JP6358414B1 - 運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、操舵に係る運転情報として操舵トルクと操舵角と自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む運転情報を記録することが可能な運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、車両4に搭載され、ステアリング機構として、図1に示すように、ステアリングホイール11と、ステアリングシャフト12と、操舵トルクセンサ13と、第1のユニバーサルジョイント14とを備えている。加えて、中間シャフト15と、第2のユニバーサルジョイント16と、ピニオンシャフト17と、ステアリングギヤ18と、タイロッド19と、ナックルアーム20と、操舵角センサ24とを備えている。
この出力軸12bに伝達された操舵力は、第1のユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15に伝達され、更に、第2のユニバーサルジョイント16を介してピニオンシャフト17に伝達される。このピニオンシャフト17に伝達された操舵力はステアリングギヤ18を介してタイロッド19に伝達される。更に、このタイロッド19に伝達された操舵力はナックルアーム20に伝達され、前輪4FRおよび4FLを転舵させる。ここで、ステアリングギヤ18は、ピニオンシャフト17に連結されたピニオン18aとこのピニオン18aに噛合するラック18bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン18aに伝達された回転運動をラック18bで直進運動に変換している。
操舵トルクセンサ13は、トーションバー13aの捩れ角変位を、入力軸回転角センサ13bで検出した入力軸回転角θisと出力軸回転角センサ13cで検出した出力軸回転角θosとの角度差に変換する。そして、この角度差に基づき操舵トルクTsを検出(算出)するように構成されている。
操舵角センサ24は、ステアリングホイール11の操舵角θsを検出する。
また、車両4は、自動運転用ECU(Electronic Control Unit)41と、車速センサ45と、RTCM(Real Time Clock Module)46と、バッテリー47と、イグニッションスイッチ48(以下、「IGNスイッチ48」と記載する場合がある)とを備えている。
カメラ27は、ルームミラーの裏側や上部に設置され、本実施形態では、車両前方を広角で撮像できるレンズを有するカメラである。なお、カメラは、1台に限らず、例えば、車両4の両側方や後方などにも設置して、車両4の全周囲の画像を撮像できる構成としてもよい。カメラ27で車両前方を撮像して得られた撮像画像データMvは、例えば、車載のCAN(Controller Area Network)を介してコントロールユニット25に送信される。
表示装置29は、例えば、小型の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等から構成されており、本実施形態では、カメラ27で撮像した撮像画像の他、車速Vsなどの各種センサで検出した情報、後述する操舵状況情報等を表示する。更に、本実施形態の表示装置29は、図示省略するが、運転情報DIの記録機能に対して各種操作を行うための操作部(例えば、操作ボタン等)を有している。具体的に、ユーザが操作部を操作することで、その操作情報がコントロールユニット25に入力され、表示装置29に、例えば、過去に記録した衝撃発生時の運転情報DIや、衝撃発生時の操舵状況情報を表示することが可能である。
IGNスイッチ48は、本実施形態では、押しボタン式のスイッチから構成されており、ユーザが車両4の電子キーを所持した状態でボタンを押すことで、ブレーキペダルが踏み込まれている場合は、ON状態となってエンジンが始動する。IGNスイッチ48は、そのON状態及びOFF状態を示す信号であるIGN信号IGをコントロールユニット25に出力するようになっている。
コントロールユニット25には、操舵トルクセンサ13からの操舵トルクTs、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosと、モータ回転角センサ23aからのモータ回転角θmと、操舵角センサ24からの操舵角θsとが入力されている。加えて、カメラ27からの撮像画像データMvと、衝撃検知センサ28からの加速度Gcと、自動運転用ECU41からの舵角指令値θs*及びモードフラグMdと、車速センサ45からの車速Vsと、RTCM46からの時刻情報Tmとが入力されている。
具体的に、手動運転に対する操舵補助制御は、操舵トルクTsに応じた操舵補助力を電動モータ23で発生するための操舵補助指令値I*を公知の手順で算出し、算出した操舵補助指令値I*に基づいて電動モータ23の第1の電流指令値Ireftを算出する。そして、モードフラグMdの示すフラグ値が手動運転モードを示す値である場合に、第1の電流指令値Ireftとモータ電流検出値とにより、電動モータ23に供給する駆動電流Imをフィードバック制御するものである。
次に、コントロールユニット25の具体的構成について説明する。
コントロールユニット25は、図3に示すように、指令値演算部30と、指令値補償部31と、モータ制御部32と、運転情報記録制御部33とを備えている。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、コントロールユニット25の運転情報記録制御部33、記憶装置26、カメラ27、衝撃検知センサ28及び表示装置29から運転情報記録装置2が構成される。なお、衝撃検知センサ28については、エアバッグシステム等の他の車載システムの備えるセンサを流用してもよい。また、表示装置29については、カーナビゲーションシステム等の他の車載システムの備える表示装置を流用してもよい。
この指令値演算部30は、図4に示すように、操舵補助指令値演算部30aと、位相補償部30bと、トルク微分回路30cと、第1の加算器30dと、舵角制御部30eとを備えている。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、横軸に操舵トルクTs、縦軸に基準操舵補助指令値Irをとり、車速Vsをパラメータとした特性線図で構成されている。基準操舵補助指令値Irは、操舵トルクTsの増加に対して最初は比較的緩やかに増加し、さらに操舵トルクTsが増加すると、その増加に対して基準操舵補助指令値Irが急峻に増加するように設定されている。この特性曲線の傾きは、車速Vsの増加に従って小さくなるように設定されている。
トルク微分回路30cは、操舵トルクTsを微分した操舵トルク変化率をもとに操舵トルクTsに対する補償値を算出し、これを第1の加算器30dに出力する。
第1の加算器30dは、位相補償部30bが出力した位相補償後の基準操舵補助指令値Irに、トルク微分回路30cが出力した補償値と、指令値補償部31が出力した指令補償値Icom(後述)とを加算して、基準操舵補助指令値Irを補償する。そして、補償後の基準操舵補助指令値Irを、操舵補助指令値I*として、モータ制御部32及びSAT推定フィードバック部31eにそれぞれ出力する。
具体的に、舵角制御部30eは、操舵トルクTsに基づき、予め設定したトルク閾値以上の操舵トルクTsに応じた目標操舵角補正値θhaを演算し、この目標操舵角補正値θhaによって舵角指令値θs*を補正する。そして、補正後の舵角指令値θs*と実操舵角θsとの差分を0とするための第2の電流指令値Irefmを演算する。
角速度演算部31aは、モータ回転角センサ23aで検出したモータ回転角θmを微分してモータ角速度ωを算出する。角速度演算部31aは、算出したモータ角速度ωを、角加速度演算部31b、収れん性補償部31c、SAT推定フィードバック部31e及び舵角制御部30eにそれぞれ出力する。角加速度演算部31bは、角速度演算部31aで演算したモータ角速度ωを微分してモータ角加速度αを算出する。角加速度演算部31bは、算出したモータ角加速度αを、慣性補償部31d及びSAT推定フィードバック部31eにそれぞれ出力する。
慣性補償部31dは、入力されたモータ角加速度αに基づき、電動モータ23の慣性により発生するトルク相当分を補償して慣性感又は制御応答性の悪化を防止するための慣性補償値Iiを算出する。
SAT推定フィードバック部31eは、入力された操舵トルクTs、モータ角速度ω、モータ角加速度α及び操舵補助指令値I*に基づき、セルフアライニングトルクSATを推定演算する。そして、演算したセルフアライニングトルクSATを、第2の加算器31fに出力する。
第3の加算器31gは、第2の加算器31fの加算結果と収れん性補償部31cで算出した収斂性補償値Icとを加算し、その結果を指令補償値Icomとして第1の加算器30dに出力する。
電流指令値演算部32aは、第1の加算器30dから入力された操舵補助指令値I*から電動モータ23の第1の電流指令値Ireftを演算する。電流指令値演算部32aは、演算した第1の電流指令値Ireftを切替部32bに出力する。
切替部32bは、自動運転用ECU41からのモードフラグMdの入力に応じて、減算器32cに出力する電流指令値Irefを、第1の電流指令値Ireft及び第2の電流指令値Irefmのいずれか一方に切り換える。具体的に、モードフラグMdの示すフラグ値が、例えば手動運転モードを示す「0」のときは、第1の電流指令値Ireftに切り換え、例えば自動運転モードを示す「1」のときは、第2の電流指令値Irefmに切り換える。
電流制御部32dは、上記電流偏差に対して比例積分(PI)演算を行って電圧指令値を出力するフィードバック制御を行う。即ち、上記電流偏差が「0」となるように演算された電圧指令値をモータ駆動部32eに出力する。
モータ駆動部32eは、電動モータ23に駆動電流Imを供給するためのインバータ回路(不図示)を備えている。モータ駆動部32eは、電流制御部32dが出力した電圧指令値に基づいてデューティ演算を行い、電動モータ23の駆動指令となるデューティ比を演算する。そして、そのデューティ比に基づいてインバータ回路を駆動して電動モータ23を駆動制御する。即ち、デューティ比によって制御された駆動電流Imを電動モータ23に供給する。
次に、運転情報記録制御部33の具体的構成について説明する。
運転情報記録制御部33は、図5に示すように、センサ検出値処理部33aと、記録処理部33bと、操舵状況推定処理部33cと、表示処理部33dとを備えている。
センサ検出値処理部33aは、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs*並びにモードフラグMdを、同期をとって取得する。そして、これら取得した情報を含む運転情報DIを記録処理部33bに出力する。この運転情報DIを取得して記録処理部33bに出力する処理は常時繰り返し行われる。
操舵状況推定処理部33cは、記録処理部33bにおいて衝撃時記録処理が実行されたときに、この処理で記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの運転情報DIに基づき、操舵状況を推定する処理である操舵状況推定処理を実行する。そして、操舵状況の推定結果を含む操舵状況情報を、記録処理部33bに出力する。
通常時表示処理では、例えば、撮像画像に車速Vsや時刻情報Tmの文字画像を重ねた画像を表示装置29に表示する。
次に、運転情報記録処理の処理手順について説明する。
IGNスイッチ48がON状態となって電力が供給され、コントロールユニット25の運転情報記録制御部33において、運転情報記録処理が実行されると、図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、センサ検出値処理部33aにおいて、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs*並びにモードフラグMdを、同期をとって取得する。そして、これら取得した情報を運転情報DIとして記録処理部33bに出力する。その後、ステップS102に移行する。
ステップS104では、記録処理部33bにおいて、入力された加速度Gcと不図示のメモリに予め記憶された衝撃閾値Thgとを比較して、加速度Gcが衝撃閾値Thg未満であるか否かを判定する。そして、衝撃閾値Thg未満であると判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS110に移行する。
ステップS106に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、衝撃判定フラグがOFF状態であるか否かを判定する。そして、OFF状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS108に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS112に移行する。
ステップS108に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、入力されたIGN信号IGに基づき、IGNスイッチ48がOFF状態になったか否かを判定する。そして、OFF状態になったと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS100に移行する。
ステップS112では、衝撃発生時からX秒(例えば、10秒)が経過したか否かを判定し、経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS114に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS100に移行する。
ステップS116では、操舵状況推定処理部33cにおいて、ステップS114で記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの運転情報DIに基づき操舵状況を推定する。そして、この推定結果の情報と時刻情報Tmとを対応付けてなる操舵状況情報を生成し、生成した操舵状況情報を記憶装置26の衝撃時記録領域に、推定に用いた運転情報DIと対応付けて記録する。その後、ステップS108に移行する。
次に、上記ステップS116で実行される操舵状況推定処理の処理手順について説明する。
上記ステップS116で操舵状況推定処理が実行されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、操舵状況推定処理部33cにおいて、記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの期間(以下、「操舵状況推定期間」と記載する場合がある)の運転情報DIを読み出す。その後、ステップS202に移行する。
ステップS204に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれる自動運転制御の実施期間(以下、「自動運転制御期間」と記載する場合がある)における第2の電流指令値Irefm、モータ回転角θm、舵角指令値θs*及び操舵角θsに基づき、自動運転制御期間の操舵状況を推定する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
加えて、上記推定結果に基づき、自動運転制御に係る装置に不具合が発生しているか否かを推定する。
一方、ステップS206に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれるモードフラグMdに基づき、手動運転のみが実施されていたか否かを判定する。そして、実施されていたと判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、例えば、読み出した運転情報DIに含まれる操舵角θsと操舵トルクTsとに基づき、ドライバーが手入力によってどの操舵方向にステアリングホイール11を切ろうとしていたか、その結果どの操舵方向にステアリングホイール11が操舵されたかを推定する。そして、この操舵角θsの方向と操舵トルクTsの方向との関係から、ドライバーの操舵意思に沿った操舵が行われたのか、ドライバーの操舵意思に反した操舵が行われたのかを推定する。
また、ステップS206において、手動運転のみが実施されていないと判定されてステップS210に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれるモードフラグMdに基づき、操舵状況推定期間における自動運転から手動運転への切り替わりタイミングを推定(検出)する。その後、ステップS212に移行する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、読み出した運転情報DIに含まれる自動運転制御期間における運転情報DIに基づき、上記ステップS204の自動運転制御のみが行われた場合と同様の操舵状況を推定する。
ステップS214では、操舵状況推定処理部33cにおいて、操舵状況推定期間における手動運転期間の操舵状況を推定する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、読み出した運転情報DIに含まれる手動運転期間における運転情報DIに基づき、上記ステップS208の手動運転のみが行われた場合と同様の操舵状況を推定する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
ドライバーがIGNスイッチ48をON状態にすると、車両4の各種電気系統部品にバッテリー47から電力が供給される。これによって、操舵トルクセンサ13、操舵角センサ24、コントロールユニット25、記憶装置26、カメラ27、衝撃検知センサ28、表示装置29、車速センサ45及びRTCM46が作動状態となる。
これによって、コントロールユニット25は、ドライバーによるステアリングホイール11の操舵に基づいて操舵補助制御を行う。
一方、コントロールユニット25は、運転情報記録制御部33にて、運転情報記録処理を実行することで運転情報記録制御を行う。
一方、運転情報記録制御部33は、常時記録処理中に、衝撃検知センサ28で検出された加速度Gcを常時監視し、加速度Gcが衝撃閾値Thg未満であるか否かを判定する。
ここでは、他車との衝突及び急ブレーキによって、加速度Gcのうち前後方向及び左右方向の加速度Gfb及びGrlが衝撃閾値Thg未満では無いと判定されたとする。これによって、運転情報記録制御部33は、衝撃判定フラグをOFF状態からON状態に変更すると共に、タイマによる計時を開始する。タイマによる計時中も常時記録処理は並行して行われ、記憶装置26の常時記録領域には運転情報DIが記録されていく。
引き続き、運転情報記録制御部33は、衝撃時記録処理が完了すると、この記録処理で衝撃時記録領域に記録された運転情報DIに基づき、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの間の操舵状況を推定する。
更に、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosの変化から、操舵トルクTsの伝達方向を判定し、ステアリングホイール11の操舵が、ドライバーの意思によるものなのか、路面反力等の外力によるセルフ操舵によるものなのかを推定する。この判定結果は、操舵角θsからだけでは分からない操舵の要因を判断する際に有用である。
ここで、記憶装置26に記録された操舵状況情報を表示装置29に表示させる場合は、表示装置29の操作部を操作して、表示させたい操舵状況情報を選択すると共に表示指示を入力する。これによって、運転情報記録制御部33は、選択された操舵状況情報に基づき表示用操舵状況情報を生成する。そして、生成した表示用操舵状況情報を表示装置29に表示する。
ここで、自動運転用ECU41が自動運転制御部に対応し、カメラ27が撮像部に対応し、記録処理部33bが運転情報記録部に対応し、操舵状況推定処理部33cが操舵状況推定部に対応し、表示処理部33dが操舵状況情報表示部に対応する。
また、入力軸回転角センサ13bが入力軸回転角検出部に対応し、出力軸回転角センサ13cが出力軸回転角検出部に対応し、コントロールユニット25が操舵補助制御部に対応し、衝撃検知センサ28が衝撃検知部に対応する。
(1)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、カメラ27が、車両4前方の画像を撮像する。記録処理部33bが、操舵トルクセンサ13で検出された操舵トルクTsと、操舵角センサ24で検出された操舵角θsと、自動運転用ECU41から出力されたモードフラグMdとを含む情報を、カメラ27で撮像して得られた撮像画像データMvに関連付けてなる運転情報DIを記憶装置26に記録する。
この構成であれば、例えば、事故発生直前に、ドライバーがどのような手入力を行ってその結果どのような操舵が行われたのか等のより詳細な操舵状況を推定し、その推定結果の情報である操舵状況情報を記憶装置26に記録することが可能となる。加えて、記憶装置26に記録されている操舵状況情報を表示装置29に表示することが可能となる。
これによって、記録されたデータを外部の情報処理装置等で解析することなく、事故の発生直後等に、事故発生に係るドライバーの操舵状況を簡易に確認することが可能となる。
この構成であれば、例えば、事故の発生直前に、自動運転制御によるセルフ操舵が行われたのか、ドライバーの手動運転による操舵が行われたのかを判定することが可能となるので、人為的な事故であるのか、装置故障による事故であるのか等を判断する際に有用である。
この構成であれば、ドライバーの意思に反して舵が取られているような操舵状況を知ることが可能となるので、舵角装置系に何らかの異常が先に発生していたのか等を判断する際に有用である。
なお、上記実施形態では、運転情報記録装置2を、電動パワーステアリング装置1に組み込み、コントロールユニット25が操舵補助制御に加えて運転情報記録制御(運転情報記録処理)を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、運転情報記録装置を別途独立して構成してもよい。この場合、例えば、コントロールユニット25とは別のコントロールユニットと、記憶装置26と、カメラ27と、衝撃検知センサ28と、表示装置29とを含む独立した運転情報記録装置を構成する。また、運転情報記録装置を独立構成とした場合に、専用のバッテリーを備える構成としてもよい。これによって、車載のバッテリーから電力供給できない状況でも、専用バッテリーからの電力によって記録した画像や操舵状況情報を表示装置29に表示して確認することが可能となる。この場合、運転情報記録装置を車両から簡易に取り外し可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態では、操舵トルクセンサを、入力軸回転角センサ13b及び出力軸回転角センサ13cで検出した入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosに基づき操舵トルクTsを検出する構成としたが、この構成に限らない。例えば、入力軸12a及び出力軸12bの相対的な変位(回転変位)を、対となる検出コイルのインピーダンス変化に変換して操舵トルクTsを検出する構成とするなど他の構成としてもよい。
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願P2017−015236(2017年1月31日出願)の全内容は、ここに引用例として包含される。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明のことである。
Claims (8)
- 車両に搭載され、車両周辺の画像を撮像する撮像部と、
記憶装置と、
前記車両の備えるステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルクセンサで検出された前記操舵トルクと、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサで検出された前記操舵角と、前記車両の備える自動運転制御部から出力された自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む情報を、前記撮像部で撮像して得られた撮像画像データに関連付けてなる運転情報を前記記憶装置に記録する運転情報記録部と、を備えることを特徴とする運転情報記録装置。 - 前記記憶装置に記録されている前記運転情報に基づき操舵状況を推定する操舵状況推定部と、
前記操舵状況推定部で推定した操舵状況の情報である操舵状況情報を前記記憶装置に記録する操舵状況情報記録部と、
前記記憶装置に記録されている前記操舵状況情報を表示する操舵状況情報表示部と、を備える請求項1に記載の運転情報記録装置。 - 前記操舵状況推定部は、前記記憶装置に記録されている前記フラグ情報及び前記操舵角に基づき、自動運転制御中か否か及び操舵が行われたか否かを判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵が自動運転中の操舵であるのか否かを推定する請求項2に記載の運転情報記録装置。
- 前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記操舵トルク及び前記操舵角に基づき、操舵トルクの方向と操舵角の方向との関係を判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵がドライバーの意思に沿った操舵かドライバーの意思に反した操舵かを推定する請求項3に記載の運転情報記録装置。
- 前記操舵トルクセンサは、トーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸を有するステアリングシャフトの前記入力軸の回転角である入力軸回転角を検出する入力軸回転角検出部と、前記出力軸の回転角である出力軸回転角を検出する出力軸回転角検出部とを有し、前記入力軸回転角と前記出力軸回転角との差分に基づき前記操舵トルクを検出するように構成されており、
前記運転情報記録部は、前記運転情報として、更に、前記入力軸回転角及び前記出力軸回転角を前記撮像画像データに対応付けて前記記憶装置に記録するようになっており、
前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記入力軸回転角及び前記出力軸回転角に基づき前記ステアリングシャフトへのトルクの伝達方向を判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵がドライバーの手入力による操舵であったか外力によるセルフ操舵であったかを推定する請求項3又は4に記載の運転情報記録装置。 - 前記運転情報記録部は、前記運転情報として、更に、前記車両の備える操舵補助制御部から出力された電流指令値と、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータのモータ回転角を検出するモータ回転角センサで検出した前記モータ回転角と、前記自動運転制御部から出力された舵角指令値とを前記撮像画像データに対応付けて前記記憶装置に記録するようになっており、
前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵であると推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記電流指令値、前記モータ回転角、前記舵角指令値及び前記操舵角に基づき、前記操舵状況の1つとして、自動運転制御の制御内容及び該制御内容に対してどのようなセルフ操舵が行われたかを推定する請求項3から5のいずれか1項に記載の運転情報記録装置。 - 車両に生じた衝撃の大きさを検出する衝撃検出部を備え、
前記運転情報記録部は、前記運転情報を前記記憶装置の予め設定した常時記録領域に常時記録する常時記録処理を実行すると共に、前記衝撃検出部で検出した衝撃の大きさが予め設定した衝撃閾値以上であると判定すると、衝撃検出時の予め設定した第1設定時間前から第2設定時間後までの期間に前記常時記録領域に記録された前記運転情報を前記常時記録領域とは異なる予め設定した衝撃時記録領域に記録する衝撃時記録処理を実行し、
前記操舵状況推定部は、前記衝撃時記録領域に記録された前記運転情報に基づき操舵状況を推定する請求項2から6のいずれか1項に記載の運転情報記録装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の運転情報記録装置を備えた電動パワーステアリング装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017015236 | 2017-01-31 | ||
JP2017015236 | 2017-01-31 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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