JP6135192B2 - 時系列データの異常監視装置、異常監視方法及びプログラム - Google Patents

時系列データの異常監視装置、異常監視方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、時系列データを扱う監視制御システムにおける、監視対象の異常及びその予兆を検知するためのカオス解析技術に関する。
産業分野におけるプラント設備や機器等の持続可能性を確保するため、これら設備や機器等の適切な維持管理が求められている。特に、設備の異常や故障をいち早く検知して適切な処置を施すことは、メンテナンスコストを低減するだけでなく、利用者への安心・安全を担保するために不可欠な要件となっている。そこで、プラント設備や機器の異常を検知したり、診断したりする方法が種々提案されている(例えば、特許文献1−3)。
また、時系列データを扱う監視制御システムにおいて、監視対象の異常及びその予兆を検知するために、カオス理論に基づく軌道平行測度法(Trajectory Parallel Measure Method:TPM法)を用いて異常を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献4、非特許文献1,2)。
特開2011−227706号公報 特開2005−84838号公報 特開2001−283134号公報 特許第3785703号公報
藤本 泰成、五百旗頭 正、谷村 隆義、「観測された時系列データの決定論的性質を測る軌道平行測度法」、1997年、日本ファジイ学会誌 Vol.9,No.4,pp580−588 蓬田 倫之、林 孝則、「時系列データから異常検知する逐次軌道平行測度法」、平成24年電気学会全国大会、2012年3月、pp.146−147
従来の異常監視システムでは、閾値判定により異常の検知を行っている。この仕組みで予兆検知を行う場合、例えば、図11(a)のような波形であれば閾値判定によって異常を検知することができる。しかし、図11(b)のように、異常の予兆が波形の形状変化として現れる場合、従来の閾値判定による異常検知方法では、閾値を超えない異常を検知することができない。閾値を超えない波形の異常を検知する方法としては、波形の尖度や歪度に基づいて異常を検出する方法や、波形を微分して得られる傾きを指標として異常を検出する方法が考えられるが、波形のパターンが複雑になると、予兆波形を検出することが困難となるおそれが生じる。また、予兆波形が未知である場合、予兆波形そのものを特定することが困難となるおそれがある。
上記事情に鑑み、本発明は、監視対象である設備または機器の制御を行うための時系列データの異常を判定する技術において、異常判定の基準となる波形を容易に抽出することに貢献する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の異常監視装置は、監視対象である設備または機器から時系列データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込む処理を行う埋め込み処理手段と、前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データからデータベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、前記選択されたデータベクトル及び近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算手段と、前記データベクトルの接線方向と近傍ベクトルの接線方向に基づいて前記データベクトルにおける平行度を算出する平行度算出手段と、前記平行度算出手段により算出された平行度が予め定められた閾値を超えた場合、当該閾値を超えたデータベクトルにより構成される軌道を前記監視対象である設備または機器の異常を判定する候補となる予兆候補波形として抽出し、前記予兆候補波形の起点または終点の基となる時系列データが前記監視対象である設備または機器から発生した時刻を基準時刻として、この基準時刻から予め定められた時刻の間に前記監視対象である設備または機器に異常が発生した場合、前記予兆候補波形を当該発生した異常に対応する予兆波形として登録する予兆波形登録手段と、登録された予兆波形に基づいて前記監視対象である設備または機器から取得された時系列データの評価を行う予兆判定手段と、を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の異常監視方法は、監視対象である設備または機器より取得された時系列データからアトラクタを作成し、当該アトラクタを構成するデータベクトルの平行度に基づいて、前記時系列データの異常判定を行う異常監視方法であって、前記アトラクタを構成するデータベクトルと、当該データベクトルの近傍の近傍ベクトルとの平行度を計測し、当該計測された平行度が予め定められた閾値を超えた場合、当該閾値を超えたデータベクトルにより構成される軌道を前記監視対象である設備または機器の異常を判定する候補となる予兆候補波形として抽出し、抽出された予兆候補波形の起点または終点の基となる時系列データが前記監視対象である設備または機器から発生した時刻を基準として、予め定められた期間に前記監視対象である設備または機器に異常が発生した場合、前記予兆候補波形を当該発生した異常に対応した予兆波形として登録し、登録された予兆波形に基づいて前記監視対象である設備または機器から取得された時系列データの評価を行うことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明のプログラムは、コンピュータを上記の異常監視装置の各手段として機能させることを特徴としている。
本発明によれば、時系列データの異常を判定する基準となる波形を容易に抽出することに貢献することができる。
本発明の実施形態1に係る異常監視装置を説明する全体構成図である。 本発明の実施形態1に係る異常監視装置のデータ判定処理部の詳細を説明するブロック図である。 登録された予兆波形に基づく異常検出方法を説明する説明図である。 本発明の実施形態1に係る異常監視装置による予兆波形登録処理を説明するフローチャートである。 予兆波形の候補として出力装置に表示される波形を説明する説明図である。 予兆波形の候補として抽出された予兆候補波形の一例を示す図である。 予兆波形候補と異常ログとの突き合わせを説明する説明図である。 本発明の実施形態1に係る異常監視装置の異常判定処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る異常監視装置の予兆DBメンテナンス機能を説明する説明図である。 本発明の実施形態3に係る異常監視装置による予兆波形登録処理を説明するフローチャートである。 閾値に基づいて異常を判定する従来技術に係る異常判定方法を説明する説明図であり、(a)異常判定が可能な場合を示す図、(b)異常判定ができない場合を示す図である。
本発明の実施形態に係る異常監視装置、異常監視方法及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る異常監視装置1の概略を説明する説明図である。
図1に示すように、異常監視装置1は、監視・制御対象2から時系列データが入力され、監視・制御対象2の監視及び制御を行う。異常監視装置1には、出力装置3が接続され、監視・制御対象2の判定結果が出力装置3に出力される。
異常監視装置1は、データ収集部4、データ蓄積部5、データ判定処理部6を有する。データ収集部4は、監視・制御対象2から時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。データ蓄積部5は、データ収集部4で取り込まれた時系列データやデータ判定処理部6で処理された処理結果等を蓄積する。データ判定処理部6は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データに異常が発生しているか否かの判定を行う。なお、異常監視装置1は、無線または有線の回線を介して通信回線7に接続されており、この通信回線7を介して端末8(例えば、携帯端末等)に異常が発生したことや異常が発生する予兆が検出されたことが送信される。また、異常監視装置1には、キーボードやマウス等の入力手段9が設けられ、後に詳細に説明する予兆波形の選択信号の入力等が行われる。
監視・制御対象2は、例えば、回転機械系の軸であり、軸振動の音データまたは振動データ等の時系列データが異常監視装置1に送信される。なお、監視・制御対象2から異常監視装置1に送信されるデータとしては時系列データであれば特に限定されるものではなく、圧力センサや温度センサの計測値等を入力してもよい。
出力装置3は、例えば、ディスプレイやプリンタ等であり、異常監視装置1における時系列データの分析結果が出力される。
図2は、異常監視装置1のデータ判定処理部6の詳細を示す図である。図2を参照して、データ判定処理部6の各処理部の機能について詳細に説明する。
データ取得部10は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを判定対象とする時系列データとして取得する。
埋め込み処理部11は、データ取得部10で取得された時系列データに対して、n次元状態空間(nは正の整数)に埋め込み処理を行う。時系列データをn次元状態空間に埋め込む処理方法については、非特許文献1に詳細に開示されている。簡単に説明すると、観測された時系列データy(t)から、ベクトルXt=(y(t),y(t−τ),・・・,y(t−(n−1)τ))をつくる(τは遅れ時間)。このベクトルは、n次元再構成状態空間Rnの1点を示すこととなる。したがって、tを変化させると、このn次元再構成状態空間に軌道(アトラクタ)を描くことができる。なお、次元nと遅れ時間τは、対象とするシステムに応じて予め設定される値である。
データベクトル選択部12は、埋め込み処理部11で埋め込まれた時系列データから、平行度を計測する対象となるデータベクトルXiを選択する。例えば、時間の経過にしたがって軌道の平行度を逐次計測するような場合には、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択する。なお、データベクトル選択部12は、前述した各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択することに限定されず、最先端から1つ手前、2つ手前、…(n個手前(nは1以上の正数))のデータベクトルを選択するようにしても良い。また、登録された予兆波形に基づいて、時系列データの異常判定を行う場合は、データベクトル選択部12は、登録された予兆波形を構成する各データベクトルを順に選択する。
近傍ベクトル検出部13は、データベクトル選択部12で選択されたデータベクトルXi近傍空間内の近傍ベクトルを検出する。検出された近傍ベクトル(一般に複数)をXjで代表する。
接線方向演算部14は、選択されたデータベクトルXi及び近傍ベクトルXjの軌道に対する単位接ベクトル(接線方向)TiとTjを演算する。接線方向演算部14では、例えば、選択されたデータベクトルXi(または、近傍ベクトルXj)を対象点Xiとし、対象点Xiの1つ前の点を点Xi+1、対象点Xiの2つ前の点を点Xi+2としたとき、対象点Xiにおける接線方向Tiを3点Xi,Xi+1,Xi+2を通る円の対象点Xiにおける接線として計算する。なお、3点Xi,Xi+1,Xi+2を通る円の接線は、互いに逆方向の2つの結果が得られるので、どちらの方向の接線を接線方向Tiとして選択するかを予め決めておく。この接線方向の算出方法としては、上記の算出方法に限定されるものではなく、非特許文献1に記載されているように、対象点Xiと対象点Xiの前後の点を通る円の対象点Xiにおける接線を接線方向Tiとして算出することもできる。
平行度評価部15は、接線方向演算部14で算出された各データベクトルXi,Xjにおける接線方向Ti,Tjに基づいて平行度γi(接線方向TiとTjの平行度;軌道平行測度)を算出し、平行度γiの評価を行う(平行度は、接線方向の向きが揃っているほど0となる)。平行度γiは、式(1)により算出される。
Figure 0006135192
平行度判定部16は、平行度評価部15の評価結果から、各時刻で選択されたデータベクトルXiにおいて算出される平行度γiに基づいて時系列データの異常を判定する。例えば、予め平行度γiに閾値を設定しておき、平行度γiの値や所定時間における平行度γの平均値が閾値を超えた場合に時系列データに異常が発生したと判定することができる。
予兆波形登録部17は、平行度判定部16で異常と判定されたデータベクトルに基づいて予兆波形の候補を抽出し、抽出された波形が監視・制御対象2から出力された時間から一定時間の間に異常が発生した場合に、抽出された波形を予兆波形としてデータ蓄積部5に構築された予兆DB18(予兆データベース)に登録する。例えば、予兆波形登録部17は、平行度判定部16で異常と判定されたデータベクトルに基づいて予兆波形の候補を抽出する。そして、データ蓄積部5に構築されたイベントログDB19(イベントログデータベース)に蓄積された異常ログと抽出された波形とを突き合わせることで、この波形が監視・制御対象2から出力された時間から一定期間に異常が発生したか否かの判定を行う。このとき、発生した異常の種類と予兆波形とを紐付けることで、予兆波形に基づいて発生した(または、将来発生する)異常の種類を予想することができる。なお、実施形態の説明では、予兆DB18及びイベントログDB19をデータ蓄積部5に構築した例を説明するが、異常監視装置1に予兆DB18やイベントログDB19を個別に設けてもよい。
また、表1に示すように、異常ログの種類に優先順位をつけておくと、予兆波形の候補となる波形の突き合わせを行う期間に複数の異常が検出された場合に、予兆波形を最も重大な(優先順位の高い)異常と紐付けることができる。また、突き合わせを行う期間に発生した異常毎の発生累積値を保持しておき、累積値の最も高い異常と予兆波形とを紐付けてもよい。
Figure 0006135192
予兆判定部20は、監視・制御対象2から出力される時系列データから予兆DB18に登録された予兆波形と類似の波形を検出する。図3に示すように、データベクトル選択部12が登録された予兆波形を構成する各データベクトルを順次選択し、近傍ベクトル検出部13が選択されたデータベクトルの近傍の近傍ベクトルを選択する。そして、平行度評価部15が、選択されたデータベクトルと近傍ベクトル平行度を算出する。予兆判定部20は、予兆軌道を構成する各データベクトルの近傍ベクトルの平行度が0に近い値で設定した閾値以下となったときに、時系列データに予兆波形が現れたことを検出する。予兆判定部20は、予兆波形が現れたことを検出すると、予兆警報を発報したり、出力装置3や端末8に予兆が検出されたことを出力したりする。
[実施例]
具体的な実施例を示して、本発明の実施形態に係る異常監視装置1及び異常監視方法について詳細に説明する。
図4は、異常監視装置1の予兆波形の登録フローを説明するフローチャートである。図4を参照して、異常監視装置1が予兆波形を登録する処理手順を説明する。
<ステップS1>データ収集部4が、時系列データを取り込む。なお、通常の異常監視装置1では、データ収集部4は、監視・制御対象2からの時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。データ収集部4により取り込まれた時系列データは、データ蓄積部5に蓄積される。そして、データ取得部10が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを取得する。
<ステップS2>埋め込み処理部11が、データ取得部10により取得された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う。
<ステップS3>データベクトル選択部12が、埋め込み処理部11により埋め込まれた時系列データから各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択する。そして、近傍ベクトル検出部13が、データベクトル選択部12により選択されたデータベクトル近傍空間内の近傍ベクトルを検出する。さらに、接線方向演算部14が、データベクトル選択部12により選択されたデータベクトルと、近傍ベクトル検出部13により検出された近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する。
<ステップS4>平行度評価部15が、接線方向演算部14により演算されたデータベクトルの軌道に対する接線方向と、近傍ベクトルの軌道に対する接線方向との平行度を評価(算出)する。そして、平行度判定部16が、予め定められた閾値に基づいて、時系列データの異常を判定し、予兆波形登録部17が、予め設定した閾値を超えたデータベクトルに基づいて予兆波形の候補である予兆候補波形を抽出する。
<ステップS5>出力装置3(または端末8)が、予兆波形登録部17により抽出された波形を表示する。表示された波形を参照して、表示された波形を予兆候補波形として抽出するか否かの選択信号を入力装置9から異常監視装置1に送信し、この選択信号に基づいて予兆候補波形の選択を行う。なお、図5に示すように、データベクトルの軌道平行測度の閾値を複数設定し、それぞれの閾値に応じて抽出された波形を区別して表示すると(例えば、色別に表示する等)、予兆候補波形の選択利便性が向上する。
<ステップS6>入力装置9の選択信号に基づいて予兆候補波形を抽出する。なお、ステップS5,6を経ることなく、ステップS4で抽出されたアトラクタをすべて予兆候補波形として抽出してもよい。図6に、予兆候補波形の一例を示す。図6に示す予兆候補波形は、2012年11月2日の0:00から2012年11月2日の8:50までの間に監視・制御対象2から出力された時系列データである。
<ステップS7>予兆波形登録部17が、抽出された波形の基となる時系列データが検出された時刻から予め定められた期間における異常が発生したか否かの照合を行う。例えば、予兆波形登録部17は、異常が発生したか否かの照合を、抽出された波形の検出時刻と、データ蓄積部5のイベントログDB19に蓄積された異常ログとを突き合わせることにより行う。
予兆候補波形(図6に示す)と異常ログとの突き合わせ方法について、図7を参照して詳細に説明する。この例では、イベントログDB19との突き合わせ期間を12時間に設定している(突き合わせ期間は任意に設定可能である)。
予兆波形登録部17は、イベントログDB19に蓄積された異常ログのタイムスタンプに基づいて、予兆候補波形の元となる時系列データが出力された時刻から12時間の間に発生した異常ログの有無を調べる。図7の場合、予兆候補波形の元となる時系列データが出力された時刻から12時間以内である2012年11月2日の8:57に異常が発生したことを示すログがあるので、抽出された予兆候補波形は、予兆DB18に登録される予兆波形であると判断される。
<ステップS8>上記の<ステップS7>において、突き合わせ期間内に異常が発生していた場合に、予兆波形登録部17が、突き合わせを行った予兆候補波形を予兆波形として予兆DB18に登録する。この予兆波形は、異常監視装置1が時系列データの異常を監視する際に、監視対象となる時系列データと照合される。
次に、異常監視装置1が登録された予兆波形に基づいて時系列データを評価する処理手順について図8を参照して説明する。
<ステップT1>ステップS1,S2と同様の処理により、データ取得部10が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを取得し、埋め込み処理部11が、データ取得部7により取得された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う。
<ステップT2>データベクトル選択部12で、予兆DB18に登録された波形を構成するデータベクトルを選択し、近傍ベクトル検出部13が、選択されたデータベクトル近傍のデータベクトルを検出する。そして、接線方向演算部14が、選択されたデータベクトル及び検出された近傍ベクトルにおける接線方向を算出し、平行度評価部15が、選択された各データベクトルとこのデータベクトル近傍の近傍ベクトルの平行度を算出する。
<ステップT3>予兆判定部20が、予兆波形を構成する各データベクトルと、当該データベクトル近傍の近傍ベクトルの軌道平行測度の平均値が、0に近い値で設定した閾値以下であれば、時系列データに予兆波形が検出されたと判定する。なお、予兆波形として登録された波形が複数ある場合は、それぞれの予兆波形に対して同様の判定処理を行う。
<ステップT4>予兆判定部20において、時系列データに予兆波形が検出されると、予兆判定部20は、出力装置3に判定結果を出力したり、ネットワーク7を介して端末8に異常が発生する可能性があることを警告する予兆警報を送信したりする。また、異常監視装置1において異常が検出された際に、異常発生の要因を予兆波形に紐付けられている異常ログに基づいて判断することもできる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る異常監視装置について、図9を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態2に係る異常監視装置は、実施形態1に係る異常監視装置1に、予兆DB18をメンテナンスする予兆DB調整手段を追加したものである。よって、予兆DB調整手段の機能についてのみ詳細に説明する。その他の構成及び機能は、図1,2,4を参照して説明した実施形態1に係る異常監視装置1と同じであるので説明を省略する。
実施形態1に係る異常監視装置1では、予兆DB18に登録されている予兆波形として、類似の波形が複数登録されている可能性がある。予兆DB18に登録される波形数が増加すればするほど、予兆警報を出す際の演算コスト(現波形と予兆波形との比較処理)が高くなるおそれがある。また、類似の波形が発生した後、常に同じ内容の異常ログが記録されていれば、その波形は予兆波形としての信頼性が高いと推定される。
予兆DB調整手段は、軌道平行測度に基づいて、登録された予兆波形同士の類似度を算出する。つまり、類似の波形であれば、軌道平行測度の値が0に近づくことを利用する。
例えば、図9のようにA,B,C,・・・,Zという予兆波形が予兆DB18に保存されている場合に、Aという波形を基準に他の各波形の軌道平行測度を算出する。仮に、BとCの波形の軌道平行測度がAと近似する値(例えば、軌道平行測度の閾値判定により実施する)であった場合、A,B,Cの波形を1つにまとめて予兆DB18への再登録を行う。
この際、類似波形であるA,B,Cの中で登録する予兆波形の選択は、異常ログの優先順位や発生頻度に基づき選択すると、より重要性の高い波形を予兆DB18に残すことができる。また、再登録された回数を記録しておくことで、予兆DB18に保存されている予兆波形の信頼性を評価することができる。
なお、予兆DB調整手段は、予め設定された期間毎、新たに予兆波形を予兆DB18に登録する時、または、予め定められた数以上の予兆波形が予兆DB18に登録された場合などに予兆DB18のメンテナンスを行う。
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る異常監視装置について、図10を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態3に係る異常監視装置は、実施形態1に係る異常監視装置1に予兆候補波形を保存する予兆候補DB21(予兆候補データベース)を追加した装置である。よって、予兆候補DB21の機能についてのみ詳細に説明する。その他の構成及び機能は、実施形態1に係る異常監視装置1と同じであるので説明を省略する。
実施形態3に係る異常監視装置は、実施形態1に係る異常監視装置1のデータ蓄積部5に予兆候補DB21を有する。予兆候補DB21に予兆候補となる波形を保存することで、結果として予兆波形として登録とならなかった予兆候補波形の解析を行うことができる。例えば、イベントログDB19に蓄積された異常ログに基づいて、異常ログが発生する前に検出された予兆候補波形を解析し、より異常ログに対応した予兆波形を抽出することができる。
図10は、本発明の実施形態3に係る異常監視装置の予兆波形の登録フローを説明するフローチャートである。図10を参照して、実施形態3に係る異常監視装置が予兆波形を登録する処理手順を説明する。なお、図3の実施形態1に係る異常監視監装置1の登録処理と同じ処理については同じ符号を付し、説明を省略する。また、予兆波形に基づいて時系列データの異常を検出する方法は、実施形態1に係る異常監視装置1の処理<ステップT1>〜<ステップT4>と同じであるので説明を省略する。
<ステップS1>〜<ステップS6>実施形態1の異常監視装置1の予兆波形登録手順と同じ手順で、時系列データの異常を判定する予兆波形の候補となる波形を抽出する。
<ステップS9>予兆候補となる波形を予兆候補波形として予兆候補DB21に保存する。
<ステップS10>予兆候補DB21に保存された予兆候補波形とイベントログDBに保存された異常ログとを突き合わせ、時系列データの異常を判定するための予兆波形を抽出する。なお、予兆候補波形と異常ログとの突き合わせ方法は、実施形態1に係る異常監視装置1における<ステップS7>の処理と同じである。
<ステップS11>実施形態1に係る異常監視装置1に係る<ステップS8>の処理と同様に、予兆波形登録部17が、抽出された予兆波形を予兆DB18に登録する。
以上のように、本発明の異常監視装置及び異常監視方法によれば、監視・制御対象の時系列データの異常を監視するための予兆波形を容易に抽出することができる。そして、抽出した予兆波形に基づいて、時系列データの監視を行うことができる。
また、予兆波形と発生した異常とを紐付けることで、発生した異常の原因を特定したり、発生する可能性のある異常を予測したりすることができる。
また、登録された予兆波形において、類似する予兆波形をまとめることで、発生する異常とより関連性のある予兆波形を抽出することができる。つまり、予兆波形の信頼性が向上する。さらに、信頼性の高い予兆波形を予兆DBに残すことができる。
また、上記のように構成された実施形態1〜3に係るそれぞれの異常監視装置は、例えば、ROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。
上記装置における各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。例えば、データ蓄積部5は、ハードディスクあるいはRAMなどの保存手段・記憶手段として構築される。
上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてフラッシュメモリー等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を介して行う。また、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
1…異常監視装置
2…監視・制御対象
3…出力装置
4…データ収集部
5…データ蓄積部
6…データ判定処理部
7…ネットワーク
8…端末
9…入力手段
10…データ取得部
11…埋め込み処理部
12…データベクトル選択部
13…近傍ベクトル検出部
14…接線方向演算部
15…平行度評価部(平行度算出手段)
16…平行度判定部
17…予兆波形登録部
18…予兆DB
19…イベントログDB
20…予兆判定部
21…予兆候補DB

Claims (4)

  1. 監視対象である設備または機器から時系列データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込む処理を行う埋め込み処理手段と、
    前記埋め込み処理手段により埋め込まれた時系列データからデータベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
    前記データベクトル選択手段により選択されたデータベクトルの近傍空間内での近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
    前記選択されたデータベクトル及び近傍ベクトルの、軌道に対する接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記データベクトルの接線方向と近傍ベクトルの接線方向に基づいて前記データベクトルにおける平行度を算出する平行度算出手段と、
    前記平行度算出手段により算出された平行度が予め定められた閾値を超えた場合、当該閾値を超えたデータベクトルにより構成される軌道を前記監視対象である設備または機器の異常を判定する候補となる予兆候補波形として抽出し、前記予兆候補波形の起点または終点の基となる時系列データが前記監視対象である設備または機器から発生した時刻を基準時刻として、この基準時刻から予め定められた時刻の間に前記監視対象である設備または機器に異常が発生した場合、前記予兆候補波形を当該発生した異常に対応する予兆波形として登録する予兆波形登録手段と、
    登録された予兆波形に基づいて前記監視対象である設備または機器から取得された時系列データの評価を行う予兆判定手段と、を有し、
    前記予兆候補波形に対応する異常が複数ある場合、前記予兆波形登録手段は、発生した異常の種類に応じて予め設定された優先順位に基づいて前記予兆候補波形と対応付ける異常を決定する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  2. 前記予兆波形同士の平行度に基づいて類似する予兆波形を検出し、類似する予兆波形を一つの予兆波形として再登録する調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の時系列データの異常監視装置。
  3. 監視対象である設備または機器より取得した時系列データからアトラクタを作成し、当該アトラクタを構成するデータベクトルの平行度に基づいて、前記時系列データの異常判定を行う異常監視方法であって、
    前記アトラクタを構成するデータベクトルと、当該データベクトルの近傍の近傍ベクトルとの平行度を計測し、当該計測された平行度が予め定められた閾値を超えた場合、当該閾値を超えたデータベクトルにより構成される軌道を前記監視対象である設備または機器の異常を判定する候補となる予兆候補波形として抽出し、
    抽出された予兆候補波形の起点または終点の基となる時系列データが前記監視対象である設備または機器から発生した時刻を基準として、予め定められた期間に前記監視対象である設備または機器に異常が発生した場合、前記予兆候補波形を当該発生した異常に対応した予兆波形と紐付け、前記予兆候補波形に対応する異常が複数ある場合、発生した異常の種類に応じて予め設定された優先順位に基づいて前記予兆候補波形と対応付ける異常を決定して登録し、
    登録された予兆波形に基づいて前記監視対象である設備または機器から取得された時系列データの評価を行う
    ことを特徴とする時系列データの異常監視方法。
  4. コンピュータを請求項1または2に記載の異常監視装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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