JP2020106644A - 累進屈折力眼鏡レンズ - Google Patents

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恵介 中條
Keisuke Nakajo
恵介 中條
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Abstract

【課題】加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する領域を有さない場合に比べて遠方と近方との中間の距離にある物体を見やすくすることができる累進屈折力眼鏡レンズを提供する。【解決手段】累進屈折力眼鏡レンズは、近方を見るための近用領域FR1と、近用領域FR1ではない非近用領域OR1とを有し、近用領域FR1と、非近用領域OR1とは加入度変化の変曲点によって分けられ、非近用領域OR1のうち近用領域側FR1の部分に加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ連続した領域である逆加入領域を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、累進屈折力眼鏡レンズに関する。
既存の累進レンズでは、パーソナルコンピュータのディスプレイ(以下、PCディスプレイという)を見る場合の典型的な距離が度数変化領域に相当し、見づらいことが知られている。PCディスプレイを見るために屈折力が一定である領域を有する眼鏡レンズが知られている(特許文献1)。PCディスプレイが傾いている場合など、見る場所によって実際には物体距離が変化し得るため、眼を調節させる必要がある。しかし、PCディスプレイの傾きによっては、視対象であるPCディスプレイと眼との距離である物体距離の変化は一般的な累進屈折力レンズで想定された物体距離変化とは逆になるため、一般的な累進屈折力レンズも、先行特許文献1の屈折力が一定である領域を有する眼鏡レンズも、PCディスプレイが見づらい設計になっている。
特開2004−101878号公報
本発明の一態様における累進屈折力眼鏡レンズは、近方を見るための近用領域と、前記近用領域ではない非近用領域とを有し、前記近用領域と、非近用領域とは加入度変化の変曲点によって分けられ、前記非近用領域のうち前記近用領域側の部分に加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ連続した領域である逆加入領域を有する。
本発明の第1の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る加入度変化の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る眼球とディスプレイとの位置関係の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る大型ディスプレイ画面上下幅に対応する累進屈折力眼鏡レンズ上における視線移動の高さ幅の算出結果の第1の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る大型ディスプレイ画面上下幅に対応する累進屈折力眼鏡レンズ上における視線移動の高さ幅の算出結果の第2の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズの透過屈折力の等高線図の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズの透過非点収差の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズの一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る加入度変化の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズの一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る加入度変化の一例を示す図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1の一例を示す図である。図1において累進屈折力眼鏡レンズL1は、眼鏡用フレームの形状に合わせてレンズを加工する前の状態(玉摺り加工前の状態)である。累進屈折力眼鏡レンズL1は、平面視において円形または楕円形、場合によっては玉型形状に形成される。累進屈折力眼鏡レンズL1は、図1において上側が装用時において上方に配置され、下側が装用時において下方に配置される。
累進屈折力眼鏡レンズL1は、近方を見るための近用領域NR1と、近用領域NR1ではない非近用領域OR1とを有する。累進屈折力眼鏡レンズL1は、非近用領域OR1に、遠方を見るための遠用領域FR1と、近方と遠方との中間の距離を見るための中間領域MR1とを有する。ここで中間領域MR1は、遠用領域FR1と近用領域NR1の中間に配置されており、非近用領域OR1のうち近用領域NR1側の部分である。近方と遠方との中間の距離とは、一例として、累進屈折力眼鏡レンズL1の装用者がイスに座ってデスク上のPCディスプレイを見ているときの距離であり、50〜70cm程度の距離である。
遠用領域FR1は累進屈折力眼鏡レンズL1の上部に配置されており、累進屈折力眼鏡レンズL1が眼鏡用に加工された後には遠景に対応する屈折力を有する部分となる。近用領域NR1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の下部に配置されており、累進屈折力眼鏡レンズL1が眼鏡用に加工された後には近景に対応する屈折力を有する部分となる。中間領域MR1は、遠用領域FR1と近用領域NR1との間の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する部分である。
累進屈折力眼鏡レンズL1のほぼ中央には、主注視線M1が設けられている。主注視線M1は、装用者が正面上方から正面下方にある物体を見た場合に視線が通過するレンズ上の仮想線であり、近見反応に伴う輻輳によって近方に近づくほど、内側に寄る。主注視線M1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の下部の位置M11から、上部の位置M12まで伸びている。
累進屈折力眼鏡レンズL1は、主注視線M1上に複数の基準点を有している。累進屈折力眼鏡レンズL1が有する基準点には、例えば、プリズム参照点PRP1、フィッティングポイントFP1、第1変曲点IP11、及び第2変曲点IP12がある。
プリズム参照点PRP1は、設計の際に基準となるレンズの光学中心に対応する。フィッティングポイントFP1は、装用者が累進屈折力眼鏡レンズL1を装用する時の基準点となる。中間領域MR1は、フィッティングポイントFP1の位置を含む。なお、フィッティングポイントは、アイポイントとも呼ばれることがある。
第1変曲点IP11、及び第2変曲点IP12は、累進屈折力眼鏡レンズL1の加入度変化C1の変曲点に対応する。主注視線M1は、第1変曲点IP11、及び第2変曲点IP12において折れ曲がる。加入度変化C1の変曲点については図2を参照して後述する。
ここで図2を参照し、累進屈折力眼鏡レンズL1の加入度変化C1について説明する。図2は、本実施形態に係る加入度変化C1の一例を示す図である。図2において「高さ」とは、累進屈折力眼鏡レンズL1のプリズム参照点PRP1を基準としたときの、累進屈折力眼鏡レンズL1の上下方向の高さを示す。ここでプリズム参照点PRP1に対応する高さは0mmである。以下では、累進屈折力眼鏡レンズL1の上下方向の高さのことを単に累進屈折力眼鏡レンズL1の高さという。
加入度変化C1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の高さ毎に累進屈折力眼鏡レンズL1の加入度変化を示すグラフである。換言すれば、加入度変化C1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の高さの関数としての加入度変化を示すグラフである。なお、加入度変化C1は滑らかな関数である。
累進屈折力眼鏡レンズL1が有する領域について、累進屈折力眼鏡レンズL1の高さの関数としての加入度変化C1の勾配が、高さが低くなる場合に加入度変化C1が大きくなる向きである場合、当該領域を順加入という。一方、累進屈折力眼鏡レンズL1が有する領域について、加入度変化C1の勾配が、高さが低くなる場合に加入度変化C1が小さくなる向きである場合、当該領域を逆加入という。
遠用領域FR1の加入度変化は順加入である。中間領域MR1の加入度変化は逆加入である。近用領域NR1の加入度変化は順加入である。つまり、累進屈折力眼鏡レンズL1は、非近用領域OR1に、加入度変化が順加入である遠用領域FR1と、加入度変化が逆加入である中間領域MR1とを有する。
遠用領域FR1、中間領域MR1、及び近用領域NR1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の上下方向において、加入度変化C1の変曲点に対応する高さによって分けられる。ここで本実施形態において加入度変化C1の変曲点とは、図1の主注視線M1が折れ曲がる点に対応する点である。加入度変化C1においては、主注視線M1が折れ曲がる点に対応する点は、一例として加入度変化C1の勾配が局所的ではなく一定区間安定して変化する領域同士の境界に対応する点である。
中間領域MR1と近用領域NR1とは、加入度変化C1の極小値に対応する第1変曲点P11によって分けられている。一方、遠用領域FR1と中間領域MR1とは、加入度変化C1の極大値に対応する第2変曲点P12によって分けられている。つまり、近用領域NR1と、非近用領域OR1とは加入度変化の変曲点によって分けられる。
図2の第1変曲点P11と、第2変曲点P12とは、図1の第1変曲点IP11と、第2変曲点IP12とにそれぞれ対応する。
上述したように中間領域MR1は、加入度変化は逆加入である。つまり、中間領域MR1は、加入度変化が逆加入であって連続した領域である逆加入領域RR1を含む。また、上述したように中間領域MR1は、非近用領域OR1のうち近用領域NR1側の部分である。したがって、累進屈折力眼鏡レンズL1は、非近用領域OR1のうち近用領域NR1側の部分に加入度変化が逆加入であって連続した逆加入領域RR1を有する。
加入度変化C1は、中間領域MR1において式(1)を満たす。
Figure 2020106644
式(1)では「Add.Change」は加入度変化C1の値を示す。
ここで図3を参照し、式(1)のパラメータについて説明する。図3は、本実施形態に係る眼球1とディスプレイ2との位置関係の一例を示す図である。眼球1は、累進屈折力眼鏡レンズL1の装用者の眼球である。図3では、眼球1は、ディスプレイ2を見ている状態である。
距離d0は、ディスプレイ2の位置20と眼球角膜頂点10との相対的な距離である。ここで位置20とは、視線の方向とディスプレイ2の交点に対応する位置である。相対的な距離とは、距離d0が頭部前傾角等に応じて変化して定義されることを意味する。つまり、距離d0は頭部前傾角等の影響を排除して定義される。
距離d1は、眼球角膜頂点10から回旋点11までの距離である。回旋角度θは、眼球1の上下方向の回旋角度であり、図2における累進屈折力眼鏡レンズL1の高さに対応する。回旋角度θが0のとき、累進屈折力眼鏡レンズL1の高さも0に相当する。角度φは、視線の方向と垂直な方向の下向き(鉛直下向き)に対するディスプレイ2の傾きの角度である。角度φは、例えば、0度より大きく30度以下の範囲に値をもつ。
なお、式(1)において、これらのパラメータと同等で代替可能なパラメータが用いられてもよい。
重みづけ定数wは、0を超える1以下の値の範囲から、累進屈折力眼鏡レンズL1の装用者の調節力を考慮して決定される重みづけ定数である。
ここで重みづけ定数wの決定方法の一例を示す。
重みづけ定数wは、例えば、式(2)に示すように装用者の調節力(Acc.)についてのステップ関数の値として決定される。
Figure 2020106644
別の一例では、重みづけ定数wは、装用者の調節力(Acc.)に応じて装用者の調節力(Acc.)に反比例する関数の値として決定される。
Figure 2020106644
ここで、重みづけ定数wは、装用者の調節力(Acc.)が1より大きい場合には、調節力(Acc.)に反比例する関数の値として決定される。重みづけ定数wは、調節力(Acc.)が1以下である場合には、定数として決定される。
中間領域MR1において、逆加入領域RR1の範囲は、上下方向の長さにして13mm以上であることが好ましい。
ここで図4及び図5を参照し、逆加入領域RR1の範囲の長さの数値の根拠について説明する。
図4は、実際の大型ディスプレイの画面上における視線移動の上下幅に対応する、累進屈折力眼鏡レンズL1上における視線移動の高さ幅を算出した結果の第1の例を示す図である。図4に示す各値は、レンズ後面から眼球の回旋中心までの距離dの値として具体的な数値を設定し、上下幅39cmのディスプレイ2の位置20と眼球角膜頂点10との相対的な距離d0を変えた場合に、視線方向と垂直な方向に対するディスプレイ2の角度である角度φ毎に大型ディスプレイ画面上下幅に対応する累進屈折力眼鏡レンズL1上の高さ幅の値が算出された結果である。この大型ディスプレイ画面上下幅に対応する累進屈折力眼鏡レンズL1上の視線移動の高さ幅を、以後、単に「高さ幅」と呼ぶ。算出結果である高さ幅は図4では”height”と記載してある。
図5は、本実施形態に係る高さ幅の算出結果の第2の例を示す図である。図5に示す各値は、曲率半径Rと距離dとして図4とは別の数値を設定し、角度φの値が0である場合に、ディスプレイ2の位置20と眼球角膜頂点10との相対的な距離d0を変えて高さ幅の値が算出された結果である。
図4及び図5から、高さ幅の値の最小値は13.612mmである。したがって、ディスプレイ2の上端22から下端23までを見るためには、中間領域MR1において逆加入領域RR1の範囲は、上下方向の長さにして13mm以上であることが好ましい。
図6、図7を参照し、累進屈折力眼鏡レンズL1の屈折力の分布、及び透過非点収差の分布について説明する。
図6は、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1の透過屈折力の等高線図P1の一例を示す図である。図6の等高線図P1の上下方向と、図1の上下方向は一致する。等高線図P1の中間領域MR1に対応する部分では、屈折力が遠用領域FR1の側から近用領域NR1の側へと緩やかに負の値の方に変化している。
図7は、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1の透過非点収差の一例を示す図である。図7の等高線図P2の上下方向と、図1の上下方向は一致する。
以上に説明したように、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1は、近方を見るための近用領域NR1と、近用領域NR1ではない非近用領域OR1とを有する。近用領域NR1と、非近用領域OR1とは加入度変化の変曲点によって分けられる。本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1は、非近用領域OR1のうち近用領域NR1側の部分に加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ連続した領域である逆加入領域RR1を有する。
この構成により、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1では、遠方と近方との中間の距離にある物体を見る場合に用いる領域の加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化するため、逆加入領域RR1を有さない場合に比べて当該物体を見やすくすることができる。
遠方と近方との中間の距離にある物体とは、例えば、累進屈折力眼鏡レンズL1の装用者がイスに座って見るPCディスプレイである。このPCディスプレイは、実施形態において説明したとおり視線と垂直な方向に対して所定の角度だけ傾いている。
また、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1では、非近用領域OR1に、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が増加する方向に変化する領域である遠用領域FR1と、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する領域である中間領域MR1とを有する。
この構成により、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1では、遠方を見る場合には遠用領域FR1を用いて、遠方と近方との中間の距離を見る場合には中間領域MR1を用いることができるため、中間領域MR1を有さない場合に比べて遠方と近方の中間の距離にある物体を見やすくすることができ、かつ遠方の物体を見やすくすることができる。
また、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1では、中間領域MR1は、フィッティングポイントFP1の位置を含む。
この構成により、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1では、遠方と近方との中間の距離を見る場合にレンズ上のフィッティングポイントFP1の位置の付近の領域を用いることができるため、中間領域MR1は、フィッティングポイントFP1の位置を含まない場合に比べて、遠方と近方との中間の距離を見やすくすることができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図8は、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL2の一例を示す図である。本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL2(図8)と第1の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1(図1)とを比較すると、非近用領域OR2が異なる。ここで、他の構成要素(近用領域NR2など)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略し、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
累進屈折力眼鏡レンズL2は、近方を見るための近用領域NR2と、近用領域NR2ではない非近用領域OR2とを有する。非近用領域OR2は、累進屈折力眼鏡レンズL2の下部より上の部分に配置されており、累進屈折力眼鏡レンズL2が眼鏡用に加工された後には、非近用領域OR2の上部においては遠景に対応する屈折力を有する部分となり、非近用領域OR2の下部においては非近用領域OR2の上部と近用領域NR1との間の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する部分である。
主注視線M2は、累進屈折力眼鏡レンズL2の下部の位置M22から、上部の位置M21まで伸びている。
累進屈折力眼鏡レンズL2が有する基準点には、例えば、プリズム参照点PRP2、フィッティングポイントFP2、及び第1変曲点IP21がある。非近用領域OR2は、フィッティングポイントFP2の位置を含む。
第1変曲点IP21は、累進屈折力眼鏡レンズL2の加入度変化C2の変曲点に対応する。主注視線M2は、第1変曲点P21において折れ曲がる。
ここで図9を参照し、累進屈折力眼鏡レンズL2の加入度変化C2について説明する。図9は、本実施形態に係る加入度変化C2の一例を示す図である。図9において「高さ」とは、累進屈折力眼鏡レンズL2のプリズム参照点PRP2を基準としたときの、累進屈折力眼鏡レンズL2の上下方向の高さを示す。ここでプリズム参照点PRP2に対応する高さは0mmである。
非近用領域OR2の加入度変化C2は逆加入であり、かつ非近用領域OR2の加入度変化C2は変曲点をもたない。近用領域NR2、及び非近用領域OR2は、累進屈折力眼鏡レンズL2の上下方向において、加入度変化C2の第1変曲点P21に対応する高さによって分けられる。
ここで本実施形態において加入度変化C2の変曲点とは、図8の主注視線M2が折れ曲がる点に対応する点である。加入度変化C2においては、主注視線M2が折れ曲がる点に対応する点は、一例として加入度変化C2の勾配が局所的ではなく一定区間安定して変化する領域同士の境界に対応する点である。
図9の第1変曲点P21は、図8の第1変曲点IP21に対応する。
以上に説明したように、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL2では、非近用領域OR2の加入度変化はレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ非近用領域OR2の加入度変化C2は変曲点をもたない。
この構成により、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL2では、遠方と近方との中間の距離にあり、上下方向の長さが長い物体を見る場合に、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する領域あり、かつ変曲点をもたない非近用領域OR2を用いることができるため、非近用領域OR2の加入度変化が変曲点をもつ場合に比べて当該物体を見やすくすることができる。当該物体は、例えば、高さ(上下方向の長さ)が所定の高さよりも高いPCディスプレイである。
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図10は、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL3の一例を示す図である。本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL3(図10)と第1の実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL1(図1)とを比較すると、近用領域NR32が異なる。ここで、他の構成要素である近用領域NR31、及び遠用中間領域FMR3など)が持つ機能は第1の実施形態の近用領域NR1、及び中間領域MR1とそれぞれ同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略し、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
累進屈折力眼鏡レンズL3は、近方を見るための近用領域NR31と、近用領域NR31ではない非近用領域OR3とを有する。累進屈折力眼鏡レンズL3は、非近用領域OR3に、近方を見るための近用領域NR32と、遠方の距離または近方と遠方との中間の距離を見るための遠用中間領域FMR3とを有する。ここで遠用中間領域FMR3は、近用領域NR32と近用領域NR31の中間に配置されており、非近用領域OR3のうち下側(つまり、近用領域NR31側)の部分である。近方と遠方との中間の距離とは、一例として、累進屈折力眼鏡レンズL3の装用者がイスに座ってデスク上のPCディスプレイを見ているときの距離である。
近用領域NR32は累進屈折力眼鏡レンズL3の上部に配置されており、累進屈折力眼鏡レンズL3が眼鏡用に加工された後には上側の近景に対応する屈折力を有する部分となる。本実施形態において上側の近景とは、例えば、上述のPCディスプレイの上側の辺りに小型のモニタが備えられる場合に、当該モニタを見上げる場合の距離である。
主注視線M3は、累進屈折力眼鏡レンズL3の下部の位置M31から、上部の位置M32まで伸びている。
累進屈折力眼鏡レンズL3が有する基準点には、例えば、プリズム参照点PRP3、フィッティングポイントFP3、第1変曲点IP31、及び第2変曲点IP32がある。遠用中間領域FMR3は、フィッティングポイントFP3の位置を含む。
第1変曲点P31、及び第2変曲点IP32は、累進屈折力眼鏡レンズL3の加入度変化C3の変曲点に対応する。主注視線M3は、第1変曲点P31、及び第2変曲点IP32において折れ曲がる。
ここで図11を参照し、累進屈折力眼鏡レンズL3の加入度変化C3について説明する。図11は、本実施形態に係る加入度変化C3の一例を示す図である。図11において「高さ」とは、累進屈折力眼鏡レンズL3のプリズム参照点PRP3を基準としたときの、累進屈折力眼鏡レンズL3の上下方向の高さを示す。ここでプリズム参照点PRP3に対応する高さは0mmである。
近用領域NR32の加入度変化は逆加入である。ここで近用領域NR32の加入度変化の勾配は、遠用中間領域FMR3の加入度変化の勾配に比べて、ある程度の範囲において安定して大きい。
累進屈折力眼鏡レンズL3は、非近用領域OR3に、加入度変化が逆加入である近用領域NR32と、近用領域NR32の加入度変化とは勾配が異なって加入度変化が逆加入である遠用中間領域FMR3とを有する。
近用領域NR32、遠用中間領域FMR3、及び近用領域NR31は、累進屈折力眼鏡レンズL3の上下方向において、加入度変化C3の変曲点に対応する高さによって分けられる。ここで本実施形態において加入度変化C3の変曲点とは、図10の主注視線M3が折れ曲がる点に対応する点である。加入度変化C3においては、主注視線M3が折れ曲がる点に対応する点は、一例として加入度変化C3の勾配が局所的ではなく一定区間安定して変化する領域同士の境界に対応する点である。
遠用中間領域FMR3と近用領域NR31とは、加入度変化C3の極小値に対応する第1変曲点P31によって分けられている。一方、近用領域NR32と遠用中間領域FMR3とは、加入度変化C3の勾配の変化率が所定の値以上である点である第2変曲点P32によって分けられている。
図11の第1変曲点P31と、第2変曲点P32とは、図10の第1変曲点IP31と、第2変曲点IP32とにそれぞれ対応する。
以上に説明したように、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL3は、非近用領域OR3に、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する領域である近用領域NR32と、近用領域NR32の加入度変化とは勾配が異なって加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する中間領域(この一例において、遠用中間領域FMR3)とを有する。
この構成により、本実施形態に係る累進屈折力眼鏡レンズL3では、視線と垂直な方向の上向き(鉛直上向き)から所定の角度だけ傾いた面を見る場合に加入度変化が逆加入である近用領域NR32を用いることができるため、加入度変化がレンズ上での高さが上がるにつれて、加入度が増加する方向に変化する領域である近用領域NR32を有さない場合に比べて当該面を見やすくすることができる。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
L1、L2、L3…累進屈折力眼鏡レンズ、NR1、NR2、NR31、NR32…近用領域、FR1…遠用領域、MR1…中間領域、FMR3…遠用中間領域、OR1、OR2、OR3…非近用領域、RR1…逆加入領域、C1、C2、C3…加入度変化、P11、P21、P31、IP11、IP21、IP31…第1変曲点、P12、P32、IP12、IP32…第2変曲点、FP1、FP2、FP3…フィッティングポイント

Claims (5)

  1. 近方を見るための近用領域と、前記近用領域ではない非近用領域とを有し、
    前記近用領域と、非近用領域とは加入度変化の変曲点によって分けられ、
    前記非近用領域のうち前記近用領域側の部分に加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ連続した領域である逆加入領域を有する
    累進屈折力眼鏡レンズ。
  2. 前記非近用領域に、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が増加する方向に変化する領域である遠用領域と、加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する領域である中間領域とを有する
    請求項1に記載の累進屈折力眼鏡レンズ。
  3. 前記非近用領域に、加入度変化がレンズ上での高さが上がるにつれて、加入度が増加する方向に変化する領域である近用領域と、前記近用領域の加入度変化とは勾配が異なって加入度変化がレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化する中間領域または遠用領域とを有する
    請求項1に記載の累進屈折力眼鏡レンズ。
  4. 前記中間領域は、フィッティングポイントの位置を含む
    請求項2または請求項3に記載の累進屈折力眼鏡レンズ。
  5. 前記非近用領域の加入度変化はレンズ上での高さが下がるにつれて、加入度が減少する方向に変化し、かつ前記非近用領域の加入度変化は変曲点をもたない
    請求項1に記載の累進屈折力眼鏡レンズ。
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