JP6358172B2 - タンパク質又はペプチドの解析方法及び解析装置 - Google Patents

タンパク質又はペプチドの解析方法及び解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオンの解離操作を伴う質量分析を利用して、タンパク質やペプチドのアミノ酸配列を推定したりタンパク質やペプチドを同定したりするための解析方法及び解析装置に関する。
タンパク質やペプチドを同定したり或いはそのアミノ酸配列を決定したりする方法の一つとして、質量分析を用いた方法が広く利用されている。
一般に、その解析の手順としては、まず、イオントラップ飛行時間型質量分析装置など、MSn分析が可能な質量分析装置を用い、解析対象であるタンパク質やペプチドに対するMSn分析を実施する。即ち、目的のタンパク質やペプチドから生成したイオンを適宜の解離手法で解離させ、元のイオンが断片化した各種のフラグメントイオン(プロダクトイオン)を生成させる。このフラグメントイオンを質量電荷比m/zに応じて分離して検出し、フラグメントイオンのマススペクトルを作成する。
タンパク質やペプチド由来のイオンを解離させる手法として最も一般的なのは、イオンをガス(通常は不活性ガス)と衝突させて解離を促す衝突誘起解離(CID=Collision Induced Dissociation)である。それ以外に、タンパク質やペプチド由来のイオンの解離には電子移動解離(ETD=Electron Transfer Dissociation)や電子捕獲解離(ECD=Electron Capture Dissociation)などもしばしば用いられる。ETDやECDは荷電粒子を利用した不対電子誘導型解離法であるが、荷電粒子の代わりに、非荷電粒子である中性ラジカル粒子を用いた不対電子誘導型解離法も知られている。この種の不対電子誘導型解離法としては、特許文献1に開示されている、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)をイオンに照射するイオン解離法などがある。
上述したような測定によって得られたマススペクトルを利用してタンパク質やペプチドを同定する最も一般的な手法はデータベース検索によるものである(非特許文献1参照)。即ち、既知のタンパク質やペプチドのアミノ酸配列等の情報が収録されたデータベースを利用し、そのデータベースに含まれるタンパク質やペプチドのアミノ酸配列から理論的に算出される断片の質量情報と実測のマススペクトルに現れるフラグメントイオンピークの質量情報とを照合する。そして、その照合の一致度に基づいて、蓋然性の高いタンパク質やペプチドを同定結果としたり、或いは、該当する可能性の高いタンパク質やペプチドの候補を複数抽出して同定結果としたりする。このようなデータベース検索には例えば、マトリクス・サイエンス(Matrix Science)社が提供しているデータベース検索用の解析ソフトウエアであるマスコット(Mascot)に含まれるMS/MSイオンサーチを用いることができる。また、データベースとしては一般に公開されている、例えばSwiss-Protなどの各種のデータベースを利用することができる。
データベースを利用する代わりに、フラグメントイオンのマススペクトルに現れる隣接ピーク間の質量差に一致するアミノ酸を当てはめていくことによってアミノ酸配列を推定する方法もある。これはデノボシーケンシング(De novo sequencing)と呼ばれる手法である。この場合、デノボシーケンシングによってアミノ酸配列が決定されたならば、そのアミノ酸配列に対応するタンパク質やペプチドをデータベース上で探索することにより、タンパク質やペプチドを同定することができる。
上述したようにタンパク質やペプチドを同定するためにデータベース検索、デノボシーケンシングのいずれを用いる場合においても、測定によって得られたマススペクトル上で観測されるフラグメントイオンの種類が多すぎると、フラグメントイオンの帰属、つまりフラグメントイオンに対応する断片の推定が困難になり、タンパク質やペプチドを同定することができなかったり或いは同定精度が大きく低下したりすることがある。これにはいくつかの原因が考えられる。
例えば、測定で観測された或るフラグメントイオンがデータベースに収録されている既知のタンパク質やペプチドに由来するものであったとしても、そのタンパク質やペプチドにおけるフラグメンテーションのメカニズムが完全には解明されていない場合、解析ソフトウエアにおいて算出される、そのタンパク質やペプチドに対応する理論的な断片リストにそのフラグメントイオンが存在しないことがある。その場合、測定で観測されたフラグメントイオンは理論断片に一致しなくなり、結果的に照合の一致度が低下して同定不能となる可能性がある。
また、フラグメントイオンのマススペクトルは単一のタンパク質やペプチドに由来するものであることが望ましいが、イオン解離操作を行う前の目的イオンの選択(プリカーサイオン選択)が不十分であると、複数の物質由来のイオンが同時に解離されてしまい、単一の物質として同定できない可能性がある。
米国特許第7723676号明細書
吉野 健一、ほか3名、「質量分析法と配列データベースを利用するタンパク質同定法」、Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan、Vol.52、No.3、2004年、[online]、[平成27年5月12日検索]、インターネット<URL: http://www.mssj.jp/about/pdf/awards/article/en/ms520106.pdf> 西風 隆司(Takashi Nishikaze)、ほか1名、「インフルーエンス・オブ・チャージ・ステート・アンド・アミノ・アシッド・コンポジション・オン・ハイドロゲン・トランスファー・イン・エレクトロン・キャプチャー・ディソシエイション・オブ・ペプタイズ(Influence of Charge State and Amino Acid Composition on Hydrogen Transfer in Electron Capture Dissociation of Peptides)」、ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサイエティ・フォー・マス・スペクトロメトリー(Journal of American Society for Mass Spectrometry)、Vol. 21、2010年、pp.1979-1988
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、フラグメントイオンのマススペクトルに基づいてデータベース検索やデノボシーケンシングなどの手法により目的とするタンパク質やペプチドのアミノ酸配列を決定したり同定したりする際に、観測されるフラグメントイオンの種類が多い場合であっても、その解析作業を容易にすることができるとともに、解析の精度を向上させることができるタンパク質又はペプチドの解析方法及び解析装置を提供することである。
一般に、タンパク質やペプチドに由来するフラグメントイオンのマススペクトルには多数のピークが現れるが、目的のタンパク質やペプチドが全く未知である場合、一つ一つのピークの帰属を決定するのはかなり煩雑な作業である。こうした作業に際し、多数のフラグメントイオンの中で簡便な方法によって一部のフラグメントイオンの種類を決定することができると、アミノ酸配列の推定や同定はかなり容易になり、その精度の向上も期待できる。
本発明者らは、非荷電粒子を用いた不対電子誘導型解離の一方法として水素ラジカルをイオンに照射することでイオンを解離させる方法の研究を鋭意行っており、特願2014−41206号(平成26年3月4日出願)において、水素ラジカルを用いてペプチド由来のイオンを良好に解離する手法を既に提案している。この新規な解離手法によれば、上述したヒドロキシルラジカルを照射する解離手法とは異なり真空雰囲気の下でもイオンを解離させることができるため、イオントラップに捕捉したイオンも解離することができる。また、ETDやECD等の荷電粒子を利用した不対電子誘導型解離法では解離が行えなかった1価のイオンも高い効率で解離することができる。
本発明者らは水素ラジカル粒子照射によるイオン解離法(Hydrogen Attachment Dissociation、以下「HAD」という)に関する各種実験を繰り返す過程で、タンパク質やペプチド由来のイオンに対するHADによるフラグメンテーションパターンを調べた結果、c系列イオンとa系列イオンとのペアピーク、又はz系列イオンとx系列イオンとのペアピークが高い頻度で生成されるという特徴を見出した。なお、ここでいう「ペア」は、タンパク質やペプチド由来のフラグメントイオンの命名則におけるイオン系列を示す英子文字に添字として付される数字が同一である(例えばa1とc1、x1とz1)ことを意味する。これらのペアピークはペプチドの構造上決まる所定の質量差を有しているため、フラグメントイオンのマススペクトル上で観測される多数のフラグメントイオンピークの中からこの質量差を指標とした探索を行うことで、c系列イオン及びa系列イオン、又はz系列イオン及びx系列イオンを決定することができる。本発明者はこうした知見に基づき、本発明に想到した。
即ち、上記課題を解決するためになされた本発明に係る解析方法は、タンパク質若しくはペプチドを同定する又はそのアミノ酸配列を決定するための解析方法であって、
a)目的とするタンパク質又はペプチド由来のイオンに水素ラジカルを照射することで該イオンを解離させ、それにより生成されたフラグメントイオンを質量分析することでフラグメントイオンの質量情報を収集する質量分析ステップと、
b)前記質量分析ステップで得られたフラグメントイオンの質量情報について、所定の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索することで、a系列イオン及びc系列イオン、又は、x系列イオン及びz系列イオンを推定する特定フラグメントイオン推定ステップと、
を有し、前記特定フラグメントイオン推定ステップで推定されたイオンの情報をタンパク質若しくはペプチドの同定又はそのアミノ酸配列の決定に利用することを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明に係る解析装置は、タンパク質若しくはペプチドを同定する又はそのアミノ酸配列を決定するための解析装置であって、
a)目的とするタンパク質又はペプチド由来のイオンに水素ラジカルを照射することで該イオンを解離させ、それにより生成されたフラグメントイオンを質量分析することでフラグメントイオンの質量情報を収集する質量分析実行部と、
b)前記質量分析実行部で得られたフラグメントイオンの質量情報について、所定の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索することで、a系列イオン及びc系列イオン、又は、x系列イオン及びz系列イオンを推定する特定フラグメントイオン推定部と、
c)前記特定フラグメントイオン推定部で推定されたイオンの情報を利用しつつ目的とするタンパク質若しくはペプチドの同定又はそのアミノ酸配列の決定を行う解析実行部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係るタンパク質又はペプチドの解析方法及び解析装置において、質量分析を実行するためには、3次元四重極型イオントラップ、多重極リニア型イオントラップ、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置のセルなど、高周波電場や磁場の作用によりイオンを所定の空間に閉じ込めるイオン閉じ込め部に水素ラジカルを導入し、該イオン閉じ込め部の内部で目的とするタンパク質やペプチド由来のイオンと水素ラジカルとを反応させて該イオンを解離させるイオン解離部(つまりHADによるイオン解離部)を備える質量分析装置を用いるとよい。解離によって生成されたフラグメントイオンを質量電荷比毎に分離する手法は特に問わず、例えば飛行時間型質量分離器、四重極マスフィルタなどを利用することができる。また、イオン化法も特に問わず、例えばマトリクス支援レーザ脱離イオン化法、エレクトロスプレイイオン化法などの大気圧イオン化法など、適宜のイオン化法を用いることができる。
特定フラグメントイオン推定部により実施される特定フラグメントイオン推定ステップでは、例えば与えられたフラグメントイオンのマススペクトルについてピークを検出し、各ピークに対応する質量電荷比をフラグメントイオンの質量情報として取得し、所定の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索する。
同じタンパク質又はペプチドに由来するanイオンとcnイオンとの構造の差は既知であり、1価イオンで且つ安定同位体を考えた場合、cnイオンはanイオンに比べて理論的に45Daだけ質量が大きい。またxnイオンとznイオンとの関係も同様であり、xnイオンはznイオンに比べて理論的に42Daだけ質量が大きい。そこで、基本的には質量差が45Da又は42Daであるペアピークを探索すればよいが、安定同位体以外の同位体の存在やHADに際してイオンから一部の水素が脱離したり逆に水素が付加されたりする現象を考慮すると、或る程度の幅を持った質量差を探索することが望ましい。実験に基づく検討によれば、フラグメントイオンのマススペクトル上で観測されるanイオンとcnイオン又はxnイオンとznイオンのペアピークの質量差は40〜46Daの範囲にほぼ収まるから、最大でもこの質量差の範囲のベアピークを探索すればよい。また、1価イオンでなく2価以上の多価イオンのペアピークを探索する場合には、上記質量差を価数で除した質量差を指標として探索を行えばよい。
なお、a系列イオンとc系列イオンとのペア又はx系列イオンとz系列イオンとのペアのいずれが観測されるのかは、元のタンパク質やペプチドに含まれるアミノ酸残基の種類とそのアミノ酸残基が存在する位置に依存する。そこで、特定のアミノ酸残基が特定の位置に存在することが推定される場合には、その推定に基づいて観測されるペアピークがa系列イオンとc系列イオンとのペア又はx系列イオンとz系列イオンとのペアであると判断すればよい。また、a系列イオンとc系列イオンとのペア又はx系列イオンとz系列イオンとのペアのいずれか絞ることができない場合には、その両方を仮定したうえでアミノ酸配列の推定や同定を実行し、その過程で蓋然性の高いほうを選択すればよい。
また、上述したように、HADによって得られたフラグメントイオンのマススペクトルには、c系列イオンとa系列イオンとのペアピーク、又はz系列イオンとx系列イオンとのペアピークが特徴的に観測されるが、多くの場合、c系列イオンはa系列イオンより信号強度が高く、z系列イオンはx系列イオンより信号強度が高い。そこで、この現象を利用して、本発明に係るタンパク質又はペプチドの解析方法及び解析装置では、フラグメントイオンのペアを探索する際に、質量差とともに各フラグメントイオンの信号強度も参照するとよい。
具体的には、ペアとなるcnイオンはanイオンよりも質量が大きく(つまりマススペクトル上では右方にcnイオンピークが出現し)且つ信号強度が高くなると考えられるから、マススペクトル上で上記質量差を有し且つ右方に位置するピークの信号強度が左方に位置するピークの信号強度よりも高いことを条件としてa系列イオンとc系列イオンのペアピークを探索すればよい。また、ペアとなるxnイオンはznイオンよりも質量が大きく(つまりマススペクトル上では右方にxnピークが出現し)且つ信号強度が低くなると考えられるから、マススペクトル上で上記質量差を有し且つ左方に位置するピークの信号強度が右方に位置するピークの信号強度よりも高いことを条件としてx系列イオンとz系列イオンのペアピークを探索すればよい。これにより、ペアピークの探索の正確性を向上させることができる。
本発明に係るタンパク質又はペプチドの解析方法によれば、HADを用いて取得したタンパク質やペプチド由来のフラグメントイオンの質量情報の中から、特定の系列のイオン、即ち、a系列イオン及びc系列イオン、又はx系列イオン及びz系列イオンを容易に且つ的確に識別することができる。それによって、フラグメントイオンの帰属の精度が向上するため、フラグメントイオンの情報を利用したタンパク質やペプチドのアミノ酸配列の決定や同定の精度も向上し、例えば同定不能となる確率を低減させることができる。
本発明の一実施例であるタンパク質解析装置の概略構成図。 Substance PについてHADを用いて取得したフラグメントイオンのマススペクトル、並びにSubstance Pのアミノ酸配列及び帰属された各系列イオンを示す図。 図2に示したマススペクトルの一部の拡大図。 N-Acetyl-Renin Substrate Tetradecapeptide porcineについてHADを用いて取得したフラグメントイオンのマススペクトル、並びにN-Acetyl-Renin Substrate Tetradecapeptide porcineのアミノ酸配列及び帰属された各系列イオンを示す図。 BradykininについてHADを用いて取得したフラグメントイオンのマススペクトル、並びにBradykininのアミノ酸配列及び帰属された各系列イオンを示す図。 Fibrinopeptide AについてHADを用いて取得したフラグメントイオンのマススペクトル、並びにFibrinopeptide Aのアミノ酸配列及び帰属された各系列イオンを示す図。
本発明に係るタンパク質又はペプチドの解析方法及び解析方法の一実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例であるタンパク質解析装置の概略構成図である。
このタンパク質解析装置は質量分析装置を含み、質量分析装置は、目的試料成分をイオン化するイオン源1と、イオン源1で生成されたイオンを高周波電場の作用により捕捉するイオントラップ2と、イオントラップ2から射出されたイオンを質量電荷比に応じて分離する飛行時間型質量分離部3と、分離されたイオンを検出するイオン検出器4とを、真空雰囲気に維持される図示しない真空チャンバの内部に備える。また、質量分析装置は、イオントラップ2内に捕捉されているイオンを解離させるべく該イオントラップ2内に水素ラジカルを導入するための水素ラジカル照射部5と、イオントラップ2内に所定のガスを供給するガス供給部6と、トラップ電圧発生部7と、制御部8と、を有する。イオン検出器4による検出信号はデータ処理部9に入力される。データ処理部9は、本実施例の解析装置に特徴的な解析処理を行うものであり、マススペクトル作成部91、ペアピーク探索部92、タンパク質同定部93を機能ブロックとして含む。
イオン源1は例えば、MALDI法などのイオン化法を用いたイオン源である。イオントラップ2は、円環状のリング電極21と、該リング電極21を挟んで対向配置された一対のエンドキャップ電極22、24と、を含む3次元四重極型のイオントラップである。制御部8による指示に応じてトラップ電圧発生部7は、上記電極21、22、24それぞれに対し、所定のタイミングで高周波電圧、直流電圧のいずれか一方又はそれらを合成した電圧を印加する。飛行時間型質量分離部3はこの例ではリニア型であるが、リフレクトロン型やマルチターン型等でもよく、また飛行時間型の質量分離器ではなく、例えばイオントラップ2自体のイオン分離機能を利用して質量分離を行うものやオービトラップなどでもよい。
水素ラジカル照射部5は、水素ラジカルを貯留した又は水素ラジカルを生成する水素ラジカル供給源51と、流量を調節可能であるバルブ52と、水素ラジカルを噴出するノズル53と、ノズル53からの噴出流の中心軸上に開口を有し、拡散する水素分子等のガスを分離して細径の水素ラジカル流を取り出すスキマー54と、を含む。ガス供給源61は、クーリングガスや場合によってはCIDガスとして使用されるヘリウム、アルゴンなどを貯留したガス供給源61と、流量を調節可能であるバルブ62と、を含む。
本実施例のタンパク質解析装置における分析動作を説明する。
イオン源1においてペプチド混合物などの試料から生成された各種イオンはパケット状にイオン源1から射出され、入口側エンドキャップ電極22に形成されているイオン導入孔23を経てイオントラップ2の内部に導入される。イオントラップ2内に導入されたペプチド由来のイオンは、トラップ電圧発生部7からリング電極21に印加される電圧によってイオントラップ2内に形成される高周波電場に捕捉される。そのあと、トラップ電圧発生部7からリング電極21等に所定の電圧が印加され、それによって目的とする特定の質量電荷比を有するイオン以外のイオンは励振され、イオントラップ2から排除される。これにより、イオントラップ2内に、特定の質量電荷比を有するプリカーサイオンが選択的に捕捉される。
それに続き、ガス供給部6においてバルブ62が開放され、イオントラップ2内にクーリングガスとしてヘリウムなどの不活性ガスが導入されることで、プリカーサイオンのクーリングが行われる。これにより、プリカーサイオンはイオントラップ2の中心付近に収束される。その状態で、水素ラジカル照射部5のバルブ52が開放され、水素ラジカル(水素原子)を含むガスがノズル53から噴出する。その噴出流の前方に位置するスキマー54により、水素ガスなどのガスは除去され、スキマー54の開口を通過した水素ラジカルは細径のビーム状となって、リング電極21に穿設されているラジカル粒子導入口26を通過する。そして、この水素ラジカルはイオントラップ2内に導入され、イオントラップ2内に捕捉されているプリカーサイオンに照射される。
このときバルブ52の開度は、イオンに照射される水素ラジカルの流量が所定流量以上になるように調整される。また、水素ラジカルの照射時間も適宜に設定される。それによって、プリカーサイオンは不対電子誘導型の解離を生じ、ペプチド由来のフラグメントイオンが生成される。水素ラジカルによるイオンの解離、つまりHADのメカニズムは、ペプチド分子イオン中のカルボニル酸素に水素が付着することでラジカルイオンが生成され、このラジカルイオンの作用でETDやECDと同様の反応で解離が生じるものであると推測される。HADにより生成された各種フラグメントイオンはイオントラップ2内に捕捉され、クーリングが行われる。
そのあと、所定のタイミングでトラップ電圧発生部7からエンドキャップ電極22、24に直流高電圧が印加され、これにより、イオントラップ2内に捕捉されていたイオンは加速エネルギを受け、イオン射出孔25を通して一斉に射出される。こうして一定の加速エネルギを持ったイオンが飛行時間型質量分離部3の飛行空間に導入され、飛行空間を飛行する間に質量電荷比に応じて分離される。イオン検出器4は分離されたイオンを順次検出する。イオン検出器4からの検出信号を受けたデータ処理部9において、マススペクトル作成部91はイオントラップ2からのイオンの射出時点を時刻ゼロとする飛行時間スペクトルを作成する。そして、予め求めておいた質量校正情報を用いて飛行時間を質量電荷比に換算することにより、フラグメントイオンによるマススペクトルを作成する。
こうして得られたマススペクトルにはタンパク質やペプチドに由来する各種のフラグメントイオンピークが観測されるが、HADによるイオン解離を行った場合、a系列イオンとc系列イオンとのペアピーク、又はx系列イオンとz系列イオンとのペアピークが特徴的に観測される。このことを、実測例を参照しつつ以下に説明する。
実測に用いたサンプルは次の4種類である。
<サンプルA>サブスタンスP(Substance P)
アミノ酸配列:[RPKPQQFFGLM−NH2]、分子量:1347.6
<サンプルB>N-Acetyl-Renin Substrate Tetradecapeptide porcine
アミノ酸配列:[Ac−DRVYIHPFHLLYS]、分子量:1801.1
<サンプルC>ブラディキニン(Bradykinin)
アミノ酸配列:[RPPGFSPFR]、分子量:1060.21
<サンプルD>フェブリノペプチドA(Fibrinopeptide A)
アミノ酸配列:[ADSGEGDFLAEGGGVR]、分子量:1536.56
また、MALDI用サンプル調製に利用したマトリクスは、α-Cyano-4-hydroxycinnamic acid(CHCA)と3-Aminoquinokine/α-cyano-4-hydroxycinnamic acid(3AQ/CHCA)とである。また、測定に使用した質量分析装置は、図1に示したような、水素ラジカル粒子照射機構を具備したMALDIデジタルイオントラップ飛行時間型質量分析計(MALDI-DIT-TOF MS:島津製作所製)である。
図2、図4、図5、及び図6にはそれぞれ、実測で得られたサンプルA〜Dのフラグメントイオンのマススペクトルを示す。また図3は図2に示したマススペクトルの一部拡大図である。また、図2、図4、図5、及び図6においてマススペクトルの上部には、各サンプルのアミノ酸配列と帰属されたa系列、c系列、x系列、z系列イオンを示している。なお、図2〜図6では、本来であれば下付き文字で示すべき各系列イオンの添字を通常の大きさの文字で示している。
図3から分かるように、HADによるイオン解離では、フラグメントイオンの理論質量に対して数ダルトン(Da)高い又は逆に数ダルトン低いフラグメントイオンも観測される。しかしながら、理論質量から乖離したイオンが単独で観測されることは殆どなく、理論質量と一致するイオンとその理論質量から数ダルトンの範囲内で乖離したイオンとが混在して観測される。そこで、図2〜図6では、理論質量から乖離しているフラグメントイオンについては各イオン種を示す記号(例えば「c4」)の後に+1や−1というように、乖離している質量(つまりは理論質量からの質量差)を記載している。非特許文献2には、理論質量から質量が乖離しているこれらのフラグメントイオンは、フラグメンテーション時におけるフラグメントイオン間での水素転移に由来するということが報告されている。またそれだけでなく、HADによる水素の付加反応又は脱離反応に由来するフラグメントイオンも含まれると推定される。さらにまた、安定同位体以外の同位体元素の影響により、1Da単位(1価イオンの場合)で安定同位体のみを考慮した理論質量から乖離した質量を持つイオンも含まれる。
図2〜図5に示したように、これらマススペクトルにおいては、c系列イオンとa系列イオンとがそれぞれペアピークとして検出されていることが分かる。なお、図4、図5からも分かるように、プロリン(P)のN末端側ではc系列イオンが生じないという特徴がある。ペアであるc系列イオンとa系列イオンの理論的な質量差は45Daであるが、本発明者らがこれまで実験的に確認しているところでは、測定で検出されたa系列イオン及びc系列イオンにおいて理論質量からの質量の乖離は、a系列イオンで−1〜+3Da、c系列イオンで−2Da〜+1Daの範囲にほぼ収まる。a系列イオンはan+2、c系列イオンはcnが生成しやすい傾向があるため、a系列イオンとc系列イオンのペアピークの質量差は43Da(+3Da〜−2Da)つまりは41〜46Daの範囲にほぼ収まるということができる。
一方、図6に示したサンプルDに対するマススペクトルでは、C末端側を含むフラグメントイオンであるz系列イオン及びx系列イオンがそれぞれペアピークとして多数検出されていることが分かる。z系列イオンとx系列イオンとの理論的な質量差は42Daであるが、本発明者らがこれまで確認しているところでは、測定で検出されたz系列イオン及びx系列イオンにおいて理論質量からの質量の乖離は、z系列イオンで−1〜+2Da、x系列イオンで−1Da〜+3Daの範囲にほぼ収まる。z系列イオンはzn+1、x系列イオンはxn+2が生成しやすい傾向があるため、x系列イオンとz系列イオンのペアピークの質量差は43Da(+2Da〜−3Da)つまりは40〜45Daの範囲にほぼ収まるということができる。
a系列イオンとc系列イオンのペア又はx系列イオンとz系列イオンのペアのいずれが検出されるのかは、ペプチドに含まれるアミノ酸残基の種類とペプチド内でそのアミノ酸残基が存在する位置とに依存する。例えば、正イオンモードによる質量分析では、正の電荷を保持し易い塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン、ヒスチジン)がぺプチドのN末端側に位置するとa系列イオンとc系列イオンのペアが検出され易くなり、同じ塩基性アミノ酸がC末端側に位置するとx系列イオンとz系列イオンのペアが検出されやすくなるという傾向がみられる。サンプルA、B、Cではいずれもアルギニン(R)がぺプチドのN末端側に位置している。一方、サンプルDではアルギニンがぺプチドのC末端側に位置している。したがって、こうした特定のアミノ酸残基がペプチドに含まれており、その位置が推定可能であるような場合には、フラグメントイオンのマススペクトルで観測されるペアピークがa系列イオンとc系列イオンのペア又はx系列イオンとz系列イオンのペアのいずれであるのかを推測することができる。
上述したように、観測されるペアピークがa系列イオンとc系列イオンのペア又はx系列イオンとz系列イオンのペアのいずれか不明であっても、1価イオンのみを考慮する場合には、質量差43Da±3Da程度の範囲つまりは質量差が40〜46Daの範囲に収まるペアピークを探索することで、マススペクトルに出現するフラグメントイオンピークの中でa系列イオンとc系列イオン又はx系列イオンとz系列イオンを推定することができる。もちろん、この43Da±3Daという質量差は1価イオンを想定したものであり、2価以上の多価イオンのペアピークを探索する場合には、上記質量差を価数で除した値を指標としてペアピークを探索すればよい。
本実施例のタンパク質解析装置においては、マススペクトル作成部91においてフラグメントイオンのマススペクトルが作成されると、ペアピーク探索部92が上述した質量差(例えば43Da±3Daの範囲の質量差)を有するペアピークを全て探索し抽出する。そして、その抽出されたペアピークに対応するフラグメントイオンがa系列イオンとc系列イオン又はx系列イオンとz系列イオンであるとの情報をタンパク質同定部93に入力する。タンパク質同定部93はデータベース検索を用いて又はデノボシーケンシングを用いて、タンパク質・ペプチドのアミノ酸配列の決定及びタンパク質・ペプチドの同定を行うものである。
タンパク質同定部93においてデータベース検索を用いてアミノ酸配列の決定及び同定を行う場合、そのデータベース検索の際にマススペクトルから検出される各フラグメントイオンの質量情報を利用するが、ここでは上述したa系列/c系列イオン又はx系列/z系列イオンであるとの情報も併せて利用する。即ち、これらの情報が付加されているフラグメントイオンについては、a系列/c系列イオンとx系列/z系列イオンとの2通りを仮定してデータベース検索を実行する。もちろん、a系列/c系列イオンとx系列/z系列イオンとのいずれかの推定が可能である場合には、2通りを仮定せずに一方のみに絞ったデータベース検索を行えばよい。上述のように2通りを仮定してデータベース検索を行った場合、最終的にa系列/c系列イオンとx系列/z系列イオンのいずれが正解であるかが明らかになるが、その場合でもフラグメントイオン種を全く絞り込まない場合と比べれば同定精度は明らかに向上する。
また、タンパク質同定部93においてデノボシーケンシング解析を行う場合には、a系列/c系列イオンとx系列/z系列イオンのいずれかに絞り込めていなくても、連続したa系列/c系列イオン又はx系列/z系列イオンが検出されるため、a系列/c系列イオン又はx系列/z系列イオンのどちらかを仮定して、ピーク間の質量差をアミノ酸残基の質量に当てはめていけばペプチドのアミノ酸配列を推定することができる。この場合にも、フラグメントイオンの系列が不明である場合に比べればアミノ酸配列の推定精度は明らかに向上する。
なお、上記実施例では、質量差のみに着目して特定の系列のフラグメントイオンのペアを探索していたが、図2〜図6に示したマススペクトルを見れば分かるように、殆どの場合、ペアであるc系列イオンの信号強度(ピーク強度)はa系列イオンの信号強度よりも高く、同じくペアであるz系列イオンの信号強度はa系列イオンの信号強度よりも高い。そこで、質量差のほかに信号強度の高低も利用してペアピークを探索すると、より効率良く且つ的確にペアピークを見つけることができる。即ち、a系列/c系列イオンのペアを探索する際には、所定の質量差を有し質量電荷比が高い側のピークが低い側のピークよりも信号強度が高いペアを探索すればよい。一方、x系列/z系列イオンのペアを探索する際には、所定の質量差を有し質量電荷比が低い側のピークが高い側のピークよりも信号強度が高いペアを探索すればよい。
また、図3に示したように、一つのフラグメントイオンのピークは孤立したピークではなく、通常、質量が異なる複数のピークから成るピーク群である。ペアピークの質量差を調べる際には、一つのピーク群の中で信号強度が最大であるピークを用いればよいが、その代わりに、一つのピーク群に含まれる複数のピークをスムージング処理することでピーク幅の広い一つのピークを求め、そのピークのピークトップ間の質量差を調べるようにしてもよい。また、その際にはピークの重心位置を求め、その重心位置に対応する質量電荷比から質量差を調べるようにしてもよい。
また、特に価数の大きな多価イオンも考慮する必要がある場合には、価数の相違するフラグメントイオンピークが混じるためにマススペクトルが非常に複雑になり、ペアピークの探索が困難になる。そこで、その場合には、デコンボリューション処理を行うことで多価イオンの価数を求め、1価イオンに換算したマススペクトルを再構成して上述したような処理を行うとよい。
また、本実施例のタンパク質解析装置における質量分析装置の構成は適宜に変形することができる。例えば、イオントラップは3次元四重極型のイオントラップでなく多重極リニア型イオントラップでもよい。また、イオントラップの代わりに、磁場の作用によりイオンを閉じ込めるフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置のセルなどに閉じ込めたイオンに対して水素ラジカルを照射するようにしてもよい。もちろん、そうした所定の空間に閉じ込められたイオンではなく、例えばイオン流に対してそれに斜交するように又はその流れと同方向若しくは逆方向に水素ラジカルを照射し、イオンを解離させるようにしてもよい。
さらにまた、上記実施例は本発明の一例にすぎず、上記記載以外の点について、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、追加、修正を行っても、本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…イオン源
2…イオントラップ
21…リング電極
22、24…エンドキャップ電極
23…イオン導入孔
25…イオン射出孔
26…ラジカル粒子導入口
3…飛行時間型質量分離部
4…イオン検出器
5…水素ラジカル照射部
51…水素ラジカル供給源
52…バルブ
53…ノズル
54…スキマー
6…ガス供給部
61…ガス供給源
62…バルブ
7…トラップ電圧発生部
8…制御部
9…データ処理部
91…マススペクトル作成部
92…ペアピーク探索部
93…タンパク質同定部

Claims (4)

  1. タンパク質若しくはペプチドを同定する又はそのアミノ酸配列を決定するための解析方法であって、
    a)目的とするタンパク質又はペプチド由来のイオンに水素ラジカルを照射することで該イオンを解離させ、それにより生成されたフラグメントイオンを質量分析することでフラグメントイオンの質量情報を収集する質量分析ステップと、
    b)前記質量分析ステップで得られたフラグメントイオンの質量情報について、所定の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索することで、a系列イオン及びc系列イオン、又は、x系列イオン及びz系列イオンを推定する特定フラグメントイオン推定ステップと、
    を有し、前記特定フラグメントイオン推定ステップで推定されたイオンの情報をタンパク質若しくはペプチドの同定又はそのアミノ酸配列の決定に利用することを特徴とするタンパク質又はペプチドの解析方法。
  2. 請求項1に記載のタンパク質又はペプチドの解析方法であって、
    前記特定フラグメントイオン推定ステップでは、最大40〜46Daの範囲の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索することを特徴とするタンパク質又はペプチドの解析方法。
  3. 請求項1又は2に記載のタンパク質又はペプチドの解析方法であって、
    前記特定フラグメントイオン推定ステップでは、フラグメントイオンのペアを探索する際に、質量差とともに各フラグメントイオンの信号強度も参照することを特徴とするタンパク質又はペプチドの解析方法。
  4. タンパク質若しくはペプチドを同定する又はそのアミノ酸配列を決定するための解析装置であって、
    a)目的とするタンパク質又はペプチド由来のイオンに水素ラジカルを照射することで該イオンを解離させ、それにより生成されたフラグメントイオンを質量分析することでフラグメントイオンの質量情報を収集する質量分析実行部と、
    b)前記質量分析実行部で得られたフラグメントイオンの質量情報について、所定の質量差を有するフラグメントイオンのペアを探索することで、a系列イオン及びc系列イオン、又は、x系列イオン及びz系列イオンを推定する特定フラグメントイオン推定部と、
    c)前記特定フラグメントイオン推定部で推定されたイオンの情報を利用しつつ目的とするタンパク質若しくはペプチドの同定又はそのアミノ酸配列の決定を行う解析実行部と、
    を備えることを特徴とするタンパク質又はペプチドの解析装置。
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