JP6366759B2 - 木質ボードおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
スギチップから解繊した木質繊維に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間10分、350mm×350mm×厚さ12mmの木質繊維板(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cm3となるように加圧加熱成形した。得られた木質繊維板を200mm×200mmにカットして、n−オクタデカン(JX日鉱日石エネルギー(株)TS8:融点28℃、融解蓄熱量240kJ/kg)からなる潜熱蓄熱材(以下パラフィンと呼ぶ)を60℃まで加熱してバット内で溶融させ、融解した潜熱蓄熱材にカットした木質繊維板を5分間浸漬し、木質繊維板内に潜熱蓄熱材を含浸させ、潜熱蓄熱材を液きり後放冷し、木質ボードを作製した。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、潜熱蓄熱材に、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用いて、バット内で80℃まで加熱して融解させた点である。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、成形時に木質繊維に、潜熱蓄熱材としてマイクロカプセル化したn−オクタデカン(ノルマルパラフィン)を、20質量%添加した点である。マイクロカプセル化した潜熱蓄熱材としては、三菱製紙(株)製の「サーモメモリFP25」(融点:25℃、融解蓄熱量188kJ/kg)を用いた。なお、接着剤および加圧加熱成形条件は、実施例1と同じである。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質繊維に、潜熱蓄熱材としてマイクロカプセル化したn−オクタデカン(ノルマルパラフィン)を、30質量%添加した点である。なお、接着剤および加圧加熱成形条件は、実施例1と同じである。しかしながら、この場合には、成形時に、ボードがパンクし、成形不能となった。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cm3となるように加圧加熱成形した。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cm3となるように加圧加熱成形した点と、潜熱蓄熱材に、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用いた点である。
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードに係る木質ボードの密度、および、木質ボードに含浸された潜熱蓄熱材の含有量を測定した。具体的には、木質ボードの寸法から木質ボードの体積を算出し、この体積と木質ボードの重量とから木質ボードの密度を算出した。含浸前の木質ボード(木質成形体)の重量と、含浸後の木質ボードの重量から、潜熱蓄熱材の含有量を算出した。この結果を表1に示す。
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードの蓄熱量を測定した。具体的には、図3に示すように、各木質ボード1を加熱板11に載置し、木質ボードの側面を断熱材で囲い、側面からボード表面およびボード裏面に、熱流計14、16、熱電対15、17を配置した。実施例1および比較例3の場合には35℃(環境試験室温20℃)、実施例2および比較例4の場合には55℃(環境試験室温40℃)、比較例1の場合には、32℃(環境試験室温17℃)となるように加熱板を加熱し、加熱板から木質ボードに流入した熱量Q1から流出した熱量Q2を差し引いた熱量から算出した。
JIS A 5908に準拠して、実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードのホルムアルデヒドの放散量を測定した。この結果を表1に示す。
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードを100℃のドライヤーで3時間加熱し、20℃65%R.H.の試験環境下に移し、試験体から潜熱蓄熱材の溶出状況を確認した。この結果を表1に示す。評価は、下記に示すとおりである。
○:溶出はほとんど見られなかった
×:溶出が見られた
実施例1および2に係る木質ボードは、比較例1、3および4の木質ボードに比べて、より多くの潜熱蓄熱材を含有している。これにより、実施例1および2に係る木質ボードの単位面積あたりの蓄熱量は大きくなっていると考えられる。
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、木質成形体の密度を密度0.5g/cm3とした点と、潜熱蓄熱材としてパラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用い、潜熱蓄熱材(以下パラフィンと呼ぶ)の含浸時間を、0.5分、1分、2分、5分および10分に変更した点である。なお、含浸時間0分は、実施例3から除くものとする。
実施例3と同じように、木質ボードを作製した。実施例3と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.5g/cm3となるように加圧加熱成形した。
実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィン含有量を実施例1と同じ方法で測定した。この結果を図4に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例3および比較例5に係る木質ボードの曲げ強さをJIS A 5908に準じて測定した。この結果を図5に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸水率をJIS A 5908に準拠して測定した。この結果を図6に示す。さらに、このときの各木質ボードの厚さ膨張率を測定した。この結果を図7に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸湿率を、40℃、90%R.H.7日後の条件で測定した。この結果を図8に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸湿厚さ変化率を、40℃、90%R.H.7日後の条件で、測定した。この結果を図9に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例3および比較例5に係る木質ボードの蓄熱量を、実施例1と同様の方法で測定した。この結果を図10に示す。なお、蓄熱量は、室温10℃から55℃まで加熱したときの蓄熱量である。実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
図4に示すように、実施例3および比較例5のいずれの場合も、浸漬時間の増加に伴いパラフィンの含有量が増加した。実施例3の如く、2分以上浸漬し、パラフィンの含有量が0.29〜0.30g/cm3となった場合には、木質ボード全体に、パラフィンが含浸され、木質ボード内において(具体的には木質ボードの表面から裏面に亘って)ネットワーク状に潜熱蓄熱材が連続して形成されていることが確認できた。そして、このような状態の木質ボードでは、図5に示すように、木質ボードの曲げ強さが高まるといえる。
実施例3と同じように、木質ボードを作製した。実施例3と相違する点は、厚さ12mm,厚さ20mmの木質成形体を、それぞれ密度0.5g/cm3に成形した点である。
実施例4に係る木質ボードの蓄熱量を、実施例1と同様の方法で測定した。この結果を図11に示す。なお、蓄熱量は、室温10℃から55℃まで加熱したときの蓄熱量である。実施例4において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
実施例4に係る木質ボードの蓄熱量は、パラフィンの含有量の増加に伴い蓄熱量は高くなり、図10と比較して、木質成形体の厚さが厚くなれば、パラフィン含浸量に応じた蓄熱量も増加していることがわかる。
木質ボードにパラフィンを含浸させた場合、木質系材料の寸法・形状がパラフィンの含浸性に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、木質系材料を用いて木材の繊維方向及び繊維直交方向に対するパラフィンの含浸性を調べた。
(1)パラフィン含浸後の木質ボードを木口から繊維方向に約30mmの長さで切断した。(2)0.5%濃度染色液(染料:メチレンブルー)に木質ボードを浸漬して染色液の減圧含浸処理を数分実施した。(3)染色された木質ボードを切削し、内部の染色状況を目視で観察した。
(1)パラフィン含浸後の木質ボードの繊維方向の中央部で繊維方向長さ約1cmの切削片を採取(2)0.5%濃度染色液(染料:メチレンブルー)に木質ボードを浸漬して染色液の減圧含浸処理を数分実施した。(3)染色された木質ボードして、内部の染色状況を光学顕微鏡で観察した。
繊維方向に対する含浸性の評価では、木口から繊維方向に5mm程度の範囲が染色されなかった。つまり、繊維方向は木口から繊維方向に5mm程度までパラフィンが含浸されたことになる。一方、図12(a)、(b)に示すように、繊維直交方向に対する含浸性の評価では、木材表面から内部に200〜300μmの範囲で染色されなかった。つまり、繊維直交方向では、木材表面から内部に200〜300μm程度までパラフィンが含浸された。
Claims (6)
- 木質繊維を集積してボード状に加圧成形することにより、密度0.2〜0.5g/cm 3 となるように内部に複数の空隙が形成されたボード状の木質成形体の全体に対して、前記複数の空隙に潜熱蓄熱材が充填されるように、前記木質成形体を溶融した潜熱蓄熱材に浸漬させる浸漬工程を含むことを特徴とする木質ボードの製造方法。
- 前記浸漬工程では、ボード状の前記木質成形体の表面から裏面にまで、前記木質成形体の内部にネットワーク状に連続して前記潜熱蓄熱材が充填されるように、前記木質成形体を溶融した前記潜熱蓄熱材に浸漬させることを特徴とする請求項1に記載の木質ボードの製造方法。
- 前記木質繊維として、平均直径0.1〜0.3mm、かつ、長さ1〜20mmの木質繊維を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の木質ボードの製造方法。
- 木質繊維を集積してボード状に加圧成形することにより、密度0.2〜0.5g/cm 3 となるように内部に複数の空隙が形成されたボード状の木質成形体の全体に対して、前記複数の空隙に潜熱蓄熱材が充填されるように、前記潜熱蓄熱材が含浸されていることを特徴とする木質ボード。
- ボード状の前記木質成形体の表面から裏面にまで、前記木質成形体の内部にネットワーク状に連続して前記潜熱蓄熱材が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の木質ボード。
- 前記木質繊維は、平均直径0.1〜0.3mm、かつ、長さ1〜20mmであることを特徴とする請求項4または5に記載の木質ボード。
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