JP6355649B2 - 比例弁 - Google Patents
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Description
本発明は弁(バルブ)の分野に関し、特に比例弁に関する。
比例弁は、連続的な範囲の流量を出力する可変流れ弁である。比例弁では、バルブ開き量は関連するバルブ駆動ソレノイド内のソレノイド電流に比例する。その結果、比例弁は、ゼロからバルブの最大流れまでの範囲の、規制された流体流れを提供することができる。
図1は、従来技術の比例弁を示す。従来技術の比例弁にて、移動可能なソレノイドの電機子は弁座に接して閉鎖する。ポペットは弁座から離れて弁を開き、流れを許す。ポペットは最大の開き変位までの任意の距離だけ弁座から移動される。
しかし、バルブ電機子が少量でも開いている場合のように、流体が流れている場合、流体の静圧及び/又は動圧がまた、バルブ電機子に作用する。小さなマッハ数の流れについては、ベルヌーイの圧縮可能な流れのための方程式が、従来技術の弁の流体の静圧を決定するために使用され得る。
ベルヌーイの方程式は以下の構成である。
v2/2+Ψ+P/ρ=定数
バルブ電機子が開き方向に移動し、オリフィスA2を開くと、有効なオリフィス領域A2‘は減少し、これは開き力F=((A1-A2)*P1)が大きくなり、バルブ電機子を全開位置に押すことを意味する。その結果、流れ力(即ち、コアンダ効果)がバルブ電機子を安定させるのに役立つ場合、静的な力平衡はバルブ電機子/ポペットの小さな開きでのみ可能である。
従来技術の比例弁には欠点がある。ポペットと弁座の間の駆動距離は、従来技術の比例弁に影響を与える。従来技術のポペットがソレノイドコイルの通電によって上方へ移動される場合、その後、有効圧力領域は増加され、増加した開き力はポペットの面に作用し、図中で上向きの力を生成する。
流れは従来技術のポペット部材の真下の動圧を変更することができ、また、動圧はポペットの開き力およびポペットの開き変位に影響する。
ある開き距離を過ぎると、従来技術の比例弁は、ポペットが制御できない条件を経験し、或いはソレノイド開き力が増加した動圧だけ増える場合、ポペットは部分的な駆動状態から完全に開いた駆動状態まで行く。その結果、ソレノイドはポペットの変位にて更に小さな変化を作ることが出来ない。更に、幾つかの条件下では、動的な圧力によってポペットは全開位置に押し付けられるように作動する。
従って、流体流れがポペットの位置や変位に殆ど影響しない、改善された比例弁が必要とされる。
発明の幾つかの態様において、比例弁は、
1以上の流入ポートと流出孔を含む本体内で、移動可能でありポペットを含む電機子と、
突出した弁座構造上に位置し、前記の1以上の流入ポート及び流出孔と流体が行き来可能なバルブオリフィスを含む弁座と、
前記ポペットから延びて、前記弁座を囲む流れフランジ壁を含み、前記流れフランジ壁と前記弁座構造の間に所定断面の流入領域のフランジ流入チャンネルを形成する流れフランジを備え、
前記ポペットは前記流入チャンネルによって付与される所定断面の流入領域を変更せずに、実質的な閉じ位置と実質的な開き位置の間を移動する。
前記流れフランジは、前記ポペット内に形成されているのが好ましい。
前記流れフランジ壁は、前記弁座構造の側部に対して実質的に平行であるのが好ましい。
前記流れフランジ壁は、前記弁座構造の側部に対して傾いているのが好ましい。
前記流れフランジ壁の形状は、前記弁座構造の形状に実質的に対応しているのが好ましい。
前記流れフランジの前記流れフランジ壁は、弁開き変位した前記ポペットの所定部分について前記弁座構造を囲むことを保つ所定高さにあるのが好ましい。
前記流れフランジの前記流れフランジ壁は、前記ポペットが最大の弁開き変位にあっても、前記弁座構造を囲むことを保つ所定高さにあるのが好ましい。
前記流出孔の流出孔断面領域A5は、バルブオリフィスのバルブオリフィス断面領域A2よりも大きいのが好ましい。
1以上の流入ポートと流出孔を含む本体内で、移動可能でありポペットを含む電機子と、
突出した弁座構造上に位置し、前記の1以上の流入ポートと流出孔と流体が行き来可能なバルブオリフィスを含む弁座と、
前記ポペットから延びて、前記弁座を囲む流れフランジ壁を含み、前記流れフランジ壁と前記弁座構造の間に所定断面の流入領域のフランジ流入チャンネルを形成する流れフランジと、
前記流出孔に形成された流出孔肩部を備え、
前記ポペットは前記流入チャンネルによって付与される所定断面の流入領域を変更せずに、実質的な閉じ位置と実質的な開き位置の間を移動し、
前記流出孔の流出孔断面領域A5は、バルブオリフィスのバルブオリフィス断面領域A2よりも大きい。
前記流れフランジは、前記ポペット内に形成されているのが好ましい。
前記流れフランジ壁は、前記弁座構造の側部に対して実質的に平行であるのが好ましい。
前記流れフランジ壁は、前記弁座構造の側部に対して傾いているのが好ましい。
前記流れフランジ壁の形状は、前記弁座構造の形状に実質的に対応しているのが好ましい。
前記流れフランジの前記流れフランジ壁は、弁開き変位した前記ポペットの所定部分について前記弁座構造を囲むことを保つ所定高さにあるのが好ましい。
前記流れフランジの前記流れフランジ壁は、前記ポペットが最大の弁開き変位にあっても、前記弁座構造を囲むことを保つ所定高さにあるのが好ましい。
結果として、流体は1つ以上の流入ポート135を通じて比例弁100に入り、バルブオリフィス130を通って選択的に入り且つ規制されて、流出孔123を介して比例弁を出る。
示された実施形態にて、付勢デバイス114が位置して、電機子104に下向き(即ち、閉じ)の力を付与する。付勢デバイス114はバネかコイルバネを備える。或いは、付勢デバイス114は他の適切な付勢するデバイスも含む。電機子は付勢フランジ105を含み、付勢デバイス114は本体102と付勢フランジ105の間を延びて、その間に保持される。
弁座120は弁座構造119の一部を含む。弁座構造119はベース領域から延びる突出構造を備える。弁座構造119は円形/円筒形を含むあらゆる所望の形状を有するが、所望の他の形状に形成され得る。ポペット107は正確に又は大凡弁座構造119の形状に一致する。
示された実施形態におけるポペット107は流れフランジ116を含む。流れフランジ116は流れフランジ壁117及び流れフランジベース118を含む。示された実施形態における流れフランジ壁117は、弁座構造119の側部に対して略平行である。
従って、ポペット107がバルブオリフィス130を閉鎖しているか、ポペット107が弁座120から最大の変位距離だけ離れている(即ち、比例弁100は最大量開いている)かどうかにかかわらず、流れフランジ壁117は、フランジ流入チャンネル129を維持する。
従って、比例弁100の流入断面領域は、ポペット107の位置又は変位によっては変化しない。流入断面領域は従って、流体の流入に影響せず、流入流体の動圧に影響しない。
ポペット107の接触面領域の動的な流体圧を下げることによって、電機子104上の上向きの力は小さくなり、流体の速度及び/又は動圧は電機子104の位置及び変位に与える効果は小さくなる。
流れフランジ116及び流出孔123は協働して、比例弁100を介して更に望ましい流体流れ特性を付与する。流れフランジ116は、流体がバルブオリフィス130を通過する前に、流体流れの速度を上げ、一方、流出孔123及び流出孔肩部126は、流体がバルブオリフィス130を通過した後に、流体流れの速度を有利に減速する。流れフランジ116は、流体がバルブオリフィス130を通過する前に、流体流れの動圧を上げ、一方、流出孔123及び流出孔肩部126は、流体がバルブオリフィス130を通過した後に、流体流れの動圧を有利に減じる。
流れフランジ116及び弁座構造119の角及び縁の形状は、乱流を生じるか増加させ、又は所定の流れ箇所にて乱流を生じるか増加させるように構成される。幾つかの実施形態において、流れフランジ116及び弁座構造119の角及び縁の形状は、所定の乱流パターン又は乱流プロフィールを生成するように形作られる。或いは、流れフランジ116及び弁座構造119の角及び縁の形状は、乱流を減じ、又は所定の流れ箇所にて乱流を減じるように構成されている。
示された実施形態にて、バルブ電機子が部分的にのみ開いている限り、コアンダ効果がまだ生じて有効となる。本発明の実施形態と従来技術の比例弁との差は、流れフランジ116がP1からP1‘までの圧力降下を生じさせることである。従って、従来技術の比例弁の開き力((A1―A2’)*P1)は、((A1―A4*P1+(A4―A2‘)*P1’)に減じられる。ポペット107に作用する他の力と一緒に開き力を減じることで力の平衡が可能になる。また、コアンダ効果による流れ力が作用して、ポペット107を閉じ方向に安定させると、コアンダ効果の力は最小であり、ポペット107に僅かな効果を有する。
図4は、流れフランジ116がポペット107の一部を備える、比例弁100を示す。流れフランジ116はこの実施形態では電機子104と同じ材料から作られる。流れフランジ116の動作原理は同じままである。
或いは、流れフランジ壁117は非均一の形状に作られる。図に示されるように、流れフランジ壁117は頂部が底部よりも厚く、傾いた内面を形成している。或いは、流れフランジ壁117は底部又は流れフランジ壁117の頂部と底部の間で厚くなっている。
流入領域Ainflowは、流れフランジ断面領域A4と弁座断面領域A3の差である(Ainflow=A4―A3)。流入領域Ainflowは、ポペット107の動きでは変化しない。従って、流体の速度は、ポペット107と弁座120の間の開き距離の変更とともに変化しない。その結果、ポペット107に上向きに作用する動的な流体圧は本質的に一定のままである。
比例弁100は従来技術とは異なる。比例弁100の流れフランジ116は、流体流れを特定の領域/方向から入らせ、流体はポペット領域内に単に直線状且つ直接に流れることを許されない。
比例弁100の段状の流出孔123は、肩部を含んで、流出孔123は断面領域がバルブオリフィス130よりも大きい。比例弁100の段状の流出孔123により、流体はバルブオリフィス130を通過した後に、拡張する。比例弁100の段状の流出孔123により、流体がバルブオリフィス130を通過した後に、流体の速度は減速し、流体の拡張を許し、流れの減速の結果として動圧が増加する。
比例弁100の減少した流体動圧により、ポペットに働く不安定な力を減じ、電機子とポペットには、主としてバネ及びソレノイドコイルの力が作用し、流れのより正確な比例制御に帰着する。
従って、説明のために具体的な実施の形態をここで挙げたが、本説明の範囲であればさまざまな同等の修正が可能であることは、当業者なら判るであろう。ここで挙げた技術は、添付図面で示された上記実施の形態に関わらず、他のデバイス及び方法に適用可能である。よって、上記実施の形態の範囲は、以下の特許請求の範囲により定められるべきである。
Claims (15)
- 比例弁(100)であって、
1以上の流入ポート(135)と流出孔(123)を含む本体(102)内で、移動可能でありポペット(107)を含む電機子(104)と、
突出した弁座構造(119)上に位置し、前記の1以上の流入ポート(135)及び流出孔(123)と流体が行き来可能なバルブオリフィス(130)を含む弁座(120)であって、流出孔(123)の開口を規定する弁座(120)と、
前記ポペット(107)から延びて、前記弁座(120)を囲む流れフランジ壁(117)を含み、前記流れフランジ壁(117)と前記弁座構造(119)の間に所定断面の流入領域のフランジ流入チャンネル(129)を形成する流れフランジ(116)を備え、
前記ポペット(107)は前記流入チャンネル(129)によって付与される所定断面の流入領域を変更せずに、全閉位置と全開位置の間を移動する、比例弁(100)。 - 前記流れフランジ(116)は、前記ポペット(107)に固定されている、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)は、前記ポペット(107)内に形成されている、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ壁(117)は、前記弁座構造(119)の側部に対して平行である、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ壁(117)の形状は、前記弁座構造(119)の形状に対応している、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)の前記流れフランジ壁(117)は、弁開き変位した前記ポペット(107)の所定部分について前記弁座構造(119)を囲むことを保つ所定高さにある、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)の前記流れフランジ壁(117)は、前記ポペット(107)が最大の弁開き変位にあっても、前記弁座構造(119)を囲むことを保つ所定高さにある、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 前記流出孔(123)の流出孔断面領域A5は、前記バルブオリフィスのバルブオリフィス断面領域A2よりも大きい、請求項1に記載の比例弁(100)。
- 比例弁(100)であって、
1以上の流入ポート(135)と流出孔(123)を含む本体(102)内で、移動可能でありポペットを含む電機子(104)と、
突出した弁座構造(119)上に位置し、前記の1以上の流入ポート(135)と流出孔(123)と流体が行き来可能なバルブオリフィス(130)を含む弁座(120) であって、流出孔(123)の開口を規定する弁座(120)と、
前記ポペット(107)から延びて、前記弁座(120)を囲む流れフランジ壁(117)を含み、前記流れフランジ壁(117)と前記弁座構造(119)の間に所定断面の流入領域のフランジ流入チャンネル(129)を形成する流れフランジ(116)と、
前記ポペット(107)は前記流入チャンネル(129)によって付与される所定断面の流入領域を変更せずに、全閉位置と全開位置の間を移動し、
前記流出孔(123)の流出孔断面領域A5は、前記バルブオリフィス(130)のバルブオリフィス断面領域A2よりも大きい、比例弁(100)。 - 前記流れフランジ(116)は、前記ポペット(107)に固定されている、請求項9に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)は、前記ポペット(107)内に形成されている、請求項9に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ壁(117)は、前記弁座構造(119)の側部に対して平行である、請求項9に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ壁(117)の形状は、前記弁座構造(119)の形状に対応している、請求項9に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)の前記流れフランジ壁(117)は、弁開き変位した前記ポペット(107)の所定部分について前記弁座構造(119)を囲むことを保つ所定高さにある、請求項9に記載の比例弁(100)。
- 前記流れフランジ(116)の前記流れフランジ壁(117)は、前記ポペット(107)が最大の弁開き変位にあっても、前記弁座構造(119)を囲むことを保つ所定高さにある、請求項9に記載の比例弁(100)。
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