。懸濁液を超細粒化装置で150MPaの圧力下で循環的に400回実行させると、産物溶液が得られる。
(3)産物溶液を乾燥機に入れて、50℃環境で4時間乾燥させ、乾燥産物を粉末に粉砕した後、収集すると、無核ナノオニオンライクカーボンが得られる。
上述の製造方法を数回繰り返すと、十分な無核ナノオニオンライクカーボン原料が得られ、ダイヤモンドバルク材料の製造に用いられる。
高温高圧設備
R ockland Research会社が生産するT25高圧高温合成装置を使用する。
使用される高温高圧組立ブロックの構造は、図2に示される。
測定方法
X線回折スペクトル:D8 ADVANCE、独国ブルカー(Bruker)、X線波長0.154nm(Cu標的Kα)、スキャン速度0.2度/分。
電子顕微鏡測定:JEM-2010、日本電子光学株式会社、加速電圧200KV。
微小硬度計:KB-5 BVZ、独国KB Pruftechnik GmbH会社、測定負荷範囲:5kgf≦Vickers≧0.02kgf、1kgf≦Vickers≧0.1kgf。使用されるビッカース微小硬度圧子の対面角が136°30′であり、使用されるヌープ微小硬度圧子の対りょう角が170°30′と130°である。材料の硬度値が一定の圧力負荷範囲内で変化されるため、特に超硬材料にとって、材料の剛性が高く、小負荷作用下でくぼみの弾性歪みが大きいので、その硬度測定値が高くなる。負荷がある極限値に比べて大きい時だけに、材料硬度が固定の数値に近づく。そのため、本発明の新型超硬材料に対して、可変負荷形態で材料の硬度を測定すべきであり、その硬度値に対しては、負荷により変化しない領域の測定値を取るべきである。我々の全ての実験が可変負荷測定形態で行われるため、材料の真実の硬度値が得られる。
使用されるダイヤモンド圧子の形状が異なるため、顕微鏡はビッカース(Vickers)微小硬度とヌープ(Knoop)微小硬度との2種類に分けられる。ビッカース微小硬度は、対面角が136ーであるダイヤモンドの四角錐を圧子とし、その値が下記の式で計算される。HV=1854.4キP/d2(式において、HV−ビッカース硬度、GPa; P−負荷,N;d−くぼみの対角線の長さ、um)。ヌープ微小硬度は、対りょう角が170ー30と130ーであるダイヤモンドの四角錐を圧子とし、その値が下記の式で計算される。HK=14228.9キP/L2(式において、HK−ヌープ硬度、GPa;P−負荷,N;L−くぼみの対角線の長さ、um)。ビッカース硬度に比較すると、ヌープ硬度の圧痕は壊れ難く、同じ負荷時にヌープ硬度がビッカース微小硬度に比べて圧痕の対角線がもっと長く、引き起こされる測定誤差が小さい。
本発明をより良く理解させるために、以下では実施例を結び付けて本発明の内容に関して更に説明するが、本発明に内容は以下の実施例に限られない。
実施例1:ナノ双晶ダイヤモンドバルクの製造1
(1)高温高圧原料の準備:球状カーボン(オニオンライク構造)粉末(粒度:5〜30nm)を窒素雰囲気のグローブボックスに入れてφ1.6mm、長さ3mmのバルクに圧入して製造し、それを難溶金属Re坩堝内に密封させて準備する。
(2)高温高圧での合成:上述の予圧バルクを六方晶窒化ホウ素坩堝に入れ、そして高温高圧組立ブロックに入れ(図2)、組立ブロックをT25(又は立方体)超高圧高温合成装置に入れ、15Gpaの圧力と1850℃の温度条件下で30分間加熱して製造されたナノ双晶ダイヤモンドバルクは図3に示すようであり、ナノ双晶ダイヤモンドバルクの密度が3.5±0.1(g/cm3)である。
(3)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの性能:製造されるナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトルは図4に示すようであり、その相組成は純粋相の立方晶ダイヤモンドである。KB-5 BVZ顕微鏡硬度計で測定されるヌープ微小硬度の結果が図5に示すようであり、ヌープ微小硬度が200±8Gpaである。高解像度電子顕微鏡は図6に示すようであり、その平均的な結晶粒サイズとXRDとは結果が一致しており、格子像で結晶粒内部に大量の{111}双晶構造(図7)を含むのが発見できる。その中で、A、B、Cは双晶界であり、双晶幅が約2〜10nmであり、大量の観察により結晶粒内部の双晶密度が約20〜30%であるのが分かる。
実施例2:ナノ双晶ダイヤモンドバルクの製造2
(1)高温高圧原料の準備:球状カーボン(オニオンライク構造)粉末(粒度:5〜30nm)を窒素雰囲気のグローブボックスに入れてφ1.6mm、長さ3mmのバルクに原位置圧入して製造し、それを難溶金属Re坩堝内に密封させて準備する。
(2)高温高圧での合成:上述の予圧バルクを六方晶窒化ホウ素坩堝及び高温高圧組立ブロックに入れた後、T25又は立方体超高圧高温合成装置に入れ、15Gpaの圧力と2000℃の温度条件下で30分間加熱して製造されたナノ双晶ダイヤモンドバルクは図8に示すようである。
(3)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの性能:製造されるナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトル(XRD)は図9に示すようであり、その相組成は純粋相の立方晶ダイヤモンドであり、XRDで計算された平均結晶粒のサイズが10nmである。ヌープ微小硬度の測定結果は図10に示すようであり、その値が198±5Gpaである。
実施例3:ナノ双晶ダイヤモンドバルクの製造3
(1)高温高圧原料の準備:球状カーボン(オニオンライク構造)粉末(粒度:5〜30nm)を窒素雰囲気のグローブボックスに入れてφ1.6mm、長さ3mmのバルクに原位置圧入して製造し、それを難溶金属Re坩堝内に密封させて準備する。
(2)高温高圧での合成:上述の予圧バルクを六方晶窒化ホウ素坩堝に入れ、そして高温高圧組立ブロックに入れた後、T25又は立方体超高圧高温合成装置に入れ、12Gpaの圧力と1850℃の温度条件下で30分間加熱して製造されたナノ双晶ダイヤモンドバルクは図11に示すようである。
(3)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの性能:製造されるナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトル(XRD)は図12に示すようであり、その相組成は純粋相の立方晶ダイヤモンドであり、XRDで計算された平均結晶粒のサイズが8nmである。ビッカース微小硬度の測定結果は図13に示すようであり、その値が330±6Gpaである。
実施例4:ナノ双晶ダイヤモンドバルクの製造4
(1)高温高圧予圧バルクの準備:球状カーボン(オニオンライク構造)粉末(粒度:5〜30nm)を窒素雰囲気のグローブボックスに入れ冷間圧延して、φ2〜3mm×3〜5mmの12個の予圧バルクが製造され、グローブボックスの中で、それを難溶金属Re坩堝内に密封させて準備する。
(2)高温高圧での合成:上述の予圧バルクを六方晶窒化ホウ素坩堝及び高温高圧組立ブロックに入れた後、T25又は立方体超高温高圧合成装置に入れ、8〜15Gpaの圧力と1200〜2000℃の温度条件下で10分間加熱すると、複数のナノ双晶ダイヤモンドバルクが製造される。
(3)ナノ双晶ダイヤモンドバルクの性能:製造されるナノ双晶ダイヤモンドバルクのX線回折スペクトル(XRD)は図14に示すようであり、結果の分析によると、1600℃以上で合成される産物が純の立方相ナノ結晶ダイヤモンドバルクであり、1500℃以下で合成される産物が六方構造(graphite)と立方構造(diamond)とで構成された複相のダイヤモンドバルクである。XRDで計算された平均結晶粒のサイズが5〜40nmである。また、熱分析の結果は図15に示すようであり、開始快速酸化温度が1278℃であり、獲得されるナノ双晶ダイヤモンドバルクの破壊靭性(K1C)が17〜22MPa・m1/2である。
上記は、本発明の最適的な実施形態に過ぎなく、本発明の保護範囲はこれらに限られない。当業者が本発明に開示される技術範囲内で、容易に想到し得る変更又は切替は、本発明の保護範囲にカバーされる。そのため、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲を基準とすべきである。
本発明の明細書では、各種類成分の選択可能な材料が挙げられるが、当業者であれば、上記成分の材料の例示が限られたものではなく、数え切れるものでもなく、各種類の成分が発明の明細書に記載されていない他の同効果材料で交換されても本発明の目的に達することができるのが理解できるべきである。また、明細書に記載の具体的な実施例に対しても、只解釈且説明を目的とするだけで、本発明の範囲を制限するためではない。
また、本発明の各成分の用量範囲は、明細書に記載される任意の下限と任意の上限との組合せを含むだけでなく、各具体的な実施例において、当該成分の具体的な含量を上限又は下限として組合せて構成される任意の範囲を含んでもいい。また、これら範囲の全てが、本発明の範囲にカバーされるが、文章の長さを長過ぎなくするために、これら組合せによる範囲を明細書に一々例示してはいない。明細書に例示される本発明の各特徴は、本発明の他の任意の特徴と組み合せられ、これら組合せも本発明の開示範囲内に属するが、文章の長さを長過ぎなくするために、これら組合せによる範囲を明細書に一々例示してはいない。

Claims (3)

  1. 結晶粒径が2〜100nmであり、結晶粒の内部が高密度双晶を有するナノ立方晶構造であり、ビッカース硬度が155〜350GPaで、ヌープ硬度が140〜240GPaである超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料。
  2. 体積が1〜2000mm3であることを特徴とする請求項1に記載の超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料。
  3. 破壊靭性(K1C)が10〜30MPa・m1/2であることを特徴とする請求項1または2に記載の超高硬度ナノ双晶ダイヤモンドバルク材料。
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