JP6355515B2 - 光照射装置及び光照射方法 - Google Patents

光照射装置及び光照射方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6355515B2
JP6355515B2 JP2014206373A JP2014206373A JP6355515B2 JP 6355515 B2 JP6355515 B2 JP 6355515B2 JP 2014206373 A JP2014206373 A JP 2014206373A JP 2014206373 A JP2014206373 A JP 2014206373A JP 6355515 B2 JP6355515 B2 JP 6355515B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
pattern
phase
reference point
bessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014206373A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016075810A (ja
Inventor
向陽 渡辺
向陽 渡辺
卓 井上
卓 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP2014206373A priority Critical patent/JP6355515B2/ja
Publication of JP2016075810A publication Critical patent/JP2016075810A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6355515B2 publication Critical patent/JP6355515B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、光照射装置及び光照射方法に関する。
非特許文献1には、ベッセル光照明に関する技術が記載されている。非特許文献1に記載された装置では、アキシコンレンズによってベッセル光が生成されたのち、別のレンズを用いてベッセル光がフーリエ変換されることによりリング光が生成される。生成されたリング光は、空間光変調器(Spatial Light Modulator;SLM)によって複素振幅変調され、レンズによって再びフーリエ変換されることによりベッセル光となる。そして、SLMにおける複素振幅変調の変調パターンを変化させることにより、ベッセル光照明の位置を任意に変更する。
T. Cizmar et al., "Generation of multiple Bessel beams for a biophotonics workstation", OPTICS EXPRESS14024, Vol. 16, No. 18, 1 September 2008
近年、光学顕微鏡においてSLMを利用し、対象物に照射される照明光を制御することが研究されている。例えば、SLMを用いて照明光をベッセル光とする場合には、レーザ加工装置や蛍光顕微計測装置への応用が考えられる。また、ベッセル光照明は任意の角度成分のみによって構成される光であることから、角度依存性を基に計測を行うシステム、例えば全反射照明系、ブリュースター角顕微鏡、或いはエリプソメトリーといった分野への応用も考えられる。
SLMを用いてベッセル光を生成するためには、対物レンズの瞳面に照明光を集光させるとよい。例えば、トロイダルレンズパターンなどの位相パターンをSLMに呈示させ、照明光を瞳面においてリング状に集光させることにより、対物レンズにおいてスポット状(点状)のベッセル光が生成される。しかしながら、このようなスポット状のベッセル光の照射領域を移動させるためには、対物レンズを含む光学系の移動が必要となってしまい、装置構成が大型化・複雑化してしまう。なお、非特許文献1に記載された方式では、ベッセル光照明の位置をSLMの複素振幅変調によって変更しているが、その変調の前にアキシコンレンズを用いてベッセル光を生成する必要があるので、装置の大型化及び複雑化といった問題を解決できない。また、アキシコンレンズが光学システム内に装備されるので、ベッセル光照明とは異なる種類の照明光を同一の装置で実現するためには、光学システムの機械的な切り替え機構が必要となってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ベッセル光の照射領域を移動させるための構成を簡易に実現することができる光照射装置及び光照射方法を提供することを目的とする。
本発明による光照射装置は、ベッセル光を対象物に照射する装置であって、被変調光である光を出力する光源と、光源からの光を変調して変調光を出力する位相変調型の空間光変調器と、空間光変調器からの変調光をベッセル光に変換して対象物に照射する対物レンズとを備え、対物レンズがフーリエ変換レンズであり、空間光変調器に呈示される位相パターンが、或る点を中心として回転対称な位相分布を有することにより対物レンズの瞳面に変調光を集束させる第1パターンと、第1パターンに重畳され、点から延びる放射方向において位相値が一定であり、点を中心とする周方向において連続的な位相変化を有する第2パターンとを含む。
また、本発明による光照射方法は、ベッセル光を対象物に照射する方法であって、位相変調型の空間光変調器を用いて光源から出力された光を変調して変調光を出力し、フーリエ変換レンズである対物レンズを用いて変調光をベッセル光に変換して対象物に照射する、各ステップを備え、空間光変調器に呈示される位相パターンが、或る基準点周りに回転対称な位相分布を有することにより対物レンズの瞳面に変調光を集束させる第1パターンと、第1パターンに重畳され、基準点から延びる放射方向において位相値が一定であり、基準点を中心とする周方向において連続的な位相変化を有する第2パターンとを含む。
これらの光照射装置及び光照射方法では、位相パターンにおいて、ベッセル光を生成するための第1パターンに、第2パターンが重畳されている。第2パターンは、点から延びる放射方向において位相値が一定であり、点を中心とする周方向において連続的な位相変化を有する。本発明者は、このような第2パターンを重畳させることにより、周方向の位相変化に基づく方向にベッセル光の照射領域が移動することを見出した。このように、上記のベッセル光照射装置及びベッセル光照射方法によれば、ベッセル光の照射領域を移動させるための構成を、ベッセル光を生成するために必要な空間光変調器および対物レンズによって実現することができる。従って、ベッセル光の照射領域を移動させるための構成を簡易に実現することができる。
また、上記の光照射装置及び光照射方法は、第1パターンがトロイダルパターンであることを特徴としてもよい。これにより、フーリエ変換レンズである対物レンズを介してベッセル光を好適に生成することができる。
また、上記の光照射装置及び光照射方法は、位相パターンが基準点を複数含んでおり、第2パターンにおいて、各基準点を中心とする位相変化は各基準点毎に個別に設定されていることを特徴としてもよい。これにより、複数の位置にベッセル光を同時に照射するとともに、各位置のベッセル光をそれぞれ独立した任意の方向に移動させることができる。
本発明による光照射装置及び光照射方法によれば、ベッセル光の照射領域を移動させるための構成を簡易に実現することができる。
本発明の実施形態に係るベッセル光照射装置の構成を概略的に示す図である。 (a)対物レンズ及び対象物の近傍を拡大して示す図である。(b)瞳面を光軸方向から見た図である。 制御部によってSLMに呈示される第1パターンの例を示す図である。 制御部によってSLMに呈示される第2パターンの例を示す図である。 (a),(b)第2パターンの位相分布をより詳しく説明するグラフである。 図3に示された第1パターンと、図4に示された第2パターンとが重畳されてなる位相パターンを示す図である。 様々な第2パターンと照射領域の移動方向との関係を説明するための図である。(a)第2パターンを表す。(b)(a)の第2パターンと図3の第1パターンとが重畳された位相パターンを示す。(c)図3の第1パターンのみが呈示された状態における照射領域と、(b)に示される位相パターンが呈示された状態における照射領域との位置関係を概念的に示す。 様々な第2パターンと照射領域の移動方向との関係を説明するための図である。(a)第2パターンを表す。(b)(a)の第2パターンと図3の第1パターンとが重畳された位相パターンを示す。(c)図3の第1パターンのみが呈示された状態における照射領域と、(b)に示される位相パターンが呈示された状態における照射領域との位置関係を概念的に示す。 様々な第2パターンと照射領域の移動方向との関係を説明するための図である。(a)第2パターンを表す。(b)(a)の第2パターンと図3の第1パターンとが重畳された位相パターンを示す。(c)図3の第1パターンのみが呈示された状態における照射領域と、(b)に示される位相パターンが呈示された状態における照射領域との位置関係を概念的に示す。 第1変形例を示す図である。(a)第1パターンを示す。(b)ベッセル光の照射領域を示す。 第1変形例を示す図である。(a)第1パターンと第2パターンとが重畳された位相パターンを示す。(b)ベッセル光の照射領域を示す。 第2変形例を示す図である。 高屈折率媒体の形状の具体的な例を示す斜視図である。 比較例としての全反射照明系の構成の一部を拡大して示す図である。 比較例に係るSLM顕微鏡の構成を概略的に示す図である。 SLM顕微鏡の構成を概略的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明による光照射装置及び光照射方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るベッセル光照射装置1Aの構成を概略的に示す図である。このベッセル光照射装置1Aは、ベッセル光Lbを対象物Bに照射する。図1に示されるように、本実施形態のベッセル光照射装置1Aは、レーザ光源10と、コリメートレンズ11と、空間光変調器(SLM)20と、対物レンズ30とを備えている。
レーザ光源10は、被変調光L1を出力し、SLM20に提供する。被変調光L1はレーザ光であり、波長は例えば200nm〜2000nmの範囲内に含まれる波長である。ただし、被変調光L1は、レーザ光に限らず、コヒーレントな光であればよい。また、被変調光L1は、パルス光でも、連続波光(CW(Continuous Wave)光)でもよい。コリメートレンズ11は被変調光L1の光軸上に配置されており、レーザ光源10から出射された被変調光L1は、コリメートレンズ11によって平行化される。
SLM20は、レーザ光源10と光学的に結合された位相変調型のSLMである。SLM20は、レーザ光源10からの被変調光L1を位相変調して、変調光L2を出力する。後述するように、SLM20には、ベッセル光を生成するための第1パターンと、ベッセル光の照射領域を移動させるための第2パターンとが重畳された位相パターンが呈示される。SLM20には制御部21が電気的に接続されており、このような位相パターンを含む信号が、制御部21からSLM20に提供される。
対物レンズ30は、SLM20と対象物Bとの間の光軸上に配置されている。対物レンズ30は、フーリエ変換レンズであって、SLM20からの変調光L2をベッセル光Lbに変換し、このベッセル光Lbを対象物Bに照射する。このとき、ベッセル光Lbは点状(スポット状)である。図中には、対物レンズ30の瞳面31が示されている。
ここで、図2(a)は、対物レンズ30及び対象物Bの近傍を拡大して示す図である。図2(a)に示されるように、本実施形態では、対物レンズ30の瞳面31に変調光L2が集束する。図2(b)は、瞳面31を光軸方向から見た図である。瞳面31では、変調光L2が円環状(リング状)に集束する。この変調光L2は、瞳面31を通過したのち対物レンズ30に入射する。対物レンズ30において、変調光L2は、ベッセル光Lbにフーリエ変換されるとともに、対物レンズ30により集束されてスポット状の照射領域Pに向けられる。
図3は、制御部21によってSLM20に呈示される第1パターンの例を示す図であって、位相値を色の濃淡によって表しており、濃い領域ほど位相値が小さく、淡い領域ほど位相値が高い。第1パターンは、或る基準点Cを中心として回転対称な位相分布を有することにより、図2に示されたように対物レンズ30の瞳面31に変調光L2を集束させる。図3には、このような回転対称な位相分布の一例として、いわゆるトロイダルパターンが示されている。トロイダルパターンにより、瞳面31において変調光L2をリング状に集光することができる。
図4は、制御部21によってSLM20に呈示される第2パターンの例を示す図であって、図3と同様に、位相値を色の濃淡によって表している。図4に示されるように、第2パターンは、基準点Cから延びる放射方向(半径方向、図中の矢印A4)において位相値が一定であり、基準点Cを中心とする周方向(図中の矢印A5)において連続的な位相変化を有する。なお、基準点Cは、図3に示された基準点Cと一致している。
図5(a)及び図5(b)は、第2パターンの位相分布をより詳しく説明するグラフである。図5(a)は、図4における基準点Cを通る或る直線上の位相変化を示しており、図5(b)は、図4における基準点Cを中心とする或る円上の位相変化を示している。図5(a)の横軸は基準点Cからの距離を表し、図5(b)の横軸は基準点C周りの角度(偏角α)を表す。図5(a)に示されるように、第2パターンは、基準点Cから延びる半径方向において一定の位相値を有する。また、図5(b)に示されるように、第2パターンは、基準点C周りの周方向において、放射角を関数として連続的な位相変化(例えば位相の異なる複数の正弦波を重畳させたもの)を有する。なお、位相変化の始点と終点とは滑らかに結合される。
ここで、連続的な位相変化とは、例えば周方向に並ぶ各画素の位相値を角度の関数とした場合、各位相値が三角関数等の連続関数上に位置することをいう。但し、SLM20の表示位相範囲の上限に達した場合には、その次の画素において下限から開始すること(いわゆる位相折り返し)が必要となる。このような位相折り返しによる不連続性は、本実施形態における連続的な位相変化に含まれるものとする。
図6は、図3に示された第1パターンと、図4に示された第2パターンとが重畳されてなる位相パターンを示す図である。図6に示される位相パターンがSLM20に呈示されることにより、ベッセル光Lbの照射領域P(図2参照)が、所定方向に所定距離だけ移動する。
図7〜図9は、様々な第2パターンと照射領域Pの移動方向との関係を説明するための図である。図7〜図9において、(a)は第2パターンを表し、(b)は、(a)の第2パターンと図3の第1パターン(トロイダルパターン)とが重畳された位相パターンを示す。(c)は、図3の第1パターン(トロイダルパターン)のみが呈示された状態における照射領域P1と、(b)に示される位相パターンが呈示された状態における照射領域P2との位置関係を概念的に示す図である。図7(a)に示される第2パターンでは、偏角αが90°のとき位相値が最大となり、偏角αが270°のとき位相値が最小となる。この場合、図7(c)に示されるように、照射領域の移動方向は偏角90°の半径方向となる。また、図8(a)に示される第2パターンでは、偏角αが0°のとき位相値が最大となり、偏角αが180°のとき位相値が最小となる。この場合、図8(c)に示されるように、照射領域の移動方向は偏角0°の半径方向となる。また、図9(a)に示される第2パターンでは、偏角αが45°のとき位相値が最大となり、偏角αが225°のとき位相値が最小となる。この場合、図9(c)に示されるように、照射領域の移動方向は偏角45°の半径方向となる。これらの例によれば、或る偏角αにおいて位相値が最大であり、偏角(α+180°)において位相値が最小である場合には、照射領域は偏角αの半径方向に移動することがわかる。
なお、本実施形態の光照射方法は、上記のベッセル光照射装置1Aによってベッセル光Lbを対象物Bに照射する方法である。この光照射方法は、位相変調型のSLM20を用いて、被変調光L1を変調して変調光L2を出力するステップと、フーリエ変換レンズである対物レンズ30を用いて、変調光L2をベッセル光Lbに変換して対象物Bに照射するステップとを備える。SLM20に呈示される位相パターンは、或る基準点C周りに回転対称な位相分布を有することにより対物レンズ30の瞳面に変調光L2を集束させる第1パターンと、第1パターンに重畳され、基準点Cから延びる放射方向において位相値が一定であり、基準点Cを中心とする周方向において連続的な位相変化を有する第2パターンとを含む。
以上に述べた本実施形態のベッセル光照射装置1A及び光照射方法によって得られる効果について説明する。このベッセル光照射装置1A及び光照射方法では、SLM20に呈示される位相パターンにおいて、ベッセル光Lbを生成するための第1パターンに、第2パターンが重畳されている。第1パターンは、基準点C周りに回転対称な位相分布を有することにより、対物レンズ30の瞳面31に変調光L2を集束させる。従って、例えばアキシコンレンズ及びフーリエ変換レンズといった光学素子を用いることなくベッセル光Lbを生成することができるので、構成を簡易にすることができる。
また、第2パターンは、図4、及び図7〜図9の(a)に例示されたように、基準点Cから延びる放射方向(半径方向)において位相値が一定であり、基準点Cを中心とする周方向において連続的な位相変化を有する。本発明者は、このような第2パターンを重畳させることにより、周方向の位相変化に基づく方向にベッセル光Lbの照射領域が移動することを見出した。本実施形態のベッセル光照射装置1A及び光照射方法によれば、ベッセル光Lbの照射領域を移動させるための構成を、ベッセル光Lbを生成するために本来的に必要であるSLM20および対物レンズ30によって実現することができる。従って、ベッセル光Lbの照射領域の移動が機械的動作によらず電子的な制御のみによって可能となり、ベッセル光Lbの照射領域を移動させるための構成を簡易に実現することができる。
また、本実施形態のように、第1パターンはトロイダルパターンであってもよい。これにより、ベッセル光Lbを好適に生成することができる。なお、本実施形態では、第1パターンとしてトロイダルパターンを例示したが、第1パターンは、基準点Cを中心として回転対称な位相分布を有するパターン、言い換えれば、点対称な光強度分布を生成するような位相パターンであって、且つフーリエ変換すると実面で点になるようなパターンであればよい。そのようなパターンとしては、例えばフレネルレンズパターンやトロイダル−フレネルレンズパターンなどが挙げられる。また、SLM20に呈示される位相パターンとしては、第1パターンおよび第2パターンが重畳されたパターンに、さらに別のパターンが重畳されたものであってもよい。
(第1変形例)
図10及び図11は、上記実施形態の第1変形例を示す図である。図10(a)は第1パターンを示しており、図10(b)はこの第1パターンによって実現されるベッセル光Lbの照射領域P1を示している。また、図11(a)は第1パターンと第2パターンとが重畳された位相パターンを示しており、図11(b)はこの位相パターンによって実現されるベッセル光Lbの照射領域P2と上記照射領域P1との位置関係を示している。
図10(a)に示されるように、本変形例の第1パターンは、基準点Cを複数含んでおり、各基準点C周りに回転対称な位相分布(例えばトロイダルパターン)を有する。そして、SLM20に呈示される位相パターンがこの第1パターンのみを含む場合、ベッセル光Lbの複数の照射領域P1は、図10(b)のように各基準点Cに対応する位置となる。
一方、第2パターンもまた、第1パターンの複数の基準点Cとそれぞれ一致する複数の基準点Cを含んでいる。そして、各基準点Cを中心とする位相変化は各基準点C毎に個別に設定されている(図11(a)を参照)。これにより、図11(b)に示されるように、複数の照射領域P2にベッセル光Lbを同時に照射するとともに、各照射領域P2をそれぞれ独立した任意の方向に移動させることができる。
(第2変形例)
図12は、上記実施形態の第2変形例を示す図である。本変形例のベッセル光照射装置1Bは、上述した実施形態のベッセル光照射装置1Aの構成に加えて、高屈折率媒体(固浸レンズ)40を更に備えている。高屈折率媒体40は、円錐状の側面41と、平坦な底面42とを有する。そして、高屈折率媒体40は、その中心軸線が対物レンズ30の光軸32と一致するように、対物レンズ30と対象物Bとの間に配置される。側面41はベッセル光Lbの進行方向(図中の矢印A3)に対して垂直であり、ベッセル光Lbの進行方向A3と底面42の法線との成す角θは、底面42に接する媒質(例えば対象物B)と高屈折率媒体40との屈折率差によって規定される全反射臨界角よりも大きい。従って、側面41から入射し、底面42に達したベッセル光Lbは、底面42において全反射される。本変形例のように、対物レンズ30と対象物Bとの間に高屈折率媒体40が配置されることにより、ベッセル光照射装置1Bを全反射照明装置として適用することができる。
図13は、高屈折率媒体40の形状の具体的な例を示す斜視図である。高屈折率媒体40は、例えば図13(a)に示されるような円錐台形状(線形な斜面を有する台形状)を有してもよく、図13(b)に示されるような円錐形状を有してもよい。
ここで、図14は、比較例としての全反射照明系100の構成の一部を拡大して示す図である。この全反射照明系100は、高屈折率媒体102を備える。そして、高屈折率媒体102の中心軸線に対して傾斜する方向から焦点面に向けて、光Lcが集光されつつ入射する。このように光Lcは集光されつつ入射する(すなわち、複数の入射角が存在する)ので、高屈折率媒体102の表面102aは半球状となっている。そして、この光Lcは、高屈折率媒体102の底面102bにおいて全反射する。
本変形例のベッセル光照射装置1Bを含む全反射照明装置では、対物レンズ30によってベッセル光Lbが生成されるので、入射角は一定である。従って、上記のように高屈折率媒体40は線形な斜面を有することが好ましい。また、入射角が一定であるので、全反射照明系100とは異なり、照射領域を変化させても入射角は不変である。従って、上記実施形態のような照射領域の移動方式を好適に適用することができる。なお、本変形例のベッセル光照射装置1Bを含む全反射照明装置によれば、全反射照明系100と比較して、顕微鏡に使用された場合に例えば空間分解能を約13%向上させることができる。
また、本変形例のベッセル光照射装置1Bを含む全反射照明装置によれば、全反射照明系100と比較して、照射領域の半値幅を小さくすることができる。例えば、高屈折率媒体40の屈折率を2.4、底面42の外側の屈折率を1.33、偏光を放射状偏光、ベッセル光Lbの入射角θを60°、波長を405nmとすると、照射領域の半値幅は、約88nmとなる。一方、図14に示された全反射照明系100において同様の条件(但し、入射角度40°〜60°)とした場合、照射領域の半値幅は約100nmとなる。このように、上記実施形態のベッセル光照射装置と、高屈折率媒体40との組み合わせによる解像度への寄与は、約1.13倍となる。
ここで、図15は、比較例に係るSLM顕微鏡200の構成を概略的に示す図である。図15に示されるように、このSLM顕微鏡200は、レーザ光源202、音響光学変調器(Acoust-Optic Modulator;AOM)204、ピンホール206、レンズ208及び210、反射鏡212、SLM214、共役レンズ系を構成する一対のレンズ216及び218、ダイクロイックミラー220、対物レンズ222、並びに油浸オイル224を備える。図中には、対物レンズ222の瞳面222aと、この瞳面222aに対して共役な面222bとが示されている。SLM214は、面222b上に配置されている。
レーザ光源202から出射された光は、AOM204、ピンホール206、レンズ208及び210を通過して反射鏡212に達する。そして、この光は反射鏡212において折り返され、SLM214に達する。SLM214では、収差補正、スポット状の光を生成するためのホログラム投影、及び強度変調などが行われる。変調後の光は一対のレンズ216及び218を通ってダイクロイックミラー220に達し、ダイクロイックミラー220によって対物レンズ222に向けられる。この光は、対物レンズ222によって集光され、油浸オイル224を経て対象物Bの表面に照射される。
このSLM顕微鏡200では、空間的な強度分布の変調は、位相回折格子がSLM214に呈示されることにより行われる。言い換えれば、部分的に強度を損失させることにより、空間的な強度変調が行われる。しかしながら、このような方式では、空間的に大幅な強度変調を行う場合、強度損失が大きくなってしまうという問題がある。
上記の問題を回避するために、例えば図16に示されるSLM顕微鏡200Aでは、SLM214が面222bから離れて配置されている。このような構成により、全反射と非全反射との切り替えが容易になり、エネルギー損失を減らすことができる。また、面照明、構造化照明、スポット照明(ベッセル照明)の切り替えが可能となる。更には、偏光の操作や照明強度を変化させる機能を容易に付加することができる。しかしながら、このようにSLM214が面222bから離れて配置されている場合、単にベッセル照明のための位相パターンをSLM214に呈示させるのみでは、その照射領域を移動させる(走査する)ことが難しい。
本変形例によるベッセル光照射装置1Bは、このような問題を解決し得るものである。SLM顕微鏡200Aに本変形例のベッセル光照射装置1Bを適用すれば、高い分解能を備えるTIRF(Total InternalReflection Fluorescence)顕微鏡や、ブリュースター顕微鏡、或いはエリプソメトリーを容易に実現できる。
1A,1B…ベッセル光照射装置、10…レーザ光源、11…コリメートレンズ、20…SLM、21…制御部、30…対物レンズ、31…瞳面、32…光軸、40…高屈折率媒体、41…側面、42…底面、100…全反射照明系、102…高屈折率媒体、102a…表面、102b…底面、200,200A…SLM顕微鏡、202…レーザ光源、206…ピンホール、208…レンズ、212…反射鏡、216…レンズ、220…ダイクロイックミラー、222…対物レンズ、222a…瞳面、222b…面、224…油浸オイル、B…対象物、C…基準点、L1…被変調光、L2…変調光、Lb…ベッセル光、P,P1,P2…照射領域。

Claims (6)

  1. ベッセル光を対象物に照射する装置であって、
    光を出力する光源と、
    前記光を変調して変調光を出力する位相変調型の空間光変調器と、
    前記変調光を前記ベッセル光に変換して前記対象物に照射する対物レンズと、
    を備え、
    前記対物レンズがフーリエ変換レンズであり、
    前記空間光変調器に呈示される位相パターンが、
    或る基準点周りに回転対称な位相分布を有することにより前記対物レンズの瞳面に前記変調光を集束させる第1パターンと、
    前記第1パターンに重畳され、前記基準点から延びる放射方向において位相値が一定であり、前記基準点を中心とする周方向において連続的な位相変化を有する第2パターンと、
    を含む、光照射装置。
  2. 前記第1パターンがトロイダルパターンである、請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記位相パターンが前記基準点を複数含んでおり、
    前記第2パターンにおいて、各基準点を中心とする位相変化は各基準点毎に個別に設定されている、請求項1または2に記載の光照射装置。
  4. ベッセル光を対象物に照射する方法であって、
    位相変調型の空間光変調器を用いて、光を変調して変調光を出力するステップと、
    フーリエ変換レンズである対物レンズを用いて、前記変調光を前記ベッセル光に変換して前記対象物に照射するステップと、を備え、
    前記空間光変調器に呈示される位相パターンが、
    或る基準点周りに回転対称な位相分布を有することにより前記対物レンズの瞳面に前記変調光を集束させる第1パターンと、
    前記第1パターンに重畳され、前記基準点から延びる放射方向において位相値が一定であり、前記基準点を中心とする周方向において連続的な位相変化を有する第2パターンと、
    を含む、光照射方法。
  5. 前記第1パターンがトロイダルパターンである、請求項4に記載の光照射方法。
  6. 前記位相パターンが前記基準点を複数含んでおり、
    前記第2パターンにおいて、各基準点を中心とする位相変化は各基準点毎に個別に設定されている、請求項4または5に記載の光照射方法。
JP2014206373A 2014-10-07 2014-10-07 光照射装置及び光照射方法 Active JP6355515B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014206373A JP6355515B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 光照射装置及び光照射方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014206373A JP6355515B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 光照射装置及び光照射方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016075810A JP2016075810A (ja) 2016-05-12
JP6355515B2 true JP6355515B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=55951371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014206373A Active JP6355515B2 (ja) 2014-10-07 2014-10-07 光照射装置及び光照射方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6355515B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04171415A (ja) * 1990-11-02 1992-06-18 Nikon Corp 長焦点深度高分解能照射光学系
JPH10227992A (ja) * 1997-02-15 1998-08-25 Canon Inc ベッセルビーム発生方法及びそれを用いた光走査装置
JP3350442B2 (ja) * 1998-04-09 2002-11-25 科学技術振興事業団 顕微鏡システム
JP3920487B2 (ja) * 1999-02-25 2007-05-30 株式会社リコー 光走査装置
JP2004138906A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Hamamatsu Photonics Kk 光ピンセット装置
JP4647965B2 (ja) * 2004-10-22 2011-03-09 株式会社リコー レーザ加工方法及びレーザ加工装置及びにこれよって作製された構造体
US7330255B2 (en) * 2004-12-09 2008-02-12 University Of Chicago Total internal reflection fluorescence apparatus
JP4483793B2 (ja) * 2006-01-27 2010-06-16 セイコーエプソン株式会社 微細構造体の製造方法及び製造装置
US8749793B2 (en) * 2011-01-28 2014-06-10 Bwt Property, Inc. Apparatus and methods for performing Raman spectroscopy in scattering medium
JP2016507078A (ja) * 2013-01-25 2016-03-07 ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティオブ ニューヨーク 被写界深度3dイメージングslm顕微鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016075810A (ja) 2016-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180161923A1 (en) Light modulation control method, control program, control device and laser beam irradiation device
KR102377421B1 (ko) 스캔 거울과 트랜슬레이션 스테이지를 사용한 플라잉 오버 빔 패턴 스캐닝 홀로그램 현미경 장치
KR102018412B1 (ko) 광조사 장치
KR101985995B1 (ko) 위상 변조 방법 및 위상 변조 장치
US20130120563A1 (en) Image generation device
Laskin et al. Imaging techniques with refractive beam shaping optics
US20130100283A1 (en) Image generation device
US9310595B2 (en) Super-resolution microscope
CN108351503B (zh) 图像取得装置、图像取得方法以及空间光调制单元
US20200137365A1 (en) Light control device
KR20200087781A (ko) 광 발생 장치, 광 발생 장치를 구비하는 노광 장치, 노광 시스템, 광 발생 방법, 및 노광 포토 레지스트 제조 방법
EP2453285B1 (en) Illumination optical system
US9915815B2 (en) Total internal reflection light illumination device
US20200150423A1 (en) Aberration correction method and optical device
JP6355515B2 (ja) 光照射装置及び光照射方法
JP5322765B2 (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2011064892A (ja) 空間光変調装置、及び、それを備えたレーザ照明装置、レーザ顕微鏡
JPWO2009057210A1 (ja) ホログラム記録装置
Kenny et al. Adaptive optimisation of a generalised phase contrast beam shaping system
JP5973777B2 (ja) レーザー走査顕微鏡装置
KR102655822B1 (ko) 공간 변조 스캐너와 트랜슬레이션 스테이지를 사용한 플라잉 오버 빔 패턴 스캐닝 홀로그램 현미경 장치
JP6259491B2 (ja) 光照射装置、顕微鏡装置、レーザ加工装置、及び光照射方法
KR102655817B1 (ko) 공간 변조 스캔을 이용한 플라잉 오버 빔 패턴 스캐닝 홀로그램 현미경 장치
Li et al. Phase Aberration Compensation for Resolution Enhancement in Digital Holographic Microscopy under Structured Illumination
KR102281306B1 (ko) 다파장 레이저 파장 변조를 이용한 현미경 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170727

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180530

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6355515

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250