JP6358414B1 - 運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

操舵に係る運転情報として操舵トルクと操舵角と自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む運転情報を記録することが可能な運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供する。運転情報記録装置(2)は、記憶装置(26)、カメラ(27)、衝撃検知センサ(28)、表示装置(29)及び運転情報記録制御部(33)を備え、運転情報記録制御部(33)は、入力された操舵トルク(Ts)、車速(Vs)、入力軸回転角(θis)、出力軸回転角(θos)、モータ回転角(θm)、第1の電流指令値(Ireft)及び第2の電流指令値(Irefm)、操舵角(θs)、舵角指令値(θs*)並びにモードフラグ(Md)を含む情報を入力された撮像画像データ(Mv)に関連付けてなる運転情報(DI)を記憶装置(26)に記録する。

Description

本発明は、車両の運転情報を記録する運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来、車両の運転情報を記録する装置として、例えば、特許文献1に記載のドライブレコーダがある。このドライブレコーダは、車両周囲の状況を撮像するカメラと、このカメラにより撮像された画像を少なくとも含む運転情報をメモリに一定時間の間だけエンドレスに記録する記録手段と、この記録手段による運転情報の記録動作を所定のタイミングで停止させる記録停止手段とを備えている。そして、車両周囲の画像データに、日時データ、ブレーキ踏込み量、車速、舵角などを上書きしてメモリに記録するようになっている。
特開2000−280821号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術は、操舵に関する情報として、舵角のみを記録するため、例えば、自動運転中の操舵であるのか否か、手動運転中にドライバーがどのような手入力を行ってその結果どのような操舵が行われたかなどのより詳細な操舵状況を判断することが困難である。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、操舵に係る運転情報として操舵トルクと操舵角と自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む運転情報を記録することが可能な運転情報記録装置及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る運転情報記録装置は、車両に搭載され、車両周辺の画像を撮像する撮像部と、記憶装置と、前記車両の備えるステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルクセンサで検出された前記操舵トルクと、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサで検出された前記操舵角と、前記車両の備える自動運転制御部から出力された自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む情報を、前記撮像部で撮像して得られた撮像画像データに関連付けてなる運転情報を前記記憶装置に記録する運転情報記録部と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る電動パワーステアリング装置は、上記第1の態様に係る運転情報記録装置を備える。
本発明であれば、操舵に関する運転情報として操舵角に加えて操舵トルク及びフラグ情報を記録するようにした。そのため、この記録された操舵角、操舵トルク及びフラグ情報に基づき、例えば、事故発生前から事故発生後の所定期間において、自動運転制御による操舵が行われたか否か、行われた場合にどの期間に行われたかを判定することが可能となる。また、どのタイミングで自動運転から手動運転に切り換わったのかを判定することが可能となる。加えて、例えば、自動運転中の期間に、自動運転制御によってどのようなセルフ操舵が行われたのか、また、手動運転中の期間にドライバーがどのような手入力を行ってその結果どのような操舵が行われたのか等のより詳細な操舵状況を推定することが可能となる。
実施形態に係る電動パワーステアリング装置を車両に適用した場合の全体構成図である。 実施形態に係るトルクセンサを示す概略構成図である。 実施形態に係るコントロールユニット及び運転情報記録装置の具体的構成を示すブロック図である。 指令値演算部、指令値補償部及びモータ制御部の具体的構成を示すブロック図である。 運転情報記録制御部の具体的構成を示すブロック図である。 運転情報記録処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵状況推定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、寸法の関係や比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(実施形態)
(構成)
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、車両4に搭載され、ステアリング機構として、図1に示すように、ステアリングホイール11と、ステアリングシャフト12と、操舵トルクセンサ13と、第1のユニバーサルジョイント14とを備えている。加えて、中間シャフト15と、第2のユニバーサルジョイント16と、ピニオンシャフト17と、ステアリングギヤ18と、タイロッド19と、ナックルアーム20と、操舵角センサ24とを備えている。
ステアリングホイール11にドライバーから作用される操舵力はステアリングシャフト12に伝達される。このステアリングシャフト12は、図1に示すように、入力軸12aと出力軸12bとを有し、入力軸12aの一端がステアリングホイール11に連結され、入力軸12aの他端が操舵トルクセンサ13を介して出力軸12bの一端に連結されている。
この出力軸12bに伝達された操舵力は、第1のユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15に伝達され、更に、第2のユニバーサルジョイント16を介してピニオンシャフト17に伝達される。このピニオンシャフト17に伝達された操舵力はステアリングギヤ18を介してタイロッド19に伝達される。更に、このタイロッド19に伝達された操舵力はナックルアーム20に伝達され、前輪4FRおよび4FLを転舵させる。ここで、ステアリングギヤ18は、ピニオンシャフト17に連結されたピニオン18aとこのピニオン18aに噛合するラック18bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン18aに伝達された回転運動をラック18bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト12の出力軸12bには、操舵補助トルクを出力軸12bに伝達する操舵補助機構21が連結されている。この操舵補助機構21は、出力軸12bに連結された減速ギヤ22と、この減速ギヤ22に連結されて操舵系に対して補助操舵トルクを発生する電動モータ23と、この電動モータ23のモータ回転角θmを検出するモータ回転角センサ23aとを備えている。
操舵トルクセンサ13は、ステアリングホイール11に付与されて入力軸12aに伝達された操舵トルクTsを検出する。この操舵トルクセンサ13は、図2に示すように、入力軸12a及び出力軸12bの間に介挿したトーションバー13aと、入力軸12aの回転角である入力軸回転角θisを検出する入力軸回転角センサ13bと、出力軸12bの回転角である出力軸回転角θosを検出する出力軸回転角センサ13cとを備えている。
操舵トルクセンサ13は、トーションバー13aの捩れ角変位を、入力軸回転角センサ13bで検出した入力軸回転角θisと出力軸回転角センサ13cで検出した出力軸回転角θosとの角度差に変換する。そして、この角度差に基づき操舵トルクTsを検出(算出)するように構成されている。
操舵角センサ24は、ステアリングホイール11の操舵角θsを検出する。
図1に戻って、電動パワーステアリング装置1は、更に、コントロールユニット25と、記憶装置26と、カメラ27と、衝撃検知センサ28と、表示装置29とを備えている。
また、車両4は、自動運転用ECU(Electronic Control Unit)41と、車速センサ45と、RTCM(Real Time Clock Module)46と、バッテリー47と、イグニッションスイッチ48(以下、「IGNスイッチ48」と記載する場合がある)とを備えている。
記憶装置26は、例えば、必要な時間分の撮像画像情報を含む運転情報DIを記録可能な容量の不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリ等)から構成されている。なお、メモリデバイスはメモリカード式のデバイスで構成してもよい。
カメラ27は、ルームミラーの裏側や上部に設置され、本実施形態では、車両前方を広角で撮像できるレンズを有するカメラである。なお、カメラは、1台に限らず、例えば、車両4の両側方や後方などにも設置して、車両4の全周囲の画像を撮像できる構成としてもよい。カメラ27で車両前方を撮像して得られた撮像画像データMvは、例えば、車載のCAN(Controller Area Network)を介してコントロールユニット25に送信される。
衝撃検知センサ28は、3軸の加速度センサから構成されており、車両4の前後方向、左右方向及び上下方向の衝撃を検知する。検知した加速度Gc(Gfb、Grl、Gud)は、例えば、車載のCANを介してコントロールユニット25に送信される。
表示装置29は、例えば、小型の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等から構成されており、本実施形態では、カメラ27で撮像した撮像画像の他、車速Vsなどの各種センサで検出した情報、後述する操舵状況情報等を表示する。更に、本実施形態の表示装置29は、図示省略するが、運転情報DIの記録機能に対して各種操作を行うための操作部(例えば、操作ボタン等)を有している。具体的に、ユーザが操作部を操作することで、その操作情報がコントロールユニット25に入力され、表示装置29に、例えば、過去に記録した衝撃発生時の運転情報DIや、衝撃発生時の操舵状況情報を表示することが可能である。
自動運転用ECU41は、車両4に搭載された不図示のカメラや距離センサなどの信号に基づき自動運転制御のための舵角指令値θsを生成し、生成した舵角指令値θsを、例えば、車載のCANを介してコントロールユニット25に送信する。更に、自動運転モード及び手動運転モードのいずれか一方のモードに切り換える信号、例えばドライバーによって自動運転作動用のボタンやスイッチ等が操作されることで出力される信号SWに基づきモードフラグMdを生成する。そして、生成したモードフラグMdを、例えば、車載のCANを介してコントロールユニット25に送信する。
車速センサ45は、車両4の車速Vsを検出するセンサであり、RTCM46は、年月日時分秒を含む時刻情報Tmを測定可能な計時用のモジュールである。検出された車速Vs及び測定された時刻情報Tmは、例えば、車載のCANを介してコントロールユニット25に送信される。
IGNスイッチ48は、本実施形態では、押しボタン式のスイッチから構成されており、ユーザが車両4の電子キーを所持した状態でボタンを押すことで、ブレーキペダルが踏み込まれている場合は、ON状態となってエンジンが始動する。IGNスイッチ48は、そのON状態及びOFF状態を示す信号であるIGN信号IGをコントロールユニット25に出力するようになっている。
コントロールユニット25は、車載電源であるバッテリー47から電源供給されることによって作動する。ここで、バッテリー47の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うIGNスイッチ48を介してコントロールユニット25に接続されていると共に、IGNスイッチ48を介さず直接、コントロールユニット25に接続されている。
コントロールユニット25には、操舵トルクセンサ13からの操舵トルクTs、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosと、モータ回転角センサ23aからのモータ回転角θmと、操舵角センサ24からの操舵角θsとが入力されている。加えて、カメラ27からの撮像画像データMvと、衝撃検知センサ28からの加速度Gcと、自動運転用ECU41からの舵角指令値θs及びモードフラグMdと、車速センサ45からの車速Vsと、RTCM46からの時刻情報Tmとが入力されている。
コントロールユニット25は、これら入力情報に基づき、操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御(操舵アシスト制御)と、運転情報DIを記憶装置26に記録する制御、衝撃発生時のドライバーの操舵状況を推定する制御等を含む運転情報記録制御とを行う。
具体的に、手動運転に対する操舵補助制御は、操舵トルクTsに応じた操舵補助力を電動モータ23で発生するための操舵補助指令値Iを公知の手順で算出し、算出した操舵補助指令値Iに基づいて電動モータ23の第1の電流指令値Ireftを算出する。そして、モードフラグMdの示すフラグ値が手動運転モードを示す値である場合に、第1の電流指令値Ireftとモータ電流検出値とにより、電動モータ23に供給する駆動電流Imをフィードバック制御するものである。
また、自動運転に対する操舵補助制御は、舵角指令値θsに応じた操舵補助力を電動モータ23で発生するための第2の電流指令値Irefmを算出する。そして、モードフラグMdの示すフラグ値が自動運転モードを示す値である場合に、第2の電流指令値Irefmとモータ電流検出値とにより、電動モータ23に供給する駆動電流Imをフィードバック制御するものである。
(コントロールユニット25)
次に、コントロールユニット25の具体的構成について説明する。
コントロールユニット25は、図3に示すように、指令値演算部30と、指令値補償部31と、モータ制御部32と、運転情報記録制御部33とを備えている。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、コントロールユニット25の運転情報記録制御部33、記憶装置26、カメラ27、衝撃検知センサ28及び表示装置29から運転情報記録装置2が構成される。なお、衝撃検知センサ28については、エアバッグシステム等の他の車載システムの備えるセンサを流用してもよい。また、表示装置29については、カーナビゲーションシステム等の他の車載システムの備える表示装置を流用してもよい。
指令値演算部30には、操舵トルクTs、車速Vs、舵角指令値θs、操舵角θs及びモータ角速度ωが入力され、指令値補償部31には、操舵トルクTs及びモータ回転角θmが入力されている。更に、運転情報記録制御部33には、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、車速Vs、イグニッション信号IG、操舵角θs、加速度Gc、時刻情報Tm、撮像画像データMv、モータ回転角θm、舵角指令値θs及びモードフラグMdが入力されている。
この指令値演算部30は、図4に示すように、操舵補助指令値演算部30aと、位相補償部30bと、トルク微分回路30cと、第1の加算器30dと、舵角制御部30eとを備えている。
操舵補助指令値演算部30aは、操舵トルクTs及び車速Vsをもとに、操舵補助指令値算出マップを参照して基準操舵補助指令値Irを演算する。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、横軸に操舵トルクTs、縦軸に基準操舵補助指令値Irをとり、車速Vsをパラメータとした特性線図で構成されている。基準操舵補助指令値Irは、操舵トルクTsの増加に対して最初は比較的緩やかに増加し、さらに操舵トルクTsが増加すると、その増加に対して基準操舵補助指令値Irが急峻に増加するように設定されている。この特性曲線の傾きは、車速Vsの増加に従って小さくなるように設定されている。
位相補償部30bは、操舵補助指令値演算部30aで演算した基準操舵補助指令値Irに対して位相補償を行い、位相補償後の基準操舵補助指令値Irを第1の加算器30dに出力する。ここでは、例えば、(T1s+1)/(T2s+1)のような伝達特性を基準操舵補助指令値Irに作用させるものとする。
トルク微分回路30cは、操舵トルクTsを微分した操舵トルク変化率をもとに操舵トルクTsに対する補償値を算出し、これを第1の加算器30dに出力する。
第1の加算器30dは、位相補償部30bが出力した位相補償後の基準操舵補助指令値Irに、トルク微分回路30cが出力した補償値と、指令値補償部31が出力した指令補償値Icom(後述)とを加算して、基準操舵補助指令値Irを補償する。そして、補償後の基準操舵補助指令値Irを、操舵補助指令値Iとして、モータ制御部32及びSAT推定フィードバック部31eにそれぞれ出力する。
舵角制御部30eは、自動運転用ECU41からの舵角指令値θsと、操舵角センサ24からの操舵角θs(以下、「実操舵角θs」と記載する場合がある)と、操舵トルクセンサ13からの操舵トルクTsと、角速度演算部31aからのモータ角速度ωとに基づき自動運転制御のための第2の電流指令値Irefmを演算する。そして、演算した第2の電流指令値Irefmをモータ制御部32に出力する。
具体的に、舵角制御部30eは、操舵トルクTsに基づき、予め設定したトルク閾値以上の操舵トルクTsに応じた目標操舵角補正値θhaを演算し、この目標操舵角補正値θhaによって舵角指令値θsを補正する。そして、補正後の舵角指令値θsと実操舵角θsとの差分を0とするための第2の電流指令値Irefmを演算する。
指令値補償部31は、角速度演算部31aと、角加速度演算部31bと、収れん性補償部31cと、慣性補償部31dと、SAT推定フィードバック部31eとを備えている。
角速度演算部31aは、モータ回転角センサ23aで検出したモータ回転角θmを微分してモータ角速度ωを算出する。角速度演算部31aは、算出したモータ角速度ωを、角加速度演算部31b、収れん性補償部31c、SAT推定フィードバック部31e及び舵角制御部30eにそれぞれ出力する。角加速度演算部31bは、角速度演算部31aで演算したモータ角速度ωを微分してモータ角加速度αを算出する。角加速度演算部31bは、算出したモータ角加速度αを、慣性補償部31d及びSAT推定フィードバック部31eにそれぞれ出力する。
収れん性補償部31cは、入力されたモータ角速度ωに基づき、車両4のヨーの収斂性を改善するためにステアリングホイール11が振れ回る動作に対して、ブレーキをかけるように、収斂性補償値Icを算出する。
慣性補償部31dは、入力されたモータ角加速度αに基づき、電動モータ23の慣性により発生するトルク相当分を補償して慣性感又は制御応答性の悪化を防止するための慣性補償値Iiを算出する。
SAT推定フィードバック部31eは、入力された操舵トルクTs、モータ角速度ω、モータ角加速度α及び操舵補助指令値Iに基づき、セルフアライニングトルクSATを推定演算する。そして、演算したセルフアライニングトルクSATを、第2の加算器31fに出力する。
第2の加算器31fは、慣性補償部31dで算出した慣性補償値IiとSAT推定フィードバック部31eから入力されたセルフアライニングトルクSATとを加算し、その結果を第3の加算器31gに出力する。
第3の加算器31gは、第2の加算器31fの加算結果と収れん性補償部31cで算出した収斂性補償値Icとを加算し、その結果を指令補償値Icomとして第1の加算器30dに出力する。
モータ制御部32は、電流指令値演算部32aと、切替部32bと、減算器32cと、電流制御部32dと、モータ駆動部32eと、電動モータ23の実電流を検出する電流検出器32fとを備えている。
電流指令値演算部32aは、第1の加算器30dから入力された操舵補助指令値Iから電動モータ23の第1の電流指令値Ireftを演算する。電流指令値演算部32aは、演算した第1の電流指令値Ireftを切替部32bに出力する。
切替部32bは、自動運転用ECU41からのモードフラグMdの入力に応じて、減算器32cに出力する電流指令値Irefを、第1の電流指令値Ireft及び第2の電流指令値Irefmのいずれか一方に切り換える。具体的に、モードフラグMdの示すフラグ値が、例えば手動運転モードを示す「0」のときは、第1の電流指令値Ireftに切り換え、例えば自動運転モードを示す「1」のときは、第2の電流指令値Irefmに切り換える。
減算器32cは、切替部32bから入力された第1の電流指令値Ireft又は第2の電流指令値Irefmと、電流検出器32fで検出したモータ電流検出値(実電流値It)との電流偏差を演算し、これを電流制御部32dに出力する。
電流制御部32dは、上記電流偏差に対して比例積分(PI)演算を行って電圧指令値を出力するフィードバック制御を行う。即ち、上記電流偏差が「0」となるように演算された電圧指令値をモータ駆動部32eに出力する。
モータ駆動部32eは、電動モータ23に駆動電流Imを供給するためのインバータ回路(不図示)を備えている。モータ駆動部32eは、電流制御部32dが出力した電圧指令値に基づいてデューティ演算を行い、電動モータ23の駆動指令となるデューティ比を演算する。そして、そのデューティ比に基づいてインバータ回路を駆動して電動モータ23を駆動制御する。即ち、デューティ比によって制御された駆動電流Imを電動モータ23に供給する。
(運転情報記録制御部33)
次に、運転情報記録制御部33の具体的構成について説明する。
運転情報記録制御部33は、図5に示すように、センサ検出値処理部33aと、記録処理部33bと、操舵状況推定処理部33cと、表示処理部33dとを備えている。
センサ検出値処理部33aは、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs並びにモードフラグMdを、同期をとって取得する。そして、これら取得した情報を含む運転情報DIを記録処理部33bに出力する。この運転情報DIを取得して記録処理部33bに出力する処理は常時繰り返し行われる。
記録処理部33bは、センサ検出値処理部33aから時系列で順次入力される運転情報DIを記憶装置26の予め設定された常時記録領域に時系列で順次記録する処理である常時記録処理を実行する。なお、常時記録処理では、常時記録領域が満杯になった場合に、以降の運転情報DIを古いものから順に上書きしながら記録していく。即ち、最も古い運転情報DIを最新の運転情報DIで上書きする。
記録処理部33bは、更に、入力された加速度Gc(Gfb、Grl、Gud)と予め設定した衝撃閾値Thgとを比較し、加速度Gcの3軸の加速度(絶対値)のうち1つでも衝撃閾値Thg以上となった場合に、車両4に看過できない程の大きな衝撃が発生したと判定する。一方、3軸の加速度のいずれも衝撃閾値Thg未満である場合に、看過できない程の大きな衝撃は発生していないと判定する。そして、大きな衝撃が発生したと判定時(以下、「衝撃発生時」と記載する)は、常時記録処理と並行して、衝撃時記録処理を実行する。この衝撃時記録処理は、衝撃発生時からX秒が経過したときに、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの常時記録領域に記録された運転情報DIを、記憶装置26の予め設定された衝撃時記録領域に記録する処理となる。この衝撃時記録領域は、常時記録処理によって上書きされない領域となる。なお、衝撃時記録領域が満杯になっている場合は、例えば、ドライバーに不要なデータを削除するように促すメッセージ画像等を、表示処理部33dを介して表示装置29に表示するようにしてもよい。ドライバーは、表示装置29の操作部を操作して不要なデータを選択する。これによって、不要なデータが削除され、空いた領域に最新の衝撃発生時の運転情報DIが記録される。または、衝撃時記録領域に記録してから所定日数(例えば3日)が経過した後に自動で削除するようにしてもよい。
記録処理部33bは、更に、操舵状況推定処理部33cから入力された、操舵状況の推定結果を示す情報(以下、「操舵状況情報」と記載する場合がある)を、記憶装置26の衝撃時記録領域に、この操舵状況情報の推定に用いた運転情報DIと対応付けて記録する処理である操舵状況情報記録処理を実行する。
操舵状況推定処理部33cは、記録処理部33bにおいて衝撃時記録処理が実行されたときに、この処理で記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの運転情報DIに基づき、操舵状況を推定する処理である操舵状況推定処理を実行する。そして、操舵状況の推定結果を含む操舵状況情報を、記録処理部33bに出力する。
表示処理部33dは、操作入力のない通常時は、撮像画像に運転情報DIの一部の情報に基づく情報を重ねた画像を表示装置29に表示する処理である通常時表示処理を実行する。更に、操作入力のあった操作時は、操作入力に応じた情報を表示装置29に表示する処理である操作時表示処理を実行する。
通常時表示処理では、例えば、撮像画像に車速Vsや時刻情報Tmの文字画像を重ねた画像を表示装置29に表示する。
また、操作時表示処理では、記憶装置26に記録されている衝撃発生時の運転情報DIのうち操作入力によって選択された運転情報DIに基づく情報を表示装置29に表示する。また、記憶装置26に記録されている操舵状況情報のうち操作入力によって選択された操舵状況情報に基づく情報を表示装置29に表示する。なお、操舵状況情報に基づく情報としては、例えば、自動運転中又は手動運転中であること、ドライバーの操舵意思に応じた操舵が行われていること、ドライバーの操舵意思に反した操舵が行われていること、セルフ操舵が行われていることなどを文字表示する。また、操舵状況情報に基づく情報は、撮像画像に重ねて表示するようにしてもよい。
(運転情報記録処理)
次に、運転情報記録処理の処理手順について説明する。
IGNスイッチ48がON状態となって電力が供給され、コントロールユニット25の運転情報記録制御部33において、運転情報記録処理が実行されると、図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、センサ検出値処理部33aにおいて、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs並びにモードフラグMdを、同期をとって取得する。そして、これら取得した情報を運転情報DIとして記録処理部33bに出力する。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102では、記録処理部33bにおいて、入力された運転情報DIを、記憶装置26の常時記録領域に記録すると共に表示処理部33dに出力する。その後、ステップS104に移行する。これにより、表示処理部33dでは、入力された運転情報DIに基づき表示用の画像データを生成し、生成した画像データの画像を表示装置29に表示する。
ステップS104では、記録処理部33bにおいて、入力された加速度Gcと不図示のメモリに予め記憶された衝撃閾値Thgとを比較して、加速度Gcが衝撃閾値Thg未満であるか否かを判定する。そして、衝撃閾値Thg未満であると判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS110に移行する。
ここで、加速度Gcは、3軸の加速度Gfb、Grl及びGudを含むので、本実施形態では、これら全てが衝撃閾値Thg未満であるか否かを判定する。即ち、加速度Gfb、Grl及びGudのうち1つでも衝撃閾値Thg以上となった場合は「No」と判定される。
ステップS106に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、衝撃判定フラグがOFF状態であるか否かを判定する。そして、OFF状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS108に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS112に移行する。
ここで、衝撃判定フラグは、OFF状態(例えば値が「0」)のときに加速度Gcが衝撃閾値Thg未満と判定されている(衝撃閾値Thg以上となる大きな衝撃が発生していない)状態を示すフラグである。一方、ON状態(例えば値が「1」)のときに加速度Gcの3軸の加速度のうち少なくとも1つが衝撃閾値Thg以上と判定されかつ衝撃発生時からの経過時間がX秒未満であることを示すフラグである。
ステップS108に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、入力されたIGN信号IGに基づき、IGNスイッチ48がOFF状態になったか否かを判定する。そして、OFF状態になったと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS100に移行する。
一方、ステップS104において加速度Gcの3軸の加速度の少なくとも1つが衝撃閾値Thg以上となってステップS110に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、衝撃判定フラグをON状態に変更すると共に、タイマ(不図示)による計時を開始する。その後、ステップS112に移行する。なお、既にON状態である場合は、ON状態を継続する。また、タイマとしてRTCM46の計時機能を利用してもよい。
ステップS112では、衝撃発生時からX秒(例えば、10秒)が経過したか否かを判定し、経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS114に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS100に移行する。
ステップS114に移行した場合は、記録処理部33bにおいて、衝撃時記録処理を実行する。具体的に、記録処理部33bは、衝撃発生時のX秒前からX秒後までに記憶装置26の常時記録領域に記録された運転情報DIを読み出し、これを記憶装置26の衝撃時記録領域に記録する。その後、衝撃判定フラグをON状態からOFF状態に変更すると共に、衝撃時記録処理が完了したことを操舵状況推定処理部33cに通知して、ステップS116に移行する。
ステップS116では、操舵状況推定処理部33cにおいて、ステップS114で記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの運転情報DIに基づき操舵状況を推定する。そして、この推定結果の情報と時刻情報Tmとを対応付けてなる操舵状況情報を生成し、生成した操舵状況情報を記憶装置26の衝撃時記録領域に、推定に用いた運転情報DIと対応付けて記録する。その後、ステップS108に移行する。
(操舵状況推定処理)
次に、上記ステップS116で実行される操舵状況推定処理の処理手順について説明する。
上記ステップS116で操舵状況推定処理が実行されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、操舵状況推定処理部33cにおいて、記憶装置26の衝撃時記録領域に記録された衝撃発生時のX秒前からX秒後までの期間(以下、「操舵状況推定期間」と記載する場合がある)の運転情報DIを読み出す。その後、ステップS202に移行する。
ステップS202では、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれるモードフラグMdに基づき、操舵状況推定期間内に自動運転制御のみが実施されていたか否かを判定する。そして、実施されていたと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS206に移行する。
ステップS204に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれる自動運転制御の実施期間(以下、「自動運転制御期間」と記載する場合がある)における第2の電流指令値Irefm、モータ回転角θm、舵角指令値θs及び操舵角θsに基づき、自動運転制御期間の操舵状況を推定する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ここで、操舵状況推定処理部33cは、例えば、自動運転制御によって、どのような操舵制御が行われ、その結果、どのようなセルフ操舵が行われたのかを推定する。即ち、自動運転制御によって、回避する方向に舵を切る操舵制御が行われたのか、衝突する方向に舵を切る操舵制御が行われたのか、操舵制御が行われなかったのかなどの制御内容を判定し、これらの制御の結果、最終的にどのようなセルフ操舵が行われたのかを推定する。
加えて、上記推定結果に基づき、自動運転制御に係る装置に不具合が発生しているか否かを推定する。
例えば、自動運転制御期間において、衝突する方向に舵を切る操舵制御が行われるなど、衝突を回避するための制御が行われていなかった場合に、自動運転制御に係る装置に何らかの異常が発生していると推定する。
一方、ステップS206に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれるモードフラグMdに基づき、手動運転のみが実施されていたか否かを判定する。そして、実施されていたと判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
ステップS208では、操舵状況推定処理部33cにおいて、手動運転の実施期間(以下、「手動運転期間」と記載する場合がある)における運転情報に基づき、手動運転期間の操舵状況を推定する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、例えば、読み出した運転情報DIに含まれる操舵角θsと操舵トルクTsとに基づき、ドライバーが手入力によってどの操舵方向にステアリングホイール11を切ろうとしていたか、その結果どの操舵方向にステアリングホイール11が操舵されたかを推定する。そして、この操舵角θsの方向と操舵トルクTsの方向との関係から、ドライバーの操舵意思に沿った操舵が行われたのか、ドライバーの操舵意思に反した操舵が行われたのかを推定する。
また、例えば、読み出した運転情報DIに含まれる入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosに基づき、これらの変化から操舵トルクTsの伝達方向を推定する。そして、推定した伝達方向に基づき、ステアリングホイール11の操舵結果が、ドライバーの手入力によるものなのか、路面反力等の外力によるものなのかを推定する。
また、ステップS206において、手動運転のみが実施されていないと判定されてステップS210に移行した場合は、操舵状況推定処理部33cにおいて、読み出した運転情報DIに含まれるモードフラグMdに基づき、操舵状況推定期間における自動運転から手動運転への切り替わりタイミングを推定(検出)する。その後、ステップS212に移行する。
ステップS212では、操舵状況推定処理部33cにおいて、操舵状況推定期間における自動運転制御期間の操舵状況を推定する。その後、ステップS214に移行する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、読み出した運転情報DIに含まれる自動運転制御期間における運転情報DIに基づき、上記ステップS204の自動運転制御のみが行われた場合と同様の操舵状況を推定する。
ステップS214では、操舵状況推定処理部33cにおいて、操舵状況推定期間における手動運転期間の操舵状況を推定する。その後、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
具体的に、操舵状況推定部33cは、読み出した運転情報DIに含まれる手動運転期間における運転情報DIに基づき、上記ステップS208の手動運転のみが行われた場合と同様の操舵状況を推定する。
(動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
ドライバーがIGNスイッチ48をON状態にすると、車両4の各種電気系統部品にバッテリー47から電力が供給される。これによって、操舵トルクセンサ13、操舵角センサ24、コントロールユニット25、記憶装置26、カメラ27、衝撃検知センサ28、表示装置29、車速センサ45及びRTCM46が作動状態となる。
これによって、コントロールユニット25は、ドライバーによるステアリングホイール11の操舵に基づいて操舵補助制御を行う。
例えば、ドライバーが車両4を発進させ、手動運転によって車両4がカーブ路を旋回走行している場合、コントロールユニット25は、指令値演算部30及び指令値補償部31にて、操舵トルクTs及び車速Vsに基づいて操舵補助指令値Iを算出する。更に、モータ制御部32にて、操舵補助指令値Iに基づいて電動モータ23の第1の電流指令値Ireftを算出する。そして、算出した第1の電流指令値Ireftに基づき電動モータ23を駆動制御し操舵補助トルクを発生させる。
一方、コントロールユニット25は、運転情報記録制御部33にて、運転情報記録処理を実行することで運転情報記録制御を行う。
運転情報記録処理が開始されると、運転情報記録制御部33において、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs並びにモードフラグMdを、同期をとって取得する。例えば、カメラ27のフレームレートに合わせて1フレーム分の撮像画像データの取得タイミングに同期させて各種情報を運転情報DIとして取得する。そして、取得した運転情報DIを記憶装置26の常時記録領域に記録する。即ち、撮像画像データMvに関連付けられて、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs並びにモードフラグMdが記録される。
運転情報記録制御部33は、IGNスイッチ48がON状態の間は、運転情報DIを取得し、取得した運転情報DIを記憶装置26の常時記録領域に記録する一連の処理(常時記録処理)を、予め設定された制御周期毎に繰り返し実行する。
一方、運転情報記録制御部33は、常時記録処理中に、衝撃検知センサ28で検出された加速度Gcを常時監視し、加速度Gcが衝撃閾値Thg未満であるか否かを判定する。
ここでは、他車との衝突及び急ブレーキによって、加速度Gcのうち前後方向及び左右方向の加速度Gfb及びGrlが衝撃閾値Thg未満では無いと判定されたとする。これによって、運転情報記録制御部33は、衝撃判定フラグをOFF状態からON状態に変更すると共に、タイマによる計時を開始する。タイマによる計時中も常時記録処理は並行して行われ、記憶装置26の常時記録領域には運転情報DIが記録されていく。
その後、衝撃発生時からX秒が経過すると、運転情報記録制御部33は、タイマの計時結果に基づきX秒が経過したと判定する。これにより、運転情報記録制御部33は、衝撃発生時のX秒前からX秒後までに常時記録領域に記録された運転情報を記憶装置26から読み出し、読み出した運転情報DIを記憶装置26の衝撃時記録領域に記録する。その後、衝撃判定フラグをON状態からOFF状態に変更する。
引き続き、運転情報記録制御部33は、衝撃時記録処理が完了すると、この記録処理で衝撃時記録領域に記録された運転情報DIに基づき、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの間の操舵状況を推定する。
ここでは、手動運転中に発生した衝撃でありかつ操舵が行われていることから、運転情報記録制御部33は、モードフラグMdから、衝撃発生時及びその前後X秒間に手動運転のみによる操舵が行われたと判定する。引き続き、運転情報記録制御部33は、操舵トルクTs及び操舵角θsから、手動運転期間において(衝撃発生前後にかけて)ドライバーがステアリングホイール11をどちらの方向に切ろうとしていたのか、その結果どちらの方向に操舵が行われたのかを推定する。この推定結果は、例えば、撮像画像と合わせて、ドライバーが衝突直前に回避する方向に舵を切ったのか、衝突する方向に舵を切ったのか、操舵を行わなかったのかなど、ドライバーの操舵意思を判断する際に有用である。
更に、操舵トルクTsと操舵角θsとから、操舵角θsの方向と操舵トルクTsの方向との関係を推定する。この推定結果は、例えば、操舵角θsの方向と操舵トルクTsの方向とが反対となっている場合に、ドライバーの意思に反して舵が取られていることから、舵角装置系に何らかの異常が先に発生していたのか等の原因究明の際に有用である。
更に、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosの変化から、操舵トルクTsの伝達方向を判定し、ステアリングホイール11の操舵が、ドライバーの意思によるものなのか、路面反力等の外力によるセルフ操舵によるものなのかを推定する。この判定結果は、操舵角θsからだけでは分からない操舵の要因を判断する際に有用である。
一方、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの間に自動運転制御のみによる操舵が行われていた場合は、運転情報記録制御部33は、モードフラグMd、舵角指令値θs、第2の電流指令値Irefm、操舵角θsなどに基づき、自動運転制御期間において、どのような操舵制御が行われ、その結果どのような操舵が行われたのかを推定する。即ち、自動運転制御によって、回避する方向に舵を切る操舵制御が行われたのか、衝突する方向に舵を切る操舵制御が行われたのか、操舵制御が行われなかったのかなど、自動運転制御の内容を推定する。加えて、これらの操舵制御の結果、例えば、衝突する方向に舵を切る操舵制御が行われ衝突する方向に舵が切られた、衝突を回避する方向に舵を切る操舵制御が行われたのに衝突する方向に舵が切られた等、実際にどのような操舵が行われたのかを推定する。この推定結果は、例えば、衝突を回避するための操舵制御が行われていなかった場合や、衝突を回避するための操舵制御が行われたのに正常に操舵が行われなかった場合などに、自動運転制御に係る装置又は操舵に係る装置に何らかの異常が発生していることを判断する際に有用である。
また、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの間に自動運転制御及び手動運転の双方が行われていた場合に、運転情報記録制御部33は、まず、自動運転から手動運転への切り替わりのタイミングを推定する処理を行う。加えて、自動運転制御期間及び手動運転期間に対して、上記自動運転時及び手動運転時と同様の推定処理を行う。これらの推定結果は、例えば、どの時点まで自動運転制御が作動しており、車両4からドライバーへの操舵の権限委譲がどのタイミングで行われたのかを判断する際に有用である。加えて、自動運転中にどのようなセルフ操舵が行われ、その後、手動運転に切り換わった後に、ドライバーがどのような操舵を行ったのか等を判断する際に有用である。
運転情報記録制御部33は、操舵状況の推定処理が終了すると、推定結果の情報と時刻情報Tmとを対応付けてなる操舵状況情報を生成し、生成した操舵状況情報を記憶装置26の衝撃時記録領域に、推定に用いた運転情報DIと対応付けて記録する。
ここで、記憶装置26に記録された操舵状況情報を表示装置29に表示させる場合は、表示装置29の操作部を操作して、表示させたい操舵状況情報を選択すると共に表示指示を入力する。これによって、運転情報記録制御部33は、選択された操舵状況情報に基づき表示用操舵状況情報を生成する。そして、生成した表示用操舵状況情報を表示装置29に表示する。
例えば、衝撃検知時の10秒前から衝撃検知時までの操舵状況を推定した情報をダイジェストで表示する表示用操舵状況情報を生成する。具体的に、例えば「10秒前:ドライバーの操舵意思に応じた右操舵」、「5秒前:ドライバーの操舵意思に応じた左操舵」、「3〜2秒前:操舵無し」、「1秒前:ドライバーの操舵意思に反した右操舵」、「衝撃検知時:セルフ操舵による左操舵」といった時系列の情報を表示装置29に表示する。なお、ダイジェスト表示に限らず、衝撃検知時の10秒前から10秒後までの操舵状況を推定した情報を例えば1秒刻みで全て表示するなど他の表示形態としてもよい。
以降は、IGNスイッチ48がON状態の間は、衝撃判定フラグが再びON状態となるまで常時記録処理が繰り返し行われ、IGNスイッチ48がOFF状態となることで運転情報記録処理が終了する。
ここで、自動運転用ECU41が自動運転制御部に対応し、カメラ27が撮像部に対応し、記録処理部33bが運転情報記録部に対応し、操舵状況推定処理部33cが操舵状況推定部に対応し、表示処理部33dが操舵状況情報表示部に対応する。
また、入力軸回転角センサ13bが入力軸回転角検出部に対応し、出力軸回転角センサ13cが出力軸回転角検出部に対応し、コントロールユニット25が操舵補助制御部に対応し、衝撃検知センサ28が衝撃検知部に対応する。
(実施形態の効果)
(1)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、カメラ27が、車両4前方の画像を撮像する。記録処理部33bが、操舵トルクセンサ13で検出された操舵トルクTsと、操舵角センサ24で検出された操舵角θsと、自動運転用ECU41から出力されたモードフラグMdとを含む情報を、カメラ27で撮像して得られた撮像画像データMvに関連付けてなる運転情報DIを記憶装置26に記録する。
この構成であれば、操舵に関する運転情報DIとして操舵角θsに加えて操舵トルクTs及びモードフラグMdを記録することが可能である。これによって、この記録された操舵角θs、操舵トルクTs及びモードフラグMdに基づき、例えば、事故発生前から事故発生後の所定期間において、自動運転制御による操舵が行われたか否か、行われた場合にどの期間に行われたかを判定することが可能となる。また、どのタイミングで自動運転から手動運転に切り換わったのかを判定することが可能となる。加えて、例えば、自動運転中の期間に、自動運転制御によってどのようなセルフ操舵が行われたのか、また、手動運転中の期間にドライバーがどのような手入力を行ってその結果どのような操舵が行われたのか等のより詳細な操舵状況を推定することが可能となる。
また、例えば、撮像した画像情報も合わせることで、手動運転中に事故が発生した際に、ドライバーが事故を回避するための操舵を行ったのか、何もしなかったのか、または事故を起こすような操舵を行ったのかを推定することが可能となる。また、自動運転中に事故が発生した際に、自動運転制御によって、事故を回避するための操舵制御が行われたのか、何も行われなかったのか、または事故を起こすような操舵制御が行われたのかを推定することが可能となる。
(2)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、更に、操舵状況推定処理部33cが、記憶装置26に記録されている運転情報DIに基づきドライバーの操舵状況を推定する。記録処理部33bが、操舵状況推定処理部33cで推定した操舵状況の情報である操舵状況情報を記憶装置26に記録する。表示処理部33dが、記憶装置26に記録されている操舵状況情報を表示装置29に表示する。
この構成であれば、例えば、事故発生直前に、ドライバーがどのような手入力を行ってその結果どのような操舵が行われたのか等のより詳細な操舵状況を推定し、その推定結果の情報である操舵状況情報を記憶装置26に記録することが可能となる。加えて、記憶装置26に記録されている操舵状況情報を表示装置29に表示することが可能となる。
これによって、記録されたデータを外部の情報処理装置等で解析することなく、事故の発生直後等に、事故発生に係るドライバーの操舵状況を簡易に確認することが可能となる。
(3)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、更に、操舵状況推定処理部33cが、記憶装置26に記録されているモードフラグMd及び操舵角θsに基づき、自動運転制御中か否か及び操舵が行われたか否かを判定し、この判定結果に基づき、操舵状況の1つとして、操舵が自動運転中の操舵であるのか否かを推定する。
この構成であれば、例えば、事故の発生直前に、自動運転制御によるセルフ操舵が行われたのか、ドライバーの手動運転による操舵が行われたのかを判定することが可能となるので、人為的な事故であるのか、装置故障による事故であるのか等を判断する際に有用である。
(4)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、操舵状況推定処理部33cが、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、記憶装置26に記録されている操舵トルクTs及び操舵角θsに基づき操舵トルクTsの方向と操舵角θsの方向との関係を判定し、この判定結果に基づき、操舵状況情報の1つとして、操舵がドライバーの意思に沿った操舵かドライバーの意思に反した操舵かを推定する。
この構成であれば、ドライバーの意思に反して舵が取られているような操舵状況を知ることが可能となるので、舵角装置系に何らかの異常が先に発生していたのか等を判断する際に有用である。
(5)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、更に、操舵トルクセンサ13が、トーションバー13aを介して連結された入力軸12a及び出力軸12bを有するステアリングシャフト12の入力軸12aの回転角である入力軸回転角θisを検出する入力軸回転角センサ13bを有する。加えて、操舵トルクセンサ13が、出力軸12bの回転角である出力軸回転角θosを検出する出力軸回転角センサ13cを有する。更に、操舵トルクセンサ13が、入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとの差分に基づき操舵トルクTsを検出するように構成されている。記録処理部33bが、運転情報DIとして、更に、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosを記憶装置26に記録する。操舵状況推定処理部33cが、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、記憶装置26に記録されている入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosに基づきステアリングシャフト12へのトルクの伝達方向を判定し、この判定結果に基づき、操舵状況情報の1つとして、操舵がドライバーの手入力による操舵であったか外力によるセルフ操舵であったかを推定する。
この構成であれば、運転情報として、更に、入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとを記録するようにしたので、この記録された入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとからトルクの伝達方向を判定することが可能である。加えて、この判定結果から、ドライバーの手入力による操舵が行われたのか外力によるセルフ操舵が行われたのかを推定することが可能となる。
(6)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、更に、記録処理部33bが、運転情報DIとして、更に、車両4の備えるコントロールユニット25から出力された第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefmと、ステアリングシャフト12に操舵補助力を付与する電動モータ23のモータ回転角θmを検出するモータ回転角センサ23aで検出したモータ回転角θmと、自動運転用ECU41から出力された舵角指令値θsとを撮像画像データMvに対応付けて記憶装置26に記録する。操舵状況推定処理部33cが、自動運転制御中の操舵であると推定した場合に、記憶装置26に記録されている第2の電流指令値Irefm、モータ回転角θm、舵角指令値θs及び操舵角θsに基づき、操舵状況の1つとして、自動運転制御の制御内容及びこの制御内容に対してどのようなセルフ操舵が行われたのかを推定する。
この構成であれば、例えば、自動運転中に事故が発生した際に、自動運転制御によって、事故の発生直前に、事故を回避するための操舵制御が行われたのか、何も行われなかったのか、または事故を起こすような操舵制御が行われたのか等の制御内容を推定することが可能となる。加えて、これら制御内容に対して、実際にどのようなセルフ操舵が行われたのかを推定することが可能となる。これらの推定結果は、例えば、推定した制御内容から自動運転制御に係る装置に異常があるか否かを、制御内容に対する推定したセルフ操舵内容から操舵に係る装置に異常があるか否か等を判断する際に活用することが可能である。
(7)上記実施形態に係る運転情報記録装置2によれば、更に、衝撃検知センサ28が、車両に生じた衝撃の大きさ(加速度Gc)を検出する。記録処理部33bが、運転情報DIを記憶装置29の予め設定した常時記録領域に常時記録する常時記録処理を実行すると共に、衝撃検出センサ28で検出した加速度Gcが予め設定した衝撃閾値Thg以上であると判定すると、衝撃検出時の予め設定した第1設定時間(X秒)前から第2設定時間(X秒)後までの期間に記憶装置26に記録された運転情報DIを常時記録領域とは異なる予め設定した衝撃時記録領域に記録する衝撃時記録処理を実行する。操舵状況推定部33cが、衝撃時記録領域に記録された運転情報DIに基づき操舵状況を推定する。
この構成であれば、衝撃発生時のX秒前からX秒後の運転情報DIを、常時記録領域とは別の衝撃時記録領域に保存することが可能となる。ここで、常時記録領域は、常時記録処理によって、容量いっぱいに記録された後は、古い情報を上書きしながら記録を継続する。そのため、常時記録領域に記録された衝撃発生時の運転情報は、常時記録処理が続く限りいずれ上書きされて消失する。上記構成であれば、衝撃発生時のX秒前からX秒後までの運転情報DIを、常時記録処理によって上書きされない衝撃時記録領域に記録することが可能となり、衝撃発生時の運転情報を保存することが可能となる。これにより、重要な運転情報が消失するのを回避することが可能となる。
また、衝撃時記録領域に記録された運転情報に基づき操舵状況を推定するようにしたので、X秒の時間設定を適切に行うことで、衝撃発生時のX秒前から衝撃発生時までの運転情報から、衝撃発生(例えば、人や他車等との衝突)に至るまでの操舵状況を適切(必要十分)に推定することが可能となる。また、衝撃発生時からX秒後までの運転情報から、衝撃発生後の操舵状況を適切(必要十分)に推定することが可能となる。これによって、衝撃発生前の操舵状況から、衝撃の発生を回避する操舵が行われたか否か等を適切に判断することが可能となり、また、衝撃発生後の操舵状況から、衝撃発生後に2次災害の発生を避ける操舵等の適切な操舵が行われたか否か等を適切に判断することが可能となる。
(8)上記実施形態に係る電動パワーステアリング装置1によれば、運転情報記録装置2を備える。これにより、上記(1)〜(7)に記載された作用及び効果と同等の作用及び効果が得られる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、運転情報記録装置2を、電動パワーステアリング装置1に組み込み、コントロールユニット25が操舵補助制御に加えて運転情報記録制御(運転情報記録処理)を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、運転情報記録装置を別途独立して構成してもよい。この場合、例えば、コントロールユニット25とは別のコントロールユニットと、記憶装置26と、カメラ27と、衝撃検知センサ28と、表示装置29とを含む独立した運転情報記録装置を構成する。また、運転情報記録装置を独立構成とした場合に、専用のバッテリーを備える構成としてもよい。これによって、車載のバッテリーから電力供給できない状況でも、専用バッテリーからの電力によって記録した画像や操舵状況情報を表示装置29に表示して確認することが可能となる。この場合、運転情報記録装置を車両から簡易に取り外し可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態では、時刻情報Tm、撮像画像データMv、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、車速Vs、操舵角θs、舵角指令値θs並びにモードフラグMdを取得し、これらを運転情報DIとして記憶装置26に記録する構成としたが、この構成に限らない。例えば、指令値補償部31からセルフアライニングトルクSATを取得して、これを運転情報DIとして記録する構成としてもよい。即ち、セルフアライニングトルクSAT(路面反力)の大きさを把握することで、反力によるセルフ操舵の発生をより正確に推定することが可能となる。他にも、アクセル開度センサで検出したアクセル開度、ブレーキペダルのペダルストロークセンサで検出したブレーキペダルのストローク量、カーナビゲーションシステムで検出された車両4の位置情報及び走行する道路情報等も運転情報DIとして記録する構成としてもよい。道路情報としては、例えば、道路の種別(一般道路、高速道路等)、道路の形状(S字カーブ等)等の情報を記録する。
また、上記実施形態では、衝撃検知センサ28で検出した加速度Gcが衝撃閾値Thg未満とならない程度の衝撃が発生したときに、操舵状況を推定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、常時記録処理で記録される運転情報DIに基づき、常時操舵状況を推定して操舵状況情報を運転情報DIと一緒に記憶装置26の常時記録領域に記録する構成としてもよい。この場合、加速度Gcが衝撃閾値Thg未満とならない程度の衝撃が発生したときに、衝撃発生時を含む前後X秒の運転情報DI及び操舵状況情報を常時記録領域から読み出して衝撃時記録領域に記録する。
また、上記実施形態では、運転情報に含まれる各種情報を、同期をとって取得する構成としたが、この構成に限らない。例えば、各センサの検出速度に合わせてグループ分けして、検出速度がより速いグループについては、より細かいデータを取得する構成としてもよい。例えば、1フレーム分の撮影画像データを取得する間に、センサ検出値が3回更新されるのであれば、1フレームの間に3回分のデータを取得する。
また、上記実施形態では、操舵トルクセンサを、入力軸回転角センサ13b及び出力軸回転角センサ13cで検出した入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosに基づき操舵トルクTsを検出する構成としたが、この構成に限らない。例えば、入力軸12a及び出力軸12bの相対的な変位(回転変位)を、対となる検出コイルのインピーダンス変化に変換して操舵トルクTsを検出する構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記実施形態では、操舵に関する情報として、操舵角θs、操舵トルクTs、入力軸回転角θis、出力軸回転角θos、モータ回転角θm、第1及び第2の電流指令値Ireft及びIrefm、舵角指令値θsを記録する構成としたが、この構成に限らない。例えば、操舵トルクの加わる方向が解る情報であれば、操舵トルクTsを検出する過程で取得可能な物理変化の情報(例えば、磁気変化の情報等)を記録する構成としてもよい。この構成であれば、手入力があってそれに応じた操舵トルク及び操舵角が検出(算出)される前の段階で、力の加わる方向を判断することが可能となる。そして、力の加わる方向から、ドライバーの操舵意思等を判断することが可能となる。その結果、例えば操舵角や操舵トルクが検出される直前に記録が途絶えるような事態が発生した場合にも操舵状況を推定することが可能となる。なお、上記実施形態では、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosを記録するようにしたので、これら回転角の情報から、操舵トルクTsが検出される直前に記録が途切れても力の加わる方向を判断することが可能である。一方、検出コイルのインピーダンス変化から操舵トルクを検出する構成の操舵トルクセンサの場合は、例えば、インピーダンス変化の情報を記録するようにする。
また、上記実施形態では、本発明をコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した例を説明したが、この構成に限らず、例えば、ラックアシスト式又はピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用する構成としてもよい。
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願P2017−015236(2017年1月31日出願)の全内容は、ここに引用例として包含される。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明のことである。
1…電動パワーステアリング装置、2…運転情報記録装置、4…車両、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、12a…入力軸、12b…出力軸、13…操舵トルクセンサ、13a…トーションバー、13b…入力軸回転角センサ、13c…出力軸回転角センサ、23a…モータ回転角センサ、24…操舵角センサ、25…コントロールユニット、26…記憶装置、27…カメラ、28…衝撃検知センサ、29…表示装置、30…指令値演算部、31…指令値補償部、32…モータ制御部、33…運転情報記録制御部、33a…センサ検出値処理部、33b…記録処理部、33c…操舵状況推定処理部、33d…表示処理部、41…自動運転用ECU、45…車速センサ、47…バッテリー、48…イグニッションスイッチ

Claims (8)

  1. 車両に搭載され、車両周辺の画像を撮像する撮像部と、
    記憶装置と、
    前記車両の備えるステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルクセンサで検出された前記操舵トルクと、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサで検出された前記操舵角と、前記車両の備える自動運転制御部から出力された自動運転制御中か否かを識別可能なフラグ情報とを含む情報を、前記撮像部で撮像して得られた撮像画像データに関連付けてなる運転情報を前記記憶装置に記録する運転情報記録部と、を備えることを特徴とする運転情報記録装置。
  2. 前記記憶装置に記録されている前記運転情報に基づき操舵状況を推定する操舵状況推定部と、
    前記操舵状況推定部で推定した操舵状況の情報である操舵状況情報を前記記憶装置に記録する操舵状況情報記録部と、
    前記記憶装置に記録されている前記操舵状況情報を表示する操舵状況情報表示部と、を備える請求項1に記載の運転情報記録装置。
  3. 前記操舵状況推定部は、前記記憶装置に記録されている前記フラグ情報及び前記操舵角に基づき、自動運転制御中か否か及び操舵が行われたか否かを判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵が自動運転中の操舵であるのか否かを推定する請求項2に記載の運転情報記録装置。
  4. 前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記操舵トルク及び前記操舵角に基づき、操舵トルクの方向と操舵角の方向との関係を判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵がドライバーの意思に沿った操舵かドライバーの意思に反した操舵かを推定する請求項3に記載の運転情報記録装置。
  5. 前記操舵トルクセンサは、トーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸を有するステアリングシャフトの前記入力軸の回転角である入力軸回転角を検出する入力軸回転角検出部と、前記出力軸の回転角である出力軸回転角を検出する出力軸回転角検出部とを有し、前記入力軸回転角と前記出力軸回転角との差分に基づき前記操舵トルクを検出するように構成されており、
    前記運転情報記録部は、前記運転情報として、更に、前記入力軸回転角及び前記出力軸回転角を前記撮像画像データに対応付けて前記記憶装置に記録するようになっており、
    前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵ではないと推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記入力軸回転角及び前記出力軸回転角に基づき前記ステアリングシャフトへのトルクの伝達方向を判定し、この判定結果に基づき、前記操舵状況の1つとして、操舵がドライバーの手入力による操舵であったか外力によるセルフ操舵であったかを推定する請求項3又は4に記載の運転情報記録装置。
  6. 前記運転情報記録部は、前記運転情報として、更に、前記車両の備える操舵補助制御部から出力された電流指令値と、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータのモータ回転角を検出するモータ回転角センサで検出した前記モータ回転角と、前記自動運転制御部から出力された舵角指令値とを前記撮像画像データに対応付けて前記記憶装置に記録するようになっており、
    前記操舵状況推定部は、自動運転制御中の操舵であると推定した場合に、前記記憶装置に記録されている前記電流指令値、前記モータ回転角、前記舵角指令値及び前記操舵角に基づき、前記操舵状況の1つとして、自動運転制御の制御内容及び該制御内容に対してどのようなセルフ操舵が行われたかを推定する請求項3から5のいずれか1項に記載の運転情報記録装置。
  7. 車両に生じた衝撃の大きさを検出する衝撃検出部を備え、
    前記運転情報記録部は、前記運転情報を前記記憶装置の予め設定した常時記録領域に常時記録する常時記録処理を実行すると共に、前記衝撃検出部で検出した衝撃の大きさが予め設定した衝撃閾値以上であると判定すると、衝撃検出時の予め設定した第1設定時間前から第2設定時間後までの期間に前記常時記録領域に記録された前記運転情報を前記常時記録領域とは異なる予め設定した衝撃時記録領域に記録する衝撃時記録処理を実行し、
    前記操舵状況推定部は、前記衝撃時記録領域に記録された前記運転情報に基づき操舵状況を推定する請求項2から6のいずれか1項に記載の運転情報記録装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の運転情報記録装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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