JP6352579B1 - 成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラム - Google Patents

成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】成形装置の不具合を精度良く検出でき、または、不具合な成形品の発生を精度良く検出できる成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラムを提供する。【解決手段】成形システム1は、型開閉可能に設けられた型締機構を備えた射出成形装置2を含む。射出成形装置2は、型締機構の型締力を検出する型締力センサ14と、型締力センサ14によって検出された型締力の変化量に基づいて、射出成形装置2の装置不具合および/または射出成形装置2による不具合品の成形を検知する検知ユニットとを含む。

Description

この発明は、成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラムに関する。
従来から、成形装置内の各部位に、データを測定するための種々のセンサが取り付けられている。これらのセンサにより異常を検知して成形装置を停止するなど処理が行えるようになっている。
樹脂や金属等を成形するための射出成形装置では、20年ほど前からサーボモータを使った電動駆動成形装置が出現し、現在販売されている成形装置のほとんどが電動成形装置である。サーボモータは駆動源であると同時にセンサの役割を果たす。そのため、サーボモータへの外部負荷などの情報をフィードバックすることが近年容易になってきている。さらに、センサ技術やコンピュータ技術の発展により、稼働時における各成形装置の金型内部の温度情報や歪み情報、さらに樹脂を金型内部に射出した際の圧力情報や速度情報などがコンピューターによって時系列に取得できる環境になってきている。
従来から、射出成形装置の各部位に取り付けられたセンサの検出値が、予め設定した基準値の範囲(すなわち不具合品が発生しないであろうと考えられる設定範囲)から外れる場合に、射出成形装置の異常と認識して判定する手法が知られている。具体的には、下記特許文献1に記載の成形品良否判定方法や、下記特許文献2に記載の成形不良の予測方法が提案されている。
特開平2−78516号公報 特開2001−293760号公報
特許文献1に記載の成形品良否判別方法は、射出成形機における射出開始から任意の時間が経過した所定タイミングにおいてスクリュー位置や射出圧力を検出し、検出したスクリュー位置や射出圧力の値と判定基準値とを比較することによって成形品の良否を判定する技術が記載されている。しかしながら、スクリュー位置や射出圧力の検出タイミングは、成形技術者の経験や試行錯誤によって決定する以外に方法がなく、容易ではないという問題がある。
また、特許文献2に記載の成形不良の予測方法は、各ショット間のサイクル開始からの同一時刻における物理量とショット毎の成形品質データとの相関係数を、前記サイクル開始から同一時刻における相関係数として所定サンプリング時間間隔の時刻ごとに逐次計算している。そして、同一時刻における相関係数から上限値と下限値を設定することで、該上限値を上回ったか、あるいは該下限値を下回った場合に、不良品と判定する方法である。あくまでも、成形品の不良品を見つけるためのユニットであり、射出成形装置などの成形装置の不具合の兆候を把握するものではない。
また、不具合が生じている状態の成形装置によって成形された成形品には、不具合品(不具合な成形品)が混入している可能性が高い。そのため、成形装置の不具合を精度良く検出することは、不具品の発生を精度良く検出することにつながる。成形装置の不具合を精度良く検出できれば、不具合品が良品に混入することを未然に防止することも可能である。
そこで、本発明の一の目的は、成形装置の不具合を精度良く検出できる成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラムを提供することである。また、この発明の他の目的は、不具合な成形品の発生を精度良く検出できる、成形システムおよび成形装置を提供することである。
この発明の第1の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を含む成形システムであって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、成形システムを提供する。
この明細書において、「成形装置の装置不具合」とは、型締機構の不具合、金型の不具合等を含む趣旨である。
この場合、前記運転モード予測ユニットが、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量と、設定されている所定の閾値とを比較することにより、前記成形装置の運転モードを予測するユニットを含んでいてもよい。
さらに、この場合、前記成形システムが、前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、前記算出ユニットによって算出された値を前記閾値として設定するユニットとをさらに含んでいてもよい。
この発明の第2の局面は開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を含む成形システムであって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み、前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、成形システムを提供する。
また、過去の所定期間における前記運転モード予測ユニットによる予測結果の正解率を算出する正解率算出ユニットと、前記予測結果の正解率が最も高くなるときの型締力の変化量を算出し、算出した変化量を、前記閾値として設定するユニットとをさらに含んでいてもよい。
この発明の第の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置であって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、成形装置を提供する。
この発明の第4の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置であって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み、前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、成形装置を提供する。
この発明の第の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための検査装置であって、前記金型に生じる型締力を検出するための型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、検査装置を提供する。
この発明の第の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための検査装置であって、
前記金型に生じる型締力を検出するための型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み、前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、検査装置を提供する。
この発明の第の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程とを含み、前記検知工程が、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定工程を含む、検査方法を提供する。
この発明の第8の局面は、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程と、前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記実運転モード取得工程によって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された値を閾値として設定する閾値設定工程とを含み、前記検知工程が、現在の成形において前記算出工程によって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出工程によって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知する工程を含む、検査方法を提供する。
この発明の第の局面は、コンピュータとしての制御装置によって実行されるプログラムであって、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程とを含み、前記検知工程が、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定工程を含む検査方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたプログラムを提供する。
この発明の第10の局面は、コンピュータとしての制御装置によって実行されるプログラムであって、開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程と、前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記実運転モード取得工程によって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された値を閾値として設定する閾値設定工程とを含み、前記検知工程が、現在の成形において前記算出工程によって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出工程によって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知する工程を含む検査方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたプログラムを提供する。
本発明によれば、型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、成形装置の装置不具合および/または成形装置による不具合品の成形が検知される。これにより、成形装置の不具合を精度良く検知できる、成形システム、成形装置、検査装置、検査方法およびプログラムを提供することができる。また、成形装置による不具合品の成形を精度良く検知できる、成形システムおよび成形装置を提供することができる。
本発明における前述の、またはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面を参照して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る成形システムの構成を模式的に示す図である。 図2Aは、前記成形システムに含まれる射出成形装置の構成を示す側面図である。 図2Bは、前記射出成形装置に含まれる型締装置の構造を示す側面図である。 図3Aは、前記成形システムの電気的構成を示すブロック図である。 図3Bは、図3Aに示す運転状況履歴の記憶内容を示す図である。 図4は、成形1サイクルにおける型締力の変化を示すグラフである。 図5は、図4のa部分を拡大して示すグラフである。 図6は、AUCを比較して示すグラフである。 図7は、4倍最大型締力の振幅を示すグラフである。 図8は、算出された型締力の変化量の一部を示す棒グラフである。 図9は、混同行列の一例を示す図である。 図10Aは、前記射出成形装置において実行される成形処理の流れを示す流れ図である。 図10Bは、閾値記憶部の閾値の更新を設定するための流れ図である。 図11は、第2の実施形態に係る射出成形装置において実行される成形処理の流れを示す流れ図である。 図12は、成形試験の結果を示す図である。 図13は、第3の実施形態に係る成形システムを示す図である。 図14は、前記成形システムの電気的構成を示すブロック図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る成形システム1の構成を模式的に示す図である。
成形システム1は、成形品を成形するための装置である。
成形システム1は、1台または複数台の成形装置としての射出成形装置2と、各射出成形装置2に一対一対応で設けられ、射出成形装置2から取り出された成形品を良品と不具合品とに分別する成形品分別装置4と、射出成形装置2による成形状況等を管理するための管理サーバ5とを含む。管理サーバ5は、いわゆるパソコンである。
図2Aは、射出成形装置2の構成を示す側面図である。図2Bは、型締装置10の構造を示す側面図である。
射出成形装置2の一例として、図2Aでは、型開閉可能横型の装置を例に挙げて説明する。射出成形装置2は、金型13を有し、型開閉可能に設けられた型締装置10と、溶融状態にある樹脂を金型13に供給(射出)する射出装置12と、型締装置10の型締力を検出する型締力センサ14と、それらの各部材を制御するための制御装置15とを含む。
型締装置10は、金型13と、金型13を開閉し、かつ閉状態の金型13に対し型締力を付与する型締機構11とを有する。金型13は、可動側金型13aと、固定側金型13bとを含む。
図2Bに示すように、型締機構11は、たとえばトグル式の型締機構である。型締機構11は、さらに、可動側金型13aに同伴移動可能に連結された可動プラテン16aと、固定側金型13bに連結された固定プラテン16bと、固定側金型13bに結合されたエジェクタ機構17と、可動プラテン16aを固定プラテン16bに向けて押圧するトグル18(押圧ユニット)と、トグル18に連結されたボールねじ19(図1参照)と、ボールねじ19に回転駆動力を付与する第1のサーボモータ20(図2A,2Bでは図示しない。図3A参照)と、複数本(たとえば4本)のタイバー21とを含む。
トグル18は、ボールねじ19のねじ軸および可動プラテン16aの双方に結合されている。トグル18は、突っ張った状態と、屈曲した状態との間で姿勢変更可能に設けられたトグルアーム22と、トグルアーム22に連結されたクロスヘッド28とを有する。クロスヘッド28が、ボールねじ19のねじ軸に同伴軸方向移動可能に設けられている。
型締機構11においては、トグル18によって、可動プラテン16aをX方向(水平方向に沿う一方向)に沿って往復移動させることにより、金型13の開閉が行われる。
第1のサーボモータ20(図2A,2Bでは図示しない。図3A参照)が回転駆動させられると、このサーボモータの回転駆動が、ボールねじ19によって、そのねじ軸の軸方向(X方向に沿う方向)駆動に変換される。ねじ軸の軸方向(X方向に沿う方向)に伴って、トグルアーム22が、突っ張った状態と、屈曲した状態とで姿勢変更される。これにより、トグル18が、開状態(図2A参照)と、閉状態(図2B参照)との間で姿勢変更させられる。図2Aには、固定側金型13bが可動側金型13aに接触している状態を示し、図2Bには、固定側金型13bが可動側金型13aに対して離反している状態を示している。そして、固定側金型13bが可動側金型13aに接触している状態(図2Aに示す状態)において、複数本のタイバー21を伸長させることにより、予め定める型締力を金型13に発生させる(昇圧動作)。このときの型締力が型締力センサ14によって検出される(型締力検出工程)。型締力センサ14は、この実施形態では、複数本のタイバー21のうち少なくとも1つ(たとえば1つ)のタイバー21に取り付けられている。型締力センサ14は、たとえば歪ゲージセンサである。型締力センサ14として、歪ゲージセンサ以外の他のセンサを採用してもよい。
図2Aに示すように、射出装置12は、加熱溶融された樹脂を、金型13内へ射出するための装置である。射出装置12は、ホッパ12aと、シリンダ12bと、シリンダ12bを加熱するためのヒータ(図示しない)と、シリンダ12b内に収容されたスクリュ12cと、スクリュ12cを回転駆動させるための第2のサーボモータ30(図2A,2Bでは図示しない。図3A参照)とを含む。ホッパ12aは、樹脂を保持している。ホッパ12aからシリンダ12bの内部に投入された樹脂は、シリンダ12bの内部において加熱される。スクリュ12cの回転に伴って、シリンダ12bの内部を金型13側に向けて移動され、シリンダ12bの金型13側端部に、溶融された状態で送り込まれる。シリンダ12bの金型13側端部に溶融状態の樹脂が所定量溜まると、金型13が閉じる。その後、溜められた樹脂が高温高圧状態で金型13内へ1ショットで射出される。射出成形装置2は、樹脂の種類や金型13を交換することにより、多種多様な成形品を生産することができる、汎用性の高い機械である。
次いで、射出成形装置2を用いた成形プロセスについて説明する。射出成形の成形プロセスは、型締工程(図4のP1)と、射出/保圧工程(図4のP2)と、冷却工程(図4のP3)と、型開工程(図4のP4)と、製品取出し工程(図4のP5)との合計5つのプロセスを含む。
型締工程(P1)では、金型13の開状態から、トグル18が開状態になるように第1のサーボモータ20が駆動されて、可動側金型13aを固定側金型13bに接触させる(金型13が閉状態にされる)。このとき、複数本のタイバー21を伸長させることにより、金型13が高圧で閉じられ、予め定める型締力が金型13に発生させられる(昇圧動作)。型締工程(P1)に次いで、射出/保圧工程(P2)が実行される。
射出/保圧工程(P2)では、シリンダ12b内から高温高圧で樹脂が金型13内に充填され、保圧される。射出/保圧工程(P2)に次いで、冷却工程(P3)が実行される。
冷却工程(P3)では、金型13を閉じたまま、金型13内に充填された樹脂が固化するまで冷却される。冷却工程(P3)に並行して、スクリュ12cが回転するように第2のサーボモータ30が駆動されて、シリンダー2b内への樹脂の供給が行われる。冷却工程(P3)に次いで、型開工程(P4)が実行される。
型開工程(P4)では、トグル18が閉状態になるように第1のサーボモータ20が駆動されて、可動側金型13aが固定側金型13bに対して離反する。
その後、製品取出し工程(P5)において、エジェクタ機構17を用いて金型13から成形品が取り出される。以上の5つの工程を1サイクルと呼ぶ。
射出成形装置2には、運転モードとして、全自動運転モードと、半自動運転モードとが用意されている。全自動運転モードは、前述の5つの工程を作業者が介在せず自動的に連続成形(連続生産)を繰り返す状態をいう。半自動運転モードは、作業者が射出成形装置2の操作ボタン(図示しない)を操作しながら運転させている状態をいう。半自動運転モードでは、成形1サイクルの実行終了までは自動で運転するが、成形1サイクルの実行後は停止する。そして、その後、作業者が射出成形装置2の操作ボタン(図示しない)を操作しないかぎり、射出成形装置2による成形処理は実行されない。射出成形装置2が半自動運転モードで運転するのは生産開始や生産終了時に調整作業を行う場合や、種々のトラブル(後工程のトラブルや射出成形装置2内でのトラブル)などからの復帰する場合などである。換言すれば、半自動運転モードは、射出成形装置2の不安定な運転状態である。そのため、半自動運転モードでは、不具合品の発生が多い。一般的には、半自動運転モードにおいて成形された成形品は、その後廃棄処分される(成形品分別装置4によって不良品に分別される)。
射出圧力、スクリュー位置、スクリュー速度、型内圧力、エジェクタ位置、エジェクタ推力、型盤位置、型盤推力、金型パーティング面間隔、型締力、金型温度などの物理量を取得するために、現在流通している射出成形装置には、様々なセンサが取り付けられている。しかしながら、それらの射出成形装置を利用して成形品の製造を行う製造企業においては、射出成形装置同士をネットワーク接続する、射出成形装置から取得したビッグデータの解析方法などに対する技術者不足などがあり、活用できていない現実がある。一方、研究機関においても、様々な弊害があり、例えば企業機密やネットワークセキュリティの問題などで、研究に必要なビッグデータが入手しにくい、射出成形装置の構造上の情報が入手しにくいなど、製造現場でのビッグデータを活用するための研究は進んでいない。そのため製造現場の多くは、過去の生産中に突然発生する射出成形装置の不具合で、修理や復旧まで長時間を要する問題が発生している。
この実施形態に係る成形システム1は、生産稼働中の射出成形装置2の各部位に取り付けられたセンサから出力される物理量(型締力)のログデータを収集する。そして、成形システム1は不具合品の疑いがある製品のショットをリアルタイムで検知して分別したり、射出成形装置2の異常兆候を事前に把握したりできる。また、ショットとは、射出成形装置2から金型13に樹脂が注入される回数のことを言い、金型13の取り数が「4」であれば、1ショットで4ヶの製品ができることである。
図3Aは、成形システム1の電気的構成を示すブロック図である。
管理サーバ5は、制御装置23を備えている。制御装置23は、マイクロコンピュータ(コンピュータ)を用いて構成されている。制御装置23は、通信I/F(インターフェース)部24を介して、各射出成形装置2および各成形品分別装置4と通信可能に設けられている。管理サーバ5は、ハード構成を用いた構成に限られず、インターネット等のネットワークを利用したソフトウェアで構成するようにしてもよい。
成形品分別装置4は、射出成形装置2から取り出された成形品を良品と不具合品とに分別する成形品分別部25と、成形品分別部25を制御する制御装置26とを含む。制御装置26は、通信I/F(インターフェース)部27を介して、管理サーバ5および対応する射出成形装置2と通信可能に設けられている。
射出成形装置2の制御装置15は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御装置15は、CPU等の演算ユニット31と、記憶ユニット32と、入出力ユニット33(たとえば、RS232C。図示しない)とを有している。
制御装置15は、射出成形装置2の現在の実際の運転状況(すなわち、全自動運転モードであるのか、半全自動運転モードであるのか)を取得する実運転モード取得部34を有している。実運転モード取得部34は、種々の操作ボタンの入力状況および実際の射出成形装置2の運転状況に基づいて、射出成形装置2の実際の運転モードが、全自動運転モードであるのか、半全自動運転モードであるのかを判別する。すなわち、実運転モード取得部34は、型締力センサ14の値に基づかずに、射出成形装置2の現在の運転状況を取得する。
記憶ユニット32には、演算ユニット31が実行するプログラム(図示しない)が記憶されている。演算ユニット31は、予め定められたプログラムに従って、第1および第2のサーボモータ20,30等の動作を制御する。また、制御装置15には、型締力センサ14からの検出出力が入力可能である。
また、記憶ユニット32は、次に述べる、射出成形装置2の運転モードの予測に用いられる閾値を記憶する(格納される)閾値記憶部35と、射出成形装置2における運転状況の履歴を記憶するための運転状況履歴36とを含む。記憶ユニット32は、固定メモリデバイス(図示しない)、ハードディスクドライブ等を用いて構成されている。
制御装置15の演算ユニット31は、型締力センサ14によって検出される型締力の変化量に基づいて、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する。この第1の実施形態では、演算ユニット31が、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットを実現している。
また、制御装置15の演算ユニット31は、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ予測された運転モードが半自動運転モードである場合に、装置不具合(型締装置10を含む射出成形装置2の不具合)があると判定する。第1の実施形態では、演算ユニット31が、装置不具合があると判定する判定ユニットを実現している。
運転モードの予測は、制御装置15の演算ユニット31が型締力センサ14によって検出される型締力の変化量と、記憶ユニット32の閾値記憶部35に格納されている閾値とを比較することにより行われる。
図3Bは、運転状況履歴36の記憶内容を示す図である。図3Bの運転状況履歴36には、運転時刻、当該運転時刻において検出された型締力、当該運転時刻における型締力の変化量、および当該運転時刻における射出成形装置2の実際の運転モード(すなわち、実運転モード取得部34によって判別された運転モード)が互いに対応付けて記憶されている。
射出成形装置2は、通信I/F(インターフェース)部37を備えている。制御装置15は、通信I/F部37を介して、管理サーバ5および対応する成形品分別装置4と通信可能に設けられている。
図4は、成形1サイクルにおける型締力の変化を示すグラフである。図5は、図4のa部分(破線で囲んだ部分)を拡大して示すグラフである。図6は、AUC(Area Under the ROC Curve)を比較して示すグラフである。図7は、4倍最大型締力の振幅を示すグラフである。図4〜図7を参照して、運転モードの予測に用いられる型締力の変化量について説明する。図8は、算出された4倍最大型締力の変化量の一部を示す棒グラフである。
図4では、型締力(タイバー21(図1参照)の軸力)が、時間分解能25msecで計測されている。図4からは、1サイクルにおいて型締力の変動が生じていることがわかる。図4に示すように、型締力は、型締工程(P1)から型開工程(P4)の間、連続的に生じている。図5において、1サイクルにおいて型締力が最大になる部分をa1部分として、冷却工程(P3)が完了する0.1秒前を示す部分を、a2部分とする。
この実施形態では、運転モードの予測の基礎になる型締力として、1サイクルにおける型締力の中で最も型締力が最大値となる最大型締力a1の値を使用する。この実施形態では、射出成形装置2には複数本(たとえば4本)のタイバー21の中の1本にのみ型締力センサ14(1つ)が取り付けられている。そのため、射出成形装置2に生じる型締力は、1本のタイバー21に生じる型締力の約4倍である。この実施形態では、1本のタイバー21に取り付けられた型締力センサ14で取得した最大型締力a1の値を4倍(タイバー21の本数分の倍数)にした4倍最大型締力を用いて算出を行う。
次に、4倍最大型締力の補正について説明する。4倍最大型締力は、重みづけフィルタ(重みをつけるためのフィルタ)によって補正(平滑化)される。具体的には、現時点の4倍最大型締力と、現時点より1つ前の時点における4倍最大型締力(以下、「1つ前の4倍最大型締力」という場合がある)と、現時点より2つ前の時点における4倍最大型締力(以下、「2つ前の4倍最大型締力」という場合がある)との合計3つのデータに重みづけフィルタをかけることにより、補正後の4倍最大型締力を算出する。たとえば、現時点の4倍最大型締力の値が「1528」、1つ前の4倍最大型締力の値が「1520」、2つ前の4倍最大型締力の値が「1516」である場合を考える。この場合の補正後の倍最大型締力の値は、((1528×6)+(1520×4)+1516)/11であり、すなわち1524となる。
図6では、重みづけフィルタで補正した場合(図6において「●」で図示)と、重みづけフィルタでの補正を行わなかった場合(図6において「■」で図示)とのAUCを比較している。AUCとはROC曲線の曲線下面積のことで、2群の分類問題における精度評価法の1つである。AUCの値が高ければ高いほど2群の分類問題における精度評価は高い。図6から、補正なしの4倍最大型締力を用いた場合より、補正ありの4倍最大型締力を用いた場合の方が、AUCの値は高く、すなわち精度評価が高いことがわかる。なお、今回例示した重みづけフィルタはデジタル画像の平滑化処理などで使われる方法からヒントを得て改良した重みづけフィルタであるが、重みづけのための手法については、他にも様々な方法があるため、今回例示している方法に限定されるものではない。
図7では、重みづけフィルターで算出した補正後の4倍最大型締力をショット別に時系列で表している。図7では、射出成形装置2の全自動運転モードにおけるショットを「▲」で図示し、射出成形装置2の半自動運転モードにおけるショットを「●」で図示している。
現時点の補正後4倍最大型締力が所定の4倍最大型締力c2(図7参照)である場合、この4倍最大型締力c2に対して1つ前の時点における4倍最大型締力c1と(図7参照)との間の振幅の差を振幅c(図7参照)の値とする。
型締力の変化量は、振幅cに基づいて算出する。型締力の変化量は、以下の式(1)に基づいて算出される。
型締力の変化量=|(4倍最大型締力c2−4倍最大型締力c1)/4倍最大型締力c1|・・・(1)
図8では、射出成形装置2の運転モードが半自動運転モードd1である場合における型締力の変化量を黒色で示し、射出成形装置2の運転モードが全自動運転モードd2である場合における型締力の変化量をグレーで示している。図8からは、全自動運転モードd2よりも半自動運転モードd1の方が、型締力の変化量がより大きいことが読み取れる。
このようにして算出された型締力の変化量と、記憶ユニット32の閾値記憶部35に格納されている閾値とを比較することにより、射出成形装置2の実際の運転モードが予測される。具体的には、制御装置15の演算ユニット31は、算出された型締力の変化量と、記憶ユニット32の閾値記憶部35に記憶されている閾値とを比較する。そして、演算ユニット31は、算出された型締力の変化量が閾値を上回る場合に、半自動運転モードであると予測し、算出された型締力の変化量が閾値以下である場合に、全自動運転モードであると予測する(運転モードの予測)。
この実施形態では、記憶ユニット32の閾値記憶部35に記憶されている閾値は、更新可能に設けられている。具体的には、この閾値は、過去の所定期間(たとえば過去1日分(24時間分))における型締力の変化量に基づいて予測された運転モードと、実際の運転モードとが一致する否か(運転モード予測の予測結果が正解するか否か)に基づいて算出される。過去の所定期間は、1日(24時間)に限らず、数日や数週間であってもよい。また、数時間であってもよい。しかし、自動運転モードおよび半自動運転モード双方で、出現率がある程度あることが望ましいので、1日以上であることが好ましい。
より具体的には、前記過去の所定期間において運転モードの予測結果の正解率が高くなるときの型締力の変化量が、閾値として算出される。閾値の更新は、予め定めるタイミングで行われる。この実施形態では、たとえば1日1回(たとえば所定の時刻等に)更新される。
具体的には、制御装置15の演算ユニット31は、運転モードの予測を行うために、運転状況履歴36に格納されている過去の所定期間における型締力の変化量を閾値と比較する。そして、演算ユニット31は、その閾値を所定の範囲で変化させることにより、各閾値における運転モードの予測結果の正解率を調べる。そして、最も正解率が高くなるような値を閾値として算出し、その値を記憶ユニット32の閾値記憶部35に更新記憶させる。最も正解率が高くなるような閾値を算出する方法について、図8および図9を参照して具体的に説明する。
図9は、混同行列の一例を示す図である。この実施形態では、混同行列は、分類した実際の値(全自動運転モードd2および半自動運転モードd1のいずれであるか)と、予測結果の正誤(正解か不正解か)についてまとめた表である。図9では、縦の列に、実際の運転モードを示し、横の列に、予測された運転モードを示す。
実際の運転モードが半自動運転モードd1であり、予測結果が半自動運転モードである場合(正解)は図9の「TP(True Positive)」に分類される。
実際の運転モードが半自動運転モードd1であり、予測結果が全自動運転モードである場合(不正解)は図9の「FN(False Negative)」に分類される。
実際の運転モードが全自動運転モードd2であり、予測結果が全自動運転モードである場合(正解)は図9の「TN(True Negative)」に分類される。
実際の運転モードが全自動運転モードd2であり、予測結果が半自動運転モードである場合(不正解)は図9の「FP(False Positive)」に分類される。
図8において、Y軸が型締力の変化量を示し、X軸が、ショット別を時系列で示している。図8において、型締力の変化量の最大値の位置、または型締力の変化量の最小値の位置を分離するために、X軸と平行な分離線41(図8に破線で示す)を引く。分離線41を、型締力の変化量が小さくなる方向に向けて(図8の上方部から下方部に向けて)移動させながら、「TP」に含まれる数、「FP」に含まれる数、「FN」に含まれる数、「TN」に含まれる数をそれぞれカウントする。また、分離線41を、型締力の変化量が大きくなる方向に向けて(図8の下方部から上方部に向けて)移動させるようにしてもよい。正解率は、次の式(2)のように算出される。
正解率=(TP+TN)/(TP+FP+TN+FN)・・・(2)
これにより、多数の分離線41が引かれる。制御装置15の演算ユニット31は、各分離線41が通る位置において正解率を算出し、最も高い正解率を示す型締力の変化量の位置(の近傍)を、閾値として算出する。算出された閾値は、閾値記憶部35に設定される。
これにより、分離線41が何パターンも引かれ、分離線41が通る各位置において正解率を算出し、最も高い正解率を示す型締力の変化量の位置(の近傍)を、閾値として算出する。算出された閾値は、閾値記憶部35に設定される。
図10Aは、射出成形装置2において実行される成形処理の流れを示す流れ図である。

射出成形装置2において成形処理の1サイクルが全自動運転される場合、すなわち、射出成形装置2の運転モードが全自動運転モードである場合について、図10Aを参照しながら説明する。成形処理の1サイクルのスタート(図10AのS1)の後、まず、型締工程(図4のP1)が実行される。具体的には、制御装置15は、第1のサーボモータ20を制御して、固定側金型13bに可動側金型13aを接触させ、複数本のタイバー21を伸長させることにより、金型13に型締力を発生させる(昇圧動作)。このときの型締力が型締力センサ14によって検出される(型締力検出工程)。型締工程(P1)の終了後は、制御装置15は、成形処理の他の工程(図4のP2〜P5)を順に実行する。すなわち、射出/保圧工程(図4のP2)、冷却工程(図4のP3)、型開工程(図4のP4)および製品取出し工程(図4のP5)がこの順に実行される。
また、制御装置15の実運転モード取得部34は、型締工程(P1)の実行時における射出成形装置2の実際の運転モードを判別し、記憶ユニット32の運転状況履歴36に記憶する(図10AのS3)。制御装置15の演算ユニット31は、型締工程(P1)の実行時における4倍最大型締力を算出し、前述の重みづけフィルタによって補正した後、式(1)に基づいて、型締力の変化量を算出する。制御装置15の演算ユニット31は、算出した型締力の変化量を、制御装置15の記憶ユニット32の運転状況履歴36に記憶する(図10AのS4)。
また、制御装置15の演算ユニット31は、算出した型締力の変化量に基づいて、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する(図10AのS5)。
そして、制御装置15の演算ユニット31は、運転モードの予測結果が半自動運転モードであるか否かを調べる(図10AのS6)。この成形処理は、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであることを前提にしているので、つまりは、運転モードの予測結果が半自動運転モードであり、かつ、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであるか否かが調べられる(S6)。この場合(S6でYES)に、制御装置15の演算ユニット31は、装置不具合があると判定し、その旨を示す排出信号を、通信I/F部37を介して、管理サーバ5および成形品分別装置4に向けて送出させる(図10AのS7)。
製品取出し工程(P5)によって取り出された成形品(ショット)は、搬送装置(図示しない)によって、成形品分別装置4に向けて搬送される。成形品分別装置4の制御装置26は、成形品分別部25を制御して、成形品を、良品と不具合品とに分別する。このとき、成形品分別装置4は、排出信号に対応する成形品(ショット)を不具合品として、他の良品から分別する。不具合が生じている状態の射出成形装置2によって成形された成形品には、不具合品が混入している可能性が高い。そのため、射出成形装置2の不具合を検出することにより、ひいては、射出成形装置2における不具品の発生を検知することができる。すなわち、演算ユニット31(判定ユニット)による装置不具合の検知は、射出成形装置2における不具合品の成形も併せて検知している。排出信号に対応する成形品を不具合品として分別することにより、不具合品が良品に混入することを精度良く防止できる。
製品取出し工程(図4のP5)の後、成形処理の1サイクルが終了する。
その後、実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ、成形処理を継続する場合(図10AのS10でYES)には、演算ユニット31は、図10Aの処理をリターンし、再度S1に戻って成形処理の次の1サイクルを開始する。
一方、射出成形装置2の実際の運転モードが半自動運転モードであったり、成形処理が継続されない場合(図10AのS10でNO)には、射出成形装置2による成形処理は終了する。
所定のタイミングで、閾値記憶部35の閾値が更新される。図10Bは、閾値記憶部35の閾値の更新を設定するための流れ図である。
この実施形態では、閾値記憶部35の閾値がたとえば1日1回(たとえば所定の時刻等に)更新される。しかし、閾値の更新は、数日や週単位、月単位で行われてもよい。制御装置15の演算ユニット31は、図10Bに示すように、図8および図9に示した手法を用いることにより、最も正解率が高くなるような閾値を算出し(図10BのT1)、この閾値を、記憶ユニット32の閾値記憶部35に更新記憶させる(図10BのT2)。閾値更新後の成形処理は、更新後の閾値を用いて、射出成形装置2の実際の運転モードが予測される。
以上によりこの実施形態によれば、算出された型締力の変化量と閾値とを比較することにより、射出成形装置2の運転モードを高精度に予測することができる。そして、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ高精度に予測された運転モードが半自動運転モードである場合に、射出成形装置2の装置不具合であると判定する。
すなわち、従来では、自動運転モードでは、射出成形装置2の運転状態が良好であると考えられてきた。このような状態において、予測された運転モードが半自動運転モードである場合に不具合(異常)を検知することにより、今まで見逃されていた装置不具合を高精度に検知することができる。
以下、より具体的に説明する。また、従来では、射出成形装置2(含:型締装置10)に異音や振動が顕著な形で表れない限り、射出成形装置2における不具合の発生を検知することができなかった。熟練者であっても射出成形装置2(含:型締装置10)が抱える経年劣化等による不具合(異常)などを、異音や振動が顕著な形で表れる前の段階で検知することはできなかった。すなわち、射出成形装置2における不具合の発生を早期に検知することはできなかった。
そして、射出成形装置2に異音や振動が顕著な形で表れた段階で射出成形装置2を停止させても、その時点では、射出成形装置2の不具合(異常)度合いが大きくなっており、修理等のため射出成形装置2の運転を長期間停止せざるを得ない事態となるケースが多い。すなわち、結果的に対処が遅れて、生産性が著しく低下する自体を招くおそれがある。
この実施形態のような型締力の変化量に基づいて射出成形装置2の不具合(異常)を検知する手法では、異音や振動が顕著な形で表れない早期の段階で、射出成形装置2の不具合(異常)を検知することができる。具体的には、この手法により、射出成形装置2の型締装置10の初期故障等の検知に活用できる。このような初期故障としては、型締機構11の故障(たとえば、第1のサーボモータ20の故障や、トグルアーム22の接続部の摩耗、ボールねじ19のフレーキング等)および/または金型13の異常(たとえば異常摩耗)等を例示することができる。
また、不具合品の疑いがある成形品(ショット)を、良品から精度良く分別できるので、通常目視でないと発見しにくい、ショートやヒケやバリなどの成形不具合品をも、精度良く分別できる。その結果、検品をする工数を削減できる。
次いで、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の場合と同様の成形システム1である。第2の実施形態は、第1の実施形態と、制御内容(装置不具合の検知の手法)において異なっている。
図11は、第2の実施形態に係る射出成形装置2において実行される成形処理の流れを示す流れ図である。
射出成形装置2において成形処理(第2成形処理)の1サイクルが全自動運転される場合、成形処理(第1の成形処理)の1サイクルのスタート(S11)の後、まず、型締工程(図4のP1)が実行される。型締工程(P1)の終了後は、制御装置15は、成形処理の他の工程(図4のP2〜P5)を順に実行する。
制御装置15の実運転モード取得部34は、型締工程(P1)の実行時における射出成形装置2の実際の運転モードを、記憶ユニット32の運転状況履歴36に記憶する(S13)。また、制御装置15の演算ユニット31は、式(1)に基づいて、型締力の変化量を算出し、算出した型締力の変化量を、制御装置15の記憶ユニット32の運転状況履歴36に記憶する(S14)。
また、制御装置15の演算ユニット31は、算出した型締力の変化量に基づいて、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する(S15)。S11〜S15の各工程は、S1〜S5(図10A)の各工程と同等の工程である。
製品取出し工程(図4のP5)の後、成形処理(第2の成形処理)の1サイクルが終了する。
その後、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ、成形処理(第2の成形処理)を継続する場合(S21でYES)には、制御装置15の演算ユニット31は、図11の処理をリターンし、再度S11に戻って成形処理(第2の成形処理)の次の1サイクルを開始する。
一方、射出成形装置2の実際の運転モードが半自動運転モードであったり、成形処理が継続されない場合(S21でNO)には、射出成形装置2による成形処理は終了する。
制御装置15の演算ユニット31は、たとえば1日1回(たとえば所定の時刻等)において、過去の所定期間(たとえば過去1日分(24時間分))における型締力の変化量に基づいて予測された運転モードと、実際の運転モードとが一致する否か(運転モード予測の予測結果が正解するか否か)に基づいて閾値(判定値)を算出する。
具体的には、演算ユニット31は、図4〜図9を用いて説明した手法(とくに、図8および図9を用いて説明した手法)を用いることにより、最も正解率が高くなるような閾値(判定値)を算出し、算出した閾値(判定値)と、記憶ユニット32に記憶されている所定の基準値(図12に基準値を一点鎖線にて図示)とを比較する。この基準値は、たとえば、射出成形装置2が正常である場合において算出する閾値(判定値)の平均値よりもやや高めに設定されていてもよい。より具体的には、この基準値は、図12に示すように、このような閾値(判定値)の平均値のたとえば約1.5倍に設定されていてもよい。また、閾値(判定値)が基準値を超えているか否かの判定は、数日や週単位、月単位で行われてもよい。また、過去の所定期間は、1日(24時間)に限らず、数日や数週間であってもよい。また、数時間であってもよい。しかし、自動運転モードおよび半自動運転モード双方で、出現率がある程度あることが望ましいので、1日以上であることが好ましい。
また、この第2の実施形態では、4倍最大型締力の補正(平滑化)に用いられる重みづけフィルタとして、第1の実施形態の場合とは異なる重みづけフィルタを用いてもよい。
第2の実施形態に好適な重みづけフィルタでは、演算対象時点の4倍最大型締力と、演算対象時点より1つ前の時点における4倍最大型締力(以下、「1つ前の4倍最大型締力」という場合がある)と、演算対象時点より2つ前の時点における4倍最大型締力(以下、「2つ前の4倍最大型締力」という場合がある)と、演算対象時点より1つ先の時点における4倍最大型締力(以下、「1つ先の4倍最大型締力」という場合がある)と、演算対象時点より2つ先の時点における4倍最大型締力(以下、「2つ先の4倍最大型締力」という場合がある)との合計5つのデータに重みづけフィルタをかけることにより、補正後の4倍最大型締力を算出する。
たとえば、演算対象時点の4倍最大型締力の値が「1528」、1つ前の4倍最大型締力の値が「1520」、2つ前の4倍最大型締力の値が「1518」、1つ先の4倍最大型締力の値が「1523」、2つ先の4倍最大型締力の値が「1526」である場合を考える。この場合の補正後の4倍最大型締力の値は、((1528×6)+(1520×4)+1518+(1523×4)+1526)/16であり、すなわち1524となる。このような、重みづけフィルタとしたのは、閾値(判定値)の算出を、成形処理に並行して行うのではなく、所定のタイミングで行うようにしたためである。
そして、算出した閾値(判定値)が記憶されている基準値よりも高い場合に、制御装置15の演算ユニット31は、装置不具合があると判定し、その旨を示す異常信号を、通信I/F部37を介して、管理サーバ5および成形品分別装置4に向けて送出させる。
以上によりこの第2の実施形態によれば、算出した閾値(判定値)が、記憶されている基準値よりも高い場合に、射出成形装置2の装置不具合が検知される。第1の実施形態の場合と同様に、第2の実施形態の場合も、今まで見逃されていた装置不具合を高精度に検知することができる。その他、第1の実施形態に関連して奏する作用効果は、第2の実施形態においても奏する。
<成形試験>
成形試験について説明する。
第2の実施形態に係る射出成形装置2において、成形処理において算出される閾値(判定値)(最も正解率が高くなるような閾値(判定値))について、日毎の変化を観察した。その成形試験の結果を図12に示す。
図12には、2月21日から2月22日にかけて、閾値(判定値)が大きく上昇していることがわかる。この成形試験において観察された射出成形装置2は、その後、2月26日に故障が発生した。図12から、算出される閾値(判定値)の変化に基づいて、故障の予兆を検知することができることがわかった。
図13は、第3の実施形態に係る成形システム301を示す図である。図14は、成形システム301の電気的構成を示すブロック図である。第3の実施形態において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図12の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
成形システム301は、射出成形装置2の装置不具合を射出成形装置2において検知するのではなく、射出成形装置2に外付けされる検査装置401を用いて検知する。第3の実施形態に係る射出成形装置2の構成は、第1および第2の実施形態に係る射出成形装置2(図3A参照)とほぼ同等である。しかしながら、第3の実施形態においては、閾値記憶部35(図3A参照)および運転状況履歴36(図3A参照)は省略してもよい。検査装置401は、図13の例では、検査装置401は、検査対象の射出成形装置2と管理サーバ5との間に介在している。
検査装置401は、検査対象の射出成形装置2および管理サーバ5と通信するための通信I/F(インターフェイス)部402と、制御装置403とを含む。検査装置401は、検査対象の射出成形装置2から、種々の情報を取得するデータ取得機としての機能と、取得したデータに基づいて、射出成形装置2の装置不具合を検知する検知ユニットとしての機能を備えている。検査装置401は、この実施形態では、1つの装置によって実現されているが、複数の装置に分離して構成されていてもよい。たとえば、データ取得機および検知ユニットのそれぞれが、互いに異なる装置によって構成されていてもよい。この場合、検知ユニットは、パソコンによって実現されていてもよい。
制御装置403は、マイクロコンピュータ(コンピュータ)を用いて構成されている。
制御装置403は、CPU等の演算ユニット431と、記憶ユニット432と、入出力ユニット433(たとえば、RS232C。図示しない)とを有している。
記憶ユニット432は、固定メモリデバイス(図示しない)、ハードディスクドライブ等を用いて構成されている。記憶ユニット432は、射出成形装置2の運転モードの予測に用いられる閾値を記憶する(格納される)閾値記憶部435と、検査対象の射出成形装置2における運転状況の履歴を記憶するための運転状況履歴436とを含む。運転状況履歴436の内容は、運転状況履歴36(図10B参照)と同等である。
第2の実施形態では、検査装置401は、射出成形装置2から、当該運転時刻において検出された型締力、および当該運転時刻における実際の運転モード(実運転モード取得部34によって判別された運転モード)を取得できるようになっている。
制御装置403の演算ユニット431は、射出成形装置2から取得した型締力に基づいて、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する。この第2の実施形態では、演算ユニット431が、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットを実現している。運転モードの予測の手法は、第1の実施形態の場合と同等であるので、記載を省略する。
また、演算ユニット431が、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ予測された運転モードが半自動運転モードである場合に、装置不具合(型締装置10を含む射出成形装置2の不具合)があると判定する。第2の実施形態では、演算ユニット431が、装置不具合があると判定する判定ユニットを実現している。
第3の実施形態では、射出成形装置2の成形処理の1サイクルに並行して、検査装置401による検査が実行される。以下、具体的に説明する。
射出成形装置2において成形処理の1サイクルが全自動運転される場合、成形処理の1サイクルのスタートの後、型締工程(図4のP1)が実行される。型締工程(P1)の終了後は、射出成形装置2の制御装置15は、成形処理の他の工程(図4のP2〜P5)を順に実行する。また、検査装置401の制御装置403は、制御装置15の実運転モード取得部34が取得している型締工程(P1)の実行時における射出成形装置2の実際の運転モードを射出成形装置2から取得する。また、制御装置403は、型締工程(P1)の実行時において、型締力センサ14によって検出された型締力(最大型締力)を射出成形装置2から取得する。制御装置403の演算ユニット431は、取得した実際の運転モードおよび型締力(最大型締力)を、記憶ユニット432の運転状況履歴436に記憶する。また、制御装置403の演算ユニット431は、式(1)に基づいて、型締力の変化量を算出し、算出した型締力の変化量を、記憶ユニット432の運転状況履歴36に記憶する。
また、制御装置403の演算ユニット431は、算出した型締力の変化量に基づいて、射出成形装置2の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードのいずれであるかを予測する。
そして、制御装置403の演算ユニット431は、運転モードの予測結果が半自動運転モードであるか否か、つまりは、運転モードの予測結果が半自動運転モードであり、かつ、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであるか否かを調べる。運転モードの予測結果が半自動運転モードである場合に、制御装置403の演算ユニット431は、装置不具合があると判定し、その旨を示す異常信号を、通信I/F部402を介して、管理サーバ5に向けて送出させる。また、制御装置403の演算ユニット431は、その旨を示す排出信号を、通信I/F部402を介して、成形品分別装置4に向けて送出させる。
閾値記憶部435の閾値が、所定のタイミングで更新される。この実施形態では、閾値記憶部435の閾値がたとえば1日1回(たとえば所定の時刻等に)更新される。しかし、閾値の更新は、数日や週単位、月単位で行われてもよい。制御装置403の演算ユニット431は、図8および図9に示した手法を用いることにより、最も正解率が高くなるような閾値を算出し、この閾値を、記憶ユニット432の閾値記憶部435に更新記憶させる(図10Bの場合と同等の手法)。閾値更新後の成形処理は、更新後の閾値を用いて、射出成形装置2の実際の運転モードが予測される。
以上により第3の実施形態によれば、算出された型締力の変化量と閾値とを比較することにより、射出成形装置2の運転モードを高精度に予測することができる。そして、射出成形装置2の実際の運転モードが全自動運転モードであり、かつ高精度に予測された運転モードが半自動運転モードである場合に、検査装置401によって、射出成形装置2の装置不具合であると判定する。これにより、射出成形装置2における装置不具合の発生を、検査装置401によって高精度に検査できる(検査方法)。この手法により、射出成形装置2の型締装置10の初期故障等を、検査装置401によって高精度に検知することができる。その他、第1の実施形態に関連して奏する作用効果は、第3の実施形態においても奏する。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、本発明はさらに他の実施形態でも実施することができる。
たとえば、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせることができる。すなわち、運転モードの予測のために算出した閾値(判定値)が、記憶されている基準値よりも高い場合に、検査装置401によって、射出成形装置2の装置不具合を検知するようにしてもよい。
また、第1および第2の実施形態において、管理サーバ5の制御装置23が、射出成形装置2から送られてくる情報(運転状況履歴36に記憶される各情報)に基づいて、射出成形装置2の装置不具合等を検知してもよい。すなわち、射出成形装置2の装置不具合等を検知する検知ユニットが、管理サーバ5によって実現されていてもよい。この場合、第1の実施形態において管理サーバ5の制御装置23が、この検知に基づいて、成形品分別装置4に対し、成形品(ショット)を排出する排出信号を送信し、成形品分別装置4がこの排出信号に基づいて、不具合品を他の良品から分別するようにしてもよい。
さらに、第1および第2の実施形態において、管理サーバ5および/または射出成形装置2と通信回線を介して通信可能な他のコンピュータにおいて、射出成形装置2の装置不具合等を検知する検知ユニットが実現されてもよい。
また、第3の実施形態において、検査装置401と通信回線を介して通信可能な他のコンピュータにおいて、射出成形装置2の装置不具合等を検知(検査)する検知ユニットが実現されてもよい。つまり、検知ユニットが、データ取得機と通信可能に設けられた構成であってもよい。
また、第1〜第3の実施形態において、装置不具合の判定に際し、半自動運転モードd1から全自動運転モードd2へ切り替わった直後の数ショット(図8で「d3」で示すショット)を、実際の運転モードが全自動運転モードd2である場合のショットから除外してもよい。「d3」ショットは、実際の運転モードが全自動運転モードd2でありながら、型締力の変化量が不安定な挙動を呈する。そのため、この「d3」のショットを、全自動運転モードd2のショットから除外することにより、安定稼働をしている期間のショット(図8で「d4」+「d5」で示すショット)を基として、装置不具合の判定(すなわち、図9のFP(実際の運転モードが全自動運転モードであり、予測結果は半自動運転モードである時)であることの判定)を行う。これにより、装置不具合の判定を、より高精度に行うことができる。
また、装置不具合の判定に際し、全自動運転モードd2から半自動運転モードd1へ切り替わる直前の数ショット(図8で「d4」で示すショット)を、実際の運転モードが全自動運転モードd2である場合のショットから、さらに除外するようにしてもよい。この「d4」のショットは、型締力の変化量が比較的安定しているのであるが、ときおり不安定な挙動を示すこともある。そのため、「d3」に加えて「d4」のショットを、全自動運転モードd2のショットから除外することにより、全自動運転モードd2のうち最も安定稼働をしている期間のショット(図8で「d5」で示すショット)を基として、装置不具合の判定を行う。これにより、装置不具合の判定を、さらに高精度に行うことができる。
また、第1および第2の実施形態において、成形品分別装置4が装置不具合に対応する不具合品を他の良品から分別することに代えて/併せて、装置不具合の検知に基づいて、射出成形装置2に設けられた警告ユニット501(図3Aに破線で図示)から警告音や警告ランプの警告が作業者に対して報知されてもよい。
とくに、装置不具合が検知される(すなわち、図9のFP(実際の運転モードが全自動運転モードであり、予測結果は半自動運転モードである時)であると判定される場合)ショットが所定数の(たとえば10ショット)に亘って連続する場合や、所定の期間において装置不具合が検知されるショットの割合が所定比率(たとえば50%)を超える場合に、重度の装置不具合として、警告ユニット501が警告するようにしてもよい。この場合には、射出成形装置2(含:型締装置10)に大きな不具合が生じていることになる。
また、射出成形装置2外に設けられた警告ユニットによって、装置不具合の検知に基づく、作業者等への警告を行うようにしてもよい。この場合の警告ユニットは、たとえば回転灯等を含んでいてもよい。この場合には、装置不具合の検知に基づいて、制御装置15の演算ユニット31が、通信I/F部37を介して、異常信号を、管理サーバ5および警告ユニットに向けて送出させるようにしてもよい。
また、第1および第2の実施形態において、型締力センサ14は、射出成形装置2に外付けされていてもよい。
また、第3の実施形態において、型締力センサ14は、射出成形装置2に外付けされていてもよい。この場合、型締力センサ14が検査装置401に含まれていてもよい。
また、第1〜第3の実施形態において、成形システム1は管理サーバ5を含まなくてもよい。
また、第1および第3の実施形態において閾値を自動更新に設定するものとして説明したが、前述のように算出された閾値を用いて、作業者が手動で更新設定するようにしてもよい。また、閾値が更新されなくてもよい。
また、第1〜第3の実施形態において、射出成形装置2が、運転モードとして、全自動運転モードと半自動運転モードとの2つの運転モードに加えて、他のモードをさらに備えていてもよい。
また、第1〜第3の実施形態において、射出成形装置2の型締機構がトグル式でなく、その他の方式(たとえば直圧式)であってもよい。
また、本発明の成形装置として、射出成形装置だけに限らず型締装置10を有する他の成形装置、たとえばプレス成形装置などにも適用することができる。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
この出願は、2017年5月17日に日本国特許庁に提出された特願2017−98008号および2017年8月3日に日本国特許庁に提出された特願2017−150311号に対応しており、これらの出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。
1 :成形システム
2 :射出成形装置
4 :成形品分別装置
5 :管理サーバ
10 :型締装置
11 :型締機構
13 :金型
14 :型締力センサ
15 :制御装置
31 :演算ユニット
32 :記憶ユニット
34 :実運転モード取得部
35 :閾値記憶部
36 :運転状況履歴
301 :成形システム
401 :検査装置
403 :制御装置
431 :演算ユニット
432 :記憶ユニット
434 :実運転モード取得部
435 :閾値記憶部
436 :運転状況履歴

Claims (13)

  1. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を含む成形システムであって、
    前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、
    前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、成形システム。
  2. 前記運転モード予測ユニットが、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量と、設定されている所定の閾値とを比較することにより、前記成形装置の運転モードを予測するユニットを含む、請求項に記載の成形システム。
  3. 前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、
    前記算出ユニットによって算出された値を前記閾値として設定するユニットとをさらに含む、請求項に記載の成形システム。
  4. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を含む成形システムであって、
    前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、
    前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、
    前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み
    前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、成形システム。
  5. 過去の所定期間における前記運転モード予測ユニットによる予測結果の正解率を算出する正解率算出ユニットと、
    前記予測結果の正解率が最も高くなるような型締力の変化量を算出し、算出した変化量を、前記閾値として設定するユニットとをさらに含む、請求項またはに記載の成形システム。
  6. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置であって、
    前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、
    前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、成形装置。
  7. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置であって、
    前記金型に生じる型締力を検出する型締力センサと、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、
    前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、
    前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み、
    前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、成形装置。
  8. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための検査装置であって、
    前記金型に生じる型締力を検出するための型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットとを含み、
    前記検知ユニットが、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定ユニットを含む、検査装置。
  9. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための検査装置であって、
    前記金型に生じる型締力を検出するための型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知ユニットと、
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測ユニットと、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得ユニットと、
    前記運転モード予測ユニットによって予測された運転モードが前記実運転モード取得ユニットによって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出ユニットと、
    前記算出ユニットによって算出された値を閾値として設定する閾値設定ユニットとを含み、
    前記検知ユニットが、現在の成形において前記算出ユニットによって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出ユニットによって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知するユニットを含む、検査装置。
  10. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、
    型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程とを含み、
    前記検知工程が、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定工程を含む、検査方法。
  11. 開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、
    型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、
    前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、
    前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、
    前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程と、
    前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記実運転モード取得工程によって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出工程と、
    前記算出工程によって算出された値を閾値として設定する閾値設定工程とを含み、
    前記検知工程が、現在の成形において前記算出工程によって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出工程によって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知する工程を含む、検査方法。
  12. コンピュータとしての制御装置によって実行されるプログラムであって、
    開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程とを含み、前記検知工程が、前記成形装置の実際の運転モードが前記全自動運転モードであり、かつ前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記半自動運転モードである場合に、前記装置不具合があり、および/または前記不具合品の成形があると判定する判定工程を含む検査方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたプログラム。
  13. コンピュータとしての制御装置によって実行されるプログラムであって、
    開閉可能に設けられた金型と、前記金型に対し型締力を付与する型締機構とを備えた成形装置を検査するための方法であって、型締力センサによって、前記金型に生じる型締力を検出する型締力検出工程と、前記型締力センサによって検出された型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の装置不具合および/または前記成形装置による不具合品の成形を検知する検知工程と、前記型締力センサによって検出される型締力の変化量に基づいて、前記成形装置の運転モードが、全自動運転モードおよび半自動運転モードを含む複数の運転モードのいずれであるかを予測する運転モード予測工程と、前記型締力センサによらずに、前記成形装置の運転において、前記成形装置の実際の運転モードが、前記複数の運転モードのいずれであるかを取得する実運転モード取得工程と、前記運転モード予測工程によって予測された運転モードが前記実運転モード取得工程によって取得された実際の運転モードと一致するか否かに基づいて値を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された値を閾値として設定する閾値設定工程とを含み、前記検知工程が、現在の成形において前記算出工程によって算出された判定値を、前記成形装置における以前の成形において前記算出工程によって算出された値である前記閾値と比較することにより、前記装置不具合および/または前記不具合品の成形を検知する工程を含む検査方法を実行させるようにステップ群が組み込まれたプログラム。
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