JP6364628B2 - 電子機器及びケーブル設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器及びケーブル設置方法に関する。
特許文献1では、移動部材の移動に伴って配線部材が湾曲変形させられた場合であっても、固定コネクタからの延出部において折曲げ力が作用したり、局部的に過大な曲げ応力が作用したりするのを防止している。
特開2005−209856号公報
ケーブルが同じ部分で何度も曲げ伸ばしされると、ケーブルを構成する芯線等に用いる金属が当該箇所で塑性疲労等を起こし、断線を生じるという課題があった。本発明は、この課題を抑制することを目的とする。
本開示における電子機器は、電気を伝送するケーブルと接続され、ケーブルが延伸する方向を第1方向とし、第1方向に略垂直な方向を第2方向とすると、ケーブルが電子機器に接続される接続箇所より第1方向に位置し、ケーブルが第1方向から第2方向に第1所定角度以上変化することを抑制する第1ガイド部と、第1ガイド部よりさらに第1方向に位置するとともにケーブルに対して第1ガイド部と反対側の第2負方向に位置し、ケーブルが第1方向から第2負方向に第2所定角度以上変化することを抑制する第2ガイド部と、前記第1ガイド部よりさらに前記第1方向に位置するとともに前記ケーブルに対して前記第1ガイド部と同じ前記第2方向に位置し、前記ケーブルが前記第1方向から前記第2方向への角度の変化を、前記第1所定角度以上の第3の所定角度の範囲以下に抑制する第3ガイド部を、を備える。
本開示における電子機器またはケーブル設置方法は、従来と比較してケーブルが曲げ伸ばし等されても断線等の障害を抑制できる。
実施の形態1で説明する電子機器の形状を示す図である。 実施の形態1で説明する電子機器の別方向からの形状を示す図である。 実施の形態1で説明する電子機器の底面方向からの形状を示す図である。 実施の形態1で説明する電子機器の蓋部裏面の形状を示す図である。 蓋部とケーブルとの位置関係を示す図である。 ケーブルを第2方向側に配置した場合の図である。 ケーブルを第2方向反対側に配置した場合の図である。 ケーブルを第3方向反対側に配置した場合の図である。 ケーブルを第3方向に配置した場合の電子機器とケーブルとの図である。 2つのガイド部間の離間距離と、ケーブルの耐久性との関連を示す図である。 離間距離を算出するための模式図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態で示す電子機器100の外形を示す図である。電子機器100は、入力部101と出力部102とを備える。
入力部101は、電子機器100の利用者から要求を受け付ける。本実施の形態ではキーボードを例として図示している。しかし、本出願に記載の発明は、これに限定されずタッチパネル、タッチパッド、マウス等その他の入力デバイスを用いるものであっても良い。また電子機器100に直接入力するケースに限らず、例えば外部の別装置から通信回線を経由して要求を受信するものであってもよい。
出力部102は、電子機器100から出力される情報を表示する。本実施の形態では、薄型表示パネルを例として図示している。しかし、本出願に記載の発明は、これに限定されず他の表示装置を用いるものであっても良い。また、電子機器100が直接情報を出力するケースに限らず、例えば外部の別装置へ通信回線を経由して情報を出力するものであってもよい。
図2は電子機器100を上部側から斜視した場合の図である。電子機器100の上部には、開口部103が設けられている。電子機器100に接続されるケーブル500は、この開口部103を通じて外部へ接続される。
図3は電子機器100を底部側から投影した場合の図である。電子機器100は、電子機器100本体と蓋部104とに分離できる。
蓋部104は電子機器100本体の底部に設けられている凹状の空間である凹部105を覆う。蓋部104が凹部105と重なる位置まで移動する。そして電子機器100本体と蓋部104とは、ねじ穴106と、ねじ穴107と、に挿入されるねじで共締めすることで、両者は固定される。
凹部105には電子機器100に接続されるケーブル500が接続される機器側端子108が設けられる。機器側端子108はケーブル500の端子501と接続する。この接続位置が、接続箇所となる。
図5に示すようにケーブル500は、端子501と、端子カバー502と、ブッシュ503と、伝送線504と、を有する。
端子501は電子機器100とケーブル500と物理的に接続するための結合素子である。より具体的には端子501は、電子機器100の機器側端子108と接続する。
端子カバー502は端子501と後述する伝送線504との接続部分を覆うカバーである。
ブッシュ503は端子カバー502から伝送線504が引き出される部分にあり、伝送線504を保護する。
伝送線504は電気を伝送するための配線である。ここで伝送対象となる「電気」は、情報を伝送するために電気信号に置き換えられた信号、接続された機器へ動作エネルギーとなる電力、など電気を利用することで伝送されるすべて種類の信号等が対象となる。また、直流等の電力を伝送する場合にはケーブルの両端に接続された機器間で電位レベル等を合わせるための接続線(多くの場合はグランド線)なども、上記の「電気」の対象に含まれる。
なお、本実施の形態では、電子機器100とケーブル500とが分離できる例を用いて説明している。しかし、本出願に記載の発明はこれに限定されない。電子機器100とケーブル500とが分離できずに固定されている場合でも、本出願に記載の発明は同様に適用可能である。
図4は、蓋部104の裏面の形状を示す図である。蓋部104は、第1ガイド部400と、第2ガイド部403と、第3ガイド部407と、端子抑止部408と、第4ガイド部409と、を備える。
本実施の形態の説明では、理解を容易にするため、「第1方向」、「第2方向」、「第3方向」を用いる。
第1方向は、図5で示すとおり、ケーブル500と電子機器100とが接続された場合にケーブル500(伝送線504)が延伸する方向である。図5の場合には、上部から下部方向が第1方向となる。第2方向は、第1方向に略垂直な方向である。図5の場合には左部から右部への方向である。第3方向は、第1方向と第2方向との両者に略垂直な方向である。図5では、紙面前方方向である。図面には、適宜これらの方向を示す方向軸を併記する。
なお、第1方向、第2方向、第3方向それぞれの反対方向は、第1負方向、第2負方向、第3負方向として表現する。
第1ガイド部400は、ケーブル500が電子機器100に接続された場合に、ケーブル500(伝送線504)の延伸方向に沿った位置に設けられる。図5の例では、第1ガイド部400はケーブル500に沿った位置にある。第1ガイド部400はケーブル500と電子機器100との接続箇所から第1方向に所定の距離だけ離れた位置に設けられている。
第1ガイド部400は、ケーブル500の可動範囲を規制する。ケーブル500の可動範囲は、図6のように、第1方向から第1所定角度θ1で規制される。第1所定角度θ1は、第1ガイド部400とケーブル500との位置関係及び第1ガイド部400の形状により決定される。
第1ガイド部400は、ケーブル500と接触する部分にケーブル500側に凸となった曲面形状の第1ガイド部曲面401を有する。ケーブル500は、この第1ガイド部曲面401により第1方向から第2方向へ傾斜する角度が制限される。
第1ガイド部400は、さらに第1ガイド部抑止面402を備えても良い。第1ガイド部抑止面402は、図5に示すようにケーブル500のブッシュ503の第1方向側に隣接する位置に設けられる。
ケーブル500に第1方向への力がかかった場合、つまり電子機器100からケーブル500を引き抜く力がかかった場合、ブッシュ503が第1ガイド部抑止面402と接触する。第1ガイド部抑止面402はブッシュ503がそれ以上移動することを抑止する。そのためケーブル500に引き抜く力がかけられても、ケーブル500が電子機器100から外れることを抑制する。
本実施の形態では、第1ガイド部抑止面402は第1ガイド部400の一部として実現する場合を例に説明している。しかし、本出願の発明はこれに限定されず、第1ガイド部抑止面402が第1ガイド部400から独立したものであってもよい。
第2ガイド部403(第2ガイド部曲面404)は、ケーブル500に対して第1ガイド部400と反対側に位置する。図5では、第2ガイド部403はケーブル500に対して第2負方向に位置する。さらに、第2ガイド部403は第1ガイド部400から第1方向に所定の距離だけ離間する。
第2ガイド部403は、図7に示すように第1ガイド部400とは反対にケーブル500が第2負方向への可動範囲を規制する。第2ガイド部403は、ケーブル500の傾斜可能な範囲を第2所定角度θ2以内に制限する。
第2ガイド部403には、第2ガイド部曲面404が設けられる。ケーブル500が第1方向から第2負方向に傾斜され、第2所定角度θ2に到達すると第2ガイド部曲面404とケーブル500とが接触する。ケーブル500が第2所定角度θ2以上に傾斜しようとしても、第2ガイド部曲面404がこれを抑制する。
第2ガイド部曲面404は、第1ガイド部曲面401と第1方向の位置が異なる位置に設けている。図7では、第1ガイド部曲面401が電子機器100とケーブル500との接続箇所に近い位置、第2ガイド部曲面404が遠い位置としている。
第1ガイド部曲面401と第2ガイド部曲面404とを第1方向において異なる位置とすることで、ケーブル500を傾斜させた際に、第1ガイド部曲面401及び第2ガイド部曲面404とケーブル500とが接触することでケーブル500に負荷のかかる箇所を異なら部分にすることができる。
負荷のかかるケーブル500上の場所を異ならせることは、つまりケーブル500を構成する芯線等の金属への疲労が一カ所に集中することを防止し負荷のかかる位置を分散させることである。ケーブル500が繰返し曲げ伸ばしされる部分を意図的に分散することで、ケーブル500に断線等の障害が発生する可能性を抑制することができる。
さらに第2ガイド部403は、ケーブル500(伝送線504)に対して第1ガイド部400(第1ガイド部曲面401)と対向する位置に、ケーブル500と略並行に第2ガイド部平面405を設けることが好ましい。
第2ガイド部平面405は、ケーブル500が第1ガイド部400と第1方向の実質的に同じ位置において、第2負方向に傾斜するのを防止する。第2ガイド部平面405が設けられていない場合、ケーブル500が電子機器100側に押し込められると、余ったケーブル500(伝送線504)が凹部105内で撓む可能性がある。この撓みが第1ガイド部400付近で生じ、ケーブル500が第2負方向に屈曲する。ケーブル500が第1ガイド部400により傾斜する位置と実質的に同じ位置で第2方向及び第2負方向へ傾斜されることとなり、当該部分への疲労が集中する。
第2ガイド部平面405を設けることで上記のようなケースを抑制することができる。本実施の形態では、第2ガイド部平面405を第2ガイド部403の一部として設けた場合を例として説明した。しかし、本出願に記載する発明はこれに限定されない。第2ガイド部平面405と同様の役目をするガイド部が、第2ガイド部403とは別に設けられても良い。
第1ガイド部400と同様に、第2ガイド部403は第2ガイド部抑止面406を備えても良い。第2ガイド部抑止面406を設けることで、第1ガイド部抑止面402の場合と同様に電子機器100からケーブル500が外れることを抑制できる。なお、第1ガイド部400と第2ガイド部403とは、いずれか一方のみであってもよいし、両者とも設けるものであっても良い。
本実施の形態では、第2ガイド部抑止面406は第2ガイド部403の一部として実現する場合を例に説明している。しかし、本出願の発明はこれに限定されず、第2ガイド部抑止面406が第2ガイド部403から独立したものであってもよい。
第3ガイド部407は、第1ガイド部400より第1方向に離れた距離に位置する。第3ガイド部407は、ケーブル500に対して第1ガイド部400と同じ側に位置する。図5では、第3ガイド部407はケーブル500に対して第2方向側に位置する。
第3ガイド部407は、ケーブル500の第2方向への可動範囲を規制する。図6に示すように、第3ガイド部407はケーブル500が第1方向から第3所定角度θ3以上に傾斜することを抑制する。ここで第3所定角度θ3は、第1所定角度θ1よりも大きい角度である。なお、第3ガイド部407がケーブル500に接触する面は、第1ガイド部400及び第2ガイド部403と同様に略曲面で構成されていることが好ましい。
ケーブル500は、第2方向への傾斜について第1ガイド部400と第3ガイド部407との2つのガイド部で規制される。ケーブル500の傾斜が0度から第1所定角度θ1未満の範囲であれば、ケーブル500は第1ガイド部400及び第3ガイド部407のいずれにも接触しない。そのため、これら両者がケーブル500へ及ぼす負荷はない。
ケーブル500が第1所定角度θ1以上及び第3所定角度θ3未満の範囲で傾斜すれば、ケーブル500は第1ガイド部400により規制される。ケーブル500への負荷は、第1ガイド部曲面401との接触部分のみに生じる。
ケーブル500が第3所定角度θ3以上に傾斜しようとすると、ケーブル500は第3ガイド部407によりそれ以上の傾斜を抑制される。この場合、ケーブル500は第1ガイド部400と第3ガイド部407との両者と接触する(図6)。両ガイド部がケーブル500の傾斜を抑制することで、ケーブル500への負担を2箇所に分散することができる。
つまり、ケーブル500がある方向へ傾斜するのを抑制するために複数のガイド部を設けることで、ケーブル500にかかる負荷を複数箇所に分散することができる。さらに、ケーブル500の傾斜角度に応じて、ケーブル500にかかる負荷分散をすることができる。
実際の製品設計においては、意匠的な観点やその他各種の制約により、すべてのガイド部を第1方向において異なる位置に設けることが困難な場合がある。一方で、複数のガイド部を第1方向において近傍した位置に設けると、ケーブル500への負担が一部に集中する可能性がる。
本実施の形態は、この点についても説明する。図6に示すように、第2ガイド部403(第2ガイド部曲面404)と第3ガイド部407とは、第1方向において近傍した位置に配置されている。両者は、蓋部104の端部付近に配置される。蓋部104が電子機器100に固定されると、第2ガイド部403と第3ガイド部407は開口部103を構成する一部となる。
第2ガイド部403と第3ガイド部407とは、それぞれケーブル500からの第2正負及び第2負方向の距離を異なる設定とする。図6の例では、第2ガイド部403がケーブル500から比較的近い位置に配置され、第3ガイド部407がケーブル500から比較的遠い位置に配置されている。これにより、ケーブル500がそれぞれのガイド部で規制される角度を異なるものとすることができる。本実施の形態の説明では第3所定角度θ3を第2所定角度θ2よりも大きく設定している。
この角度の違いによりケーブル500が、第2ガイド部403と第3ガイド部407と接触する部分を意図的に異なる位置に配置することができる。第2ガイド部403は、ケーブル500からの距離が近い。ケーブル500が第2所定角度θ2の傾斜をした場合でも、第2ガイド部403とケーブル500とが接触する部分は、ケーブル500の接続箇所から比較的近い位置となる。反対に、第3ガイド部407はケーブル500からの距離が遠い。ケーブル500が第3所定角度θ3の傾斜をすると、第3ガイド部407とケーブル500とが接触する部分は、ケーブル500の接続箇所から比較的遠い位置となる。
2つのガイド部が第1方向においてほぼ近い位置関係にある場合、2つのガイド部とケーブル500からのそれぞれの距離に差を設ける。これにより、2つのガイド部により制限される所定角度にも差を作り出せる。さらに、2つのガイド部とケーブル500とのそれぞれの接触位置も異なる部分とすることができる。2つのガイド部とケーブル500からのそれぞれの距離の差を大きくするほど効果が大きい。
本実施の形態で説明するように、複数のガイド部とケーブル500とが接触する位置をそれぞれ異なる位置とするためには、ケーブル500の延伸方向(第1方向)においてガイド部を異なる位置に配置すること、または、ケーブル500の延伸方向に略垂直な方向(第2方向)においてケーブル500から異なる距離に配置することで実現できる。
端子抑止部408は、ケーブル500の端子カバー502近傍に設けられる。端子抑止部408は、ケーブル500の端子501が電子機器100の機器側端子108に挿入される方向において、端子カバー502に対して機器側端子108と反対の位置に設けられる。図4の例では、端子カバー502の第2方向側に端子抑止部408を配置している。
ケーブル500が引っ張られ、端子501へ力が加わったとしても、端子抑止部408により端子カバー502の移動が妨げられ、ケーブル500が電子機器100から外れることを抑制する。
本実施の形態では、端子抑止部408を蓋部104に設けている。これにより、蓋部104を外している状態ではケーブル500と電子機器100との接続、分離を容易にする。ケーブル500が電子機器100と接続され、蓋部104が電子機器100に固定されると、蓋部104の端子抑止部408によりケーブル500が電子機器100から外れることを抑制する。蓋部104に端子抑止部408を設けることでケーブル500が外れることを防止するとともに、電子機器100とケーブル500との利用者による抜き差しは容易にすることの両効課がある。
第4ガイド部409は、ケーブル500と電子機器100との接続箇所から第1方向に位置するとともに、そこから第3負方向の位置に設けられる。第4ガイド部409は、第2方向、第2負方向への傾斜を抑制する第1ガイド部400乃至第3ガイド部407とは異なり、ケーブル500が第3負方向へ第4所定角度以上傾斜することを抑制する。図8は、ケーブル500を第3負方向へ傾斜させた場合の図である。
図4の例では、第4ガイド部409は第1ガイド部400より第1方向に位置している。さらに図9で示される第5ガイド部410よりも第1方向に位置している。
図9に電子機器100に設けた第5ガイド部410を示す。第5ガイド部410はケーブル500が第3方向に第5所定角度以上傾斜するのを抑制する。第5ガイド部410は、第1ガイド部400より第1方向に位置しているものの、第4ガイド部409よりは第1ガイド部400に近い場所に設けられている。
第4ガイド部409及び第5ガイド部についても、第1ガイド部400及び第2ガイド部403の際と同様に、ケーブル500と両ガイド部との接触を異なる位置とすることで、ケーブル500への負荷を低減する。
次に、あるガイド部と他のガイド部とが第1方向の設置位置がどれだけ離間さるべきかについて図10、図11を用いて説明する。図10は、2つのガイド部間の離間距離と、その際のケーブルの耐久性と、の関係性を示すグラフである。図11は2つのガイド部間の距離を算出するための模式図である。
2つのガイド部間の離間距離についての考え方には、2つの方法がある。一つはあるガイド部とケーブルとが接する長さ以上に、2つのガイド部間の距離を決定する方法。他方は、ケーブルの仕様上定められる最小許容曲げ半径から2つのガイド部間の距離を決定する方法、である。
一つ目の方法について説明する。図11で示すようにガイド部600とガイド部601との形状が略円形とし、その半径をRとする。さらに、ケーブル602ガイド部600と接触する角度をθとする。なお、ここでθはケーブルの傾斜角度と理論的に同じになる。この場合、ケーブル602がガイド部600と接触する長さは、Rθとなる。そのため、ガイド部601が、ケーブル602延伸方向においてRθ以上離間していれば、ケーブル602がガイド部600とガイド部601と接触するのは異なる部分となる。図10のグラフでは、このRθに相当する距離をN1として示す。
ガイド部の離間距離がN1以上であれば、2つのガイド部とケーブルとの接触位置は異なり、ケーブルへの負荷を抑制できる。
二つ目の方法について説明する。これは、ケーブルの最小許容曲げ半径に基づいて離間距離を決定する方法である。ケーブルには多くの場合、芯線の保護や耐久性保障等のために定められている仕様上の最小許容曲げ半径がある。この半径以上にケーブルを屈曲させると、芯線が断線したり耐久性が著しく低下したりする場合がある。
ケーブルの最小許容曲げ半径をR_minとし、その場合のケーブルとガイド部とが接触する角度をθとする。R_minはケーブルの仕様データから用いるものである。この場合、他の条件は図11と同等とすると、ガイド部600とガイド部601とがケーブル602と異なる位置で接触するためには、R_minθ以上離間させることが必要となる。
ここで算出されるR_minθの距離以上に2つのガイド部を離間させることができれば、仕様(最小許容曲げ半径)を満たしてケーブル使用をすることができるので、ケーブルへ著しい負荷を与えることを抑制できる。図10のグラフでは、このR_minθに相当する距離をN2として示す。
図10の例ではN2がN1よりも小さいため、耐久性の上でもN1よりN2の方が低くなる可能性がある。しかし、使用する電子機器100に求められる性能や目的等に応じて、2つのガイド部の離間距離は好適なものを選択してよい。
以上、本出願で開示する発明の内容を実施の形態を例に説明した。しかしながら、本出願の発明は、これに限定されるものではない。
本実施の形態では、第2方向に第1ガイド部400と第3ガイド部407との2つのガイド部を設けた場合を例示して説明したが、本出願に記載の発明はこれに限定されない。第2方向に設けられるガイド部が、第1ガイド部400または第3ガイド部407の一方のみであってもよい。
本実施の形態ではケーブル500に対して第2方向に設置される第1ガイド部400と、第2負方向に設置される第2ガイド部403とでは、第1方向に所定以上離間させることでケーブル500との接触部分が異なることを説明した。しかし、第2ガイド部403と第3ガイド部407との関係で説明したように、ケーブル500から第1ガイド部400と第2ガイド部403とへのそれぞれの距離が異なることで、同様の効果を得るものであっても良い。
本実施の形態では、第1ガイド部400乃至第5ガイド部410までの5つのガイド部を使用する例を説明した。本出願に記載の発明はこれに限定されない。例えば、第1ガイド部400乃至第3ガイド部407までの3つのガイド部だけを使用する場合や、その他5つのガイド部の幾つかのみを使用するものであっても良い。
例えば、第2ガイド部403と第3ガイド部407の2つのガイド部のみを備えた電子機器100であってもよい。この場合には、両ガイド部が電子機器100の端部にあることから、ガイド部の製作、加工等が行いやすいメリットがある。
また、本実施の形態では、ケーブル500が設置される電子機器100について説明したが本出願に記載の発明はこれに限定されない。例えば、第1ガイド部400乃至第5ガイド部410のすべて、あるいはそのうちの幾つかのガイドを備えたケーブルの配線を整理する治具等であってもよい。
あるいは、本出願に記載の発明は、ケーブルの設置方法として実現するものであっても良い。その場合には、本実施の形態で説明した第1ガイド部400乃至第5ガイド部410のすべて、あるいはそのうちの幾つかのガイドを備えた治具等や電子機器へのケーブル設置方法としても良い。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本出願で開示する発明は、ケーブルを有する電子機器や、ケーブルが接続される電子機器、またはケーブルを整理等するための治具等で利用可能である。電子機器の種類については特定されるものではない。
100 電子機器
101 入力部
102 出力部
103 開口部
104 蓋部
105 凹部
106 ねじ穴
107 ねじ穴
108 機器側端子
400 第1ガイド部
401 第1ガイド部曲面
402 第1ガイド部抑止面
403 第2ガイド部
404 第2ガイド部曲面
405 第2ガイド部平面
406 第2ガイド部抑止面
407 第3ガイド部
408 端子抑止部
409 第4ガイド部
410 第5ガイド部
500 ケーブル
501 端子
502 端子カバー
503 ブッシュ
504 伝送線
600 ガイド部
601 ガイド部
602 ケーブル

Claims (9)

  1. 電気を伝送するケーブルと接続される電子機器で、あって、
    前記ケーブルが延伸する方向を第1方向とし、前記第1方向に略垂直な方向を第2方向とすると、
    前記ケーブルが電子機器に接続される接続箇所より前記第1方向に位置し、前記ケープルが前記第1方向から前記第2方向に第1所定角度以上変化することを抑制する第1ガイド部と、
    前記第1ガイド部よりさらに前記第1方向に位置するとともに前記ケーブルに対して第1ガイド部と反対側の第2負方向に位置し、前記ケーブルが前記第1方向から第2負方向に第2所定角度以上変化することを抑制する第2ガイド部と、
    前記第1ガイド部よりさらに前記第1方向に位置するとともに前記ケーブルに対して前記第1ガイド部と同じ前記第2方向に位置し、前記ケーブルが前記第1方向から前記第2方向への角度の変化を、前記第1所定角度以上の第3の所定角度の範囲以下に抑制する第3ガイド部と、
    を備える、電子機器。
  2. 前記第1ガイド部、または前記第2ガイド部の前記ケーブルが接触する部分は、略曲面で構成される、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記ケーブルは、前記接続箇所近傍にブッシュを有し、
    前記第1ガイド部は前記ブッシュが前記第1方向へ移動するのを抑制する抑止面を有する、請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記ケーブルは、前記接続箇所近傍にブッシュを有し、
    前記第2ガイド部は、第1負方向に延長され、前記ケーブルに対して前記第1ガイド部と略対向する部分で、は前記ケーブルを前記第1方向に誘導する略平面を有し、
    前記第1負方向に前記ブッシュが前記第1方向へ移動するのを抑制する抑止面を有する、請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記第1方向、及び前記第2方向の両方向に略垂直な方向を第3方向とすると、
    前記接続箇所より前記第1方向及び第3方向に位置し、前記ケーブルが前記第1方向から前記第3方向に第4所定角度以上変化することを抑制する第4ガイド部と、
    前記第4ガイド部よりさらに前記第1方向及び、前記ケーブルに対して第3負方向に位置し、前記ケーブルが前記第1方向から前記第3負方向に所定の角度以上変化することを抑制する第5ガイド部と、
    をさらに備える、請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記ケーブルが端子を有し、前記端子を介して前記ケーブルが前記電子機器と接続、分離が可能な場合、
    前記ケーブルが前記電子機器と接続された際、前記端子に対して前記端子の挿入方向と反対側の位置に設けられ、前記端子が前記電子機器と分離する方向への移動を抑制する端子抑止部と、をさらに備える請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との前記第1方向の離間距離は、前記第1ガイド部による第1所定角度に基づいて決定される距離以上に設定される、請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との前記第1方向の離間距離は、前記ケーブルの最小許容曲げ半径に基づいて決定される距離以上に設定される、請求項1に記載の電子機器。
  9. 電気を伝送するケーブルを設置するケーブル設置方法で、あって、
    前記ケーブルが延伸する方向を第1方向とし、前記第1方向に略垂直な方向を第2方向とし、
    前記第1方向に沿った位置に配置され、前記ケーブルが前記第2方向に第1所定角度以上傾斜することを抑制する第1ガイド部と、
    前記第1ガイド部よりさらに前記第1方向に配置され、前記ケーブルが第2負方向に第2所定角度以上傾斜することを抑制する第2ガイド部と、
    前記第1ガイド部よりさらに前記第1方向に配置され、前記ケーブルが前記第1方向から前記第2方向への角度の傾斜を、前記第1所定角度以上の第3の所定角度の範囲以下に抑制する第3ガイド部と、を備えた治具に、
    前記ケーブルを前記第1方向に延伸させるとともに、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部の聞に前記ケーブルを設置する、ケーブル設置方法。
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