JP6356759B2 - 電解質膜・電極構造体のエージング方法 - Google Patents

電解質膜・電極構造体のエージング方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体に対してエージングを行う電解質膜・電極構造体のエージング方法に関する。
固体高分子からなる電解質膜を具備する燃料電池は、周知の通り、前記電解質膜をアノード電極とカソード電極で挟持した電解質膜・電極構造体を含んで構成され、固体高分子形燃料電池とも呼称される。この種の燃料電池は、通常、単位セルが複数個積層された燃料電池スタックとして組み立てられる。
燃料電池スタックには、積層方向に所定の締付荷重が付与される。ここで、燃料電池スタックが長期間にわたって運転されると、例えば、電解質膜・電極構造体にへたりが発生し、その厚みが減少する。これに伴って燃料電池スタックの締付荷重が低下し、その結果、燃料電池スタック内で接触抵抗が増大して端子電圧が低下するとともに、発電性能が低下するという不都合が惹起される。
そこで、燃料電池スタック等に対し、積層方向に沿って圧縮荷重を加える、いわゆる荷重エージングが行われる(例えば、特許文献1〜4参照)。これにより電解質膜・電極構造体がある程度圧縮されるので、該電解質膜・電極構造体にへたりが発生しても、厚みが大きく減少することが回避される。従って、締付荷重が低下することが回避されるので、上記した不都合が惹起されることを回避することができる。
特開2010−153174号公報 特開2004−79246号公報 特開2004−31311号公報 特開2009−4254号公報
本発明は上記した従来技術に関連してなされたもので、燃料電池の厚み減少量を一層低減することが可能であり、このために燃料電池内で接触抵抗が増大することや、これに起因して端子電圧が低下することを回避し得るとともに、燃料電池の良好な発電性能を維持することが可能な電解質膜・電極構造体のエージング方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体に対してエージングを行う電解質膜・電極構造体のエージング方法であって、
前記電解質膜・電極構造体に対して荷重を付与する荷重付与工程と、
前記電解質膜・電極構造体から前記荷重を除去する荷重除去工程と、
交互に繰り返す荷重エージングを行うに当たり
前記荷重エージングとして、所定時間発電した後の前記電解質膜・電極構造体の厚み減少量が所定の閾値を下回るようになる繰り返し回数を設定する工程をさらに有し、
前記荷重エージングを、設定された前記繰り返し回数まで繰り返すことを特徴とする。
本発明者の鋭意検討によれば、所定時間発電した後の電解質膜・電極構造体の厚み減少量は、荷重付与工程及び荷重除去工程の繰り返し回数が多くなるにつれて小さくなる(後述の図6参照)。すなわち、同一寸法・同一積層数の電解質膜・電極構造体を複数個作製するとともに、個々の電解質膜・電極構造体に対して相違する繰り返し回数で荷重付与及び荷重除去を行い、さらに、各電解質膜・電極構造体から燃料電池を組み上げて所定時間発電させることにより、荷重付与工程及び荷重除去工程の繰り返し回数と、発電に際しての電解質膜・電極構造体の厚み減少量との相関関係が得られる。
その一方で、燃料電池としての締付荷重が維持される最大の厚み減少量を求める。例えば、この最大の厚み減少量を、閾値に設定する。
前記の相関関係と閾値から、所定時間の発電後に電解質膜・電極構造体の厚み減少量が閾値を下回るようにするためには、荷重付与工程及び荷重除去工程の繰り返し回数を如何に設定すればよいかが分かる。同一寸法・同一積層数の燃料電池を量産する際には、このようにして割り出された繰り返し回数まで荷重付与工程及び荷重除去工程を繰り返せばよい。
そして、このようなエージングが施された電解質膜・電極構造体を含む燃料電池では、発電開始から所定時間に到達するまで、厚み減少量が許容下限値(閾値)を上回ることが回避される。従って、この間、燃料電池内で接触抵抗が増大することや、これに起因して端子電圧が低下することを回避することができる。また、燃料電池の発電特性が維持される。
前記の所定時間は、例えば、燃料電池の寿命末期として設定すればよい。この場合、燃料電池の寿命末期となるまで、燃料電池の厚み減少量が閾値未満に維持される。すなわち、寿命末期となるまで、燃料電池の接触抵抗や端子電圧を許容範囲内に維持することができるとともに、燃料電池の発電特性を維持することができる。
燃料電池は、例えば、総発電時間が数万時間に到達すると寿命末期であると認識されることがある。このため、上記の相関関係を得る際、総発電時間が数万時間に到達したときを寿命末期の目安とし、このときの燃料電池の厚み減少量を測定するようにしてもよい。
また、例えば、出力が運転開始時から概ね15%程度低下したときが寿命末期であると認識されることもある。そこで、上記の相関関係を得る際、出力が発電開始から15%低下した時点を寿命末期の目安とし、このときの燃料電池の厚み減少量を測定するようにしてもよい。
本発明によれば、電解質膜・電極構造体に対してエージングを施すに際し、荷重付与工程及び荷重除去工程を、所定時間発電した後の燃料電池の厚み減少量が所定の閾値を下回るようになる回数まで繰り返すようにしている。このようなエージングが施された電解質膜・電極構造体を含む燃料電池では、発電開始から所定時間に到達するまで、厚み減少量が閾値を上回ることが回避される。
このため、所定時間に到達するまでの間、燃料電池内で接触抵抗が増大することや、これに起因して端子電圧が低下することを回避することができる。また、燃料電池の発電特性を維持することもできる。
本発明の実施の形態に係る荷重エージング方法が施された電解質膜・電極構造体を含んで構成される燃料電池スタック(燃料電池)の全体概略斜視図である。 図1に示す燃料電池スタックを構成する単位セルの分解斜視図である。 図2に示す単位セルの要部断面図である。 プレス機によって電解質膜・電極構造体に荷重を付与している状態を示す全体概略斜視図である。 荷重エージングの繰り返し回数と、荷重エージング後の電解質膜・電極構造体の厚み減少量との相関関係を示すグラフである。 荷重エージングの繰り返し回数と、所定時間発電後の電解質膜・電極構造体の厚み減少量との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る電解質膜・電極構造体のエージング方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1に示す燃料電池スタック10(燃料電池)につき説明する。燃料電池スタック10は、電解質膜・電極構造体12が第1セパレータ14及び第2セパレータ16に挟持された単位セル17が矢印A方向に複数積層されることで構成された積層体18を有する。積層体18の積層方向(矢印A方向)両端には、負極側集電体20a及び正極側集電体20bとエンドプレート22a、22bとが絶縁プレート24a、24bを介装して配設される。エンドプレート22a、22b間には、複数本のタイロッド25を介して所定の締め付け荷重が付与されている。このように構成される燃料電池スタック10は、例えば、自動車車体に搭載され、走行駆動源として用いられる。
図1及び図2に示すように、電解質膜・電極構造体12と第1セパレータ14、第2セパレータ16の矢印B方向(図2中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体12と第1セパレータ14、第2セパレータ16の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持するアノード電極38及びカソード電極40を有する。すなわち、本実施の形態に係る燃料電池スタック10は、固体高分子形燃料電池である。なお、固体高分子電解質膜36としては、上記したようなフッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を採用することもできる。
アノード電極38及びカソード電極40は、図3に示すように、多孔質カーボン部材、例えば、カーボンペーパー等からなるガス拡散層42a、42bと、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層42a、42bの表面に一様に塗布されてなる電極触媒層44a、44bとをそれぞれ有する。電極触媒層44a、44bは、互いに固体高分子電解質膜36を介装して対向するように、前記固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
この場合、アノード電極38は、カソード電極40よりも大きな表面積を有する。従って、アノード電極38を構成するガス拡散層42aには、カソード電極40を構成するガス拡散層42bの外周部から外方に距離Hだけ突出する外周縁部45が設けられる。
第1セパレータ14、第2セパレータ16の間には、例えば、シリコン製Oリング等の第1シール47aが介装されるとともに、前記第1セパレータ14の面14aと固体高分子電解質膜36との間(外周縁部45に対応する位置)には、カソード電極40を周回してOリング等の第2シール47bが介装される。
第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、又は、その金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2に示すように、第1セパレータ14の電解質膜・電極構造体12側の面14aには、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部からなる酸化剤ガス流路46が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路46は、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する。
第2セパレータ16の電解質膜・電極構造体12側の面16aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、矢印B方向に延在する複数本の溝部を備えている。第2セパレータ16の面16bには、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、矢印B方向に延在する複数本の溝部を備えている。
図1に示すように、エンドプレート22aの長辺側(矢印B方向側)の一端縁部には、酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体排出連通孔32b及び燃料ガス排出連通孔34bが設けられる。エンドプレート22aの長辺側(矢印B方向側)の他端縁部には、燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体供給連通孔32a及び酸化剤ガス排出連通孔30bが設けられる。
次に、このように構成される燃料電池スタック10の動作について、本実施の形態に係るエージング方法との関係で説明する。
先ず、電解質膜・電極構造体12を単一個、又は複数個積層する。この電解質膜・電極構造体12に対し、図4に示すように、プレス機60を介して荷重を付与する。なお、図4では、複数個の電解質膜・電極構造体12を積層した積層体61に荷重を付与する場合を例示している。
プレス機60につき概略説明すると、このプレス機60は、固定型である下型62と可動型である上型64を有し、上型64が、下型62に接近する方向に変位、換言すれば、下降することで積層体61に当接し、該積層体61を積層方向に押圧する。これにより、電解質膜・電極構造体12に荷重が付与される。
一方、上型64が下型62から離間する方向に変位(上昇)した際には、電解質膜・電極構造体12が押圧から解放される。その結果、電解質膜・電極構造体12から荷重が除去される。
以上のように構成されるプレス機60の下型62に、積層体61を載置する。次に、上型64を所定の推進力で下降させ、下型62と上型64で積層体61を挟持する。これにより、積層体61に荷重が付与される。すなわち、荷重付与工程が営まれる。
付与荷重は、電解質膜・電極構造体12が所望の接触抵抗を維持するために必要な締付荷重よりも大きな値であって、且つ燃料電池スタック10の運転時に付与される最大荷重よりも大きな値に設定される。また、付与荷重は、燃料電池スタック10が車両に搭載された場合に、急発進や急停止等の運転状況の変化によって燃料電池スタック10に最大衝撃力が作用する際の面圧によって荷重が抜けない値以上であることが好ましい。
このように荷重が付与された状態が、例えば、5分〜10分、好ましくは3分〜7分保持される。なお、燃料電池スタック10を100〜130℃程度に昇温するようにしてもよい。
次に、上型64を上昇させ、積層体61から荷重を除去する。これにより、荷重除去工程が営まれる。
ここで、荷重エージング(荷重付与工程及び荷重除去工程)の繰り返し回数と、電解質膜・電極構造体12の厚み減少量との相関関係をグラフとして図5に示す。この図5から諒解されるように、荷重エージングの繰り返し回数が増加するにつれ、電解質膜・電極構造体12の厚み減少量が大きくなり、最終的には略飽和する。本実施の形態では、図5に一点鎖線で示すように所定の減少量許容下限値を設定し、厚み減少量が、この減少量許容下限値以上となる回数まで荷重エージングを繰り返す。すなわち、電解質膜・電極構造体12の厚みを所定量以上小さくする。
次に、このようにして荷重を付与した積層体61を用いて燃料電池スタック10を組み上げる。すなわち、電解質膜・電極構造体12を第1セパレータ14、第2セパレータ16により挟持して単位セル17を構成する。さらに、単位セル17を矢印A方向に所定数だけ積層し、積層体18を得る。その後、積層体18の積層方向両端に、絶縁プレート24a、24bを介して負極側集電体20a及び正極側集電体20bとエンドプレート22a、22bとを配設する。
その後、エンドプレート22a、22b間に複数本のタイロッド25を配設するとともに、該タイロッド25を緊締する。これにより、燃料電池スタック10が得られる。
次に、この燃料電池スタック10を発電させる。具体的には、図2に示すように、燃料ガス供給連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスを供給するとともに、酸化剤ガス供給連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスを供給する。さらに、冷却媒体供給連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体を供給する。
図2に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第1セパレータ14の酸化剤ガス流路46に導入され、カソード電極40に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから第2セパレータ16の燃料ガス流路48に導入され、アノード電極38に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体12では、カソード電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層44a、44b内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
アノード電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、カソード電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体供給連通孔32aに供給された冷却媒体は、第2セパレータ16の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体12を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32bから排出される。
以上のようにして発電を長時間継続すると、電解質膜・電極構造体12の厚みが減少するとともに、燃料電池スタック10の出力が次第に低下する。そこで、例えば、出力が発電当初の85%となったとき、換言すれば、発電開始から15%低下したときが寿命末期の目安であると設定する。そこで、本実施の形態では、出力が発電開始から15%低下したときを「燃料電池スタック10が寿命末期に到達した」と判定し、その時点で発電を終了して燃料電池スタック10を分解し、電解質膜・電極構造体12の厚み減少量を測定する。
また、例えば、燃料電池の総発電時間が概ね数万時間に到達したときに寿命末期が到来したと設定されることもある。そこで、燃料電池スタック10の総発電時間が数万時間に到達したときを寿命末期の目安と判定するようにしてもよい。
以上の荷重エージング及び発電を、同一寸法・同一積層数の燃料電池スタック10を用い、荷重エージング(荷重付与工程及び荷重除去工程)の繰り返し回数を種々変更して行う。このようにして得た荷重エージングの繰り返し回数と、寿命末期における電解質膜・電極構造体12の厚み減少量との相関関係をグラフとして図6に示す。この図6から明らかなように、荷重エージングの繰り返し回数が増加するにつれ、電解質膜・電極構造体12の厚み減少量が小さくなる。換言すれば、荷重エージングにおける厚み減少量を大きくする程、発電の際の厚み減少量を小さくすることができる。
電解質膜・電極構造体12の厚みが減少すると、燃料電池スタック10の締付荷重が低下する一因となる。そこで、例えば、燃料電池スタック10としての締付荷重が維持される最大の厚み減少量を、許容下限値(閾値)に設定する。すなわち、荷重エージングを、所定時間発電後の厚み減少量が閾値を下回らなくなる回数まで繰り返す。
図6には、閾値を一点鎖線で示している。寿命末期における厚み減少量が、この破線よりも下方に位置する場合には、荷重エージングの繰り返し回数が十分であり、従って、寿命末期時においても電解質膜・電極構造体12が十分な厚みを維持しており、締付荷重も十分に維持されていると判断される。一方、寿命末期における厚み減少量が一点鎖線の上方に位置する場合には、荷重エージングの繰り返し回数が不足しており、このために寿命末期時に電解質膜・電極構造体12の厚みが閾値を下回る程度に減少している(締付荷重を維持することが困難となっている)と判断される。
このように、荷重エージングを、寿命末期まで発電した燃料電池スタック10の厚み減少量が閾値を下回るようになる回数まで繰り返すことにより、寿命末期まで電解質膜・電極構造体12の締付荷重を維持することができる。その結果として、燃料電池スタック10内で接触抵抗が増大することや、これに起因して端子電圧が低下すること、さらには、発電特性が低下することを回避することができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、電解質膜・電極構造体12の外周に樹脂枠を設け、樹脂枠付電解質膜・電極構造体を構成するようにしてもよい。この場合、樹脂枠に代替して補強フィルムを用いてもよい。また、図3とは逆に、アノード電極38に比してカソード電極40が大面積であってもよいし、アノード電極38とカソード電極40の面積を同一に設定するようにしてもよい。
さらに、上記の実施の形態では、電解質膜・電極構造体12又は積層体61に対して荷重エージングを行うようにしているが、単位セル17又はその積層体に対して荷重エージングを行うようにしてもよい。この場合、第1セパレータ14及び第2セパレータ16の厚み減少量を予め求め、単位セル17又はその積層体の厚み減少量から第1セパレータ14及び第2セパレータ16の厚み減少量を差し引くことで、電解質膜・電極構造体12又は積層体61の厚み減少量を求めればよい。
さらにまた、燃料電池スタック10が寿命末期に到達したか否かを、総運転時間や出力低下以外の別の基準、例えば、燃費、外部への反応ガスの漏出、排出される物質の濃度等で判定するようにしてもよい。
10…燃料電池スタック 12…電解質膜・電極構造体
14、16…セパレータ 17…単位セル
18…積層体 30a…酸化剤ガス供給連通孔
30b…酸化剤ガス排出連通孔 32a…冷却媒体供給連通孔
32b…冷却媒体排出連通孔 34a…燃料ガス供給連通孔
34b…燃料ガス排出連通孔 36…固体高分子電解質膜
38…アノード電極 40…カソード電極
42a、42b…ガス拡散層 44a、44b…電極触媒層
45…外周縁部 46…酸化剤ガス流路
47a、47b…シール 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 60…プレス機
62…下型 64…上型

Claims (2)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が配設される電解質膜・電極構造体に対してエージングを行う電解質膜・電極構造体のエージング方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体に対して荷重を付与する荷重付与工程と、
    前記電解質膜・電極構造体から前記荷重を除去する荷重除去工程と、
    交互に繰り返す荷重エージングを行うに当たり
    前記荷重エージングとして、所定時間発電した後の前記電解質膜・電極構造体の厚み減少量が所定の閾値を下回るようになる繰り返し回数を設定する工程をさらに有し、
    前記荷重エージングを、設定された前記繰り返し回数まで繰り返すことを特徴とする電解質膜・電極構造体のエージング方法。
  2. 請求項1記載のエージング方法において、前記荷重付与工程及び前記荷重除去工程を、燃料電池の寿命末期での該燃料電池の厚み減少量が所定の閾値を下回るようになる回数まで繰り返すことを特徴とする電解質膜・電極構造体のエージング方法。
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