JP6353753B2 - 相当ひずみ付与方法及び相当ひずみ付与装置 - Google Patents

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Description

本発明は、相当ひずみ付与方法及び相当ひずみ付与装置に関する。
近年、被処理物に新たな特性を付与する手法として、ひずみ付与加工法が注目されている(例えば、特許文献1参照)。ひずみ付与加工法は、被処理物にひずみを多量に導入して高密度な転位を形成することで組織をナノあるいはサブミクロンサイズに微細化し、強度、弾性、延性、剛性等の向上、結晶配向の制御、等を実現する。これにより、被処理物の加工容易性を向上したり、被処理物に新たな機能的特性を付与したりする等、様々な特性の向上を実現することができる。
ひずみ付与加工法の代表的な加工プロセスとして、ECAP(Equal−Channel Angular Pressing)法、ARB(Accumulative Roll Bonding)法、HPT(High−Pressure Torsion)法、HPS((High−Pressure Sliding))法が知られている。
ECAP法は、被処理物を挿通するための挿通路の途中に屈曲部を設けたダイを用いる。当該挿通路を押し込み又は引き抜きによって通過した金属材料は、途中の屈曲部を通過する時に、安定的に高い相当ひずみが与えられる。これにより、金属材料が均一に微細化され、金属の強度、弾性、剛性を大きく改善できる。
ARB法は、圧延を利用した相当ひずみ付与加工方法であり、例えば、元の被処理物を50%の厚みに圧延し、圧延された板を長手方向に2等分して重ね合わせて元の厚みにしたのち、再び圧延を施す。このARB法によれば、従来の圧延に比べて遥かに多量の相当ひずみを被処理物に加えることができる。
HPT法は、被処理物を収容する収容部を備えた上部金型と下部金型を用いる。一般的には、下部金型に金属体を収容する凹状の収容部を設け、上部金型に収容部内の金属体を押下する凸状のピストンを設ける。HPT法では、収容部に収容した被処理物を上部金型と下部金型の間で挟持して高圧力でプレスするとともに、上部金型と下部金型の少なくとも一方を他方に対して回転させることにより収容部内の被処理物に相当ひずみを付与する。
HPS法では、長手状の平板体の被処理物を、被処理物の長手方向と直交する方向を挟持方向として少なくとも2つの金型で挟持するとともに、被処理物を挟持した一方の金型を、他方の金型に対して、被処理物の長手方向に変位させることにより、被処理物に相当ひずみを付与する(例えば特許文献1参照)。
特開2009−61499号公報
しかしながら、ECAP法では、金属体を屈曲した挿通路に挿通させることにより、全体的に均一に金属組織を微細化した金属体を生成することは可能であるが、金属体を十分に拘束できないため、金属体に導入できる相当ひずみに限界があり、金属体の金属組織を高度に微細化することができなかった。
また、ARB法は、通常の圧延機を用いて容易に行える利点があるが、微細化された結晶粒の厚さ方向の不均一性、エッジ割れ等の原理的な制約がある。また、切断と重ね合せのプロセスによって、各層中に相当ひずみが不均一に分布していまい、それに応じて起こる微細化粒サイズの不均一な分布、低傾角と高傾角粒界の混合といった問題が生じる。
また、HPT法は、処理対象が円盤状の試料であるため金型の回転の半径方向に沿って相当ひずみの不均一が生じる。また、金型の回転の回転軸部分に孔を設けた金属体の場合でも、HPT法による微細化処理では全体的に均一な相当ひずみを加えることが困難であり、全体的に均一に金属組織が微細化された金属体を生成することは困難であった。
一方、特許文献1に記載のHPS法では、被処理物に対して均一に相当ひずみを加えることが可能であり、被処理物の厚みが数mm程度であればスライド距離を長くすることにより所望厚みの被処理物に相当ひずみを導入することができるとの記載がある。
しかしながら、本願発明者らの行った実験によれば、被処理物が厚くなるにつれてスライド距離を長くしても結晶粒微細化される被処理物の厚み方向範囲が徐々に限定的になり、相当ひずみの導入が不均一になるという問題を発見した。そこで、本願発明者らは、HPS法における微細化可能な被処理物の厚み限界を打破するべく本願発明を行った。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、被処理物全体に略均一な相当ひずみを導入できるようにすることを目的とする。
本発明の態様の1つは、少なくとも2つの金型の間に第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを導入する相当ひずみ付与加工を行うにあたり、前記第1被処理物を基準にしたときの前記金型による前記第1被処理物の押圧方向と前記金型の相対的なスライド方向との少なくとも一方が互いに異なる2種以上の相当ひずみ付与加工を行うことにより、前記第1被処理物内に形成される相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、前記金型の間に前記第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、前記押圧方向と略垂直な何れかの軸周りに所定角度だけ前記第1被処理物を回転させて前記金型の間に前記第1被処理物を再配置して前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物の相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、前記金型の間には円筒状の第1収容部が形成されており、当該第1収容部に収容される前記第1被処理物は、前記第1収容部と径が略等しい円柱状であり、前記第1収容部に前記第1被処理物を配置して、前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、前記第1被処理物の円柱の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、前記第1被処理物を円柱の軸周りに前記所定角度だけ回転させて前記第1収容部に再配置して、前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、前記第1被処理物の円柱の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、前記所定角度は、再配置前の前記第1被処理物の前記軸周りの角度をx°とすると、x°+πn(nは整数)以外であることを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、第1金型と第2金型の間に形成された前記第1収容部に、前記第1被処理物を配置し、前記第2金型と第3金型の間に前記第1収容部と軸平行な円筒状に形成された第2収容部に、当該第2収容部と径が略等しい円柱状の第2被処理物を配置し、前記第1金型と前記第2金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持するとともに前記第2金型と前記第3金型との間に前記第2被処理物を押圧挟持し、前記第1被処理物及び前記第2被処理物の円柱の軸方向に前記第2金型をスライド移動させることにより、前記第1被処理物及び前記第2被処理物に同時に相当ひずみを付与することを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の選択的な態様の1つは、前記金型の間に前記第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な第1の方向に前記金型の1つをスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、前記金型による前記第1被処理物の押圧挟持を継続したまま前記押圧方向と略垂直で前記第1の方向と異なる第2の方向に前記金型の1つをスライド移動させることにより、前記第1被処理物の相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする相当ひずみ付与方法である。
本発明の他の態様の1つは、所定の位置関係で配置したときに間に円筒状の収容部を形成する少なくとも2つの金型と、前記収容部に配置される被処理物を押圧挟持する方向に前記金型を加圧する加圧装置と、前記収容部の円筒の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させる駆動装置と、を備え、前記収容部と径が略等しい円柱状の被処理物を前記収容部に配置して、前記金型を介して前記加圧装置で前記被処理物を押圧挟持しつつ、前記駆動装置で前記金型をスライド移動させることにより、前記被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする相当ひずみ付与装置である。
なお、上述した相当ひずみ付与方法は、他の方法の一環として実施される等の各種の態様を含む。また、本発明は前記相当ひずみ付与装置を備える相当ひずみ付与システム、上述した相当ひずみ付与方法の各工程に対応した機能をコンピュータに実現させるプログラム、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、等としても実現可能である。
本発明によれば、被処理物全体に略均一な相当ひずみを導入することができる。
本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示した図である。 本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示した正面図である。 本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示した側面図である。 軸回転式の2パス加工を説明する図である。 軸回転式の3パス加工を説明する図である。 往復動式のマルチパス加工を説明する図である。 HPS加工後の断面観察位置を示す図である。 HPS加工前のC部における断面の光学顕微鏡写真を示している。 押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部(Front部),R部(Rear部),C部(Center部)における断面の光学顕微鏡写真である。 押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における硬度試験の結果を示す図である。 押し出し長さ5mm,10mm、15mmの2パス加工後のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真である。 押し出し長さ5mm,10mm、15mmの2パス加工後のF部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示す図である。 押し出し長さ5mm,10mmの3パス加工後のC部における断面の光学顕微鏡写真である。 押し出し長さ5mm,10mmの3パス加工後のC部における断面の硬度試験の結果を示す図である。 HPS加工前のC部における断面の光学顕微鏡写真と硬度試験の結果を示している。 押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真である。 押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示す図である。 押し出し長さ10mmの1パス加工,2パス加工及び3パス加工後のC部における断面の光学顕微鏡写真及び硬度試験の結果を示す図である。 10mmの1パス加工後の被処理物断面の透過型電子顕微鏡写真である。 10mmの3パス加工後の被処理物断面の透過型電子顕微鏡写真である。 Al−Mg−Sc合金の引張試験の結果を示す図である。 Al−Mg−Sc合金の引張試験の結果を示す図である。 往動パスのみを行った場合の被処理物断面の光学顕微鏡写真、及び硬度試験の結果を示す図である。 往復動パスを行った場合の被処理物断面の光学顕微鏡写真、及び硬度試験の結果を示す図である。 AZ61の1パス加工後の引張試験の結果を示す図である。 AZ61の1パス加工後の引張試験の結果を示す図である。 AZ61の2パス加工後の引張試験の結果を示す図である。 AZ61の2パス加工後の引張試験の結果を示す図である。 AZ61の3パス加工後の引張試験の結果を示す図である。 AZ61の3パス加工後の引張試験の結果を示す図である。
以下、下記の順序に従って本発明を説明する。
(1)本実施形態の構成:
(2)実施例1:
(3)実施例2:
(4)実施例3:
(5)まとめ:
(1)本実施形態の構成:
図1は、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示す斜視図、図2は、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示す正面図、図3は、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置の概略構成を示す側面図である。
これらの図に示す相当ひずみ付与装置100は、第1金型としての上アンビル10、第2金型としてのプランジャー20、第3金型としての下アンビル30、加圧装置としての第1油圧装置40、及び、駆動装置としての第2油圧装置50、を備えている。なお、第1油圧装置40及び第2油圧装置50については図示を省略してある。
上アンビル10は、プランジャー20に対向する第1対向面11と、第1対向面11と略平行な第1加圧面12とを有している。第1加圧面12は、第1油圧装置40によって略垂直な方向に加圧されており、これにより第1対向面11がプランジャー20に向けて押圧される。
第1対向面11には、断面凹状の第1矩形溝13が、図1に示すスライド方向D2に沿って横断状に形成されている。第1矩形溝13の底面13aには、スライド方向D2に沿って横断状に断面半円状の第1半円溝14が形成されている。スライド方向D2は、第2油圧装置50の駆動によりプランジャー20が上アンビル10や下アンビル30に対して相対移動する方向である。
第1矩形溝13の幅寸法は、プランジャー20の後述する第2対向面21の幅寸法と略一致させてあり、上アンビル10とプランジャー20とを所定の位置関係で配置したときに、プランジャー20が第1矩形溝13に凹凸係合する。これにより、第1矩形溝13が、プランジャー20のスライド方向D2へのスライド移動を案内する。
プランジャー20は、上アンビル10の第1矩形溝13に対向する第2対向面21を有している。第2対向面21には、スライド方向D2に沿って横断状に、断面半円状の第2半円溝22が形成されている。
第1半円溝14と第2半円溝22は、上アンビル10とプランジャー20を凹凸係合させたときに対向し合う位置に形成されており、上アンビル10の第1矩形溝13の底面13aとプランジャー20の第2対向面21との間に、第1半円溝14と第2半円溝22が内側壁を構成する円筒状の第1収容部としての第1被処理物配置部USを形成する。
第1被処理物配置部USには、相当ひずみを付与すべき円柱状(丸棒状)の第1被処理物S1が配設される。第1被処理物S1の径は、第1被処理物配置部USの径と略一致するサイズに形成されており、上アンビル10とプランジャー20を所定の位置関係で配置すると、第1被処理物配置部USに収容された第1被処理物S1は上アンビル10とプランジャー20の間に挟持される。
下アンビル30は、プランジャー20に対向する第3対向面31と、第3対向面31と略平行な第2加圧面32とを有している。本実施形態では、下アンビル30の第3対向面31は、上アンビル10の第1対向面11と略平行な平面としてある。また、第2加圧面32は、所定の支持基台に固定されている。このため、第1加圧面12が第1油圧装置40によって圧力P1で加圧されると、その反力により第3対向面31も圧力P2(P1=P2)でプランジャー20に向けて押圧される。
第3対向面31には、断面凹状の第2矩形溝33が、スライド方向D2に沿って横断状に形成されている。第2矩形溝33の底面には、スライド方向D2に沿って横断状に、断面半円状の第3半円溝34が形成されている。第2矩形溝33は、プランジャー20と凹凸係合してスライド方向D2へのプランジャー20のスライド移動を案内する。
第2矩形溝33の幅寸法は、プランジャー20の後述する第4対向面23の幅寸法と略一致させてあり、下アンビル30とプランジャー20とを所定の位置関係に配置したときに、プランジャー20が第2矩形溝33に凹凸係合する。これにより、第2矩形溝33は、スライド方向D2へのプランジャー20のスライド移動を案内する。
プランジャー20は、下アンビル30の第2矩形溝33に対向する第4対向面23を有している。第4対向面23には、スライド方向D2に沿って横断状に、断面半円状の第4半円溝24が形成されている。
第3半円溝34と第4半円溝24は、下アンビル30とプランジャー20を凹凸係合させたときに対向し合う位置に形成されており、下アンビル30の第2矩形溝33の底面33aとプランジャー20の第4対向面23との間に、第3半円溝34と第4半円溝24が内側壁を構成する円筒状の第2収容部としての第2被処理物配置部LSを形成する。
第2被処理物配置部LSには、相当ひずみを付与すべき円柱状(丸棒状)の第2被処理物S2が配設される。第2被処理物S2の径は、第2被処理物配置部LSの径と略一致するサイズに形成されており、下アンビル30とプランジャー20を所定の位置関係で配置すると、第2被処理物配置部LSに収容された第2被処理物S2は下アンビル30とプランジャー20の間に挟持される。円筒状の第1被処理物配置部USと第2被処理物配置部LSとが軸平行に形成されたとき、円柱状の第1被処理物S1と第2被処理物S2も軸平行に配置されることになる。
以上説明したように、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置100は、上アンビル10と下アンビル30の間にプランジャー20を挟んだ状態で、上アンビル10と下アンビル30とを互いに近づける方向に加圧している。このため、上アンビル10とプランジャー20の間の第1被処理物配置部USに配置される第1被処理物S1と、下アンビル30とプランジャー20の間の第2被処理物配置部LSに配置される第2被処理物S2の2つの被処理物を、同時に押圧挟持することが出来るようになっている。
なお、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置100は、第1被処理物配置部USと第2被処理物配置部LSをそれぞれ1つずつ設ける場合を例に取り説明を行ったが、これら第1被処理物配置部USと第2被処理物配置部LSは複数設けても構わない。すなわち、上アンビル10とプランジャー20の間に第1被処理物配置部USを複数設けたり、下アンビル30とプランジャー20の間に第2被処理物配置部LSを複数設けたりしても構わない。金型の間に被処理物配置部を複数設けることにより、同時に複数の被処理物を加工することができるため、相当ひずみ付与加工の効率を向上することができる。
また、金型の間に被処理物配置部を複数設ける場合、溝の径を各々異なるものとしてもよい。これにより、サイズが異なる複数の被処理物に対し、同時に相当ひずみ付与加工を行う事が出来る。また、後述するマルチパス加工を行う際には、パス数の進行と共に被処理物の配置先を段階的に挟径の被処理物配置部に変更していってもよい。これにより、相当ひずみ付与加工の応力によって被処理物断面が徐々に縮径されるように圧縮された場合にも、マルチパス加工を構成する各パスにおいて、最適な径の被処理物配置部で相当ひずみ付与加工を行うことができるようになる。
また、本実施形態では、1つの第1油圧装置40を用いて、上アンビル10の第1対向面11とプランジャー20の第2対向面21とを近づける方向に圧力P1で加圧するとともに、下アンビル30の第3対向面31とプランジャー20の第4対向面23とを近づける方向に圧力P2で加圧しているため、1つの第1油圧装置40で2つの被処理物を同時に押圧挟持することができるが、むろん、加圧部位毎にそれぞれ加圧装置を設けても構わない。
また、本実施形態では被処理物の形状を丸棒状としたが、被処理物の形状はこれに限るものではなく平板状としてもよく、長手状のものであれば様々なものを採用可能である。また、被処理物配置部の形状も円筒状に限るものではなく、被処理物の形状に合わせて長手状の様々な筒状とすることができる。そして、第1被処理物配置部USの形状と第2被処理物配置部LSの形状は互いに異なってもよい。例えば、第1被処理物配置部USについては丸棒状の被処理物を処理するべく円筒状とし、第2被処理物配置部LSについては平板状の被処理物を処理するべく扁平角筒状としてもよい。これにより、異なる形状の被処理物に同時に相当ひずみ付与加工を行うことができる。
また、第1被処理物配置部USと第2被処理物配置部LSのいずれか一方だけを設けても良い。この場合、被処理物配置部を設けない側のプランジャーとアンビルが直接摺動することになるため、この被処理物配置部を設けない側のプランジャーとアンビルの間に潤滑物質を挟持する。この潤滑物質としては、相当ひずみ付与加工の高圧挟持条件下でも排出されずに流動性を維持できる物質であれば様々なものを採用できる。一例を挙げると、鉛や真鍮がある。また、特に、下アンビル30とプランジャー20の間に第2被処理物配置部LSを設けず、潤滑物質を挟持する構成とした場合、相当ひずみ付与加工の作業から重量あるプランジャーの取外し作業を省略することができる。
以上のように構成された相当ひずみ付与装置100では、第1油圧装置40を用いて、被処理物に加圧方向D1への挟み込み圧力を加えながら、第2油圧装置50を用いて圧力P3を作用させることによりプランジャー20を上アンビル10や下アンビル30に対してスライド方向D2へ相対的にスライド移動させると、被処理物の内部に相当ひずみが導入され、被処理物の結晶粒径をナノレベル又はサブミクロンレベルに超微細化することができる。
ここで、上述した第1被処理物S1及び第2被処理物S2は、従来のHPS法やHPT法で扱う被処理物より大きな厚みを有する。特に、相当ひずみ付与装置100が被処理物に与える相当ひずみは、後述する実施例の被処理物断面の光学顕微鏡写真や硬度分布から分かるように、スライド方向D2に垂直な方向に一定以上の幅(以下、「有効相当ひずみ付与厚み」と記載する。)を持つが、従来のHPS法やHPT法では、この有効相当ひずみ付与厚みよりも薄い被処理物にしか被処理物全体に略均一な相当ひずみを導入することができなかった。
これに対し、本実施形態に係る相当ひずみ付与装置100では、加圧方向D1における被処理物配置部のサイズを有効相当ひずみ付与厚み以上としてあるため、加圧方向D1において被処理物の断面の所定範囲に限定的に相当ひずみが形成される。このため、この所定範囲が被処理物の断面全体を包含しない場合がある。このような場合、被処理物を長軸周りに回転させて加圧方向D1を変更して別の角度で相当ひずみを再度付与するマルチパス加工を行うことにより、相当ひずみの形成範囲が被処理物の断面全体を包含するように調整することができる。
図4〜図6は、マルチパス加工を説明する図である。図4,図5には、軸回転式のマルチパス加工を示し、図6には、往復動式のマルチパス加工を示してある。なお、図4には軸回転式の2パス加工について示し、図5には軸回転式の3パス加工について示してある。
マルチパス加工では、第1被処理物S1や第2被処理物S2を基準にして、第1油圧装置40の加圧方向とプランジャー20のスライド方向との少なくとも一方が互いに異なる2種以上の相当ひずみ付与加工を行うことにより、第1被処理物S1や第2被処理部S2内に形成する相当ひずみを均一に近づける。
より具体的には、軸回転式のマルチパス加工では、相当ひずみ付与加工を少なくとも1回行った第1被処理物S1や第2被処理物S2を、第1油圧装置40の加圧方向D1と略垂直な何れかの軸周りに所定角度だけ回転させて第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSに再配置し、金型の間に第1被処理物S1や第2被処理物S2を押挟持しつつ、プランジャー20を上アンビル10や下アンビル30に対して相対的に押圧方向と略垂直な方向にスライド移動させることにより、第1被処理物S1や第2被処理物S2に再び相当ひずみ付与加工を行う。所定角度は、再配置前の第1被処理物S1や第2被処理物S2の軸周りの角度をx°とすると、x°+πn(nは整数)以外である。
2パス加工を行う際は、図4に示すように、被処理物に1パス加工を施した後に、被処理物をいったん第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSから取り出して、例えば長軸周りに被処理物を90°(180°/2)回転させて、第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSに再配置して次パスの相当ひずみ付与加工を行う。
3パス加工を行う際は、図5に示すように、被処理物に1パス加工及び2パス加工を行った後に、それぞれ被処理物をいったん第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSから取り出して、例えばそれぞれ長軸周りに60°(180°/3)回転させてから第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSに再配置して次パスの相当ひずみ付与加工を行う。
このようなマルチパス加工を行うことにより、被処理物の断面における相当ひずみ導入範囲を増やして、被処理物に導入する相当ひずみを略均一に近づけることができる。すなわち、被処理物の断面において、1パス目で充分な相当ひずみを付与できなかった部位にも、2パス目、3パス目で相当ひずみが付与されることとなり、被処理物全体に導入される相当ひずみを略均一に近づけることができる。
また、往復動式のマルチパス加工では、第1油圧装置40で加圧方向D1に第1被処理物S1や第2被処理物S2を加圧しつつ第2油圧装置50でプランジャー20をスライド方向D2(第1の方向)にスライドさせた後、第1被処理物S1や第2被処理物S2の向きをスライド方向D2において反転させ、再び第1油圧装置40で加圧方向D1に第1被処理物S1や第2被処理物S2を加圧しつつ第2油圧装置50でプランジャー20をスライド方向D2(第2の方向)にスライドさせる。すなわち、被処理物を基準にすると、加圧方向が同一でスライド方向が第1の方向と第2の方向とで異なる相当ひずみ付与加工を行うことになる。
また、往復動式のマルチパス加工の他の例として、スライド方向D2において、金型(上アンビル10、プランジャー20、下アンビル30等)を挟んで第2油圧装置50と反対側に別の第3油圧装置(不図示)を設けて、第1油圧装置40が加圧方向D1に第1被処理物S1や第2被処理物S2を加圧しつつ第2油圧装置50がプランジャー20をスライド方向D2(第1の方向)にスライドさせた後、第1油圧装置40が加圧方向D1に第1被処理物S1や第2被処理物S2への加圧を継続したまま第3油圧装置がプランジャー20をスライド方向D2’(第2の方向)にスライドさせる方法もある。この場合においても、被処理物を基準にすると、加圧方向が同一でスライド方向が第1の方向と第2の方向とで異なる相当ひずみ付与加工を行うことができる。
図6は、往復動式のマルチパス加工により被処理物内部に形成される相当ひずみを説明する図である。同図には、第1被処理物S1の内部に形成される相当ひずみを示してあり、第1被処理物S1において、往動パスでプランジャー20によって押し出される側をFront、押し込まれる側をRear、その中間部をCenterとし、Front側近傍の部位を「F部」、Rear側近傍の部位を「R部」、Center付近の部位を「C部」としてある。
同図に示すように、往動パスと復動パスにいずれにおいても、C部では第1被処理物S1の厚み方向略中央付近に相当ひずみが導入される。一方、F部では、往動パスにおいては厚み方向略中央よりも上アンビル10寄りの部位に相当ひずみが導入され、復動パスにおいては厚み方向略中央よりもプランジャー20寄りの部位に相当ひずみが導入される。他方、R部では、往動パスにおいては厚み方向略中央よりもプランジャー20寄りの部位に相当ひずみが導入され、復動パスにおいては厚み方向略中央よりも上アンビル10寄りの部位に相当ひずみが導入される。
このように、加圧方向が同一でスライド方向が異なる往動パスと復動パスとでは、導入される相当ひずみの態様が互いに異なるため、往動パスと復動パスとを併用することにより、一方のパスのみを行う場合に比べてより被処理物の全体に相当ひずみを導入することが可能であり、被処理物内部に導入される相当ひずみを均一に近づけることができる。
しかも、第1油圧装置40による加圧を解除せずに継続的に往動パスと復動パスとを行うことができるため、第1油圧装置40の上下動及び加減圧に係る時間短縮や作業負担軽減の効果がある。また、被処理物の再セットによる位置ズレも無いため、往復動式のマルチパス加工による相当ひずみ導入範囲の制御が容易になる効果もある。
なお、第1被処理物配置部USに第1被処理物S1を配置して第1被処理物S1に相当ひずみを加えるとき、上アンビル10の第1対向面11(第1矩形溝13の底面13a)とプランジャー20の第2対向面21の間には隙間R1が形成されるようになっており、上アンビル10とプランジャー20が加圧方向D1において直接接触しないように構成されている。これにより、上アンビル10の第1対向面11(第1矩形溝13の底面13a)とプランジャー20の第2対向面21との摩擦による損耗を防止できる。
同様に、第2被処理物配置部LSに第2被処理物S2を配置して第2被処理物S2に相当ひずみを加えるとき、下アンビル30の第3対向面31(第2矩形溝33の底面33a)とプランジャー20の第4対向面23の間には隙間R2が形成されるようになっており、下アンビル30とプランジャー20が加圧方向D1において直接接触しないように構成されている。これにより、下アンビル30の第3対向面31(第2矩形溝33の底面33a)とプランジャー20の第4対向面23との摩擦による損耗を防止できる。
また、第1被処理物配置部USや第2被処理物配置部LSに被処理物を配置して相当ひずみを加えるとき、上アンビル10の第1対向面11と下アンビル30の第3対向面31との間にも、隙間R3が形成されるようになっており、上アンビル10と下アンビル30とが加圧方向D1において直接接触しないようになっている。これにより、上アンビル10の第1対向面11と下アンビル30の第3対向面31との摩擦による損耗を防止できる。
ところで、相当ひずみ付与装置100が被処理物に加える相当ひずみεは、下記の式(1)で表すことができる。下記(1)式において、xはプランジャー20のスライド距離、tは被処理物厚さ、をそれぞれ表す。
すなわち、相当ひずみ付与装置100が被処理物に与える相当ひずみεは、スライド距離xに比例し、被処理物の厚みtに反比例する。更に言えば、相当ひずみεは、被処理物に加えた変形による剪断応力に比例する。
以下、相当ひずみ付与装置100を用いて被処理物に相当ひずみを付与した実施例について説明する。
(2)実施例1:
本実施例では、純度99.99%の純アルミ(4N−Al)の丸棒材に対し、上述した相当ひずみ付与装置100を用いて行った相当ひずみ付与加工の結果を説明する。本実施例では、径が3mm、長さが100mmの4N−Alを733Kで焼鈍した丸棒材を被処理物とし、相当ひずみ付与加工を行った。相当ひずみ付与の条件は、室温下で、第1油圧装置40による圧力を1.0GPaとし、第2油圧装置50によるプランジャー20の押し出し長さxを5mm,10mm,15mmとし、パス数は1,2,3とした。
図7は、HPS加工後の断面観察位置を示す図である。同図に示すように、被処理物において、プランジャー20のスライドによって押し出される側をFront、押し込む側をRear、中心をCenterとし、Front側から15mmの「F部」、Rear側から15mmの「R部」、中心付近の「C部」の3箇所の断面に対して、組織観察と硬度試験を行った。硬度試験は、被処理物の断面全体に0.25mm間隔で複数設定された測定点に対し、50gfの試験力を15秒掛けることにより行った。
図8は、HPS加工前のC部における断面の光学顕微鏡写真を示している。同図に示すように、被処理物断面は、平均結晶粒径が数百μmの粗大な結晶粒で構成されている。なお、4N−Alの初期硬度は20Hvであった。
図9は、押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真であり、図10は、押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における硬度試験の結果を示している。これらの図において、図の上下方向が加圧方向D1である。
5mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(加圧方向D1)の略中心部に幅方向を長軸とする楕円状の相当ひずみが導入され、その他の厚さ方向上部や下部に粗大な結晶粒が残存している。また、相当ひずみが導入された部位近くで硬度が上昇している。
10mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(加圧方向D1)の略中心部の楕円状の相当ひずみがより顕著になり、その他の厚さ方向上部や下部との結晶粒サイズのコントラストが鮮明になっている。なお、純アルミの硬度はある量以上の相当ひずみが導入されると減少して飽和することに由来して、押し出し長さの増加に伴い相当ひずみが導入された部位で硬度が減少している。
15mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(加圧方向D1)の略中心部の楕円状の相当ひずみが更に顕著になる。また、相当ひずみが導入された部位ではさらに硬度が低下する一方で硬度が高かった領域の周囲の硬度が上昇している。なお、断面厚さ方向において、相当ひずみ導入位置や硬度上昇位置は、被処理物の長さ方向で異なっている。
なお、いずれの押し出し長さであっても、断面厚さ方向における相当ひずみ導入位置や硬度変化位置は、被処理物の長さ方向で異なっている。例えば、F部では上寄りの位置に、C部では中央部に、R部では下寄りの位置に、それぞれ相当ひずみが導入され、硬度が上昇している。
図11は、押し出し長さ5mm,10mm、15mmの2パス加工後のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真であり、図12は、押し出し長さ5mm,10mm、15mmの2パス加工後のF部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示している。これらの図において、図の左右方向が2パス加工時の加圧方向D1であり、図の上下方向が1パス加工時の加圧方向D1である。
5mmのHPS加工を2パス行うと、C部の断面の上下方向(2パス目の加圧方向D1)の略中心部に左右を長軸方向とする楕円状の微細化領域と、C部の断面の左右方向(1パス目の加圧方向D1)の略中心部に上下を長軸方向とする楕円状の微細化領域が形成され、その他の部分に粗大な結晶粒が残存する。また、微細化領域及びその近くで硬度が上昇している。
10mmのHPS加工を2パス行うと、C部の断面の略中心部における微細化領域がより顕著になり、その他の厚さ方向上部や下部との結晶粒サイズのコントラストが鮮明になっている。なお、上述した純アルミの硬度特性に由来して、微細化領域及びその近くで硬度が低下する一方で、硬度の高い領域が外側へ広がっている。
15mmのHPS加工を2パス行うと、C部の断面の微細化領域が更に顕著になる。また、微細化領域及びその近くで硬度が低下しており、硬度の高い領域が外側へ広がっている。なお、断面厚さ方向において、微細化領域は被処理物の長さ方向で異なる位置に形成されている。
図13は、押し出し長さ5mm,10mmの3パス加工後のC部における断面の光学顕微鏡写真であり、図14は、押し出し長さ5mm,10mmの3パス加工後のC部における断面の硬度試験の結果を示している。
5mmのHPS加工を3パス行うと、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部に長軸方向が略60°異なる楕円状の微細化領域が3つ形成され、C部の断面のほぼ全体が微細化される。また、C部の断面全体でほぼ均一な硬度分布となる。
10mmのHPS加工を3パス行うと、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部の楕円状の微細化領域がより顕著になる。また、微細化領域及びその近くで硬度が低下しており、C部の断面全体が均一な硬度になっている。
(3)実施例2:
本実施例は、Al−3%Mg−0.2%Sc(%はwt%)の丸棒材に対し、上述した相当ひずみ付与装置100を用いて行った相当ひずみ付与試験の結果を示す。本実施例では、溶体化処理を行ったAl−3%Mg−0.2%Sc合金の丸棒材を被処理物として、相当ひずみ付与加工を行った。なお、溶体化処理は、T=873K、τ=1hで行った。相当ひずみ付与加工条件は、室温下で、第1油圧装置40による圧力Pを1.0GPaとし、第2油圧装置50によるプランジャー20の押し出し長さxを5mm,10mm,15mmとし、パス数は1,2,3とした。
組織観察と硬度試験は、上述した実施例1と同様に、Front側から15mmの「F部」、Rear側から15mmの「R部」、中心付近の「C部」の3箇所の断面に対して行った。硬度試験も、第1実施例と同様に、被処理物の断面全体に0.25mm間隔で複数設定された測定点に対し、50gfの試験力を15秒掛けることにより行った。
図15は、HPS加工前のC部における断面の光学顕微鏡写真と硬度試験の結果を示している。同図に示すように、被処理物の断面は、平均結晶粒径が26μmの粗大な結晶粒で構成されており、平均硬度が54.7Hvである。
図16は、押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真であり、図17は、押し出し長さ5mm,10mm,15mmの1パス加工後のF部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示している。
5mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部に幅方向を長軸とする楕円状の相当ひずみが導入され、その他の厚さ方向上部や下部に粗大な結晶粒が残存する。また、相当ひずみが導入された部位近くで硬度が上昇している。
10mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部の楕円状の相当ひずみがより顕著になり、その他の厚さ方向上部や下部との結晶粒サイズのコントラストが鮮明になっている。また、相当ひずみが導入された部位で硬度が上昇しており、特に被処理物の幅方向の両端で硬度が上昇している。
15mmのHPS加工を1パス行うと、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部の楕円状の相当ひずみが更に顕著になる。また、相当ひずみが導入された部位で硬度が上昇しており、特に被処理物の幅方向の両端の硬度は150Hvまで上昇している。
図18は、押し出し長さ10mmの1パス加工,2パス加工及び3パス加工後のC部における断面の光学顕微鏡写真及び硬度試験の結果を対比して示している。
1パス加工では、C部の断面の厚さ方向(加圧方向D1)の略中心部に幅方向を長軸とする楕円状の微細化領域が形成され、その他の厚さ方向上部や下部に粗大な結晶粒が残存しているが、2パス加工では、C部の断面の上下方向(2パス目の加圧方向D1)の略中心部に左右を長軸方向とする楕円状の微細化領域と、C部の断面の左右方向(1パス目の加圧方向D1)の略中心部に上下を長軸方向とする楕円状の微細化領域が形成され、その他の部分に粗大な結晶粒が残存する。そして、3パス加工では、C部の断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中心部に長軸方向が略60°異なる楕円状の微細化領域が3つ形成され、C部の断面のほぼ全体が微細化されている。
硬度は、各パス加工で形成した微細化領域を中心に上昇しつつ、被処理物断面全体で上昇している。特に、3パス加工後の被処理物断面では、被処理物断面のほぼ全体が微細化されていることに対応して被処理物断面のほぼ全体で一定以上の硬度になっており、特に、被処理物中心部では非常に高い硬度が実現されていることが分かる。
図19は、10mmの1パス加工後の被処理物断面の透過型電子顕微鏡写真、図20は、10mmの3パス加工後の被処理物断面の透過型電子顕微鏡写真である。図19,図20において、上部左写真、上部右写真、下部左写真は、それぞれ、明視野像、暗視野像、制限視野回折パターンであり、暗視野像は制限視野回折パターン中の矢印の回折ビームで撮影したものである。これらの図に示すように、1パス加工後の粒径は左右に細長い比較的大きな結晶粒径であるのに対し、3パス加工後の被処理物は全体的に平均結晶粒径が約270nmに微細化されており、パス数の増大に伴い微細化が進行することが分かる。
このように、4N−Alに比べて高硬度のAl−Mg−Sc合金であっても、相当ひずみ付与装置100を用いて被処理物を微細化し、硬度を上昇することが出来ることが分かる。従って、相当ひずみ付与装置100を用いて材料の硬度を上昇させて、機械的特性や機能的特性を向上させることができる。
図21,図22は、Al−Mg−Sc合金の引張試験の結果を示す図である。図21には、相当ひずみ付与加工前(溶体化処理後)の被処理物、10mmの1パス加工後の被処理物、10mmの2パス加工後の被処理物、10mmの3パス加工後の被処理物、のそれぞれについて573Kで引張試験を行い、被処理物が破断するまでの引張応力(MPa)と伸長長さ(%)の関係をプロットしてある。図22は、各被処理物が破断したときの伸長長さを対比して示してある。
図21,図22に示すように、相当ひずみ付与加工前(溶体化処理後)の被処理物では、約60%の伸長で破断するが、1パス加工後の被処理物では破断までに約470%も伸長し、2パス加工後の被処理物では破断までに約880%も伸長し、3パス加工後の被処理物では破断までに約1030%も伸長する。一般的に、合金であれば約400%伸長すれば超塑性材料と言われるところ、本実施例では、1パス加工後の被処理物が既に超塑性を示し、2パス加工、3パス加工後の被処理物では更に高い超塑性の特性を示すことが分かる。
このように、相当ひずみ付与加工により微細化した材料は、室温ではホールペッチの関係に従い強度が高いものの、高温(融点の約半分以上の温度)になると微細結晶粒が示す超塑性による粒界滑りで逆に柔らかくなる。従って、上述した実施例1,2に係る被処理物についても高温にすることで材料の硬度を大きく低下させて加工容易性を向上することができる。
本実施例では、Al−Mg−Sc合金の融点が933Kであり、引張試験を573Kで行っている。その結果、図21に示すように、最大引張応力は、相当ひずみ付与加工前(溶体化処理後)の被処理物では約86MPaも必要であるのに対し、1パス加工後の被処理物では約45MPa、2パス加工後の被処理物では約32MPa、3パス加工後の被処理物では約21MPa、と微細化が進むにつれて伸長に必要な引張応力が徐々に低下しており、パス数の増加に伴って徐々に高い超塑性の特性を示すようになることが分かる。
(4)実施例3:
本実施例は、AZ61マグネシウム合金(以下、AZ61と略す。)の丸棒材に対し、上述した相当ひずみ付与装置100を用いて行った相当ひずみ付与加工の結果を説明する。本実施例では、径が3mm、長さが100mmのAZ61を773Kで焼鈍した丸棒材を被処理物とし、相当ひずみ付与加工を行った。相当ひずみ付与の条件は、473Kの温度で、第1油圧装置40による圧力を1.4GPaとし、第2油圧装置50によるプランジャー20の押し出し長さxを10mmとし、押出速度を0.2mm/sとしてある。
図23は、往動パスのみを行った場合のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真と、F部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示し、図24は、往復動パスを行った場合のF部,R部,C部における断面の光学顕微鏡写真と、F部,R部,C部における断面の硬度試験の結果を示している。これらの図において、図の上下方向が加圧方向D1である。
組織観察と硬度試験は、上述した実施例1と同様に、Front側から15mmの「F部」、Rear側から15mmの「R部」、中心付近の「C部」の3箇所の断面に対して行った。硬度試験も、第1実施例と同様に、被処理物の断面全体に0.25mm間隔で複数設定された測定点に対し、50gfの試験力を15秒掛けることにより行った。なお、FrontとRearの関係は、往動パスにおけるプランジャー20のスライド方向を基準にして決めてある。
往動パスのみを行った場合、C部では、断面の厚さ方向(各対向面に垂直な方向)の略中央部に幅方向に沿って集中的に相当ひずみが導入され、その他の厚さ方向上部や下部にはほとんど相当ひずみが導入されていない。また、相当ひずみが導入された部位近くで硬度が上昇し、その他の部位ではほとんど硬度が上昇していない。
一方、F部では、断面の厚さ方向の略中央部よりも上側に広がりを持って相当ひずみが導入され、略中央部よりも下側にはほとんど相当ひずみが導入されていない。また、相当ひずみが導入された部位近くで硬度が上昇し、その他の部位ではほとんど硬度が上昇していない。
他方、R部では、断面の厚さ方向の略中央部よりも下側に広がりを持って相当ひずみが導入され、略中央部よりも上側にはほとんど相当ひずみが導入されていない。また、相当ひずみが導入された部位近くで硬度が上昇し、その他の部位ではほとんど硬度が上昇していない。
これに対し、往復動パスを行った場合、C部については、往動パスのみの場合と同様に断面の厚さ方向の略中心部に集中的に相当ひずみが導入されているが、F部については、断面の厚さ方向の略中央部より下側にも広がりを持って全体的に相当ひずみが導入され、R部については断面の厚さ方向の略中央部より上側にも広がりを持って全体的に相当ひずみが導入されている。
すなわち、図6に示すように、往動パスにおける相当ひずみ導入範囲と復動パスにおける相当ひずみ導入範囲とが相違するため、往復動式のマルチパス加工を行うことにより、被処理物内に導入される相当ひずみを、一方向のみのパス加工の場合に比べて均一に近づけることができる。特に、被処理物端部に近いF部やR部に導入される相当ひずみを被処理物断面方向において均一に近づけることができることが分かる。
図25〜図30は、往復動パスにより相当ひずみ付与加工を行ったAZ61の引張試験の結果を示す図である。図25,図26は1パス加工、図27,図28は2パス加工、図25,図26は3パス加工を行ったAZ61に関する。
図25,図27,図29には、それぞれ、相当ひずみ付与加工前(溶体化処理後)の被処理物、被処理物のF部(L=15mm)、被処理物のC部(L=50mm)、被処理物のR部(L=85mm)、のそれぞれから切り出したサンプルについて473Kで引張試験を行い、被処理物が破断するまでの引張応力(MPa)と伸長長さ(%)の関係をプロットしてある。図26,図28,図30には、各被処理物が破断したときの伸長長さを対比して示してある。
図25〜図30から分かるように、被処理物のF部やR部から切り出したサンプルは、いずれも被処理物のC部から切り出したサンプルよりも高い伸長長さを示している。また、被処理物のF部やR部の伸長長さを各パスで比較すると、1パス加工を行った被処理物の破断までの伸長長さは100%であったのに対し、2パス加工を行った被処理物は320%の伸長長さを示し、3パス加工を行った被処理物のR部では伸長長さが500%を超えて超塑性が出現する状態になっている。すなわち、パス回数を重ねるにつれて破断までの伸長長さが改善することが分かる。
(5)まとめ:
以上説明した各実施形態及び各実施例によれば、少なくとも2つの金型(上アンビル10及びプランジャー20、及び/又は、プランジャー20及び下アンビル30)の間に被処理物を配置して金型の間に被処理物を押圧挟持しつつ、押圧方向と略垂直な方向に金型を相対的にスライド移動させることにより被処理物に相当ひずみを導入する相当ひずみ付与加工を行うにあたり、被処理物を基準にしたときの金型による被処理物の押圧方向と金型の相対的なスライド方向との少なくとも一方が互いに異なる2種以上の相当ひずみ付与加工を行うことにより、被処理物内に形成される相当ひずみを均一に近づけることができる。なお、被処理物を基準にしたときに金型による被処理物の押圧方向が互いに異なる相当ひずみ付与加工としては、上述した軸回転式の相当歪み付与加工の1パス、2パス、3パスが相当し、被処理物を基準にしたときに金型のスライド方向が互いに異なる相当ひずみ付与加工としては、上述した往復動式の相当ひずみ付与加工の往動パス、復動パスが相当する。これにより、従来のHPS法では相当ひずみを均一に導入することができなかった被処理物についても、従来に比べて被処理物全体に略均一な相当ひずみを導入することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態や実施例に限られず、上述した実施形態や実施例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態や実施例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
10…上アンビル、11…第1対向面、12…第1加圧面、13…第1矩形溝、13a…底面、14…第1半円溝、20…プランジャー、21…第2対向面、22…第2半円溝、23…第4対向面、23…第3対向面、24…第4半円溝、30…下アンビル、31…第3対向面、32…第2加圧面、33…第2矩形溝、33a…底面、34…第3半円溝、40…第1油圧装置、50…第2油圧装置、100…付与装置、D2…スライド方向、D1…加圧方向、S1…第1被処理物、S2…第2被処理物、US…第1被処理物配置部、LS…第2被処理物配置部

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの金型の間に第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを導入する相当ひずみ付与加工を行うにあたり、
    前記第1被処理物を基準にしたときの前記金型による前記第1被処理物に対する押圧方向と前記金型の相対的なスライド方向との少なくとも一方が互いに異なる2種以上の相当ひずみ付与加工を行うことにより、前記第1被処理物内に形成される相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする相当ひずみ付与方法。
  2. 前記金型の間に前記第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、前記押圧方向と略垂直な何れかの軸周りに所定角度だけ前記第1被処理物を回転させて前記金型の間に前記第1被処理物を再配置して前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物の相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする請求項1に記載の相当ひずみ付与方法。
  3. 前記金型の間には円筒状の第1収容部が形成されており、
    当該第1収容部に収容される前記第1被処理物は、前記第1収容部と径が略等しい円柱状であり、
    前記第1収容部に前記第1被処理物を配置して、前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、前記第1被処理物の円柱の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする請求項2に記載の相当ひずみ付与方法。
  4. 前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、
    前記第1被処理物を略円柱の軸周りに前記所定角度だけ回転させて前記第1収容部に再配置して、前記金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持しつつ、前記第1被処理物の円柱の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させることにより、前記第1被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする請求項3に記載の相当ひずみ付与方法。
  5. 前記所定角度は、再配置前の前記第1被処理物の前記軸周りの角度をx°とすると、x°+πn(nは整数)以外であることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の相当ひずみ付与方法。
  6. 第1金型と第2金型の間に形成された前記第1収容部に、前記第1被処理物を配置し、
    前記第2金型と第3金型の間に前記第1収容部と軸平行な円筒状に形成された第2収容部に、当該第2収容部と径が略等しい円柱状の第2被処理物を配置し、
    前記第1金型と前記第2金型の間に前記第1被処理物を押圧挟持するとともに前記第2金型と前記第3金型との間に前記第2被処理物を押圧挟持し、前記第1被処理物及び前記第2被処理物の円柱の軸方向に前記第2金型をスライド移動させることにより、前記第1被処理物及び前記第2被処理物に同時に相当ひずみを付与することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の相当ひずみ付与方法。
  7. 前記金型の間に前記第1被処理物を配置して前記金型にて前記第1被処理物を押圧挟持しつつ押圧方向と略垂直な第1の方向に前記金型の1つをスライド移動させることにより前記第1被処理物に相当ひずみを付与した後、前記金型による前記第1被処理物の押圧挟持を継続したまま前記押圧方向と略垂直で前記第1の方向と異なる第2の方向に前記金型の1つをスライド移動させることにより、前記第1被処理物の相当ひずみを均一に近づけることを特徴とする請求項1に記載の相当ひずみ付与方法。
  8. 所定の位置関係で配置したときに間に円筒状の収容部を形成する少なくとも2つの金型と、前記収容部に配置される被処理物を押圧挟持する方向に前記金型を加圧する加圧装置と、前記収容部の円筒の軸方向に前記金型を相対的にスライド移動させる駆動装置と、を備え、前記収容部と径が略等しい円柱状の被処理物を前記収容部に配置して、前記金型を介して前記加圧装置で前記被処理物を押圧挟持しつつ、前記駆動装置で前記金型をスライド移動させることにより、前記被処理物に相当ひずみを付与することを特徴とする相当ひずみ付与装置。
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