JP6359832B2 - 試料分注装置及び試料分注方法 - Google Patents
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Description
膜タンパク質の3次元結晶を得るための有力な技術として、脂質メソフェーズ法(非特許文献1)がある。脂質メソフェーズ法は、脂質二重膜を構成ユニットとする脂質メソフェーズ(膜タンパク質の結晶化の場となる)中に、膜タンパク質を再構成し、そのまま脂質二重膜マトリクス中で結晶化を行う手法であり、β2−adrenergic G protein coupled receptor(非特許文献2)をはじめとするGPCR、あるいはバクテリオロドプシン(非特許文献3)など、他の結晶化方法では長年にわたり成功しなかった膜タンパク質のエックス線結晶構造解析を可能にする等、膜タンパク質の結晶化に無くてはならない技術となっている。
蒸気拡散法などの従来の結晶化法でよく用いられている方法は、可溶化した膜タンパク質を含む溶液をスクリーニングプレートのウェル内に分注する。分注後、ここに、ウェル毎に組成の異なる、タンパク質を結晶化させるための結晶化溶液(電解質及び有機化合物等を含む緩衝液)を添加して結晶化を行い、タンパク質の結晶成長する溶液条件を探索する。
脂質メソフェーズ法で、よく用いられている方法として、まず、膜タンパク質を含む水溶液を(I)マトリクス脂質と、あるいは(II)マトリクス脂質及び適切な水溶液を前もって混合して得た脂質メソフェーズと混合し、「膜タンパク質を含有する脂質メソフェーズの試料(タンパク質−脂質メソフェーズ試料、あるいは単に試料と呼ぶ)」を調製する。次いで、一定量(通常、50〜100nl)のタンパク質−脂質メソフェーズ試料を96ウェルスクリーニングプレートの各ウェル内に分注する。タンパク質−脂質メソフェーズ試料を分注後、ここに、ウェル毎に組成の異なる結晶化溶液を添加し、次いで、全てのウェルをもう一枚のガラスプレートでカバーし、タンパク質−脂質メソフェーズ試料と結晶化溶液を二枚のガラスプレートでサンドイッチ状に保持する。その後結晶化プレートを所定の温度でインキュベートし結晶化を行い、膜タンパク質が結晶成長するに好適な溶液条件を探索する(非特許文献4)。
このように、脂質メソフェーズ法でも、蒸気拡散法などの従来の結晶化法と基本的に同じ手順で実験が進められる。しかし、タンパク質−脂質メソフェーズ試料は非常に粘稠であるため、通常の液体用の分注装置では分注が困難である。そこでガスタイト型のマイクロシリンジに充填したタンパク質−脂質メソフェーズ試料をプランジャーに加えた正圧力で、一定距離移動させ、マイクロシリンジの先端に装着したシリンジニードルを通じて、スクリーニングプレートのウェル上に所定量の試料を分注する方法が用いられている(非特許文献4)。
通常の液体の分注において、特許文献1から特許文献3では、ニードルチップ又はピペットチップの先端にできる液玉の大きさと、ニードルチップ又はピペットチップの先端からウェルの底面又は液面までの距離との関係が開示されているように、分注量Vに対応したシリンジニードル先端とウェルの底面間の距離Lを適切な値で分注することが重要であることが知られている。
非常に粘稠且つ複雑なレオロジー特性を有する試料の50〜100nlといった少量を正確に再現性良く分注するには、シリンジニードル先端とウェルの底面間の距離Lの制御は特に重要である。そのため、L値、分注位置の設定等のパラメターをコンピュータ制御して分注を行う自動分注装置が開発されている(非特許文献5)。
自動分注装置は、非常に多く(数千〜数万)の結晶化条件を試行錯誤的に検索する、初期のスクリーニング段階には便利である。しかし、初期スクリーニングを経て、結晶成長に適した幾つかの結晶化溶液組成がわかった後、さらに結晶化溶液組成を微調整し、構造解析に適した高品質の結晶を得るための条件探索、いわゆる「最適化段階」では、少数の分注操作で充分である場合が多く、そのような小スケールの実験には、数千〜数万の分注操作を前提に設計されている自動分注装置よりは、ハンディーな手動分注装置を用いて機動的に実験を進める方が効率的である。そのために機械式の小型の手動分注装置が開発されている(非特許文献6)。
ここでいう手動とは、L値、分注位置の設定等を手作業で行うことを意味する。例えば、以下のような操作で分注する。まず、タンパク質−脂質メソフェーズ試料を充填したガスタイト型のマイクロシリンジを装着した手動分注装置を手で保持し、シリンジニードルの先端を目的ウェルの中央部上に移動させた後、手動分注装置のマイクロシリンジプランジャー移動ボタンを手で押し、目的のスクリーニングプレートウェルに分注を行う。
1)図25に、マイクロシリンジのウェルの底面からニードルチップの先端までの距離L(μm)と分注量V(nl)との実験結果例を示す。
図25に示すように、一定の分注量Vを再現性良く分注するためには、分注量Vに対応した距離Lで分注することが必須であるが、このオーダの距離を手動で保持することはできない。
特許文献1から特許文献3では、ニードルチップ又はピペットチップの先端にできる液玉の大きさと、ニードルチップ又はピペットチップの先端からウェルの底面又は液面までの距離との関係を開示しているが、手作業で、この距離をどのようにして一定に保つかについては何ら開示されていない。
このように、既知の手動分注装置ではこのような微少距離の制御を行うことは困難であり、分注量が不正確で再現性が悪い。
2)脂質メソフェーズ法によく用いられる、96ウェルスクリーニングプレートは、約140μm厚の両面粘着性の96個の孔(直径5mm、9mm間隔)開きポリエステルシートを、約1mm厚のSBS(Society for Biological Screening standard for microplates)に準拠したガラスプレートに貼付けた構造を持っている。手動分注では分注時の手の震え等により、分注された脂質メソフェーズ試料の形態が不定形になり、分注位置も一定位置(中央)に保てず、ウェルの端に分注される等、分注位置が安定しない問題がある。試料形態の不均一性は、結晶化過程に影響を与え、結晶化過程の再現性の低下に繋がる。また、試料の分注位置がウェル中心からはずれ、ウェルの端に近づくと、分注された試料上に重層した結晶化溶液の一部がウェルのエッジに接触し、ウェルとガラスとの接着面を通じての毛管現象で隣のウェルまでしみ出すことがしばしば生じる。その場合、双方の溶液が混合し、結晶化溶液の組成や濃度が変化し、結晶化の信頼性を大きく低下させる要因となる。
手動分注は自動分注装置と併用される故、自動分注装置と同程度の、分注量選択の自由度、分注精度、再現性、安定した分注位置が保証されるものでなければならない。
しかしながら、従来の手動分注装置は、以上の様に脂質メソフェーズ法に必要な、分注精度、再現性や信頼性が保証されず、操作も煩雑である等、本来満たすべき性能が得られない。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の試料分注装置において、前記フィッティングリングの他方の前記端面を、前記マイクロプレートのプレート表面に当接させることを特徴とする。
請求項3記載の本発明のマイクロプレート及びスペーサは、請求項1に記載の試料分注装置を用いて前記試料を注入する前記マイクロプレート及びスペーサであって、前記スペーサを前記マイクロプレートに載置して用い、前記スペーサには、前記ウェルに対応したスペーサ貫通孔を形成し、前記フィッティングリングの端部を前記スペーサ貫通孔に挿入し、前記フィッティングリングの他方の前記端面を、前記スペーサのスペーサ表面又は前記マイクロプレートのプレート表面に当接させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の試料分注装置において、前記ウェルに対応したスペーサ貫通孔を形成したスペーサが、前記マイクロプレートに載置して用いられる試料分注装置であって、他方の前記端面を、外周リング面で構成し、内周リング面を前記外周リング面よりも突出させて端部を形成し、前記外周リング面を、前記スペーサのスペーサ表面に当接させ、前記端部を前記スペーサ貫通孔に挿入することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の試料分注装置において、前記第2空洞部を、小径空洞部と大径空洞部とで構成し、他方の前記端面は、前記大径空洞部によって形成されることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の試料分注装置において、前記大径空洞部は、前記小径空洞部から他方の前記端面に向かって径を漸次拡大させたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1、請求項2、及び請求項6のいずれか1項に記載の試料分注装置において、前記ニードルチップの前記先端を、他方の前記端面から突出させたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項4に記載の試料分注装置において、前記ニードルチップの前記先端を、他方の前記内周リング面から突出させたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1、請求項2、及び請求項6のいずれか1項に記載の試料分注装置において、前記ニードルチップの前記先端を、前記第2空洞部の内部に配置したことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項8に記載の試料分注装置において、他方の前記端面から、前記ニードルチップと平行なスリットを設けたことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項1、請求項2、請求項6、請求項7、請求項9、及び請求項10のいずれか1項に記載の試料分注装置において、他方の前記端面から前記ニードルチップの前記先端までの前記距離が異なる複数のフィッティングリングを備えたことを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項1、請求項2、請求項4、及び請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の試料分注装置において、前記試料が粘稠な試料であり、一つの前記ウェルに注入する前記試料が10〜300nlであり、前記ウェルの前記底面から前記ニードルチップの前記先端までの距離を50μm〜400μmとしたことを特徴とする。
請求項13記載の本発明のマイクロプレートは、請求項2に記載の試料分注装置を用いて前記試料を注入する前記マイクロプレートであって、基板と、前記基板に貼り付けられるプラスチックシートと、前記プラスチックシートの前記基板と反対面に配置される粘着剤層保護シートとから構成され、前記プラスチックシート及び前記粘着剤層保護シートにはシート貫通孔が形成され、前記基板に前記プラスチックシートを貼り付けることで、前記シート貫通孔によって前記ウェルが形成され、前記プレート表面を、前記粘着剤層保護シートのシート表面としたことを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項3に記載のマイクロプレート及びスペーサにおいて、前記マイクロプレートには、X軸方向にa個、前記X軸方向と直交するY軸方向にb個の前記ウェルが格子状に配列され、前記スペーサには、X軸方向にa個、Y軸方向にb/n個(ただし、nは1以上でbの約数)の前記スペーサ貫通孔を形成したことを特徴とする。
請求項15記載の本発明の試料分注方法は、請求項1に記載の試料分注装置を用いた試料分注方法であって、基台に前記マイクロプレートを固定し、一対のガイドバーの間にスペーサを配置し、前記ウェルに前記試料を注入する注入ステップと、前記注入ステップの後に、前記スペーサを移動させるスペーサ移動ステップと、前記スペーサ移動ステップの後に、前記注入ステップで注入した前記ウェルにカバープレートを載置するカバーステップとを有することを特徴とする。
図1(a)は同試料分注装置の要部断面図、図1(b)は同試料分注装置の使用状態を示す要部断面図、図1(c)は図1(b)中、四角でかこった要部の拡大断面図である。
本発明の第1の実施例による試料分注装置は、フィッティングリング10とスペーサ20とで構成される。
フィッティングリング10は、一方の端面11に開口する第1空洞部12と、他方の端面13に開口する第2空洞部14とを形成している。第1空洞部12と第2空洞部14とは連通している。
フィッティングリング10の他方の端面13は、内周リング面13aと外周リング面13bとで構成し、内周リング面13aを外周リング面13bよりも突出させて突出部13cを形成している。
スペーサ20は、マイクロプレート30に載置して用いられる。
スペーサ20には、ウェル31に対応したスペーサ貫通孔21を形成している。
マイクロプレート30は、基板32と、基板32に貼り付けられるプラスチックシート33から構成される。プラスチックシート33の両面には粘着剤が塗布されており、粘着剤は粘着剤層保護シート34で保護されている。図1(c)に示すように、基板32にプラスチックシート33を貼り付けた状態では、プラスチックシート33の基板32と反対面には粘着剤層保護シート34が配置されている。プラスチックシート33及び粘着剤層保護シート34にはシート貫通孔35が形成されている。
基板32にプラスチックシート33を貼り付けることで、シート貫通孔35によってマイクロプレート30にはウェル31が形成される。
リムーバブルニードル基部42は第1空洞部12に挿入され、ニードルチップ43は第2空洞部14に配置される。
なお、フィッティングリング10は、第1空洞部12にリムーバブルニードル基部42があらかじめ挿入固着されたものでもよいし、リムーバブルニードル基部42が一体に形成されたものでもよい。
あらかじめリムーバブルニードル基部42が固定されたフィッティングリング10とすることで、他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離L1を製造時に一定に保つことができる。
図1(b)に示すように、フィッティングリング10の端部である突出部13cをスペーサ貫通孔21に挿入し、フィッティングリング10の他方の端面13である外周リング面13bを、スペーサ20のスペーサ表面22に当接させる。
すなわち、ウェル31の深さL3、スペーサ20の厚さL2が一定のもとで、他方の端面13である外周リング面13bからニードルチップ43の先端43aまでの距離L1によって、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを一定に保つことができる。また、他方の端面13である外周リング面13bからニードルチップ43の先端43aまでの距離L1を変更することで、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを変更でき、分注量を変更できる。
以上のように、本実施例によれば、外周リング面13bによってウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを常に一定に保つことができるとともに、突出部13cによってニードルチップ43からの分注位置をウェル31の中央に維持できる。
図2は、同試料分注装置のフィッティングリングを示す写真である。
図3(a)は同マイクロプレートの平面図、図3(b)は同マイクロプレートを示す写真である。
マイクロプレート30は、1mm厚の基板32に、SBS(Society for Biological Screening)標準仕様サイズの96個のシート貫通孔35を設けた両面粘着性の厚さ約140μmのプラスチックシート33と粘着剤層保護シート34を貼り付けている。
プラスチックシート33の一方向であるX軸方向の幅は、基板32のX軸方向の幅よりも広く、プラスチックシート33には、基板32よりも外方の位置にプレート固定孔33aを形成している。プレート固定孔33aを形成している基板32よりも外方の部分は、分注作業終了後、プラスチックシート33に施されたY軸方向のミシン目から切り離す事で、SBS標準仕様サイズとなる。
基板32にプラスチックシート33を貼り付けることで、シート貫通孔35によってウェル31が形成される。
マイクロプレート30には、X軸方向に8個、X軸方向と直交するY軸方向に12個のウェル31が格子状に配列される。
図4(a)は同スペーサの平面図、図4(b)は同スペーサの側面断面図である。
スペーサ20の一端には、X軸方向に8個、Y軸方向に3個のスペーサ貫通孔21を形成し、スペーサ20の他端には、スペーサ固定用ねじ孔23を形成している。
スペーサ貫通孔21の周囲領域がスペーサ表面22を構成している。
なお、X軸方向にa個、X軸方向と直交するY軸方向にb個のウェル31が格子状に配列されたマイクロプレート30に対応して、スペーサ20には、X軸方向にa個、Y軸方向にb/n個(ただし、nは1以上でbの約数)のスペーサ貫通孔21を形成する。
図5は同試料分注装置を構成する基台とガイドバーを示している。
図5(a)は同基台の側面断面図、図5(b)は同基台の平面図、図5(c)は同ガイドバーの平面図、図5(d)は同ガイドバーの側面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、基台50には、基板32を載置する載置部51、プレート固定孔33aとともにプラスチックシート33を固定する固定ピン52、及びスペーサ固定用ねじ孔23とともにスペーサ20を固定する固定用ねじ孔53を形成している。
載置部51は、凹部又は開口によって形成される。載置部51のX軸方向の幅は、基板32のX軸方向の幅よりも若干広く、載置部51のY軸方向の幅は、基板32のY軸方向の幅よりも若干広く形成している。
載置部51のY軸方向の両端には、基板32の装脱着時に用いる拡大部51aが形成されている。
固定ピン52は、載置部51より外方で、載置部51のX軸方向の両端に形成されている。
固定用ねじ孔53は、載置部51より外方で、載置部51のY軸方向の一端に形成されている。
載置部51は、基台50のY軸方向の一端に、固定用ねじ孔53は、基台50のY軸方向の他端に配置している。
固定用ねじ孔53は、Y軸方向に複数段形成し、それぞれの段の間隔は、スペーサ20のY軸方向に形成したスペーサ貫通孔21の個数に対応している。図5では、載置部51に近い方から順に、固定用ねじ孔53a、53b、53c、53dを4段形成している。
図5(c)及び図5(d)に示すように、ガイドバー60には、ガイド固定孔61を形成している。ガイド固定孔61は、基台50の固定ピン52に対応して形成している。
図6では、基台50にマイクロプレート30を装着した状態を示している。
図6に示すように、基板32を載置部51に載置する。プラスチックシート33に形成されたプレート固定孔33aに、基台50に形成された固定ピン52を挿入する。固定ピン52によりプラスチックシート33は基台50に固定される。
図7に示すように、一対のガイドバー60を基板32の両側に載置する。一対のガイドバー60に形成されたガイド固定孔61は、基台50に形成された固定ピン52の位置に配置される。なお、一部のガイド固定孔61は、プレート固定孔33aに対応している。
図8に示すように、一対のガイドバー60の間に、スペーサ20を載置する。スペーサ20に形成されたスペーサ固定用ねじ孔23は、基台50に形成された固定用ねじ孔53aの位置に配置される。
マイクロプレート30に載置したスペーサ20は、一対のガイドバー60によって、X軸方向の移動を規制され、Y軸方向に摺動可能となる。
この状態で、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53aをねじ止めすることで、スペーサ20を基台50に装着する。
図8に示す状態でマイクロプレート30に形成したそれぞれのウェル31に、マイクロシリンジ40を用いて試料を注入することができる。
注入ステップでは、スペーサ貫通孔21によって開口したX軸方向にa個、Y軸方向にb/n個のウェル31に試料を注入する。
本実施例では、a=8、b=12、n=4である。
図8に示す第1の注入ステップでは、スペーサ貫通孔21によって開口したX軸方向に8個、Y軸方向に3個のウェル31に試料を注入する。
すなわち、マイクロプレート30の一端を1列目のウェル31とした場合に、Y軸方向に3列目までのウェル31に試料を注入する。なお、脂質メソフェーズ法による結晶化に利用する場合には、試料としてタンパク質−脂質メソフェーズ試料が用いられ、この試料の注入の後に、結晶化溶液が注入される。以下の注入ステップにおいても同様である。
図9は、第1のスペーサ移動ステップを行った状態を示している。
スペーサ移動ステップでは、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53aからねじを取り外し、スペーサ20をY軸方向にb/n個のウェル31の距離だけ、すなわち3列分のウェル31だけ移動させる。
第1のスペーサ移動ステップによってスペーサ20を移動した後に、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53bをねじ止めすることで、スペーサ20を基台50に装着する。
図9に示すように、第1のスペーサ移動ステップによって、スペーサ20は、Y軸方向に3列分のウェル31の距離だけ移動する。従って、スペーサ20は、試料が注入された1列目から3列目までのウェル31上から除かれる。なお、脂質メソフェーズ法による結晶化に利用する場合には、注入ステップに代えてこの段階で結晶化溶液を分注することもできる。以下のステップにおいても同様である。
図10に示すように、試料が注入された1列目から3列目までのウェル31上の粘着剤層保護シート34を取り去り、1列目から3列目までのウェル31に、カバープレート71を載置する。
第1のカバーステップの後に、第2の注入ステップを行う。
図10に示すように、スペーサ貫通孔21は、マイクロプレート30の4列目から6列目までのウェル31に位置している。
従って、第2の注入ステップでは、マイクロプレート30の4列目から6列目までのウェル31に試料を注入する。
図11は、第2のスペーサ移動ステップを行った状態を示している。
第2のスペーサ移動ステップでは、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53bからねじを取り外し、スペーサ20をY軸方向に更にb/n個のウェル31の距離だけ、すなわち更に3列分のウェル31だけ移動させる。
第2のスペーサ移動ステップによってスペーサ20を移動した後に、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53cをねじ止めすることで、スペーサ20を基台50に装着する。
図11に示すように、第2のスペーサ移動ステップによって、スペーサ20は、Y軸方向に更に3列分のウェル31の距離だけ移動する。従って、スペーサ20は、試料が注入された4列目から6列目までのウェル31上から除かれる。
図12に示すように、試料が注入された4列目から6列目までのウェル31上の粘着剤層保護シート34を取り去り、4列目から6列目までのウェル31に、カバープレート72を載置する。
第2のカバーステップの後に、第3の注入ステップを行う。
図12に示すように、スペーサ貫通孔21は、マイクロプレート30の7列目から9列目までのウェル31に位置している。
従って、第3の注入ステップでは、マイクロプレート30の7列目から9列目までのウェル31に試料を注入する。
図13は、第3のスペーサ移動ステップを行った状態を示している。
第3のスペーサ移動ステップでは、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53cからねじを取り外し、スペーサ20をY軸方向に更にb/n個のウェル31の距離だけ、すなわち更に3列分のウェル31だけ移動させる。
第3のスペーサ移動ステップによってスペーサ20を移動した後に、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53dをねじ止めすることで、スペーサ20を基台50に装着する。
図13に示すように、第3のスペーサ移動ステップによって、スペーサ20は、Y軸方向に更に3列分のウェル31の距離だけ移動する。従って、スペーサ20は、試料が注入された7列目から9列目までのウェル31上から除かれる。
図14に示すように、試料が注入された7列目から9列目までのウェル31上の粘着剤層保護シート34を取り去り、7列目から9列目までのウェル31に、カバープレート73を載置する。
第3のカバーステップの後に、第4の注入ステップを行う。
図14に示すように、スペーサ貫通孔21は、マイクロプレート30の10列目から12列目までのウェル31に位置している。
従って、第4の注入ステップでは、マイクロプレート30の10列目から12列目までのウェル31に試料を注入する。
図15は、第4のスペーサ移動ステップを行った状態を示している。
第4のスペーサ移動ステップでは、スペーサ固定用ねじ孔23及び固定用ねじ孔53dからねじを取り外し、スペーサ20をY軸方向に更にb/n個のウェル31の距離だけ、すなわち更に3列分のウェル31だけ移動させる。
図15に示すように、第4のスペーサ移動ステップによって、スペーサ20は、Y軸方向に更に3列分のウェル31の距離だけ移動する。従って、スペーサ20は、試料が注入された10列目から12列目までのウェル31上から除かれる。
図16に示すように、試料が注入された10列目から12列目までのウェル31上の粘着剤層保護シート34を取り去り、10列目から12列目までのウェル31に、カバープレート74を載置する。
図17(a)は同試料分注装置を構成するフィッティングリングの断面図、図17(b)は同フィッティングリングの底面図である。なお、第1の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施例と異なる点を説明する。
本実施例によるフィッティングリング10では、第2空洞部14を、小径空洞部14aと大径空洞部14bとで構成し、他方の端面13は、大径空洞部14bによって形成される。
また、大径空洞部14bは、小径空洞部14aから他方の端面13に向かって径を漸次拡大させている。
また、ニードルチップ43の先端43aは、他方の端面13から突出させている。
また、フィッティングリング10には、他方の端面13から、ニードルチップ43と平行な一対のスリット13dを設けている。
図18に示すように、フィッティングリング10の端部をスペーサ貫通孔21に挿入し、フィッティングリング10の他方の端面13を、マイクロプレート30のプレート表面36に当接させる。
ニードルチップ43の先端43aからウェル31の底面までの距離をL、フィッティングリング10の他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離をL1、ウェル31の深さをL3とすると、L=L3−L1となる。
すなわち、ウェル31の深さL3が一定のもとで、他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離L1によって、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを一定に保つことができる。また、他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離L1を変更することで、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを変更でき、分注量を変更できる。また、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを分注量に対応した値に設定できる。
また、本実施例によれば、大径空洞部14bによって他方の端面13を構成することで、ウェル31内に注入した試料がフィッティングリング10に触れることを防止でき、ウェル31内に注入した試料の減少とコンタミを防止できる。
また、本実施例によれば、大径空洞部14bを、小径空洞部14aから他方の端面13に向かって径を漸次拡大させることで、加工を容易にでき、他方の端面13の面積を小さくできる。
また、本実施例によれば、ニードルチップ43の先端43aを、他方の端面13から突出させることで、フィッティングリング10をウェル31に近づけることなく、ニードルチップ43の先端43aをウェル31の底面に近づけることができる。
また、本実施例によれば、他方の端面13に一対のスリット13dを設けているので、このスリット13dによりニードルチップ43の状態観察、ニードルチップ43の汚染のクリーニング、フィッティングリング10の他方の端面(底面)13からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lの計測を可能としている。また、治具に一対のスリット13dをはめ込むことで、フィッティングリング10の回転を阻止できるため、フィッティングリング10に触れることなく、シリンジ本体41又はリムーバブルニードル基部42を第1空洞部12に挿入でき、又はリムーバブルニードル基部42を装着したフィッティングリング10をシリンジ本体41に取り付けることができる。
なお、第3の実施例で説明したフィッティングリング10は、第2の実施例による試料分注装置に適用することができる。
図19(a)は同試料分注装置を構成するフィッティングリングの断面図、図19(b)は同フィッティングリングの底面図である。なお、第3の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第3の実施例と異なる点を説明する。
本実施例によるフィッティングリング10では、ニードルチップ43の先端43aを、第2空洞部14の内部に配置している。なお、ニードルチップ43の先端43aは、大径空洞部14bに配置することが好ましい。
本実施例によれば、ニードルチップ43の先端43aが第2空洞部14の内部に隠れているため、ニードルチップ43にものが触れることがなく、ニードルチップ43を保護することができる。
また、本実施例によれば、ニードルチップ43の先端43aを大径空洞部14bに配置することで、ウェル31内に注入した試料がフィッティングリング10に触れることを防止でき、ウェル31内に注入した試料の減少とコンタミを防止できる。
なお、第4の実施例で説明したフィッティングリング10は、第2の実施例による試料分注装置に適用することができる。
図20(a)は同試料分注装置を構成するフィッティングリングの断面図、図20(b)は同試料分注装置の使用状態を示す要部断面図である。なお、第1の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施例と異なる点を説明する。
本実施例によるフィッティングリング10では、第2空洞部14を、小径空洞部14aと大径空洞部14bとで構成し、他方の端面13は、大径空洞部14bによって形成される。
また、大径空洞部14bは、小径空洞部14aから他方の端面13に向かって径を漸次拡大させている。
また、ニードルチップ43の先端43aは、第2空洞部14の内部、すなわち、小径空洞部14aに配置している。
また、フィッティングリング10には、他方の端面13から、ニードルチップ43と平行な一対のスリット13dを設けている。
図20(b)に示すように、本実施例ではスペーサ20を用いない。
フィッティングリング10の端部をウェル31に挿入し、フィッティングリング10の他方の端面13を、ウェル31の底面の外周部に当接させる。
ニードルチップ43の先端43aからウェル31の底面までの距離をL、フィッティングリング10の他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離をL1とすると、L=L1となる。
すなわち、他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離L1によって、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを一定に保つことができる。また、他方の端面13からニードルチップ43の先端43aまでの距離L1を変更することで、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを変更でき、分注量を変更できる。
また、本実施例によれば、大径空洞部14bによって他方の端面13を構成することで、ウェル31内に注入した試料がフィッティングリング10に触れることを防止でき、ウェル31内に注入した試料の減少とコンタミを防止できる。
また、本実施例によれば、大径空洞部14bを、小径空洞部14aから他方の端面13に向かって径を漸次拡大させることで、加工を容易にでき、他方の端面13の面積を小さくできる。
また、本実施例によれば、他方の端面13に一対のスリット13dを設けているので、このスリット13dによりニードルチップ43の状態観察、ニードルチップ43の汚染のクリーニング、フィッティングリング10の他方の端面(底面)13からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lの計測を可能としている。また、治具に一対のスリット13dをはめ込むことで、フィッティングリング10の回転を阻止できるため、フィッティングリング10に触れることなく、シリンジ本体41又はリムーバブルニードル基部42を第1空洞部12に挿入でき、又はリムーバブルニードル基部42を装着したフィッティングリング10をシリンジ本体41に取り付けることができる。
なお、第5の実施例で説明したフィッティングリング10は、第2の実施例による試料分注装置に適用することができる。
なお、第5の実施例において、スリット13dを省略することもできる。
図21(a)は同試料分注装置を構成するフィッティングリングの断面図、図21(b)は同試料分注装置の使用状態を示す要部断面図である。なお、第5の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第5の実施例と異なる点を説明する。
本実施例によるフィッティングリング10では、大径空洞部14bを円柱状に形成している。
また、本実施例によれば、円柱状に大径空洞部14bを形成することで、第5の実施例と比較して、大径空洞部14bの空間を大きくでき、ウェル31内に注入した試料がフィッティングリング10に触れることを防止でき、ウェル31内に注入した試料の減少とコンタミを防止できる。
図22(a)は同試料分注装置を構成するフィッティングリングの断面図、図22(b)は同試料分注装置の使用状態を示す要部断面図である。なお、第6の実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第6の実施例と異なる点を説明する。
本実施例によるフィッティングリング10では、第1空洞部12に、マイクロシリンジ40のシリンジ本体41を挿入することで、シリンジ本体41に装着されるニードルチップ43を第2空洞部14に配置している。
本実施例によれば、ニードルチップ43を交換しない固定針型のマイクロシリンジ40に用いることができる。
なお、フィッティングリング10は、第1空洞部12にシリンジ本体41があらかじめ挿入固着されたものでもよいし、シリンジ本体41が一体に形成されたものでもよい。
また、第1の実施例から第4の実施例による試料分注装置では、厚さの異なる複数種類のスペーサ20をセットとして備えることもできる。このように厚さの異なるスペーサ20を使い分けることで、分注量を任意に変更することができる。
また、一つのウェル31に注入する試料のボリュームは、300nl以下において効果があり、20〜100nlでは特に効果が顕著である。
一つのウェル31に注入する試料のボリュームに対応した、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの最適距離があるので、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離は、50μm〜400μm、好ましくは100μm〜200μmとすることによって、一つのウェル31に注入する試料のボリュームを10〜300nl好ましくは、20〜100nlの範囲で変更することができる。
本実施例によれば、粘稠な試料であっても、ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離を50μm〜400μm、好ましくは100μm〜200μmとすることができ、一定の分注量を再現できる。
なお、本実施例では、基板32にプラスチックシート33を貼り付けたマイクロプレート30を用いて説明したが、これに限られるものではなく、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの材質でウェル31が成形された一般的なマイクロプレート30でも適用できる。
マイクロシリンジ40として、イトーシリンジ(伊藤製作所製 型式MS−GFN50)を用い、ニードルチップ43の先端43aを90度にカットした24ゲージのリムーバブルニードル基部42を用いた。
ウェル31の底面からニードルチップ43の先端43aまでの距離Lを135μmとして分注を行った。
図23(a)に示すように、20回分注の平均ボリュームVは50.4nl、標準偏差σは4.8nlとなった。
図23(b)に、自動分注装置を用いた場合のデータを比較例として示すが、自動分注装置を用いた場合でも、平均ボリュームVは47.8nl、標準偏差σは4.5nlであり、本実施例による試料分注装置でも遜色無い結果となっている。
また、図23(c)に示すように、常に一定の形(円柱形)で分注される。
図24(a)に示すように、脂質メソフェーズ円筒の外形線Caを基に脂質メソフェーズの中心Cbの位置を特定し、ウェル31の外形線Ccから求めたウェル31の中心Cdから脂質メソフェーズの中心Cbまでの距離(ずれ)rを計測した(図24(b))。これらの計測は、写真の画像解析によって行った。ただしウェル31は半径2500μm、脂質メソフェーズの平均ボリュームVは50.4nlとしている。
図24(c)では、20回連続分注した脂質メソフェーズ円筒の中心Cbとウェル31の中心Cdとのずれrを示している。
脂質メソフェーズ円筒の中心Cbとウェル31の中心Cdとのずれrの平均値は84μm、標準偏差は32μmであった。また、20回分注中でのrの最大値は140μmであった。
この実験結果から、試料の分注位置のウェル中心Cdからのずれrは、ウェル31の半径2500μmに対し、平均で3%、最大でも5.6%であり、脂質メソフェーズ法において十分な分注位置精度であった。
このように分注位置をウェル31の中心から一定の範囲に維持でき、試料がウェル31のエッジに触れることがほんどない。
図23及び図24で示すように、本実施例による手動分注装置及び方法は、特に脂質メソフェーズ法による結晶化に適している。
11 一方の端面
12 第1空洞部
13 他方の端面
13a 内周リング面
13b 外周リング面
13c 突出部
13d スリット
14 第2空洞部
20 スペーサ
21 スペーサ貫通孔
22 スペーサ表面
23 スペーサ固定用ねじ孔
30 マイクロプレート
31 ウェル
32 基板
33 プラスチックシート
33a プレート固定孔
34 粘着剤層保護シート
35 シート貫通孔
40 マイクロシリンジ
41 シリンジ本体
42 リムーバブルニードル基部
43 ニードルチップ
43a 先端
50 基台
51 載置部
51a 拡大部
52 固定ピン
53 固定用ねじ孔
53a 固定用ねじ孔
53b 固定用ねじ孔
53c 固定用ねじ孔
53d 固定用ねじ孔
60 ガイドバー
61 ガイド固定孔
Claims (15)
- マイクロプレートに形成したそれぞれのウェルに、マイクロシリンジを用いて試料を注入する試料分注装置であって、
一方の端面に開口する第1空洞部と、他方の端面に開口する第2空洞部とを形成したフィッティングリングを設け、
前記第1空洞部と前記第2空洞部とは連通し、
前記第1空洞部に、前記マイクロシリンジのシリンジ本体に固定して又は前記シリンジ本体に着脱可能に設けられるリムーバブルニードル基部を挿入することで、
前記シリンジ本体に装着されるニードルチップ又は前記リムーバブルニードル基部に装着される前記ニードルチップを前記第2空洞部に配置し、
前記ウェルの底面から前記ニードルチップの先端までが所望の一定の距離となるように、他方の前記端面と前記ニードルチップの前記先端との距離が規定された
ことを特徴とする試料分注装置。 - 前記フィッティングリングの他方の前記端面を、前記マイクロプレートのプレート表面に当接させる
ことを特徴とする請求項1に記載の試料分注装置。 - 請求項1に記載の試料分注装置を用いて前記試料を注入する前記マイクロプレート及びスペーサであって、
前記スペーサを前記マイクロプレートに載置して用い、
前記スペーサには、前記ウェルに対応したスペーサ貫通孔を形成し、
前記フィッティングリングの端部を前記スペーサ貫通孔に挿入し、
前記フィッティングリングの他方の前記端面を、前記スペーサのスペーサ表面又は前記マイクロプレートのプレート表面に当接させる
ことを特徴とするマイクロプレート及びスペーサ。 - 前記ウェルに対応したスペーサ貫通孔を形成したスペーサが、前記マイクロプレートに載置して用いられる試料分注装置であって、
他方の前記端面を、外周リング面で構成し、
内周リング面を前記外周リング面よりも突出させて端部を形成し、
前記外周リング面を、前記スペーサのスペーサ表面に当接させ、前記端部を前記スペーサ貫通孔に挿入する
ことを特徴とする請求項1に記載の試料分注装置。 - 前記第2空洞部を、小径空洞部と大径空洞部とで構成し、
他方の前記端面は、前記大径空洞部によって形成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料分注装置。 - 前記大径空洞部は、前記小径空洞部から他方の前記端面に向かって径を漸次拡大させた
ことを特徴とする請求項5に記載の試料分注装置。 - 前記ニードルチップの前記先端を、他方の前記端面から突出させた
ことを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項6のいずれか1項に記載の試料分注装置。 - 前記ニードルチップの前記先端を、他方の前記内周リング面から突出させた
ことを特徴とする請求項4に記載の試料分注装置。 - 前記ニードルチップの前記先端を、前記第2空洞部の内部に配置した
ことを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項6のいずれか1項に記載の試料分注装置。 - 他方の前記端面から、前記ニードルチップと平行なスリットを設けた
ことを特徴とする請求項9に記載の試料分注装置。 - 他方の前記端面から前記ニードルチップの前記先端までの前記距離が異なる複数のフィッティングリングを備えた
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項6、請求項7、請求項9、及び請求項10のいずれか1項に記載の試料分注装置。 - 前記試料が粘稠な試料であり、
一つの前記ウェルに注入する前記試料が10〜300nlであり、
前記ウェルの前記底面から前記ニードルチップの前記先端までの距離を50μm〜400μmとした
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4、及び請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の試料分注装置。 - 請求項2に記載の試料分注装置を用いて前記試料を注入する前記マイクロプレートであって、
基板と、前記基板に貼り付けられるプラスチックシートと、前記プラスチックシートの前記基板と反対面に配置される粘着剤層保護シートとから構成され、
前記プラスチックシート及び前記粘着剤層保護シートにはシート貫通孔が形成され、前記基板に前記プラスチックシートを貼り付けることで、前記シート貫通孔によって前記ウェルが形成され、
前記プレート表面を、前記粘着剤層保護シートのシート表面とした
ことを特徴とするマイクロプレート。 - 前記マイクロプレートには、X軸方向にa個、前記X軸方向と直交するY軸方向にb個の前記ウェルが格子状に配列され、
前記スペーサには、X軸方向にa個、Y軸方向にb/n個(ただし、nは1以上でbの約数)の前記スペーサ貫通孔を形成した
ことを特徴とする請求項3に記載のマイクロプレート及びスペーサ。 - 請求項1に記載の試料分注装置を用いた試料分注方法であって、
基台に前記マイクロプレートを固定し、
一対のガイドバーの間にスペーサを配置し、
前記ウェルに前記試料を注入する注入ステップと、
前記注入ステップの後に、前記スペーサを移動させるスペーサ移動ステップと、
前記スペーサ移動ステップの後に、前記注入ステップで注入した前記ウェルにカバープレートを載置するカバーステップと
を有する
ことを特徴とする試料分注方法。
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