JP6353372B2 - 方立とその組立方法 - Google Patents
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Description
本発明によれば、固定方立部材と可動方立部材は荷重受け部と荷重伝達部を当接させて一体化しており、移動可能な可動方立部材は躯体に直接固定されていないが、無目とパネルを含む荷重は荷重伝達部から荷重受け部を介して躯体に固定された固定方立部材で受けることができる。また、可動方立部材に連結した無目が気温などの熱の影響で伸長または収縮した場合、可動方立部材が固定方立部材に対して接近または離間する方向に移動可能であるから、無目が伸縮しても変形することなく可動方立部材の移動によって吸収できる。
本発明では、可動方立部材は荷重伝達部の可動アーム部と当接部から荷重受け部の固定アーム部と受け部を介して固定方立部材に荷重を伝達して受けさせることができ、しかも可動方立部材が無目の熱影響を受けて移動したとしても一体に移動する固定伝達部を介して係合状態にある荷重受け部で可動方立部材や無目等の荷重を受けて固定方立部材で支えることができる。
固定方立部材に対して可動方立部材が移動したとしても、支持部材の切欠の内径は締結ボルトの軸より大径であるから支持部材を可動方立部材と一体に移動できる上に、可動方立部材の荷重の一部を締結ボルトで分担できる。更に、可動方立部材に連結した支持部材を固定方立部材と躯体に設けた固定金具との間に嵌合させることで、可動方立部材を奥行方向に固定できる。
固定方立部材の屋外側端部は断面略T字状に形成したため、可動方立部材が移動しても固定方立部材の先端面によって屋外に露出しないように隠すことができて外観の見栄えがよい。
本発明による方立の組立方法によれば、固定方立部材を躯体に固定し、その後に、可動方立部材を降下させて荷重受け部に荷重伝達部を当接させて、固定方立部材に対向して配設することで方立を一体化できる。これによって、無目が気温等の熱の変化によって伸縮した場合でも可動方立部材を移動することで吸収できる上に、可動方立部材の移動を許容しながら無目やパネル等を含む荷重を荷重当接部と荷重受け部を介して固定方立部材で支えることができる。
また、無目が熱の影響のために伸縮したとしても、可動方立部材が固定方立部材に対して無目の伸縮に応じて移動することを許容するため、可動方立部材に連結した無目が熱による応力で変形したりパネル等の他の部材を損傷したりすること等を防止することができる。
図1に示す実施形態による外壁をなすカーテンウォール1は、縦方向に配設されていて左右方向に所定間隔を開けて配列された複数の方立2と、方立2に直交する横方向に配設されていて上下に所定間隔を開けて配列された複数の無目3とを備えている。カーテンウォール1は、例えば図9に示すような形状の枠ユニット1A等を順次組み立てたものである。
図1に示すカーテンウォール1の例では、上下方向に隣接する2本の無目3の間に屋内の床面が例えば2FL(2階床面)、3FL(3階床面)として設置されている。
図3において、方立2は間隙kを開けて対向して配設された固定方立部材11と可動方立部材12とで構成されている。可動方立部材12は固定方立部材11に対してその長手方向に直交する方向に所定の範囲で移動可能とされている。
しかも、固定方立部材11のT字型部13の先端面13a側の基部13bには、可動方立部材12と反対側に無目3が連結されている。
また、固定方立枠部14の屋外側端部には可動方立枠部18にパッキンを介して当接する中間当接片14cが形成されている。
しかも、可動方立部材12の可動基部17の先端側には、固定方立部材11と反対側(図3において右側)に無目3が連結されている。
これらの各ガラスパネル9は、左右の方立2の固定方立部材11及び可動方立部材12と上下の無目3の各呑込み部22によって保持されている。また、図3に示すガラスパネル9は1枚ガラスにしたが、ペアガラス等の複数層のガラスパネルを配設してもよく、或いはガラスパネルに代えて外壁をなす壁面パネル等を設置してもよい。
しかも、図5に示すように、固定ジョイントスリーブ27の受け部27aに可動ジョイントスリーブ28の可動アーム部28bが当接すると共に、固定アーム部27bに当接部28aが当接することで、可動方立部材12の荷重を固定方立部材11の固定ジョイントスリーブ27で受け止めている。
また、互いに噛み合う固定及び可動ジョイントスリーブ27,28同士が屋内外方向にずれようとしてもガイドストッパー26aが中間当接片14cに当接したり、或いは可動ジョイントスリーブ28が固定支持板25のガイドストッパー25aに当接することで阻止される。
こうして、固定方立部材11に対する可動方立部材12の移動範囲とずれを規制することができる。なお、図6(c)及び図7(c)において、固定及び可動ジョイントスリーブ27,28の固定アーム部27bと可動アーム部28bはガイドストッパー25a、26aに形成した溝に嵌合するよう一部分が拡幅しているが、していなくてもよい。
図8(b)に示すように、支持板31aは下方から上方に向けて略逆U字状の切欠31cが形成されており、この切欠31cが締結ボルト7Bの軸7bに上方から嵌挿可能とされている。
しかも、図8(b)に示すように、切欠31cは上部の略半円状に切り欠いた内径寸法が締結ボルト7Bの軸7bの外径より大きく設定されており、支持アングル30が左右方向にスライド可能なように若干の間隙を形成している。また、支持板31aの固定金具6側にはスペーサ32がねじ等で連結されている。
そして、支持アングル30は可動方立部材12を方立2に取り付ける際、支持板31aを固定方立部材11の屋内側端面14aと固定金具6の起立部6bとの間に挿入して切欠31cを締結ボルト7Bの軸7bに嵌挿させる。可動方立部材12は支持板31aを屋内側端面14aと起立部6bの間に挟むことによって屋内外方向(奥行方向)に移動することを規制される。
カーテンウォール1の組立に際し、図9において、先に組み立てたカーテンウォール1に対して、各フロアの床面を基準として各2つの方立2と無目3を予め組み立ててなる各種形状の枠ユニット1A、1B、…を順次組み立てて方立2を躯体5に固定する。
まず、図10に示すように、躯体5に所定間隔で固定された固定金具6において、左側の固定金具6の起立部6bには、固定方立部材11が屋内側端面14aを通して締結ボルト7Bによって固定されている。しかも左側の固定方立部材11のT字型部13には無目3が連結されている。
これに対して、枠ユニット1Aとして、可動方立部材12と固定方立部材11がその上下位置で無目3によって連結された構成のものが搬送されて取り付けられる。
そのとき、図12に示すように、固定方立部材11の固定ジョイントスリーブ27に対して可動ジョイントスリーブ28が係合するように可動方立部材12を降下させて当接部28aと固定方立部材11の受け部27aがそれぞれアーム部27b、28bに当接するように互いに係合させて位置決めして保持する。
そして、固定方立部材11の屋内側端面14aに可動方立部材12がその屋内側当接片18aに設けたパッキンを介して当接し、T字型部13の先端面13aに設けたパッキン19に可動方立部材12の先端当接片17aが当接する。これによって、固定方立部材11と可動方立部材12とが間隙kを開けて気密・液密に対向する方立2を一体に形成する。
このような作業を順次繰り返すことで、枠ユニット1A等を順次接続してカーテンウォール1を外壁として組み立てる。
その後、一対の方立2と無目3で仕切られた枠体8に呑込み部22を介してガラスパネル9を装着する。
本実施形態による方立2において、カーテンウォール1が高温にさらされて無目3が熱膨張した場合、各無目3の一方は固定金具6を介して躯体5に固定された固定方立部材11に連結固定されているが、他方は可動方立部材12に連結されているため熱膨張で伸長する。
すると、各方立2の可動方立部材12が固定方立部材11側に微小量移動し、可動ジョイントスリーブ28は固定ジョイントスリーブ27上を互いに重なる方向に移動する。その際、可動ジョイントスリーブ28はガイドストッパー26aが中間当接片14cや屋内側端面14aに当接したり、或いは固定ジョイントスリーブ27のガイドストッパー25aに当接することによってガイドされ、ずれることなく互いに重なりを大きくする方向に相対移動する。
なお、可動方立部材12の移動は可動ジョイントスリーブ28のガイドストッパー26aが固定ジョイントスリーブ27のガイドストッパー25aに当接することで阻止される。
しかも、躯体5に固定されていない可動方立部材12は無目3やガラスパネル9を含む荷重を可動ジョイントスリーブ28から固定ジョイントスリーブ27を介して固定方立部材11で受けて支えると共に、可動方立部材12の移動範囲を互いに係合する固定ジョイントスリーブ27と可動ジョイントスリーブ28やガイドストッパー25a,26aによって規制できる。
また、方立2において可動方立部材12が熱応力で移動したとしても、屋外側においては固定方立部材11のT字型部13の先端面13aの内側で移動するため可動方立部材12の移動が外部に露出することはない。従って、外観上の見栄えが良く意匠性が向上する。
なお、可動方立部材12の支持アングル30は必ずしも設置しなくてもよい。この場合でも、可動方立部材12は屋内側当接片18aと可動基部17が固定方立部材11に当接することで屋内外方向に移動しないように保持できる。
なお、本発明において、上述した固定ジョイントスリーブ27は荷重受け部を構成し、可動ジョイントスリーブ28は荷重伝達部を構成する。
2 方立
3 無目
5 躯体
6 固定金具
7A,7B,7C 締結ボルト
9 ガラスパネル
11 固定方立部材
12 可動方立部材
13 T字型部
13a 先端面
14a 屋内側端面
25 固定支持板
26 可動支持板
27 固定ジョイントスリーブ
27a 受け部
27b 固定アーム部
28 可動ジョイントスリーブ
28a 当接部
28b 可動アーム部
30 支持アングル
31a 支持板
31c 切欠
Claims (5)
- 躯体に固定された固定方立部材と、
無目に連結されていて該無目の長手方向に移動可能に保持された可動方立部材と、
前記可動方立部材に設けた荷重伝達部と、
前記固定方立部材に設けていて前記荷重伝達部に相対移動可能に当接して前記可動方立部材の荷重を受ける荷重受け部とを、
備えたことを特徴とする方立。 - 前記荷重受け部は前記可動方立部材の方向に延びる固定アーム部と受け部とを備え、前記荷重伝達部は前記受け部に当接する可動アーム部と前記固定アーム部に当接する当接部とを備えた請求項1に記載された方立。
- 前記固定方立部材と躯体を連結する固定金具及び締結ボルトと、
前記固定方立部材と前記固定金具の間に挿入されていて前記可動方立部材に連結された支持部材とを備え、
前記支持部材は前記締結ボルトの軸に嵌挿される切欠を有していて、前記切欠の内径は前記軸の外径より大きく設定されている請求項1または2に記載された方立。 - 前記固定方立部材の屋外側端部は断面略T字状に形成されていて、前記T字状の先端面の屋内側に前記可動方立部材が配設されている請求項1から3のいずれか1項に記載された方立。
- 荷重受け部を設けた固定方立部材を躯体に固定する工程と、
無目を連結した可動方立部材を降下させて前記荷重受け部に荷重伝達部を摺動可能に当接させて前記可動方立部材を固定方立部材に対向して配設する工程とを備え、
前記可動方立部材の荷重を前記荷重伝達部と荷重受け部を介して前記固定方立部材に伝達すると共に、前記可動方立部材は無目の伸縮によって該無目の長手方向に移動可能としたことを特徴とする方立の組立方法。
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