JP6362611B2 - 前駆体イオン情報を使用することなくms/msデータから化合物を同定するシステムおよび方法 - Google Patents

前駆体イオン情報を使用することなくms/msデータから化合物を同定するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/726,617号(2012年11月15日出願)の利益を主張する。該出願の内容は、その全体が参照により引用される。
概して、タンデム質量分析または質量分析/質量分析(MSMS)による化合物の同定は、既知の、または実験的に導出された前駆体イオンの質量(荷電状態が把握されている場合は分子量である)を必要とする。選択反応モニタリング(SRM)は、既知の前駆体イオンの質量を必要とする方法の周知の実施例である。例えば、SRM方法では、前駆体イオンが、選択され、断片化され、単一イオンを伝送するように設定されている第2の分析器に移される。選択された質量の前駆体が断片化し、選択された断片質量のイオンをもたらすと、応答が生じ、この出力信号は、定量化のために使用されることができる。装置は、確認目的のためにいくつかの断片イオンを測定するか、または異なる化合物を定量化するためにいくつかの前駆体−断片の組み合わせを測定するように設定され得る。
しかしながら、タンデム質量分析のいくつかの方法では、前駆体イオンの質量が既知ではない場合がある。例えば、逐次窓取得(SWATH)と呼ばれるタンデム質量分析技法では、前駆体イオンの質量が既知ではない場合がある。SWATHは、隣接または重複前駆体質量窓による複数の走査を使用して、ある時間間隔内で質量範囲が走査されることを可能にする。第1の質量分析器は、断片化のために各前駆体質量窓を選択する。次いで、各前駆体質量窓の断片化から生成される生成イオンを検出するために、高分解能の第2の質量分析器が使用される。したがって、前駆体質量窓内の多くの他の前駆体イオンの存在によって、一組の生成イオンに対する正しい前駆体イオンの同定が混同され得る。
加えて、既知の、または実験的に導出された前駆体イオンの質量は、目的とする化合物を同定しない場合がある。例えば、目的とする化合物がペプチドであり、分析される化合物が修飾ペプチドである場合、断片化のために選択される前駆体イオンは、未修飾(裸)ペプチドの分子量を示さない場合がある。
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するためのシステムが開示される。種々の実施形態では、本システムは、試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計を含む。本システムはまた、タンデム質量分析計から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信するプロセッサも含む。プロセッサは、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。プロセッサは、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストを作成する。プロセッサは、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、リストを作成する。プロセッサは、同定された化合物として、リストから候補化合物を選択する。
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法が開示される。種々の実施形態では、タンデム質量分析計を使用して、試料が分析され、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルは、プロセッサを使用して、タンデム質量分析計から受信される。測定された生成イオンのサブセットが、プロセッサを使用して、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから選択される。プロセッサを使用して、測定された生成イオンのサブセットを使用して潜在的化合物の各々について1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストが作成される。最終的に、リスト上の候補化合物が、プロセッサを使用して、同定された化合物として選択される。
非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が開示され、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、プロセッサは、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法を行う。種々の実施形態では、本方法は、システムを提供することを含み、本システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと、同定モジュールとを備えている。種々の実施形態では、測定モジュールは、試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信する。同定モジュールは、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。同定モジュールは、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストを作成する。同定モジュールは、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、リストを作成する。同定モジュールは、同定された化合物として、リストから候補化合物を選択する。
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定するためのシステムも開示される。種々の実施形態では、本システムは、試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計を含む。本システムはまた、タンデム質量分析計から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信するプロセッサも含む。加えて、プロセッサはさらに、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体m/z範囲より大きいm/zを伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。次いで、プロセッサは、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索する。最終的に、プロセッサは、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを同定されたペプチドとして選択する。
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法も開示される。種々の実施形態では、タンデム質量分析計を使用して、試料が分析され、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルは、プロセッサを使用して、タンデム質量分析計から受信される。プロセッサを使用して、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、測定された生成イオンのサブセットが、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから選択される。プロセッサを使用して、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースが検索される。最終的に、プロセッサを使用して、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドが同定されたペプチドとして選択される。
また、非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む、コンピュータプログラム製品も開示され、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、プロセッサは、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法を行う。種々の実施形態では、本方法は、システムを提供することを含み、本システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと、同定モジュールとを備えている。測定モジュールは、試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信する。同定モジュールは、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。同定モジュールは、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索する。同定モジュールは、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを同定されたペプチドとして選択する。
本出願者の教示のこれらおよび他の特徴が、本明細書に記載される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するためのシステムであって、
試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計と、
前記タンデム質量分析計と通信するプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
(a)前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信し、
(b)前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択し、
(c)前記測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成し、
(d)同定された化合物として、前記リストから候補化合物を選択する、
システム。
(項目2)
前記測定された生成イオンスペクトルは、ペプチド断片を含み、潜在的化合物の前記ディクショナリは、タンパク質に対する予測されたペプチドを含み、前記潜在的化合物の各々に対する前記1つ以上の予測された生成イオンは、ペプチドの1つ以上の断片を含み、前記候補化合物のリストは、候補ペプチドを含み、前記同定された化合物は、同定されたペプチドを含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記潜在的化合物は、生成イオンを予測することができる、糖、脂質、DNA、RNA、または任意の化合物を含む、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、項目1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
(項目5)
前記プロセッサは、最小数の潜在的化合物において発生すると予測される測定された生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、項目1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
(項目6)
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、閾値より大きい質量対電荷比(m/z)を伴ういくつかの測定された生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、項目1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
(項目7)
前記プロセッサは、
測定された生成イオンのサブセットから第1の生成イオンを選択することと、
前記第1の生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物の前記ディクショナリを検索し、複数の合致する潜在的化合物を生成することと、
前記合致する潜在的化合物を前記候補化合物のリストに追加し、前記リスト上の各候補化合物に初期スコアを提供することと、
前記測定された生成イオンのサブセットからの各残りの測定された生成イオンについて、前記各残りの測定された生成イオンを、前記リスト上の各候補化合物の予測された生成イオンと比較し、含まれている予測された生成イオンが前記各残りの測定された生成イオンに合致する場合、前記各候補化合物の前記スコアを増加させることと
によって、前記候補化合物のリストを作成する、項目1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
(項目8)
前記プロセッサは、
前記測定された生成イオンのサブセットからの各測定された生成イオンについて、前記各測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物の前記ディクショナリを検索することと、
潜在的化合物が、前記各測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む場合、前記合致する潜在的化合物が前記リスト上になければ、初期スコアとともに前記合致する潜在的化合物を前記候補化合物のリストに追加し、前記合致する潜在的化合物がすでに前記リスト上にあれば、前記合致する潜在的化合物の前記スコアを増加させることと、
によって、前記候補化合物のリストを作成する、項目1〜7のいずれか一項に記載のシステム
(項目9)
前記タンデム質量分析計は、
質量範囲を2つ以上の前駆体質量窓に分割することと、
前記2つ以上の質量窓の各前駆体質量窓を断片化し、各前駆体質量窓に対する測定された生成イオンスペクトルを生成することと
によって、試料を分析する、項目1〜8のいずれか一項に記載のシステム
(項目10)
前記プロセッサはさらに、
前記同定された化合物を前記範囲と比較し、
前記同定された化合物質量対電荷比(m/z)が前記前駆体質量対電荷比範囲内で見出されない場合、前記同定された化合物が修飾形態であると決定する、項目1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
(項目11)
前記プロセッサはさらに、修飾のリストを分析し、前記修飾型の同定された化合物の前記質量対電荷比を前記範囲内に入れる修飾を決定する、項目1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
前記プロセッサはさらに、
前記測定された生成イオンスペクトルから前記同定された化合物の潜在的化合物を差し引き、
現在前記リスト上にある全ての候補化合物を除去し、
前記試料中の別の化合物を同定するために、ステップ(b)−(d)を再度実行する、項目1に記載のシステム。
(項目13)
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法であって、
タンデム質量分析計を使用して試料を分析し、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成することと、
プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信することと、
前記プロセッサを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
前記プロセッサを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを使用して潜在的化合物の各々について1つ以上の予測された生成イオンを含む前記潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成することと、
前記プロセッサを使用して、前記同定された化合物として、前記リスト上の候補化合物を選択することと
を含む、方法。
(項目14)
前記選択するステップは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記選択するステップは、最小数の潜在的化合物において発生すると予測される選択された生成イオンを選択することを含む、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記選択するステップは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、閾値より大きい質量対電荷比(m/z)を伴ういくつかの測定された生成イオンを選択することプを含む、項目13〜15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記プロセッサは、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから前駆体イオンを同定する方法を行い、
前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、前記個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと、同定モジュールとを備えている、ことと、
前記測定モジュールを使用して試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信することと、
前記同定モジュールを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
前記測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む前記潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、前記同定モジュールを使用して、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成することと、
前記同定モジュールを使用して、前記同定された化合物として、前記リスト上の候補化合物を選択することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
(項目18)
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定するためのシステムであって、
試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計と、
前記タンデム質量分析計と通信するプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
(a)前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信し、
(b)前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択し、
(c)前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索し、
(d)検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして、選択する、システム。
(項目19)
いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法であって、
タンデム質量分析計を使用して試料を分析し、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成することと、
プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信することと、
前記プロセッサを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
前記プロセッサを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索することと、
前記プロセッサを使用して、検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして選択することと
を含む、方法。
(項目20)
非一過性の有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記プロセッサは、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法を行い、
前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、前記個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと、同定モジュールとを備えている、ことと、
前記測定モジュールを使用して試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信することと、
前記同定モジュールを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
前記同定モジュールを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索することと、
前記同定モジュールを使用して、検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして選択することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
当業者は、後述の図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない。
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。 図2は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するためのシステムを示す、概略図である。 図3は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法を示す、例示的流れ図である。 図4は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法を示す、例示的流れ図である。 図5は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法を行う、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含む、システムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態を詳細に説明する前に、当業者は、本教示が、その適用において、以下の発明を行うための形態に記載される、または図面に図示される、構造、構成要素の配列、およびステップの配列の詳細に制限されないことを理解するであろう。また、本明細書で使用される表現および専門用語は、説明の目的のためであって、制限として見なされるべきではないことを理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、バス102または情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行される命令を記憶するために、バス102に結合されるランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106も含む。メモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行の間、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するために、バス102に結合された読み取り専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110は、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合される。
コンピュータシステム100は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス102を介して、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス114は、情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するために、バス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。この入力デバイスは、典型的には、デバイスが平面において位置を指定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を行うことができる。本教示のある実装によると、結果は、メモリ106内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104が実行することに応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ読み取り可能な媒体から、メモリ106内に読み込まれ得る。メモリ106内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に、本明細書に説明されるプロセスを行わせる。代替として、有線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに制限されない。
用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、本明細書で使用される場合、実行のために、命令をプロセッサ104に提供する際に関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、それらに制限されない、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を構成する配線を含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的形態として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュ−EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、あるいはコンピュータが読み取ることができる、任意の他の有形媒体が挙げられる。
コンピュータ読み取り可能な媒体の種々の形態は、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104に搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初は、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリ内にロードし、モデムを使用して、電話回線を介して、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルのモデムは、データを電話回線上で受信し、赤外線送信機を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、データをバス102上に配置することができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104は、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、随意に、プロセッサ104による実行の前後に、記憶デバイス110上に記憶され得る。
種々の実施形態によると、方法を行うためにプロセッサによって実行されるように構成される命令は、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ソフトウェアを記憶するために、当技術分野において周知のように、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。これは、包括的でもなく、本教示を開示される精密な形態に制限するものでもない。修正および変形例が、前述の教示に照らして可能である、または本教示の実践から取得され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独において、実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向両方のプログラミングシステムによって実装され得る。
(化合物を同定するためのシステムおよび方法)
前述のように、タンデム質量分析または質量分析/質量分析(MSMS)による化合物の同定は、概して、既知の、または実験的に導出された前駆体イオンの質量を必要とする。しかしながら、逐次窓取得(SWATH)等のタンデム質量分析のいくつかの方法では、前駆体イオンの質量が既知ではない場合がある。加えて、既知の、または実験的に導出された前駆体イオンの質量は、分析される試料の中の目的とする化合物の修飾により、目的とする化合物を同定しない場合がある。
種々の実施形態では、既知の、または実験的に導出された前駆体イオンの質量を把握することなく、化合物の同一性が決定される。一実施形態では、1つ以上の生成イオンの一意性に基づいて、同定が決定されることができる。別の実施形態では、生成イオンが前駆体イオンの短縮形態であると仮定することによって、データベース検索が行われることができる。
両方の実施形態では、生成イオンの同一性は、ペプチドを同定することに役立つと仮定される。第1の実施形態では、イオンは、未知の(しかし制限された)m/zの前駆体イオンからの実際の生成イオンであることが仮定される。第2の実施形態では、イオンは(短縮断片の)前駆体イオンであることが仮定される。
(生成イオンに基づく検索)
以下の議論はタンパク質およびペプチドを伴うが、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、他の化合物に使用されることができる(これらの化合物の断片を予測することができる場合)。試料中の推定タンパク質のリストを考慮すると、例えば、タンパク質のペプチド、そして、ペプチドの断片イオンが予測されることができる。
種々の実施形態では、プロテオーム中の推定ペプチドの全ての可能性のある断片または生成イオン質量について、ディクショナリが作成される。ここで、ディクショナリは、組織化された方法でデータを記憶するためにキーを使用する、コンピュータデータ構造である。値が特定のキーを伴って記憶されるため、これらの値のみを読み出すためにキーを使用することができる。この場合、キーは、生成イオンの計算された質量であり、値は、生成イオンの質量を生成することができる全てのペプチド(配列または他の同定子)のリストである。各生成イオン質量について、対応するペプチドおよび/またはタンパク質のリストが、ディクショナリに記憶される。ディクショナリは、例えば、データベースに記憶することができる。次いで、試料は、タンデム質量分析計を使用して分析され、生成イオンスペクトルを生成する。
一実施形態では、ペプチドは、以下によって同定される。
A.生成イオンスペクトルから生成イオンを選択し、ディクショナリから、その生成イオンを生成することができる、可能性があるペプチドのリストを読み出すこと。
B.生成イオンスペクトルから別の生成イオンを選択し、ディクショナリから、その生成イオンを生成することができる、可能性があるペプチドの別のリストを読み出すこと。
C.読み出されたリストを調査し、読み出された全てのリストに共通するペプチドを同定すること。
D.1つだけのペプチドが、読み出されるリストから同定されるまで、ステップB−Cを繰り返すこと。
別の実施形態では、ペプチドは、以下によって同定される。
A.生成イオンスペクトルから生成イオンを選択し、ディクショナリから、その生成イオンを生成することができる、可能性があるペプチドのリストを読み出すこと。
B.リスト上の各ペプチドについて、ペプチドのデータベースを検索することによって、ペプチドが生成するであろう他の生成イオンを予測すること。
C.リスト上の各ペプチドについて、予測された生成イオンを生成イオンスペクトルと比較し、最良合致ペプチドを決定すること。
種々の実施形態では、同定されたペプチドに対応するイオンは、生成イオンスペクトルから除去することができ、同定手順は、選択および断片化され得た追加のペプチドを識別するように繰り返すことができる。
種々の実施形態では、最初に最も特異的な生成イオンを選択することによって、これらの方法の両方の性能を向上させることができる。最も特異的な生成イオンは、例えば、最小数のペプチドの中で出現するものである。最小数のペプチドから始めることは、後続の処理をより高速にする。
最も特異的な質量が、これらの質量を生成することができるペプチドの最短リストを有するであろうため、この情報は、すでに生成イオン質量およびペプチドのディクショナリの中にある。結果として、種々の実施形態では、上記で説明される方法の両方におけるステップAは、以下と置換されることができる。
A.最小数のペプチドを有する生成イオンを生成イオンスペクトルから選択し、その生成イオンを生成することができる、可能性があるペプチドのリストを読み出すこと。
(前駆体イオンであると仮定される生成イオンに基づく検索)
種々の実施形態では、導出された生成イオンスペクトルを使用し、および生成イオンスペクトル内の質量を前駆体イオンとして使用して、検索を行うことも可能である。このアプローチは、前駆体イオンの上方のイオンがyイオンである可能性が高いという観察に依存し、yイオンは、(N末端残基が欠落している)ペプチドの短縮版から観察されるであろう分子イオンに化学的に対応する。したがって、非トリプシンまたは半トリプシンペプチドが検索において許容される場合、これらのスペクトルは、正しいペプチドの非トリプシンまたは半トリプシンペプチド形態として返されるであろう。
ペプチドを同定するために典型的に使用されるデータベース検索エンジンは、通常、ペプチドが「完全トリプシン」であることを仮定する。換言すると、これらの検索エンジンは、ペプチドがアミノ酸KおよびRのC末端側の切断によって生成されることを仮定する。
(タンパク質N末端)−xxxK.ACDEFGHR.xxxxx−(タンパク質C末端)
ここで、ドットは、酵素切断部位を表し、最終的な完全トリプシンペプチドは、ACDEFGHRである。
しかしながら、ほとんどの検索エンジンは、ペプチド端部のうち1つがトリプシン部位に対応しない、すなわち、上記の例では、それらが、ACDEFGH、ACDEFG、ACDEF等(非トリプシンC末端切断)、またはCDEFGHR、DEFGHR、EFGHR等(非トリプシンN末端切断部位)である、「半トリプシン」ペプチドの使用を可能にする。後者の形態は、無傷のペプチドを断片化することによって生成されるyイオンに対応する。
したがって、種々の実施形態では、yイオンの質量が前駆体イオンであるかのように使用され、半トリプシン動作モードが同定される場合に、従来の検索エンジンを使用して、ペプチドを同定することができる。
実際に、多価前駆体イオンを断片化することは、zが削減される場合、より高い質量電荷値(質量分析計によって測定されるようなm/z)を伴うイオンを生成することができ、これらのイオンは、多くの場合、yイオンに対応する。
種々の実施形態では、ペプチドを同定する方法は、以下のように進む。
A.多価イオンの生成イオンスペクトルを考慮して、スペクトル内の最高モノアイソトピックイオン−mmaxを選択する。
B.前駆体イオン質量として、mmaxを承認する検索エンジンに生成イオンスペクトルを送信し、かつ、半トリプシンモードを選択する。
この方法は、イオンがyイオンではない可能性があるため、2または3個のm/z値について行われる。イオンが全てyイオンである場合には、完全トリプシンペプチドの異なる長さの短縮形態が受信されるであろう。
(化合物同定システム)
タンデム質量分析を使用して試料中のタンパク質を同定するための別の従来の方法は、測定された生成イオンスペクトル全体を、予測された生成イオンスペクトルのデータベースと比較することを伴う。既知の、または標的タンパク質の部分配列(またはペプチド)が、配列ライブラリから決定され、予測された生成イオンスペクトルが、コンピュータを使用してペプチドから作成される。次いで、測定された生成イオンスペクトル全体を予測された生成イオンスペクトルと比較することによって、タンデム質量分析を使用して、未知のペプチドが同定される。測定された生成イオンスペクトル全体は、例えば、適合近接性アルゴリズムを使用して、予測された生成イオンと比較される。
典型的には、試料中のタンパク質を同定する、そのような従来の方法では、未知のペプチドについてのある先験的知識が使用される。例えば、予測された生成イオンスペクトルを生成するために、未知のペプチドの既知の質量が使用される。
しかしながら、前述のように、多くの場合、未知のペプチドについての先験的知識は利用可能ではない。結果として、種々の実施形態では、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析データから未知の前駆体イオンを同定するためのシステムおよび方法が開示される。
(生成イオンに基づく検索のためのシステム)
種々の実施形態では、生成イオンスペクトル全体を予測し、それを測定された生成イオンスペクトルと比較する代わりに、1度に1つの生成イオンが予測され、測定された生成イオンスペクトルと比較される。次いで、測定された生成イオンスペクトルに合致した、予測された生成イオンの数に基づいて、未知のペプチドまたは前駆体イオンが同定される。
図2は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するためのシステム200を示す、概略図である。システム200は、タンデム質量分析計210と、プロセッサ220とを含む。
タンデム質量分析計210は、2つ以上の質量分析を行う、1つ以上の物理的質量分析器を含むことができる。タンデム質量分析計の質量分析器として、飛行時間(TOF)、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、またはフーリエ変換質量分析器が挙げられ得るが、それらに限定されない。タンデム質量分析計210はまた、分離デバイス(図示せず)を含むことができる。分離デバイスは、液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ、キャピラリー電気泳動、またはイオン移動度を含むが、それらに限定されない、分離技法を行うことができる。タンデム質量分析計210は、空間または時間において、別個の質量分析段階またはステップを含むことができる。
プロセッサ220は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、またはタンデム質量分析計210から制御信号およびデータを送受信し、データを処理することが可能な任意のデバイスであり得るが、それらに限定されない。プロセッサ220は、タンデム質量分析計210と通信する。
システム200の一実施形態では、タンデム質量分析計210は、試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。前駆体質量対電荷比範囲は、例えば、前駆体質量窓である。種々の実施形態では、タンデム質量分析計210は、SWATHを使用して試料を分析する。タンデム質量分析計210は、例えば、質量範囲を2つ以上の前駆体質量窓に分割する。次いで、タンデム質量分析計210は、2つ以上の質量窓の各前駆体質量窓を断片化し、各前駆体質量窓に対する測定された生成イオンスペクトルを生成する。
プロセッサ220は、タンデム質量分析計210から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信する。プロセッサ220は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。サブセットは、例えば、他のイオンから未知の前駆体イオンを同定するために十分大きい数の生成イオンを含む。サブセットのために選択される生成イオンの例示的な数は、30である。
プロセッサ220は、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストを作成する。例えば、スコアは、候補化合物が、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つの測定された生成イオンに合致する回数のカウントであり得る。プロセッサ220は、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物のディクショナリを検索することによってリストを作成する。ディクショナリは、潜在的化合物の各々に対する1つ以上の予測された生成イオンを含む。プロセッサ220は、同定された化合物として、リストから候補化合物を選択する。例えば、最高スコアを伴う候補化合物が、同定された化合物として選択される。
種々の実施形態では、試料は、タンパク質またはペプチドを含み、同定される化合物は、ペプチドである。例えば、測定された生成イオンスペクトルは、ペプチド断片を含み、潜在的化合物のディクショナリは、タンパク質に対する予測されたペプチドを含み、潜在的化合物の各々に対する1つ以上の予測された生成イオンは、ペプチドの1つ以上の断片を含み、候補化合物のリストは、候補ペプチドを含む。
種々の実施形態では、試料は、タンパク質以外の化合物を含む。例えば、試料は、糖、脂質、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、または生成イオンを予測することができる任意の化合物を含む。
種々の実施形態では、測定された生成イオンのサブセットを選択するために、フィルタリングが測定された生成イオンスペクトルに行われる。例えば、プロセッサ220は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、測定された生成イオンのサブセットを選択することができる。代替として、または任意の先行例と組み合わせて、プロセッサ220は、最小数の潜在的化合物において発生すると予測される測定された生成イオンを選択することによって、測定された生成イオンのサブセットを選択することができる。代替として、または任意の先行例と組み合わせて、プロセッサ220は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、閾値より大きい質量対電荷比(m/z)を伴ういくつかの測定された生成イオンを選択することによって、測定された生成イオンのサブセットを選択することができる。
種々の実施形態では、プロセッサ220は、測定された生成イオンのサブセットからの1つの測定された生成イオンに合致する潜在的化合物について、ディクショナリを検索することによって、候補化合物のリストを作成する。次いで、サブセットの中の残りの測定された生成イオンは、測定された生成イオンのサブセットと共通した最も多くの生成イオンを有する候補化合物を決定するために、リスト上の候補化合物と比較される。
例えば、プロセッサ220は、測定された生成イオンのサブセットから第1の生成イオンを選択する。プロセッサ220は、第1の生成イオンに合致する、予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物のディクショナリを検索し、複数の合致する潜在的化合物を生成する。プロセッサ220は、合致する潜在的化合物を候補化合物のリストに追加し、リスト上の各候補化合物に初期スコアを提供する。測定された生成イオンのサブセットからの各残りの測定された生成イオンについて、プロセッサ220は、それぞれの残りの生成イオンをリスト上の各候補化合物の予測された生成イオンと反復して比較し、含まれている予測された生成イオンが各残りの測定された生成イオンに合致する場合、各候補化合物のスコアを増加させる。
種々の実施形態では、プロセッサ220は、選択されたサブセットからの各測定された生成イオンを用いてディクショナリを繰り返し検索することによって、候補化合物のリストを作成する。測定された生成イオンに合致する候補化合物が見出される場合、それは、まだリスト上になければ候補リストに追加される。測定された生成イオンに合致する候補化合物がすでにリスト上にある場合、そのスコアが増加させられる。
例えば、測定された生成イオンのサブセットからの各々の測定された生成イオンについて、プロセッサ220は、測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物のディクショナリを検索する。潜在的化合物が、測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む場合、プロセッサ220は、合致する潜在的化合物がまだリスト上になければ、初期スコアとともに合致する潜在的化合物を候補化合物のリストに追加する。プロセッサ220は、合致する潜在的化合物がすでにリスト上にあれば、合致する潜在的化合物のスコアをインクリメントする。
種々の実施形態では、プロセッサ220はさらに、同定された化合物が修飾形態であるかどうかを決定する。例えば、プロセッサ220は、同定された化合物を前駆体質量対電荷比(m/z)範囲と比較する。同定された化合物m/zが前駆体m/z範囲で見出されない場合、プロセッサ220は、同定された化合物が修飾形態であることを決定する。
種々の実施形態では、同定された化合物の未修飾形態が、修飾形態から見出される。例えば、プロセッサ220は、修飾のリストを分析し、修飾型の同定された化合物のm/zを前駆体m/z範囲内に入れる修飾を決定する。修飾のリストは、例えば、化合物の修飾のデータベースから見出される。
種々の実施形態では、試料が混合物である場合、プロセッサ220はさらに、第1の化合物が同定された後に、試料から1つ以上の追加の化合物を同定する。例えば、プロセッサ220はさらに、測定された生成イオンスペクトルから同定された化合物の予測された生成イオンを差し引く。プロセッサ220は、現在、候補化合物のリスト上にある、全ての候補化合物を除去する。次いで、プロセッサ220は、測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンの新しいサブセットを選択する。プロセッサ220は、測定された生成イオンの候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物の新しいリストを作成する。プロセッサ220は、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、リストを作成する。プロセッサ220は、第2の同定された化合物として、リスト上の候補化合物を同定する。
(ペプチドの短縮形態に対応すると仮定される生成イオンに基づく検索のためのシステム)
種々の実施形態では、同定される化合物は、ペプチドであり、測定された生成イオンは、ペプチドの修飾であると仮定される。修飾は、例えば、同一のC末端を伴う短縮ペプチドを生成する、N末端の切断であり得る。
図2のシステム200の別の実施形態では、タンデム質量分析計210はまた、試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。加えて、プロセッサ220はまた、タンデム質量分析計210から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信し、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンスペクトルのサブセットを選択する。
しかしながら、プロセッサ220はさらに、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体m/z範囲より大きいm/zを伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。次いで、プロセッサ220は、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する、非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索する。最終的に、プロセッサ220は、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを同定されたペプチドとして選択する。
種々の実施形態では、試料が混合物である場合、プロセッサ220はさらに、第1の化合物が同定された後に、試料から1つ以上の追加の化合物を同定する。例えば、プロセッサ220は、測定された生成イオンスペクトルから同定されたペプチドの予測された生成イオンを差し引く。次いで、プロセッサ220は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体m/z範囲より大きいm/zを伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンの新しいサブセットを選択する。次いで、プロセッサ220は、測定された生成イオンの新しいサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する、非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索する。最終的に、プロセッサ220は、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを第2の同定されたペプチドとして選択する。
(化合物同定方法)
(生成イオンに基づく検索のための方法)
図3は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法300を示す、例示的流れ図である。
方法300のステップ310では、タンデム質量分析計を使用して、試料が分析され、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。
ステップ320では、プロセッサを使用して、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルが、タンデム質量分析計から受信される。
ステップ330では、プロセッサを使用して、測定された生成イオンのサブセットが、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから選択される。
ステップ340では、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、プロセッサを使用して、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストが作成される。
ステップ350では、プロセッサを使用して、リスト上の候補化合物が、同定された化合物として選択される。
(ペプチドの短縮形態に対応すると仮定される生成イオンに基づく検索のための方法)
図4は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定する方法400を示す、例示的流れ図である。
方法400のステップ410では、タンデム質量分析計を使用して、試料が分析され、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成する。
ステップ420では、プロセッサを使用して、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルが、タンデム質量分析計から受信される。
ステップ430では、プロセッサを使用して、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、測定された生成イオンのサブセットが、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから選択される。
ステップ440では、プロセッサを使用して、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する、非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースが検索される。
ステップ450では、プロセッサを使用して、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドが同定されたペプチドとして選択される。
(化合物同定コンピュータプログラム製品)
(生成イオンに基づく検索のためのコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、前記記憶媒体のコンテンツは、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法を行うよう、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含む。本方法は、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含むシステムによって行われる。
図5は、種々の実施形態による、いかなる先験的前駆体イオン情報も使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定する方法を行う、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを含む、システム500の概略図である。システム500は、測定モジュール510と、同定モジュール520とを含む。
(生成イオンに基づく検索のためのコンピュータプログラム製品)
図5に示されるシステム500の一実施形態では、測定モジュール510は、試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを、タンデム質量分析計から受信する。同定モジュール520は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。同定モジュール520は、候補化合物の各々に対するスコアを含む、候補化合物のリストを作成する。同定モジュール520は、測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、リストを作成する。同定モジュール520は、同定された化合物として、リストから候補化合物を選択する。
(ペプチドの短縮形態に対応すると仮定される生成イオンに基づく検索のためのコンピュータプログラム製品)
図5に示されるシステム500の別の実施形態では、測定モジュール510は、試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを、タンデム質量分析計から受信する。同定モジュール520は、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択する。同定モジュール520は、測定された生成イオンのサブセットを検索のための前駆体イオンとして指定する、非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索する。同定モジュール520は、検索結果から、前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する全長トリプシンペプチドを同定されたペプチドとして選択する。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示が、そのような実施形態に制限されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態の説明において、本明細書は、ステップの特定のシーケンスとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない程度において、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに制限されるべきではない。当業者が理解するであろうように、ステップの他のシーケンスも可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する制限として解釈されるべきでない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、そのステップの実施を書かれた順序に制限されるべきではなく、当業者は、シーケンスが、変動され得、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内にあることを容易に理解することができる。

Claims (20)

  1. 前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するためのシステムであって、
    試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計と、
    前記タンデム質量分析計と通信するプロセッサと
    を備え、
    前記プロセッサは、
    (a)前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信し、
    (b)前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択し、
    (c)前記測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成し、
    (d)同定された化合物として、前記リストから候補化合物を選択する、システム。
  2. 前記測定された生成イオンスペクトルは、ペプチド断片を含み、潜在的化合物の前記ディクショナリは、タンパク質に対する予測されたペプチドを含み、前記潜在的化合物の各々に対する前記1つ以上の予測された生成イオンは、ペプチドの1つ以上の断片を含み、前記候補化合物のリストは、候補ペプチドを含み、前記同定された化合物は、同定されたペプチドを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記潜在的化合物は、生成イオンを予測することができる、糖、脂質、DNA、RNA、または任意の化合物を含む、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記プロセッサは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記プロセッサは、最小数の潜在的化合物において発生すると予測される測定された生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、閾値より大きい質量対電荷比(m/z)を伴ういくつかの測定された生成イオンを選択することによって、前記測定された生成イオンのサブセットを選択する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記プロセッサは、
    測定された生成イオンのサブセットから第1の生成イオンを選択することと、
    前記第1の生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物の前記ディクショナリを検索し、複数の合致する潜在的化合物を生成することと、
    前記合致する潜在的化合物を前記候補化合物のリストに追加し、前記リスト上の各候補化合物に初期スコアを提供することと、
    前記測定された生成イオンのサブセットからの各残りの測定された生成イオンについて、前記各残りの測定された生成イオンを、前記リスト上の各候補化合物の予測された生成イオンと比較し、含まれている予測された生成イオンが前記各残りの測定された生成イオンに合致する場合、前記各候補化合物の前記スコアを増加させることと
    によって、前記候補化合物のリストを作成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記プロセッサは、
    前記測定された生成イオンのサブセットからの各測定された生成イオンについて、前記各測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む潜在的化合物について、潜在的化合物の前記ディクショナリを検索することと、
    潜在的化合物が、前記各測定された生成イオンに合致する予測された生成イオンを含む場合、前記合致する潜在的化合物が前記リスト上になければ、初期スコアとともに前記合致する潜在的化合物を前記候補化合物のリストに追加し、前記合致する潜在的化合物がすでに前記リスト上にあれば、前記合致する潜在的化合物の前記スコアを増加させることと
    によって、前記候補化合物のリストを作成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記タンデム質量分析計は、
    質量範囲を2つ以上の前駆体質量窓に分割することと、
    前記2つ以上の質量窓の各前駆体質量窓を断片化し、各前駆体質量窓に対する測定された生成イオンスペクトルを生成することと
    によって、試料を分析する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記プロセッサはさらに、
    前記同定された化合物を前記範囲と比較し、
    前記同定された化合物質量対電荷比(m/z)が前記前駆体質量対電荷比範囲内で見出されない場合、前記同定された化合物が修飾形態であると決定する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記プロセッサはさらに、修飾のリストを分析し、前記修飾型の同定された化合物の前記質量対電荷比を前記範囲内に入れる修飾を決定する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記プロセッサはさらに、
    前記測定された生成イオンスペクトルから前記同定された化合物の潜在的化合物を差し引き、
    現在前記リスト上にある全ての候補化合物を除去し、
    前記試料中の別の化合物を同定するために、ステップ(b)〜(d)を再度実行する、請求項1に記載のシステム。
  13. 前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するための方法であって、
    タンデム質量分析計を使用して試料を分析し、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成することと、
    プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信することと、
    前記プロセッサを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
    前記プロセッサを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを使用して潜在的化合物の各々について1つ以上の予測された生成イオンを含む前記潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成することと、
    前記プロセッサを使用して、前記同定された化合物として、前記リスト上の候補化合物を選択することと
    を含む、方法。
  14. 前記選択するステップは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記選択するステップは、最小数の潜在的化合物において発生すると予測される選択された生成イオンを選択することを含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記選択するステップは、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、閾値より大きい質量対電荷比(m/z)を伴ういくつかの測定された生成イオンを選択することを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、命令を含み、前記命令は、プロセッサ上で実行されると、前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、タンデム質量分析生成イオンから化合物を同定するための方法を実行し、
    前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、前記個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと同定モジュールとを備えている、ことと、
    前記測定モジュールを使用して試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信することと、
    前記同定モジュールを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
    前記測定された生成イオンのサブセットを使用して、潜在的化合物の各々について、1つ以上の予測された生成イオンを含む前記潜在的化合物のディクショナリを検索することによって、前記同定モジュールを使用して、候補化合物の各々に対するスコアを含む前記候補化合物のリストを作成することと、
    前記同定モジュールを使用して、前記同定された化合物として、前記リスト上の候補化合物を選択することと
    を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  18. 前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定するためのシステムであって、
    試料を分析して、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計と、
    前記タンデム質量分析計と通信するプロセッサと
    を備え、
    前記プロセッサは、
    (a)前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信し、
    (b)前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択し、
    (c)前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索し、
    (d)検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する完全トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして、選択する、システム。
  19. 前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定するための方法であって、
    タンデム質量分析計を使用して試料を分析し、前駆体質量対電荷比範囲から少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを生成することと、
    プロセッサを使用して、前記タンデム質量分析計から前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルを受信することと、
    前記プロセッサを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
    前記プロセッサを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索することと、
    前記プロセッサを使用して、検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する完全トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして選択することと
    を含む、方法。
  20. プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、命令を含み、前記命令は、プロセッサ上で実行されると、前駆体イオンの質量に対応する情報を使用することなく、ペプチドの短縮形態に対応すると仮定されるタンデム質量分析生成イオンからのペプチドを同定するための方法を実行し、
    前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の個別のソフトウェアモジュールを備え、前記個別のソフトウェアモジュールは、測定モジュールと同定モジュールとを備えている、ことと、
    前記測定モジュールを使用して試料を分析することによって生成される前駆体質量対電荷比範囲からの少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルをタンデム質量分析計から受信することと、
    前記同定モジュールを使用して、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから、最高強度を伴い、かつ前記前駆体質量対電荷比範囲より大きい質量対電荷比を伴ういくつかの測定されたモノアイソトピック生成イオンを選択することによって、前記少なくとも1つの測定された生成イオンスペクトルから測定された生成イオンのサブセットを選択することと、
    前記同定モジュールを使用して、前記測定された生成イオンのサブセットを検索のための前記前駆体イオンとして指定する非トリプシンまたは半トリプシンモードで、タンパク質データベースを検索することと、
    前記同定モジュールを使用して、検索結果から、前記前駆体質量対電荷比範囲内の質量対電荷比と、前記測定された生成イオンのサブセットのうちの1つに合致する質量対電荷比を伴う非トリプシンまたは半トリプシン形態とを有する完全トリプシンペプチドを前記同定されたペプチドとして選択することと
    を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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