JP6365143B2 - 時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置 - Google Patents

時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置 Download PDF

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本発明は、時系列データをカオス解析技術により解析する時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置に関する。
監視対象の異常及びその予兆を検知するために、監視対象から時系列データを取得し、この時系列データをカオス理論に基づく軌道平行測度法(Trajectory Parallel Measure Method:TPM法)により解析する方法や装置が提案されている(例えば、特許文献1,2、非特許文献1)。軌道平行測度法は、決定論に基づいた時系列データに混在する確率過程的要因を検出する手段として有用であり、例えば、特許文献1では、時系列データの軌道平行測度(TPM)を逐次的に求め、時系列データの確率過程的要因を検出している。
軌道平行測度法は、このような時系列データに含まれる確率過程的要因だけでなく、時系列データの背後にある力学系が他の力学系に遷移した場合でも、その遷移をTPMの変化として捉えることができる。したがって、軌道平行測度法を用いて、時系列データの力学系の遷移を捉えることが期待されている。
特開2013−211002号公報 特開平10−134034号公報
藤本泰成、五百旗頭正、谷村隆義、「観測された時系列データの決定論的性質を測る軌道平行測度法」、日本ファジイ学会誌、1997年、Vol.9、No.4、pp580−588
しかしながら、時系列データの背後にある力学系が他の力学系にゆるやかに変化した場合、軌道平行測度法により力学系の変化を捉えられないおそれがある。
上記事情に鑑み、本発明は、軌道平行測度法による時系列データの解析時の力学系の遷移の検出性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成する本発明の時系列データの解析方法は、時系列データを軌道平行測度法により解析する時系列データの解析方法であって、時系列データをn次元状態空間に埋め込み、前記n次元状態空間に埋め込まれた時系列データであるデータベクトルから一つのデータベクトルを選択ベクトルとして選択し、前記選択ベクトルから予め定められた期間以前のデータベクトルから、前記選択ベクトルの近傍に埋め込まれたデータベクトルを近傍ベクトルとして選択し、前記選択ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向と、前記近傍ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向との平行度を算出し、算出された平行度に基づいて、前記時系列データの解析を行うことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の時系列データの異常監視装置は、評価対象から時系列データを取得する取得手段と、取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み手段と、前記n次元状態空間に埋め込まれた時系列データであるデータベクトルから一つのデータベクトルを選択ベクトルとして選択するデータベクトル選択手段と、前記選択ベクトルから予め定められた期間以前のデータベクトルから、前記選択ベクトルの近傍に埋め込まれたデータベクトルを近傍ベクトルとして選択する近傍ベクトル選択手段と、前記選択ベクトルと前記近傍ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向を演算する接線方向演算手段と、前記選択ベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出手段と、前記平行度算出手段により算出された平行度に基づいて、前記時系列データの評価を行う時系列データ評価手段と、備えたことを特徴としている。
以上の発明によれば、軌道平行測度法を用いた時系列データの解析において、時系列データの力学系の遷移の検出性能が向上する。
本発明の実施形態に係る異常監視装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る異常監視装置のデータ判定処理部の詳細を説明する図である。 解析対象の時系列データの一例を示す図である。 図3の時系列データを実施例に係る方法で解析した結果を示す図である。 図3の時系列データを従来方法で解析した結果を示す図である。 近傍ベクトルを選択する際の対象となるデータベクトルの範囲を説明する図であり、(a)従来方法で選択対象となるデータベクトルの範囲、(b)逐次軌道平行測度法で選択対象となるデーベクトルの範囲、(c)本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法で選択対象となるデータベクトルの範囲を示す図である。 図3の時系列データのアトラクタ(n=3,τ=3)を示す図である。 選択ベクトルの選択方法を説明する図である。 従来方法により選択される近傍ベクトルの概略を説明する図である。 本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法により選択される近傍ベクトルの概略を説明する図である。
本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置、並びに、異常監視装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る異常監視装置1は、監視・制御対象2から時系列データを取得し、監視・制御対象2の監視及び制御を行う。また、異常監視装置1には、出力装置3が接続され、監視・制御対象2の判定結果が出力装置3に出力される。
異常監視装置1は、データ収集部4、データ蓄積部5、データ判定処理部6を有する。データ収集部4は、監視・制御対象2から時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。データ蓄積部5は、データ収集部4で取り込まれた時系列データを蓄積する。データ判定処理部6は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データに異常が発生しているか否かの判定を行う。
監視・制御対象2は、例えば、回転機械系の回転軸、電力需要量若しくは水の需要量(配水量)等である。異常監視装置1には、軸振動の音データや振動データ等の時系列データ、電力需要量の時系列データ若しくは水の需要量の時系列データ等が送信される。
出力装置3は、例えば、ディスプレイやプリンタ等であり、異常監視装置1における時系列データの分析結果を出力する。
図2は、異常監視装置1のデータ判定処理部6の詳細を示す図である。図2を参照して、データ判定処理部6の各処理部の機能について詳細に説明する。
データ取得部7は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを、判定対象とする時系列データとして取得する。
埋め込み処理部8は、データ取得部7が取得した時系列データに対して、n次元状態空間(nは、正の整数)に埋め込み処理を行う。つまり、データ取得部7が取得した時系列データy(t)から、ベクトルXt=(y(t),y(t−τ),・・・,y(t−(n−1)τ))をつくる(τは遅れ時間)。このベクトルは、n次元再構成状態空間Rnの1点を示すこととなる。なお、次元nと遅れ時間τは、対象とするシステムに応じて予め設定される値である。
データベクトル選択部9は、埋め込み処理部8で埋め込まれた時系列データから、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルXiを選択する。なお、データベクトル選択部9は、前述した各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択することに限定されず、最先端から1つ手前、2つ手前、…、n個手前(nは正の整数)のデータベクトルを選択するようにしても良い。
近傍ベクトル検出部10は、データベクトル選択部9で選択されたデータベクトルXi近傍空間内の近傍ベクトルXjを検出する。このとき、近傍ベクトル検出部10は、選択されたデータベクトルXiから時刻差が予め定められた指定値未満のデータを除外したデータベクトルから近傍ベクトルXjを検出する。指定値は、解析対象となる時系列データに応じて適宜設定される。例えば、時系列データの基本周期の2倍以上、または(時系列データの基本周期)×(選択される近傍ベクトルの数)等の値が指定値として設定される。この時系列データの基本周期は、時系列データの自己相関等に基づいて算出される。また、基本周期が予め推定できる場合(例えば、水の需要量や電力供給量等は、1日単位の基本周期を有する)は、推定される基本周期を用いることができる。
接線方向演算部11は、選択されたデータベクトルXi及び近傍ベクトルXjの軌道に対する単位接ベクトル(接線方向)TiとTjを演算する。
平行度評価部12は、接線方向演算部11で演算された各データベクトルXi,Xjにおける単位接ベクトルTi,Tjに基づいて平行度γi(単位接ベクトルTiとTjの平行度)を算出する。なお、実際に解析を行う場合には、統計的誤差を小さくするため平行度の平均値を求めることとなる。以後、求められた平行度(または、平行度の平均値)を軌道平行測度(TPM)と称する。
平行度判定部13は、平行度評価部12で算出されたTPMの変化に基づいて、時系列データの異常(例えば、異常の進行度に応じた力学系の遷移)を検出する。
現在時刻点更新部14は、平行度判定部13によって、ある時刻におけるデータベクトルにおける時系列データの評価が行われる毎に、データベクトルXiを選択するための基準となる現在時刻点の更新を行う。
蓄積データ更新部15は、データ蓄積部5の蓄積データを適正量に維持するため、異常検知への寄与度が低いデータをデータ蓄積部5から削除する(分析対象から除外する)。例えば、蓄積データ更新部15は、設定期間以上経過したデータをデータ蓄積部5から削除する。これは、時系列データの中で古いデータは異常検知への寄与度が低いためである。
[時系列データの解析方法]
次に、異常監視装置1による時系列データの処理手順について説明する。
<ステップS1>データ収集部4が、時系列データを取り込む。異常監視装置1において、データ収集部4が、監視・制御対象2からの時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。
<ステップS2>データ蓄積部5が、データ収集部4により取り込まれた時系列データを蓄積する。
<ステップS3>データ取得部7が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを取得する。
<ステップS4>埋め込み処理部8が、データ取得部7が取得した時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う。
<ステップS5>データベクトル選択部9が、埋め込み処理部8により埋め込まれた時系列データから各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択する。
<ステップS6>近傍ベクトル検出部10が、データベクトル選択部9により選択されたデータベクトル近傍空間内の近傍ベクトルを検出する。このとき、近傍ベクトル検出部10は、選択されたデータベクトルXiから時刻差が予め定められた指定値未満のデータを除外したデータベクトルから近傍ベクトルXjを検出する。
<ステップS7>接線方向演算部11が、データベクトル選択部9により選択されたデータベクトルと、近傍ベクトル検出部10により検出された近傍ベクトルにおける、埋め込まれた後の時系列データの軌道の接線方向を演算する。選択されたデータベクトルの接線方向は、例えば、選択されたデータベクトルと、このデータベクトルに隣接するデータベクトル等の連続する3つデータベクトルを選択し、この3つのデータベクトルを点と同一視することで、3点のデータベクトルを通る円の選択されたデータベクトルにおける接線として算出する。
<ステップS8>平行度評価部12が、接線方向演算部11により演算された選択されたデータベクトルにおける軌道の接線方向と、近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との軌道平行測度(TPM)を算出する。なお、TPMは、接線方向の向きが揃っているほど0となる。
<ステップS9>平行度判定部13が、平行度評価部12で算出されTPMの時系列データに基づいて、時系列データの評価を行う。なお、平行度判定部13は、従来の時系列データの評価方法を併せて行ってもよい。例えば、TPMに閾値を設定し、TPMと閾値とを比較して時系列データの異常が判定される。
<ステップS10>現在時刻点更新部14が、平行度判定部13によってある時刻におけるデータベクトルにおける時系列データの評価が行われる毎に、埋め込み処理部8により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する。
<ステップS11>蓄積データ更新部15が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する。
なお、現在時刻点更新部14及び蓄積データ更新部15の処理動作では、ステップS10及びステップS11の処理と併せて、新たな時系列データの取得や参照する時系列データ範囲の定義や時系列データの埋め込み処理が行われる。
[実施例]
本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置1について、具体的な実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
実施例では、図3に示す時系列データを軌道平行測度法(ステップS4乃至ステップS9の手順)により解析した。
図3の時系列データは、微量の乱数ノイズ(確率過程的要因)が重畳された正弦波波形のデータであり、振幅が時間経過にしたがって変化しているデータである。この時系列データは、基本周期が1日(24時)の時系列データを1時間毎に計測したデータであり、時系列データにおいて決定論が別の力学系へ遷移した時系列データを模擬するデータである。具体的に説明すると、周期が24の正弦波波形に0〜4%の乱数ノイズを重畳したデータである。時刻480時までは、時系列データの振幅の最大値は1、最小値は0.1であり、時刻480〜720時までは、最大値はそのままで、最小値が0.1〜0.2まで線形に増加し、時刻720時以降は、最大値が1、最小値が0.2となっている。なお、乱数ノイズは、計測誤差を模擬するものである。
この時系列データを次元n=3、遅れ時間τ=3で埋め込み処理を行った。近傍ベクトルを選択する際に、選択ベクトルから120時刻未満のデータベクトルは、選択対象から除外して、近傍ベクトルの選択を行った。近傍ベクトルは5つ選択し、選択ベクトル及び各近傍ベクトルにおける接線方向は、対象点及び対象点から2つ前までの3点を使い、対象点における接線を計算して求めた。TPMの算出結果を図4に示す。
図4に示すように、本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法によれば、力学系の遷移(すなわち、時系列データの振幅の変化)をTPMの上昇として捉えることができた。TPMの上昇は、力学系の遷移が始まった時刻(480時)からずれているが、これはTPMの算出過程において次元n、遅れ時間τによって定められる複数の時刻のデータを用いることにより生じるものと考えられる。なお、時系列データの初期ではTPMが極端に高い値を示すため、図4では初期の部分(時刻240以前のデータ)を省略した図を示している(図5も同様である)。
次に、近傍ベクトルを選択する際に、選択ベクトルから120時刻未満のデータベクトルを除外せずに、実施例と同様の方法によりTPMを算出した結果を図5に示す。
図5に示すように、選択ベクトルと時間的に隣接したデータベクトルを除外しない場合は、TPMの上昇が検出されなかった。すなわち、既存の逐次軌道平行測度法では、時系列データの力学系がゆるやかに変化した場合、この力学系の遷移をTPMの上昇として捉えられない場合があることがわかる。
本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法は、従来技術と近傍ベクトルの選択範囲が異なる時系列データの解析方法である。図6を参照して近傍ベクトルの選択範囲について具体的に説明する。非特許文献1の解析方法では、選択されたデータベクトルと同一軌道上のベクトルを除くすべてのベクトルが近傍ベクトルの選択範囲である(図6(a))。また、特許文献1の解析方法では、選択されたデータベクトルと同一軌道上を除くデータベクトルより過去のベクトルが近傍ベクトルの選択範囲である(図6(b))。これに対して、本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法は、選択されたデータベクトルより指定時間以上過去のデータベクトルを近傍ベクトルの選択範囲として設定する(図6(c))。
図3の時系列データに対して埋め込み処理(次元n=3、遅れ時間τ=3)を行うと、時系列データは、図7に示すアトラクタに埋め込まれる。このアトラクタは、外周円が時刻480までの一定軌道であり、少しずつずれている円が時刻480〜780までの変化であり、内周円が時刻720以降の一定軌道である。
図8に示すように、時系列データを逐次軌道平行測度法で解析する場合、アトラクタの先端のデータベクトルが選択ベクトルとして選択され、この選択ベクトルと選択ベクトルの近傍に埋め込まれた近傍ベクトルに基づいてTPMが算出される。よって、選択ベクトルより未来のデータはまだ埋め込まれていない。
図6(b)に示した選択範囲で近傍ベクトルを選択すると、図9に示すように、時間的に隣接したベクトル(すなわち、選択ベクトルが含まれる軌道と力学系の変化が少ない軌道を構成するデータベクトル)を近傍ベクトルとして選択する可能性が高く、徐々にアトラクタの軌道が変化していくような力学系の遷移を捉えることができないものと考えられる。
これに対して、図6(c)に示すように、近傍ベクトルを選択する際に、選択ベクトルと時間的に隣接したベクトルを選択対象から除外することで、図10に示すように、選択ベクトルと時間的に離れたデータベクトルを近傍ベクトルとして選択することとなる。その結果、徐々にアトラクタの軌道が変化するような力学系の変化をTPMの変化として捉えることができるようになったものと考えられる。
以上のような本発明の実施形態に係る時系列データの解析方法及び時系列データの解析装置によれば、時系列データの力学系の遷移の検出性能を向上させることができる。
すなわち、選択ベクトルの近傍に埋め込まれた近傍ベクトルを選択する際に、選択ベクトルと時間的に隣接したデータベクトルを除外することで、選択ベクトルから時間的に離れたデータベクトルが近傍ベクトルとして選択されることとなり、時系列データにおける力学系の変化が徐々に変化するような遷移であっても、その変化をTPMの変化として捉えることができる。その結果、軌道平行測度法を用いた時系列データの解析方法において、時系列データの力学系の遷移(具体的には、水の需要量の時系列データでは漏水の発生による時系列データの変化や回転機の時系列データでは故障の発生による時系列データの変化等)の検出性能が向上する。
なお、上記のように構成された本発明の実施形態に係る異常監視装置1及び異常監視装置のデータ判定処理部6は、例えば、ROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
上記装置及び処理部における処理手段をコンピュータによって実現する場合、装置及び処理部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、装置及び処理部における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体が例示される。具体的には、例えば、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等の磁気記録装置や、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等の光ディスクや、MO(Magneto Optical disc)等の光磁気記録媒体や、フラッシュメモリー等の半導体メモリを用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を流通することによって行う。さらに、ネットワークを介して、このプログラムをサーバコンピュータから他のコンピュータに転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
また、本発明の時系列データの解析方法や時系列データの異常監視装置は、実施形態に記載された用途に限定されるものではなく、様々な時系列データの解析に用いることができる。例えば、電力需要量や水の需要量の他に、太陽光発電装置の発電量の時系列データ、製造設備や動力系の回転設備の時系列データ等の解析に用いることができる。また、劣化の進行に応じて異常状態が変わる(すなわち、異常の進行度に応じて力学系が遷移する)時系列データの解析を行うことで、劣化の進行に応じた異常状態を検出することができる。
また、実施形態では、逐次軌道平行測度法で時系列データの解析を行っているが、非特許文献1に記載の軌道平行測度法の解析に用いる場合には、選択された時系列データに対して時間的に隣接する過去のデータベクトルだけでなく、選択された時系列データに対して時間的に隣接する将来(未来)のデータベクトルも除外されることとなる。
また、本発明の時系列データの異常監視装置において、力学系の遷移を捉えたTPMの増加に閾値を設定し、閾値を超えた場合に警告を出力する構成とすることができる。
1…異常監視装置
2…監視・制御対象
3…出力装置
4…データ収集部
5…データ蓄積部
6…データ判定処理部
7…データ取得部(取得手段)
8…埋め込み処理部(埋め込み手段)
9…データベクトル選択部(データベクトル選択手段)
10…近傍ベクトル検出部(近傍ベクトル選択手段)
11…接線方向演算部(接線方向演算手段)
12…平行度評価部(平行度算出手段)
13…平行度判定部(時系列データ評価手段)
14…現在時刻点更新部
15…蓄積データ更新部

Claims (3)

  1. コンピュータが実行する時系列データを軌道平行測度法により解析する時系列データの解析方法であって、
    前記コンピュータが、
    時系列データをn次元状態空間に埋め込むステップと
    前記n次元状態空間に埋め込まれた時系列データであるデータベクトルから一つのデータベクトルを選択ベクトルとして選択するステップと
    前記データベクトルのうち、前記選択ベクトルからの時刻差が前記時系列データの基本周期の2倍より少ないデータベクトルが少なくとも除外されたデータベクトルから、前記選択ベクトルの近傍に埋め込まれたデータベクトルを近傍ベクトルとして選択するステップと
    前記選択ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向と、前記近傍ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向との平行度を算出するステップと
    算出された平行度に基づいて、前記時系列データの解析を行うステップと、を実行することを特徴とする時系列データの解析方法。
  2. 評価対象から時系列データを取得する取得手段と、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み手段と、
    前記n次元状態空間に埋め込まれた時系列データであるデータベクトルから一つのデータベクトルを選択ベクトルとして選択するデータベクトル選択手段と、
    前記データベクトルのうち、前記選択ベクトルからの時刻差が前記時系列データの基本周期の2倍より少ないデータベクトルが少なくとも除外されたデータベクトルから、前記選択ベクトルの近傍に埋め込まれたデータベクトルを近傍ベクトルとして選択する近傍ベクトル選択手段と、
    前記選択ベクトルと前記近傍ベクトルにおけるデータベクトルの軌道の接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記選択ベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出手段と、
    前記平行度算出手段により算出された平行度に基づいて、前記時系列データの評価を行う時系列データ評価手段と、を備えた
    ことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  3. コンピュータを請求項2に記載の時系列データの異常監視装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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