以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[筐体構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観正面図を図1に示す。スロットマシン10の筐体は、内部に各種装置を収容するための箱体と、箱体の前面部に開閉自在に設けられた前面扉とによって構成されている。この前面扉には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄を視認できるようになっている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された16個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷されている帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された16個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が、表示窓22から視認可能となっている。すなわち、表示窓22には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中段Mを横切る1本の入賞ラインLが定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された横並びの3つの図柄からなる組合せが、いずれかの役に対応していればその役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄(または図柄組合せ)が揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技にベットされるメダルの枚数を表示するものである。ここでは、1枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)や、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされると1回の遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御手段100内のRWM(リードライトメモリ。記憶したデータを書き換え可能なメモリ。)に記憶されている)メダルの枚数を表示する。ここで本実施形態において、クレジットすることができるメダルの上限数は50枚である。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部(具体的には、メダルを選別する為のセレクタ)には、メダルセンサ(通過センサ)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。これにより、主制御手段100は、メダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。ここで、スロットマシン10においては、規定枚数が3枚になっている。また、規定枚数までメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジットに記憶される。なお、規定枚数のメダルがベットされ、かつ、クレジットに記憶された枚数が上限値に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
さらに、メダル投入口32と、最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための方向ボタンスイッチ38および演出ボタンスイッチ39が設けられている。方向ボタンスイッチ38は、図1(b)の平面図によって示すように、上方向を指示する上方向スイッチ38U、右方向を指示する右方向スイッチ38R、下方向を指示する下方向スイッチ38D、および左方向を指示する左方向スイッチ38Lの、4つのボタンスイッチによって構成されている。演出ボタンスイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられている。また、演出ボタンスイッチ39の上面(操作面)には“PUSH”の文字が印刷されている。以下では、演出ボタンスイッチ39を演出ボタン39ともいう。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、規定枚数のメダルがベットされていなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の遊技を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、クレジットの上限値に達するまで貯留するようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓22内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、後述するフリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。
操作パネル部30の正面中央部には、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、有効になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効(受付可能な状態)となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効(受付られない状態)になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lのリール停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cのリール停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rのリール停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、全リールが回転を開始してから最初のストップスイッチの操作を第1停止操作といい、2番目の操作を第2停止操作といい、最後の操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された16個の図柄領域のうち表示窓22に停止表示される3つの図柄領域の各中心位置が、表示窓22内に設定された上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、メダルのベット受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダルのベット受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定枚数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作が有効となるまでの間とする。上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていたメダルの双方が払い戻されるようになっているが、例えば、ベットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことになったときに清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動してその小役に対応した枚数のメダルがクレジットに記憶または払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この画像表示装置70は、遊技履歴を表示したり、遊技中に表示される演出用画像、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像、スロットマシン本来の遊技の進行(メダルベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示することができる。画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、遊技によってメダルが払い出されやすい状態になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図2(a)に示すように16個の図柄が印刷されている。各図柄は、リールテープの長手方向において、16等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図2(b)に示すように、数字の7を赤、白および青色で表した「赤7」図柄、「白7」図柄および「青7」図柄と、“BAR”の文字が描かれた「バー」図柄と、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「15」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「15」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「15」の図柄が連続することになる。
[制御手段の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技に伴って実行される演出や各種情報を報知する制御を行う。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から何らかの情報が主制御手段100へ直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM、RWM、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、I/Oポートが1つのチップに構成されたものである。この主制御手段100は主制御基板とも呼ばれ、主制御手段100の機能を実現するための回路は一枚の基板上に構成されている。なお、図3において、図1に示した各部と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
乱数生成手段は、各種抽選を行う際に使用される乱数を生成し、タイマカウント手段は、CPUなどが作動するためのクロック信号の計数値に基づいて割込要求信号を生成する。また、I/Oポートは、操作手段300、ベット数表示ランプ26a〜26c、クレジット数表示器27、獲得枚数表示器28、ステッピングモータ42L,42C,42R、リール回転位置センサ44L,44C,44R、ブロッカ45、ホッパーモータ46、払出センサ47、ドアスイッチ48、設定ドアスイッチ49および外部集中端子基板84といった各部構成に対する信号の出力または各部構成からの信号を入力する。
ここで、ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。リール回転位置センサ44L,44C,44Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられているインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(換言すると、表示窓22に表示されている図柄)を認識することができる。
ホッパーモータ46は、メダル投入口32から投入されたメダルを貯留するメダルホッパー(図示略)に設けられ、主制御手段100から出力される駆動信号にしたがって貯留されているメダルをメダル払出口60から排出する。払出センサ47は、ホッパーモータ46が駆動することによってメダルホッパーから払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、スロットマシン10の内部に設けられたメダル投入口32からメダルホッパーへ至るメダル流路の途中に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。なお、メダル投入口32から投入されたメダルは、メダル流路の形成されているときはメダルホッパーに貯留され、メダル流路が形成されていない(解除されている)ときは、メダル払出口60から排出される。ドアスイッチ48は前述した前面扉の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。設定ドアスイッチ49は後述する設定値を設定するための設定変更キースイッチ92およびリセット/設定スイッチ93を開閉可能に覆っている設定ドアの開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置やホールコンピュータ対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。主制御手段100から外部へ送信される信号としては、遊技が行われる際にメダルがベットされたことを示すベット信号(IN信号)、遊技者にメダルが払い出されたことを示す払出信号(OUT信号)、後述する役抽選状態がBB中になったことを示す信号(BB信号)、第一種特別役物(後述する)が作動中であることを示す信号(RB信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)、および、後述するAT遊技が行われていることを示す信号(AT信号)がある。ここで、外部集中端子基板84は、上述した各種信号の内容を、ハイレベルを示す電位と、ローレベルを示す電位とによって表してもよいし、各種信号に対応するリレー回路を設けて、各リレー回路を開閉することで上述した各種信号の内容を表してもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、スロットマシン10の内部に設けられた電源スイッチ91、設定変更キースイッチ92およびリセット/設定スイッチ93を含む。電源スイッチ91はスロットマシン10に供給される電力をオン/オフするスイッチである。設定変更キースイッチ92は鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。リセット/設定スイッチ93はエラーが発生したときにそのエラー状態をリセットしたり、後述する設定値を変化させたりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。
<主制御手段の機能ブロック>
次に、主制御手段100の機能ブロックについて説明する。主制御手段100は、当選役決定手段110と、フリーズ制御手段120と、リール制御手段130と、遊技状態制御手段140と、入賞判定手段150と、操作順序判定手段160と、制御コマンド送信手段170と、外部信号送信手段180と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100を構成するROMに記憶された制御プログラムを、CPUによって実行することで実現されるものとする。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数発生手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)に基づく抽選によって当選役を決定する。そして、当選役に対応する図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されると、その当選役が入賞したことになって遊技者に特典が付与される。これにより、当選役決定手段110は、入賞ラインLに沿って停止表示されることを許容する図柄組合せを決定しているともいえる。ここで、スロットマシン10において、当選役に決定され得る役の種類と、各役に対応する図柄組合せとについて、図4を参照して説明する。
図4(a)は、役の種類と、各役に対応する図柄組合せを示す図である。役の種類には大別すると、特別役、再遊技役および小役があり、各役に応じて入賞したときに付与される特典の内容が異なっている。すなわち、特別役が入賞したときは、次の遊技から通常の遊技とは異なる特別遊技が開始される。再遊技役が入賞したときは、次の遊技に限って遊技媒体を投入せずに遊技(再遊技)を行うことができる。小役が入賞したときは、入賞した小役に対応して予め定められているメダル枚数が払い出される。
図4(a)において、特別役は「1BB」役、再遊技役は「リプレイ」役、「特殊リプレイ1」役、「特殊リプレイ2」役、「フリーズリプレイa」役および「フリーズリプレイb」役、小役は「チェリー01」役〜「チェリー04」役、「ベル01」役、「ベル02a」役〜「ベル02h」役、「ベル03」役、「ベル04a」役〜「ベル04d」役、「ベル05」役、「ベル06a」役〜「ベル06d」役、「ベル07」役、「ベル08」役、「ベル09a」役〜「ベル09d」役である。
なお、図4に示す図柄組合せのうち、「チェリー01」役〜「チェリー04」役に対応する図画を組合せにおける中リールの図柄「ANY」は、中リールの任意の図柄でよいことをしめしている。また、役抽選で当選役が定められなかった(すなわち、抽選結果がハズレになった)場合は、これら各役に対応する図柄組合せ以外の図柄組合せが入賞ラインLに揃うことになる。
そして、「1BB」役が入賞すると、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、所定の小役が当選役に定められる確率が上昇する1BB遊技が行われる。ここでは、1BB遊技が開始されると、所定の小役が入賞する確率が極めて高くなる第一種特別役物が作動し、この間に払い出されたメダル枚数が39枚を超えると1BB遊技が終了する。また、「特殊リプレイ1」役、「特殊リプレイ2」役、「フリーズリプレイa」役または「フリーズリプレイb」役が入賞した場合は、次の遊技で再遊技が行われる。また、「ベル01」役が入賞したときは8枚のメダルが払い出され、それ以外の小役が入賞したときは1枚のメダルが払い出される。
さらに「特殊リプレイ1」役、「特殊リプレイ2」役、「フリーズリプレイa」役または「フリーズリプレイb」役の入賞は、遊技状態の移行条件や、副制御手段200で実行される演出抽選の抽選契機にもなっている。すなわち、図4(b)に示すように、後述する役抽選の状態が「RT1」のときに「特殊リプレイ1」役に入賞すると、役抽選の状態が「RT2」へ移行する。また、役抽選の状態が「RT2」のときに「特殊リプレイ2」役に入賞すると、役抽選の状態が「RT3」へ移行する。さらに、「フリーズリプレイa」役または「フリーズリプレイb」役が入賞したときは、後述するように、副制御手段200において上乗せ演出Aを実行するか否かの抽選が行われる。
当選役決定手段110は、図4示した各役のうち、いずれの役を当選役とするかを抽選(以下、「役抽選」ともいう。)によって決定するものである。ここで、当選役決定手段110が行う役抽選の抽選対象について、図5を参照して説明する。この図に示すように、役抽選の抽選対象は18種類あり、各抽選対象には当選番号が付与されている。そして、抽選結果として「1BB」(当選番号「0」)が選択(導出)された場合は、「1BB」役が当選役となる。また、抽選結果として「リプレイ」(当選番号「1」)が選択された場合は、「リプレイ」役が当選役となる。
また、当選番号「2」〜「14」のいずれか選択された場合は、複数の小役が当選役に定められたことになる。例えば、当選番号「2」が選択された場合は、「ベル01」役、「ベル02a」役、「ベル03」役および「ベル04a」役が当選役となる。同様に、当選番号「3」〜「14」のいずれかが定められた場合は、定められた当選番号に対応して、図5の「当選役」欄に示されている4つの小役が当選役に定められる。当選番号「15」〜「17」のいずれか選択された場合は、複数の再遊技役が当選役に定められたことになる。すなわち、当選番号「15」が選択された場合は、「リプレイ」役と「特殊リプレイ1」役とが当選役となる。当選番号「16」が選択された場合は、「リプレイ」役と「特殊リプレイ1」役および「特殊リプレイ2」役とが当選役となる。当選番号「17」が選択された場合は、「フリーズリプレイa」役および「フリーズリプレイb」役が当選役となる。
なお、当選番号「1」〜「17」また、当選番号「1」〜「17」のいずれも選択されなかった場合は、抽選結果はハズレとなる。
次に、図5に示した各抽選対象(当選番号)の当選確率を定めた役抽選テーブルの内容について、図6を参照して説明する。この図に示す役抽選テーブルでは、各当選番号の当選確率を置数によって示している。すなわち、主制御手段100に含まれている乱数発生手段によって発生される乱数の数値範囲は0〜65535であるから、役抽選を行う際にサンプリングされる値は0を含めて65536通りとなる。そして、これら65536通りの値のうち、各当選番号が選択されたと判断される値の数を示したものが置数である。よって、各当選番号の当選確率は、対応付けられた置数を65536で割った値となる。
また、スロットマシン10には5つの役抽選状態が定められており、役抽選状態に応じて各当選番号の当選確率が異なっている。図6に示す役抽選テーブルでは、図7に示す様に、大別すると非内部中、内部中、BB中という役抽選状態があり、さらに非内部中にはRT1,RT2,RT3の3つの役抽選状態がある。図6に示す役抽選テーブルに示す様に、RT1とRT2とにおける当選確率を比較すると、当選番号「0」〜「14」までの当選確率は同じである。しかしながら、RT1では当選番号「16」が定められる可能性がなく、RT2では当選番号「15」および「17」が定められる可能性がない。
RT3においては、当選番号「0」および「2」〜「14」までの当選確率はRT1およびRT2と同じであるが、「リプレイ」役(当選番号「1」)の当選確率(約1/1.577)がRT1およびRT2と比べて著しく高くなっている。また、RT3においては、当選番号「15」,「16」が定められる可能性は無いが、当選番号「17」が定められる可能性はRT1およびRT2に比べて大幅に高くなっている。
内部中においては、小役(当選番号「2」〜「14」)の当選確率はRT1〜3と同じであるが、当選番号「0」が定められる可能性がない点が非内部中(RT1〜3)と大きく異なっている。BB中においては、当選番号「10」または「14」のいずれかして定められる場合はなく、しかもその可能性は極めて高くなっている。すなわち、当選番号「10」および「14」の置数の合計は65535であり、BB中の役抽選でハズレとなる確率は1/65536となる。
なお、スロットマシン10には、図6に示した役抽選テーブルを6種類記憶しており、各抽選テーブルには異なる当選確率が設定されている。これら6種類の役抽選テーブルのうち、役抽選で参照する役抽選テーブルは、前述した設定値によって指定される。すなわち、図3に示す設定変更キースイッチ92およびリセット/設定スイッチ93によって設定された設定値に対応する役抽選テーブルが使用される。一般に、設定値の値が大きい程、特別役、再遊技役または小役の当選確率が高く設定されている。
(フリーズ制御手段の説明)
フリーズ制御手段120は、遊技の進行を遅延(いわゆるフリーズ)させる。フリーズの発生契機としては、メダルの投入が可能な状態でのベットスイッチ34または35の操作時、規定枚数が投入されてからリールの回転が開始するまでのスタートスイッチ36の操作時、第1、第2、第3停止操作時または全リール停止時のいずれであってもよい。
フリーズ制御手段120は、フリーズの発生を許容するか否かを定める抽選(フリーズ抽選)を行い、許容されたことに基づいてフリーズ状態を発生させる。ここで、フリーズの発生が許容された場合は、許容されたフリーズを発生させてもよいし、フリーズの発生が許容された場合に、所定の発生条件を満たしたときにフリーズを発生させるようにしてもよい。フリーズ抽選の内容は、後述するリール演出状態がRE0か、RE1かによって異なっており、特にリール演出状態がRE1のときには、特定の抽選結果が定められた遊技において、後述する上乗せ演出に対応するフリーズ抽選が行われ、フリーズの発生が許容された場合は、所定の発生条件が満たされた場合に、フリーズを発生させる。
具体的には、役抽選で当選番号「17」が定められると、リール演出制御手段122は、上乗せ演出Aに対応するフリーズ抽選を行い、当該抽選に当選すると、発生条件として、中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左の4つの押し順の中から1つを押し順抽選によって決定する。そして、決定した押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、上乗せ演出Aに対応するフリーズを発生させる。なお、各々発生条件が異なるフリーズを複数用意しておき、フリーズの発生が許容された場合は、その後成立した発生条件に対応するフリーズを発生させてもよい。
また、フリーズ制御手段120はリール演出制御手段122を含み、リール演出制御手段122によって、フリーズ中にリール40L,40C,40Rを用いた演出(以下、「リール演出」ともいう。)を実行するか否かの制御も行う。ここで、リール演出制御手段122は、フリーズ中にリール演出を行うことを決定した場合は、リール演出の内容(各リール演出番号)を決定する。これにより、決定されたリール演出を実行するために、後述するリール制御手段130によってリール40L,40C,40Rの駆動制御が行われる。
リール演出中におけるリール40L,40C,40Rの駆動制御としては、従来のフリーズ中におけるメインリール(遊技の結果を定めるためのリール)の駆動制御や、演出用リールの駆動制御を適宜採用することができる。例えば、リールを通常回転とは逆方向に回転すること、リールを所定図柄数回転し特定の図柄組合せを停止すること、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リールの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリールの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートスイッチ、ベットスイッチ、ストップスイッチ、清算スイッチ)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止期間を短くする制御処理として、一時停止期間を強制終了すること、または、一時停止期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止期間を長くする制御処理として、一時停止期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技演出を行ってもよい。疑似遊技演出は、スタートスイッチが操作されたことに基づいたスタートスイッチ受付け処理からリール回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートスイッチの操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップスイッチの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートスイッチの操作に基づく役抽選処理やストップスイッチの操作に基づく入賞判定処理または払出し制御処理は行わない。
疑似遊技演出では、ストップスイッチが操作されたタイミング、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動きを行ってもよい。これにより、通常の遊技であるか疑似遊技演出であるかを示唆することができる。また、疑似遊技演出において、特定の図柄組合せが入賞ラインL上に揃った場合は、疑似遊技演出が終了して本来の遊技に戻る際に、特定の図柄組合せが入賞ラインL上に揃った時の各リール間の相対的な角度が維持されないようにするとよい。これを実現するには、例えば、各リールの回転開始タイミングをランダムに遅延させることが考えられる。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段130は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。すなわち、遊技者によってスタートレバー36が操作されたことに基づいてステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達すると、以下、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
このとき、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに16図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させるとすると、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×16(図柄)=4.053…図柄分が回動(スクロール)するまでにリールを停止させればよい。ただし、リール制御手段130は、ストップスイッチが操作されたときに表示窓22の中段Mを通過中の図柄は、中段Mに停止させない(すなわち、最大でほぼ1図柄分のマージンを設けている)。このため、ストップスイッチが操作されたときに、中段Mを通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、3つ上流側に位置する図柄までの、いずれかの図柄を中段Mに停止させることができる。ここで、「ストップスイッチが操作されたときに、中段Mを通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、3つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段130は、当選役決定手段110によっていずれかの当選番号が決定されたときは、その当選番号に対応する当選役の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、当選役の図柄組合せ構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
また、図5に示した当選番号「2」〜「13」および「15」〜「17」のいずれかが決定された場合は、複数の役が当選役に定められたことになる(当選番号「14」については後述する)。この場合、リール制御手段130は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順(操作順序)に応じて引込制御を行う対象となる役が定められている。例えば、図5に示す表の備考欄に記載しているように、役抽選で当選番号「2」または「3」が定められたときに、中→左→右の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、中→左→右以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「4」または「5」が定められたときに、中→右→左の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、中→右→左以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「6」または「7」が定められたときに、右→左→中の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、右→左→中以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「8」または「9」が定められたときに、右→中→左の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、右→中→左以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「10」または「11」が定められたときに、左→中→右の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、左→中→右以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「12」または「13」が定められたときに、左→右→中の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、左→右→中以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「ベル01」役以外の当選役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「15」が定められたときに、中→左→右または中→右→左の押し順(これらの押し順をまとめて「中押し」ともいう。)でストップスイッチが操作された場合は、「特殊リプレイ1」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、中押し以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「リプレイ」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「16」が定められたときに、右→左→中または右→中→左の押し順(これらの押し順をまとめて「右押し」ともいう。)でストップスイッチが操作された場合は、「特殊リプレイ2」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、右押し以外の押し順でストップスイッチが操作された場合は、「リプレイ」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「17」が定められたときに、左→中→右または左→右→中の押し順(これらの押し順をまとめて「左押し」ともいう。)でストップスイッチが操作された場合は、「リプレイ」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。これに対して、中押しの押し順でストップスイッチが操作された場合は、「フリーズリプレイa」役の図柄組合せが引込制御の対象となり、右押しの押し順でストップスイッチが操作された場合は、「フリーズリプレイb」役の図柄組合せが引込制御の対象となる。
役抽選で当選番号「14」が定められた場合は、ストップスイッチの押し順とは関わらず、前述した停止制御範囲内での引込制御が行われる。例えば、左リール40Lに関するリール停止制御は、左ストップスイッチ37Lの操作時に、停止制御範囲内に「チェリー」図柄があったときは、「チェリー」図柄を入賞ラインLに停止させるが、なければ他の図柄を入賞ラインLに停止させる。また、右リール40Rに関するリール停止制御は、右ストップスイッチ37Rが操作された時に、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「青7」図柄および「白7」図柄のうち、停止制御範囲内に存在していた図柄を入賞ラインLに停止させる。
(遊技状態制御手段の説明)
遊技状態制御手段140は、前述した役抽選状態およびリール演出状態を各移行条件に従って遷移させる。まず、役抽選状態については、図7に示すように、役抽選状態がRT1のときに、「特殊リプレイ1」役が入賞すると、RT2へ移行させる。また、役抽選状態がRT2のときに、「特殊リプレイ2」役が入賞すると、RT3へ移行させる。さらに、RT2またはRT3のいずれかにおいて「ベル01」役を取りこぼしたときは、RT1へ移行させる。ここで、「ベル01」役を取りこぼすとは、役抽選で当選番号「2」〜「13」のいずれかが当選したときに「ベル01」役が入賞しなかった場合のことをいう。
非内部中(RT1〜3のいずれか)のときに、当選番号「0」(「1BB」役)が当選すると役抽選状態は内部中に移行する。なお、役抽選で「1BB」役が当選したときは、いわゆるボーナスフラグの持ち越し中となり、「1BB」役が入賞するまで「1BB」役が当選した状態が保持される。そして、内部中のときに「1BB」役が入賞すると、役抽選状態はBB中に移行し、BB中に払い出されたメダルの枚数が39枚を超えると1BB遊技の終了条件が成立して、役抽選状態がRT1へ移行する。
リール演出状態については、図8に示すように、リール演出状態がRE0のときに、役抽選で「ベル01」役が当選した遊技で「ベル01」役が入賞することが2回連続すると、リール演出状態をRE0からRE1へ移行させる。すなわち、役抽選で「ベル01」役が当選した遊技で「ベル01」役が入賞し、その後に役抽選で「ベル01」役が最初に当選した遊技で「ベル01」役が入賞すると、RE1へ移行する。
また、リール演出状態がRE1のときに、役抽選で「ベル01」役が当選した遊技で「ベル01」役が入賞しなかったことが2回連続すると、リール演出状態をRE1からRE0へ移行させる。すなわち、役抽選で「ベル01」役が当選した遊技で「ベル01」役が入賞せず、その後に役抽選で「ベル01」役が最初に当選した遊技で「ベル01」役が入賞しなかった場合は、RE0へ移行する。
なお、リール演出状態の移行制御については、上述した移行条件の他に、たとえば、リール演出状態がRE0のときに、役抽選で所定の抽選結果(例えば当選番号「1」)となった場合、主制御手段100において複数の押し順の中から1つを抽選によって選択し、ストップスイッチが選択した押し順で操作されたことが2回連続したときに、RE0からRE1へ移行させるようにしてもよい。また、リール演出状態がRE1のときに、役抽選で所定の抽選結果(例えば当選番号「1」)となった場合、主制御手段100において複数の押し順の中から1つを抽選によって選択し、ストップスイッチが選択した押し順で操作されなかったことが2回連続したときに、RE1からRE0へ移行させるようにしてもよい。
また、詳しくは後述するが、副制御手段200は、リール演出状態がRE0のときに周期演出を実行し、RE1のときに上乗せ演出AまたはBを実行するか否かの演出抽選を行う。
(入賞判定手段の説明)
入賞判定手段150は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、特別役が入賞したと判定された場合は、次の遊技から1BB遊技が開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、小役が入賞した場合は、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。なお、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまで、現在のクレジット枚数に、入賞した小役に対応するメダル枚数を加算することによって行い、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
また、遊技状態制御手段140は、入賞判定手段150の判定結果に基づいて各種遊技状態の移行制御を行う。
(操作順序判定手段の説明)
操作順序判定手段160は、遊技者による第1〜第3停止操作が、各々左、中、右のいずれのストップスイッチに対して行われたのかを判定する。この判定結果に基づいて、リール制御手段130は、役抽選で当選番号「2」〜「13」および「15」〜「17」のいずれかが決定されたときに、引込制御の対象となる役を定める。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段170は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200への情報は、シリアル通信によって制御コマンドという形態で送信される。制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。図9および図10に、主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドのうち主要なものを示す。
図9および図10に示すように、第1および第2制御コマンドは16進法の数(16進数)で表されており、その他に、各コマンドの名称、コマンドが送信されるタイミング、コマンドを受信したときに副制御手段200で行われる処理の概要を示している。また、備考欄には主に第2制御コマンドとして送信される情報の内容を示している。なお、第2制御コマンドの値として「##」と表記しているものは、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が代入される。ただし、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が一桁だった場合は、その上位の桁には「0」が代入される。また、各制御コマンドを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
まず、図9において、「設定変更装置作動開始」コマンド(8038)は、スロットマシン10の前面扉とスロットマシン10の内部に設けられた設定ドアとが開放された状態で、設定キーがオンにされたまま、スロットマシン10の電源がオンされたときに送信される。副制御手段200はこの制御コマンドを受信すると、設定の変更操作が行われていることや、初期化処理を行っていることを図1に示した画像表示装置70や音声によって報知する。また、主制御手段100の初期化処理に伴って副制御手段200においても初期化処理が実行される。
「設定変更装置作動終了」コマンド(8001〜8006)は、係員などによってセットされた設定値の値(1〜6のいずれか)を副制御手段200へ送信する制御コマンドであり、下2桁の第2制御コマンド部分の数値がセットされた設定値の値を示している。この制御コマンドは、上述した係員などによってリセット/設定スイッチ93の操作により設定値が選択され、スタートスイッチ36の操作(設定値を確定する操作)が行なわれた後に設定変更キースイッチ92がオンからオフ(設定キー信号の立下りともいう)になったときに送信される。このコマンドを受信した副制御手段200は、遊技の待機状態になっていることを報知する。なお、設定値を変更しない場合には、リセット/設定スイッチ93の操作を行わず、スタートスイッチ36が操作された後の設定キー信号の立下りで送信することもできる。
「設定値指定」コマンド(8201〜8206)、「作動状態」コマンド(8401/8402/8404/8406)および「RT状態」コマンド(8500/8501)は、遊技が行われるごとに送信される制御コマンドである。「設定値指定」コマンドの第2制御コマンドはセットされている「設定値」の値であり、「作動状態」コマンドの第2制御コマンドは、これから行われる遊技が再遊技または1BB遊技(1種BB)のどちらであるかを示す情報である。「RT状態」コマンドの第2制御コマンドは、現在の役抽選状態が、内部中またはBB中、RT1、RT2、RT3のいずれであるかを示す情報である。
「清算開始」コマンド(8F02)は清算スイッチ33が操作されると送信され、「清算終了」コマンド(8F03)はクレジットされていたメダル枚数を全て払い出し終わると送信される。これにより、副制御手段200は、受信した制御コマンドに応じてメダルの払出開始音または払出終了音を発生する。「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンド(9001〜9003)および「メダル投入(1枚)」コマンド(9071)は、メダルがベットされたときに、その枚数に応じて送信される制御コマンドである。ここで、「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンドはベットスイッチ34または35が操作されたことを契機に、「メダル投入(1枚)」コマンドは、メダル投入口32にメダルが投入されたことを契機として送信される。これにより、副制御手段200は受信した制御コマンドによって示される枚数分のメダル投入音を発生する。
「リール回転開始受付」コマンド(9300〜9303)、「入賞・再遊技当選番号」コマンド(9500〜9534)および「役物当選番号」コマンド(9600/9601)は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機に送信される。ここで、「リール回転開始受付」コマンドは第2制御コマンドによって、遊技に投入されたメダル枚数(遊技者によって設定された賭数)が副制御手段200へ送信される。副制御手段200は、例えば後述するART遊技中に遊技者が獲得したメダルの合計枚数を表示している場合は、当該合計枚数から遊技に投入されたメダルの枚数を減算するなどの処理を行う。また、「入賞・再遊技当選番号」コマンドは、役抽選によって当選番号のいずれかが決定されたときに、対応する当選番号の値が第2制御コマンドとして送信される。また「役物当選番号」コマンドは、役抽選によって当選番号「0」が決定される(すなわち「1BB」役が当選する)と、第2制御コマンドの値が「1」となり、この値は「1BB」役が入賞するまで維持される。
なお、役抽選状態が非内部中(RT1〜3のいずれか)のときに、役抽選の結果がハズレになった場合は、「作動状態」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値が共に「0」となる。役抽選状態が内部中のときに、役抽選の結果がハズレになった場合は、「作動状態」コマンドの第2制御コマンドの値が共に「0」となり、「役物当選番号」コマンドの第2制御コマンドの値が「1」となる。これらの制御コマンドによって、副制御手段200は、役抽選の結果に応じた演出を行うことができる。
「リール演出状態」コマンド(97##)は、第2制御コマンドによって、現在のリール演出状態(図8参照。)と、フリーズ制御手段120によってフリーズの発生が許容されたか否かを示す情報を副制御手段200へ送信する。より具体的には、第2制御コマンドの上位4ビットの値が「0」であれば現在のリール演出状態がRE0であり、「1」であれば現在のリール演出状態がRE1であることを示している。また、上位4ビットの値が「2」であれば現在のリール演出状態がRE1であり、上乗せ演出Aに対応するフリーズの発生が許容された(すなわち、当選番号「17」が定められた時にフリーズ抽選に当選した)ことを示し、上位4ビットの値が「3」であれば現在のリール演出状態がRE1であり、上乗せ演出Bに対応するフリーズの発生が許容されたことを示している。
さらに、第2制御コマンドの上位4ビットの値が「2」(上乗せ演出Aに対応するフリーズの許容状態)のときは、下位4ビットの値によって、当該フリーズの発生条件を示す情報が含まれる。すなわち、図11(a)に示すように、発生条件として、下位4ビットの値が「0」のときは中→左→右の押し順を示し、「1」のときは中→右→左の押し順を示し、「2」のときは右→左→中の押し順を示し、「3」のときは右→中→左の押し順を示す。そして、下位4ビットの値で示された押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、発生条件がみたされたこととなり、フリーズ制御手段120によってフリーズが発生する。
なお、フリーズ時間が異なる複数のフリーズを発生可能に構成し、フリーズの発生が許容されたときは、満たされた発生条件に対応するフリーズを発生させるようにしてもよい。例えば、フリーズ状態になる時間が異なる2種類のフリーズを発生可能とした場合、フリーズ抽選に当選したときに各々のフリーズに対応する発生条件として、異なる押し順を抽選によって決定し、その結果を「リール演出状態」コマンドにおける第2制御コマンドの下位4ビットによって副制御手段200へ送信してもよい。
具体的には、図11(b)に示すように、第2制御コマンドの下位4ビットによって示される「0」〜「B」(16進法)の各々(全12通り)に対して、長時間フリーズと、短時間フリーズとに対する発生条件として、互いに異なる押し順を対応付けておく。そして、これらの発生条件の中から1つを抽選によって定め、その結果を第2制御コマンドの下位4ビットの値で副制御手段200へ送信することも可能である。
図9に戻り、「左リール回転停止」コマンド(987E)、「中リール回転停止」コマンド(997E)および「右リール回転停止」コマンド(9A87E)は、それぞれ対応するリールの停止制御を行うときに、副制御手段200へ送信される。これにより副制御手段200は、リールの背面に設けられたバックランプの消灯やいわゆるテンパイ音などを発生するなどして、入賞の期待感を高める演出を行う。
「リール回転開始待機」コマンド(9B00)は、前回の遊技でリールの回転が開始してから4.1秒(最小遊技時間)が経過した時に副制御手段200へ送信される。これにより副制御手段200は、ウエイト期間中に発生していた演出用の音声(ウエイト音)を停止させる。
「左リール停止受付」コマンド(9E00〜9E5D)は、左ストップスイッチ37Lが操作されたことを契機に副制御手段200へ送信され、第2制御コマンドとして、中段Mに停止させられる図柄番号(停止図柄番号:0〜15(16進法では0H〜EH))に「5」を乗じた値に滑りコマ数(0〜3)を加算した値が送信される。これにより副制御手段200において、受信した第2制御コマンドの値を「5」で割った値が停止図柄番号となり、その余りが滑りコマ数となる。また、停止図柄番号から滑りコマ数を引いた値は、ストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過している図柄番号(以下、「停止操作受付図柄番号」ともいう。)となる。
例えば、左リールの停止操作受付番号が「15」であって停止図柄番号が「1」であった場合、滑りコマ数は、1(停止図柄番号)−15(停止操作受付図柄番号)+16(補正値:1リール当たりの図柄数)=2(コマ)となる。これにより、第2制御コマンドの値は1×5+2=7となるから、この場合における「左リール停止受付」コマンドは9E08となる。また、副制御手段200は、当該制御コマンドを受信したこと契機に、出力していた演出の切り換えや停止操作受付音(ペナルティ音も含む)を出力する。また「左リール回転開始」コマンド(9E7F)は、左リール40Lが回転を開始するときに送信され、これにより副制御手段200は、リール回転開始時の演出音などを発生することができる。
なお、中リール40Cおよび右リール40Rについても左リール40Lと同様に、「中リール停止受付」コマンド(9F00〜9F5D)および「中リール回転開始」コマンド(9F7F)、並びに「右リール停止受付」コマンド(A000〜A05D)および「右リール回転開始」コマンド(A07F)が副制御手段200へ送信される。
次に図10において、「表示種類」コマンド(A400〜A402)および「図柄組合せ表示」コマンド(A500/A501)は、全リールの回転が停止したことを契機に副制御手段200へ送信される。「表示種類」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せの種類を副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが「特殊リプレイ1」役に対応していたときは01H、「特殊リプレイ2」役に対応していたときは02Hとなる。また、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが「特殊リプレイ1」役または「特殊リプレイ2」役のいずれにも対応していなかったときは00Hとなる。
「図柄組合せ表示」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが特別役または再遊技役に対応しているか否かを副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが「1BB」役に対応していた場合は01H、「リプレイ」役、「特殊リプレイ1」役、「特殊リプレイ2」役、「フリーズリプレイa」役または「フリーズリプレイb」役に対応していたときは02H、それら以外の役に対応していた場合、または、いずれの役にも対応していなかった場合は00Hとなる。
「遊技メダル払出開始」コマンド(A600〜A608)は、入賞ラインL上に小役に対応する図柄組合せのいずれかが停止表示された場合に払い出されるメダル枚数を第2制御コマンドの値(00H〜08H)によって副制御手段200へ送信する。「遊技メダル払出終了」コマンド(A67F)は、入賞ラインL上に小役に対応する図柄組合せのいずれかが停止表示され、メダルの払い出しが完了したときに副制御手段200へ送信される。「遊技終了表示」コマンド(A900)は1回の遊技が終了したときに副制御手段200へ送信され、「1種BB終了」コマンド(A900)は1BB遊技(1種BB)が終了したときに副制御手段200へ送信される。
「リール演出」コマンド(B500〜B503)は、リール演出手段122によって決定されたフリーズ中に実行するリール演出番号(リール演出の種類を示す情報)を第2制御コマンドの値によって副制御手段200へ送信する。ここで、リール演出の実行が決定されなかった場合は、第2制御コマンドの値は00Hとなり、リール演出の実行が決定された場合は、実行されるリール演出番号に応じた値(01H〜03H)となる。
(外部信号送信手段の説明)
図3に戻り、外部信号送信手段180は、主制御手段100において所定周期で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板84を介して、前述したIN信号、OUT信号、BB信号、RB信号、異常発生信号、スタート信号およびAT信号を外部へ出力する。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、CPU、ROM、RWM等を含んで構成され、主制御手段100から送信された制御コマンド、および十字キー38および演出ボタン39に対して行われた操作に基づいて、実行する演出を制御する副制御基板202と、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72などの演出手段を駆動する画像制御基板204とを含んで構成されている。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに応じて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技状態に応じて実行する演出を制御する手段であって、演出抽選手段212と、演出状態制御手段214と、報知演出制御手段216とを含んで構成されている。上述した遊技状態には、遊技者に有利な情報が所定期間、報知される有利状態(AT)と、当該有利な情報が報知されない通常状態とがある。ここで、「所定期間」は実行された遊技の回数、有利な情報が報知された回数、所定の役が当選した回数、所定の役が入賞した回数、メダルの払出枚数、純増枚数、または、いわゆるパンク抽選に当選するまで等、さまざまな条件によって規定することができる。また、「有利な情報」としては、役抽選で当選番号「2」〜「13」が定められたときは「ベル01」役が入賞する押し順(図5の「備考」欄参照。)、役抽選状態がRT1の場合において当選番号「15」が定められときは「特殊リプレイ1」役が入賞する押し順、役抽選状態がRT2の場合において当選番号「16」が定められときは「特殊リプレイ2」役が入賞する押し順がある(図5の「備考」欄参照。)。
演出制御手段210は、上述した有利状態および通常状態の各状態に応じた演出を制御する。具体的には、通常状態においては周期演出を制御し、有利状態においては上乗せ演出を制御する。以下に、周期演出および上乗せ演出の内容について概略的に説明する。
(a)周期演出
周期演出は、通常状態において、所定の遊技回数を演出周期とし、この演出周期内で演出内容が進行し終結する演出である。そして、図12に示すように、周期演出は、ステージA→分岐1→ステージB→分岐2→ステージC→ステージDという段階(周期演出状態)を経て進展して行き、ステージDで、通常状態が維持されるか有利状態へ移行するかの結果が報知される。そして、通常状態が維持された場合は新たな周期演出がステージAから開始される。また、有利状態へ移行したときは、当該有利状態が終了すると新たな周期演出がステージAから開始される。
ステージA〜Cの滞在期間は、ステージAおよびBが各々20ゲーム、ステージCが30ゲームである。また、分岐1、分岐2およびステージDの滞在期間は抽選によって3〜5ゲームの範囲で変動する。これにより、周期演出の周期は、70ゲーム+9〜15ゲームとなる。なお、周期演出中は一連のストーリが進展していく画像演出が実行され、次のステージまたは分岐へ移行するごとに画像演出のシーンが切り替わる演出が行われる。これにより、周期演出状態は遊技状態の一種ということができる。
また、ステージBには4つのモード(B1〜B4)があり、ステージCおよびステージDには、それぞれ5つのモード(C1〜C5、D1〜D5)がある。これらのモードはモードの値が大きい程、周期演出の最後に有利状態へ移行する可能性が高くなるように設定されている。したがって、モードも遊技状態の一種であるといえる。また、周期演出中に実行する画像演出の内容としては、例えば、モードの値の大きさに対応して、遊技者の期待感を高める演出を行うようにしてもよい。また、ステージB1〜B4のいずれに移行するのかは、ステージAの最終ゲームで行われる暫定ステージ抽選と、分岐1で毎ゲーム行われる暫定ステージ昇格抽選の結果に基づいて決定される。また、ステージC1〜C5のいずれに移行するのかは、ステージBの最終ゲームで行われる暫定ステージ抽選と、分岐2で毎ゲーム行われる暫定ステージ昇格抽選の結果に基づいて決定される。さらにステージD1〜D5のいずれに移行するのかはステージCの最終ゲームで行われる暫定ステージ抽選の結果に基づいて決定される。
そして、周期演出の最終ステージであるステージDにおいて、有利状態へ移行するか否かを決定する勝利フラグ抽選を実行し、当選すると次の遊技から有利状態へ移行することとなる。ここで、有利状態には通常ARTと特別ARTという2つの状態があり、ARTの状態が維持される期間は、通常ARTよりも特別ARTの方が長く設定されている。そして、ステージD1〜D3のいずれかに滞在している場合は、通常状態または通常ARTへ移行する可能性がある。ステージD4に滞在している場合は、通常ARTへ移行することが確定しているが、特別ARTへ移行できるチャンスもある。ステージD5に滞在している場合は、特別ARTへ移行することが確定している。
なお、ステージDにおいて、通常状態が維持された場合は次の遊技でステージAに移行し、通常ARTまたは特別ARTへ移行した場合は、各ARTの終了後にステージAへ移行する。また、通常状態(すなわち周期演出中)において、所定の遊技回数が行われてもARTへ移行しなかった場合は、一種の救済措置として、演出制御手段は210、強制的に通常ARTへ移行するように制御する。また、上述した所定の遊技回数に達したときの状況によっては、特別ARTへ移行する可能性もある。例えば、通常状態におけるゲーム数をカウントし、そのカウント値(天井ゲーム数(図14参照))が所定値(天井設定値(図14参照))以上になったと判断したときは、天井フラグ(図14参照)を「1」にする。そして、この状態でステージDへ移行したときに勝利フラグが「0」になっていた場合は、強制的に勝利フラグを「1」にする。
(b)上乗せ演出
有利状態において、遊技者に上述した所定期間(有利状態の継続期間)を延長するチャンスを付与する演出であり、上乗せ演出Aと上乗せ演出Bとが実施可能となっている。
(b−1)上乗せ演出A
上乗せ演出Aでは、全リールが停止した後に、遊技者に有利状態の継続期間を延長する機会(延長機会)が5回与えられ、各延長機会ごとに継続期間が延長される期間(延長期間)が遊技者に提示され、提示された延長期間の獲得に挑戦するか否かを、遊技者の意思によって選択させる。遊技者が延長期間の獲得に挑戦することを選択したときは、演出ボタン39の操作に応じて演出内容が変化するボタン操作演出を実行し、そのボタン操作演出の結果によって提示された延長期間を獲得できたか否かを遊技者に報知する。
その結果、延長期間を獲得できた場合は、遊技者は、次の延長機会に挑戦するか否かを選択することが可能となる。これに対して延長期間を獲得できなかった場合は、それまで獲得していた延長期間は無効にされる。また、遊技者が延長機会への挑戦を辞退した場合は、それまでに獲得していた延長期間が、有利状態が維持される残りの期間に加算される。
(b−2)上乗せ演出B
上乗せ演出Bでは、まず、スタートスイッチ36の操作を契機として、延長期間を決定する延長抽選と、当該延長抽選を引き続き実行するか否かを決定する継続抽選とを実行し、継続抽選にはずれるまで延長抽選が繰り返し行われる。そして、全リールが停止した後に、各延長抽選の結果を演出ボタン39の操作に応じて遊技者に報知する演出である。
次に、演出制御手段210に含まれる演出抽選手段212、演出状態制御手段214および報知演出制御手段216について説明する。
(1)演出抽選手段
演出抽選手段212は、通常状態においては、周期演出中に演出の展開を制御するための各種演出抽選を行い、有利状態においては、上乗せ演出AまたはBを実行するか否かを決定するための抽選や、各上乗せ演出において、有利状態の延長期間を決定するための抽選を行う。特に周期演出中は、演出の展開を制御するために多様な抽選を行う。このため、以下に図13および図14を参照して、周期演出中に演出抽選手段212が実行する演出抽選の内容について説明する。
(ア)分岐突入抽選
現在のステージに滞在する期間を短縮するか否かを決定する抽選である。この抽選は、設定値(1〜6のいずれか)、現在の滞在ステージ(A、B1〜B4、C1〜C5のいずれか)、高低状態(高確率状態または低確率状態)、リール演出番号(0〜3のいずれか。図10の「リール演出」コマンド参照。)および当選番号(0〜17のいずれか。図6参照。)に基づいて行われる。短縮することが決定された場合は、分岐突入フラグが「1」となり、短縮しないこと(現状維持)が決定された場合は、分岐突入フラグが「0」となる。分岐突入フラグが「1」になった場合は、ステージAに滞在していたときは次の遊技で分岐1へ移行し、ステージBに滞在していたときは次の遊技で分岐2へ移行し、ステージCに滞在していたときは次の遊技でステージDへ移行する。
(イ)高低抽選
遊技者に有利な結果に当選し易い状態(高確率状態)か、当選しにくい状態(低確率状態)かを決定する抽選である。この抽選は、設定値、高低状態および当選番号に基づいて行われる。この抽選によって決定された高低状態は、0(低確率状態)または1(高確率状態)の数値で表され、上述した分岐突入抽選、高低抽選、および後述する暫定ステージ昇格抽選および勝利フラグ抽選で参照される。
(ウ)暫定ステージ抽選1
ステージA、BまたはCに滞在中に、前述した分岐突入抽選で分岐突入フラグが「1」となったときに行われる抽選であり、設定値、現在の滞在ステージおよび当選番号に基づいて行われる。この抽選により、次のステージの移行先となるモードが暫定的に決定される。すなわち、分岐1、分岐2またはステージCから次のステージに移行する際に、そのときの暫定ステージによって示されるモードに移行する。
(エ)分岐ゲーム数抽選1
ステージA、BまたはCに滞在中に、前述した分岐突入抽選で分岐突入フラグが「1」となったときに行われる抽選であり、移行先(分岐1、分岐2またはステージD)の滞在ゲーム数を決定する抽選である。この抽選は、現在の滞在ステージ、現在の滞在ステージで行ったゲーム数(以下、「シナリオゲーム数」ともいう。)および現在の暫定ステージに基づいて行われる。またこの抽選の結果、分岐ゲーム数は3〜5ゲームのいずれかに決定される。なお、分岐ゲーム数が4または5ゲームに決定された場合、移行先である分岐1、分岐2またはステージDの4ゲーム目と5ゲーム目で、より有利な遊技状態へ移行するかもしれないという期待を、遊技者に持たせるための前兆演出が実行される。
(オ)暫定ステージ抽選2
ステージA、BまたはCの滞在期間の最後の遊技で行われる抽選であり、設定値および現在の滞在ステージに基づいて行われる。この抽選により、次のステージの移行先(B、CまたはD)となるモードが暫定的に決定される。
(カ)分岐ゲーム数抽選2
ステージCの滞在期間の最後の遊技で行われる抽選であり、移行先(ステージD)の滞在ゲーム数を決定する抽選である。この抽選は、現在の暫定ステージに基づいて行われ、抽選の結果、分岐ゲーム数は3〜5ゲームのいずれかに決定される。なお、分岐ゲーム数が4または5ゲームに決定された場合、移行先であるステージDの4ゲーム目と5ゲーム目で、より有利な遊技状態へ移行するかもしれないという期待を、遊技者に持たせるための前兆演出が実行される。
(キ)暫定ステージ昇格抽選
分岐1または分岐2に滞在しているときに、現在の暫定ステージによって示されるモードを、より有利なモードに移行させるか否かを決定する抽選である。この抽選は、設定値、現在の滞在ステージ(すなわち分岐1または分岐2)、高低状態、リール演出番号、当選番号に基づいて行われる。より有利なモードに移行させることが決定された場合は、現在のモードからどのモードへ昇格させるかも決定される。
(ク)勝利フラグ抽選
ステージD1〜D3の滞在中に実行される抽選であり、通常状態から通常ARTへ移行させるか否かを決定する。この抽選は、設定値、高低状態、現在の滞在ステージ、リール演出番号、当選番号に基づいて行われる。そして、通常ARTへの移行が決定された場合は、勝利フラグが「1」となり、通常ARTへの移行が決定されなかった場合(通常状態の維持)は、勝利フラグが「0」となる。
(ケ)勝利フラグ昇格抽選
ステージD4の滞在中に実行される抽選であり、通常ARTから特別ARTへ昇格させるか否かを決定する。この抽選は、リール演出番号と当選番号とに基づいて行われる。特別ARTへの昇格が決定された場合は、勝利フラグ昇格値が「1」となり、特別ARTへの昇格が決定されなかった場合(通常ARTのまま)は、勝利フラグ昇格値が「0」となる。
(2)演出状態制御手段
演出状態制御手段214は、現在の演出状態が通常状態と、有利状態(通常ARTまたは特別ART)との間の移行を制御する。すなわち、周期演出におけるステージDの最後の遊技で勝利フラグの値が「1」だった場合は、演出状態を通常ARTへ移行させる。また、勝利フラグの値が「2」だった場合は、演出状態を特別ARTへ移行させる。また、通常ARTの終了条件が成立した場合、または特別ARTの終了条件が成立した場合は、演出状態を通常状態に移行させる。
(3)報知演出制御手段
報知演出制御手段216は、有利状態になっているときに、主制御手段100から送信された「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた情報が、当選番号「2」〜「13」のいずれかであった場合は、「ベル01」役が入賞する押し順(図5の「備考」欄参照。)を報知する。また、有利状態において、役抽選状態がRT1になっているときに「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた情報が、当選番号「15」(「リプレイ重複1」)であった場合は、中押しの押し順を報知する。また、役抽選状態がRT2になっているときに「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドに含まれていた情報が、当選番号「16」(「リプレイ重複2」)であった場合は、右押しの押し順を報知する。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順にコマンドバッファに蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば16ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、スピーカ64L,64Rおよび演出用ランプ72を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板240が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70とスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70やスピーカ64L、64Rからは、正常に動作可能な状態であるか否かを示す正常動作信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常動作信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、(遊技の進行に伴い)破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
まず、主制御手段100において実行され、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理の内容について、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。図15に示す遊技進行メイン処理は、スロットマシン10の電源投入後に実行される各種チェック処理が行われた後に実行されるものであり、遊技進行メイン処理を繰り返し実行することで遊技の制御を行うことができる。
<遊技進行メイン処理の説明>
遊技進行メイン処理が開始されると、主制御手段100は、遊技開始セット処理を行う(ステップS10)。この遊技開始セット処理では、副制御手段200に対して、設定値を示す情報(「設定値指定」コマンド)、次に行われる遊技が再遊技または1BB遊技であるか否か示す情報(「作動状態」コマンド)、RT状態を示す情報(「RT状態」コマンド)が送信される。また、ブロッカ45(図3参照。)をオンにしてメダル流路を形成し、メダル投入口32からのメダル投入を有効にする。但し、次に行う遊技が再遊技の場合は、メダルの自動投入処理(例えばベット数表示ランプ26a,26b,26cを自動的に点灯させるなど)を行い、さらにクレジット枚数が上限値に達していた場合はブロッカ45をオフにして、メダル投入口32から投入されたメダルを受け皿62から返却する。
次に、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS12)。この処理としては、例えば、クレジット数表示器27の表示の更新処理、クレジット数の減算処理、メダル投入口32からのメダル投入に関する不正行為の判断処理、ベット数のカウント処理などを実行する。次に主制御手段100は、投入されたメダル枚数が規定数に達してスタートスイッチ36の操作を受け付けられる状態になるとスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断し(ステップS14)、操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS12の処理に戻る。
また、ステップS14の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、ブロッカ45をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にして、「リール回転開始受付」コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS16)。次に主制御手段100は、役抽選処理を行って抽選結果を「入賞・再遊技当選番号」コマンドおよび「役物当選番号」コマンドによって副制御手段200へ送信する(ステップS18)。次いで主制御手段100は、フリーズ抽選処理を行って、リール演出番号を決定するための抽選や、ART中において上乗せ演出AまたはBの実行を許容するか否かの抽選を行う(ステップS20)。また、特に上乗せ演出Aの実行を許容した場合は、実行条件となる押し順(図11(a)参照。)を抽選によって決定する。そして、主制御手段100は、「リール演出状態」コマンドおよび「リール演出」コマンドを副制御手段200に送信する。
そして、主制御手段100は、リール停止管理処理を行って(ステップS22)、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。ここで、スタートスイッチ36が操作された時に、前回の遊技でリールが回転してから4.1秒が経過していなかった場合は、4.1秒経過時に「リール回転開始待機」コマンドを副制御手段200へ送信する。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチに対応するリール回転停止コマンドを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は表示判定処理を行って(ステップS24)、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4に示した図柄組合せのいずれかに一致するか否かを判断する(ステップS24)。そして、主制御手段100は、表示判定処理の結果に基づいて「表示種類」コマンドおよび「図柄組合せ表示」コマンドを副制御手段200へ送信する。また、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、いずれかの小役の図柄組合せと一致していた場合は、ホッパーモータ46を駆動して、一致した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS26)。このとき、メダルの払い出しを開始する時に「遊技メダル払出開始」コマンドを副制御手段200へ送信し、メダルの払い出しが終了すると「遊技メダル払出終了」コマンドを副制御手段200へ送信する。
次に主制御手段100は、遊技終了チェック処理を行い(ステップS28)、役抽選で小役または再遊技役に当選した場合は、その当選状態をリセットする。また、図7に示した役抽選状態の移行条件や、図8に示したリール演出状態の移行条件に基づいて、役抽選状態およびリール演出状態の移行制御を行う。さらに、「1BB」役が入賞したときは外部集中端子基板84を介してBB信号およびRB信号をオンにし、リール演出状態がRE0からRE1へ移行したときは外部集中端子基板84を介してAT信号をオンにする。なお、BB信号およびRB信号をオンにした後は、1BB遊技が終了したときにオフにし、AT信号をオンにした後は、リール演出状態がRE1からRE0へ移行したときにオフにしてもよい。
さらに、主制御手段100は、副制御手段200に対して「遊技終了表示」コマンドを送信し、「BB中」であれば、1BB遊技の終了条件(39枚を超えるメダルの払い出し)が成立したときに「1BB終了」コマンドも副制御手段200へ送信する。
以上の処理によって1回の遊技が終了し、再びステップS10の処理に戻って次の遊技のための処理を実行する。
<タイマ割込処理の説明>
主制御手段100によって遊技を制御する上で重要な処理として、図15に示した遊技進行メイン処理の他に、所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理がある。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、図3に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。以下、図16に示すフローチャートを参照して、上述したタイマ割込処理の内容について説明する。
主制御手段100は、チップ内に設けられているタイマカウント手段から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されると、図16に示すタイマ割込処理を開始する。まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS100)。例えば、CPUのレジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力されている電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS102)。なお、この電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路から出力されているものとする。主制御手段100が、電源断が検出された(YES)と判断したときは、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS104)。この電源断処理では、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を「1」にセットし、RWMのチェックサムを算出して、その結果を不揮発性メモリに記憶する。また、RWM内の各フラグの値を、CPUのレジスタおよびスタックポインタの値と共に不揮発性メモリに保存した後、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS102の判断処理で電源断が検出されなかった(NO)と主制御手段100が判断した場合は、各種制御を行う際に参照される各種制御用カウンタの値を更新し(ステップS106)、所定時間を計時するために汎用的に利用される計時タイマの計数値を更新する(ステップS108)。そして、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28の表示内容を更新するための7セグ表示制御を行い(ステップS110)、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々格納する(ステップS112)。
次に主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々に対してリール駆動管理処理を実行する(ステップS114)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行うと(ステップS116,YES)、主制御手段100は、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号などを、内部の出力ポートから出力する(ステップS118)。次に主制御手段100は、RWM内に設定されている制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS120)。
そして、主制御手段100は、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する各種信号(IN信号、OUT信号、BB信号、RB信号、異常発生信号、スタート信号およびAT信号など)の出力処理を行い(ステップS122)、役抽選などに使用する乱数の値を更新する(ステップS124)。さらに主制御手段100は、ステップS100の初期処理によってRWMの所定アドレスに格納していたレジスタの値や各種フラグの状態を元に戻す復帰処理を行って(ステップS126)、図16のタイマ割込処理を終了する。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
次に、副制御手段200で実行される各種処理の内容について説明する。まずスロットマシン10の電源が投入されると、副制御手段200は図17に示すサブ電源投入処理を実行する。
<サブ電源投入処理の説明>
まず、副制御手段200はサブ電源投入処理の実行中は、副制御手段200によるタイマ割込処理の実行を禁止する処理を行った後(ステップS300)、副制御手段200のCPUおよびRWMなどの初期化処理を行う(ステップS302)。そして、RWMのチェックサムを算出し、前回の電源遮断時に算出され、外部の不揮発性メモリに記憶されていた同じRWMのチェックサムの算出結果と比較し、両者が一致するか否かを判断する(ステップS304)。そして、双方のチェックサムの値が一致しなかった(NO)と判断したときは、副制御手段200は、副制御手段200が内蔵するRWMの記憶内容をクリアして(ステップS306)、図18を参照して説明するサブ−メインルーチン処理を実行する。
また、ステップS304の判断処理で、副制御手段200が、双方のチェックサムの値が一致した(YES)と判断したときは、副制御手段200は、完全復帰をすべきか否かを判断する(ステップS308)。ここで、副制御手段200は、後述するサブ−メインルーチン処理における1コマンド処理を行っているときに電源の遮断が発生したときは、再び電源が投入されたときに、電源遮断時に行っていた処理から再開するために、その時点における各種情報(CPUのレジスタや各種フラグの状態を示すデータ)を外部の不揮発性メモリに保存する電源遮断処理を行っている。また、前回の電源遮断時に、この電源遮断処理を行ったか否かを示す電断処理フラグも外部の不揮発性メモリに保存している。したがって、ステップS308に示す判断処理は、外部の不揮発性メモリに保存されていた電断処理フラグの値が、上述した電源遮断処理を行ったことを示している場合は完全復帰を行う(YES)と判断し、示していなかった場合は完全復帰を行わない(NO)と判断する。
ステップS308の判断処理で、副制御手段200が完全復帰する(YES)と判断したときは、前回の電源遮断時に行っていた1コマンド処理から処理を再開する。これに対して、完全復帰しない(NO)と判断したときは、次に説明するサブ−メインルーチン処理を実行する。
<サブ−メインルーチン処理の説明>
サブ−メインルーチン処理が開始されると、副制御手段200は、ウォッチドッグタイマの値をクリアしてから(ステップS310)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させる(ステップS312)。このウォッチドッグタイマは、以下に説明する処理(ステップS314〜S320)にかかる時間が16ミリ秒を超えた場合、異常が発生したことを知らせるためのものである。そして、副制御手段200は、タイマ割込処理の実行が禁止されていた場合は、タイマ割込処理の実行を許可し(ステップS314)、予め定められた周期ごとに実行するように定められていた処理を行う(ステップS316)。ここで、本実施形態では、上述した「予め定められた周期」が16ミリ秒であるため、以下の説明では、ステップS316の処理を「16ミリ秒毎処理」と称する。この16ミリ秒毎処理には、例えば、画像表示装置70やアンプが正常に作動しているか否かのチェック、電源が投入されてからの経過時間の計時、画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンドの送信準備処理、後述する演出ボタン39の押下判定処理などが含まれている。
16ミリ秒毎処理を行うと、次に副制御手段200は、主制御手段100から送信された制御コマンドをコマンドバッファから読み出して、当該制御コマンドに基づいて、各種演出を制御するための処理(1コマンド処理)を行う(ステップS318)。そして、ステップS320の処理でウォッチドッグタイマの動作を開始させてから16ミリ秒が経過したか否かを判断する(ステップS320)。そして、16ミリ秒が経過していない(NO)と判断したときは、再びステップS318へ移行してコマンドバッファに蓄積されていたコマンドを読み出し、当該制御コマンドに基づく1コマンド処理を行う。そして、16ミリ秒が経過するまで繰り返しステップS318の1コマンド処理を行い、16ミリ秒が経過すると、ステップS320の判断結果がYESとなって、ステップS310の処理に戻る。
このように、副制御手段200は上述したサブ−メインルーチン処理を繰り返し実行することで、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づく演出制御処理を行っている。
<周期演出処理の説明>
次に図19〜図25に示すフローチャートを参照し、上述した周期演出を実現するために、副制御手段200によって実行される周期演出処理の内容について説明する。ここで、図19および図20に示す周期演出処理は、スタートスイッチ36が操作されたことを契機として実行される処理である。すなわち、図18に示したサブ−メインルーチン処理のうち、ステップS318の1コマンド処理において、スタートスイッチ36の操作を契機として主制御手段100から送信される制御コマンドに基づく処理を行う際に実行される。また、図21〜図25に示す周期演出処理は、全てのリールが停止したことを契機として実行される処理である。すなわち、図18に示したサブ−メインルーチン処理のうち、ステップS318の1コマンド処理において、全リール停止時に主制御手段100から送信される制御コマンドに基づく処理を行う際に実行される。
なお、具体的にどの制御コマンドを受信したときに周期演出処理を行うのかについては、主制御手段100から送信される制御コマンドの順序に応じて適宜定めればよいが、少なくとも各周期演出処理の開始時には、その周期演出処理で参照される情報(制御コマンドに含まれている情報)をすべて受信している必要があることはいうまでもない。
(1)スタートスイッチ36の操作を契機として行う処理(図19、図20)
副制御手段200は、図19に示す周期演出処理を開始すると、まず、現在、非AT中であるか否かを判断する(ステップS500)。ここでは、主制御手段100から受信した「リール演出状態」コマンドに含まれているリール演出状態がRE0(第2制御コマンドの上位4ビットの値が「0」)であれば非AT中である(YES)と判断され、リール演出状態がRE1(第2制御コマンドの上位4ビットの値が「1」〜「3」のいずれか)であればAT中である(NO)と判断される。そして、副制御手段200がAT中であると判断したときは、後述する上乗せ演出開始処理(図26参照)を実行する(ステップS502)。なお、AT中か、非AT中かの判断は、主制御手段100から送信されたリール演出状態に基づかず、副制御手段200において、独自に判断してもよい。図12に示す周期演出の状態遷移図において、通常ARTまたは特別ARTに滞在している期間をAT中とし、それ以外の状態(通常状態)の期間を非AT中としてもよい。
これに対して、ステップS500の判断処理において、非AT中である(YES)と判断したときは、RWMに記憶されているペナルティフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS504)。このペナルティフラグは、遊技者が予め定められているペナルティ行為を行うとオンにされるフラグであり、本実施形態では、ストップスイッチ37L,37C,37Rが変則押し(すなわち、中押しまたは右押し)を指示する押し順報知が行われていないときに、遊技者が変則押しをするとペナルティフラグがオンにされる(後述する)。
副制御手段200は、ステップS504の判断処理でペナルティフラグがオンになっている(YES)と判断すると、周期演出処理を終了して、周期演出を進展させないようにする。これに対して、ペナルティフラグがオフになっている(NO)と判断すると、RWMに記憶されている天井ゲーム数の値に1を加算する(ステップS506)。そして、1を加算した後の天井ゲーム数の値が天井設定値以上になっており、かつ、RWMに記憶されている天井フラグがオフになっているか否かを判断する(ステップS508)。
天井ゲーム数の値が天井設定値以上で、かつ、天井フラグがオフであれば、ステップS508の判断結果はYESとなって、天井フラグをオンにして(ステップS510)、現在の周期演出状態がステージD(より正確にはD1〜D5のいずれか)であるか否かを判断する(ステップS512)。なお、ステップS508の判断処理で、天井ゲーム数の値が天井設定値未満か、または、天井フラグがオンになっていたときは、判断結果がNOになって、ステップS510の処理を行わずにステップS512の判断処理を行う。副制御手段200は、ステップS512の判断処理で、現在の周期演出状態がステージDではない(NO)と判断したときは、次に、現在の周期演出状態が分岐1または分岐2であるか否かを判断する(ステップS514)。そして、副制御手段200が、現在の周期演出状態がステージA,B1〜B4またはC1〜C5のいずれかであると判断した場合は、判断結果がNOとなって、以下に示すステージA、BまたはCにおける処理を行う。
(1−1)ステージA,B,Cにおける処理
まず、副制御手段200は、RWMに記憶されているシナリオゲーム数の値に1を加算した後(ステップS516)、分岐突入抽選(図13,ア参照)を行う(ステップS518)。この分岐突入抽選は、役抽選で特定の当選番号が定められた場合にのみ行ってもよい。また、特定の当選番号は複数であってもよく、定められる確率が低い当選番号ほど、分岐突入フラグがオンになる確率を高く設定してもよい。
次に副制御手段200は、高低抽選(図13,イ参照)を行い(ステップS520)、分岐突入フラグが0(オフ)になっているか否かを判断する(ステップS522)。分岐突入フラグが1(オン)になっていると判断したときは、判断結果がNOとなって、図13に示した暫定ステージ抽選1を行う(ステップS524)。この暫定ステージ抽選1では、次に移行するステージのモードが暫定的に定められる。すなわち、暫定ステージ抽選1によって定められたモードは確定したものではなく、分岐1または分岐2で行われる暫定ステージ昇格抽選によって、遊技者により有利なモードに昇格する可能性がある。暫定ステージ抽選1によって、現在の周期演出状態がステージAだった場合は、ステージB1〜B4のいずれかに暫定的に定められる。また、現在の周期演出状態がステージBだった場合は、ステージC1〜C5のいずれかに暫定的に定められる。また、現在の周期演出状態がステージCだった場合は、ステージD1〜D5のいずれかに暫定的に定められる。また、暫定ステージ抽選1では、役抽選によって定められる確率が低い当選番号であるほど、より高いモードに移行する確率を高くしてもよい。
次に副制御手段200は、現在の周期演出状態がステージC(より正確にはC1〜C5のいずれか)であるか否かを判断し(ステップS526)、ステージCである(YES)と判断したときは、現在のシナリオゲーム数を調整する処理を行う。この調整は、後述するステップS536で行う分岐ゲーム数抽選1で、シナリオゲーム数が参照されるためである(図13,エ参照)。すなわち、ステージC中に分岐突入抽選によって分岐突入フラグがオンにされた場合は、その時点におけるステージCの残りゲーム数が多いか少ないかによって、分岐ゲーム数抽選1の抽選結果(ステージDの滞在ゲーム数)を異ならせるために行われる。なお、ステージDの滞在ゲーム数が長くなった場合は、ステージDで実行される勝利フラグ抽選(図20のステップS572)、または勝利フラグ昇格抽選(図20のステップS578)について、より多くの抽選機会が得られることになるので、遊技者に有利となる。
ステップS526の判断結果がYESとなった場合は、まず、現在のシナリオゲーム数が10以下であるか否かを判断し(ステップS528)、10以下である(YES)と判断したとき場合は、現在のシナリオゲーム数を1にする(ステップS530)。これに対して、ステップS528の判断処理で、現在のシナリオゲーム数が11以上である(NO)と判断したときは、現在のシナリオゲーム数から11を減算する(ステップS532)。そして、上述したステップS528〜S532の処理を終えると、副制御手段200は、分岐ゲーム数抽選1(図13,カ参照)を行い(ステップS534)、図19の周期演出処理を終了する。
これに対して、ステップS526の判断処理で、現在の周期演出状態がステージCではない(NO)と判断したときは、ステップS528〜S532の処理を行わず、ステップS534で分岐ゲーム数抽選1を行った後、図19の周期演出処理を終了する。
前述したステップS522の処理で、分岐突入フラグが0(オフ)であると判断したときは、次に副制御手段200は、現在のシナリオゲーム数が最大値になっているか否かを判断する(ステップS536)。ここで、現在の周期演出状態がステージAまたはBであればシナリオゲーム数の最大値は20、ステージCであればシナリオゲーム数の最大値は30となる。そして、現在のシナリオゲーム数が最大値になっていない(NO)と判断したときは、ただちに図19の周期演出処理を終了する。
これに対して、シナリオゲーム数が最大値になっている(YES)と判断したときは、暫定ステージ抽選2(図13,オ参照)を行う(ステップS540)。すなわち、シナリオゲーム数のカウント値が所定値になると、前述した暫定ステージ抽選1と同様に、次のステージにおけるモードを暫定的に定めるための抽選(遊技状態に関する抽選)を行う。そして、現在の周期演出状態がステージC(より正確にはC1〜C5のいずれか)であるか否かを判断し(ステップS540)、ステージCである(YES)と判断したときは、分岐ゲーム数抽選2(図13,カ参照)を行った後(ステップS542)、図19の周期演出処理を終了する。これに対して、ステージAまたはBである(NO)と判断したときは、分岐ゲーム数を3にして(ステップS544)、図19の周期演出処理を終了する。
(1−2)分岐1または分岐2における処理
副制御手段200が、前述したステップS516の判断処理において、現在の周期演出状態が分岐1または分岐2である(YES)と判断したときは、ステップS534、S542またはS544の処理によって決定された分岐ゲーム数の値から1を減算し(ステップS546)、暫定ステージ昇格抽選(図13,キ参照)を行って昇格値を決定する(ステップS548)。そして、暫定ステージ抽選1または2(ステップS524またはS538)によって決定された暫定ステージの値に昇格値を加算して(ステップS550)、次に移動するステージの上限値を超えた場合は、上限値に戻す処理を行う(ステップS552)。ここで、暫定ステージがステージB(分岐1中)を意味するときは、暫定ステージの上限値は3となる。また暫定ステージがステージCまたはDを意味するときは、暫定ステージの上限値は4となる。
例えば、ステージAで実施された暫定ステージ抽選によって、暫定ステージの値が1に決定された場合、暫定ステージはステージB2であることを意味する(図13,ウまたはオ参照)。このとき、暫定ステージ昇格抽選によって昇格値が3となったとすると、ステップS550の処理によって暫定ステージの値は4となり、上限値(この場合は「3」)を超えるため、ステップS552処理により暫定ステージの値が3(すなわち、ステージB4)にされる。
また、例えば、ステージBで実施された暫定ステージ抽選によって、暫定ステージの値が3に決定された場合、暫定ステージはステージC4であることを意味する(図13,ウまたはオ参照)。このとき、暫定ステージ昇格抽選によって昇格値が2となったとすると、ステップS550の処理によって、暫定ステージの値は5となり、上限値(この場合は「4」)を超えるため、ステップS552の処理により、暫定ステージの値は4(すなわち、ステージC5)となる。
そして、副制御手段200は、ステップS552の処理を行うと、高低抽選(図13,イ参照)を行ってから(ステップS554)図19の周期演出処理を終了する。
(1−3)ステージDにおける処理
副制御手段200が、前述したステップS512の判断処理において、現在の周期演出状態がステージDである(YES)と判断したときは、最終ステージ処理を行う(ステップS556)。ここで、図20に最終ステージ処理のフローチャートを示す。
図20において、副制御手段200は、図19のステップS534の分岐ゲーム数抽選1またはS542の分岐ゲーム数抽選2によって決定された分岐ゲーム数から1を減算する(ステップS560)。そして、RWMに記憶されている天井フラグが1(オン)であり、かつ、勝利フラグの値が0であるか否かを判断する(ステップS562)。天井フラグがオンで、かつ勝利フラグの値が0である(YES)と判断したときは、勝利フラグの値を1にしてから(ステップS560)、現在の滞在ステージがD5であるか否かを判断する(ステップS566)。これに対して、ステップS562の判断処理で、天井フラグがオフ、または勝利フラグの値が0でない(NO)と判断したときは、直ちにステップS566の判断処理を行う。
ステップS566の判断処理で、現在の滞在ステージがD5でない(NO)と判断したときは、次に、現在の滞在ステージがD4であるか否かを判断する(ステップS568)。ここで、副制御手段200が現在の滞在ステージがD4でない(NO)と判断したときは、現在の滞在ステージはD1〜D3のいずれかとなり、副制御手段200は以下の処理を行う。
(1−3−1)ステージD1〜D3のときの処理
まず、RWMに記憶されている勝利フラグの値が0(オフ)であるか否かを判断し(ステップS570)、勝利フラグの値が0である(YES)と判断した場合は、勝利フラグ抽選(図13,ク参照)を行う(ステップS572)。これにより、勝利フラグの値が0か1となり、勝利フラグの値が0のときは通常状態が維持され、勝利フラグの値が1になった場合は通常ARTへ移行することになる。これにより、ステージD1〜D3のときは、勝利フラグ抽選の結果に応じて通常状態が維持されるか、または通常ARTへ移行することになる。そして、副制御手段200は高低抽選を行って(ステップS574)、周期演出処理を終了する。なお、ステップS570の判断処理で勝利フラグの値が1である(NO)と判断したときは、直ちにステップS574の高低抽選を行い、その後、周期演出処理を終了する。
(1−3−2)ステージD4のときの処理
上述したステップS568の判断処理で、現在の滞在ステージがD4である(YES)と判断したときは、次に勝利フラグの値が1であるか否かを判断する(ステップS576)。勝利フラグの値が1になっている(YES)と判断したときは、勝利フラグ昇格抽選(図13,ケ参照)を行い(ステップS578)、決定された昇格値(0または1)を勝利フラグの値(1)に加算する(ステップS580)。これにより、ステージD4のときは、勝利フラグ昇格抽選結果、その後、副制御手段200は、ステップS574の高低抽選を行い、その後、周期演出処理を終了する。
(1−3−3)ステージD5のときの処理
前述したステップS566の判断処理において、副制御手段200が現在の滞在ステージがD5である(YES)と判断したときは、直ちにステップS574の高低抽選を行い、その後、周期演出処理を終了する。
(2)全リールの停止を契機として行う処理(図21〜図25)
次に、全リールが停止したことを契機として実行される周期演出処理について説明する。この場合、副制御手段200は例えば、図10に示した「表示種類」コマンドを受信したときに、図21の処理を開始する。まず、現在、非AT中であるか否かを判断し(ステップS590)、AT中である(YES)と判断したときは、後述する上乗せ演出実行処理(図28参照)を実行する(ステップS592)。
これに対して、ステップS590の判断処理において、非AT中である(YES)と判断したときは、遊技者によってペナルティ行為が行われたか否かを判断する(ステップS594)。ここで、ペナルティ行為は、前述した通り、ストップスイッチ37L,37C,37Rが変則押し(すなわち、中押しまたは右押し)を指示する押し順報知が行われていないときに、遊技者が変則押しをする行為である。
そして、ペナルティ行為が行われた(YES)と判断したときは、RWMに記憶されているペナルティフラグを1(オン)にした後(ステップS596)、ペナルティゲーム数の値を5に設定して(ステップS598)、図21の周期演出処理を終了する。前述したように、ペナルティフラグがオンになっている間は周期演出が進展せず、この状態はペナルティゲーム数が0になるまで維持される。
ステップS594の判断処理において、ペナルティ行為が行われなかった(NO)と判断したときは、次に副制御手段200は、ペナルティフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS600)。ペナルティフラグがオンになっている(YES)と判断としたときは、RWMに記憶されているペナルティゲーム数の値から1を減算し(ステップS602)、その値が0以下になったか否かを判断する(ステップS604)。ペナルティゲーム数の値が0以下である(YES)と判断したときは、ペナルティゲーム数の値を0にした後(ステップS606)、ペナルティゲーム数の値が0であり、かつ、リール演出状態がRE0(「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドにおける上位4ビットの値が0)であるか否かを判断する(ステップS608)。なお、ステップS604の判断処理で、ペナルティゲーム数の値が1以上である(NO)と判断したときは、ただちにステップS608の判断処理を行う。
ステップS608の判断処理において、ペナルティゲーム数の値が0で、かつ、リール演出状態がRE0である(YES)と判断したときは、副制御手段200はRWMに記憶されているペナルティフラグを0(オフ)にして(ステップS610)、図21の周期演出処理を終了する。これに対して、ペナルティゲーム数の値が1以上またはリール演出状態がRE1である(NO)と判断したときは、副制御手段200はそのまま図21の周期演出処理を終了する。
前述したステップS600において、副制御手段200が、ペナルティフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図14に示す「滞在ステージ」の値に基づいて現在の周期演出状態(ステージA〜Dのいずれか、または分岐1若しくは分岐2)を判断し、各周期演出状態に応じた処理を行う。すなわち、現在の周期演出状態がステージAまたはBのとき(ステップS612,YES)は、図22に示すステージA/B処理を行い(ステップS614)、現在の周期演出状態が分岐1または分岐2のとき(ステップS612(NO)→S616,YES)は、図23に示す分岐1/分岐2処理を行い(ステップS618)、現在の周期演出状態がステージCのとき(ステップS620,YES)は、図24に示すステージC処理を行い(ステップS622)、現在の周期演出状態がステージDのとき(ステップS620,NO)は、図25に示すステージD処理を行う(ステップS624)。そして、各周期演出状態に応じた処理を行うと、図21の周期演出処理を終了する。
(2−1)ステージA/B処理(図22)
副制御手段200は、図21のステップS612の判断処理で、現在の周期演出状態がステージAまたはBである(YES)と判断したときは、図22に示すステージA/B処理を実行する。まず、副制御手段200は、役抽選でフリーズリプレイ(当選番号「17」)が決定されたか否かを判断する(ステップS630)。フリーズリプレイが決定されなかった(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に分岐突入フラグが1(オン)または現在のシナリオゲーム数の値が20になったか否かを判断する(ステップS632)。そして、分岐突入フラグが0(オフ)または現在のシナリオゲーム数の値が20になっていない(NO)と判断したときは、そのまま図22のステージA/B処理を終了する。
これに対して、ステップS632の判断処理で、分岐突入フラグがオンまたは現在のシナリオゲーム数の値が20になった(YES)と判断したときは、現在の周期演出状態に応じて分岐1または分岐2へ移行する処理を行う。すなわち、現在の周期演出状態がステージAであると判断したときは(ステップS634,YES)分岐1へ移行し(ステップS636)、現在の周期演出状態がステージBであると判断したときは(ステップS644,NO)分岐2へ移行する(ステップS638)。そして、分岐1または分岐2へ移行するとRWMに記憶されているシナリオゲーム数の値を0にして(ステップS640)、図22のステージA/B処理を終了する。ここで、ステップS640の処理は、次のステージ(ステージBまたはC)におけるシナリオゲーム数の初期値をセットしているともいえる。
なお、ステップS630の判断処理において、役抽選でフリーズリプレイが決定された(YES)と判断したときは、次の遊技からAT遊技を開始するための処理を行う(ステップS642)。そして、ステップS640の処理へ移行してシナリオゲーム数の値を0にしてから、図22のステージA/B処理を終了する。
(2−2)分岐1/分岐2処理(図23)
副制御手段200は、図21のステップS616の判断処理で、現在の周期演出状態が分岐1または分岐2である(YES)と判断したときは、図23に示す分岐1/分岐2処理を実行する。まず、副制御手段200は、役抽選でフリーズリプレイ(当選番号「17」)が決定されたか否かを判断する(ステップS650)。フリーズリプレイが決定されなかった(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に分岐ゲーム数が0になったか否かを判断する(ステップS654)。
ステップS654の判断処理で、分岐ゲーム数が0になっていない(NO)と判断したときは、そのまま図23の分岐1/分岐2処理を終了する。これに対して、分岐ゲーム数が0になった(YES)と判断したときは、現在の周期演出状態が分岐1か分岐2かによって、RWMに記憶されている暫定ステージの値(図14参照)に基づいて移行先となるステージのモードを決定する。すなわち、現在の周期演出状態が分岐1であれば(ステップS656,YES)、暫定ステージの値が0のときはステージB1へ移行し(ステップS658(YES)→S660)、暫定ステージの値が1のときはステージB2へ移行し(ステップS658(NO)→S662(YES)→S664)、暫定ステージの値が2のときはステージB3へ移行し(ステップS658およびS662(NO)→S666(YES)→S668)、暫定ステージの値が3のときはステージB4へ移行する(ステップS658、S662およびS666(NO)→S670)。
また、現在の周期演出状態が分岐2であれば(ステップS656,NO)、暫定ステージの値が0のときはステージC1へ移行し(ステップS672(YES)→S674)、暫定ステージの値が1のときはステージC2へ移行し(ステップS672(NO)→S676(YES)→S678)、暫定ステージの値が2のときはステージC3へ移行し(ステップS672およびS676(NO)→S680(YES)→S682)、暫定ステージの値が3のときはステージC4へ移行し(ステップS672、S676およびS680(NO)→S684(YES)→S686)、暫定ステージの値が4のときはステージC5へ移行する(ステップS672、S676、S680およびS684(NO)→S688)。
なお、ステップS650の判断処理において、役抽選でフリーズリプレイが決定された(YES)と判断したときは、次の遊技からAT遊技を開始するための処理を行い(ステップS652)、そのまま図23の分岐1/分岐2処理を終了する。
(2−3)ステージC処理(図24)
副制御手段200は、図21のステップS620の判断処理で、現在の周期演出状態がステージCである(YES)と判断したときは、図24に示すステージC処理を実行する。まず、副制御手段200は、役抽選でフリーズリプレイ(当選番号「17」)が決定されたか否かを判断する(ステップS690)。フリーズリプレイが決定されなかった(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に分岐突入フラグが1(オン)または現在のシナリオゲーム数の値が30になったか否かを判断する(ステップS692)。そして、分岐突入フラグが0(オフ)または現在のシナリオゲーム数の値が30になっていない(NO)と判断したときは、そのまま図24のステージC処理を終了する。
これに対して、ステップS692の判断処理で、分岐突入フラグがオンまたは現在のシナリオゲーム数の値が30になった(YES)と判断したときは、天井フラグや暫定ステージの値に応じたステージDの各モードへ移行するための処理を行う。まず、副制御手段200は、RWMに記憶されている天井フラグの値が1であるか否かを判断する(ステップS694)。天井フラグの値が1である(YES)と判断したときは、ステージD4へ移行する処理を行った後(ステップS696)、RWMに記憶されているシナリオゲーム数の値を0にして(ステップS720)、図24のステージC処理を終了する。なお、ステップS694の判断処理で天井フラグの値が1と判断された場合は、ステージD5へ移行してもよいし、移行先のステージDのモード(D4またはD5)を抽選によって決めてもよい。
また、ステップS694の判断処理で、天井フラグの値が0である(NO)と判断したときは、RWMに記憶されている暫定ステージの値に応じたステージDのモードへ移行するための処理を行う。すなわち、暫定ステージの値が0のときはステージD1へ移行し(ステップS698(YES)→S700)、暫定ステージの値が1のときはステージD2へ移行し(ステップS698(NO)→S702(YES)→S704)、暫定ステージの値が2のときはステージD3へ移行し(ステップS698およびS702(NO)→S706(YES)→S708)、暫定ステージの値が3のときはステージD4へ移行し(ステップS698、S702およびS706(NO)→S710(YES)→S712)、暫定ステージの値が4のときはステージD5へ移行する(ステップS698、S702、S706およびS710(NO)→S716)。
なお、ステップS712の処理により、ステージD4へ移行する処理を行った場合は、勝利フラグの値を1にする(ステップS714)。また、ステップS716の処理により、ステージD5へ移行する処理を行った場合は、勝利フラグの値を2にする(ステップS718)。このように、ステップS698〜S718の処理により、暫定ステージの値に応じたステージDのモードへ移行するための処理を行うと、RWMに記憶されているシナリオゲーム数の値を0にする(ステップS720)。ここで、ステップS720の処理は、次のステージ(次の周期演出におけるステージA)におけるシナリオゲーム数の初期値をセットしているともいえる。そして、RWMに記憶されている暫定ステージの値を0にして(ステップS722)、図24のステージC処理を終了する。
なお、ステップS690の判断処理において、役抽選でフリーズリプレイが決定された(YES)と判断したときは、次の遊技からAT遊技を開始するための処理を行い(ステップS724)、そのまま図24のステージC処理を終了する。
(2−4)ステージD処理(図25)
副制御手段200は、図21のステップS620の判断処理で、現在の周期演出状態がステージCではない(NO)と判断したときは、図25に示すステージD処理を実行する。まず、副制御手段200は、図19のステップS534の分岐ゲーム数抽選1またはステップS544の分岐ゲーム数抽選2によって決定された分岐ゲーム数が0になったか否かを判断する(ステップS730)。そして、分岐ゲーム数が未だ0になっていない(NO)と判断したときは、直ちに図25のステージD処理を終了する。これに対して、分岐ゲーム数が0になった(YES)と判断したときは、勝利フラグの値が0であるか否かを判断する(ステップS732)。
そして、勝利フラグの値が0である(YES)と判断したときは、遊技状態を通常状態に維持したまま周期演出状態をステージAに移行させて(ステップS734)、図25のステージD処理を終了する。これに対して、勝利フラグの値が0でない(NO)と判断した場合は、AT遊技を開始するための処理を行い(ステップS736)、図25のステージD処理を終了する。ここで、勝利フラグの値が1のときは通常ARTが実行され、勝利フラグの値が2ときは特別ARTが実行される。
(3)周期演出の全体的な流れ
上述した図19〜図25に示す各処理を実行することによって制御される周期演出の流れについて説明する。図12に示すように、周期演出はステージAから開始され、ステージAにおいて、分岐突入抽選によって分岐突入フラグがオンにされることなく(図19のS522,YES)、20ゲームが行われると、20ゲーム目(ステージAの最終ゲーム)に暫定ステージ抽選2が行われ(図19のS536(YES)→S538)、次に移行するステージBのモード(遊技状態の一種)が決定される。そして、分岐ゲーム数が3に定められて(図19のS540(NO)→S544)、分岐1へ移行する(図22のS644(YES)→S636)。
分岐1では暫定ステージ昇格抽選が毎ゲーム行われ(図19のS514(YES)→S546→S548)、その結果、昇格値が1以上になれば、ステージAの暫定ステージ抽選2で決定されたステージBのモードがより有利なモードに昇格する(図19のS550)。これにより、分岐1はより有利なモードに昇格する可能性がある期間ともいえる。そして、3ゲームが経過すると(図23のS654,YES)、そのときの暫定ステージの値に応じたステージBのモードへ移行する(図23のS658〜S670)。
次に、ステージBにおいて、分岐突入抽選によって分岐突入フラグがオンにされることなく(図19のS522,YES)、20ゲームが行われると、20ゲーム目(ステージBの最終ゲーム)に暫定ステージ抽選2が行われ(図19のS536(YES)→S538)、次に移行するステージCのモード(遊技状態の一種)が決定される。そして、分岐ゲーム数が3に定められて(図19のS540(NO)→S544)、分岐2へ移行する(図22のS644(NO)→S638)。
分岐2においても分岐1と同様に、暫定ステージ昇格抽選が毎ゲーム行われ(図19のS514(YES)→S546→S548)、その結果、昇格値が1以上になれば、ステージAの暫定ステージ抽選2で決定されたステージCのモードがより有利なモードに昇格する(図19のS550)。そして、3ゲームが経過すると(図23のS654,YES)、そのときの暫定ステージの値に応じたステージCのモードへ移行する(図23のS672〜S688)。
次に、ステージCにおいて、分岐突入抽選によって分岐突入フラグがオンにされることなく(図19のS522,YES)、30ゲームが行われると、30ゲーム目(ステージCの最終ゲーム)に暫定ステージ抽選2が行われ(図19のS536(YES)→S538)、次に移行するステージDのモードが決定される。そして、分岐ゲーム数抽選2によって分岐ゲーム数が決定され(図19のS540(YES)→S542)、暫定ステージ抽選2によって決定されたステージDのモードへ移行する(図24のS698〜S718)。なお、ステージD4へ移行するときは、通常ARTへ移行することが確定し(図24のS714)、ステージD5へ移行するときは、特別ARTへ移行することが確定する(図24のS718)。
そして、ステージDへ移行すると、各モードに応じた処理が行われる。すなわち、ステージD1〜D3のいずれかへ移行したときは、ステージD滞在中は、ARTに移行することが決定されるまで毎ゲーム、勝利フラグ抽選が行われる(図20のS568(NO)→S570(NO)→S572)。また、ステージD4へ移行したときは、ステージD滞在中は、特別ARTに昇格するまで毎ゲーム、勝利フラグ昇格抽選が行われる(図20のS568(YES)→S576(YES)→S578)。そして、ステージDの最終ゲームにおいて、勝利フラグの値に応じた遊技状態(通常状態または有利状態(より詳細には通常ARTまたは特別ART))へ移行する。なお、通常状態が維持された場合は再びステージAから新たな周期演出が開始する。また、通常ARTまたは特別ARTへ移行したときは、当該ARTが終了すると、ステージAから新たな周期演出が開始される。
なお、ステージA,B,Cにおいては、毎ゲーム、分岐突入抽選が行われ(図19のS512(NO)→S514(NO)→…→S518)、分岐突入フラグがオンになった場合は、暫定ステージ抽選1によって次のステージにおけるモードが決定され(図19のS522(NO)→S524)、現在の滞在ステージにおける最終ゲームと同じ処理が行われる(図22のS632および図24のS692参照)。ここで、図22のS632および図24のS692では、分岐突入フラグの値を判断することによって周期演出状態の移行処理を行っているが、分岐突入抽選に当選したときに、現在のシナリオカウント数の値を、当該シナリオカウント数の最大値に近くなるように、または最大値に変更してもよい。
また、周期演出中は、天井ゲーム数がカウントされ(図19のS506)、カウント値が天井設定値以上になったときは天井フラグがオンになり、遊技者に対して一種の救済措置がとられる。例えば、ステージD1〜D3に滞在している時に天井フラグがオンになった場合は、通常ARTへ移行が確定する(図20のS562(YES)→S564)。また、ステージA〜Cの間に天井フラグがオンになった場合は、ステージCの最終ゲーム(分岐突入フラグがオンになった場合も含む)で、強制的にステージD4へ移行し(図24のS694(YES)→S696)、通常ARTへの移行が確定すると共に(図20のS562(YES)→S564)、特別ARTに昇格する可能性もある(図20のS568およびS576(YES)→S578)。
なお、図19のステップS518で行う分岐突入抽選や、ステップS540で行う暫定ステージ抽選2は、毎ゲーム行ってもよいし、特定の抽選結果が定められたときに行ってもよい。また、例えば、特定の抽選結果が定められたときに行われた分岐突入抽選で、分岐突入フラグがオンにされた場合は、次のステージでは異なる条件(例えば、毎ゲーム、または、より当選確率の高い抽選結果が定められたとき等)に従って分岐突入抽選を行うようにしてもよい。また、分岐突入抽選によって分岐突入フラグがオンにされた場合は、それにより移行した分岐1または分岐2において、1以上の昇格値が得られる確率の高い暫定ステージ昇格抽選を行ってもよいし、暫定ステージ昇格抽選によらず所定値を暫定ステージの値に加算するようにしてもよい。
また、周期演出中に実行する画像演出は、互いに内容(シナリオ)が異なる複数の画像演出を実施可能とし、ステージDの最終ゲームにおいて、次の周期演出で実行する画像演出を、抽選や遊技者の意思によって選択できるようにしてもよい。また、暫定ステージ抽選等において、現在の周期演出で実行されているシナリオの種類に応じて遊技者に有利な抽選結果となる確率を異ならせることで、実行されるシナリオに応じてAT当選期待度を異ならせてもよい。
また、上述した周期演出は、副制御手段200によって制御していたが、主制御手段100によって制御するようにしてもよい。この場合、周期演出を実現するためのプログラム容量を節約するために、例えば、各ステージのゲーム数を同じゲーム数にしてもよい。また、図19のステップS518で行う分岐突入抽選を主制御手段100で行う場合は、分岐突入抽選の結果に応じて分岐突入フラグをオン/オフするのではなく、残りのシナリオゲーム数を抽選によって決定し、現在のシナリオゲーム数を抽選によって決定したシナリオゲーム数に置き換えてもよい。また、分岐突入抽選に当選したときに、現在のシナリオゲーム数を所定値(例えば「2」)で除算し、そのときの余りの値を現在のシナリオゲーム数と置き換えてもよい。このような処理を行うことで、確実に現在のシナリオゲーム数よりも少ないシナリオゲーム数にする(すなわち周期演出の期間を短縮する)ことができので、周期演出の期間が短縮されたか否かを確認するための処理を省略(すなわち、プログラム容量を節約)することができる。
この場合、抽選によって決定されたシナリオゲーム数が、現在のシナリオゲーム数よりも多かった場合は、現在のシナリオゲーム数を維持するようにしてもよい。ただし、上述したように、分岐突入抽選に当選したことによって、分岐へ移行した場合は、シナリオゲーム数を消化したことによって分岐へ移行した場合に比べて、遊技者により有利な処理を行う(暫定ステージの値に所定値を加算するなど)ときは、現在のシナリオゲーム数を無条件で抽選によって決定したシナリオゲーム数に更新してもよい。この場合、更新後のシナリオゲーム数を消化する間、いわゆるステップアップ演出などを行って、遊技者の期待度を高めるような演出期間としてもよい。
<上乗せ演出処理の説明>
次に図26〜図36に示す各種図面を参照し、前述した上乗せ演出AおよびBを実現するために、副制御手段200によって実行される上乗せ演出処理の内容について説明する。上乗せ演出は、有利状態(通常ARTおよび特別ART)中に実行される可能性のある演出である。また、上乗せ演出の実施に伴って現在の有利状態が継続する期間の延長に関する決定が行われ、上乗せ演出中に、遊技者による演出ボタン39の操作に応じて画像表示装置70に表示された演出画像が変化し、その結果として、決定された有利状態の期間の延長に関する情報を報知するものである。
また、上乗せ演出の実行を許容するか否かはスタートスイッチ36の操作を契機として主制御手段100によって決定され、上乗せ演出の実行が許容された場合は、その遊技中に副制御手段200において、有利状態の継続に関する決定や上乗せ演出を実行するための準備が行われ、全リールの停止後に許容された上乗せ演出が開始される。
副制御手段200は、主制御手段100において上乗せ演出の実行が許容されたか否かは、図9に示した「リール演出状態」コマンドによって判断することができる。すなわち、「リール演出状態」コマンドを構成する第2制御コマンドの上位4ビットの値が2であれば上乗せ演出Aの実行が許容されたことを意味し、上位4ビットの値が3であれば上乗せ演出Bの実行が許容されたことを意味する。よって、副制御手段200における上乗せ演出に関する処理は、「リール演出状態」コマンドの受信後となる。
また、上乗せ演出AおよびBに関する処理は、スタートスイッチ36の操作を契機として行われる周期演出処理(図19)におけるステップS502の上乗せ演出開始処理と、全リール停止後に行われる周期演出処理(図21)におけるステップS592の上乗せ演出実行処理とによって行われる。また、各上乗せ演出中における演出ボタン39の操作に応じた処理は、副制御手段200における16ミリ秒毎処理(図18のステップS316)と、所定周期(例えば1ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込秒理内とで行われる。
なお、以下の説明では、有利状態の継続期間は差枚数(払い出されたメダルの総数からベットされたメダルの総数を引いた値)で規定されており、所定の差枚数になると有利状態が終了するものとする。以下では、有利状態が終了することとなる所定の差枚数のことを「上限差枚数」という。また、継続期間の延長は、現在の上限差枚数に対して、抽選等によって決定された差枚数を加算することによって行われるものとする。以下では、上限差枚数に加算される差枚数の値を、以下、「加算値」という。以下に、上乗せ演出AおよびBに関する処理について説明する。
(1)上乗せ演出Aに関する処理の説明
まず、図26〜図29を参照して、上乗せ演出Aに関する処理について説明する。
(1−1)スタートスイッチ36の操作を契機として行う処理
まず、上乗せ演出Aに関する処理について、スタートスイッチ36の操作を契機として実行される処理について説明する。副制御手段200は、図19に示す周期演出処理のステップS500で、非AT中ではない(NO)と判断すると、ステップS502へ進み、図26に示す上乗せ演出開始処理を実行する。
図26の上乗せ演出開始処理において、まず副制御手段200は、「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドに基づいて、上乗せ演出Aが当選した(実行が許容された)か否かを判断する(ステップS740)。すなわち、主制御手段100において、図15のステップS18の役抽選で当選番号「17」(フリーズリプレイ)が決定されたときに、ステップS20のフリーズ抽選処理で上乗せ演出Aが当選すると、「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドによってそのことが副制御手段200に送信される。そして、第2制御コマンドの上位4ビットの値が2である(YES)と判断すると、現在の有利状態の延長に関する各種抽選処理を開始する。まず、副制御手段200は、各種抽選処理で参照する変数の値をクリアする(ステップS742)。ここで、クリアされる変数としては、成功回数、仮乗せ差枚数、挑戦回数および仮乗せ履歴がある。
成功回数は、遊技者に与えられる5回の延長機会のうち、何回目の延長機会まで延長期間を獲得し続けることができたかを示す変数である。仮乗せ差枚数は、各延長機会において、獲得した差枚数の加算値(延長期間。以下、単に「加算値」という。)を示す変数である。挑戦回数は、何回目の延長機会であるかを示す変数である。
次に副制御手段200は、複数の仮乗せ差枚数テーブルの中から、上乗せ演出Aで参照する仮乗せ差枚数テーブルを1つ選択するための仮乗せ差枚数テーブル抽選を行う(ステップS744)。ここで、仮乗せ差枚数テーブルは、5回の延長機会の各々で獲得することができる加算値が予め定められているテーブルであり、各延長機会に対応付けられている加算値が互いに異なる複数の仮乗せ差枚数テーブルが存在する。本実施形態では、図27(a)に示すように、仮乗せ差枚数テーブルa〜dの4種類が存在している。
次に副制御手段200は、複数の継続率テーブルの中から、今回の上乗せ演出Aで参照する継続率テーブルを1つ選択するための継続率テーブル抽選を行う(ステップS746)。ここで、継続率テーブルは、上述した仮乗せ差枚数テーブルにおいて、各延長機会に対応付けられた加算値を獲得することができる確率(成功確率)を、各延長機会毎に対応付けたテーブルである。継続率テーブルもまた、各延長機会に対応付けられた成功確率が異なる複数のテーブルが存在する。本実施形態では、図27(b)に示すように、継続率テーブルa〜dの4種類が存在している。ここで、継続率テーブルb〜dにおいて、1回目の挑戦機会における継続率が100%になっており、少なくとも1回目の延長機会では、選択された仮乗せ差枚数テーブルの加算値を獲得できることが保障されている。
そして、副制御手段200は、まず第1回目の延長機会について成功フラグ抽選を行う(ステップS748)。すなわち、仮乗せ差枚数テーブルに定められている延長期間を獲得できるか否かを、継続率テーブルに定められた成功確率に基づいて抽選する。その結果、当選した(延長期間を獲得できた)場合は、成功フラグを1(オン)にし、獲得できなかった場合は成功フラグを0(オフ)にする。次に副制御手段200は、上述した成功フラグがオフになっているか否かを判断する(ステップS750)。そして、成功フラグがオンになっていた(YES)場合は、獲得した加算値を累計する(ステップS752)。なお、獲得した加算値の累計値はRWMに記憶される。
次に副制御手段200は、今回の延長機会までの成功回数の累計値と、獲得した加算値の累計値とを、RWM内の仮累計獲得数テーブルに記憶する(ステップS754)。ここで、仮累計獲得数テーブルの内容について図27(c)および(d)を参照して説明する。図27(c)に示す仮累計獲得数テーブルは、ステップS744の仮乗せ差枚数テーブル抽選で仮乗せ差枚数テーブルaが選択され、ステップS746の継続率テーブル抽選で継続率テーブルaが選択された場合の一例を示している。この図に示す仮累計獲得数テーブルは、1〜3回目の延長機会(挑戦回数)では、獲得に成功し、各延長機会における加算値の累計が記憶されている。そして、4回目の延長機会(挑戦回数が4)で獲得に失敗したため、それまで獲得していた加算値(獲得数)は0となり、その後の延長機会において、成功回数の値は3から増えず、獲得数は0になっている。
図27(d)に示す仮累計獲得数テーブルは、ステップS744の仮乗せ差枚数テーブル抽選で仮乗せ差枚数テーブルcが選択され、ステップS746の継続率テーブル抽選で継続率テーブルdが選択された場合の一例を示している。この図に示す仮累計獲得数テーブルは、全ての延長機会で獲得に成功し、各延長機会における加算値の累計は5回目の延長機会まで記憶されている。
このように、ステップS754の処理によって、成功フラグ抽選にはずれるまで、各延長機会ごとに獲得した加算値を個々に記憶することができる。そして、副制御手段200は、成功回数の値に1を加算して(ステップS756)、成功回数の値が5になったか否かを判断する(ステップS758)。成功回数の値が5になっていない(NO)と判断したときは、ステップS748へ戻り、次の延長機会について成功フラグ抽選を行う。これに対して、成功回数の値が5になっている(YES)と判断したときは、「リール演出状態」コマンドにおける第2制御コマンドの下位4ビットの値によって示される押し順(図11(a)参照)を報知する(ステップS760)。
ここで、ステップS750の判断処理で、成功フラグの値が0である(NO)と判断したときは、ただちにステップS760の処理へ移行して、押し順の報知を行う。このステップS750の判断処理により、成功回数の値は、成功フラグ抽選に連続して当選した回数を示すことになる。例えば、成功回数の値が3だった場合は、3回目の延長機会まで成功フラグ抽選に当選し続け、4回目の延長機会ではずれたことを示している。また、成功回数の値が5だった場合は、5回すべての成功フラグ抽選に当選したことを示している。そして、副制御手段200は、上乗せ演出A実行フラグをオンにして(ステップS762)、図26の上乗せ演出開始処理を終了する。この上乗せ演出A実行フラグがオンになっている場合は、上乗せ演出Aを実行する準備が整った状態であることを示している。
このように、上述した上乗せ演出Aに関する処理では、上乗せ演出Aを実行する前に、5回の延長機会のうち、何回目まで延長期間の獲得に成功したか、および、獲得に成功した延長期間を予め決定している。なお、ステップS748の成功フラグ抽選では、仮乗せ差枚数テーブルに定められている加算値を獲得できるか否かを決定していたが、代わりに抽選によって直接、加算値を決定してもよい。このとき、抽選対象に、加算値が0となる場合を含めておき、抽選の結果、加算値が0になったときは、ステップS750の判断結果をYESとし、0以外の値になったときは判断結果をNOとしてもよい。
また、各延長機会毎に抽選によって加算値を決定する場合、抽選を行う毎に、前回の延長機会よりも、(ア)獲得可能な加算値を必ず大きくする、または(イ)獲得できる確率を必ず高くするようにしてもよい。
(1−2)全リールの停止を契機として行う処理
次に図28を参照して、全リールが停止したこと(例えば図10に示した「表示種類」コマンドの受信したこと)を契機として実行される上乗せ演出Aに関する処理について説明する。副制御手段200は、図21に示す周期演出処理のステップS590で、非AT中ではない(NO)と判断すると、ステップS592へ進み、図28に示す上乗せ演出実行処理を開始する。
図28の上乗せ演出実行処理において、まず副制御手段200は、上乗せ演出A実行フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS800)。前述したように、上乗せ演出A実行フラグがオンになっているときは、上乗せ演出Aを実行する準備が整った状態であることを示している。ステップS800の判断処理で、上乗せ演出A実行フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、次に上乗せ演出B実行フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS834)。そして、上乗せ演出B実行フラグがオンになっている(YES)と判断すると、図32に示す上乗せ演出B処理を実行する(ステップS836)。この上乗せ演出B処理については後に詳しく説明する。さらに、ステップS834の判断結果がNO(上乗せ演出B実行フラグがオフ)と判断したときは、図28の上乗せ演出実行処理を終了して他の処理を行う。
副制御手段200は、ステップS800の判断処理で、上乗せ演出A実行フラグがオンになっている(YES)と判断すると、これから開始する上乗せ演出Aに関する説明画面を画像表示装置70に表示する(ステップS802)。ここで、説明画面の内容としては、現在の遊技状態の継続期間が延長されるかもしれない機会が5回与えられたこと、これから開始する演出期間中に演出ボタン39を連打すること、演出ボタン39の連打によって上乗せ演出Aの演出内容が変化すること、変化した演出内容が特定の態様となった場合は、現在の有利状態の継続期間が延長されることなどが含まれる。また、遊技者が、図26のステップS760の処理によって報知れた押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した場合は、主制御手段100によって所定時間、スタートスイッチ36の操作が有効になるタイミングが遅延するフリーズ状態になるが、上述した説明画面の表示時間を、このフリーズ状態になっている時間(フリーズ時間)に合わせてもよい。
次に副制御手段200は、これから与えられる延長機会に応ずるか否かの選択方法を示す選択画面を画像表示装置70に表示する(ステップS804)。例えば図29(a)に示す選択画面の場合、延長機会の付与に応じる(すなわち「挑戦」する)ときは演出ボタン39を操作し、延長機会の付与に応じない(すなわち「挑戦」しない)ときはスタートスイッチ36を操作すればよいことを表している。したがって、上述したようにフリーズ状態に合わせて説明画面を表示することで、遊技者が上乗せ演出Aの開始に気がつかないままスタートスイッチ36を操作してしまう可能性を低くすることができる。
そして、副制御手段200は、主制御手段100においてフリーズ状態が解除された後、演出ボタン39の操作を有効にし、演出ボタン39またはスタートスイッチ36が操作されるまで、選択画面を表示し(ステップS806(NO)→S822(NO)→S804)、演出ボタン39またはスタートスイッチ36が操作されたときは、操作されたボタンまたはスイッチに応じた処理を行う。
(1−2−1)演出ボタン39が操作されたときの処理
図29(a)に示す選択画面の表示中に、遊技者が演出ボタン39を操作(遊技者が「挑戦」を選択)すると、ステップS806の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、画像表示装置70に図29(b)に示す演出画像を表示し、上乗せ演出Aを実行するための準備を開始する。
なお、この演出画像に表示されている「成功率」は、図26のステップS746の継続率テーブル抽選によって選択された継続率(成功フラグ抽選の当選確率)に基づいて表示される。また、「これまでの累計獲得」は、図26のステップS754の処理によって各成功回数の値に対応して記憶された加算値の合計値に基づいて表示される。また、「成功時獲得」は、図26のステップS744の仮乗せ差枚数テーブル抽選によって選択された仮乗せ差枚数テーブルに基づいて表示される。また、「挑戦 1/5」は5回の延長機会のうち、今が何回目の延長機会であるかを示している。すなわち、図29(b)の演出画像では、1回目の延長機会であることを示している。
次に副制御手段200は、RWMに記憶されている挑戦回数の値に1を加算する(ステップS808)。そして、挑戦回数の値が上限値(延長機会の最大値でもある「5」)であるか否かを判断し(ステップS810)、最大値でなかった(NO)と判断したときは、挑戦回数の値が成功回数の値以下であるか否かを判断する(ステップS812)。ここで、成功回数は、図26のステップS748〜S758に示すように、成功フラグ抽選に連続して当選した回数であるため、挑戦回数の値が成功回数の値以下のときは、その延長機会においては成功フラグ抽選に当選していたことを意味している。したがって、挑戦回数の値が成功回数の値以下である(YES)と判断したときは、成功フラグを1(オン)にする(ステップS814)。
これに対して、ステップS812の判断処理で、挑戦回数の値が成功回数の値を超えた(NO)と判断された場合は、その延長機会において、成功フラグ抽選にはずれていたことを意味するため、成功フラグを0(オフ)にする(ステップS816)。さらに、前述したステップS810の判断処理で、挑戦回数が上限値である(YES)と判断したときは、5回の延長機会のすべての成功フラグ抽選に当選したことを意味するため、成功フラグを1(オン)にする(ステップS818)。そして、5回の延長機会で獲得した加算値の合計を、上限差枚数に加算する。
そして、ステップS814、S816またはS818の処理によって成功フラグをオンまたはオフにすると、副制御手段200は、画像表示装置70に表示している演出画像に「開始!」の文字表示し、演出ボタン39の押下に応じた演出(以下、「連打演出」という)を開始する。ここで、画像表示装置70に図29(b)の演出画像を表示してから、「開始!」の文字を表示するまでの期間を、「準備期間」と賞する。連打演出を開始すると、副制御手段200は、演出ボタン39の連打数に応じて演出画像内に表示されたレベルメータLVの表示を変化させる。具体的には、連打された回数に応じてレベルメータLVのレベルを増加(ハッチング領域と白地領域との境界線Bの位置を右方向に移動)させる。
また、各延長機会において、連打演出中に、図29(b)の演出画像に表示されたろうそくの画像を変化させることで、遊技者に加算値の獲得に成功する期待感を持たせたり、加算値の獲得に失敗する危機感を持たせたりするための演出を行う。例えば、ろうそくの炎が5本すべて力強く輝いている場合は、加算値を獲得できる可能性が高いことを示し、炎が揺らいだり、小さくなったり、消えてしまったりした場合は、加算値の獲得に失敗する可能性が高いことを示す。
そして、ステップS814の処理によって成功フラグがオンにされたときは、所定時間が経過したとき、または、演出ボタン39の押下回数が所定の値に到達したときにレベルメータLVのレベルが一定値以上になっている画像を表示し、その延長機会において加算値の獲得に成功したことを示す。次いで副制御手段200は、ステップS804の処理に戻って図29(a)に示した選択画面を再び画像表示装置70に表示し、次の延長機会に挑戦するか否かを選択可能にする。
これに対して、ステップS816の処理によって成功フラグがオフにされたときは、所定時間が経過したときにレベルメータLVのレベルが一定値に達していない画像を表示し、その延長機会において加算値の獲得に失敗したことを示す。そして、成功フラグの値に応じた上乗せ演出Aの終了画面を画像表示装置70に表示して(ステップS820)、図28の上乗せ演出実行処理を終了する。この場合、成功フラグがオフになっているため、それまで獲得していた加算値をすべて失い、上限差枚数が増加しなかった(継続期間が延長されなかった)ことを示す終了画面が表示される。
また、ステップS818の処理によって成功フラグがオンにされたときは、所定時間が経過したときにレベルメータLVのレベルが一定値以上になっている画像を表示し、その延長機会において加算値の獲得に成功したことを示す。そして副制御手段200は、ステップS820の処理へ進み、成功フラグの値に応じた上乗せ演出Aの終了画面を画像表示装置70に表示して、図28の上乗せ演出実行処理を終了する。この場合、成功フラグがオンになっているため、獲得した加算値の合計値を示す終了画面が表示される。なお、獲得した加算値を表示するときは、各延長機会毎に獲得した加算値を一覧表の形式にして表示してもよい。
(1−2−2)スタートスイッチ36が操作されたときの処理
図29(a)に示す選択画面の表示中に、遊技者がスタートスイッチ36を操作(遊技者が「挑戦」しない。すなわち辞退)すると、ステップS822の判断結果がYESとなり、副制御手段200は、RWMに記憶されている挑戦回数の値が0であるか否かを判断する(ステップS824)。そして、挑戦回数の値が0でない(NO)と判断したときは、成功フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS826)。そして、成功フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、それまでの各延長機会で獲得した加算値の合計を、上限差枚数に加算し(ステップS828)、ステップS820の処理へ進み、成功フラグがオンになっているときの終了画像を表示する。一方、ステップS826の判断処理で成功フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、上限差枚数を増やすことなく、ステップS820の処理へ進み、成功フラグがオフになっているときの終了画像を表示する。
これにより、例えば、図26のステップS748〜S758の処理により、成功回数が3だった(すなわち、3回連続して成功フラグ抽選に当選した)場合、図28のステップS804の処理によって、4回目の選択画面が表示されたときに遊技者が「挑戦」しないことを選択すれば、3回目までの成功フラグ抽選によって獲得された加算値の合計が、上限差枚数に加算されて、上乗せ演出Aが終了する。これに対して、4回目の選択画面が表示されたときに遊技者が「挑戦」することを選択したときは、ステップS812の判断結果がNOとなって、成功フラグがオフとなり、上限差枚数を維持したまま、上乗せ演出Aが終了する。
前述したステップS824の判断処理で、挑戦回数が0(延長機会に一度も挑戦することなく辞退した場合)である(YES)と判断したときは、次に成功回数の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS830)。そして、成功回数の値が1以上である(YES)と判断したときは、最初の延長機会で獲得した加算値のみを上限差枚数に加算する(ステップS832)。そして、ステップS820へ進み、上乗せ演出Aの終了画面を画像表示装置70に表示して、図28の上乗せ演出実行処理を終了する。また、ステップS830の判断処理で、成功回数の値が0である(YES)と判断したときは、上限差枚数を増やすことなく、ステップS820の処理へ進み、上乗せ演出Aの終了画像を表示する。なお、延長機会に一度も挑戦することなく辞退した場合は、上乗せ演出Aの終了画面の表示を省略してもよい。
なお、図28のステップS802で表示する説明画面は、ストップスイッチが図26のステップS760によって報知れた押し順で操作されたか否か(すなわち、フリーズが発生したか否か)に関わらず、所定時間表示するようにしてもよい。また、報知れた押し順で操作されなかった場合は、説明画面の表示中に演出ボタン39または十字キー38が操作されたときに、直ちに図29(a)の選択画面を表示する(すなわち、説明画面の表示をキャンセルする)ようにしてもよい。また、報知れた押し順で操作されなかった場合は、前述した説明に加えて説明画面の表示をキャンセルする方法を含む、フリーズが発生した場合と異なる説明画面を表示してもよい。
さらに、図11(b)に示すように、主制御手段100がストップスイッチの押し順に応じてフリーズ時間を異ならせる場合、実際に操作された押し順に応じて説明画面の表示時間を異ならせてもよい。例えば、実施されたフリーズ時間に合わせて説明画面の表示時間を変化させてもよい。さらにこの場合、例えば現在の有利状態中に、既に上乗せ演出Aが行われたことがある場合は、図26のステップS760の処理において、フリーズ時間が短い押し順を報知するようにしてもよい。これにより、上乗せ演出Aに関する説明を既に知っている可能性の高い遊技者に対して、煩わしさを感じさせてしまう可能性を低くすることができる。また、フリーズ時間が短い押し順とフリーズ時間が長い押し順の双方を遊技者に報知することで、遊技者の意思によってフリーズ時間を選択できるようにしてもよい。
また、上乗せ演出Aの連打演出では、演出ボタン39が押下された回数に基づいて、各延長機会で加算値の獲得に成功したか否かの結果を報知するタイミングや、演出の途中で期待感を向上させるためのカットイン画像を表示するタイミングを定めてもよい。また、これら各種タイミングを定めた演出パターンを予め複数種類定めておき、抽選によって選択した演出パターンに従って、連打演出における各種演出および報知を行ってもよい。例えば図30に示す演出パターンテーブルでは6通りの演出パターンa〜fが定められており、このうちいずれか1つの演出パターンを抽選によって決定し、実行してもよい。
図30において、演出パターンaは、連打演出が開始されてから演出ボタン39が20回押下されると、加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。演出パターンbは、連打演出が開始されてから演出ボタン39が20回押下されると、無効期間A(いわゆるカットイン画像を表示して、演出ボタン39押下時の演出(例えば押下音など)を実行しない期間)が3秒間継続し、その後演出ボタン39が15回押下されると、加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。演出パターンcは、無効期間B(演出ボタン39押下時の演出は実行するが、押下された回数をカウントしない期間)が10秒間発生し、その後加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。
演出パターンdは、上述した無効期間Bを10秒間発生し、その後無効期間Aを3秒間発生させ、再び無効期間Bを5秒間発生させた後に、加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。演出パターンeは、連打演出が開始されてから演出ボタン39が20回押下されると、無効期間C(獲得に失敗したときの画像を表示して、演出ボタン39押下時の演出を実行しない期間)が3秒間発生し、その後演出ボタン39が1回押下されると、加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。演出パターンfは、無効期間Bを10秒間発生させた後に、無効期間Cが3秒間発生し、その後演出ボタン39が1回押下されると、加算値を獲得できたか否かを報知することを示している。
また、演出ボタン39の連打数が所定回数を超えたときに、加算値の獲得に成功したか否かの結果を表示させる場合において、例えば加算値の獲得が決定しているにもかかわらず、遊技者が演出ボタン39を連打しなかった場合は、いわゆる復活演出を行ってもよい。すなわち、一旦、獲得に失敗した画像を表示した後、あたかも新たな連打演出が開始されたかのような画像を表示し、その連打演出で一度でも演出ボタン39が操作された場合は、加算値を獲得できたことを報知する。
また、上述した上乗せ演出Aでは、遊技者が延長機会に一度も挑戦せずに辞退した場合は、最初の延長機会で獲得された上限値のみを残りの差枚数に加算していたが、代わりに、事前に行われる成功フラグ抽選で全ての延長機会で当選していた場合に限って、加算値の合計を上限差枚数に加算するようにしてもよい。この場合、全ての延長機会で当選する確率は変わらないが、全ての延長機会で当選したときに得られる加算値の合計が、遊技者が途中で延長機会を辞退したときに得られる加算値の合計よりも大きくなるような期待値となる抽選を行うようにするとよい。
また、延長機会に挑戦している途中で、かつ、選択画面が表示されていないときに、遊技者が誤ってスタートスイッチ36を操作してしまった場合は、上乗せ演出Aは終了してしまうが、そのときに挑戦していた延長機会において、上限値の獲得が決定されていた場合に限り、次の延長機会を自発的に辞退したものとして扱い、それまで獲得していた加算値の合計を上限差枚数に加算するようにしてもよい。
また、上述した上乗せ演出Aは副制御手段200によって制御されていたが、主制御手段100によって制御するようにしてもよい。この場合、遊技者が各延長機会に挑戦することの決定を最大ベットスイッチ35や、主制御基板に接続した演出ボタンで行い、最大ベットスイッチ35の操作に応じてフリーズ中にリールリール40L,40C,40Rを駆動制御し、特定の図柄組合せを表示させることで加算値を獲得できたか否かを報知してもよい。また、加算値の獲得成否や、加算値の大きさを決定する抽選は、遊技者が延長機会に挑戦するごとに行うようにしてもよいし、複数遊技に跨って行うように変更することも可能である。ただし、複数遊技に跨る場合は、スタートスイッチ36をキャンセルボタンとして使用できないので、スタートスイッチ36の操作前に、例えば左ストップスイッチ27Lが操作されたときは挑戦、右ストップスイッチ27Rが操作されたときは辞退、というように選択可能とした後、スタートスイッチ36の操作によって選択された内容を確定させてよい。この場合、フリーズ中に表示するリールの図柄組合せを抽選(フリーズパターン抽選)し、所定の図柄組合せが表示されたか否かによって、加算値の獲得成否を決定してもよい。
さらに、主制御手段100で上乗せ演出Aを制御する場合、遊技者に、演出ボタン39の代わりに最大ベットスイッチ35を連打させるようにしてもよい。遊技者が延長機会に一度も挑戦せずに辞退した場合は、加算値の獲得抽選を一回だけ行うようにし、この抽選で加算値を獲得できる確率を、全ての延長機会で当選する確率と同等にし、さらに、加算値を獲得できた場合は、その値が、途中で延長機会を辞退したときに得られる加算値の合計よりも大きくなるような抽選を行うとよい。
(2)上乗せ演出Bに関する処理の説明
次に、図26および図31〜図33を参照して、上乗せ演出Bに関する処理について説明する。
(2−1)スタートスイッチ36の操作を契機として行う処理
まず、上乗せ演出Bに関する処理について、スタートスイッチ36の操作を契機として実行される処理について説明する。副制御手段200は、図19に示す周期演出処理のステップS500で、非AT中ではない(NO)と判断すると、ステップS502へ進み、図26に示す上乗せ演出開始処理を実行する。そして、まずステップS740で「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドに基づいて、上乗せ演出Aが当選した(実行が許容された)か否かを判断する。
「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドにおける上位4ビットの値が2ではなかった(NO)と判断すると、次に、「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドに基づいて、上乗せ演出Bが当選した(実行が許容された)か否かを判断する(ステップS764)。そして、「リール演出状態」コマンドの第2制御コマンドにおける上位4ビットの値が3である(YES)と判断すると、副制御手段200は、上乗せ演出継続率抽選を行う(ステップS766)。なお、ステップS764の判断処理で、上乗せ演出Bの実行が許容されなかった(上位4ビットの値が3ではなかった)と判断したときは、判断結果がNOとなり、図26の上乗せ演出開始処理を終了し、他の処理を行う。
ステップS766の上乗せ演出継続率抽選は、後述する上乗せ獲得数抽選を継続するか否かを定める継続抽選において、継続することが決定される確率(継続率)を定めるための抽選である。ここでは、90%、95%または98%の3つの確率から1つを抽選によって定めるものとする。なお、上乗せ獲得数抽選は、前述した上限差枚数に加算する加算値を決定するための上乗せ差枚数抽選を、1回の抽選契機に何回行うかを決定する抽選である(詳しくは後述する)。
次に副制御手段200は、保障回数を定めるための保障回数抽選を行い、決定された保障回数をRWMに記憶する(ステップS768)。この保障回数は、上述した上乗せ獲得数抽選の最少実行回数を示し、0〜10の整数のうち、いずれか一つの値が決定される。すなわち、上述した継続抽選によって定められた継続率のみに基づいて上乗せ獲得数抽選を続行するか否かを決定した場合、抽選が一回で終了してしまう可能性があるため、できるだけそのような状況にならないように、抽選によって上乗せ獲得数抽選の最少実行回数を定めている。
次に副制御手段200は、上述した上乗せ獲得数抽選を行う(ステップS770)。この上乗せ獲得数抽選では、上乗せ獲得数(以下、単に「獲得数」という。)として0〜10の整数のうち、いずれか一つの値が決定される。ここで、ステップS770における上乗せ獲得数抽選で、獲得数が0になったときは、所定値(例えば1)に変更してもよい。このようにすれば、保障回数に基づく上乗せ獲得数抽選および上乗せ差枚数抽選では、少なくとも1つの加算値が必ず決定されることになる。
次に副制御手段200は、決定された獲得数の回数だけ、上乗せ差枚数抽選を行う(ステップS772)。例えば、獲得数が3に定められていた場合は、ステップS772という一回の抽選機会に、3回の上乗せ差枚数抽選が行われる。したがって、決定される加算値の数は3つとなる。次に副制御手段200は、ステップS770の上乗せ獲得数抽選によって決定された獲得数と、ステップS772において各上乗せ差枚数抽選によって決定された加算値とをRWMに記憶する(ステップS774)。
そして、RWMに記憶されていた保障回数の値から1を引いて、新たな保障回数に更新し(ステップS776)、更新した保障回数の値が0になったか否かを判断する(ステップS778)。保障回数の値が0でない(NO)と判断したときは、ステップS770に戻り再び上乗せ獲得数抽選を行う。このようにして、ステップS770の上乗せ獲得数抽選と、ステップS772の上乗せ差枚数抽選とを、保障回数だけ繰り返し行う。
次に副制御手段200は、ステップS766で決定された継続率に従って、上乗せ獲得数抽選および上乗せ差枚数抽選を繰り返し行う処理を実行する。すなわち、前述したステップS770と共通の上乗せ獲得数抽選を行い(ステップS780)、次いで継続抽選を行う(ステップS782)。そして、この継続抽選で、ステップS780の上乗せ獲得数抽選を継続することが定められたか否かを判断する(ステップS784)。そして、継続しないことが定められた(NO)と判断したときは、ステップS780の上乗せ獲得数抽選で決定された獲得数を0に更新する(ステップS786)。
上述したステップS784の判断処理において継続することが定められた(YES)と判断したとき、または、ステップS786の処理を行った後、副制御手段200は、ステップS780の上乗せ獲得数抽選によって定められた獲得数、または、ステップS786の処理によって更新され獲得数だけ、上乗せ差枚数抽選を行う(ステップS788)。ここで、獲得数の値が0だった場合は、ステップS788の上乗せ差枚数抽選は行われないものとする。そして、副制御手段200は、ステップS780の上乗せ獲得数抽選によって決定された獲得数と、ステップS788において各上乗せ差枚数抽選によって決定された加算値とをRWMに記憶する(ステップS790)。
次に、副制御手段200は、獲得数が0であるか否かを判断する(ステップS792)。ここで、ステップS780の上乗せ獲得数抽選で獲得数が0に決定された場合、または、ステップS786で獲得数の値が0にされた場合は、ステップS792の判断結果はYESとなる。この場合、副制御手段200は、上乗せ演出B実行フラグをオンにし(ステップS794)、図26に示す上乗せ演出開始処理を終了して、他の処理を行う。上乗せ演出B実行フラグがオンになっている場合は、上乗せ演出Bを実行する準備が整った状態であることを示している。これに対して、獲得数の値が0ではなかった場合は、ステップS792の判断結果がNOとなり、ステップS780以降の処理を再び実行する。これにより、副制御部200は、ステップS780の上乗せ獲得数抽選で獲得数が0に決定されるまで、または、ステップS782の継続抽選で継続しないことが決定されるまで、ステップS780〜S792の処理を繰り返し実行する。
ここで、ステップS774およびS790の処理によって、獲得数および当該獲得数に対応する数の各加算値がRWMに記憶される態様について、図31を参照して説明する。なお、以下の説明では、保障回数が5に定められ、ステップS780〜S792の処理が6回繰り返された後、7回目に獲得数が0に定められた場合について説明する。まず、副制御手段200のRWMには、予め定められた数の獲得数を記憶できる記憶領域と、予め定められた数の加算値を記憶できる記憶領域とが定められている。ここで、獲得数または加算値を記憶する個々の領域には領域番号(図31においては「No.」の数字で表記)が付与されているものとする。
そして、最初のステップS770における上乗せ獲得数抽選によって獲得数が3となり、これによりステップS772の上乗せ差枚数抽選によって3つの加算値が全て5に定められたとすると、ステップS774の処理によって、獲得数の記憶領域におけるNo.1の領域に3の値が記憶され、加算値の記憶領域におけるNo.1〜3の領域に各々5の値が記憶される。また、次のステップS770の処理によって獲得数が2となり、これによりステップS772の上乗せ差枚数抽選によって2つの加算値(10と5)が定められたとすると、ステップS774の処理によって、獲得数の記憶領域におけるNo.2の領域に3の値が記憶され、加算値の記憶領域におけるNo.4と5の領域に各々10と5の値が記憶される。
このようにして、ステップS774の処理が保障回数である5回繰り返されると、獲得数の記憶領域におけるNo.5までの領域に、抽選によって決定された獲得数が記憶される。図31においては、3〜5回目の上乗せ獲得数抽選で獲得数がそれぞれ1,2,2に定められたことを示している。また、この場合、加算値の記憶領域におけるNo.6以降に、5つの加算値が記憶される。すなわち、No.6の領域には、3回目の上乗せ獲得数抽選で定められた獲得数(1)に対応する加算値(10)が記憶される。またNo.7と8の領域には、4回目の上乗せ獲得数抽選で定められた獲得数に対応する加算値(5,5)が記憶される。またNo.9と10の領域には、5回目の上乗せ獲得数抽選で定められた獲得数に対応する加算値(5,5)が記憶される。このように、加算値の記憶領域には、各獲得数に対応する数の加算値が、領域番号の数値が小さい領域から順次詰めて記憶されていく。
また、ステップS790の処理によって獲得数および加算値を記憶する場合も同様である。図31に示す例では、獲得数の記憶領域においてはNo.6〜12以降の領域、加算値の記憶領域においてはNo.11〜18の領域が、ステップS790の処理によって記憶された獲得数および加算値となる。なお、図31の例では、7回目のステップS780における上乗せ獲得数抽選が行われたときに獲得数が0に定められた、または、7回目のステップS782における継続抽選で継続しないことが決定された場合を示しており、これにより獲得数の記憶領域におけるNo.12の領域には0の値が記憶されることになる。
なお、図26のステップS780〜S792は、上乗せ獲得抽選で獲得数が0に決定されるか、継続抽選で継続しないことが決定されるまで、繰り返し実行される処理である。また、図26に示す上乗せ演出開始処理は、図18のステップS318に示す「1コマンド処理」内で実行される処理である。このため、副制御手段200は、ステップS780〜S792の処理を繰り返し実行しているときに、図18のステップS320における判断処理で16ミリ秒が経過したと判断された場合は、ステップS780〜S792の処理を中断し、次の「1コマンド処理」が行われたときに、引き続きステップS780〜S792の処理を再開する。
ただし、ステップS782の継続抽選で継続しないことが決定されるまで、ステップS780〜S792の処理を繰り返し行った場合、図18のステップS312の処理でウォッチタイマドッグが動作を開始してから16ミリ秒を経過しても、S318に示す「1コマンド処理」で、ステップS780〜S792の処理が継続してしまい、ステップS320の処理(すなわち、16ミリ秒が経過したか否かの判断)に移行することができず、ウォッチドッグタイマが作動してしまう虞がある。このため、予めステップS780〜S792の処理を繰り返す回数(反復回数)に制限を設けておくとよい。
例えば、スタートスイッチ36の操作を契機としてステップS780〜S792の処理を行う場合は反復回数を100回、リールの回転開始時を契機とする場合は反復回数を200回、第1・第2停止操作を契機とする場合は反復回数を各々200回、第3停止操作を契機とする場合は反復回数を100回とすれば、合計800回の繰り返し処理が可能になる。また、上述したように、スタートスイッチ36の操作時、リールの回転開始時といった、ステップS780〜S792の処理を行う契機の種類に応じて反復回数を異ならせることで、上乗せ演出A以外の処理に支障が生じる可能性を低くすることができる。なお、例えば繰り返し回数が所定値に達した場合や、図31に示す獲得数または加算値の記憶領域に設定されていた全ての領域に獲得数または加算値が記憶された場合は、強制的に獲得数を0にすることで、ステップS780〜S792の処理を終了させてもよい。
(2−2)全リールの停止を契機として行う処理
次に図32を参照して、全リールが停止したことを契機として実行される上乗せ演出Bに関する処理について説明する。まず、副制御手段200は、図21に示す周期演出処理のステップS590で、非AT中ではない(NO)と判断すると、ステップS592へ進み、図28に示す上乗せ演出実行処理を開始する。そして、図28の上乗せ演出実行処理で、上乗せ演出A実行フラグがオフであり(S800(NO))、かつ、上乗せ演出B実行フラグがオフである(S834(YES))と判断したときは、図32(a)に示す上乗せ演出B処理を実行する(S836)。
図32(a)に示す上乗せ演出B処理を開始すると、副制御手段200は、まず、これから開始する上乗せ演出Bの導入部となる導入画面を画像表示装置70に表示する(ステップS840)。この導入画面の内容には、演出ボタン39の連打に応じて現在の有利状態の継続期間が延長されることなどが含まれる。上述した導入画面を所定時間、画像表示装置70に表示すると、次に図33に示す上乗せ演出Bの演出画面を画像表示装置70に表示する。そして、上乗せ演出B終了フラグがオンになったか否かを判断し(ステップS842)、上乗せ演出B終了フラグがオンになるまで、ステップS842の判断処理を繰り返す。上乗せ演出B終了フラグは、図18のステップS318の16ミリ秒毎処理で実行される上乗せ演出B演出ボタン処理でオンにされるフラグである。この上乗せ演出B演出ボタン処理については、後に詳しく説明する。
上述した上乗せ演出B終了フラグがオンになるまでの間、画像表示装置70に表示された図33の演出画面において、演出ボタン39の連打に応じてキャラクタ画像Cが変化するとともに、図26のステップS766〜S792の処理によって決定された加算値(図31参照)が順次表示されていく。これにより、遊技者に対して上限差枚数に加算される加算値が報知される。なお、演出画面内に表示される加算値の表示態様については後に詳しく説明する。
そして、上乗せ演出B終了フラグがオンにされると、ステップS842の判断結果がYESとなり、上乗せ演出Bが終了したことを示す終了画面を画像表示装置70に表示し(ステップS844)、図32(a)の上乗せ演出B処理を終了する。なお、画像表示装置70に表示された終了画面には、演出ボタン39の操作に応じて表示された加算値の合計数が表示されている。
次に図32(b)を参照して、上述した上乗せ演出B演出ボタン処理について説明する。上乗せ演出B演出ボタン処理は、図18に示したサブ−メインルーチン処理において、ステップS318の16ミリ秒毎処理で実行される処理である。上乗せ演出B演出ボタン処理を開始すると、まず、副制御手段200は、図33の演出画面を表示した後、遊技者によって演出ボタン39が操作された回数に応じてキャラクタ画像Cを変化させる(ステップS850)。例えば、キャラクタ画像Cの動きとして、鎌Kを(i)左上から右下に振り下ろす、(ii)右上から左下に振り下ろす、(iii)左下から右上に振り上げる、(iv)右下から左上に振り上げる、(v)右から左に薙ぐ、(vi)左から右に薙ぐ、といった6通りの動作を定めておき、キャラクタ画像Cに、演出ボタン39の操作回数に応じた動作をさせる。例えば、上述した(i)〜(vi)の動作に対して、0〜5の値を対応づけておく。そして、演出ボタン39の操作回数の値を6で割り、その余りの値(0〜5)に対応する動作を行うように、キャラクタ画像Cを変化させる。
これにより、遊技者が演出ボタン39を操作すると、キャラクタ画像Cが鎌Kを左上から右下に振り下ろし、次に演出ボタン39を操作すると、キャラクタ画像Cが鎌Kを右上から左下に振り下ろす、といった画像の変化が生じる。
次に演出制御手段200は、図31に示す獲得数の記憶領域のうち、前回読み出した領域番号の、次の領域番号に記憶されている獲得数を読み出し(ステップS852)、読み出した獲得数の値が0を超えているか否かを判断する(ステップS854)。読み出した獲得数の値が0を超えている(YES)と判断したときは、図31に示す加算値(上乗せ差枚数)の記憶領域のうち、前回読み出した領域番号の、次の領域番号に記憶されている加算値を読み出し、図33の演出画像の任意の位置に表示する(ステップS856)。ただし、加算値を表示しようしている位置に、既に他の加算値が表示されていた場合は、画像制御基板204で自動的にオフセット量を算出して、表示する位置を新たに決め直すようにして、できるだけ加算値の表示が重ならないようにしてもよい。また、演出制御基板202において、既に表示されている加算値に重ならないような表示位置を決定し、その表示位置に対応する位置情報をサブ制御コマンドに付加して画像制御基板204に送信してもよい。
次に演出制御手段200は、ステップS852で読み出した獲得数の数だけ加算値を読み出したかを判断し(ステップS858)、獲得数の数だけ加算値を読み出していない(NO)と判断としたときは、再びステップS856の処理を行う。そして、ステップS858の判断処理で、獲得数の数だけ加算値を読み出した(YES)と判断すると、副制御手段200は、一回の割込タイミングで実行する上乗せ演出B演出ボタン処理を終了する。
また、ステップS852で読み出した獲得数の値が0であった場合は、ステップS854の判断結果がNOとなり、前述した上乗せ演出B終了フラグをオンにする(ステップS858)。これにより、図32(a)の上乗せ演出B処理において、ステップS844の処理が実行されて、上乗せ演出Bが終了する。
ここで、図31に示す内容で記憶された獲得数および加算値に基づいて、演出ボタン39の操作に応じて変化する演出画像の内容について説明する。まず、図33の演出画像が表示されてから最初に演出ボタン39が表示されたときは、図32(b)、ステップS850の処理において、1÷6=0余り1となり、副制御手段200はキャラクタ画像Cに(ii)鎌Kを右上から左下に振り下ろす動作をさせる。次に副制御手段200は、図31の獲得数の記憶領域のうち、No.1の領域に記憶されている3の値を読み出す(図32(b)、ステップS852)。これにより、図32(b)のステップS854の判断結果はYESとなって、図31の加算値の記憶領域のうち、No.1の領域に記憶されている5の値を読み出して演出画像に表示する(図32(b)、ステップS856)。これにより、図33の演出画像において、実線の円で囲んだ5の数字が1つ表示される。
そして、読み出した獲得数の値が3なので、あと2回、同様の処理を繰り返し、加算値の記憶領域において、No.2および3の領域に記憶されている加算値を各々、図33の演出画像に表示する。これにより、演出ボタン39の最初の操作によって、図33の演出画像には、実線の円で囲まれた5の数字が3つ表示される。
次に演出ボタン39に対して2回目の操作がなされると、2÷6=0余り2となり、キャラクタ画像Cに(iii)鎌Kを左下から右上に振り上げる動作をさせる。次に副制御手段200は、図31の獲得数の記憶領域のうち、No.2の領域に記憶されている2の値を読み出す(図32(b)、ステップS852)。これにより、図32(b)のステップS854の判断結果はYESとなって、図31の加算値の記憶領域のうち、No.4の領域に記憶されている10の値を読み出して演出画像に表示する(図32(b)、ステップS856)。これにより、図33の演出画像において、破線の円で囲んだ10の数字が1つ追加表示される。
そして、読み出した獲得数の値が2であることから、あと1回、同様の処理を行って、加算値の記憶領域において、No.5の領域に記憶されている加算値(5)を、図33の演出画像に表示する。これにより、演出ボタン39に対する2回目の操作によって、図33の演出画像には、破線の円で囲まれた10および5の数字が表示される。
次に演出ボタン39に対して3回目の操作がなされると、3÷6=0余り3となり、キャラクタ画像Cに(iv)鎌Kを右下から左上に振り上げる動作をさせる。次に副制御手段200は、図31の獲得数の記憶領域のうち、No.3の領域に記憶されている1の値を読み出す(図32(b)、ステップS852)。これにより、図32(b)のステップS854の判断結果はYESとなって、図31の加算値の記憶領域のうち、No.6の領域に記憶されている10の値を読み出して演出画像に表示する(図32(b)、ステップS856)。これにより、図33の演出画像において、一点鎖線の円で囲んだ10の数字が1つ追加表示される。そして、読み出した獲得数の値が1であることから、そのまま図32(b)の上乗せ演出B演出ボタン処理を終了する。
このように、演出ボタンが1回操作されるごとにキャラクタ画像Cの異なる動作を表示し、獲得数を1つ読み出し、読み出した獲得数の数だけ加算値を読み出して演出画像に追加表示していく、という演出制御を行う。そして、演出ボタン39に対する操作が12回目になると、図31の獲得数の記憶領域のうち、No.12の領域に記憶されている0の値が読み出される(図32(b)、ステップS852)。これにより、ステップS854の判断結果がNOとなり、上乗せ演出B終了フラグがオンにされ(図32(b)、ステップS860)、上乗せ演出Bが終了する。
なお、上述した上乗せ演出Bにおいて、図26のステップS780〜S792の処理を繰り返すにあたり、1回の「1コマンド処理」中に16ミリ秒になっても継続する場合は、次回の「1コマンド処理」で引き続きステップS780〜S792の処理を継続/再開してもよい旨、説明したが、1回の「1コマンド処理」中に処理を繰り返すことができる上限値を定めておき、繰り返し回数がその上限値に達したときは、16ミリ秒に達する前に処理を中断し、次の「1コマンド処理」で再開してもよい。また、この場合、スタートスイッチ36の操作を契機として送信された制御コマンドに基づいて「1コマンド処理」を行う場合と、第1〜第3停止操作の各々を契機として送信された制御コマンドに基づいて「1コマンド処理」を行う場合と、全リール停止を契機として送信された制御コマンドに基づいて「1コマンド処理」を行う場合と、で、各制御コマンドに基づいて行う演出制御の負荷に応じて上限値を異なる値にしてもよい。また、全リール停止を契機として送信された制御コマンドに基づいて実施する「1コマンド処理」において、上限値に達してもステップS780〜S792の処理が継続する場合は、ステップS780〜S792の処理を強制的に終了させてもよい。
また、上述した上乗せ演出Bは副制御手段200によって制御していたが、主制御手段100によって制御するようにしてもよい。この場合、上乗せ演出Bの実行が決定されたときは、上乗せ獲得数抽選および上乗せ差枚数抽選を行うためのフリーズ演出を実行するようにしてもよい。例えば、上乗せ演出Bの実行が役抽選およびフリーズ抽選によって決定された遊技の払出し処理終了後にフリーズを実行して、最大ベットスイッチ35が押下される毎に「上乗せ獲得抽選」、「上乗せ差枚数抽選」および「継続抽選」を1セット行うようにしてもよく、この場合、継続抽選において当選し続ける限りフリーズ状態を継続するようにする。また、上乗せ差枚数抽選で加算値が決定されるごとに、決定された加算値を、主制御手段100のRWMに記憶されている上限差枚数の値に直接、加算するようにしてもよい。
また、上述した上乗せ演出Bでは、獲得数を抽選によって決定していたが、主制御手段100で上乗せ演出Bを制御する場合は、獲得数を固定値にすることで、主制御手段100から副制御手段200へ送信する情報の種類を少なくして、主制御手段100が実行するプログラムのプログラム容量を節約することが望ましい。
また、上述した上乗せ演出Bでは、加算値も抽選によって決定していたが、主制御手段100で上乗せ演出Bを制御する場合は、固定値を副制御手段200へ送信するようにしてもよい。この場合、主制御手段100において、タイマ割込処理を行う毎に、加算値(固定値)を副制御手段200へ送信するとともに、主制御手段100において、加算値の送信を継続するか否かを抽選によって決定し、この抽選で送信を継続しないことが決定されるまで、タイマ割込処理ごとに加算値を副制御手段200へ送信するようにしてもよい。
また、獲得数および加算値を主制御手段100から副制御手段200へ送信する場合、獲得数および加算値の各数値範囲を、1つの第2制御コマンドのサイズ(1バイト)に収まる範囲に設定するとよい。例えば、獲得数および加算値を各々4ビットで表す場合は、各値の数値範囲を0〜15とする。また、例えば加算値の最大値を16以上(例えば5ビット)にしたい場合は、獲得数の数値範囲を0〜7(3ビット)とする。また、獲得数を固定値とした場合、主制御手段100から副制御手段200に対しては、加算値に関する情報のみを送信し、副制御手段200おいて、演出ボタン39が操作されるごとに、受信した加算値から所定の獲得数ずつ読み出していき、図33に示した演出画像に表示するようにしてもよい。
<演出ボタンの押下検出処理の説明>
次に図34〜図36を参照して、上乗せ演出AおよびBの実行中に、遊技者によって演出ボタン39が押下されたことに応じて副制御手段200が行う処理について説明する。副制御手段200は、演出ボタン39が押下されたときに行う処理の他に、ある時間間隔で、演出ボタン39が押下されたときと同じ処理を行うことで、自動連打機能を提供している。
上述した図34は、演出ボタン39が押下された状態に応じて連打演出を制御する演出ボタン押下判定処理の内容を示すフローチャートである。この演出ボタン押下判定処理は、図18に示したサブ−メインルーチン処理におけるステップS316の16ミリ秒毎処理の中で実行される。図35は、演出ボタン39の押下状態を判断するための演出ボタン入力検知処理の内容を示すフローチャートである。この演出ボタン入力検知処理は、副制御手段200において、1ミリ秒毎に繰り返し実行されるタイマ割込処理において実行される。また、図36は、上乗せ演出中において、演出ボタン39の操作に応じた制御状態の変化や、演出ボタン39の操作に応じて実行される演出のタイミングなどを示すタイミングチャートであり、(a)は上乗せ演出Aの実行中、(b)は上乗せ演出Bの実行中におけるタイミングチャートを示している。
(1)演出ボタン押下判定処理の説明
まず、図18に示したサブ−メインルーチン処理の16ミリ秒毎処理(S316)内で実行される図34の演出ボタン押下判定処理の内容について説明する。図34の演出ボタン押下判定処理を開始すると、副制御手段200はまず、押下信号立ち上がりフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS870)。この押下信号立上りフラグは、演出ボタン39に対する操作に応じて副制御手段200に入力されるボタン入力信号の状態を示すフラグである。すなわち、上述したボタン入力信号は、演出ボタン39が押下されていないときはオフとなり、押下されている間はオンになり続ける信号であり、ボタン入力信号がオフからオンに変化したことが検知されると、押下信号立上りフラグがオンになる。
ステップS870の判断処理で、押下信号立上りフラグがオンになっている(YES)と判断すると、次に副制御手段200は、ボタン有効フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS872)。ここで、ボタン有効フラグは、連打演出中に副制御手段200によってオン/オフ制御されるフラグであり、オンになっているときは、演出ボタン39の押下が有効と扱われて押下回数のカウントが行われるが、オフになっているときは、演出ボタン39が押下されても押下回数がカウントされない。このボタン有効フラグがオフにされる場合として、例えば図29の演出パターンdにおける無効期間Bの期間がある。
ステップS874の判断処理で、ボタン有効フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、RWMに記憶されている押下カウンタの値に1を加算して(ステップS874)、演出ボタン39が操作されたことによる演出(例えばボタン操作音の発生など)を実行する(ステップS876)。そして、押下信号立上りフラグをオフにして(ステップS878)、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。これに対して、ステップS874の判断処理で、ボタン有効フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、直ちにステップS878へ移行して、押下信号立上りフラグをオフにしてから図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。
次に前述したステップS870の判断処理で、押下信号立上りフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、RWMに記憶されている長押し判定フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS880)。この長押し判定フラグは、演出ボタン39の長押し判定中であるか否かを示すフラグである。ここで、長押し判定とは、遊技者が演出ボタン39を所定時間以上押下され続けているか否かを判定することをいう。また、長押し判定フラグは、後述する図35の演出ボタン入力検知処理でオンにされるフラグであり、オンのときは遊技者によって演出ボタンの長押しがされていると判定したことを示し、オフのときは長押しされていないと判定したことを示している。
ステップS880の判断処理で、長押し判定フラグがオフである(NO)と判断したときは、図34(b)に示す連打間隔テーブルの最初のカウント値(No.1の値「30」)を読み出して、RWMに記憶されているみなし処理実行判定カウンタにセットする(ステップS880)。そして、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。
これに対して、ステップS880の判断処理で、長押し判定フラグがオンである(YES)と判断したときは、RWMに記憶されているみなし処理実行判定カウンタの値から1を引いて(ステップS884)、みなし処理実行判定カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS886)。みなし処理実行判定カウンタの値が0ではない(NO)と判断したときは、ステップS896の処理へ移行して、長押し判定フラグをオフにした後、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。これに対して、みなし処理実行判定カウンタの値が0である(YES)と判断したときは、前述したボタン有効フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS888)。
ステップS888の判断処理で、ボタン有効フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、前述した押下回数カウンタの値に1を加算し(ステップS890)、演出ボタン39が操作されたことによる演出を実行する(ステップS892)。そして、図34(b)に示した連打間隔から、前回読み出したカウント値の次のカウント値を読み出して、みなし処理実行判定カウンタにセットする(ステップS894)。ただし、前回読み出したカウント値が、図34(b)の連打間隔テーブルにおける最後のカウント値(No.5の「15」)だったときは、再び最後のカウント値を読み出す。そして、ステップS896の処理へ移行して、長押し判定フラグをオフにしてから、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。
これに対して、ステップS888の判断処理で、ボタン有効フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、次に、RWMに記憶されている加速許可フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS898)。ここで、加速許可フラグは遊技者が演出ボタン39を長押ししている間、自動連打の間隔を徐々に短くしていくか否かを示すフラグである。副制御手段200は、加速許可フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、図34(b)に示す連打間隔から前回読み出したカウント値の次のカウント値を読み出し、みなし処理実行判定カウンタにセットする(ステップS900)。ただし、前回読み出したカウント値が、図34(b)の連打間隔テーブルにおける最後のカウント値(No.5の「15」)だったときは、再び最後のカウント値を読み出す。これに対して、加速許可フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図34(b)に示す連打間隔テーブルから前回読み出したカウント値と同じカウント値を読み出し、みなし処理実行判定カウンタにセットする(ステップS902)。
このように、加速許可フラグのオン/オフ状態に応じたカウント値をみなし処理実行判定カウンタにセットすると、次に副制御手段200は、演出出力許可フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS904)。そして、演出出力許可フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、演出ボタン39が操作されたことによる演出を実行し(ステップS906)、ステップS896の処理へ移行して長押し判定フラグをオフにした後、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。これに対して、演出出力許可フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、直ちにステップS896の処理へ移行して長押し判定フラグをオフにした後、図34(a)に示す演出ボタン押下判定処理を終了する。
以上のように、演出ボタン39が操作されたときにボタン有効フラグがオンになっていたときは、押下回数カウンタの値が1加算されて、演出ボタン39の押下に合わせた演出が実行される(ステップS870(YES)→S872(YES)→S874→S876)。また、演出ボタン39が操作されたときにボタン有効フラグがオフになっていたときは、長押し判定フラグがオンであれば、みなし処理実行判定カウンタの値が1減算される(ステップS870(NO)→S880(YES)→S884)。したがって、この状態で演出ボタン39を長押しすると、16ミリ秒ごとにみなし処理実行判定カウンタの値が1ずつ減算されていく。
そして、みなし処理実行判定カウンタの値が0になると、加速許可フラグのオン/オフ状態に応じてみなし処理実行判定カウンタに新たなカウント値がセットされ(ステップS900またはS902)、演出出力許可フラグがオンであれば、演出ボタン39が押下された場合における所定の演出が実行される。このとき、加速許可フラグがオフであれば、連打間隔テーブルから同じ値がみなし処理実行判定カウンタにセットされるため、演出ボタン39の操作時に行われる演出は等間隔で発生する。これに対して、加速許可フラグがオンであれば、みなし処理実行判定カウンタにセットされる値が徐々に小さくなっていくため、演出ボタン39の操作時に行われる演出の間隔も徐々に短くなっていく。
なお、図34に示した演出ボタン押下判定処理では、ステップS870の判断処理で、押下信号立ち上がりフラグがオフになっているときは(判断結果がNO)、ステップS880〜S906の処理を行っていたが、自動連打機能を必要としない仕様のスロットマシンであれば、ステップS870の判断結果がNOとなったときに、直ちに図34の演出ボタン押下判定処理を終了するようにしてもよい。また、ステップS888の判断処理でボタン有効フラグがオンになった場合(判断結果がYES)、ステップS892の処理の演出制御処理を行った後、ステップS894の処理によって連打間隔テーブルから次のカウント値を読み出していたが、ステップS892の処理の後に、加速許可フラグがオンか否かを判断し、オンになっていたときにステップS894の処理を行い、オフになっていたときは、ステップS902の処理と同様に、前回読み出したカウント値と同じカウント値を読み出すようにしてもよい。
(2)演出ボタン入力検知処理の説明
次に、副制御手段200において、1ミリ秒ごとに実行されるタイマ割込処理内で行われる図35の演出ボタン入力検知処理の内容について説明する。
(2−1)演出ボタンが押下されていないときの処理
まず、副制御手段200は、検出状態が1であるか否かを判断する(ステップS910)。ここで、検出状態は演出ボタン39の操作状態を示すものであり、1のときは演出ボタン39が押下されていない状態、2のときは演出ボタン39が押下されている状態、3のときは演出ボタン39が長押しされている状態を示している。
ステップS910の判断処理で、検出状態が1である(YES)と判断したときは、次にボタン検知センサがオンになっているか否かを判断する(ステップS912)。このボタン検知センサは、演出ボタン39の押下が検知されるとオンになり、押下が検知されないとオフになる。ステップS912の判断処理で、ボタン検知センサがオフになっている(NO)と判断すると、副制御手段200は、そのまま図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。これに対して、ボタン検知センサがオンになっている(YES)と判断したときは、検出状態を2に更新し(ステップS914)、RWMに記憶されている検出時間カウンタの値および否検出カウンタの値を0にクリアした後(ステップS916)、図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。
ここで、検出時間カウンタの値は、検出状態が2または3になっている間、図35の演出ボタン入力検知処理が実行されるごとに1ずつ加算されいき、否検出カウンタの値は、ボタン検知センサがオンになるまで1ずつ加算されていく。
(2−2)演出ボタンが押下されているときの処理
副制御手段200が、前述したステップS910の判断処理で、検出状態が1ではない(NO)と判断したときは、次に検出状態が2であるか否かを判断する(ステップS918)。検出状態が2である(YES)と判断したときは、次に、ボタン検知センサがオンになっているか否かを判断する(ステップS920)。そして、ボタン検知センサがオンになっている(YES)と判断したときは、検出時間カウンタの値に1を加算し、否検出カウンタの値をクリアする(ステップS922)。次に副制御手段200は、検出時間カウンタの値が3以上であるか否かを判断する(ステップS924)。そして、検出時間カウンタの値が3以上ではない(NO)と判断したときは、そのまま図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。これに対して、検出時間カウンタの値が3以上である(YES)と判断したときは、押下信号立上りフラグをオンにした後(ステップS926)、検出状態を3にして(ステップS928)、図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。
これに対して、ステップS920の判断処理で、ボタン検知センサがオフになっている(NO)と判断したときは、検出時間カウンタおよび否検出カウンタの値に1を加算する(ステップS934)。すなわち、遊技者は演出ボタン93を押下したにも関わらず、演出ボタン39で発生したチャタリングによってボタン検知センサがごく短時間にオン/オフを繰り返し、その際、副制御手段200がたまたまオフ状態をサンプリングしてしまう可能性もある。したがって、そのような場合を考慮して、ボタン検出センサがオフだったときは、否検出カウンタのみならず、検出時間カウンタの値にも1を加算している。このような処理を行うことで、16ミリ秒毎に実行される演出ボタン押下判定処理の間に、確実に長押しの判定を行うことが可能となる。
次に副制御手段200は、否検出カウンタの値が2以上であるか否かを判断する(ステップS936)。そして、否検出カウンタの値が2以上ではない(NO)と判断したときは、そのまま図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。これに対して、否検出カウンタの値が2以上である(YES)と判断したときは、検出状態を1にした後(ステップS938)、図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。ここで、ステップS936の判断処理では、否検出カウンタの値が2以上であるときに、ステップS938の処理で検出状態を1にしていたが、検出状態を1にするための否検出カウンタの値の下限値は2に限定されず、演出ボタン39で発生するチャタリングの継続時間に応じて、下限値を2よりも大きい値にしてもよい。
(2−3)演出ボタンが長押しされているときの処理
副制御手段200が、前述したステップS918の判断処理で、検出状態が2ではない(NO)と判断したときは、次に検出状態が3であるか否かを判断する(ステップS918)。検出状態が3である(YES)と判断したときは、次に、ボタン検知センサがオンになっているか否かを判断する(ステップS932)。そして、ボタン検知センサがオンになっている(YES)と判断したときは、検出時間カウンタの値に1を加算し、否検出カウンタの値をクリアする(ステップS940)。次に副制御手段200は、検出時間カウンタの値を16で除算した結果、余りが0になったか否かを判断する(ステップS942)。そして、余りが0ではない(NO)と判断したときは、そのまま図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。これに対して、余りが0である(YES)と判断したときは、長押し判定フラグをオンにした後(ステップS944)、図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。
これに対して、ステップS932の判断処理で、ボタン検知センサがオフになっている(NO)と判断したときは、ステップS934の処理に進み、検出時間カウンタおよび否検出カウンタの値も1を加算する。そして、ステップS936の処理に進み、否検出カウンタの値が2以上であるか否かを判断する。そして、否検出カウンタの値が2以上ではない(NO)と判断したときは、そのまま図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。これに対して、否検出カウンタの値が2以上である(YES)と判断したときは、ステップS938の処理で検出状態を1にし、図35の演出ボタン入力検知処理を終了する。
このように、図35の演出ボタン入力検知処理では、検出状態が1のときに演出ボタン39の押下が検知されると検出状態が2となり、検出状態が2のときに、2回のタイマ割込処理で連続して演出ボタン39の押下が検知されなかった場合は、検出状態が1となる。また、検出状態が2の状態で3回連続して演出ボタン39の押下が検知された場合は、検出状態が3となる。そして、検出状態が3のときに検出時間カウンタの値を16で割って余りが0になると長押し判定フラグがオンにされ、演出ボタン39が長押しされていると判断する。なお、長押し判定フラグは、みなし処理実行判定カウンタに新たに値がセットされたときにオフにされる(図34(a),ステップS896)。
次に図36を参照して、上乗せ演出中における上述した各種フラグの状態の変化と、実行される演出との関連性について説明する。ここで、図36(a)は上乗せ演出Aにおける演出ボタン39の押下に伴う処理の状態を示し、図36(b)は上乗せ演出Bにおける演出ボタン39の押下に伴う処理の状態を示している。
まず、図36(a)に示す上乗せ演出Aでは、副制御手段200は、演出開始後、加速許可フラグ、演出出力許可フラグおよびボタン有効フラグをオフにした状態で、画像表示装置70に図29(a)に示した選択画面を表示した後、遊技者が挑戦を選択すると、画像表示装置70に図29(b)に示した演出画像を表示して準備期間に移行する。そして、準備期間中に演出ボタン39が長押しされると(図34、ステップS870,S880(YES))、みなし処理実行判定カウンタの値が0になるごとに、図34(a)のステップS902の処理によってカウント値がセットされるため、一定時間毎にボタン信号が発生して自動連打が行われる(図34(a)、ステップS886(YES)→S888,S898(NO)→S902)。ただし、演出出力許可フラグがオフになっているため、演出ボタン39の押下に基づく演出は実行されない(図34(a)、ステップS904(NO)→リターン)。ここで、演出ボタン39の押下に基づく演出を、以下では「連打演出」という、この連打演出の具体例としては、例えば、演出ボタン39の押下音の発生や、演出画像内のろうそくの灯の揺れや明るさなどを変化させる効果演出や、レベルメータLVのレベル(境界線Bの位置)を変化させる演出などがある。
そして、副制御手段200が、準備期間中に演出ボタン39が押下されたことを検知すると、連打演出を開始し、加速許可フラグ、演出出力許可フラグおよびボタン有効フラグをオンにする。これにより、ボタン信号の発生間隔が徐々に短くなって自動連打が最短間隔に到達するまで加速していき、最短間隔に到達した後は、最短間隔が維持される。この間、ボタン入力信号が発生する毎に、押下カウンタの値が1ずつ加算されると共に連打演出が実行される(図34(a)、ステップS890→S892)。
また、連打演出中に、遊技者が演出ボタン39の押下を一旦中断して、再度押下した場合は、再度押下した時点から再び自動連打の加速が開始される。やがて1回の延長機会が終了すると、加速許可フラグ、演出出力許可フラグおよびボタン有効フラグをオフにして、次の延長機会に挑戦するか否かを選択するための選択画面(図29(a)参照)を画像表示装置70に表示する。そして、この間、遊技者が長押しを継続すると、自動連打によって挑戦することを選択されると、副制御手段200は、演出出力許可フラグをオンにして、再び画像表示装置70に図29(b)に示した演出画像を表示して、準備期間に移行する。この準備期間中には、演出出力許可フラグがオンにされているため、自動連打に基づく連打演出が行われる。(図34(a)のステップS904(YES)→S906)。ただし、この期間は押下回数のカウントは行われない(図34(a)のステップS888(NO)によりS890の処理が行われないため)。そして、ボタン有効フラグがオンになると、それ以降、ボタン入力信号に応じて押下回数カウンタの値が1ずつ加算されていく。
次に、図36(b)に示す上乗せ演出Bでは、副制御手段200は、演出開始後、加速許可フラグをオンにし、演出出力許可フラグおよびボタン有効フラグをオフにした状態で、画像表示装置70に導入画面を表示する。そして、この間に演出ボタン39が長押しされると(図34、ステップS870,S880(YES))、みなし処理実行判定カウンタの値が0になるごとに、図34(a)のステップS900の処理によってカウント値がセットされるため、ボタン信号の発生間隔が短くなる(すなわち、加速される)自動連打が行われる(図34(a)、ステップS886(YES)→S888(NO)→S898(YES)→S900)。
そして、図34(b)に示す連打間隔テーブルの最後のカウント値を読み出した後は、上乗せ演出Bが終了するまで、ボタン入力信号の発生間隔が最短間隔に維持される。ただし、この期間は演出出力許可フラグがオフになっているため、演出ボタン39の操作音などの演出は実行されない(図34(a)、ステップS904(NO)→リターン)。上乗せ演出Aでは、連打演出の画像が表示されてから自動連打が加速して行ったが、上乗せ演出Bでは、導入画像の表示中でも自動連打が加速していく。ただし、ボタン有効フラグおよび演出出力許可フラグがオンにされるまでは、押下回数はカウントされず、操作音などの演出も行われない。
なお、図34および図35に示した演出ボタンに関する処理は、スロットマシンだけでなく、パチンコ機のような遊技機に設けられた演出ボタンに対しても適用可能である。また、図34(a)の演出ボタン押下判定処理では、みなし処理実行判定カウンタにセットする値を、図34(b)の連打間隔テーブルから読み出していたが、初期値から、みなし処理実行判定カウンタの値が0になるごとに所定値を引いていくことで、みなし処理実行判定カウンタにセットする値を徐々に小さくしていってもよい。また、みなし処理実行判定カウンタにセットする値が下限値に到達した後は、下限値を維持するような処理を行うようにしてもよい。
また、16ミリ秒毎処理で実行される図34(a)の演出ボタン押下判定処理で参照される押下信号立上りフラグと長押し判定フラグは、1ミリ秒ごとに実行される図35の演出ボタン入力検知処理(より厳密には1ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理内で行われる)によってオンにされる(図35のステップS926,S944参照)。このため、図34(a)の演出ボタン押下判定処理において、押下信号立上りフラグおよび長押し判定フラグが同時にオンになっている場合がある。図34および図35の処理を連打演出以外の処理に流用したときに、この状態によって何らかの支障を来す可能性がある場合は、例えば、図34(a)のステップS878の処理を行った後、ステップS896へ移行して長押し判定フラグをオフにしてもよい。また、他の方法としては、図35のステップS926の処理を行った後に、検出時間カウンタの値を0にリセットしてもよい。
また、上述した実施形態では、演出ボタン39が押下されたときの処理として説明したが、演出ボタン39の代わりに、例えば最大ベットスイッチ35やストップスイッチ37L,37C,37Rのようにスロットマシンの遊技を行うためのスイッチ類の操作に基づいて連打演出を制御してもよい。この場合、これらのスイッチ類に対する操作を主制御手段300で検知し、その検知結果を制御コマンドによって副制御手段200に送信してもよいし、これらのスイッチ類に対する操作の検知信号を直接、副制御手段200に入力するようにしてもよい。そして、副制御手段200において、受信した検知結果に基づいて図34、図35の処理を行うようにしてもよい。この場合、副制御手段200においては、フリーズ状態であることを条件として連打演出を開始するようにし、連打演出の結果を示すための条件(例えば、ベットスイッチまたはストップスイッチに対する操作が所定回数行われたことなど)が満たされるたびに、フリーズの解除と再度フリーズ状態にする(フリーズの延長)制御とを交互に行ってもよい。また、上述した制御コマンドを送信する毎に、リール40L,40C,40Rを振動させるなど、リール制御手段130によって様々な動きを実行してもよい。