以下に、本発明に係るパレット落下防止装置を具体化した一実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、パレット落下防止装置が昇降式の立体駐車設備に用いられるものとなっている。以下では、まずその立体駐車設備の概略について図5を用いて説明する。図5は、立体駐車設備の概略を示す概略正面図である。
図5に示すように、立体駐車設備80は、昇降式の駐車設備となっており、その四隅に設けられた複数の支持柱81と、隣り合う支持柱81の間に架け渡された梁82と、支持柱81に沿って昇降可能に設けられたパレット83とを備える。パレット83には、1台分の車両(自動車)を載せることが可能となっている。パレット83は、図示しない昇降用チェーンにより吊り下げられた状態でモータ等の駆動機構を用いて昇降するようになっている。なお、支持柱81及び梁82がそれぞれ立体駐車設備80の構造体に相当する。
立体駐車設備80において各支持柱81の側面にはそれぞれ、パレット83が落下するのを防止するパレット落下防止装置10が取り付けられている。以下、このパレット落下防止装置10の構成について図1及び図2に基づいて説明する。図1は、(a)がパレット落下防止装置10を示す平面図であり、(b)が正面図であり、(c)が側面図である。図2はパレット落下防止装置10の内部構成を示す縦断面図であり、(a)がパレット受けレバーが傾倒位置にある状態を示し、(b)がパレット受けレバーが退避位置にある状態を示している。なお、図2(a)及び(b)は図1(b)のA−A線断面図に相当する。
図1及び図2に示すように、パレット落下防止装置10は、立体駐車設備80の支持柱81に取り付けられる取付本体11と、その取付本体11に回動可能に軸支されたパレット受けレバー12とを備える。取付本体11は、対向して設けられた一対の側板15と、それら各側板15に架け渡されて設けられた複数(具体的には3つ)の筒部16〜18とを有する。各側板15は所定の厚みを有する平板状の鋼板よりなり、各筒部16〜18はいずれも円管状の鋼管よりなる。各筒部16〜18は、所定の間隔(詳しくは等間隔)で上下に並んで配置されており、それら各筒部16〜18により一対の側板15が互いに連結されることで取付本体11が構成されている。
なお以下では、各筒部16〜18のうち上側の筒部16を上側筒部16といい、中間の筒部17を中間筒部17といい、下側の筒部18を下側筒部18という。また、各筒部16〜18の内側には、後述するように、取付本体11を支持柱81に取り付けるための取付ボルト67を挿通可能となっている。
取付本体11の上面側には天板21が取り付けられている。天板21は、各側板15の上端部に跨がって設けられており、その幅方向の両端側がそれぞれ下方に折り曲げられてフランジ部21aとなっている。それら各フランジ部21aはそれぞれ側板15の外側面に重ね合わせて設けられ、その状態で側板15にリベット24で固定されている。また、天板21には、その一部にパレット受けレバー12との干渉を回避するための切り欠き25が形成されている。
取付本体11の背面側には背板22が取り付けられている。背板22は、各側板15の後端部に跨がって設けられており、その幅方向の両端側がそれぞれ前方に折り曲げられてフランジ部22aとなっている。それら各フランジ部22aはそれぞれ側板15の外側面に重ね合わせて設けられ、その状態で側板15にビス49により固定されている。
パレット受けレバー12は、所定の厚みを有する長尺平板状に形成されている。パレット受けレバー12は、上側筒部16に回動可能に軸支されている。パレット受けレバー12には、その回動基端側に厚み方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されている。この貫通孔には、その貫通方向の両側からそれぞれ軸受け29が嵌め込まれており、それら各軸受け29の内側に上側筒部16が挿通されている。これにより、パレット受けレバー12は、上側筒部16に軸受け29を介して回動可能に軸支されている。なお、この場合、上側筒部16が支軸に相当する。また、パレット受けレバー12は、かかる支持状態において各側板15の間の中央部に配置されている。
パレット受けレバー12は、取付本体11に対して前方に傾倒される傾倒位置(図2(a)に示す位置)と、その傾倒位置から後方に退避される退避位置(図2(b)に示す位置)との間で回動可能とされている。パレット受けレバー12は、傾倒位置に配置されることでパレット83の落下を防止するものとなっている。
パレット受けレバー12は、互いに重ね合わせられた複数(具体的には2つ)の板材31を有し、それら複数の板材31がかしめピン32によるかしめにより互いに結合されることで構成されている。各板材31は、所定の厚みを有する平板状の鋼板がプレス機により打ち抜き加工されることで形成されている。この場合、パレット受けレバー12が1枚の板材により構成される場合と比べて、打ち抜き加工する板材31の厚みを小さくすることができるため、板材31の打ち抜きをし易くすることができる利点がある。なお、パレット受けレバー12は必ずしも複数の板材31を有して構成する必要はなく、1枚の板材により構成してもよい。
パレット受けレバー12は、その前方への回動が中間筒部17により規制されている。中間筒部17は、パレット受けレバー12が傾倒位置よりも前方へ回動(傾倒)するのを規制するものであり、規制軸に相当する。中間筒部17の外側には円筒状のゴムカバー35が被せられている。このゴムカバー35は、パレット受けレバー12が中間筒部17に衝突する際の衝撃を緩和する緩衝部材である。このゴムカバー35により上記衝撃を緩和することで衝突時に発生する音の低減が図られている。
また、ゴムカバー35の内周面と中間筒部17の外周面との間には、ゴムカバー35(中間筒部17)においてパレット受けレバー12が衝突する衝突部位に対応させて中空部36が形成されている(図3参照)。中空部36は、ゴムカバー35(図3の二点鎖線参照)の周方向全域に亘って延びる円環状をなしている。この中空部36が設けられていることで、パレット受けレバー12の衝突時に発生する音の低減効果が高められている。詳しくは、ゴムカバー35の内周面には周方向全域に亘って延びる凹部37が形成され、中間筒部17の外周面には周方向全域に亘って延びる凹部38が形成されている。そして、これら対向する各凹部37,38によって上記中空部36が構成されている。
取付本体11の内部(換言すると各側板15の間)には、パレット受けレバー12の回動を駆動するソレノイド41が設けられている。ソレノイド41は、ソレノイド本体42と、ソレノイド本体42の内部に挿入されたプランジャ43とを有する。ソレノイド本体42は、コイルボビンに巻回されたコイルを絶縁性樹脂でモールドすることにより形成されている。
ソレノイド本体42は、各側板15に一対の取付金45を介して取り付けられている。それら一対の取付金45は、ソレノイド本体42を挟んだ上下両側に設けられている。各取付金45はそれぞれ、ソレノイド本体42を挟んで互いに対向する矩形のベース板部46と、ベース板部46の四辺からソレノイド本体42側とは反対側に向けて延びる前板部47、後板部(図示略)及び一対の側板部48とを有する。ソレノイド本体42は、それら各取付金45のベース板部46により上下に挟み込まれた状態で保持され、その状態で各取付金45の各々の側板部48が各側板15にビス49により固定されている。
なお、ビス49は、側板15に形成されたビス孔(図示略)を介して側板部48に形成されたビス孔51にねじ込まれている。この場合、ビス49の頭部49aが側板15の外側に露出(突出)して設けられている。なお、このビス49が固定具に相当する。また、図示は省略するが、各取付金45のベース板部46には、プランジャ43を挿通させる挿通孔が形成されている。
このように、各取付金45がソレノイド本体42を挟んだ上下に配される上述の構成では、各取付金45と各側板15とによりソレノイド本体42が四方から囲まれた状態となっている。この場合、各取付金45と各側板15とによってソレノイド41への通電時に磁界が形成される磁気回路が構成される。これに対して、ソレノイド本体42の取付金がソレノイド本体42を囲むように形成されている既存の構成では、取付金のみにより磁気回路が構成される。しかしながら、かかる構成では、取付金の一部が側板15とソレノイド本体42との間に介在されることになるため、その分各側板15同士の間隔が大きくなってしまう。その点、各取付金45をソレノイド本体42の上下に配した上述の構成では、側板15とソレノイド本体42との間に取付金45の一部を介在させなくても済むため、その分各側板15同士の間隔を小さくすることが可能となる。
プランジャ43は、その上部がソレノイド本体42に対して上方に突出している。その突出部分には、連結部材53を介してパレット受けレバー12が連結されている。連結部材53は、その下端部がプランジャ43の上端部に軸部54を介して回動可能に連結され、その上端部がパレット受けレバー12に軸部55を介して回動可能に連結されている。なお、図示は省略するが、連結部材53は上方に開放された溝部を有し、その溝部にパレット受けレバー12が挿し入れられた状態で同レバー12が軸部55を介して連結部材53に連結されている。
連結部材53は、付勢部材としてのコイルばね56により上方に向けて付勢されている。コイルばね56は、その一端部(上端部)が背板22の上端部において内側に折り曲げられた折り曲げ部22bに取り付けられており、その他端部(下端部)が連結部材53に取り付けられている。このコイルばね56により連結部材53が上方に向けて付勢されていることで、連結部材53に連結されたプランジャ43も上方に向けて付勢されている。したがって、ソレノイド41への通電が行われていない場合には、図2(a)に示すように、プランジャ43が上昇した状態にあり、それに伴いパレット受けレバー12が前方に傾倒して傾倒状態とされている。それに対して、ソレノイド41への通電が行われると、図2(b)に示すように、プランジャ43がコイルばね56への付勢力に抗して下方に変位し、それに伴いパレット受けレバー12が後方に回動し退避状態となる。
側板15(15a)の内側には、パレット受けレバー12の位置を検出する位置検出手段としてのマイクロスイッチ59が設けられている。マイクロスイッチ59は、側板15の内側面に平板状の固定部材58を介して取り付けられている。マイクロスイッチ59は、軸部55の回転軌道上に配置され、より詳しくは軸部55において連結部材53よりも外側(図2(a)及び(b)の紙面奥側)に突出する突出部の回転軌道上に配置されている。パレット受けレバー12が傾倒位置にある場合には、軸部55がマイクロスイッチ59から離間した位置に配置されマイクロスイッチ59がオフ状態となる(図2(a)参照)。それに対して、パレット受けレバー12が退避位置にある場合には、マイクロスイッチ59が軸部55に押されてオン状態となる(図2(b)参照)。
ところで、本実施形態では、取付本体11の各筒部16〜18にそれぞれ側板15に対して外側に突出する突出部が設けられている。本実施形態では、この突出部が設けられている点に特徴を有しており、以下においてはこの突出部に関する構成について図3を用いながら説明する。なお、図3は取付本体11の構成を示す縦断面図である。また、以下では、各側板15のうち右側の側板15の符号にaを付し、左側の側板15の符号にbを付す。
上述したように、取付本体11において各側板15a,15bの間には3つの筒部16〜18が架け渡されている。これら3つの筒部16〜18はいずれも軸線方向の長さが同じとなっており、その長さが各側板15a,15bの外側面同士の距離よりも大きくなっている。
図3に示すように、各筒部16〜18のうち上側筒部16は、各側板15a,15bに形成された孔部61a,61bにそれぞれ挿通されており、その挿通状態で各側板15a,15bの間に架け渡されている。上側筒部16は、軸線方向の両端側がそれぞれそれ以外の部分(以下、通常部16cという)と比べて外径が小さくされた縮径部16a,16bとなっている。各縮径部16a,16bの外径は孔部61a,61bの孔径と同じか又はそれよりも小さくなっている。その一方で、通常部16cの外径は孔部61a,61bの孔径よりも大きくなっている。なお、各孔部61a,61bの孔径はいずれも同じとなっている。
縮径部16aは側板15aの孔部61aに挿通されており、縮径部16bは側板15bの孔部61bに挿通されている。この挿通状態において通常部61cの両端の各段差部はそれぞれ各側板15a,15bの内側面に当接している。これにより、各側板15a,15b間の距離(間隔)が通常部16cの長さと同じ距離に規定されている。
上側筒部16(詳しくは縮径部16a)は、その一部が側板15aよりも外側(外面側)に突出して突出部71aとなっている。また、上側筒部16(詳しくは縮径部16b)は、その一部が側板15bよりも外側に突出して突出部71bとなっている。突出部71aの側板15aからの突出量(突出長さ)は、突出部71bの側板15bからの突出量と同じとなっている。
下側筒部18は、各側板15a,15bに形成された孔部62a,62bに挿通されており、その挿通状態で各側板15a,15bの間に架け渡されている。下側筒部18は上側筒部16と同じ構成を有している。すなわち、下側筒部18も、軸線方向の両端側がそれぞれそれ以外の部分(以下、通常部18cという)と比べて外径が小さくされた縮径部18a,18bとなっている。そして、それら各縮径部18a,18bの外径が孔部62a,62bの孔径と同じか又はそれよりも小さくなっている一方、通常部18cの外径が孔部62a,62bの孔径よりも大きくなっている。なお、各孔部62a,62bの孔径はいずれも同じとなっている。
縮径部18aは側板15aの孔部62aに挿通されており、縮径部18bは側板15bの孔部62bに挿通されている。この挿通状態において通常部18cの両端の段差部はそれぞれ各側板15a,15bの内側面に当接している。これにより、各側板15a,15b間の距離(間隔)が通常部18cの長さ(通常部16cの長さと同じ)と同じ距離に規定されている。つまり、各側板15a,15b間の距離は上下の各通常部16c,18cにより規定されている。
下側筒部18(詳しくは縮径部18a)は、その一部が側板15aよりも外側(外面側)に突出して突出部73aとなっている。また、下側筒部18(詳しくは縮径部18b)は、その一部が側板15bよりも外側に突出して突出部73bとなっている。突出部73aの側板15aからの突出量(突出長さ)は、突出部73bの側板15bからの突出量と同じとなっている。
中間筒部17は、各側板15a,15bに形成された孔部63a,63bに挿通されており、その挿通状態で各側板15a,15bの間に架け渡されている。中間筒部17には、軸線方向の一端部にフランジ部17aが形成されている。フランジ部17aは、それ以外の部位(通常部17b)と比べて外径が大きくなっており、中間筒部17において最も外径の大きい部位となっている。フランジ部17aの外径は各側板15a,15bの孔部63a,63bの孔径よりも大きくなっている。その一方、通常部17bの外径は各側板15a,15bの孔部63a,63bの孔径と同じか又はそれよりも小さくなっている。
中間筒部17は、その通常部17bが各側板15a,15bの孔部63a,63bにそれぞれ挿通されており、そのフランジ部17aが側板15bの外側に位置している。中間筒部17は、かかる挿通状態において、その一部が側板15aよりも外側に突出して突出部72aとなっており、その一部が側板15bよりも外側に突出して突出部72bとなっている。突出部72bはフランジ部17aを含んで形成されている。突出部72bの外周面には、フランジ部17aと隣接して円環状の溝部75が形成されている。この溝部75には、円環状のゴム材よりなるリング部材76が嵌め込まれている。
突出部72aの外周面には円環状の溝部77が形成されている。この溝部77にはCリング78が嵌め込まれている。このCリング78により中間筒部17が側板15aの孔部63aから抜け落ちてしまうことが防止されており、その結果中間筒部17を介して各側板15a,15b同士が連結されている。また、Cリング78は、側板15aの外側面に当接した状態で溝部77に嵌め込まれており、この状態でリング部材76が側板15bの外側面とフランジ部17aとの間に挟み込まれた状態となっている。
具体的には、リング部材76は側板15bの外側面とフランジ部17aとの間で圧縮状態で挟み込まれており、その圧縮に伴う反発力(弾性復帰力)により中間筒部17が側板15a,15bに対して軸線方向におけるフランジ部17a側に付勢されている。そして、その付勢状態においてCリング78が側板15aの外側面に当接し、それによって中間筒部17のフランジ部17a側への変位が規制されている。したがって、この場合、中間筒部17は各側板15a,15bに対してがたつきのない状態で取り付けられている。
また、このような中間筒部17の取付構成では、中間筒部17の突出部72aの突出量が、Cリング78の厚みと、突出部72aにおける先端から溝部77(詳しくはその外側面)までの距離との和に相当している。したがって、Cリング78の厚み寸法と溝部77の位置寸法だけ高精度に仕上げれば、突出部72aの突出量を目標寸法に設定することが可能となる。そして、各側板15a,15b間の距離(外面同士の距離)は上側筒部16及び下側筒部18の各通常部16c,18cにより規定されているため、この場合、中間筒部17の長さ寸法さえ高精度に仕上げれば、突出部72bの突出量についても目標寸法に設定することが可能となる。
このように、各側板15a,15bは、互いの間隔(距離)が上側筒部16及び下側筒部18の各通常部16c,18cの長さにより規定された状態で中間筒部17を用いて互いに連結されている。
上述のように、各筒部16〜18にはそれぞれその両端側に一対の突出部71a〜73a,71b〜73bが設けられている。各筒部16〜18において側板15aから突出する各突出部71a〜73aの突出量はいずれも同じとなっており、各筒部16〜18において側板15bから突出する各突出部71b〜73bの突出量はいずれも同じとなっている。したがって、各筒部16〜18の各々の突出部71a〜73a,71b〜73bはいずれも突出量が同じとなっている。また、各突出部71a〜73a,71b〜73bの突出量Hは側板15a,15bから外側に突出するビス49の頭部49aの突出量hよりも大きくなっている(図4参照)。
続いて、パレット落下防止装置10が支持柱81に取り付けられた状態の構成について説明する。図4は、パレット落下防止装置10が支持柱81に取り付けられた状態を示す正面図である。
図4に示すように、パレット落下防止装置10は、その取付本体11が支持柱81に対して側方から取り付けられている。具体的には、取付本体11が支持柱81に対して左側方から取り付けられている。取付本体11の上側筒部16と下側筒部18とにはそれぞれ取付ボルト67が挿通されている。それら2つの取付ボルト67はそれぞれ、支持柱81の縦板部81aに形成された孔部81bを介してナット68と締結されている。これにより、取付本体11が支持柱81(縦板部81a)に対して固定されている。なお、取付ボルト67が取付具に相当する。
なお、取付ボルト67を上側筒部16と下側筒部18とに挿通することに代えて、上側筒部16と中間筒部17とに挿通してもよい。また、中間筒部17と下側筒部18とに挿通してもよい。要するに、縦板部81aに形成された孔部81bの上下位置に応じて各筒部16〜18のうちいずれの筒部に取付ボルト67を挿通するかを適宜決定すればよい。また、各筒部16〜18のすべてに取付ボルト67を挿通し、3つの取付ボルト67で取付本体11を支持柱81に取り付けてもよい。
取付本体11は、各筒部16〜18の突出部71a〜73aの先端をそれぞれ支持柱81の縦板部81a(の外側面)に当接させた状態で当該縦板部81aに取り付けられている。かかる取付状態では、互いに対向する側板15aと縦板部81aとが突出部71a〜73aの突出長さ分だけ互いに離間して配置されており、それによって側板15aと縦板部81aとの間に突出部71a〜73aの突出長さと同じ幅を有する隙間69が形成されている。この隙間69にはビス49の頭部49aが配設されている。この場合、この隙間69によってビス49の頭部49aが縦板部81aに干渉することが回避されている。
次に、パレット落下防止装置10の作用について説明する。
パレット落下防止装置10は、ソレノイド41への通電が行われていない場合にはプランジャ43が上昇状態にあり、パレット受けレバー12が傾倒位置に位置している(図2(a)参照)。この場合、パレット受けレバー12は、パレット83の昇降する昇降通路上に配置される。これにより、仮に昇降用のチェーンが切れてパレット83が落下したとしても、そのパレット83をパレット受けレバー12により受け止めることができる。
また、パレット83が昇降通路上を昇降する際には、ソレノイド41への通電が行われる。この場合、プランジャ43が下方に変位して、パレット受けレバー12が退避位置へと回動する(図2(b)参照)。これにより、パレット受けレバー12が昇降通路上から退避されるため、パレット83が昇降通路上を昇降することが可能となる。なお、この際、マイクロスイッチ59の検出信号に基づきパレット受けレバー12が退避位置に退避されたことが判定され、その判定に基づいてパレット83が昇降される。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
取付本体11の各筒部16〜18に側板15a,15bから突出する突出部71a〜73a,71b〜73bを設けた。この場合、各側板15a,15bの間の距離を各筒部16〜18の長さよりも小さくすることができるため、パレット落下防止装置10のコンパクトを図ることができる。また、各筒部16〜18の突出部71a〜73aの突出量はいずれも同じとなっているため、それら突出部71a〜73aの先端を支持柱81の縦板部81aの外側面に当接させた状態で、上側筒部16及び下側筒部18に挿通される取付ボルト67により取付本体11を縦板部81aに取り付けることができる。この場合、かかる取付状態における縦板部81aの外側面からパレット受けレバー12までの距離が筒部16〜18の長さに依存することになるため、筒部16〜18の長さを調整することで上記の距離を所定の距離に設定することが可能となる。これにより、装置のコンパクト化を図りながらも、置き換え需要等への対応が可能となる。
取付金45をソレノイド41を挟んだ上下両側に配置し、それら各取付金45と各側板15a,15bとによりソレノイド41を囲んで磁気回路を構成した。この場合、ソレノイド41と側板15a,15bとの間に取付金45を介在させなくて済むため、その分各側板15a,15bの間の距離を小さくすることができる。これにより、装置のコンパクト化を具体的に図ることが可能となる。
また、かかる構成では、ソレノイド41と側板15a,15bとの間に取付金45を介在させない分、側板15a,15bが装置内側に配置されることで、筒部16〜18の一部が側板15a,15bから突出し突出部71a〜73a,71b〜73bとなっている。ソレノイド41の取付金はある程度の厚みを有して形成されるため、取付金を介在させないことで形成される上記の突出部71a〜73a,71b〜73bはその突出量が比較的大きなものになると考えられる。そして、この場合、取付本体11を支持柱81の側面に取り付けた状態で側板15aと支持柱81の側面との間に形成される隙間69も大きなものになると考えられる。そして、上記の実施形態では、この隙間69を利用して、側板15aから突出するビス49の頭部49aを配設するようにしている。この場合、側板15aにビス49を取り付けるにあたり、側板15aにビス49の頭部49aを収容する凹部等を形成しなくて済むため、側板15aの加工を容易にできるといった利点を得ることができる。
具体的には、側板15aから突出する突出部71a〜73aの突出量を、側板15aから突出するビス49の頭部49aの突出量よりも大きくしたため、取付本体11を支持柱81の縦板部81aに取り付けた状態で側板15aと縦板部81aとの間に形成される隙間69の幅を頭部49aの突出量よりも大きくすることができる。これにより、その隙間69に頭部49aを配設することができ、その結果側板15aにビス49を取り付けるにあたって、側板15aの加工を容易にできるという上述の効果を得ることが可能となっている。なお、かかる効果は、固定具としてビス49を用いる場合に限らず、リベット等その他の固定具を用いる場合にも同様に得ることが可能である。
各筒部16〜18にそれぞれ、各側板15a,15bのそれぞれから突出する一対の71a〜73a,71b〜73bを設けたため、取付本体11を支持柱81に対して左右いずれの側から取り付ける場合にも、突出部71a〜73a,71b〜73bを支持柱81の側面に当接させた状態で同じように取り付けることができる。このため、例えば、各側板15a,15bのそれぞれにおいて側板15a,15bの加工を容易にできるという上述の効果を得ることが可能となる。
また、筒部16〜18の両端側に突出部71a〜73a,71b〜73bが設けられている構成では、取付本体11を支持柱81に取付ボルト67により締め付け固定する際、その締め付け力が概ね筒部16〜18に作用し側板15にはほとんど作用しない。そのため、かかる締め付け力により側板15に変形が生じるのを抑制することができる。
パレット受けレバー12を回動可能に支持する支軸を上側筒部16により構成し、パレット受けレバー12の回動を規制する規制軸を中間筒部17により構成した。すなわち、支軸及び規制軸を取付ボルト67を挿通するための筒部16,17を用いて構成したため、支軸及び規制軸を筒部16,17とは別部材で構成する場合と比べて、部品点数の低減を図ることができる。
また、パレット受けレバー12により落下するパレット83を受ける際には、中間筒部17(規制軸)によりパレット受けレバー12の回動が規制された状態で同レバー12によりパレット83を受けることになるため、中間筒部17にはパレット受けレバー12を介してパレット83の荷重が作用することになる。また、この際、上側筒部16(支軸)にもその反作用としてパレット受けレバー12から荷重が作用することになる。このため、規制軸及び支軸をそれぞれ中空状の筒部16,17により構成した上記の構成では、上側筒部16又は中間筒部17が上記の荷重により撓む等して荷重に耐えられなくなるおそれがある。
この点、上側筒部16及び中間筒部17にそれぞれ突出部71a,71b(72a,72b)を設けた上述の構成では、突出部71a,71b(72a,72b)の分だけ各側板15a,15b間の距離を小さくすることができる。そのため、筒部16,17において各側板15a,15bにより支持される支持点間の距離を小さくすることができ、その結果各筒部16,17に作用する荷重により筒部16,17に撓みが生じるのを抑制することができる。これにより、部品点数の低減を図りながらも、支軸(中間筒部17)及び規制軸(上側筒部16)の耐荷重性を好適に確保することができる。
取付本体11に3つの筒部16〜18を上下に並んで設けたため、それら3つの筒部16〜18のうちいずれか2つの筒部に取付ボルト67を挿通して支持柱81への取付本体11の取り付けを行うことができる。この場合、支持柱81の縦板部81aに形成された各孔部81bの位置(上下位置)に合わせて取付ボルト67の挿通位置を上下に設定することが可能となる。
また、3つの筒部16〜18の突出部71a〜73aを縦板部81aの外側面に当接させた状態で取付本体11を支持柱81に取り付けることができるため、例えば筒部(突出部)が2つだけ設けられている構成と比べて、取付本体11を安定した状態で取り付けることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、取付本体11に3つの筒部16〜18を設けたが、筒部16〜18の数は必ずしも3つである必要はない。例えば筒部の数を2つとしてもよい。その場合、例えば下側筒部18を不具備とすることが考えられる。また、中間筒部17(規制軸に相当)に代えて中実状の規制軸を設けたり、上側筒部16(支軸に相当)に代えて中実状の支軸を設けたりしてもよい。なお、筒部の数を4つ以上としてもよい。
(2)上記実施形態では、各筒部16〜18の両端部にそれぞれ突出部71a〜73a,71b〜73bを設けたが、各筒部16〜18の両端部のうちいずれか一方にのみ突出部を設けてもよい。例えば、各筒部16〜18にそれぞれ側板15aから突出する突出部71a〜73aのみを設けることが考えられる。その場合にも、支持柱81(縦板部81a)の側面からパレット受けレバー12までの距離が筒部16〜18の長さに依存することになるため、縦板部81aの側面からパレット受けレバー12までの距離をパレット落下防止装置10の仕様に応じた距離に設定するにあたり、筒部16〜18の長さを調整することで対応が可能となる。
(3)筒部16〜18の内周面にめねじを形成することで、筒部16〜18に対して取付ボルト67を螺合可能としてもよい。そうすれば、取付ボルト67を支持柱81(縦板部81a)の孔部81bを介して筒部16〜18にねじ込むことで取付本体11を支持柱81に取り付けることができる。そのため、ナット68を用いないでも取付本体11の取り付けを行うことが可能となる。
また、この場合、筒部16〜18の軸線方向全域に亘ってめねじを形成するのがよい。そうすれば、取付ボルト67を筒部16〜18に対して左右いずれの側からもねじ込むことができるため、取付本体11を支持柱81に対して左側方からでも右側方からでも取り付けることが可能となる。