JP6354968B2 - 金属、セラミックスとガラスの複合体及びその物品 - Google Patents

金属、セラミックスとガラスの複合体及びその物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6354968B2
JP6354968B2 JP2017111191A JP2017111191A JP6354968B2 JP 6354968 B2 JP6354968 B2 JP 6354968B2 JP 2017111191 A JP2017111191 A JP 2017111191A JP 2017111191 A JP2017111191 A JP 2017111191A JP 6354968 B2 JP6354968 B2 JP 6354968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal expansion
expansion coefficient
glass
layer
glass layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017111191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018087122A (ja
Inventor
紀夫 清水
紀夫 清水
直文 蕨
直文 蕨
Original Assignee
直文 蕨
直文 蕨
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 直文 蕨, 直文 蕨 filed Critical 直文 蕨
Publication of JP2018087122A publication Critical patent/JP2018087122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6354968B2 publication Critical patent/JP6354968B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

本発明は、金属とセラミックスをガラスで接合若しくは被覆した際の応力を緩和する、熱膨張係数緩和層を備えた複合体及び物品の発明である。
金属と結晶質焼結体のセラミックスを直接接合する事は困難であるが、各々はガラスとの相性が良く(一部の金属、セラミックスを除)例えば鉄の場合は、ガラス内にコバルト、ニッケル、マンガン等の重金属イオンが溶解している高熱膨張係数の釉薬を、加熱により界面化合物を生成させた琺瑯がある。
ガラスを被覆材や封止材に用いる事で気密性は高まり耐薬品性は向上し、結晶質焼結体の面実装電子部品では湿気侵入の防止、ダイオードのPN接合の保護等に展開され高い信頼性を得ている。
結晶質焼結体のセラミックスとガラスの相性は、加熱により熔解したガラスが該セラミックスの表面の一部を溶解し、アンカー効果を発揮し強固な接合を生み出す事が可能である。
特許文献1及び特許文献2では、熱膨張係数の異なるガラスを3層以上備えることで緩和する層を具備する事で応力緩和機能が発揮される事が記載されているが、この技法は各ガラス層の各々の界面だけに薄く平面上の緩和する層が二層以上形成され階段状となるがが薄い為に熱衝撃や直火による加熱をした場合はクラックの発生が危惧される。
特許文献3及び特許文献4では、熱膨張係数の異なるガラスを二層備え緩和する層を一層形成する技法であるが、接触しているガラス層の界面では何れかのガラス層が分散する現象は無く、接している面だけに限られた熔解による接合であり、形成された緩和する層は二層のガラス層の間に薄く平面上に形成され、ガラス層全体では階段状の為に直火や熱衝撃に弱い事は否めない。
又特許文献1乃至4のガラス層の界面上で形成される緩和する層は、ガラスを成膜するときの厚みバラツキが緩和する層の厚みバラツキに繋がり、常温下では最も薄い部分に強い応力が継続している事も懸念される。
特開2015−209347号公報 特開2016−37422号公報 特開2009−126005号公報 特開昭48−51914号公報
金属とセラミックスをガラスで被覆若しくは接合した複合体では、三者間の熱膨張係数の差異が大きく、熱衝撃試験においてガラス若しくはセラミックスにクラックの発生が危惧される。
また半導体等に用いられる熱膨張係数の小さいeガラス等のガラスをもって被覆若しくは接合した複合体では、セラミックス、ガラスと金属の熱膨張係数の調整と炉の温度管理の難易度が高くコスト高となり、場合によっては冷却後の歪により自然にクラックが発生する危惧も残される。
我々は以上の問題を鑑み、熱膨張係数の大きいガラス層にソーダ石灰ガラス若しくは釉薬用ガラスフリットを、熱膨張係数の小さいガラス層にホウケイ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス若しくはフィラーを加えたソーダ石灰ガラスを選択し、熱膨張係数の大きいガラス層を熱膨張係数の小さいガラス層に浸潤(傾斜分散)させ、熱膨張係数の差異が緩和できる機能を保持した新たなガラス層で応力を緩和する構造を考案した。
請求項1に記載する発明は、金属、セラミックス及びガラスで構成された複合体であって、前記ガラスは二層のガラス層から構成される50℃〜350℃における熱膨張係数が8×10−6/摂氏以上、2.5×10−5/摂氏以下の高熱膨張係数ガラス層(T2)及び熱膨張係数が2.8×10−6/摂氏以上、7.4×10−6/摂氏以下の低熱膨張係数ガラス層(T1)と、前記金属と、結晶質焼結体の前記セラミックスとからなり、前記金属の表面に前記高熱膨張係数ガラス層(T2)が接触して、前記高熱膨張係数ガラス層(T2)と接触する前記低熱膨張係数ガラス層(T1)が前記セラミックスの表面に接触して構成され、前記低熱膨張係数ガラス層(T1)と高熱膨張係数ガラス層(T2)の二層のガラス層の熔解により形成された熱膨張係数緩和層を具備した金属、セラミックス及びガラスの複合体である。
高熱膨張係数ガラス層(T2)とは、釉薬用ガラスフリット若しくはソーダ石灰ガラスを指し、一例として建築用板ガラス、車載用ガラス、釉薬用ガラスフリットでは琺瑯用下釉薬ガラスフリット、台釉薬を含む琺瑯用上釉薬ガラスフリットが挙げられ、低熱膨張係数ガラス層(T1)とは径若しくは長径が5mm以下のバルーン、ビーズ、鱗片若しくは棒体状のホウケイ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラスが挙げられ、一例として耐熱ガラス等の容器や理化学用品、eガラス、又同等の見かけの軟化点、見かけの熱膨張係数が同等に発揮できるアルミナ、マグネシア、カルシア若しくは結晶シリカの中の一種を1wt%以上30wt%以下、平均粒径は30μm以下、最大粒径250μm含んだフィラー入りソーダ石灰ガラスを指している。
図2は図1の加熱の前段階で、金属の表面に接触する高熱膨張係数ガラス層(T2)と、該高熱膨張係数ガラス層(T2)と接している低熱膨張係数ガラス層(T1)を表面に接触させた結晶質焼結体のセラミックスで構成され、高熱膨張係数ガラス層(T2)の軟化点以上900℃以下の加熱により、前記高熱膨張係数ガラス層(T2)が加熱中に先に熔け前記低熱膨張係数ガラス層(T1)を濡らし浸潤(傾斜分散)する事により熱膨張係数緩和層が形成され図1の模式図になる。
図1は、図3A部の拡大図である。
低熱膨張係数ガラス層(T1)がホウケイ酸ガラス若しくはアルミノ珪酸ガラスの場合の熱膨張係数緩和層の形成過程は、加熱により高熱膨張係数ガラス層(T2)が先に熔け流動性が高まり、接触部の一部若しくは全面より徐々に低熱膨張係数ガラス層(T1)の粒子を濡らし表面の一部を溶解し、その後内部への浸潤(傾斜分散)を開始し、二層の異なる熱膨張係数ガラス層の厚みが薄くなり、代わりに熱膨張係数緩和層が形成され、互いはガラスである為に馴染みが良い状態で結合している。
図1の詳細は金属側より、金属、高熱膨張係数ガラス層(T2)、高熱膨張係数ガラス層成分が多く低熱膨張係数ガラス層成分が少ない熱膨張係数緩和層、高熱膨張係数ガラス層成分が少なく低熱膨張係数ガラス層成分が多い熱膨張係数緩和層、低熱膨張係数ガラス層(T1)、結晶質焼結体のセラミックスの順となり、高熱膨張係数(T2)のガラス成分が入り混じった部分が熱膨張係数緩和層となる。
図4のB部拡大図及び、その基図5は、高熱膨張係数ガラス層(T2)とフィラー入りソーダ石灰ガラスの低熱膨張係数ガラス層(T1)の組合せ図である。
フィラーを含んだソーダ石灰ガラスの低膨張係数ガラス層(T2)の熱膨張係数及び熔解中の粘度は、基材として用いたソーダ石灰ガラス本来の軟化点に変化はないが、フィラーの含有により加熱中の粘度は高く流動性が阻害され見かけの軟化点は高くなり、更に見かけの熱膨張係数も小さくなる特徴がある。
フィラー成分は、アルミナ、マグネシア、結晶シリカ、カルシアが挙げられ、何れか一種1wt%以上30wt%以下を含有し、平均粒径は20μm以下、最大粒径250μmが好ましい。
高熱膨張係数ガラス層(T2)がフィラー入りソーダ石灰ガラス(低熱膨張係数ガラス層(T1))に浸潤(傾斜分散)すると、フィラー粒子も高熱膨張係数ガラス層(T2)へ分散しながら移動しフィラーの濃度勾配が生じ、熱膨張係数緩和層を形成し、フィラー粒子が少なくなる程に見かけの熱膨張係数が大きくなる。
請求項2に記載する発明は、前記高熱膨張係数ガラス層(T2)が、ソーダ石灰ガラス若しくは釉薬用ガラスフリットからなる事を特徴とする、請求項1に記載する金属、セラミックス及びガラスの複合体である。
請求項3に記載する発明は、前記低熱膨張係数ガラス層(T1)が、ホウケイ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス若しくはフィラー入りソーダ石灰ガラスからなる事を特徴とする、請求項1に記載する金属、セラミックス及びガラスの複合体である。
前記高熱膨張係数ガラス層(T2)のソーダ石灰ガラス組成は、SiOを主成分とし、その他の成分としてNaO、CaO、Al、MgO、及びFeを含む事を特徴としている。
高熱膨張係数ガラス層(T2)の釉薬用ガラスフリットの組成は、SiOを主成分と し、その他の成分としてAl、B、NaO、KO、LiO、CaO、ZnO、MgO、BaO、CaF、NaSiF、KSiF、F、P、TiO、Co、NiO、MnO、CuO及びZrOからなる群の何れか又はこれらの組合せで金属との接合や色相を調整している。
低熱膨張係数ガラス層(T1)のホウケイ酸ガラス若しくはアルミノ珪酸ガラスの組成は、SiOを主成分とし、少なくともBとAl含み、その他の成分として、NaO、MgO、BaO、CaO及びKOからなる群の2種以上を組合せる事で、熱膨張係数、強度、耐薬品性等を調整している。
請求項4に記載する発明は、請求項3に記載した低熱膨張係数ガラス層(T1)のホウケイ酸ガラス若しくはアルミノ珪酸ガラスの形状が、5mm以下の径若しくは長径であるビーズ状、バルーン状、鱗片若しくは棒体状の粒子である事を特徴とする請求項1に記載する金属、セラミックス及びガラスの複合体である。
請求項5に記載する発明は、請求項1に記載する金属、セラミックス及びガラスの複合体を具備した物品である。
熔解中の熱膨張係数緩和層の粘度は、高粘度で熔融している低熱膨張係数ガラス層(T1)の影響を受け高い状態にある。
結晶質焼結体のセラミックスは、アルミナ、カルシア、マグネシア、結晶シリカの中の少なくとも一種からなる酸化物、例えばアルミナ鉱物、マグネシア鉱物を始め、ステアタイト、フォルステライト、ジルコン等の構造物用の酸化物焼結体や、マイクロ波照射により発熱体となるNTCサーミスタ、酸化亜鉛バリスター、PTCサーミスタ、チタン系バリスター、鉄化合物を含んだ陶磁器等の複合酸化物の焼結体がある。
請求項1に記載する金属は一例として、鉄、ニッケル、銅、アルミ、チタン若しくは前記各金属の各々の合金であり、合金の例としてSUS、9/1丹銅、白銅、チタン合金のαβ合金、アルミ−マグネシウム合金等がある。
熱膨張係数緩和層とは、軟化点(見かけを含む)及び熱膨張係数(見かけを含む)が異なる二層のガラスを接触した状態で加熱し、一方が先に熔ける事で他方を濡らし内部に進み分散し結合して形成された新たな層を指し、本発明ではソーダ石灰ガラス若しくは釉薬用ガラスフリットが先に熔け、ホウケイ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス若しくはフィラー入りソーダ石灰ガラスを濡らし内部に進み分散し結合した新たな層を言い、図8に示す様な一方向に向かって熱膨張係数が傾く現象をもっている領域を指している。
本発明で用いている浸潤(傾斜分散)とは、加熱により軟化点が低い為に流動性が高くなった高熱膨張係数ガラス層(T2)が、粘度が高く流動性の低い低熱膨張係数ガラス層(T1)を濡らし内部へ移動し広がり低熱膨張係数ガラス層(T1)のガラス粒子若しくは鉱物粒子を濡らし混ざりガラスが結合する現象を指している。
加熱中の高膨張係数ガラス層(T2)は、接触している低熱膨張係数ガラス層(T1)への浸潤(傾斜分散)が深くなる程粘度が高くなり流動性は徐々に低下し、粘度が高くなる事で表面張力が増加して、表1に示す様に加熱中のセラミックス担持効果(漏失防止)を発揮し、熱衝撃試験においてのクラックを防止する熱膨張係数緩和層を形成する。
図6は請求項5に記載した物品が、電子レンジ、IH、直火に対応可能な加熱器具になる一例の図で、加熱により形成された熱膨張係数緩和層が有る事で熱衝撃の激しい厨房器具としても応用できる。
形成された熱膨張係数緩和層拡大断面図(図3のA部拡大模式断面図) 図1の加熱前の高熱膨張係数層(T2)と低熱膨張係数層(T1)の接触拡大断面模式図 図1の全体断面模式図 図5のB部熱膨張係数緩和層拡大模式図 高熱膨張係数ガラス層(T2)とフィラー入りソーダ石灰ガラス層の低熱膨張係数ガラス層(T1)で形成した熱膨張係数緩和層の断面図 熱膨張係緩和層でセラミックスが担持されている平面図 電子レンジ用サーミスタハーメチック封止断面図 熱膨張係数緩和層の熱膨張係数と粘度のイメージ図 隙間に充填する説明図
低熱膨張係数ガラス層(T1)であるホウケイ酸ガラスやアルミノ珪酸ガラスは、熱衝撃に強く、軟化点が高く(主に740℃以上)熱膨張係数が小さく2.8〜7.4×10−6/摂氏程度、代表例としてパイレックスガラス(登録商標)、eガラス等があり、アルミナや硼素等の添加物により軟化点や熱膨張係数の調整をした耐熱コップ、面実装部品用ガラスフリット、ダイオード用封止ガラス等の材料として既に大量に流通しており、軟化点は熱膨張係数緩和層の粘度とも関係が深い。
高熱膨張係数ガラス層(T2)のソーダ石灰ガラス若しくは釉薬は軟化点が低く(主に450〜640℃)熱衝撃に弱く熱膨張係数も大きく8×10−6〜2.5×10−5/摂氏程度、代表例として下釉薬、装飾用の台釉薬を含む上釉薬、建築用板ガラスのソーダ石灰ガラス等があり軟化点等の調整の為リン酸、アルミナ等を加えている。
フィラー入りソーダ石灰ガラスの低熱膨張係数ガラス層(T1)は、軟化点、屈伏点、熱膨張係数の値は基材となるソーダ石灰ガラスの物性と変わらないが、フィラーの含有により加熱中は鉱物粒子が粘度の低下を阻害し流動性を低下させる現象を生み、見かけの熱膨張係数も小さくなり、本発明はこの現象を利用し熱膨張係数緩和層を形成するものである。
低熱膨張係数ガラス層(T1)の一つであるフィラー入りソーダ石灰ガラスを用いるメリットは、金属がアルミの場合に有効で、例えば高熱膨張係数ガラス層(T2)としてアルミ用の軟化点440℃ガラスフリットを含んだ釉薬をアルミ表面に接触させ、セラミックス側には低熱膨張係数ガラス層(T1)としてフィラーを含有したペースト状のソーダ石灰ガラスフリットを(基材のガラスフリット軟化点は530℃)接触させると加熱温度が600℃以下で可能となる。
金属の熱膨張係数は一例として9〜27×10−6/摂氏の範囲、結晶質焼結体のセラミックスが2.5〜13×10−6/摂氏をもっている。
図6は本発明を用いた電子レンジ、IH、直火で使用できる加熱器具のプレートであり、セラミックスがマイクロ波を吸収し発熱するNTCサーミスタ、高熱膨張係数ガラス層(下釉薬フリット、東鑵マテリアル(株)製TMG018)で被覆された金属がIHで発熱する誘導加熱部分、全体は直火に対応できる機能を持ち、セラミックスと金属の間には熱膨張係数緩和層が形成された金属、セラミックス及びガラスの複合体を具備した物品の加熱器具である。
図6に記載した形状に仕上げる実施形態として準備するものは、例えばNTCサーミスタのセラミックスφ11[mm]と、φ16[mm]の孔を具備し高熱膨張係数ガラス層(T2)の琺瑯用下釉薬で被覆されたSPE鉄鋼板と、低膨張係数ガラス層(T1)としてeガラスペースト(奥野製薬(株)製LFOC−809B)を準備する。琺瑯用下釉薬で既に被覆したSPE鋼板を用いている理由は、保管時の酸化を防止する為である。
結晶質固体のセラミックスを図9に示す様に高熱膨張係数ガラス層で被覆済のSPE鋼板の孔の中央に挿入し、低熱膨張係数ガラス層のeガラスペーストを孔とセラミックスの隙間に充填(塗布)し乾燥する。
次に高膨張係数ガラス層(T2)の軟化点を上回る温度以上、実施例1では900℃で加熱し熱膨張係数緩和層を形成し、金属、セラミックス及びガラスの複合体を完成させる。
同様に、低熱膨張係数ガラス層(T1)にフィラー入りソーダ石灰ガラスを用いた電子レンジ、直火に対応できるプレートの実施形態を説明する。
図6に記載した形状に仕上げる為に、孔を備えたアルミ板を洗浄乾燥後、高熱膨張係数ガラス層(T2)としての軟化点440℃のアルミ用釉薬を表面に塗布し乾燥し準備する。
次に低熱膨張係数ガラス層(T1)のフィラー入りソーダ石灰ガラスには、基材としてガラスコップ(軟化点約530℃)を用い、これを粉砕し、メッシュ番号60の篩を通過させ粉末にし、次にアルミナ、マグネシア、カルシア若しくは結晶シリカの鉱物粒子の中の何れか一種1wt%以上30wt%以下を添加し、次にグリセリン等のバインダーを混ぜペースト状に仕上げる。
図9に示す様にアルミ板の孔の中央部に結晶質焼結体のセラミックスを挿入し、隙間に低熱膨張ガラス層(T1)を充填(塗布)し乾燥し、590℃で加熱し熱膨張係数緩和層を形成する。
低熱膨張係数ガラス層(T1)の軟化点(見かけを含む)は、高膨張係数ガラス層(T2)よりも少なくとも50℃以上高い事が好ましく、またフィラーの添加は、添加量が35wt%を超えると加熱中の流動性が著しく低下し、高熱膨張係数ガラス層(T2)の浸潤(傾斜分散)が進まなくなる事がある。
実施形態1及び2で作製した試料の加熱中結晶質焼結体のセラミックス担持性能と、20℃→200℃電熱板上5分保持→20℃放置後の耐熱衝撃試験後の外観クラック発生の有無を表1に示す。
Figure 0006354968
フィラーはアルミナ以外にマグネシア、結晶シリカ、カルシア等の粉末も同様な効果を発揮する事が観察されている。
本発明を用いてガラスのハーメチック封止をする事も可能である。
図7に示すハーメチック封止は、電子レンジ用のガラス封止NTCサーミスである。
従来技術の電子レンジ用ガラス封止NTCサーミスタ製造方法は、低熱膨張係数ガラス層(T1)を用いて金属、サーミスタ素子及び台座となるアルミナ等のセラミックスを同時にハーメッチック封止しているが、各材料の熱膨張差によるクラックの発生が危惧され、品質の不安を払拭する為にガラスの選定、及び加熱用炉の設備保全は重要である。
図7は本発明の構造を用いた電子レンジ用ガラス封止サーミスタの構造で、金属はサーミスタの電極と電気的に接続され、その金属は高熱膨張係数ガラス層(T2)が一部塗布乾燥され、該金属を台座のセラミックスの孔に通し、次に低熱膨張係数ガラス層(T1)のeガラスペーストを前記サーミスタ表面に被覆し900℃以下で加熱し、熔解させる事により熱膨張係数緩和層が形成されたハーメチック封止ができ、ガラスのクラック発生の危惧が無くなる事が可能となる。
本発明の金属、セラミックス及びガラスの複合体の表面にガラスを積層すると、意匠の高い厨房器具、装飾用品の製造が容易となる。
1 金属、セラミックス及びガラスの複合体
2 金属
3 低熱膨張係数ガラス層(T1)
4 高熱膨張係数ガラス層(T2)
5 フィラー入り低熱膨張係数ガラス層(T1)
6 孔
7 高熱膨張係数ガラス成分が少ない熱膨張係数緩和層
8 高熱膨張係数ガラス成分が多い熱膨張係数緩和層
9 高熱膨張係数ガラス層と低熱膨張ガラス層の接触部
10 熱膨張係数緩和層
11 フィラー粒子が少ない熱膨張係数緩和層
12 フィラー粒子が多い熱膨張係数緩和層
13 結晶質焼結体のセラミックス
14 加熱前の状態
15 隙間
16 充填された低熱膨張ガラス層(T1)
17 NTCサーミスタ素子

Claims (2)

  1. 金属、ガラス及び結晶質焼結体のセラミックスで構成された複合体であって、前記ガラスは二層のガラス層から構成される50℃〜350℃における熱膨張係数が8×10−6/摂氏以上、2.5×10−5/摂氏以下の高熱膨張係数ガラス層(T2)及び2.8×10−6/摂氏以上、7.4×10−6/摂氏以下の低熱膨張係数ガラス層(T1)とからなり記高熱膨張係数ガラス層(T2)は前記金属表面に接触し、前記低熱膨張係数ガラス層(T1)は前記セラミックス表面に接触して構成され、該高熱膨張係数ガラス層(T2)熔解により該低熱膨張係数ガラス層(T1)に該高熱膨張係数ガラス層(T2)が浸潤する事で該高熱膨張係数ガラス層(T2)と該低熱膨張係数ガラス層(T1)の間に熱膨張係数緩和層を形成した金属、ガラス及び結晶質焼結体のセラミックスの複合体。
  2. 前記熱膨張係数緩和層を具備した請求項1に記載する金属、ガラス及び結晶質焼結体のセラミックスの複合体を含む物品。
JP2017111191A 2016-11-24 2017-05-18 金属、セラミックスとガラスの複合体及びその物品 Active JP6354968B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016227453 2016-11-24
JP2016227453 2016-11-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018087122A JP2018087122A (ja) 2018-06-07
JP6354968B2 true JP6354968B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=62493345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017111191A Active JP6354968B2 (ja) 2016-11-24 2017-05-18 金属、セラミックスとガラスの複合体及びその物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6354968B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021204776A1 (de) * 2020-04-09 2021-10-14 Jenoptik Optical Systems Gmbh Verfahren zum thermisch stabilen verbinden eines glaselements mit einem trägerelement, verfahren zum herstellen einer optischen vorrichtung und optische vorrichtung

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4851914A (ja) * 1971-11-02 1973-07-21
JP3914648B2 (ja) * 1998-12-18 2007-05-16 Dowaホールディングス株式会社 金属−セラミックス接合基板
JP5904536B2 (ja) * 2012-03-28 2016-04-13 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 高温で気密性を保つセラミックス−金属のガラスシール構造体
JP2015129684A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 株式会社アルバック 金属セラミック接合体、隔膜真空計、金属とセラミックとの接合方法、および、隔膜真空計の製造方法
JP6285271B2 (ja) * 2014-04-24 2018-02-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 接合材およびその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018087122A (ja) 2018-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6391809B1 (en) Copper alumino-silicate glasses
RU2638070C2 (ru) Индукционная пайка неорганических подложек
KR102519215B1 (ko) 유리 조성물 및 조리기기
JP2020203832A (ja) 無鉛二重フリット端部シールを有する真空断熱ガラス(vig)ユニット及び/又はその製造方法
US5057659A (en) Microwave heating utensil with particulate susceptor layer
RU2638993C2 (ru) Микроволновое уплотнение неорганических подложек с использованием низкоплавких стекольных систем
CN103553559B (zh) CaO-B2O3-SiO2玻璃+氮化铝陶瓷的复合材料及制备方法
WO2012117978A1 (ja) 気密部材とその製造方法
KR101416203B1 (ko) 접합재
CN101337769A (zh) 具有低热膨胀系数的无铅玻璃复合材料
JPH0123553B2 (ja)
CN104244486A (zh) Re-alsic-稀土-铝碳化硅基LED稀土厚膜电路电光源器件
JPH0324041B2 (ja)
JP6354968B2 (ja) 金属、セラミックスとガラスの複合体及びその物品
JP6926125B2 (ja) 450℃以下の温度での真空圧縮用の低温亜テルル酸塩ガラス混合物
CN102557759A (zh) 一种氮化铝陶瓷的高温金属化方法
US2882187A (en) Electrical heating element
JP5845481B2 (ja) 酸化物接合材及びこれを用いた接合体
US11542192B2 (en) Sealing material and multilayered glass panel using same
CN106847375A (zh) 一种含片状二氧化硅的铝基介质浆料及其制备方法
TW201249772A (en) Glass composition for sealing and display panel comprising the same
US2244360A (en) Ferrous metal enamel
US3849142A (en) Barium- or strontium-containing glass frits for silver metallizing compositions
CN105073685A (zh) 陶瓷-金属接合结构体以及用于制造它的方法
KR20200142319A (ko) 면상 발열체 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6354968

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250