JP6366759B2 - 木質ボードおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、潜熱蓄熱材を利用した木質ボードおよびその製造方法に関する。
最近の住宅では、スマートハウスに代表されるように、「省エネ」、「創エネ」、「蓄エネ」をキーワードとして、快適で二酸化炭素を排出させない住宅造りを目指している。一方で、パッシブハウスという考え方があり、高性能な断熱性能を備えることで、高い省エネルギー性と快適性を実現した住宅造りが注目されている。いずれの住宅においても、住宅の断熱性能と熱環境に対する性能の向上が必要不可欠とされている。他方では、二酸化炭素排出削減のために、「木材利用促進法」の制定に見られるように、できるだけ木材を利用して住宅を建てようという傾向が高まってきている。そういった背景から、木質材との組み合わせを考え、住宅の床、壁で蓄熱し、省エネで快適な住空間を提供できる蓄熱性を有した建材の研究・開発が盛んとなってきている。
たとえば、太陽光等の自然エネルギー、冷暖房装置等により発生する熱エネルギー、または、生活において発生する熱エネルギー等を潜熱蓄熱材に蓄熱し、外気温の変動に対して吸熱・放熱を行うことで室内の温度変化を極力少なくしようという提案や試みがなされてきた。
このような点を鑑みて、たとえば、潜熱蓄熱材を金属やプラスチック等の容器に封入した蓄熱ボード(たとえば、特許文献1参照)や、潜熱蓄熱材を内包するマイクロカプセルと木質繊維、および接着剤からなる組成物を、熱圧着成形した蓄熱性繊維ボードが提案されている(例えば、特許文献2参照)また、別の技術として、潜熱蓄熱材を含浸した木材チップに、セメントなどの無機質硬化体をマトリクスとして成形した蓄熱性無機硬化体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平3−160298号公報 特開2003−260705号公報 特開2006−248834号公報
しかしながら、特許文献1の如く、容器に潜熱蓄熱材を封入した蓄熱ボードは、潜熱蓄熱材が蓄熱ボードから滲み出すことを抑えることができるが、容器とこれを収容したボードの凹部壁面との間に隙間が生じるため、熱伝導性が良いものとはいえない。
このような点を鑑みると、特許文献2の如く、蓄熱性繊維ボードの内部に、マイクロカプセル化した潜熱蓄熱材を混入させることが考えられるが、この場合には、製造上マイクロカプセルを混入できる量が限られて、単位重量あたりの蓄熱量も減少する。マイクロカプセル化した潜熱蓄熱材同士は、蓄熱性繊維ボード内において分散して配置されることになるので、潜熱蓄熱材同士の直接的な熱伝導を期待することができず、潜熱蓄熱材による蓄熱の応答性は高いものであるとはいえない。さらに、特に、パラフィン系の潜熱蓄熱材を用いた場合には、成形時にマイクロカプセルがパンクするおそれがある。
そこで、特許文献3の如く、木質系材料を潜熱蓄熱材に含浸されたものを、ボード状に加圧成形することも考えられるが、木質系材料同士の接着性を確保するためには、マトリクスとなるセメントなどの無機質硬化体を介在させねばならない。この結果、潜熱蓄熱材の蓄熱量は十分なものであるといえず、蓄熱の応答性を高めることができないことがある。この点を鑑みて、木質系材料同士を接するように成形した場合には、木質系材料同士はほとんど接合しないため、木質ボードの強度が低下してしまうことがあった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、木質ボードの強度低下を招くことなく、これまでのものに比べて蓄熱性を高めることができる木質ボードおよびその製造方法を提供することにある。
このような点を鑑みて、発明者らが鋭意検討を重ねた結果、木質成形体に、直接的に潜熱蓄熱材を含浸させることにより、より多くの潜熱蓄熱材を木質ボード内に含有させることができ、この結果、木質ボードの表面からの入熱された熱を効率的に蓄熱し、木質ボードの強度自体も高めることができると考えた。
そこで、発明者らは、木質成形体に対して潜熱蓄熱材を含浸させる際には、木質成形体の内部に形成される空隙が大きい方が、より多くの潜熱蓄熱材を内部に含浸させることができると考え、木質片を集積してボード状に加圧成形した、パーティクルボードなどの木質成形体を用いることが好ましいと考えていた。しかしながら、このような場合、確かに空隙に溶融状態の潜熱蓄熱材が入り込み易いが、一旦、木質成形体内に含浸された溶融状態の潜熱蓄熱材は、空隙が大きいため空隙から一部抜け出してしまうことがわかった。
そこで、発明者らは、ボード状に加圧成形する木質系材料として、木質繊維に着眼した。すなわち、木質繊維を集積してボード状に加圧成形した場合、木質片を集積してボード状に加圧成形したものに比べて、その内部には微細な空隙が形成される。この空隙に溶融状態の潜熱蓄熱材を含浸したとしても、空隙自体が微細であるため、上述した如き潜熱蓄熱材が空隙から抜けることがほとんど無いとの新たな知見を得た。
本発明は発明者らのこの新たな知見に基づくものであり、本発明に係る木質ボードの製造方法は、木質繊維を集積してボード状に加圧成形した木質成形体に対して、前記木質繊維内に潜熱蓄熱材が浸透し、かつ、前記木質繊維同士の間に潜熱蓄熱材が充填されるように、前記潜熱蓄熱材を含浸することを特徴とする。
本発明によれば、予め木質繊維を集積してボード状に加圧成形された木質成形体に対して、溶融状態の(相変化温度以上の)潜熱蓄熱材を含浸させるので、上述したマイクロカプセル化した潜熱蓄熱材を用いた場合のような強度低下を招くことなく、木質ボードに対して単位重量あたりの潜熱蓄熱材の含有量をこれまでのものに比べて高めた木質ボードを得ることができる。
特に、本発明では、木質片ではなく木質繊維を用いたので、発明者らの実験からも明らかなように木質片に比べて木質繊維は溶融状態の潜熱蓄熱材が浸透しやすく、木質ボード内の空隙は微細であるため、木質繊維同士の間に充填された溶融状態の潜熱蓄熱材が、木質繊維同士の間で保持され易くなる。このような結果、含浸後の潜熱蓄熱材を、放冷などにより冷却することにより、木質ボード内に潜熱蓄熱材をこれまでのもの以上に保持することができ、木質ボードの表面からの入熱された熱を効率良く蓄熱することができる。また木質片を用いた木質系ボードに比べて機械的強度を高めることができる。
上述した潜熱蓄熱材は、木質成形体の例えば裏面の表層のみに形成されていてもよいが、より好ましい態様としては、前記潜熱蓄熱材が、前記木質ボード内においてネットワーク状に形成されるように、前記木質成形体への潜熱蓄熱材の含浸を行なう。この態様によれば、木質成形体(木質ボード)内には、ネットワーク状(網目状)に、潜熱蓄熱材が形成されるので、上述した熱伝導性を高めるとともに、木質ボードの機械的強度をも高めることができる。
本発明として、上述した課題を解決するための木質ボードをも開示する。本発明に係る木質ボードは、木質繊維を集積してボード状に加圧成形した木質成形体と、潜熱蓄熱材とを少なくとも備えた木質ボードであって、前記木質繊維内に潜熱蓄熱材が浸透し、かつ、前記木質繊維同士の間に潜熱蓄熱材が充填されていることを特徴とする。
本発明によれば、予め木質繊維を集積してボード状に加圧成形された木質成形体に対して、木質繊維に潜熱蓄熱材が浸透しているとともに、木質繊維同士の間に溶融状態の(相変化温度以上の)潜熱蓄熱材が充填されているので、これまでのものに比べてより多くの潜熱蓄熱材を木質ボードが含有している。これにより、木質ボードの表面からの入熱された熱を効率良く蓄熱することができる。
特に、本発明では、木質片ではなく木質繊維を用いたので、発明者らの実験からも明らかなように木質片に比べて木質繊維は溶融状態の潜熱蓄熱材が浸透しやすく、木質ボード内の空隙は微細であるため、木質繊維同士の間に充填された溶融状態の潜熱蓄熱材が木質繊維同士の間で保持されやすい。このような結果、本発明に係る木質ボードは、使用時においても、木質片を用いた木質ボードに比べて、木質ボードから潜熱蓄熱材が滲み出し難いため、蓄熱性が高いばかりでなく、機械的強度も高い。
上述した潜熱蓄熱材は、木質成形体の例えば表層のみに連続して形成されていてもよいが、より好ましい態様としては、前記木質系材料の表面に覆われた潜熱蓄熱材が、前記木質ボード内においてネットワーク状に形成されている。この態様によれば、木質成形体(木質ボード)内には、ネットワーク状(網目状)に潜熱蓄熱材がほとんど空隙なく連続して形成されているので、上述した熱伝導性を高めるとともに、木質ボードの機械的強度をも高めることができる。
本発明によれば、木質ボードの強度低下を招くことなく、これまでのものに比べて蓄熱性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る木質ボードの製造方法を説明する模式的概念図。 図1に示す製造方法で製造された木質ボードの模式的部分拡大断面図であり、(a)は、本実施形態に係る木質ボードの模式的部分拡大断面図であり、(b)は、(a)に示す木質ボードと対比するための、木質片からなる木質成形体を用いて製造された木質ボードの模式的部分拡大断面図。 木質ボードの蓄熱量を測定する方法を説明するための図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードの含浸時間と、パラフィンの含有量との関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と曲げ強さとの関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と吸水率との関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と厚さ膨張率との関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と吸湿率との関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と吸湿厚さ変化率との関係を示した図。 実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィンの含有量と吸湿厚さ蓄熱量との関係を示した図。 実施例4に係る木質ボードのパラフィンの含有量と蓄熱量との関係を示した図。 参考例に係る木質ボードの含浸状態を説明するための写真図であり、(a)は、ヒノキ材に潜熱蓄熱材を含浸させたときの断面写真図、(b)は、スギ材に潜熱蓄熱材を含浸させたときの断面写真図。
以下、図面を参照して、本実施形態に基づき本発明を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る木質ボードの製造方法を説明する模式的概念図である。図2は、図1に示す製造方法で製造された木質ボードの模式的部分拡大断面図であり、(a)は、本実施形態に係る木質ボードの模式的部分拡大断面図であり、(b)は、(a)に示す木質ボードと対比するための、木質片からなる木質成形体を用いて製造された木質ボードの模式的部分拡大断面図である。
本実施形態に係る木質ボード1を製造する際に、まず、図1に示すように、ラワンや針葉樹のマツやスギ等の木質繊維を集積してボード状に加圧成形された木質成形体1aを準備する。木質成形体としては、MDF、インシュレーションボード等の木質繊維板を挙げることができる。
本実施形態では、より好ましい態様として、木質系材料に木質繊維を用い、木質成形体として木質繊維を集積させた木質繊維板(木質成形体)を準備する。木質系材料に木質繊維から得られる木質繊維板は、木質片で成形したパーティクルボードなどの木質成形体に比べて、木質成形体の空隙は微細であり、後述するように、木質片などで構成される木質成形体に比べて、木質成形体内に潜熱蓄熱材をより多く含浸させることができる。
木質成形体は、これらの木質繊維を必要に応じてイソシアネート接着剤、フェノールホルムアルデヒド系接着剤、尿素ホルムアルデヒド系接着剤、メラミンホルムアルデヒド系接着剤と混合し、集積してボード状に加圧成形することにより得られる。木質成形体を成形する際には、加圧加熱成形を行ってもよい。
ここで、木質成形体の密度は、0.2〜0.5g/cm(望ましくは0.2〜0.3g/cm)の範囲にあることが好ましく、一般的に用いられる木質成形体に比べて比較的に軽量の木質成形体を用いることが好ましい。
このようにして得られたボード状の木質成形体1aに、溶融状態の潜熱蓄熱材5aを含浸させる。潜熱蓄熱材5aは、加熱装置の設置されたバット9内において融点以上(通常は融点+20〜30℃程度)に加熱されており、溶融した状態となっている。このバット9内の潜熱蓄熱材5aに木質成形体1aを浸漬し、所定時間放置することにより、木質繊維同士3、3の間に潜熱蓄熱材5が充填されるとともに、木質繊維3の表面から木質繊維3の内部に潜熱蓄熱材5が浸透するように、溶融状態の潜熱蓄熱材5aを木質ボード内に含浸させる。より好ましくは、予め設定した浸漬時間で、木質ボード1内においてネットワーク状に形成されるように、木質成形体1aへの潜熱蓄熱材の含浸を行なう。
バット9内に含浸される潜熱蓄熱材は、日射光により付与される日射熱、または、室内の暖房による熱などで固体から液体に相変化する潜熱蓄熱材であり、好ましくは、住宅用蓄熱建材を考慮すると、潜熱蓄熱材の相変化温度(融点)は5℃〜60℃の範囲にあり、より好ましくは、20℃〜60℃の範囲にある。室内の壁用に用いる場合には、融点が20℃〜30℃の範囲にあることが望ましく、室内の床用に用いる場合には、30℃〜60℃の範囲にあることが望ましい。
潜熱蓄熱材としては、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ナノデカン等及びこれらの混合物で構成されるn−パラフィンやパラフィンワックス等の脂肪族炭化水素、オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等及びこれらの混合物で構成される長鎖脂肪酸、または、上記脂肪酸のエステルやポリエチレングリコール等のポリエーテル化合物等を挙げることができる。たとえば28℃で融解するものであれば、n−オクタデカンを選択し、18℃で融解するものであれば、n−ヘキサデカンを選択する。さらに、上述した融点の異なる潜熱蓄熱材を混合して用いてもよい。
ここで、本実施形態では、バット9内の潜熱蓄熱材5aに木質成形体1aを浸漬させることにより、潜熱蓄熱材を木質成形体に含浸させたが、たとえば、木質成形体1aの表面に潜熱蓄熱材を流すまたは塗布することにより、潜熱蓄熱材を木質成形体1aに含浸させてもよい。
そして、図1に示すように、潜熱蓄熱材5aが含浸された木質ボード1を立て、表面に付着した潜熱蓄熱材5aおよび内部に含浸された溶融した潜熱蓄熱材5aの一部の液きりを行い、その後、放冷などにより冷却して、潜熱蓄熱材5aを固化させる。
このようにして得られた木質ボード1は、図2(a)に示すように、木質繊維3の表面に、潜熱蓄熱材が、木質ボード内の全体に(木質ボードの表面から裏面まで)ネットワーク状(網目状)に形成されるとともに、木質繊維の内部には潜熱蓄熱材が浸透している。さらに、木質ボード1の内部には、空隙が形成されることがほとんどはない。
このような結果、上述したマイクロカプセル化した潜熱蓄熱材を用いた場合のような強度低下を招くことなく、木質片のものに比べて木質繊維3を用いた木質ボード1は、木質系材料である木質繊維3に潜熱蓄熱材5を含有するとともに、木質繊維3同士の間に、潜熱蓄熱材5が保持されることになる。これにより、これまでのものに比べて木質ボード1の表面からの入熱された熱を効率良く蓄熱することができる。
木質成形体(木質ボード)1aの表面(一方の面)から裏面(他方の面)に亘って、ネットワーク状(網目状)に、潜熱蓄熱材5が連続して形成されるので、上述した熱伝導性を高めるとともに、木質ボードの機械的強度をより一層高めることができる。
また、木質ボード1は、潜熱蓄熱材5がボード表面から裏面に亘って、その内部において(具体的には表面から裏面に亘って)ネットワーク状に連続して形成されているので、木質ボード1の機械的強度も高めつつも、潜熱蓄熱材5を介して木質ボードの内部に迅速に伝えることができる。さらに、木質繊維3の内部にも潜熱蓄熱材5が浸透されているので、この浸透された潜熱蓄熱材5により木質ボード1の表面からの入熱された熱を効率良く蓄熱することができる。
ここで、たとえば、木質片を集積してボード状に加圧成形した木質成形体に対して潜熱蓄熱材を含浸した場合には、木質片同士の間に形成された空隙は、本実施形態の木質繊維3同士の間に形成された空隙よりも大きいため、この空隙に潜熱蓄熱材は入り込み易い。しかしながら、一旦、木質成形体内に含浸された溶融状態の潜熱蓄熱材は、空隙が粗大でるため空隙から抜け出してしまう。このような結果、図2(b)に示すように、木質片7の表面に蓄熱層8が形成されるとともに、木質ボードの内部には、空隙8aが形成されてしまう。
一方、本実施形態に係る木質ボード1の場合には、木質成形体1aの構成材料として木質繊維3を用いたので、木質ボード内の空隙は微細であるため、木質繊維同士の間に充填された溶融状態の潜熱蓄熱材5が、木質繊維同士の間で保持され易くなる。
さらに、ボードの成形に木質片を用いた場合には、一般的には木質片の大きさは通常、厚さ0.6〜2mm、幅1〜5mm、長さ1〜20mmのものを用いるが、例えばパラフィンの場合には、繊維方向に5mm程度、繊維直交方向に0.2〜0.3mmが含浸の限界であるため、木質片内部までパラフィンが完全に含浸されることはない。
一方、本実施形態に係る木質ボード1の場合には、一般的な木質繊維は、平均直径0.1〜0.3mm、長さ1〜20mmであるので、木質繊維を用いればその内部までパラフィンがほぼ完全に含浸される。
このような結果、本実施形態に係る木質ボード1は、木質片に比べて木質繊維3に潜熱蓄熱材5がより多く浸透(含有)しており、木質繊維同士3,3の間の空隙を残すことなく潜熱蓄熱材5が充填される。このような結果、木質ボード1は、木質片を用いた木質ボードに比べて、同じ密度の木質成形体であっても、蓄熱性が高いばかりでなく機械的強度も高くなる。
また、木質繊維3の表面には、ネットワーク状(網目状)となった潜熱蓄熱材5が被覆されているので、木質ボード1の吸湿性および吸水性を抑えることができ、さらには、接着剤のホルムアルデヒドの放散をも抑制することができる。
以下に本発明を実施例により説明する。
<実施例1>
スギチップから解繊した木質繊維に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間10分、350mm×350mm×厚さ12mmの木質繊維板(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cmとなるように加圧加熱成形した。得られた木質繊維板を200mm×200mmにカットして、n−オクタデカン(JX日鉱日石エネルギー(株)TS8:融点28℃、融解蓄熱量240kJ/kg)からなる潜熱蓄熱材(以下パラフィンと呼ぶ)を60℃まで加熱してバット内で溶融させ、融解した潜熱蓄熱材にカットした木質繊維板を5分間浸漬し、木質繊維板内に潜熱蓄熱材を含浸させ、潜熱蓄熱材を液きり後放冷し、木質ボードを作製した。
<実施例2>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、潜熱蓄熱材に、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用いて、バット内で80℃まで加熱して融解させた点である。
<比較例1>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、成形時に木質繊維に、潜熱蓄熱材としてマイクロカプセル化したn−オクタデカン(ノルマルパラフィン)を、20質量%添加した点である。マイクロカプセル化した潜熱蓄熱材としては、三菱製紙(株)製の「サーモメモリFP25」(融点:25℃、融解蓄熱量188kJ/kg)を用いた。なお、接着剤および加圧加熱成形条件は、実施例1と同じである。
<比較例2>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質繊維に、潜熱蓄熱材としてマイクロカプセル化したn−オクタデカン(ノルマルパラフィン)を、30質量%添加した点である。なお、接着剤および加圧加熱成形条件は、実施例1と同じである。しかしながら、この場合には、成形時に、ボードがパンクし、成形不能となった。
<比較例3>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cmとなるように加圧加熱成形した。
<比較例4>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.3g/cmとなるように加圧加熱成形した点と、潜熱蓄熱材に、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用いた点である。
[木質ボードの密度の測定]
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードに係る木質ボードの密度、および、木質ボードに含浸された潜熱蓄熱材の含有量を測定した。具体的には、木質ボードの寸法から木質ボードの体積を算出し、この体積と木質ボードの重量とから木質ボードの密度を算出した。含浸前の木質ボード(木質成形体)の重量と、含浸後の木質ボードの重量から、潜熱蓄熱材の含有量を算出した。この結果を表1に示す。
[木質ボードの蓄熱量の測定]
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードの蓄熱量を測定した。具体的には、図3に示すように、各木質ボード1を加熱板11に載置し、木質ボードの側面を断熱材で囲い、側面からボード表面およびボード裏面に、熱流計14、16、熱電対15、17を配置した。実施例1および比較例3の場合には35℃(環境試験室温20℃)、実施例2および比較例4の場合には55℃(環境試験室温40℃)、比較例1の場合には、32℃(環境試験室温17℃)となるように加熱板を加熱し、加熱板から木質ボードに流入した熱量Q1から流出した熱量Q2を差し引いた熱量から算出した。
具体的には、加熱板により上述した温度に5時間加熱を行い、流量計により木質ボードの蓄熱量を測定した。この結果を表1に示す。なお、上述したように加熱温度が相違するのは、加熱板の加熱温度と雰囲気温度となる環境試験室温は使用する潜熱蓄熱材の融点に応じて変更する必要があるからである。
[ホルムアルデヒド放散量の測定]
JIS A 5908に準拠して、実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードのホルムアルデヒドの放散量を測定した。この結果を表1に示す。
[潜熱蓄熱材の溶出評価]
実施例1、2および比較例1、3、4の木質ボードを100℃のドライヤーで3時間加熱し、20℃65%R.H.の試験環境下に移し、試験体から潜熱蓄熱材の溶出状況を確認した。この結果を表1に示す。評価は、下記に示すとおりである。
◎:溶出は見られなかった
○:溶出はほとんど見られなかった
×:溶出が見られた
Figure 0006366759
〔結果1〕
実施例1および2に係る木質ボードは、比較例1、3および4の木質ボードに比べて、より多くの潜熱蓄熱材を含有している。これにより、実施例1および2に係る木質ボードの単位面積あたりの蓄熱量は大きくなっていると考えられる。
比較例3および4の場合、実施例1および2と同じ密度の木質成形体を用いたが、木質片同士の間に形成された空隙は、実施例1および2の木質繊維同士の間に形成された空隙よりも大きいため、一旦、木質成形体内に含浸された溶融状態の潜熱蓄熱材は、空隙が粗大でるため空隙から抜け出したと考えられる。さらに、後述する確認試験からも、木質片内部までパラフィンが完全に含浸されなかったと考えられる。
一方、実施例1および2に係る木質ボード1の場合には、木質成形体の構成材料として木質繊維3を用いたので、木質ボード内の空隙は微細であるため、木質繊維同士の間に充填された溶融状態の潜熱蓄熱材が、木質繊維同士の間で保持され易くなったと考えられる。さらに、後述する試験からも、木質繊維を用いればその内部までパラフィンがほぼ完全に含浸されたと考えられる。
また、比較例2の如く、マイクロカプセル化した潜熱蓄熱材を用いて、比較例1よりも潜熱蓄熱材の含有率をより高めようとした場合には、マイクロカプセルの破壊により木質ボードがパンクして成形できないことがわかった。
実施例1および2に係る木質ボードのホルムアルデヒド放散量は、比較例1のものに比べて少なくなった。これは、実施例1および2の場合には、接着剤により接着された接着部分にも、潜熱蓄熱材がコーティングされていることによると考えられる。
なお、実施例1および2に係る木質ボードは、比較例3、4のものよりも潜熱蓄熱材の含有量が多いにもかかわらず溶出はみられなかった。
<実施例3>
実施例1と同じように、木質ボードを作製した。実施例1と相違する点は、木質成形体の密度を密度0.5g/cmとした点と、潜熱蓄熱材としてパラフィンワックス(日本精蝋(株)製PW−115:融点48℃、融解蓄熱量200kJ/kg)を用い、潜熱蓄熱材(以下パラフィンと呼ぶ)の含浸時間を、0.5分、1分、2分、5分および10分に変更した点である。なお、含浸時間0分は、実施例3から除くものとする。
<比較例5>
実施例3と同じように、木質ボードを作製した。実施例3と相違する点は、スギチップからなる木質片に、尿素メラミンホルムアルデヒド接着剤を10質量%添加して、プレス温度180℃、プレス時間6分、350mm×350mm×厚さ12mmのパーティクルボード(ボード状の木質成形体)を密度0.5g/cmとなるように加圧加熱成形した。
[木質ボードのパラフィン含有量の測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードのパラフィン含有量を実施例1と同じ方法で測定した。この結果を図4に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
[木質ボードの曲げ強さの測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードの曲げ強さをJIS A 5908に準じて測定した。この結果を図5に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
[木質ボードの吸水率および厚さ膨張率の測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸水率をJIS A 5908に準拠して測定した。この結果を図6に示す。さらに、このときの各木質ボードの厚さ膨張率を測定した。この結果を図7に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
[木質ボードの吸湿率の測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸湿率を、40℃、90%R.H.7日後の条件で測定した。この結果を図8に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
[木質ボードの吸湿厚さ変化率の測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードの吸湿厚さ変化率を、40℃、90%R.H.7日後の条件で、測定した。この結果を図9に示す。なお、実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
[木質ボードの蓄熱量の測定]
実施例3および比較例5に係る木質ボードの蓄熱量を、実施例1と同様の方法で測定した。この結果を図10に示す。なお、蓄熱量は、室温10℃から55℃まで加熱したときの蓄熱量である。実施例3および比較例5において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
〔結果2〕
図4に示すように、実施例3および比較例5のいずれの場合も、浸漬時間の増加に伴いパラフィンの含有量が増加した。実施例3の如く、2分以上浸漬し、パラフィンの含有量が0.29〜0.30g/cmとなった場合には、木質ボード全体に、パラフィンが含浸され、木質ボード内において(具体的には木質ボードの表面から裏面に亘って)ネットワーク状に潜熱蓄熱材が連続して形成されていることが確認できた。そして、このような状態の木質ボードでは、図5に示すように、木質ボードの曲げ強さが高まるといえる。
また、比較例5の場合には、上述したごとく、木質片から成形された木質ボードを用いため、実施例3のものに比べて、パラフィンの含有量が少なく、曲げ剛性も小さいといえる。
図6に示すように、実施例3に係る木質ボードの吸水量は、パラフィンの含有量の増加に伴い減少し、パラフィンの含有量が0.18g/cm以上で、吸水量は安定して少なくなり、比較例5のものと同程度であった。図7に示すように、実施例3に係る木質ボードの厚さ膨張率は、パラフィンの含有量の増加に伴い減少し、パラフィンの含有量が0.18g/cm以上で、木質ボードの厚さ膨張率は安定して少なくなり、さらに比較例5のものより低くなった。このことから、実施例3の如く木質ボードの内部までパラフィンが含浸されている場合には、木質ボードを構成する木質繊維の表面にパラフィンが被覆されているため、木質ボードの吸水性を抑制し、吸水による木質ボードの厚さ変化を抑えることができると考えられる。
図8に示すように、実施例3に係る木質ボードの吸湿率は、パラフィンの含有量の増加に伴い減少し、比較例5のものに比べて低くなった。図9に示すように、実施例3に係る木質ボードの吸湿厚さ変化率は、パラフィンの含有量の増加に伴い減少し、比較例5のものと同程度であった。このことから、潜熱蓄熱材であるパラフィンを用いることにより、木質ボードの吸湿性を抑制し、吸湿による木質ボードの厚さ変化を抑えることができると考えられる。
図10に示すように、実施例3および比較例5に係る木質ボードは、パラフィンの含有量の増加に伴い蓄熱量は高くなった。このことから、木質ボードの蓄熱量は、木質ボードに含有するパラフィンの含有量に依存しているといえる。
<実施例4>
実施例3と同じように、木質ボードを作製した。実施例3と相違する点は、厚さ12mm,厚さ20mmの木質成形体を、それぞれ密度0.5g/cmに成形した点である。
[木質ボードの蓄熱量の測定]
実施例4に係る木質ボードの蓄熱量を、実施例1と同様の方法で測定した。この結果を図11に示す。なお、蓄熱量は、室温10℃から55℃まで加熱したときの蓄熱量である。実施例4において成形した木質成形体のみの結果(パラフィンを含有していない結果)も合わせて示す。
〔結果3〕
実施例4に係る木質ボードの蓄熱量は、パラフィンの含有量の増加に伴い蓄熱量は高くなり、図10と比較して、木質成形体の厚さが厚くなれば、パラフィン含浸量に応じた蓄熱量も増加していることがわかる。
[確認試験]
木質ボードにパラフィンを含浸させた場合、木質系材料の寸法・形状がパラフィンの含浸性に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、木質系材料を用いて木材の繊維方向及び繊維直交方向に対するパラフィンの含浸性を調べた。
木質系材料としてはスギの気乾材(寸法:R16mm×L100mm×T120mm)及びヒノキの気乾材(寸法:R16mmx×L100mm×T120mm)を準備した。80℃で加熱溶融したパラフィン(実施例2と同じもの)に木質系材料を4分間浸漬し、これにパラフィンを含浸させて、木質ボードを作製し、下記方法にて含浸性を評価した。
(繊維方向に対する含浸性の評価)
(1)パラフィン含浸後の木質ボードを木口から繊維方向に約30mmの長さで切断した。(2)0.5%濃度染色液(染料:メチレンブルー)に木質ボードを浸漬して染色液の減圧含浸処理を数分実施した。(3)染色された木質ボードを切削し、内部の染色状況を目視で観察した。
(繊維直交方向に対する含浸性の評価)
(1)パラフィン含浸後の木質ボードの繊維方向の中央部で繊維方向長さ約1cmの切削片を採取(2)0.5%濃度染色液(染料:メチレンブルー)に木質ボードを浸漬して染色液の減圧含浸処理を数分実施した。(3)染色された木質ボードして、内部の染色状況を光学顕微鏡で観察した。
〔結果3〕
繊維方向に対する含浸性の評価では、木口から繊維方向に5mm程度の範囲が染色されなかった。つまり、繊維方向は木口から繊維方向に5mm程度までパラフィンが含浸されたことになる。一方、図12(a)、(b)に示すように、繊維直交方向に対する含浸性の評価では、木材表面から内部に200〜300μmの範囲で染色されなかった。つまり、繊維直交方向では、木材表面から内部に200〜300μm程度までパラフィンが含浸された。
以上のことから、ボードの成形に木質片を用いた場合には、一般的には木質片の大きさは通常、厚さ0.6〜2mm、幅1〜5mm、長さ1〜20mmのものを用いるが、パラフィンの場合には、繊維方向に5mm程度、繊維直交方向に0.2〜0.3mm程度が含浸の限界であるため、木質片内部までパラフィンが完全に含浸されることはないと考えられる。一方、一般的な木質繊維は、平均直径0.1〜0.3mm、長さ1〜20mmであるので、木質繊維を用いれば、木質繊維の内部までパラフィンがほぼ完全に含浸される。このことから、木質繊維からなる木質成形体に潜熱蓄熱材を含浸させた場合には、木質片の場合に比べて、木質繊維間に潜熱蓄熱材が保持され易くなるばかりでなく、各木質繊維の内部にまで潜熱蓄熱材が浸透し易いといえる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態の木質ボードに化粧材を設けてもよい。また、木質ボード自体に切削、穴あけ等の加工をさらに施してもよい。これにより、高い防音性を発揮することができる。さらに木質ボードを断熱材と組み合わせることにより、高い蓄熱性と断熱性の効果を期待することができる。
1a:木質成形体、1:木質ボード、3:木質繊維、5a:潜熱蓄熱材、5:潜熱蓄熱材、7:木質片、8:蓄熱層、8a:空隙、9:バット

Claims (6)

  1. 木質繊維を集積してボード状に加圧成形することにより、密度0.2〜0.5g/cm となるように内部に複数の空隙が形成されたボード状の木質成形体の全体に対して、前記複数の空隙に潜熱蓄熱材が充填されるように、前記木質成形体を溶融した潜熱蓄熱材に浸漬させる浸漬工程を含むことを特徴とする木質ボードの製造方法。
  2. 前記浸漬工程では、ボード状の前記木質成形体の表面から裏面にまで、前記木質成形体の内部にネットワーク状に連続して前記潜熱蓄熱材が充填されるように、前記木質成形体を溶融した前記潜熱蓄熱材に浸漬させることを特徴とする請求項1に記載の木質ボードの製造方法。
  3. 前記木質繊維として、平均直径0.1〜0.3mm、かつ、長さ1〜20mmの木質繊維を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の木質ボードの製造方法。
  4. 木質繊維を集積してボード状に加圧成形することにより、密度0.2〜0.5g/cm となるように内部に複数の空隙が形成されたボード状の木質成形体の全体に対して、前記複数の空隙に潜熱蓄熱材が充填されるように、前記潜熱蓄熱材が含浸されていることを特徴とする木質ボード。
  5. ボード状の前記木質成形体の表面から裏面にまで、前記木質成形体の内部にネットワーク状に連続して前記潜熱蓄熱材が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の木質ボード。
  6. 前記木質繊維は、平均直径0.1〜0.3mm、かつ、長さ1〜20mmであることを特徴とする請求項4または5に記載の木質ボード。
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