JP6374404B2 - 磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置に関する。
強磁性層/非磁性層/強磁性層の3層構造を持つ磁気抵抗効果素子は、2つの強磁性層の磁化の相対方向に依存して抵抗が変化するため、特に平行に近い場合と反平行に近い場合の2つの状態をそれぞれ「0」または「1」に対応させることにより、磁化方向として情報を記録する磁気メモリセルとして使用される。情報読み取りは、素子抵抗を読み取ることにより行う。なお、非磁性層は、金属でも絶縁体でも良い。従来、磁気抵抗効果素子の書き替え方式(磁化反転方式)は複数あり、中でも強磁性層間に電圧を印加する電気的な書き込み方式が、高集積化および低消費電力化の観点から有利である。このような書き込み方式の代表的なものとして、スピン注入磁化反転方式と電界誘起磁化反転方式がある。
スピン注入磁化反転方式は、図11に示すように、強磁性層/非磁性層/強磁性層の3層構造を通して電流を印加し、角運動量の授受を介して磁化反転を行うものである。磁化反転方向は、電流の向きにより制御可能である。図11に示す一例では、下側電極が上側電極より磁化が反転しにくい固定層、上側電極を記録層とし、固定層側の端子Aに対して記録層側の端子Bに正電圧を印加した場合、電流は記録層側から固定層側に流れ、記録層の磁化方向は固定層の磁化方向と平行配置をとるように磁化反転する。端子Aに対して端子Bに負電圧を印加した場合には、記録層の磁化方向は固定層の磁化方向と反平行配置をとるように磁化反転する。
このように、スピン注入磁化反転方式においては、電流の方向により磁化反転方向が決まり、より大きな電流をより長い時間流すと情報書き込みに成功する確率が向上する。そのため、情報書き込みにおいては、最小限必要と予測される磁化反転時間よりも長い時間、電流を印加することで、情報書き込みの安定性を確保することができる。スピン注入磁化反転方式の磁化反転時間は、電流量を増加することにより減少させることができるが、磁化反転時間が1ns程度の領域では、書き込みに必要な電流が急激に大きくなることが知られている(例えば、非特許文献1または2参照)。素子に印加できる電流には上限があるため、現実的な書き込み時間は、数ns〜数10ns程度である。また、1つのメモリセルを一度書き換える際の消費電力は、ジュール熱によるエネルギー損失により決定され、高性能な磁気抵抗メモリセルについては、およそ1pJである。
なお、スピン注入磁化反転方式における消費電力を小さくするために、単一の電流パルスで磁化反転を行うために必要な大きさのしきい値電流よりも小さい第1の電流を印加した後、それよりも大きく、しきい値電流よりも小さい第2の電流を印加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
電界誘起磁化反転方式は、図12に示すように、強磁性層/絶縁層/金属層の3層構造を有するキャパシタ構造素子により行われる。図12に示す一例では、金属層側の端子Aと強磁性層側の端子Bとの間に電圧を印加することにより、強磁性層の磁気異方性を変化させ、矢印で示した方向に磁界を生じさせる。ここでは、強磁性層の磁化容易軸の方向を垂直方向とし、電圧印加により膜面平行の方向が磁化容易になるとして説明するが、面内磁化容易軸を持つ磁化に電圧を印加して膜面垂直方向の磁界を生じさせる配置でもよい(例えば、非特許文献3参照)。強磁性層の磁化は、生じた磁界を軸として歳差運動を行い、約半周期歳差運動したところで電圧を切り、磁化を再び垂直容易にすることにより、磁化反転を行うことができる(例えば、非特許文献4参照)。
電界誘起磁化反転方式での磁化反転時間は、数百psから1nsのオーダである。印加電圧の極性は、平行から反平行状態および反平行から平行状態への磁化反転の両方の場合で同一である。書き込み時には電圧振幅と印加時間(電圧パルス長)とを制御する必要があり、印加電圧振幅を固定した際に許される時間的誤差は、数十psのオーダである。また、絶縁層を介した素子抵抗が十分に大きく、ジュール熱によるエネルギー損失が小さい場合には、1つのメモリセルへ一度書き込む際に消費する電力は、強磁性層と金属層との間に電荷を貯めるために必要な電力であり、およそ1fJである。
D. Bedau et al., "Spin-transfer pulse switching: From the dynamic to the thermally activated regime", Appl. Phys. Lett., 2010, 97, 262502 M. Hosomi et al., "A novel nonvolatile memory with spin torque transfer magnetization switching: spin-ram", IEDM, 2005, pp. 459-462 Y. Shiota, T. Nozaki, F. Bonell, S. Murakami, T. Shinjo, and Y. Suzuki, "Induction of coherent magnetization switching in a few atomic layers of FeCo using voltage pulses", Nature Mater. 2012, 11, 39 S. Kanai, M. Yamanouchi, S. Ikeda, Y. Nakatani, F. Matsukura, and H. Ohno, "Electric field-induced magnetization reversal in a perpendicular-anisotropy CoFeB-MgO magnetic tunnel junction" , Appl. Phys. Lett., 2012, 101, 122403
特開2007−300079号公報
従来のスピン注入磁化反転方式による書き込み方式では、書き込み時間を長くすることで書き込みの信頼性を高めることができるが、電界誘起磁化反転方式と比べて、書き込み速度が遅く、消費電力も大きいという課題があった。特許文献1に記載の方法により消費電力を低減することができるが、数分の1程度の低減であり、やはり電界誘起磁化反転方式と比べると、書き込み速度が遅く、消費電力も大きい。また、スピン注入磁化反転方式では、電圧を印加してから磁化反転が始まるまでに、数分の1ns〜数ns程度の時間(不感時間)を要し、これも書き込み速度を高速化できない要因となっている。
電界誘起磁化反転方式による書き込み方式では、スピン注入磁化反転方式と比べて、数倍〜数十倍の書き込みの高速化、数百倍〜千倍程度の消費電力の低減が期待されるが、書き込みの信頼性を確保して安定した磁化反転を行うためには、数十psの精度で電圧印加時間を制御する必要があり、その精度で制御を行うのは非常に難しいという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、スピン注入磁化反転方式よりも書き込み速度が速く低消費電力であると同時に、制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、スピン注入磁化反転方式および電界誘起磁化反転方式の双方の特長を活かすことにより、スピン注入磁化反転方式よりも書き込み速度が速く、低消費電力で、電界誘起磁化反転方式よりも制御性が高い磁化反転方法が得られると考え、本発明に到った。
すなわち、第1の本発明に関する磁気抵抗効果素子の制御方法は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層とを有する磁気抵抗効果素子の制御方法であって、電界誘起磁化反転方式を行った後、スピン注入磁化反転方式を行うことにより、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させることを特徴とする。
第1の本発明に関する磁気抵抗効果素子の制御装置は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層とを有する磁気抵抗効果素子と、電界誘起磁化反転方式を行った後、スピン注入磁化反転方式を行うことにより、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させるよう設けられた制御手段とを、有することを特徴とする。
第1の本発明に関する磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用して第2の磁性層の磁化方向を概ね反転させておくことにより、スピン注入磁化反転方式のみで行う場合よりも書き込み速度が速く、低消費電力である。また、電界誘起磁化反転方式により第2の磁性層の磁化方向を反転させた後、スピン注入磁化反転方式でその磁化反転の成功確率を高めることができるため、電界誘起磁化反転方式を利用する際に高精度に電圧印加時間を制御する必要がない。このため、電界誘起磁化反転方式での制御が行いやすく、全体として制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる。
第1の本発明に関する磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用することにより、即座に磁化反転を開始することができる。このため、スピン注入磁化反転方式で発生していた不感時間がなくなり、書き込み速度を高速化することができる。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子の制御方法であって、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加することを、特徴とする。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御装置は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子と、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加するよう設けられた制御手段とを、有することを特徴とする。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えることが好ましい。第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御装置で、前記制御手段は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えるよう構成されていることが好ましい。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第2の磁性層を記録層として、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して平行または反平行に書き換えることにより、磁気抵抗効果素子に情報を記録することができる。ここで、第1の磁性層の磁化方向に対して平行および反平行とは、それぞれ第1の磁性層の磁化方向に対して平行に近い配置および反平行に近い配置のことであり、概ね平行および反平行から30°前後の幅の範囲である。第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、第2の磁性層の磁化方向が第1の磁性層の磁化方向に対して平行に近い配置または反平行に近い配置のとき、電界誘起磁化反転方式を利用して、第2の磁性層の磁化方向を反転することができる。すなわち、第1の磁性層と第2の磁性層との間に第1の電圧または第3の電圧を印加することにより、第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることができ、その変化した磁化容易軸を中心として、第2の磁性層の磁化が歳差運動を行う。約半周期歳差運動したところで、第1の電圧または第3の電圧より振幅が小さい第2の電圧または第4の電圧に切り替えることにより、第2の磁性層の磁化容易軸を元の方向に戻し、歳差運動を終わらせることができる。これにより、第2の磁性層の磁化方向は、約半周期の歳差運動をしている状態になっており、元の方向に対して反転した状態になっている。
次に、第1の磁性層と第2の磁性層との間に第2の電圧または第4の電圧を印加することにより、スピン注入磁化反転方式を利用して、磁化反転の成功確率を高め、安定した磁化反転を行うことができる。元の第2の磁性層の磁化方向が第1の磁性層の磁化方向に対して平行であったときには、第2の磁性層の磁化方向を第1の磁性層の磁化方向に対して反平行にしたいため、第1の磁性層から第2の磁性層に向かって電流が流れるよう第2の電圧を印加する。また、元の第2の磁性層の磁化方向が第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であったときには、第2の磁性層の磁化方向を第1の磁性層の磁化方向に対して平行にしたいため、第2の磁性層から第1の磁性層に向かって電流が流れるよう第4の電圧を印加する。これにより、反転した第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して平行または反平行に、さらに近づけることができる。
このように、第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用して第2の磁性層の磁化方向を概ね反転させておくため、スピン注入磁化反転方式のみで行う場合よりも書き込み速度が速く、低消費電力である。また、電界誘起磁化反転方式により第2の磁性層の磁化方向を反転させた後、スピン注入磁化反転方式でその磁化反転の成功確率を高めることができるため、電界誘起磁化反転方式を利用する際に高精度に電圧印加時間を制御する必要がない。このため、電界誘起磁化反転方式での制御が行いやすく、全体として制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用することにより、即座に磁化反転を開始することができる。このため、スピン注入磁化反転方式で発生していた不感時間がなくなり、書き込み速度を高速化することができる。なお、印加電圧を制御するための制御手段は、いかなる構成であってもよいが、例えば、直流電圧源からの電圧を、トランジスタを介してコンピュータ等により制御されたスイッチングにより印加することにより、第1乃至第4の電圧を印加するよう構成されていることが好ましい。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法で、前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加することが好ましい。また、第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御装置で、前記制御手段は、前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加するよう構成されていることが好ましい。より具体的には、第1の電圧および第3の電圧は、第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることができる大きさを有し、第2の磁性層の磁化の歳差運動の1/4周期より大きく3/4周期未満の継続時間を有していることが好ましい。これにより、電界誘起磁化反転方式を利用して第2の磁性層の磁化方向を概ね反転させておくことができ、後のスピン注入磁化反転方式で磁化反転を高確率かつ高速に完了させることができる。
第2の電圧および第4の電圧の大きさは、第2の磁性層の磁化容易軸の方向が変化しない範囲で、できるだけ大きいことが好ましい。また、情報書き込みに成功する確率を向上させるためには、継続時間は長い方が好ましいが、高速化及び低消費電力化のためにはできるだけ短い方が好ましい。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、歳差運動により第2の磁性層の磁化を反転させるためには、第1の電圧または第3の電圧による第2の磁性層の磁化容易軸の方向変化が、45度より大きく135度未満であることが必要であるが、第2の磁性層の磁化反転をより確実に行うために、第2の磁性層の磁化容易軸の方向を80度乃至100度変化させることが好ましい。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で、第1の磁性層および第2の磁性層は、Co、Fe、Ni、Mnなどの強磁性金属元素を少なくとも一つ含んだ材料で構成されることが好ましい。また、厚みに限定はないが、界面磁気異方性により磁化容易方向が決定される場合には、磁気異方性を電圧により制御し、磁化の容易軸方向を切り替えることのできる膜厚であることが望ましく、一例としてCoFeB/MgO接合一つ当たり0.5〜2nmが好ましい。絶縁層は、MgOやAlOなどの酸化物、または窒素、弗素などを一つ以上含む材料が好ましい。
第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で、前記絶縁層は、前記第1の磁性層および前記第2の磁性層の層厚方向に沿って、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されていることが好ましい。この場合、第1の磁性層と第2の磁性層との間に電圧をかけて制御しやすい。なお、第1の磁性層および第2の磁性層は、磁化方向が層厚方向に沿っていることが好ましい。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された非磁性層と、前記第2の磁性層に対して前記第1の磁性層とは反対側に配置された金属層と、前記第2の磁性層と前記金属層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子の制御方法であって、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加することを特徴とする。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御装置は、第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された非磁性層と、前記第2の磁性層に対して前記第1の磁性層とは反対側に配置された金属層と、前記第2の磁性層と前記金属層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子と、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加するよう設けられた制御手段とを、有することを特徴とする。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第2の磁性層と前記金属層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えることが好ましい。第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御装置で、前記制御手段は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第2の磁性層と前記金属層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えるよう構成されていることが好ましい。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第2の磁性層を記録層として、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して平行または反平行に書き換えることにより、磁気抵抗効果素子に情報を記録することができる。ここで、第1の磁性層の磁化方向に対して平行および反平行とは、それぞれ第1の磁性層の磁化方向に対して平行に近い配置および反平行に近い配置のことであり、概ね平行および反平行から30°前後の幅の範囲である。第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、磁気抵抗効果素子が、第2の磁性層を共通にして、第1の磁性層と非磁性層と第2の磁性層とを有する、図11に示すスピン注入磁化反転方式の構成と、第2の磁性層と絶縁層と金属層とを有する、図12に示す電界誘起磁化反転方式の構成とを組み合わせた構造を有している。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、まず、第2の強磁性層と金属層との間に第1の電圧または第3の電圧を印加することにより、電界誘起磁化反転方式を利用して、第2の磁性層の磁化方向を反転し、その後、第1の磁性層と第2の磁性層との間に第2の電圧または第4の電圧を印加することにより、スピン注入磁化反転方式を利用して、磁化反転の成功確率を高め、安定した磁化反転を行うことができる。このように、第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置と同様の原理で磁化反転操作を行うことができ、スピン注入磁化反転方式のみで行う場合よりも書き込み速度が速く、低消費電力で、電界誘起磁化反転方式よりも制御性が高い。また、他の特徴や効果も、第2の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置と同様のものが得られる。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で、第1の磁性層および第2の磁性層は、Co、Fe、Ni、Mnなどの強磁性金属元素を少なくとも一つ含んだ材料で構成されることが好ましい。また、厚みに限定はないが、界面磁気異方性により磁化容易方向が決定される場合には、磁気異方性を電圧により制御し、磁化の容易軸方向を切り替えることのできる膜厚であることが望ましく、一例としてCoFeB/MgO接合一つ当たり0.5〜2nmが好ましい。非磁性層は、どのような材料でも使用可能である。厚みは、第1の磁性層と第2の磁性層との交換結合を切るため3nm程度以上が好ましい。金属層は、例えば、AuやCr、Cu、Alなど低抵抗な材料が好ましい。絶縁層は、MgOやAlOなどの酸化物、窒素や弗素を一つ以上含む材料が好ましい。また、絶縁層の厚みは、ジュール熱によるエネルギー損失を防ぐため、高抵抗になる膜厚が望ましく、2nm以上が好ましい。
第3の本発明に係る磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で、前記非磁性層は、前記第1の磁性層および前記第2の磁性層の層厚方向に沿って、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置されており、前記絶縁層および前記金属層は、前記第1の磁性層および前記第2の磁性層の層厚方向に沿って、前記第2の磁性層に対して前記第1の磁性層とは反対側に積層されていることが好ましい。この場合、第1の磁性層と第2の磁性層との間、および第2の磁性層と金属層との間に電圧をかけて制御しやすい。なお、第1の磁性層および第2の磁性層は、磁化方向が層厚方向に沿っていることが好ましい。
本発明によれば、スピン注入磁化反転方式よりも書き込み速度が速く低消費電力であると同時に、制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置を提供することができる。
第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で使用する磁気抵抗効果素子を示す縦断面図である。 図1に示す磁気抵抗効果素子の実施例の縦断面図である。 図2に示す磁気抵抗効果素子に第1の電圧をかけたときの、第2の磁性層の磁化反転確率の電圧印加の継続時間依存性を示すグラフである。 図2に示す磁気抵抗効果素子の、様々な第1の電圧の継続時間tについての、第2の電圧の継続時間tに対する第2の磁性層の磁化反転確率を示すグラフである。 図1に示す磁気抵抗効果素子の、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して平行に近い状態から反平行に近い状態に書き換えるときの印加電圧波形を示すグラフである。 図1に示す磁気抵抗効果素子の、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して反平行に近い状態から平行に近い状態に書き換えるときの印加電圧波形を示すグラフである。 図2に示す磁気抵抗効果素子の、磁化反転確率が90%以上になるときの、第1の電圧の継続時間tおよび第2の電圧の継続時間tの領域を示すグラフである。 第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で使用する磁気抵抗効果素子を示す縦断面図である。 図8に示す磁気抵抗効果素子の、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して平行な状態から反平行な状態に書き換えるときの(a)端子B−端子C間、(b)端子A−端子B間の印加電圧を示すグラフである。 図8に示す磁気抵抗効果素子の、第2の磁性層の磁化方向を、第1の磁性層の磁化方向に対して反平行な状態から平行な状態に書き換えるときの(a)端子B−端子C間、(b)端子A−端子B間の印加電圧を示すグラフである。 従来のスピン注入磁化反転方式で使用する磁気抵抗効果素子を示す縦断面図である。 従来の電界誘起磁化反転方式で使用する磁気抵抗効果素子を示す縦断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で使用する磁気抵抗効果素子を示している。
図1に示すように、この磁気抵抗効果素子10は、第1の磁性層11と第2の磁性層12と絶縁層13とを有している。
第1の磁性層11は、磁化方向が層厚方向に沿っており、磁化方向が90°以上変化することはない。第2の磁性層12は、磁化方向が層厚方向に沿っており、第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に近い配置または反平行に近い配置に変化可能になっている。絶縁層13は、第1の磁性層11および第2の磁性層12の層厚方向に沿って、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に配置されている。
磁気抵抗効果素子10の制御方法を、図2に示す磁気抵抗効果素子10aを用いた実施例を参照しながら説明する。図2に示す磁気抵抗効果素子10aは、第1の磁性層11が層厚0.9nmのCoFeB層、第2の磁性層12が層厚1.8nmのCoFeB層、絶縁層13が層厚1.3nmのMgO層から成っている。また、第1の磁性層11の下に、上から順にTa層、Ru層、Ta層、サファイア層(Sapphire sub.)を有している。また、第2の磁性層12に上に、下から順に、Ta層、Ru層、Cr/Au層を有している。また、接合部の周囲に、AlO保護絶縁層を有している。
第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第2の磁性層12を記録層として、第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に近い配置または反平行に近い配置に書き換えることにより、磁気抵抗効果素子10に情報を記録することができる。まず、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に近い配置であるとき、端子Aと端子Bとの間、すなわち第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に第1の電圧をかける。第1の電圧は、第2の磁性層12の磁化容易軸の方向を変化させることができる大きさを有しており、これにより、図1中の矢印の方向の有効磁界が、電圧を印加する前に存在していた垂直方向の有効磁界に比して相対的に大きくなり、第2の磁性層12の磁化容易軸の方向が垂直方向から層面内方向にほぼ垂直に変化する。その変化した磁化容易軸を中心として、第2の磁性層12の磁化が歳差運動を行う。
図2に示す磁気抵抗効果素子10aでは、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に、第1の電圧として0.7Vの電圧をかけると、第2の磁性層12の磁化が歳差運動を行うため、図3に示すように、電圧印加継続時間に対して磁化反転確率が振動する。なお、図3の磁化反転確率は、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に近い状態の時に電圧を印加し、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行に近い状態になった確率を示している。また、図3では、印加した磁界の磁束密度は31mT、継続時間は5nsまでとしている。第2の磁性層12の磁化が約半周期歳差運動したところ、すなわち反転確率が最も高くなる時間の1.25ns付近で、第2の磁性層12の磁化容易軸が変化しない値以下に電圧を落とすことにより、第2の磁性層12の磁化容易軸を元の方向に戻し、歳差運動を終わらせることができる。これにより、第2の磁性層12の磁化方向は、約半周期の歳差運動をしている状態になっており、元の方向に対してほぼ反転した状態、すなわち第1の磁性層11の磁化方向に対してほぼ反平行の状態になっている。このように、電界誘起磁化反転方式を利用して、第2の磁性層12の磁化方向をほぼ反転することができる。
次に、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に、第1の磁性層11から第2の磁性層12に向かって電流が流れるよう、第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加する。第2の電圧の振幅は、第2の磁性層12の磁化容易軸が変化しない値であり、第1の電圧に引き続き印加されることが好ましい。第2の電圧の印加により、反転した第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行に、さらに近づけることができる。
図2に示す磁気抵抗効果素子10aに対して、第2の電圧として0.5Vの電圧をかけて反転確率を求めた結果を、図4に示す。図4には、0.7Vの第1の電圧をかけた時間tが0nsから1.25nsまでの様々な場合の、0.5Vの第2の電圧の継続時間tに対する磁化反転確率の変化を示している。図4の磁化反転確率は、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して平行状態の時に電圧を印加し、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行になっている確率を示している。図4に示すように、第2の電圧の印加により、第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行に、さらに近づけることができる。また、第1の電圧の継続時間tが、図3に示す磁化反転確率が最も高くなる時間の1.25nsに近づくほど、第2の電圧による磁化反転確率をより早く高めることができる。
また、図4に示すように、いずれのtに対しても、tを増大させることにより磁化反転確率は上昇するため、反平行配置に磁化を向けるトルク(磁化に働く力)がスピン注入によりもたらされていることがわかる。このように、第1の電圧に引き続き第2の電圧を印加することにより、スピン注入磁化反転方式を利用して、磁化反転の成功確率を高め、安定した磁化反転を行うことができる。
なお、図4に示すt=0nsの結果は、電界誘起磁化反転方式を利用しないスピン注入磁化反転方式に相当するものであり、このとき、t=10nsでも磁化反転確率は、0.9に到達していない。これに対し、t=1.25nsの場合には、t=0nsであっても、既に磁化反転確率は0.9を超えている。このことから、磁化反転確率として0.9(90%)を確保するときには、全体の書き込み時間t+tは、スピン注入磁化反転のみを利用した場合と比べて、8.75ns以上短縮することができる。
以上から、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、図5に示すように、継続時間tの第1の電圧を印加した後、継続時間tの第2の電圧を印加することにより、第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に近い状態から反平行に近い状態に書き換えることができる。
次に、第2の磁性層12の磁化方向が第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行に近い配置であるときにも、平行に近い配置から反平行に近い配置に書き換えるのと同じ原理で、平行に書き換えることができる。すなわち、まず、端子Aと端子Bとの間、すなわち第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に第3の電圧をかける。第3の電圧は、第1の電圧と同じ極性および同じ大きさであることが好ましい。このとき、図1中の矢印の方向に有効磁界が発生し、第2の磁性層12の磁化容易軸の方向が垂直方向から層面内方向にほぼ垂直に変化し、その変化した磁化容易軸を中心として、第2の磁性層12の磁化が歳差運動を行う。
約半周期歳差運動したところで、第2の磁性層12の磁化容易軸が変化しない値に電圧を変化させることにより、第2の磁性層12の磁化容易軸を元の方向に戻し、歳差運動を終わらせることができる。これにより、第2の磁性層12の磁化方向は、約半周期の歳差運動をしている状態になっており、元の方向に対してほぼ反転した状態、すなわち第1の磁性層11の磁化方向に対してほぼ平行の状態になっている。このように、電界誘起磁化反転方式を利用して、第2の磁性層12の磁化方向をほぼ反転することができる。
次に、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に、第2の磁性層12から第1の磁性層11に向かって電流が流れるよう、第3の電圧より小さい第4の電圧を印加する。第4の電圧は、第2の磁性層12の磁化容易軸が変化しない値であり、第3の電圧に引き続き印加されることが好ましい。また、第4の電圧は、第2の電圧に対して、極性が反対である。第4の電圧の印加により、反転した第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して平行に、さらに近づけることができる。このように、第3の電圧に引き続き第4の電圧を印加することにより、スピン注入磁化反転方式を利用して、磁化反転の成功確率を高め、安定した磁化反転を行うことができる。
以上から、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、図6に示すように、継続時間tの第3の電圧を印加した後、継続時間tの第4の電圧を印加することにより、第2の磁性層12の磁化方向を、第1の磁性層11の磁化方向に対して反平行に近い状態から平行に近い状態に書き換えることができる。
図2に示す磁気抵抗効果素子10aに対して、磁化反転確率が90%以上になるtおよびtの領域を求め、図7に示す。図7では、t=0のとき(縦軸上)がスピン注入磁化反転方式のみの場合、t=0のとき(横軸上)が電界誘起磁化反転方式のみの場合に相当する。磁化反転確率90%以上を確保するとき、t=0の電界誘起磁化反転方式のみの場合には、tが1.1ns〜1.4nsの間に電圧制御を行う必要があり、0.3nsの誤差しか許されない。これに対し、スピン注入磁化反転方式と電界誘起磁化反転方式とを併用した場合には、例えば、t=4nsのとき、tの許容誤差(制御マージン)は1.0nsとなり、電界誘起磁化反転方式のみの場合と比べて、制御性が大幅に向上することがわかる。
また、磁化反転確率90%以上を確保するとき、t=0のスピン注入磁化反転方式のみの場合には、書き込み時間t(=0)+tが10ns以上必要である。これに対し、スピン注入磁化反転方式と電界誘起磁化反転方式とを併用した場合には、例えば、t=4nsのとき、書き込み時間t+tは4.6〜5.6nsとなり、スピン注入磁化反転方式のみの場合と比べて、4〜5ns以上短縮できることがわかる。さらに、スピン注入磁化反転方式のエネルギー消費量は書き込み時間に比例するため、高速化により消費電力を低減することもできる。
このように、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用して第2の磁性層12の磁化方向を概ね反転させておくため、スピン注入磁化反転方式のみで行う場合よりも書き込み速度が速く、低消費電力である。また、電界誘起磁化反転方式により第2の磁性層12の磁化方向を反転させた後、スピン注入磁化反転方式でその磁化反転の成功確率を高めることができるため、電界誘起磁化反転方式を利用する際に高精度な磁化反転を行う必要がない。このため、電界誘起磁化反転方式での制御が行いやすく、全体的に制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる。
第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置では、スピン注入磁化反転方式を利用する前に、電界誘起磁化反転方式を利用することにより、即座に磁化反転を開始することができる。このため、スピン注入磁化反転方式で発生していた不感時間がなくなり、書き込み速度を高速化することができる。
第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、電界誘起磁化反転方式を利用して第2の磁性層12の磁化方向を概ね反転させておくために、第1の電圧および第3の電圧を、それぞれ第2の磁性層12の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するだけの時間、すなわち、第2の磁性層12の磁化の歳差運動の1/4周期より大きく3/4周期未満の継続時間、印加することが好ましい。これにより、後のスピン注入磁化反転方式で磁化反転を高確率かつ高速で完了させることができる。
第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で、第2の電圧および第4の電圧の大きさは、第2の磁性層12の磁化容易軸の方向が変化しない範囲で、できるだけ大きいことが好ましい。また、情報書き込みに成功する確率を向上させるためには、継続時間は長い方が好ましいが、高速化及び低消費電力化のためにはできるだけ短い方が好ましい。なお、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御装置では、制御手段により磁気抵抗効果素子10の制御を行うようになっている。
図8乃至図10は、第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置で使用する磁気抵抗効果素子を示している。
図8に示すように、この磁気抵抗効果素子20は、第1の磁性層21と第2の磁性層22と非磁性層23と金属層24と絶縁層25とを有している。
第1の磁性層21は、磁化方向が第2の磁性層に比して変化させにくい。第2の磁性層22は、磁化方向が第1の磁性層21の磁化方向に対して平行に近い配置または反平行に近い配置に変化させることが、第1の磁性層に比して容易になっている。非磁性層23は、第1の磁性層21および第2の磁性層22の層厚方向に沿って、第1の磁性層21と第2の磁性層22との間に配置されている。金属層24は、第2の磁性層22に対して第1の磁性層21とは反対側に配置されている。絶縁層25は、第1の磁性層21および第2の磁性層22の層厚方向に沿って、第2の磁性層22と金属層24との間に配置されている。
磁気抵抗効果素子10は、第2の磁性層22を共通にして、第1の磁性層21と非磁性層23と第2の磁性層22とを有する、図11に示すスピン注入磁化反転方式の構成と、第2の磁性層22と絶縁層25と金属層24とを有する、図12に示す電界誘起磁化反転方式の構成とを組み合わせた構造を有している。
第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第2の磁性層22を記録層として、第2の磁性層22の磁化方向を、第1の磁性層21の磁化方向に対して平行に近い配置または反平行に近い配置に書き換えることにより、磁気抵抗効果素子20に情報を記録することができる。第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置と同様の原理で磁化反転操作を行うことができる。以下の説明では、第1の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置と重複する説明は省略する。
すなわち、まず、第2の磁性層22の磁化方向が第1の磁性層21の磁化方向に対して平行であるとき、図9に示すように、端子Bと端子Cとの間、すなわち第2の磁性層22と金属層24との間に第1の電圧をかける。これにより、図8中の矢印の方向に有効磁界が発生し、第2の磁性層22の磁化容易軸の方向が垂直方向から層面内方向にほぼ垂直に変化し、その変化した磁化容易軸を中心として、第2の磁性層22の磁化が歳差運動を行う。約半周期歳差運動したところで、第1の電圧の印加を止め、端子Aと端子Bとの間、すなわち第1の磁性層21と第2の磁性層22との間に第1の電圧より振幅の小さい第2の電圧をかける。これにより、第2の磁性層22の磁化容易軸を元の方向に戻して歳差運動を終わらせ、第2の磁性層22の磁化方向を、元の方向に対してほぼ反転した状態、すなわち第1の磁性層21の磁化方向に対してほぼ反平行の状態にすることができる。
また、第1の電圧に引き続き、第1の磁性層21から第2の磁性層22に向かって電流が流れるよう、第2の電圧を印加することにより、反転した第2の磁性層22の磁化方向を、第1の磁性層21の磁化方向に対して反平行に、さらに近づけることができる。
このように、第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、図9に示すように、継続時間tの第1の電圧を印加した後、継続時間tの第2の電圧を印加することにより、第2の磁性層22の磁化方向を、第1の磁性層21の磁化方向に対して平行に近い状態から反平行に近い状態に書き換えることができる。
次に、第2の磁性層22の磁化方向が第1の磁性層21の磁化方向に対して反平行に近い配置であるときにも、平行に近い配置から反平行に近い配置に書き換えるのと同じ原理で、平行に近い配置に書き換えることができる。すなわち、まず、図10に示すように、端子Bと端子Cとの間、すなわち第2の磁性層22と金属層24との間に第3の電圧をかける。これにより、図8中の矢印の方向に有効磁界が発生し、第2の磁性層22の磁化容易軸の方向が垂直方向から層面内方向にほぼ垂直に変化し、その変化した磁化容易軸を中心として、第2の磁性層22の磁化が歳差運動を行う。約半周期歳差運動したところで、第3の電圧の印加を止め、端子Aと端子Bとの間、すなわち第1の磁性層21と第2の磁性層22との間に第3の電圧より振幅の小さい第4の電圧をかける。これにより、第2の磁性層22の磁化容易軸を元の方向に戻して歳差運動を終わらせ、第2の磁性層22の磁化方向を、元の方向に対してほぼ反転した状態、すなわち第1の磁性層21の磁化方向に対してほぼ平行の状態にすることができる。
また、第3の電圧に引き続き、第2の磁性層22から第1の磁性層21に向かって電流が流れるよう、第4の電圧を印加することにより、反転した第2の磁性層22の磁化方向を、第1の磁性層21の磁化方向に対して平行に、さらに近づけることができる。
このように、第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、図10に示すように、継続時間tの第3の電圧を印加した後、継続時間tの第4の電圧を印加することにより、第2の磁性層22の磁化方向を、第1の磁性層21の磁化方向に対して反平行に近い状態から平行に近い状態に書き換えることができる。
このように、第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御方法および磁気抵抗効果素子の制御装置は、まず、第2の強磁性層と金属層24との間に第1の電圧または第3の電圧を印加することにより、電界誘起磁化反転方式を利用して、第2の磁性層22の磁化方向を反転し、その後、第1の磁性層21と第2の磁性層22との間に第2の電圧または第4の電圧を印加することにより、スピン注入磁化反転方式を利用して、磁化反転の成功確率を高め、安定した磁化反転を行うことができる。このため、スピン注入磁化反転方式のみで行う場合よりも書き込み速度が速く、低消費電力である。また、電界誘起磁化反転方式での制御が行いやすく、全体的に制御性が高く安定した磁化反転操作を行うことができる。
また、磁気抵抗効果素子20は、絶縁層25の抵抗を調節して十分に高抵抗にすることにより、電界誘起磁化反転方式の際の消費電力を大幅に低減しながら、磁気抵抗効果素子としての機能を保つことができ、磁気抵抗効果素子10よりも、消費電力の低減効果が大きい。なお、第2の本発明の実施の形態の磁気抵抗効果素子の制御装置では、制御手段により磁気抵抗効果素子20の制御を行うようになっている。
10、10a 磁気抵抗効果素子
11 第1の磁性層
12 第2の磁性層
13 絶縁層

20 磁気抵抗効果素子
21 第1の磁性層
22 第2の磁性層
23 非磁性層
24 金属層
25 絶縁層

Claims (14)

  1. 第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子の制御方法であって、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加することを、
    特徴とする磁気抵抗効果素子の制御方法。
  2. 前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子の制御方法。
  3. 前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加することを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子の制御方法。
  4. 前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させて、その変化した磁化容易軸を中心として前記第2の磁性層を歳差運動させると共に、前記第1の電圧および前記第3の電圧の継続時間を、前記歳差運動の1/10周期乃至3/10周期とすることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子の制御方法。
  5. 第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された非磁性層と、前記第2の磁性層に対して前記第1の磁性層とは反対側に配置された金属層と、前記第2の磁性層と前記金属層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子の制御方法であって、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加することを、
    特徴とする磁気抵抗効果素子の制御方法。
  6. 前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第2の磁性層と前記金属層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えることを特徴とする請求項5記載の磁気抵抗効果素子の制御方法。
  7. 前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加することを特徴とする請求項5または6記載の磁気抵抗効果素子の制御方法。
  8. 第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子と、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加するよう設けられた制御手段とを、
    有することを特徴とする磁気抵抗効果素子の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えるよう構成されていることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗効果素子の制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加するよう構成されていることを特徴とする請求項8または9記載の磁気抵抗効果素子の制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させて、その変化した磁化容易軸を中心として前記第2の磁性層を歳差運動させると共に、前記第1の電圧および前記第3の電圧の継続時間を、前記歳差運動の1/10周期乃至3/10周期とするよう構成されていることを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗効果素子の制御装置。
  12. 第1の磁性層と、磁化方向が前記第1の磁性層と比べて変化させやすい第2の磁性層と、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に配置された非磁性層と、前記第2の磁性層に対して前記第1の磁性層とは反対側に配置された金属層と、前記第2の磁性層と前記金属層との間に配置された絶縁層とを有する磁気抵抗効果素子と、
    前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第1の電圧を印加した後、前記第1の磁性層から前記第2の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第1の電圧より振幅が小さい第2の電圧を印加し、前記第2の磁性層の磁化方向が前記第1の磁性層の磁化方向に対して反平行であるとき、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させることにより磁化方向を反転させるよう、前記第2の磁性層と前記金属層との間に第3の電圧を印加した後、前記第2の磁性層から前記第1の磁性層に向かって電流が流れるよう、前記第1の磁性層と前記第2の磁性層との間に前記第3の電圧より振幅が小さい第4の電圧を印加するよう設けられた制御手段とを、
    有することを特徴とする磁気抵抗効果素子の制御装置。
  13. 前記制御手段は、前記第2の磁性層の磁化方向を反転させる工程において、前記第2の磁性層と前記金属層との間に前記第1の電圧または前記第3の電圧を印加することにより、前記第2の磁性層の磁化容易軸の方向を変化させ、その変化した磁化容易軸を中心として歳差運動を行う前記第2の磁性層の磁化が反転したとき、前記第1の電圧または前記第3の電圧を、前記第2の電圧または前記第4の電圧に切り替えるよう構成されていることを特徴とする請求項12記載の磁気抵抗効果素子の制御装置。
  14. 前記制御手段は、前記第1の電圧および前記第3の電圧として、それぞれ前記第2の磁性層の磁化方向が元の方向から90度より大きく270度未満の範囲で回転するよう、所定の大きさ以上の電圧を所定の時間印加するよう構成されていることを特徴とする請求項12または13記載の磁気抵抗効果素子の制御装置。
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