JP6360694B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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本発明は、シリコンウェーハの研磨処理に用いる研磨用組成物に関する。
基板の研磨処理において、コロイダルシリカを砥粒として研磨することが一般に行われている。例えば、特許文献1(特開平01−40267号公報)や特許文献2(特開2012−212082号公報)には、コロイダルシリカを用いて基板の表面の仕上げ研磨を行うことが開示されている。また、特許文献1には、コロイダルシリカに無機アルカリ及びアミン等の有機アルカリを添加することにより、エッチングする効果が相乗的に発揮されると記載されている。
シリコンウェーハの研磨処理において、砥粒、硫酸、硝酸、分散剤、有機化合物、界面活性剤等を含む研磨液を用いた研磨が行われている。ウェーハの表面の平坦化を高精度に実現するため、研磨処理は多段階に分けて行われる。研磨液を用いた研磨においては、高い研磨速度や研磨後のウェーハの表面粗さを小さくすること、研磨後のウェーハの形状を平坦化したり任意の勾配を有するように制御したりすることが要求されている。
特開平01−40267号公報 特開2012−212082号公報
ところで、アミン化合物の有するエッチング作用を利用し研磨速度を向上させようとして研磨用組成物にアミン化合物を添加すると、被研磨物の表面の形状が悪化することが知られている。例えば、特許文献2は、特許文献1のようにコロイダルシリカに無機アルカリやアミン等の有機アルカリを添加した構成の研磨材によれば、基板の表面に突状の突起が発生することを問題点として提起している。
そこで、この発明は、シリコンウェーハの研磨処理において、高い研磨速度を得る一方で研磨後のウェーハの形状悪化を抑制可能な研磨用組成物の提供を目的とする。
上記の課題を解決する本発明の研磨用組成物は、砥粒と、疎水性高分子化合物と、アミン化合物と、を含む。
上記の構成によれば、研磨用組成物がアミン化合物を含有するので、アミン化合物のエッチング作用により、ウェーハの研磨において優れた研磨速度を実現することができる。また、研磨用組成物がアミン化合物と同時に、疎水性高分子化合物を含む。疎水性高分子化合物はウェーハに対して良好な吸着性を有するので、疎水性高分子化合物がウェーハに対してコーティングのように作用し、アミン化合物によるウェーハ表面のエッチング作用が緩和される。そのため、アミン化合物を含んでいてもウェーハ表面の形状悪化量を増加させることなく、研磨速度を向上させることが可能となる。
本発明の研磨用組成物によれば、アミン化合物と同時に疎水性高分子化合物を含むので、ウェーハの形状悪化量を増やすことなく優れた研磨速度を実現することができる。
図1は、実施例及び比較例の研磨速度を示すグラフである。 図2は、実施例の研磨速度変化率を示すグラフである。 図3は、実施例及び比較例の形状悪化量を示すグラフである。 図4は、実施例の形状悪化量改善率を示すグラフである。
この発明の実施の形態による研磨用組成物COMPは、砥粒と、疎水性高分子化合物と、アミン化合物とを含む。研磨用組成物COMPは、シリコンウェーハの研磨に用いられる。
砥粒としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、コロイダルアルミナ、ヒュームドアルミナ、酸化亜鉛、酸化セリウム、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化チタン、窒化シリコン等が挙げられる。これらのうち、砥粒としては、コロイダルシリカが好適に用いられる。
疎水性高分子化合物としては、水溶性高分子化合物が用いられる。疎水性高分子化合物は、ウェーハに対して疎水性を有する。ここで、「ウェーハに対して疎水性を有する」とは、疎水性高分子化合物の水溶物をウェーハ上に置いたときに、ウェーハの表面に濡れが広がりにくい性質を意味する。疎水性高分子化合物としては、非イオン性の界面活性剤が好適である。このような疎水性高分子化合物としては、下記一般式(1)で示されるアルキルジアミン構造を含み、アルキルアミン構造の2つの窒素のいずれかに、少なくとも1つのブロック型ポリエーテルが結合された化合物が好適である。
Figure 0006360694
式(1)において、nは1以上の整数である。
アルキルアミン構造の2つの窒素のいずれかに結合されるブロック型ポリエーテルは、以下(a)〜(d)で示されるエーテル基から選ばれる少なくとも1種を含む。
(a)−[(EO)−(PO)−H
(b)−[(PO)−(EO)−H
(c)−(EO)−[(PO)−(EO)−H
(d)−(PO)−[(EO)−(PO)−H
なお、式中、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。オキシエチレン基の数aは1以上の整数であり、1≦a≦500を満たす。また、オキシプロピレン基の数bは1以上の整数であり、1≦b≦200を満たす。xは1以上の整数を示す。
アルキルジアミン構造を有する化合物としては、例えば、ポロキサミン(エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)を用いることができる。ポロキサミンとしては、例えば、式(1)においてn=2であって、アルキルアミン構造の2つの窒素のそれぞれに(b)で示されるブロック型ポリエーテルが2つずつ結合し、(b)で示されるブロック型ポリエーテルにおいてエチレンオキシドの数a=16、プロピレンオキシドの数b=19、及びx=1とした化合物(エチレンオキシドとプロピレンオキシドの質量比がEO:PO=40:60)等を採用することができる。
疎水性高分子化合物としては、アルキルジアミン構造を有する化合物の他、オキシアルキレン重合体、ポリオキシアルキレン付加物、オキシアルキレンの共重合体等の水溶性高分子化合物が挙げられる。
オキシアルキレン重合体としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン付加物としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
オキシアルキレンの共重合体としては、ブロック型、ランダム型、交互型の共重合体が挙げられる。
アミン化合物としては、ピペラジン化合物やアルコールアミン化合物が好適である。
ピペラジン化合物としては、例えば、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン(AEP)、N−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(ピペラジン−2−エタノール)(HEP)等が挙げられる。1−(2−アミノエチル)ピペラジン(AEP)、及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(HEP)の構造式は、それぞれ、以下の式(2)、(3)で表される。
Figure 0006360694
Figure 0006360694
また、アルコールアミン化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(AEEA)、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−オクチルジエタノールアミン、N−(2−エチルヘキシル)ジエタノールアミン、N−デシルジエタノールアミン、N−ドデシルジエタノールアミン、N−トリデシルジエタノールアミン、N−テトラデシルジエタノールアミン、N−ヘキサデシルジエタノールアミン、N−オクタデシルジエタノールアミン、N−ヤシ油由来アルキルジエタノールアミン、N−牛脂由来アルキルジエタノールアミン、N−大豆油由来アルキルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン等が挙げられる。研磨用組成物COMPには、これらのうち1種又は2種以上が配合されている。N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(AEEA)の構造式は、以下の式(4)で表される。
Figure 0006360694
なお、研磨用組成物COMPは、アミン化合物として、ピペラジン化合物やアルコールアミン化合物以外の化合物を含んでいてもよい。
この発明の実施の形態においては、研磨用組成物COMPは、さらに、親水性高分子化合物を含んでいることが好ましい。親水性高分子化合物としては、水溶性高分子化合物が用いられる。親水性高分子化合物は、ウェーハに対して親水性を有する。ここで、「ウェーハに対して親水性を有する」とは、親水性高分子化合物の水溶物をウェーハ上に置いたときに、ウェーハの表面に濡れが広がりやすい性質を意味する。
親水性高分子化合物としては、例えば、セルロース構造を持つ高分子化合物が挙げられる。セルロース構造を持つ高分子化合物としては、例えば、ヒドロキシ基を有するヒドロキシエチルセルロース(HEC)が挙げられる。また、その他の親水性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
研磨用組成物COMPは、この他、塩基性化合物、pH調整剤、キレート剤、界面活性剤等の、研磨用組成物の分野で一般に知られた配合剤を任意に配合することができる。
配合する塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属元素の水酸化物またはその炭酸塩、第四級アンモニウムおよびその塩、上記アミン化合物(ピペラジン化合物、アルコールアミン化合物)以外の第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン等が挙げられる。
配合するpH調整剤としては、例えば、有機酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、フタル酸、グリコール酸等)、有機酸塩(上記有機酸のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩)、無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、炭酸等)、無機酸塩(上記無機酸のナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩)等が挙げられる。
配合するキレート剤としては、例えば、アミノカルボン酸キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸キレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、およびトリエチレントリアミン5酢酸(TTHA)などが含まれる。有機ホスホン酸系キレート剤には、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、および2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸などが含まれる。
配合する界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩アルキルリン酸エステル等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
研磨用組成物COMPは、砥粒、疎水性高分子化合物、アミン化合物を適宜混合して水を加えることによって作製される。あるいは、研磨用組成物COMPは、砥粒、疎水性高分子化合物、アミン化合物を、順次、水に混合することによって作製される。また、研磨用組成物COMPがさらに親水性高分子化合物を含む場合は、砥粒、疎水性高分子化合物、アミン化合物、親水性高分子化合物を適宜混合して水を加えることによって作製される。あるいは、研磨用組成物COMPは、砥粒、疎水性高分子化合物、アミン化合物、親水性高分子化合物を、順次、水に混合することによって作製される。そして、これらの成分を混合する手段としては、モノジナイザー、および超音波等、研磨用組成物の技術分野において常用される手段が用いられる。
以上説明した研磨用組成物COMPは、適当な濃度となるように水(例えば、脱イオン水)で希釈した後、シリコンウェーハの研磨処理に用いられる。
[実施例]
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1〜9および比較例における研磨用組成物の成分を表1に示す。表1において、各成分の重量%は、研磨用組成物の原液全体に対する重量%を表す。
Figure 0006360694
実施例1の研磨用組成物は、95.5重量%の水と、3.0重量%の砥粒(コロイダルシリカ)と、1重量%の炭酸カリウム(KCO)と、0.3重量%の水酸化カリウム(KOH)と、0.004重量%のエチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(ポロキサミン)と、0.004重量%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)と、0.2重量%のアミノエチルピペラジン(AEP)と、0.01重量%のジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)とを含む原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例2の研磨用組成物は、アミノエチルピペラジン(AEP)の代わりに、0.2重量%のアミノエチルエタノールアミン(AEEA)を含むことを除いて実施例1と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例3の研磨用組成物は、アミノエチルピペラジン(AEP)の代わりに、0.2重量%のヒドロキシエチルピペラジン(HEP)を含むことを除いて実施例1と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例4の研磨用組成物は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含有しないことを除いて実施例1と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。つまり、実施例4の研磨用組成物は、親水性高分子化合物を含んでいない。
実施例5の研磨用組成物は、アミノエチルピペラジン(AEP)の含有量を0.1重量%とした点を除いて実施例1と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例6の研磨用組成物は、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)の含有量を0.1重量%とした点を除いて実施例2と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例7の研磨用組成物は、ヒドロキシエチルピペラジン(HEP)の含有量を0.1重量%とした点を除いて実施例3と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例8の研磨用組成物は、エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(ポロキサミン)の含有量を0.002重量%としたことを除いて実施例5と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
実施例9の研磨用組成物は、エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(ポロキサミン)の含有量を0.003重量%としたことを除いて実施例5と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。
比較例の研磨用組成物は、アミノエチルピペラジン(AEP)を含まないことを除いて実施例1と同一組成の原液を作製し、その作製した原液を脱イオン水で10倍希釈したものである。つまり、比較例の研磨用組成物は、アミン化合物を含んでいない。
(研磨速度評価)
研磨装置(SPP800S、岡本工作機械製作所製)を用い、研磨パッド(SUBATM400、ニッタ・ハース社製)に実施例1〜9および比較例の研磨用組成物を600ml/分の割合で供給し、かつ、直径12インチのシリコンウェーハに15kPaの圧力をかけながら研磨定盤を33rpmの回転速度で回転させ、キャリアを30rpmの回転速度で回転させながら、4分間、研磨を行なった。なお、研磨装置の下底盤の揺動速度は600mm/分、及び揺動距離は60mmであった。また、用いたシリコンウェーハは、伝導型がP型、結晶方位が<100>、抵抗率が0.1〜100Ω・cmであった。
研磨終了後、研磨によって除去されたシリコンウェーハの厚みの差をウェーハ用平坦度検査装置(Nanometro 300TT−A、黒田精工株式会社製)を用いて測定した。研磨速度は、単位時間当たりに研磨によって除去されたシリコンウェーハの厚み(μm/分)で評価した。
実施例1〜9および比較例による研磨用組成物を用いてシリコンウェーハを研磨したときの研磨速度の結果を表2に示す。なお、表2中の「研磨速度変化率」は、実施例1〜実施例9のそれぞれの研磨速度を比較例の研磨速度で除した値を百分率で表したものである。また、これらの結果を図1及び図2のグラフにも示す。
Figure 0006360694
(ウェーハ形状評価)
研磨後のウェーハ形状を評価するために、ウェーハ用平坦度検査装置(Nanometro 300TT−A、黒田精工株式会社製)を用いてGBIR(Global Back-surface-referenced Ideal Range)を測定した。このGBIRは、ウェーハの表側の面全体について裏側の面を基準とする理想平面からの正負を測定し、これらの偏差の範囲を計算したものであり、定義すべきエッジ除外領域を除いたウェーハ表面の全体的平坦度の指標として扱うことができる。さらに、以下の式により算出される値を形状悪化量として評価した。なお、式中の「研磨取り代」は、上記のウェーハ用平坦度検査装置により測定した研磨前後におけるウェーハの厚さの差により得られる値である。
(形状悪化量)=(GBIR)/(研磨取り代)
実施例1〜9および比較例による研磨用組成物を用いてシリコンウェーハを研磨したときのGBIR、形状悪化量及び形状悪化量改善率の結果を表3に示す。なお、表3中の「形状悪化量改善率」は、比較例の形状悪化量と実施例1〜実施例9のそれぞれの形状悪化量との差をとり、さらにそれを比較例の形状悪化量で除した値を百分率で表したものである。また、これらの結果を図3及び図4のグラフにも示す。
Figure 0006360694
(表面粗さ評価)
表面粗さRaの評価として、非接触表面粗さ測定機(Wyco NT9300、Veeco社製)を用いて、実施例1〜9による研磨用組成物を用いてシリコンウェーハを研磨した後の各ウェーハの表面の粗さを測定した。そして、これらのうち最も大きい値となった実施例4を基準値として、実施例1〜9の表面粗さの値を基準値で除した値を算出した。表4は、これらの結果を示す。
Figure 0006360694
(評価結果)
図1及び図2によれば、研磨用組成物にピペラジン化合物又はアルコールアミン化合物のアミン化合物を含む実施例1〜9と、ピペラジン化合物及びアルコールアミン化合物のいずれも含まない比較例とを比較すると、実施例1〜9の研磨用組成物は、比較例の研磨用組成物よりも研磨速度が大幅に向上していることが分かる。特に、実施例1、4及び5の研磨用組成物を用いると、研磨速度が2倍以上になる。
図3及び図4によれば、実施例1〜3及び7は、研磨用組成物にピペラジン化合物又はアルコールアミン化合物のアミン化合物を含んでいるにも関わらず、ピペラジン化合物及びアルコールアミン化合物のいずれも含まない比較例と同等の形状悪化量を維持していることが分かる。また、実施例4〜6、8及び9は、研磨用組成物にピペラジン化合物又はアルコールアミン化合物のアミン化合物を含んでいるにも関わらず、ピペラジン化合物及びアルコールアミン化合物のいずれも含まない比較例よりも形状悪化量が大きく改善されていることが分かる。
このように、ピペラジン化合物又はアルコールアミン化合物等のアミン化合物を含んでいても、形状悪化量を増やすことなく研磨速度を向上、あるいは形状悪化量を改善し且つ研磨速度を向上させることができる。これは、アミン化合物と同時にポロキサミンを同時に含んでいるからであると考えられる。ポロキサミンがウェーハに対して良好な吸着性を有するので、ポロキサミンがウェーハに対してコーティングのように作用し、アミン化合物によるウェーハ表面のエッチング作用が緩和されることが一因であると推定される。
図1及び図2によれば、アミン化合物としてAEPを含む実施例1、4、5、8及び9と、アミン化合物としてAEEA又はHECを含む実施例2、3、6及び7とを比較すると、前者は後者よりもさらに優れた研磨速度を実現できることが分かる。このことから、研磨用組成物に含有するアミン化合物としては、AEPがより好適であることが伺える。
図3及び図4によれば、研磨用組成物の原液中、ピペラジン化合物としてAEPを0.2重量%含む実施例1と0.1重量%含む実施例4の比較、並びに、アルコールアミン化合物としてAEEAを0.2重量%含む実施例2と0.1重量%含む実施例5の比較より、各々の後者は前者に比べて形状悪化量が大きく改善されていることが分かる。これらは、形状悪化量が20%近く改善されており、工業製品としては非常に大きな改善である。アミン化合物としてAEPやAEEAを使用した場合に、このようにアミン化合物の含有量が少ないほうが形状悪化量が改善されるのは、前者のようにアミン化合物を過剰に含有することによりアミン化合物のエッチング作用がより強く現れるためだと考えられる。
表4によれば、研磨用組成物にHECを含む実施例1〜3及び実施例5〜9の表面粗さの値と、HECを含まない実施例4の表面粗さの値とを比較すると、前者は後者よりも優れていることが分かる。このことから、研磨組成物がHECを含む場合には表面粗さが向上すると考えられる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
この発明の本実施形態による研磨用組成物は、砥粒と、疎水性高分子化合物と、アミン化合物と、を含む。
この発明の本実施形態による研磨用組成物は、アミン化合物が、ピペラジン化合物又はアルコールアミン化合物であってもよい。
この発明の本実施形態による研磨用組成物は、さらに、親水性高分子化合物を含んでいてもよい。
この発明の本実施形態による研磨用組成物において、ピペラジン化合物は、(N−(2−アミノエチル)ピペラジン)又は(1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン)であってもよい。
この発明の本実施形態による研磨用組成物において、アルコールアミン化合物は、(2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール)であってもよい。
この発明の本実施形態による研磨用組成物において、疎水性高分子化合物は、下記一般式(1)で示される2つの窒素を含み、アルキルアミン構造の2つの窒素のいずれかに、少なくとも1つのブロック型ポリエーテルが結合されたものであってもよい。
Figure 0006360694
式(1)において、n=2であり、アルキルアミン構造の2つの窒素のいずれかに結合されるブロック型ポリエーテルは、以下(a)〜(d)で示されるエーテル基から選ばれる少なくとも1種を含む。
(a)−[(EO)−(PO)−H
(b)−[(PO)−(EO)−H
(c)−(EO)−[(PO)−(EO)−H
(d)−(PO)−[(EO)−(PO)−H
なお、式中、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。オキシエチレン基の数aは1以上の整数であり、1≦a≦500を満たす。また、オキシプロピレン基の数bは1以上の整数であり、1≦b≦200を満たす。xは1以上の整数を示す。
この発明の本実施形態による研磨用組成物において、前記親水性高分子化合物は、ヒドロキシエチルセルロースであってもよい。
本発明は、研磨用組成物について有用である。

Claims (3)

  1. 砥粒と、
    エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレンと、
    (N−(2−アミノエチル)ピペラジン)と、
    を含む、研磨用組成物。
  2. 請求項に記載の研磨用組成物において、
    さらに、親水性高分子化合物を含む、研磨用組成物。
  3. 請求項に記載の研磨用組成物において、
    前記親水性高分子化合物は、ヒドロキシエチルセルロースである、研磨用組成物。
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