以下に、本発明の実施の形態にかかる送信装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる送信装置10の構成例を示すブロック図である。送信装置10は、データブロック生成部1と、パイロットブロック生成部2と、出力制御部3と、を備える。なお、図1に示す送信装置10は、本発明の動作の説明に必要な構成を示しており、一般的な送信装置に必要な構成については記載を省略している。
データブロック生成部1は、固定系列シンボルおよびデータシンボルを含み、固定系列シンボルとデータシンボルとが多重されたSCブロックであるデータブロックを生成し、生成したデータブロックを出力制御部3へ出力する。データシンボルは、PSKまたはQAMなどの変調方式で生成されたシンボルである。固定系列シンボルは、信号値が固定系列からなるシンボルであり、背景技術で説明したM個のシンボルF-M/2,F-M/2+1,…,F-1,F0,F1,…,FM/2-2,FM/2-1と同様とする。データブロックは、データシンボルが中央に配置され、分割された固定系列シンボルが先頭部分および後尾部分に配置されたブロックである。
パイロットブロック生成部2は、固定系列シンボルおよびパイロットシンボルを含み、固定系列シンボルとパイロットシンボルとが多重されたSCブロックであるパイロットブロックを生成し、生成したパイロットブロックを出力制御部3へ出力する。パイロットシンボルは、図示しない受信装置で既知の固定シンボルである。
出力制御部3は、データブロック生成部1から入力されたデータブロックまたはパイロットブロック生成部2から入力されたパイロットブロックを出力する制御を行う。出力制御部3は、出力するSCブロックを制御する。出力制御部3は、制御部31と、出力部32と、を備える。制御部31は、データブロックを出力するか、またはパイロットブロックを出力するかを示す制御情報を生成し、生成した制御情報を出力部32へ出力する。出力部32は、制御部31から取得した制御情報に基づいて、データブロック生成部1から入力されたデータブロックまたはパイロットブロック生成部2から入力されたパイロットブロックを出力する。なお、制御部31は、制御情報に、さらに、データブロック生成部1およびパイロットブロック生成部2の動作を制御する情報を含め、データブロック生成部1およびパイロットブロック生成部2へ出力するようにしても良い。図2は、実施の形態1にかかる送信装置10の出力制御部3の制御部31の動作を示すフローチャートである。制御部31は、制御情報を生成すると(ステップS1)、制御情報を出力部32へ出力する(ステップS2)。図3は、実施の形態1にかかる送信装置10の出力制御部3の出力部32の動作を示すフローチャートである。出力部32は、制御部31から制御情報を取得すると(ステップS11)、制御情報の内容を確認し、データブロック出力の場合(ステップS12:Yes)、データブロック生成部1から入力されたデータブロックを出力し(ステップS13)、パイロットブロック出力の場合(ステップS12:No)、パイロットブロック生成部2から入力されたパイロットブロックを出力する(ステップS14)。
データブロック生成部1の詳細な構成について説明する。データブロック生成部1は、固定系列生成部11と、データ生成部12と、多重部13と、DFT部14と、補間処理部15と、IDFT部16と、を備える。ここでは、補間処理部15およびIDFT部16により信号変換部17を構成する。
固定系列生成部11は、補間前データブロックに挿入する固定系列シンボルを生成し、生成した固定系列シンボルを多重部13へ出力するデータブロック用固定系列生成部である。固定系列シンボルは、背景技術で説明したM個のシンボルF-M/2,F-M/2+1,…,F-1,F0,F1,…,FM/2-2,FM/2-1と同様とする。補間前データブロックは、補間処理部15による補間処理が施される前の、後述する多重部13で生成されるブロックである。データブロックは、補間処理部15による補間処理が施された、IDFT部16から出力されるブロックである。図4は、実施の形態1にかかる送信装置10の固定系列生成部11の動作を示すフローチャートである。固定系列生成部11は、固定系列シンボルを生成すると(ステップS21)、固定系列を多重部13へ出力する(ステップS22)。
データ生成部12は、PSKまたはQAMなどの変調方式によるデータシンボルを生成し、生成したデータシンボルを多重部13へ出力するデータブロック用データ生成部である。なお、PSKおよびQAMなどは一例であって、これらとは異なる変調方式であっても良い。図5は、実施の形態1にかかる送信装置10のデータ生成部12の動作を示すフローチャートである。データ生成部12は、データシンボルを生成すると(ステップS31)、データシンボルを多重部13へ出力する(ステップS32)。
多重部13は、固定系列生成部11から入力された固定系列シンボルと、データ生成部12から入力されたデータシンボルとを時間領域で多重して補間前データブロックを生成し、生成した補間前データブロックをDFT部14へ出力する補間前データブロック生成部である。ここでは、補間前データブロックのシンボル数はND個とし、補間前データブロックに含まれる固定系列シンボルのシンボル数はM個、データシンボルのシンボル数はND−M個とする。また、多重部13では、ND−M個のデータシンボルを補間前データブロックの中央に配置する。多重部13は、M個の固定系列シンボルを半分に分割し、補間前データブロック内の固定系列シンボルの配置として、補間前データブロックの中央に配置したND−M個のデータシンボルより前の補間前データブロックの先頭部分に固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを配置し、ND−M個のデータシンボルより後の補間前データブロックの後尾部分に固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを配置する。固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの後半部分であり、固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの前半部分である。なお、補間前データブロックに配置する固定系列シンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるシンボル数にしても良い。例えば、先頭部分の固定系列シンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分の固定系列シンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、補間前データブロックに配置される固定系列シンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個のシンボル数の場合を想定する。図6は、実施の形態1にかかる送信装置10の多重部13の動作を示すフローチャートである。多重部13は、固定系列生成部11から固定系列シンボルが入力され(ステップS41)、データ生成部12からデータシンボルが入力される(ステップS42)。多重部13は、固定系列シンボルを分割し(ステップS43)、データシンボルを補間前データブロックの中央に配置し、分割した固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを補間前データブロックの先頭部分に配置し、分割した固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを補間前データブロックの後尾部分に配置する(ステップS44)。
DFT部14は、多重部13から入力されたND個のシンボルからなる補間前データブロックを時間領域の信号から周波数領域の信号に変換するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換部である。DFT部14は、変換後の周波数領域の信号である補間前データブロックを補間処理部15へ出力する。図7は、実施の形態1にかかる送信装置10のDFT部14の動作を示すフローチャートである。DFT部14は、多重部13から時間領域の信号の補間前データブロックが入力されると(ステップS51)、時間領域の信号の補間前データブロックにフーリエ変換処理を行って時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し(ステップS52)、周波数領域の信号の補間前データブロックを出力する(ステップS53)。
補間処理部15は、オーバサンプリングレートをL倍とし、DFT部14から入力されたND個のシンボルからなる周波数領域の信号のデータブロックに対して、補間処理、例えば、周波数領域でゼロ挿入などのオーバサンプリングを行い、LN個のシンボルからなる周波数領域の信号のデータブロックを生成して出力する。補間処理部15は、ゼロ挿入する場合、LN−ND個のゼロを挿入する。図8は、実施の形態1にかかる送信装置10の補間処理部15の動作を示すフローチャートである。補間処理部15は、ND個のシンボルからなる周波数領域の信号の補間前データブロックが入力されると(ステップS61)、周波数領域の信号に変換された補間前データブロックに補間処理を行って(ステップS62)、LN個のシンボルからなる周波数領域の信号のデータブロックを生成して出力する(ステップS63)。
IDFT部16は、補間処理部15から入力されたLN個のシンボルからなるデータブロックを周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部である。IDFT部16は、変換後の時間領域の信号であって、LN個のサンプルからなる補間処理後のデータブロックを出力する。図9は、実施の形態1にかかる送信装置10のIDFT部16の動作を示すフローチャートである。IDFT部16は、補間処理部15から周波数領域の信号のデータブロックが入力されると(ステップS71)、周波数領域の信号のデータブロックに逆フーリエ変換処理を行って周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し(ステップS72)、時間領域の信号のデータブロックを出力する(ステップS73)。
データブロック生成部1の基本的な処理の流れについて説明する。図10は、実施の形態1にかかる送信装置10のデータブロック生成部1がデータブロックを生成して出力する動作を示すフローチャートである。まず、データブロック生成部1では、固定系列生成部11が固定系列シンボルを生成して出力し(ステップS81)、データ生成部12がデータシンボルを生成して出力する(ステップS82)。多重部13は、固定系列生成部11から入力された固定系列シンボルと、データ生成部12から入力されたデータシンボルとを多重する(ステップS83)。データブロック生成部1では、DFT部14が多重により生成された補間前データブロックを周波数領域の信号に変換するDFT処理を行い(ステップS84)、補間処理部15が補間処理を行い(ステップS85)、IDFT部16が時間領域の信号に変換するIDFT処理を行う(ステップS86)。なお、各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
ここで、多重部13からDFT部14へ出力される補間前データブロックの構成について説明する。図11は、実施の形態1にかかる送信装置10の多重部13からDFT部14へ出力される、データシンボルを含む補間前データブロックの構成の例を示す図である。図11では、一例として、多重部13からDFT部14へ出力されるk番目の補間前データブロックおよびk+1番目の補間前データブロックを示している。なお、k個目の補間前データブロックにおけるm個目のデータシンボルをdk,mとする。k番目の補間前データブロックには、補間前データブロックの先頭から順に、F0,…FM/2-1,dk,0,…dk,ND-M-1,F-M/2,…,F-1(添え字ではNDをNDと表記)によるND個のシンボルが含まれる。同様に、k+1番目の補間前データブロックには、補間前データブロックの先頭から順に、F0,…FM/2-1,dk+1,0,…dk+1,ND-M-1,F-M/2,…,F-1(添え字ではNDをNDと表記)によるND個のシンボルが含まれる。図11において、補間前データブロックの左側が先頭側、右側が後尾側になる。以降で説明する各ブロックの図においても同様とする。図11に示すように、各補間前データブロックにおいて、補間前データブロックの中央に配置されたND−M個のデータシンボルより前の補間前データブロックの先頭部分に固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルが配置され、ND−M個のデータシンボルより後の補間前データブロックの後尾部分に固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルが配置されている。この結果、k+1番目の補間前データブロックの先頭部分に配置された固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルF0,F1,…,FM/2-2,FM/2-1は、1つ前のk番目の補間前データブロックの後尾部分に配置された固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルF-M/2,F-M/2+1,…,F-1と連続することになる。これにより、DFT部14によるDFT処理、補間処理部15による補間処理、およびIDFT部16によるIDFT処理が施されたデータブロックでは、データブロック間の位相が繋がり、帯域外スペクトルを抑圧することができる。
つぎに、パイロットブロック生成部2の詳細な構成について説明する。図12は、実施の形態1にかかる送信装置10のパイロットブロック生成部2の構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2は、固定系列生成部21と、パイロット生成部22と、多重部23と、DFT部24と、補間処理部25と、IDFT部26と、を備える。ここでは、補間処理部25およびIDFT部26により信号変換部27を構成する。
固定系列生成部21は、補間前パイロットブロックに挿入する固定系列シンボルを生成し、生成した固定系列シンボルを多重部23へ出力するパイロットブロック用固定系列生成部である。固定系列シンボルは、固定系列生成部11で生成されるM個のシンボルF-M/2,F-M/2+1,…,F-1,F0,F1,…,FM/2-2,FM/2-1と同様とする。補間前パイロットブロックは、補間処理部25による補間処理が施される前の、後述する多重部23で生成されるブロックである。なお、パイロットブロックは、補間処理部25による補間処理が施された、IDFT部26から出力されるブロックである。固定系列生成部21における動作のフローチャートは、図4に示す固定系列生成部11のフローチャートと同様である。
パイロット生成部22は、受信装置で既知の固定シンボルであるパイロットシンボルを生成し、生成したパイロットシンボルを多重部23へ出力するパイロットブロック用パイロット生成部である。パイロット生成部22は、ここでは、ND−M個のパイロットシンボルp0,…,pND-M-1(添え字ではNDをNDと表記)を生成する。図13は、実施の形態1にかかる送信装置10のパイロット生成部22の動作を示すフローチャートである。パイロット生成部22は、パイロットシンボルを生成すると(ステップS91)、パイロットシンボルを多重部23へ出力する(ステップS92)。
多重部23は、固定系列生成部21から入力された固定系列シンボルと、パイロット生成部22から入力されたパイロットシンボルとを時間領域で多重して補間前パイロットブロックを生成し、生成した補間前パイロットブロックをDFT部24へ出力する補間前パイロットブロック生成部である。ここでは、補間前パイロットブロックのシンボル数はND個とし、補間前パイロットブロックに含まれる固定系列シンボルのシンボル数はM個、パイロットシンボルのシンボル数はND−M個とする。また、多重部23では、ND−M個のパイロットシンボルを補間前パイロットブロックの中央に配置する。多重部23は、M個の固定系列シンボルを半分に分割し、補間前パイロットブロック内の固定系列シンボルの配置として、補間前パイロットブロックの中央に配置したND−M個のパイロットシンボルより前の補間前パイロットブロックの先頭部分に固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを配置し、ND−M個のパイロットシンボルより後の補間前パイロットブロックの後尾部分に固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを配置する。固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの後半部分であり、固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの前半部分である。なお、補間前パイロットブロックに配置する固定系列シンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるシンボル数にしても良い。例えば、先頭部分の固定系列シンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分の固定系列シンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、補間前パイロットブロックに配置される固定系列シンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個のシンボルの場合を想定する。図14は、実施の形態1にかかる送信装置10の多重部23の動作を示すフローチャートである。多重部23は、固定系列生成部21から固定系列シンボルが入力され(ステップS101)、パイロット生成部22からパイロットシンボルが入力される(ステップS102)。多重部23は、固定系列シンボルを分割し(ステップS103)、パイロットシンボルを補間前パイロットブロックの中央に配置し、分割した固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを補間前パイロットブロックの先頭部分に配置し、分割した固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを補間前パイロットブロックの後尾部分に配置する(ステップS104)。
DFT部24は、多重部23から入力されたND個のシンボルからなる補間前パイロットブロックを時間領域の信号から周波数領域の信号に変換するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換部である。DFT部24は、変換後の周波数領域の信号である補間前パイロットブロックを補間処理部25へ出力する。図15は、実施の形態1にかかる送信装置10のDFT部24の動作を示すフローチャートである。DFT部24は、多重部23から時間領域の信号の補間前パイロットブロックが入力されると(ステップS111)、時間領域の信号の補間前パイロットブロックにフーリエ変換処理を行って時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し(ステップS112)、周波数領域の信号の補間前パイロットブロックを出力する(ステップS113)。
補間処理部25は、オーバサンプリングレートをL倍とし、DFT部24から入力されたND個のシンボルからなる周波数領域の信号の補間前パイロットブロックに対して、補間処理、例えば、周波数領域でゼロ挿入などのオーバサンプリングを行い、LN個のシンボルからなる周波数領域の信号のパイロットブロックを生成して出力する。補間処理部25は、ゼロ挿入する場合、LN−ND個のゼロを挿入する。図16は、実施の形態1にかかる送信装置10の補間処理部25の動作を示すフローチャートである。補間処理部25は、ND個のシンボルからなる周波数領域の信号の補間前パイロットブロックが入力されると(ステップS121)、周波数領域の信号に変換された補間前パイロットブロックに補間処理を行って(ステップS122)、LN個のシンボルからなる周波数領域の信号のパイロットブロックを生成して出力する(ステップS123)。
IDFT部26は、補間処理部25から入力されたLN個のシンボルからなるパイロットブロックを周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換部である。IDFT部26は、変換後の時間領域の信号であって、LN個のサンプルからなる補間処理後のパイロットブロックを出力する。図17は、実施の形態1にかかる送信装置10のIDFT部26の動作を示すフローチャートである。IDFT部26は、補間処理部25から周波数領域の信号のパイロットブロックが入力されると(ステップS131)、周波数領域の信号のパイロットブロックに逆フーリエ変換処理を行って周波数領域の信号から時間領域の信号に変換し(ステップS132)、時間領域の信号のパイロットブロックを出力する(ステップS133)。
パイロットブロック生成部2の基本的な処理の流れについて説明する。図18は、実施の形態1にかかる送信装置10のパイロットブロック生成部2がパイロットブロックを生成して出力する動作を示すフローチャートである。まず、パイロットブロック生成部2では、固定系列生成部21が固定系列シンボルを生成して出力し(ステップS141)、パイロット生成部22がパイロットシンボルを生成して出力する(ステップS142)。多重部23は、固定系列生成部21から入力された固定系列シンボルと、パイロット生成部22から入力されたパイロットシンボルとを多重する(ステップS143)。パイロットブロック生成部2では、DFT部24が多重により生成された補間前パイロットブロックを周波数領域の信号に変換し(ステップS144)、補間処理部25が補間処理を行い(ステップS145)、IDFT部26が時間領域の信号に変換する(ステップS146)。なお、各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
ここで、多重部23からDFT部24へ出力される補間前パイロットブロックの構成について説明する。図19は、実施の形態1にかかる送信装置10の多重部23からDFT部24へ出力される、パイロットシンボルを含む補間前パイロットブロックの構成の例を示す図である。図11に示すデータシンボルを含む補間前データブロックに対して、データシンボルの部分をパイロットシンボルに置き換えた構成である。パイロットシンボルを含むパイロットブロックがデータシンボルを含むデータブロックに隣接する場合であっても、各ブロックにおいて固定系列シンボルの配置が同じである。そのため、図11の場合と同様、DFT部24によるDFT処理、補間処理部25による補間処理、およびIDFT部26によるIDFT処理が施されたパイロットブロックでは、他のブロック、例えば、データブロックとの間の位相が繋がり、ブロック間の位相不連続性が解消される。これにより、送信装置10では、帯域外スペクトルの増加を抑制しつつ、送信するSCブロック内にパイロットシンボルを挿入することが可能となる。
図20は、実施の形態1の送信装置10の出力制御部3から出力される、時間領域で多重されたSCブロックを示す図である。図1に示すように、出力制御部3には、データブロック生成部1からデータブロック、すなわちy0,…,yLN-1のLN個のサンプルが入力されている。また、出力制御部3には、パイロットブロック生成部2からパイロットブロック、すなわちz0,…,zLN-1のLN個のサンプルが入力されている。送信装置10は、データブロックを送信中において、パイロットブロックを定期的に送信する。データブロックに対するパイロットブロックの送信頻度は、出力制御部3の制御部31から出力される制御情報の内容に基づくことになる。なお、送信装置10において、パイロットブロックを定期的に送信するのは一例であり、パイロットブロックを不定期に送信しても良い。この場合、出力制御部3の制御部31は、パイロットブロック生成部2で生成されたパイロットブロックを不定期に出力するような制御情報を生成して、出力部32へ出力する。出力制御部3は、定期的にパイロットブロック生成部2からパイロットブロックを出力する。
ここで、データブロックおよびパイロットブロック間の位相不連続性が解消される原理を説明する。出力制御部3すなわち送信装置10から送信されるk番目のSCブロックについて、k番目のSCブロックがデータブロックの場合はk番目のブロックのn番目のサンプルの出力信号をyk,nとし、k番目のSCブロックがパイロットブロックの場合はk番目のブロックのn番目のサンプルの出力信号をzk,nとする。この場合、時間領域で多重されたSCブロックのサンプルの出力信号は、以下の(1)に示すように表すことができる。なお、yk,n+1はk番目のSCブロックであるデータブロックのn+1番目のサンプルを示し、zk+1,1はk+1番目のSCブロックであるパイロットブロックの1番目のサンプルを示し、yk+2,1はk+2番目のSCブロックであるデータブロックの1番目のサンプルを示すものとする。
…,yk,n,…,yk,LN-1,zk+1,0,…,zk+1,LN-1,yk+2,0,…,yk+2,n,… (1)
本実施の形態では、SCブロック間の位相が滑らかに繋がるようにすることを目的としている。具体的には、前述の(1)において、yk,LN-1とzk+1,0との間で位相を滑らかに繋ぐこと、zk+1,LN-1とyk+2,0との間で位相を滑らかに繋ぐことである。前述のように、本実施の形態では、パイロットブロック生成部2は、データブロック生成部1において補間前データブロックに固定系列シンボルを挿入する方法と同じ方法で、具体的には、図19に示すように、補間前パイロットブロックの先頭からM/2個および後尾からM/2個の位置に、データブロック生成部1で挿入される固定系列シンボルと同じ固定系列シンボルを挿入する。パイロットブロック生成部2は、データブロック生成部1で生成される固定系列シンボルと同じ固定系列シンボルを、補間前データブロックと同じ個所に挿入して補間前パイロットブロックを生成することで、SCブロック間を滑らかに繋ぐことができる。
図21は、実施の形態1にかかる送信装置10から送信されるパイロットブロックおよびデータブロックの波形の例を示す図である。図21では、データシンボルの変調方式の一例としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を想定し、IDFT部からの出力の実数部のみを示す。具体的に、パイロットブロックは、パイロットブロック生成部2のIDFT部26から出力制御部3経由で出力されたものであり、データブロックは、データブロック生成部1のIDFT部16から出力制御部3経由で出力されたものである。送信装置10では、パイロットブロックおよびデータブロックについて、各SCブロックの先頭および後尾の同じ位置に同じ固定系列シンボルを挿入することで、パイロットブロックおよびデータブロックの境界において位相の連続性を確保することができる。
なお、図19において、パイロットシンボルを含む補間前パイロットブロックの長さ、すなわちシンボル数を、図11に示すデータシンボルを含む補間前データブロックと同じND個としたが、一例であり、これに限定されるものではない。例えば、パイロットシンボルを含む補間前パイロットブロックの長さを、データシンボルを含む補間前データブロックよりも長く、すなわちシンボル数をND個より多くしてもよい。なお、パイロットシンボルを含む補間前パイロットブロックの長さを、データシンボルを含む補間前データブロックの長さより長くする場合であっても、帯域外スペクトルを抑圧するため、固定系列の長さ、すなわちシンボル数はM個に固定することが望ましい。
送信装置10の基本的な処理の流れについて説明する。図22は、実施の形態1にかかる送信装置10がデータブロックおよびパイロットブロックを生成して出力する動作を示すフローチャートである。まず、送信装置10では、データブロック生成部1がデータブロックを生成して出力し(ステップS151)、パイロットブロック生成部2がパイロットブロックを生成して出力する(ステップS152)。出力制御部3は、データブロック生成部1から入力されたデータブロックまたはパイロットブロック生成部2から入力されたパイロットブロックを出力する(ステップS153)。なお、各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
ここで、図12に示すパイロットブロック生成部2において、多重部23からDFT部24に入力されるパイロットシンボルおよび固定系列シンボルは固定なので、DFT処理、補間処理およびIDFT処理を毎ブロック行う必要が無い。そのため、演算量削減および計算時間短縮のため、図12においてIDFT部26から出力されるLN個のサンプルz0,…,zLN-1からなるパイロットブロックを記憶部に保存して利用しても良い。図示は省略するが、説明の便宜上、このときの送信装置を送信装置10’とし、パイロットブロック生成部をパイロットブロック生成部2’とする。なお、送信装置10’においてデータブロック生成部1の構成は図1と同じである。
図23は、実施の形態1にかかる送信装置10’のパイロットブロック生成部2’の構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2’は、記憶部28を備える。記憶部28は、図12に示すパイロットブロック生成部2において、固定系列生成部21で生成された固定系列、およびパイロット生成部22で生成されたパイロットシンボルが多重部23で多重され、図19に示す多重後のND個のシンボルからなる補正前パイロットブロックに対してDFT部24でDFT処理が施され、補間処理部25で補間処理が施され、IDFT部26でIDFT処理が施されたLN個のサンプルz0,…,zLN-1からなるパイロットブロックと同じLN個のサンプルz0,…,zLN-1のパイロットブロックを記憶する。記憶部28は、出力制御部3からの読み出しにより、LN個のサンプルからなるパイロットブロックを出力する。
図23に示すパイロットブロック生成部2’の構成においても、図12に示すパイロットブロック生成部2と同様の効果を得ることができる。
パイロットブロック生成部2’が記憶部28を備える場合の送信装置10’の基本的な処理の流れについて説明する。図24は、実施の形態1にかかる送信装置10’がデータブロックおよびパイロットブロックを生成して出力する動作を示すフローチャートである。まず、送信装置10’では、データブロック生成部1がデータブロックを生成して出力し(ステップS161)、出力制御部3がパイロットブロック生成部2’に記憶されているパイロットブロックを読み出す(ステップS162)。出力制御部3は、データブロック生成部1から入力されたデータブロックまたはパイロットブロック生成部2’に記憶されているパイロットブロックを出力する(ステップS163)。なお、上記の動作は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、出力制御部3では、事前にパイロットブロック生成部2’からパイロットブロックを読み出しせず、パイロットブロックを出力する場合に、パイロットブロック生成部2’に記憶されているパイロットブロックをパイロットブロック生成部2’から読み出して出力しても良い。各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
つづいて、送信装置10のハードウェア構成について説明する。送信装置10において、データブロック生成部1のデータ生成部12はモジュレータ、データブロック生成部1のDFT部14およびパイロットブロック生成部2のDFT部24はDFT回路、データブロック生成部1の補間処理部15およびパイロットブロック生成部2の補間処理部25は補間回路、データブロック生成部1のIDFT部16およびパイロットブロック生成部2のIDFT部26はIDFT回路によって実現される。なお、パイロットブロック生成部2’を記憶部28で構成する場合には記憶部28はメモリによって実現される。そのため、以降の説明では、図1および図12に示す送信装置10の構成のうち、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の部分について説明する。
図25および図26は、実施の形態1にかかる送信装置10のハードウェア構成の例を示す図である。送信装置10において、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の各機能は、処理回路91により実現される。すなわち、送信装置10は、固定系列シンボルを生成し、パイロットシンボルを生成し、複数種類のシンボルを多重し、2つのブロックのうち1つのブロックを出力するための処理装置を備える。処理回路91は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリ93に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)92およびメモリ93であってもよい。CPU92は、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。
処理回路91が専用のハードウェアである場合、処理回路91は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の各部の機能各々を処理回路91で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路91で実現してもよい。
処理回路91がCPU92およびメモリ93の場合、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ93に格納される。処理回路91では、メモリ93に記憶されたプログラムをCPU92が読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、送信装置10は、処理回路91により実行されるときに、固定系列シンボルを生成するステップ、パイロットシンボルを生成するステップ、複数種類のシンボルを多重するステップ、2つのブロックのうち1つのブロックを出力するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ93を備える。また、これらのプログラムは、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ93とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
なお、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23、出力制御部3の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、固定系列生成部11,21、パイロット生成部22、多重部13,23については専用のハードウェアとしての処理回路91でその機能を実現し、出力制御部3については処理回路91においてCPU92がメモリ93に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路91は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。なお、固定系列生成部11,21およびパイロット生成部22については、上述の構成に限定されず、データ生成部12と同様、モジュレータにより構成しても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信装置10,10’は、データシンボルを含むデータブロックおよびパイロットシンボルを含むパイロットブロックの各SCブロックを生成する場合、DFT処理、補間処理およびIDFT処理前の補間前SCブロックにおいて、データシンボルを含む補間前データブロックおよびパイロットシンボルを含む補間前パイロットブロックの同じ位置に固定系列シンボルを挿入することとした。これにより、送信装置10,10’では、送信する信号にパイロットシンボルを挿入する場合でも、SCブロック間の位相の不連続性が解消されるため、帯域外スペクトルの増加を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、送信装置10において、SCブロック間の位相連続性を確保しつつ、データブロックおよびパイロットブロックを時間多重して出力した。本実施の形態では、送信装置は、SCブロック間の位相連続性を確保しつつ、データブロックに、データシンボルおよびパイロットシンボルが周波数多重されたSCブロックである多重ブロックを時間多重して出力する方法について説明する。なお、本実施の形態では、全てのSCブロックでデータシンボルおよびパイロットシンボルを周波数多重することは想定しない。以降の実施の形態についても同様とする。
実施の形態2において、送信装置10の構成は、図1に示す実施の形態1と同様とする。ただし、実施の形態2では、パイロットブロック生成部2をパイロットブロック生成部2aに置き換える。パイロットブロック生成部2aは、パイロットシンボルを含むパイロットブロックの一種であり、パイロットシンボルおよびデータシンボルが周波数領域で多重されたSCブロックである多重ブロックを生成して出力する。図示は省略するが、説明の便宜上、実施の形態2における送信装置を送信装置10aとする。
図27は、実施の形態2にかかる送信装置10aのパイロットブロック生成部2aの構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2aは、データシンボル処理部41と、パイロットシンボル処理部42と、多重部43と、補間処理部25と、IDFT部26と、を備える。また、補間処理部25およびIDFT部26により信号変換部27を構成する。
データシンボル処理部41は、データシンボルを含む第1の多重シンボルを生成し、第1の多重シンボルにフーリエ変換処理を行って、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して多重部43へ出力する。データシンボル処理部41は、固定系列生成部411と、データ生成部412と、多重部413と、DFT部414と、を備える。
固定系列生成部411は、実施の形態1の固定系列生成部11と同様、M個のシンボルF-M/2,F-M/2+1,…,F-1,F0,F1,…,FM/2-2,FM/2-1からなる固定系列シンボルを生成する第1の多重シンボル用固定系列生成部である。固定系列生成部411は、生成した固定系列シンボルを多重部413へ出力する。固定系列生成部411における動作のフローチャートは、図4に示す固定系列生成部11のフローチャートと同様である。
データ生成部412は、実施の形態1のデータ生成部12と同様、PSKまたはQAMなどの変調方式によるデータシンボルを生成し、生成したデータシンボルを多重部413へ出力する第1の多重シンボル用データ生成部である。なお、PSKおよびQAMなどは一例であって、これらとは異なる変調方式であっても良い。変調方式は、データ生成部12と同じ方式とする。データ生成部12は、1つのデータブロック分のデータシンボルとして、シンボル数がND−M個のデータシンボルを生成している。データ生成部412では、1つの多重ブロック分のデータシンボルとして、シンボル数がND/2−M個のデータシンボルを生成する。生成するシンボル数が異なるが、データ生成部412における動作のフローチャートは、図5に示すデータ生成部12のフローチャートと同様である。
多重部413は、固定系列生成部411から入力された固定系列シンボルと、データ生成部412から入力されたデータシンボルとを時間領域で多重してデータシンボルを含む第1の多重シンボルを生成し、生成した第1の多重シンボルをDFT部414へ出力する第1の多重シンボル生成部である。ここでは、第1の多重シンボルのシンボル数はND/2個とし、第1の多重シンボルに含まれる固定系列シンボルのシンボル数はM個、データシンボルのシンボル数はND/2−M個とする。また、多重部413では、ND/2−M個のデータシンボルを第1の多重シンボルの中央に配置する。多重部413は、M個の固定系列シンボルを半分に分割し、第1の多重シンボル内の固定系列シンボルの配置として、第1の多重シンボルの中央に配置したND/2−M個のデータシンボルより前の第1の多重シンボルの先頭部分に固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを配置し、ND/2−M個のデータシンボルより後の第1の多重シンボルの後尾部分に固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを配置する。固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの後半部分であり、固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの前半部分である。なお、第1の多重シンボルに配置する固定系列シンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるシンボル数にしても良い。例えば、先頭部分の固定系列シンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分の固定系列シンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、第1の多重シンボルに配置される固定系列シンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個の場合を想定する。扱うデータシンボルのシンボル数および多重後の信号の名称が異なるが、多重部413における動作のフローチャートは、図6に示す多重部13のフローチャートと同様である。
DFT部414は、多重部413から入力されたND/2個のシンボルからなる第1の多重シンボルを時間領域の信号から周波数領域の信号に変換するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換部である。DFT部414は、変換後の周波数領域の信号である第1の多重シンボルを多重部43へ出力する。図28は、実施の形態2にかかる送信装置10aのDFT部414の動作を示すフローチャートである。DFT部414は、多重部413から時間領域の信号の第1の多重シンボルが入力されると(ステップS171)、時間領域の信号の第1の多重シンボルにフーリエ変換処理を行って時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し(ステップS172)、周波数領域の信号の第1の多重シンボルを出力する(ステップS173)。
図29は、実施の形態2にかかる送信装置10aのデータシンボル処理部41の動作を示すフローチャートである。データシンボル処理部41では、固定系列生成部411が固定系列シンボルを生成して出力し(ステップS181)、データ生成部412がデータシンボルを生成して出力する(ステップS182)。多重部413は、固定系列生成部411から入力された固定系列シンボルと、データ生成部412から入力されたデータシンボルとを多重する(ステップS183)。そして、DFT部414は、多重により生成された第1の多重シンボルを周波数領域の信号に変換するDFT処理を行う(ステップS184)。
図30は、実施の形態2にかかる送信装置10aの多重部413からDFT部414へ出力される、データシンボルを含む第1の多重シンボルの構成の例を示す図である。ここでは、第1の多重シンボル内のm個目のデータシンボルをdmとする。図11に示す実施の形態1のデータブロックの構成と比較して、データシンボルのシンボル数が異なっているが、固定系列シンボルの配置は同じである。
つぎに、パイロットシンボル処理部42の構成について説明する。パイロットシンボル処理部42は、パイロットシンボルを含む第2の多重シンボルを生成し、第2の多重シンボルにフーリエ変換処理を行って、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して多重部43へ出力する。パイロットシンボル処理部42は、ゼロ生成部421と、パイロット生成部422と、多重部423と、DFT部424と、を備える。
ゼロ生成部421は、信号値がゼロ値のシンボルであるゼロシンボルを生成し、生成したゼロシンボルを多重部423へ出力する第2の多重シンボル用ゼロ生成部である。ゼロ生成部421は、前述の固定系列シンボルと同じシンボル数のM個のゼロシンボルを生成する。図31は、実施の形態2にかかる送信装置10aのゼロ生成部421の動作を示すフローチャートである。ゼロ生成部421は、ゼロシンボルを生成すると(ステップS191)、ゼロシンボルを多重部423へ出力する(ステップS192)。
パイロット生成部422は、実施の形態1のパイロット生成部22と同様、受信装置で既知の固定シンボルであるパイロットシンボルを生成し、生成したパイロットシンボルを多重部423へ出力する第2の多重シンボル用パイロット生成部である。パイロット生成部422は、ここでは、ND/2−M個のパイロットシンボルp0,…,pND/2-M-1(添え字ではNDをNDと表記)を生成する。生成するシンボル数が異なるが、パイロット生成部422における動作のフローチャートは、図13に示すパイロット生成部22のフローチャートと同様である。
多重部423は、ゼロ生成部421から入力されたゼロシンボルと、パイロット生成部422から入力されたパイロットシンボルとを時間領域で多重してパイロットシンボルを含む第2の多重シンボルを生成し、生成した第2の多重シンボルをDFT部424へ出力する第2の多重シンボル生成部である。ここでは、第2の多重シンボルのシンボル数はND/2個とし、第2の多重シンボルに含まれるゼロシンボルのシンボル数はM個、パイロットシンボルのシンボル数はND/2−M個とする。また、多重部423では、ND/2−M個のパイロットシンボルを第2の多重シンボルの中央に配置する。多重部423は、M個のゼロシンボルを半分に分割し、第2の多重シンボル内のゼロシンボルの配置として、第2の多重シンボルの中央に配置したND/2−M個のパイロットシンボルより前の第2の多重シンボルの先頭部分にM/2個のゼロシンボルを配置し、ND/2−M個のパイロットシンボルより後の第2の多重シンボルの後尾部分にM/2個のゼロシンボルを配置する。なお、第2の多重シンボルに配置するゼロシンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるサンプル数にしても良い。例えば、先頭部分のゼロシンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分のゼロシンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、第2の多重シンボルに配置されるゼロシンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個の場合を想定する。図32は、実施の形態2にかかる送信装置10aの多重部423の動作を示すフローチャートである。多重部423は、ゼロ生成部421からゼロシンボルが入力され(ステップS201)、パイロット生成部422からパイロットシンボルが入力される(ステップS202)。多重部423は、ゼロシンボルを分割し(ステップS203)、パイロットシンボルを中央に配置し、分割したゼロシンボルをパイロットシンボルの両端に配置する(ステップS204)。
DFT部424は、多重部423から入力されたND/2個のシンボルからなる第2の多重シンボルを時間領域の信号から周波数領域の信号に変換するフーリエ変換処理を行うフーリエ変換部である。DFT部424は、変換後の周波数領域の信号である第2の多重シンボルを多重部43へ出力する。図33は、実施の形態2にかかる送信装置10aのDFT部424の動作を示すフローチャートである。DFT部424は、多重部423から時間領域の信号の第2の多重シンボルが入力されると(ステップS211)、時間領域の信号の第2の多重シンボルにフーリエ変換処理を行って時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し(ステップS212)、周波数領域の信号の第2の多重シンボルを出力する(ステップS213)。
図34は、実施の形態2にかかる送信装置10aのパイロットシンボル処理部42の動作を示すフローチャートである。パイロットシンボル処理部42では、ゼロ生成部421がゼロシンボルを生成して出力し(ステップS221)、パイロット生成部422がパイロットシンボルを生成して出力する(ステップS222)。多重部423は、ゼロ生成部421から入力されたゼロシンボルと、パイロット生成部422から入力されたパイロットシンボルとを多重する(ステップS223)。そして、DFT部424が多重により生成された第2の多重シンボルを周波数領域の信号に変換するDFT処理を行う(ステップS224)。
図35は、実施の形態2にかかる送信装置10aの多重部423からDFT部424へ出力される、パイロットシンボルを含むパイロットブロックの構成の例を示す図である。図19に示す実施の形態1のパイロットブロックの構成と比較して、固定系列の部分をゼロに置き換えている。また、パイロットシンボルのシンボル数が異なっている。
多重部43は、データシンボル処理部41から入力された周波数領域の信号に変換後の第1の多重シンボルと、パイロットシンボル処理部42から入力された周波数領域の信号に変換後の第2の多重シンボルとを周波数領域で多重して、データシンボルおよびパイロットシンボルを含むSCブロックである補間前多重ブロックを生成する補間前多重ブロック生成部である。多重部43は、生成した補間前多重ブロックを補間処理部25へ出力する。補間前多重ブロックは、補間処理部25による補間処理が施される前のブロックである。なお、多重ブロックは、補間処理部25による補間処理が施された、IDFT部26から出力されるブロックである。ここで、データシンボル処理部41から入力された第1の多重シンボルのND/2個のシンボルをシンボルs0,…,sND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)とし、パイロットシンボル処理部42から入力された第2の多重シンボルのND/2個のシンボルをシンボルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)とすると、多重部43から出力される多重ブロックは、図36のように表すことができる。図36は、実施の形態2にかかる送信装置10aの多重部43から補間処理部25へ出力される、多重ブロックの構成の例を示す図である。なお、多重部43において、第1の多重シンボルおよび第2の多重シンボルを構成する各シンボルを周波数上で交互に配置するのは一例であって、各シンボルの配置は図36の例に限定されるものではない。
補間処理部25およびIDFT部26では、入力されるSCブロックの種類が実施の形態1と異なるが、各構成における動作そのものは実施の形態1と同様である。
なお、本実施の形態では、多重部43でND個のシンボルから補間前多重ブロックを生成するため、データシンボル処理部41からND/2個のシンボル数からなる第1の多重シンボルを出力し、パイロットシンボル処理部42からND/2個のシンボル数からなる第2の多重シンボルを出力しているが、一例であり、これに限定されるものではない。データシンボル処理部41から出力される第1の多重シンボルのシンボル数、およびパイロットシンボル処理部42から出力される第2の多重シンボルのシンボル数について、異なるシンボル数にしても良い。本実施の形態では、説明の簡易化のため、データシンボル処理部41がND/2個のシンボル数からなる第1の多重シンボルを生成して出力し、パイロットシンボル処理部42がND/2個のシンボル数からなる第2の多重シンボルを生成して出力する場合を想定する。
図37は、実施の形態2にかかる送信装置10aの出力制御部3から出力される、時間領域で多重されたSCブロックを示す図である。実施の形態1における図20に対応するものである。出力制御部3には、データブロック生成部1からデータブロック、およびパイロットブロック生成部2からパイロットブロックの一種である多重ブロックが入力されている。送信装置10aは、データブロックを送信中において、多重ブロックを定期的に送信する。データブロックに対する多重ブロックの送信頻度は、出力制御部3の制御部31から出力される制御情報の内容に基づくことになる。なお、送信装置10aにおいて、多重ブロックを定期的に送信するのは一例であり、多重ブロックを不定期に送信しても良い。この場合、出力制御部3の制御部31は、パイロットブロック生成部2で生成された多重ブロックを不定期に出力するような制御情報を生成して、出力部32へ出力する。
図38は、実施の形態2にかかる送信装置10aから送信される多重ブロックおよびデータブロックの波形の例を示す図である。実施の形態1における図21に対応するものである。送信装置10aにおいて、前述のようにパイロットブロックおよびデータブロックが多重された多重ブロックについても、データブロックとの境界において位相の連続性を確保することができる。
図39は、実施の形態2にかかる送信装置10aのパイロットブロック生成部2aの動作を示すフローチャートである。パイロットブロック生成部2aでは、データシンボル処理部41が第1の多重シンボルを生成して出力し(ステップS231)、パイロットシンボル処理部42が第2の多重シンボルを生成して出力する(ステップS232)。多重部43は、データシンボル処理部41から入力された第1の多重シンボルと、パイロットシンボル処理部42から入力された第2の多重シンボルとを多重する(ステップS233)。そして、補間処理部25が多重により生成された補間前多重ブロックに対して補間処理を行い(ステップS234)、IDFT部26が時間領域の信号に変換する(ステップS235)。なお、各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
なお、本実施の形態では、送信装置10aのパイロットブロック生成部2aにおいて、多重部43に入力されるデータシンボル処理部41およびパイロットシンボル処理部42からのシンボル数は、合計するとND個となり、データブロック生成部1の多重部13に入力されるシンボル数と同じであるが、これに限定されるものではない。多重部43に入力されるシンボル数をN′D≠NDであるN′D個にしても良いが、N′Dを偶数とした場合にはN′D/2≧Mとする。
また、送信装置10aのパイロットシンボル処理部42では、DFT部424の入力前の多重部423において、パイロットシンボルおよびゼロシンボルの多重、すなわち、パイロットシンボルにゼロ挿入を行う。送信電力調整のため、多重部423は、DFT部424に入力前のパイロットシンボルに対して正規化処理を実施しても良い。
ここで、図27に示すパイロットブロック生成部2aのパイロットシンボル処理部42において、ゼロ生成部421で生成されるゼロシンボルおよびパイロット生成部422で生成されるパイロットシンボルは固定なので、多重処理およびDFT処理を毎ブロック行う必要が無い。そのため、演算量削減および計算時間短縮のため、図27においてDFT部424から出力されるND/2個のサンプルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる第2の多重シンボルを記憶部で保持して利用しても良い。図示は省略するが、説明の便宜上、このときの送信装置を送信装置10a’とする。また、パイロットブロック生成部をパイロットブロック生成部2a’とし、パイロットシンボル処理部をパイロットシンボル処理部42’とする。
図40は、実施の形態2にかかる送信装置10a’のパイロットブロック生成部2a’の構成例を示すブロック図である。パイロットシンボル処理部42’は、記憶部425を備える。記憶部425は、図27に示すパイロットシンボル処理部42において、ゼロ生成部421で生成されたゼロシンボル、およびパイロット生成部422で生成されたパイロットシンボルが多重部423で多重され、図35に示す多重後のND/2個のシンボルからなる第2の多重シンボルに対してDFT部424でDFT処理が施されたND/2個のシンボルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる周波数領域の信号の第2の多重シンボルと同じND/2個のシンボルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる周波数領域の信号の第2の多重シンボルを記憶する。記憶部425は、多重部43からの読み出しにより、ND/2個のシンボルからなる周波数領域信号の第2の多重シンボルを出力する。
パイロットシンボル処理部42’が記憶部425を備える場合のパイロットブロック生成部2a’の動作について説明する。図41は、実施の形態2にかかる送信装置10a’のパイロットブロック生成部2a’の動作を示すフローチャートである。パイロットブロック生成部2a’では、データシンボル処理部41が第1の多重シンボルを生成して出力し(ステップS241)、多重部43がパイロットシンボル処理部42’に記憶されている第2の多重シンボルを読み出す(ステップS242)。多重部43は、データシンボル処理部41で生成された第1の多重シンボルと、パイロットシンボル処理部42’に記憶されている第2の多重シンボルとを多重する(ステップS243)。そして、補間処理部25が多重により生成された補間前多重ブロックに対して補間処理を行い(ステップS244)、IDFT部26が時間領域の信号に変換する(ステップS245)。なお、各構成の詳細な動作については、各構成のフローチャートに基づく。
送信装置10aのハードウェア構成については、実施の形態1の送信装置10の構成と同様である。例えば、固定系列生成部411は固定系列生成部11と同様の構成であり、データ生成部412はデータ生成部12と同様の構成であり、多重部43,413,423は多重部13,23と同様の構成であり、DFT部414はDFT部14,24と同様の構成であり、パイロット生成部422はパイロット生成部22と同様の構成である。なお、ゼロ生成部421は、処理回路91またはCPU92およびメモリ93で実現しても良いし、モジュレータによって実現しても良い。また、記憶部425は、例えば、メモリによって実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信装置10a,10a’は、パイロットシンボルを含むSCブロックを生成する場合において、固定系列シンボルとデータシンボルとを時間領域で多重した第1の多重シンボルと、ゼロシンボルとパイロットシンボルとを時間領域で多重した第2の多重シンボルとを、周波数上で多重することとした。これにより、送信装置10a,10a’では、SCブロック間の位相不連続性を解消しつつ、実施の形態1と比較して、送信するデータ量を増加させることが可能となる。
実施の形態3.
本実施の形態では、データシンボルおよびパイロットシンボルが周波数多重されたSCブロックである多重ブロックを生成する場合において、実施の形態2と異なる方法について説明する。具体的に、本実施の形態では、ゼロシンボルとデータシンボルとを多重したものを第1の多重シンボルとし、固定系列シンボルとパイロットシンボルとを多重したものを第2のシンボルとする。
実施の形態3において、送信装置10の構成は、図1に示す実施の形態1と同様とする。ただし、実施の形態3では、パイロットブロック生成部2をパイロットブロック生成部2bに置き換える。パイロットブロック生成部2bは、実施の形態2のパイロットブロック生成部2aと同様、パイロットシンボルを含むパイロットブロックの一種であり、パイロットシンボルおよびデータシンボルが周波数領域で多重されたSCブロックである多重ブロックを生成して出力する。図示は省略するが、説明の便宜上、実施の形態3における送信装置を送信装置10bとする。
図42は、実施の形態3にかかる送信装置10bのパイロットブロック生成部2bの構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2bは、データシンボル処理部41aと、パイロットシンボル処理部42aと、多重部43と、補間処理部25と、IDFT部26と、を備える。また、補間処理部25およびIDFT部26により信号変換部27を構成する。
データシンボル処理部41aは、ゼロ生成部415と、データ生成部412と、多重部413aと、DFT部414と、を備える。
ゼロ生成部415は、信号値がゼロ値のシンボルであるゼロシンボルを生成し、生成したゼロシンボルを多重部413aへ出力する第1の多重シンボル用ゼロ生成部である。ゼロ生成部415の構成は、前述のゼロ生成部421と同様の構成である。ゼロ生成部415における動作のフローチャートは、図31に示すゼロ生成部421のフローチャートと同様である。
多重部413aは、ゼロ生成部415から入力されたゼロシンボルと、データ生成部412から入力されたデータシンボルとを時間領域で多重してデータシンボルを含む第1の多重シンボルを生成し、生成した第1の多重シンボルをDFT部414へ出力する第1の多重シンボル生成部である。ここでは、第1の多重シンボルのシンボル数はND/2個とし、第1の多重シンボルに含まれるゼロシンボルのシンボル数はM個、データシンボルのシンボル数はND/2−M個とする。また、多重部413aでは、ND/2−M個のデータシンボルを第1の多重シンボルの中央に配置する。多重部413は、M個のゼロシンボルを半分に分割し、第1の多重シンボル内のゼロシンボルの配置として、第1の多重シンボルの中央に配置したND/2−M個のデータシンボルより前の第1の多重シンボルの先頭部分にM/2個のゼロシンボルを配置し、ND/2−M個のデータシンボルより後の第1の多重シンボルの後尾部分にM/2個のゼロシンボルを配置する。なお、第1の多重シンボルに配置するゼロシンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるシンボル数にしても良い。例えば、先頭部分のゼロシンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分のゼロシンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、第1の多重シンボルに配置されるゼロシンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個の場合を想定する。図43は、実施の形態3にかかる送信装置10bの多重部413aの動作を示すフローチャートである。多重部413aは、ゼロ生成部415からゼロシンボルが入力され(ステップS251)、データ生成部412からデータシンボルが入力される(ステップS252)。多重部413aは、ゼロシンボルを分割し(ステップS253)、データシンボルを中央に配置し、分割したゼロシンボルをデータシンボルの両端に配置する(ステップS254)。
図44は、実施の形態3にかかる送信装置10bのデータシンボル処理部41aの動作を示すフローチャートである。データシンボル処理部41aでは、ゼロ生成部415がゼロシンボルを生成して出力し(ステップS261)、データ生成部412がデータシンボルを生成して出力する(ステップS262)。多重部413aは、ゼロ生成部415から入力されたゼロシンボルと、データ生成部412から入力されたデータシンボルとを多重する(ステップS263)。そして、DFT部414が多重により生成された第1の多重シンボルを周波数領域の信号に変換するDFT処理を行う(ステップS264)。
図45は、実施の形態3にかかる送信装置10bの多重部413aからDFT部414へ出力される、データシンボルを含む第1の多重シンボルの構成の例を示す図である。ここでは、第1の多重シンボル内のm個目のデータシンボルをdmとする。図30に示す実施の形態2の第1の多重シンボルの構成と比較して、固定系列シンボルの部分をゼロシンボルに置き換えている。
つぎに、パイロットシンボル処理部42aの構成について説明する。パイロットシンボル処理部42aは、固定系列生成部426と、パイロット生成部422と、多重部423aと、DFT部424と、を備える。
固定系列生成部426は、信号値がゼロ値のシンボルであるゼロシンボルを生成し、生成したゼロシンボルを多重部423aへ出力する第2の多重シンボル用固定系列生成部である。固定系列生成部426の構成は、前述の固定系列生成部21,411と同様の構成である。固定系列生成部426における動作のフローチャートは、図4に示す固定系列生成部21,411のフローチャートと同様である。
多重部423aは、固定系列生成部426から入力された固定系列シンボルと、パイロット生成部422から入力されたパイロットシンボルとを時間領域で多重してパイロットシンボルを含む第2の多重シンボルを生成し、生成した第2の多重シンボルをDFT部424へ出力する第2の多重シンボル生成部である。ここでは、第2の多重シンボルのシンボル数はND/2個とし、第2の多重シンボルに含まれる固定系列シンボルのシンボル数はM個、パイロットシンボルのシンボル数はND/2−M個とする。また、多重部423aでは、ND/2−M個のパイロットシンボルを第2の多重シンボルの中央に配置する。多重部423aは、M個の固定系列シンボルを半分に分割し、第2の多重シンボル内の固定系列シンボルの配置として、第2の多重シンボルの中央に配置したND/2−M個のパイロットシンボルより前の第2の多重シンボルの先頭部分に固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルを配置し、ND/2−M個のパイロットシンボルより後の第2の多重シンボルの後尾部分に固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルを配置する。固定系列シンボルの後半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの後半部分であり、固定系列シンボルの前半のM/2個のシンボルが固定系列シンボルの前半部分である。なお、第2の多重シンボルに配置する固定系列シンボルについて、先頭部分と後尾部分で異なるシンボル数にしても良い。例えば、先頭部分の固定系列シンボルのシンボル数をM′とし、後尾部分の固定系列シンボルのシンボル数をM″として偏った配置にしても良い。ただし、M=M′+M″、M′≠M″とする。以降の説明では、説明の簡略化のため、第2の多重シンボルに配置される固定系列シンボルのシンボル数は、先頭部分および後尾部分ともにM/2個のシンボルの場合を想定する。扱うパイロットシンボルのシンボル数および多重後の信号の名称が異なるが、多重部423aにおける動作のフローチャートは、図14に示す多重部23のフローチャートと同様である。
図46は、実施の形態3にかかる送信装置10bのパイロットシンボル処理部42aの動作を示すフローチャートである。パイロットシンボル処理部42aでは、固定系列生成部426が固定系列シンボルを生成して出力し(ステップS271)、パイロット生成部422がパイロットシンボルを生成して出力する(ステップS272)。多重部423aは、固定系列生成部426から入力された固定系列シンボルと、パイロット生成部422から入力されたパイロットシンボルとを多重する(ステップS273)。そして、DFT部424が多重により生成された第2の多重シンボルを周波数領域の信号に変換するDFT処理を行う(ステップS274)。
図47は、実施の形態3にかかる送信装置10bの多重部423aからDFT部424へ出力される、パイロットシンボルを含む第2の多重シンボルの構成の例を示す図である。図35に示す実施の形態2の第2の多重シンボルの構成と比較して、ゼロシンボルの部分が固定系列シンボルに置き換えている。
多重部43、補間処理部25およびIDFT部26における動作は、実施の形態2と同様である。また、パイロットブロック生成部2bにおける動作のフローチャートは、図39に示すパイロットブロック生成部2aのフローチャートと同様である。
なお、本実施の形態にて、送信装置10bのパイロットブロック生成部2bにおいて、多重部43に入力されるデータシンボル処理部41aおよびパイロットシンボル処理部42aからのシンボル数は、合計するとND個となり、データブロック生成部1の多重部13に入力されるシンボル数と同じであるが、これに限定されるものではない。多重部43に入力されるシンボル数をN′D≠NDであるN′D個にしても良いが、N′Dを偶数とした場合にはN′D/2≧Mとする。
また、送信装置10bのデータシンボル処理部41aでは、DFT部414の入力前の多重部413aにおいて、ゼロシンボルおよびデータシンボルの多重、すなわち、データシンボルにゼロ挿入を行う。送信電力調整のため、多重部413aは、DFT部414に入力前のデータシンボルに対して正規化処理を実施しても良い。
ここで、図42に示すパイロットブロック生成部2bのパイロットシンボル処理部42aにおいて、固定系列生成部426で生成される固定系列シンボルおよびパイロット生成部422で生成されるパイロットシンボルは固定なので、多重処理およびDFT処理を毎ブロック行う必要が無い。そのため、演算量削減および計算時間短縮のため、図42においてDFT部424から出力されるND/2個のサンプルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる第2の多重シンボルを記憶部で保持して利用しても良い。図示は省略するが、説明の便宜上、このときの送信装置を送信装置10b’とする。また、パイロットブロック生成部をパイロットブロック生成部2b’とし、パイロットシンボル処理部をパイロットシンボル処理部42a’とする。
図48は、実施の形態3にかかる送信装置10b’のパイロットブロック生成部2b’の構成例を示すブロック図である。パイロットシンボル処理部42a’は、記憶部427を備える。記憶部427は、図42に示すパイロットシンボル処理部42aの構成において、固定系列生成部426で生成された固定系列シンボル、およびパイロット生成部422で生成されたパイロットシンボルが多重部423aで多重され、図47に示す多重後のND/2個のシンボルからなる第2の多重シンボルに対してDFT部424でDFT処理が施されたND/2個のシンボルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる周波数領域信号の第2の多重シンボルと同じND/2個のシンボルq0,…,qND/2-1(添え字ではNDをNDと表記)からなる周波数領域信号の第2の多重シンボルを記憶する。記憶部427は、多重部43からの読み出しにより、ND/2個のシンボルからなる周波数領域信号の第2の多重シンボルを出力する。
パイロットシンボル処理部42a’が記憶部427を備える場合のパイロットブロック生成部2b’の動作のフローチャートは、図41に示すパイロットシンボル処理部42’のフローチャートと同様である。
送信装置10bのハードウェア構成については、実施の形態1の送信装置10の構成と同様である。例えば、固定系列生成部426は固定系列生成部11と同様の構成であり、データ生成部412はデータ生成部12と同様の構成であり、多重部43,413a,423aは多重部13,23と同様の構成であり、DFT部414,424はDFT部14,24と同様の構成であり、パイロット生成部422はパイロット生成部22と同様の構成である。なお、ゼロ生成部415は、処理回路91またはCPU92およびメモリ93で実現しても良いし、モジュレータによって実現しても良い。また、記憶部427は、例えば、メモリによって実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信装置10b,10b’は、パイロットシンボルを含むSCブロックを生成する場合において、ゼロシンボルとデータシンボルとを時間領域で多重した第1の多重シンボルと、固定系列シンボルとパイロットシンボルとを時間領域で多重した第2の多重シンボルとを、周波数上で多重することとした。これにより、送信装置10b,10b’では、実施の形態2と同様、SCブロック間の位相不連続性を解消しつつ、実施の形態1と比較して、送信するデータ量を増加させることが可能となる。
実施の形態4.
本実施の形態では、データシンボルおよびパイロットシンボルが周波数多重されたSCブロックである多重ブロックを生成する場合において、実施の形態2および3と異なる方法について説明する。具体的に、本実施の形態では、固定系列シンボルとデータシンボルとを多重したものを第1の多重シンボルとし、固定系列シンボルとパイロットシンボルとを多重したものを第2のシンボルとする。
実施の形態4において、送信装置10の構成は、図1に示す実施の形態1と同様とする。ただし、実施の形態4では、パイロットブロック生成部2をパイロットブロック生成部2cに置き換える。パイロットブロック生成部2cは、実施の形態2および3のパイロットブロック生成部2a,2bと同様、パイロットシンボルを含むパイロットブロックの一種であり、パイロットシンボルおよびデータシンボルが周波数領域で多重されたSCブロックである多重ブロックを生成して出力する。図示は省略するが、説明の便宜上、実施の形態4における送信装置を送信装置10cとする。
図49は、実施の形態4にかかる送信装置10cのパイロットブロック生成部2cの構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2cは、データシンボル処理部41と、パイロットシンボル処理部42aと、多重部43と、補間処理部25と、IDFT部26と、を備える。パイロットシンボル処理部42aは、実施の形態3と同様、パイロットシンボル処理部42a’に置き換えることができる。図示は省略するが、説明の便宜上、このときの送信装置を送信装置10c’とする。また、パイロットブロック生成部をパイロットブロック生成部2c’とし、パイロットシンボル処理部をパイロットシンボル処理部42a’とする。図50は、実施の形態4にかかる送信装置10c’のパイロットブロック生成部2c’の構成例を示すブロック図である。パイロットブロック生成部2c’は、データシンボル処理部41と、パイロットシンボル処理部42a’と、多重部43と、補間処理部25と、IDFT部26と、を備える。
データシンボル処理部41は実施の形態2で使用されたものであり、パイロットシンボル処理部42a,42a’は実施の形態3で使用されたものである。すなわち、パイロットブロック生成部2c,2c’では、生成する第1の多重シンボルおよび第2の多重シンボルの両方で固定系列シンボルを使用する。本実施の形態の送信装置10c,10c’の各構成は、実施の形態1から実施の形態3までで使用されているものと同様のため、詳細な説明については省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信装置10c,10c’は、パイロットシンボルを含むSCブロックを生成する場合において、固定系列シンボルとデータシンボルとを時間領域で多重した第1の多重シンボルと、固定系列シンボルとパイロットシンボルとを時間領域で多重した第2の多重シンボルとを、周波数上で多重することとした。これにより、送信装置10c,10c’では、実施の形態2および3と同様、SCブロック間の位相不連続性を解消しつつ、実施の形態1と比較して、送信するデータ量を増加させることが可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。