JP6365977B2 - 三次元形状計測装置、三次元形状計測方法及び薄膜計測装置 - Google Patents
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Description
以下、第1の実施形態に係る三次元形状計測装置について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る三次元形状計測装置1は、計算処理部10と、偏光照射部11と、分光撮像部12と、を備えている。三次元形状計測装置1は、表面に薄膜が積層された立体的形状(三次元形状)を有する対象物Gの当該立体的形状を、光学的手段により精度よく計測可能な三次元形状計測装置である。
具体的には、偏光照射部11は、図1に示すように、複数の光源110と、拡散板111と、固定偏光部112と、を有して構成される。
拡散板111は、対象物Gを中心とする球状に形成された球体の板である。拡散板111は、球体の外部に配される複数の光源110が出射する照射光P1を取り込んで板内部で拡散させ、照射光P1の強度分布を球面方向に均一化して球体の内部に放射する。
光源110及び拡散板111は、以上のような構成により、照射光P1を、対象物Gの全方位から均一に照射する全方位照射部として機能する。
なお、全方位照射部は、照射光P1を、対象物Gの全方位から均一に照射する態様であれば、上述の態様に限定されない。例えば、全方位照射部は、一つの光源から入射した照射光P1を球体の内部において均一に拡散可能な積分球光源を用いてもよいし、一つ又は複数の光源を、対象物Gを中心とする球面に沿って移動させながら、照射光P1の全方位からの照射を実現するものであってもよい。
また、上述の「対象物Gの全方位から均一に照射する」との文言は、必ずしも対象物Gの“全ての方位”から照射される意味に限定されず、三次元形状計測装置1による三次元形状の計測精度が許容される限度において一部の方位(例えば、分光撮像部12が配される方位、及びその対極の方位)からの照射光P1の照射がなされない態様であってもよい。
具体的には、分光撮像部12は、図1に示すように、本体部120と、可変偏光部121と、複数の画素122と、を有して構成される。
可変偏光部121は、対象物Gと本体部120の集光レンズ120aとの間において基準軸Oと直交する面内で回転可能に設けられ、干渉光P2のうち回転角度に応じた方位に平行な偏光成分のみを透過させる直線偏光フィルタである。この可変偏光部121が所望の回転角度に回転することで、分光撮像部120は、干渉光P2のうち基準軸Oと直交する面内の特定方位に平行な偏光成分を、回転角度に応じた異なる複数の特定方位ごとに受光することができる。
なお、以下の説明においても、三次元形状計測装置1は、基準軸Oが天頂方向を向くように配されるものとして説明するが、他の実施形態に係る三次元形状計測装置1においてはこの態様に限定されず、基準軸Oをいかなる方位にも取り得る。
図2(a)は、偏光照射部11の固定偏光部112を上方(+Z方向側)から見た場合の模式図である。
図2(a)に示すように、固定偏光部112は、基準軸Oに延在するように筒状に形成されながら、内部に対象物Gを配している。光源110及び拡散板111(図2(a)には図示せず)から出射された照射光P1は、固定偏光部112を介して、全方位から対象物Gに照射される。
例えば、図2(b)に示すように、光源110(及び拡散板111)により、−X方向から+X方向に向けて出射される照射光P1には、基準軸Oに平行な方向(±Z方向)に振動する線偏光成分の他、例えば、基準軸Oに直交する方向(±Y方向)に振動する線偏光成分等が含まれている(それ以外の直線偏光成分や、円偏光成分等も含まれ得る)。このような照射光P1が固定偏光部112に入射すると、基準軸Oに平行な方向に振動する線偏光成分のみが透過し、それ以外の偏光成分は遮断される。したがって、基準軸Oに平行な偏光成分のみからなる照射光P1’が、固定偏光部112の内部に配された対象物Gに照射する。
以下、図3に示す反射の例を参照しながら、分光撮像部12の画素122が受光可能な干渉光P2について説明する。
図3に示すように、対象物Gの表面の一部である表面部位g1に対し、ある入射角θ1から入射した照射光P1’は、当該表面部位g1において反射角θ1で反射し、干渉光P2となって進行する(“干渉光”についての説明は後述する)。この照射光P1’及び干渉光P2は、上述した固定偏光部112の機能により、いずれも基準軸O(±Z軸)と平行な面内(入射面Qの面内)で振動する偏光成分のみを有して進行する。なお、一般的な反射特性として入射面Qと反射面(表面部位g1)とは、互いに直交する関係にあり、したがって、入射面Qには、表面部位g1の法線方向を示す法線ベクトルNも含まれる(図3参照)。
例えば、図3においては、画素122において最大受光強度を与える可変偏光部121の方位n(回転角度)が、画素122に対応する表面部位g1における法線ベクトルNの方位角と一致する。
なお、分光撮像部12の構造は、図1に示した態様に限定されない。例えば、分光撮像部12は、集光レンズ120aと可変偏光部121とが一体に設けられた態様を成していてもよい。その他、分光撮像部12は、干渉光P2のうち特定方位に平行な偏光成分を、異なる複数の当該特定方位別に受光可能とするものであれば、他の如何なる態様であっても構わない。
また、分光撮像部12は、受光した干渉光P2の受光強度及び分光スペクトルを、画素122ごとに取得する機能を有している。
図4(a)に示すように、対象物Gの下地層には、膜厚dの薄膜層Fが積層されている。ここで想定する対象物Gとは、例えば、蒸着またはコーティングされた加飾材やセキリティ材等である。なお、本実施形態に係る三次元形状計測装置1の計測対象となる対象物Gにおいて、薄膜層Fの膜厚dは未知であってよく、また、均一に形成されていなくともよい。
図4(b)に示すように、分光撮像部12は、薄膜Fを介した反射により生成された干渉光P2の受光強度Ia及びその分光スペクトルを、受光した画素122ごとに取得する。分光撮像部12は、例えば、可視波長380nm〜780nmの間の分光スペクトルを取得し、計算処理部10に設けられた記憶部108等に撮像データとして記録する。
図5に示すように、計算処理部10は、CPU(Central Processing Unit)100と、操作部106と、外部接続インターフェイス107と、記憶部108と、を備えている。計算処理部10は、汎用のパーソナルコンピュータ等であってよい。
操作部106は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル等の入力インターフェイスであって、三次元形状計測装置1のオペレータによる各種操作の入力を受け付ける。
記憶部108は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶デバイスである。記憶部108には、複数の画素122ごとに取得された分光スペクトル等が撮像データとして記録される。
外部接続インターフェイス107は、外部装置との通信を行うための通信インターフェイスであり、外部接続インターフェイス107は、専用の通信ケーブル等を介して偏光照射部11及び分光撮像部12に接続されている。
撮像制御部101は、外部接続インターフェイス107を介して接続された偏光照射部11、分光撮像部12に所定の制御信号を出力しながら、当該偏光照射部11による照射光の照射、分光撮像部12による撮像処理等を制御する。
例えば、撮像制御部101は、偏光照射部11に対し対象物G(図1)への照射光P1’の照射を実施させながら、分光撮像部12に対し、撮像データ(画素122ごとの分光スペクトル)を取得させる。このとき、撮像制御部101は、所定の制御信号を通じて、分光撮像部12の可変偏光部121の回転角度を所定ステップごとに変化させながら、その都度、撮像データを取得させる。このようにすることで、分光撮像部120は、干渉光P2のうち、上記所定ステップごとに異なる複数の方位n(図3)に平行な偏光成分ごとの分光スペクトルを、自動的に取得することができる。
方位角演算部103は、画素122の各々において最大の受光強度を与える可変偏光部121の回転角度(方位n)に基づいて、当該画素122に対応する対象物Gの表面部位ごとの法線の方位角を特定する。
三次元形状構築部104は、天頂角演算部102及び方位角演算部103によって特定された表面部位ごとの法線(法線ベクトル)の向く方位に基づいて、対象物Gを構成する表面部位ごとの面の向きを特定しながら、撮像データを有する各画素122に対応する表面部位を全て繋ぎ合わせることで、対象物Gの三次元形状を構築する。
薄膜特性演算部105は、画素122ごとに取得された分光スペクトル(図4(b)参照)と、照射光P1’の入射角(入射角θ1、図4(a)参照)と、薄膜層Fの膜厚d及び屈折率n2(図4(a))と、の関係を示す理論式に基づいて、対象物Gの表面部位ごとの、薄膜層Fの膜厚d及び屈折率n2を算出する。
以下、計算処理部10(CPU100)の各機能構成による具体的な処理フローについて、図6及び以下に示す図7〜図9を用いて説明する。
まず、撮像制御部101は、操作部106を通じてオペレータから計測開始の指示を受け付けると、偏光照射部11による対象物Gへの照射処理、及び、分光撮像部12による撮像処理を実施し、撮像データを取得する(ステップS1)。このとき、撮像制御部101は、分光撮像部12の可変偏光部121の回転角度を所定ステップごとに変更しながら連続的に撮像データを複数取得する。撮像制御部101は、分光撮像部12により取得された撮像データを逐次記憶部13に記録する。
次に、天頂角演算部102は、取得された撮像データから、撮像データを構成する画素122ごとに対応する対象物Gの各表面部位における法線の天頂角を算出する(ステップS2)。天頂角演算部102によるステップS2の処理について、以下の図7、図8を参照しながら詳細に説明する。
図7は、対象物Gの一部を側面側(−Y方向側)からみた場合の様子を示している。
図7に示すように、天頂角演算部102は、対象物Gの表面部位ごとの法線ベクトルの方位を特定する。例えば、天頂角演算部102は、対象物Gのある表面部位g1に対応する画素122において取得された分光スペクトルに基づいて、表面部位g1の法線ベクトルNの天頂角θを特定する。同様に、天頂角演算部102は、表面部位g1’に対応する画素122において取得された分光スペクトルに基づいて、法線ベクトルN’の天頂角θ’を特定する。このようにして、天頂角演算部102は、対象物Gの全表面部位に対応する法線の天頂角を特定する。
具体的には、天頂角演算部102は、以下に説明するように、最大の受光強度を与える波長(ピーク波長λt)の受光強度Itと、当該ピーク波長λtの光の対象物Gの表面に対する入射角θ1と、の関係を示す理論式に基づいて、実測値(分光スペクトル)から入射角θ1を特定することで、天頂角θを特定する。
ここで、図8(a)は、横軸に波長λを、縦軸に反射率Rを示すグラフである。ここで、縦軸の反射率Rは、事前に実施される測定により、受光強度Iと一対一に対応付けられている。
上述の図4(a)に示したように、薄膜層Fを有する表面で反射する各反射光P21、P22、・・・の光路差Lは、入射角θ1(屈折角θ2)に依存して変化する(式(1)参照)ため、強め合う波長λtは、当該入射角θ1に対応する。したがって、図8(a)に示すように、入射角θ1が、10度、30度、60度と大きくなるにつれ、ピーク波長λtは、λ3、λ2、λ1(λ3>λ2>λ1)と、シフトする。また、ピーク波長λtの受光強度Itに対応する反射率Rtは、R3、R2、R1(R3<R2<R1)と徐々に大きくなる傾向が示される。
天頂角演算部102は、下地層(対象物G)の屈折率n3が既知であれば、薄膜層Fの屈折率n2が未知であっても、実測により得られた受光強度It(反射率Rt)を式(7)に当てはめることで、入射角θ1を特定することができる。また、画素122ごとに求められた入射角θ1は、その表面部位における反射角である天頂角θに一致する(図3参照)。したがって、天頂角演算部102は、ピーク波長λtの受光強度Itと、当該ピーク波長λtの光の対象物Gの表面に対する入射角θ1と、の関係を示す理論式(式(7))に基づいて、各表面部位における法線の天頂角θを特定することができる。
図9(a)は、対象物Gを分光撮像部12側(+Z方向側)からみた場合の図である。
方位角演算部103は、対象物Gの表面部位ごとに、干渉光P2の最大の受光強度を与える可変偏光部121の回転角度(即ち、可変偏光部121が透過させる特定の偏光成分の方位n)に基づいて、対象物Gの表面部位ごとの法線の方位角φを特定する。
例えば、図9(a)に示すように、方位角演算部103は、表面部位g1に対応する画素122において受光した干渉光P2の受光強度の最大値を与える可変偏光部121の回転角度に基づいて、当該表面部位g1における法線ベクトルN1の方位角φ1を特定する。同様に、方位角演算部103は、表面部位g2、g3、g4、・・・の各々に対応する画素122において受光した干渉光P2の受光強度の最大値を与える回転角度に基づいて、当該表面部位g2、g3、g4、・・・の各々における法線ベクトルN2、N3、N4、・・・の方位角φ2、φ3、φ4、・・・を特定する。
例えば、方位角演算部103は、ある表面部位g1に対応する画素122において、可変偏光部121の複数の異なる回転角度kごとに取得された複数の受光強度Iaを比較して、最大の受光強度Ia1を特定する。ここで、表面部位g1に対応する画素122において、当該表面部位g1で反射した干渉光P2を最大限に受光可能となる条件は、可変偏光部121の方位nが当該干渉光P2の偏光成分の振動方向に一致する場合である(図3参照)。したがって、方位角演算部103は、図9(b)において最大の受光強度Ia1を与える可変偏光部121の回転角度k1が、干渉光P2の偏光成分の振動方向に一致し、更に、表面部位g1の法線ベクトルN1の方位角φ1に一致するものとみなす。このようにして、方位角演算部103は、各表面部位に対応する各画素122において最大の受光強度Iaを与える回転角度kを、当該表面部位ごとに特定し、対象物Gの各表面部位における法線ベクトルNの方位角φを特定する。
したがって、本実施形態に係る方位角演算部103は、方位角φを、各表面部位の、対象物Gを分光撮像部12からみた場合における当該対象物Gの外縁との位置関係に基づいて一意に特定する。具体的には、方位角演算部103は、図9(a)に示すように、対象物Gの外縁を示す輪郭線Gcを抽出する。輪郭線Gcは、対象物Gの領域と、当該対象物Gが存在しない大気層Aの領域と、を区画する境界である。ここで、輪郭線Gcの各所における表面部位の法線ベクトルNが向く方位は、当該輪郭線Gcの各所において対象物Gの領域から大気層Aの領域に向かう方位に一致する。したがって、本実施形態に係る方位角演算部103は、輪郭線Gcの区画内に配される他の表面部位の法線ベクトルは、当該表面部位から近い側に配される輪郭線Gcの所定箇所における法線ベクトルと同じ方位を向いているものと仮定して、方位角φを一意に特定する。
例えば、方位角演算部103は、まず、図9(a)における表面部位g1における方位角φ1が、回転角度k1、又は、回転角度k1+180°の何れかであるところまで特定する。次に、方位角演算部103は、表面部位g1の位置から方位角φ1=k1の方位に位置する輪郭線Gcまでの距離と、表面部位g1から方位角φ1=k1+180°の方位に位置する輪郭線Gcまでの距離と、を比較する。そして、方位角演算部103は、比較の結果、上記距離が短かった方の輪郭線Gcを向く方位となるように方位角φ1を特定する。
以上の処理により、計算処理部10は、分光撮像部12により取得された複数の撮像データに基づいて、対象物Gの三次元形状の計測を完了する。
ここで、干渉光P2のうち強め合いを起こす分光成分の波長(ピーク波長λt)においては、その位相差Δtが、2πの自然数m(m=1、2、・・・)倍になる。これと、式(8)より、強め合いを起こす分光成分の位相差Δtは次の式(9)のように表される。
図10(a)は、分光撮像部12が干渉光P2を取り込んで、画素122ごとに取得した分光スペクトルにより構成された画像(撮像データ)の例である。
図10(a)に示す撮像データは、分光撮像部12により取得される対象物Gの撮像データである。円柱状の対象物Gの各表面部位において生じた干渉光P2が、対応する画素122の各々において取り込まれる。撮像データ(図10(a))は、画素122ごとに観測されたピーク波長λtを、当該画素122において表示する色情報(R、G、B各々の数値の組み合わせからなる情報)に対応させた画像情報である(撮像データは、虹色に分布した画像情報となる)。
図10(b)は、図10(a)のように取得された分光スペクトルに基づいて、薄膜特性演算部105が算出した薄膜層Fの膜厚分布である。本実施形態に係る三次元形状計測装置1は、対象物Gの三次元形状だけでなく、図10(b)に示すような、当該対象物Gの表面に形成された薄膜層Fの特性(膜厚d、屈折率n2)の分布を推定することができる。
なお、他の実施形態に係る三次元形状計測装置1は、薄膜層Fの特性(膜厚d、屈折率n2)が既知であることを前提として、分光スペクトルに基づいて天頂角を特定するものであってもよい。薄膜層Fの特性が既知の場合、天頂角演算部102は、単に、観測されたピーク波長λtから式(11)等に基づいて天頂角(入射角θ1)を特定するものであってもよい。
これにより、三次元形状計測装置1は、対象物Gの三次元形状だけでなく、当該対象物Gの表面に形成された薄膜層Fの特性(膜厚d、屈折率n2)の分布を推定することができる。
例えば、他の実施形態に係る三次元形状計測装置1は、三次元形状を有する対象物Gの表面に形成された薄膜層Fの特性を計測する薄膜計測装置として機能するものであってもよい。この場合、当該薄膜計測装置としての三次元形状計測装置1は、方位角φを特定する機能を有していなくともよく、したがって、方位角演算部103、及び、方位角を特定するために必要な可変偏光部121を具備しなくともよい。ただし、当該他の実施形態に係る三次元形状計測装置1の他の機能構成は、第1の実施形態(図1)と同様である。
さらに、三次元形状計測装置1(薄膜計測装置)は、画素122の各々において最大の受光強度を与える波長(ピーク波長λt)に基づいて、当該画素122に対応する対象物Gの表面部位ごとにおける照射光P1’の入射角θ1を特定する入射角演算部と、分光撮像部12の画素122ごとに取得された分光スペクトルと、照射光P1’の入射角θ1と、対象物Gの表面に形成された薄膜の膜厚d及び屈折率n2と、の関係を示す理論式に基づいて、対象物Gの特定の表面部位に形成された薄膜の膜厚d及び屈折率n2を算出する薄膜特性演算部105と、を備えている。ここで、入射角演算部は、第1の実施形態に係る天頂角演算部102と同様の機能構成により実現される(図7、図8等を参照)。
一方、本実施形態に係る薄膜計測装置によれば、複雑な表面形状を有する対象物に対する1回の分光撮影だけで、下地層(対象物G)に積層された薄膜層Fの屈折率n2と膜厚dの面内分布を全て計測することができる。したがって、複雑な三次元形状の表面上に形成された薄膜の特性を簡素に把握することができる。
また、CPU100の各機能構成が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
10 計算処理部
100 CPU
101 撮像制御部
102 天頂角演算部(入射角演算部)
103 方位角演算部
104 三次元形状構築部
105 薄膜特性演算部
106 操作部
107 外部接続インターフェイス
108 記憶部
11 偏光照射部
110 光源(全方位照射部)
111 拡散板(全方位照射部)
112 固定偏光部
12 分光撮像部
120 本体部
121 可変偏光部
122 画素
G 対象物
g1 表面部位
O 基準軸
A 大気層
F 薄膜層
P1、P1’ 照射光
P2 干渉光
Claims (8)
- 表面に薄膜が形成された対象物に対し、所定の基準軸に平行な偏光成分のみを有する照射光を、当該対象物の全方位から均一に照射する偏光照射部と、
前記対象物の前記基準軸上に設けられ、前記対象物の表面で反射して生成された干渉光のうち前記基準軸と直交する面内の特定方位に平行な偏光成分を、異なる複数の前記特定方位ごとに受光するとともに、受光した前記干渉光の受光強度及び分光スペクトルを、内部に配列された複数の画素ごとに取得する分光撮像部と、
前記画素の各々において最大の受光強度を与える波長に基づいて、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとの法線の、前記基準軸に対する角度を特定する天頂角演算部と、
前記画素の各々において最大の受光強度を与える前記特定方位に基づいて、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとの法線の、前記基準軸の周方向の角度を特定する方位角演算部と、
を備える三次元形状計測装置。 - 前記偏光照射部は、
表面に薄膜が形成された対象物に対し、照射光を、当該対象物の全方位から均一に照射する全方位照射部と、
前記全方位照射部と前記対象物との間に設けられ、前記全方位照射部が照射した前記照射光のうち前記基準軸に平行な偏光成分のみを透過させる固定偏光部と、
を有する請求項1に記載の三次元形状計測装置。 - 前記分光撮像部は、
前記基準軸と直交する面内で回転可能に設けられ、前記干渉光のうち回転角度に応じた方位に平行な偏光成分のみを透過させる可変偏光部を有する
請求項1または請求項2に記載の三次元形状計測装置。 - 前記天頂角演算部は、
最大の受光強度を与える波長の当該受光強度と、当該波長の光の前記対象物の表面に対する入射角と、の関係を示す理論式に基づいて前記入射角を特定することで、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとの法線の、前記基準軸に対する角度を特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の三次元形状計測装置。 - 前記方位角演算部は、更に、
前記周方向の角度を、前記表面部位の各々の、前記対象物を前記分光撮像部からみた場合における当該対象物の外縁との位置関係に基づいて特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の三次元形状計測装置。 - 前記分光撮像部の画素ごとに取得された前記分光スペクトルと、前記照射光の入射角と、前記対象物の表面に形成された薄膜の膜厚及び屈折率と、の関係を示す理論式に基づいて、前記表面部位ごとの、前記薄膜の膜厚及び屈折率を算出する薄膜特性演算部をさらに備える
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の三次元形状計測装置。 - 表面に薄膜が形成された対象物に対し、所定の基準軸に平行な偏光成分のみを有する照射光を、当該対象物の全方位から均一に照射するステップと、
前記対象物の前記基準軸上において、前記対象物の表面で反射して生成された干渉光のうち前記基準軸と直交する面内の特定方位に平行な偏光成分を、異なる複数の前記特定方位ごとに受光するステップと、
受光した前記干渉光の受光強度及び分光スペクトルを、配列された複数の画素ごとに取得するステップと、
前記画素の各々において最大の受光強度を与える波長に基づいて、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとの法線の、前記基準軸に対する角度を特定するステップと、
前記画素の各々において最大の受光強度を与える前記特定方位に基づいて、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとの法線の、前記基準軸の周方向の角度を特定するステップと、
を有する三次元形状計測方法。 - 表面に薄膜が形成された対象物に対し、所定の基準軸に平行な偏光成分のみを有する照射光を、当該対象物の全方位から均一に照射する偏光照射部と、
前記対象物の前記基準軸上に設けられ、前記対象物の表面で反射して生成された干渉光を受光するとともに、受光した前記干渉光の受光強度及び分光スペクトルを、内部に配列された複数の画素ごとに取得する分光撮像部と、
前記画素の各々において最大の受光強度を与える波長に基づいて、当該画素に対応する前記対象物の表面部位ごとにおける前記照射光の入射角を特定する入射角演算部と、
前記分光撮像部の画素ごとに取得された前記分光スペクトルと、前記照射光の入射角と、前記対象物の表面に形成された薄膜の膜厚及び屈折率と、の関係を示す理論式に基づいて、前記対象物の特定の表面部位に形成された前記薄膜の膜厚及び屈折率を算出する薄膜特性演算部と、
を備える薄膜計測装置。
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