JP6365927B2 - 現像装置並びにこれを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像装置並びにこれを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いて潜像担持体上の潜像を現像する現像装置、並びに、これを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
この種の現像装置は、一般に、現像剤担持体に沿って現像剤担持体回転軸方向に延びる現像剤供給搬送路中を搬送されている二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を、回転している現像剤担持体の表面に担持させ、現像剤担持体の回転により現像領域へ搬送する。
現像装置としては、現像領域でトナーを消費した現像剤担持体表面上の現像済み現像剤を現像剤供給搬送路とは別の搬送路である現像剤回収搬送路へ回収する供給回収分離方式を採用するものがある(例えば特許文献1)。
一般に、現像装置は、トナーが現像装置外部に飛散するのを防止すべく、現像剤担持体表面の一部を潜像担持体に対向させるための開口部を除いて、現像ケースによって現像装置内部と外部との間が隔離された構造となっている。このような構造においても、現像剤担持体表面と現像ケースとの間には空隙が存在するため、この空隙を通じて現像剤中のトナーが現像装置外部に飛散するおそれがある。現像装置外部にトナーが飛散すると、画像形成装置内部に広がったトナーによって、例えば、最終的に画像が形成される紙等の記録材が汚れたり、画像形成装置内部に配置された部材や装置の正常な動作が妨げられたりする。よって、現像装置外部にトナーが飛散するのを抑制することは、重要な課題である。
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤回収搬送路が現像剤供給搬送路に対して下方に配置された供給回収分離方式の現像装置において、現像ケースと現像剤担持体表面との間の空隙(下側ケースギャップ)から流入する気流の強さを確保して、トナー飛散抑制効果が低下しにくい現像装置並びにこれを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジを実現することである。
前記目的を達成するために、本発明は、現像剤担持体表面移動方向で互いに隣接しかつ互いに同極性である2つの磁極を含む複数の磁極を備えた磁界発生手段を内包し、トナー及び磁性キャリアからなる現像剤を表面に担持して表面移動することにより、潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面上に供給される現像剤を現像剤供給搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤供給搬送路、及び、前記現像剤供給搬送路よりも下方位置で前記2つの磁極によって該現像剤担持体の表面から離脱した現像剤を回収して、現像剤回収搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤回収搬送路が内部に形成された現像ケースとを有する現像装置において、現像剤担持体表面移動方向における前記2つの磁極それぞれの現像剤担持体表面上の法線方向磁束密度が最大になる箇所の間の現像剤担持体表面部分に対して一端側が所定の間隔をあけて対向し、かつ、該一端側とは反対側の他端側が前記現像剤回収搬送路を構成する前記現像ケースの内壁に対して所定の間隔をあけて対向する現像剤案内部材を備え、前記現像剤案内部材は、上面が該現像剤担持体の表面から離脱する少なくとも一部の現像剤を受け取る位置に配置されており、前記現像剤回収搬送部材は、回転軸上に螺旋構造のフィンが設けられたスクリュー部材で構成され、前記現像剤回収搬送路内の現像剤を搬送する際に該スクリュー部材のフィンによって該現像剤回収搬送路内の底部に存在する現像剤に現像剤担持体から離れる方向への搬送力が付与されるように構成されており、前記現像剤案内部材における前記他端側の水平方向位置は、前記スクリュー部材の回転軸よりも現像剤担持体から離れる側に位置することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤回収搬送路が現像剤供給搬送路に対して下方に配置された供給回収分離方式の現像装置において、現像ケースと現像剤担持体表面との間の空隙から流入する気流の強さを確保でき、トナー飛散抑制効果が低下するのを抑制することができるという優れた効果が奏される。
実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 同プリンタにおける作像装置の概略構成図である。 現像ローラ表面上における法線磁束密度分布を追記した現像装置及び感光体の説明図である。 同現像ローラの回転軸方向に平行な断面の断面説明図である。 同現像装置の主要部の内部斜視図である。 同現像装置の主要部の外観斜視図である。 現像ケース中の現像剤の流れを説明する模式図である。 同現像装置の回転軸方向に平行な断面の側方断面図である。 同現像装置の連通口部分の説明図である。 同現像装置における現像ローラから剥離した現像剤の流れを示す説明図である。 同現像装置に設けられる樋部材の取り付け方法を説明するための説明図である。 変形例1における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。 実施形態に係る現像装置において回収室搬送部材と樋部材との間を移動する現像剤の移動経路を説明するための説明図である。 変形例2における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。 大径の現像ローラを用いた現像装置において現像ローラから剥離する現像剤の動きを説明するための説明図である。 小径の現像ローラを用いた現像装置において現像ローラから剥離する現像剤の動きを説明するための説明図である。 変形例3における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。 変形例3における現像装置の樋部材近傍の拡大断面図である。
以下、本発明を画像形成装置としてのプリンタ100に適用した実施形態について説明する。
図1は、プリンタ100の概略構成図である。
本実施形態のプリンタ100は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置であり、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン(以下、K、M、Y、Cと記す。)の各色トナー像を形成する作像装置17K,17M,17Y,17Cを備えている。これらの作像装置17K,17M,17Y,17Cの下方には、下流側張架ローラ18及び上流側張架ローラ19に掛け回されて記録紙Pを表面に担持して搬送し、各作像装置17K,17M,17Y,17Cに対向しながら表面移動する記録材搬送部材としての転写搬送ベルト15が配設されている。転写搬送ベルト15を挟んで各作像装置17K,17M,17Y,17Cと対向する転写バイアスローラ5K,5M,5Y,5Cを備えている。
また、転写搬送ベルト15による記録紙搬送方向について下流側張架ローラ18よりも下流側には、転写搬送ベルト15から分離した記録紙P上の未定着トナーを定着する定着装置24を備えている。また、プリンタ100の本体上部には、定着装置24を通過しトナー像が定着した記録紙Pを積載するための排紙トレイ25を備えている。
転写搬送ベルト15の下方には、記録紙Pを収容する複数の給紙カセット20を備えている。また、転写搬送ベルト15と作像装置17K,17M,17Y,17Cとが対向する転写領域に各給紙カセット20から記録紙Pを供給する記録紙供給手段としての給紙搬送装置26と、給紙カセット20から搬送されてきた記録紙Pを作像装置17K,17M,17Y,17Cによる作像タイミングに合わせて供給するレジストローラ対23とを備えている。
図1ではプリンタ100が図1中の左右方向において小型になるよう、転写搬送ベルト15が斜め方向に配設され、矢印Aで示す記録紙Pの搬送方向が斜め方向となっている。これにより、プリンタ100は、図1中の左右方向における筐体の幅が、A3サイズの記録紙長手方向の長さよりも僅かに長い大きさとなっている。すなわち、プリンタ100は、内部に記録紙を収容するために最低限必要な大きさとされることで大幅に小型化されている。
各作像装置17K,17M,17Y,17Cは、潜像担持体としてドラム状の感光体1K,1M,1Y,1Cを有している。この感光体1K,1M,1Y,1Cの回転方向に関して順に、それぞれ帯電装置2K,2M,2Y,2C、現像装置3K,3M,3Y,3C、クリーニング装置6K,6M,6Y,6C、等を有している。また、帯電装置2K,2M,2Y,2Cと現像装置3K,3M,3Y,3Cとの間の感光体1K,1M,1Y,1Cの表面に対して露光装置16K,16M,16Y,16Cから書込光Lが照射される周知の構成である。感光体1K,1M,1Y,1Cとしてはドラム状でなく、ベルト状としても良い。
このような構成のプリンタ100では、画像形成スタートとともに、各作像装置17K,17M,17Y,17Cで各色トナー像が形成される。各作像装置17K,17M,17Y,17Cでは、感光体1K,1M,1Y,1Cが、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置2K,2M,2Y,2Cによって一様帯電された後、露光装置16K,16M,16Y,16Cより、画像を色分解した色毎の画像情報に応じて書込光Lが照射され、静電潜像が形成される。感光体1K,1M,1Y,1C上に形成された静電潜像は、現像装置3K,3M,3Y,3Cにより現像され、各感光体1K,1M,1Y,1Cの表面上に各色トナー像が形成される。一方、複数ある給紙カセット20のうちの1つから給紙搬送された記録紙Pは、レジストローラ対23によって作像装置17K,17M,17Y,17Cによる作像タイミングに合わせて、転写搬送ベルト15の表面上に供給される。そして、転写搬送ベルト15に担持された記録紙Pは転写搬送ベルト15の表面移動によって各色の転写領域に搬送される。
各感光体1K,1M,1Y,1C上に形成されたトナー像は、感光体1K,1M,1Y,1Cと転写搬送ベルト15との対向部で転写手段である転写バイアスローラ5K,5M,5Y,5Cによって転写搬送ベルト15上に担持された記録紙Pに順次転写される。このようにしてK(黒)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の順で各感光体1K,1M,1Y,1C上に形成されたトナー像が転写され、重ね合わせカラートナー像が記録紙P上に形成される。トナー像を転写された記録紙Pは、転写搬送ベルト15から分離され、定着装置24に搬送され、トナー像が定着されて機外の排紙トレイ25に排出される。
一方、記録紙P上にトナー像を転写した後の感光体1K,1M,1Y,1Cは、クリーニング装置6K,6M,6Y,6Cによって転写残トナーの除去がなされ、必要に応じて図示しない除電ランプで除電された後、再度、帯電装置2K,2M,2Y,2Cで一様に帯電される動作を繰り返す。
図1に示すプリンタ100では、転写搬送ベルト15の搬送方向に沿って搬送方向上流側から、K(黒)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の順に4つの作像装置17K,17M,17Y,17Cが配置されているが、各色の作像装置17K,17M,17Y,17Cを配置する順序はこの限りではない。例えば、黒用の作像装置17Kを搬送方向最下流側に配置し、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)、K(黒)の順に4つの作像装置17(M,Y,C,K)を配置してもよい。
次に、作像装置17について詳しく説明する。
本実施形態のプリンタ100の作像装置17K,17M,17Y,17Cは、現像装置3内の画像形成物質として、互いに異なる色のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。このため、以下、色分け添字K、M、Y、Cを省略し、作像装置17として説明する。
図2は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3を含む作像装置17の概略構成図である。
現像装置3は感光体1に対向配置され、感光体1は図2中矢印aに示すように図2における時計回り方向に回転駆動する。感光体1の上方、時計の文字盤で表現すれば図2中の感光体1の略12時の位置に帯電装置2が配置されている。帯電装置2は本例では感光体1と同じ表面移動速度で回転される回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
この帯電装置2により感光体1の表面は暗中で一様に帯電された後、図示省略の書き込み手段である露光装置16からの書込光Lの照射を受けて静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体1の回転と共に下流側に移動し現像装置3に至る。現像装置3は感光体1の右横に配置されている。現像装置3は現像ケース301内に、現像剤320を撹拌搬送する現像剤供給搬送部材としての供給室搬送部材304及び現像剤回収搬送部材としての回収室搬送部材305、現像剤担持体としての現像ローラ302などの回転部材及びその他の部材を具備している。
現像ローラ302は図2中の感光体1の2時と3時との間の位置(2時半の位置)で感光体1に近接して対向させることで現像領域αを構成するようにして近接配置されている。この感光体1との対向部位に相当する現像ケース301の部位は現像ローラ302を露出させるため開口している。ここで、現像領域αとは、現像ローラ302の表面に担持された現像剤320が感光体1の表面と接触する領域である。
現像ローラ302が図2中の矢印b方向に表面移動することにより、現像ケース301内の現像剤320は現像ローラ302の表面上に担持され、図2中の矢印B方向に搬送され、現像領域αへ搬送されるようになっている。現像領域αで感光体1の表面に形成されている静電潜像に現像剤320中のトナーが付着してトナー像として顕像化される。このトナー像は感光体1の回転と共に感光体1の表面移動方向下流側に移動し、転写装置の転写バイアスローラ5との対向部である転写領域βに至る。転写バイアスローラ5は、感光体1の下方、図2中の感光体1の6時の位置に配置されている。本実施形態の転写装置は、転写部材として回転体からなる転写バイアスローラ5を備える構成であるが、転写部材としては回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
感光体1上のトナー像は転写領域βにおいて記録紙Pに転写され、記録紙P上の画像となる。本実施形態のプリンタ100は、感光体1上に形成したトナー像を記録紙Pに直接転写する構成である。感光体1上に形成したトナー像を記録紙Pに転写する構成としては、感光体1上のトナー像を中間転写体(中間転写ベルトなど)に一旦転写し、中間転写体上で各色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、その後多色トナー像を一括して記録紙に転写する中間転写体方式の画像形成装置にも本発明の現像装置は適用可能である。この場合は、転写領域βで感光体1上のトナーを中間転写体(中間転写ベルト)に転写することになる。
転写領域βを通過した感光体1表面は感光体1の回転に伴い、その表面移動方向下流側へ移動してクリーニング装置6との対向部に至る。クリーニング装置6は図2中の感光体1に対して10時の位置に配置されている。クリーニング装置6は、転写領域βで記録紙Pに転写し切れずに感光体1の表面に残ったトナーを、クリーニングブレード601により除去する。クリーニング装置6との対向部を通過した感光体1の表面は、その後、帯電装置2により一様に帯電され、次の画像形成工程を繰り返す。
本実施形態の現像装置3は、図1に示すように書込光Lで感光体1の表面上に潜像を書き込む方式の画像形成装置と組み合わせたものである。帯電装置2により感光体1の表面上に一様に負極性の電荷を乗せ、負極性の電位を低くするために画像部を書込光Lで露光し、電位が低下した画像部(静電潜像)に負極性のトナーで現像する、いわゆる反転現像方式を採用している。これは一例であり、本発明の特徴部を備えた現像装置を適用する構成としては、感光体1の表面上に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
次に、現像装置3について詳しく説明する。
図2に示すように、現像装置3は、現像ケース301の内部に現像ローラ302、供給室搬送部材304、回収室搬送部材305、現像剤規制部材303を有し、現像剤320を撹拌搬送して循環させている。 本実施形態の現像装置3では、供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305として、回転軸部に螺旋形状のスクリュー羽部を固定したスクリュー部材を用いており、スクリュー羽部の外径が16[mm]以下のものを用いている。
図3は、現像ローラ302の表面上における法線磁束密度分布を追記した現像装置3及び感光体1の説明図である。
図3に示すように、現像ローラ302は、円周方向に複数の磁石MG(MG1〜MG5)を配置した磁界発生手段としてのマグネットローラ302dを内部に有し、その周囲を円筒状の現像スリーブ302cが回転軸302eと一体的に回転する構成となっている。現像スリーブ302cはアルミニウム等の非磁性の金属で形成されている。マグネットローラ302dは、各磁石MG1〜MG5が所定の方向を向くように不動部材、例えば、現像ケース301に固定されている。現像ローラ302では、不動部材であるマグネットローラ302dの周囲を現像スリーブ302cが回転して、磁石MGによって引き付けた現像剤320を現像スリーブ302cの表面に担持して搬送していく。本実施形態では、磁極を生じさせるためにそれぞれ独立した磁石を現像ローラ内部に配置しているが、たとえば磁性体のローラに5極の磁極を着磁させた構成でも良い。
図4は、現像ローラ302の回転軸方向に平行な断面の断面説明図である。
図4に示すように、現像ローラ302は、不動部材である現像ケース301に固定されている固定軸302aと、この固定軸302aに一体的に形成され、円柱状をしたマグネットローラ302dと、マグネットローラ302dのまわりをギャップを介して覆っている現像スリーブ302cと、この現像スリーブ302cに一体的に構成された回転軸302e等からなる。固定軸302aに対して回転軸302eは軸受302fを介して回転自在であり、回転軸302eは図示省略の回転駆動手段から動力を伝達されて回転駆動される。マグネットローラ302dの外周部には、図4に示すように所定の間隔をおいて5つの磁石MGが固定されている。これらの磁石MGの周囲を現像スリーブ302cが回転する構成となっている。
マグネットローラ302dに配置された5つの磁石MGは、現像スリーブ302cの周表面に現像剤320を穂立ちさせ、また穂切りなどさせるように磁界を形成するためのものである。これらの磁石MGから発せられる磁力線に沿うように、磁性キャリアが集合して磁気ブラシが形成される。マグネットローラ302dに設けられた5つの磁石MG1〜MG5によって、現像スリーブ302cの表面上には、図3に示すような法線磁束密度分布をもった磁界が形成される。
本実施形態の現像装置3では、現像磁極(N極)が磁石MG1によって形成され、現像後の現像剤を現像ケース内に搬送するための搬送磁極(S極)が磁石MG2によって形成され、現像後の現像剤を剥離させるための2つの剥離磁極(いずれもN極)が磁石MG3,MG4によって形成され、現像剤規制部材303と対向する規制磁極が磁石MG5によって形成される。
現像領域αでは、現像ローラ302の表面と感光体1の表面とは直接には接触せず、現像に適する一定の間隔である現像ギャップGPを維持して対向している。現像装置3は、現像ローラ302表面上において、現像磁極により現像剤320を穂立ちさせ、現像剤320を感光体1に接触させることで、感光体1表面の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する。
現像装置3の現像ローラ302を構成する固定軸302aには、接地された不図示のバイアス用の電源が接続されている。固定軸302aに接続された電源からの電圧は、図4中に示す導電性の軸受302f及び導電性の回転軸302eを経て現像スリーブ302cに印加される。一方、感光体1を構成する最下層の導電性支持体は接地されている。このような構成により、現像領域αには、現像剤320を構成するキャリアから離脱したトナーを感光体1側へ移動させる電界が形成され、現像スリーブ302cと感光体1の表面に形成された静電潜像との電位差により、トナーを感光体1側に向けて移動させることができる。
現像装置3では、磁石MG5による規制磁極が発生させる磁界によって現像剤貯留スペースεから現像ローラ302の表面上への現像剤320の汲み上げを行う。また、磁石MG5による規制磁極及び磁石MG1による現像磁極が発生させる磁界によって現像剤貯留スペースεから現像剤320が供給される位置から現像領域αまでの現像ローラ302上の現像剤320の保持を行う。さらに、磁石MG1による現像磁極及び磁石MG2による搬送磁極が発生させる磁界によって現像領域αから現像ローラ302の表面の現像剤320を現像ケース301内までの現像ローラ302上の現像剤320の保持を行う。また、磁石MG3による剥離磁極が発生させる磁界によって現像ローラ302の表面の現像剤320を、磁石MG3及び磁石MG4による剥離磁極によって生じる反発磁界によって現像ローラ302上から現像剤320を剥離させる剥離領域γまでの現像ローラ302上の現像剤320の保持を行う。剥離領域γでは、磁石MG3及び磁石MG4による剥離磁極によって生じる反発磁界によって現像ローラ302上から現像剤320が剥離される。
感光体1にトナーを付着させた現像後の現像剤320は、トナー濃度が下がっている。このため、仮に、このトナー濃度が低下した現像剤320が現像ローラ302から離れずに再び現像領域αに搬送され現像に供されると、狙いの画像濃度を得ることが出来ないという不具合が生じてしまう。これを防止するため、現像装置3では、現像領域αを通過し、現像スリーブ302cの表面上に担持された現像剤320を剥離領域γにおいて現像ローラ302から離脱させる。現像ローラ302から離脱した現像剤320は、現像剤回収搬送路としての回収室305aに回収され、その後、狙いのトナー濃度、トナー帯電量になるように、現像ケース301内で十分に撹拌混合される。
このようにして、狙いのトナー濃度、帯電量にされた現像剤320は、現像剤供給搬送路としての供給室304a内から供給室搬送部材304によって現像剤貯留スペースεに供給される。このとき、現像ローラ302よりも上方に配置された供給室搬送部材304によって現像剤がダイレクトに現像剤貯留スペースεに押し込まれるのを防止するため、流れ込み防止壁311を乗り越えて現像剤貯留スペースεへと現像剤が供給されるような工夫がなされている。なお、流れ込み防止壁311は後述する仕切板306の一部に形成されている。
現像剤貯留スペースεに供給された現像剤320は、磁石MG5による規制磁極の磁力によって現像スリーブ302cの表面に担持され、規制磁極のピーク位置の直近下流部に位置する現像剤規制部材303との対向部を通過することにより、所定の厚さに整えられる。現像剤規制部材303との対向部を通過した現像剤320は、磁気ブラシを形成しながら現像領域αに搬送される。
図5は、現像装置3の主要部の内部斜視図であり、図6は、現像装置3の主要部の外観斜視図である。また、図7は、現像装置3を図6中の矢印E方向から見た、現像ケース301内の現像剤320の流れを説明する模式図である。また、図8は、現像装置3を図6中の矢印E方向からみた供給室搬送部材304の回転軸近傍の断面説明図である。図9は、現像装置3の長手方向両端部の仕切板306に連通孔を設けた部分を上方から見た説明図である。図5及び図8中の矢印D1〜D4及び図7中の各矢印が現像ケース301内の現像剤320の流れを示している。
図2及び図3に示すように、供給室搬送部材304は現像ローラ302のまわりの位置であって、図2及び図3中の現像ローラ302の2時の方向に配置されている。この位置は現像剤規制部材303との対向部に対して現像ローラ302の表面移動方向上流側でもある。図5及び図8に示すように、供給室搬送部材304は回転軸の回りに螺旋状の羽部を設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ302の現像ローラ中心線O−302aと平行な供給スクリュー中心線O−304を中心に、図2及び図3中の矢印fで示す時計回り方向に回転する。この回転により、図5及び図8中の矢印D4で示すように、供給スクリュー中心線O−304に沿って現像装置3の長手方向の手前側FSから奥側BSに向けて現像剤320を撹拌しながら搬送する。つまり、供給室搬送部材304は回転軸に回転駆動が入力されることにより現像剤320をその軸方向における手前側FSから奥側BSに向けて搬送する。
図2及び図3に示すように、回収室搬送部材305は現像ローラ302のまわりの位置であって、図2及び図3中の現像ローラ302の4時の方向で、剥離領域γの近傍に配置されている。図5及び図8に示すように、回収室搬送部材305は回転軸の回りに螺旋状の羽部(フィン)を設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ中心線O−302aと平行な回収スクリュー中心線O−305を中心に、図2及び図3中の矢印gで示す反時計回り方向に回転する。この回転により、図5及び図8中の矢印D2で示すように、回収スクリュー中心線O−305に沿って現像装置3の長手方向の奥側BSから手前側FSに向けて現像剤320を撹拌しながら搬送する。つまり、回収室搬送部材305は回転軸に回転駆動が入力されることにより現像剤320を供給室搬送部材304による搬送方向とは逆向きの奥側BSから手前側FSに向けて搬送する。
回収室搬送部材305に対して供給室搬送部材304は上方に位置する関係となっており、現像ケース301内で供給室搬送部材304の周囲の空間である供給室304aと、回収室搬送部材305の周囲の空間である回収室305aとは仕切板306を挟んで隣接している。 図5及び図6に示すように、供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305の手前側FSの端部は、現像ローラ302の手前側FSの端部よりも若干手前側に位置するように設定していている。これにより、現像ローラ302の手前側FSの端部への供給室304a内からの現像剤320の供給を確保している。また、供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305の奥側BSの端部は現像ローラ302の奥側BSの端部よりも奥側に位置するように設定している。これにより、後述するトナー補給のためのスペースを確保している。現像剤規制部材303の長手方向の長さは、現像ローラ302の長さに合わせて設定されている。
図2、図3、図7及び図8に示すように、供給室搬送部材304と回収室搬送部材305との間には、供給室304aと回収室305aとを空間的に仕切る仕切板306が現像ケース301の内側に支持されている。この仕切板306の長手方向両側端部には、それぞれ連通口41,42が設けられている。回収室搬送部材305によって長手方向の奥側BSから手前側FSに搬送された(図中矢印D2)現像剤320は、その搬送方向端部で現像ケース301の側壁で進路を絶たれるため側壁に沿って盛り上がる。この盛り上がりによって、回収室305a内の搬送方向下流側端部に到達した現像剤320は、上述した仕切板306の長手方向両側端部に設けられた連通口のうちの長手方向についての手前側FSの端部に設けられた持ち上げ口41を通過し(図中矢印D3)、供給室304aに受け渡される。
供給室304aに受け渡された現像剤320は、供給室搬送部材304によって供給室304a内を長手方向の手前側FSから奥側BSに搬送される(図中矢印D4)。回収室305aの場合と同様に、供給室搬送部材304によって長手方向の手前側FSから奥側BSに搬送された現像剤320は、その搬送方向端部で現像ケース301の側壁で進路を絶たれる。供給室304a内の搬送方向下流側端部に到達した現像剤320は、上述した仕切板306の長手方向両側端部に設けられた連通口のうちの長手方向についての奥側BSの端部に設けられた落下口42より落下し、回収室305aに受け渡される。回収室305aに受け渡された現像剤320は、再び、回収室搬送部材305によって手前側FSに向けて搬送される(図中矢印D2)。
また、本実施形態の現像装置3は、仕切板306により供給室304aと回収室305aとの空間が仕切られている。このため、現像ローラ302に対しては供給室搬送部材304により、トナーとキャリアとが十分に撹拌混合された現像剤320のみが供給される。また、現像直後のトナー濃度の下がった現像剤320は専ら回収室搬送部材305により撹拌搬送され、直ぐに現像ローラ302に供給されることがない。よって、狙いの帯電量を持ったトナーを含み、狙いのトナー濃度となった現像剤320だけが現像ローラ302に供給され、現像に用いられることとなるため、高画質を得ることができる。
次に、現像装置3におけるトナー補給について説明する。
現像装置3内の現像剤320は、現像動作を繰り返す内にトナーが消費されていくため、現像装置3の外部から現像装置3内の現像剤320に対してトナーを補給する必要がある。本実施形態の現像装置3は、長手方向の奥側BSの端部近傍にトナー補給口309を備え、このトナー補給口309より図7及び図8中の矢印Tで示すように、外部からのトナーの補給を行う。本実施形態の現像装置3では長手方向の奥側BSの端部近傍は、現像ローラ302に現像剤を供給する供給室304a内の搬送方向下流側端部近傍となる。このため、トナー補給口309より補給されたトナーが直ちに現像に供されることはなく、落下口42を通過して回収室305aに供給されることとなる。
現像剤320と共に回収室305aに供給されたトナーは、回収室搬送部材305で現像剤320と混合・撹拌され、所定のトナー濃度となった現像剤320に含有された状態で、持ち上げ口41から供給室304aへと受け渡され、現像に供される。また、回収室搬送部材305を配置した回収室305aは、現像ローラ302の表面から離脱した現像剤320を回収して搬送するものであり、現像ローラ302への現像剤320の供給は行わない。このため、トナー補給口309から新しくトナーが補給されたことによって十分に撹拌されていない状態でトナー濃度が不均一な状態の現像剤320が現像に供されることを防止できる。これにより、トナー濃度が均一な状態の現像剤320が現像に供されることなり、画像濃度を安定させることができる。
トナー補給口309から補給されたトナーは、落下口42を通過して回収室305aに供給される。そして、現像ローラ302から離脱してトナー濃度の低下した状態で回収室305aに回収された現像剤320とともに、回収室搬送部材305によって撹拌混合されながら長手方向手前側FS(図中矢印D2方向)に向けて搬送される。新たに補給されたトナー及びトナー濃度が低下した現像剤320は、回収室305a内の搬送方向下流側端部である現像装置3の手前側FSの端部に搬送されるまでの間に、トナー濃度が正常化た現像剤320となり、持ち上げ口41から供給室304aへと受け渡される。供給室304aでは、現像剤320は、供給室搬送部材304によって現像装置3の長手方向の奥側BS(図中矢印D4方向)に搬送されながら現像ローラ302に供給され現像に使用される。
本実施形態においては、現像ローラ内部で現像ローラ表面移動方向に隣接した互いに同極性である2つの磁石MG3,MG4によって形成される2つの剥離磁極による反発磁界が発生する現像ローラ上の領域(剥離領域γ)に搬送された現像済み現像剤を、その反発磁界の作用により現像ローラ表面から剥離させ、供給室とは別の回収室へ回収させる。このような供給回収分離方式を採用するため、供給路を流れる現像剤のトナー濃度が現像剤搬送方向にわたって一定に維持される。よって、現像領域に供給される現像剤において現像剤担持体回転軸方向にトナー濃度のムラが生じることはない。
次に、本発明の特徴部分について説明する。
上述したとおり、現像装置外部にトナーが飛散するのを抑制することが重要な課題である。現像装置外部にトナーが飛散するのを抑制する方法としては、現像ローラ表面と現像ケースとの間の空隙を通じて、外気が現像ケースの内部空間に向かって流入し得る構成とするのが有効である。具体的には、現像領域を通過した現像後の現像剤が現像ローラの回転によって現像ケース内へ搬送されるときに生じる気流を利用して、当該現像後の現像剤が進入する現像ケースと現像ローラの空隙に現像ケースの内部空間へ向かう気流を生じさせる。このような構成によれば、その空隙を通じて流入する気流によって、トナーが現像装置外部に飛散するのを抑制し、あるいは、現像装置外部に飛散したトナーを現像装置内に回収することができる。
本実施形態において、現像領域αを通過した現像ローラ302の表面上に担持された現像剤320は、磁石MG2による搬送磁極の磁力によって現像ローラ302上に担持され、現像ローラ302の回転に伴って現像ケース301内に引き入れられる。このような現像ローラ302の回転及びこれに伴う現像剤の移動によって、現像ローラ302の表面と現像ケース内壁との間の空隙(下側ケースギャップ)CGには、外気を現像ケース301の内部空間へ吸い込む吸い込み気流が発生する。このような吸い込み気流が発生することで、トナーが現像装置3の外部に飛散するのを抑制し、あるいは、現像装置3の外部に飛散したトナーを現像装置内に回収することができ、トナー飛散抑制効果が得られる。下側ケースギャップCGは、現像領域から現像ローラの回転方向下流側において、現像ローラと現像ケースとの開口部の縁部(開口部近傍の内壁)が対向しているところのギャップ(間隙)である。
特に、本実施形態のマグネットローラ302dの磁石MG2は、現像ローラ表面と現像ケース301の内壁との空隙に対向するように配置されている。例えば、磁石MG2の法線方向磁束密度が最大となる箇所が、現像ケースの内壁との空隙に対向するように配置されている。このため、この磁石MG2による磁界によって現像ローラ上の現像剤は当該空隙内において穂立ちする。すなわち、現像磁極の磁界によって現像領域αで穂立ちした現像剤は、現像ローラ302の回転に伴って搬送されることで、一旦は寝た状態になった後、磁石MG2による搬送磁極との対向位置付近で再び穂立ちした状態になり、その後、再び寝た状態になるといった挙動を示す。このような現像剤の挙動により、現像ローラ302の表面と現像ケース内壁との間の空隙(下側ケースギャップ)CGには、強い吸い込み気流が発生し、より高いトナー飛散抑制効果が得られる。
ここで、下側ケースギャップCGを通じて流入する気流の強さが強いほどトナー飛散の抑制効果は高まるが、この気流の強さは、現像ケースの内部空間における気流の状態に大きく左右される。具体的には、下側ケースギャップCGから現像ケースの内部空間に流れ込む気流の流路の一部又は全部が現像剤によって塞がれてしまうと、当該下側ケースギャップCGを通じて流入する気流の強さが弱くなってしまう。特に、回収室305aが供給室304aに対して下方に配置された供給回収分離方式の現像装置3では、剥離領域γで剥離した現像剤が下側ケースギャップCGの近くに落下することになる。
図15を用いて説明すると、現像領域を通過した現像後の現像剤は、現像ローラ(現像剤担持体)302の回転に伴って、現像ケース301と現像ローラ302の表面との間の空隙(下側ケースギャップ)CGを通じて現像ケース内へ搬送される。その後、現像後の現像剤320は、互いに同極性である2つの磁極による反発磁界の作用を受けて図中矢印γで示す剥離領域において現像ローラ表面から剥離し、現像剤回収搬送路内へ落下する。このような構成においては、下側ケースギャップCGが剥離領域の下方に位置することになるから、剥離領域γから剥離した現像剤320は下側ケースギャップCGの近くに落下することになり、当該下側ケースギャップCGから流入してくる気流の流れを阻害しやすい。
特に、近年、画像形成装置の小型化の要請に伴い、現像装置の小型化が求められており、現像装置の小型化を実現するために現像ローラ302の小径化が望まれている。現像ローラ302が小径化すると、現像剤回収搬送路が現像剤供給搬送路に対して下方に配置された供給回収分離方式の現像装置では、図16に示すように、剥離領域γから剥離した現像剤320が下側ケースギャップCGのより近い箇所に向けて落下することになり、当該下側ケースギャップCGから流入してくる気流の流れを阻害しやすい。
本実施形態においても、小径の現像ローラ302を用いているので、図16に示すように、剥離領域γで剥離した現像剤が下側ケースギャップCGを塞ぐ位置に落下することがある。そのため、剥離領域γで剥離した現像剤によって当該下側ケースギャップCGから流入してくる気流の流れが阻害され、十分なトナー飛散抑制効果が得られないおそれがある。
そこで、本実施形態においては、回収室305a内に、現像剤案内部材としての樋部材330を設けている。この樋部材330は、非磁性材料、例えば非磁性のSUSで形成される。樋部材330は、板状の部材であって、現像ローラの軸方向に延設されている。また、現像剤は、樋部材330の上面で受けられる。このような樋部材330を設けることで、図10に示すように、現像ローラ上から剥離する現像剤の少なくとも一部を樋部材330上に落下させることが可能となり、下側ケースギャップCGの近くに落下する現像剤の量を少なくすることができる。その結果、現像ローラから剥離した現像剤が下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いを阻害してトナー飛散抑制効果を低下させるのを抑制できる。
現像ローラから剥離した現像剤によって下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが阻害されるのを有効に防止するため、本実施形態の樋部材330は、図3に示すように、現像ローラ表面移動方向における2つの磁石MG3,MG4による2つの剥離磁極それぞれによって現像ローラ表面上の法線方向磁束密度が最大になる箇所P3,P4の間の現像ローラ表面部分に対して一端部が対向するように配置されている。本実施形態では、一端部が、現像ローラ表面上の箇所P3,P4のうち現像ローラ表面移動方向上流側に位置する箇所P3に近い箇所に対向している。こうすることで、箇所P3,P4の間で離脱した現像剤を樋部材330で効率よく受けることが可能になる。特に、現像ケース301と現像ローラ302の表面との間の空隙を通過するときに現像ローラ上に担持されている現像剤量に対して一定割合(例えば70%)以上の現像剤が離脱することになる現像ローラ302の表面上の箇所よりも現像ローラ表面移動方向上流側に、樋部材330の一端部が対向するように配置するのが好ましい。
このような配置により、現像ローラ上から剥離する現像剤の少なくとも一部を樋部材330上に落下させることが可能となり、下側ケースギャップCGの近くに落下する現像剤の量を少なくすることができる。その結果、現像ローラから剥離した現像剤が下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いを阻害してトナー飛散抑制効果を低下させるのを抑制できる。なお、本実施形態において、樋部材330の一端部が対向する現像ローラ表面部分の法線方向磁束密度は27.5〜37.5mTの範囲内である。
本実施形態の樋部材330は、現像ローラ回転軸方向における回収室305aのほぼ全域にわたって存在するように配置されている。本実施形態においては、図11に示すように、供給室304aの底部を構成する現像ケース部分(仕切板306)の現像ローラ回転軸方向両端部付近の下面にそれぞれ突起部301bが設けられている。本実施形態の樋部材330は、その現像ローラ回転軸方向両端部がこれらの突起部301bに対してそれぞれカシメにより固定されている。
現像ローラ302と樋部材330の一端部とのギャップ(間隔)は、少なくとも、現像ローラ302の回転に伴って搬送されてくる現像ローラ302上の現像剤が樋部材330に削られることがない程度のギャップ長、すなわち、当該ギャップを通過する現像剤の層厚よりも長いギャップ長であるのが望まれる。好ましくは、当該ギャップを通過する現像剤と樋部材330との間に、剥離領域で剥離した現像剤が多少落下してきてもその現像剤によって当該ギャップを埋めてしまうことがない程度の空隙が形成されるようにする。本実施形態において、当該ギャップのギャップ長さは1.5mm以上であるのが好ましく、2.0mm以上3.5mm以下の範囲内であるのが更に好ましい。本実施形態における現像ローラ302と樋部材330の一端部とのギャップは、2.4mmである。
また、現像ローラ302の表面に対向する樋部材330の一端部は、回収スクリュー中心線O−305の真上位置又は真上位置よりも現像ローラ302側に位置するのが好ましい。樋部材330の一端部が真上位置よりも現像ローラ302から離れる位置にあると、樋部材330の一端部と現像ローラ302の表面との間の空隙をすり抜けた現像剤が回収室搬送部材の回転に巻き込まれて下側ケースギャップCGに溜まってしまう可能性が高まるからである。この場合、空隙CGに溜まった現像剤が空隙CGを流れる気流の勢いを阻害するので、トナー飛散抑制効果が低下してしまう。
また、樋部材330の前記一端部とは反対側の他端部は、所定のギャップをあけて、回収室305aを構成する現像ケース301の内壁に対向配置されている。このような配置により、現像ローラ上から剥離して樋部材330上に落下した現像剤を、当該ギャップから回収室305aへと落下させることができる。このギャップから落下する現像剤は、現像ローラ302の表面と現像ケース内壁との間の空隙CGから離れた位置へ落下するので、空隙CGを流れる気流に与える影響は少ない。本実施形態における樋部材330の他端部と現像ケース内壁とのギャップは、3.7mmであるが、そのギャップ長は、樋部材330上の現像剤を当該ギャップを介して回収室305aへとスムーズに落下させるように適宜設定される。
ここで、本実施形態の回収室搬送部材305は、上述したように、回転軸上に螺旋構造のフィンが設けられたスクリュー部材で構成されており、回転軸を図2及び図3中の矢印gで示す反時計回り方向に回転させることで、その回転軸方向へ回収室内の現像剤を搬送する。このとき、本実施形態においては、回収室搬送部材305のフィンによって回収室305aの底部に存在する現像剤に現像ローラ302から離れる方向への搬送力が付与される。よって、回収室305a内の現像剤は、図2及び図3に示すように、現像ローラ302から離れる側に寄せられた状態で、回収室搬送部材305の回転軸方向へ搬送される。これにより、回収室305a内の現像剤を下側ケースギャップCGから遠ざけることができるので、下側ケースギャップCGに隣接する回収室305aの内部空間を広く確保することができる。その結果、下側ケースギャップCGから回収室305aへ流入してくる気流の勢いの損失を少なくでき、下側ケースギャップCGにより強い気流を生じさせることができる。
ただし、このような構成においては、回収スクリュー中心線O−305よりも現像ローラ302から離れる側の位置で、現像剤が回収室搬送部材305の回転駆動によって跳ね上げられる。このように跳ね上げられる現像剤が回収室305aの上部空間を介して下側ケースギャップCGへと移動すると、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いを阻害するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、樋部材330の前記他端部の水平方向位置を、回収スクリュー中心線O−305よりも現像ローラ302から離れる側となるようにしている。このような構成とすることで、樋部材330上の現像剤が回収室305a内に落下する位置は、回収スクリュー中心線O−305よりも現像ローラ302から離れる側の位置となる。これにより、回収室搬送部材305の回転駆動によって跳ね上げられる現像剤に対して、樋部材330から落下してくる現像剤を衝突させ、その運動エネルギーを消費させることができる。その結果、回収室搬送部材305の回転駆動によって跳ね上げられて下側ケースギャップCGへ到達する現像剤の量を減らすことができ、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが阻害されるのを抑制できる。
また、本実施形態において、樋部材330上の現像剤を樋部材330の他端部と現像ケース内壁とのギャップから回収室305aへとスムーズに落下させるために、樋部材330の上面が当該ギャップに向かって下方へ傾斜するように構成してもよい。
〔変形例1〕
次に、上述した実施形態における樋部材の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図12は、本変形例1における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。
上述した実施形態においては、回収室搬送部材305の回転駆動によって跳ね上げられる現像剤が、回収室搬送部材305の回転に巻き込まれるようにして、図13に示す符号G’で示すように回収室搬送部材305と樋部材330との間を移動することがある。この移動により、現像剤が下側ケースギャップCGへ到達して、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いを阻害するおそれがある。
そこで、本変形例1における樋部材340は、図12に示すように、その下面に凸状部340aを備えている。本変形例1の樋部材340は、現像ローラ回転軸方向に長尺な板状部材の長辺に沿って下方へL字状に折り曲げた形状であり、その折り曲げた部分が凸状部340aとなっている。凸状部340aは、必ずしも樋部材340の長手方向にわたって形成されている必要はなく、長手方向の一部分(特に回収室搬送部材305と樋部材330との間の現像剤の移動を阻害したい箇所など)にだけ凸状部を設けた構成であってもよい。また、凸状部340aの形状は、本変形例1のように板状部材を折り曲げて形成されるものに限らず、板状の樋部材本体に対して凸状部340aとなる部材を取り付けた構成などであってもよい。少なくとも当該凸状部240aが存在しない場合と比較して回収室搬送部材305と樋部材330との間の現像剤の移動が阻害できる形状であれば、凸状部240aの形状はどのようなものであってもよい。
本変形例1においては、回収室搬送部材305と樋部材330との間を移動しようとする現像剤は、図12中符号Gに示すように、凸状部340aによって下方へ誘導される。その結果、回収室搬送部材305の回転に伴って現像ローラ302から離れる側に寄せられる。
〔変形例2〕
次に、上述した実施形態における他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図14は、本変形例2における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。
本変形例2においては、現像ローラ表面移動方向において剥離領域γと現像剤貯留スペースεとの間の現像ローラ表面部分に対向するように、磁性板350が設けられている。この磁性板350は、現像ケース301の仕切り板306に取り付けられている。この磁性板350を設けたことで、磁気シールの役割が果たされる。すなわち、磁性板350が磁気シールとして機能することで、現像剤貯留スペースεの現像剤を現像ローラ302上に汲み上げるためのマグネットローラ302dの磁石MG5による磁界が、剥離領域γ付近で現像ローラ上に残っている現像剤に作用するのを抑制する。これにより、現像ローラ302上に残ったままの現像剤が現像剤貯留スペースεまで搬送されてしまうのを抑制できる。
〔変形例3〕
次に、上述した実施形態における更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図17は、本変形例3における現像装置の主要部を、現像ローラ回転軸方向に直交する断面で切断したときの拡大断面図である。
図18は、本変形例3における現像装置の樋部材近傍の拡大断面図である。
本変形例3においては、樋部材330の一端部が対向する現像ローラ表面部分よりも現像ローラ表面移動方向下流側であって、現像剤320が供給される位置(現像剤貯留スペースε)よりも現像ローラ表面移動方向上流側の現像ローラ表面部分に、回転体としての案内補助ローラ360が対向配置されている。具体的には、供給室304aと回収室aとを区画する仕切板306に取り付けられている。
この案内補助ローラ360は、回転駆動手段としてのローラ駆動部361により、案内補助ローラ360と現像ローラ表面との対向位置において現像ローラ表面移動方向とは逆方向に表面移動するように回転駆動される。案内補助ローラ360と現像ローラ表面との間隔(ギャップ)G1は、樋部材330の一端部と現像ローラ表面との間隔(ギャップ)G2よりも狭く設定されている。
磁石MG3及び磁石MG4による剥離磁極によって生じる反発磁界によって剥離領域γで剥離される現像剤320は、樋部材330の上面で受けられ、樋部材330の上面を移動して樋部材330の他端部へと移動し、樋部材330の他端部と現像ケース内壁とのギャップから回収室305aへと落下する。このとき、樋部材330の上面における現像剤の移動がスムーズに行われず渋滞が起きると、剥離領域γでの現像剤の剥離が阻害されたり、樋部材330の一端部と現像ローラ表面との間のギャップG2から現像剤が落下して、下側ケースギャップCGの近くに落下する現像剤の量が増えてしまったりする不具合が発生する。特に、高温高湿環境においては、現像剤の流動性が低下するため、樋部材330の上面で現像剤の渋滞が起きやすく、このような不具合が生じやすい。
本変形例3においては、上述した案内補助ローラ360を回転駆動することにより、樋部材330と現像ローラ表面とのギャップG2を通過した現像剤に対し、案内補助ローラ360の表面移動方向へ移動させる力を与えることができる。これにより、樋部材330の上面における樋部材330の一端側から他端側への現像剤の移動を促進することができ、樋部材330の上面で現像剤の渋滞が起きるのを抑制することができる。その結果、上述した不具合の発生を抑制することができる。
特に、本変形例3においては、案内補助ローラ360と現像ローラ表面とのギャップG1よりも、案内補助ローラ360と樋部材330との間隔(ギャップ)G3の方が広くなるように、案内補助ローラ360が配置されている。これにより、案内補助ローラ360の回転駆動により現像剤をスムーズに樋部材330の上面へ送り込むことができ、樋部材330の一端側から他端側への現像剤の移動を効率よく促進することができる。
また、本変形例3においては、案内補助ローラ360の表面が磁性部材で構成されている。これにより、前記変形例2の磁性版350と同様、磁気シールの役割を果たすことができる。また、案内補助ローラ360と現像ローラとのギャップG1に形成される磁界の作用で、剥離領域γを通過した現像ローラ上の現像剤を当該ギャップで堰き止めることができる。これにより、現像ローラ表面からの現像剤の剤離れを補助することができる。また、案内補助ローラ360の回転による現像剤の移動もスムーズになる。
本変形例3において、案内補助ローラ360と現像ローラとのギャップG1は、0.7mm以上1.0mm以下であるのが好ましい。このギャップG1が0.7mm未満であると、剥離領域γで剥離できずに現像ローラ302に連れ回る現像剤を案内補助ローラ360の表面で加圧して現像ローラ上に現像剤を固着させやすくなるためである。一方、このギャップG1が1.0mmを超えると、剥離領域γで剥離できずに現像ローラ302に連れ回る現像剤がギャップG1に形成される磁界によって補足されずにそのままを通過してしまい、案内補助ローラ360の回転により現像剤を樋部材330の上面に案内する効果が限定的になってしまうためである。
また、本変形例3において、案内補助ローラ360と樋部材330とのギャップG3は、2mm以上3mm以下であるのが好ましい。このギャップG3が2mm未満であると、案内補助ローラ360の回転による現像剤の移動がギャップG3によって阻害され、ギャップG3で現像剤の渋滞が起きやすくなるためである。一方、このギャップG3が3mmを超えると、案内補助ローラ360の回転が樋部材330の上面の現像剤に作用しにくくなり、樋部材330の上面の現像剤を樋部材330の他端部へ移動させる効果が限定的になってしまうためである。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
現像剤担持体表面移動方向で互いに隣接しかつ互いに同極性である2つの剥離磁極(磁石MG3,MG4による磁極)を含む複数の磁極を備えたマグネットローラ302d等の磁界発生手段を内包し、トナー及び磁性キャリアからなる現像剤を表面に担持して表面移動することにより、感光体1等の潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像ローラ302等の現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面上に供給される現像剤を供給室搬送部材304等の現像剤供給搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する供給室304a等の現像剤供給搬送路、及び、前記現像剤供給搬送路よりも下方位置で前記2つの磁極によって該現像剤担持体の表面から離脱した現像剤を回収して、回収室搬送部材305等の現像剤回収搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する回収室305a等の現像剤回収搬送路が内部に形成された現像ケース301とを有する現像装置3において、現像剤担持体表面移動方向における前記2つの磁極それぞれの現像剤担持体表面上の法線方向磁束密度が最大になる箇所P3,P4の間の現像剤担持体表面部分に対して一端側が所定の間隔をあけて対向し、かつ、該一端側とは反対側の他端側が前記現像剤回収搬送路を構成する前記現像ケースの内壁に対して所定の間隔をあけて対向する樋部材330等の現像剤案内部材を、その上面が該現像剤担持体の表面から離脱する少なくとも一部の現像剤を受け取る位置に配置したことを特徴とする。
これによれば、現像剤担持体上から剥離する現像剤の少なくとも一部が、現像剤案内部材の上面に受け取られ、その後、現像剤案内部材の上面を前記他端側の間隔へ案内されて、前記現像剤回収搬送路内に落下して回収される。これにより、現像剤担持体上から剥離した現像剤が現像剤担持体の表面と現像ケースとの間の空隙(下側ケースギャップ)CGの近くに落下する現像剤量を少なくすることができる。その結果、当該空隙(下側ケースギャップ)CGを流れる気流の勢いが現像剤担持体から剥離した現像剤によって阻害されてトナー飛散抑制効果が低下してしまう事態を抑制できる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記現像剤回収搬送部材は、回転軸上に螺旋構造のフィンが設けられたスクリュー部材で構成され、前記現像剤回収搬送路内の現像剤を搬送する際に該スクリュー部材のフィンによって該現像剤回収搬送路内の底部に存在する現像剤に現像剤担持体から離れる方向への搬送力が付与されるように構成されていることを特徴とする。
これによれば、現像剤回収搬送路内の現像剤は、現像剤担持体から離れる側に寄せられた状態で、現像剤回収搬送部材の回転軸方向へ搬送される。これにより、現像剤回収搬送路内の現像剤を下側ケースギャップCGから遠ざけることができるので、下側ケースギャップCGに隣接する現像剤回収搬送路の内部空間(気流が通ることのできるスペース)を広く確保することができる。その結果、下側ケースギャップCGから現像剤回収搬送路へ流入してくる気流の勢いの損失を少なくでき、下側ケースギャップCGにより強い気流を生じさせることができる。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記現像剤案内部材における前記他端部の水平方向位置は、前記スクリュー部材の回転軸よりも現像剤担持体から離れる側に位置することを特徴とする。
前記態様Bにおいては、前記スクリュー部材の回転軸よりも現像剤担持体から離れる側の位置で、現像剤が現像剤回収搬送部材の回転駆動によって跳ね上げられる。そのため、このように跳ね上げられる現像剤が、現像剤回収搬送路の上部空間を介して下側ケースギャップCGへと移動し、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いを阻害するおそれがある。本態様によれば、現像剤案内部材上の現像剤が現像剤回収搬送路内に落下する位置が、前記スクリュー部材の回転軸よりも現像剤担持体から離れる側の位置となる。これにより、現像剤回収搬送部材の回転駆動によって跳ね上げられる現像剤に対して、現像剤案内部材から落下してくる現像剤を衝突させ、その運動エネルギーを消費させることができる。その結果、現像剤回収搬送部材の回転駆動によって跳ね上げられて下側ケースギャップCGへ到達する現像剤の量を減らすことができ、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが阻害されるのを抑制できる。
(態様D)
前記態様B又はCにおいて、前記現像剤案内部材は、その下面の少なくとも一部に凸状部を有することを特徴とする。
これによれば、現像剤回収搬送部材の回転駆動によって現像剤回収搬送部材と現像剤案内部材との間を移動する現像剤の流れを凸状部で阻害することができる。これにより、現像剤回収搬送部材と現像剤案内部材との間を移動して下側ケースギャップCGへ到達する現像剤の量を少なくでき、下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが阻害されるのを抑制できる。
(態様E)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記現像剤案内部材の前記一端側が対向する現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向下流側であって、前記現像剤供給搬送路からの現像剤が供給される現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向上流側で、該現像剤案内部材の前記一端側と現像剤担持体表面との間隔G2よりも狭い間隔G1をあけて現像剤担持体表面に対向して配置される案内補助ローラ360等の回転体と、前記回転体の表面が前記現像剤担持体表面との対向位置で現像剤担持体表面移動方向とは逆方向に移動するように、該回転体を駆動するローラ駆動部361等の回転駆動手段とを有することを特徴とする。
これによれば、回転体の回転によって現像剤案内部材の上面における現像剤の現像剤案内部材の他端側への移動を促進することができる。これにより、現像剤案内部材の上面で現像剤が渋滞して、現像剤担持体表面からの現像剤の剥離が阻害されたり、現像剤案内部材の一端側と現像剤担持体表面との間の間隔G2から現像剤が落下して、現像剤担持体の表面と現像ケースとの間の空隙(下側ケースギャップ)CGの近くに落下する現像剤量が増え、トナー飛散抑制効果が低下したりする事態を抑制できる。
(態様F)
前記態様Eにおいて、前記回転体は、現像剤担持体表面との間隔G1よりも前記現像剤案内部材との間隔G3が広くなるように配置されていることを特徴とする。
これによれば、回転体の回転によって回転体と現像剤案内部材との間隔G3を現像剤が移動しやすくなり、よりスムーズに現像剤案内部材の上面の現像剤を現像剤案内部材の他端側へ移動させることができる。
(態様G)
前記態様E又はFにおいて、前記回転体は、前記現像剤供給搬送路と前記現像剤回収搬送路とを区画する現像ケースの壁部(仕切板306)に取り付けられていることを特徴とする。
これによれば、回転体の取り付けが容易となる。
(態様H)
前記態様E〜Gのいずれかの態様において、前記回転体の表面は、磁性部材で構成されていることを特徴とする。
これによれば、回転体と現像剤担持体との間隔G1に形成される磁界の作用で、剥離領域を通過した現像剤担持体上の現像剤を当該間隔G1で堰き止めることができる。これにより、現像剤担持体表面からの現像剤の剤離れを補助することができる。また、回転体の回転による現像剤の移動もスムーズになる。
(態様I)
少なくとも感光体1等の潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電装置2等の帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置16等の潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像装置3等の現像手段とを有するプリンタ100等の画像形成装置において、前記現像手段として、前記態様A〜Hのいずれかに係る現像装置を用いることを特徴とする。
これによれば、現像装置の下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが現像剤担持体から剥離した現像剤によって阻害されてトナー飛散抑制効果が低下してしまう事態を抑制できるので、トナー飛散の少ない画像形成装置を実現することができる。
(態様J)
潜像を担持する感光体1等の潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置3等の現像手段とを備えるプリンタ100等の画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段として、前記態様A〜Hのいずれかに係る現像装置を用いることを特徴とする。
これによれば、現像装置の下側ケースギャップCGを流れる気流の勢いが現像剤担持体から剥離した現像剤によって阻害されてトナー飛散抑制効果が低下してしまう事態を抑制できるので、トナー飛散の少ないプロセスカートリッジを実現することができる。
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
15 転写搬送ベルト
16 露光装置
17 作像装置
24 定着装置
100 プリンタ
301 現像ケース
301b 突起部
302 現像ローラ
302c 現像スリーブ
302d マグネットローラ
303 現像剤規制部材
304 供給室搬送部材
304a 供給室
305 回収室搬送部材
305a 回収室
306 仕切板
309 トナー補給口
320 現像剤
330,340 樋部材
350 磁性版
360 案内補助ローラ
361 ローラ駆動部
CG 下側ケースギャップ
GP 現像ギャップ
MG1〜MG5 磁石
P 記録紙
α 現像領域
γ 剥離領域
ε 現像剤貯留スペース
特開2013−33223号公報

Claims (10)

  1. 現像剤担持体表面移動方向で互いに隣接しかつ互いに同極性である2つの磁極を含む複数の磁極を備えた磁界発生手段を内包し、トナー及び磁性キャリアからなる現像剤を表面に担持して表面移動することにより、潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    該現像剤担持体の表面上に供給される現像剤を現像剤供給搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤供給搬送路、及び、前記現像剤供給搬送路よりも下方位置で前記2つの磁極によって該現像剤担持体の表面から離脱した現像剤を回収して、現像剤回収搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤回収搬送路が内部に形成された現像ケースとを有する現像装置において、
    現像剤担持体表面移動方向における前記2つの磁極それぞれの現像剤担持体表面上の法線方向磁束密度が最大になる箇所の間の現像剤担持体表面部分に対して一端側が所定の間隔をあけて対向し、かつ、該一端側とは反対側の他端側が前記現像剤回収搬送路を構成する前記現像ケースの内壁に対して所定の間隔をあけて対向する現像剤案内部材を備え、
    前記現像剤案内部材は、上面が該現像剤担持体の表面から離脱する少なくとも一部の現像剤を受け取る位置に配置されており、
    前記現像剤回収搬送部材は、回転軸上に螺旋構造のフィンが設けられたスクリュー部材で構成され、前記現像剤回収搬送路内の現像剤を搬送する際に該スクリュー部材のフィンによって該現像剤回収搬送路内の底部に存在する現像剤に現像剤担持体から離れる方向への搬送力が付与されるように構成されており、
    前記現像剤案内部材における前記他端側の水平方向位置は、前記スクリュー部材の回転軸よりも現像剤担持体から離れる側に位置することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記現像剤案内部材の前記一端側が対向する現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向下流側であって、前記現像剤供給搬送路からの現像剤が供給される現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向上流側で、該現像剤案内部材の前記一端側と現像剤担持体表面との間隔よりも狭い間隔をあけて現像剤担持体表面に対向して配置される回転体と、
    前記回転体の表面が前記現像剤担持体表面との対向位置で現像剤担持体表面移動方向とは逆方向に移動するように、該回転体を駆動する回転駆動手段とを有することを特徴とする現像装置。
  3. 現像剤担持体表面移動方向で互いに隣接しかつ互いに同極性である2つの磁極を含む複数の磁極を備えた磁界発生手段を内包し、トナー及び磁性キャリアからなる現像剤を表面に担持して表面移動することにより、潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
    該現像剤担持体の表面上に供給される現像剤を現像剤供給搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤供給搬送路、及び、前記現像剤供給搬送路よりも下方位置で前記2つの磁極によって該現像剤担持体の表面から離脱した現像剤を回収して、現像剤回収搬送部材により現像剤担持体回転軸方向に沿って搬送する現像剤回収搬送路が内部に形成された現像ケースとを有する現像装置において、
    現像剤担持体表面移動方向における前記2つの磁極それぞれの現像剤担持体表面上の法線方向磁束密度が最大になる箇所の間の現像剤担持体表面部分に対して一端側が所定の間隔をあけて対向し、かつ、該一端側とは反対側の他端側が前記現像剤回収搬送路を構成する前記現像ケースの内壁に対して所定の間隔をあけて対向する現像剤案内部材を備え、
    前記現像剤案内部材は、上面が該現像剤担持体の表面から離脱する少なくとも一部の現像剤を受け取る位置に配置されており、
    前記現像剤案内部材の前記一端側が対向する現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向下流側であって、前記現像剤供給搬送路からの現像剤が供給される現像剤担持体表面上の地点よりも現像剤担持体表面移動方向上流側で、該現像剤案内部材の前記一端側と現像剤担持体表面との間隔よりも狭い間隔をあけて現像剤担持体表面に対向して配置される回転体と、
    前記回転体の表面が前記現像剤担持体表面との対向位置で現像剤担持体表面移動方向とは逆方向に移動するように、該回転体を駆動する回転駆動手段とを有することを特徴とする現像装置。
  4. 請求項3の現像装置において、
    前記現像剤回収搬送部材は、回転軸上に螺旋構造のフィンが設けられたスクリュー部材で構成され、前記現像剤回収搬送路内の現像剤を搬送する際に該スクリュー部材のフィンによって該現像剤回収搬送路内の底部に存在する現像剤に現像剤担持体から離れる方向への搬送力が付与されるように構成されていることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記回転体は、現像剤担持体表面との間隔よりも前記現像剤案内部材との間隔が広くなるように配置されていることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記回転体は、前記現像剤供給搬送路と前記現像剤回収搬送路とを区画する現像ケースの壁部に取り付けられていることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項乃至のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記回転体の表面は、磁性部材で構成されていることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤案内部材は、その下面の少なくとも一部に凸状部を有することを特徴とする現像装置。
  9. 少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
    前記現像手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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