JP6365124B2 - 死角補助装置 - Google Patents
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Description
車両のピラーに遮られて死角となる領域の像を視認させる死角補助装置であって、
入射した光のうちの一部を反射させて他の一部を透過させる第1ミラーと、前記第1ミラーと対向し、前記第1ミラーからの光を前記第1ミラーに向けて反射させる第2ミラーと、を有し、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に入射した前記像を表す光のうち、前記第1ミラーを透過した光によって前記像を前記車両内で視認させる反射部と、
前記反射部を前記車両内で保持する保持部と、を備え、
前記保持部は、
前記ピラーから、前記車両の内側に位置するピラーカバーを外すことで露出するピラー本体に取り付けられる被取付部を有し、
前記被取付部は、前記ピラー本体に前記ピラーカバーを取り付けるために予め設けられている取付部と嵌まり合う形状で形成されている、
ことを特徴とする。
反射部30は、ピラー6Rに起因する死角領域D(図2参照)にある物体Mの像を、反射によってユーザ2に視認させるものである。反射部30は、一対のミラー10と、これらのミラー10を保持する筐体20と、を有する。
また、一対の対向平面を設けた透光性部材の一方の面に反射率調整層(半透過反射層)を形成し、他方の面に反射層を形成することで、一対のミラー10を構成することもできる。つまり、第1ミラー11と第2ミラー12とは別部材でなくともよい。
前述のように、第1ミラー11における透過光と反射光の光量比は、透過光:反射光=1:9に設定されている。したがって、図3に示すように、光Lが最初に第1ミラー11に入射した場合、一対のミラー10からの最初の出射光である光(最初に第1ミラー11を透過した光)L1は、その光量が、最初に第1ミラー11に入射した光Lの1/10となる。光L1は、光Lと光量が異なるだけであるので、光Lと同様に物体Mの像を表す。また、最初に第1ミラー11に入射した光Lは、第1ミラー11、第2ミラー12の順に反射され、再度(2回目)、第1ミラー11に入射する。光Lが2回目に第1ミラー11に入射した場合、最初の場合と同様に、一対のミラー10から物体Mの像を示す光L2が出射する。さらに、2回目に第1ミラー11に入射した光Lは、第1ミラー11、第2ミラー12の順に反射され、再度(3回目)、第1ミラー11に入射する。光Lが3回目に第1ミラー11に入射した場合、2回目までの場合と同様に、一対のミラー10から物体Mの像を示す光L3が出射する。
このように、光Lは一対のミラー10の間で反射を繰り返すので、光Lが第1ミラー11にn回数入射した場合、物体Mの像を示す光L1〜Lnが、一対のミラー10から出射する。すなわち、一対のミラー10からは、ユーザ2の目の左右方向に沿って、n個の物体Mを示す像が出射することになる。したがって、ユーザ2は、左右方向の広い範囲で物体Mの像を視認することができる。
次に、保持部60について説明する。
保持部60は、図5に示すように、第1カバー部材61と、第2カバー部材62と、固定部材63と、被取付部64と、反射部30をスライド可能に保持するスライド部40と、ロック部50と、を有する。
本実施形態では、図5、図10等に示すように、第2カバー部材62は、第1カバー部材61よりもピラー本体6a側に位置する。また、第2カバー部材62は、第1カバー部材61の開口部O1を第1カバー部材61の内側(ピラー本体6a側)から覆う。
これにより、反射部30を高さ調整のためにスライドさせても、ピラー本体6aが露出して車両1内の見栄えが悪くなることを防止できる。
後述するように、反射部30は、その裏側(−Z方向)に位置するスライド部40によってY方向にスライド可能に設けられている。このスライド部40によって、反射部30の裏側においては、X及びZ方向の動きがある程度規制されている。しかしながら、反射部30の表側においては、反射部30の動きが規制されていないため、何の対策も講じなければ、車両1の振動によっては反射部30の姿勢を安定して保つことができない場合がある。
固定部材63は、図9に示すように、第1カバー部材61の裏側に固定される。具体的には、固定部材63は、第1カバー部材61にネジやフックなどの固定手段により固定される。なお、このようにして固定された第1カバー部材61と固定部材63との間に、第2カバー部材62が位置する。固定部材63には、後述するガイドレール42、係合部53、及び被取付部64が設けられている。なお、固定部材63は、第1カバー部材61と一体的に形成されてもよい。
ところで、図8に示すようにピラーカバー6bには、ピラーカバー6bをピラー本体6aの取付孔6cに取り付けるために、突起部材6dが設けられているが、被取付部64は、この突起部材6dと、略同一の形状及び姿勢で形成されている。具体的には、図9に示す被取付部64と図8に示す突起部材6dとを比較すると、位置P1にある被取付部64は、位置N1にある突起部材6dと略同一の形状及び姿勢で形成されている。また、位置P2にある被取付部64は、位置N2にある突起部材6dと略同一の形状及び姿勢で形成されている。また、位置P3にある被取付部64は、位置N3にある突起部材6dと略同一の形状及び姿勢で形成されている。
また、被取付部64は、図9に示すように複数あるが、そのうちの少なくとも一部は、第1カバー61に直接取り付けられていてもよい。
また、ピラー本体6aの取付孔6cと、ピラーカバー6bに設けられている突起部材6dとの形状及び姿勢は、車種によって異なるため、被取付部64は、対象車に応じた形状及び姿勢で形成される。
スライド部40は、図5に示すように、筐体20の背面側(−Z側)に取り付けられたスライドプレート41と、固定部材63の前面側(+Z側)に取り付けられたガイドレール42と、を有する。スライドプレート41及びガイドレール42の各々は、例えば金属材料から形成されている。
ガイドレール42は、図6に示すように、ピラー6Rが延びる方向(Y方向)に沿って延びるガイド溝42aを有し、このガイド溝42aにスライドプレート41が嵌め合わされるようにして設けられている。スライドプレート41がガイド溝42a内を摺動可能となっていることで、反射部30は、ガイドレール42に沿ってスライド可能となっている。
ロック部50は、反射部30をピラー本体6aに対して係止する係止部51と、弾性部材52と、係止部51と係り合う係合部53と、を有する。
一方、ユーザ2が操作部51aを−X方向に押圧している状態では、弾性部材52の復元力に抗う方向に係止部51が移動する。これにより、係止部51による係止が解除された解除状態となる。解除状態の際に、反射部30をピラー6Rに沿ってスライドさせることが可能となる。詳しくは後述する。
第1の特徴として、死角補助装置100では、保持部60は、ピラー6Rを構成するピラー本体6aを車両1の内側から覆い、ピラー本体6aに対して不動である第1カバー部材61と、反射部30に対して不動であり、車両1の内側から見て第1カバー部材61と一部が重なる第2カバー部材62と、を有する。
第1カバー部材61の第2カバー部材62側には、第1嵌合部61aが設けられ、第2カバー部材62の第1カバー部材61側には、第1嵌合部61aと嵌まり合う第2嵌合部62aが設けられている。
そして、ピラー6Rが延びる方向を第1の方向(Y方向)とし、第1の方向と直交する方向を第2の方向(X方向)とした場合、第1嵌合部61aと第2嵌合部62aとが嵌まり合うことにより、反射部30の第2の方向における動きが規制されている。
この構成により、前述したように、反射部30を安定した姿勢に保つことができる。反射部30の姿勢が安定すれば、死角領域Dの像Mの視認性が低下することを抑制できるため、安全性にも優れる。なお、X方向だけでなく、反射部30のZ方向の動きも規制するように構成しても良い。
具体的には、第1嵌合部61aが第2カバー部材62に向かって突出するレール部であり、反射部30のスライドに伴って第2カバー部材62が移動すると、凹部はレール部に案内されて移動する。
この構成により、反射部30をスライドさせた際に、反射部30と共に移動する第2カバー部材62の第2嵌合部62aが、第1嵌合部61aにガイドされて摺動するため、反射部30及び第2カバー部材62を安定して姿勢でスライドさせることができる。そのため、反射部30の高さ調節時のガタツキも低減することができる。
なお、第2嵌合部62aを第1の方向に延びるレール部とし、第1嵌合部61aをレール部の一部が挿入される凹部としてもよい。
これにより、第2嵌合部62aがユーザ2の目に触れることがないため、外観的な商品性を損なわずに済む。
第2の特徴として、死角補助装置100では、保持部60は、ピラー6Rから、車両1の内側に位置するピラーカバー6bを外すことで露出するピラー本体6aに取り付けられる被取付部64を有し、被取付部64は、ピラー本体6aにピラーカバー6bを取り付けるために予め設けられている取付孔6c(取付部の一例)と嵌まり合う形状で形成されている。
この構成により、死角領域Dの像Mを視認させる反射部30を容易に車両のピラーに取り付けることができる。
なお、突起部材6dは、通常複数あり、被取付部64も同数設けることが好ましく、対応する突起部材6dと被取付部64のすべてにおいて、形状及び姿勢が共通することが好ましい。ただし、被取付部64は、その数が突起部材6dの数より少なくともよいし、突起部材6dの少なくとも一部と形状及び姿勢が共通していてもよい。
しかし、例えばディーラーオプション等で車両1に最初から死角補助装置100が搭載されている場合も考えられる。この場合、第1カバー部材61との比較対象は、同種の車両1における死角補助装置100が搭載されていない車両(例えば、標準仕様車)のピラーカバー6bとなる。
図15(a)(b)に示す変形例に係る死角補助装置200のように、反射部30を第1カバー部材61上(第1カバー部材61よりも+Z方向)でスライド可能に構成することもできる。なお、図15(a)(b)においては、説明の理解を容易にするため、上記実施形態と同様な機能を有する部材については、上記実施形態と同一の符号を付した。死角補助装置200では、反射部30の筐体20と一体で形成された第2カバー部材262が、第1カバー部材61を覆うように形成されている。第1カバー部材61のうち、第2カバー部材262に覆われた領域の一部に開口部O2を設けている。この開口部O2を介して、反射部30は、前述と同様のスライド部(スライドレール41及びガイドレール42)により、ピラー本体6aに対してスライド可能に構成されている。なお、反射部30の高さ調節の操作は、前述と同様であるため、容易である。
図示しないが、この場合も同様に互いに嵌合する第1嵌合部と第2嵌合部を設けることができる。変形例に係る構成では、第2カバー部材262の第1カバー部材61側に設けられる第2嵌合部が、Y方向に延びるレール部であり、第1カバー部材61の第2カバー部材262側に設けられる第1嵌合部が、凹部であることが好ましい。このようにすれば、双方の嵌合部が外観では視認されずに済むため、商品性を高めることができるからである。
また、車両1のピラーは、車両1の前方から後方に向かって順に、Aピラー(フロントピラー)、Bピラー、Cピラー、Dピラー・・・・と呼称されるが、当然ながらAピラー以外のピラーによっても死角が生じる。したがって、死角補助装置100をBピラーやCピラーなど、Aピラー以外のピラーに設けることも可能である。
2…ユーザ
6R,6L…ピラー
6a…ピラー本体、6c…取付孔(取付部の一例)
6b…ピラーカバー(ピラーガーニッシュ)、6d…突起部材
D…死角領域
M…物体
100,200…死角補助装置
30…反射部
10…一対のミラー
11…第1ミラー
12…第2ミラー
20…筐体
60…保持部
61…第1カバー部材
61a…第1嵌合部
O1…開口部
62…第2カバー部材
62a…第2嵌合部
63…固定部材
64…被取付部
40…スライド部
50…ロック部
Claims (4)
- 車両のピラーに遮られて死角となる領域の像を視認させる死角補助装置であって、
入射した光のうちの一部を反射させて他の一部を透過させる第1ミラーと、前記第1ミラーと対向し、前記第1ミラーからの光を前記第1ミラーに向けて反射させる第2ミラーと、を有し、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に入射した前記像を表す光のうち、前記第1ミラーを透過した光によって前記像を前記車両内で視認させる反射部と、
前記反射部を前記車両内で保持する保持部と、を備え、
前記保持部は、
前記ピラーから、前記車両の内側に位置するピラーカバーを外すことで露出するピラー本体に取り付けられる被取付部を有し、
前記被取付部は、前記ピラー本体に前記ピラーカバーを取り付けるために予め設けられている取付部と嵌まり合う形状で形成されている、
ことを特徴とする死角補助装置。 - 前記被取付部は、
前記ピラーカバーを前記ピラー本体の前記取付部に取り付けるために、前記ピラーカバーに設けられている部材と、略同一の形状及び姿勢で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の死角補助装置。 - 前記保持部は、固定部材と、前記固定部材を前記車両の内側から覆うカバー部材と、を有し、
前記被取付部は、前記固定部材と前記カバー部材とのうち、少なくとも一方に設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の死角補助装置。 - 前記カバー部材は、前記反射部を設置するための開口部を有し、前記保持部が前記ピラー本体に取り付けられた状態で、前記カバー部材は、前記開口部を除いて前記ピラーカバーと同様の外観となるように、前記ピラーカバーと同様の材質で表面仕上げが施され、同様の色で形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の死角補助装置。
Priority Applications (1)
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JP2014174529A JP6365124B2 (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | 死角補助装置 |
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2014
- 2014-08-28 JP JP2014174529A patent/JP6365124B2/ja active Active
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