以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では特に断りがない場合、カギ括弧でくくられた数字は10進法の数値を示し、末尾に「H」が付された0〜9およびA〜Fのいずれかからなる英数字は16進法で表された数値を示す。ただし、後述する制御コマンドおよびRAMのアドレスを示す4桁の16進法の数には「H」の文字の付与を省略する。また、末尾に「B」が付された0または1からなる数値は2進法で表された数値を示す。
[筐体構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄を視認することができるようになっている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷されている帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が、表示窓22から視認可能となっている。すなわち、表示窓22には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中段Mを横切る1本の入賞ラインLが定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが、停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された横並びの3つの図柄からなる組合せが、いずれかの役に対応していればその役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄(または図柄組合せ)が揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技にベットされるメダルの枚数を表示するものである。ここでは、1枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルがベットされるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)や、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされると1回の遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御手段100内のRAMに記憶されている)メダルの枚数を表示する。ここで本実施形態において、クレジットすることができるメダルの上限数は50枚である。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部(具体的には、メダルを選別する為のセレクタ)には、メダルセンサ(通過センサ)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。これにより、主制御手段100は、メダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へベットするための1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。ここで、スロットマシン10においては、後述するMB遊技における規定枚数は2枚であり、MB遊技ではない遊技(通常遊技)における規定枚数は3枚である。また、規定枚数までメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジットに記憶される。なお、規定枚数のメダルがベットされ、かつ、クレジットに記憶された枚数が上限値に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルがベットされると操作が有効となる。なお、遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、メダルがベットされなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の遊技を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。この状態で遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓22内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、後述する疑似遊技演出中やフリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示されることもある。
操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。ここで、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効(受付可能な状態)となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効(受付られない状態)になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。すなわち、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lのリール停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cのリール停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rのリール停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、全リールが回転を開始してから最初のストップスイッチの操作を第1停止操作といい、2番目の操作を第2停止操作といい、最後の操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓22に停止表示される3つの図柄領域の各中心位置が、表示窓22内に設定された上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止制御される。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、精算スイッチ33が設けられており、メダルのベット受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダルのベット受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定枚数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作が有効となるまでの間とする。上述した精算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていたメダルの双方が払い戻されるようになっているが、例えば、ベットされているメダルがあるときに精算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)のときに精算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことになったときに精算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動してその小役に対応した枚数のメダルがクレジットに記憶または払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で精算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、遊技中に表示される演出用画像、役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像、スロットマシン本来の遊技の進行(メダルベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示することができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、遊技によってメダルが払い出されやすい状態になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。図2(a)に示すように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には20個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、図2(b)に示すように、数字の7を赤色および白色で表した「赤セブン」図柄、「白セブンA」図柄および「白セブンB」図柄、“BAR”の文字が描かれた「バー」図柄、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「チェリーA」図柄および「チェリーB」図柄、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄、大木を薄いグレーの目立たない色で描かれた「樹木」図柄がある。なお、「チェリーA」図柄と「チェリーB」図柄とは、互いに葉っぱの向きが異なっている。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示し、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
[制御手段の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、遊技の演出を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技に伴って実行される演出や各種情報を報知する制御を行う。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から何らかの情報が主制御手段100へ直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)が1つのチップに構成されたものである。この主制御手段100は主制御基板とも呼ばれ、主制御基板100の機能を実現するための回路は一枚の基板上に構成されている。ここで、上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、HレジスタおよびLレジスタ)と、フラグレジスタとを備えており、これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することも可能である。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じたときに「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「0」になったとき、および、所定の演算(LD命令)を行ったときに「1」となるフラグである。なお、本実施形態において、1バイト(8ビット)のデータを2進法の数値で表す場合は、「0」または「1」からなる8桁の数字を[]で括って表記するとともに、末尾に付与する「B」を省略する。
I/Oポートは、操作手段300、モータ駆動回路44、ホッパー駆動回路80等との信号の授受を行い、タイマカウント手段は、CPUなどが作動するためのクロック信号の計数値に基づいて割込要求信号を生成し、乱数生成手段は、各種抽選を行う際に使用される乱数を生成する。主制御手段100には、操作手段300と、遊技情報表示手段400と、モータ駆動回路44と、インデックスセンサ(「リールセンサ」ともいう)46と、ホッパー駆動回路80およびメダル払出装置82と、外部集中端子基板84とが電気的に接続されている。
操作手段300は、図1に示したスタートスイッチ36を含む回転操作検出手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rを含む停止操作検出手段320と、1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35を含むベット操作検出手段330と、精算スイッチ33とによって構成されている。また、遊技情報表示手段400は、図1に示したベット数表示ランプ26a〜26cと、クレジット数表示器27と、獲得枚数表示器28とによって構成されている。
モータ駆動回路44は、主制御手段100から出力される励磁信号に従って、各リール用のステッピングモータ42L,42C,42Rを個々に駆動し、対応するリールを回転または停止させる。インデックスセンサ46L,46C,46Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられているインデックス(被検出部材)を検出すると、主制御手段100に対して基準位置信号を出力する。これにより主制御手段100は、当該基準位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(換言すると、表示窓22に表示されている図柄)を認識している。ホッパー駆動回路80は、メダルを払い出す際に主制御手段100から出力される駆動信号に従って、メダル払出装置82を駆動する。また、メダル払出装置82は、メダルを1枚払い出すごとに払出信号を主制御手段100に対して出力し、主制御手段100は、当該払出信号をカウントすることで、メダル払出装置82から払い出すメダルの枚数を制御する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部へ出力する際に、それらの情報を中継する基板である。これにより、スロットマシン10が、例えばスロットマシン10に対応して別途設置されている遊技情報表示装置や、遊技場に設置され、各遊技機の遊技状態や出玉などを管理するいわゆるホールコンピュータへ情報を送信する場合は、この外部集中端子基板84を介して行われる。ここで、スロットマシン10から外部へ送信される情報としては、遊技が行われる際にメダルがベットされたことを示すベット信号(IN信号)、遊技者にメダルが払い出されたことを示す払出信号(OUT信号)、後述する役抽選状態が「MB遊技」になったことを示す信号(MB信号)、再遊技役が入賞したことを示す信号(RP信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)、および、後述するAT遊技が行われていることを示す信号(AT信号)を出力する。
<主制御手段の機能ブロック>
次に、主制御手段100の機能ブロックについて説明する。主制御手段100は、抽選手段110と、リール制御手段120と、入賞判定手段130と、遊技状態制御手段140と、入賞処理手段150と、外部信号出力手段160と、を含んでいる。なお、以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100を構成するROMに記憶された制御プログラムを、CPUによって実行することで実現されるものとする。
<抽選手段の説明>
抽選手段110は、遊技に関する各種抽選を行うものであり、役抽選手段112と、疑似遊技演出抽選手段114とを含んでいる。
(役抽選手段の説明)
役抽選手段112は、遊技者に特典が付与されることとなる図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されることを許容するか否かを抽選によって決定する。ここで、遊技者に対して特典が付与されることとなる図柄組合せについて、図4および図5を参照して説明する。
図4は、リール40L,40C,40Rに描かれた図柄の組合せと、特典として払い出されるメダルの枚数との関係を示す図である。この図において、「払出枚数」の欄に記載されているメダル枚数は、対応する図柄組合せが通常遊技中に停止表示されたときに払い出される枚数を示しており、かっこ内に示すメダル枚数は、後述するMB遊技中に停止表示されたときに払い出される枚数を示している。例えば、全てのリールの回転が停止したときに、左リール40Lの「スイカ」図柄、中リール40Cの「ベル」図柄、および右リール40Rの「リプレイ」図柄が、それぞれ中段Mに停止した場合(すなわち、「スイカ−ベル−リプレイ」の図柄組合せが入賞ラインLに揃った場合)、通常遊技中であれば8枚のメダルが払い出され、後述するMB遊技中であれば2枚のメダルが払い出されることを示している。
また、図4に示す各図柄組合せには各々対応する条件装置が定められており、各図柄組合せは、対応する条件装置が作動しなければ入賞ラインL上に停止表示させることができないようになっている。ここで、たとえば上述した「スイカ−ベル−リプレイ」の図柄組合せには、「ベル−01」という条件装置が対応付けられており、以下、図4に示す各図柄組合せに対して、「ベル−02」〜「ベル−21」、「チェリー−01」〜「チェリー−04」、「スイカ−01」〜「スイカ−03」、および、「特殊−01」〜「特殊−02」という条件装置がそれぞれ対応付けられている。また、1つの条件装置に対応する図柄組合せは1つでも複数でもよく、例えば「ベル−18」という条件装置に対しては、「ベル−ベル−チェリーA」および「ベル−ベル−チェリーB」という2つ図柄組合せが対応付けられている。また、例えば「チェリー−02」という条件装置に対しては「チェリーA−ANY−ANY」(「ANY」は任意の図柄)の図柄組合せが対応していることから、左リール40Lの「チェリーA」図柄(1通り)×中リール40Cの任意の図柄(20通り)×右リール40Rの任意の図柄(20通り)=400通りの図柄組合せが対応付けられている。
役抽選手段112は、遊技者によるスタートスイッチ36の操作に応じて、主制御手段100が有する乱数生成手段によって生成された乱数(数値範囲:0〜65535)を取得(ラッチともいう)し、当該取得した乱数と、後述する役抽選テーブルとに基づいて抽選を行い、いずれの条件装置を作動させるのかを決定する。すなわち、この抽選で当選した条件装置が作動することとなり、作動した条件装置に対応する図柄組合せを入賞ラインL上に揃えられる状態となる。以下では、作動する条件装置を決定するための抽選を役抽選という。なお、本実施形態では、取得した乱数と役抽選テーブルとに基づいて役抽選を実行しているが、取得した乱数と別の乱数(例:ソフト乱数)とを演算して得られた結果を役抽選用の乱数として用い、当該乱数と役抽選テーブルとに基づいて役抽選を実行しても良い。
次に図5は、特典としてMB遊技が開始されることとなる図柄組合せ(条件装置「2種BB」)、および再遊技が開始されることとなる図柄組合せ(条件装置「再遊技−01」〜「再遊技−12」)を示している。ここでMB遊技では、役抽選手段112の抽選によらずに、図4に示した「ベル−01」〜「ベル−21」、「チェリー−01」〜「チェリー−04」、「スイカ−01」〜「スイカ−03」、および、「特殊−01」〜「特殊−02」の条件装置が作動する遊技が、所定の終了条件が成立するまで繰り返し行われる遊技である。スロットマシン10におけるMB遊技は、MB遊技が開始してから払い出されたメダル枚数が28枚を超えると終了条件が成立してMB遊技が終了する。また再遊技は、メダルをベットせずに行うことができる遊技である。
このように、図4および図5に示した各条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されると、その図柄組合せに応じた特典が遊技者に付与される。したがって、条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されたということは、役が入賞したことと同等であるといえる。そこで、以下では図4に示す図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示された場合は、「小役が入賞した」ともいう。また、図5に示す条件装置「2種BB」に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示された場合は、「MB役が入賞した」ともいう。さらに、図5に示す条件装置「再遊技−01」〜「再遊技−12」に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示された場合は、「再遊技役が入賞した」ともいう。
前述したように、役抽選手段112によって行われる役抽選によって作動する条件装置を決定しているが、役抽選によって選択され得る抽選対象と、各抽選対象に対応付けられた条件装置との対応について図6を参照して説明する。スロットマシン10における役抽選では、抽選対象が図6に示すように「ハズレ」から「2種BB」まで、36種類定められており、前述したように、取得された乱数の値に応じていずれか1つの抽選対象が選択される。ここで、通常遊技中に役抽選によって抽選対象「ハズレ」が選択された場合は、いずれの条件装置も作動しないため、図4および図5に示した図柄組合せのいずれも入賞ラインL上に揃うことはない。一方、例えば抽選対象「再遊技群A1」が選択された場合は、図5に示した「再遊技−01」、「再遊技−04」、「再遊技−05」、「再遊技−09」、「再遊技−10」、「再遊技−11」および「再遊技−12」が作動する。これにより、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対する遊技者の操作に応じていずれかの条件装置に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃うことになる。
また、図6に示す抽選対象のうち「全小役」は、通常遊技中の役抽選では抽選対象とされず、かつ、MB遊技中は役抽選に依らず毎遊技必ず選択される。そして、「全小役」が選択された場合は、前述したように図4に示した「ベル−01」〜「ベル−21」、「チェリー−01」〜「チェリー−04」、「スイカ−01」〜「スイカ−03」、および、「特殊−01」〜「特殊−02」の条件装置が作動する。また抽選対象「2種BB」は、通常遊技中の役抽選で選択されて条件装置「2種BB」が一旦作動すると、図5に示した「樹木−白セブンA−白セブンA」の図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されるまで「2種BB」の条件装置が作動し続けることとなり、いわゆる「ボーナスフラグの持ち越し」状態となる。
なお、条件装置は、例えばRAMのような記憶装置によって実現することができる。この場合、予め各条件装置に対応するアドレスを設定しておき、役抽選によって作動することとなった場合、その条件装置に対応するアドレスに格納されているデータを、非作動状態を示すデータから作動状態を示すデータに更新する。
次に図7に示す役抽選テーブルを参照して、図6に示した各抽選対象の役抽選における当選確率について説明する。役抽選手段112が行う役抽選では、予め各抽選対象に対して、主制御手段100の乱数生成手段が生成し得る乱数の各数値(数値範囲は0〜65535)が対応付けられており、取得された乱数の値が対応付けられた抽選対象が、役抽選で当選した抽選対象となる。図7に示す役抽選テーブルは、各抽選対象に対して当選したとみなされる乱数値の数(置数)を示したものであり、各抽選対象に対応付けられた置数の値を、65536という値(乱数生成手段が生成し得る乱数値の数)で割った値がその抽選対象の当選確率となる。
また、図7に示す役抽選テーブルには、各抽選対象に対応付けられた置数の値が各々異なる「設定1」〜「設定6」の置数群が定められている。以下では、「設定1」〜「設定6」のいずれかをいうときはカギ括弧をつけて「設定」と表記し、一般的な文言である設定と区別する。具体的には、各抽選対象のうち、「ハズレ」、「チェリー群−A」、「チェリー群−B」および「スイカ群−A」に対する置数の値が各「設定」間で異なっている。換言すると、これらの抽選対象以外については、いずれの「設定」においても同じ置数の数が対応付けられている。また、各「設定」において、「ハズレ」、「再遊技群−A1」、「再遊技群−A2」、「再遊技群−B1」〜「再遊技群−B4」および「2種BB」の抽選対象については「非RT」という状態と、「RT」という状態とで、対応付けられた置数の値が異なっている。
ここで、「非RT」は「非内部中」ともいい、スロットマシン10の初期状態であり、通常遊技において条件装置「2種BB」が作動していない状態である。また「RT」は「内部中」ともいい、通常遊技において条件装置「2種BB」が作動している状態である。すなわち、「非RT」状態のときに役抽選で抽選対象「2種BB」が当選すると、条件装置「2種BB」が作動して「RT」状態へ移行する。そして、「RT」状態へ移行すると、「再遊技群−A1」および「再遊技群−B1」〜「再遊技群−B4」の置数が増加(当選確率が上昇)し、「再遊技群−A2」の置数が減少(当選確率が下降)する。また、役抽選で「ハズレ」となることがなくなり、抽選対象「2種BB」は抽選対象から除外される。なお、抽選対象「全小役」は、前述したようにMB遊技において役抽選に依らずに選択される抽選対象であるため、図7に示す役抽選テーブルでは抽選対象から除外している。
このように、役抽選における各抽選対象の当選確率に関する役抽選状態には、図8に示す様に「非RT」、「RT」および「MB遊技」の3つの状態がある。そして、初期状態である「非RT」状態において役抽選手段112によって行われた役抽選で抽選対象「2種BB」が当選すると、条件装置「2種BB」が作動して「RT」状態へ移行する。これにより、抽選対象「再遊技群−A1」および「再遊技群−B1」〜「再遊技群−B4」の当選確率が上昇し、「ハズレ」となることがない。そして「RT」状態のときに入賞ラインLに沿って「樹木−白セブンA−白セブンA」の図柄組合せが停止表示されると、「MB遊技」状態へ移行する。この状態においては毎遊技、役抽選手段112による役抽選によらず、抽選対象「全小役」が選択される。「MB遊技」状態へ移行した後に行われた遊技によって、払い出されたメダルの合計枚数が28枚を超えると、再び「非RT」へ戻り、次の遊技から「非RT」状態の遊技が行われる。
(疑似遊技演出抽選手段の説明)
図3に戻り、疑似遊技演出抽選手段114は、所定の条件が満たされると、スタートスイッチ36が操作されたことを契機として、主制御手段100が有する乱数生成手段が生成した乱数に基づいて、実行する疑似遊技演出の種類を決定する疑似遊技演出抽選を行う。本実施形態では、役抽選で使用される乱数と疑似遊技演出抽選で使用される乱数とで別の乱数を用いている。例えば、乱数生成手段が16ビット乱数ch(チャンネル)0および16ビット乱数ch1を有し、各チャンネルから取得できる乱数は0〜65535までの数値をランダム(均一)に生成するが、乱数の更新タイミングが同一の場合であっても互いに異なる数値を取得し得るような数列が配列されていたとする。このような場合は、役抽選で使用される乱数を16ビット乱数ch0で生成し、疑似遊技演出抽選で使用される乱数を16ビット乱数ch1で生成する。このように構成することにより、役抽選と疑似遊技抽選とで、取得する乱数においては関連性を持たせないようにしている。もちろん、同一の16ビット乱数chを用いることや、乱数生成回路8ビット乱数chを用いること、プログラムに基づくソフト乱数を用いることもできる。
疑似遊技演出は、基本的には遊技の進行を所定期間、一時停止状態(フリーズ状態)にして遅延させるフリーズ演出の一種である。フリーズ演出中は、例えば、遊技媒体の受付け、ベットスイッチ34,35の操作の受付け、遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作の受付け、又は、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対するリール停止操作の受付け、といったスロットマシン10が提供する本来の遊技の進行に関わる機能が一時的停止状態となる。なお、フリーズ演出において、これら遊技の進行に関わる機能のうち、全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、ベットスイッチ34,35の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートスイッチ36の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。また、フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止している期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、制御手段において、その入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受付けない、または、操作された各種スイッチにおいて、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させてから制御手段へ出力するなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べて、1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
遊技中に行われたスタートスイッチ36の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートスイッチ36が操作されたときから所定期間はリールの回転を行わずに、所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されたときに所定期間は役抽選とリールの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリールの回転は行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリールの回転や停止を行う場合が挙げられる。
また、遊技中に行われたストップスイッチ36の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rの操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rの操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出とでは、フリーズ演出の制御処理が異なる。
ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rの操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリールの停止制御処理を所定期間行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリールを停止できなくなるが、所定期間が経過すると、上述したストップスイッチの操作の受付け処理によって受け付けていた操作に応じた停止制御処理を行うので、停止操作の受付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
これに対して、ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rの操作の結果、特定の図柄が表示窓22内に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理としては、例えば、最後のストップスイッチ以外のストップスイッチの操作で、特定の図柄が表示窓22内に停止表示されたときは、次に操作されたストップスイッチに応じた停止制御を所定期間行わない。また、最後のストップスイッチの操作で特定の図柄が表示窓22内に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットスイッチの操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技が行われることとなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を、所定期間行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行っている所定期間は、遊技者の操作に基づいて遊技を進行させるための制御を一時停止させるが、遊技の進行に関わらない遊技機の動作は実行してもよい。例えば、ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rの操作に基づく停止制御処理は行わないが、フリーズ演出を行っている所定期間中にリールを回転させてもよいし、その回転態様を任意に設定してもよい。
上述した回転態様としては、リールを通常回転とは逆方向に回転すること、リールを所定図柄数回転し特定の図柄組合せを停止表示すること、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リールの回転速度が変化すること、または、遊技者の操作に起因してリールの動作が変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートスイッチ、ベットスイッチ、ストップスイッチ、精算スイッチ)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは所定期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
所定期間を短くする制御処理として、所定期間を途中で強制終了すること、または、所定期間を本来の期間よりも短い期間に短縮することが挙げられる。また、所定期間を長くする制御処理として、当該所定期間の後に他の期間を追加すること、または、所定期間を本来の期間よりも長い期間に伸長することが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく所定期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う所定期間は、いわゆるウエイト期間(最小遊技時間≒4.1秒間)の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了すると判断した場合(すなわち、前回の遊技の終了直後にフリーズ演出を行っても4.1秒間に達しない場合)は、ウエイト期間の経過後にフリーズ演出を開始する態様、または、前回の遊技の終了直後からフリーズ演出を開始して、フリーズ演出が終了すると、ウエイト期間が経過するまで待機状態となる態様が挙げられる。一方、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了しないと判断したときは前回の遊技の終了直後からフリーズ演出を開始する(すなわち、フリーズ演出が終了したときには4.1秒間を経過している)という態様が考えられる。さらに、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、上述したような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出の一種である疑似遊技演出は、フリーズ状態になっているにも関わらず、あたかも本来の遊技(以下、「本遊技」ともいう。)を進行しているかのように振る舞う演出である。疑似遊技演出は、遊技中にスタートスイッチが操作されたことに基づいたスタートスイッチ受付け処理から、リール回転開始処理までの間に疑似遊技演出期間を定め、疑似遊技演出期間中は、通常の遊技のようにスタートスイッチ36の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、疑似遊技演出中に、スタートスイッチ36の操作に基づく役抽選処理やストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。これに対して疑似遊技演出中に、ベット操作に応じてまたは疑似遊技演出に再遊技が行われることとなる図柄組合せが停止表示されたときに、ベット数表示ランプ26a,26b,26cを点灯させてもよい。また、疑似遊技演出においてメダルが払い出されることとなる図柄組合せが揃ったときは、メダル払出処理を行うことなく、揃った小役に対応した払出枚数を獲得枚数表示器28に表示させたりしてもよい。
疑似遊技演出では、ストップスイッチ37L、37Cまたは37Rが操作されたタイミング、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動きを行ってもよい。また、前述したように、本遊技では、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分を赤く発光させ、有効になっているときは青く発光させていたが、疑似遊技演出中は異なる色(例えば操作が無効のときはオレンジ色、有効のときは水色)で発光させてもよい。これにより、本遊技ではなく、疑似遊技演出(単に「疑似遊技」という場合もある)であることを示唆することができる。またこれとは逆に、疑似遊技演出中におけるストップスイッチの発光色を、本遊技と同じ発光色にしてもよい。この場合、本遊技と疑似遊技演出との違いを遊技者に悟られ難くすることができるため、疑似遊技演出において、本遊技では為し得ない回転中におけるリールの動きや、リール停止制御を行うことで、遊技者に意外感を与えることができる。
また、疑似遊技演出中に、遊技者によってスタートスイッチ36やストップスイッチ37L、37Cまたは37Rなどの操作が何ら行われることなく、所定の制限時間が経過したときは、疑似遊技演出をそのまま終了させてもよい。ここで、例えばリールの回転中に本遊技に復帰させる場合は、回転しているリールを一旦、自動的に停止させて、各リールをランダムなタイミングで再び回転させるように制御してもよい。また、全てのリールの回転中であれば、上述した制限時間が経過したときにそのまま本遊技における回転に移行してもよい。
本実施形態では、疑似遊技演出中に、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せの内容と、それらの図柄組合せが停止表示されることとなるストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順(操作順序ともいう)とに応じて疑似遊技番号「1」〜「9」の疑似遊技演出が用意されている。図9に、疑似遊技番号「1」〜「9」の各疑似遊技演出において、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順と停止表示される図柄組合せとの関係と、疑似遊技演出抽選手段114による疑似遊技番号「1」〜「9」の抽選確率を示す。なお、疑似遊技番号「1」〜「9」の各疑似遊技演出の内容については後に詳しく説明する。
図9に示す各疑似遊技番号の抽選確率は、図7に示した役抽選テーブルと同様、置数によって示されており、各置数を65536で割った値が各疑似遊技番号の当選確率となる。また、抽選対象となる疑似遊技番号と、抽選対象となっている疑似遊技番号の当選確率は、疑似遊技実行フラグの値に応じて異なっている。例えば疑似遊技実行フラグの値が「1」のときは疑似遊技番号「5」または「6」のみが抽選対象となり、1/2の確率でいずれか一方の疑似遊技番号が選択されることになる。疑似遊技実行フラグの値が「2」のときは疑似遊技番号「1」〜「8」が抽選対象となり、「赤セブン」図柄が右上がりラインに揃う演出(疑似遊技番号「7」および「8」)が当選し易い状態(合成当選確率1/2)になる。疑似遊技実行フラグの値が「3」のときは疑似遊技番号「9」のみが抽選対象となる。換言すると、疑似遊技実行フラグの値が「3」のときは疑似遊技番号「9」が必ず当選することになる。
なお、疑似遊技実行フラグの値は、役抽選で所定の当選番号が当選した遊技におけるストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に応じてセットされるが、詳しくは後に説明する。
<リール制御手段の説明>
リール制御手段120は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42R(駆動手段)をモータ駆動回路44を介して駆動制御するものであり、駆動制御手段122と、異常検出手段124と、疑似遊技制御手段126とを含んでいる。
(駆動制御手段の説明)
駆動制御手段120は、遊技者によってスタートレバー36が操作されたことに基づいてステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達すると、以下、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。ここで、ステッピングモータ42L,42C,42Rは、各々、φ0,φ1,φ2,φ3という4つの相を有する4相ステッピングモータであり、駆動制御手段120は、図10に示すように駆動パルスデータの値に基づいて励磁する相を切り替え、各ステッピングモータを1−2相励磁することで回転制御を行う。すなわち、駆動パルスデータを「0」→「1」→……→「6」→「7」→「0」→「1」→……と循環的に変化させていくことで、ステッピングモータを正方向に回転させることができる。以下では、φ0〜φ3のうち、どの相を励磁するのかを指定している様を表すものを「励磁パターン」ともいう。
また、駆動制御手段120は、ステッピングモータの回転開始から停止するまでの駆動状態を図11に示すように6つに分け、各駆動状態に応じた駆動パターンに従って、ステッピングモータ42L,42C,42Rを各々駆動制御している。ここで駆動状態には、「停止中/揺れ変動中」(駆動状態番号「0」)、「回転開始待機」(駆動状態番号「1」)、減速中(駆動状態番号「2」)、「減速開始」(駆動状態番号「3」)、「加速中」(駆動状態番号「4」)および「定速中」(駆動状態番号「5」)がある。
「停止中/揺れ変動中」は、リールが停止している状態を示すものである。このうち“停止中”とは、スロットマシン10の本遊技が行われているときの停止状態をいい、“揺れ変動中”とは、疑似遊技演出中における停止状態をいう。すなわち、本遊技でこの駆動状態になっているときは、リールは静止した状態になっており、ステッピングモータの4相すべての相が励磁されていない状態になっている。これに対して疑似遊技演出中は、リールが停止しているとみなされる状態においても実際には静止しておらず、ステッピングモータのステップ数単位で正逆回動を繰り返す「揺れ変動」を行っている。疑似遊技演出中はリールの停止状態であってもこのような駆動を行うことで、本遊技が行われていない状態であることを示している。以下、疑似遊技演出中に「図柄が停止表示される」といった場合は、図柄は静止しておらず、揺れ変動を行っているものとする。なお、本実施形態では1ステップ数単位の正逆回動を「揺れ変動」としているが、複数ステップ数による正逆回動を「揺れ変動」としてもよい。
「回転開始待機」は、スタートスイッチ36が操作されてからステッピングモータの加速処理を開始するまで待機している状態を示すものである。この待機期間は、本遊技においては、リール駆動状態が「停止中」から「加速中」へ移行するまでの期間になっている。例えば、前回の遊技でリールの駆動状態が「加速中」になった時点からの時間を計時し、最小遊技時間(約4.1秒)経過前に今回の遊技のスタートスイッチが操作された場合は、「回転開始待機」の状態となる。また、疑似遊技演出中においては、駆動状態が「揺れ変動中」から「加速中」へ移行する準備を行うための期間になっている。「加速中」は、リールが静止または揺れ変動を行っている状態から定速に至るまで加速している状態であり、例えば図12に示す加速パターン(「駆動パターン」の一種)に従って各ステッピングモータの励磁する相を切り替えている。図12に示す加速パターンにおいて、「切替回数」は、ステッピングモータが定速に達するまでに励磁する相を切り替える回数を示している。また、割込回数はステッピングモータの各相に対して現在励磁している状態を維持する期間を示すものである。
例えば、1回転当たり336ステップのステッピングモータに対して図12に示す加速パターンに基づく加速処理を約2.235ミリ秒周期のタイマ割込処理で行ったとする。この場合、加速処理の開始直後に駆動パルスデータが「0」だったとすると、まずφ0およびφ3が励磁され、50回のタイマ割込処理が行われるまで(すなわち約111.75ミリ秒間が経過するまで)この励磁状態が維持される。そして、50回のタイマ割込処理が行われると、その次のタイマ割込処理で駆動パルスデータが「1」に更新されて励磁する相がφ0のみに切り替わる。さらにこの励磁状態が14回のタイマ割込処理が行われるまで(約31.29ミリ秒間)維持され、その次のタイマ割込処理で駆動パルスデータが「2」に更新される。このように、図12の加速パターンに示す最後の切替回数になると、励磁する相が次のタイマ割込処理で(すなわち約2.235ミリ秒後に)切り替わり、「加速中」の状態が終了する。
「定速中」は、リールの回転速度が定速になっている状態であり、この状態では、ステッピングモータの励磁する相はタイマ割込処理が行われるごとに切り替わる。すなわち、1回転当たり336ステップのステッピングモータについて2.235ミリ秒周期でタイマ割込処理を行った場合は、回転速度が1/(2.235ミリ秒×336ステップ)×60=79.90(回転/分)となる。「減速開始」は、遊技者によってストップスイッチが操作されてから、停止制御を開始するまでの状態を示すものである。この駆動状態の期間は、ストップスイッチが操作されたときに表示窓22の中段Mを通過している図柄(停止操作受付図柄ともいう)と、中段Mに停止させる図柄(役抽選の結果に基づいた停止テーブル、ストップスイッチの押し順およびストップスイッチの操作タイミングなどに応じて定められる)とに基づいて定まる。ここで、本実施形態において「中段Mを通過している図柄」とは、上段Uの定位置を通過した直後から中段Mの定位置までの間に存在する図柄をいう。
「減速中」は、「減速開始」の期間が終了すると、リールの回転を停止すべくステッピングモータの特定の相を所定時間励磁し続ける状態である。ここで本実施形態では、本遊技における「減速中」では4相全てを励磁する4相励磁を行い、疑似遊技演出中における「減速中」では特定の2相のみを励磁する2相励磁を行う。そして、これらの励磁を所定時間行うと、前述した「停止中/揺れ変動中」の駆動状態へ移行する。
なお、駆動制御手段122は、通常遊技中はストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内に対応するリールの回転を停止させる。また、MB遊技中は中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作されたときは、中リール40Cおよび右リール40Rを190ミリ秒内に停止させるが、左ストップスイッチ37Lが操作されたときは75ミリ秒以内に左リール40Lの回転を停止させる。本実施形態においては、ストップスイッチが操作されたときに、上述した「中段Mを通過している図柄」を中段Mに停止させることはなく、最短でも「中段Mを通過している図柄」の1図柄分上流側に位置する図柄を中段Mに停止させている。
したがって、本実施形態のように20図柄設けられたリールを定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させるとすると、80(回転)/60(秒)×20(図柄)×0.19(秒)=5.06…(図柄)となり、ストップスイッチが操作されてから約5図柄分の回動が許容されることになる。ここで、上述したように本実施形態ではストップスイッチが操作されたときに「中段Mを通過している図柄」は、中段Mに停止させないため、「中段Mを通過している図柄」の1つ上流側に位置する図柄から4つ上流側に位置する図柄までの、いずれかの図柄を中段Mに停止させることができる。
より具体的には、駆動制御手段122は、役抽選手段112によって図7に示した役抽選テーブルに基づく抽選によっていずれかの抽選対象が決定されると、決定された抽選対象に属する条件装置(すなわち作動する条件装置)に基づいて図柄制御番号(図6参照)が決定される。そして、リールの停止制御を行う際に、図柄制御番号に基づいて停止位置決定テーブルを選択し、選択した停止位置決定テーブルに従って、リールの停止位置を決定する。より具体的には、停止位置決定テーブルは、各リールに対応して定められており、対応するリールの各図柄番号(0〜19)に対して、中段Mに停止させることができるか否かを示す情報(例えば「0」または「1」)を対応付けたものである。この停止位置決定テーブルは、作動した条件装置のうち、いずれの条件装置に対応する図柄組合せを入賞ラインLに揃えるのかを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に応じて変化させたり、多種多様な停止表示する図柄組合せを多様化させたりするため、様々な内容のテーブルが用意されている。
また、以下では左ストップスイッチ37L、中ストップスイッチ37C、右ストップスイッチ37Rの押し順の呼び方として、左→中→右の押し順を「押し順1」または「順押し」といい、左→右→中の押し順を「押し順2」または「ハサミ打ち」という。また、中ストップスイッチ37Cを最初に操作する押し順を「中押し」といい、特に中→左→右の押し順を「押し順3」または「順中押し」といい、中→右→左の押し順を「押し順4」または「逆中押し」という。さらに、右→左→中の押し順を「押し順5」または「逆ハサミ打ち」といい、右→中→左の押し順を「押し順6」または「逆押し」という。
例えば役抽選状態が「非RT」中のときに抽選対象「ハズレ」が決定された場合は図柄制御番号「1」に基づくリール停止制御が行われ、その結果、図4および図5に示した図柄組合せが入賞ラインL上に揃わないようなリール停止制御を行う。「再遊技群−A1」が決定された場合は、図柄制御番号「2」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、各ストップスイッチが順押しまたはハサミ打ちされたときは再遊技−05、中押しされたときは再遊技−01、逆ハサミ打ちまたは逆押しされたときはストップスイッチの操作タイミングに応じて再遊技−01、09〜12のいずれかの図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。
これにより、例えば所定条件が成立したときに、遊技者に対して逆押しを指示するとともに「赤セブン」図柄を目押しする旨の報知を行い、遊技者がこれに従ってストップスイッチを操作し、かつ、「赤セブン」図柄の目押しが成功すれば、再遊技−09に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止させる。また、第1停止操作で目押しに失敗した場合は、再遊技−01、第2停止操作で目押しに失敗し第3停止操作で目押しに成功した場合は再遊技−10、第2停止操作で目押しに成功し第3停止操作で目押しに失敗した場合は再遊技−12、第2・第3停止操作のいずれも目押しに失敗した場合は再遊技−11の図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。
この場合、上述した所定条件が成立していない場合は順押しまたはハサミ打ち以外の押し順でストップスイッチを操作するとペナルティが課される、または、ペナルティが課される可能性があるようにしておき、逆押しの報知が行われたときに限って、逆押しをしてもペナルティを課さないようにするとよい。このように構成することで、逆押しの報知が行われていないときは、遊技者はストップスイッチを順押しまたはハサミ打ちで操作する可能性が高くなり、その場合、上述したように再遊技−05の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されることになる。また、逆押しの報知が行なわれていないときに、順押しまたはハサミ打ち以外の押し順でストップスイッチを操作すると、ペナルティ音を報知するように構成すると良い。なお、ペナルティ音の報知については後述する。
「再遊技群−A2」が決定された場合は、図柄制御番号「3」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、各ストップスイッチが順押し、ハサミ打ちまたは中押しされたときは図柄制御番号「2」と同様のリール停止制御を行うが、逆ハサミ打ちまたは逆押しされたときはストップスイッチの操作タイミングに応じて再遊技−01、11または12の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。この場合においても、ある一定条件の下、「再遊技群−A1」の場合と同様に、遊技者に対して逆押しを指示するとともに「赤セブン」図柄を目押しする旨の報知を行ってもよい。ただし、この場合は「再遊技群−A1」と異なり、条件装置「再遊技−09」が作動していないので遊技者が全てのリールにおいて「赤セブン」図柄の目押しに成功したとしても、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが停止表示されることはない。よって、このような押し順および「赤セブン」図柄の目押し推奨報知は、上述した「再遊技群−A1」が決定された場合のように「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが停止表示されるかも知れないという遊技者の期待感を煽るための、いわゆるガセ演出として利用することができる。
「再遊技群−B1」、「再遊技群−C1」または「再遊技群−C2」が決定された場合は、図柄制御番号「4」、「8」または「9」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちされたときは再遊技−01、逆ハサミ打ちまたは逆押しされたときは再遊技−02の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行う。ただし、順中押しされた場合は、「再遊技群−B1」または「再遊技群−C1」が決定されたときは再遊技−06の図柄組合せを、「再遊技群−C2」が決定されたときは再遊技−01の図柄組合せを、入賞ラインL上に停止表示させる。逆中押しされた場合は、これとは逆に「再遊技群−B1」または「再遊技群−C1」が決定されたときは再遊技−01の図柄組合せを、「再遊技群−C2」が決定されたときは再遊技−06の図柄組合せを、入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−B2」が決定された場合は、図柄制御番号「5」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちされた場合は操作タイミングに応じて再遊技−04または05の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行う。また、順中押しされたときは再遊技−01、逆中押しされたときは再遊技−06、逆ハサミ打ちまたは逆押しされたときは再遊技−02の図柄組合せが、それぞれ入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行う。
「再遊技群−B3」または「再遊技群−B4」が決定された場合は、図柄制御番号「6」または「7」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちされた場合は操作タイミングに応じて再遊技−04または05の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行い、中押しされたときは再遊技−01の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行う。ただし、逆ハサミ打ちされた場合は、「再遊技群−B3」が決定されたときは再遊技−03の図柄組合せを、「再遊技群−B4」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、入賞ラインL上に停止表示させる。逆中押しされた場合は、これとは逆に「再遊技群−B3」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、「再遊技群−B4」が決定されたときは再遊技−03の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−C3」または「再遊技群−C4」が決定された場合は、図柄制御番号「10」または「11」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押し、ハサミ打ちまたは中押しされた場合は再遊技−01の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるリール停止制御を行う。また、逆ハサミ打ちがされた場合は、「再遊技群−C3」が決定されたときは再遊技−03の図柄組合せを、「再遊技群−C4」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。逆押しされた場合は、これとは逆に「再遊技群−C3」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、「再遊技群−C4」が決定されたときは再遊技−03の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−D1」が決定された場合は、図柄制御番号「12」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちがされた場合は再遊技−01の図柄組合せを、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は再遊技−02の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、中押しされた場合は、操作タイミングに応じて再遊技−04または05の図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。「再遊技群−D2」が決定された場合は、図柄制御番号「13」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押し、ハサミ打ちまたは中押しがされた場合は再遊技−01の図柄組合せを、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は再遊技−05の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−E1」または「再遊技群−E2」が決定された場合は、図柄制御番号「14」または「15」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちがされた場合は再遊技−01の図柄組合せを、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は再遊技−02の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、順中押しがされた場合は、「再遊技群−E1」が決定されたときは再遊技−07の図柄組合せを、「再遊技群−E2」が決定されたときは再遊技−01の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。逆中押しされた場合は、これとは逆に「再遊技群−E1」が決定されたときは再遊技−01の図柄組合せを、「再遊技群−E2」が決定されたときは再遊技−07の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−E3」または「再遊技群−E4」が決定された場合は、図柄制御番号「16」または「17」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押し、ハサミ打ちまたは中押しがされた場合は再遊技−01の図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。また、逆ハサミ打ちがされた場合は、「再遊技群−E3」が決定されたときは再遊技−08の図柄組合せを、「再遊技群−E4」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。逆押しされた場合は、これとは逆に「再遊技群−E3」が決定されたときは再遊技−02の図柄組合せを、「再遊技群−E4」が決定されたときは再遊技−08の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「再遊技群−F1」が決定された場合は、図柄制御番号「18」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しまたはハサミ打ちがされた場合は再遊技−07の図柄組合せを、中押し、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は再遊技−01の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「ベル群−A1」または「ベル群−A2」が決定された場合は、図柄制御番号「19」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順中押しされた場合はベル−01の図柄組合せを、逆中押し、逆ハサミ打ちまたは逆押しされた場合は操作タイミングに応じてベル−18または19の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、順押しされた場合は、「ベル群−A1」が決定されたときはベル−02または03の図柄組合せを、「ベル群−A2」が決定されたときはベル−04または05の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「ベル群−B1」または「ベル群−B2」が決定された場合は、図柄制御番号「20」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、逆中押しされた場合はベル−01の図柄組合せを、順中押し、逆ハサミ打ちまたは逆押しされた場合は操作タイミングに応じてベル−18または19の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、順押しされた場合は、「ベル群−B1」が決定されたときはベル−06または07の図柄組合せを、「ベル群−B2」が決定されたときはベル−08または09の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「ベル群−C1」または「ベル群−C2」が決定された場合は、図柄制御番号「21」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、逆ハサミ打ちがされた場合はベル−01の図柄組合せを、中押しまたは逆押しされた場合は操作タイミングに応じてベル−20または21の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、順押しされた場合は、「ベル群−C1」が決定されたときはベル−10または11の図柄組合せを、「ベル群−C2」が決定されたときはベル−12または13の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「ベル群−D1」または「ベル群−D2」が決定された場合は、図柄制御番号「22」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、逆押しがされた場合はベル−01の図柄組合せを、中押しまたは逆ハサミ打ちがされた場合は操作タイミングに応じてベル−20または21の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。また、順押しされた場合は、「ベル群−D1」が決定されたときはベル−14または15の図柄組合せを、「ベル群−D2」が決定されたときはベル−16または17の図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「チェリー群−A」が決定された場合は図柄制御番号「23」に基づくリール停止制御が行われ、押し順に関係なくチェリー−01または03の図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。「チェリー群−B」が決定された場合は図柄制御番号「24」に基づくリール停止制御が行われ、順押しまたはハサミ打ちがされた場合は操作タイミングに応じてチェリー01または03の図柄組合せを、中押し、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は、チェリー01、03または04のいずれかの図柄組合せを、それぞれ入賞ラインL上に停止表示させる。
「チェリー群−C」が決定された場合は図柄制御番号「25」に基づくリール停止制御が行われ、押し順に関係なくチェリー−01、02または03のうちいずれかの図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。「チェリー群−D」が決定された場合は図柄制御番号「26」に基づくリール停止制御が行われ、押し順に関係なくチェリー−01、02、03または04のうちいずれかの図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。「スイカ群−A」が決定された場合は図柄制御番号「27」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押し、ハサミ打ちまたは順中押しがされると操作タイミングに応じてスイカ−02の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。また、逆中押し、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされると、操作タイミングに応じてスイカ−01または02のいずれかの図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。
「スイカ群−B」が決定された場合は図柄制御番号「28」に基づくリール停止制御が行われる。すなわち、順押しがされると操作タイミングに応じてスイカ−01または03の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。また、ハサミ打ちがされると操作タイミングに応じてスイカ−01〜03のいずれかの図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。また、中押しがされると操作タイミングに応じてスイカ−03の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。さらに、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされると操作タイミングに応じてスイカ−02または03の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。
「特殊−A」が決定された場合は図柄制御番号「29」に基づくリール停止制御が行われ、ストップスイッチの押し順に関係なく、操作タイミングに応じて特殊−01の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。「特殊−B」が決定された場合は図柄制御番号「30」に基づくリール停止制御が行われ、ストップスイッチの押し順に関係なく、操作タイミングに応じて特殊−02の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。「2種BB」決定された場合は図柄制御番号「33」に基づくリール停止制御が行われ、ストップスイッチの押し順に関係なく、操作タイミングに応じて2種BBの図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。
以上は役抽選状態が「非RT」中のときにおけるリール停止制御の内容だが、駆動制御手段122は、「RT」中のときにも同様のリール停止制御を行う。但し、「スイカ群−A」、「スイカ群−B」または「特殊−B」が決定されたときに逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合、または「特殊−A」が決定されたときに中押しまたは逆押しがされたときは、操作タイミングに応じて2種BBの図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され得るリール停止制御を行う。
また、駆動制御手段122は、「MB遊技」中に、順押し、ハサミ打ちまたは中押しがされた場合は、操作タイミングに応じてベル−18、チェリー−03または04のいずれかの図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させ、逆ハサミ打ちまたは逆押しがされた場合は、操作タイミングに応じてベル−01、18、チェリー−04、スイカ−01または02(いずれもMB遊技中は払出枚数が2枚となる。図4参照)のいずれかの図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させる。つまり、本実施形態では、MB遊技中(2枚賭け遊技)は停止操作態様(ストップスイッチの押し順、操作タイミング)に拘わらず2枚の払出しが得られるように構成されている。換言すると、MB遊技中の1遊技当たりの払出し率は100%となっている。
さらに、駆動制御手段122は、後述する異常検出手段124によって、本遊技中または疑似遊技演出中にステッピングモータの駆動制御を行っているときに異常が検出されると、上述したタイマ割込処理の実行を禁止してタイマ割込処理が行われない状態にした上で、リールを改めて加速し直すための設定処理を行う。そして、この設定処理を終えると、再びタイマ割込処理を実行可能な状態に戻し、当該タイマ割込処理に図12に示す加速パターンに基づく加速処理から改めて開始させる。
また、駆動制御手段122は、ステッピングモータ42L,42C,42Rのうち、いずれかのステッピングモータについて停止制御を行っているときに、他のステッピングモータに対応するストップスイッチが操作された場合、当該他のステッピングモータに対する停止制御が行われないようにしている。具体的には、いずれかのストップスイッチが操作されるとオンになり、当該操作されたストップスイッチに対応するステッピングモータの駆動状態が「減速中」へ移行するとオフになる「減速中フラグ」を設けている。そして、「減速中フラグ」がオンになっているときに更なる他のステッピングモータに対応するストップスイッチが操作されても、当該他のステッピングモータの停止制御を行わないようにしている。このように、「減速中フラグ」の値に基づいて、ストップスイッチの受付可否を制御することで、例えば、疑似遊技演出中のようにストップスイッチが操作されてから対応するリールが停止するまでの時間に制限が設けられていない場合、先に操作されたストップスイッチに対応するリールが停止しないうちに、後から操作されたストップスイッチに対応するリールが先に停止する、といった違和感を遊技者に与えないようにすることができる。また、後から操作されたストップスイッチの操作受付時に行う演出や、後から操作されたストップスイッチに対応するリールの停止時に行う演出が、先に操作されたストップスイッチに対応するリールが停止しないうちに実行されるという違和感を遊技者に与えないようにすることもできる。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段124は、各ステッピングモータが定速で回転しているときの脱調を検出するものである。具体的には、リール駆動パルスデータ検索用カウンタ(「定速中」は計数値が1割込みに1回インクリメントされるカウンタ)に基づいて更新され、リール(すなわちステッピングモータ)が1回転すると当該計数値をクリアするリール回転不良検出カウンタを設け、このカウンタの値がリールが1回転するのに要するステップ数を上回ったときに、脱調を起こしたとみなすことができる。ここで、上述した計数値のクリアは、インデックスセンサ46L,46C,46Rによって各々対応するリールの基準点に設けられたインデックス(被検出部材)を検出することで、ステッピングモータが1回転するごとに出力される検出信号に基づいて行うものとする。このように構成することで、上述したカウント値が1回転のステップ数を超えた場合は、励磁する相の切り替えは1回転を超える回数だけ行われたにも関わらず、実際のリール(またはステッピングモータ)は1回転することができなかったことになるため、脱調を起こしたものとみなすことができる。
(疑似遊技制御手段の説明)
疑似遊技制御手段126は、疑似遊技演出抽選手段114によって決定された疑似遊技演出番号(図9参照)の疑似遊技演出を実行するための処理を行う。例えば、疑似遊技演出番号「1」〜「4」のいずれかが選択された場合は、疑似遊技演出において全リールが停止したときに、「白セブン7A」図柄または「白セブン7B」図柄で構成された図柄組合せが入賞ラインLを含む1本または2本の直線ライン上に揃うようなリール停止制御を、駆動制御手段122に実行させる。図柄組合せが揃うラインの本数や、どのライン上で揃うのかについては、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順によって異なる。
ここで、図柄組合せが揃うラインは、前述した入賞ラインLの他に左、中および右リールの各上段Uを横切る上段水平ライン、左、中および右リールの各下段Dを横切る下段水平ライン、左リールの下段D、中リールの中段M、右リールの上段Uを横切る右上がりライン、左リールの上段U、中リールの中段M、下段Dを横切る右下がりラインがある。なお以下では、上述した5本のラインをまとめて「一直線状ライン」といい、入賞ラインLを「有効ライン」、その他の一直線状ライン(上段および下段水平ライン、右上がりラインおよび右下がりライン)を「無効ライン」ともいう。
例えば、疑似遊技演出番号「1」の疑似遊技演出の場合、ストップスイッチ37L,37C,37Rが順押しで操作されると、入賞ラインL上に、左リール40L、中リール40C、右リール40Rの順に、図柄番号「13」、「9」、「13」の各図柄が停止表示される(図9においては、これを「13−9−13」と表記している。)。これにより、入賞ラインL上には、左リール40Lから順に「白セブンB−白セブンA−白セブンB」の図柄組合せが停止表示されると同時に、右下りラインには「白セブンA−白セブンA−白セブンA」の図柄組合せが停止表示される。
ただし、左リール40Lの図柄番号「13」の図柄が、前述した「中段Mを通過している図柄」の1つ上流側に位置する図柄になっているタイミングで(すなわち、図柄番号「12」の図柄が中段Mを通過しているときに)左ストップスイッチ37Lを第1停止操作したとき(以下、このタイミングでストップスイッチを操作することを「ビタ押し」という。)は、図柄番号「14」の図柄が中段Mに停止表示されるようにリール停止制御を行う。そして以下、中リール40C→右リール40Rが操作されると、それぞれ図柄番号「9」および「12」の図柄を中段Mに停止させ、入賞ラインL上に図柄番号「14−9−12」からなる図柄組合せを停止表示させる。この場合は、入賞ラインL上には「白セブンA−白セブンA−白セブンA」の図柄組合せが停止表示されると同時に、右上りラインには「白セブンB−白セブンA−白セブンB」の図柄組合せが停止表示される。
このように、疑似遊技演出番号「1」〜「4」では、中押し以外の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、通常は押し順に応じて図9の上段に記載された図柄組合せを入賞ラインL上に停止表示させるが、各押し順の第1停止操作において、図9の上段に記載された図柄番号の図柄をビタ押ししたときは、下段の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されるようにリール停止制御が行われる。このように、ストップスイッチの操作タイミングに応じて停止表示される図柄組合せを異ならせることで、どの疑似遊技演出番号が選択されたのかを判別しにくくしている。また、疑似遊技演出番号「1」〜「4」において、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中押しで操作された場合は、入賞ラインL上に図柄番号「15−9−11」からなる図柄組合せが停止表示され、入賞ラインL上にのみ「白セブンA」図柄が揃う。
また、疑似遊技演出番号「5」または「6」のいずれかが選択された場合は、疑似遊技演出において全リールが停止したときに、「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄で構成された図柄組合せが入賞ラインL上のみに揃うリール停止制御が行われる。例えば、ストップスイッチ37L,37C,37Rが順押しまたはハサミ打ちされたときは、図柄番号「14−9−13」からなる図柄組合せ(「白セブンA−白セブンA−白セブンB」)が入賞ラインL上に停止表示される。また、中押しされた場合は、疑似遊技番号「1」〜「4」と同様、図柄番号「15−9−11」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示される。逆ハサミ打ちされた場合は、図柄番号「13−9−12」からなる図柄組合せ(「白セブンB−白セブンA−白セブンA」)が入賞ラインL上に停止表示され、逆押しされた場合は、図柄番号「15−9−12」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され、右上りライン上に「白セブンA−白セブンA−白セブンB」の図柄組合せが揃う。
なお、疑似遊技演出番号「5」と「6」とでは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序と、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せとの対応が一致しているが、副制御手段200によって実行される演出の内容が異なるように構成しているためである。例えば、疑似遊技演出番号「5」の疑似遊技演出が選択された場合は、副制御手段200は疑似遊技演出番号「5」に相当する「疑似遊技演出状態」コマンド(9705;図15参照)を受信し、疑似遊技演出終了後に疑似遊技が終了したことを示す「疑似遊技演出状態」コマンド(977F;図15参照)を受信することでボーナス確定画面Aを表示装置70に表示する。一方、疑似遊技演出番号「6」の疑似遊技演出が選択された場合は、副制御手段200は疑似遊技演出番号「6」に相当する「疑似遊技演出状態」コマンド(9706;図15参照)を受信し、疑似遊技演出終了後に疑似遊技が終了したことを示す「疑似遊技演出状態」コマンド(977F;図15参照))を受信することでボーナス確定画面Bを表示装置70に表示するようにしても良い。また、それぞれの疑似遊技演出が行われた後に開始されるサブボーナス遊技中における演出内容を異ならせてもよい。
具体的には、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、入賞ラインL上に条件装置「ベル−01」に対応する図柄組合せが停止表示される押し順を、表示装置70に表示したキャラクタ画像や音声を用いて報知する場合、そのキャラクタ画像や音声を異ならせてもよい。また、例えば役抽選で当選番号「9」または「10」が決定されたときに、報知する押し順を異ならせて、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せ(「リプレイ−リプレイ−リプレイ」(再遊技−01)または「ベル−ベル−ベル」(再遊技−03))が異なるようにしてもよい。さらに、サブボーナス遊技中において所定の当選番号が決定されたときに後述するAT抽選を行うようにして、当該AT抽選における赤BB、白BBおよびATの各当選確率を異ならせても良い。
疑似遊技演出番号「7」が選択された場合は、中押し以外の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、入賞ラインL上に図柄番号「19−18−17」からなる図柄組合せが停止表示され、「赤セブン」図柄が右上りライン上に揃う。また、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中押しで操作された場合は、疑似遊技演出番号「1」〜「6」と同様に、図柄番号「15−9−11」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示される。
疑似遊技演出番号「8」が選択された場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが順押しまたはハサミ打ちされると、図柄番号「14−8−13」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され、表示窓22内において「白セブンA」図柄および「白セブンB」図柄が逆V字形に停止表示される。また、ストップスイッチ37L,37C,37Rが逆ハサミ打ちまたは逆押しされた場合は、図柄番号「13−10−12」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され、表示窓22内において「白セブンA」図柄および「白セブンB」図柄がV字形に停止表示される。
さらに、疑似遊技演出番号「8」の疑似遊技演出において、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中押し以外の押し順で操作された場合は、全リールの停止後、スタートスイッチ36が操作されると、本遊技に戻らずに、引き続き2回目の疑似遊技演出として、次に説明する疑似遊技演出番号「9」の疑似遊技演出が開始される。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中押しされた場合は、疑似遊技演出番号「1」〜「7」と同様に、図柄番号「15−9−11」からなる図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示され、その後、疑似遊技演出番号「9」の疑似遊技演出が行われることなく本遊技に戻る。
疑似遊技演出番号「9」が選択された場合は、疑似遊技演出の開始前に、全リールが定速よりも遅い回転速度で、逆方向に回転を開始するというフリーズ演出が開始される。そして所定時間逆回転すると、全リールが一旦停止して再び正回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、その押し順に関わらず入賞ラインL上に図柄番号「19−18−17」からなる図柄組合せが停止表示され、「赤セブン7」図柄が右上りライン上に揃う。このように、フリーズ演出を伴う疑似遊技演出番号「9」は、その演出内容の特殊性から、いわゆるプレミア感を持たせることができる。
また、疑似遊技演出番号「8」が選択されたときに、ストップスイッチを中押し以外の押し順で操作すると、最初の疑似遊技演出では「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄が一直線に並んで停止表示されず、引き続き行われる疑似遊技演出(疑似遊技演出番号「9」)で「赤セブン7」図柄が揃うという、いわば復活演出を1回の本遊技の中で実行させることができる。従来の復活演出では、一旦、遊技者に不利な結果となることを示唆する演出を行った後、次の本遊技でその演出を覆して遊技者に有利な結果となったことを示唆する演出を行う、というように2回の本遊技を費やしていた。すなわち、復活演出の結末を見るには、2回目の本遊技を行うためにメダルのベットが必要であった。これに対して、本実施形態では、1回の本遊技内で復活演出を実行することができるため、そのようなメダルのベットが不要となる。また、疑似遊技演出番号「8」が選択されたときに、続いて行われる疑似遊技演出番号「9」の疑似遊技演出をキャンセルしたいと望む遊技者は、最初の疑似遊技演出の際にストップスイッチを中押しすれば、そのまま本遊技に戻ることができる。また、疑似遊技演出番号「1」〜「9」の疑似遊技演出で停止表示される図柄組合せは、本遊技では役抽選ではずれた場合や、作動した条件装置に対応する図柄組合せをとりこぼした場合であっても、停止表示されないように停止制御してもよい。
このように疑似遊技制御手段126は、駆動制御手段122によって、疑似遊技演出抽選手段114が決定した疑似遊技演出番号と、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作とに応じた図柄組合せが停止表示されるように、疑似遊技演出を制御する。
<入賞判定手段の説明>
入賞判定手段130は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4および図5に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。そして再遊技−01〜12のいずれかの図柄組合せに対応していた場合は再遊技を開始するための処理を行い、2種BBの図柄組合せに対応していた場合はMB遊技を開始するための処理を行う。
<入賞処理手段の説明>
入賞処理手段140は、入賞判定手段130により入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4に示したベル−01〜21、チェリー−01〜04、スイカ−01〜03または特殊−01もしくは02のいずれかの図柄組合せと一致しているか否か(小役が入賞しているか否か)を判定する。そして、いずれかの図柄組合せと一致していた場合は、その図柄組合せに対応する枚数のメダルを、クレジットの上限値(例えば50枚)に達するまでクレジットに貯留(記憶)する。また、クレジットの上限値に達した後は、ホッパー駆動回路80を介してメダル払出装置82を制御して遊技者にメダルを払い出す。本実施形態においては、小役が入賞したときに「メダルを払い出す」といった場合は、メダルをクレジットに貯留することも含む。
<遊技状態制御手段の説明>
遊技状態制御手段150は、リール演出状態制御手段152を含み、スロットマシン10における各種状態の移行を制御する。例えば、図8の状態遷移図に示したように、初期状態である「非RT」中に役抽選によって抽選対象「2種BB」が決定されると、次の遊技から役抽選状態を「RT」中に移行させる。そして、「RT」中に条件装置「2種BB」に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されると、次の遊技から役抽選状態を「MB遊技」中に移行させる。そして、MB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が28枚を超えたときに、次の遊技から役抽選状態を「非RT」中に移行させる。
(リール演出状態制御手段の説明)
リール演出状態制御手段152は、後述する副制御手段200と相俟って実施されるサブボーナス遊技を実行し得る状態であるか否かを制御する。サブボーナス遊技を実行し得る状態であるか否かはリール演出状態が「0」か「1」かによって示される。ここで、サブボーナス遊技は、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、ベル−01が入賞する操作順序(押し順)が報知される遊技である。本実施形態では、サブボーナス遊技を開始してから上述した押し順の報知回数が20回になると終了するサブボーナス遊技(以下、「ノーマルサブボーナス」または「NSB」ともいう。)と、40回になると終了するサブボーナス遊技(以下、「スーパーサブボーナス」または「SSB」ともいう。)との2種類がある。
上述したリール演出状態が「0」のときはサブボーナス遊技を実行し得ない状態であり、リール演出状態が「1」のときはサブボーナス遊技を実行し得る状態である。リール演出状態の初期状態は「0」であり、図13に示すように、疑似遊技実行フラグの値が「1」以上であり、かつ、図9に示した疑似遊技演出抽選テーブルに基づく抽選で、疑似遊技演出番号「1」から「9」のいずれかが決定されるとリール演出状態「1」へ移行する。そして、リール演出状態「1」のときに、図7に示す役抽選テーブルにより当選番号「18」〜「25」のいずれかが当選した回数が20回または40回になるか、後述する強制終了カウンタの値が「3」になるとリール演出状態「0」へ移行する。なお、リール演出状態「1」から「0」へ移行すると、疑似遊技実行フラグの値は「0」にクリアされる。
また、リール演出状態制御手段152は、役抽選で決定された当選番号と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に基づいて疑似遊技実行フラグの値を加算する。すなわち、図14(a)に示すように、リール演出状態「0」のときに演出状態管理カウンタの値が「0」だった場合、役抽選で当選番号「3」〜「6」のいずれかが決定されると、リール演出状態制御手段152は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて演出状態管理カウンタの値に「1」または「2」を加算する。より具体的には図14(a)に示すように、当選番号「3」または「4」が決定されたときは、ストップスイッチが逆ハサミ打ちまたは逆押しで操作されると、演出状態管理カウンタの値に「1」または「2」を加算する。また、当選番号「5」または「6」が決定されたときは、ストップスイッチが順中押しまたは逆中押しで操作されると、演出状態管理カウンタの値に「1」または「2」を加算する。
また、演出状態管理カウンタの値が「1」または「2」になっているときに、役抽選で当選番号「3」〜「6」のいずれかが決定されると、リール演出状態制御手段152は、演出状態管理カウンタの値とストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、疑似遊技実行フラグの値を「1」〜「3」のいずれかにセットする。例えば、演出状態管理カウンタの値が「1」のときに、役抽選で当選番号「3」が決定され、ストップスイッチが逆ハサミ打ちで操作されると、疑似遊技実行フラグの値を「1」にセットする。また、このとき演出状態管理カウンタの値を「20」にセットする。この「20」という値は上述したサブボーナス遊技中(リール演出状態が「1」)に、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、ベル−01が入賞する操作順序が報知される回数を示している。
この状態で、疑似遊技演出抽選手段114において、疑似遊技演出番号「1」〜「9」のいずれかが決定されると、リール演出状態制御手段152はリール演出状態を「1」にする。そして、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されるごとに演出状態管理カウンタの値を「1」ずつ減算していき、演出状態管理カウンタの値が「0」になると、リール演出状態を「0」にする。このように、リール演出状態が「1」のときの演出状態管理カウンタの値は、サブボーナス遊技の終了条件(リール演出状態「1」から「0」への移行条件)が成立したか否かの判断にも利用される。
さらにリール演出状態制御手段152は、強制終了カウンタの値に基づいてリール演出状態「1」から「0」への移行条件が成立したか否かを判断している。この強制終了カウンタは、サブボーナス遊技中に役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、ベル−01に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されなかった回数をカウントするものである。リール演出状態制御手段152は、リール演出状態「1」のときに強制終了カウンタの値が「3」になると、リール演出状態を「0」に移行させる。なお、強制終了カウンタの値は、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、ベル−01に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されると「0」にクリアされる。
換言すると、強制終了カウンタの値が「3」になったということは、サブボーナス遊技中に役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されたときに、ベル−01に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に「3回」連続して停止表示されなかったことを意味する。このように構成することによって、サブボーナス遊技中に遊技者が誤って報知内容とは異なる押し順で操作してしまった場合は、サブボーナス遊技が終了しにくくなり、一方で遊技場の閉店間際等で、遊技者がサブボーナス遊技を終了させたいときには、「3回」連続して報知された押し順と異なる押し順で操作することによって、意図的にサブボーナス遊技を終了させることもできる。
<コマンド送信手段の説明>
コマンド送信手段160は、操作手段300における各種スイッチが操作されたことを示す情報や、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200への情報は、2バイトのコマンドによって送信される。このコマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。図15および図16に、主制御手段100から副制御手段200へ送信されるコマンドのうち主要なものを示す。
図15および図16において、第1および第2制御コマンドは16進法の数(16進数)で表されており、その他に、各コマンドの名称、コマンドが送信されるタイミング、コマンドを受信したときに副制御手段200で行われる処理の概要を示している。また、備考欄には主に第2制御コマンドとして送信される情報の内容を示している。なお、第2制御コマンドの値として「##」と表記しているものは、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が代入される。ただし、備考欄の記載内容に応じて定まる数値が一桁だった場合は、その上位の桁には「0」が代入される。また、コマンドが送信されるタイミングとは、正確にはコマンドが「制御コマンドバッファ」に格納されるタイミングを指している。さらに、各制御コマンドを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
図15において、「設定変更装置作動開始」コマンド(8038)は、スロットマシン10の前面扉とスロットマシン10の内部に設けられた設定キーの扉が開放されたまま、設定キーがオンにされた状態でスロットマシン10の電源がオンされたときに送信される。副制御手段200はこのコマンドを受信すると、設定の変更操作が行われていることや、初期化処理を行っていることを図1に示す表示装置70や音声によって報知する。また、主制御手段100の初期化処理に伴って副制御手段200においても初期化処理が実行される。ここで、設定キーは、例えば遊技場の係員などが、図7の役抽選テーブルに示した「設定1」〜「設定6」のいずれかにセットする際にオンにするキースイッチである。
「設定変更装置作動終了」コマンド(8001〜8006)は、係員などによってセットされた「設定」の値(1〜6のいずれか)を副制御手段200へ送信するコマンドであり、下2桁の第2制御コマンド部分の数値がセットされた「設定」の値を示している。このコマンドは、上述した係員などによって設定スイッチ/リセットスイッチの操作により設定値が選択され、スタートスイッチの操作(設定値を確定する操作)が行なわれた後に設定キーがオンからオフ(設定キー信号の立下りともいう)になったときに送信され、このコマンドを受信した副制御手段200は、遊技の待機状態になっていることを報知する。なお、設定値を選択し直さない場合には、設定スイッチ/リセットスイッチの操作を行わず、スタートスイッチが操作された後の設定キー信号の立下りで送信することもできる。
「設定値指定」コマンド(8201〜8206)、「作動状態」コマンド(8401/8402/8404/8406)および「RT状態」コマンド(8500/8501)は、遊技が行われるごとに送信されるコマンドであり、各々、セットされている「設定」の値、これから行われる遊技が再遊技、MB遊技(2種BB)、CB遊技のいずれかであるか、および、現在のRT状態(役抽選状態)が「非RT」状態か「RT」状態か、に関する情報を送信するものである。ここで、CB遊技は、役抽選によらず図4に示した全ての条件装置が作動し、左リール40Lのみストップスイッチ37Lが操作されてから75ミリ秒以内に回転が停止される遊技である。すなわち、本実施形態におけるMB遊技は、終了条件(28枚超のメダルの払い出し)が成立するまでCB遊技が繰り返し行われる遊技状態であるともいえる。したがって、本実施形態のMB遊技中における「作動状態」コマンドの第2制御コマンドは、BIT1およびBIT2がともに「1」(BIT0を最下位ビットとすると06H)となる(図15の「備考」欄参照)。
「精算開始」コマンド(8F02)は精算スイッチ33が操作されると送信され、「精算終了」コマンド(8F03)はクレジットされていたメダル枚数を全て払い出し終わると送信される。これにより、副制御手段200は、受信したコマンドに応じてメダルの払出開始音または払出終了音を発生する。「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンド(9001〜9003)および「メダル投入(1枚)」コマンド(9071)は、メダルがベットされたときに、その枚数に応じて送信されるコマンドである。ここで、「貯留投入枚数(1枚)」〜「貯留投入枚数(3枚)」コマンドはベットスイッチ34または35が操作されたことを契機に、「メダル投入(1枚)」コマンドは、メダル投入口32にメダルが投入されたことを契機として送信される。これにより、副制御手段200は受信したコマンドによって示される枚数分のメダル投入音を発生する。
「リール回転開始受付」コマンド(9300〜9303)、「入賞・再遊技当選番号」コマンド(9500〜9534)および「役物当選番号」コマンド(9600/9601)は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機に送信される。ここで、「リール回転開始受付」コマンドは第2制御コマンドによって、遊技に費やされるメダル枚数が副制御手段200へ送信される。副制御手段200は、例えば後述するサブボーナス中に遊技者が獲得したメダルの合計枚数を表示している場合は、当該合計枚数から費やされたメダルの枚数を減算するなどの処理を行う。また、「入賞・再遊技当選番号」コマンドは、役抽選によって図6に示した抽選対象「ハズレ」〜「特殊−B」のいずれかが当選したときに、対応する当選番号NORの値が第2制御コマンドとして送信される。また「役物当選番号」コマンドは、役抽選によって図6に示した抽選対象「2種BB」が当選してから条件装置「2種BB」に対応する図柄組合せが揃うまで、毎遊技、当選番号BNSの値が第2制御コマンドとして送信される。これにより副制御手段200は、役抽選の結果に応じた演出を行うことができる。
「疑似遊技演出状態」コマンド(9700〜9709)は、第2制御コマンドによって、疑似遊技演出抽選手段114が決定した疑似遊技演出番号(図9参照)を送信するものであり、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機に送信される。なお、疑似遊技演出番号が決定されなかった場合は、第2制御コマンドの値が「0」となる。また、「遊技演出終了」コマンド(977F)は、疑似遊技演出において全てのリールが停止状態となったときに送信される。「左リール回転停止」コマンド(987E)、「中リール回転停止」コマンド(997E)および「右リール回転停止」コマンド(9A87E)は、それぞれ対応するリールの停止制御を行うときに副制御手段200へ送信される。具体的には、リール駆動状態が「減速開始」から「減速中」に変化するとき(本遊技においては4相励磁を出力するとき、疑似遊技演出においては2相励磁を出力するとき)に、該当するリールに対応する回転停止コマンドを送信する。これにより副制御手段200は、リールの背面に設けられたバックランプの消灯やいわゆるテンパイ音などを発生するなどして、入賞の期待感を高める演出を行う。
「リール回転開始待機」コマンド(9B00)は、前回の遊技でリールの回転が開始してから4.1秒(最小遊技時間)が経過した時に副制御手段200へ送信される。これにより副制御手段200は、ウエイト期間中に発生していた演出用の音声(ウエイト音)を停止させる。「左リール停止受付」コマンド(9E00〜9E77)は、左ストップスイッチ37Lが操作されたことを契機に副制御手段200へ送信され、第2制御コマンドとして、中段Mに停止させられる図柄番号(停止図柄番号:0〜19(16進法では0H〜13H))に「6」を乗じた値に滑りコマ数(0〜5)を加算した値が送信される。これにより副制御手段200において、受信した第2制御コマンドの値を「6」で割った値が停止図柄番号となり、その余りが滑りコマ数となる。また、停止図柄番号から滑りコマ数を引いた値は、ストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過している図柄番号(以下、「停止操作受付図柄番号」ともいう。)となる。
例えば、左リールの停止操作受付番号が「18」であって停止図柄番号が「1」であった場合、滑りコマ数は、1(停止図柄番号)−18(停止操作受付図柄番号)+20(補正値:1リール当たりの図柄数)=3(コマ)となる。これにより、第2制御コマンドの値は1×6+3=9となるから、この場合における「左リール停止受付」コマンドは9E09となる。また、副制御手段200は、当該コマンドを受信したこと契機に、出力していた演出の切り換えや停止操作受付音(ペナルティ音も含む)を出力する。「左リール回転開始」コマンド(9E7F)は、左リール40Lが回転を開始するときに送信され、これにより副制御手段200は、リール回転開始時の演出音などを発生することができる。
なお、中リール40Cおよび右リール40Rについても左リール40Lと同様に、「中リール停止受付」コマンド(9F00〜9F77)および「中リール回転開始」コマンド(9F7F)、並びに「右リール停止受付」コマンド(A000〜A077)および「右リール回転開始」コマンド(A07F)が副制御手段200へ送信される。
「表示種類」コマンド(A400〜A403)および「図柄組合せ表示」コマンド(A500/A501)は、全リールの回転が停止したことを契機に送信される。「表示種類」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せの種類を副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが条件装置「再遊技−03」〜「再遊技−06」のいずれかに対応していたときは01H、条件装置「再遊技−07」または「再遊技−08」に対応していたときは02H、条件装置「再遊技−09」に対応していたときは03H、条件装置「再遊技−03」〜「再遊技−09」のいずれにも対応していなかった場合は00Hとなる。「図柄組合せ表示」コマンドは、第2制御コマンドの値によって入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが図5に示した図柄組合せに対応しているか否かを副制御手段200へ送信する。具体的には、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが条件装置「再遊技−01」〜「再遊技−12」のいずれかに対応していたときは01H、条件装置「2種BB」に対応していたときは02H、いずれの条件装置にも対応していなかった場合は00Hとなる。
ここで、図5に示した条件装置「再遊技−01」から「再遊技−12」に各々対応する図柄組合せは、(i)「再遊技−01」および「再遊技−02」のように各リールの「リプレイ」図柄が所定のライン(有効ラインまたは無効ライン)上に揃って停止表示されるもの(通常再遊技、通常リプレイともいう。)、(ii)「再遊技−03」〜「再遊技−06」のように各リールの「ベル」図柄が無効ライン上に揃って停止表示されるもの(ベル再遊技、ベルリプレイ、小役リプレイともいう。)、(iii)「再遊技−07」、「再遊技−08」のように所定のライン(有効ラインまたは無効ライン)上に特定の図柄組合せ(「リプレイ−リプレイ−チェリーA/チェリーB」:「/」は「または」を意味する)が停止表示されるもの(チャンス再遊技役、チャンスリプレイともいう)、(iv)「再遊技−09」のように各リールの「赤セブン」図柄が有効ライン上に揃って停止表示されるもの(赤7再遊技役、赤7リプレイともいう)、(v)「再遊技−10」〜「再遊技−12」のように3つのリールのうち、いずれか1つまたは2つのリール上の「赤セブン」図柄と、それ以外の図柄(具体的には「ベル」図柄と「リプレイ」図柄)とで構成された図柄組合せが停止表示されるものとに分類される。
なお、(v)「再遊技−10」〜「再遊技−12」は、「赤セブン」図柄を有効ライン上に揃えられる状態であるにも関わらず、遊技者が各リールの「赤セブン」図柄を有効ラインの位置(中段M)で停止させることができるタイミングでストップスイッチを操作しなかったとき、または、「赤セブン」図柄を有効ライン上に揃えられる状態ではないが、遊技者の期待感を高めようとするときに停止表示する図柄組合せとして利用される。このため「再遊技−10」〜「再遊技−12」を、失敗再遊技、失敗リプレイ、期待煽り再遊技、期待煽りリプレイともいう。上述した「表示種類」コマンドは、作動した条件装置が再遊技に関するものであったときに、上述した分類を副制御手段200へ送信することができる。
また、「表示種類」コマンドを受信した副制御手段200は、作動した再遊技に関する条件装置に応じて報知態様を異ならせることができる。例えば、ベルリプレイの図柄組合せが停止表示されたときと、「ベル−01」に対応する図柄組合せが停止表示されたときとで、同様の報知(「ベル」図柄が表示された箇所のリールバックランプの点灯、「ベル」図柄が揃ったときの入賞音の発生制御やサイドランプ等の点滅制御)を行い、あたかも小役が入賞したかの演出を行うことができる。
「遊技メダル払出開始」コマンド(A600〜A608)は、入賞ラインL上に図4に示した図柄組合せのいずれかが停止表示された場合に払い出されるメダル枚数を第2制御コマンドの値(00H〜08H)によって副制御手段200へ送信する。「遊技メダル払出終了」コマンド(A67F)は、入賞ラインL上に図4に示した図柄組合せのいずれかが停止表示され、メダルの払い出しが完了したときに副制御手段200へ送信される。「遊技終了表示」コマンド(A900)は1回の遊技が終了したときに、「2種BB終了」コマンド(A900)はMB遊技(2種BB)が終了したときに、それぞれ副制御手段200へ送信される。
「演出情報1」コマンド(B500/B501)および「演出情報2」コマンド(B600〜B640)は、遊技の開始時に副制御手段200へ送信されるコマンドであり、第2制御コマンドによって「演出情報1」コマンドは現在のリール演出状態(図13参照)を送信し、「演出情報2」コマンドは現在のリール演出状態に応じた演出状態管理カウンタの値(図14(a),(b)参照)を送信する。これにより、副制御手段200はサブボーナスの進捗状況(サブボーナス遊技が終了するまでに当選番号「18」〜「25」が、あと何回当選するか)等を把握することができ、サブボーナス遊技中に実行する演出内容を変えることができる。例えば、サブボーナス遊技中にAT抽選を実行し、AT抽選の当選を報知する方法として、1ゲームの演出によりAT抽選の当選結果を報知する演出Aと、3ゲームに亘る連続演出を経てAT抽選の当選結果を報知する演出Bと、4ゲームに亘る連続演出を経てAT抽選の当選結果を報知する演出Cとを備えていたとする。この場合、サブボーナス遊技中における当選番号「18」〜「25」の当選回数が18回のときは演出Aを選択するように制御し、10回のときは演出A〜演出Cのいずれかを選択するように制御することにより、サブボーナス遊技中におけるAT抽選の結果に関する報知を多様化させることができる。
「入力情報」コマンド(BD##)は再遊技が開始されるとき(自動投入時)または疑似遊技演出が終了するときに副制御手段200へ送信され、第2制御コマンドによってスタートスイッチ36およびベットチ34、35が操作されたか否か、および、メダル投入口32に投入されたメダルが検出されたか否かを送信する。ただし、疑似遊技演出の終了時に送信される「演出情報2」コマンドでは、スタートスイッチ36の操作に関する情報のみが副制御手段200へ送信される。
<主制御手段のRAMに記憶される情報の説明>
次に図17〜図20を参照して、主制御手段100のRAMに記憶される各種情報の一部と、それら情報が記憶されるアドレスについて説明する。図17〜図20に示す情報は、RAMに記憶される情報の一部を示すものであり、主にステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御するための情報や、副制御手段200へ送信される遊技に関する情報である。なお、本実施形態に用いられているRAMは、各アドレスに1バイトのデータを格納することができる。また、図17〜図20を参照して説明する際のアドレスの値は全て16進法の数で表記しており、アドレスを表す16進法の4桁の数値には、末尾に付与する「H」の文字を省略する。
まず図17に示すように、アドレスF01Dには、後述する制御コマンドバッファ(アドレスF13D〜F17C)に格納された制御コマンドを副制御手段200へ送信する際に、制御コマンドバッファから制御コマンドを読み出すアドレスを指定するための番号(読込ポインタ)が格納される。またアドレスF01Eには、副制御手段200へ送信するために生成した制御コマンドを、制御コマンドバッファに格納するアドレスを指定するための番号(書込ポインタ)が格納される。
また、アドレスF022,F024,F026には、それぞれ左リール40Lを駆動するステッピングモータ42L、中リール40Cを駆動するステッピングモータ42C、右リール40Rを駆動するステッピングモータ42Rの各相(φ0,φ1,φ2,φ3)のうち、励磁(ON)する相を示すデータ(ON:1,OFF:0)が格納される。また、アドレスF03Aには前回の遊技でリールが回転を開始してからの経過時間(最小遊技時間=4.1秒間)を計時するための計数値が格納される。ここで、計数値の範囲は0〜2091が設定されているが、上述したように本実施形態のRAMは1つのアドレスに1バイトのデータ(すなわち、0〜255の値)しか格納できないため、2つのアドレスを用いて2バイトのデータ(すなわち0〜65535の値を格納可能)としてRAMに格納している。図17に示すアドレス「F03A」の下側に「(2)」と表記しているのは、2つの番地を用いて格納することを意味しており、「最小遊技時間(ウエイト時間)」の値は、アドレスF03Aに下位1バイト、続くアドレスF03Bに上位1バイトの値が、それぞれ記憶されている。
また、アドレスF03CおよびF03Eには、疑似遊技演出中の非操作時間(遊技者による操作が行われていない時間)を計時するための計数値が格納される。アドレスF03Cには、メダル投入口32から投入されたメダルを検出するセレクタ内のメダルセンサ、1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35および精算スイッチ33が操作されてから経過した時間(入力検知待機時間)を計時するための値が記憶される。また、アドレスF03Eには、ストップスイッチ37L,37C,37Rおよびスタートスイッチ36が操作されてから経過した時間(入力検知時間)を計時するための値が記憶される。アドレスF048およびF049には、それぞれ役抽選によって決定された当選番号が格納され、アドレスF048には図6に示すNORの値が、アドレスF049にはBNSの値がそれぞれ格納される。
次に図18に示すように、アドレスF04E〜アドレスF056(厳密にはF057)には、左リール40Lを回転させるステッピングモータ42Lを駆動制御するための各種データが格納される。まずアドレスF04Eには、左リールの駆動状態、すなわち、ステッピングモータ42Lの現在の駆動状態番号(図11参照)が格納される。また、アドレスF04Fには駆動パルス出力カウンタの値が格納される。具体的には、対応するステッピングモータの各相について現在励磁している状態を維持する割込回数(例えば図12の「割込回数」の値)が格納される。ここで、割込回数の最大値は「90」になっているが、これは本遊技において駆動状態が「減速中」になっている期間(リールの回転を停止させるためにステッピングモータを4相励磁する期間)に対応している。
アドレスF050には駆動パルス切替え回数、すなわち、1つの駆動状態において励磁する相を切り替える回数(例えば図12の「切替回数」の値)が格納される。アドレスF051には、1図柄のステップ番号、すなわち、現在中段Mを通過している図柄番号のステップ数が格納される。ここで本実施形態のステッピングモータは、336ステップで1回転し、1つのリールに20個の図柄が付されているため、16ステップの図柄が4個、17ステップの図柄が16個となる。ここでは、図柄番号「0」,「5」,「10」,「15」の図柄が16ステップの図柄で、その他の図柄番号が17ステップの図柄とする。アドレスF052には、図柄番号(通過位置用)、すなわち、現在、中段Mを通過している左リール40L上の図柄の図柄番号(停止操作受付図柄番号)が格納される。ここで、スタートスイッチ36が操作されてステッピングモータ42Lが回転を開始してから、インデックスセンサ46Lによってリール40Lに設けられたインデックスが検出されるまでの間は、FFHの値が格納される。
アドレスF053には、図柄番号(停止位置用)、すなわち、ストップスイッチ37Lが操作されたときに、役抽選の結果または疑似遊技演出番号やストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序などに応じて、中段Mに停止させる図柄の図柄番号(停止図柄番号)が格納される。なお、左リール40Lが回転を開始してからストップスイッチ37Lが未だ操作されていない場合など、中段Mに停止させる図柄番号が決定されていないときはFFHの値が格納される。アドレスF054には、回転不良検出カウンタの値、すなわち、ステッピングモータ42Lが定速で回転しているときに脱調を起こしたか否かを検出するためのカウント値が格納される。このアドレスに格納されている値は、左ステッピングモータ42Lが2ステップ回動するごとに値が1ずつ増加し、インデックスセンサ46Lによってリール40Lに設けられたインデックスが検出されると、格納されている値が「0」にクリアされる。
ここで、本実施形態のステッピングモータ42L,42C,42Rの1回転当たりのステップ数は336であるから、タイマ割込処理が行われる毎に1ステップ回動する定速で回転しているときは、アドレスF054に格納された値の最大値は「168」となる。したがってこの値を超えると、ステッピングモータの1回転当たりのステップ数と、1回転当たりの割込回数とに食い違いが生じており、脱調を起こしていることになる。しかしながら、ステッピングモータの脱調は様々な要因によって起こり得るため、脱調の判定を厳密にしてしまうと、遊技を行う上で問題とならない脱調が発生しても回転不良と判定されてしまい、スロットマシン10の稼働を低下させてしまう。そこで、本実施形態ではステッピングモータの1回転当たりのステップ数と、1回転当たりの割込回数と差に許容範囲を設けて、回転不良検出カウンタの値が「184」以内であれば脱調として扱わないようにしている。
アドレスF055には、駆動パルスデータ検索用カウンタの値が格納される。この値は、定速に達しているときにはタイマ割込処理が行われる毎に「1」つずつ増加し、「255」に達すると次のタイマ割込処理で「0」にクリアされる。そして、アドレスF055に格納される値のうち下位3ビットの値は、図10に示した「駆動パルスデータ」として使用され、これに対応する駆動パルスが各相へ出力されて左ステッピングモータ42Lが1−2相励磁される。アドレスF056およびF057には、回転開始待機カウンタの値、すなわち、スタートスイッチ36が操作されてから図12に示した加速パターンに従って左ステッピングモータ42Lの加速処理を開始するまでの待機時間を計時するための値が格納される。この値は、タイマ割込処理が行われると「1」減算され、「0」になると上述した加速処理が開始される。
ここで、本遊技においては、スタートスイッチ36が操作されると「1」がセットされ、直後のタイマ割込処理で「0」となり加速処理が開始される。これに対して、疑似遊技演出が終了して、本遊技に復帰するために加速処理を開始する際は、「2」〜「337」の数値範囲内でランダムに決定された値がセットされる。このように、疑似遊技演出が終了して本遊技を再開する際に、左ステッピングモータ42L、中ステッピングモータ42C、右ステッピングモータ42Rについて、リール回転開始待機カウンタの値をランダムに決定することで、各リール間における加速処理の開始をランダムに遅延させている。これにより、疑似遊技演出の終了時における各リールの停止位置が、再開された本遊技において遊技者のストップスイッチの操作に有利に働かない(例えば特定の図柄が中段Mに停止表示され易くならない)ように配慮されている。
上述した駆動状態(F04E)、駆動パルス出力カウンタ(F04F)、駆動パルス切替え回数(F050)、1図柄のステップ番号(F051)、図柄番号(通過位置用)(F052)、図柄番号(停止位置用)(F053)、回転不良検出カウンタ(F054)、駆動パルスデータ検索用カウンタ(F055)および回転開始待機カウンタ(F056,F057)は、左リール40Lに関するものであるが、中リール40Cおよび右リール40Rについても同様の情報が記憶されている(図18および図19参照)。また、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rに関する上述した各種情報について、各リール間で互いに対応する情報が格納されるアドレス番地は、一定の間隔を置いて設けられている。
例えば、左リールの駆動状態はアドレスF04Eに格納され、中リールの駆動状態は、アドレスF04Eから10番地分離れたアドレスF058に格納される。さらに、右リールの駆動状態は、アドレスF058から10番地分離れたアドレスF062に格納される。また、左リールの回転不良検出カウンタはアドレスF054に格納され、中リールの回転不良検出カウンタはそこから10番地離れたアドレスF05Eに格納され、さらに右リールの回転不良検出カウンタはそこから10番地離れたアドレスF068に格納される。
次に図20に示すように、アドレスF0A4には、疑似遊技演出抽選手段114によって決定された疑似遊技演出番号(図9参照)が格納される。ここで、疑似遊技演出番号が決定されていない(すなわち、疑似遊技演出が実行されない)場合は「0」の値が格納される。アドレスF0A7には、減速中フラグの値が格納される。具体的には、3つのリールのうちいずれかのリールが減速中のときはFFHの値が格納され、いずれのリールも減速中でないときは00Hの値が格納される。アドレスF0A8には、図13に示した現在のリール演出状態の番号(「0」または「1」)が格納される。アドレスF0A9には、図14に示した演出状態管理カウンタの値と、強制終了カウンタの値とが格納される。ここで、アドレスF0A9に対応するデータとして、最下位ビット(D0)〜6ビット目(D5)までが演出状態管理カウンタの値を示し、7ビット目(D6)および最上位ビット(D7)が強制終了カウンタの値を示す。このように、アドレスF0A8には内容が異なる2種類の計数値が格納されているが、いずれもサブボーナス遊技の終了条件に関する値であるため、当該アドレスを参照することでサブボーナス遊技の終了時に行うウエイト処理(この間、副制御手段200によってサブボーナス遊技中に獲得したメダル枚数などが表示される)を実行することができる。
アドレスF13D〜F17Cは、副制御手段200へ送信する制御コマンド(図15および図16参照)を送信する順番に一時的に格納する制御コマンドバッファとして使用される。ここで、制御コマンドは第1制御コマンド(1バイト)および第2制御コマンド(1バイト)で構成されているため、2つの番地を用いて1つ制御コマンドを格納する。また、未だ副制御手段200へ送信されていない制御コマンドが格納されていた場合は、その制御コマンドの次のアドレス番地に新たな制御コマンドが格納され、最も先に格納されていた制御コマンドから順次、副制御手段200へ送信されていく。なお、最後のアドレスF17BおよびF17Cに制御バッファが格納されていた場合は、再び先頭のアドレスF13DおよびF13Eに次の制御バッファが格納される。このように、アドレスF13D〜F17Cを用いた制御コマンドバッファは、いわばリングバッファとして使用される。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、CPU、ROM、RAM、音声や画像を生成するための各種専用ICを含み、これら内部の各デバイス間でデータ等をやり取りし、また、演出報知手段500の各部とコマンドのやり取りをするためのインターフェイス回路を備えている。演出報知手段500は、図1(a)に示した表示装置70および上部演出ランプ72と、スロットマシン10の下方内部に設けられたスピーカ64L,64Rと、を含んで構成されている。
<副制御手段の機能ブロック>
副制御手段200は、主制御手段100によって制御される遊技に関して、当該遊技の興趣を向上させるために実行する演出を制御する。副制御手段200は、主に演出制御手段210と、演出状態移行手段220と、押し順報知制御手段230と、ペナルティ制御手段240とを含んでいる。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段210は、演出データ記憶手段212と、演出抽選手段214とを有し、主制御手段100から送信された各種制御コマンドに基づいて実行する演出の内容を決定し、決定した演出を実行するために、演出報知手段500が有する表示装置70,スピーカ64L,64Rおよび上部演出ランプ72を制御する。演出データ記憶手段212は、演出データとして、各種演出を実行するための画像(動画または静止画)データ、音声、楽音および効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータ等を記憶している。演出抽選手段214は、図15に示した「入賞・再遊技当選番号」コマンドや「役物当選番号」コマンドに基づいて実行する演出内容を決定する。また演出制御手段210は、演出報知手段500の各部を制御して、例えば、演出抽選手段214によって決定された演出内容を「リール回転開始受付」コマンドの受信時に実行したり、実行中の演出を各リールの「回転停止」コマンドを受信したタイミングに基づいて切り替えたりする。
<演出状態移行手段の説明>
演出状態移行手段220は、主制御手段100から送信された「入賞・再遊技当選番号」コマンドの内容に応じてサブボーナス抽選を行い、その抽選結果や入賞ラインL上に揃った図柄組合せに基づいて演出状態を移行させる。ここで演出状態には図21に示すように、大別すると「通常」状態、「AT」状態および「BB」状態がある。「AT」状態は遊技が50回(以下、遊技の回数を示す単位を「ゲーム」ともいう。)行われるまで継続する演出状態で、この間、役抽選で抽選対象「ベル群−A1」〜「ベル群−D2」(当選番号NORが「18」〜「25」)のいずれかが当選したときに、条件装置「ベル−01」の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う押し順が報知される。
「BB」状態は、先述したサブボーナス遊技状態を指す。この「BB」状態は、役抽選によって当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定された場合、条件装置「ベル−01」の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う押し順が報知される。そして、「BB」状態のときに役抽選によって当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定された遊技の回数が20回または40回になると、「BB」状態の終了条件が成立して演出状態が「通常」状態へ移行する。なお、「BB」状態の終了条件が20回になるか40回になるかは、「BB」状態へ移行する際の疑似遊技演出番号および疑似遊技実行フラグの値(図9参照)によって定まる。
また、「AT」状態中は、役抽選で特定の当選番号が決定されたことに基づいて「AT」状態から「BB」状態へ移行する場合がある。また、「BB」状態の終了条件が満たされたときに所定の移行条件が満たされた場合は、「通常」状態へ移行することなく「AT」状態へ移行する。
「通常」状態においては、役抽選によってどの当選番号が決定されたかを、乱数抽選に基づいて報知するが、「AT」状態および「BB」状態のときと異なり、当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定されたときに、条件装置「ベル−01」の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う押し順は報知されない。
ここで、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順を報知する態様については従来の報知態様を採用することができる。そして、「AT」状態へ移行して50ゲーム行われると、「AT」状態の終了条件が成立して演出状態が「通常」状態へ移行する。
<押し順報知制御手段の説明>
押し順報知制御手段220は、演出状態が「AT」状態または「BB」状態になっているときに、役抽選で当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定されたときに、決定された当選番号の値に応じて条件装置「ベル−01」の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う押し順(図6の備考欄参照)を報知する。ここで、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に関する報知態様については周知の技術を採用することができるため、詳しい説明は省略する。
<ペナルティ制御手段の説明>
ペナルティ制御手段220は、役抽選で当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定されたときの押し順に応じて、遊技者にとって不利な状態とするか否かの判断基準となるペナルティ値(後述する)を増減させる。そして、ペナルティ値が所定の値を超えた場合、遊技者な不利な状態となる。遊技者な不利な状態としては、「通常」状態のときは、たとえ「BB」状態へ移行可能な状態であっても、その移行が停滞させ、または移行しない状態に制御する。また、「AT」状態または「BB」状態になっていた場合は、役抽選で当選番号NORが「18」〜「25」のいずれかに決定されたときに、条件装置「ベル−01」の図柄組合せが入賞ラインL上に揃う押し順が報知されないように押し順報知制御手段220を制御する。
≪主制御手段における制御処理の説明≫
まず、主制御手段100において実行され、本遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理の内容について、図22のフローチャートを参照しつつ説明する。図22に示す遊技進行メイン処理は、スロットマシン10の電源投入後に実行される各種チェック処理が行われた後に実行されるものであり、遊技進行メイン処理を繰り返し実行することで遊技の制御を行うことができる。
<遊技進行メイン処理の説明>
遊技進行メイン処理が開始されると、まず、スタックポインタをRAMに設定されているスタック領域の先頭アドレスにセットした後(ステップS10)、遊技開始セット処理を行う(ステップS12)。この遊技開始セット処理では、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押しボタン部分の発光色を赤に指定するデータ、遊技者によって遊技が行われているか否かを判断するための計時時間の値、前回の遊技で停止表示された図柄組合せに応じてMB遊技または再遊技を開始するための準備処理、メダルのベットを受付可能にするための処理などを行う。次に遊技者によってベットされたメダルの枚数をRAMの所定記憶領域から読み出して(ステップS14)、ベットされたメダルがあるか否かを判断する(ステップS16)。
ステップS16の判断処理で、主制御手段100がベットされたメダルが無い(NO)と判断したときは、遊技メダル投入待機表示処理として、獲得枚数表示器28に表示されている数字をクリアする(ステップS18)。ステップS18の遊技メダル投入待機表示処理を終えると、またはステップS16で主制御手段100がベットされたメダルが有る(YES)と判断したときは直ちに、遊技メダル管理処理を行う(ステップS20)。遊技メダル管理処理においては、メダル投入口32から投入されたメダルを検出するメダルセンサからの検出信号に基づいてメダルの滞留時間や、通過速度や、通過方向を判断して不正行為が行われたか否かを検出する。次に主制御手段100は、ソフト乱数更新処理を行って(ステップS22)、役抽選に使用する乱数や疑似遊技演出が終了して本遊技を再開する際に各リールの回転開始タイミングをランダムにするための乱数の値を更新する。
次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作を受け付けられる状態になっているか否かの判断や、スタートスイッチ36が操作されたときの各種処理を行うスタートスイッチチェック処理を行う(ステップS24)。そして、主制御手段100はスタートスイッチ36の操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS26)、スタートスイッチ36の操作を受け付けなかった(NO)と判断したときは、ステップS14の処理に戻る。これに対して、スタートスイッチ36の操作を受け付けた(YES)と判断したときは、役抽選、疑似遊技演出、リールの回転および停止制御を行うための遊技進行管理処理を行う(ステップS28)。そして、主制御手段100は全リールが停止すると入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4および図5に示した各図柄組合せの一致するか否かを判断する入賞判定処理を行う(ステップS30)。そして、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図4に示した図柄組合せのいずれかと一致していた場合は、当該一致する図柄組合せに対応する枚数のメダルを払い出すための入賞時遊技メダル払出処理を行う(ステップS32)。
次に主制御手段100は、遊技終了チェック処理を実行し(ステップS34)、役抽選によって作動した条件装置の種類を示すフラグをリセットし、役抽選状態(「非RT」/「RT」/「MB」)およびリール演出状態(「0」/「1」)の移行制御を行う。次に図16に示した「遊技終了表示」コマンド(A900)と、役抽選状態が「MB」中になっているときにMB遊技の終了条件が成立した場合は「2種BB終了」コマンド(A902)も併せて、CPUのレジスタにセットする(ステップS36)。そして、割込不可制御コマンドセット処理を行うことによって、RAMの制御コマンドバッファ(図20、アドレスF13D〜F17C)に、レジスタにセットされたコマンドを適宜書き込み(ステップS38)、ステップS10の処理へ戻る。ステップS38の処理によって制御コマンドバッファに書き込まれた制御コマンドは、後述するタイマ割込処理によって副制御手段200へ送信される。
(スタートスイッチチェック処理の説明)
次に図23に示すフローチャートを参照して、図22のステップS24で実行されるスタートスイッチチェック処理の詳細な内容について説明する。
主制御手段100は、図22のステップS22に示したソフト乱数更新処理が終了すると、図23に示すスタートスイッチチェック処理に移行し、メダル投入口32から投入されたメダルを検出するメダルセンサおよびメダル払出装置82から払い出されたメダルを検出する払出センサからの検出信号に基づいて、メダルの投入および払い出しに不正行為などの異常が発生したか否かを判定する(ステップS50)。ここで、主制御手段100が、異常が生じたと判断したときは、発生した異常に対応するエラーコードを獲得枚数表示器28に表示して、以後の遊技が行えないように遊技の進行を停止させるようにしてもよい。次に主制御手段100は、遊技者によってベットされたメダルの枚数と、現在の役抽選状態に応じた規定数とを比較し(ステップS52)、両者が一致したか否かを判断する(ステップS54)。ベットされたメダルの枚数が規定数に達していない(NO)と、主制御手段100が判断したときは、図23のスタートスイッチチェック処理を終了して、図22のステップS26の判断処理へ移行する。
これに対して、ベットされたメダルの枚数が規定数に達した(YES)と主制御手段100が判断したときは、スタートスイッチ36に対して受け付け可能な操作が行われたか否かを判断するためのデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS56)。ここで、本実施形態の主制御手段100には、精算スイッチ33、ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rの各スイッチが操作されるとオン(「1」)となる検出信号が入力されている。そして主制御手段100は、1バイト(8ビット)のデータうち7つのビットを用いて、各スイッチの検出信号の立ち上がりの有無(「0」:立ち上がり無し、「1」:立ち上がり有り)を示す1バイトのデータと、オン状態(「1」)またはオフ状態(「0」)を示す1バイトのデータとを、それぞれRAMに格納している。ステップS56でセットするデータは、スタートスイッチに対応するビット以外がマスク(0)されたデータである。
次に主制御手段100は、スタートスイッチ36に対して受付可能な操作が行われたか否かをチェックする(ステップS58)。本実施形態では、ステップS56でセットされたデータを用いて上述した2つの1バイトデータにおいて、スタートスイッチ36に対応するビットのみを有効にする。そして有効にしたビットにおける双方の値の論理積を取り、その結果が「1」(スタートスイッチ36の検出信号が立ち上がり、かつ、オン状態)になったときに、スタートスイッチ36に対する操作が受け付け可能となる。そして、受付可能な操作が行われたか否かを判断する(ステップS60)。受け付け可能なスタートスイッチ36の操作ではない(NO)と主制御手段100が判断したときは、スタートスイッチの操作の受け付けを許可するか否かを示すフラグ(スタートスイッチ受付許可フラグ)の値を「0」にクリアする(ステップS62)。そして、図23のスタートスイッチチェック処理を終了して、図22のステップS26の判断処理へ移行する。
一方、ステップS60の判断処理で、受け付け可能なスタートスイッチ36の操作が行われたと主制御手段100が判断したときは、上述したスタートスイッチ受付許可フラグの値を「1」にセットし(ステップS64)、スタートスイッチ36に対する操作の検出信号(以下、「スタートスイッチ操作信号」という。)が立ち上がった(ローレベルからハイレベルに変化した)か否かを判断する(ステップS66)。スタートスイッチ操作信号が立ち上がっていない(NO)と主制御手段100が判断したときは、図23のスタートスイッチチェック処理を終了して、図22のステップS26の判断処理へ移行する。これに対して、スタートスイッチ操作信号が立ち上がった(YES)と主制御手段100が判断したときは、次に説明するスタートスイッチ受付処理を行う(ステップS68)。そしてスタートスイッチ受付処理が終了すると、図23のスタートスイッチチェック処理を終了して、図22のステップS26の判断処理へ移行する。
(スタートスイッチ受付処理の説明)
次に図24に示すフローチャートを参照して、図23のステップS68で実行されるスタートスイッチ受付処理の詳細な内容について説明する。
まず、図23に示したスタートスイッチチェック処理におけるステップS66の判断処理において、主制御手段100がスタートスイッチ操作信号が立ち上がった(YES)と判断すると、まず、役抽選に用いる乱数を取得してCPUのレジスタにセットする(ステップS70)。次に図23のステップS64の処理によって「1」にセットしたスタートスイッチ受付許可フラグの値を「0」にクリアし(ステップS72)、さらに設定変更不可フラグの値を「1」にセットする(ステップS74)。この設定変更不可フラグは、図7の役抽選テーブルに示されている「設定1」〜「設定6」のうち、現在の「設定」を他の「設定」に切り替えられる状態であるか否かを示すフラグである。ステップS74の処理は、スタートスイッチ36が操作されたことを契機に行われる役抽選の処理(後述する図25のステップS100参照)を行っているときに、各抽選対象の当選確率が変化してしまわないように、設定変更不可フラグの値を「1」にセットしている。
次に主制御手段100は、ブロッカ信号がオフになっているか否かを判断し、オンになっていた場合はブロッカ信号をオフにするブロッカオフ処理を行う(ステップS76)。ここで、ブロッカ信号とは、メダル投入口32から投入されたメダルを、スロットマシン10内に取り込むか、メダル払出口60から受け皿61へ返却するかを切り替えるために、投入されたメダルの流路を切り替えるための信号であり、オンになるとメダルセレクタ内に投入されたメダルがスロットマシン10内に取り込まれる流路が形成され、オフになるとメダル払出口に続く流路が形成される。これにより、スタートスイッチ36の操作が受け付けられた後は、メダル投入口32から投入されたメダルは受け皿61へ返却されることになる。
次に主制御手段100は、遊技者によってベットされたメダルの枚数をRAMから読み出した後(ステップS78)、リールの回転開始時に副制御手段200へ送信する各種制御コマンドをCPUのレジスタにセットする(ステップS80)。そして、割込不可制御コマンドセット処理を行うことによって、RAMの制御コマンドバッファ(図20、アドレスF13D〜F17C)に、レジスタにセットされたコマンドを適宜書き込む(ステップS38)。これらステップS80およびS82の処理により、図15に示した「リール回転開始受付」コマンド(9300〜9303)、「入賞・再遊技当選番号」コマンド(9500〜9534)、「役物当選番号」コマンド(9600/9601)および「疑似遊技演出状態」コマンド(9700〜9709)が副制御手段200へ送信される。なお、正確には副制御手段200への送信処理はタイマ割込処理によって実行されるが、この点については後述する。
次に主制御手段100は、設定値エラーチェック処理を行うことで、セットされている「設定」の値が1〜6の範囲内になっているか否かを判断し、範囲内に無かった場合は、設定値に異常が生じていることを示すエラーコードを獲得枚数表示器28に表示するとともに外部へ異常信号を出力し、遊技不可状態にする。「設定」の値が正常範囲内であった場合は、遊技者によってベットされたメダルの枚数をRAMから読み出し(ステップS86)、タイマ割込処理の実行を禁止した後(ステップS88)、RAMの所定番地に、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する投入信号(IN信号)の出力回数をセットする(ステップS90)。ここで、上述した投入信号はタイマ割込処理によって出力されるため、タイマ割込処理を禁止した上でステップS90の処理を行っている。
そして、タイマ割込処理の実行を再び許可し(ステップS92)、スタートスイッチ36の操作を受け付けた状態になる(ステップS94)。これにより、図22の遊技進行メイン処理におけるステップS26の判断結果はYESとなる。そして、ステップS94の処理を行うと、図24のスタートスイッチ受付処理および図23のスタートスイッチチェック処理が終了し、図22の遊技進行メインにおけるステップS26の判断処理に移行する。
(遊技進行管理処理の説明)
次に図25に示すフローチャートを参照して、図22のステップS28で実行される遊技進行管理処理の詳細な内容について説明する。
まず、図22に示した遊技進行メイン処理におけるステップS26の判断処理で、主制御手段100がスタートスイッチ36の操作を受け付けた(YES)と判断すると、取得した乱数と、図7に示した各抽選対象の当選確率に基づいて、図6および図7に示したいずれか1つの当選番号を決定する。また、MB遊技中であれば、役抽選に依らず、図6および図7に示した当選番号「34」が決定(設定)される。そして、決定された当選番号をRAMに設定されている当選番号バッファのアドレス(図18には不図示、F04A、F04B)に格納する(ステップS100)。次に主制御手段100は、疑似遊技演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定したときは、疑似遊技演出の実行を制御する遊技演出開始処理を行う(ステップS102)。
ステップS102の遊技演出開始処理が終了すると、次に主制御手段100は、ステップS100で決定された当選番号をRAMの当選番号バッファのアドレスから読み出し(ステップS104)、各リールの回転開始および決定された当選番号に応じた停止制御を行うためのリール停止管理処理を行う(ステップS106)。そして、リール停止管理処理を行うと、図25に示した遊技進行管理処理を終了して、図22の遊技進行メイン処理におけるステップS30の入賞判定処理を行う。
(遊技演出開始処理の説明)
次に図26に示すフローチャートを参照して、図25のステップS102で実行される遊技演出開始処理の詳細な内容について説明する。
まず、図25のステップS100の処理で役抽選を行うと、次に主制御手段100は、疑似遊技演出を実行するか否かを判断する疑似遊技演出開始チェック処理を行う(ステップS120)。すなわち、現在のリール演出状態(図13参照)を判定して、「1」であれば、さらに疑似遊技実行フラグの値(図14(b)参照)を判定し、判定した疑似遊技実行フラグの値に対応する置数(図9参照)に基づく乱数抽選を行い、いずれの疑似遊技演出番号の演出を行うかを決定する(ステップS120)。次に主制御手段100は、いずれかの疑似遊技演出を行うことが決定されたか否かを判断する(ステップS122)。そして、疑似遊技演出の実施が決定されていない(NO)と判断したときは、図26の遊技演出開始処理を終了して図25の遊技進行処理におけるステップS104の処理へ移行する。
これに対して、ステップS120の判断処理で、疑似遊技演出の実施が決定された(YES)と判断したときは、疑似遊技演出の実施中であることを示す疑似遊技演出フラグの値を「1」にセットした後(ステップS124)、入力検知時間経過フラグの値を「0」にクリアする(ステップS126)。ここで、入力検知時間経過フラグの値は、疑似遊技演出中に、スタートスイッチ36またはストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれも操作されることが無いまま所定の時間(図17、アドレスF03Eの「入力検知時間」参照)が経過すると「1」となり、疑似遊技演出が強制的に終了して本遊技が再開される。本実施形態では、ストップスイッチの操作に依らず自動的に全てのリールが停止して、スタートスイッチの操作が行われるまで待機状態となる。この状態で、さらにスタートスイッチが操作されないまま所定の時間が経過すると、各リールが任意のタイミングで自動的に回転を開始し、本遊技が再開される。なお、全てのリールが自動的に停止するときに表示する図柄組合せは、選択された疑似遊技演出番号において所定の押し順で操作されたときに停止表示される図柄組合せであってもよいし、自動的に全てのリールを停止させる場合に特有の図柄組合せを停止表示させるようにしてもよい。
次に主制御手段100は、図25に示した遊技進行管理処理のステップS100で行われた役抽選の結果が、次のステップで実行されるリール停止管理処理に影響しないように、疑似遊技演出時の当選番号「0」をRAMに設定されている当選番号の記憶領域のアドレス(図20のF048、F049)に格納する(ステップS128)。そして、前述した図25のステップS106に示したリール停止管理処理と同じ処理を行って、疑似遊技演出におけるリールの回転開始および停止制御を行う(ステップS130)。ステップS130の処理については、後に図27〜図29を参照して詳しく説明する。そして、全てのリールが停止状態になると、主制御手段100は、疑似遊技演出を終了させるか否かを判定する(ステップS132)。ここで、疑似遊技演出番号「1」〜「7」および「9」を実施したときは、疑似遊技演出を終了と判定し、疑似遊技演出番号(図20のアドレスF0A4のデータ)を「0」にクリアする。また疑似遊技演出番号「8」を実施したときは、疑似遊技演出中のストップスイッチ37L,37C,37Rが、中押しで操作された場合は疑似遊技演出を終了させるが、順押し、ハサミ打ち、逆ハサミ打ちまたは逆押しで操作された場合は、疑似遊技演出番号「9」に更新する。換言すると、疑似遊技演出番号が「8」のときは、押し順に応じて疑似遊技演出が2回実行される場合があり、疑似遊技演出が2回実行された後に本遊技が再開されるようになる。
また、ステップS132では、疑似遊技演出が終了したことを示す「遊技演出終了」コマンド(977F:図15参照)をセットする処理も行われる。当該コマンドと疑似遊技演出番号とに基づいて、副制御手段200は、疑似遊技演出終了後の演出を制御することができる。ここで、例えば「白セブンA」図柄もしくは「白セブンB」図柄で構成された図柄組合せ、または「赤セブン」図柄のみで構成された図柄組合せを一直線状ラインに停止表示させる疑似遊技演出を行い、その疑似遊技演出後に、サブボーナス遊技が開始されることを示す演出を行うとする。従来のスロットマシンにおいては、ボーナス役が入賞すると次の遊技からボーナス遊技が開始されるため、そのことを示す演出は、本遊技が終了したときに停止表示された図柄組合せの判定結果(入賞判定の結果)に基づいて実行していた。しかしながら、本実施形態においては、疑似遊技演出で表示された図柄組合せを判定する必要が無く、疑似遊技演出番号の内容と「遊技演出終了」コマンドを受信したこととに基づいて、サブボーナス遊技を開始することを示す演出(疑似遊技演出終了後の演出)を実行することができる。なお、本遊技の入賞判定(2種BBに対応する図柄組合せが停止されているか等)は、先述した通り図22のステップS30で実施している。
そして、所定の入力検知時間を計時するための値(「9024」)を図17に示したRAMのアドレスF03Eに保存する(ステップS134)。ここで、入力検知時間はアドレスF03Eに格納されている値をタイマ割込処理によって「1」ずつ減算していくことによって計時している。アドレスF03Eに記憶されている(更新される)値は、後述するステップS140の判定処理で参照される。次いで主制御手段100は、所定の待機時間が経過した後(ステップS136)、スタートスイッチ36が操作された場合に、その操作が受付可能であるか否かの判定を行うためのデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS138)。このデータは、後述するステップS142およびステップS144での判定に要するデータであって、スタートスイッチが操作されたことによって、その検出信号が立ち上がったときに、他のスイッチに関する検出信号も立ち上がったとき(ストップスイッチやベットスイッチが操作されていることを示すデータが入力されているとき)に、ステップS144の判断処理でNOと判定されるためのデータである。つまり、ストップスイッチが操作されているときにスタートスイッチが操作されてもスタートスイッチの立ち上がりデータに基づく処理が実行されないように構成されている。
次に主制御手段100は、入力検知時間が経過したか否か、すなわち、RAMのアドレスF03Eに保存されていた値が「0」であるか否かを判断し(ステップS140)、「0」になっていない(NO)と判断したときは、スタートスイッチ36の操作を受付可能な状態であるかを判定する(ステップS142)。そして、スタートスイッチ36の操作を受付可能な状態ではない(NO)と判断したときは、ステップS140の判断処理に戻る。
これに対して、スタートスイッチ36の操作を受付可能な状態である(YES)と判断したときは、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS146)。そして、スタートスイッチ36が操作されていない(NO)と主制御手段100が判断したときは、ステップS140の判断処理に戻る。これに対してステップS146の判断処理で、主制御手段100がスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、または、ステップS140の判断処理で、主制御手段100が、入力検知時間が経過した(YES)と判断したときは、主制御手段100は疑似遊技演出が終了したか否かを判断する(ステップS148)。ここで前述したように、疑似遊技演出番号「8」を実施したときに中押し以外の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、判断結果がNOとなり、ステップS120の処理に戻る。これに対して、疑似遊技演出番号「1」〜「7」もしくは「9」を実施した場合、または、疑似遊技演出番号「8」を実施したときにストップスイッチ37L,37C,37Rが中押しで操作された場合は、判断結果がYESとなり、ステップS124の処理で「1」にセットした遊技演出フラグを「0」にクリアし(ステップS150)、図26に示す遊技演出開始処理を終了して、図25の遊技進行処理におけるステップS104の処理へ移行する。
なお、上述したステップS136の処理によって設けられる待機時間は、疑似遊技演出が行われた後にスタートスイッチの操作を契機として本遊技を再開する場合と、疑似遊技が行われた後にスタートスイッチの操作を契機としてさらに疑似遊技演出を実行する場合とで異なっている。具体的には、前者の場合には、約7500ms(割込回数:3356回)の待機時間となり、後者の場合には、約500ms(割込回数:224回)の待機時間となる。このように、疑似遊技演出の実行後に本遊技が再開される場合(疑似遊技演出において「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄が揃うか、「赤セブン」図柄が揃った後に本遊技を再開する場合)の待機時間をより長く設定することで、副制御手段200において、サブボーナス遊技を開始するときの演出(例えば、白7揃いの場合は「BIGボーナス!!」、赤7揃いの場合は「超BIGボーナス!!」)を実行することができる。一方、疑似遊技演出が再度実行されるときは、別の演出として再び疑似遊技演出が行われることを示すチャンス音を発生させるなどの演出を行うため、待機時間を短く設定している。なお、再び疑似遊技演出を実行する場合は、待機時間を設けなくても良い。
また、ステップS150の処理を行う際に、RAMの所定アドレスにサブボーナス遊技中であることを示す情報を格納し、この情報に基づいて、外部集中端子基板84を介して外部に対して出力するサブボーナス遊技中であることを示す信号を、オフからオンに立ち上げてもよい。
(遊技演出開始処理の説明)
次に図27に示すフローチャートを参照して、図25のステップS106および図26のステップS130で実行されるリール停止管理処理の詳細な内容について説明する。
まず主制御手段100は、図25のステップS104の処理によって当選番号バッファのアドレス(図18では不図示、F04A、F04B)から読み出した当選番号を、RAMに設定されている当選番号の記憶領域のアドレスに記憶する(ステップS160)。これにより、例えばこの処理に先立って疑似遊技演出が行われた場合は、図26のステップS128の処理によって記憶されていた疑似遊技演出用の当選番号(「0」)が上書きされる。また、このステップS160の処理では、当選番号に応じて図柄制御番号を選択してRAMの所定アドレスに記憶する。そして、疑似遊技演出終了後の揺れ変動を行っていたときは、後述する図35のステップS536の処理によって生成された乱数値に基づいて、左リール、中リールおよび右リールの各々に対応するリール回転開始待機カウンタの値を、対応するRAMのアドレス(左リール:F056,F057、中リール:F060,F061、右リール:F06A,F06B、図18および図19参照)に記憶する。
これに対して、疑似遊技演出が行われなかったとき(図26のステップS122,NO)、または図26の疑似遊技演出開始処理でリール停止管理処理を行うとき(図26のステップS130)は、上述した左リール、中リールおよび右リールの各々に対応するリール回転開始待機カウンタの値として「1」をRAMに記憶する。これにより、リールの駆動状態が「回転開始待機」になってから最初に実行する図38のリール駆動制御処理(後述する)において、ステップS584の処理を行うことでリールの駆動状態が「加速中」に移行することになる。
また、ステップS160の処理では、RAMのアドレスF0A7(図20参照)に格納されている減速中フラグの状態を「0」にクリアして「減速中」ではないことを示し、CPUのBレジスタに全リールが処理の対象となることを示すビットデータをセットする。ここで、ビットデータは1バイトのデータであり、処理の対象となるリールを「1」で示すデータである。具体的にはビットデータの最上位ビット(第7ビット)が右リールに対応し、その下位ビット(第6ビット)が中リールに対応し、さらにその下位ビット(第5ビット)が左リールに対応する。したがって全てのリールが処理の対象となることを示すビットデータは[11100000]となる。また、Bレジスタにセットされたデータは、後述する図28のリール回転開始処理におけるステップS190の判断処理で参照される。またCレジスタには、リール駆動状態番号「1」(回転開始待機)を示すデータ[00000001]をセットする。
ステップS160の処理を終えると、主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの各々について加速処理を開始し、定速に到達した後は、脱調を起こしたか否かを監視するリール回転開始処理を行う(ステップS162)。次に主制御手段100は、回転中のリールについて滑りコマ数の作成要求があるか否かを判断する(ステップS164)。滑りコマ数作成要求の有無は、RAMの所定アドレスにリール40L,40C,40Rの各々に対応して格納されており、リール40L,40C,40Rの回転開始後、最初にステップS164の処理を行うときには全てのリールについて滑りコマ数作成要求が有ると設定されている。そして主制御手段100が、滑りコマ数の決定要求がある(YES)と判断したときは、要求されたリールの図柄番号「0」〜「19」の各々について、中段Mを通過しているときに対応するストップスイッチが操作された場合の滑りコマ数を作成する(ステップS166)。この滑りコマ数作成処理では、まず、回転中のリールについて、停止する順番、当選番号に対応した図柄制御番号(図6参照)に基づいて、回転中のリールにおける図柄番号「0」〜「19」の各々に対する滑りコマ数を決定する。
次に主制御手段100は、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたときに、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を実行するリール停止受付チェック処理を行う(ステップS168)。そして、リール40L,40C,40Rの各々について回転が停止しているかを判定し(ステップS170)、全てのリールが停止したか否かを判断する(ステップS172)。ここで、全てのリールが停止していない(NO)と主制御手段100が判断したときは、ステップS162のリール回転開始処理に戻る。これに対して、全てのリールが停止した(YES)と主制御手段100が判断したときは、図27のリール停止管理処理を終了し、図22のステップS30(図22のステップS28から図25のステップS106においてリール停止管理処理を行った場合)または図26のステップS132(図26のステップS130においてリール停止管理処理を行った場合)へ移行する。
(リール回転開始処理の説明)
次に図28に示すフローチャートを参照して、図27のステップS162で実行されるリール回転開始処理の詳細な内容について説明する。
まず主制御手段100は、図27のステップS160の処理を終えるか、ステップS172の判断結果がNOになると、回転を開始するリールがあるか否かを判断する(ステップS180)。回転を開始するリールがある(YES)と判断したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの発光色を赤くするためのデータをRAMに記憶する(ステップS182)。ここで、全リールに対応するストップスイッチを赤く発光させるためのデータをRAMに記憶する理由は、以下のステップS184〜S204の処理を実行している間は、少なくとも遊技者によるストップスイッチの操作を受付けられない期間であり、それを遊技者に報知するためである。換言すると、例えば左リール、中リールは定速に達しているものの、右リールについて脱調を検出したときは右リールについて再度加速処理が実行され、このときには全リールについてストップスイッチの操作が受け付けられないことを報知することができる。
そして主制御手段100は、回転を開始するリールに対応したビットデータをCPUのAレジスタにセットする(ステップS184)。ここで、スタートスイッチ36の操作後に最初にステップS184の処理を行う場合は、左リール40L,中リール40C,右リール40Rの全てが後述するステップS192〜S198の処理によって加速処理を行うための初期化を行う対象となるため、ステップS160の処理でBレジスタにセットされたデータ[11100000]をAレジスタに読み込む。次にスロットマシン10に設けられたリールの個数(すなわち「3」)をCPUのBレジスタにセットして(ステップS186)、後述するタイマ割込処理(図35参照)の実行を禁止する(ステップS188)。
そして主制御手段100は、以後の処理により右リール40R、中リール40C、左リール40Lの順に、加速処理を開始するための各種初期値をセットする。まず、CPUのレジスタにリールの駆動状態として駆動状態番号「1」(回転開始待機)をセットする(ステップS192)。次に主制御手段100は、初期値をセットしているリールに対応するRAMのアドレスに記憶されている駆動パルス出力カウンタの値(左リール:F04F、中リール:F059、右リール:F063)およびリール駆動パルス切替え回数の値(左リール:F050、中リール:F05A、右リール:F064)を初期化する(ステップS194)。
次に主制御手段100は、処理対象のリールに対応するRAMのアドレスに記憶されている図柄番号(通過位置用)の値(左リール:F052、中リール:F05C、右リール:F066)および図柄番号(停止位置用)の値(左リール:F053、中リール:F05D、右リール:F067)を初期値に更新する(ステップS196)。さらに主制御手段100は、処理対象のリールに対応するRAMのアドレスに記憶されている回転不良検出カウンタの値(左リール:F054、中リール:F05E、右リール:F068)を初期値に更新する(ステップS198)。そして次の処理対象のリールについて、上述したステップS192〜S198の処理を行うために次のリールに関する各種駆動制御データが格納されているRAMのアドレス(左リール:F04E、中リール:F058、右リール:F062)をCPUのレジスタにセットする(ステップS200)。
ここで、前述したステップS190の判断処理で、主制御手段100が回転を開始するリールではない(NO)と判断したときは、ステップS192〜S198の処理を行うことなく、直ちにステップS200の処理へ移行する。
そして、全てのリールについてステップS192〜S198の処理を行ったか否かを判断する(ステップS202)。全てのリールについて初期値をセットしていない(NO)と主制御手段100が判断したときは、再びステップS190の処理に戻り、次のリールについて各種初期値をセットする処理を行う。これに対して、全てのリールについて各種初期値をセットした(YES)と主制御手段100が判断したときは、ステップS188の処理で禁止したタイマ割込処理の実行を許可する(ステップS204)。ここで、ステップS192〜S198の処理によって各種初期値を設定する際にタイマ割込処理の実行を禁止しているのは、全ての初期値を設定し終わらないうちにタイマ割込処理が実行されて加速処理が開始されてしまうと、ステッピングモータを正常に加速させることができなくなる虞があるためである。例えば、ステップS196の処理を行っているときに、リール駆動パルス出力カウンタの値は初期化されたが、リール駆動パルス切替回数の値が初期化されていない状態で、タイマ割込処理が実行されて加速処理が行われてしまうと、ステッピングモータを本来の加速パターンに従って加速させることができなくなり、脱調などの回転不良を起こしてリールを定速へ移行させことができなくなる虞がある。そこで本実施形態では、一連の初期値を設定している間に加速処理が開始されないようにするため、ステップS188の処理によってタイマ割込処理の実行を禁止することで、支障なく加速処理を開始させることができる。
そして主制御手段100は、これから行う処理の対象となる左リール40Lを示すビットデータと、「加速中」を示す駆動状態番号「4」とを、CPUのレジスタにセットする(ステップS206)。具体的には、HLレジスタに左リールの駆動状態番号を格納しているアドレスF04Eをセットし、Bレジスタに[00100000](左リールを示すビットデータ)、Cレジスタに[00000100](駆動状態番号「4」)をセットする。なお、前述したステップS180の判断処理で、回転を開始するリールが無い(NO)と主制御手段100が判断したときは、ステップS182〜S204の処理を行わず、直ちにステップS206の処理へ移行する。
ステップS206の処理を終えると、主制御手段100は、左リール40Lが定速で回転中であるか否かを判断する(ステップS208)。具体的には、ステップS206の処理でHLレジスタにセットされたアドレス(F04E)に格納されているデータが「4」であるか否かを判断する。左リール40Lが定速で回転している(YES)と主制御手段100が判断したときは、次に左リールに対応するリール回転不良検出カウンタの値をRAM(アドレスF054)から取得して(ステップS210)、リールが正常に回転しているか否か、すなわち定速回転中に脱調を起こしていないかを判定する(ステップS212)。具体的には、HLレジスタにセットされているアドレス(F04E)に「+6」したアドレス(F054)に格納されているデータに基づいて判断する。ここで、主制御手段100は、リール回転不良検出カウンタの値が「184」を超えていたときは、脱調を起こしたと判断する。このように、本実施形態では、リール回転不良検出カウンタの値と、所定値との比較という簡単な処理によってステッピングモータの脱調を判断することができる。
そして、リールが回転不良を起こした(YES)と判断したときはステップS180の処理へ戻り、ステップS184の処理において、回転不良を起こしたと判断したリールのビットデータをCPUのレジスタにセットし、ステップS186以降の処理を行うことで、当該リールについて再び加速処理を行うための初期値をセットする。ここで、Bレジスタの値が[00100000]であることから、左リールのみ初期値がセットされるようになっている。例えば、中リールについて判定処理を行っているときは、Bレジスタの値が[01000000]となることから、中リールのみ初期値がセットされる。また、右リールついて判定処理を行っているときは、Bレジスタの値が[10000000]となることから、右リールのみ初期値がセットされる。
これに対して、ステップS214の判断処理で、主制御手段100がリールは正常に定速回転している(NO)と判断したとき、または、前述したステップS208の判断処理でリールが定速回転していない(NO)と判断したときはステップS210〜S214の処理を行わずに直ちに、次のリールの駆動制御データが格納されているRAMのアドレスをCPUのHLレジスタにセットする(ステップS216)。ここで、ステップS208〜S220の処理は、左リールL→中リール40C→右リール40Rの順で行われるため、左リール40Lの処理が終了したときの「次のリール」は中リール40Cであり、中リール40Cの処理が終了したときの「次のリール」は右リール40Rである。
また具体的には、現在のセットされているアドレスに10進法で「10」の値を加算することで、次のリールの駆動制御データが格納されているRAMのアドレスをセットする。例えば、上述した場合はCPUのHLレジスタにF04Eがセットされているため、これに「10」(16進法で「A」)の値を加えてF058とし、中リールの駆動状態番号を格納したアドレスを指定する。なお、最後の右リールについてステップS208〜S214の処理を行った後に、ステップS216の処理を行ったときにも、HLレジスタにセットされている右リールの駆動状態番号を格納したアドレスF062に「10」が加算されて以後の処理とは関係無いアドレスがセットされるが、そのアドレスに基づいて何らかの処理が行われることはないため、以後の処理に支障を来すことはない。
そして、上述した「次のリール」を示すビットデータをCPUのBレジスタにセットする(ステップS218)。具体的には、現在のBレジスタの値を上位ビット側に1ビットシフトさせる処理を行った値をレジスタにセットする。例えば、Bレジスタの値が[00100000]であるとき、ステップS218の処理により上位ビット側に1ビットシフトされるので、Bレジスタの値は[01000000]となる。また、Bレジスタの値が[10000000]である場合(右リールについて処理を行った場合)は、ステップS218の処理によってBレジスタの値が[00000000]となる。このとき、最上位ビット(第7ビット)の値は、「1」がシフトされることによって「0」となり、このシフト処理によって桁上がりが生じるため、フラグレジスタのキャリーフラグがオンとなる。
その後、全てのリールについて定速回転中の不良検出を行ったか否かを判断する(ステップS220)。当該判断処理は、本実施形態では前述したキャリーフラグがあったか否かによって判断している。つまり、ビット列を用いることで再度加速処理を実行しなければならないリールを特定することができる。さらに、当該ビット列により全リールの判定が完了したか否かを判断することができる。また、全リールを加速する場合(通常の加速処理)と、脱調等により特定のリールのみについて再度加速処理を実行する場合とで、同一の処理を用いることができるため、プログラム処理を簡素化できる。全てのリールについて定速回転中の不良検出を行っていない(NO)と、主制御手段100が判断したときは、ステップS208の処理へ戻り、ステップS216およびS218でセットしたアドレスとビットデータに基づいて、次のリールについて不良を起こしたか否かの検出を行う。そして、図22のステップS22の処理で行ったソフト乱数の更新と同様の処理を行うと(ステップS222)、図28に示したリール回転開始処理を終了して図27のステップS164に示した判断処理へ移行する。
(リール停止受付処理の説明)
次に図29に示すフローチャートを参照して、図27のステップS168で実行されるリール停止受付処理の詳細な内容について説明する。
まず主制御手段100は、各リールに対応するインデックスセンサ46L,46C,46Rのオン/オフ状態を判定し(ステップS230)、次にストップスイッチの操作を受け付けてから次のストップスイッチの操作を受け付けるまでのリール停止受付待機時間(約200ミリ秒)の経過を判定する(ステップS232)。そして、主制御手段100は、RAMのアドレスF0A7に格納されている減速中フラグの状態(図20参照)を判定して(ステップS234)、ストップスイッチの操作を受け付け可能な状態であるか否かを判断する(ステップS236)。
前述したリール停止受付待機時間が経過していない、または、減速中フラグがオンになっていたときは、ステップS236の判断がNOとなり、図29のリール停止受付処理を終了して、図27のステップS170の処理へ移行する。これに対して、リール停止受付待機時間が経過し、かつ、減速中フラグがオフになっていた場合は、判断結果がYESとなり、回転中のリールに対応するストップスイッチについて、受け付け可能な操作が行われたか否かを判断するためのデータを、図23のステップS56の処理と同様にCPUのレジスタにセットする(ステップS238)。すなわち、レジスタにセットされるデータは、各スイッチの検出信号の立ち上がりの有無を示す1バイトのデータと、オン/オフ状態を示す1バイトのデータとにおいて、回転中のリールに対応するストップスイッチに対応するビット以外のビットをマスクするためのデータである。
次に主制御手段100は、回転中のリールに対応するストップスイッチに対して受付可能な操作が行われたか否かを、図23のステップS58と同様の処理を行うことで判定し(ステップS240)、操作されたストップスイッチの発光色を赤くするためのデータをレジスタにセットする(ステップS242)。そして、ステップS240で行った操作受付可能判定に基づいて、回転中のリールに対応するストップスイッチに対して受け付け可能な操作が行われたか否かを判断する(ステップS244)。
具体的には、入力ポートからの入力信号に基づきストップスイッチの操作入力(タイマ割込処理により生成される立ち上がりデータ)があるか否かを判断する。このデータは1バイトのデータであり、第7ビットが右ストップスイッチ、第6ビットが中ストップスイッチ、第5ビットが左ストップスイッチに対応している。そして、ストップスイッチの操作入力があると、そのストップスイッチに対応するビットが「1」となる。そしてこのデータをAレジスタ及びDレジスタにそれぞれセットする。例えば全リールにおいてストップスイッチの操作が可能なときにおいて、左ストップスイッチの操作入力があったときには[00100000]、中ストップスイッチの操作入力があったときには[01000000]、右ストップスイッチの操作入力があったときには[10000000]をAレジスタ及びDレジスタにセットする。ここで、Dレジスタにセットしたデータは、後述するステップS260の判断に用いる。
ここで、どのストップスイッチが操作可能であるかは、後述する図30のストップスイッチ受付処理において、ステップS296の処理で更新されるリール停止フラグの値に基づいて判断することができる。リール停止フラグは、左リール、中リール、右リールの各々について、停止操作を既に受け付けているか否かを示すフラグであり、値が「0」であれば停止操作を受付済みであることを意味し、値が「1」であれば停止操作を受付済みではないことを意味している。
一方、例えば左ストップスイッチが操作済みになっている場合において、再度左ストップスイッチの操作入力があった場合は、左ストップスイッチに対応するリール停止フラグの値が「0」であることに基づいて、AレジスタおよびDレジスタには[00000000]のデータをセットする。これに対して、中ストップスイッチの操作入力があったときには[01000000]、右ストップスイッチの操作入力があったときには[10000000]をAレジスタ及びDレジスタにセットする。なお、図29のリール停止受付チェック処理ではAレジスタの値が「0」を示すデータのときには、当該ストップスイッチ操作受付が不能であると判断し(ステップS244でNOとなる)、Aレジスタの値が「0」を示すデータ以外のときには、当該ストップスイッチ操作受付が可であると判断する(ステップS244でYESとなる)ように構成されている。
主制御手段100が、受け付け可能な操作が行われた(YES)と判断したときは、次に、現在、疑似遊技演出を行っているか否かを判断する(ステップS246)。そして、主制御手段100が、疑似遊技演出中ではない、すなわち本遊技中である(NO)と判断したときは、リールが停止状態(駆動状態番号「0」)になっているときに、RAMの所定アドレスに格納されているリールを揺れ変動させるか否かを示す揺れ変動フラグの値を「0」にクリアする(ステップS248)。これに対して、ステップS250の判断処理で、疑似遊技演出中である(YES)と判断したときは、上述した揺れ変動フラグの値を「1」にセットする(ステップS250)。このように、揺れ変動フラグをセットする処理をストップスイッチの停止操作の受付可能時(すなわちステップS246,YESと判断したとき)とすることで、停止操作が有効的に行なわれたときに揺れ変動制御(ひいては疑似遊技演出)が実行されるようにすることができる。また、揺れ変動フラグをクリアする処理を、ストップスイッチの停止操作の受付可能時(すなわちステップS246,NOと判断したとき)とすることで、停止操作が有効的に行なわれたときに揺れ変動制御(ひいては疑似遊技演出)が確実に実行されないようにすることができる。
ステップS250の処理を行うと次に主制御手段100は、RAMのアドレスF03Eに格納されている値(図17参照)を判定して、入力検知時間が経過している(「0」になっている)か否かを判断する(ステップS252)。主制御手段100が、入力検知時間が経過している(YES)と判断したときは、入力検知時間が経過したか否かを示す入力検知時間経過フラグの値を「1」にセットして(ステップS254)、各リールについて対応するストップスイッチの操作が既に受け付けられているか否かを示すリール停止フラグの値をRAMの所定アドレスから取得して、CPUのDレジスタにセットする(ステップS256)。上述した各リールに対応するリール停止フラグの値は8ビットのデータとして取得され、最上位ビット(第7ビット)から順に、右リール(第7ビット)、中リール(第6ビット)、左リール(第5ビット)のリール停止フラグの値を示している。例えば、左リールについて停止操作が既に受け付けられ、中リール、右リールについては停止操作が未だ受け付けられていないときには[11000000]となり、中リールについて停止操作が既に受け付けられ、左リール、右リールについては停止操作が未だ受け付けられていないときには[10100000]となる。
上述したステップS248またはS256の処理を終えるか、ステップS252の判断結果がNOになったときは、CPUのBレジスタにリールの個数(「3」)を示すデータ[00000011]をセットし、Cレジスタに、以後に行う処理の対象が左リールであることを示すビットデータを[00100000]セットする(ステップS258)。そして主制御手段100は、レジスタにセットされたビットデータに対応するストップスイッチが操作されたか否かを判断する(ステップS260)。この判断処理は、CレジスタにセットしたデータとDレジスタにセットしたデータとの論理積(AND演算)を行うことにより判定している。
ここで、ステップS256のリール停止フラグ取得処理を行っていない場合は、Dレジスタには、入力ポートからの入力信号に基づいて操作入力があったストップスイッチに対応するビットが「1」となったデータがセットされている。例えば、Cレジスタの値が[00100000]でDレジスタの値が[10000000](右リール対して停止操作されたことを示す)であったとすると、演算結果が[00000000]となる。換言すると、左リールに対応するストップスイッチが操作されなかった(ステップS260,NO)と判断し、ステップS266の処理が行なわれる。一方、Cレジスタの値が[00100000]でDレジスタの値が[00100000](左リール対して停止操作されたことを示す)であれば、演算結果が[00100000]となる。換言すると、左リールに対応するストップスイッチが操作された(ステップS260,YES)と判断し、ステップS262の処理が行なわれる。
これに対して、ステップS256のリール停止フラグ取得処理を行った場合は、Dレジスタには、全リールに対応するリール停止フラグのデータがセットされている。例えば、Cレジスタの値が[00100000]でDレジスタの値が[11000000](左リールに対する停止操作を受付済みであることを示す)であれば、演算結果が[00000000]となる。換言すると、左リールに対応するストップスイッチが操作されなかった(ステップS260,NO)と判断し、ステップS266の処理が行なわれる。一方、Cレジスタの値が[00100000]でDレジスタの値が[10100000](右および左リールに対する停止操作が受付済みでないことを示す)であれば、演算結果が[00100000]となる。換言すると、左リールに対応するストップスイッチが操作された(ステップS260,YES)と判断し、ステップS262の処理が行なわれる。
このように、ステップS256のリール停止フラグ取得処理を行った場合(つまり、入力検知時間が所定時間経過した場合)には、未だ停止操作が受付済みになっていないリールについて停止制御が行われるように構成されている。また、ステップS256の処理を行う場合であっても、行わない場合であっても、同一の処理(CレジスタとDレジスタの論理演算)を行うことにより停止制御を行うリールか否かを判断することができる。
ステップS260の判断処理で、当該ストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、各種情報の更新や押し順を示す情報の作成などを行うストップスイッチ受付処理を行う(ステップS262)。次に主制御手段100は、図27のステップS166で作成された滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチに対応するリールに関して図柄組合せ制御(リール停止制御)を行う(ステップS264)。そして、図29に示したリール停止受付チェック処理を終了して、図27のステップS170の処理へ移行する。
ステップS260の判断処理で、レジスタにセットされたビットデータに対応するストップスイッチが操作されなかった(NO)と主制御手段100が判断したときは、ステップS260〜S264の処理対象となる次のリールに対応するビットデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS266)。具体的には、Cレジスタにセットされたビットデータを、上位ビット側に1ビットシフトする。例えば、Cレジスタに[00100000]というデータがセットされていた場合は、[01000000](中リールを示すビットデータ)となる。Cレジスタに[10000000]というデータがセットされた状態でステップS266の処理を行うと、Cレジスタのデータは[00000000]となり、キャリーフラグの値が「1」となる。
次に主制御手段100は、全てのリールについて、ステップS260の判断処理を行ったか否かを判断する(ステップS268)。この判断処理はキャリーフラグの値に基づいて行われ、キャリーフラグの値が「0」であれば、ステップS260の判断処理を行っていないリールが残っている(NO)と判断して、ステップS260の判断処理へ戻る。これに対してキャリーフラグの値が「1」であれば、全てのリールについてステップS260の判断処理を行った(YES)と判断して、停止したリールに対応するストップスイッチの発光色を赤くするためのデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS270)。次いで主制御手段100は、他のストップスイッチの発光色に関するデータも併せてCPUのレジスタにセットし(ステップS272)、当該セットしたデータを外部のLED駆動回路へ出力するためのRAMの所定アドレスに保存する。そして、図29に示したリール停止受付チェック処理を終了して、図27のステップS170の処理へ移行する。
なお、ステップS244の判断処理で、主制御手段100が、受け付け可能な操作が行われなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS274の処理へ移行し、ステップS242の処理によってCPUのレジスタにセットされたデータを外部のLED駆動回路へ出力するためのRAMの所定アドレスに保存し、図29のリール停止受付チェック処理を終了する。なお、本実施形態では、LED駆動回路への出力処理は、タイマ割込処理によって実行するように構成されている。
(ストップスイッチ受付処理の説明)
次に図30に示すフローチャートを参照して、図29のステップS262で実行されるストップスイッチ受付処理の詳細な内容について説明する。
図29のステップS260の判断処理において、主制御手段100が、CPUのレジスタにセットされているビットデータに対応するストップスイッチが操作された(YES)と判断すると、まず、RAMのアドレスF0A7に格納されている減速中フラグの値(図20参照)をFFHにセットする(ステップS290)。つまり、減速を行うことを示すデータをセットする。次に主制御手段100は、図29のステップS232の処理によって判定されるリール停止受付待機時間を計時するための初期値(約200ms)をRAMの所定アドレスに格納し(ステップS292)、操作されたストップスイッチの発光色を赤くするためのデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS294)。
次に主制御手段100は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、RAMの所定アドレスに格納されているリール停止フラグの値を「0」に更新する(ステップS296)。そして、図27のステップS164の判断処理で参照される、各リールに対応する滑りコマ数作成要求のうち、操作されたストップスイッチに対応するリールに関する滑りコマ数作成要求を無しに更新する(ステップS298)。そして、主制御手段100は、操作が受け付けられたストップスイッチに対応するリールを示す停止リール番号を生成し(ステップS300)、生成した停止リール番号をRAMの所定アドレスに格納する(ステップS302)。
ステップS300およびS302の処理は、制御中のリール番号または停止操作受付時のリール番号をRAMの所定アドレスに格納する処理である。例えば左リールが停止操作されたときには所定アドレスに「1」[00000001]を格納し、中リールが停止操作されたときには所定アドレスに「2」[00000010]を格納し、右リールが停止操作されたときには所定アドレスに「3」[00000011]を格納する。
次に主制御手段100は、RAMの所定アドレスに格納されている押し順データを更新する(ステップS304)。具体的には、8ビットで構成されている押し順データにおいて、第1停止のリール番号(左:01、中:10、右:11)を第0ビット、第1ビットに記憶し、第2停止のリール番号(左:01、中:10、右:11)を第2ビット、第3ビットに記憶する。例えば、第1停止が中リールのときに[00000010]が記憶され、第2停止が左リールのときに[00000110]が記憶される。なお、本実施形態では3つのリールであることから、第1停止、第2停止の順序を記憶すれば、自ずと3つのリールの停止順序を把握することができる。そのため、当該データは第2停止までのリールを記憶することでプログラム容量の削減を行っているが、第3停止までの順序を記憶しても良い。当該押し順データを用いて、リール演出状態の移行、演出状態管理カウンタの更新等を制御している。そして、ステップS304の処理を終えると、主制御手段100は図30に示すストップスイッチ受付処理を終了し、図29のステップS264に示す図柄組合せ制御を行う。
(図柄組合せ制御処理の説明)
次に図31に示すフローチャートを参照して、図29のステップS264で実行される図柄組合せ制御処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、図29のステップS260に示した判断処理によって操作されたと判断したストップスイッチに対応するリールの各種駆動制御データが格納されている先頭アドレス(左リール:F04E、中リール:F058、右リール:F062)をCPUのレジスタにセットし(ステップS320)、さらにセットしたアドレスに書き込むデータとして駆動状態を「減速開始」にする値(リール駆動状態番号「3」)をセットする(ステップS322)。次に主制御手段100は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、ストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過していた図柄番号が格納されているRAMのアドレス番地(左リール:F052、中リール:F05C、右リール:F066)をセットする(ステップS324)。
そして、ステップS324の処理でセットしたRAMのアドレスに格納されていた図柄番号を取得し、さらにその1つ前のアドレス番地(左リール:F051、中リール:F05B、右リール:F065)から1図柄のステップ数を取得する(ステップS326)。次に主制御手段100は、図27のステップS166によって作成された滑りコマ数のうち、操作されたストップスイッチに対応するリールにおいて、ストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過していた図柄番号に対応する滑りコマ数をRAMから読み出す(ステップS328)。そして、ステップS326の処理で取得したストップスイッチが操作されたときに中段Mを通過していた図柄番号に、ステップS328の処理で取得した滑りコマ数を加算して、中段Mに停止させる図柄番号(以下、「停止図柄番号」ともいう。)とする(ステップS330)。
次に主制御手段100は、ステップS330の処理の結果、図柄番号の最大値(「19」)を超えたか否かを判断し(ステップS332)、最大値を超えた(YES)と判断したときは、中段Mに停止させる図柄番号を補正する(ステップS334)。例えば、ステップS330の処理によって得られた図柄番号の値から「20」を減算し、その結果を中段Mに停止させる図柄番号とする。次に主制御手段100は、ステップS330の処理によって求まった、またはステップS334の処理によって補正された図柄番号を、CPUのレジスタにセットした後(ステップS336)、停止図柄番号の変更処理を行う(ステップS338)。
ステップS338の停止図柄番号変更処理では、現在の遊技が疑似遊技演出中であった場合は、図9に示した疑似遊技演出番号と押し順とに基づいて、中段Mに停止させる図柄番号を判断し、ステップS338の処理によってCPUのレジスタにセットした図柄番号と入れ替える。また、特に疑似遊技演出番号「1」〜「4」についてはストップスイッチが操作されたタイミングによって、中段Mに停止させる図柄番号が変化する。例えば、疑似遊技演出番号「1」のときに、左ストップスイッチ37Lが最初に操作された時に、中段Mを図柄番号「12」の図柄が通過していたとき(すなわち、図柄番号「13」の図柄がビタ押しされたとき)は、図柄番号「14」を中段Mに停止させる図柄とする。
そして、CPUのレジスタにセットした停止図柄番号をRAMのアドレス(左リール:F053、中リール:F05D、右リール:F067)に保存し(ステップS340)、当該停止図柄番号を次のテーブルデータ検索に使用する番号としてRAMの所定アドレスに保存する(ステップS342)。具体的には、有効ライン上に停止させる図柄番号(正確に言うと停止予定の図柄番号)に基づいて、まだ停止制御が実施されていないリールの停止テーブルを変更するための処理である。次に主制御手段100は、回転停止受付時に副制御手段200へ送信する制御コマンドの出力要求(具体的には、副制御手段へ送信するコマンドの第1制御コマンドの値)をCPUのDレジスタにセットする(ステップS344)。そして、操作されたストップスイッチに対応するリールに関する停止図柄番号および滑りコマ数を第2停止コマンドとする「左リール停止受付」コマンド(9E##)、「中リール停止受付」コマンド(9F##)または「左リール停止受付」コマンド(9E##)を、RAMのアドレスF13D〜F17Cのいずれかに保存する割込不可制御コマンドセット処理を行う(ステップS346)。
ここで、例えば中ストップスイッチが操作され、そのときの停止操作受付番号が「14」であって停止図柄番号が「18」であった場合、滑りコマ数は、18(停止図柄番号)−14(停止操作受付図柄番号)=4(コマ)となる。これにより、第2制御コマンドの値は18×6+4=112(70H)となるから、この場合における「中リール停止受付」コマンドは9F70となる。なお、副制御手段200は、各リール停止受付コマンドを受信すると、これを契機としてストップスイッチが操作されたときの演出(例えば、停止操作受付音の発生や表示装置70に表示していた演出用画像の表示切り替え、押し順を報知している場合において、次に操作すべきストップスイッチの報知など)を実行する。また、副制御手段200も図2に示した図柄配列に相当するデータを記憶している為、各「リール停止受付」コマンドを受信することにより、当該コマンドに含まれている停止操作受付図柄番号と滑りコマ数とに基づいてどの図柄で停止するかを予め把握することができ、停止する予定の図柄に応じた演出を実行することもできる。
ステップS346の割込不可制御コマンドセット処理が終了すると、主制御手段100は、RAMのアドレスF053(左リール)、F05D(中リール)またはF067(右リール)のうち、今回操作されたストップスイッチに対応するリールのアドレスから停止図柄番号を取得する(ステップS348)。そして、疑似遊技演出中であるか否かを判断し(ステップS350)、疑似遊技演出中である(YES)と判断したときは、入力検知時間経過フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS352)。入力検知時間経過フラグは、入力検知時間が経過したか否かを示すフラグであり、オンになっているときは、入力検知時間が経過したことを示している。
入力検知時間経過フラグがオン(入力検知時間が経過した)になっている(YES)と判断したときは、直ちに図31の図柄組合せ制御処理を終了する。これにより、主制御手段100は、図29のリール停止受付チェック処理を終了し、図27のリール停止管理処理におけるステップS170の処理へ移行する。これに対して、入力検知時間経過フラグがオフ(入力検知時間が経過していない)になっている(NO)と判断したときは、入力検知時間の初期値(「9204」)をRAMのアドレスF03Eに格納してから(ステップS354)、図31の図柄組合せ制御処理を終了する。一方、ステップS350の判断処理で疑似遊技演出中ではない(NO)と主制御手段100が判断したときは、直ちに図31の図柄組合せ制御処理を終了する。
(割込不可制御コマンドセット処理の説明)
次に図32に示すフローチャートを参照して、図31のステップS346で実行される割込不可制御コマンドセット処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、後に図35を参照して説明するタイマ割込処理の実行を禁止し(ステップS380)、次に図33のフローチャートを参照して説明する制御コマンドセット処理を実行する(ステップS382)。そして、ステップS380の制御コマンドセット処理が終了すると、再びタイマ割込処理の実行を許可し(ステップS384)、図32の割込不可制御コマンドセット処理を終了する。これにより、主制御手段100は、図32の割込不可制御コマンドセット処理を実行する直前に行っていた処理の続きから処理を開始する。
(制御コマンドセット処理の説明)
次に図33に示すフローチャートを参照して、図32のステップS382で実行される制御コマンドセット処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファとして使用されるRAMのアドレスF13D〜F17Cのうち、先頭アドレスであるF13Dの値をCPUのHLレジスタにセットする(ステップS390)。次に主制御手段100は、制御コマンド書込ポインタ取得処理(ステップS392)として次の処理を行う。ここで、書込ポインタは、RAMのアドレスF13D〜F17Cのうち、次に制御コマンドを書き込むアドレスを指定する情報であり、具体的には、制御コマンドバッファの先頭アドレス(F13D)を基準として、書き込むべきアドレスを相対値で示すデータである。ステップS392の処理は、まず、RAMのアドレスF01Eに格納されている書込ポインタの値を取得して、CPUのAレジスタにセットする。そして、当該Aレジスタの値と、所定値1FHとの論理演算(AND演算)を行いその結果をAレジスタにセットする。ここで、Aレジスタの値と、所定値1FHとのAND演算を行うのは、書込ポインタとして記憶されている「0」〜「255」の値を、制御コマンドバッファのアドレスを指定し得る数値範囲内の値(「0」〜「31」)に対応させるためである。さらに、Aレジスタにセットされている値に、それと同じ値を加算する。すなわち、Aレジスタにセットされている上述したAND演算の結果を2倍にする。
次に主制御手段100は、ステップS390の処理によってCPUのHLレジスタにセットした制御コマンドバッファの先頭アドレスF13Dに、ステップS392の処理を経てAレジスタにセットされている値を加算することで、HLレジスタの値を、制御コマンドバッファにおいて、制御コマンドを書き込むアドレスを指定する値に更新するための指定アドレスデータセット処理を行う(ステップS394)。そして、主制御手段100は、RAMのアドレスF13D〜F17Cに格納されている制御コマンドの数が「32」未満であるか否かを判断し(ステップS396)、制御コマンドの数が「32」未満である(YES)と判断したときは、第2制御コマンドの内容をRAMから読み込む必要がある制御コマンドを送信しようとしているのか否かを判断する(ステップS398)。ここで、送信しようとしている制御コマンドの種類は、制御コマンドセット処理の直前で実行される出力要求セット処理(例えば、図31のステップS344)によって第1制御コマンドがCPUのDレジスタにセットされるため、当該第1制御コマンドの値から判断することができる。
具体的には、第1制御コマンドの第7ビット(最上位ビット)の値が「0」であれば、ステップS398の判断結果がNO(すなわち、RAMから読み込む必要が無い)となり、「1」であれば、ステップS398の判断結果が(YES)となる。第1制御コマンドの第7ビットが「0」であるか「1」であるかは予め定められており、例えば図15に示す「左リール回転停止」コマンド(987E)、「中リール回転停止」コマンド(997E)および「右リール回転停止」コマンド(9A7E)の各第1制御コマンドの値は、ステップS396の時点では最上位ビットが「0」にされている。ここで、第1制御コマンドの最上位ビットが「0」になっている制御コマンドは、第2制御コマンドが固定値である。換言すると、第2制御コマンドの値を定めるのにRAMからデータを読み出す必要が無い。この様な制御コマンドの場合、図33の制御コマンドセット処理を開始する前に実行される出力要求セット処理(例えば、図39におけるステップS704など)において、CPUのEレジスタに第2制御コマンドの値もセットされる。よって、「左リール回転停止」コマンドの値は187E、「中リール回転停止」コマンドの第1制御コマンドの値は197E、「右リール回転停止」コマンドの第1制御コマンドの値は1A7Eになっている。これに対して、例えば図16に示す「演出情報2」コマンドの第1制御コマンドは予めB6Hと定められ、当初から最上位ビットが「1」になっている。
そして、Dレジスタの第7ビットの値が「1」だった場合は、ステップS398の判断結果がYESとなり、Eレジスタに基づいて参照するRAMのアドレスを指定し、当該アドレスに記憶されたデータをCPUのEレジスタにセットする(Eレジスタの値を更新する)。例えば、疑似遊技演出状態をコマンドとしてセットする場合、Dレジスタに97H,EレジスタにA4Hをセットする。その後、RAMからアドレスF0A4のデータを読み出して、CPUのEレジスタにセットする(ステップS400)。このとき、アドレスF0A4に「1」が記憶されているとき、Eレジスタの値は01Hに更新される。次に主制御手段100は、Dレジスタにセットされた第1制御コマンドの値を、HLレジスタにセットされている制御コマンドバッファのアドレスに格納し、当該第1制御コマンドの第7ビットの値を「1」にする(ステップS402)。ここで、ステップS398の判断結果がYESだった場合は、第1制御コマンドの第7ビットの値が当初から「1」になっているが、それとは無関係にステップS402で第1制御コマンドの第7ビットの値を「1」から「1」にする処理を行う。
また、ステップS398の判断結果がNOとなった場合は、直ちにステップS402の処理へ移行し、HLレジスタにセットされている制御コマンドバッファのアドレスに、第1制御コマンドの値を格納し、その値の第7ビットの値を「0」から「1」にする。これにより、例えば上述した「左リール回転停止」コマンドの第1制御コマンドの場合、まず、制御バッファに18Hという値が格納され、次いでその値が98Hに更新される。
ステップS402の処理が終わると、主制御手段100は、HLレジスタに「1」を加算した値によって指定されるアドレスに、Eレジスタの値を格納する(ステップS404)。この処理によって、ステップS402の処理によって第1制御コマンドを格納したアドレスの、次のアドレスに、対応する第2制御コマンドの値が格納される。そして、RAMのアドレスF01Eに格納されている書込ポインタの値を、「1」加算した値に更新して(ステップS406)、さらにCPUのHレジスタに、RAMアドレスの上位バイトの値(F0H)をセットした後(ステップS408)、図33に示す制御コマンドセット処理を終了する。
(指定アドレスデータセット処理の説明)
次に図34に示すフローチャートを参照して、図33のステップS394で実行される指定アドレスデータセット処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、CPUのレジスタにセットされているアドレスの値を取得する(ステップS420)。例えば、図33のステップS394において、指定アドレスデータセット処理を行った場合は、図33のステップS390の処理によってレジスタにセットされた制御バッファの先頭アドレスを取得することになる。そして、取得したアドレスの値に、図34の指定アドレスデータセット処理を実行する直前に取得した、相対値によって示されるアドレス値を加算する。次に主制御手段100は、ステップS420の処理によって算出されたアドレスに格納されているデータを取得して、CPUのAレジスタにセットして(ステップS422)、図34に示す指定アドレスデータセット処理を終了する。
以上のように、主制御手段100は、図22に示した遊技進行メイン処理を繰り返し実行することで、遊技者の操作に応じた遊技の進行を制御している。
<タイマ割込処理の説明>
本実施形態のスロットマシン10で実行される遊技を制御する上で重要な処理として、図22に示した遊技進行メイン処理の他に、所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理がある。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、図3に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出、副制御手段200に対する制御コマンドの送信、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御を行うための制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新などの処理を行っている。以下、図35に示すフローチャートを参照して、上述したタイマ割込処理の内容について説明する。
主制御手段100は、CPU、RAM、ROMが内蔵されたチップ内に構成されているタイマカウント手段から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力され、かつ、タイマ割込処理が禁止されている状態(例えば、図28のステップS188および図32のステップS380参照)でない場合、図35に示すタイマ割込処理を開始し、まず、CPUのレジスタにセットされていたデータをRAMのスタック領域に格納する(ステップS500)。また、タイマ割込処理の実行後に遊技進行メイン処理の続きを再開するために、実行していたプログラム番地も格納している。次にタイマ割込処理を開始できる状態であるか否かを示す割込みフラグを「0」にクリアして(ステップS502)、以後のタイマ割込処理の開始ができない状態であることを示す。換言すると、本実施形態では、タイマ割込処理が実行されているときにおいて、割込要求信号が出力されたときにはタイマ割込処理が実行されないように構成されている。そして、主制御手段100の入力ポートに入力されている電源断検知信号を取り込み(ステップS504)、電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS506)。なお、この電源断検知信号は、主制御基板上に設けられた電源監視回路から出力されているものとする。
ステップS506の判断処理で、電源断が検出された(YES)と主制御手段100が判断したときは、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS508)。この電源断処理では、各出力ポートをオフにして、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグの値を「1」にセットし、読込ポインタの最下位ビット(第0ビット)を「0」にクリアする。これにより、本実施形態では副制御手段に少なくとも2回コマンドが送信できるように構成されている。さらにRAMのチェックサムを算出し、上述した各フラグの値およびチェックサムの値を、CPUのレジスタおよびスタックポインタの値と共にRAMに保存した後、RAMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。なお、本実施形態では、リセット信号はCPUに入力されるものであって先述した電源監視回路から出力されるものとしている。また、リセット信号は電源断検知信号を出力した後、所定時間遅延した後に出力されるように(電源断処理が完了した後に出力されるように)電源監視回路を構成している。
これに対して、ステップS506の判断処理で電源断が検出されなかった(NO)と主制御手段100が判断した場合は、RAMの所定アドレスに格納されている割込カウンタ(タイマ割込処理が行われるごとにインクリメントされるカウンタ)の値に「1」を加算し(ステップS510)、疑似遊技演出中における各リールの停止状態のときに行う揺れ変動を制御するために使用される揺れ変動カウンタの値に「1」を加算する(ステップS512)。なお、揺れ変動カウンタについては後述する揺れ変動制御に用いるものであって、本実施形態では「0」〜「157」の数値範囲を循環的にインクリメントするカウンタである。そして、所定時間を計時するために汎用的に利用される計時タイマの計数値を更新し(ステップS514)、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の表示内容を更新するためのLED表示制御を行う(ステップS516)。次いで、内部の乱数生成手段に異常が生じていないか判定して(ステップS518)、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRAMの所定アドレスに各々格納する(ステップS520)。そして主制御手段100は、リール40L,40C,40Rを駆動するために、各々対応するステッピングモータ42L,42C,42Rを制御するためのリール駆動管理処理を実行する(ステップS522)。
次に主制御手段100は、ステップS516およびS522の処理などによって生成した各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号などを、内部の出力ポートに書き込み、出力する(ステップS524)。そして主制御手段100は、ステップS526の処理によって入力ポートから読み込んだ各種検出信号に基づいて、異常が発生したか否かを判断する各種異常検出処理を行う(ステップS526)。この異常検出処理によって検出される異常としては、たとえば、メダル投入口32から投入されたメダルの異常な挙動(例えば、メダルセンサによって投入されたメダルが所定時間以上検知されている状況)、メダル払出装置82からメダルが払い出されない、メダル払出装置82から溢れたメダルが一定量を超えた、などの異常がある。
次に主制御手段100は、タイマ割込処理の10回のうち1回の割合で、精算スイッチ33、1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作状態を定期的に監視し、その監視結果を副制御手段200へ送信するための出力要求(第1制御コマンド)をCPUのレジスタにセットする(ステップS528)。そして、図43に示す制御コマンド送信処理を行って、RAMの制御コマンドバッファ(アドレスF13D〜F17C)に記憶されている制御コマンドを副制御手段200へ送信するための準備を行う(ステップS530)。この入力監視コマンドを受信した副制御手段200は、第2制御コマンドに含まれる各スイッチの操作状態に応じてBGMの音量を変化させたり、演出の内容を切り替えたりする。
次に主制御手段100は、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する各種信号(投入信号、払出信号、異常発生信号、MB信号など)の出力処理を行い(ステップS532)、役抽選などに使用する乱数の値を更新する(ステップS534)。さらに主制御手段100は、疑似遊技演出から本遊技へ復帰する際に各リールの回転開始タイミングをランダムに決定するための乱数の値を更新し(ステップS536)、ステップS500の処理によってRAMの所定アドレスに格納していたデータを元のレジスタに戻すと(ステップS538)、ステップS502でクリアした割込フラグの値を「1」にセットして(ステップS540)、再びタイマ割込処理の開始が可能な状態にしてから図35に示したタイマ割込処理を終了する。
(リール駆動管理処理の説明)
次に図36に示すフローチャートを参照して、図35のステップS522で実行されるリール駆動管理処理の詳細な内容について説明する。図35に示すリール駆動管理処理では、リール40L,40C,40Rに対応する各ステッピングモータを、右ステッピングモータ42R→中ステッピングモータ42C→左ステッピングモータ42Lの順番で、個別に駆動制御を行っている。
図36のリール駆動管理処理を開始すると、主制御手段100は、CPUのレジスタにリールの個数(「3」)をCPUのCレジスタにセットした後(ステップS550)、リール制御データアドレスセット処理(ステップS552)を行うことによって、まず、右リール40Rに関する各種駆動制御データを格納しているRAMの先頭アドレスF062を指定するデータをCPUのHLレジスタにセットする。そして、HLレジスタにセットされたアドレスに基づいて、右ステッピングモータ42Rを制御するためのリール駆動制御処理を行い(ステップS554)、全てのステッピングモータについてステップS554のリール駆動制御処理を行ったか否かを判断する(ステップS556)。この判断処理は、Cレジスタの値(リールの個数としてセットされた値)から「1」減算する処理を行い、減算した結果が「0」か否か(ゼロフラグの値が「1」か否か)を判定する。
ここでは、右リール40Rについてのみリール駆動制御処理を行ったため、Cレジスタの値は「2」となるからステップS556の判断結果はNOとなり、再びステップS552のリール制御データアドレスセット処理を行う。ステップS552の処理で、主制御手段100は、中リール40Cに関する各種駆動制御データを格納しているRAMの先頭アドレスF058を指定するデータを、CPUのHLレジスタにセットする。これにより、主制御手段100は中ステッピングモータ42CについてステップS554のリール駆動制御処理を行った後、ステップS556の判断処理へ移行して、再び全てのステッピングモータについてステップS554のリール駆動制御処理を行ったか否かを判断する。ここで、本遊技中であっても疑似遊技演出中であっても、リールの駆動制御に関しては、同じステップS554の処理によってステッピングモータの駆動制御を行い、処理を共通化させているため、プログラム量を少なくすることができる。
ここでは、左リール40Lについてのリール駆動制御処理は行っていないため、Cレジスタの値は「1」になっていることからステップS556の判断結果はNOとなり、さらにステップS552のリール制御データアドレスセット処理を行って、左リール40Lに関する各種駆動制御データを格納しているRAMの先頭アドレスF04Eを指定するデータを、CPUのHLレジスタにセットする。そして、主制御手段100は左ステッピングモータ42LについてステップS554のリール駆動制御処理を行う。これにより、Cレジスタの値は「0」となるからステップS556の判断処理を行うと判断結果がYESとなり、図36のリール駆動管理処理を終了して図35におけるステップS524のポート出力処理へ移行する。
(リール駆動管理処理の説明)
次に図37に示すフローチャートを参照して、図36のステップS552で実行されるリール制御データアドレスセット処理の詳細な内容について説明する。また、以下の説明では、各リールに対してリール番号が定められており、左リール40Lのリール番号が「1」、中リール40Cのリール番号が「2」、右リール40Rのリール番号が「3」と定められているものとする。また、図36のステップS550の処理でセットされたリール数の値は、図37のリール制御データ処理では図36におけるステップS554の駆動制御処理の対象となるリール番号の値として扱う。
まず、主制御手段100は、これから制御するリールに関する各種駆動制御データが格納されている先頭アドレスを取得するために、リール制御データ先頭RAMアドレス要求セット処理を行う(ステップS560)。このリール制御データ先頭RAMアドレス要求セット処理は、まず、CPUのHLレジスタに、左リールに関する駆動制御データが格納されているRAMの先頭アドレスF04Eをセットする。そして、ROMに記憶されている定義データ@WKRL_SIZE(値は「10」)を読み込み、HLレジスタにセットした先頭アドレスの値から、読み込んだ定義データ@WKRL_SIZEの値「10」(0AH)を減算する。これにより、HLレジスタにセットされている値はF044となる。
具体的には、ステップS560では以下の処理が実行される。
<ステップ1>
HLレジスタに_WK_RL1_STS−@WKRL_SIZEの演算結果(F044)を読み込む。
ここで、_WK_RL1_STSは、ROMに記憶されている左リールに関する駆動制御データの先頭アドレスの値(F04E)である。
<ステップ2>
AレジスタにCレジスタの値(03H:図36、ステップS550参照)を読み込む。
また、主制御手段100は、CPUのAレジスタにセットされている値(03H)と、@WKRL_SIZEの値「10」(0AH)とを乗算する。例えば、図36に示すリール駆動管理処理を開始して、最初にステップS552の処理を行う場合、Aレジスタにはこれからリール駆動制御処理を行う対象となるリール番号として「3」(すなわち右リール)がセットされているため、これに「10」を乗算した結果は「30」(1EH)となる。なお、「10」(0AH)の値は、図18および図19に示すように、各リールに関する各種駆動制御データについて、対応するデータが格納されているRAMのアドレスの間隔(「10」アドレス)を示している。
具体的には、以下の処理が実行される。
<ステップ3>
Aレジスタの値(03H)と@WKRL_SIZEの値(AH)とを乗算(掛け算)した値(1EH)をAレジスタに読み込む。
次に主制御手段100は、図34に示した指定アドレスデータセット処理を行うことで、ステップS554のリール駆動制御処理の対象となるリールに関する各種駆動制御データの先頭アドレスのデータを算出する(ステップS562)。すなわち、図34のステップS420の処理によってHLレジスタからF044の値を取得して、この値にAレジスタから取得した値(1EH)を加算する。その結果、得られた値はF062となり、ステップS422の処理によって当該アドレス(右リールの駆動状態番号が格納されているアドレス(図19参照))に格納されている右リールの駆動状態番号がAレジスタに記憶される。
具体的には、以下の処理が実行される。
<ステップ4>
HLレジスタの値とAレジスタの値を加算する。
<ステップ5>
HLレジスタの値が示すアドレスのデータをAレジスタに読み込む。
なお、図36のステップS556の具体的な判断処理は、Cレジスタの値から「1」を引いた値が「0」になったときに、全てのリールについてリール駆動制御処理が終了した(YES)と判断される。また、この値が「1」以上であれば、再び行われるステップS560の処理において、これからリール駆動制御処理を行う対象となるリール番号として扱われる。以上のように、図37のステップS560の処理を行うことによって、より簡潔なプログラムの内容によって全てリールに関するリールの駆動状態を効率よく読み出すことができる。また、図36におけるステップS554のリール駆動制御を行うため必要なデータが格納されたアドレスを取得する際に、図34の指定アドレスデータセット処理という、他の処理でも使用されている処理を流用することができる。また、このようにCレジスタの値が「0」か否か(ゼロフラグがオン(「1」)か否か)を判断するプログラムを採用することにより、例えば各リールの処理の順番を左リール→中リール→右リールとし、Cレジスタの値が「3」になったか否かによって全リールの処理が終了したことを判断する場合よりも、プログラム量を削減することができる。
(リール駆動制御処理の説明)
次に図38に示すフローチャートを参照して、図36のステップS554で実行されるリール駆動制御処理の詳細な内容について説明する。このリール駆動制御処理は、前述したように、右リール40R→中リール40C→左リール40L(より具体的には、右ステッピングモータ42R→中ステッピングモータ42C→左ステッピングモータ42L)の順に個々に実行される処理である。なお、以下の説明ではステッピングモータの駆動状態別に駆動制御の内容について説明する。
(1)「停止中/揺れ変動中」のときのリール駆動制御処理
まず、主制御手段100は、RAMに格納されている、制御対象となるリールの駆動状態番号の値が「0」(停止中または揺れ変動中)であるか否かを判断する(ステップS580)。駆動状態番号「0」である(YES)と主制御手段100が判断したときは、現在、疑似遊技演出が行われていた場合に、疑似遊技演出において停止状態になっているときに実施される揺れ変動管理処理を行う(ステップS616)。そして、制御対象になっているステッピングモータの励磁すべき相を指定する駆動パルスデータ(図10参照)を取得してRAMの所定アドレスに格納するリール駆動パルスセット処理を行う(ステップS618)。そして、リール駆動パルスセット処理を行うと、図38のリール駆動制御処理を終了して図36に示したリール駆動管理処理のステップS556に示す判断処理を行う。
(2)「回転開始待機」のときのリール駆動制御処理
ステップS580の判断処理で、主制御手段100が駆動状態番号が「0」ではない(NO)と判断したときは、次に駆動状態番号が「1」(回転開始待機)であるか否かを判断する(ステップS582)。ここで、駆動状態が「停止中/揺れ変動中」から「回転開始」への移行は、図22の遊技進行メイン処理において、スタートスイッチ36の操作が受け付けられた後に実行されるステップS28の遊技進行処理(より詳しくは、図28のステップS192)によって行われる。そして、駆動状態番号が「1」である(YES)と主制御手段100が判断したときは、回転開始待機カウンタの値が格納されているRAMのアドレスにアクセスし、格納されている値から「1」を減算する(ステップS584)。そして、回転開始待機カウンタの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS586)、「0」ではない(NO)と判断したときは、次に回転開始待機カウンタの値が「1」であるか否かを判断する(ステップS588)。
ステップS588の判断処理で、回転開始待機カウンタの値が「1」ではない(NO)、すなわち「2」以上であると判断したときは、上述したステップS616の揺れ変動管理処理を行った後、ステップS618のリール駆動パルスセット処理を行ってから図38のリール駆動制御処理を終了する。これに対してステップS588の判断処理で、回転開始待機カウンタの値が「1」である(YES)と判断したときは、RAMの所定アドレスに格納されている揺れ変動フラグの値が「1」になっているか否かを判断する(ステップS590)。なお、揺れ変動フラグの値が「1」になっているときは、揺れ変動を実行中であることを示し、「0」になっているときは、揺れ変動を実行していないことを示している。ここで、揺れ変動フラグの値を判定する処理は、上述したステップS590と、後述するステップS616の揺れ変動管理(より詳細には図40のステップS720)とにおいて行われるが、それぞれの場合において、逐一、遊技状態(本遊技状態または疑似遊技演出状態)を直接、遊技状態を見て判定する必要がなく、単に揺れ変動フラグの値が「0」か否かを判定するだけで、揺れ変動制御を行うか否かを決定することができる。
ステップS590の判断処理で、揺れ変動フラグの値が「0」になっている(NO)と、主制御手段100が判断したときは、そのまま図38のリール駆動制御処理を終了する。これに対して揺れ変動フラグの値が「1」になっている(YES)と判断したときは、次に制御対象となっているステッピングモータの各相(φ0〜φ3)のうち、いずれか1相に対してのみ励磁(1相励磁)を行う駆動パルスを出力中であるか否かを判断する(ステップS592)。ここで、図10に示すように、1相励磁を行う駆動パルスデータは「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかである。そして、1相励磁を行う駆動パルスを出力中である(YES)と判断したときは、そのまま図38のリール駆動制御処理を終了する。
これに対してステップS592の判断処理で、1相励磁を行う駆動パルスを出力中ではない(NO)と判断したときは、RAMに格納されている回転開始待機カウンタの値を「0」にクリアする。ここで揺れ変動は、前述した定位置(1相励磁が行われている位置)と、その1ステップ上流側の位置(2相励磁が行われている位置)との間を往復させている。このため、例えばリールが定位置になっているときに駆動状態を「加速中」に移行させるという前提を設けたとすると、回転開始待機カウンタの値が「0」になった(駆動状態「回転開始待機」が終了した)ときにリールが定位置から1ステップ上流側の位置していた場合は、もう一回タイマ割込処理を行ってリールが定位置になってから駆動状態を「加速中」に移行させる必要がある。換言すると、回転開始待機カウンタの値が「0」になってからリールの駆動状態が「加速中」へ移行するのに、1タイマ割込処理分だけ遅れることになる。すなわち、回転開始待機カウンタの値が「0」になったときに、リールが定位置よりも1ステップ上流側に位置していた場合は、定位置にあった場合に比べて、リールの回転速度が定速に達するタイミングが、1タイマ割込処理分だけ遅れることになる。したがってこのような遅れが生じないようにするため、ステップS588〜S594の処理を行って、リールが定位置よりも1ステップ上流側に位置することになる2相励磁を行っているときに、強制的に回転開始待機カウンタの値を「0」にして駆動状態を「加速中」へ移行させることで、加速処理を1タイマ割込分だけ早めている。
ステップS594の処理を行うと、または前述したステップS586の判断処理で回転開始待機カウンタの値が「0」である(YES)と判断したときは、次にRAMの所定アドレスに格納されているリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を補正する(ステップS596)。物理的なリールが実際に停止しているステップ位置とリール駆動パルスデータ検索用カウンタが示す値(パルス出力するための基本となるデータ)とが相違していることがあるため、リールの加速がスムーズにいかず、リールが「ガクッ」とした動きを示す場合が多い。このため、ステップS596の補正処理において、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を1ステップ分、減算することでリールをスムーズに加速させている。そして、リールの回転開始時に副制御手段200へ送信する「リール回転開始」コマンド(9E7F、9F7FまたはA07F(図15または図16参照))の出力要求をCPUのレジスタにセットする(ステップS598)。そして、図33に示した制御コマンドセット処理を行って(ステップS600)「リール回転開始」コマンドをRAMの制御コマンドバッファに対応するいずれかのアドレスに格納する。そして、CPUのレジスタに駆動状態番号「4」(加速中)をセットし(ステップS602)、RAMに記憶されている制御対象となっているリールの駆動状態番号を「4」に更新する(ステップS604)。
次に主制御手段100は、制御対象のリールに対応するリール駆動パルス出力カウンタのRAMのアドレスにアクセスし、図28のステップS194の処理によって格納されたリール駆動パルス出力カウンタの初期値(「50」)から「1」を減算し(ステップS606)、当該カウンタの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS608)。ここではリール駆動パルス出力カウンタの値が「0」ではない(NO)と判断され、そのまま図38のリール駆動制御処理を終了する。このように、上述したステップS604の処理によって、次のタイマ割込処理が実行されたときは駆動状態が「加速中」におけるリール駆動制御が行われる。
(3)「加速中」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「加速中」になっているときに図38のリール駆動制御処理を開始すると、まず、ステップS580およびS582の判断結果が共にNOとなり、ステップS604を経てステップS606の処理へ移行し、制御対象のリールに対応するリール駆動パルス出力カウンタのアドレスに格納されていた値から「1」を減算する。そして、格納されている値が「0」(YES)と判断されるまで、タイマ割込処理が行われるごとにステップS580(NO)→S582(NO)→S604〜S608(NO)→リターンの処理を繰り返し実行する。
ステップS608の判断処理で、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」(YES)と判断されると、次に、制御対象となっているステッピングモータの全ての相をオフにするデータ(駆動パルスクリアデータ)と、リール駆動状態を「停止中/揺れ変動中」にするためのデータとを兼ねたデータを、CPUのレジスタにセットする(ステップS610)。具体的には、00Hのデータをレジスタにセットする。このデータをRAMのリール駆動状態番号を保存するアドレスに格納した場合は、「停止中/揺れ変動中」(駆動状態番号「0」)を意味することになる。また、このデータの下位4ビットの各ビットにおける「0」/「1」の状態を、ステッピングモータのφ0〜φ3の各相に対する励磁(「1」)/非励磁(「0」)の状態を指示するデータとして用いた場合は、全相の非励磁を指示する意味となる。
そして主制御手段100は、現在のリール駆動状態が「減速中」(駆動状態番号「2」)であるか否かを判断する(ステップS612)。ここでは、リール駆動状態が「加速中」であるからステップS612の判断結果はNOとなり、制御対象となっているリールのリール駆動パルス出力カウンタの値に「1」を加算して(ステップS620)、リール駆動状態が「定速中」であるか否かを判断する(ステップS622)。ここでは、リール駆動状態が「加速中」であるからステップS622の判断結果はNOとなり、制御対象のリールに対応するリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が格納されているRAMのアドレスにアクセスし、格納されている値に「1」を加算する。この加算後のリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の下位3ビットの値を駆動パルスデータとして扱い、図10に示したリール駆動パルステーブルに基づいて、制御対象になっているステッピングモータに出力している駆動パルスを、駆動パルスデータに対応する駆動パルスに更新する(ステップS628)。この処理によって制御対象となっているステッピングモータが、1ステップ分回動する。
ここで、RAMに格納されたリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値から、駆動パルスデータを作成するには、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値(00H〜FFH)と、07Hの値との論理積(AND演算)を行うことで作成することができる。すなわち、この演算によってリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を、00Hから07Hまで循環的に変化する値に変換することができる。なお、本実施形態のリール駆動パルスデータ検索用カウンタ代わりに、ステッピングモータのステップ数と同じ数値範囲のカウンタを実現し、各カウンタ値と、各ステップに対する駆動パルスデータとを1対1で対応づけることも考えられる。しかしながら本実施形態のステッピングモータのステップ数は336であるため、そのようなカウンタを実現しようとするとカウンタの数値範囲は1バイト(0〜255)を超えてしまう。したがって、当該カウント値をRAMに記憶させるには、上位バイトと下位バイトとに分けて2つのアドレスが必要となる。このため、当該カウント値をRAMから読み書きする場合、2つのアドレスを個別に指定する必要があり、プログラムの処理が煩雑になってしまう。これに対して、本実施形態では、1バイトのカウンタを使用しているため、上述したような処理の煩雑さを解消することができる。なお、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値は、後述する「(4)「定速中」のときのリール駆動制御処理」で説明するステップS626の処理において、リール回転不良検出カウンタの値を更新する際にも参照される(ステップS624参照)。
次に主制御手段100は、CPUのレジスタに制御対象のリールに対応するリール駆動状態が格納されているアドレスおよび駆動状態番号「5」(定速中)をセットする(ステップS630)。そして、制御対象となっているリールに対応するリール駆動状態番号が格納されているRAMのアドレスにアクセスし、格納されている値が「4」(加速中)であるか否かを判断する(ステップS632)。ここでは、リール駆動状態が「加速中」であるからステップS632の判断結果はYESとなり、制御対象となっているリールに対応するリール駆動パルス切替回数の値が格納されているRAMのアドレスにアクセスし、格納されている値から「1」を減算する(ステップS634)。そして、「1」を減算した後のリール駆動パルス切替回数の値が「0」になったか否かを判断し(ステップS636)、「0」になっていない(NO)と判断したときは、ステップS630の処理によって、CPUのレジスタにセットされていたアドレスを、制御対象になっているリールに対応したリール駆動パルス出力カウンタの値が格納されているRAMのアドレスに更新する(ステップS638)。
そして、RAMからステップS634の処理によって「1」を減算したパルス切替回数を取得して(ステップS640)、主制御手段100内のROMに記憶されている加速パターン情報(図12参照)の先頭アドレス(図12において、切替回数「9」に対応する割込回数が記憶されているアドレス)の値をCPUのレジスタにセットする(ステップS642)。そして、図34に示した指定アドレスデータセット処理を行って、ステップS640で取得した切替回数に対応する割込回数が記憶されているROMのアドレスをCPUのレジスタにセットする(ステップS644)。これにより、ROMから次の割込回数を取得して、ステップS638でセットしたRAMのアドレスに格納し(ステップS646)、図38のリール駆動制御処理を終了する。このステップS646の処理によって、ステップS620で「1」を加算されたリール駆動パルス出力カウンタの値は、ROMから取得した割込回数の値に更新される。
これにより、主制御手段100は次のタイマ割込処理からステップS580(NO)→S582(NO)→S604〜S608(NO)→リターンの処理を繰り返し、ステップS608の処理で、ステップS646で更新されたリール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になると、ステップS608の判断結果がYESとなって、前述したステップS610→S612(NO)→S620→S622(NO)→S628→S630→S632(YES)→S634→S636(NO)→S638〜S646→リターンの処理によって、図12に示した加速パターン情報における、次のリール駆動パルス出力カウンタおよびリール駆動パルス切替回数の値に更新する。
そして、図12の加速パターン情報において、最後の切替回数について処理を終えると、ステップS636の判断結果がYESとなり、ステップS638〜S644の処理を飛ばし、直ちにステップS646の処理を行う。ここで、ステップS638〜644の処理が行われないため、CPUのアドレスには、ステップS630の処理によってCPUのレジスタにセットされた、制御対象のリールに対応するリール駆動状態のアドレスと、駆動状態番号「5」(定速中)とが、上書きされずに残っている。このため、ステップS646の処理により、制御対象となっているリールの駆動状態を格納するRAMのアドレスに、駆動状態番号「5」が格納されることになる。これにより、次のタイマ割込処理からリール駆動状態が「定速中」のときの駆動制御が開始される。また、ステップS638〜644の処理が行われないため、リール駆動パルス出力カウンタの値もステップS620によって「1」加算された値(すなわち「1」)が維持される。
(4)「定速中」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「定速中」へ移行した直後に図38のリール駆動制御処理を開始すると、ステップS580(NO)→S582(NO)→S604の処理を経て、ステップSS606の処理によってリール駆動パルス出力カウンタの値が「1」減算される。ここで、リール駆動状態が「加速中」のときに、最後にステップS620の処理を行った際に、リール駆動パルス出力カウンタの値が「1」にされていることから、最初の「定速中」におけるステップS606の処理によって、リール駆動パルス出力カウンタの値は「0」になる。これにより、ステップS608の判断結果がYESとなり、ステップS610の処理を経てステップS612の判断結果がNOとなって、ステップS620の処理によりリール駆動パルス出力カウンタの値が再び「1」になる。
次に、ステップS622の判断処理において、現在のリール駆動状態が「定速中」であることから判断結果はYESとなる。これにより主制御手段100は、制御対象のリールに対応するリール駆動パルスデータ検索用カウンタのアドレスにアクセスし、格納されている値が偶数であるか否かを判断する(ステップS624)。そして、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が偶数である(YES)と主制御手段100が判断したときは、RAMに格納されているリール回転不良検出カウンタの値に「1」を加算する。この処理によって、リール回転不良検出カウンタの値は、制御対象になっているステッピングモータが2ステップ分回動する毎に「1」ずつ増加することになる。
前述したように、リール回転不良検出カウンタの値は、定速中に制御対象になっているステッピングモータが脱調を起こしたか否かを判断する際に参照される。ここで、本実施形態では、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値に対応するリールの回転位置と、実際のリールの回転位置とがずれた場合に、ステッピングモータが脱調を起こしているものとして扱う。例えば、定速中はタイマ割込処理が行われるごとに、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が、……→0→1→2→3→4→5→6→7→8→9→……と、「1」ずつ増加し、これに応じて、ステッピングモータにおける各相が、……→φ3・φ0→φ0→φ0・φ1→φ1→φ1・φ2→φ2→φ2・φ3→φ3→φ3・φ0→φ0→……と1−2相励磁されるが、ステッピングモータが脱調を起こした場合は、このような励磁パターンに対して実際のリールの回転位置が、ずれている状態となっている。
よって、制御対象になっているステッピングモータが1ステップ分回動する毎に、リール回転不良検出カウンタの値を「1」ずつ増加させてもよいが、その場合、本実施形態におけるステッピングモータの1回転当たりのステップ数(「336」)と、RAMの1つのアドレスに格納されるデータのサイズ(1バイト:0〜255)とを勘案すると、RAMのアドレスを2つ使用することになる。このため、使用するRAMのアドレスを節約するとともに、当該カウンタの値をRAMに記憶するためのプログラム量、およびRAMから読み出すためのプログラム量を節約するため、複数ステップに1回の割合でリール回転不良検出カウンタの値を「1」ずつ増加させて、リール回転不良検出カウンタの数値範囲が「0〜255」以内になるようにしている。
ステップS624の判断処理で、リール回転不良検出カウンタの値が奇数である(YES)と判断したとき、または、ステップS626の処理を終えると、ステップS628およびS630の処理を行い、現在のリール駆動状態が「定速中」になっていることから、ステップS632の判断結果はNOとなる。これにより、主制御手段100は図39のステップS650の処理へ移行し、制御対象のリールに対応する1図柄のステップ番号のRAMアドレスをCPUのレジスタにセットする。そして、現在のリール駆動状態が「定速中」であるか否かを判断し(ステップS652)、「定速中」であることから判断結果がYESとなって、図35のステップS520の処理によって入力ポートからRAMの所定アドレスに保存した各種信号のうち、リールセンサ(インデックスセンサ)からの検出信号を取得する(ステップS654)。
そして主制御手段100は、取得したリールセンサからの検出信号が、制御対象のリールに対応した検出信号であるか否かを判断し(ステップS656)、制御対象となっているリールに対応していない(NO)と判断したときは、ステップS652の判断処理に戻る。そして、再びステップS652の判断結果がYESとなった場合は、ステップS654の処理を行い、他のリールに対応するリールセンサの検出信号を取得する。このようにして、ステップS652〜S656の処理を繰り返し行い、ステップS656の判断処理で、制御対象のリールに対応した検出信号であるYESと判断したときは、リールセンサの検出信号を取得したか否か(検出信号が立ち上がっているか否か)を判断する(ステップS658)。
ここで、リールセンサからの検出信号が立ち上がりを示している(YES)と、主制御手段100が判断した場合は、リールに設けられたインデックスの検出時に対応する所定の図柄番号(基準図柄番号。たとえば図柄番号「0」)を、中段Mを通過中の図柄としてRAMの所定アドレスに格納する(ステップS660)。そして、制御対象のリールに対応するリール回転不良検出カウンタのRAMのアドレスにアクセスして、格納されていた値を「0」に初期化し(ステップS662)、図39に示すリール駆動制御処理を終了する。
一方、ステップS658の判断処理で、主制御手段100が、リールセンサからの検出信号が立ち上がっていない(NO)と判断したときは、次に、リールが回転を開始してから、リールセンサがインデックスを検出済みであるか否かを判断する(ステップS664)。そして、リールセンサが未だインデックスを検出していない(NO)と判断したときは、そのまま図39に示すリール駆動制御処理を終了する。これに対して、ステップS664の判断処理で、リールセンサはインデックスを検出済みである(YES)と主制御手段100が判断したときは、制御対象のリールに対応する1図柄のステップ番号が格納されているアドレスにアクセスし、格納されている値から「1」を減算する(ステップS666)。
次いで主制御手段100は、格納されている値が「0」になった(すなわち、1図柄分回動した)か否かを判断し(ステップS668)、「0」になった(YES)と判断したときは、1図柄分の所定ステップ数(ここでは「17」とする)を制御対象のリールに対応する1図柄のステップ番号が格納されているアドレスに格納する(ステップS670)。次に主制御手段100は、制御対象のリールに対応する図柄番号(通過位置)のアドレスに格納されている値を、次の図柄番号の値に更新する(ステップS672)。そして、CPUのレジスタに制御対象のリールに対応する1図柄のステップ番号が格納されているアドレスをセットし(ステップS674)、制御対象のリールに対応する図柄番号(通過位置)のアドレスに格納されている値が、図柄番号「0」、「5」、「10」、「15」のいずれかであったときは、ステップS674でセットしたアドレスにアクセスし、格納されている値(「17」)を「16」に補正する(ステップS676)。
ステップS676の処理を終えると、または、ステップS668の判断結果が(NO)になると、RAMに格納されている図柄番号(通過位置)の値が、図柄番号(停止位置)の値と一致しているか否かを判断する(ステップS678)。そして、双方の値が一致していない(NO)と判断したときは、そのまま図39に示すリール駆動制御処理を終了する。ここで、図柄番号(停止位置)の値は、ストップスイッチが操作されたことによって実行される図31の図柄組合せ制御処理におけるステップS340でRAMに格納され、停止させる図柄番号が決定されていないときはFFHの値となるため、このときはリール駆動状態が「定速中」にステップS678の判断結果がYESになることはない。
このように、リール駆動状態が「定速中」になっているときは、ステップS580(NO)→S582(NO)→S604〜S612(NO)→S620〜S624→(S626)→S628〜S632(NO)→S650〜S658の処理を行って、制御対象となるステッピングモータを、1回のタイマ割込処理を行う毎に1ステップ分回動させていく。そして、リールセンサが対応するリールの基準点を検出したときは、ステップS660およびS662の処理を行って図38および図39のリール駆動制御処理を終了する。これに対して、リールセンサが対応するリールの基準点を検出していないときは、ステップS664〜S678の処理を行って、中段Mを通過している図柄番号(通過位置用)を更新していく。このようにリールの駆動状態が「定速中」のときは、本遊技と疑似遊技演出中とで、同じ処理が行われる。
(5)「減速開始」のときのリール駆動制御処理
リール駆動状態が「定速中」のときに、ストップスイッチの操作が受け付けられると、図31の図柄組合せ制御処理におけるステップS322の処理によってリール駆動状態が「減速開始」に移行する。この状態で主制御手段100が、図38および図39のリール駆動制御処理を行った場合、「定速中」と同様に、ステップS580(NO)→S582(NO)→S604〜S612(NO)→S620→S622(NO)→S628〜S632(NO)→S650の処理を行って、制御対象となるステッピングモータを、1回のタイマ割込処理を行う毎に1ステップ分回動させていく。そして、リール駆動状態が「減速開始」であるため、ステップS652の判断結果が(NO)となり、ステップS664〜S676の処理を行って、必要に応じて中段Mを通過中の図柄番号を更新する。
そして、ステップS678の判断処理で主制御手段100が、RAMに格納されている図柄番号(通過位置)の値と、図柄番号(停止位置)の値とが一致していない(NO)と判断したときは、図39に示すリール駆動制御処理を終了する。これに対して、双方の値が一致した(YES)と判断したときは、現在、疑似遊技演出中であるか否かを判断する(ステップS680)。そして、主制御手段100が、本遊技を行っている(NO)と判断したときは、CPUのレジスタに4相減速時パルスデータ(制御対象のステッピングモータの全ての相を励磁するデータ)をセットし(ステップS682)、CPUのレジスタに、4相減速時に対応するリール駆動パルス出力カウンタの所定値(90割込み:約200ms)をセットする(ステップS684)。このように、ステップS680の処理によって疑似遊技演出中であるか否かを判断し、その結果に応じてリールを停止させるための励磁パターン(本遊技中は4相励磁、疑似遊技演出中は2相励磁)を決定する前に、ステップS678の判断処理で、リールの停止位置であるか否かを判断しているため、リールの停止位置の判断処理を、本遊技中と疑似遊技演出中とで共通化することができる。次に主制御手段100は、制御対象のリールに対応するリール駆動状態が格納されているRAMのアドレスにアクセスし、格納されている駆動状態番号を「2」に更新する(ステップS700)。
そして、CPUのレジスタにセットされている所定値を、制御対象のリールに対応するリール駆動パルス出力カウンタの値が格納されているRAMのアドレスに格納する(ステップS702)。そして、リール回転停止時に副制御手段200へ送信する「リール回転停止」コマンド(左リール:987E、中リール:997Eまたは右リール:9A7E)の出力要求をCPUのレジスタにセットし(ステップS704)、図33に示した制御コマンドセット処理を行って、セットされた「リール回転停止」コマンドをRAMの制御コマンドバッファ(アドレスF13D〜F17C)のいずれかのアドレスに格納する(ステップS706)。この「リール回転停止」コマンドを受信した副制御手段200は、対応するリールの回転が停止するときの演出(例えば、リールの停止音の発生、テンパイ音の発生、バックランプの消灯など)を実行する。
ここで、「リール回転停止」コマンドが送信されるタイミングは、実際にリールが停止する前であることから(図11の「減速中」の状態を参照)、副制御手段200において「リール回転停止」コマンドの受信を契機としてリール停止時の演出処理を開始することで、リールが停止する前に実行する演出に関する処理を行うことができるため、演出の実行タイミングを実際のリールのタイミングに合わせ易くなるという利点がある。例えば、「リール回転停止」コマンドを受信してから直ちにリール停止時に行う演出を実行した場合、リールが停止するタイミングよりも演出が行われるタイミングの方が早過ぎるときは、副制御手段200においてリール停止時に行う演出の実行を所定時間、待機させる処理を行うようにしても良い。また、この待機時間の長さを調整できるようにしてもよい。
また、例えば、図31のステップS344およびS346の処理によって副制御手段200へ送信される「リール停止受付」コマンドに基づいてリール停止時の演出を行った場合、ストップスイッチが操作されてからリールが停止するまでの期間が滑りコマ数に応じて変化するため、リールの停止タイミングと、リール停止時に実行する演出のタイミングとが、ずれてしまう(一定にならない)という問題が生ずる。このずれを改善するには「リール停止受付」コマンドの第2制御コマンドによって示される停止操作受付図柄番号および滑りコマ数に基づく演算を行ってリールの停止タイミングを求め、求めた停止タイミングに合わせて演出を実行することが考えられる。
これに対して受信した「リール回転停止」コマンドに基づいてリール停止時の演出を行う場合、リール駆動状態が「減速中」の期間は一貫してステッピングモータを4相励磁(本実施形態では、疑似遊技演出中の場合は2相励磁)する期間であるため、リールの滑りコマ数に関わらず、「リール回転停止」コマンドが送信されてからリールが停止するまでの時間に、ばらつきが生じにくいといえる。このため、「リール回転停止」コマンドを受信してから演出を開始するまでの期間を一定に定めることができ、演出の開始タイミングを決定するために、「リール停止受付」コマンドに基づいてリール停止時の演出を行う場合に比べて、複雑な演算を行う必要が無いという利点がある。
次いで主制御手段100は、RAMのアドレスF0A7に格納されている減速中フラグの値を00Hに更新してクリアする(ステップS708)。そして、ステップS682の処理でCPUのレジスタにセットした制御対象のステッピングモータの全ての相を励磁するデータをRAMの所定アドレスに保存して(ステップS710)、図39に示すリール駆動制御処理を終了する。
一方、ステップS680の判断処理で、主制御手段100が疑似遊技演出中である(YES)と判断したときは、ステップS666の処理によって「1」減算された1図柄のステップ数に基づいて2相励磁によってリールの回転の減速を開始するステップ数になったか否かを判断する(ステップS686)。未だ2相励磁による減速を開始するステップ数になっていない(NO)と主制御手段100が判断したときは、図39に示すリール駆動制御処理を終了する。これに対して、ステップS686の判断処理で2相励磁による減速を開始するステップ数になった(YES)と判断したときは、2相減速用パルスデータ検索用カウンタ値を生成する(ステップS688)。
本実施形態では、2相減速用パルスデータ検索用カウンタ値を生成するために、現在RAMに記憶されているリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の最下位ビット(第0ビット)を「0」にクリアすることで、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を偶数のデータにし、RAMに記憶されているリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値を当該偶数のデータに更新する。具体的には、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が「254」([11111110])であった場合は、ステップS688の処理によって同じ値の「254」([11111110])が生成される。また、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が「255」([11111111])であったときは、ステップS688の処理によって「254」([11111110])の値が生成され、RAMに記憶されていた値が、「254」([11111110])に更新される。
次に主制御手段100は、制御対象のリールに対応するリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値と、[00000111]との論理演算(AND演算)を実行し、リール駆動パルスデータ用オフセット値を生成する(ステップS690)。例えば、ステップS688の処理により「254」([11111110])という値が生成されたときは、[00000111]とのAND演算を行うことで、[00000110]という演算結果が得られる。したがって、リール駆動パルスデータ用オフセット値は「6」となる。
そして、ROMに格納されている図10に示したリール駆動パルステーブルの先頭アドレスを指定するデータをCPUのレジスタにセットする(ステップS692)。次に、図34に示した指定アドレスデータセット処理を行って、ステップS688で生成した値に、ステップS690で生成した値を加算して、ROMから2相励磁によって減速する際のパルスデータ(2相減速時パルスデータ)を取得してCPUのレジスタにセットし(ステップS696)、さらにCPUのレジスタに2相減速時に対応するリール駆動パルス出力カウンタの所定値(35割込み:約78ms)をセットする(ステップS698)。例えば、ステップS690で「6」が得られたときは、励磁パターンとして1100B(φ3:ON、φ2:ON、φ1:OFF、φ0:OFF)が得られる。このように、疑似遊技演出において、リールの回転を停止させるための励磁パターンを維持する時間(35割込み)を、本遊技中に維持する時間(90割込み)よりも短くし、疑似遊技演出中におけるリールの停止状態が所定時間(例えば0.5秒)以内となるように制御することで、疑似遊技演出が終了した状態を本遊技の終了と誤認されないようにしている。換言すると、疑似遊技演出中は、リールが一旦停止した後に、速やかに揺れ変動制御を実行し、リールの動き(揺れ変動)によって遊技者に疑似遊技演出であることを示唆するようにしている。なお、本実施形態では、上述した一旦停止中の期間と、揺れ変動を行っている期間とを合わせて、いわゆる「仮停止」の期間として扱う。
以下、4相励磁を行う場合と同様にステップS700以降の処理を行って、リール駆動状態を「減速中」にして、CPUのレジスタにセットされている値を、制御対象のリールに対応するリール駆動パルス出力カウンタの値が格納されているRAMのアドレスに格納する。そして、リール回転停止時に副制御手段200へ送信する「リール回転停止」コマンドRAMの制御コマンドバッファに格納し、減速中フラグの値をクリアして2相励磁するためのデータをRAMの所定アドレスに保存してから、図39に示すリール駆動制御処理を終了する。
(6)「減速中」のときのリール駆動制御処理
図39のステップS700の処理によってリール駆動状態が「減速中」に移行すると、次に実行するタイマ割込処理で、ステップS580(NO)→S582(NO)→S604の処理を経て、ステップS606の処理において、ステップS702の処理によって制御対象のリールに対応するリール駆動パルス出力カウンタのアドレスに格納された値から「1」が減算される。そして、ステップS608の判断処理で、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になったか否かを判断し、以下、リール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になるまで、ステップS580(NO)→S582(NO)→S604〜S608(NO)→リターンの処理が繰り返し実行される。なお、この間、制御対象のステッピングモータに対しては、一定の4相励磁または2相励磁の駆動パルスが出力され続ける。
そして、主制御手段100が、ステップS608の判断処理でリール駆動パルス出力カウンタの値が「0」になった(YES)と判断すると、ステップS610の処理によって駆動状態番号「0」とするデータと、制御対象のステッピングモータの全相を非励磁(オフ)にするデータとを兼ねた値(00H)を、CPUのレジスタスにセットする。次にステップS612の判断処理において、現在のリール駆動状態が「減速中」であることから判断結果はYESとなり、CPUのレジスタにセットされている「0」のデータを、リール駆動状態を格納するRAMの所定アドレスに格納する(ステップS614)。これにより、リール駆動状態番号は「0」となり、リール駆動状態は「停止中/揺れ変動中」となる。そして、ステップS616の揺れ変動管処理を行った後、ステップS618のリール駆動パルスセット処理を行い、図38のリール駆動制御処理を終了する。
上述したように、図38および図39に示したリール駆動制御処理は、各リールの駆動状態に応じて処理内容が分岐している。このため、先述した図37におけるステップS552の処理(より詳しくは図37,ステップS560)によって、各リールの駆動制御処理(図36,ステップS554、すなわち図38、図39のリール駆動制御処理)を行う際に最初に指定される先頭アドレスに、駆動状態番号を格納することで(図18および図19参照)図38および図39に示したリール駆動制御処理を行うに当たって、必要なデータを効率良くRAMから読み出すことができる。
(揺れ変動管理処理の説明)
次に図40に示すフローチャートを参照して、図38のステップS616で実行される揺れ変動管理処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、RAMの所定アドレスに格納されている揺れ変動フラグの値が「1」(ON)になっているか否かを判断する(ステップS720)。ここで、揺れ変動フラグの値が「0」(OFF)になっている(NO)と判断したときは、図40の揺れ変動管理処理を終了する。これに対して、揺れ変動フラグの値が「1」(ON)になっている(YES)と判断したときは、制御対象のリールに対応するリール駆動状態が格納されているRAMのアドレスの値と、ROMに予め定められた定義データとを加算する(ステップS722)。ここで、「制御対象のリールに対応するリール駆動状態が格納されているRAMのアドレス」は、当該制御対象のリールに関する一連の種駆動制御データが格納されている先頭アドレスでもある。ここで、上述した定義データは、@WKRL_CTPULS=「7」としている。
具体的には、以下の処理が実行される。
<ステップ1>
Aレジスタに@WKRL_CTPULS(「7」)を読み込む。
<ステップ2>
HLレジスタにAレジスタの値を加算する。
ステップS722の処理によって、制御対象のリールに対応するリール駆動パルスデータ検索用カウンタのアドレスが、CPUのHLレジスタにセットされたことになり、主制御手段100は、当該アドレスに格納されていたデータの最下位ビットを「1」にする(ステップS724)。この処理によって最下位ビットが「1」にされたリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値に基づいて生成される駆動パルスデータは、「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかとなり、これらの駆動パルスデータに対応する駆動パルスをステッピングモータへ出力した場合は、いずれもφ0〜φ3のいずれか1相のみを励磁することになる(図10参照)。
次に主制御手段100は、図35のステップS512の処理によって更新された揺れ変動カウンタの値に基づいて、制御対象のステッピングモータを1相励磁すべきか否かを判断する(ステップS726)。例えば、揺れ変動カウンタの値が「0」〜「2」であれば、ステップS726の判断結果がYESとなり、「3」〜「157」であればNOとなるものとする。そして、ステッピングモータを1相励磁すべきでない(NO)と判断したときは、ステップS722の処理によって指定されたRAMのアドレス(リール駆動パルスデータ検索用カウンタ)にアクセスし、格納されていた値の最下位ビットを「0」にする(ステップS728)。リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値に基づいて生成される駆動パルスデータは、「0」、「2」、「4」、「6」のいずれかとなり、これらの駆動パルスデータに対応する駆動パルスをステッピングモータへ出力した場合は、いずれもφ0〜φ3のうち隣り合う2相(φ0とφ1、φ1とφ2、φ2とφ3、φ3とφ1)を励磁することになる(図10参照)。
このように、ステップS724およびS728の処理を行うことによって、RAMに格納されていたリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の最下位ビットを「0」または「1」にセットすることで、1相励磁または2相励磁を行う駆動パルスが得られる。このように、リール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の最下位ビットを「0」または「1」に変化させるという簡単なデータ更新処理によって揺れ変動を実現することができる。また、この処理は右リール40R,中リール40C,左リール40Lについて所定の順番に従って個々に行われるが、いずれにおいても揺れ変動カウンタの値に基づいてリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値の最下位ビットを変化させるか否かを判断している。換言すると、1つの揺れ変動カウンタの値によって3つのリールの揺れ変動を同期させることができる。
さらに、揺れ変動カウンタの値が「3」〜「157」のとき(2相励磁のとき)は図柄が定位置に停止するように制御し、揺れ変動カウンタが「0」〜「2」のとき(1相励磁のとき)は図柄が定位置から1ステップ分上流側に位置するように制御することで、図柄が揺れるように制御している。なお、本実施形態では、図柄が定位置に停止する時間の方が長くなるように設定することで、遊技者はあたかも図柄が停止しているように見える。また、この
次に主制御手段100は、ステップS724またはS728の処理によって最下位ビットが「0」または「1」に設定されたリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値に基づいて、制御対象のステッピングモータへ出力する駆動パルスを取得するためのリール駆動パルスデータ取得処理を行う(ステップS730)。そして、ステップS730で取得したリール駆動パルスデータをRAMの所定アドレスに格納するためのリール駆動パルスセット処理を行った後(ステップS732)、図40に示す揺れ変動管理処理を終了する。
(リール駆動パルスデータ取得処理の説明)
次に図41に示すフローチャートを参照して、図40のステップS730で実行されるリール駆動パルスデータ取得処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、制御対象のリールに関するリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値が格納されているデータをAレジスタに記憶する。その後、Aレジスタの値と[00000111]との論理演算(AND演算)を実行した結果をAレジスタに記憶する。例えば、リール駆動検索用カウンタの値が「128」([10000000])であったとき、[00000111]と論理演算を行うことにより、「0」([00000000])が得られる。
次に主制御手段100は、CPUのHLレジスタにリール駆動パルステーブル(図10参照)をセットする(ステップS742)。そして、ステップS740の演算結果と、ステップS742でセットしたリール駆動パルステーブルの基準値(図10の駆動パルスデータ「0」)からステップS740で得られた演算結果を記憶したCPUのAレジスタの値を加算して参照するROMのアドレスデータ指定する(ステップS744)。次に主制御手段100は、ステップS744の処理によって参照するROMのアドレスに記憶されている駆動パルスをCPUのBレジスタに記憶する(ステップS746)。例えば、ステップS740で得られた値(Aレジスタの値)が「0」のときは、駆動パルスデータ「0」の励磁パターン(1001B)をBレジスタに記憶する。そして、図41に示すリール駆動パルスデータ取得処理を終了する。
(リール駆動パルスセット処理の説明)
次に図42に示すフローチャートを参照して、図38のステップS618および図40のステップS732で実行されるリール駆動パルスセット処理の詳細な内容について説明する。
まず主制御手段100は、制御対象のリールに対応するステッピングモータ信号データを格納しているRAMのアドレスを、CPUのレジスタにセットする(ステップS750)。ここで、ステップS750の処理によって指定されるアドレスは、格納しているデータの下位4ビットが、各々対応するステッピングモータの各相(φ0、φ1、φ2、φ3)と対応しており、各ビットの値が「0」のときは対応する相を非励磁とし、「1」のときは対応する相を励磁することを示している。ステッピングモータ信号データを格納しているRAMのアドレスは、左リール用、中リール用、右リール用の3つが設けられている(図17参照)。そして、CPUのBレジスタにセットされているリール駆動パルスデータに対応するステッピングモータ信号データを、ステップS750の処理によって指定されるアドレスに保存し(ステップS752)、図42に示すリール駆動パルスセット処理を終了する。
ここで、図38のステップS610→S612(YES)→S614〜S618の処理を行う場合において、本遊技中と、疑似遊技演出中とで、ステップS750の処理によって指定されるアドレスに保存されるデータが異なることを説明する。まず、本遊技中は揺れ変動フラグがオフになることから、図38のステップS616で実行される揺れ変動管理処理が直ちに終了することになる(図40,ステップS720(NO)→リターン)。このため、図38のステップS618のリール駆動パルスセット処理(図42)によって、RAMに格納されるステッピングモータ信号データは、図38のステップS610の処理によってCPUのBレジスタにセットされた00Hの値となる。これにより、本遊技中は、制御対象となるステッピングモータの全ての相が非励磁にされる。
これに対して、疑似遊技演出中は、図40のステップS730のリール駆動パルスデータ取得処理によって取得されたリール駆動パルスデータに対応するステッピングモータ信号データがRAMに格納されることになる。したがって、揺れ変動カウンタの値がインクリメントされていく過程で、1相のみを励磁するステッピングモータ信号データと、隣り合う2相を励磁するステッピングモータ信号データとが交互に更新され、制御対象のリールが定位置と、定位置から1ステップ分上流側の位置との間を往復することで、図柄が小刻みに揺れるようになる。またこのとき、図柄が定位置に滞在する時間の方が長くなるので、遊技者はあたかも図柄が停止しているように見える。
(制御コマンド送信処理の説明)
次に図43に示すフローチャートを参照して、図35のタイマ割込処理におけるステップS530で実行される制御コマンド送信処理の詳細な内容について説明する。
まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファとして使用されるRAMのアドレスF13D〜F17Cのうち、先頭アドレスであるF13Dの値をCPUのHLレジスタにセットした後(ステップS760)、RAMのアドレスF01Dに格納されている読込ポインタの値を取得して、CPUのAレジスタにセットする(ステップS762)。ここで、読込ポインタは、RAMのアドレスF13D〜F17Cのうち、次に副制御手段200へ送信する制御コマンドを、制御コマンドバッファから読み出すアドレスを指定する情報である。具体的には、制御コマンドバッファの先頭アドレス(F13D)を基準として、データを読み出すアドレスを相対値で示したデータである。
次に主制御手段100は、送信対象制御コマンドバッファアドレスセット処理として次の処理を行う(ステップS764)。まず、Aレジスタの値と、所定値3EH([00111110])との論理演算(AND演算)を行うことでAレジスタの値を偶数にし、且つ、制御コマンドバッファに記憶される数値の範囲内(0〜63)の値にする。そして、その結果をAレジスタにセット(上書き)する。次にステップS760の処理によってHLレジスタにセットされた値に、Aレジスタの値を加算して、新たなHLレジスタの値とする。そして、新たなHLレジスタの値によって指定されるRAMのアドレスからデータを読み出して、Cレジスタにセットする。さらに、新たなHLレジスタの値に「1」を加算した値によって指定されるRAMのアドレスからデータを読み出して、Bレジスタにセットする。
次に主制御手段100は、上述したHLレジスタの値によって指定されるRAMのアドレスに制御コマンドが格納されているか否かを判断する(ステップS766)。具体的には、CPUのフラグレジスタにおける第2ゼロフラグの値が「0」であればYES(制御コマンド有り)、「1」であればNO(制御コマンド無し)と判断する。そして、判断結果がNOとなった場合は、図43の制御コマンド送信処理を終了する。なお、第2ゼロフラグの値は、上述したHLレジスタの値によって指定されるRAMのアドレスに格納されていた値と、HLレジスタの値に「1」を加えた値によって指定されるRAMのアドレスに格納されていた値とが、共に「0」であった場合に「1」となり、いずれか一方または双方が「0」でなかった場合に「0」となる。
ステップS766の判断結果がYES(制御コマンド有り)となった場合、次に主制御手段100は、副制御手段へデータを転送する所定の出力ポートのデータレジスタアドレス(所定値)をCPUのDEレジスタにセットした後、当該DEレジスタ値と、上述したHLレジスタの値とを入れ替える(ステップS768)。そして、HLレジスタの値によって示されるデータレジスタアドレスにCレジスタの値を書き込む(ステップS770)。このCレジスタの値は、ステップS764の処理によって制御コマンドバッファから読み出した第1制御コマンドの値である。次に主制御手段100は、HLレジスタの値によって示されるデータレジスタアドレスにBレジスタの値を書き込む(ステップS772)。このBレジスタの値は、ステップS764の処理によって制御コマンドバッファから読み出した第2制御コマンドの値である。この処理によって1回のタイマ割込処理で、第1制御コマンドおよび第2制御コマンドの双方が副制御手段200へ送信されることになる。
次に主制御手段100は、制御コマンド(第1制御コマンドおよび第2制御コマンド)の送信処理が完了したか否かを判断する(ステップS774)。具体的には、RAMのアドレスF01Dに格納されている読込ポインタの第0ビット(最下位ビット)の値が「0」であれば判断結果がNO(送信処理が完了していない)と判断し、「1」であれば判断結果がYES(送信処理が完了した)と判断する。すなわち、読込ポインタの第0ビットの値が「1」ということは、第2制御コマンドが格納されているRAMのアドレスを指定するものであるため送信処理が終了したと判断することができる。ステップS774の判断結果がYESとなった場合、主制御手段100は、DEレジスタの値およびDEレジスタの値に「1」を加算した値によって示されるRAMの各アドレスに記憶されている値を各々「0」にクリアする(ステップS776)。ここで、DEレジスタには、ステップS768の処理によって送信対象となった第1制御コマンドのアドレスが記憶されている。
そして、主制御手段100は、RAMのアドレスF01Dに格納されている読込ポインタの値を、「1」を加算した値に更新して図43の制御コマンド送信処理を終了する。なお、ステップS774の判断結果がNO(送信処理が完了していない)となった場合は、ステップS776の処理を行わずに(すなわち、送信対象になっている制御コマンドはクリアされない)、ステップS778の処理を行う。ここで、次のタイマ割込処理では、読込ポインタの値が「1」加算されているため、今回のタイマ割込処理で指定したアドレスの、次のアドレスを指定することになるが、ステップS764の処理によってRAMから読み出した読込ポインタの最下位ビットが「0」にされるため、結局、今回のタイマ割込処理で副制御手段200へ送信した制御コマンドをもう一度送信することになる。すなわち、本実施形態では、副制御手段200が制御コマンドを受信し損ねた場合を考慮して、同じ制御コマンドを2回送信している。
≪副制御手段における制御処理の説明≫
次に、主制御手段100において図22の遊技進行メイン処理および図35のタイマ割込処理が実行されているときに、副制御手段200において繰り返し実行されるサブ−メインルーチン処理について、図44に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
<サブ−メインルーチン処理の説明>
サブ−メインルーチン処理が開始されると、副制御手段200は、スロットマシン10の筐体に設けられた各種LEDやランプについて発光色および点灯/消灯を制御し、また、演出用の楽音や効果音などの生成や音量などを制御するランプパターン・サウンド制御を行う(ステップSs10)。次に副制御手段200は、表示装置72を構成している液晶表示ユニットや冷却ファンの作動状態を監視し(ステップSs12)、異常が検出された場合は、検出した異常に応じたエラー処理を行う。そして、ランプパターン・サウンド制御によって生成された音声信号を増幅するアンプユニットの作動状態を監視し(ステップSs14)、異常が検出された場合は、検出した異常に応じたエラー処理を行う。
次に、副制御手段200は、所定の時間間隔毎に実行される(本実施形態では16msに1回)フレーム毎実行処理を行う(ステップSs16)。ここでは、例えば電源ON→電源OFFまでの時間の計時や、エラーの時間/リール駆動の時間を計時(減算)する。そして、主制御手段100から送信された制御コマンドを逐次蓄積するバッファから、最先に受信した制御コマンドに基づく処理(1コマンド処理)を行い、1コマンド処理を終えると、当該処理を行った制御コマンドをバッファから削除する(ステップSs18)。この1コマンド処理は、1フレームの時間(本実施形態では16ms)が経過するまで実行されており、1コマンド処理が終了したときにサブメインルーチンが16ms経過していないときにループするように構成されている。また、1コマンド処理が終了したときに処理するコマンドがなかった場合には、サブメインルーチンが16ms経過しているか否かを判定するための1ms間隔タイマ割込みの回数を取得する残余時間処理が行われる(ステップSs20)。
そして、ステップSs20の残余時間処理を行うと、サブメインルーチンが16ms経過したか否かを判断する(ステップSs22)。1フレームが経過していない(NO)と副制御手段200が判断したときは、ステップSs18の処理へ移行し、上述したバッファにおいて、最先に受信した制御コマンドに基づいた1コマンド処理を行う。また、ステップSs22の判断処理で、1フレームが終了した(YES)と副制御手段200が判断したときは、ステップSs10の処理へ移行し、再びランプパターン・サウンド制御を行う。
<1コマンド処理に関する説明>
次に図45〜図52に示す各フローチャートを参照し、図44のステップSs18における1コマンド処理によって実行される処理内容について説明する。図45〜図53に示す各フローチャートは、副制御手段200の演出状態ごとに実施される一連の処理内容を示すものであり、スタートスイッチ36が操作されたことを契機として主制御手段100から送信される各種コマンドと、全リールが停止したことを契機として主制御手段100から送信される各種コマンドと、に基づく処理を示している。また、以下で説明する演出状態には、通常中、通常前兆、赤BB準備中、白BB準備中、AT中、AT中BB前兆、BB中がある。
(通常中における1コマンド処理の内容)
図45を参照して、演出状態が通常中になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う場合、まず、サブボーナス抽選を行い(ステップSs100)、白BB、赤BBもしくはATのいずれに当選したか、または、いずれにも当選しなかった(ハズレ)かを決定するここで、白BBおよび赤BBは、いずれも当選するとサブボーナス遊技を開始する権利が得られることとなる。なお、副制御手段200によって白BBの権利に基づくサブボーナス遊技が行われたときは、主制御手段100における疑似遊技実行フラグの値が「1」になっていることを意味する。また、副制御手段200によって赤BBの権利に基づくサブボーナス遊技が行われたときは、主制御手段100における疑似遊技実行フラグの値が「2」または「3」になっていることを意味する。また、サブボーナス遊技は、役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが当選すると、条件装置「ベル−01」に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃う(以下、「ベル−01が入賞する」ともいう。)押し順が報知される遊技である。白BBは、サブボーナス遊技が開始してからベル−01が入賞する押し順の報知が20回行われると終了するサブボーナス遊技であり、赤BBは、サブボーナス遊技が開始してからベル−01が入賞する押し順の報知が40回行われると終了するサブボーナス遊技である。また、ATも役抽選で当選番号「18」〜「25」のいずれかが当選すると、ベル−01が入賞する押し順が報知されるが、サブボーナス遊技と異なり、押し順の報知回数とは関係なくATが開始してから50回の遊技が行われると終了する。
なお、サブボーナス抽選における白BB、赤BBおよびATの各当選確率は適宜定めればよいが、例えば各演出状態に応じて各当選確率や比率が異なるようにしてもよい。
ステップSs100のサブボーナス抽選を行うと、次に副制御手段200は、白BBが当選したか否かを判断する(ステップSs102)。そして、白BBが当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、白BBの当選回数を計数する白BBカウンタの値に「1」を加算する(ステップSs104)。また、ステップSs102の判断処理で、白BBが当選しなかった(NO)と判断したときは、次に赤BBが当選したか否かを判断する(ステップSs106)。そして、赤BBが当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、赤BBの当選回数を計数する赤BBカウンタの値に「1」を加算する(ステップSs108)。さらに、ステップSs106の判断処理で、赤BBが当選しなかった(NO)と判断したときは、次にATが当選したか否かを判断する(ステップSs110)。そして、ATが当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、ATの当選回数を計数するATセットカウンタの値に「1」を加算する(ステップSs112)。
そして、ステップSs104、Ss108またはSs112の処理を行うか、ステップSs110の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、ステップSs100のサブボーナス抽選によって白BB、赤BBまたはATのいずれに当選したか否かを判断する(ステップSs114)。そして、白BB、赤BBまたはATのいずれに当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、を通常前兆に移行させる(ステップSs116)。そして、役抽選によって所定の当選番号が当選したときに、ストップスイッチ37L,37C,37Rが所定の押し順で操作されたか否かに基づいて所定の変数値(以下、「ペナルティ値」ともいう。)を増減させるペナルティ処理を行ってから(ステップSs118)、図45に示す通常中処理を終了する。
なお、ステップSs104、Ss108またはSs112の処理によって各々加算される白BB、赤BBおよびATの各カウンタの値と、ペナルティ処理によって増減されるペナルティ値とは、各々副制御手段200のRAMに記憶されている。
(通常前兆における1コマンド処理の内容)
図46を参照して、演出状態が通常前兆になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、通常中と同様、第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「17」(再遊技群−F1)であるか否かを判断する(ステップSs130)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs132)。これに対して、ステップSs130の判断処理で、当選番号が「17」ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に入賞・再遊技当選番号が「26」〜「33」(チェリー群−A〜D、スイカ群−AもしくはB、または、特殊−AもしくはB)のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs134)。
ステップSs134の判断処理で、当選番号が「26」〜「33」のいずれかである(YES)と副制御手段200が判断したときは、次にATに当選するか否かを抽選によって決定するAT抽選を行う(ステップSs136)。このAT抽選におけるATの当選確率は適宜定めればよいが、たとえば役抽選で決定された当選番号に応じて当選確率を異ならせてもよい。そして、ステップSs136の処理によって行われたAT抽選に当選したか否かを判断し(ステップSs138)、当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、ATセットカウンタに加算する値を抽選によって決定し、ATセットカウンタに加算する(ステップSs140)。この抽選によって決定され得る加算値の最大値および各加算値の選択確率は適宜決定することができる。
そして、ステップSs132またはSs140の処理を行うか、ステップSs134またはSs138の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、図45のステップS120で行った処理と同じペナルティ処理を行う(ステップSs142)。そして、副制御手段200は、RAMに記憶されているペナルティ値が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSs144)、ペナルティ値が「0」である(NO)と判断したときは、赤BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs146)。赤BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を赤BB準備中に移行させた後(ステップSs148)、図46の通常前兆処理を終了する。
これに対してステップSs146の判断処理で、赤BBカウンタの値が「0」である(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に白BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs150)。白BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を白BB準備中に移行させた後(ステップSs152)、図46の通常前兆処理を終了する。一方、ステップSs150の判断処理で、白BBカウンタの値が「0」である(NO)と副制御手段200が判断したときは、さらにATセットカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs154)。ここでATセットカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態をATに移行して(ステップSs156)、ATセットカウンタの値を「1」減算する(ステップSs158)。
そして、AT中における遊技回数をカウントするためのATカウンタの値に「50」を加算し(ステップSs160)、AT中であるか否かを示すATフラグの値を「1」にセットした後(ステップSs162)、図46の通常前兆処理を終了する。ここで、上述したATカウンタおよびATフラグの値は、いずれも副制御手段200のRAMに記憶されている。
なお、副制御手段200が、ステップSs144の判断処理でペナルティ値が「1」以上である(YES)と判断したとき、または、赤BBカウンタ、白BBカウンタおよびATセットカウンタの値がいずれも「0」であった場合(ステップSs154,NO)は、直ちに図46の通常前兆処理を終了する。
(赤BB準備中における1コマンド処理の内容)
図47を参照して、演出状態が赤BB準備中になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、通常中および通常前兆と同様、第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「17」(再遊技群−F1)であるか否かを判断する(ステップSs170)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs172)。これに対して、ステップSs170の判断処理で、当選番号が「17」ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に入賞・再遊技当選番号が「26」〜「33」(チェリー群−A〜D、スイカ群−AもしくはB、または、特殊−AもしくはB)のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs174)。
ステップSs174の判断処理で、当選番号が「26」〜「33」のいずれかである(YES)と副制御手段200が判断したときは、次に図46のステップSs136と同様のAT抽選を行う(ステップSs176)。そして、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップSs178)、当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、ATセットカウンタに加算する値を抽選によって決定し、ATセットカウンタに加算する(ステップSs180)。
そして、ステップSs172またはSs180の処理を行うか、ステップSs174またはSs178の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、図45のステップS120などで行った処理と同じペナルティ処理を行う(ステップSs182)。そして、副制御手段200は、RAMに記憶されているペナルティ値が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSs184)、ペナルティ値が「0」である(NO)と判断したときは、疑似遊技演出において、「赤セブン」図柄が入賞ラインL上に揃ったか(「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが停止表示されたか)否かを判断する(ステップSs186)。「赤セブン」図柄が入賞ラインL上に揃った(YES)と、副制御手段200が判断したときは、赤BBカウンタの値から「1」を減算し(ステップSs186)、演出状態をBB中に移行させた後(ステップSs190)、図47の赤BB準備中処理を終了する。なお、この場合、実行されるサブボーナス遊技において、ベル−01が入賞する押し順が報知される回数は40回となる。
なお、副制御手段200が、ステップSs184の判断処理でペナルティ値が「1」以上である(YES)と判断したとき、または、ステップSs186の判断処理で「赤セブン」図柄が入賞ラインL上に揃わなかったと判断したときは、直ちに図47の赤BB準備中処理を終了する。
(白BB準備中における1コマンド処理の内容)
図48を参照して、演出状態が白BB準備中になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、通常中および通常前兆と同様、第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「17」(再遊技群−F1)であるか否かを判断する(ステップSs200)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs202)。これに対して、ステップSs200の判断処理で、当選番号が「17」ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に入賞・再遊技当選番号が「26」〜「33」(チェリー群−A〜D、スイカ群−AもしくはB204)。
ステップSs204の判断処理で、当選番号が「26」〜「33」のいずれかである(YES)と副制御手段200が判断したときは、次に図46のステップSs136と同様のAT抽選を行う(ステップSs206)。そして、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップSs208)、当選した(YES)と副制御手段200が判断したときは、ATセットカウンタに加算する値を抽選によって決定し、ATセットカウンタに加算する(ステップSs210)。
そして、ステップSs202またはSs210の処理を行うか、ステップSs204またはSs208の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、図45のステップS120などで行った処理と同じペナルティ処理を行う(ステップSs212)。そして、副制御手段200は、RAMに記憶されているペナルティ値が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSs214)、ペナルティ値が「0」である(NO)と判断したときは、疑似遊技演出において、「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄が入賞ラインL上に揃ったか否かを判断する(ステップSs216)。
「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄が入賞ラインL上に揃った(YES)と、副制御手段200が判断したときは、疑似遊技実行フラグ(図9参照)の値が「1」か否かを判断する(ステップSs218)。疑似遊技実行フラグの値が「1」である(YES)と判断したときは、白BBカウンタの値から「1」を減算する(ステップSs220)。これに対してステップSs218の判断処理で、副制御手段200が疑似遊技実行フラグの値が「1」ではない(NO)と判断したときは、次に疑似遊技実行フラグ(図9参照)の値が「2」か否かを判断する(ステップSs222)。疑似遊技実行フラグの値が「2」である(YES)と判断したときは、赤BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSs224)、「1」以上である(YES)と判断したときは、赤BBカウンタの値から「1」を減算する(ステップSs226)。
副制御手段200は、上述したステップSs220またはSs226の処理を終えると、演出状態をBB中に移行させた後(ステップSs228)、図48の白BB準備中処理を終了する。なお、ステップSs220の処理後にステップSs228の処理を行った場合、ベル−01が入賞する押し順の報知回数が20回となるサブボーナス遊技が実行される。これに対して、ステップSs226の処理後にステップSs228の処理を行った場合、ベル−01が入賞する押し順の報知回数が40回となるサブボーナス遊技が実行される。また、副制御手段200が、ステップSs212の判断処理でペナルティ値が「1」以上である(YES)と判断したとき、ステップSs216の判断処理で「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄が入賞ラインL上に揃わなかった(NO)と判断したとき、ステップSs222の判断処理で疑似遊技実行フラグの値が「1」および「2」のいずれでもない(NO)と判断したとき、ステップSs228の判断処理で赤BBカウンタの値が「0」である(NO)と判断したときは、直ちに図48の白BB準備中処理を終了する。
なお、ステップSs216における判断処理でYESとなった疑似遊技演出において、第2停止操作が行われたことによって「白セブンA」図柄および「白セブンB」図柄、もしくは2つの「白セブンA」図柄または2つの「白セブンB」図柄が一直線状ラインL上に停止表示されたとき(いわゆるテンパイになったとき)に、テンパイ音を発生させる演出を行っても良い。ここで、上述したテンパイになった時に、疑似遊技実行フラグの値(「1」または「2」)に応じて発生するテンパイ音を異ならせても良い。
(AT中における1コマンド処理の内容)
図49を参照して、演出状態がAT中になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、まず、ATカウンタの値から「1」を減算する(ステップSs250)。次に副制御手段200は、「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「9」または「17」(再遊技群−A1またはF1)であるか否かを判断する(ステップSs252)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「9」または「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs254)。
そして、ステップSs254の処理を行うか、ステップSs252の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「9」または「17」だったか否かを判断する(ステップSs256)。当選番号が「9」または「17」だった(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態をAT中BB前兆へ移行する(ステップSs258)。
これに対して副制御手段200が、ステップSs256の判断処理で、当選番号が「9」または「17」のいずれでもない(NO)と判断したときは、次にATカウンタの値が「0」であるか否かを判断する(ステップSs262)。ATカウンタの値が「0」である(YES)と副制御手段200が判断したときは、次にATセットカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs264)。そして、ATセットカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、ATセットカウンタの値から「1」を減算し、かつATカウンタの値に「50」を加算し(ステップSs266)、次のATを開始させる。これに対してステップSs264の判断処理で、ATセットカウンタの値が「1」以上でない(NO)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を通常中に移行させる。
そして、ステップSs258、Ss266またはSs268の処理が終了したとき、またはステップSs262の判断結果がNOになると、図49のAT中処理を終了する。
(AT中BB前兆における1コマンド処理の内容)
図50を参照して、演出状態がAT中BB前兆になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、まず、ATカウンタの値から「1」を減算する(ステップSs280)。次に副制御手段200は、「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「9」または「17」(再遊技群−A1またはF1)であるか否かを判断する(ステップSs282)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「9」または「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs284)。
そして、ステップSs284の処理を行うか、ステップSs282の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、赤BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs286)。赤BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を赤BB準備中に移行させる(ステップSs288)。
これに対してステップSs286の判断処理で、赤BBカウンタの値が「0」である(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に白BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs290)。白BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を白BB準備中に移行させる(ステップSs292)。そして副制御手段200は、ステップSs288またはSs292の処理を行うと、図45のステップSs120の処理と同様のペナルティ処理を行い(ステップSs294)、図50のAT中BB前兆処理を終了する。また、ステップSs290の判断結果がNO(赤BBカウンタおよび白BBカウンタの値がともに「0」)となった場合は、直ちに図50のAT中BB前兆処理を終了する。
(BB中における1コマンド処理の内容)
図51を参照して、演出状態がBB中になっている場合における1コマンド処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「17」(再遊技群−F1)であるか否かを判断する(ステップSs300)。そして、入賞・再遊技当選番号NORが「17」である(YES)と判断した場合、副制御手段200は、赤BBカウンタの値と、ATセットカウンタの値とに、それぞれ「1」を加算する(ステップSs302)。ステップSs302の処理を行うと、またはステップSs300の判断結果がNOとなると、次に副制御手段200は、「入賞・再遊技当選番号」コマンドの第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「18」〜「25」(ベル群−A1〜D2)のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs304)。
ステップSs304の判断処理で、入賞・再遊技当選番号が「18」〜「25」のいずれかである(YES)と判断したときは、副制御手段200のRAMに格納されているベル当選回数カウンタの値に「1」を加算する(ステップSs306)。
そして、ステップSs306の処理を行うか、ステップSs304の判断結果がNOになると、次に全リール停止時に送信される制御コマンド(「表示種類」コマンド(A4##)または「図柄組合せ表示」コマンド(A5##)など)を受信したことを契機として、サブボーナス遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップSs308)。ここで、サブボーナス遊技は、疑似遊技実行フラグの値が「1」のときに疑似遊技演出が開始された場合は、ベル−01が入賞する押し順の報知回数が20回になると終了条件が成立し、疑似遊技実行フラグの値が「2」のときに疑似遊技演出が開始された場合は、ベル−01が入賞する押し順の報知回数が40回になると終了条件が成立する。
そして、サブボーナス遊技の終了条件が成立した(YES)と、副制御手段200が判断したときは、サブボーナス遊技を終了する際に実行するボーナス終了処理を行ってから(ステップSs310)、図51のBB中処理を終了する。これに対して、サブボーナス遊技の終了条件が成立していない(NO)と、副制御手段200が判断したときは、ステップSs310のボーナス終了処理を行わずに図51のBB中処理を終了する。これにより、副制御手段200は引き続きBB中処理を行う。
(ボーナス終了処理の内容)
次に図52を参照して、図51に示したBB中処理のステップSs310で実行されるボーナス終了処理の内容について説明する。
まず、副制御手段200は、内部のRAMに格納されている赤BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs320)。そして、副制御手段200が、赤BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、次に赤BBカウンタの値が「1」ではない(「2」以上である)か否かを判断する(ステップSs322)。そして、赤BBカウンタの値が「1」ではない(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を赤BB準備中に移行させる(ステップSs324)。これに対して赤BBカウンタの値が「1」である(NO)と副制御手段200が判断したときは、演出状態をAT中BB前兆に移行させる(ステップSs326)。
一方、ステップSs320の判断処理において、赤BBカウンタの値が「1」以上ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に内部のRAMに格納されている白BBカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs328)。そして、白BBカウンタの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、次に白BBカウンタの値が「1」ではない(「2」以上である)か否かを判断する(ステップSs330)。そして、白BBカウンタの値が「1」ではない(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を白BB準備中に移行させる(ステップSs332)。これに対して白BBカウンタの値が「1」である(NO)と副制御手段200が判断したときは、演出状態をAT中BB前兆に移行させる(ステップSs334)。
ステップSs328の判断処理において、白BBカウンタの値が「1」以上ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、次に内部のRAMに格納されているATセットカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs336)。そして、ATセットカウンタの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、次に内部のRAMに格納されているATフラグの値がオフ(「0」)であるか否かを判断する(ステップSs338)。ATフラグの値がオフになっている(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を通常前兆に移行させる(ステップSs340)。
ステップSs338の判断処理において、ATフラグの値がオンになっている(NO)と、副制御手段200が判断したときは、演出状態をAT中へ移行させ(ステップSs342)、内部のRAMに格納されたATセットカウンタの値から「1」を減算する(ステップSs344)。次に内部のRAMに格納されたATカウンタの値に「50」を加算し(ステップSs346)、ATフラグの値をオンにする(ステップSs348)。これに対して、ステップSs336の判断処理において、ATセットカウンタの値が「1」以上でない(NO)と、副制御手段200が判断したときは、内部のRAMに格納されているATフラグの値がオフであるか否かを判断する(ステップSs350)。そして、ステップSs350の判断処理において、ATフラグがオフになっている(YES)と副制御手段200が判断したときは、演出状態を通常中に移行させる(ステップSs352)。これに対して、ATフラグがオンになっている(NO)と副制御手段200が判断したときは、演出状態をAT中に移行させる(ステップSs354)。
そして、ステップSs324、Ss326、Ss332、Ss334、Ss340、Ss348、Ss352、Ss354の各処理によって演出状態を移行させると、次に副制御手段200は、サブボーナス遊技中において使用されるベル入賞回数カウンタを含む各種カウンタの値をクリアし(ステップSs356)。また副制御手段200は各種フラグをオフにして(ステップSs358)、図52に示したボーナス終了処理を終了する。
(押し順報知処理の内容)
次に図53を参照して、演出状態が赤BB準備中、白BB準備中、AT中およびBB中において実行される押し順報知処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)に基づく1コマンド処理を行う際に、第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「18」〜「25」(ベル群−A1〜D2)のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs370)。当選番号が「18」〜「25」のいずれでもない(NO)と判断したときは、次に、当選番号が「1」〜「17」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSs372)。当選番号が「1」〜「17」のいずれでもない(NO)と、副制御手段200が判断したときは、そのまま図53の押し順報知処理を終了する。これに対して、当選番号が「1」〜「17」のいずれかである(YES)と副制御手段200が判断したときは、現在の演出状態に応じて当選番号の値に対応する押し順報知情報をROMから取得する(ステップSs374)。
そして、取得した押し順報知情報に基づく押し順について所定の報知条件を満たすか否かを判断する(ステップSs376)。所定の報知条件を満たしていない(NO)と副制御手段200が判断したときは、図53の押し順報知処理を終了する。これに対して所定の報知条件を満たした(YES)と副制御手段200が判断したときは、次に現在の演出状態が赤BB準備中または白BB準備中だったか否かを判断する(ステップSs378)。赤BB準備中または白BB準備中だった(YES)と副制御手段200が判断した場合は、BB準備中に応じた押し順報知情報を選択する(ステップSs380)。
そして、ステップSs380の処理によって選択された押し順報知情報をセットして(ステップSs382)、当該押し順報知情報に基づく押し順を報知する準備をして、図53の押し順報知処理を終了する。これに対して、ステップSs378の判断処理で、赤BB準備中または白BB準備中のいずれでもない(NO)と副制御手段200が判断した場合は、ステップSs374で取得した押し順報知情報をステップSs382の処理によってセットし、当該押し順報知情報に基づく押し順を報知する準備を行う。
前述したステップSs370の判断処理で、当選番号が「18」〜「25」のいずれかである(YES)と副制御手段200が判断したときは、後述するペナルティ処理によって増減されるペナルティ値が「0」であるか否かを判断する。ペナルティ値が「0」である(YES)と副制御手段200が判断したときは、ステップSs382の処理へ進み、ベル−01が入賞する押し順の報知情報をセットする。これに対して、ステップSs384の判断処理でペナルティ値が「0」ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、そのまま図53の押し順報知処理を終了する。
(ペナルティ処理の内容)
次に図54を参照して、図45〜図48で実行されるペナルティ処理の内容について説明する。
副制御手段200が「入賞・再遊技当選番号」コマンド(95##)の第2制御コマンドによって示される入賞・再遊技当選番号が「18」〜「25」(ベル群−A1〜D2)のいずれかであり、かつ、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rが最初に操作(第1停止操作)されたか否かを判断する(ステップSs390)。なお、ステップSs390において判断対象となる第1停止操作は、本遊技中に行われた第1停止操作を対象とし、疑似遊技演出中における第1停止操作は判断対象としないことが望ましい。このように構成することで、疑似遊技中は任意の押し順でストップスイッチを操作してもペナルティが課されることが無くなるため、遊技者による遊技操作に応じた演出の自由度を向上させることができる。そして、当選番号が「18」〜「25」のときに中または右ストップスイッチが最初に操作された(YES)と副制御手段200が判断したときは、次に内部のRAMに格納されているペナルティ値が「0」であるか否かを判断する(ステップSs392)。ペナルティ値が「0」である(YES)と副制御手段200が判断した場合は、さらにその遊技においてベル−01が入賞したか否かを判断する(ステップSs394)。
ステップSs394の判断処理で、ベル−01が入賞した(YES)と副制御手段200が判断したときは、上述したペナルティ値に「7」を加算する(ステップSs396)。これに対してベル−01が入賞しなかった(NO)と判断したときは、上述したペナルティ値に「1」を加算する(ステップSs398)。一方、ステップSs392の判断処理で、ペナルティ値は「0」ではない(NO)と副制御手段200が判断したときは、上述したペナルティ値に「7」を加算する(ステップSs400)。つまり、本実施形態では、既にペナルティを課している状態(ペナルティ値>「0」。以下、「ペナルティ状態」という。)において、再度ペナルティが課される停止操作がなされたときには(ステップSs390,YES)、ベル−01の図柄組合せが停止表示されたか否かに関わらず、すなわち、遊技者に付与される利益の大小に関わらず、ペナルティ値に「7」を加算するようにしている。このように構成することにより、意図的にペナルティ押し順を操作していると思われる遊技者と、間違えてペナルティ押し順を操作してしまったと思われる遊技者に対して、それぞれ相応しいペナルティ処理を実現している。また、上述した390の判断処理で、当選番号が「18」〜「25」のいずれでもないか、または、当選番号が「18」〜「25」のいずれかのときに左ストップスイッチ27Lが最初に操作されたか否かを判断する(ステップSs402)。
当選番号が「18」〜「25」のいずれであり、かつ、左ストップスイッチ27Lが最初に操作された(YES)と副制御手段200が判断したときは、RAMに格納されているペナルティ値から「1」を減算する(ステップSs404)。なお、ステップSs402の判断結果がNOとなった場合、または、ステップSs396、Ss398、Ss400およびSs404の処理によってペナルティ値を増減させた後に、図54に示したペナルティ処理を終了させる。このように、本実施形態のペナルティ処理では、押し順に応じて遊技者に付与される利益(メダルの払出枚数)が変わる場合(当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定された場合)において禁止された押し順でストップスイッチが操作されたときに遊技者に対してペナルティが付与される。これに対して、当選番号「18」〜「25」のいずれかが決定されなかった場合(ステップSs390,NO)は、たとえストップスイッチが変則押しされてもペナルティ値が加算されることはない。なお、本実施形態では、このような場合であっても次に説明するペナルティ音発生処理によって、ペナルティ音だけは発生させるようにしている。
(ペナルティ音発生処理の内容)
次に図55を参照して、各遊技において、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rを最初に操作することを示す押し順報知が行われなかったにも関わらず、そのような操作を行った場合に実行されるペナルティ音発生処理の内容についして説明する。
まず、副制御手段200は、主制御手段100から「中リール停止受付」コマンド(図15参照)を受信したか否かを判断する(ステップSs410)。そして、「中リール停止受付」コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に主制御手段100から「右リール停止受付」コマンド(図15参照)を受信したか否かを判断する(ステップSs412)。そして、「右リール停止受付」コマンドも受信しなかった(NO)と副制御手段200が判断したときは、図55のペナルティ音発生処理を終了する。
これに対して、ステップSs410の判断処理で、「中リール停止受付」コマンドを受信した(YES)と判断した場合、または、ステップSs412の判断処理で、「右リール停止受付」コマンドを受信した(YES)と副制御手段200が判断した場合は、次にそれが疑似遊技演出中に行われたか否かを判断する(ステップSs414)。そして、疑似遊技演出中である(YES)と副制御手段200が判断したときは、そのまま図55のペナルティ音発生処理を終了する。このような処理を行うことで、1回の遊技において、本来ペナルティ音が出力されるべき遊技操作がされてもペナルティ音が出力されない場面と(疑似遊技中)、ペナルティ音が出力される場面(疑似遊技後の本遊技)とが生じる。
一方、疑似遊技演出中ではない(NO)と、副制御手段200が判断したときは、次に上述した各種リール停止受付コマンドは、最初の停止操作時に受信したものであるか否かを判断する(ステップSs416)。ここで、2番目または最後の停止操作時に受信したものである(NO)と副制御手段200が判断したときは、そのまま図55のペナルティ音発生処理を終了する。これに対して、ステップSs416の判断処理で、最初の停止操作である(YES)と判断したときは、演出データ記憶手段212から演出状態に応じたペナルティ音を取得する(ステップSs418)。
ここで、例えば前述した通常中、通常前兆、赤BB準備中および白BB準備中のときに、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rが最初に操作されたときは、演出データ記憶手段212からペナルティ音1を取得する。これに対して、AT中、BB中またはAT中BB前兆のときは、音量のみがペナルティ音1よりも大きいペナルティ音2を取得する。
そして、ステップSs418の処理を行うと、次に副制御手段200は、演出データ記憶手段212からペナルティ音を取得したか否かを判断する(ステップSs420)。ステップSs418の処理によって、ペナルティ音1を取得したと判断しときはペナルティ音1を発生させ(ステップSs424)、ペナルティ音2を取得したと判断しときはペナルティ音2を発生させる(ステップSs422)。そして、ステップSs424またはSs426の処理を終えると、図55に示したペナルティ音発生処理ルーチンを終了する。
図55のペナルティ音発生処理によれば、最初に中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rが操作されるとペナルティ音(警告音)が発生し、遊技者にペナルティが付与される可能性があることを知らせることができる。また、上述したように演出状態に応じて異なるペナルティ音を選択可能とすることにより、例えば、演出状態がAT中、BB中、AT中BB前兆のように、遊技者に有利な状態になっている間は、大音量のBGMを発生しつづけるという演出を行う場合、そうでない演出状態(例えば、通常中、通常前兆、赤BB準備中および白BB準備中)のときよりも、よりも大きな音量のペナルティ音を出力することが可能となり、ペナルティ音が認識される可能性を高くすることができる。
本実施形態に限らず、以下に記載する種々の変形例を加える、又は変形例に変更することができる。
[変形例]
(1)図26の疑似遊技演出開始処理におけるステップS120の処理では、図13および図14に示したリール演出状態が「1」であるときに疑似遊技演出番号の抽選を行っていた。すなわち、図14に示すように、特定の抽選対象が当選したとき(当選番号「3」〜「6」)のストップスイッチの押し順に応じてリール演出状態を移行させた場合、役抽選の結果を示唆する演出や停止表示された図柄組合せと、自分が行ったストップスイッチの押し順とに基づいて現在のリール演出状態が遊技者に悟られてしまう可能性がある。このため、例えばリール演出状態が「1」になっていることが遊技者に悟られてしまうと、疑似遊技演出が発生し得る状態になったことを意味するため、遊技者は、よりリールの動きに集中して疑似遊技演出が行われたか否かを判断し易くなる。また、疑似遊技演出に対する心構えができるため、疑似遊技演出によるリールアクションなどの演出に関する興趣が損なわれてしまう虞もある。
そこで、例えば毎遊技、スタートスイッチ36が操作されたことを契機として疑似遊技演出番号の抽選を行うようにし、さらに、この抽選でいずれかの疑似遊技演出番号が当選したときは、その番号に応じた疑似遊技演出を、当選した遊技で直ちに行っても良いし、当選した遊技の次の遊技で行ってもよい。このようにリール演出状態とは関係なく、いつでも疑似遊技演出が実行され得るようにすることで、遊技者に疑似遊技演出が行われていることを悟られ難くすることができる。
また、このようにした場合は、図55のペナルティ音発生処理におけるステップSs414の処理を省略し、疑似遊技演出中であってもペナルティ音が発生され得る状態にすることで、より本遊技と疑似遊技演出との違いを認識されにくくすることができる。この場合、疑似遊技演出中に中ストップスイッチまたは右ストップスイッチが第1停止操作された(すなわち、変則押しされた)場合はペナルティ音が発生し、疑似遊技演出後に再開された本遊技においてストップスイッチが変則押しされた場合は再度、ペナルティ音が発生することになる。すなわち、1回の遊技中にペナルティ音が二回発生することになる。
また、疑似遊技演出中にもペナルティ音が発生するようにした場合は、疑似遊技演出中に発生するペナルティ音と、本遊技中にさせる発生するペナルティ音とで、音量を異ならせるようにしてもよい。例えば、本遊技中にさせる発生するペナルティ音の音量を、疑似遊技演出中に発生するペナルティ音の音量よりも大きくすることで、遊技者に対する注意喚起度を増加させるようにしてもよい。
ただし、このように構成した場合であっても、図54のペナルティ処理におけるステップSs390において、判断対象となる第1停止操作は本遊技においてなされたものに限ることが望ましい。すなわち、疑似遊技演出中に中ストップスイッチまたは右ストップスイッチが第1停止操作された場合は、ペナルティ音は発生させても、ペナルティ値を増加させないようにすることが望ましい。
(2)本実施形態のサブボーナス遊技は、当選番号「18」〜「25」のいずれかが当選した回数が20回または40回になると終了条件が成立し、ATは50回の遊技が行われると終了条件が成立していた。これに対して、例えばサブボーナス遊技中およびAT中にいわゆる上乗せ抽選を行い、その抽選結果に応じて、上述した終了条件の回数(サブボーナス遊技においては当選回数、ATにおいては遊技回数)を増加させても良い。また増加させる回数は、予め定められた値であってもよいし、抽選によって決定した値であってもよい。
また終了条件は、所定の抽選対象が当選した回数や遊技回数によって定めるもの限らず、サブボーナス遊技中またはAT中に払い出されたメダルの合計枚数や、純増枚数(払い出されたメダルの合計枚数からベットしたメダルの合計枚数を引いた枚数)が所定値になったときに終了条件が成立するようにしてもよい。
(3)図29のリール停止受付チェックにおけるステップS236の判断処理で、減速中フラグがオンになっていたときは、判断結果がNOとなってリールの停止操作が受け付けられない状態になっていたが、減速中フラグのオン/オフ状態がステップS236の判断に影響しないようにしてもよい。また、疑似遊技演出中に限って、減速中フラグがオンのときにステップS236の判断結果がNOになるようにしてもよい。また、疑似遊技演出中は、図29のステップS232の処理を行わず、減速中フラグのオン/オフ状態のみに応じてストップスイッチの操作が受付可能か否かを判断しても良い。
(4)サブボーナス遊技またはATが終了してから所定回数の遊技を行ってもサブボーナス遊技またはATが開始されなかった場合は、強制的にサブボーナス遊技またはATを開始するという、いわゆる天井機能を設けても良い。また、天井機能を設けた場合において、強制的にサブボーナス遊技またはATが開始されるまでの残り遊技回数を計数しているときに、役抽選で特定の当選番号が決定された場合は、上述した残り遊技回数の値を減少させても良い。さらに、図54のペナルティ処理によって加算されるペナルティ値が「1」以上になっている場合は、役抽選で上述した特定の当選番号が決定された場合であっても、上述した残り遊技回数の値を減少させないようにしても良い。
(5)サブボーナス遊技またはATの開始前に、遊技者の期待感を高めるための連続演出(複数回の遊技に亘って行われる一連の演出)を実行する前兆遊技に移行するスロットマシンにおいて、例えば、役抽選で特定の当選番号が決定された場合は、前兆遊技の回数(前兆遊技回数)の値を減少させるようにしても良い。またこの場合、図54のペナルティ処理によって加算されるペナルティ値が「1」以上になっている場合は、役抽選で上述した特定の当選番号が決定された場合であっても、上述した前兆遊技回数の値を減少させないようにしても良い。さらに、前兆遊技に移行する際に、前兆遊技回数を抽選によって決定する場合において、上述したペナルティ値が「1」以上になっているときは、抽選対象になっている前兆遊技回数のうち、最大回数を必ず選択するようにしても良い。
(6)本実施形態では、疑似遊技演出が終了して本遊技を再開する際に、スタートスイッチ36が操作されてから、左、中、右リールの各リールが回転を開始するタイミングをランダムに遅延させるために、図35のタイマ割込処理におけるステップS536で、その遅延時間を決定するための乱数(ランダム遅延決定用乱数)の値を更新(生成)している。ここで、ランダム遅延決定用乱数の生成は、各リールに対応する個別の乱数を生成しても良いし、1つの乱数を生成して、その乱数の値に基づいて各リールの回転開始タイミングがランダムとなる遅延時間を定めても良い。
また、回転開始タイミングのずれを1図柄単位にしてもよい。例えば、1図柄当たり17ステップとなるステッピングモータを用いた場合、基準となるリールに対する遅延量を、17(ステップ)×整数値として、この整数値をランダムに定めるようにする。そして、基準となるリールが17×整数値のステップだけ回動したときに次のリールの回転を開始させる。さらに、疑似遊技演出が終了するときに、例えば「赤セブン−赤セブン−赤セブン」のように演出用の図柄組合せを一旦停止表示した後、いずれか1つまたは2つのリールを自動的に駆動させ、その他リールについては乱数に基づいて決定した遅延量に応じてリールを回転させるようにしてもよい。
(7)本実施形態の疑似遊技演出では、遊技者がストップスイッチを操作すると、そのストップスイッチに対応するリールが停止するようになっていたが、他のスイッチ(精算スイッチ33、ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36など)の操作に応じてリールを停止させてもよい。また、本遊技中は、一度停止操作を受け付けたストップスイッチについては、同じ遊技内で再度操作されてもその操作は無効とされていたが、疑似遊技演出中は、各停止操作毎に全てのストップスイッチを受付可能とし、どのストップスイッチを操作すれば回転中のリールを停止させることができるか、といった遊技性を持たせても良い。
(8)図39におけるステップS680〜S698の処理により、本遊技中のときは4相励磁によってリールを停止させ、疑似遊技演出中のときは2相励磁によってリールを停止させいたが、本遊技中と疑似遊技演出中とで、同じ励磁方法によってリールを停止させても良い。例えば、本遊技中および疑似遊技演出中のいずれの場合も4相励磁によってリールを停止させてもよい。この場合、図39にS686、S688の判定処理を要することなく、本遊技中及び疑似遊技演出中とで同一の処理(S682とS684)により判断することが望ましい。なお、この場合においても、パルス出力カウンタの値(4相励磁パターンの出力時間)は異ならせることが望ましい。
(9)図45の通常中処理におけるステップSs100の処理で行うサブボーナス抽選において、抽選対象に「チャンスゾーン」を追加してもよい。このチャンスゾーンに当選すると、次の遊技から所定遊技回数(すなわちチャンスゾーン)の間に所定の図柄組合せ(条件装置に対応していない図柄組合せでもよい)が停止表示された回数に応じて、チャンスゾーンの終了後に行われるサブボーナス抽選において、「白BB」、「赤BB」、「AT」の当選確率が上昇する。ここで、所定の図柄組合せを「ベル」図柄が一直線状のラインに揃った回数に応じてサブボーナス抽選の当選確率を上昇させる場合、例えば、条件装置「ベル−01」に対応する図柄組合せ(「ベル」図柄が右上がりライン上に揃う)が停止表示された場合のみならず、条件装置「再遊技−03」(「ベル」図柄が入賞ラインL上に揃う)、「再遊技−04」(「ベル」図柄が上段水平ライン上に揃う)、「再遊技−05」(「ベル」図柄が右下がりライン上に揃う)、「再遊技−06」(「ベル」図柄が下段水平ライン上に揃う)の図柄組合せが停止表示された場合もカウントの対象としても良い。この場合、チャンスゾーンの当選時またはチャンスゾーン中に所定の条件が成立すると、チャンスゾーン中に役抽選で再遊技群−B3またはB4が当選したときに、条件装置「再遊技−03」、「再遊技−04」または「再遊技−05」の図柄組合せが停止表示されることとなる押し順を報知するようにしてもよい。さらに、チャンスゾーン中に所定の図柄組合せの停止表示回数が所定回数に達した場合、次の遊技からサブボーナス遊技またはATを開始するようにしても良い。
(10)本実施形態では、サブボーナス抽選およびサブボーナス遊技中またはAT中の押し順報知を副制御手段200において行っていたが、これらの処理を主制御手段100で行っても良い。ここで、主制御手段100によってストップスイッチの押し順を報知する場合、例えば、表示窓22から見える左リール40L,中リール40C,右リール40Rの各位置に対応して、フロントパネル20に押し順指示ランプを設け、これらのランプを報知する押し順に応じて順次点灯させるようにすると良い。例えば、順押しを報知する場合、スタートスイッチ36が操作された直後に、左リール40Lに対応する押し順指示ランプを点灯させる。これにより、左ストップスイッチ40Lが操作された場合は、中リール40Cに対応する押し順指示ランプを点灯させる。これに応じて中ストップスイッチ40Cが操作された場合は、右リール40Rに対応する押し順指示ランプを点灯させる。
(11)本実施形態では、入賞ラインL上に所定の図柄組合せ(「ブランク−白セブンA−白セブンA)が停止表示されると、次の遊技からMB遊技が開始されていたが、MB遊技の代わりにRB遊技または1種BB遊技が開始されるようにしても良い。ここで、RB遊技中は、MB遊技中と異なり、全小役(図4に示した「ベル−01」〜「ベル−21」、「チェリー−01」〜「チェリー−04」、「スイカ−01」〜「スイカ−03」、および、「特殊−01」〜「特殊−02」)についても役抽選の抽選対象となる。ただし、これらの当選確率は、非RT中(非内部中)およびRT(内部中)における当選確率よりと異なっており、当選確率が高く設定される。これに対して、「再遊技−01」〜「再遊技−12」に対応する図柄組合せは、入賞ラインL上に停止表示されないようにされる。なお、RB遊技中は、RB遊技に固有の条件装置(いわゆる「役物」)を作動し得るようにして、条件装置「役物」が作動したときに対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示された場合は、当該図柄組合せに対応する枚数のメダルを払い出すようにしてもよい。このRB遊技は、「ベル−01」〜「ベル−21」、「チェリー−01」〜「チェリー−04」、「スイカ−01」〜「スイカ−03」、および、「特殊−01」〜「特殊−02」(条件装置「役物」を設けた場合は「役物」も含む)のうち、いずれかが当選した回数が所定回数(例えば8回)になると、または、RB遊技が開始されてから所定回数(例えば12回)の遊技が行われると終了する。
また、1種BB遊技中は、RB遊技が開始されることとなる図柄組合せが対応する条件動装置が作動する確率が高くなっており、RB遊技と、RB遊技ではない遊技(1種BB中一般遊技)とを、繰り返し行う。そして、1種BB遊技中に払い出されたメダルの合計枚数が予め定められた値(但し上限枚数(465枚)を超える場合がないように設定された値)になると、1種BB遊技が終了する。また1種BB遊技は、対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃った遊技の次の遊技から、上述した「予め定められた値」のメダル枚数が払い出されるまで、RB遊技と同様の遊技が行われ続けるようにしても良い。
(12)図7の役抽選テーブルに示すように、本実施形態では「設定1」〜「設定6」の各々における「チェリー群−A」、「チェリー群−B」および「スイカ群−A」の当選確率が異なっているが、これに限らず「設定1」〜「設定6」の各々において、サブボーナス抽選における「白BB」、「赤BB」および「AT」の当選確率を異ならせるようにしてもよい。このように構成することで、例えば主制御手段100において1種類の役抽選テーブルしか有していない場合でも、「設定」の値に応じて出玉率を変化させることができる。
(13)図46に示した通常前兆処理において、演出状態が通常前兆になっているときに、赤BBカウンタおよび白BBカウンタの値がともに「0」で、ATセットカウンタの値が「1」以上だったときは、演出状態を直ちにAT中へ移行させていた(ステップSs154→Ss156)。これに対して、サブボーナス遊技と同様に、AT準備中のような演出状態を設けても良い。例えば図48のステップSs156の処理によってAT中へ移行する代わりにAT準備中へ移行し、次の遊技から図47に示す赤BB準備中処理と同様の処理(仮に「AT準備中処理」という。)を行うようにする。ただし、ステップSs186の判断処理において、疑似遊技演出で「赤セブン」図柄が一直線状ラインに揃ったときは、ステップSs188の処理においてATセットカウンタの値から「1」を減算し、ステップSs190の処理において演出状態をAT中に移行させる。
なお、赤BB準備中処理を行うときと、AT準備中処理を行うときとで、各々、ステップSs186の判断処理でYESとなった疑似遊技演出において、第2停止操作が行われたときに2つの「赤セブン」図柄が一直線状ラインL上に停止表示された場合(いわゆるテンパイになった場合)はテンパイ音を発生させる演出を行ってもよい。また、赤BB準備中処理と、AT準備中処理とで発生するテンパイ音を異ならせてもよい。
(14)本実施形態において、役抽選で「再遊技群−A1」が決定されたときに、所定条件が成立していた場合は、遊技者に対して逆押しを指示するとともに「赤セブン」図柄を目押しする旨の報知を行ってもよいことは既に述べた。これにより遊技者が報知に従って逆押しをし、かつ、第1および第2停止操作の双方で目押しが成功した場合(すなわち「赤セブン」図柄がテンパイした場合)は、テンパイ音を発生させるようにしてもよい。ただし、役抽選で「再遊技群−A1」が決定されたときに、遊技者に対して逆押しを指示するとともに「赤セブン」図柄を目押しする旨の報知がされていないにも関わらず、遊技者が逆押しをし、かつ、第1および第2停止操作の双方で目押しが成功した場合は、上述したテンパイ音を発生させないように制御してもよい。
(15)本遊技において全リール停止時に行う演出として、図4に示した図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されたとき(すなわち小役に入賞したとき)に、そのことを示す入賞音を発生させる演出や、所定のパターンでリールのバックランプを点灯または点滅させるバックランプ演出を、副制御手段200が行うようにしてもよい。この場合、例えば、遊技者にベル−01が入賞するための操作順序を報知する遊技においては、ベル−01が入賞したときに対応した入賞音や入賞に伴うバックランプ演出を実行するが、当該操作順序の報知をしていない遊技においては、ベル−01が入賞したときに上述した入賞音や入賞に伴うバックランプ演出を実行しないように制御してもよい。
すなわち、上述した操作順序の報知をしていないにも関わらずベル−01が入賞したということは、ペナルティの対象となる操作を行ったことを意味するため、たとえベル−01が入賞した場合であっても入賞音や入賞に伴うバックランプ演出を実行しないことによって、遊技者に対していわば警告の意味を持たせるためである。このような演出制御は、副制御手段200において、全リール停止後に送信されるコマンド(A4##)等の受信を契機に実行されるが、第3停止時の停止コマンドの受信を契機に実行してもよい。また、ベル−01が入賞したときではなく、特定の再遊技役が入賞したとき(例えば、図5に示した条件装置「再遊技−09」に対応する図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されたとき)に置き換え、特定の再遊技役に対応した演出を実行する場合と、実行しない場合とを制御してもよい。
(16)本実施形態におけるサブボーナス遊技には、ノーマルサブボーナスとスーパーサブボーナスとがあり、いずれのサブボーナス遊技を実行するかは、主制御手段100において決定していた。具体的には、疑似遊技実行フラグの値が「1」であればノーマルサブボーナス、「2」または「3」であればスーパーサブボーナスが実行されることになる(図14(a)参照)。これに対して、いずれのサブボーナス遊技を実行するかを副制御手段200において決定するようにしてもよい。この場合、主制御手段100は、特定の当選番号が決定されたときの押し順によって、副制御手段200で決定されたサブボーナス遊技の種類を判断するようにしてもよい。
例えば、主制御手段100による当選役に基づいて副制御手段200によるサブボーナス抽選を実行し、ノーマルサブボーナス又はスーパーサブボーナスの何れかが決定された場合は、先述した前兆遊技(ここでは前兆遊技回数が「0」〜「32」の中から選択されるものとする。)に移行する。そして、前兆遊技が終了した当該遊技(又は次遊技)でサブボーナス遊技の実行が確定したことを示す「ボーナス確定演出」を出力する。「サブボーナス確定演出」を出力した当該遊技(又は次遊技)の遊技からサブボーナス準備中遊技に移行し、サブボーナス抽選によって当選したサブボーナスに対応した疑似遊技演出が実行されるように副制御手段200は押し順を報知するようにすることができる。以下に、実行が確定されたサブボーナス遊技の種類に応じた具体例(ア)〜(ウ)を示す。
(ア)サブボーナス抽選によりノーマルサブボーナス(先述した「白BB」に基づくボーナス)が当選したとき
ノーマルサブボーナス準備中遊技において、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=0のときに当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、所定の押し順A(図14(a)参照)を報知する。例えば、当選番号「3」が当選したときには、右→左→中(押し順5)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=1をセットすることができる。その状態(リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=1)で、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、疑似遊技実行フラグの値が「1」にセットされる押し順(図14(b)参照)を報知する。例えば、当選番号「4」が当選した遊技では、右→中→左(押し順6)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「1」、遊状態管理カウンタ=20、疑似遊技実行フラグの値を「1」にセットすることができる。換言すると、これらの設定を行った遊技の次遊技に疑似遊技実行フラグの値が「1」に基づく疑似遊技演出抽選テーブル(図9参照)を用いて疑似遊技演出の種類を決定し、決定した疑似遊技演出を実行することができる。
(イ)サブボーナス抽選によりスーパーサブボーナス(先述した「赤BB」に基づくボーナス)が当選したとき
スーパーサブボーナス準備中遊技において、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=0のときに当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、所定の押し順B(図14(a)参照)を報知する。例えば、当選番号「3」が当選したときには、右→中→左(押し順6)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=2をセットすることができる。その状態(リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=2)で、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、疑似遊技実行フラグの値が「3」にセットされる押し順(図14(b)参照)を報知する。例えば、当選番号「4」が当選した遊技では、右→左→中(押し順5)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「1」、遊状態管理カウンタ=40、疑似遊技実行フラグの値を「3」にセットすることができる。換言すると、これらの設定を行った遊技の次遊技に疑似遊技実行フラグの値が「3」に基づく疑似遊技演出抽選テーブル(図9参照)を用いて疑似遊技演出の種類を決定し、決定した疑似遊技演出を実行することができる。
(ウ)サブボーナス抽選によりノーマルサブボーナス(先述した白BBに相当するボーナス)が当選したが、ノーマルサブボーナス準備中遊技によってスーパーサブボーナスに昇格したとき
ノーマルサブボーナス準備中遊技において、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=0のときに当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、所定の押し順A(図14(a)参照)を報知する。例えば、当選番号「3」が当選したときには、右→左→中(押し順5)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「0」、且つ、遊状態管理カウンタ=1をセットすることができる。その状態(リール演出状態「0」、且つ、演出状態管理カウンタ=1)で、当選番号「17」又は当選番号「26」〜「33」の何れかが当選したこと(もしくは、これらの当選番号が当選したときに行われる昇格抽選に当選したこと等も含む)に基づいてスーパーサブボーナスに昇格したとする。その場合、昇格した遊技以降であって、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技では、疑似遊技実行フラグの値が「2」にセットされる押し順(図14(b)参照)を報知する。例えば、当選番号「4」が当選した遊技では、右→左→中(押し順5)の順序での操作を促す報知演出を行う。そして、遊技者が当該報知演出に従った停止操作順序で操作することにより、主制御手段100は、リール演出状態「1」、遊状態管理カウンタ=40、疑似遊技実行フラグの値を「2」にセットすることができる。換言すると、これらの設定を行った遊技の次遊技に疑似遊技実行フラグの値が「2」に基づく疑似遊技演出抽選テーブル(図9参照)を用いて疑似遊技演出の種類を決定し、決定した疑似遊技演出を実行することができる。
なお、上述した(ア)〜(ウ)の変形例は、以下に記す(i)〜(iv)の作用効果を奏することができる。
(i)疑似遊技実行フラグの値をセットするまでの過程の遊技において、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選して上述した押し順が報知され、遊技者が報知演出に従って停止操作を行ったときに、所定の押し順Aで操作された場合であっても再遊技−01又は02が停止表示され、所定の押し順Bで操作された場合あっても再遊技−01又は02が停止表示されるように構成されている。つまり、ノーマルサブボーナス又はスーパーサブボーナスの何れが当選しているかは、疑似遊技演出による図柄組合せが停止表示されるまで遊技者は把握できず、疑似遊技演出の発生に期待感を持って遊技を行うことができる。
(ii)本実施形態のように、40ゲームのサブボーナスが実行される場合であっても、疑似遊技演出において「白セブンA」図柄または「白セブンB」図柄からなる図柄組合せが停止表示される場合もあれば、「赤セブン」図柄からなる図柄組合せが停止表示される場合もあるので、遊技者はどちらのサブボーナス遊技が選択されているかについて、上述したいずれかの図柄組合せが表示されるまで期待感を持って遊技を行うことができる。
(iii)疑似遊技実行フラグの値をセットするまでの過程の遊技において、少なくとも2回の遊技(最小遊技回数は、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選した遊技が2回連続した場合)で第1停止操作が左以外の特定押し順を操作する必要がある。換言すると、本遊技(特に当選番号「18」〜「25」(所謂押し順ベル役)の何れかが当選したときにベル−01が入賞する押し順が報知されない本遊技)においては第1停止操作が左停止操作以外の場合にはペナルティ音を出力するように制御している(図55のステップSs414参照。)ため、本遊技においては意図しない疑似遊技演出が発生しないように制御できる。なお、本遊技中は上述した図55のペナルティ音発生処理とともに、図54に示したペナルティ処理におけるステップS390の判断結果に基づいてペナルティ値を加算する処理も行い、上述した変形例(4)や(5)のペナルティを課す処理を実行することで、本遊技において意図しない疑似遊技演出が発生してしまうようなストップスイッチの操作を、より効果的に抑制することができる。
(iv)疑似遊技実行フラグの値をセットするまでの過程の遊技を、押し順ベル役が当選したときにベル−01が入賞する停止操作押し順が報知されるAT遊技とすることができる。このような構成を付加することにより、当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選するまでの遊技(換言すると、疑似遊技演出が発生するための条件となる当選役が当選するまでの遊技)において、遊技者はメダルを減らすことなく疑似遊技演出が発生する遊技を待つことができる。さらに、このようなAT遊技は押し順ベル役が当選した全ての遊技ではなく、一部の遊技(例:1回報知したら次の遊技は報知しない)で報知するように構成することにより、疑似遊技演出が発生する遊技までにメダルを過剰に遊技者に与えないように制御することができる。この場合、白BB準備中又は赤BB準備中であっても、押し順が報知された遊技においてはペナルティ音を出力せず、押し順が報知されていない遊技においてはペナルティ音を出力するように制御することが望ましい。
なお、本実施形態では「RT」状態のときは役抽選で当選番号「0」(ハズレ)となる場合は無いが、ハズレとなり得るスロットマシンであれば、ハズレとなったときに上述した押し順報知を行ってもよい。また、ストップスイッチの押し順によって遊技者に付与される利益が変化しない役が当選したときに、上述した押し順報知を行っても良い。
また、主制御手段100においては、演出状態管理カウンタの値が「1」ときに、役抽選で当選番号「3」〜「6」のいずれかが当選したときに、所定の押し順(図14(a)参照)が操作されて疑似遊技実行フラグの値を「1」にセットする時には、演出状態管理カウンタの値を「1」に維持する。そして、その後に疑似遊技演出番号「5」または「6」が開始されたことを条件として、演出状態カウンタの値を「20」にセットする。このように構成することで、疑似遊技実行フラグの値が一旦「1」にセットされた後でも、当選番号と押し順に応じて、疑似遊技実行フラグの値を変化させることができる。