JP6318574B2 - 時系列データの異常監視方法及び時系列データの異常監視装置 - Google Patents

時系列データの異常監視方法及び時系列データの異常監視装置 Download PDF

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Description

本発明は、時系列データをカオス解析技術により解析する時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置に関する。
監視対象の異常及びその予兆を検知するために、監視対象から時系列データを取得し、この時系列データをカオス理論に基づく軌道平行測度法(Trajectory Parallel Measure Method:TPM法)により解析する方法や装置が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1,2、特願2013−25153号)。
軌道平行測度法は、時系列データを遅れ座標空間に埋め込み、埋め込まれた時系列データで算出される軌道平行測度に基づいて、時系列データの解析を行うものである。軌道平行測度法では、予め蓄積された時系列データや、監視対象から得られた時系列データを逐次的に解析することができる。例えば、各時刻の軌道平行測度を逐次的に求める逐次軌道平行測度法を用いて時系列データを監視することで、オンラインでの監視対象の異常発生を検知することができる。
特許第4995098号公報
蓬田倫之,林孝則、「逐次軌道平行測度法による電力需要分析」、平成25年電気学会全国大会講演論文集、電気学会、第1分冊、2013年、pp.121−122 蓬田倫之,林孝則、「時系列データから異常検知する逐次軌道平行測度法」、平成24年電気学会全国大会講演論文集、電気学会、第1分冊、2012年、pp.146−147
しかし、逐次軌道平行測度法は、監視対象の異常の発生をいち早く検知することはできても、異常の回復をタイムラグが生じることなく検出することが困難であった。これは、逐次軌道平行測度法のアルゴリズム固有の要因によるものである。
この理由を図8に示す時系列データを解析する例を示して説明する。図8は、時刻t3において何らかの状態変化(異常)が生じ、時刻t5で元の状態に戻る事象を表している時系列データを示す図である。
この時系列データを、埋め込み次元3、遅れ時間1の条件で埋め込み処理を行うと、時系列データは遅れ時間座標空間に埋め込まれる。遅れ時間座標空間に埋め込まれた後の時系列データを図9に示す。
図9に示すように、埋め込まれた後の時系列データの各点(t1,t2,・・・,t8)は、埋め込み前の空間の3つ手前までの時刻における計測値情報を有している。例えば、時刻t8では、元の時系列データの計測値情報(x8,x7,x6)が含まれており、時刻t7の点では、元の時系列データの計測値情報(x7,x6,x5)が含まれる。
その結果、埋め込まれた後の時系列データ(t6,t5,t4,t3)の各点には、図8の時系列データで異常状態を示すx3あるいはx4(若しくはその両方)の情報が含まれることとなる。すなわち、遅れ時間座標系では、元の時系列データの異常情報がこれらの4つの時刻t6,t5,t4,t3にまたがって含まれることとなる。
このような時系列データに対し、逐次軌道平行測度法で軌道平行測度を計算すると、図10に示すように異常が回復した後の時刻t5,t6でも軌道平行測度が高い値を示すこととなり、軌道平行測度法の違いを利用した単純な閾値判定では、異常の回復時期と異常が回復したことを検知する時期との間にタイムラグが生じることとなる。
上記事情に鑑み、本発明は、逐次軌道平行測度法により時系列データを解析する際に、時系列データの異常の回復を迅速に検知することに貢献する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の時系列データの解析方法の一態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析する方法であって、所定時間毎の軌道平行測度の差を算出し、算出された軌道平行測度の差分値に基づいて時系列データを解析することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の時系列データの解析方法の他の態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析する方法であって、所定時間毎の軌道平行測度の増加量を算出し、該軌道平行測度の増加量に基づいて時系列データを解析することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の時系列データの解析方法の他の態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析する方法であって、所定時間毎の軌道平行測度の増加量を算出し、算出された軌道平行測度の増加量が予め設定された基準値を超えた場合、前記軌道平行測度の増加量の総和である軌道平行測度の増加量の累積値に算出された軌道平行測度の増加量を加算し、当該軌道平行測度の増加量が加算された軌道平行測度の増加量の累積値に基づいて時系列データを解析し、前記算出された軌道平行測度の増加量が前記基準値を超えない場合、前記軌道平行測度の増加量の累積値を初期化することを特徴としている。
上記目的を達成する本発明の時系列データの異常監視装置の一態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して該時系列データの異常を監視する装置であって、所定時間毎の軌道平行測度の差を算出し、算出された軌道平行測度の差分値に基づいて時系列データの異常を監視することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の時系列データの異常監視装置の他の態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して該時系列データの異常を監視する装置であって、所定時間毎の軌道平行測度の増加量を算出し、算出された軌道平行測度の増加量に基づいて時系列データの異常を監視することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の時系列データの異常監視装置の他の態様は、時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して該時系列データの異常を監視する装置であって、所定時間毎の軌道平行測度の増加量を算出し、算出された軌道平行測度の増加量が予め設定された基準値を超えた場合、前記軌道平行測度の増加量の総和である軌道平行測度の増加量の累積値に算出された軌道平行測度の増加量を加算し、当該軌道平行測度の増加量が加算された軌道平行測度の増加量の累積値に基づいて時系列データの異常を監視し、前記算出された軌道平行測度の増加量が前記基準値を超えない場合、前記軌道平行測度の増加量の累積値を初期化することを特徴としている。
以上の発明によれば、逐次軌道平行測度法により時系列データを解析する技術において、時系列データの異常の回復を迅速に検知することに貢献することができる。
本発明の実施形態に係る異常監視装置の概略を説明する図である。 本発明の実施形態に係る異常監視装置のデータ判定処理部の詳細を説明する図である。 指標3(軌道平行測度の増加量の累積値)により時系列データを解析する場合の指標3の算出手順を示すフローチャートである。 (a)異常発生当日に計測された時系列データと軌道平行測度の推移を示す図、(b)異常発生翌日に計測された時系列データと軌道平行測度の推移を示す図である。 指標1(軌道平行測度の差分値)により時系列データを解析した場合の軌道平行測度の差分値の推移を示す図である。 指標2(軌道平行測度の増加量)により時系列データを解析した場合の軌道平行測度の増加量の推移を示す図である。 指標3(軌道平行測度の増加量の累積値)により時系列データを解析した場合の軌道平行測度の増加量の累積値の推移を示す図である。 時系列データの一例を示す図である。 図8に示される時系列データを遅れ時間座標空間に埋め込んだ結果のイメージを示す図である。 図8に示される時系列データから算出される軌道平行測度の推移を示す図である。
本発明の時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置、並びに、当該異常監視装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムについて、図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る異常監視装置1の概略を説明する説明図である。
図1に示すように、異常監視装置1は、監視・制御対象2に接続され、監視・制御対象2の監視及び制御を行う。異常監視装置1には、出力装置3が接続され、監視・制御対象2の判定結果が出力装置3に出力される。
異常監視装置1は、データ収集部4、データ蓄積部5、データ判定処理部6を有する。データ収集部4は、監視・制御対象2から時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。データ蓄積部5は、データ収集部4で取り込まれた時系列データを蓄積する。データ判定処理部6は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データに異常が発生しているか否かの判定を行う。
監視・制御対象2は、例えば、回転機械系の回転軸の異常や電力需要量変化の異常を監視する装置である。異常監視装置1には、軸振動の音データや振動データ等の時系列データまたは電力需要量等の時系列データが送信される。
出力装置3は、例えば、ディスプレイやプリンタ等であり、異常監視装置1における時系列データの分析結果が出力される。
図2は、異常監視装置1のデータ判定処理部6の詳細を示す図である。図2を参照して、データ判定処理部6の各処理部の機能について詳細に説明する。
データ取得部7は、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを、判定対象とする時系列データとして取得する。
埋め込み処理部8は、データ取得部7で取得された時系列データに対して、n次元状態空間(nは、正の整数)に埋め込み処理を行う。つまり、観測された時系列データy(t)から、ベクトルXt=(y(t),y(t−τ),・・・,y(t−(n−1)τ))をつくる(τは遅れ時間)。このベクトルは、n次元再構成状態空間Rnの1点を示すこととなる。なお、次元nと遅れ時間τは、対象とするシステムに応じて予め設定される。
データベクトル選択部9は、埋め込み処理部8で埋め込まれた時系列データから、各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルXiを選択する。なお、データベクトル選択部9は、前述した各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択することに限定されず、最先端から1つ手前、2つ手前、…(n個手前(nは1以上の正数))のデータベクトルを選択するようにしても良い。
近傍ベクトル検出部10は、データベクトル選択部9で選択されたデータベクトルXi近傍空間内の近傍ベクトルXjを検出する。
接線方向演算部11は、選択されたデータベクトルXi及び近傍ベクトルXjの軌道に対する単位接ベクトル(接線方向)TiとTjを演算する。
平行度評価部12は、接線方向演算部11で演算された各データベクトルXi,Xjにおける単位接ベクトルTi,Tjに基づいて平行度γi(単位接ベクトルTiとTjの平行度;軌道平行測度)を算出する。
平行度判定部13は、次の(a)〜(c)に示す3つの指標のうち少なくとも一つの指標を用いて時系列データを解析し、時系列データの異常を判定する。
(a)指標1:現在時刻と所定時間前の軌道平行測度との差分値
指標1(Tdif:軌道平行測度の差分値)は、(1)式により算出される。
dif=Tpre−Tbef … (1)
pre:現在時刻の軌道平行測度、Tbef:所定時刻前の軌道平行測度
(b)指標2:現在時刻と所定時間前の軌道平行測度からの増加量
指標2(Tinc:軌道平行測度の増加量)は、(2)式により算出される。
inc=Tpre−Tbef … (2)
ただし、Tpre−Tbef<0 のとき、Tinc=0とする。
(c)指標3:現在時刻と所定時間前の軌道平行測度の増加量の累積値
指標3(Tacc:軌道平行測度の増加量の累積値)は、図3に示すフローチャートにしたがって計算される。図3に示すフローチャートでは、軌道平行測度の増加量の累積値を初期化する基準となる基準値を0とした場合を例として説明するが、基準値は、解析対象となる時系列データに応じて任意に設定することができる。
図3に示すように、まず、指標2と同様の方法で、軌道平行測度の増加量(Tinc)を算出する。
inc>0の場合、(3)式に示すようにTincの累積値T’accにTincを加算し、新たな軌道平行測度の増加量の累積値Taccを得る。
acc=T’acc+Tinc …(3)
inc≦0の場合、Taccを初期化する(Tacc=0に設定する)。
なお、平行度判定部13は、予め定められた閾値と各指標とを比較することで時系列データの異常を判定することができる。例えば、軌道平行測度の増加量の累積値Taccで時系列データを評価する場合は、軌道平行測度の増加量の累積値Taccに閾値を設定し、軌道平行測度の増加量の累積値Taccが閾値を超えた場合に時系列データに異常が発生したと判定する。そして、時系列データに異常が発生したと判定した後に、再びTaccが0になった場合に、時系列データの異常が回復したと判定する。また、Taccが所定の期間以上閾値を超えた場合に時系列データに異常が発生したと判定することもできる。
現在時刻点更新部14は、平行度判定部13において、ある時刻において選択されたデータベクトルXiについての軌道平行測度が測定される毎に、データベクトルXiを選択するための基準となる現在時刻点の更新を行う。
蓄積データ更新部15は、データ蓄積部5の蓄積データを適正量に維持するため、異常検知への寄与度が低いデータをデータ蓄積部5から削除する(分析対象から除外する)。例えば、蓄積データ更新部15は、設定期間以上経過したデータをデータ蓄積部5から削除する。これは、時系列データの中で古いデータは異常検知への寄与度が低いためである。
[時系列データの解析方法]
次に、異常監視装置1による時系列データの処理手順を以下に示す。
<ステップS1>データ収集部4が、時系列データを取り込む。なお、通常の異常監視装置1では、データ収集部4は、監視・制御対象2からの時系列データを検出し、検出した時系列データを取り込む。
<ステップS2>データ蓄積部5が、データ収集部4により取り込まれた時系列データを蓄積する。
<ステップS3>データ取得部7が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データを取得する。
<ステップS4>埋め込み処理部8が、データ取得部7により取得された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う。
<ステップS5>データベクトル選択部9が、埋め込み処理部8により埋め込まれた時系列データから各時刻におけるデータ系列の現在時刻点を表す最先端のデータベクトルを選択する。
<ステップS6>近傍ベクトル検出部10が、データベクトル選択部9により選択されたデータベクトル近傍空間内の近傍ベクトルを検出する。
<ステップS7>接線方向演算部11が、データベクトル選択部9により選択されたデータベクトルと、近傍ベクトル検出部10により検出された近傍ベクトルにおける、埋め込まれた後の時系列データの軌道の接線方向を演算する。
<ステップS8>平行度評価部12が、接線方向演算部11により演算されたデータベクトルにおける軌道の接線方向と、近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度(軌道平行測度)を算出する。
<ステップS9>平行度判定部13が、平行度評価部12で算出された平行度(軌道平行測度)に基づいて、(a)軌道平行測度の差分値Tdif、(b)軌道平行測度の増加量Tinc、(c)軌道平行測度の増加量の累積値Taccのいずれかの指標を算出し、算出された指標に基づいて時系列データの評価を行う。なお、平行度判定部13は、従来の時系列データの評価方法を併せて行ってもよい。つまり、軌道平行測度に閾値を設定し、軌道平行測度と閾値とを比較して時系列データの異常を判定してもよい。
<ステップS10>現在時刻点更新部14が、平行度判定部13によってある時刻におけるデータベクトルにおける時系列データの評価が行われる毎に、埋め込み処理部8により埋め込まれた時系列データの現在時刻点を更新する。
<ステップS11>蓄積データ更新部15が、データ蓄積部5に蓄積された時系列データから、設定期間以上経過したデータを削除する。
なお、上記のように構成された異常監視装置1及び異常監視装置1のデータ判定処理部6は、例えば、ROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
上記装置及び処理部における処理手段をコンピュータによって実現する場合、装置及び処理部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、装置及び処理部における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体が例示される。具体的には、例えば、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等の磁気記録装置や、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等の光ディスクや、MO(Magneto Optical disc)等の光磁気記録媒体や、フラッシュメモリー等の半導体メモリを用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を流通することによって行う。さらに、ネットワークを介して、このプログラムをサーバコンピュータから他のコンピュータに転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
[実施例]
本発明の時系列データの解析方法及び時系列データの異常監視装置について、具体的な実施例を挙げてさらに詳細に説明する。実施例では、変電所における需要データを逐次軌道平行測度法で解析した。
[従来技術での時系列データの解析結果]
図4(a)は、変電所における電力需要に関して、異常発生当日の計測値データ(計測値)と軌道平行測度の推移を示す図であり、図4(b)は、異常発生翌日の計測値データ(計測値)と軌道平行測度の推移を示す図である。計測値データは30分毎にサンプリングし、計測された計測値データは、埋め込み次元48、遅れ時間1で、遅れ時間座標空間に埋め込んだ。そして、この遅れ時間座標空間に埋め込まれた時系列データに基づいて軌道平行測度を算出した。図中、点線で示す波形は正常時の波形を示しており、実線は当日(異常発生時)の波形を示している。点線の波形と実線の波形を比較すると、時刻2:30から4:30にかけて時系列データが正常時と比較して大きく変化している。つまり、図4(a)に示す時系列データは、時刻2:30から4:30にかけて時系列データに異常が発生し、時刻4:30以降は時系列データの異常が回復しているデータを示している。
図4(a)に示すように、時刻2:30〜4:30にかけて軌道平行測度が上昇しており、軌道平行測度により時系列データの変化がとらえられていることがわかる。しかし、時刻4:30以降(計測値が正常時の時系列データと同様に推移するようになった後)にも、軌道平行測度の値は高いままとなっている。
この例では、埋め込み次元を48次元としているため、図4(b)に示すように、48時刻分経過する翌日の4:30まで、軌道平行測度が大きいままとなっている。
[指標1を用いた時系列データの解析結果]
図5は、図4(a)に示す時系列データを、指標1(軌道平行測度の差分値)で解析した結果を示す図である。指標1は、現在時刻の軌道平行測度から1時刻前の軌道平行測度を減算して求めた。
図5に示すように、時刻2:30から軌道平行測度の差分値の増加が確認され、異常が回復した後の4:30以降は、軌道平行測度の差分値が低いままとなっている。つまり、指標1を用いることで、時系列データの異常の発生を検出できるだけでなく、時系列データの異常の回復を即時に検出できることがわかる。
[指標2を用いた時系列データの解析結果]
図6は、図4(a)に示す時系列データを、指標2(軌道平行測度の増加量)で解析した結果を示す図である。指標2は、現在時刻の軌道平行測度から1時刻前の軌道平行測度を減算して求めた。
図6に示すように、時刻2:30から軌道平行測度の増加量の増加が確認され、異常が回復した後の4:30以降は、軌道平行測度の増加量は低いままとなっている。つまり、指標2を用いることで、時系列データの異常の発生を検出できるだけでなく、時系列データの異常の回復を即時に検出できることがわかる。また、指標2は、需要の増加量(異常の程度)のみを表示するため、異常の発生と回復を確認するための視認性が向上する。
[指標3を用いた時系列データの解析結果]
図7は、図4(a)に示す時系列データを、指標3(軌道平行測度の増加量の累積値)で解析した結果を示す図である。指標3は、現在時刻の軌道平行測度から1時刻前の軌道平行測度を減算して求めた。
図7に示すように、時刻2:30から軌道平行測度の増加量の累積値が増加していることが確認され、異常が回復した後の5:00以降は、軌道平行測度の累積値は低いままとなっている。つまり、指標3を用いることで、時系列データの異常の発生を検知できるだけでなく、時系列データの異常の回復を即時に検出することができる。また、軌道平行測度の増加量の累積値で時系列データの解析を行うことで、異常の継続時間を考慮した解析を行うことができ、異常の継続時間を考慮した閾値設定が可能となる。
以上のような、本発明の時系列データの解析方法及び該解析方法を用いた時系列データの異常監視装置によれば、時系列データの異常の回復を即時検出することができる。
なお、本発明の時系列データの解析方法や該解析方法を用いた時系列データの異常監視装置は、実施形態に記載された用途に限定されるものではなく、様々な時系列データの解析に用いることができる。
また、実施形態の説明では、軌道平行測度の増加量や、軌道平行測度の増加量の累積値により時系列データを解析しているが、時系列データの異常が軌道平行測度の減少量として表れる時系列データを解析する場合には、軌道平行測度の減少量や軌道平行測度の減少量の累積値に基づいて時系列データが解析される。
また、時系列データを解析する指標は、用途に応じて適宜選択されるものであるが、各指標を組み合わせて用いることで、より詳細に時系列データを解析することができる。
1…異常監視装置
2…監視・制御対象
3…出力装置
4…データ収集部
5…データ蓄積部
6…データ判定処理部
7…データ取得部(取得手段)
8…埋め込み処理部(埋め込み手段)
9…データベクトル選択部
10…近傍ベクトル検出部
11…接線方向演算部(接線方向演算手段)
12…平行度評価部(平行度算出手段)
13…平行度判定部(時系列データ評価手段)
14…現在時刻点更新部
15…蓄積データ更新部

Claims (7)

  1. 監視対象から時系列データを取得し、該時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して、前記時系列データの異常を監視する異常監視装置による時系列データの異常監視方法であって、
    監視対象から時系列データを取得する取得ステップと、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、
    所定の時間毎に、埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算ステップと、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出ステップと、
    現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の差を算出し、算出された平行度の差分値に基づいて時系列データの異常の発生または異常の回復を検出する解析ステップと、を有する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視方法。
  2. 監視対象から時系列データを取得し、該時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して、前記時系列データの異常を監視する異常監視装置による時系列データの異常監視方法であって、
    監視対象から時系列データを取得する取得ステップと、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、
    所定の時間毎に、埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算ステップと、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出ステップと、
    現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の増加量を算出し、算出された平行度の増加量に基づいて時系列データの異常の発生または異常の回復を検出する解析ステップと、を有する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視方法。
  3. 監視対象から時系列データを取得し、該時系列データを逐次軌道平行測度法により解析して、前記時系列データの異常を監視する異常監視装置による時系列データの異常監視方法であって、
    監視対象から時系列データを取得する取得ステップと、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、
    所定の時間毎に、埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算ステップと、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出ステップと、
    現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の増加量を算出し、算出された平行度の増加量が予め設定された基準値を超えた場合、前記平行度の増加量の総和である平行度の増加量の累積値に算出された平行度の増加量を加算し、当該平行度の増加量が加算された平行度の増加量の累積値に基づいて時系列データの異常の発生または異常の回復を検出し、前記算出された平行度の増加量が前記基準値を超えない場合、前記平行度の増加量の累積値を初期化する時系列データ解析ステップと、を有する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視方法。
  4. 評価対象から時系列データを取得する取得手段と、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み手段と、
    所定時間毎に埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出手段と、
    算出された平行度に基づいて前記時系列データの評価を行う時系列データ評価手段と、備えた時系列データの異常監視装置であって、
    前記時系列データ評価手段は、現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の差を算出し、算出された平行度の差分値に基づいて時系列データの異常を監視する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  5. 評価対象から時系列データを取得する取得手段と、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み手段と、
    所定時間毎に埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出手段と、
    算出された平行度に基づいて前記時系列データの評価を行う時系列データ評価手段と、備えた時系列データの異常監視装置であって、
    前記時系列データ評価手段は、現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の増加量を算出し、算出された平行度の増加量に基づいて時系列データの異常を監視する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  6. 評価対象から時系列データを取得する取得手段と、
    取得された時系列データをn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み手段と、
    所定時間毎に埋め込まれた時系列データから選択される現在時刻点を表すデータベクトルとこのデータベクトルの近傍の時系列データである近傍ベクトルにおける前記埋め込まれた時系列データの軌道の接線方向を演算する接線方向演算手段と、
    前記データベクトルにおける軌道の接線方向と前記近傍ベクトルにおける軌道の接線方向との平行度を算出する平行度算出手段と、
    算出された平行度に基づいて前記時系列データの評価を行う時系列データ評価手段と、備えた時系列データの異常監視装置であって、
    前記時系列データ評価手段は、現在時刻の平行度と所定の時間前の平行度の増加量を算出し、算出された平行度の増加量が予め設定された基準値を超えた場合、前記平行度の増加量の総和である平行度の増加量の累積値に算出された平行度の増加量を加算し、当該平行度の増加量が加算された平行度の増加量の累積値に基づいて時系列データの異常を監視し、前記算出された平行度の増加量が前記基準値を超えない場合、前記平行度の増加量の累積値を初期化する
    ことを特徴とする時系列データの異常監視装置。
  7. コンピュータを請求項4から6のいずれか1項に記載の時系列データの異常監視装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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