JP6364314B2 - 半導体接合用接着フィルム - Google Patents
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Description
通常、まず、半導体接合用接着フィルムの半導体接合用接着剤層を半導体ウエハに貼り合わせ、この状態で半導体接合用接着剤層ごと半導体ウエハをダイシングする。なお、基材フィルムの粘着層と接する面とは反対側の面に、更にダイシングテープを貼り合わせた状態でダイシングを行う場合もある。
その後、半導体接合用接着剤層付き半導体チップを粘着層から剥がしてピックアップし、半導体接合用接着剤層を介して半導体チップを基板等の上に実装する。このとき、半導体接合用接着剤層付き半導体チップは、カメラ、センサー等によって半導体チップ上のアライメントマークが自動認識され、基板等の所定位置へ正確にアライメントされる。
しかしながら、表面凹凸の大きい基材フィルムを用いると基材フィルムと粘着層との間の密着性は向上するものの、粘着層に基材フィルムの表面凹凸に由来する凹凸が生じてしまい、これが半導体接合用接着剤層付き半導体チップの接着剤層表面に転写してしまう現象が発生した。接着剤層表面に凹凸が転写されると、接着剤層表面の凹凸がアライメントマークと誤認識され、アライメントエラーが生じることがあった。
本発明は、上記問題点を解決するため、ダイシング加工性及びバンプ追従性を保持しつつ、ダイシング後にピックアップされた半導体接合用接着剤層付き半導体チップを基板等の所定位置へ正確にアライメントできる半導体接合用接着フィルムを提供することを目的とする。
以下、本発明を詳述する。
また、本発明者らは、粘着層の貯蔵弾性率を上げすぎてもダイシング加工性又はバンプ追従性が損なわれることを見出した。貯蔵弾性率が高すぎると粘着層が硬くなりすぎて、粘着層に起因する切削屑が発生しやすくなったり、半導体ウエハのバンプ潰れ又はバンプ周辺部のボイドが発生しやすくなったりしてしまう。
上記基材フィルムの十点平均粗さ(Rz)を上記範囲に調整することにより、上記基材フィルムと上記粘着層との間の密着性を向上させ、層間剥離を抑制することができる。
上記基材フィルムの十点平均粗さ(Rz)が1μm未満であると、上記基材フィルムと上記粘着層との間の密着性が低下することがある。上記基材フィルムの十点平均粗さ(Rz)が20μmを超えると、上記基材フィルムと上記粘着層との間にボイドを噛みこむことがある。上記基材フィルムの十点平均粗さ(Rz)のより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は18μmである。
なお、十点平均粗さ(Rz)とは、JISB0601の表面粗さ規格に基づいて求められる十点平均粗さ(Rz)を意味する。
上記粘着層の貯蔵弾性率を上記範囲に調整することにより、ダイシング加工性及びバンプ追従性を保持しつつ、ダイシング後にピックアップされた半導体接合用接着剤層付き半導体チップを基板等の所定位置へ正確にアライメントすることができる。
なお、25℃及び80℃における貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、アイティ計測社製のDVA−200)を用いて、10Hz及び歪み0.1%の条件で25℃及び80℃において測定することができる。
なかでも、上記粘着層は、炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の成分を含む水酸基価が10〜60mgKOH/gのUV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマーと、架橋剤とを含有することが好ましい。
このような粘着層においては、貯蔵弾性率が上記範囲に調整されやすくなる。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
上記その他の成分として、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式構造を有する(メタ)アクリル酸エステルや、官能基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記官能基含有(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルや、N−メチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリル酸エステルや、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロぺニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステルや、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルや、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルや、(メタ)アクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも、貯蔵弾性率を上記範囲に調整するとともに上記粘着層の粘着力を制御するために、架橋性官能基として水酸基を有する、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを含有することが好ましい。
なお、UV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価とは、UV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマー1g中に含まれる水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数を意味する。
また、上記光開始剤として、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
これらの光開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記粘着層が上記UV硬化型(メタ)アクリルポリマーを含有する場合には、UV硬化型モノマー及び/又はUV硬化型オリゴマー(例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー)を含有すると、上記粘着層の架橋密度が高くなって貯蔵弾性率が高くなりすぎることがある。このため、上記粘着層はUV硬化型モノマー及びUV硬化型オリゴマーを含有しないことが好ましい。
(1)水酸基含有アクリルポリマーに対しては、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1つを有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(2)カルボキシル基含有アクリルポリマーに対しては、エポキシ基又はイソシアネート基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(3)エポキシ基含有アクリルポリマーに対しては、カルボキシル基又はアミド基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(4)アミノ基含有アクリルポリマーに対しては、エポキシ基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(5)イソシアネート基含有アクリルポリマーに対しては、水酸基又はカルボキシル基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
また、上記粘着層が上記UV硬化型(メタ)アクリルポリマーと上記光開始剤とを含有する場合、上記粘着層は、上記UV硬化型(メタ)アクリルポリマー及び上記光開始剤以外の成分として更にイソシアネート架橋剤、アジリジン架橋剤、エポキシ架橋剤、金属キレート等の熱架橋剤や、粘着付与剤等を含有してもよい。上記粘着層が上記熱架橋剤を含有する場合は、上記UV硬化型(メタ)アクリルポリマーを熱架橋した後、UV照射によって光硬化させることができる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。
上記エポキシ基を有する高分子ポリマーとして、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリルポリマー、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、硬化物の機械的強度及び耐熱性を高めることができるため、エポキシ基含有アクリルポリマーが好ましい。
上記加熱硬化型酸無水物系硬化剤のうち、常温で液状の硬化剤として、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、疎水化されているので、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護した商品名「2MAOKPW」(四国化成工業社製)等が挙げられる。
上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記ダイシングテープは、半導体ウエハをダイシングする際に一般的に用いられるダイシングテープであれば特に限定されないが、基材と、上記基材の片面に積層された粘着剤層とを有することが好ましい。
上記ダイシングテープの基材は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルムや、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム等のポリオレフィン系フィルムや、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。なかでも、エクスパンド性に優れており、環境負荷が小さいため、ポリオレフィン系フィルムが好ましい。
まず、UV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマーと架橋剤とを配合して溶剤で希釈した希釈液を離型フィルム上に塗布し、加熱乾燥して離型フィルム上に粘着層(未架橋)を形成する。次いで、乾燥後の粘着層(未架橋)に基材フィルムをラミネートし、基材フィルムの片面に粘着層(未架橋)を転写させた後、UV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマーを架橋させ、粘着層付き基材フィルムを作製する。更に、エポキシ樹脂等を含有する硬化性樹脂溶液を離型フィルム上に塗布し、加熱乾燥して離型フィルム上に半導体接合用接着剤層を形成した後、この半導体接合用接着剤層に粘着層付き基材フィルムの粘着層をラミネートする。更に、基材フィルムの粘着層と接する面とは反対側の面に、ダイシングテープを貼り合わせてもよい。
このとき、ダイシングを1段階で行ってもよいが、ダイシングによる上記半導体ウエハの破損を防ぐ観点から、ダイシングを2段階(ステップカット)で行うことが好ましい。また、ダイシングでは、一枚の刃でダイシングするシングルカット、二枚の刃でダイシングするステップカット、二枚の刃でダイシングするベベルカット等を用いることができる。ベベルカットでは、上記半導体ウエハの表面を切断するために、断面がV字形状の刃が用いられる。なかでも、ダイシングによる上記半導体ウエハの破損を防ぐ観点から、ステップカットが好ましい。
(使用した基材フィルム)
基材フィルムとして次のフィルムを用いた。
・PBT(オージーフィルム社製「SS−50」、厚み50μm、粘着層と接する面の十点平均粗さRz=16μm)
(ポリマーA)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル47.5重量部、アクリル酸0.5重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部とを加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、UV非硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV非硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は8.6mgKOH/gであった。
モノマー組成をアクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル44.5重量部、アクリル酸0.5重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5重量部とした以外はポリマーAと同様にして、UV非硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV非硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は21.5mgKOH/gであった。
モノマー組成をアクリル酸2−エチルヘキシル87.5重量部、アクリル酸0.5重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12重量部とした以外はポリマーAと同様にして、UV非硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV非硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は51.6mgKOH/gであった。
モノマー組成をアクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル34.5重量部、アクリル酸0.5重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15重量部とした以外はポリマーAと同様にして、UV非硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV非硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は64.5mgKOH/gであった。
(ポリマーE)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル30重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部とを加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、(メタ)アクリルポリマーを得た。更に、得られた(メタ)アクリルポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート20重量部を加えて反応させ、側鎖に水酸基とメタクリレート基とを有するUV硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は53.4mgKOH/gであった。
モノマー組成をアクリル酸イソボルニル70重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル30重量部とした以外はポリマーAと同様にして、(メタ)アクリルポリマーを得た。更に、得られた(メタ)アクリルポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート20重量部を加えて反応させ、側鎖に水酸基とメタクリレート基とを有するUV硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は52.5mgKOH/gであった。
モノマー組成をアクリル酸2−エチルヘキシル88重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12重量部とした以外はポリマーAと同様にして、(メタ)アクリルポリマーを得た。更に、得られた(メタ)アクリルポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート10重量部を加えて反応させ、側鎖に水酸基とメタクリレート基とを有するUV硬化型(メタ)アクリルポリマーを得た。得られたUV硬化型(メタ)アクリルポリマーの水酸基価は15.5mgKOH/gであった。
表1に示す材料を表1に示す重量比で配合し、酢酸エチルで希釈して固形分20%の希釈液を作製した。得られた希釈液を、アプリケーターを用いて離型フィルム上に厚み5μmとなるように塗布し、110℃のオーブン内で3分間加熱乾燥し、離型フィルム上に粘着層(未架橋)を形成した。乾燥後の粘着層(未架橋)に基材フィルム(PBT)をラミネートし、基材フィルムの片面に粘着層(未架橋)を転写させた。
実施例1〜4、比較例1、比較例3においては、作製したフィルムを40℃オーブン内で3日間養生してUV非硬化型(メタ)アクリルポリマーを架橋させ、粘着層付き基材フィルムを作製した。
実施例5、比較例2、比較例4においては、作製したフィルムに160Wの超高圧水銀灯を用いて、光を365nmにおいて1000mJ/cm2のエネルギーとなるように照射し、UV硬化型(メタ)アクリルポリマーを光硬化させ、粘着層付き基材フィルムを作製した。
実施例6においては、作製したフィルムを40℃オーブン内で3日間養生してUV硬化型(メタ)アクリルポリマーを架橋させた後、更に160Wの超高圧水銀灯を用いて、光を365nmにおいて1000mJ/cm2のエネルギーとなるように照射し、UV硬化型(メタ)アクリルポリマーを光硬化させ、粘着層付き基材フィルムを作製した。
厚さ0.5mm、幅5mm×3cmの粘着層を試験サンプルとして別途用意し、アイティ計測社製のDVA−200を用いて、10Hz及び歪み0.1%の条件で試験サンプルの25℃及び80℃における貯蔵弾性率を求めた。
G−2050M(日油社製、エポキシ含有アクリルポリマー、重量平均分子量20万)12重量部と、1004AF(三菱化学社製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)35重量部と、YL980(三菱化学社製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)15重量部と、YH−309(三菱化学社製、酸無水物系硬化剤)35重量部と、2MAOK−PW(四国化成工業社製、イミダゾール硬化剤)3重量部と、YA050C−SPJ(アドマテックス社製、無機フィラー)50重量部と、SE1050−SPJ(アドマテックス社製、無機フィラー)50重量部とを配合し、得られた配合物を溶剤としてのメチルエチルケトン(MEK)に固形分60%となるように添加し、攪拌して硬化性樹脂溶液を得た。得られた硬化性樹脂溶液を離型フィルムの上に厚み30μmになるようにアプリケーターを用いて塗布し、110℃のオーブン内で3分間加熱乾燥し、離型フィルム上に半導体接合用接着剤層を形成した。
半導体接合用接着剤層に、上記の粘着層付き基材フィルムの粘着層を25℃でラミネートし、ラミネート体を得た。ラミネート体を円形(8インチウエハサイズ)に切り抜いた後、基材フィルムの粘着層と接する面とは反対側の面に、ダイシングテープとしてのPEテープ#6318−B(積水化学工業社製、厚み70μmのポリエチレンフィルムの片面に、厚み10μmのゴム系粘着剤層が形成されている粘着フィルム)をゴム系粘着剤層側から貼り合わせた。その後、ダイシングテープを円形(8インチウエハより大きく、ダイシングフレームに搭載できるサイズ)に切り抜いた。このようにして、離型フィルム/半導体接合用接着剤層/粘着層/基材フィルム/ダイシングテープがこの順で積層された半導体接合用接着フィルムを作製した。
得られた半導体接合用接着フィルムについて、次の工程で評価を行った。結果を表1に示した。
半導体接合用接着フィルムの離型フィルムを剥離し、半導体接合用接着剤層を露出させた。露出した接着剤層を、直径8インチの半田バンプ付きシリコンウエハ(厚み100μm、WALTS−TEG MB50−0101JY、ハンダの溶融温度235℃、ウォルツ社製、バンプ高さ45μm)のバンプ電極を有する面に、真空ラミネーター(商品名「ATM−812M」、タカトリ社製)を用いて80℃、真空度100Paで貼り合わせた。
半導体接合用接着フィルムのダイシングテープをダイシングフレームにマウントし、シリコンウエハの裏面から、ダイシング装置DFD6361(ディスコ社製)を用い、回転数40000rpm、送り速度20mm/秒で7.3mm×7.3mmのチップサイズにダイシングした。なお、ダイシングの際の切り込み深さは、基材フィルムがダイシングテープと接する面まで切り込むように設定した。
ダイシング後、半導体接合用接着フィルムの断面を顕微鏡を用いて観察し、以下の基準でダイシング加工性の評価を行った。
○:接着剤層及び粘着層に起因する切削屑がない。
△:接着剤層及び粘着層に起因する切削屑がわずかに存在する。
×:接着剤層及び粘着層に起因する切削屑が多数の半導体チップにおいて存在する。
ダイシング後、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップ温度23℃の条件で、分割された半導体チップのピックアップを行った。この工程において粘着層と接着剤層とを剥離し、半導体接合用接着剤層付き半導体チップを得た。
ピックアップした半導体接合用接着剤層付き半導体チップを取り出し、接着剤層表面を顕微鏡にて観察し、バンプ周辺部以外の部分について、以下の基準で凹凸転写性の評価を行った。
○:接着剤層表面が平滑である。
△:接着剤層表面に基材フィルムの表面凹凸由来の凹凸がうっすらと散見される。
×:接着剤層表面に基材フィルムの表面凹凸由来の凹凸がくっきりと多数見られる。
また同時に、バンプ周辺部の観察を行い、以下の基準でバンプ追従性について評価した。
○:バンプ周辺部の接着剤層はバンプによく追従しており、バンプ潰れ又はボイドが無い。
△:バンプ潰れはないが、バンプ周辺部にボイドが見られる。
×:バンプ潰れがあり、かつ、バンプ周辺部にボイドがみられる。
ピックアップした半導体接合用接着剤層付き半導体チップを、Ni/Au電極を有する基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)上に、ボンディング装置(東レエンジニアリング社製、FC−3000)を用いてフリップチップ実装した。このとき、半導体チップ上のアライメントマークを自動認識する工程において、以下の基準でアライメントマーク認識性の評価を行った。
○:半導体チップ上のアライメントマークが10個中10個とも自動認識可能であった。
△:10個中6〜9個の割合で自動認識可能であった。
×:10個中5個以下の割合で自動認識された。
Claims (6)
- フリップチップボンディングに用いる半導体接合用接着フィルムであって、
少なくとも基材フィルムと、前記基材フィルムに積層された粘着層と、前記粘着層に積層された半導体接合用接着剤層とを有し、
前記粘着層の25℃における貯蔵弾性率が0.6〜10MPa、80℃における貯蔵弾性率が0.3〜1MPaである
ことを特徴とする半導体接合用接着フィルム。 - 基材フィルムは、粘着層と接する面の十点平均粗さ(Rz)が1〜20μmであることを特徴とする請求項1記載の半導体接合用接着フィルム。
- 粘着層は、炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の成分を含む水酸基価が10〜60mgKOH/gのUV非硬化型又はUV硬化型(メタ)アクリルポリマーと、架橋剤とを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体接合用接着フィルム。
- 粘着層は、UV非硬化型(メタ)アクリルポリマー100重量部と、架橋剤としてイソシアネート架橋剤5〜20重量部とを含有することを特徴とする請求項3記載の半導体接合用接着フィルム。
- 粘着層は、UV硬化型(メタ)アクリルポリマー100重量部と、架橋剤として光開始剤0.1〜5重量部とを含有し、UV硬化型モノマー及びUV硬化型オリゴマーを含有しないことを特徴とする請求項3記載の半導体接合用接着フィルム。
- 基材フィルムの、粘着層と接する面とは反対側の面に、ダイシングテープが貼り合わせられていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の半導体接合用接着フィルム。
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