JP6360290B2 - 累進屈折力レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、累進屈折力レンズに関する。
現在、眼鏡レンズにおいては、近視、遠視や乱視への対応等、装用者の要望に応じて種々のタイプのものが開発されている。開発されてきた眼鏡レンズの中の一つに、累進屈折力レンズがある(例えば、本出願人による特許文献1〜4参照)。
この累進屈折力レンズには、老視の装用者の眼の調節力を補うために、上方から下方にかけて、遠用部、累進部及び近用部が形成されている。遠用部は、遠方視のための部分であり、近用部は、近方視のための部分である。そのため、累進屈折力レンズを装用することで、装用者は、遠くの風景から手元の物体までを視認することができる。また、遠用部と近用部との間には中間視のための累進部が設けられている。この累進部では、連続的に度数が変化している。そのため、遠方視と近方視との間で視線を移動させる際に、違和感の少ない視線移動が可能となる。
また、累進屈折力レンズには、装用者が正面視をしたときに視線が通過するフィッティングポイントが予め設定されている。そして、装用者が正面視をしたときの実際の視線とフィッティングポイントとを一致させる必要がある。そのため、眼鏡店側において装用者のフィッティングポイントの位置を測定し、その情報を眼鏡レンズの製造業者へと送信する。そして、製造業者が、予め設定されたフィッティングポイントと装用者のフィッティングポイントとを一致させた上で、装用者にとって最適な眼鏡レンズの平均度数分布や非点収差分布を設計することになる。
図1は、累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1の表面において、設計に用いられる各種の点の位置について説明する図である。なお、図1は、特許文献3の図1を簡略化した図でもある。図1に示すように、眼鏡レンズ1には予め、上方から下方にかけて、遠用度数測定基準点2、フィッティングポイント3、近用アイポイント4、近用度数測定基準点5を設定している。
遠用度数測定基準点2は、眼鏡レンズ1における遠用度数を測定する位置である。フィッティングポイント3は、上述の通り、装用者が正面視をしたときに視線が通過する位置である。近用アイポイント4は、近用部における内寄せ量(インセット)及び累進帯長を示す役割を担う。近用度数測定基準点5は、眼鏡レンズ1における近用度数を測定する位置である。
また、累進屈折力レンズの幾何中心Oの水平方向には隠しマークHが施されている。隠しマークHは、永久マークとして入れられているマークで、上記各種の点の位置を特定するための基準となるマークとして用いられる。
その他の累進屈折力レンズとしては、車両の運転に適したものも知られている(例えば特許文献5参照)。特許文献5においては、遠用部(レンズの上半分)を広く設け、中間部(いわゆる累進部)を光学中心(フィッティングポイント)の直下に設けた累進屈折力レンズが提案されている(特許文献5の[0045][0051]、図1や図2)。特許文献5の累進屈折力レンズは、文献内の記載によれば、厳密に言うと近用部が存在せず、代わりに中間部が存在している(特許文献5の[0061])。従来の近用部よりも加入度数が低い状態の中間部を用いて車両のスピードメータなどを視認可能な累進屈折力レンズを、特許文献5では提案している(特許文献5の[0045][0080]〜[0082])。
特許第3196887号公報 特許第4408112号公報 特許第4596454号公報 特許第4811875号公報 米国特許公開2007/0242217号公報
累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1は、数多くの装用者により、多くの分野で活用されている。もちろん、装用者の中には、特許文献5に示されるように、車両の運転手も含まれる。ただ、運転に用いられる眼鏡レンズ1において考慮されるのは、運転を含む一般的な用途に広く対応した設計として眼鏡レンズ1の上方に広い遠方視領域を持っている設計であることと、あるいは、せいぜい眼鏡レンズ1にカラーを付けて日中の運転時の眩しさを緩和するなどという内容にとどまっている。
本発明者は、運転用に用いられる眼鏡レンズ1の問題点について検討を加えた。それに際し、本発明者は、運転手が中型ないし大型車両(例えばトラックやトレーラーなど)を運転する際の状況を調べた。その結果、これまで誰も気づかなかった課題が実は隠れていたという知見を、本発明者は得た。以下、この課題について具体的に説明する。
通常、中型ないし大型車両(以降、まとめて「大型車両」とも言う。)の運転手の着座位置は、小型車両(例えば家庭用乗用車)に比べて極めて高い。一例を挙げると、運転シートの座面が路面から1.8m前後あるため、運転手の眼の高さは路面から2.4m以上も高い位置にあるのが、大型車両では通常である。また、中型車両では、運転シートの座面が路面から1.4m前後あるため、運転手の眼の高さは路面から2.0m以上になる。
着座位置が高い場所にある自動車を運転手が運転する場合、運転手にとって前方の視野が広くなる。そのため、運転手が正面視した際に遠方視となるのはもちろんのこと、正面視から30°下方の視線角度までの範囲においても、自車の直前から数台先を走行する先行車の動きを確認するなどの遠方視を行う必要が生じる。
また、大型車両の運転手は、小型車両の運転手と同様、前方の状況を見ることを中心とした遠方視と、スピードメータなどの計器類を確認する近方視とを繰り返しながら運転を行うことになる。更に、大型車両の運転手は、仕事で大型車両を運転しているいわゆる職業ドライバーが多く、職業ドライバーにおける一日の運転時間は、その他の職業の運転手よりも非常に長い。そして、職業ドライバーにおいても高齢化が進んでおり、近方視と遠方視の間の眼の調節力が低下している運転手も少なくない。そのような運転手にとっては、近方視と遠方視の移行の繰り返しは、大きな疲労を招来することになる。そして、運転手が運転によって疲労してくると、計器類を確認する近方視を行った直後に、再度、運転手の前方において遠方視を行った場合、遠方に眼の焦点が合うまでに時間がかかるようになる。近方視にて計器類を確認した後に遠方視に移行する際に眼のピントを合わせるのに時間がかかることは、運転手にとって非常に危険なものとなる。また、運転手は、眼のピント合わせに神経を集中しなければならず、更なる疲労の原因となり、悪循環となる。
なお、遠方視から近方視へと移行する際の眼の調節を補助する眼鏡レンズ1として、先に挙げた累進屈折力レンズを従来の設計のまま採用することも考えられる。その一例が、特許文献5に記載された累進屈折力レンズである。確かに、特許文献5では、累進屈折力レンズが、遠用部を広く有し、光学中心から下方には中間部を備えることにより近用部を無くしたとされている。
しかしながら、特許文献5に記載の累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1においてフィッティングポイント3から30°下方の視線角度に該当する箇所は、加入度数が作用する累進部に位置することになる。例え、特許文献5において、近用部を無くして中間部を設けたとしても、当該箇所においては加入度数が既に作用している(特許文献5の図1や図6)。
この様子について、図2を用いて説明する。図2は、特許文献5における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は0.90Dであり、原点はフィッティングポイントである。
図2を見ると、フィッティングポイント3の直下から下方に向けて既に加入度数の増加が始まっている。
大型車両の運転手が頻繁に視線を向けるのは、大型車両から前方5〜10mに存在する先行車両の後部である。その際の運転手の視線は、着座位置の高さを考慮すると、フィッティングポイント3よりもかなり下方に向いている。従来の累進屈折力レンズを眼鏡レンズ1にそのまま採用してしまうと、フィッティングポイント3から下方に向けて既に加入度数が与えられ度数が増加していく部分において、大型車両の運転手は遠方視を行うことになってしまう。そして、遠用部と近用部との間の視線の移行のみならず、遠用部と累進部との間、累進部と近用部との間の視線の移行が頻繁に行われることになる。そのため、従来の累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1は、大型車両の運転手に対して、水平に近い視線の角度の方向では所望の遠方視力を与える一方、先行車両を確認するためのやや下方の角度の方向での遠方視力は十分ではなく、そのため、大型車両の運転手の眼に対して大きな負担を与えている。
実際に、大型車両の運転手は先行車両を確認するためのやや下方の角度の方向での遠方視力を確保するために、顎を強く引いて、累進レンズの上側の領域の加入屈折作用の無い領域を使って先行車両を見なければならない。そうなると、大型車両の運転手は、運転中に前方を見るために頻繁に強く顎を引くことになる。この姿勢は、大型車両の運転手にとって不自然な姿勢であり、快適ではない。また、このような姿勢をとることにより、大型車両の運転手の疲労が増大してしまうおそれもある。
上記の負担の増大や疲労の増大が発生してしまう累進屈折力レンズとしては、特許文献5のように、遠用部を広く設け、かつ、近用部の代わりに光学中心の直下に中間部を設けた累進屈折力レンズでも例外ではない。光学中心の直下に存在する領域が中間部であると銘打っているとはいえども、光学中心の直下から既に加入屈折作用が働いているためである。このことからも、特許文献5の記載からでは、本発明の課題を窺い知ることはできないし、課題の解決もままならない。
まとめると、大型車両の運転手は、小型車両の着座位置に比べて極めて高い位置に座ることになり、運転席から見下ろす形で遠方視を行うことになる。従来の累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1では、遠方視を累進部にて行うことになってしまう。本来ならば遠方視から近方視への移行における疲労を軽減するための累進屈折力レンズが、逆に、大型車両の運転手の眼に対し、ひいては大型車両の運転手自身に大きな負担を与えてしまっていることを、本発明者は初めて見出した。
この知見に基づき、本発明者は、大型車両の運転以外の状況に関しても調査を行った。その結果、大型車両の運転に限らず、その他の日常の作業においても、上記のような課題が生じていることが明らかとなった。例えば、座高が高い者が小型車両を運転する場合、目の前の状況を手元の記録用具にて記録する場合、遠方の装置の様子を見ながら手元の制御装置で制御する場合等々、上記のような課題が生じる状況は、枚挙にいとまがない。
あくまで、大型車両の運転に関する上記の課題は、氷山の一角に過ぎないことが、本発明者の調査により明らかとなった。結局、以下の本発明の課題を解決するためには、大型車両の運転に用いる眼鏡レンズ1のみならず、その他の日常的な作業に用いられる眼鏡レンズ1を提供する必要があることが、本発明者の調査により明らかとなった。
そこで本発明は、フィッティングポイントより下方においても遠方視を行う必要のある装用者に対して、遠方視と近方視との間の移行に伴う眼への負担を軽減する累進屈折力レンズを提供することを目的とする。
先に述べたように、大型車両、即ちトラック、トレーラー、バスなどを運転する際には、それら独特の課題が隠されていることを、本発明者は見出した。そして、その課題は、大型車両の運転の場合のみならず、その他の日常的な作業においても生じ得ることも、本発明者は見出した。そして、本発明者は、上記の課題について検討を加えた。その際、上記の課題を見つけるきっかけとなった大型車両の運転に関して検討を加えた。具体的に言うと、大型車両の運転手がどのような状況で運転しているかについて検討した。
まず、大型車両における運転席からの視野について検討した。大型車両におけるフロントガラスは、上下方向においても左右方向においても非常に大きい。そのため、運転手が顔の向きを全く変えないで前方を見た場合、遠方視の視線は、正面視から下方40°程度にまで及んでいることがわかった。
また、大型車両の運転手の平均的な顔の向きは水平よりもやや下方の10°程度下方に向けられていることもわかった。それに加え、大型車両の運転手が、前方水平方向の遠方にある対象を見ている状態から、大型車両から前方10m程度に存在する先行車両の後部を見て確認する際、大型車両の運転手の顔の向きは、更に5°程度下方に向けられることもわかった。
更に、大型車両の運転席から左右のドアミラーを見る場合は、右ドアミラーは右方向30°で下方10°、左ドアミラーは左方向60°で下方5°程度の視線方向で確認することもわかった。これは、左右の水平に近い視線方向である。
その一方、先に述べたように、従来の累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1においてフィッティングポイントから30°下方の視線角度に該当する箇所は、加入度数が作用する累進部に位置することになっていた。
これらのことから、本発明者は、上記の課題についての知見を得たことにより、以下の累進屈折力レンズを想到した。即ち、累進屈折力レンズにおいて、
(1)左右方向も含めた遠方視を良好に確保すべく、少なくとも、フィッティングポイントを通過する水平線上の所定の部分では非点収差及び相対平均度数の分布の数値を低めないしゼロに設定しておく。
(2)それと共に、累進屈折力レンズの装用者(例えば大型車両の運転手)が遠方視する場合の視線が累進屈折力レンズを通過する箇所においては、加入度数の作用を抑えておく。そして、累進屈折力レンズの装用者(例えば大型車両の運転手)が遠方視する下方の限界(例えば大型車両のフロントガラスの下端に対応する位置)を超えた部分から加入度数を作用させる。
という知見を、本発明者は得た。
なお、本明細書では、「相対平均度数」とは、累進レンズの遠用度数を基準としたレンズ各位置における相対的な平均度数の偏差のことである。
また、「非点収差」とは、累進レンズの遠用度数の乱視度数を基準としたレンズ各位置における相対的な乱視度数の偏差のことである。
以上の知見を具体化したものが、以下の態様である。
本発明の第1の態様は、
上方から下方にかけて、遠用部、累進部及び近用部が形成されており、装用者が正面視をしたときに視線が通過するフィッティングポイントが予め設定されている累進屈折力レンズにおいて、
累進屈折力レンズを装用する際に鼻側となる方向を内側、耳側となる方向を外側とすると、フィッティングポイントを通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイントから少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイントから少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とし、
フィッティングポイントから少なくとも5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
フィッティングポイントから少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
フィッティングポイントから少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明の第4の態様は、第1ないし3のいずれかの態様に記載の発明において、
フィッティングポイントから少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の50%以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明の第5の態様は、第1ないし4のいずれかの態様に記載の発明において、
フィッティングポイントから少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明の第6の態様は、第1ないし5のいずれかの態様に記載の発明において、
フィッティングポイントから少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下とした、累進屈折力レンズである。
本発明によれば、フィッティングポイントより下方においても遠方視を行う必要のある装用者に対して、遠方視と近方視との間の移行に伴う眼への負担を軽減する累進屈折力レンズを提供できる。
累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズの表面において、設計に用いられる各種の点の位置について説明する図である。 特許文献5における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は0.90Dであり、原点はフィッティングポイントである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における非点収差分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は1.50Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における相対平均度数分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は1.50Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は1.50Dであり、原点はフィッティングポイントである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における非点収差分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.00Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における相対平均度数分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.00Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.00Dであり、原点はフィッティングポイントである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における非点収差分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.50Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における相対平均度数分布を示す図である。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.50Dである。 本実施形態における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は2.50Dであり、原点はフィッティングポイントである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.累進屈折力レンズ
(1)非点収差及び相対平均度数の分布の設定
(2)加入度数の設定
2.実施の形態による効果
3.変形例
なお、本実施形態における累進屈折力レンズは眼鏡用であり、通常の眼鏡レンズ1と同様、物体側表面である第1面と眼球側表面である第2面とを有している。そして、第1面に累進面を設定した累進屈折力レンズを「外面累進レンズ」と呼んでいる。また、第2面に累進面を設定した累進屈折力レンズを「内面累進レンズ」と呼んでいる。また、両面に累進面を設定した累進屈折力レンズを「両面累進レンズ」と呼んでいる。また、第1面に垂直方向の累進成分を持つ非球面を持ち、第2面に水平方向の累進成分を持つ非球面を持つ様な両面を複合させて累進屈折力レンズとする「両面複合累進レンズ」と呼んでいる。
本実施形態においては、累進屈折力レンズを内面累進レンズとした場合について述べる。以降、特記のない限り、第1面を凸面、第2面を凹面とした眼鏡レンズ1を用いて説明する。また、累進屈折力を有する面のことを「累進面」とも言う。また、第1面を累進面とした外面累進レンズ、並びに、第1面及び第2面共に累進面とした両面累進レンズや第1面に垂直方向の累進成分を持つ非球面を持ち、第2面に水平方向の累進成分を持つ非球面を持つ様な両面を複合させて累進屈折力レンズとする「両面複合累進レンズ」については<3.変形例>にて述べる。
<1.累進屈折力レンズ>
本実施形態における累進屈折力レンズは、物体側表面である第1面と眼球側表面である第2面とを有し、且つ、遠方視のための遠用部と近方視のための近用部と遠用部と近用部との間に設けられた中間視のための累進部とを有する。そして、上述の通り、本実施形態においては第2面に累進面を設定している。また、本実施形態においては左眼用の累進屈折力レンズを一例として挙げる。
図3は、本実施形態における累進屈折力レンズの累進面における非点収差分布を示す図であり、図4は、相対平均度数分布を示す図である。
また、本明細書において、「累進レイアウト」とは、図3のような非点収差分布や、図4のような相対平均度数分布を含む。
なお、本明細書において、累進屈折力レンズを装用する際に鼻側となる方向を「内側」、耳側となる方向を「外側」とする。また、5mm下方等のように本明細書における距離の記載は、図1に示すように、累進屈折力レンズを平面視した際の累進レイアウト(図3および図4)上での距離を指す。なお、図3および図4の中の水平方向軸及び天地方向軸には目盛りが入っているが、1目盛りが5mmの距離に相当する。つまり、20mmの距離は、目盛り4つ分に相当する。
本実施形態においては左眼用の累進屈折力レンズを例に挙げているので、近用アイポイント4は若干内側(向かって右側)に位置している。遠用度数測定基準点2、フィッティングポイント3、近用アイポイント4を通過する線が主注視線となり、眼鏡レンズ1上において装用者の視線が通過する箇所となる。
図3を見ればわかるように、像の歪みの要因の一つである非点収差は、主注視線上では可能な限り少なくする。この主注視線は、上方から下方に向けて、若干内側にシフトさせている。このシフト量のことを内寄せ量とも言う。この設計は、装用者が下方に視線を向けると、内側の方に視線が向くことに起因している。
また、図3の非点収差の等高線の間隔のうち、フィッティングポイント3の付近より上方では内外方向(向かって左右方向)で鏡面対称である一方、近用アイポイント4付近より下方では内側(向かって右側)では密、耳側(向かって左側)では疎、となっている。この特徴は、図4のような相対平均度数分布でも同じである。
一方、図4のような相対平均度数分布では、フィッティングポイント3から出発して上方から下方に向けて、主注視線上では度数が増加していく。本実施形態においては、フィッティングポイント3から近用アイポイント4までの領域を累進帯と呼ぶ。そして、近用度数測定基準点5まで度数が増加し、所望の加入度数を有する累進屈折力レンズとなる。
なお、右眼用の累進屈折力レンズでは、装用者の処方にもよるが、累進レイアウトは左眼用の累進屈折力レンズに対して左右略対称となる。
この累進屈折力レンズには、図1に示すように、予め、上方から下方にかけて、遠用度数測定基準点2、フィッティングポイント3、近用アイポイント4、近用度数測定基準点5を設定している。累進屈折力レンズの直径は80mmとしている。各種の点の位置について一例を挙げると、遠用度数測定基準点2は、幾何中心から上方8mm、フィッティングポイント3は幾何中心から上方4mmの場所に配置されている。また、近用アイポイント4は幾何中心から下方10mm、近用度数測定基準点5は近用アイポイント4から更に下方5mmの場所に配置されており、近用アイポイント4及び近用度数測定基準点5は、内寄せ量に応じて内側にシフトしている。
以下、本実施形態の特徴について詳述する。本実施形態においては、中型ないし大型車両(単に「大型車両」と言う。)の運転に用いられる累進屈折力レンズについて述べる。大型車両の運転用へと累進屈折力レンズの設計を特化させることに、本実施形態の特徴がある。更に、この累進屈折力レンズにおける累進面の設計の際に、以下の2つの条件(1)及び(2)を反映させた設計としていることに主な特徴がある。
(1)フィッティングポイント3を通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイント3から少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイント3から少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とする。
(2)フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下とする。
(1)非点収差及び相対平均度数の分布の設定
先にも述べたように、大型車両の運転席から左右のドアミラーを見る場合は、右ドアミラーは右方向30°で下方10°、左ドアミラーは左方向60°で下方5°程度の視線方向で確認する。これは、左右の水平に近い視線方向である。そして、大型車両の運転手は、左右のドアミラーに移った自車の後方の像を見るが、このミラーは平面鏡ではなく、ミラーに映る範囲を広くするために緩いカーブの凸面鏡を使用している。そして、このミラーに映った後方の像を見ることは運転手の眼から像までの距離を想定すると ドアミラーに見える後方の像はミラーの面よりも遠い位置にできるため、運転手に近い位置にある方の運転席側のドアミラーで見た場合でも 遠方視に該当する。そこで、従来の累進屈折力レンズとは異なり、本実施形態においては、フィッティングポイント3から少なくとも20mm内側及び外側の間の部分(以降、単に「内外20mmの部分」とも言う。)では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満としている。非点収差及び相対平均度数の分布が0.50D未満ならば、大型車両の運転手がドアミラーで後方を確認する際に与える疲労を少なくすることが可能となる。
一般に、フィッティングポイント3の内外方向に広く遠用部を設けてしまうと、その分、累進部及び近用部にしわ寄せがくる。このしわ寄せは、眼鏡レンズ1の側方部分における非点収差の過度の上昇や、フィッティングポイント3から下方に向けて度数の上昇が突如発生するという形となって現れる。このことに関しては、特許文献5のように、遠用部を広く設け、かつ、近用部の代わりに光学中心の直下に中間部を設けた累進屈折力レンズでも例外ではない。
しかしながら、本発明者はこのしわ寄せを乗り越え、フィッティングポイント3の下方において、以下の構成を採用している。
(2)加入度数の設定
先にも述べたように、大型車両の運転手の着座位置は、小型車両(例えば家庭用乗用車)に比べて極めて高い。そのため、運転手が正面視した際に遠方視となるのはもちろんのこと、正面視から30°下方の視線角度までの範囲においても遠方視を行う必要が生じる。そこで、本実施形態においては、フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下としている。なお、5mm下方というのは、運転手の眼の高さが地上から2.4m以上となる通常の大型車両を運転する運転手が前方を見る際、フロントガラスの下端に対応する位置である。本実施形態においては、この位置が、大型車両の運転手が遠方視する下方の限界としている。
なお、「フィッティングポイントから少なくとも5mm下方」とは、水平線に対して垂直方向において上下方向のことを示すが、上述の通り、主注視線は内側に内寄せされている。そのため、厳密に言えば、「ほんのわずかだが垂直方向の下方であって内側よりの方向において少なくとも5mm下方」である。本実施形態の「5mm下方」とは、上記の両方の意味を含む。
上記の内容について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態における累進屈折力レンズの主柱視線上における上下方向の位置(横軸)と当該位置における加入度数(縦軸)との間の関係を示すグラフである。なお、累進屈折力レンズにおいて設定された加入度数は1.50Dであり、原点はフィッティングポイント3である。
図2と図5を比較すれば明らかなように、上方から下方に向けて見ていくと、従来例の図2だとフィッティングポイント3の直下で度数が増加しており、加入度数が働いている。累進帯はフィッティングポイント3から近用アイポイント4に至るまでに設けられていることを考えると、これが通常のはずである。また、折角の累進帯にもかかわらず度数を増加させなければ、(1)非点収差及び相対平均度数の分布の設定、にて述べたようなしわ寄せが生じてしまう。
しかしながら、本発明者は、正面視から30°下方の視線角度までの範囲においても遠方視を行うことを重視した。その結果、本実施形態においては、累進帯にもかかわらず、あえて、フィッティングポイント3の5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下とし、フィッティングポイント3の直下における加入度数の働きを抑制している。
なお、ここで言う「累進屈折力レンズにて設定された加入度数」とは、フィッティングポイント3から近用度数測定基準点5までの度数の増加量のことを指す。
上記の構成を採用することにより、大型車両から前方10m程度に存在する先行車両の後部を見て確認する際であっても、運転手の視線は、加入度数の働きが抑制された眼鏡レンズ上の部分に当たることになる。そして、頻繁に視線を向ける先行車両の後部を見ても、加入度数の働きが抑制されていることから、先行車両の後部から前方や左右のドアミラーに視線を移しても、運転手の眼を疲労させることが極めて少なくなる。また、計器類を見るべく近方視となる場合であって、近用アイポイント4近傍だと急に加入度数が作用するように累進屈折力レンズが設計されている場合であっても、頻繁に視線を向ける部分にて加入度数の働きが抑制されているので、運転手は極めて楽に視線の移動を行うことができる。逆に、計器類を見るべく近方視した後に、再び、自車の前方数台先にある車両あるいは自車の直前の先行車両の後部を見る際には、運転手は、視線を移す直前にレンズの加入度数を利用して計器類を見ていたため、より早く遠方にピントを合わせることができるようになるので、疲労軽減の効果が絶大となる。
なお、上記の条件「フィッティングポイント3の下方5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下」は、10%をさらに限定して8%以下であるのがより好ましい。なお、上記の条件のことを、以降の説明の便宜上、(条件2−1)と言う。
ちなみに、上記の(条件2−1)に加え、以下の条件を加えることも効果的である。そうすれば、本発明の特徴である「遠方視する場合の視線が累進屈折力レンズを通過する箇所においては、加入度数の作用を抑えておき、遠方視する下方の限界を超えた部分から加入度数を作用させる」ことがさらに確実となる。
(条件2−2)フィッティングポイント3から少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下(好ましくは12%以下)とする。
(条件2−3)フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下(好ましくは4%以下)とする。
(条件2−4)フィッティングポイント3から少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の50%以下(好ましくは35%以下)とする。
(条件2−5)フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D(好ましくは0.06D以下)以下とする。
(条件2−6)フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下(好ましくは0.16D以下)とする。
また、累進屈折力レンズとしての加入度数(累進屈折力レンズを用いた眼鏡レンズ1全体の加入度数)を2.50D以下とするのが好ましい。こうすることにより、条件(1)で述べたようなしわ寄せの度合いを小さくすることが可能となる。また、加入度数が2.50D以下であっても、累進屈折力レンズに近方視のための近用部があれば、通常、大型車両の運転手は、近方視を必要とする作業を適切に行うことができる。もちろん、運転手が高齢者の場合であっても、上記の作業を適切に行うことができる。この作業としては、大型車両の速度計のような計器類の確認のみならず、例えば、大型車両の運転とは異なる作業である荷物の配送に伴う伝票作業や、走行日誌の記入作業等、比較的短時間の近距離作業が挙げられる。
加入度数を作用させるための具体的な設計の例としては、以下のものがある。
[加入度数ADD=1.50D]
まず、図3および4に示すように、遠用度数測定基準点2、フィッティングポイント3、近用アイポイント4、近用度数測定基準点5を設定する。なお、これらの点の配置は、大型車両の運転手と計器類との距離や運転手の姿勢に基づいている。即ち、運転手からスピードメータ等の計器類までの距離は80cm程度であり、下方40°の方向にある。そして、運転手は、計器類を見るときに顔を15°下方へと向けることを想定している。それを反映させて、フィッティングポイント3を通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイント3から少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイント3から少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満としている。
その上で、図3〜4に示すように、近用アイポイント4を内寄せさせて配置し、近用アイポイント4の下方における近用度数測定基準点5での加入度数は1.50Dに設定している。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−1に対応する値)
また、図5に示すように、特許文献5(図2)とは異なり、フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下としている。この数値の算出方法について、以下、説明する。図5に示すように、フィッティングポイント3からの距離Yが5mmのときの加入度数は、Y=4〜7.33の値と加入度数0.06〜0.25との関係におけるグラフの傾きから計算すると、0.12Dとなる。そして、累進屈折力レンズに設定された加入度数が1.50Dに対し、この値の割合は7.8%となり、条件を満たす。以降、図中の表に記載のないYの値に対応する加入度数は、上記の手法を用いて計算している。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−2に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下とするところ、加入度数ADD=1.50Dの場合、図5から算出すると、Y=6.0の場合、加入度数は0.174Dとなり、割合は11.6%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−3に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下とするところ、加入度数ADD=1.50Dの場合、図5から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなり、割合は4.0%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−4に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の50%以下とするところ、加入度数ADD=1.50Dの場合、図5から算出すると、Y=10.0の場合、加入度数は0.491Dとなり、割合は32.6%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−5に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D以下とするところ、加入度数ADD=1.50Dの場合、図5から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなっていることから、条件を満たす。
(加入度数ADD=1.50Dにて条件2−6に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下とするところ、加入度数ADD=1.50Dの場合、図5から算出すると、Y=5.0の場合、加入度数は0.12Dとなっていることから、条件を満たす。
[加入度数ADD=2.00D]
本例においても、フィッティングポイント3を通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイント3から少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイント3から少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満としている。
その上で、図3〜5に対応する図6〜8(特に図6〜7)に示すように、近用アイポイント4を内寄せさせて配置し、近用アイポイント4の下方における近用度数測定基準点5での加入度数は2.00Dに設定している。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−1に対応する値)
また、図8に示すように、フィッティングポイント3からの距離Yが5mmのときの加入度数は、Y=4〜6.617の値と加入度数0.06〜0.25との関係におけるグラフの傾きから計算すると、0.13Dとなる。そして、累進屈折力レンズに設定された加入度数が2.00Dに対し、この値の割合は6.6%となる。その結果、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下という条件を満たしている。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−2に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下とするところ、加入度数ADD=2.00Dの場合、図8から算出すると、Y=6.0の場合、加入度数は0.174Dとなり、割合は10.3%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−3に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下とするところ、加入度数ADD=2.00Dの場合、図8から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなり、割合は3%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−4に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の50%以下とするところ、加入度数ADD=2.00Dの場合、図8から算出すると、Y=10.0の場合、加入度数は0.652Dとなり、割合は32.6%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−5に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D以下とするところ、加入度数ADD=2.00Dの場合、図8から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなっていることから、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.00Dにて条件2−6に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下とするところ、加入度数ADD=2.00Dの場合、図8から算出すると、Y=5.0の場合、加入度数は0.13Dとなっていることから、条件を満たす。
[加入度数ADD=2.50D]
本例においても、フィッティングポイント3を通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイント3から少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイント3から少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満としている。
その上で、図3〜5に対応する図9〜11(特に図9〜10)に示すように、近用アイポイント4を内寄せさせて配置し、近用アイポイント4の下方における近用度数測定基準点5での加入度数は2.50Dに設定している。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−1に対応する値)
また、図11に示すように、フィッティングポイント3からの距離Yが5mmのときの加入度数は、Y=4〜6の値と加入度数0.06〜0.25との関係におけるグラフの傾きから計算すると、0.16Dとなる。そして、累進屈折力レンズに設定された加入度数が2.50Dに対し、この値の割合は6.2%となる。その結果、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下という条件を満たしている。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−2に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下とするところ、加入度数ADD=2.50Dの場合、図11から算出すると、Y=6.0の場合、加入度数は0.25Dとなり、割合は10.0%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−3に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下とするところ、加入度数ADD=2.50Dの場合、図11から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなり、割合は2.4%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−4に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の50%以下とするところ、加入度数ADD=2.50Dの場合、図11から算出すると、Y=10.0の場合、加入度数は0.831Dとなり、割合は33.3%となり、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−5に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D以下とするところ、加入度数ADD=2.50Dの場合、図11から算出すると、Y=4.0の場合、加入度数は0.06Dとなっていることから、条件を満たす。
(加入度数ADD=2.50Dにて条件2−6に対応する値)
フィッティングポイント3から少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下とするところ、加入度数ADD=2.50Dの場合、図11から算出すると、Y=6.0の場合、加入度数は0.16Dとなっていることから、条件を満たす。
上記の各例において算出した値を、(条件2−1)〜(条件2−6)と対比させた上でまとめたものが、以下の表1である。
また、表1には、特許文献5に示される例(従来例)に関する結果もまとめて記載している。以下、説明する。
[特許文献5に示される例 加入度数ADD=0.90D]
本実施形態との対比のために、特許文献5に記載の累進屈折力レンズは、(条件2−1)を満たしているか否かについて述べる。
特許文献5に記載の累進屈折力レンズを示す図2を見ると、加入度数が0.90Dという低い値であっても、Y=5.0の地点では、加入度数は約0.25Dとなっており、割合は27.8%となり、数値的には上記の(条件2−1)を満たさない。なお、特許文献5の図6には加入度数が1.25Dの場合のグラフが記載されているが、このグラフにおいても同様に上記の(条件2−1)を満たしていない。
また、他にも、(条件2−2)に関しては、図2に示すように、Y=6.0の地点では、加入度数は約0.30Dとなっており、割合は33.3%となり、数値的には条件を満たさない。
また、他の条件、詳しく言うと(条件2−6)以外の条件に関しては、以下のように条件を満たさない。
(条件2−3)に関しては、図2に示すように、Y=4.0の地点では、加入度数は約0.15Dとなっており、割合は16.7%となり、数値的には条件を満たさない。
(条件2−4)に関しては、図2に示すように、Y=10.0の地点では、加入度数は約0.65Dとなっており、割合は72.2%となり、数値的には条件を満たさない。
(条件2−5)に関しては、図2に示すように、Y=4.0の地点では、加入度数は約0.15Dとなっており、数値的には条件を満たさない。
本実施形態と特許文献5に記載の技術とは、上記のように、数値として著しく異なるが、それ以上に技術的思想としては全く異なる。以下、両者技術的思想の相違について説明する。
特許文献5は、累進屈折力レンズにおいて、遠用部を広く設け、その上で、近用部を無くしていると述べている(特許文献5の[0061])。特許文献5を読む限り、近用部を無くしているのは、中間部がその役割を担っていると考えられる(特許文献5の[0046])。累進屈折力レンズに遠用部と中間部としか存在しない関係上、上方から下方に向けて見たときに累進屈折力レンズの上方に存在する遠用部の終端の直下からすぐに加入度数を増加させなければならない。そうでなければ近用部を無くしてまで中間部が近用部の代わりとなることは極めて困難である。また、仮に、本実施形態のように、フィッティングポイント3の直下の部分における加入度数の働きを抑えた場合、抑えた分の反動が中間部の下方に影響を与え、非点収差が大きくなることは避けられない。そうなると、特許文献5の[0072]に記載のように非点収差の度数勾配の増加を抑えるという記載と相反することになる。以上の検討により、特許文献5では、遠用部を広く設けつつも、遠用部の直下から加入度数を働かせることが技術的思想であると考えられる。
その一方、本実施形態は、特許文献5の技術的思想とは真逆の思想に基づいて構成されている。つまり、フィッティングポイント3の直下の部分における加入度数の働きを抑え、本発明の課題にて述べたような眼鏡の装用者の疲労を軽減させる一方、累進部および近用部における平均度数分布における度数勾配や非点収差分布における度数勾配の増加は甘受する。そもそも、頻繁に視線移動させる部分というのが遠用部の直下5mmの範囲であることから当該範囲にさえ加入度数の働きを抑えていればよい。それよりも下方では、当然、急激に加入度数が働くことになるが、その部分は頻繁に視線移動させるような部分でないため、装用者の疲労は最小限で済む。そのため、上記のような度数勾配の増加を甘受しても、十分に本発明の効果は発揮される。
以上のように、本実施形態は、特許文献5に記載の技術とは、数値的にも異なるし、技術的思想的にも全く異なるものである。
なお、本実施形態の累進屈折力レンズを製造する方法としては、特許文献1〜4に記載のように公知の方法を用いれば良い。概要を述べると、A)セミフィニッシュレンズの準備(準備工程)→B)セミフィニッシュレンズへの加工(加工工程)→C)その他(累進屈折力レンズを眼鏡レンズへと製品化するための諸々の加工)を行えば良い。
A)セミフィニッシュレンズの準備
セミフィニッシュレンズは、累進屈折力レンズの基となる基材である。累進屈折力レンズを製造することができるのならば、どのような材質や形状を有していても構わないし、公知のセミフィニッシュレンズを用いても構わない。本実施形態のセミフィニッシュレンズは、略円盤状であり、累進屈折力レンズの第1面となる部分には、所定のベースカーブを有する球面形状が形成されている。また、ベースカーブを有する面と対向する面は、未加工面としている。
まとめると、本実施形態における累進屈折力レンズの第1面を、前記セミフィニッシュレンズにおいて前記ベースカーブを有する面を基とした面としている。そして、本実施形態における第2面を、セミフィニッシュレンズにおいてベースカーブを有する面と対向する面を加工して形成された、累進屈折力を有する面としている。
なお、セミフィニッシュレンズの製造方法は、特許文献1〜4に加え、本出願人による従来技術(WO2005/084885号公報)等、公知のものを用いても構わない。
B)セミフィニッシュレンズへの加工
本実施形態においては、セミフィニッシュレンズの未加工面が、累進屈折力レンズの第2面となり、累進面となる。なお、ベースカーブの選択は、公知の方法を用いれば良い。ここで選択されたベースカーブを有するセミフィニッシュレンズを選択する。その後、実際にセミフィニッシュレンズへの加工が行われる。
C)その他
第1面及び第2面が形成された累進屈折力レンズに対し、その他の諸々の工程を行う。例えば、表面検査、染色、ハードコート膜の形成、反射防止膜の形成、レンズ光学性能検査、外観検査、マーキング、ヤゲン加工、洗浄等を行う。こうして、本実施形態における累進屈折力レンズが製造される。
<2.実施の形態による効果>
本実施形態においては、以下の効果を奏する。
本実施形態の累進屈折力レンズならば、フィッティングポイント3から下方が累進帯にもかかわらず、フィッティングポイント3の直下においては加入度数が働きにくくなっている。そのため、累進屈折力レンズの中でも度数の増加が抑えられている部分において、本実施形態の累進屈折力レンズの装用者(例えば大型車両の運転手)は遠方視を行うことが可能となる。その結果、本実施形態の累進屈折力レンズは、着座位置が非常に高い大型車両を運転する際の遠方視から近方視へと移行する際の眼の調節を、適切に補助することが可能となる。そして、大型車両の運転手に対して所望の視力を与えつつ、大型車両の運転手の眼に対する負担を軽減することが可能となる。また、頻繁に視線を向ける先行車両の後部を見る際の疲労を軽減できていることから、大型車両の運転中、運転手が他の位置(遠方視が必要な位置又は近方視が必要な位置)へと視線を移したとしても、従来に比べて飛躍的に運転手の疲労を軽減することが可能となる。しかも、運転手が高齢者の場合だと、所望の光学特性を高齢者に提供しつつも、視線の移動の際の負担を飛躍的に軽減することが可能となる。
また、従来の累進屈折力レンズを装用したときのように、大型車両の運転手が顎を強く引いて、累進レンズの上側の領域の加入屈折作用の無い領域を使って先行車両を見る必要もなくなる。そうなると、大型車両の運転手は自然な姿勢で運転することが可能となり、大型車両の運転手の疲労を著しく軽減することが可能となる。
もちろん、大型車両の運転に限らず、先に列挙したような日常の作業においても、本実施形態の累進屈折力レンズを装用することにより、遠方視から近方視へと移行する際の眼の調節を適切に補助することが可能となり、上記に挙げた効果を奏する。
以上、本実施形態によれば、フィッティングポイント3より下方においても遠方視を行う必要のある装用者に対して、遠方視と近方視との間の移行に伴う眼への負担を軽減する累進屈折力レンズを提供することができる。
<3.変形例>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
上記の実施形態では、第2面を累進面とした内面累進レンズについて例を挙げた。もちろん、第1面を累進面とした外面累進レンズ、並びに、第1面及び第2面共に累進面とした両面累進レンズについても、本発明は適用可能である。なお、外面累進レンズの場合は、第1面の累進レイアウトを、上記の実施形態のように設計すれば良い。一方、両面累進レンズや両面複合累進レンズの場合は、第1面と第2面とが組み合わさることにより形成される累進レイアウトが、上記の実施形態のようになれば良い。
条件(1)についてであるが、フィッティングポイント3から内外20mmの部分では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満としている。更に好ましくは、更に広いフィッティングポイント3から内外25mmの部分でも、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とする。
一方、非点収差及び相対平均度数の分布を更に小さくするのも、より好ましい。具体的に言うと、内外20mmの部分で非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とする代わりに、0.25D未満とするのが、より好ましい。こうすることにより、大型車両の運転手に与える疲労を極めて少なくすることが可能となる。
条件(2)についての変形例は、上記の通りである。ただ、上記の実施形態では、(条件2−1)を満たしたうえで、他の(条件2−2)〜(条件2−6)を満たすことが好ましいと述べた。その一方、(条件2−1)〜(条件2−6)は、いずれも、相対値または絶対値という違い、主注視線上の位置の違いはあれども、フィッティングポイント3の直下から所定の範囲の部分では加入度数を働かせないということを規定するための条件である。現在のところ、フィッティングポイント3の下方5mmという数値には上述のような意義があることから、(条件2−1)を前提とした累進屈折力レンズを一例として挙げている。しかしながら、(条件2−1)を満たすのではなく、(条件2−2)〜(条件2−6)のいずれかまたはそれらの組み合わせの条件を満たすことによっても、本発明の効果を奏する。特に、(条件2−6)以外の各条件ならば、特許文献5に記載の累進屈折力レンズとは全く異なるものとなる。
上記の実施形態では、上記の(1)及び(2−1)の条件で示すとおり、フィッティングポイント3から見て内側から外側の部分、及び、フィッティングポイント3の下方部分における光学特性値を条件づけている。上述の通り、フィッティングポイント3を通過する水平線及びその上方の全体において、非点収差及び相対平均度数の分布を著しく小さくないしゼロにするのが好ましい。また、フィッティングポイント3から見て内側から外側の部分とフィッティングポイント3の下方部分との間の部分においても、加入度数が低く抑えられていることが好ましい。ただ、先にも述べたように、左右のドアミラーに視線を移したとしても、累進屈折力レンズ上において視線が移動するのはほぼ水平線上である。また、前方に存在する先行車両の後部を運転手が遠方視にて視認する際には、累進屈折力レンズ上におけるフィッティングポイント3のほぼ直下5mmの部分にて視線が通過する。そのため、上記の(1)及び(2−1)の条件を満たしておけば、累進屈折力レンズにおける他の部分における加入度数の条件は問わない。
本発明が適用される累進屈折力レンズは、プラスレンズであっても構わないし、マイナスレンズであっても構わない。プラスレンズかマイナスレンズかによって、運転手の視線が累進屈折力レンズに当たる位置が変動するが、いずれにせよ、上記の(1)及び(2−1)の条件を満たせば上記の効果を奏する。ただ、マイナスレンズの場合だと、運転手にとって眼球の回旋量が比較的少なくて済む。そうなると、遠方視の際に、上記の(1)及び(2−1)の条件の範囲内で眼球の回旋をほぼ確実に行うことになる。
本実施形態においては、フィッティングポイント3から近用アイポイント4までの領域を累進帯と呼んだ。その一方、フィッティングポイント3から近用度数測定基準点5までの領域を累進帯と呼んでも構わない。いずれにせよ、重要なのはフィッティングポイント3であり、上記の(1)及び(2−1)の条件を満たせば本発明の効果を奏する。
また、5mm下方のように距離で条件を設定する以外にも、視角度で条件を設定しても構わない。例えば、条件(1)の場合だと「フィッティングポイントを通過する水平線上の部分であって視角度±40°の範囲にて、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とする」という定義づけを行っても構わない。なお、上記の定義においては、水平線に垂直な線において上方に向かう方向を0°の基準方向としている。同様に、条件(2)の場合だと「フィッティングポイントから少なくとも眼球の下方への回旋角度10°までの部分では加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下とする」という定義づけを行っても構わない。
上記の実施形態では大型車両の運転に用いる場合における累進屈折力レンズについて述べたが、大型車両以外であっても、「操縦の際には俯瞰して遠方視を行うことになる移動手段の操縦」という用途に供されるものならば、上記の効果を奏する。この移動手段の例としては、列車、船舶、航空機、大型二輪車、農耕用の特殊車両、その他、俯瞰して遠方視を行う大型・小型特殊車両等が挙げられる。このように、本発明は種々の移動手段に適用可能である。同様に、運転手の眼の高さが地上から2.0m未満の車両であっても、俯瞰して遠方視を行う移動手段を操縦するものならば、本発明の効果を享受することが可能となる。ただ、上述の通り、大型車両を運転する際に用いる方が、特に本発明の効果が発揮される。
なお、本明細書における「中型ないし大型車両」は、日本の道路交通法における自動車の区分における中型自動車以上の規模の車両のことを言う。最大積載量だと3t以上の車を指す。好ましくは特定中型自動車以上、更に好ましくは大型車両の運転に際し、本実施形態の累進屈折力レンズは好適に適用可能である。
また、本実施形態においては大型車両(運転手の眼の高さが地上から2.4m以上)を想定して「5mm下方」という条件設定を行った。その一方、もちろん、大型車両の場合よりも俯瞰の度合いが小さくなる中型車両(運転手の眼の高さが地上から2.0m以上)を想定した場合であっても、上記の(1)及び(2−1)の条件を満たせば、本発明の効果を享受することが可能となる。
更に言うと、上記の移動手段の操縦以外の用途としても、上記の累進屈折力レンズは有用である。繰り返しになるが、大型車両の運転について検討した結果得られた知見は、あくまできっかけに過ぎず、日常の作業において本発明の課題は生じ得る。つまり、上記の累進屈折力レンズは、大型車両の運転用さらには移動手段の操縦用に限定されるものではない。上記の用途を含む日常の作業において生じ得る上記の課題を解消するための手段の基となる技術的思想こそが、本発明である。
1 眼鏡レンズ
2 遠用度数測定基準点
3 フィッティングポイント
4 近用アイポイント
5 近用度数測定基準点

Claims (6)

  1. 上方から下方にかけて、遠用部、累進部及び近用部が形成されており、装用者が正面視をしたときに視線が通過するフィッティングポイントが予め設定されている累進屈折力レンズにおいて、
    累進屈折力レンズを装用する際に鼻側となる方向を内側、耳側となる方向を外側とすると、フィッティングポイントを通過する水平線上の部分であって、フィッティングポイントから少なくとも20mm内側へ離れた位置から、フィッティングポイントから少なくとも20mm外側へ離れた位置までの間では、非点収差及び相対平均度数の分布を0.50D未満とし、
    累進屈折力レンズにて設定された加入度数は2.00〜2.50Dであり、
    フィッティングポイントから少なくとも5mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の10%以下とした、累進屈折力レンズ。
  2. フィッティングポイントから少なくとも10mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の35%以下とした、請求項に記載の累進屈折力レンズ。
  3. フィッティングポイントから少なくとも6mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の15%以下とした、請求項1または2のいずれかに記載の累進屈折力レンズ。
  4. フィッティングポイントから少なくとも4mm下方までの加入度数の割合を、累進屈折力レンズにて設定された加入度数の5%以下とした、請求項1ないしのいずれかに記載の累進屈折力レンズ。
  5. フィッティングポイントから少なくとも4mm下方までの加入度数を0.10D以下とした、請求項1ないしのいずれかに記載の累進屈折力レンズ。
  6. フィッティングポイントから少なくとも5mm下方までの加入度数を0.25D以下とした、請求項1ないしのいずれかに記載の累進屈折力レンズ。
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