以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による制御装置、その制御装置を用いた車両制御システム、及び、その制御装置を用いた車両制御方法を図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。図2は、開閉体の開閉スイッチを示す図である。図3は、ワイヤレスリモートコントローラを示す図である。図4乃至図6は、本実施形態による車両の一部を示す側面図である。
本実施形態による車両制御システム10は、例えば、第1の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)、即ち、第1の制御装置14と、第2の電子制御ユニット、即ち、第2の制御装置16とを有している。第1の制御装置14は、撮像装置48を用いて順次取得される画像(動画像)を取り扱う役割を果たす。具体的には、第1の制御装置14は、バックモニタシステムの制御を行うとともに、開閉体68の軌道上における障害物の有無を検出する。第2の制御装置16は、主として、開閉体68を制御する役割を果たす。
第1の制御装置14は、第1の制御部14と捉えることもできる。また、第2の制御装置16は、第2の制御部と捉えることもできる。第1の制御部14と第2の制御部16とが相俟って制御装置12が構成されていると捉えることもできる。
なお、本実施形態では、第1の制御装置14と第2の制御装置16とが別個に形成されている場合を例に説明するが、第1の制御装置14と第2の制御装置16とが一体に形成されていてもよい。
開閉体68は、車両2(図4参照)に複数設けられているが、図1においては、車両2に設けられた複数の開閉体68のうちの1つを図示している。開閉体68としては、例えばスイングドア、スライドドア、バックドア等が挙げられる。スイングドアは、例えば、車両2の前部座席(図示せず)に対応するように、車両の左右にそれぞれ設けられている。スライドドアは、例えば、車両2の後部座席(図示せず)に対応するように、車両2の左右にそれぞれ設けられている。スライドドアとしては、モータの動力を用いて自動で開閉し得るスライドドアが設けられている。かかるスライドドアは、パワースライドドアとも称される。バックドアは、車両2の後部に設けられている。バックドアとしては、モータ62の動力を用いて自動で開閉し得るバックドアが設けられている。かかるバックドアは、パワーバックドアとも称される。
車両2には、バックドア68を駆動するための一対のアクチュエータ(駆動ユニット)70が設けられている。アクチュエータ70は、ダンパ式のアクチュエータである。アクチュエータ70内には、モータ62が内蔵されている。モータ62をある方向に回転させると、アクチュエータ70が長手方向に伸びるようになっている。一方、モータ62を反対方向に回転させると、アクチュエータ70が縮むようになっている。モータ62を適宜駆動させることにより、アクチュエータ70を伸縮させることができ、これにより、バックドア68を開閉させることができる。
第1の制御装置14は、入力部18、制御部(CPU:Central Processing Unit)20、メモリ22、及び、出力部24を有している。入力部18、制御部20、メモリ22、及び、出力部24は、バスライン26を介して相互に信号(データ)を入出力し得る。
第1の制御装置14の入力部18には、バックドア68の開閉操作を行うためのバックドア開閉スイッチ(操作手段)28からの信号が入力されるようになっている。
また、第1の制御装置14の入力部18には、レシーバ制御部34からの信号が入力されるようになっている。レシーバ制御部34は、ワイヤレスリモートコントローラ(スマートキー、認証キー)36から発せられる無線信号を受信し、ワイヤレスリモートコントローラ36の操作内容に応じた信号を出力するものである。
ワイヤレスリモートコントローラ36は、車両に設けられた各々の開閉体68のロックやロック解除を、車両の外部から行う際に用いられる。また、ワイヤレスリモートコントローラ36は、各々の開閉体68の開閉操作を車両の外部から行う際にも用いられる。
ワイヤレスリモートコントローラ36には、車両に設けられた各々の開閉体68のロックを行うためのロックスイッチ38、及び、これらの開閉体68のロック解除を行うためのロック解除スイッチ40が設けられている。また、ワイヤレスリモートコントローラ36には、左側のパワースライドドアの開閉操作のための左側ドア開閉スイッチ42、右側のパワースライドドアの開閉操作のための右側ドア開閉スイッチ44が設けられている。また、ワイヤレスリモートコントローラ36には、パワーバックドアの開閉操作のためのバックドア開閉スイッチ46が設けられている。ワイヤレスリモートコントローラ36に設けられたバックドア開閉スイッチ46が操作されると、バックドア開閉スイッチ46が操作されたこと示す無線信号がワイヤレスリモートコントローラ36から発信される。ワイヤレスリモートコントローラ36から発信される無線信号は、レシーバ制御部34により受信され、バックドア開閉スイッチ46が操作されたことを示す信号が入力部18に入力される。
第1の制御装置14の入力部18には、撮像装置48により順次取得される画像の信号が入力されるようになっている。より具体的には、撮像装置48により取得される動画像が入力部18に入力されるようになっている。撮像装置48は、開閉体68の軌道上における障害物の有無を検出するための画像の取得に用いられる。従って、開閉体68の軌道上における障害物の有無を検出し得るように、撮像装置48の取付け位置や向きが設定される。撮像装置48は、例えば開閉体68に配されている。ここでは、例えばバックドア68に撮像装置48を配する。
なお、ここでは、撮像装置48を開閉体68に配する場合を例に説明するが、撮像装置48を必ずしも開閉体68に配さなくてもよい。開閉体68の軌道上における障害物の検出が可能な箇所に、撮像装置48を適宜配することができる。
開閉体68の軌道上に障害物が存在していても、当該障害物に開閉体68が衝突しなければ特段の問題は生じない。即ち、開閉体68が障害物に衝突しない範囲内であれば、開閉体68を開閉させても特段の問題は生じない。従って、開閉体68が障害物に衝突する前の段階で、当該障害物が検出できればよい。即ち、開閉体68が障害物にある程度接近した段階で、当該障害物を検出できればよい。開閉体68が障害物に衝突する前の段階で障害物を検出することができればよいため、開閉体68が障害物から十分に離れている状態においては、撮像装置48の撮像視野内に障害物が入らなくてもよい。
本実施形態では、バックドア68を開作動させる際に、バックドア68が障害物に衝突するのを防止する。このため、本実施形態では、バックドア68を開作動させる際におけるバックドア68の軌道上における障害物の有無を検出する。従って、撮像装置48は、バックドア68を開作動させる際における障害物の有無を検出し得る箇所に適宜配される。ここでは、例えば、バックドア68に付されたエンブレム(図示せず)の近傍に撮像装置48を配する(図4参照)。
第1の制御装置14の制御部20は、第1の制御装置14の全体の制御を司るものである。制御部20は、撮像装置48から入力部18を介して順次入力される画像のデータを、メモリ22に順次記憶する。制御部20は、撮像装置48により順次取得される画像に基づいて、開閉体68の軌道上における障害物の有無を検出する。
制御部20は、順次取得される画像の変化に基づいて、開閉体68の軌道上における障害物の有無を検出する。例えば、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像とを比較し、今回取得した画像が所定時間tだけ前に取得した画像に対して著しく変化している場合には、障害物が存在すると判断する。ところで、開閉体68は徐々に開閉しているため、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像との間には、開閉体68の開閉に起因した変化が存在する。従って、開閉体68の開閉に起因して生ずる画像の変化と障害物に起因して生ずる画像の変化とを、区別することが重要である。例えば、予めしきい値を設けておき、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像との相違量がしきい値を下回る場合には、開閉体68の開閉に起因するものであると判断する。一方、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像との相違量がしきい値を超える場合には、障害物に起因するものであると判断する。なお、所定時間tは、特に限定されるものではないが、例えば、100ミリ秒程度とする。
なお、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像とを比較する際、画像データ同士を比較してもよいし、画像処理後のデータ同士を比較してもよい。例えば、今回取得した画像の輝度の平均値と所定時間tだけ前に取得した画像の輝度の平均値とを比較するようにしてもよい。また、今回取得した画像と所定時間tだけ前に取得した画像とを比較し、著しく画像が変化している箇所の有無に基づいて、障害物の有無を検出してもよい。また、順次取得される画像を用いた障害物の有無の検出は、これらの手法に限定されるものではなく、様々な手法を適用し得る。
制御部20は、開閉体68の軌道上に障害物を検出した場合には、開閉体68の軌道上に障害物を検出したことを示す信号、即ち、障害物検出信号を、出力部24を介して第2の制御装置16に出力する。一方、制御部20は、開閉体68の軌道上に障害物を検出していない場合には、開閉体68の軌道上に障害物を検出していないことを示す信号、即ち、障害物不検出信号を、出力部24を介して第2の制御装置16に出力する。
第2の制御装置16は、入力部50、制御部(CPU)52、メモリ54、及び、出力部56を有している。入力部50、制御部52、メモリ54、及び、出力部56は、バスライン58を介して相互に信号を入出力し得る。
第2の制御装置16の入力部50には、各々の開閉体68の開閉操作を行うためのスイッチ(操作手段)28,30,32からの信号が入力されるようになっている。具体的には、パワーバックドア68の開閉操作を行うためのバックドア開閉スイッチ28からの信号が、入力部50に入力されるようになっている。また、左側のパワースライドドアの開閉操作を行うための左側ドア開閉スイッチ30からの信号が、入力部50に入力されるようになっている。また、右側のパワースライドドアの開閉操作を行うための右側ドア開閉スイッチ32からの信号が、入力部50に入力されるようになっている。
また、第2の制御装置16の入力部50には、第1の制御装置14から出力される障害物検出信号や障害物不検出信号が入力されるようになっている。
また、第2の制御装置16の入力部50には、レシーバ制御部34から出力される信号が入力されるようになっている。また、第2の制御装置16の入力部50には、バックソナー60から出力される信号が入力されるようになっている。
第2の制御装置16の制御部52は、第2の制御装置16の全体の制御を司るものである。制御部52は、出力部56を介して開閉体68の作動の制御を行う。車両には複数の開閉体68が設けられており、各々の開閉体68に対して設けられたアクチュエータ(開閉機構)70には、アクチュエータ70を駆動するためのモータ62がそれぞれ設けられている。また、各々の開閉体68に設けられたクローザ機構67には、クローザモータ66がそれぞれ設けられている。図1においては、複数のモータ62のうちの1つを図示している。また、図1においては、複数のクローザモータ66のうちの1つを図示している。モータ62は、開閉体68に対して設けられたアクチュエータを駆動し、これにより、開閉体68の開閉を行うためのものである。クローザモータ66は、開閉体68に設けられたクローザ機構67を駆動し、これにより、開閉体68のロックやロック解除を行うためのものである。制御部52は、各々のモータ62を駆動するための信号を、出力部56を介して適宜出力する。また、制御部52は、各々のクローザモータ66を駆動するための信号を、出力部56を介して適宜出力する。
第2の制御装置16の入力部50には、各々のモータ62に設けられたパルスセンサ64からの信号が入力されるようになっている。パルスセンサ64は1つのモータ62に対して複数設けられているが、図1においては、複数のパルスセンサ64のうちの1つを図示している。1つのモータ62に対して複数のパルスセンサ64を設けているのは、複数のパルスセンサ64の出力信号における位相の関係を観測することにより、開閉体68が開作動中であるか閉作動中であるかを判定するためである。制御部52は、パルスセンサ64の出力信号に基づいて、開閉体68が作動しているか否かを検出する。また、制御部52は、複数のパルスセンサ64の出力信号における位相の関係に基づいて、開閉体68の作動方向、即ち、開作動の方向か閉作動の方向かを検出する。また、制御部52は、パルスセンサ64の出力信号に基づいて、開閉体68の変位量を検出する。開閉体68の作動方向と変位量とを検出し得るため、制御部50は、開閉体68の位置を検出することができる。
第2の制御装置16の制御部52は、開閉体68の軌道上における障害物の有無に応じて、開閉体68の作動を制御する。より具体的には、バックドア68が停止している状態において、バックドア68の軌道上に障害物があることが検出された場合には、バックドア開閉スイッチ28、46が押下されても、制御部52はバックドア68を作動させない。また、バックドア68が停止しており、且つ、バックドア68の軌道上に障害物が検出されていない場合には、バックドア開閉スイッチ28、46が押下された際に、制御部52はバックドア68を作動させる。また、バックドア68が作動している状態において、バックドア68の軌道上に障害物があることが検出された場合には、制御部52はバックドア68を停止させる。また、バックドア68が作動している状態において、バックドア68の軌道上に障害物が検出されていない場合には、制御部52はバックドア68の作動を継続させる。なお、バックドア68の軌道上における障害物の有無は、第1の制御装置14から出力される上述した障害物検出信号や障害物不検出信号により判定し得る。
第2の制御装置16の制御部52は、バックソナー60から出力される信号をも用いて、開閉体68の開閉の可否を判断してもよい。即ち、バックソナー60が障害物を検出している場合には、バックドア開閉スイッチ28、46が押下されても、制御部52はバックドア68を作動させないようにしてもよい。
次に、本実施形態による車両制御システムの動作について図4乃至図6を用いて説明する。
図4は、バックドア68の軌道上に障害物が存在していない場合を示している。図4には、バックドア68が完全に閉じている状態ST1、バックドア68が途中まで開いた状態ST2、及び、バックドア68が最後まで完全に開いた状態ST3の3つの状態が示されている。図4における破線は、撮像装置48の視野(撮像範囲)の例を示している。
図4に示すように、バックドア68の軌道上に障害物が存在しない場合には、いずれの状態ST1、ST2、ST3においても、障害物が検出されない。即ち、障害物が検出されたことを示す信号である障害物検出信号が、第1の制御装置14から出力されない。従って、第2の制御装置16の制御部52は、途中でバックドア68を停止させることなく、最後まで完全にバックドア68を開作動させる。
図5は、バックドア68の軌道上に障害物72が存在している場合を示している。障害物72は、例えば、車両2の後方に位置している。かかる障害物72は、例えば壁である。壁72はバックドア68の軌道上に位置しているため、壁72を無視してバックドア68を最後まで開こうとした場合には、途中でバックドア68が壁72に衝突してしまうこととなる。
図5に示すように、バックドア68の軌道上に障害物72が存在する場合には、バックドア68が障害物72に衝突する前の段階で、第1の制御装置14が障害物72を検出する。このため、第2の制御装置16は、バックドア68が障害物72に衝突する前に、バックドア68の開作動を停止する。即ち、バックドア68が障害物72に衝突する前の状態ST4で、第2の制御装置16はバックドア68の開作動を停止する。従って、本実施形態によれば、バックドア68が障害物72に衝突するのを防止することができる。
図6は、バックドア68の軌道上に障害物74が存在している場合を示している。障害物74は、例えば、車両2の上方に位置している。かかる障害物74は、例えば天井である。天井74はバックドア68の軌道上に位置しているため、天井74を無視してバックドア68を最後まで開こうとした場合には、途中でバックドア68が天井74に衝突してしまうこととなる。
図6に示すように、バックドア68の軌道上に障害物74が存在する場合には、バックドア68が障害物74に衝突する前の段階で、第1の制御装置14が障害物74を検出する。このため、第2の制御装置16は、バックドア68が障害物74に衝突する前に、バックドア68の開作動を停止する。即ち、バックドア68が障害物74に衝突する前の状態ST5で、第2の制御装置16はバックドア68の開作動を停止する。従って、本実施形態によれば、バックドア68が障害物74に衝突するのを防止することができる。
なお、ここでは、障害物72,74が壁や天井である場合を例に説明したが、障害物72,74は壁や天井に限定されるものではない。例えば、障害物72,74が動物や人間等である場合にも、当該障害物72,74にバックドア68が衝突するのを防止することができる。
また、ここでは、壁72等にバックドア68が衝突するのを防止する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。壁72と車両2との間に動物や人間等が存在する場合に、動物や人間がバックドア68と壁72との間に挟まれてしまうのを防止することもできる。
次に、本実施形態による車両制御方法について図7及び図8を用いて説明する。
図7は、第1の制御装置14の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、車両2を後進させるための操作が乗員により行われた場合の第1の制御装置14の動作については、説明を省略している。
まず、第1の制御装置14の制御部20は、バックドア開閉スイッチ28が押下されたか否かを判断する(スイッチS1)。バックドア開閉スイッチ28が押下された場合には、制御部20は、バックモニタシステムを起動する(スイッチS2)。バックドア開閉スイッチ28が押下されていない場合には、制御部20は、特段の制御を行わない。
次に、第1の制御装置14の制御部20は、撮像装置48により順次取得される画像(動画像)をモニタ画面に表示するとともに、撮像装置48により順次取得される画像のデータをメモリ22に記憶する(ステップS3)。かかるモニタ画面としては、例えば、カーナビゲーションシステムのモニタ画面を用いることができる。
次に、第1の制御装置14の制御部20は、バックドア68の軌道上における障害物の有無を検出するための処理である障害物検出処理を行う(ステップS4)。障害物の有無の検出は、例えば、順次取得される画像の変化に基づいて行われる。
障害物が検出された場合には(ステップS5)、第1の制御装置14の制御部20は、出力部24を介して障害物検出信号を第2の制御装置16に出力する(ステップS6)。一方、障害物が検出されない場合には(ステップS5)、第1の制御装置14の制御部20は、出力部24を介して障害物不検出信号を第2の制御装置16に出力する(ステップS7)。
バックドア68の作動が終了していない場合には(ステップS8)、上述したステップS3〜S7を繰り返し行う。一方、バックドア68の作動が終了した場合には(ステップS8)、第1の制御装置14による処理は終了する。
なお、バックドア68の作動の終了は、例えば、第2の制御装置16により判断される。第2の制御装置16は、バックドア68の作動が終了した際には、バックドア68の作動が終了したことを示す信号を、出力部56を介して第1の制御装置14に出力する。図1においては、バックドア68の作動が終了したことを示す信号については、図示を省略している。
図8は、第2の制御装置16の動作を示すフローチャートである。
第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68が停止中か否かを検出する(ステップS11)。バックドア68が停止中か否かは、バックドア68を駆動するためのモータ62に設けられたパルスセンサ62の出力により判断し得る。パルスセンサ62から信号が出力されていない場合には、バックドア68は停止中であると判断する。一方、パルスセンサ62から信号が出力されている場合には、バックドア68は停止していないと判断する。
バックドア68が停止中の場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア開閉スイッチ28が押下されたか否かを判断する(スイッチS12)。バックドア開閉スイッチ28が押下されていない場合には、制御部52は、特段の制御を行わない。一方、バックドア開閉スイッチ28が押下された場合には、バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものであるか、バックドア68の閉作動を意図したものであるかを、制御部52は判断する(ステップS13)。前回行われたバックドア68の作動が開作動であるか、閉作動であるかに基づいて、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、開作動を意図しているか、閉作動を意図しているかを判断する。前回行われたバックドア68の作動が、開作動であるか、閉作動であるかは、バックドア68を前回作動させた際にメモリ54に記憶されている。前回行われたバックドア68の作動が閉作動である場合には、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものであると判断する。一方、前回行われたバックドア68の作動が開作動である場合には、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の閉作動を意図したものであると判断する。
バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の閉作動を意図したものである場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の閉作動を開始する(ステップS14)。具体的には、制御部52は、出力部56を介してモータ64を駆動し、これにより、アクチュエータ70を縮めていく。アクチュエータ70を縮めていくと、バックドア68が閉じていく。
バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものである場合には、第2の制御装置16の制御部52は、障害物が不検出であるか否かを判断する(ステップS15)。障害物が不検出であるか否かは、第1の制御装置14から出力される信号が、障害物検出信号であるか、障害物不検出信号であるかにより判断し得る。
障害物が不検出の場合には、第2の制御装置16の制御部52は、開作動を開始する(ステップS16)。一方、障害物が検出されている場合には、第2の制御装置16の制御部52は、開作動を禁止する(ステップS17)。
上述したステップS11において、バックドア68が停止中でない場合には、バックドア68が開作動中であるか、閉作動中であるかを判断する(ステップS18)。バックドア68が開作動中であるか、閉作動中であるかは、バックドア68を駆動するアクチュエータ70内のモータ62に複数設けられたパルスセンサ64の出力信号における位相の関係により判断することができる。バックドア68が閉作動中である場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の閉作動を継続する(ステップS19)。具体的には、制御部52は、出力部56を介してモータ62の駆動を更に継続して行い、これにより、アクチュエータ70を更に縮めていく。アクチュエータ70を縮めていくと、バックドア68が更に閉じていく。
バックドア68が開作動中である場合には、第2の制御装置16の制御部52は、障害物が不検出であるか否かを判断する(ステップS20)。障害物が不検出であるか否かは、第1の制御装置14から出力される信号が、障害物検出信号であるか、障害物不検出信号であるかにより判断し得る。
障害物が不検出の場合には、第2の制御装置16の制御部52は、開作動を継続する(ステップS21)。一方、障害物が検出されている場合には、第2の制御装置16の制御部52は、開作動を停止する(ステップS22)。
図8を用いて上述した処理を繰り返すことにより、バックドア68の開作動又は閉作動が行われる。
このように、本実施形態によれば、撮像装置48により順次取得される画像に基づいて、開閉体68の軌道上における障害物72,74の有無が検出され、開閉体68の軌道上における障害物72,74の有無に基づいて、開閉体68の作動の制御が行われる。このため、本実施形態によれば、開閉体68が障害物72,74に衝突するのをより確実に防止することができる。しかも、本実施形態によれば、開閉体68が障害物72,74に衝突するのを防止しつつ、開閉体68を途中まで作動させることも可能である。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による制御装置、その制御装置を用いた車両制御システム、及び、その制御装置を用いた車両制御方法を図9乃至図12を用いて説明する。図9は、本実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。図10は、本実施形態による車両の一部を示す側面図である。
本実施形態による制御装置、その制御装置を用いた車両制御システムは、開閉体68の閉作動においても障害物の検出を行うものである。
図9に示すように、本実施形態では、撮像装置48により取得される画像と、撮像装置48aにより取得される画像とが、第1の制御装置14の入力部18に入力されるようになっている。撮像装置48は、第1実施形態において上述したように、開閉体68を開作動させる際に障害物の検出を行うための撮像装置、即ち、開作動用の撮像装置48である。従って、開閉体68の開作動の際における障害物を検出し得るように、撮像装置48の取付け位置や向きが設定される。一方、撮像装置48aは、開閉体68を閉作動させる際に障害物の検出を行うための撮像装置、即ち、閉作動用の撮像装置48aである。従って、開閉体68の閉作動の際における障害物を検出し得るように、撮像装置48aの取付け位置や向きが設定される。
撮像装置48、48aは、例えば開閉体68に配されている。より具体的には、例えばバックドア68に撮像装置48、48aがそれぞれ配されている。撮像装置48は、開作動の際における障害物を検出すべく、バックドア68の外側に配されている。一方、撮像装置48aは、閉作動の際における障害物を検出すべく、バックドア68の内側に配されている。
なお、ここでは、撮像装置48、48aを開閉体68に配する場合を例に説明するが、撮像装置48、48aを必ずしも開閉体68に配さなくてもよい。開閉体68の開作動の際における障害物を検出することが可能な箇所に、撮像装置48を配すればよい。また、開閉体68の閉作動の際における障害物を検出することが可能な箇所に、撮像装置48aを配すればよい。
第1実施形態において上述したように、開閉体68を開作動させる際に障害物が存在していても、当該障害物に開閉体68が衝突しなければ特段の問題は生じない。即ち、開閉体68が障害物に衝突しない範囲内であれば、開閉体68を開作動させても特段の問題は生じない。従って、開閉体68が障害物に衝突する前の段階で、当該障害物が検出できればよい。即ち、開閉体68が障害物にある程度接近した段階で、当該障害物を検出できればよい。開閉体68が障害物に衝突する前の段階で障害物を検出することができればよいため、開閉体68が障害物から十分に離れている状態においては、撮像装置48の撮像視野内に障害物が入らなくてもよい。
また、開閉体68を閉作動させる際に障害物が存在していても、当該障害物に開閉体68が衝突しなければ特段の問題は生じない。即ち、開閉体68が障害物に衝突しない範囲内であれば、開閉体68を閉作動させても特段の問題は生じない。従って、開閉体68が障害物に衝突する前の段階で、当該障害物が検出できればよい。即ち、開閉体68が障害物にある程度接近した段階で、当該障害物を検出できればよい。開閉体68が障害物に衝突する前の段階で障害物を検出することができればよいため、開閉体68が障害物から十分に離れている状態においては、撮像装置48aの撮像視野内に障害物が入らなくてもよい。
次に、本実施形態による車両制御システムの動作について図面を用いて説明する。
バックドア68を開作動させる際の動作については、図4乃至図6を用いて上述した第1実施形態における動作と同様であるため、説明を省略する。
図10は、閉作動させる際のバックドアの軌道上に障害物76が存在している場合を示している。例えば、車両2の後方に障害物76が存在している。図10における破線は、撮像装置48aの視野(撮像範囲)の例を示している。障害物76はバックドア68を閉作動させる際の軌道上に位置しているため、障害物76に気づかずにバックドア68を閉めようとした場合には、途中でバックドア68が障害物76に衝突してしまうこととなる。
図10に示すように、閉作動させる際のバックドア68の軌道上に障害物76が存在する場合には、バックドア68が障害物76に衝突する前の段階で、第1の制御装置14が障害物76を検出する。このため、第2の制御装置16は、バックドア68が障害物76に衝突する前に、バックドア68の閉作動を停止する。即ち、バックドア68が障害物76に衝突する前の状態ST6で、第2の制御装置16はバックドア68の閉作動を停止する。従って、本実施形態によれば、バックドア68が障害物76に衝突するのを防止することができる。
次に、本実施形態による車両制御方法について図11及び図12を用いて説明する。図11は、第1の制御装置14の動作を示すフローチャートである。
まず、第1の制御装置14の制御部20は、バックドア開閉スイッチ28が押下されたか否かを判断する(スイッチS31)。バックドア開閉スイッチ28が押下された場合には、制御部20は、バックモニタシステムを起動する(スイッチS32)。バックドア開閉スイッチ28が押下されていない場合には、制御部20は、特段の制御を行わない。
次に、バックドア開閉スイッチ28の押下が開作動を意図したものである場合には(ステップS33)、撮像装置48により取得される画像をモニタ画面に表示するとともに、撮像装置48により取得される画像のデータをメモリ22に記憶する(ステップS34)。一方、バックドア開閉スイッチ28の押下が閉作動を意図したものである場合には、撮像装置48aにより取得される画像をモニタ画面に表示するとともに、撮像装置48aにより取得される画像のデータをメモリ22に記憶する(ステップS35)。かかるモニタ画面としては、例えば、カーナビゲーションシステムのモニタ画面を用いることができる。
次に、第1の制御装置14の制御部20は、バックドア68の軌道上における障害物の有無を検出するための処理である障害物検出処理を行う(ステップS36)。障害物の有無の検出は、例えば、順次取得される画像の変化に基づいて行われる。
障害物が検出された場合には(ステップS37)、第1の制御装置14の制御部20は、出力部24を介して障害物検出信号を第2の制御装置16に出力する(ステップS38)。一方、障害物が検出されない場合には(ステップS37)、第1の制御装置14の制御部20は、出力部24を介して障害物不検出信号を第2の制御装置16に出力する(ステップS39)。
バックドア68の作動が終了していない場合には(ステップS40)、上述したステップS36〜S39を繰り返し行う。一方、バックドア68の作動が終了した場合には(ステップS40)、第1の制御装置14による処理は終了する。
なお、バックドア68の作動の終了は、例えば、第2の制御装置16により判断される。第2の制御装置16は、バックドア68の作動が終了した際には、バックドア68の作動が終了したことを示す信号を、出力部56を介して第1の制御装置14に出力する。図9においては、バックドア68の作動が終了したことを示す信号については、図示を省略している。
図12は、第2の制御装置の動作を示すフローチャートである。
第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68が停止中か否かを検出する(ステップS41)。バックドア68が停止中か否かは、バックドア68を駆動するためのモータ62に設けられたパルスセンサ64の出力により判断し得る。パルスセンサ64から信号が出力されていない場合には、バックドア68は停止中であると判断し得る。一方、パルスセンサ64から信号が出力されている場合には、バックドア68は停止していないと判断し得る。
バックドア68が停止中の場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア開閉スイッチ28が押下されたか否かを判断する(スイッチS42)。バックドア開閉スイッチ28が押下されていない場合には、制御部52は、特段の制御を行わない。一方、バックドア開閉スイッチ28が押下された場合には、バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものであるか、バックドア68の閉作動を意図したものであるかを、制御部52は判断する(ステップS43)。前回行われたバックドア68の作動が開作動であるか、閉作動であるかに基づいて、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、開作動を意図しているか、閉作動を意図しているかを判断する。前回行われたバックドア68の作動が、開作動であるか、閉作動であるかは、バックドア68を前回作動させた際にメモリ54に記憶されている。前回行われたバックドア68の作動が閉作動である場合には、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものであると判断する。一方、前回行われたバックドア68の作動が開作動である場合には、制御部52は、今回のバックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の閉作動を意図したものであると判断する。
バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の開作動を意図したものである場合には、第2の制御装置16の制御部52は、障害物が不検出であるか否かを判断する(ステップS44)。障害物が不検出であるか否かは、第1の制御装置14から出力される信号が、障害物検出信号であるか、障害物不検出信号であるかにより判断し得る。
障害物が不検出である場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の開作動を開始する(ステップS45)。具体的には、制御部52は、出力部56を介してモータ64を駆動し、これにより、アクチュエータ70を伸ばしていく。アクチュエータ70を伸ばしていくと、バックドア68が開いていく。一方、障害物が検出されている場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の開作動を禁止する(ステップS46)。
上述したステップS43において、バックドア開閉スイッチ28の押下が、バックドア68の閉作動を意図したものである場合には、第2の制御装置16の制御部52は、障害物が不検出であるか否かを判断する(ステップS47)。障害物が不検出であるか否かは、第1の制御装置14から出力される信号が、障害物検出信号であるか、障害物不検出信号であるかにより判断し得る。
障害物が不検出である場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の閉作動を開始する(ステップS48)。具体的には、制御部52は、出力部56を介してモータ64を駆動し、これにより、アクチュエータ70を縮めていく。アクチュエータ70を縮めていくと、バックドア68が閉じていく。一方、障害物が検出されている場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の閉作動を禁止する(ステップS49)。
上述したステップS41において、バックドア68が停止中でない場合には、バックドア68が開作動中であるか、閉作動中であるかを判断する(ステップS50)。バックドア68が開作動中であるか、閉作動中であるかは、バックドア68を駆動するアクチュエータ70内のモータ62に複数設けられたパルスセンサ64の出力信号における位相の関係により判断することができる。
障害物が不検出である場合には(ステップS51)、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア689の開作動を継続する(ステップS52)。具体的には、制御部52は、出力部56を介してモータ64の駆動を継続し、これにより、アクチュエータ70を更に伸ばしていく。アクチュエータ70を更に伸ばしていくと、バックドア68が更に開いていく。一方、障害物が検出されている場合には(ステップS51)、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の開作動を停止する(ステップS53)。
上述したステップS50において、バックドア68が閉作動中である場合には、制御部52は、障害物が不検出であるか否かを判断する(ステップS54)。障害物が不検出であるか否かは、第1の制御装置14から出力される信号が、障害物検出信号であるか、障害物不検出信号であるかにより判断し得る。
障害物が不検出である場合には、制御部52は、バックドア68の閉作動を継続する(ステップS55)。一方、障害物が検出されている場合には、第2の制御装置16の制御部52は、バックドア68の閉作動を停止する(ステップS56)。
図8を用いて上述した処理を繰り返すことにより、バックドア68の開作動又は閉作動が行われる。
このように、本実施形態によれば、閉作動を行う際においても障害物76の有無が検出される。このため、本実施形態によれば、開閉体68が障害物76に衝突するのを防止することができる。しかも、本実施形態によれば、開閉体68を障害物76に衝突させることなく、開閉体68を途中まで作動させることができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、バックドア68を作動させる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。様々な開閉体68を作動させる際に、本発明を適用することが可能である。
また、開閉体68の開閉操作を行うための開閉スイッチは、図2や図3に示した開閉スイッチに限定されるものではない。開作動用のスイッチと閉作動用のスイッチとが別個に設けられていてもよい。また、開作動用のスイッチや閉作動用のスイッチと別個に、開作動や閉作動を停止させるためのスイッチが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、順次取得される画像が動画像である場合を例に説明したが、順次取得される画像は動画像に限定されるものではない。但し、画像を取得する時間間隔があまりに大きすぎると、障害物に衝突する前に開閉体を停止し得ないこともあり得る。開閉体が障害物に衝突するのを確実に回避する観点からは、画像を取得する時間間隔を過度に大きく設定しないことが好ましい。画像を取得する時間間隔は、例えば、0.5秒以下であることが好ましく、例えば、0.1秒以下であることが更に好ましい。