以下、遊技機の一種であるスロットマシンについて説明する。この実施形態のスロットマシンは、パチスロとも称される回胴式遊技機である。この明細書において、上、下、左、右、前(表)、後(裏)の各方向は、スロットマシンで遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、四角箱状の本体キャビネット11を備えている。本体キャビネット11は、前面に、図示されていない開口部を備えている。スロットマシン10は、本体キャビネット11の開口部を覆っている前面扉12を備えている。前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持されている。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技演出の1つとして、例えばキャラクタや文字などを模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行できる演出表示装置13を備えている。演出表示装置13は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び有機ELディスプレイなどである。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技に伴う演出(以下、遊技演出と示す)の1つとして、図示されていない発光体を点灯、消灯、及び点滅させる演出(以下、発光演出と示す)を実行できる装飾ランプ14を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技演出の1つとして、例えば効果音や楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行できるスピーカ15を備えている。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、機内部に、リールユニット16を備えている。リールユニット16は、第1リール161と、第2リール162と、第3リール163と、を備えている。なお、図2には、第1リール161と、該第1リール161を動作させるための機構についてのみ図示されている。リール162,163、及びこれらのリールを動作させるための機構については、第1リール161の場合と同様であるため、符号のみが示されている。リール161〜163は、何れも扁平な円筒状の部材である。リール161〜163は、左からこの順番で並んでおり、それぞれ左リール、中リール、及び右リールとも称される回胴(ドラム)である。
リール161〜163は、その外周面に沿って、複数の図柄が配列された図柄列をそれぞれ備えている。図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール161〜163の外側に巻き付けることにより設けられている。この実施形態において、図柄列は、図柄番号00から図柄番号20までの全部で21個の図柄によって構成されている。また、この実施形態の図柄には、複数種類の図柄がある。例えば、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、アラビア数字の「7」を模したセブン図柄、及び「REPLAY」の文字を模したリプレイ図柄などがある。
リール161は、その内周面に、検出片161aを備えている。リール162は、その内周面に、検出片162aを備えている。リール163は、その内周面に、検出片163aを備えている。検出片161a〜163aは、リール161〜163の回転角を検出するために用いられる。リールユニット16は、第1リール161の検出片161aを検出するための第1リールセンサSE1と、第2リール162の検出片162aを検出するための第2リールセンサSE2と、第3リール163の検出片163aを検出するための第3リールセンサSE3と、を備えている。
この実施形態のスロットマシン10において、検出片161aと第1リールセンサSE1とは、図柄番号00の図柄が所定位置(後述する中段停止位置)を通過するタイミングで、第1リールセンサSE1が検出片161aを検出できる位置に設けられている。検出片162aと第2リールセンサSE2とは、図柄番号00の図柄が所定位置(後述する中段停止位置)を通過するタイミングで、第2リールセンサSE2が検出片162aを検出できる位置に設けられている。検出片163aと第3リールセンサSE3とは、図柄番号00の図柄が所定位置(後述する中段停止位置)を通過するタイミングで、第3リールセンサSE3が検出片163aを検出できる位置に設けられている。
リールユニット16は、第1リール161を動作させる第1ステッピングモータM1と、第2リール162を動作させる第2ステッピングモータM2と、第3リール163を動作させる第3ステッピングモータM3と、を備えている。ステッピングモータM1〜M3は、第1相の巻線と、第2相の巻線と、第3相の巻線と、第4相の巻線と、を備えた4相ステッピングモータである。例えば、各相の巻線の数は2つである。
図3に示すように、この実施形態において、ステッピングモータM1〜M3は、1−2相励磁方式によって制御される。ステッピングモータM1〜M3の励磁状態には、第1相の巻線に通電された第1励磁状態と、第1相の巻線及び第2相の巻線に通電された第2励磁状態と、第2相の巻線に通電された第3励磁状態と、第2相の巻線及び第3相の巻線に通電された第4励磁状態と、がある。また、ステッピングモータM1〜M3の励磁状態には、第3相の巻線に通電された第5励磁状態と、第3相の巻線及び第4相の巻線に通電された第6励磁状態と、第4相の巻線に通電された第7励磁状態と、第4相の巻線及び第1相の巻線に通電された第8励磁状態と、がある。このように、この実施形態において、ステッピングモータM1〜M3の励磁状態には、4種類の1相励磁状態と、4種類の2相励磁状態と、がある。
1−2相励磁方式では、第1励磁状態(1相)→第2励磁状態(2相)→第3励磁状態(1相)→第4励磁状態(2相)→第5励磁状態(1相)→第6励磁状態(2相)→第7励磁状態(1相)→第8励磁状態(2相)→第1励磁状態(1相)…のように、各相の巻線への通電状態を切り替えることで、励磁状態がステップごとに順番に遷移する。この実施形態において、ステッピングモータM1〜M3の出力軸は、504ステップで一回転する。即ち、ステッピングモータM1〜M3の1ステップあたりの回転角度(ステップ角)は、0.714°である。また、1図柄あたりのステップ数は、24ステップになる。
このように、この実施形態において、ステッピングモータM1〜M3は、予め定められた順序で8種類の励磁状態を切り替えて制御される。2つの相の巻線が通電されている励磁状態は、1つの相の巻線に通電されている励磁状態に比して、トルクが高くなる。したがって、2相励磁状態は、高トルク励磁状態に相当し、1相励磁状態は、低トルク励磁状態に相当する。したがって、1−2相励磁方式は、低トルク励磁状態(1相励磁状態)と高トルク励磁状態(2相励磁状態)とに交互に遷移させる制御方式である。
また、ステッピングモータM1〜M3の励磁状態には、全ての相の巻線に通電された全励磁状態がある。全励磁状態は、回転中のステッピングモータM1〜M3を停止させるときに用いられる励磁状態である。なお、以下の説明では、全ての相の巻線が通電されていない励磁状態を「非励磁状態」と示す場合がある。
図2に示すように、第1ステッピングモータM1の出力軸は、第1リール161の出力軸と連結されている。第2ステッピングモータM2の出力軸は、第2リール162の出力軸と連結されている。第3ステッピングモータM3の出力軸は、第3リール163の出力軸と連結されている。したがって、リール161〜163は、それぞれに対応して設けられたステッピングモータによって、相互に独立して、縦方向に回動、回転及び停止が可能である。
図1に示すように、スロットマシン10は、前面扉12の前面であって、且つ演出表示装置13の下方に、機内部に配設されたリールユニット16を視認可能とするための略四角形の表示窓12aを備えている。即ち、リールユニット16は、表示窓12aを介して遊技者が視認できるように、機内部に配設されている。
スロットマシン10では、リール161〜163が回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列(複数の図柄)が変動され、これにより遊技としての変動ゲームが行われる。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上方から下方に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。
表示窓12aは、リール161〜163において、周方向に連続している3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール161〜163ごとに、上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置が設定されている。この実施形態のスロットマシン10では、リール161〜163ごとに設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組合せによって、停止された図柄組合せを入賞と判定し得る有効な停止位置の組合せが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組合せを構成する複数の停止位置を結んだラインを単に「有効ラインNL」と示す。この実施形態では、リール161〜163の各中段停止位置によって、有効ラインNL(有効な停止位置の組合せ)が構成されている。有効な停止位置の組合せ以外の組合せは、表示された図柄組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組合せ(所謂、無効ライン)となる。
この明細書では、図柄について単に「停止」と示す場合、図柄が表示窓12a内、即ち上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味している。この明細書では、「導出する」と示す場合、有効ラインNL上に図柄を停止させることにより、有効ラインNL上に図柄組合せを表示することを意味している。この明細書では、「入賞」と示す場合、賞を獲得するために必要な図柄組合せとして予め定められたものが有効ラインNL上に表示されることを意味している。
スロットマシン10では、入賞が発生すると、該入賞した図柄組合せに予め定められた賞が付与される。以下の説明では、有効ラインNL上に表示されることによって賞を獲得できる図柄組合せを「役」と示す場合がある。例えば、スロットマシン10は、賞として、再遊技を定めた再遊技役(リプレイ役)や、遊技媒体としてのメダルの払出しを定めた払出し役などを備えてもよい。例えば、スロットマシン10は、賞として、ボーナスを定めたボーナス役を備えてもよい。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、メダルを投入するためのメダル投入口17を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、1ベットボタン18を備えている。1ベットボタン18は、スロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットの中から予め定めた個数(この実施形態では1枚)のメダルを変動ゲームに賭ける操作が可能な手段である。以下の説明では、遊技媒体を変動ゲームに賭けることを、「ベット」と示す場合がある。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、MAXベットボタン19を備えている。MAXベットボタン19は、クレジットの中から、1回の変動ゲームに賭けることができる最大の賭数(この実施形態では3枚)迄のメダルを変動ゲームに賭ける操作が可能な手段である。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、精算ボタン20を備えている。精算ボタン20は、ベットされたメダルや、クレジットを払い戻す操作が可能な手段である。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、スタートレバー21を備えている。スタートレバー21は、リール161〜163の回転を開始させる操作が可能な手段である。以下の説明では、変動ゲームを開始させる契機となる操作を単に「開始操作」と示す場合がある。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第1ストップボタン221を備えている。第1ストップボタン221は、第1リール161と対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第1リール161の回転を停止させる操作が可能な手段である。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第2ストップボタン222を備えている。第2ストップボタン222は、第2リール162と対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第2リール162の回転を停止させる操作が可能な手段である。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第3ストップボタン223を備えている。第3ストップボタン223は、第3リール163と対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第3リール163の回転を停止させる操作が可能な手段である。ストップボタン221〜223は、左からこの順番で並んでおり、それぞれ左ストップボタン、中ストップボタン、及び右ストップボタンとも称される。以下の説明では、ストップボタン221〜223を纏めてストップボタン22と示す場合がある。また、以下の説明では、リール161〜163を停止させる契機となる操作を単に「停止操作」と示す場合がある。
ストップボタン221〜223は、複数の図柄列と各別に対応しており、変動ゲームにおいて、対応している図柄列の変動を停止させる操作が可能な複数の手段となる。以下の説明では、変動ゲームが開始されたのちに、リール161〜163(ストップボタン221〜223)のうち最初の停止操作を第1停止操作と示し、2番目の停止操作を第2停止操作と示し、3番目の停止操作を第3停止操作と示す。
スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、メダル払出し口23を備えている。スロットマシン10は、メダル払出し口23から払い出されたメダルを受ける受皿24を備えている。スロットマシン10は、機内部に、図示しないメダルセレクタを備えている。メダルセレクタは、メダル投入口17から投入されたメダルを検出するメダルセンサSE4を備えている(図4に示す)。スロットマシン10は、機内部に、メダル払出し口23からメダルを払出す動作が可能なホッパーユニット25を備えている(図4に示す)。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、予め定めた情報を表示できる情報パネル30を備えている。例えば、情報パネル30において表示する情報には、再遊技か否か、クレジットの残数、変動ゲームにおける賭数、及びメダルの払出し枚数などがある。
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図4に示すように、スロットマシン10は、機内部に、主制御基板40を備えている。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて情報としての制御信号(制御コマンド)を出力する。スロットマシン10は、機内部に、副制御基板41を備えている。副制御基板41は、主制御基板40から入力する制御信号に基づいて、各種の処理を行う。即ち、副制御基板41は、演出表示装置13による表示演出、装飾ランプ14による発光演出、及びスピーカ15による音声演出を制御する。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、主制御用CPU40aと、主制御用ROM40bと、主制御用RAM40cと、を備えている。主制御用CPU40aは、主制御用プログラムに基づいて、各種の処理を実行する。
主制御用ROM40bは、主制御用プログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。このような抽選テーブルには、複数ある当選番号の中から当選番号を決定するための内部抽選(以下、当選番号抽選と示す)に用いられる当選番号抽選テーブルがある。当選番号は、変動ゲームにおいて導出を可能とする役(図柄組合せ)として、1つ又は複数の役が定められた制御情報である。即ち、当選番号は、変動ゲームにおいて入賞を可能とする役として、1つ又は複数の役が定められた条件装置識別子(ID)である。当選番号抽選テーブルには、決定可能とする当選番号に対して、当選番号の抽選に用いられる乱数(以下、当選番号乱数と示す)の値が、該乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。
主制御用RAM40cは、上述したクレジットなどのように、スロットマシン10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御用RAM40cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。なお、以下の説明では、主制御用RAM40cにフラグを記憶させることを「フラグをONする」と示し、フラグをクリアすることを「フラグをOFFする」と示す場合がある。
主制御基板40は、センサSE1〜SE4と接続されている。主制御用CPU40aは、センサSE1〜SE3が検出片を検出したときに出力する検出信号、及びメダルセンサSE4がメダルを検出したときに出力する検出信号を入力可能に構成されている。主制御基板40は、ステッピングモータM1〜M3と接続されている。主制御用CPU40aは、ステッピングモータM1〜M3に対する制御信号(パルス信号)の出力態様、即ち第1相から第4相の巻線に対する通電状態を制御することにより、ステッピングモータM1〜M3の動作を各別に制御可能に構成されている。
主制御基板40は、1ベットボタン18、MAXベットボタン19、精算ボタン20、スタートレバー21、及びストップボタン22(221〜223)と接続されている。主制御用CPU40aは、1ベットボタン18、MAXベットボタン19、精算ボタン20、スタートレバー21、及びストップボタン22(221〜223)が操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御基板40は、情報パネル30と接続されている。主制御用CPU40aは、情報パネル30の表示内容を制御可能に構成されている。
主制御基板40は、所定の抽選処理に用いる乱数を生成可能に構成されている。乱数は、例えばクロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成してもよい。これに加えて又は代えて、乱数は、例えば主制御用CPU40aが割り込み周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成してもよい。
次に、副制御基板41について詳しく説明する。
副制御基板41は、副制御用CPU41aと、副制御用ROM41bと、副制御用RAM41cと、を備えている。副制御用CPU41aは、副制御用プログラムに基づいて、演出に関する処理を実行する。副制御用ROM41bは、副制御用プログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。副制御用ROM41bは、演出表示装置13における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出パターンや、表示演出の実行に用いる表示演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、スピーカ15における音声演出の態様(内容)を特定可能な音声演出パターンや、音声演出の実行に用いる音声演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、装飾ランプ14における発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出パターンや、発光演出の実行に用いる発光演出データを記憶している。また、副制御用RAM41cは、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御用RAM41cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
副制御基板41は、演出表示装置13と接続されている。副制御用CPU41aは、演出表示装置13の表示態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、装飾ランプ14と接続されている。副制御用CPU41aは、装飾ランプ14の点灯態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、スピーカ15と接続されている。副制御用CPU41aは、スピーカ15の出力態様を制御可能に構成されている。
この実施形態において、演出表示装置13、装飾ランプ14、及びスピーカ15は、1つ又は複数の演出装置を含んで構成されている演出実行手段として把握できる。そして、副制御基板41は、演出実行手段を制御する演出制御手段として把握することもできる。副制御基板41は、主制御基板40と同様に、所定の抽選処理に用いる乱数を、ハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成可能に構成されている。
次に、主制御基板40の主制御用CPU40aが実行する処理について説明する。主制御用CPU40aは、処理の1つとして、次のような遊技進行メイン処理を行う。
図5に示すように、主制御用CPU40aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU40aは、スロットマシン10の遊技状態に関する情報や、リールユニット16を用いた演出に関する情報の記憶を行ったり、主制御用RAM40cにおける所定の記憶領域の初期化などを行ったりする。次に、主制御用CPU40aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。次に、主制御用CPU40aは、スロットマシン10の遊技状態をチェックする(ステップS103)。
次に、主制御用CPU40aは、再遊技作動時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU40aは、再遊技作動時ではない場合(ステップS104:NO)、今回の変動ゲームにおける賭数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、メダルセンサSE4からメダルの検出信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている賭数に1加算する。ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、1ベットボタン18から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている賭数に予め定めた賭数(この実施形態では1)を加算するとともに、該加算分だけ、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットを減算する。ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、MAXベットボタン19から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されている賭数に、最大の賭数となるように加算するとともに、該加算分だけ、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットを減算する。
主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、今回の変動ゲームにおける賭数が、変動ゲームを開始可能とする規定賭数と一致するか否かを判定する(ステップS106)。例えば、規定賭数は、変動ゲームに賭けることができる最大の賭数に等しい賭数である。主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、前回の変動ゲームにおける賭数を、今回の変動ゲームにおける賭数として主制御用RAM40cに再び設定する。
今回の変動ゲームにおける賭数が規定賭数と一致しない場合(ステップS106:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理に移行する。即ち、ステップS106の処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームが開始可能な状態となったか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおける賭数が規定賭数と一致する場合(ステップS106:YES)、主制御用CPU40aは、スタートレバー21による開始操作を受付けたか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御用CPU40aは、スタートレバー21から操作信号を入力している場合には肯定判定する一方で、スタートレバー21から操作信号を入力していない場合には否定判定する。開始操作を受付けていない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理へ移行する。
一方、開始操作を受付けた場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU40aは、上述した内部抽選として、当選番号を決定するための当選番号抽選処理を行う(ステップS108)。ステップS108の処理において、主制御用CPU40aは、主制御基板40内において生成している当選番号乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU40aは、取得した当選番号乱数の値をもとに、当選番号抽選テーブルを参照することによって、取得した当選番号乱数の値が振り分けられている当選番号を決定する。上述のように、この実施形態において、当選番号には、変動ゲームにおいて入賞を可能とする役が定められている。したがって、ステップS108の処理(当選番号抽選処理)は、変動ゲームにおいて入賞を可能とする役を決定するための役抽選となる。
ステップS108の処理(当選番号抽選処理)を終了すると、主制御用CPU40aは、コマンド送信処理を行う(ステップS109)。ステップS109の処理において、主制御用CPU40aは、ステップS108の処理で決定した当選番号、及び変動ゲームが開始されたことを特定可能なコマンドを生成するとともに、送信バッファに格納する。この実施形態のスロットマシン10において、送信バッファに格納されたコマンドは、割り込み周期毎に行われる送信処理によって副制御基板41へ送信される。
次に、主制御用CPU40aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップS110)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS110:NO)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS110:YES)、主制御用CPU40aは、停止中のリール161〜163の回転を開始させるとともに、予め定めた角速度(回転速度)まで加速させるための処理を行う(ステップS111)。ステップS111の処理において、主制御用CPU40aは、割り込み周期毎に行うリール加速処理を開始させる。この実施形態において、割り込み周期は、1.4891(ms)である。この実施形態において、リール加速処理は、リール161〜163の角速度を予め定めた角速度まで加速させる加速処理に相当する。このリール加速処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU40aは、リール161〜163の角速度(回転速度)が定速に達したか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112の処理において、主制御用CPU40aは、割り込み周期毎に行うリール維持処理へ移行したことを特定可能な情報として、定速中フラグが主制御用RAM40cに記憶されているか否かを判定する。この実施形態において、リール維持処理は、リール加速処理によって加速されたリール161〜163の角速度を予め定めた角速度に維持する維持処理に相当する。ステップS112の処理において、主制御用CPU40aは、定速中フラグが記憶されている場合には肯定判定する一方で、定速中フラグが記憶されていない場合には否定判定する。リール161〜163の角速度が定速に到達していない場合(ステップS112:NO)、主制御用CPU40aは、リール161〜163の角速度が予め定めた角速度で一定となるまで待機する。この実施形態において、予め定めた角速度は、約8.378(rad/s)であり、これは回転速度としては80(rpm)である。
リール161〜163の角速度が定速に到達している場合(ステップS112:YES)、主制御用CPU40aは、ストップボタン221〜223の何れかによる停止操作を受付けたか否かを判定する(ステップS113)。ステップS113の処理において、主制御用CPU40aは、ストップボタン221〜223の何れかから操作信号を入力している場合には肯定判定する一方で、ストップボタン221〜223の何れからも操作信号を入力していない場合には否定判定する。停止操作を受付けていない場合(ステップS113:NO)、主制御用CPU40aは、停止操作を受付けるまで待機する。
その一方で、停止操作を受付けた場合(ステップS113:YES)、主制御用CPU40aは、操作信号を入力したストップボタンに対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS114)。即ち、主制御用CPU40aは、停止操作の受付けを契機としてステッピングモータを全励磁状態に制御し、受付けた停止操作に対応するリールの回転を停止させる。なお、この実施形態のリール停止処理は、所定の割り込み周期毎に行う割り込み処理として実行される。
詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、ステップS108の処理(当選番号抽選処理)で決定した当選番号、及びストップボタンの操作態様(押し順及び押し位置)に基づいて、予め定められた引込み範囲(例えば4図柄)内に位置する図柄の中から有効ラインNL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主制御用CPU40aは、検索された図柄が有効ラインNL上に停止されるようにステッピングモータを制御する。主制御用CPU40aは、リール161〜163の停止操作に関してこのようなリール停止制御を行うことにより、当選番号とストップボタンの操作態様とに応じた図柄組合せを有効ラインNL上に停止させる。
次に、主制御用CPU40aは、リール161〜163の全てを停止させたか否かを判定する(ステップS115)。リール161〜163のうち1つ以上のリールを停止させていない場合(ステップS115:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS112の処理へ移行する。その一方で、リール161〜163の全てを停止させている場合(ステップS115:YES)、有効ラインNL上に停止されている図柄組合せを判定する図柄判定処理を行う(ステップS116)。ステップS116の処理において、主制御用CPU40aは、有効ラインNL上に賞を定めた図柄組合せ(役)が停止されているか、及び有効ラインNL上に賞を定めた図柄組合せ(役)が停止されている場合にその図柄組合せの種類を判定する。
次に、主制御用CPU40aは、メダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117の処理において、主制御用CPU40aは、払出し役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出し役に入賞していない場合には否定判定する。メダルの払出しを行う場合(ステップS117:YES)、主制御用CPU40aは、ホッパーユニット25を駆動してメダルを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップS118)。
主制御用CPU40aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップS117:NO)、及びステップS118の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS119)。ステップS119の処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームの終了を指示する変動ゲーム終了コマンドを生成するとともに、送信バッファに格納する。変動ゲーム終了コマンドは、入賞の有無や、入賞した役についても特定可能である。また、主制御用CPU40aは、入賞した役に基づいて、遊技状態を移行させる処理を行う。そして、主制御用CPU40aは、終了処理を終了すると、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行メイン処理を終了し、再びステップS101の処理へ戻る。
次に、割り込み周期毎に行われる割り込み処理のうち、リール加速処理とリール維持処理とについて説明する。
最初に、リール加速処理について説明する。なお、リール加速処理は、リール161〜163ごとに独立して、且つ並行して実行されるが、その制御内容は同一であるため、第1リール161についてのみ詳しく説明し、その他のリール162,163についての説明を省略する。
図6に示すように、主制御用CPU40aは、リール161が停止中であるか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理において、主制御用CPU40aは、リール161が停止中であることを特定可能な情報として、停止中フラグが主制御用RAM40cに記憶されているか否かを判定する。ステップS201の処理において、主制御用CPU40aは、停止中フラグが記憶されている場合には肯定判定する一方で、停止中フラグが記憶されていない場合には否定判定する。リール161が停止中である場合(ステップS201:YES)、主制御用CPU40aは、リール161の角速度(回転速度)を加速中であることを特定可能な情報として、加速中フラグを主制御用RAM40cに記憶させる(ステップS202)。
次に、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている割り込みカウンタC1に「割り込み回数=1」をセットする(ステップS203)。割り込みカウンタC1は、現在の励磁状態(ステップ)を維持する割り込み回数を特定するための情報となる。次に、主制御用CPU40aは、第1ステッピングモータM1への通電状態を制御することにより、第1ステッピングモータM1を第1励磁状態に制御する(ステップS204)。
リール161が停止中ではない場合(ステップS201:NO)、又はステップS204の処理が終了した場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている割り込みカウンタC1に示される割り込み回数を1減算して更新する(ステップS205)。この実施形態において、主制御用CPU40aは、割り込み周期(この実施形態では1.4981(ms))毎に割り込みカウンタC1に示される割り込み回数を1減算することから、割り込みカウンタC1は、実質的に、現在の励磁状態(ステップ)を維持する期間Tを計時するタイマとして機能する。
次に、主制御用CPU40aは、割り込みカウンタC1に示される割り込み回数がゼロか否かを判定する(ステップS206)。即ち、ステップS206の処理において、主制御用CPU40aは、現在の励磁状態(ステップ)を維持する期間Tが終了したか否かを判定している。割り込みカウンタC1に示される割り込み回数がゼロではない場合(ステップS206:NO)、主制御用CPU40aは、リール加速処理を終了する。
その一方で、割り込みカウンタC1に示される割り込み回数がゼロである場合(ステップS206:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているステップカウンタC2に示されるステップ数を1加算して更新する(ステップS207)。ステップカウンタC2は、リール加速処理が開始されてから行われたステップ数を示す情報である。
次に、主制御用CPU40aは、ステップカウンタC2に示されるステップ数が、予め定めた移行ステップ数であるか否か判定する(ステップS208)。この実施形態において、リール加速処理は、予め試験やシミュレーション等によって、第1リール161の角速度(回転速度)が、移行ステップ数で予め定めた角速度(回転速度)に到達するように設計されている。即ち、ステップS208の処理において、主制御用CPU40aは、リール加速処理を開始してからのステップ数が予め定めた移行ステップ数に達したか否かを判定することにより、第1リール161の角速度が予め定めた角速度に達したか否かを判定している。移行ステップ数は、例えば19ステップである。
ステップカウンタC2に示されるステップ数が移行ステップ数に達している場合(ステップS208:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている加速中フラグをクリアするとともに、定速中フラグを記憶させる(ステップS209)。詳しくは後述するが、定速中フラグがONされると、主制御用CPU40aは、リール加速処理によって加速された第1リール161の角速度を、予め定めた角速度に維持するリール維持処理を行うようになっている。その後、主制御用CPU40aは、リール加速処理を終了する。
ステップカウンタC2に示されるステップ数が移行ステップ数に達していない場合(ステップS208:NO)、主制御用CPU40aは、ステップカウンタC2に示されるステップ数をもとに、主制御用ROM40bに記憶されている割り込み回数テーブルを参照し、現在のステップ数に対応する割り込み回数を取得する(ステップS210)。そして、主制御用CPU40aは、取得した割り込み回数を、主制御用RAM40cに記憶されている割り込みカウンタC1に設定する。
図7〜図9に例示されるように、割り込み回数テーブルには、ステップカウンタC2に示されるステップ数をもとに、割り込み回数が検索可能となるように対応付けられている。次に、主制御用CPU40aは、第1ステッピングモータM1の励磁状態が次の励磁状態に更新されるように、第1ステッピングモータM1の通電状態を制御する(ステップS211)。その後、主制御用CPU40aは、リール加速処理を終了する。
次に、リール維持処理について説明する。なお、リール維持処理は、リール161〜163ごとに独立して、且つ並行して実行されるが、その制御内容は同一であるため、第1リール161についてのみ詳しく説明し、その他のリール162,163についての説明を省略する。
リール維持処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに定速中フラグが記憶されているか否かを判定する。定速中フラグが記憶されていない場合、主制御用CPU40aは、リール維持処理を終了する。その一方で、定速中フラグが記憶されている場合、主制御用CPU40aは、割り込み周期ごとに、第1ステッピングモータM1の励磁状態が次の励磁状態に更新されるように、第1ステッピングモータM1の通電状態を制御する。これにより、リール維持処理では、割り込み周期ごとに、第1ステッピングモータM1のステップが、次のステップに移行される。リール維持処理は、第1リール161についての停止操作(リール停止処理)が行われる迄の間、継続して実行される。
以上のように、この実施形態のスロットマシン10では、主制御用CPU40aがリール加速処理、リール維持処理、及びリール停止処理を実行することにより、ステッピングモータM1〜M3の励磁状態を制御することによってリール161〜163の動作を制御する制御手段が実現されている。
次に、図7〜図9を参照して、リール加速処理における第1ステッピングモータM1の具体的な制御例(制御パターン)について説明する。図7〜図9において、第1相から第4相の欄に示す「○」は、その相の巻線が通電されており、励磁状態に制御されていることを示している。なお、ステッピングモータM2,M3についても同様であるので、その説明を省略する。
図7に示すように、第1制御例は、1ステップ目から18ステップ目までの全18ステップで構成されている。第1制御例では、ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回である。また、ステップ数=2の場合の割り込み回数は45回であり、ステップ数=4の場合の割り込み回数は6回であり、ステップ数=6,8,10の場合の割り込み回数は3回であり、ステップ数=12,14,16,18の場合の割り込み回数は2回である。そして、第1制御例では、18ステップでリール加速処理が完了し、19ステップ目からリール維持処理が開始されるようになっている。即ち、第1制御例において、移行ステップ数は、19ステップである。
図8に示すように、第2制御例は、1ステップ目から22ステップ目までの全22ステップで構成されている。第2制御例では、ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回である。また、ステップ数=2の場合の割り込み回数は40回であり、ステップ数=4の場合の割り込み回数は8回であり、ステップ数=6の場合の割り込み回数は4回である。ステップ数=8,10,12,14の場合の割り込み回数は3回であり、ステップ数=16,18,20,22の場合の割り込み回数は2回である。そして、第2制御例では、22ステップでリール加速処理が完了し、23ステップ目からリール維持処理が開始されるようになっている。即ち、第2制御例において、移行ステップ数は、23ステップである。
図9に示すように、第3制御例では、1ステップ目から26ステップ目までの全26ステップで構成されている。第3制御例では、ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回である。また、ステップ数=2の場合の割り込み回数は40回であり、ステップ数=4の場合の割り込み回数は8回であり、ステップ数=6の場合の割り込み回数は4回である。ステップ数=8,10,12,14,16,18の場合の割り込み回数は3回であり、ステップ数=20,22,24,26の場合の割り込み回数は2回である。そして、第3制御例では、26ステップでリール加速処理が完了し、27ステップ目からリール維持処理が開始されるようになっている。即ち、第3制御例において、移行ステップ数は、27ステップである。
第1制御例〜第3制御例では、リール加速処理を開始してからリール維持処理へ移行する迄の間に、脱調の発生が確認されなかった。ここで「脱調」とは、主制御基板40から出力する制御信号(パルス信号)の出力周期と、ステッピングモータM1〜M3の角速度(回転速度)と、の同期がとれなくなった状態をいう。したがって、第1制御例〜第3制御例では、リール加速処理が開始されてからのステップ数が移行ステップ数に達することで、リール161〜163の角速度が予め定めた角速度に到達することになる。
また、第1制御例では、第2制御例及び第3制御例に比して、予め定めた角速度(回転速度)に到達してからの速度にバラつきが少なかった。即ち、第1制御例では、第2制御例及び第3制御例に比して、リール161〜163の揺れ(振動)が少ない結果となった。以上のことから、第1制御例(77割り込み)、第2制御例(83割り込み)、及び第3制御例(91割り込み)の順番で、予め定めた角速度(回転速度)に到達する時間が短くなる。即ち、より短時間で且つ安定してリール161〜163を予め定めた角速度まで加速させることができる。
図7〜図9に示すように、リール加速処理において、第1ステッピングモータM1の励磁状態は、1ステップ目から移行ステップ数に到達するまで、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移される。また、リール維持処理において、第1ステッピングモータM1の励磁状態は、リール停止処理が開始される迄の間、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移される。
そして、2相励磁状態にある期間をTaとし、1相励磁状態にある期間をTbとしたときに、Tb/Taの計算式で算出される比率rは、次のようになる。
第1制御例における比率rは、「1/45」→「1/6」→「1/3」→「1/2」のように、初期値「1/45」から最終値「1/2」まで段階的に変化(この実施形態では増加)される。第2制御例及び第3制御例における比率rは、「1/40」→「1/8」→「1/4」→「1/3」→「1/2」のように、初期値「1/40」から最終値「1/2」まで段階的に変化(この実施形態では増加)される。
したがって、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理における比率rは、初期値から最終値まで、段階的に増加させることが好ましい。また、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理における比率rの初期値は、例えば1/45以上1/2以下であり、1/45以上1/40未満がより好ましく、1/45がさらに好ましい。
また、第1制御例において、比率r=1/45,1/6で制御されるステップ数は2ステップであり、比率r=1/3で制御されるステップ数は6ステップであり、比率r=1/2で制御されるステップ数は8ステップである。これに対して、第2制御例において、比率r=1/40,1/8,1/4で制御されるステップ数は2ステップであり、比率r=1/3,1/2で制御されるステップ数は8ステップである。第3制御例において、比率r=1/40,1/8,1/4で制御されるステップ数は2ステップであり、比率r=1/3で制御されるステップ数は12ステップであり、比率r=1/2で制御されるステップ数は8ステップである。
したがって、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、同一の比率rで制御するステップ数は、段階的に増加されることが好ましい。ここで「ステップ数が段階的に増加される」とは、リール加速処理において、同一の比率rで制御するステップ数が減少しないことを意図しており、途中で同じステップ数で制御される比率rがあることを除外しない意図である。
また、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、比率rが初期値から最終値に至る迄の間における比率rの切替回数は、例えばN回(但しNは3以下の自然数)であることが好ましく、3回であることがより好ましい。
また、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、累計の割り込み回数は、例えば91回以下が好ましく、83回以下がより好ましく、79回以下がさらに好ましい。第1制御例においては、18ステップに要する割り込み回数は、77回である。即ち、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、該処理の完了迄に要する割り込み回数は、第1制御例のように、79回以下が好ましく、特に77回が好ましい。このように、第1制御例において、リール161〜163の角速度(回転速度)は、79割り込み以内の時間で予め定めた角速度(回転速度)に到達する。
また、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、該処理の完了迄に要する時間は、例えば135.5081(ms)以下が好ましく、123.5953(ms)以下がより好ましく、117.6389(ms)以下がさらに好ましい。第1制御例においては、18ステップ(77割り込み)に要する時間は、114.6607msである。即ち、リール161〜163を短時間で加速させるために、リール加速処理において、該処理の完了迄に要する時間は、第1制御例のように、119(ms)以下が好ましく、特に114.6607(ms)が好ましい。このように、第1制御例において、リール161〜163の角速度(回転速度)は、119ms以内の時間で予め定めた角速度(回転速度)に到達する。
また、第1制御例〜第3制御例において、リール加速処理が開始されるとき(即ち1ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態であり、リール加速処理からリール維持処理へ移行されるとき(即ち移行ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態とは異なる励磁状態である。即ち、リール加速処理からリール維持処理へ移行されるときの励磁状態は、リール加速処理が開始されたときの励磁状態とは異なる励磁状態である。
異なる観点によれば、第1制御例〜第3制御例において、リール加速処理が開始されてからリール維持処理へ移行される迄の累積ステップ数は、8の倍数とは異なるステップ数である。また、特に第1制御例及び第2制御例においては、リール加速処理が開始されてからリール維持処理へ移行される迄の累積ステップ数は、24ステップ未満(23ステップ以下)のステップ数である。前述のように、この実施形態において、リール161〜163が1図柄分だけ回転するのに要するステップ数は、24ステップである。したがって、リール161〜163の角速度(回転速度)は、1図柄の移動に相当する回転角(約17.1429°)だけリール161〜163が回転する迄には、予め定めた角速度(回転速度)に到達する。
この実施形態のスロットマシン10は、次のような効果を有する。
(1)リール加速処理における比率rの初期値は、1/45以上1/2以下である。これにより、リール161〜163の角速度(回転速度)を予め定めた角速度(回転速度)へ迅速に到達させることによって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)リール加速処理において、同じ比率rで制御されるステップ数は段階的に増加され、減少することがないため、リール161〜163を滑らかに加速させることができる。そして、リール161〜163の角速度(回転速度)を予め定めた角速度(回転速度)へ迅速に到達させることによって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(3)リール加速処理において、比率rの切替回数はN回(但しNは3以下の自然数)であるため、滑らかに加速させることができる。そして、リール161〜163の角速度(回転速度)を予め定めた角速度(回転速度)へ迅速に到達させることによって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(4)特に、リール加速処理において、比率rの切替回数は3回であるため、さらに滑らかに加速させることができる。
(5)リール加速処理が開始されたときの励磁状態となる前から、リール維持処理へ移行されることから、リール161〜163を滑らか(スムーズ)に定速状態へ移行させることができる。したがって、リール161〜163の角速度を予め定めた角速度へ迅速に到達させることによって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(6)ステッピングモータM1〜M3の制御方式は、予め定められた順序で8種類の励磁状態に切り替えて制御する1−2相励磁方式であることから、ステッピングモータM1〜M3を精度よく制御することができる。
(7)リール加速処理が開始されてからリール維持処理へ移行される迄の累積ステップ数は8の倍数とは異なるステップ数であることから、ステッピングモータM1〜M3の出力軸が1回転するタイミングとは異なるタイミングでリール維持処理へ移行する。なお、前述のように、ステッピングモータM1〜M3は、8種類の励磁状態を切り替えて制御される。このため、よりスムーズに、リール161〜163の角速度を予め定めた角速度へ到達させることができる。
(8)リール加速処理が開始されてからリール維持処理へ移行される迄の累積ステップ数は24ステップ未満のステップ数である。したがって、リール161〜163が1図柄分だけ回転する迄に、リール161〜163が予め定めた角速度に到達する。したがって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
上述した実施形態は、例えば次のような別の実施形態に変更してもよい。
・主制御用CPU40aの割り込み周期は、1.4891(ms)とは異なる周期に変更してもよい。この場合、図7〜図9に示すステップ数ごとの割り込み回数は、割り込み周期に応じて変更する。
・リール加速処理は、変動ゲームの開始時とは異なるタイミングで行ってもよい。例えば、遊技の進行を停滞させて行うフリーズ演出において、仮停止させたリール161〜163を再回転(再始動)させる場合に行ってもよい。このような再回転(再始動)は、1回の遊技において1回行うことに限定されず、例えば複数回行われてもよい。
・スロットマシン10は、決定した当選番号に定められた役を入賞させるために必要なストップボタン22の操作態様(押し順や押し位置)を報知する演出状態(所謂、アシストタイム)を実行可能に構成してもよい。この遊技者にとって有利な演出状態には、操作態様の報知態様が同一又は異なる複数の演出状態があってもよい。
・スロットマシン10は、再遊技役を定めた当選番号に当選し易くなる再遊技高確率状態(所謂、リプレイタイム)を、遊技状態の1つとして実行可能に構成してもよい。この再遊技高確率状態には、当選番号の当選確率が同一又は異なる複数の再遊技高確率状態があってもよい。
・スロットマシン10は、主制御基板40の機能と副制御基板41の機能とを統合した単一の制御基板を備えていてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御用CPU40aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・副制御基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、スロットマシン10は、演出表示装置13を専門に制御する表示基板、スピーカ15を専門に制御する音声基板、及び装飾ランプ14を専門に制御するランプ基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御用CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・スロットマシン10は、メダルとは異なる遊技媒体を用いる遊技機であってもよい。例えば、遊技媒体として、遊技球が用いられてもよい。
次に示す技術的思想は、上述した実施形態から把握することができる。
(イ)前記加速処理において、前記比率rの初期値は、1/45以上1/2以下であることが好ましい。
(ロ)前記加速処理において、前記回胴の角速度は、119ms以内の時間で前記予め定めた角速度に到達することが好ましい。
(ハ)前記制御手段は、前記加速処理を割り込み処理として行うようになっており、前記加速処理において、前記回胴の角速度は、79割り込み以内の時間で前記予め定めた角速度に到達することが好ましい。
(ニ)前記ステッピングモータは、4相ステッピングモータであり、前記制御手段は、前記ステッピングモータを1−2相励磁方式で制御するようになっており、前記制御手段が行う処理には、前記加速処理によって加速された前記回胴の角速度を前記予め定めた角速度に維持する維持処理があり、前記加速処理から前記維持処理へ移行されるときの励磁状態は、前記加速処理が開始されたときの励磁状態とは異なる励磁状態であることが好ましい。
(ホ)前記4相ステッピングモータの励磁状態には、前記低トルク励磁状態としての4種類の1相励磁状態と、前記高トルク励磁状態としての4種類の2相励磁状態と、からなる8種類の励磁状態があり、前記制御手段は、前記1相励磁状態と前記2相励磁状態とに交互に遷移するように、予め定められた順序で前記8種類の励磁状態に切り替えて制御することが好ましい。