JP6360895B2 - 多価シアル酸誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規多価シアル酸誘導体、そのような誘導体を含む医薬組成物、ならびに、流行性角結膜炎(EKC)、および細胞表面上に存在する末端シアル残基と結合するウイルスによって引き起こされる他の眼疾患を、そのような化合物の使用によって治療するまたは予防する方法に関する。
ヒトアデノウイルス(HAdV:s)は、哺乳類アデノウイルス属(Mastadenovirus)に属し、一般的に遭遇する感染因子である。ヒトにおいて、アデノウイルスは、結膜炎および流行性角結膜炎(EKC)等の眼疾患を含む種々の臨床症状に関連している。
これまでのところ、残念なことに、アデノウイルス感染の治療に利用可能な特異的な抗ウイルス薬はない。アデノウイルスは偏性細胞内寄生体であり、これはしたがって、アデノウイルスが細胞の複製機構に完全に依存していることを示している。したがって、抗ウイルス性化合物によるアデノウイルス複製の選択的阻害は、宿主細胞の必須機能の一部も改変され得ることから、実現することが非常に困難である。しかしながら、今日の抗ウイルス薬研究における1つのアプローチは、ウイルスが細胞に結合して細胞に侵入することが不可能になるようにウイルスの細胞受容体を遮断することにある。流行性角結膜炎(EKC)の治療において使用するためのそのような遮断に基づく薬物は記録されていない。
アデノウイルスは自然界に偏在しており、したがって、未だに新たなセロタイプが発見されている。このように最初のHAdV:sの単離から約60年で、7つの種(A〜G)にグループ分けされる、50を超える新たなセロタイプが同定されている。
EKCは、毎年数百万人の個人がかかる、重度かつ伝染性の高い眼感染である。EKCの原因となるアデノウイルスセロタイプの中で、HAdV−8、HAdV−19およびHAdV−37が依然として感染の主な原因因子であるが、最近、HAdV−53、HAdV−54およびHAdV−56も新規EKC誘発型として出現した。随伴症状は、角膜炎、結膜炎、浮腫、疼痛、流涙、偽膜の形成および視力減退である。これらのウイルスは接触(例えば、手から眼への接触)によって広がるため、EKCは、人口密集地域において、および衛生予防措置が不十分な病棟において頻出する。感染は、一般的に最大2週間にわたって持続するが、一部の患者は、数か月、数年またはさらには永久に、視力機能障害に罹患し続ける。
ウイルスのライフサイクルは、角膜および/または結膜内の上皮細胞上に位置するシアル酸含有グリカンへの、アデノウイルスのホモ三量体ファイバーノブを介する結合によって始まる。ファイバーノブは、アデノウイルスビリオンから突出している12本のファイバーのそれぞれの最遠位部に位置しており、糖質認識ドメインを保持する。最近になって、GD1aガングリオシドにおけるグリカンに対応するグリカンを持つ糖タンパク質が、EKC誘発アデノウイルスによる眼細胞の感染のための機能的受容体として証拠付けられた。HAdV−37−GD1a複合体の結晶構造は、GD1aグリカンの2本の分枝のそれぞれ上に位置する末端シアル酸残基が、HAdV−37ファイバーノブの頂部にある3つの糖質認識部位のうち2つに収容されていることを示した。
故に、天然または合成シアル酸誘導体によるアデノウイルスの阻害は、ビリオンが、新たな細胞と結合し、その中に侵入し、感染するのを防止し得る(中でも、WO01/037846を参照)。結果として、感染は限定されるであろう。EKCの事例において重要なことに、とりわけ、迅速な血清クリアランスおよび乏しい細胞取り込みを含む糖質ベースの薬物の乏しい薬理学的特性は、局所モードの投与(例えば、クリーム剤、軟膏剤、点眼剤)の使用によって避けることができる。
WO01/037846は、アデノウイルス感染および特に眼性アデノウイルス感染、例えば角結膜炎が、治療有効量の、シアル酸等、ウイルスとシアル酸受容体との間の相互作用を妨げる物質の投与によって、治療または緩和され得ることを開示している。残念なことに、糖質とタンパク質との間の弱い相互作用は、薬物としての糖質の使用を限定する。
前記限定を克服する試みが、グリココンジュゲートを、ヒト血清アルブミンに連結したいくつかのシアル酸誘導体(SA−HSA:sialic acid derivatives linked to human serum albumin)とともに使用することによって為された。しかしながら、そのような多価グリココンジュゲートは、いくつかの理由で医薬品として好適ではない。SA−HSAの正確な構造および組成は、異なる分子間で変動するであろう。したがって、SA−HSAは、構造的に定義することが難しいある種の構造を表す。さらに、SA−HSA誘導体の組成は、同じ様式で製造された場合であっても、異なるバッチ間で変動するであろう。安全および調節の観点から、これは著しい欠点である。加えて、ヒト血漿に由来するタンパク質、すなわちHSAの使用は、主要な不利点である。HSAの起源は、HSAに基づくより多量の医薬品を製造することを難しくしている。さらに、ウイルスまたはプリオン等の感染因子による汚染は、ヒト血漿由来のHSAにおいて排除されないことがある。したがって、HSAに基づく製品は医薬製品として好適ではなく、多価代替物が非常に望ましいであろう。
WO2011/003876において、水溶液中で多価凝集体を形成する新規両親媒性シアル酸誘導体が開示されている。凝集体は、SA−HSAに関連する欠点を克服し、それにより、EKCを治療するのに有用であることが開示されている。そのような誘導体のさらなる態様は、Aplanderらにより、J.Med.Chem.2011、54、6670において開示されている。
さらに、ヒト角膜上皮(HCE)細胞のHAdV−37感染に対する、共有結合している多価で効率的なシアル酸ベースの阻害剤が当技術分野において報告されている(Spjutら、Angew.Chem.Int.編、2011、50、6519;Johanssonら、Chembiochem 2005、6、358;およびJohanssonら、Antivir.Res.2007、73、92を参照)。一価シアル酸誘導体の比較的低い有効性を回避するために、著者らは、HAdV−37ファイバーノブにおける三量体結合部位を利用した。1つのノブ当たり1つを超える糖質認識ドメインと同時に結合することができる三価および四価シアル酸誘導体の使用は、Spjutらによって開示されている通り、一価シアル酸化合物と比較して阻害能を大幅に改善した。
例えば、ME0322と表示される化合物は、スクアリン酸がシアル酸を中央コアユニットと連結させるために使用される合成三価シアル酸誘導体であり、天然シアル酸単糖よりも4桁大きく強力であると報告された。さらに、ME0322は、ファイバーノブへのウイルスの結合を防止する上で、17価シアル酸−HSAコンジュゲートと同程度に有効であった。興味深いことに、ME0322は、HAdV−37によるヒト角膜上皮(HCE)細胞の感染を阻害する上で、HSA−コンジュゲートよりもはるかに強力であることが分かった。
前記化合物は確かに興味深い特性を示すが、ヒト角膜上皮(HCE)細胞へのHAdV−37ビリオンの結合を防止する観点から、さらに一層改善された効能を有する多価シアル酸誘導体を提供することは、依然として有用であろう。
故に、当技術分野において、ヒト角膜上皮(HCE)細胞へのHAdV−37ビリオンの結合を防止する上で高い有効性を見せる、低分子、多価シアル酸誘導体が依然として必要である。そのような誘導体は、EKCを治療および予防するのに有用である。
よって、本発明は、三価または四価シアル酸誘導体を提供することによって、当技術分野における上で特定した欠陥および不利点の1つまたは複数を、単独でまたは任意の組合せで、軽減、緩和、解消または回避しようと努めるものであり、前記誘導体は、式AまたはBによる3つまたは4つの基が結合しているコア部分
[式中、
「X」は、O(酸素)、NHまたはS(硫黄)であり、
R1は、C1〜3アルキル、フェニル、OC1〜2アルキル、CF3またはNHC1〜2アルキルであり、
整数「n1」は2から8であり、
整数「n2」は1から8であり、
波線はコア部分との結合点を示す]
を、遊離塩基、その非荷電プロトン化形態の酸、両性イオン、薬学的に許容される付加塩、溶媒和物、またはその塩の溶媒和物として含む。
本発明の態様によれば:
「X」はO(酸素)であってよく;R1はメチルであってよく、整数「n1」は2から3であってよく;前記基は式Aによる基であってよく;かつ/または前記誘導体のその遊離形態での分子量は1,500Da以下であるか;あるいは
「X」はO(酸素)であってよく;R1はメチルであってよく、整数「n2」は、1、2または3であってよく;前記基は式Bによる基であってよく;かつ/または前記誘導体のその遊離形態での分子量は1,500Da以下である。
さらに、前記コア部分は、式IからV
[式中、
部分Iと結合している基は式Aによる基であり、
部分IIへの基が式Aによる基であるならば、式II中の整数「m1」は1から8であり、
部分IIと結合している基が式Bによる基であるならば、式II中の整数「m1」は2から8であり、
整数「m2」は1から8であり、
波線は、式AまたはBによる基との結合点を示す]
のいずれか1つによる部分であってよい。
別の態様によれば、本明細書において上述した種類のシアル酸誘導体と、少なくとも1つの薬学的な(pharmaceutical)許容される添加剤とを含む、眼への投与用の医薬組成物が提供される。医薬組成物は、0.01から1mM等、0.001から10mMのシアル酸誘導体を含む水性組成物であってよい。そのような水性組成物中における水分含有量は、少なくとも90wt%であってよい。さらにそのような水性組成物は、等張溶液となるようにグリセロール等の作用剤を含んでよい。
別の態様によれば、本明細書において上述したシアル酸誘導体またはそのような誘導体を含む医薬組成物は、療法において使用するためのものである。
別の態様によれば、本明細書において上述したシアル酸誘導体またはそのような誘導体を含む医薬組成物は、ウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染の治療および/または予防において使用するためのものである。感染は、HAdV−8、HAdV−19、HAdV−37、HAdV−53、HAdV−54およびHAdV−56からなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる感染であってよい。さらに、感染は流行性角結膜炎であってよい。
さらに、本発明の種々の実施形態の有利な特色が、従属請求項において、および以下の詳細な説明内で定義される。
HCE細胞とのHAdV−37の結合および該細胞の感染に対する三価シアル酸誘導体のセットの効果−異なる濃度の阻害剤の存在下でのビリオン結合を示す図である(データは、阻害剤の非存在下で得られた値であるコントロールの%として提示される)。 HCE細胞とのHAdV−37の結合および該細胞の感染に対する三価シアル酸誘導体のセットの効果−異なる濃度の阻害剤での感染を示す図である(データは、阻害剤の非存在下で得られた値であるコントロールの%として提示される)。
本明細書において使用される場合、用語「付加塩」は、有機もしくは無機酸等の薬学的な許容される酸、または薬学的な許容される塩基の付加によって形成された塩を意味するように意図されている。有機酸は、酢酸、プロパン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸またはマレイン酸であってよいがこれらに限定されない。無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸であってよいがこれらに限定されない。塩基は、アンモニアおよびアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物であってよいがこれらに限定されない。用語「付加塩」は、水和物およびアルコラート等の水和物および溶媒付加形態も含む。
本明細書において使用される場合、単独でまたは接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むように意図されている。例えば、「C1〜6アルキル」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルを表示する。
化合物
ME0322と表示される三価シアル酸誘導体(以下を参照)は、HAdV−37ヒト角膜上皮細胞の結合を阻害することが当技術分野で公知であり、3つの主要な要素、コア部分、シアル酸残基、ならびにコア部分およびシアル酸残基を接続するリンカーを有する。リンカー中に、スクアリン酸に基づくカップリング残基が存在する。三価シアル酸誘導体ME0322は、ファイバーノブの3つすべてのシアル酸結合部位との相互作用を同時に可能にするように十分な柔軟性をもたらすような様式で設計された。一見したところ、HAdV−37ファイバーヘッドおよびME0322の複合体の分解結晶構造は、化合物が確かに3つすべてのシアル酸結合部位と同時に結合できることを裏付けるものであり、これにより、リンカーによってもたらされた柔軟性が十分であることを裏付けられる。
スクアリン酸残基を別のカップリング残基と置きかえること、HAdV−37ファイバーノブにおける糖質認識部位との追加の接触を確立するための手段を提供することは、結合親和性を潜在的にさらに一層増大させると推測された。驚くべきことに、本発明者らは、ME0322中に存在するようなスクアリン酸カップリング残基をトリアゾール酸カップリング残基と置きかえることが、ヒト角膜上皮細胞へのHAdV−37の結合を防止するための効能が増大した多価シアル酸誘導体を確かにもたらすことも裏付けた。
故に、ある実施形態は、三価または四価シアル酸誘導体であって、式AまたはBによる3つまたは4つの基が結合しているコア部分
[式中、
「X」は、O(酸素)、NHまたはS(硫黄)であり、
R1は、C1〜3アルキル、フェニル、OC1〜2アルキル、CF3またはNHC1〜2アルキルであり、
整数「n1」は2から8であり、
整数「n2」は1から8であり、
波線はコア部分との結合点を示す]
を含む、前記誘導体に関する。
そのような化合物は、遊離塩基として、その非荷電プロトン化形態の酸として、薬学的に許容される付加塩として、溶媒和物として、または薬学的に許容される付加塩の溶媒和物として存在し得る。化合物は、アルカリ性トリアゾール残基および酸性カルボン酸部分を含むため、両性イオンとして存在してもよい。さらに、前記化合物は、純粋な立体異性体として、または前記化合物を含む、ラセミ、ジアステレオマー、スケールミックもしくはアノマー混合物中に存在し得る。好ましくは、前記化合物は、純粋な立体異性体として、またはアノマー混合物として存在する。
アノマー混合物中に存在する場合、α−アノマーが優勢であるならば好ましい。したがって、化合物の90%、95%、99%超、またはさらに99,9%超等、75%以上がα−アノマーとして存在するならば好ましい。対応するβ−アノマーを以下に描写する。
N−およびS−グリコシドも興味深いが、O−グリコシドが好ましい。故に、式AおよびB中の「X」は、ある実施形態によれば「O」(酸素)である。
本発明のHSA誘導体と多少関連している以前のものについて、R1は、HAdV−37ファイバーノブの糖質認識部位に対する親和性を有する化合物においてはメチルに制限されないことが以前に示されている(Johanssonら、J.Med.Chem.2009、52、366)。しかしながら、本明細書において開示されている三価または四価シアル酸誘導体におけるR1はメチルに制限されないが、R1がメチルならば好ましい。
本明細書において開示されている三価または四価シアル酸誘導体において、シアル酸残基は、アルキレンを介してトリアゾール残基と結合している。アルキレンが好ましいが、アルキレンを、例えば短鎖PEGリンカーまたはシクロプロピル等のシクロアルキル部分を含むリンカーと置きかえることを想定することもできる。アルキレンは、種々の長さのもの、すなわち、式Aによる基を含む三価または四価シアル酸誘導体ではエチレンからオクチレン、および式Bによる基を含む三価または四価シアル酸誘導体ではメチレンからオクチレンであってよい。しかしながら、アルキレンがエチレンまたはプロピレンであるならば好ましい。故に、整数「n1」が、式Aによる基を含む三価または四価シアル酸誘導体においては2または3であれば好ましい。同様に、整数「n2」が、式Bによる基を含む三価または四価シアル酸誘導体においては、1、2または3であれば好ましい。
本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、アジド基を含むシアル酸残基を、エチン基を含むコア部分と、銅(cupper)(I)触媒アジド−アルキンヒュスゲン環化付加においてカップリングさせることによって得ることができる(さらに以下の実験詳細を参照)。同様に、エチン基を含むシアル酸残基を、アジド基を含むコア部分と、銅(I)の存在下でカップリングしてよい。ある実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、式Aによる基を含む。別の実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、式Bによる基を含む。一見したところ、式Bによる基を含む化合物は、少なくともある特定のリンカー長を持つ、式Aによる基を含む化合物よりも、多少強力であり得る。
トリプロパルギルアミンおよびトリス(2−アジドエチル)アミンは、それぞれ、HAdV−37ファイバーノブにおける糖質認識部位に対する親和性が増大した三価または四価シアル酸誘導体を得る際にコア部分として有用であることが分かったが、本発明は、この種類の三価コア部分のみに限定されるわけでは決してない。3つまたは4つのエチンまたはアジド基を含む、他の小分子、構造的に明確に定義された化合物を、シアル酸残基と、銅(I)の存在下でカップリングして、三価または四価シアル酸誘導体を得てもよい。
ある実施形態によれば、三価または四価シアル酸誘導体のその遊離形態での分子量は、2,000以下、または1,500Da以下等、2,500Da以下である。ファイバーノブの3つのシアル酸結合部位は互いにかなり近くに(すなわち、およそ10Å)位置するため、三価または四価シアル酸誘導体のシアル酸残基の間隔が離れすぎていないならば好ましい。さらに、柔軟性がありすぎるコア部分またはシアル酸残基間の大きすぎる距離は、ファイバーノブへの誘導体の結合に悪影響を及ぼし得る。小さくより硬い誘導体は、ファイバーノブタンパク質と結合する際により少ないエントロピー損失ももたらし、故に、効能改善に寄与する。
既に説明した通り、コア部分は種々の種類のものであってよい。ある実施形態によれば、コア部分は、式IからV
[式中、
部分Iと結合している式AまたはBによる基は、式Aによる基であり、
部分IIと結合している式AまたはBによる基が式Aによる基であるならば、式II中の整数「m1」は1から8であり、
部分IIと結合している式AまたはBによる基が式Bによる基であるならば、式II中の整数「m1」は2から8であり、
整数「m2」は1から8であり、
波線は、式AまたはBによる基との結合点を示す]
のいずれか1つによる部分である。
コア部分の正確な性質は結合親和性にとってあまり重要ではないが、いずれにせよ、コア部分が式IIによる部分であるならば好ましいことが分かっている。さらに、好ましくは、整数「m1」は1から3であり、整数「m2」は1から3である。さらに、部分IIと結合している式AまたはBによる基は、ある実施形態によれば、式Aによる基である。別の実施形態によれば、それらは式Bによる基である。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、式Aによる基を含み、
トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
トリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;および
トリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン
からなる群から選択される。
そのような実施形態によれば、三価または四価シアル酸誘導体が、トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン、すなわち
であるならば好ましい。
別の実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、式Bによる基を含み、
トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン;
トリス((4−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン;
トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン;および
トリス((4−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン
からなる群から選択される。
そのような実施形態によれば、三価または四価シアル酸誘導体が、トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン、すなわち
であるならば好ましい。
医薬組成物
本発明の別の実施形態は、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体を含む医薬組成物、例えば、EKCの治療および/または予防用の医薬に関する。そのような医薬組成物は、担体、賦形剤および/または安定剤等の薬学的に許容される添加剤をさらに含んでよい。適用可能な調節に応じて、医薬組成物は、眼における感染の治療または予防のための、医薬品として、または医療デバイスとしてのいずれかに分類され得る。組成物が本明細書において医薬組成物と称されるという事実だけで、医療デバイスとしての組成物の登録を除外するものと解釈すべきではない。三価または四価シアル酸誘導体のウイルス結合特性は、例えば、レンズ溶液の形態で等、コンタクトレンズの汚染を防止するためにも使用され得ることを暗示している。
この文脈では、「薬学的に許容される」は、用いられる投薬量および濃度で、それが投与される対象においていかなる望ましくない効果も引き起こさない添加剤を意味する。そのような薬学的に許容される添加剤は、当技術分野において周知である。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りのそのような医薬組成物は、眼への投与に好適な医薬組成物である。限定されないが、眼への投与に好適な医薬組成物の典型的な例は、点眼剤、軟膏剤、スプレー剤、包帯剤およびゲル剤を含む。
眼への投与に好適な医薬組成物は、水性組成物であってよい。そのような水性組成物は、90から99.9、95から99、または95から98wt%の水等、90wt%の水またはそれ以上の水分含有量を有し得る。さらに、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体を含む水性組成物は、0.01から1mM等、0.001から10mMの三価または四価シアル酸誘導体を含み得る。
さらに、水性組成物は、等張溶液となるように作用剤を含んでよい。したがって、水性組成物は、塩化ナトリウム、グリセロール、ポリエチレングリコール、単糖、例えばグルコースおよびマンニトール、ならびに二糖、例えばスクロース等の糖からなる群から選択される作用剤を含んでよい。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、塩化ナトリウム等の電解質を含む水性組成物である。好ましくは、電解質の含有量は、塩化ナトリウムについては約0.9wt%等、等浸透圧濃度の近くであるべきである。
別の実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、グリセロールを含む水性組成物である。グリセロールの含有量は、2.3から2.3または2.5から2.7wt%等、2から3wt%であってよい。好ましくは、前記含有量は、約2.6wt%等、等浸透圧濃度の近くであるべきである。
さらに、生理学的pHに近いpHを有する組成物を提供するために、医薬組成物のpHを調整することに興味を持たれ得る。故に、一実施形態による医薬組成物は、約6.5から8のpHを有する水性医薬組成物である。好ましくは、前記pHは、約7.2から7.8等、生理学的pHにより近い。
本明細書において開示されている三価または四価シアル酸誘導体は、酸性カルボン酸部分、およびトリアゾール部分を含むアルカリ性部分を含むため、医薬組成物は、pHを所望のレベルに調整するために、薬学的な許容される酸および/または塩基を含んでよい。また、医薬組成物は緩衝化されていてもよい。緩衝化されている医薬組成物は、典型的には、HCO3 -/CO3 2-またはH2PO4 -/HPO4 2-等の緩衝種を含む。さらに、緩衝化されている医薬組成物は、ホウ酸塩緩衝化されていてよい。
別の実施形態によれば、医薬組成物のpHは、約5から7等、生理学的pHよりもわずかに低い。酸性、すなわち7を下回るpHを持つ組成物は、微生物の増殖の影響を受けにくいという利点を有する。さらに、微生物の増殖は、医薬組成物に保存料を添加することによって防止され得る。一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、故に保存料を含む。そのような保存料の例は、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、パラベン、例えばブチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベンおよびそれらの混合物等、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコールまたはソルビン酸である。保存料を含む医薬組成物は、貯蔵により好適となり得る。さらに、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、加熱滅菌または滅菌濾過等によって滅菌されてよい。
本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、酸化防止剤、追加の等張性剤、着色剤等の他の薬学的に許容される添加剤をさらに含んでもよい。
水性医薬組成物に関する実施形態において、組成物は、非イオン性界面活性剤、親水性ポリマー等の懸濁剤および安定剤を含んでよい。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、増粘剤を含んでよい。典型的には、増粘される医薬組成物は水性である。増粘された液剤、ゲル剤、シロップ剤、クリーム剤または軟膏剤を作成するために、増粘剤を用いてよい。増粘された液剤またはゲル剤を形成するために、ヒドロゲル形成材料を用いてよい。そのようなヒドロゲル形成材料は、合成ポリマー、半合成ポリマーおよび天然ガムからなる群から選択され得る。
合成ポリマーの例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone)、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポロキサマーブロックコポリマーを含む。半合成ポリマーの例は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエーテルを含む。天然ガムの例は、アカシア、アルギン酸塩、カラギーナン(carragenan)、キトサン、ペクチン、デンプン、キサンタンガムを含む。
増粘された液剤またはゲル剤は、ヒアルロン酸およびその誘導体、カルボマーおよびポリカルボフィル型の架橋ポリアクリル酸、ならびにゲル剤を容易に形成するポリマー等、粘膜に強く接着することが公知である材料の採用によって、粘膜付着性にされ得る。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、ポロキサマー型のブロックコポリマーを含んでよい。水中に分散したある特定のポロキサマーは熱可逆性であるため、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールブロックを含むポリマー等のポロキサマー型のブロックコポリマーを使用することは有利である。熱可逆性ポロキサマーの例は、ポロキサマー188およびポロキサマー407である。
水中に分散した熱可逆性ポロキサマーは低粘度を有するが、昇温で著しい粘度増大を呈し、体温でゲル形成をもたらす。それにより、比較的温かい角膜に投与された医薬製剤の接触時間は延長され得る。したがって、本発明の一実施形態は、熱可逆性である本明細書において開示されている通りの医薬組成物に関する。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、追加の抗ウイルス性化合物を含んでよい。そのような化合物の例は、N−クロロタウリンおよびポビドン−ヨウ素(PVP−I)を含む。
N−クロロタウリン(Cl−HN−CH2−CH2−SO3H)は、内因性抗菌物質である。これは、酸化的破壊中に顆粒球および単球によって生成された弱活性塩素化合物である。その非特異的な反応機構、すなわち、アミノ基、チオおよび芳香族化合物の酸化により、N−クロロタウリンは防腐剤と同様の広域スペクトル殺菌活性を有する。N−クロロタウリン(Cl−HN−CH2−CH2−SO3Na)のナトリウム塩溶液は、細菌および糸状菌をin vitroで死滅させることが示されている。加えて、殺ウイルス効果が実証されている。ポビドン−ヨウ素は、ポリビニルピロリドン(ポビドン、PVP)および元素状ヨウ素の安定な化学的複合体である。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、追加の抗ウイルス性化合物を含んでよく、ここで、前記抗ウイルス性化合物は、ヘルペスによって引き起こされた感染を局所的に治療するために有用な化合物である。そのような化合物の例は、グアノシン類似体アシクロビル、バラシクロビル、ペンシクロビルおよびファムシクロビル、ならびにホスカルネット(ナトリウムホスホンホルメート六水和物)を含む。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、局所麻酔薬を含んでよい。EKCは非常に痛みを伴う疾患であり得るため、鎮痛を提供するために局所麻酔薬を含むことが有利となり得る。さらに、そのような鎮痛は、投与自体が痛みを伴い得るが、患者が治療を続けるように促すという利点を有し得る。加えて、急速に発現する局所麻酔薬の使用は、角膜への直接的な組成物のさらなる投与を可能にするために、患者が眼を実際に開けることを可能にし得る。有用な局所麻酔薬の例は、リドカイン、プリロカインおよびロピバカインを含む。
療法
別の実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの三価もしくは四価シアル酸誘導体または医薬組成物は、療法において使用されてよい。
眼感染の治療
上記で既に開示した通り、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体は、ヒト角膜細胞へのHAdV−37の結合を阻害することが分かった。
したがって、本発明の一実施形態は、ウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染の治療および/または予防において使用するための、本明細書において開示されている通りの三価もしくは四価シアル酸誘導体または医薬組成物に関する。
同様に、本発明の一実施形態は、ウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル酸残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染の治療および/または予防において使用するための医薬の製造のための、本明細書において開示されている通りの三価もしくは四価シアル酸誘導体または医薬組成物の使用に関する。
さらに別の実施形態は、EKC等、ウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル酸残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染の予防および/または治療の方法であって、そのような予防および/または治療を必要とする、ヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体、あるいは治療有効量の、本明細書において開示されている通りの三価または四価シアル酸誘導体を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法に関する。好ましくは、前記三価もしくは四価シアル酸誘導体または医薬組成物は、そのような方法で眼に投与される。
細胞表面上に存在する末端シアル酸残基と結合し、それにより、前記細胞への感染を可能として眼感染等の感染を引き起こすウイルスの例は、HAdV−8、HAdV−19、HAdV−37、HAdV−53、HAdV−54およびHAdV−56を含む。細胞表面上に存在する末端シアル酸残基と結合することによって眼感染を引き起こすアデノウイルスの例は、HAdV−8、HAdV−19およびHAdV−37を含み、典型的な例はHAdV−37である。
一実施形態によれば、本発明の三価もしくは四価シアル酸誘導体または組成物の使用によって治療されるおよび/または予防される眼感染は、流行性角結膜炎(EKC)である。
本明細書における実施形態による医薬組成物は、患者に薬学的有効用量で投与されてよい。「薬学的有効用量」が意味するのは、それが投与される条件との関連で所望の効果を生ずるために十分な用量である。正確な用量は、三価または四価シアル酸誘導体の活性、投与様式、障害および/または疾患の性質および重症度、ならびに患者の年齢および体重等の一般的条件に依存し得る。
一実施形態によれば、本明細書において開示されている通りの医薬組成物は、1日当たり1回または数回投与される。典型的には、そのような医薬組成物は1日3回投与されることになるが、他の用量レジメンを使用してもよい。
本明細書において使用される場合、「予防する/予防すること」は、予防を実現するための本明細書において開示されている実施形態による化合物または医薬組成物の使用後、状態および/または疾患が決して再度発生しないことを意味すると解釈されるべきではない。さらに、該用語は、ある状態を予防するためのそのような使用後、前記状態が少なくともある程度発生しないことを意味すると決して解釈されるべきではない。むしろ、「予防する/予防すること」は、予防すべき状態が、そのような使用にもかかわらず発生するとしても、そのような使用のない場合ほどには重度にならないことを意味するように意図されている。
一実施形態によれば、治療は、前治療、すなわち予防的治療も網羅する。
概論
特定の例証的な実施形態を参照して本発明について上述してきたが、本発明を本明細書で説明されている特定の形態に限定することは意図されていない。上記で言及した実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内にあるものとして理解されるべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上記の特定のもの以外の実施形態は、これらの添付の特許請求の範囲内で等しく可能である。
特許請求の範囲において、用語「を含む/含むこと」は、他の種またはステップの存在を除外するものではない。加えて、個々の特色が異なる請求項に含まれていてよいが、これらはおそらく有利に組み合わせることができ、異なる請求項への包含は、特色の組合せが実現可能かつ/または有利でないことを暗示するものではない。加えて、単数形の参照は複数を除外するものではない。用語「1つの(a)」、「「1つの(an)」、「第1の」、「第2の」等は、複数を不可能にするものではない。語句「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10等、1または1よりも大きい数を指す。
実験
下記の例は単なる例にすぎず、本発明の範囲を限定するものであるとは決して解釈されるべきではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
一般的な化学的手順
1H NMRおよび13C NMRスペクトルは、Bruker DRX−400分光計で、それぞれ400MHzおよび100MHzにおいて記録した。NMR実験は、298KにてCDCl3中で行った(残留溶媒ピーク=7.26ppm(δH))、CD3OD(残留溶媒ピーク=3.31ppm(δH)および49.00ppm(δC))およびD2O(残留溶媒ピーク=4.79ppm(δH))。
LCMSは、エクステラC18カラム(50×19mm、5μm、125Å)を備えたWaters LCシステムを用いて行い、水中CH3CNの線形勾配で溶離し、そのいずれもギ酸(0.2%)を含有していた。1.5mL/分の流速を使用し、検出は214nmで実施した。質量スペクトルは、WaterマイクロマスZQ2000で、正および負エレクトロスプレーイオン化を使用して得られた。
半分取HPLC分離は、GilsonシステムHPLCで、流速20mL/分のヌクレオデュアC−18カラムHTEC5μm(VP250/21)、214nmでの検出、ならびに溶離液システム:A.0.005%CF3COOH水溶液およびB.CH3CN中0.005%CF3COOHを使用して実施した。
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(Merck、60Å、70〜230メッシュASTM)上で実施した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60F254(Merck)上で、UV光および/またはEtOH中5%H2SO4での展開ならびに加熱下での検出を用いて実施した。
旋光度は、Perkin−Elmer343偏光計を用い、20℃で測定した。分子篩3Åで乾燥させたCH3CNおよびMeOH以外は、有機溶媒はGlass Contour Solvent Systems(SG Water USA)を使用して乾燥させた。
市販の試薬はすべて受け取った通りのものを使用した。
ME0322と表示される化合物は、公開されている手順(Spjutら、Angew.Chem.Int.編、2011、50、6519を参照)に従って合成した。すべての標的化合物は、HPLC UV痕跡によれば純度95%以上であった。統計は、GraphPadプリズム(GraphPad Software,Inc、La Jolla、CA)を使用して計算した。
合成手順
一般
本発明の化合物は、反応性末端基、すなわちアジド基(以下で左側に描写されている化合物を参照)またはエチン基(以下で右側に描写されている化合物を参照)を有するリンカー、典型的にはアルキレンリンカーを持つシアル酸を提供することによって得ることができる。
反応性末端基が設けられたシアル酸を、3つまたは4つの反応基を有するコア部分、すなわちアジドまたはエチン部分と、アジド−アルキンヒュスゲン環化付加において、典型的には触媒として作用する銅(I)の存在下で反応させることによって、本発明の化合物を得ることができる。当業者には容易に認識されるように、合成の種々の段階において種々の基を保護することは、有利、または必要にさえなり得る。当業者は、どの基を使用すべきか熟知している。
コア部分としてのトリプロパルギルアミンの使用
トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0385)およびトリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0386)等の非変性N−アシル三価シアル酸への経路は、簡単であることが判明し、市販の化学物質から8ステップで、または重要中間体1から5ステップで実現できた(スキーム1)。市販のシアル酸から容易に調製されるシアル酸チオフェニル誘導体1の合成は、公開されている手順(Marraら、Carbohydr.Res.1989、187、35)に従って実施した。次いで、シアロシド3aおよび3bは、対応するアルコール(それぞれ2−ブロモエタノールおよび3−ブロモプロパン−1−オール)を化合物1によりグリコシル化することによって、良好な変換率で得られた。他のブロモアルコールを使用すれば、他の長さのリンカーを持つビルディングブロックが得られるはずである。この反応により、アノマーからなる分離できない混合物が、得られた脱離生成物と一緒に生じ、この段階では脱離生成物はさらに精製しなかった。ブロモ誘導体3aおよび3bは、それらのアジド類似体5aおよび5bに容易に変換された。その後の標準的なツェンプレン(Zemplen)条件を使用するO−脱アシル化により、アノマー的に(anomerically)純粋な7aおよび7bを、3ステップにわたってそれぞれ40%および58%収率で得た。次いで、化合物7aおよび7bをトリプロパルギルアミンと、銅触媒によるアジド−アルキン環化付加反応(「クリック」反応)において反応させた。このようにして、メチルエステル9aおよび9bがそれぞれ51%および45%収率で得られた。その後の鹸化により、最終標的化合物ME0385およびME0386をそれぞれ76%および41%収率で提供した。
銅触媒によるアジド−アルキン環化付加におけるトリプロパルギルアミン以外のエチン誘導体の使用によって、他の種類の三価または四価シアル酸誘導体が得られる。
スキーム1.aME0385およびME0386の合成
a試薬および条件:(a)i:分子篩3Å、2-ブロモエタノールまたは3-ブロモプロパン-1-オール、CH3CN/CH2Cl2(3:2)、室温、2時間、ii:AgOTf、IBr、-73℃、4.5時間、iii:DIPEA、-73℃、30分。(b)NaN3、TBAI、DMSO、室温、6時間。(c)i:NaOMe、MeOH、室温、3時間、ii:H+イオン交換樹脂。(d)トリプロパルギルアミン、CuSO4、アスコルビン酸ナトリウム、THF/H2O(1:1)、50℃、3時間、次いで室温、18時間。(e)i:LiOH、MeOH、室温、9時間、ii:H+イオン交換樹脂。
N−変性三価シアル酸である、トリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミンME0408およびトリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミンME0407は、市販のシアル酸から13ステップで、または重要中間体2から5ステップで生成できた(スキーム1)。化合物2の合成は、公開されている手順(Johanssonら、J.Med.Chem.2009、52、3666)に従って実施した。次のステップは、化合物ME0385およびME0386への先述した合成経路と類似していた。こうして、連続するグリコシル化、アジド形成およびO−脱アシル化反応により、アノマー的に純粋な生成物8aおよび8bを、3ステップにわたってそれぞれ46%および55%収率で得た。その後の「クリック」反応により、三価化合物10aおよび10bをそれぞれ50%および34%収率で提供した。最後に、メチルエステル10aおよび10bの鹸化により、標的生成物ME0408およびME0407を良好な収率で得た。
グリコシル化反応のための一般的方法。
グリコシルドナー1または2(1.0当量)および新たに砕いた分子篩3Å(1.5g/mmol)を、CH3CN/CH2Cl2の混合物(3:2;35mL/mmol)に室温および窒素雰囲気下で溶解/懸濁した。2−ブロモエタノールまたは3−ブロモプロパン−1−オール(4.5当量)を添加し、混合物を2時間撹拌した。反応物を光から保護し、CH3CN中の銀トリフレート(2.0当量)の溶液を添加した。混合物を−73℃(−70℃<t<−75℃)に冷却し、IBr(1.4当量、CH2Cl2中1M)を添加した。反応を−73℃で4.5時間進行させた。完了後、DIPEA(6.0当量)を添加した。反応混合物を−73℃でさらに30分間撹拌し、次いで、室温に加温させた。混合物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、CH2Cl2またはCH3CNで洗浄し、溶媒を濃縮乾固した。
メチル(2−ブロモエトキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(3a)。化合物3aは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAcの勾配)による精製により、化合物3aおよび対応する逆アノマーを得た。化合物3aを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(3−ブロモ−プロピルオキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(3b)。化合物3bは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAcの勾配)による精製により、化合物3bおよび対応する逆アノマーを得た。化合物3bを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(2−ブロモエトキシ(5−N−プロパノイルアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(4a)。化合物4aは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOH、10:1)による精製により、化合物4aおよび対応する逆アノマー(390mg、95%;α/β(6:1))を得た。化合物4aを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(3−ブロモ−プロピルオキシ(5−N−プロパノイルアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(4b)。化合物4bは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOH、8:1)による精製により、化合物4bおよび対応する逆アノマー(400mg、98%;α/β(22:3))を得た。化合物4bを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
アジド誘導体の合成のための一般的方法。
DMSO(40mL/mmol)に溶解したブロモ誘導体(1.0当量)に、アジ化ナトリウム(6.0当量)およびTBAI(2.0当量)を連続的に小分けにして添加した。反応を、室温および窒素雰囲気下で6時間進行させた。完了後、混合物をCH2Cl2で希釈し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。
メチル(2−アジドエトキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(5a)。化合物5aは、アジド誘導体の合成のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、95:5)による精製により、化合物5aおよび対応する逆アノマー(α/β(5:1))を得た。化合物5aを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(3−アジド−プロピルオキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(5b)。化合物5bは、アジド誘導体の合成のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、95:5)による精製により、化合物5bおよび対応する逆アノマー(α/β(データなし))を得た。化合物5bを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(2−アジドエトキシ(5−N−プロパノイルアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(6a)。化合物6aは、アジド誘導体の合成のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/CH2Cl2/MeOH、10:2:0.5)による精製により、化合物6aおよび対応する逆アノマー(366mg、定量的;α/β(6:1))を得た。化合物6aを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル(3−アジド−プロピルオキシ(5−N−プロパノイルアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(6b)。化合物6bは、アジド誘導体の合成のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/CH2Cl2/MeOH、8:2:0.5)による精製により、化合物6bおよび対応する逆アノマー(419mg、定量的;α/β(22:3))を得た。化合物6bを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法。
MeOH(70mL)に溶解したペルアシル化シアロシド(1.0当量)に、ナトリウムメトキシド(3.9当量)を添加した。反応を、室温および窒素雰囲気下で3時間進行させた。完了後、溶液を、氷AcOHの滴下添加によってまたはAmberlyst(登録商標)15によって中和した。次いで、溶媒を濃縮乾固した。
メチル(2−アジドエトキシ(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(7a)。化合物7aは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH/H2O、4:1:0.1)による精製により、化合物7a(3ステップにわたって256mg、46%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ3.93-4.02 (m, 1H, -OCH2b-), 3.85 (s, 3H, OCH3), 3.80-3.84 (m, 2H, H-8, H-9b), 3.77 (t, J5,4 ≒ J5,6 = 10.2 Hz, 1H, H-5), 3.60-3.73 (m, 3H, H-4, H-9a, -OCH2a-), 3.58 (dd, J6,5 = 10.7およびJ6,7 = 1.8 Hz, 1H, H-6), 3.51 (dd, J7,8 = 8.7およびJ6,7 = 1.8 Hz, 1H, H-7), 3.27-3.43 (m, 2H, -CH2N3), 2.72 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 1H, H-3eq), 2.00 (s, 3H, COCH3), 1.77 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3ax,4 = 11.8 Hz, 1H, H-3ax).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ175.22, 170.71, 100.20, 75.05, 72.37, 70.18, 68.49, 64.74, 64.47, 53.79, 53.42, 51.74, 41.57, 22.66.
ESI-MS m/z:計算値はC14H26N4O9 (M+H)+ 392.15およびC14H25N4NaO9 (M+Na)+ 415.14; 実測値は各々392.56および415.31.
メチル(3−アジド−プロピルオキシ(5−Nアセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(7b)。化合物7bは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH/H2O、4:1:0.1)による精製により、化合物7b(3ステップにわたって289mg、55%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ3.80-3.92 (m, 6H, -OCH2b-, H-9b, H-8, OCH3), 3.77 (t, J5,4 ≒ J5,6 = 10.2 Hz, 1H, H-5), 3.61-3.69 (m, 2H, H-9a, H-4), 3.59 (dd, J6,5 = 10.3およびJ6,7 = 2.0 Hz, 1H, H-6), 3.51 (dd, J7,8 = 9.2およびJ6,7 = 1.9 Hz, 1H, H-7), 3.43-3.50 (m, 1H, OCH2a-), 3.38 (t, J = 6.6 Hz, 2H, -CH2N3), 2.68 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.7 Hz, 1H, H-3eq), 2.00 (s, 3H, COCH3), 1.75-1.85 (m, 2H, -CH2-), 1.74 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3ax,4 = 11.8 Hz, 1H, H-3ax).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ175.22, 171.06, 100.21, 74.97, 72.45, 70.20, 68.52, 64.71, 62.09, 53.83, 53.38, 48.98, 41.69, 30.14, 22.65.
ESI-MS m/z:計算値はC15H26N4O9 (M+H)+ 407.17およびC15H25N4NaO9 (M+Na)+ 429.16; 実測値は各々406.87および428.56.
メチル(2−アジドエトキシ(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(8a)。化合物8aは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/CH2Cl2/MeOH、3.5:6:0.5から3:6:1)による精製により、化合物8a(3ステップにわたって120mg、46%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ3.94-4.00 (m, 1H, -OCH2b-), 3.85 (s, 3H, OCH3), 3.80-3.84 (m, 2H, H-8, H-9b), 3.77 (t, J5,4 ≒ J5,6 = 10.4 Hz, 1H, H-5), 3.67-3.72 (ddd, J4,3ax = 11.6, J5,4 = 10.4, J4,3eq = 4.6 Hz, 1H, H-4), 3.60-3.66 (m, 2H, H-9a, -OCH2a-), 3.57 (dd, J6,5 = 10.2およびJ6,7 = 1.6 Hz, 1H, H-6), 3.49 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.6 Hz, 1H, H-7), 3.32-3.35 (m, 1H, -CH2bN3), 2.72 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 1H, H-3eq), 2.27 (q, J = 7.6 Hz, 2H, -COCH2-), 1.76 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3ax,4 = 11.6 Hz, 1H, H-3ax), 1.14 (t, J = 7.6 Hz, 3H, -COCH2).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ179.01, 170.73, 100.19, 75.09, 72.36, 70.17, 68.40, 64.72, 64.47, 53.64, 53.43, 51.73, 41.64, 30.16, 10.28.
ESI-MS m/z:計算値はC15H27N4O9 (M+H)+ 407.18およびC15H26N4NaO9 (M+Na)+ 429.16; 実測値は各々407.09および429.02.
メチル(3−アジド−プロピルオキシ(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル))−オネート(8b)。化合物8bは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(トルエン/CH2Cl2/MeOH、3.5:6:0.5から3:6:1)による精製により、化合物8b(3ステップにわたって157mg、55%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ3.80-3.89 (m, 3H, -OCH2b-, H-9b, H-8), 3.84 (s, 3H, OCH3), 3.76 (t, J5,4 ≒ J5,6 = 10.2 Hz, 1H, H-5), 3.60-3.69 (m, 2H, H-9a, H-4), 3.58 (dd, J6,5 = 10.2およびJ6,7 = 1.6 Hz, 1H, H-6), 3.49 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.6 Hz, 1H, H-7), 3.43-3.50 (m, 1H, OCH2a-), 3.38 (t, J = 6.6 Hz, 2H, -CH2N3), 2.68 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 1H, H-3eq), 2.27 (q, J = 7.6 Hz, 2H, -COCH2-), 1.75-1.83 (m, 2H, -CH2-), 1.74 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3ax,4 = 11.8 Hz, 1H, H-3ax), 1.13 (t, J = 7.6 Hz, 3H, COCH2 CH 3).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ178.99, 171.08, 100.20, 75.01, 72.43, 70.18, 68.42, 64.69, 62.07, 53.68, 53.39, 48.78, 41.76, 30.16, 30.13, 10.28.
ESI-MS m/z:計算値はC16H29N4O9 (M+H)+ 421.19およびC16H28N4NaO9 (M+Na)+ 443.18; 実測値は各々420.99および442.93.
三価シアル酸の合成のための一般的方法。
THF/H2O(1:1、81mL/mmol)に溶解したアジド誘導体(3.7当量)に、トリプロパルギルアミン(1.0当量)、CuSO4(0.9当量)およびアスコルビン酸ナトリウム(0.9当量)を連続的に添加した。反応を50℃で3時間および室温でさらに18時間進行させた。出発アジドの完全消費後、THFを真空下で蒸発させ、粗製物をフリーズドライした。粗固体をDMSOに溶解し、HPLC(A:H2O中0.005%CF3COOH水溶液、B:CH3CN中0.005%CF3COOH水溶液、7%から25%の有機相勾配)によって精製した。収集された化合物含有画分をフリーズドライして、純粋生成物を得た。
トリス((1−(2−O−((メチル(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル)−オネート))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(9a)。化合物9aは、三価シアル酸の合成のための一般的方法に準じて合成した(40mg、51%収率)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.08 (s, 3H, 3ArCH), 8.01 (d, J5,NH = 8.4 Hz, 3H, 3NH), 4.60 (t, J = 5.0 Hz, 6H, 3-CH2-ArN), 4.15-4.27 (m, 3H, 3-OCH2b), 3.70-3.97 (m, 27H, 3-OCH2a, 3H-9b,-N(CH2)3, 3H-8, 3H-5, 3-OCH3), 3.55-3.67 (m, 9H, 3H-4, 3H-9b, 3H-6), 3.48 (dd, J7,8 = 8.8およびJ6,7 = 1.4 Hz, 3H, H-7), 2.58 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.7 Hz, 3H, 3H-3eq), 1.99 (s, 9H, 3-COCH3), 1.71 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3ax,4 = 11.7 Hz, 3H, 3H-3ax).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ175.12, 170.47, 144.25, 126.94, 100.28, 75.07, 72.25, 70.16, 68.40, 64.84, 63.91, 53.68, 53.55, 51.47, 48.73, 41.44, 22.70.
ESI-MS m/z:計算値はC51H82N13O27 (M+H)+ 1308.54; 実測値1309.47.
トリス((1−(2−O−(メチル(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル)−オネート))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4,1−イル)メチル)アミン(9b)。化合物9bは、三価シアル酸の合成のための一般的方法に準じて合成した(60mg、45%収率)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.01 (s, 3H, 3ArCH), 4.50 (t, J = 6.6 Hz, 6H, 3-CH2-ArN), 3.70-3.88 (m, 27H, 3-OCH2b-,3H-9b, 3-OCH3, -N(CH2)3, 3H-8, 3H-5), 3.54-3.69 (m, 9H, 3H-4, 3H-9b, 3H-6), 3.49 (dd, J7,8 = 9.0およびJ6,7 = 1.3 Hz, 3H, 3H-7), 3.35-3.43 (m, 3H, 3-OCH2a), 2.68 (dd, J3eq,3ax = 12.8およびJ3eq,4 = 4.7 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.09-2.20 (m, 6H, 3-CH2-), 2.00 (s, 9H, 3-COCH3), 1.74 (dd, J3eq,3ax = 12.7およびJ3ax,4 = 11.8 Hz, 3H, 3H-3ax).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ175.20, 170.86, 145.26, 125.97, 100.12, 74.92, 72.43, 70.19, 68.50, 64.77, 61.77, 53.80, 53.54, 48.48, 48.10, 41.65, 31.29, 22.72.
ESI-MS m/z:計算値はC54H88N13O27 (M+H)+ 1350.58; 実測値1350.21.
トリス((1−(2−O−(メチル(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル)−オネート))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(10a)。化合物10aは、三価シアル酸の合成のための一般的方法に準じて合成した(60mg、50%収率)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.04 (s, 3H, 3ArCH), 4.50 (t, J = 5.1 Hz, 6H, 3-CH2-ArN), 4.16-4.23 (m, 3H, 3-OCH2b), 3.86-3.92 (m, 3H, 3-OCH2a), 3.74-3.84 (m, 15H, 3H-9b,-N(CH2)3, 3H-8, 3H-5), 3.72 (s, 9H, 3-OCH3), 3.59-3.67 (m, 6H, 3H-4, 3H-9b), 3.57 (dd, J6,5 = 10.4およびJ6,7 = 1.3 Hz, 3H, 3H-6), 3.47 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.3 Hz, 3H, H-7), 2.58 (dd, J3eq,3ax = 12.4およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.25 (q, J = 7.6 Hz, 6H, 3-COCH2-), 1.74 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.4 Hz, 3H, 3H-3ax), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 9H, 3-COCH2CH3).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ178.88, 170.43, 145.08, 126.66, 100.23, 75.04, 72.15, 69.97, 68.29, 64.73, 63.95, 53.60, 53.45, 51.43, 49.07, 41.52, 31.15, 10.36.
ESI-MS m/z:計算値はC54H88N13O27 (M+H)+ 1350.59; 実測値1351.56.
トリス((1−(2−O−(メチル(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシル)−オネート))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(10b)。化合物10bは、三価シアル酸の合成のための一般的方法に準じて合成した(45mg、34%収率)。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.03 (s, 3H, 3ArCH), 7.89 (d, J5,NH = 8.5 Hz, 3H, 3NH), 4.50 (t, J = 6.5 Hz, 6H, 3-CH2-ArN), 3.73-3.86 (m, 18H, 3-OCH2b-,3H-9b,-N(CH2)3, 3H-8, 3H-5), 3.81 (s, 9H, 3-OCH3), 3.58-3.70 (m, 6H, 3H-4, 3H-9b), 3.56 (dd, J6,5 = 10.4およびJ6,7 = 1.3 Hz, 3H, 3H-6), 3.47 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.3 Hz, 3H, 3H-7), 3.35-3.43 (m, 3H, 3-OCH2a), 2.68 (dd, J3eq,3ax = 12.4およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.27 (q, J = 7.6 Hz, 6H, 3-COCH2-), 2.10-2.20 (m, 6H, 3-CH2-), 1.74 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.4 Hz, 3H, 3H-3ax), 1.13 (t, J = 7.6 Hz, 9H, 3-COCH2 CH 3).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ178.92, 170.88, 143.82, 126.16, 100.12, 75.01, 72.44, 70.22, 68.44, 64.72, 61.73, 53.67, 53.52, 49.28, 49.07, 41.75, 31.28, 30.17, 10.32.
ESI-MS m/z:計算値はC57H94N13O27 (M+H)+ 1392.64およびC57H93N13NaO27 (M+Na)+ 1414.62; 実測値は各々1392.50および1414.47.
メチルエステルの鹸化のための一般的方法。
MeOH(135mL/mmol)に溶解した三価メチルエステル誘導体(1.0当量)に、LiOHの水溶液(1M、9.0当量)を添加した。混合を室温で9時間進行させた。完了後、反応混合物をダウエックス50W8(H+)で中和した。ダウエックス樹脂の除去後、溶媒を真空下で蒸発させ、水に溶解した粗製物を、C−18プラグ上でH2Oを用いて溶離した。化合物含有画分をフリーズドライすると、純粋な三価シアル酸誘導体を生じた。
トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシロン酸(nonylopyranosylonic acid)))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0385)。ME0385は、メチルエステルの鹸化のための一般的方法に準じて合成した(22mg、76%収率)。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ8.40 (s, 3H, 3ArCH), 4.72 (t, J = 5.2 Hz, 6H, 3-CH2-ArN), 4.60 (bs, 6H, -N(CH2)3), 4.14-4.27 (m, 3H, 3-OCH2b), 3.93-4.02 (m, 3H, 3-OCH2a), 3.85 (dd, J9a,9b = 11.7およびJ9b,8 = 2.3 Hz 3H, 3H-9b), 3.73-3.82 (m, 6H, 3H-8, 3H-5), 3.59-3.72 (m, 9H, 3H-4, 3H-6, 3H-9a), 3.56 (dd, J7,8 = 9.3およびJ6,7 = 1.7 Hz, 3H, H-7), 2.66 (dd, J3eq,3ax = 12.5およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.04 (s, 9H, 3-COCH3), 1.67 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.0 Hz, 3H, 3H-3ax).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ175.05, 172.55, 135.87, 128.64, 100.05, 72.72, 71.42, 68.10, 67.88, 62.68, 62.58, 51.73, 50.57, 46.49, 39.64, 22.0.
ESI-MS m/z:計算値はC48H76N13O27 (M+H)+ 1266.49; 実測値1266.29.
トリス((1−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシロン酸))−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0386)。ME0386は、メチルエステルの鹸化のための一般的方法に準じて合成した(27mg、75%収率)。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ8.02 (s, 3H, 3ArCH), 4.45-4.64 (m, 6H, 3-CH2-ArN), 3.92 (bs, 6H, N(CH2)3), 3.56-3.87 (m, 24H, 3H-9b, 3-OCH2-, 3H-8, 3H-5, 3H-4, 3H-6, 3H-9a), 3.46-3.54 (m, 3H, 3H-7), 2.73 (dd, J3eq,3ax = 12.5およびJ3eq,4 = 4.7 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.15-2.25 (m, 6H, 3-CH2-), 2.05 (s, 9H, COCH3), 1.63 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.1 Hz, 3H, 3H-3ax).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ175.05, 173.52, 142.34, 125.79, 100.48, 72.56, 71.71, 68.28, 68.16, 62.51, 61.22, 51.89, 47.54, 47.30, 40.29, 29.64, 22.02.
ESI-MS m/z:計算値はC51H82N13O27 (M+H)+ 1308.54; 実測値1308.51.
トリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0408)。ME0408は、メチルエステルの鹸化のための一般的方法に準じて合成した(19mg、72%収率)。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ8.17 (s, 3H, 3ArCH), 4.64 (bs, 6H, 3-CH2-ArN), 4.07-4.20 (m, 9H, 3-OCH2b, -N(CH2)3), 3.87-3.93 (m, 3H, 3-OCH2a), 3.82 (dd, J9a,9b = 11.7およびJ9b,8 = 2.4 Hz 3H, 3H-9b), 3.75 (ddd, J8,7 = 8.9, J8,9a = 5.6 Hz , J9b,8 = 2.4 Hz 3H, 3H-8), 3.72 (t, J5,6 ≒ J5,4 = 10.1 Hz, 3H, 3H-5), 3.63-3.69 (m, 3H, 3H-4), 3.56-3.63 (m, 6H, 3H-6, 3H-9a), 3.51 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.6 Hz, 3H, H-7), 2.66 (dd, J3eq,3ax = 12.3およびJ3eq,4 = 4.6 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.28 (q, J = 7.6 Hz, 6H, 3-COCH2-), 1.74 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.3 Hz, 3H, 3H-3ax), 1.10 (t, J = 7.6 Hz, 9H, 3-COCH2CH3).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ179.90, 174.12, 127.82, 101.35, 73.50, 72.50, 69.00, 68.91, 63.74, 63.40, 52.51, 51.39, 49.84, 40.87, 30.05, 10.36.
ESI-MS m/z:計算値はC51H82N13O27 (M+H)+ 1308.54; 実測値1308.44.
トリス((1−(2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニロピラノシロン酸)−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン(ME0407)。ME0407は、メチルエステルの鹸化のための一般的方法に準じて合成した(27mg、75%収率)。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ8.31 (s, 3H, 3ArCH), 4.53-4.63 (m, 12H, 3-CH2-ArN, N(CH2)3), 3.82 (dd, J9b,9a = 11.8およびJ9b,8 = 2.4 Hz, 3H, H-9b), 3.74-3.83 (m, 12H, 3-OCH2b-, 3H-8, 3H-5), 3.67-3.73 (m, 3H, 3H-4), 3.67 (dd, J6,5 = 10.4およびJ6,7 = 1.5 Hz, 3H, 3H-6), 3.60 (dd, J9a,9b = 11.8およびJ9a,8 = 5.9 Hz, 3H, 3H-9a), 3.53 (dd, J7,8 = 8.9およびJ6,7 = 1.5 Hz, 3H, 3H-7), 3.42-3.50 (m, 3H, 3-OCH2a), 2.69 (dd, J3eq,3ax = 12.4およびJ3eq,4 = 4.5 Hz, 3H, 3H-3eq), 2.29 (q, J = 7.6 Hz, 6H, 3-COCH2-), 2.15-2.25 (m, 6H, 3-CH2-), 1.65 (見かけ上t, J3eq,3ax ≒ J3ax,4 = 12.4 Hz, 3H, 3H-3ax), 1.11 (t, J = 7.6 Hz, 9H, 3-COCH2 CH 3).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ178.87, 173.77, 136.66, 128.98, 100.86, 73.47, 72.34, 69.04, 68.66, 63.47, 61.82, 52.52, 48.52, 47.57, 40.83, 30.17, 30.01, 10.30.
ESI-MS m/z:計算値はC54H88N13O27 (M+H)+ 1350.59; 実測値1350.28.
コア部分としてのトリス(2−アジドエチル)アミンの使用
トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(ME0461)およびトリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(ME0462)等のN−アシル三価シアル酸への経路は、簡単であることが判明し、市販の化学物質から7ステップで、または重要中間体1から4ステップで実現できた(スキーム2)。市販のシアル酸から容易に調製されるシアル酸チオフェニル誘導体1の合成は、公開されている手順(Marraら、Carbohydr.Res.1989、187、35)に従って実施した。シアロシド11aおよび11bは、対応するアルコール(それぞれプロパルギルアルコールおよび3−ブチン−1−オール)を化合物1によりグリコシル化することによって、適度な変換率で得られた。他のアルキンアルコールを使用すれば、他の長さのリンカーを持つビルディングブロックが得られるはずである。この反応により、アノマーからなる分離できない混合物が、得られた排出生成物と一緒に生じ、この段階では脱離生成物はさらに精製しなかった。
その後の標準的なツェンプレン条件を使用するO−脱アシル化により、アノマー的に純粋な12aおよび12bを、2ステップによりそれぞれ48%および31%収率で得た。
次いで、化合物12aおよび12bをトリス(2−アジドエチル)アミン(13)と、銅触媒によるアジド−アルキン環化付加反応(「クリック」反応)において反応させた。
トリスアジド誘導体13は、市販のトリエタノールアミンから2ステップで合成した。最初に、トリエタノールアミンを公開されている手順(M.Sunら、J.Am.Chem.Soc.2012、134(51)、20581)に従ってトリス(2−クロロエチル)アミンに変換した。次いで、クロロ誘導体は、そのアジド類似体13に容易に変換された(注:13は爆発性が高く、したがって、常に溶液中および暗所で貯蔵することが不可欠である)。メチルエステル14aおよび14bは、それぞれ76%および53%収率で得られた。
その後の鹸化により、最終標的化合物ME0462およびME0461をそれぞれ定量的および88%収率で提供した。
スキーム2.aME0462およびME0461の合成
a試薬および条件:(a)i:分子篩3Å、3-ブチン-1オールまたはプロパルギルアルコール、CH3CN/CH2Cl2(3:2)、室温、2時間、ii:AgOTf、IBr、-73℃、4.5時間、iii:DIPEA、-73℃、30分。(b)i:NaOMe、MeOH、室温、3時間、ii:H+イオン交換樹脂。(c)CuSO4、アスコルビン酸ナトリウム、THF/H2O(1:1)、50℃、3時間、次いで、室温、18時間。(d)i:LiOH、MeOH、室温、9時間、ii:H+イオン交換樹脂。
グリコシル化反応のための一般的方法。
グリコシルドナー1(1.0当量)および新たに砕いた分子篩3Å(1.5g/mmol)を、CH3CN/CH2Cl2の混合物(3:2;35mL/mmol)に室温および窒素雰囲気下で溶解/懸濁した。3−ブチン−1−オールまたはプロパルギルアルコール(4.5当量)を添加し、混合物を2時間撹拌した。反応物を光から保護し、CH3CN中の銀トリフレート(2.0当量)の溶液を添加した。混合物を−73℃(−70℃<t<−75℃)に冷却し、IBr(1.4当量、CH2Cl2中1M)を添加した。反応を−73℃で4.5時間進行させた。完了後、DIPEA(6.0当量)を添加した。反応混合物を−73℃でさらに30分間撹拌し、次いで、室温に加温させた。混合物をCelite(登録商標)パッドに通して濾過し、CH2Cl2またはCH3CNで洗浄し、溶媒を濃縮乾固した。
メチル2−(プロパ−2−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(11a)。化合物11aは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAcの勾配)による精製により、化合物11aおよび対応する逆アノマーを得た。化合物11aを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
メチル2−(ブタ−3−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(11b)。化合物11bは、グリコシル化反応のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAcの勾配)による精製により、化合物11bおよび対応する逆アノマーを得た。化合物11bを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法。
MeOH(70mL)に溶解したペルアシル化シアロシド(1.0当量)に、ナトリウムメトキシド(3.9当量)を添加した。反応を、室温および窒素雰囲気下で3時間進行させた。完了後、溶液を、氷AcOHの滴下添加によってまたはAmberlyst(登録商標)15によって中和した。次いで、溶媒を濃縮乾固した。
メチル2−(プロパ−2−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(12a)。化合物12aは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。HPLC(A:H2O中0.005%HCOOH水溶液、B:CH3CN中0.005%HCOOH水溶液、5%から20%の有機相勾配)による精製により、化合物12a(2ステップにわたって178mg、48%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ4.40 (dd, J=4.3 Hz, J=15.9 Hz, 1H), 4.33 (dd, J=4.3 Hz, J=15.9 Hz, 1H), 3.81-3.91 (m, 5H), 3.78 (d, J=10.3 Hz, 1H), 3.63-3.72 (m, 2H), 3.60 (dd, J=1.5 Hz, J=10.4 Hz, 1H), 3.52 (dd, J=1.4 Hz, J=9.0 Hz, 1H), 2.86 (t, J=2.4 Hz, 1H), 2.72 (dd, J3eq,4 =4.6 Hz, J3eq,3ax =12.7 Hz, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.75 (dd, J3eq,3ax =12.7 Hz, J3ax,4 = 11.8 Hz, 1H).
メチル2−(ブタ−3−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(12b)。化合物12bは、シアロシドのO−脱アシル化のための一般的方法に準じて合成した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH/H2O、4:1:0.1)による精製により、化合物12b(2ステップにわたって218mg、31%収率)を得た。
1H NMR (360 MHz, CD3OD): δ3.72-3.95 (m, 7H), 3.45-3.71 (m, 6H), 2.69 (dd, J3eq,4 =4.6 Hz, J3eq,3ax =12.8 Hz, 1H), 2.35-2.45 (m, 2H), 2.26 (t, J = 2.7 Hz, 1H) 2.00 (s, 3H), 1.73 (dd, J3eq,3ax =12.3 Hz, J3ax,4 = 12.0 Hz, 1H).
トリス(2−アジドエチル)アミン(13)
0.5mLのCHCl3中のトリエタノールアミン(0.298g、2.0mmol)の溶液を、0.8mLのCHCl3中の塩化チオニル(0.52mL、7.0mmol)の溶液に撹拌しながらゆっくり添加した。添加後、反応混合物を還流温度に4時間加熱した。室温に冷却した後、白色固体生成物を濾過し、ジクロロメタン(1.0mL×2)で洗浄して、真空で終夜乾燥させた後、トリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を0.395g(82%)収率で得た。続いて、トリス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(0.198g、0.82mmol)およびアジ化ナトリウム(0.320g、4.92mmol)をDMSO(7.0mL)に添加し、得られた混合物を92℃で22時間撹拌した。冷却した後、混合物を蒸留水(40.0mL)に注ぎ入れ、溶液をNa2CO3(10%水溶液)でpH=10にアルカリ化し、ジクロロメタン(15.0mL×3)で抽出した。有機相を水(20.0mL)で洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させた。ジクロロメタンを1mLに濃縮し、次いで、15.0mLのTHFを添加し、再度1.0mLに濃縮し、15.0mLのTHFを添加し、1.8mLに濃縮した。0.8mmolのトリス(2−アジドエチル)アミンを含有するこのTHF溶液を次のステップにおいて使用することができた(注:13は爆発性が高く、したがって、常に溶液中および暗所で貯蔵することが不可欠である)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ3.33 (t, J=6.2 Hz, 6H), 2.76 (t, J=6.2 Hz, 6H).
ESI-MS m/z:計算値はC6H13N10 (M+H)+ 225.13; 実測値225.33.
参考文献 M.Sun、C−Y.Hong、C−Y.Pan、Journal of the American Chemical society 2012、134(51)、20581〜20584。
トリス((4−(2−O−(メチル(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル)−オネート))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(14a)
水(1.7mL)およびTHF(1.7mL)の1:1混合物中のトリス(2−アジドエチル)アミン(0.075mL、0.033mmol)の溶液に、メチル2−(プロパ−2−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(0.0538g、0.149mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(5.9mg、0.030mmol)および硫酸銅(II)(4.8mg、0.030mmol)を撹拌しながら添加した。混合物を最初に50℃で3.5時間および室温で追加で18時間加熱した。減圧下でのTHFの蒸発後、残留物を蒸留水で2.6mLに希釈し、次いで、分取HPLC(A:H2O中0.005%HCOOH水溶液、B:CH3CN中0.005%HCOOH、5%から20%/30分の有機相勾配)で精製して、凍結乾燥後、白色生成物を76%収率で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.78 (s, 3H), 4.92 (d, J=12.6 Hz, 3H), 4.64 (d, J=12.1 Hz, 3H), 4.30 (t, J=6.2 Hz, 6H), 3.79-3.93 (m, 18H), 3.60-3.74 (m, 9H), 3.47-3.58 (m, 3H), 3.03 (t, J=5.9 Hz, 6H), 2.67 (dd, J3eq,4 =4.6 Hz, J3eq,3ax =12.8 Hz, 3H), 2.00 (s, 9H), 1.74 (t, J3eq,3ax =12.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ 175.05, 170.75, 145.52, 126.09, 100.06, 74.98, 72.26, 70.33, 68.53, 64.93, 58.51, 55.09, 53.71, 53.59, 41.65, 22.75.
ESI-MS m/z:計算値はC51H82N13O27 (M+H)+ 1308.54; 実測値1309.13.
トリス((4−(2−O−(メチル(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル)−オネート))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(14b)
水(2.5mL)およびTHF(2.5mL)の1:1混合物中のトリス(2−アジドエチル)アミン(0.113mL、0.05mmol)の溶液に、メチル2−(ブタ−3−イニルオキシ(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシル))−オネート(0.0845g、0.225mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(8.9mg、0.0449mmol)および硫酸銅(II)(7.2mg、0.0451mmol)を撹拌しながら添加した。混合物を最初に50℃で3.5時間および室温で追加で18時間加熱した。減圧下でのTHFの蒸発後、残留物を蒸留水で3.0mLに希釈し、次いで、分取HPLC(A:H2O中0.005%HCOOH水溶液、B:CH3CN中0.005%HCOOH、5%から20%/30分の有機相勾配)で精製して、凍結乾燥後、35.9mg(53.2%)の白色生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.02 (d, J=8.5 Hz, 3H), 7.66 (s, 3H), 4.30 (t, J=5.9 Hz, 6H), 4.06 (dt, J=9.3 Hz, J=6.5 Hz, 3H), 3.74-3.87 (m, 18H), 3.57-3.72 (m, 12H), 3.50 (dd, J=1.2 Hz, J=8.7 Hz, 3H), 3.04 (t, J=5.7 Hz, 6H), 2.93 (t, J=6.1 Hz, 6H), 2.65 (dd, J3eq,4 =4.6 Hz, J3eq,3ax =12.7 Hz, 3H), 2.00 (s, 9H), 1.72 (t, J3eq,3ax =12.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ 175.16, 170.90, 146.05, 124.81, 100.22, 74.94, 72.44, 70.25, 68.52, 64.86, 64.05, 54.85, 53.80, 53.48, 41.74, 27.27, 22.72.
ESI-MS m/z:計算値はC54H88N13O27 (M+H)+ 1350.59; 実測値1351.70.
トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(ME0462)
上記で得られたメチルエステル(14a)をMeOH(1.9mL)およびLiOH(0.15mL、1.0M)溶液に溶解した。混合物を室温で44時間撹拌し、続いてLCMSを行い、アンバーライトIR120でpH=7.0に中和し、濃縮し、凍結乾燥して、20.2mgの白色生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ7.84 (s, 3H), 4.85 (d, J=12.0 Hz, 3H), 4.61 (d, J=12.0 Hz, 3H), 4.35 (t, J=6.0 Hz, 6H), 3.77-3.94 (m, 9H), 3.49-3.76 (m, 12H), 3.04 (t, J=6.0 Hz, 6H), 2.73 (dd, J3eq,4 =4.5 Hz, J3eq,3ax =12.4 Hz, 3H), 2.03 (s, 9H), 1.66 (t, J3eq,3ax =12.3 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ174.99, 173.20, 143.93, 125.23, 100.66, 72.64, 71.61, 68.25, 68.21, 62.58, 57.31, 52.67, 51.81, 48.17, 40.23, 22.00.
ESI-MS m/z:計算値はC48H76N13O27 (M+H)+ 1266.50; 実測値1267.10.
トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン(ME0461)
メチルエステル(25.8mg、14b)をMeOH(2.5mL)およびLiOH(0.17mL、1.0M)溶液に溶解した。混合物を室温で72時間撹拌し、続いてLCMSを行い、アンバーライトIR120で中和し、濃縮し、凍結乾燥して、22.0mg(88.0%)の白色生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O): δ 7.68 (s, 3H), 4.47 (t, J=5.3 Hz, 6H), 3.96-4.10 (m, 3H), 3.66-3.87 (m, 18H), 3.59-3.66 (m, 3H), 3.52-3.58 (m, 3H), 3.30 (t, J=5.3 Hz, 6H), 2.99 (t, J=5.8 Hz, 6H), 2.63 (dd, J3eq,4 =4.4 Hz, J3eq,3ax =12.7 Hz, 3H), 2.03 (s, 9H), 1.67 (t, J3eq,3ax =12.5 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, D2O): δ 175.01, 173.49, 144.82, 124.00, 100.60, 72.54, 71.68, 68.27, 68.16, 63.21, 62.55, 52.48, 51.85, 48.02, 40.20, 25.67, 22.00.
ESI-MS m/z:計算値はC51H82N13O27 (M+H)+ 1308.54; 実測値1309.29.
生物学的評価
細胞結合アッセイ
新たに合成された化合物(ME0385、ME0386、ME0407、ME0408、ME0461およびME0462)が、HCE細胞へのHAdV−37ビリオンの結合を防止する効率を調べるために、35S標識ビリオンに基づく細胞結合アッセイを実施した。過去の研究に基づき、ME0322、シアル酸およびGD1aグリカンを基準化合物として使用した(Nilssonら、N.Nat.Med.2011、17、105およびSpjutら、Angew.Chem.Int.編、2011、50、6519)。アッセイは、本質的に先述の通りに行った(さらなる詳細は以下を参照)(Arnbergら、J.Virol.2000、74、42およびArnbergら、J.Virol.2000、74、7691)。
手短に述べると、35S標識HAdV−37ビリオンを、種々の濃度の三価シアル酸誘導体、GD1aグリカンおよびシアル酸とともに、またはそれらなしで、プレインキュベートした。混合物をHCE細胞とともにインキュベートし、次いで、非結合ビリオンを洗い流した。最後に、シンチレーションカウンターを使用して細胞関連放射能をカウントした。
図1aおよび2aに表示されている結果は非常に顕著であり、故に、HCE細胞へのHAdV−37ビリオンの結合は、新たに設計された三価シアル酸の存在下では劇的に妨げられた。実際、新たな化合物のセットを評価したところ、これらは一価シアル酸よりも4桁大きく強力である(IC50=1.2mM)ことが分かった。また、新たな三価化合物は、二価GD1aグリカンよりもはるかに強力であった(IC50=91μM)。
以上のように、ME0385、ME0386およびME0461は、HAdV−37ビリオンのHCE細胞への結合を、それぞれ107nM、40nMおよび376nMのIC50値で防止するのに効率的である。最初のリード化合物(ME0322、IC50=3.2μM)は、効能が低いことが証明された。故に、本発明の化合物は、当技術分野においてこれまでに公知のものよりも優れていると結論付けることができる。さらに、類似体ME0462(IC50=1.4nM)は、ME0385、ME0386およびME0461よりもさらに一層強力であることが分かった(図2bを参照)。
最後に、それぞれ23.4μMおよび4.5μMのIC50値を持つN−アシル変性誘導体ME0407およびME0408でシリーズの完成となった。残念なことに、N−アシル部分におけるリガンドの脂溶性を増大させても、効能は、ME0385およびME386と比較して増大しなかった。このことはそれぞれ過去の研究によって立証されている(Johanssonら、J.Med.Chem.2009、52、3666)。
実験詳細−細胞結合アッセイ
S標識HAdV−37ビリオン(5×108/ウェル)を、結合緩衝液(50μL;BB:1%BSA(Roche AB、Stockholm、Sweden)およびHEPES(20mM、EuroClone、Milan、Italy)を含有するダルベッコ変法イーグル培地、pH7.5)中、種々の濃度の三価シアル酸誘導体、GD1aグリカンもしくはシアル酸とともに、またはそれらなしで(図1aを参照)、96ウェルマイクロプレート内、+4℃で1時間プレインキュベートした。次いで、これらの混合物を、96ウェルマイクロプレート内で予めペレット化されたHCE細胞に添加した(1×105/ウェル)。再懸濁後、混合物を+4℃で1時間インキュベートした。最後に、非結合ビリオンをBBで洗い流し、Wallac1409シンチレーションカウンターを使用して細胞関連放射能をカウントした。
感染アッセイ
細胞結合アッセイからの結果を裏付けるため、および本発明者らの化合物のセットをさらに評価するために、感染実験を実施した(図1b、3aおよび3b)。アッセイは、本質的に先述の通りに行った(さらなる詳細は以下を参照)((Arnbergら、J.Virol.2000、74、42およびArnbergら、J.Virol.2000、74、7691))。
手短に述べると、非標識ビリオンを、種々の濃度の三価シアル酸誘導体、GD1aグリカンもしくはシアル酸とともに、またはそれらなしで、プレインキュベートした。次いで、これらの混合物をHCE細胞に添加し、+4℃でインキュベートした。非結合ビリオンを洗い流し、得られた混合物を+37℃でインキュベートし、次いで、同期感染が得られた。同期感染とは、すべてのビリオンが同時に細胞に入ることである。感染の44時間後、細胞をすすぎ、固定し、ウサギポリクローナル抗HAdV−37抗体とともにインキュベートした後、洗浄し、染色した。最後に、細胞を洗浄し、免疫蛍光顕微鏡法によって検査した。
故に、細胞結合アッセイの動向(図1a、2aおよび2b)は、感染実験(図1b、3aおよび3b)において裏付けられた。化合物ME0386およびME0385は、HCE細胞の感染を、HAdV−37ビリオンにより、それぞれ118nMおよび166nMのIC50値でME0322よりも効率的に予防した。380nMと以前に推定されていたME0322の半数阻害濃度は、ここでは228nMと算出された。また、ME0461およびME0462は、HAdV−37ビリオンのHCE細胞への感染を、ME0322よりも効率的に予防した。さらに、感染アッセイ(図3bを参照)においても、類似体ME0462(IC50=2.1nM)が最も強力であった。
実験詳細−感染アッセイ
48ウェルプレート内の7×107の非標識ビリオン/ウェルを、無血清増殖培地(200μL)中、種々の濃度の三価シアル酸誘導体、GD1aグリカンもしくはシアル酸とともに、またはそれらなしで(図2Bを参照)、+4℃でプレインキュベートした。1時間後、混合物を、1×105の接着HCE細胞/ウェルを含有する新たな48ウェルプレートに移し、+4℃でインキュベートした。1時間後、非結合ビリオンを無血清増殖培地で洗い流し、得られた混合物を、1%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する増殖培地とともに、+37℃でインキュベートした。感染の44時間後、細胞をPBSですすぎ、冷(−20℃)99%メタノールで10分間固定し、PBS中で1:200希釈したウサギポリクローナル抗HAdV−37抗体(pH7.4)とともに室温でインキュベートした。1時間後、細胞をPBS中で洗浄し、PBS中で1:100希釈したFITC標識ブタ抗ウサギlgG抗体(Dako−cytomation、Glostrup、Denmark)により、室温で1時間染色した。最後に、細胞をPBS中で洗浄し、免疫蛍光顕微鏡(アキシオバート25、Carl Zeiss、Germany;倍率10倍)において検査した。
表面プラズモン共鳴(SPR)
最後に、ME0385、ME0386およびME0322を表面プラズモン共鳴(SPR)実験において調べ、固定化されたHAdV−37ファイバーノブに対するそれぞれの結合親和性(Kds)を決定した(さらなる詳細は以下を参照)。SPRデータは、細胞結合および細胞感染アッセイ両方の動向を十分に補強するものであり、3つの化合物は、HAdV−37ファイバーノブと1対1結合モードで相互作用することが証明された。故に、ME0386(Kd=69μM)がHAdV−37ファイバーノブと最もよく相互作用し、続いてME0385およびME0322(それぞれKd=76μMおよびKd=126μM)であることが裏付けられた。Kd値に対するHAdV−37ファイバーノブ構築物の影響も注目に値する。結合および感染アッセイと同様に、ME0462が最も高い結合親和性(Kd=9.5μM)を有していた。
実験詳細−表面プラズモン共鳴
動力学的測定は、表面プラズモン共鳴BIAcore T100機器を使用して実施した。アミンカップリングキット(GE Healthcare)を使用してHAdV−37ノブタンパク質をCM5センサーチップと共有結合的にカップリングさせ、14〜15ng/mm2(約15000RU)の濃度とした。固定化されたノブへの三価シアル酸コンジュゲートME0322、ME0385およびME0386の結合を、10mM HEPES、0.15M NaClおよび0.05%P20 pH7.4(1×HBS−EP+、GE Healthcare)中で実施した。使用した三価シアル酸の濃度は、400、200、100、50(2回)、25、12.5(2回)、6.25、3.125、1.56および0.78μMであった。結合親和性(Kds)は、Biacore T100評価ソフトウェアを使用して算出した。
要約すれば、ME0385、ME0386、ME0461およびME0462等の本発明の化合物は、HAdV−37等のウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染を予防する上で、ME0322等の当技術分野の化合物と比較して優れた効能を示すことが分かった。故に、本発明の化合物は、流行性角結膜炎の治療において非常に有用であると認められる。

Claims (19)

  1. 三価または四価シアル酸誘導体であって、式AまたはBによる3つまたは4つの基が結合しているコア部分
    [式中、
    「X」は、O(酸素)、またはS(硫黄)であり、
    R1は、C1〜3アルキルであり、
    整数「n1」は2から8であり、
    整数「n2」は1から8であり、
    波線は前記コア部分との結合点を示す]
    を、遊離塩基、その非荷電プロトン化形態の酸、両性イオン、薬学的に許容される付加塩、溶媒和物、またはその塩の溶媒和物として含
    前記コア部分が、式IIからV
    [式中、
    部分IIと結合している基が式Aによる基であるならば、式II中の整数「m1」は1から8であり、
    前記部分IIと結合している基が式Bによる基であるならば、前記式II中の整数「m1」は2から8であり、
    整数「m2」は1から8であり、
    波線は、式AまたはBによる基との結合点を示す]
    のいずれか1つによる部分である、
    前記シアル酸誘導体。
  2. 「X」がO(酸素)であり、R1がメチルである、請求項1に記載のシアル酸誘導体。
  3. 整数「n1」が2から3であり、整数「n2」が1、2または3である、請求項1または2に記載のシアル酸誘導体。
  4. 前記基が式Aによる基である、請求項1からのいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  5. 前記基が式Bによる基である、請求項1からのいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  6. 前記誘導体のその遊離形態での分子量が、1,500Da以下である、請求項1からのいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  7. 前記コア部分が式(II)による部分である、請求項1から6のいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  8. 整数「m1」が1から3である、請求項に記載のシアル酸誘導体。
  9. トリス((2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸)−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
    トリス((3−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸)−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
    トリス((2−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸)−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
    トリス((3−O−(5−N−プロパノイルアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸)−3−オキソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)アミン;
    トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン;および
    トリス((4−(2−O−(5−N−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸))−2−オキソエチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)アミン
    からなる群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  10. 純粋な立体異性体として、または前記化合物を含むアノマー混合物中に存在し、前記アノマー混合物中でα−アノマーが優勢である、請求項1からのいずれか一項に記載のシアル酸誘導体。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のシアル酸誘導体と、少なくとも1つの薬学的な許容される添加剤とを含む、眼への投与用の医薬組成物。
  12. .001から10mMの請求項1から10のいずれか一項に記載のシアル酸誘導体を含む水性組成物であって、前記水性組成物が少なくとも90wt%の水分含有量を有する、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記水性組成物が、等張溶液となるようにNaClを含む、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記水性組成物が緩衝化されている、請求項12または13に記載の医薬組成物。
  15. 前記水性組成物が約6.5から8のpHを有する、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 療法において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載のシアル酸誘導体、または請求項11もしくは15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  17. ウイルスに感染する細胞の細胞表面上に存在する末端シアル残基と結合する前記ウイルスによって引き起こされる眼感染の治療および/または予防において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載のシアル酸誘導体、または請求項11もしくは15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 前記感染が、HAdV−8、HAdV−19、HAdV−37、HAdV−53、HAdV−54およびHAdV−56からなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる、請求項17に記載のシアル酸誘導体または医薬組成物。
  19. 前記感染が流行性角結膜炎である、請求項17または18に記載のシアル酸誘導体または医薬組成物。
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