JPH1123360A - 回転機械系システムの異常音検出装置 - Google Patents
回転機械系システムの異常音検出装置Info
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- JPH1123360A JPH1123360A JP17875697A JP17875697A JPH1123360A JP H1123360 A JPH1123360 A JP H1123360A JP 17875697 A JP17875697 A JP 17875697A JP 17875697 A JP17875697 A JP 17875697A JP H1123360 A JPH1123360 A JP H1123360A
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- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 回転体の過渡時にも明確な異常音を検出でき
る。 【解決手段】 回転体の近傍に設けられたマイクからな
る第1検出部11で回転体の音圧のデータを得る。回転
体の回転数を第2検出部12で検出し、検出データはパ
ルス間隔抽出部13に入力され、その出力に回転数に比
例したパルスを得る。このパルスは同期検出部14に入
力され、第1検出部11で検出した音圧データをサンプ
リングする際に、第2検出部12から得られたパルスの
間隔に同期して第1検出部11で検出された音圧データ
をサンプリングしてサンプリングデータを得る。このサ
ンプリングデータはサンプリングデータ抽出部15で抽
出され、そのサンプリングデータはデータ入力部16、
データ格納部17を介して判定処理部18に入力され
る。この判定処理部18でデータの処理が行われて、接
線の平行度の評価が行われ、ノイズが加わったデータで
あるかが判定結果部19で識別されて出力部20に出力
される。
る。 【解決手段】 回転体の近傍に設けられたマイクからな
る第1検出部11で回転体の音圧のデータを得る。回転
体の回転数を第2検出部12で検出し、検出データはパ
ルス間隔抽出部13に入力され、その出力に回転数に比
例したパルスを得る。このパルスは同期検出部14に入
力され、第1検出部11で検出した音圧データをサンプ
リングする際に、第2検出部12から得られたパルスの
間隔に同期して第1検出部11で検出された音圧データ
をサンプリングしてサンプリングデータを得る。このサ
ンプリングデータはサンプリングデータ抽出部15で抽
出され、そのサンプリングデータはデータ入力部16、
データ格納部17を介して判定処理部18に入力され
る。この判定処理部18でデータの処理が行われて、接
線の平行度の評価が行われ、ノイズが加わったデータで
あるかが判定結果部19で識別されて出力部20に出力
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータやギア等
の回転機械系システムの異常音検出装置に関する。
の回転機械系システムの異常音検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、上記回転機械系システムの軸振
動異常音等を検出する際に、システムから決定論に基づ
いた時系列データとランダムノイズのような確率過程に
基づいた時系列データが合成されて検出器で検出され
る。これら時系列データのうち、一見するとランダムに
見える時系列データでも決定論に従ったものが多くある
(決定論的カオス)。このような決定論的カオス系のダ
イナミクスは、ランダムノイズがわずかに加わった時
(すなわち、僅かな異常が発生した時)には、表面上明
確な違いが見られない。上記時系列データの特徴判定方
法には、一般にFFT解析法が使用されるが、決定論的
カオス系のダイナミクスの場合、それを構成する周波数
成分が無限になるので、明確な周波数抽出が不可能とな
る。
動異常音等を検出する際に、システムから決定論に基づ
いた時系列データとランダムノイズのような確率過程に
基づいた時系列データが合成されて検出器で検出され
る。これら時系列データのうち、一見するとランダムに
見える時系列データでも決定論に従ったものが多くある
(決定論的カオス)。このような決定論的カオス系のダ
イナミクスは、ランダムノイズがわずかに加わった時
(すなわち、僅かな異常が発生した時)には、表面上明
確な違いが見られない。上記時系列データの特徴判定方
法には、一般にFFT解析法が使用されるが、決定論的
カオス系のダイナミクスの場合、それを構成する周波数
成分が無限になるので、明確な周波数抽出が不可能とな
る。
【0003】図9はFFT等のスペクトル解析による周
波数の特徴を抽出する方法のフローチャートで、まず、
システムからの時系列データを、検出器で検出してステ
ップS1でデータを得る。ステップS1で得られたデー
タは、ステップS2でFFTによりスペクトル解析され
る。このFFTによるスペクトル解析結果から特徴のあ
る周波数をステップS3で選定する。このようにして選
定した値と、正常な場合のデータで予めFFTによるス
ペクトル解析を行ったときの解析値とを、ステップS4
で比較し、その比較結果からステップS3で選定した値
が正常か異常かの判定を行う。
波数の特徴を抽出する方法のフローチャートで、まず、
システムからの時系列データを、検出器で検出してステ
ップS1でデータを得る。ステップS1で得られたデー
タは、ステップS2でFFTによりスペクトル解析され
る。このFFTによるスペクトル解析結果から特徴のあ
る周波数をステップS3で選定する。このようにして選
定した値と、正常な場合のデータで予めFFTによるス
ペクトル解析を行ったときの解析値とを、ステップS4
で比較し、その比較結果からステップS3で選定した値
が正常か異常かの判定を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように時系列デ
ータをFFT等のスペクトル解析により周波数の特徴を
抽出する方法では、決定論系に基づいた時系列データで
あるか、確率過程系の時系列データであるかの識別がで
きない場合がある。例を示すと、決定論的カオスの時系
列データとして代表的なレスラーカオス時系列データ特
性図(図10a、図11a)と、その時系列データに確
率過程系の要素(ホワイトノイズ10%)を加えたレス
ラーカオス時系列データ特性図(図10b、図11b)
で比較し、FFTによるスペクトル解析を行った結果、
ノイズを加えた時系列データとノイズを加えない時系列
データとのFFTによるスペクトル解析結果を比較して
も図12a,b、図13a,bに示す特性図のように明
確な差異は選られない。このため、決定論系の時系列デ
ータと確率過程系の時系列データとの識別は極めて困難
である。この結果、回転機械系システムの軸振動異常音
等を検出する際に、FFTによるスペクトル解析を行っ
ても明確に、軸振動の異常音を検出できない問題があ
る。
ータをFFT等のスペクトル解析により周波数の特徴を
抽出する方法では、決定論系に基づいた時系列データで
あるか、確率過程系の時系列データであるかの識別がで
きない場合がある。例を示すと、決定論的カオスの時系
列データとして代表的なレスラーカオス時系列データ特
性図(図10a、図11a)と、その時系列データに確
率過程系の要素(ホワイトノイズ10%)を加えたレス
ラーカオス時系列データ特性図(図10b、図11b)
で比較し、FFTによるスペクトル解析を行った結果、
ノイズを加えた時系列データとノイズを加えない時系列
データとのFFTによるスペクトル解析結果を比較して
も図12a,b、図13a,bに示す特性図のように明
確な差異は選られない。このため、決定論系の時系列デ
ータと確率過程系の時系列データとの識別は極めて困難
である。この結果、回転機械系システムの軸振動異常音
等を検出する際に、FFTによるスペクトル解析を行っ
ても明確に、軸振動の異常音を検出できない問題があ
る。
【0005】また、回転機械系システムにおける回転体
が一定回転のときには、決定論系の時系列データを得る
ためにサンプリングを行っても、一定のサンプリングデ
ータが得られる。このために、データベクトルの軌道は
過去のデータのデータベクトルの近傍を通過するので、
このデータを用いれば回転体の異常音を明確に検出でき
る。しかし、回転体の過渡時(回転数の上昇、下降時)
に決定論系の時系列データを得るためにサンプリングを
行っても、例えば図14Aに示す回転数上昇時のときの
サンプリングデータで図14Bに示すように埋め込みを
行ってもデータベクトル軌道が過去のデータによるデー
タベクトルの近傍を通らないために、明確な回転体の異
常音を検出できない問題がある。
が一定回転のときには、決定論系の時系列データを得る
ためにサンプリングを行っても、一定のサンプリングデ
ータが得られる。このために、データベクトルの軌道は
過去のデータのデータベクトルの近傍を通過するので、
このデータを用いれば回転体の異常音を明確に検出でき
る。しかし、回転体の過渡時(回転数の上昇、下降時)
に決定論系の時系列データを得るためにサンプリングを
行っても、例えば図14Aに示す回転数上昇時のときの
サンプリングデータで図14Bに示すように埋め込みを
行ってもデータベクトル軌道が過去のデータによるデー
タベクトルの近傍を通らないために、明確な回転体の異
常音を検出できない問題がある。
【0006】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、決定論に基づいた時系列データと、ランダムノイ
ズのような確率過程に基づいた時系列データとの識別が
確実にできるとともに、回転体の過渡時にも明確な異常
音を検出できる回転機械系システムの異常音検出装置を
提供することを課題とする。
ので、決定論に基づいた時系列データと、ランダムノイ
ズのような確率過程に基づいた時系列データとの識別が
確実にできるとともに、回転体の過渡時にも明確な異常
音を検出できる回転機械系システムの異常音検出装置を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、対象とする回転機械系
システムに設けられた音圧データを検出する第1検出部
と、回転機械系システムの回転数を検出する第2検出部
と、第2検出部で検出された回転数をパルス出力に変換
し、そのパルス間隔を抽出するパルス間隔抽出部と、こ
の抽出部で抽出されたパルス間隔に同期して第1検出部
で検出された音圧データをサンプリングする同期検出部
と、この同期検出部で検出されたサンプリングデータを
抽出するサンプリングデータ抽出部と、この抽出部で抽
出されたサンプリングデータを取り込むデータ入力部
と、このデータ入力部に取り込まれたサンプリングデー
タを格納するデータ格納部と、このデータ格納部に格納
されたデータからn次元状態空間に埋め込まれた軌道の
接線が導出され、接線の平行度の評価を行ってその判定
処理をする判定処理部と、この判定処理部により判定さ
れた接線の平行度の判定値から確率過程によるランダム
ノイズが加わったデータであるかを識別する判定結果部
とを備え、第1検出部と第2検出部を設けたので、回転
機械系システムの加速又は減速中であってもサンプリン
グデータは見かけ上一定となる。このため、回転機械系
システムの異常音を確実に検出できるようになる。
を達成するために、第1発明は、対象とする回転機械系
システムに設けられた音圧データを検出する第1検出部
と、回転機械系システムの回転数を検出する第2検出部
と、第2検出部で検出された回転数をパルス出力に変換
し、そのパルス間隔を抽出するパルス間隔抽出部と、こ
の抽出部で抽出されたパルス間隔に同期して第1検出部
で検出された音圧データをサンプリングする同期検出部
と、この同期検出部で検出されたサンプリングデータを
抽出するサンプリングデータ抽出部と、この抽出部で抽
出されたサンプリングデータを取り込むデータ入力部
と、このデータ入力部に取り込まれたサンプリングデー
タを格納するデータ格納部と、このデータ格納部に格納
されたデータからn次元状態空間に埋め込まれた軌道の
接線が導出され、接線の平行度の評価を行ってその判定
処理をする判定処理部と、この判定処理部により判定さ
れた接線の平行度の判定値から確率過程によるランダム
ノイズが加わったデータであるかを識別する判定結果部
とを備え、第1検出部と第2検出部を設けたので、回転
機械系システムの加速又は減速中であってもサンプリン
グデータは見かけ上一定となる。このため、回転機械系
システムの異常音を確実に検出できるようになる。
【0008】第2発明は、判定処理部が対象とする回転
機械系システムからのサンプリングデータが入力され、
サンプリングデータをある次元と遅れにてn次元状態空
間に埋め込み処理を行うサンプリングデータの埋め込み
処理部と、この処理部で埋め込み処理されたデータを入
力し、その中から所望のデータベクトルを選択するデー
タベクトル選択部と、このデータベクトル選択部で選択
されたデータベクトルに近い近傍ベクトルを検出する近
傍ベクトル検出部と、前記データベクトル選択部と近傍
ベクトル検出部で検出されたベクトルの軌道に対する接
線方向を導出し演算する接線方向演算部と、この接線方
向演算部で演算された接線方向の平行度が入力され、こ
の平行度を評価する平行度評価部と、統計的誤差をなく
すために平行度評価部で評価された平行度の平均を求
め、それが「0」に近づく程、決定論に基づくサンプリ
ングデータであると判定し、「1」に近づく程、確率過
程に基づくサンプリングデータであると判定する平行度
判定部とからなるものである。
機械系システムからのサンプリングデータが入力され、
サンプリングデータをある次元と遅れにてn次元状態空
間に埋め込み処理を行うサンプリングデータの埋め込み
処理部と、この処理部で埋め込み処理されたデータを入
力し、その中から所望のデータベクトルを選択するデー
タベクトル選択部と、このデータベクトル選択部で選択
されたデータベクトルに近い近傍ベクトルを検出する近
傍ベクトル検出部と、前記データベクトル選択部と近傍
ベクトル検出部で検出されたベクトルの軌道に対する接
線方向を導出し演算する接線方向演算部と、この接線方
向演算部で演算された接線方向の平行度が入力され、こ
の平行度を評価する平行度評価部と、統計的誤差をなく
すために平行度評価部で評価された平行度の平均を求
め、それが「0」に近づく程、決定論に基づくサンプリ
ングデータであると判定し、「1」に近づく程、確率過
程に基づくサンプリングデータであると判定する平行度
判定部とからなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態を示
すブロック構成図で、図1において、11は対象とする
図示しない回転体の近傍に設けられたマイクロフォンか
らなる第1検出部で、この第1検出部11で図2Aに示
す回転体の時間tに対する音圧のデータを得る。12は
図示しない回転体に設けられた回転体の回転数を検出す
る第2検出部で、この第2検出部12で検出された回転
数検出データ(図2Bに示す)はパルス間隔抽出部13
に入力され、その出力に回転数に比例したパルスに変換
される。変換されたパルス出力データは同期検出部14
に入力される。同期検出部14では、第1検出部11で
検出した音圧をサンプリングする際に、第2検出部12
で得られたパルス出力データのパルス間隔に同期して、
前記第1検出部11で検出された回転体の音圧データ
を、図2Aに示すサンプル点でサンプリングしてサンプ
リングデータを得る。このようにして得られたサンプリ
ングデータ(時系列データ)をサンプリングデータ抽出
部15で抽出する。このようにして抽出したサンプリン
グデータのデータベクトルの軌道は過去のデータによる
データベクトルによる近傍を通過するようになる。
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態を示
すブロック構成図で、図1において、11は対象とする
図示しない回転体の近傍に設けられたマイクロフォンか
らなる第1検出部で、この第1検出部11で図2Aに示
す回転体の時間tに対する音圧のデータを得る。12は
図示しない回転体に設けられた回転体の回転数を検出す
る第2検出部で、この第2検出部12で検出された回転
数検出データ(図2Bに示す)はパルス間隔抽出部13
に入力され、その出力に回転数に比例したパルスに変換
される。変換されたパルス出力データは同期検出部14
に入力される。同期検出部14では、第1検出部11で
検出した音圧をサンプリングする際に、第2検出部12
で得られたパルス出力データのパルス間隔に同期して、
前記第1検出部11で検出された回転体の音圧データ
を、図2Aに示すサンプル点でサンプリングしてサンプ
リングデータを得る。このようにして得られたサンプリ
ングデータ(時系列データ)をサンプリングデータ抽出
部15で抽出する。このようにして抽出したサンプリン
グデータのデータベクトルの軌道は過去のデータによる
データベクトルによる近傍を通過するようになる。
【0010】抽出されたサンプリングデータ(時系列デ
ータ)はデータ入力部16に取り込まれる。取り込まれ
たサンプリングデータ(時系列データ)はデータ格納部
17に格納される。格納されたデータは判定処理部18
に入力され、この判定処理部18で詳細を図3に示すよ
うな手段や各部で処理が行われて、データベクトルから
後述するように接線が導出され、接線の平行度の評価が
行われて平行度が判定される。この接線の平行度の判定
値からノイズが加わったデータであるかが判定結果部1
9で識別される。この判定結果部19で識別された結果
は、出力部20に送られて監視装置などに明示されると
ともに、判定結果格納部21に格納される。
ータ)はデータ入力部16に取り込まれる。取り込まれ
たサンプリングデータ(時系列データ)はデータ格納部
17に格納される。格納されたデータは判定処理部18
に入力され、この判定処理部18で詳細を図3に示すよ
うな手段や各部で処理が行われて、データベクトルから
後述するように接線が導出され、接線の平行度の評価が
行われて平行度が判定される。この接線の平行度の判定
値からノイズが加わったデータであるかが判定結果部1
9で識別される。この判定結果部19で識別された結果
は、出力部20に送られて監視装置などに明示されると
ともに、判定結果格納部21に格納される。
【0011】接線の平行度を評価するためには、音圧か
ら得たサンプリングデータが回転体の一定の回転時に得
られたデータで行わなければならないが、上記のように
第1、第2検出部11、12を使用することにより、こ
の評価が可能になり、回転体の過渡時の異常音の検出で
きるようになる。
ら得たサンプリングデータが回転体の一定の回転時に得
られたデータで行わなければならないが、上記のように
第1、第2検出部11、12を使用することにより、こ
の評価が可能になり、回転体の過渡時の異常音の検出で
きるようになる。
【0012】図3は判定処理部14の詳細なブロック構
成図で、図3において、21は対象とするシステムから
時系列データを得る手段で、この手段21で得られた時
系列データは時系列データの埋め込み処理部22に入力
される。この処理部22では時系列データをある次元と
遅れにて埋め込み処理を行う。ただし、次元と遅れは、
対象とするシステムによって事前に設定する。処理部2
2で埋め込み処理されたデータはデータベクトル選択部
23に入力され、ここで、詳細を後述する図4に示すよ
うに、ランダムにデータベクトルXiを選択する。デー
タベクトルXiが選択されたなら、次に近傍ベクトル検
出部24でデータベクトルXiに近い近傍ベクトルXj
点を検出する。
成図で、図3において、21は対象とするシステムから
時系列データを得る手段で、この手段21で得られた時
系列データは時系列データの埋め込み処理部22に入力
される。この処理部22では時系列データをある次元と
遅れにて埋め込み処理を行う。ただし、次元と遅れは、
対象とするシステムによって事前に設定する。処理部2
2で埋め込み処理されたデータはデータベクトル選択部
23に入力され、ここで、詳細を後述する図4に示すよ
うに、ランダムにデータベクトルXiを選択する。デー
タベクトルXiが選択されたなら、次に近傍ベクトル検
出部24でデータベクトルXiに近い近傍ベクトルXj
点を検出する。
【0013】25は接線方向演算部で、この演算部25
ではデータベクトルXiと近傍ベクトルXjのトラジェ
クトリに対する接線方向TiとTjを導出する。導出さ
れた接線方向TiとTjは平行度評価部26に入力され
て、TiとTjとの平行度が評価(平行度が高いほど0
となる)される。平行度評価部26においての接線方向
TiとTjとの平行度が設定された標本数(N個分)に
達しているかを判断部27で判断し、達していなかった
ならデータベクトル選択部23から処理を再び行う。設
定された標本数に達していたなら、平行度の平均を平行
度判定部28で求めてそれが平均以上なら決定論に基づ
く時系列データであると判定し、平均以下なら確率過程
に基づく時系列データ、すなわちランダムノイズである
と判定する。
ではデータベクトルXiと近傍ベクトルXjのトラジェ
クトリに対する接線方向TiとTjを導出する。導出さ
れた接線方向TiとTjは平行度評価部26に入力され
て、TiとTjとの平行度が評価(平行度が高いほど0
となる)される。平行度評価部26においての接線方向
TiとTjとの平行度が設定された標本数(N個分)に
達しているかを判断部27で判断し、達していなかった
ならデータベクトル選択部23から処理を再び行う。設
定された標本数に達していたなら、平行度の平均を平行
度判定部28で求めてそれが平均以上なら決定論に基づ
く時系列データであると判定し、平均以下なら確率過程
に基づく時系列データ、すなわちランダムノイズである
と判定する。
【0014】図4はアトラクタ(アトラクタについては
特開平7−239838号などで詳述されているので、
ここでは説明を省略する)の局所的特徴を示す説明図
で、この図4に示すn次元状態空間に埋め込まれた時系
列データの任意のデータベクトルは図5に示すような構
成手段により得られる。
特開平7−239838号などで詳述されているので、
ここでは説明を省略する)の局所的特徴を示す説明図
で、この図4に示すn次元状態空間に埋め込まれた時系
列データの任意のデータベクトルは図5に示すような構
成手段により得られる。
【0015】図5において、図4に示すn次元状態空間
に埋め込まれた時系列データの任意のデータベクトルは
データベクトルXi検出手段1で得る。2はその近傍空
間内(図4に示す)での、データベクトルXj(j;m
個(事前に設定))の軌道(トラジェクトリ)に対する
接線の方向Ti,Tjを得る接線方向検出手段である。
この接線方向検出手段2で得られた接線方向がほぼ同一
であるか、否であるかを判定手段3で判定する。この判
定結果で、同一なら理想的な決定論に基づく時系列デー
タであるとし、否であるなら図6に示すようにシステム
に異常が加わった、すなわちランダムノイズ印加で接線
方向がランダムになり確率過程に基づく時系列データで
あると分離識別手段4で分離識別される。
に埋め込まれた時系列データの任意のデータベクトルは
データベクトルXi検出手段1で得る。2はその近傍空
間内(図4に示す)での、データベクトルXj(j;m
個(事前に設定))の軌道(トラジェクトリ)に対する
接線の方向Ti,Tjを得る接線方向検出手段である。
この接線方向検出手段2で得られた接線方向がほぼ同一
であるか、否であるかを判定手段3で判定する。この判
定結果で、同一なら理想的な決定論に基づく時系列デー
タであるとし、否であるなら図6に示すようにシステム
に異常が加わった、すなわちランダムノイズ印加で接線
方向がランダムになり確率過程に基づく時系列データで
あると分離識別手段4で分離識別される。
【0016】ここで、一例として、決定論的カオスの時
系列データである代表的なレスラーカオスと、その時系
列データに確率過程系の要素としてホワイトノイズを加
えたデータで比較する。ノイズの影響を受けていないデ
ータを埋め込んだときのアトラクタグラフは図7に示す
ような軌道を描く。しかし、ノイズの影響を受けたデー
タのときのアトラクタグラフは図8に示すように軌道が
支離滅裂になる。この結果、図7から明かのように、ノ
イズの影響を受けないデータでは、埋め込まれたアトラ
クタの一部分を見るとそれぞれのデータが同じ方向に流
れていることが判る。
系列データである代表的なレスラーカオスと、その時系
列データに確率過程系の要素としてホワイトノイズを加
えたデータで比較する。ノイズの影響を受けていないデ
ータを埋め込んだときのアトラクタグラフは図7に示す
ような軌道を描く。しかし、ノイズの影響を受けたデー
タのときのアトラクタグラフは図8に示すように軌道が
支離滅裂になる。この結果、図7から明かのように、ノ
イズの影響を受けないデータでは、埋め込まれたアトラ
クタの一部分を見るとそれぞれのデータが同じ方向に流
れていることが判る。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
回転体の過渡時にも明確な異常音を検出できるようにな
るとともに、少ないパラメータ(埋め込み次元、遅れ、
近傍数/標本数)の設定により、時系列データの性質と
して決定論系と確率過程系とを分離識別が可能となる。
これにより極めて早期に異常を検出することができるよ
うになる。なぜなら、正常時は設計通りの動作により決
定論的挙動が支配的であるが、異常が発生すると確率過
程に基づくランダムノイズが重畳されるため、上記のよ
うな指標を用いると、極めてわずかなランダムノイズに
も敏感に反応するようになる。
回転体の過渡時にも明確な異常音を検出できるようにな
るとともに、少ないパラメータ(埋め込み次元、遅れ、
近傍数/標本数)の設定により、時系列データの性質と
して決定論系と確率過程系とを分離識別が可能となる。
これにより極めて早期に異常を検出することができるよ
うになる。なぜなら、正常時は設計通りの動作により決
定論的挙動が支配的であるが、異常が発生すると確率過
程に基づくランダムノイズが重畳されるため、上記のよ
うな指標を用いると、極めてわずかなランダムノイズに
も敏感に反応するようになる。
【図1】この発明の実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】2つの検出部によるサンプリングデータの抽出
説明図。
説明図。
【図3】判定処理部の詳細なフローチャート。
【図4】アトラクタの局所的特徴説明図。
【図5】図4に示すアトラクタから理想的な決定論に基
づく時系列データを得るためのブロック構成図。
づく時系列データを得るためのブロック構成図。
【図6】局所的に見たシステムのアトラクタ説明図。
【図7】レスラーカオスのアトラクタグラフ。
【図8】10%ノイズを加えたレスラーカオスのアトラ
クタグラフ。
クタグラフ。
【図9】FFT等のスペクトル解析による周波数特徴抽
出方法のフローチャート。
出方法のフローチャート。
【図10】10aはレスラーカオス時系列データ特性
図、10bは10%ノイズを加えたレスラーカオス時系
列データ特性図。
図、10bは10%ノイズを加えたレスラーカオス時系
列データ特性図。
【図11】11aはレスラーカオス時系列データ拡大特
性図、11bは10%ノイズを加えたレスラーカオス時
系列データ拡大特性図。
性図、11bは10%ノイズを加えたレスラーカオス時
系列データ拡大特性図。
【図12】12aはレスラーカオスのFFTグラフ、1
2bは10%ノイズを加えたレスラーカオスのFFTグ
ラフ。
2bは10%ノイズを加えたレスラーカオスのFFTグ
ラフ。
【図13】13aはレスラーカオスのFFTグラフ拡大
図、12bは10%ノイズを加えたレスラーカオスのF
FTグラフ拡大図。
図、12bは10%ノイズを加えたレスラーカオスのF
FTグラフ拡大図。
【図14】14Aは回転体の回転数上昇時の第1検出部
出力波形図、14Bはデータ埋め込み時の概略説明図。
出力波形図、14Bはデータ埋め込み時の概略説明図。
11…第1検出部 12…第2検出部 13…パルス間隔抽出部 14…同期検出部 15…サンプリングデータ抽出部 16…データ入力部 17…データ格納部 18…判定処理部 19…判定結果部 20…出力部 21…判定結果格納部
Claims (2)
- 【請求項1】 対象とする回転機械系システムに設けら
れた音圧データを検出する第1検出部と、回転機械系シ
ステムの回転数を検出する第2検出部と、第2検出部で
検出された回転数をパルス出力に変換し、そのパルス間
隔を抽出するパルス間隔抽出部と、この抽出部で抽出さ
れたパルス間隔に同期して第1検出部で検出された音圧
データをサンプリングする同期検出部と、この同期検出
部で検出されたサンプリングデータを抽出するサンプリ
ングデータ抽出部と、この抽出部で抽出されたサンプリ
ングデータを取り込むデータ入力部と、このデータ入力
部に取り込まれたサンプリングデータを格納するデータ
格納部と、このデータ格納部に格納されたデータからn
次元状態空間に埋め込まれた軌道の接線が導出され、接
線の平行度の評価を行ってその判定処理をする判定処理
部と、この判定処理部により判定された接線の平行度の
判定値から確率過程によるランダムノイズが加わったデ
ータであるかを識別する判定結果部とを備えたことを特
徴とする回転機械系システムの異常音検出装置。 - 【請求項2】 前記判定処理部は対象とする回転機械系
システムからのサンプリングデータが入力され、サンプ
リングデータをある次元と遅れにてn次元状態空間に埋
め込み処理を行うサンプリングデータの埋め込み処理部
と、この処理部で埋め込み処理されたデータを入力し、
その中から所望のデータベクトルを選択するデータベク
トル選択部と、このデータベクトル選択部で選択された
データベクトルに近い近傍ベクトルを検出する近傍ベク
トル検出部と、前記データベクトル選択部と近傍ベクト
ル検出部で検出されたベクトルの軌道に対する接線方向
を導出し演算する接線方向演算部と、この接線方向演算
部で演算された接線方向の平行度が入力され、この平行
度を評価する平行度評価部と、統計的誤差をなくすため
に平行度評価部で評価された平行度の平均を求め、それ
が「0」に近づく程、決定論に基づくサンプリングデー
タであると判定し、「1」に近づく程、確率過程に基づ
くサンプリングデータであると判定する平行度判定部と
からなることを特徴とする請求項1記載の回転機械系シ
ステムの異常音検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17875697A JPH1123360A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 回転機械系システムの異常音検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17875697A JPH1123360A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 回転機械系システムの異常音検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123360A true JPH1123360A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16054057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17875697A Pending JPH1123360A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 回転機械系システムの異常音検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1123360A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009066017A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Tokyo Metropolitan Univ | ストレス評価装置、ストレス評価システムおよびストレス評価プログラム |
JP2014170269A (ja) * | 2013-03-01 | 2014-09-18 | Meidensha Corp | 時系列データの異常監視装置、異常監視方法及びプログラム |
JP2017037679A (ja) * | 2016-11-21 | 2017-02-16 | 株式会社明電舎 | 時系列データの異常監視装置、異常監視方法及びプログラム |
CN108362369A (zh) * | 2018-01-25 | 2018-08-03 | 国家海洋技术中心 | 一种具备同步功能的自容式单通道海洋声信号测量装置 |
KR20200031841A (ko) * | 2018-09-17 | 2020-03-25 | 곽상인 | 회전 힌지의 소음 검사 장치 |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP17875697A patent/JPH1123360A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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