JP6352096B2 - 軟化剤を含有するラテックスフォームの製造方法 - Google Patents
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前記両性界面活性剤の添加量が、前記軟化剤の固形分100質量部に対して、1質量部以上であり、前記ゴムラテックス中の固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。
前記ラテックスフォームの製造方法において、前記両性界面活性剤が、ベタイン型両性界面活性剤であることが好ましい。
前記ラテックスフォームの製造方法において、前記ベタイン型両性界面活性剤が、アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタイン、及びカルボベタインからなる群より選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
前記ラテックスフォームの製造方法において、前記ゴムラテックスに、更に、ポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン誘導体を添加してもよい。
1 ラテックスフォームの製造方法
1−1 原料
1−2 製造工程
2 ラテックスフォームの構造・物性
3 ラテックスフォームの用途
本発明に係るラテックスフォームの製造方法は、分散媒及び分散剤を含むゴムラテックスに、少なくとも加硫剤、起泡剤、気泡安定剤及び軟化剤を添加したラテックス組成物に、ゲル化剤及び気体を混合させることで発泡及びゲル化させ、加熱加硫してラテックスフォームを製造する方法である。より詳細には、本発明においては、ゴムラテックスからセル構造を有する発泡体であるラテックスフォームを製造する方法として、以下の方法を採用している。すなわち、ゴムポリマー粒子の水分散体であるゴムラテックスに各種添加剤を添加したラテックス組成物を起泡させるとともに、ケイフッ化ナトリウム等のゲル化剤を添加して、ゴムポリマー粒子を分散安定化している分散剤(界面活性剤)を失活させる。その結果、ゴムポリマー粒子が融着・凝集し、気泡を含んだまま固化する。この際、従来は、気泡安定剤として、トリメンベースを添加することで、ケイフッ化ナトリウムから生じるフッ化水素によるpH低下を穏やかにし、これにより、急激なゲル化による破泡を抑制し、均一なセル構造を有する発泡体(ラテックスフォーム)を製造することが広く行われていた。
本発明に係るラテックスフォームの製造方法に用いられる原料としては、ラテックスフォームの主原料となるゴムラテックス、少なくとも加硫剤、起泡剤、ゲル化剤、気泡安定剤及び軟化剤を含む添加剤が挙げられる。
ゴムラテックスは、ゴムポリマー粒子が分散剤により分散媒(水性媒体等)中に安定して分散しているものである。
本発明で使用可能なゴムラテックスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)等のゴムポリマーのラテックスを挙げることができる。なお、これらのうち、本発明のゴムラテックスとしては、耐候性、耐油性、衛生面(主に、微生物の発生を抑止する効果)等に優れるNBRラテックスを主成分として用いることが好ましい。
分散剤は、ゴムラテックスに各種添加剤を添加したラテックス組成物中のゴムポリマー粒子や各種添加剤の分散性を向上させる役割を有する。分散剤を添加することで、ラテックス組成物を均一にできるため、混入させる気体を良好な状態で(微細且つ均一)に分散させることができる。分散剤としては、ラテックス組成物の分散性を向上させ、後述する気泡安定剤の添加により界面活性が失活するものであれば、特に制限はされないが、例えば、脂肪酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のようなアニオン性界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのようなノニオン性界面活性剤等を使用することができる。
(加硫剤)
加硫剤は、ラテックスゴムの弾性等を確保するために、ゴムポリマーを加硫(架橋)させる役割を有する。加硫剤としては、例えば、硫黄(例えば、コロイド状硫黄、微粉末硫黄等)、硫黄化合物(例えば、二塩化硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等)、有機過酸化物、フェノール化合物等の一般に公知の加硫剤を使用することができる。
起泡剤は、ラテックス組成物に気体を混入させた際に、ラテックス組成物を起泡させる役割を有する。本発明における起泡剤としては、15〜50の範囲のHLBを有するC12〜24のアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。このようなアニオン性界面活性剤を用い、後述するように、気泡安定剤として、両性界面活性剤を使用することで、従来のトリメンベースを使用した場合よりも、更に微細且つ均一なセル構造を有するラテックスフォームを得ることができる。セルを更に微細且つ均一にするという観点からは、HLBが16〜48であることがより好ましく、18〜45であることが更に好ましい。同様に、セルを更に微細且つ均一にするという観点からは、アニオン性界面活性剤の炭素数がC12〜22であることがより好ましく、C12〜18であることが更に好ましい。なお、HLB値としては、デービス法により定義された原子団の基数に基づいて計算した値を用いた。
ゲル化剤は、ラテックス組成物中に分散しているゴムポリマー粒子を凝集させてゲル化させる役割を有する。この際、ラテックス組成物に混入させた気体により発生した気泡の分散状態を維持したまま、ラテックス組成物がゲル化するため、このゲル化したラテックス組成物を加熱加硫することで、均一なセル構造を有するラテックスフォームを得ることができる。
気泡安定剤は、上述したように、ゲル化剤の添加により生じる酸(例えば、ケイフッ化ナトリウムから生じるフッ化水素)によるラテックス組成物の急激なpH低下を穏やかにする役割を有する。これにより、ラテックス組成物の急激なゲル化による破泡を抑制し、均一なセル構造を有するラテックスフォームを得ることができる。
軟化剤は、本発明のラテックスフォームに適度な柔軟性を付与する成分である。軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の炭化水素系プロセス油、スピンドル油、ペトロラタム及び流動パラフィンの等の炭化水素油;ひまし油、紅花油、綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、落下生油、パーム油、やし油、オリーブ油、コーン油等の植物油および動物油、並びにそれらを脱水又は水素化して得られる脂肪酸エステル油等の生物起源脂肪酸エステル油、例えば脱水ひまし油等;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、テトラヒドロフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、リン酸トリクレジル、リン酸アルキルアリル、ブチルフタリルブチルグリコレート、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、トリエチレングリコール・ジ(2−エチル・ヘキソエート)、クエン酸アセチル・トリ−n−ブチル等の可塑剤;並びにそれらの混合物;トリメリット酸系、ピロメリット酸系、安息香酸系の芳香族エステル等が挙げられる。
気体は、安価で入手し易いことから、空気が最も好ましい。また、必要に応じて、他の気体が使用され得る。他の気体としては、例えば窒素、二酸化炭素、及び周囲温度で通常気体であるフルオロカーボン類が挙げられる。
ここで、本発明に係るラテックスフォームの製造方法においては、本発明の効果を損なわない範囲で、ゴムラテックスに、気泡安定剤として、更に、ポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン誘導体を添加してもよい。このポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン誘導体は、上述した両性界面活性剤との相乗作用に基づき、ゲル化剤による急激なpH低下を穏やかにし、混入させた気泡の安定性を向上させる機能を有するものである。
その他、本発明に係るラテックスフォームの製造方法においては、ゴムラテックスに添加する添加剤として、上述した加硫剤、分散剤、起泡剤、軟化剤、ゲル化剤及び気泡安定剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤を必要に応じて用いてもよく、更には、抗菌剤、充填剤、着色剤、香料、増粘剤等を用いてもよい。
次に、本発明のラテックスフォームの製造プロセスについて詳細に説明する。本発明に係るラテックスフォームの製造方法は、ゴムラテックスに、少なくとも、加硫剤、起泡剤、気泡安定剤及び軟化剤を添加したラテックス組成物に、ゲル化剤及び気体を混合させることで発泡及びゲル化させ、加熱加硫してラテックスフォームを製造する方法であり、より詳細には、以下の(工程1)〜(工程3)を含む方法である。
まず、ゴムラテックスに、少なくとも、加硫剤、起泡剤、気泡安定剤及び軟化剤を含む各種添加剤を添加したラテックス組成物を調製する。これらの添加剤をゴムラテックス中に均一に分散させるために、ミキサー等で十分に撹拌して混合することが好ましい。なお、ゴムラテックスとして、2種類以上のゴムラテックスを用いる場合には、得られたラテックスフォーム中において、それぞれのゴムラテックスが均一に存在することが好ましい。そのため、各種添加剤をゴムラテックスに添加する前に、2種類以上のゴムラテックスを均一に混合させる工程を経ることが好ましい。ただし、2種類以上のゴムラテックスを均一に混合させることが可能であれば、これらの混合工程中に、各種添加剤を添加してもよい。
次に、ダンロップ法等に準じて、工程1で調製したラテックス組成物に、ゲル化剤及び空気等の気体を混入させ、十分に撹拌混合することで発泡させるとともにゲル化させ、ゲル状物を得る。なお、ゲル化剤は、生産効率を考慮すると、気体の混入前又は気体の混入と同時に添加することが好適であるが、ゲル化剤をラテックス組成物に十分に混合させることが可能であれば気体の混入後に添加しても技術的には可能である。また、ゲル化剤のゲル化スピード及び設備面の都合を考慮すると、ゲル化剤を添加後、短時間のうちに(例えば、1〜数分以内に)気体を混入させることが好適である。
次いで、工程2で得られたゲル状物を、流延、注型又は押出し成形等の方法により所望の形状に加工し、更に、加硫剤の種類に応じて50〜200℃に加熱して十分に加硫(架橋反応を進行)させる。ここでの加熱方法は、ゲル状物を加硫させ得るものであれば、特に制限されない。最後に、適宜加工を加えて、所定形状のラテックスフォームを得ることができる。
上述した本発明に係る製造方法により得られるラテックスフォームは、独立気泡、連続気泡又はその両方を有していてよく、特に制限されないが、得られるラテックスフォームの吸液性を高めたい場合、連続気泡を有していることが好ましい。
本発明に係る製造方法により得られるラテックスフォームは、例えば、肌に直接適用する化粧用パフ、顔面に貼るシート、マスカラ等に使用できる。また、それ以外にも本発明のラテックスフォームは、マットレス、和洋枕、敷布団、椅子用クッションなどの家庭用品、列車、飛行機及び自動車等の乗り物用の座席クッション、更にはじゅうたんの裏打ち及びドアパッキング、並びに電子機器及び家庭用電化製品のシール材及び緩衝材等にも使用できる。また、本発明のラテックスフォームは、ワイビング材、スポンジたわし、吸水ロール及び吸水マット等にも使用できる。これらの中でも、本発明のラテックスフォームは、特に、化粧用パフに使用すると好適である。
本実施例及び比較例では、ラテックスフォーム原料として、以下のものを用いた。
・合成ラテックスゴム:商品名 Nipol LX531B(アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス);日本ゼオン株式会社製
・加硫系ペースト:商品名 硫黄(加硫剤);細井化学工業製、商品名 ノクセラーMZ(加硫促進剤);大内新興化学工業株式会社製、商品名 酸化亜鉛2種(加硫促進剤);堺化学工業株式会社製、商品名 アデカスタブAO−60(老化防止剤);株式会社ADEKA、商品名 デモールN(分散剤);花王株式会社製
・起泡剤:商品名 FR−14(オレイン酸カリ石鹸);花王株式会社製
・両性界面活性剤1:商品名 アンヒトール86B;花王株式会社製
・両性界面活性剤2:商品名 アンヒトール20Y−B;花王株式会社製
・両性界面活性剤3:商品名 アンヒトール24B;花王株式会社製
・両性界面活性剤4:商品名 ニッサンアノンLG−R;日油株式会社製
・軟化剤1:商品名 綿実油;関東化学株式会社製
・軟化剤2:商品名 オリーブ油;関東化学株式会社製
・軟化剤3:商品名 モノサイザーPB−3A(安息香酸系エステル);DIC株式会社製
・トリメンベース;ユニロイヤルケミカルカンパニー製
・ノニオン性界面活性剤:商品名 ノニオンK−204;日油株式会社製
・ゲル化剤:商品名 ケイフッ化ナトリウム;三井化学株式会社製
・ポリエチレンイミン:商品名 エポミンSP003;株式会社日本触媒製
次に、ラテックスフォームの作製プロセスについて、加硫系ペースト(加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、(加硫系ペーストの分散性向上のための)分散剤等を含むペースト)の調製、ラテックスフォームの作製の順に説明する。
10質量部の加硫剤、6.0質量部のノクセラーMZ、18質量部の酸化亜鉛2種、13質量部の老化防止剤、および3.0質量部の分散剤を50質量部のイオン交換水中に加えてボールミルにて48時間分散し、加硫系ペーストを調製した。
次に、各実施例及び比較例におけるラテックスフォームの作製方法を説明する。
NBRラテックス(エマルジョン)100質量部に対し、表1に示す配合に従い、7.6質量部の加硫系ペースト、0.2質量部の起泡剤、10質量部の軟化剤、0.6質量部の両性界面活性剤1を配合してラテックス組成物を得た。この組成物に対して10質量部のゲル化剤及び空気を加えオークスミキサーにて起泡及びゲル化させた後、100℃で30分間加熱してラテックスフォームを作製した。
表1に示す原料を配合した以外は、実施例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。
比較例1は、両性界面活性剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。比較例2は、軟化剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。比較例3は、軟化剤を添加せず、かつ、密度を0.21kg/m2とした以外は、実施例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。比較例4は、表2に示す原料を配合した以外は、実施例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。
[ラテックスフォームの評価方法及び評価基準]
(セル状態)
上記のようにして作製した実施例及び比較例のラテックスフォームについて、セル状態(セルの細かさと均一さ)を評価した。「セル状態」に関する評価は、「セルが非常に微細で均一である」場合を「◎◎」、「セルが微細で均一である」場合を「◎」、「セルの細かさと均一さがやや劣る」場合を「○」、「セルが荒い」場合を「△」、「セルが非常に荒い、及びセルが形成されていない」場合を「×」という基準で行った。以上の評価の結果を表1及び表2に示す。
JIS K6400に準じて、見掛け密度として室温で測定した。
アスカ―型硬度計F型(高分子計器株式会社製)を用いて硬さ(F)を測定した。
表1及び2に示すように、気泡安定剤として両性界面活性剤を配合し、かつ、軟化剤1または軟化剤2を含有する実施例1〜5、7、9は、比較例2と比較すると、密度は同程度の値であるが、硬さ(F)測定結果がいずれの実施例も低い値を示している。また、気泡安定剤として両性界面活性剤を配合し、かつ、軟化剤3を含有する実施例6、8は、密度が同程度の値である比較例3と比較すると、硬さ(F)測定結果が低い値を示している。以上の評価結果より、本発明に係るラテックスフォームが柔らかさに優れていることがわかる。
次に、参考例として、軟化剤が含まれない場合のラテックスフォームについて説明する。
<原料>
本参考例及び参考比較例では、ラテックスフォーム原料として、以下のものを用いた。
・合成ラテックスゴム:商品名 Nipol LX531B(アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス);日本ゼオン株式会社製
・加硫系ペースト:商品名 硫黄(加硫剤);細井化学工業製、商品名 ノクセラーMZ(加硫促進剤);大内新興化学工業株式会社製、商品名 酸化亜鉛2種(加硫促進剤);堺化学工業株式会社製、商品名 アデカスタブAO−60(老化防止剤);株式会社ADEKA、商品名 デモールN(分散剤);花王株式会社製
・起泡剤:商品名 FR−14(オレイン酸カリ石鹸);花王株式会社製
・両性界面活性剤1:商品名 アンヒトール86B;花王株式会社製
・両性界面活性剤2:商品名 アンヒトール20Y−B;花王株式会社製
・両性界面活性剤3:商品名 アンヒトール24B;花王株式会社製
・両性界面活性剤4:商品名 ニッサンアノンLG−R;日油株式会社製
・両性界面活性剤5:商品名 ユニセーフA−SM;日油株式会社製
・両性界面活性剤6:商品名 アンヒトール20BS;花王株式会社製
・ポリエチレンイミン:商品名 エポミンSP003;株式会社日本触媒製
・トリメンベース;ユニロイヤルケミカルカンパニー製
・ノニオン性界面活性剤:商品名 ノニオンK−204;日油株式会社製
・ゲル化剤:商品名 ケイフッ化ナトリウム;三井化学株式会社製
次に、ラテックスフォームの作製プロセスについて、加硫系ペースト(加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、(加硫系ペーストの分散性向上のための)分散剤等を含むペースト)の調製、ラテックスフォームの作製の順に説明する。
10質量部の加硫剤、6.0質量部のノクセラーMZ、18質量部の酸化亜鉛2種、13質量部の老化防止剤、および3.0質量部の分散剤を50質量部のイオン交換水中に加えてボールミルにて48時間分散し、加硫系ペーストを調製した。
次に、各参考例及び参考比較例におけるラテックスフォームの作製方法を説明する。
NBRラテックス(エマルジョン)100質量部に対し、表3に示す配合に従い、7.6質量部の加硫系ペースト、0.2質量部の起泡剤、0.4質量部の両性界面活性剤1を配合してラテックス組成物を得た。この組成物に対して10質量部のゲル化剤及び空気を加えオークスミキサーにて起泡及びゲル化させた後、100℃で30分間加熱してラテックスフォームを作製した。
表3及び表4に示す原料を配合した以外は、参考例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。
両性界面活性剤を添加しなかった以外は、参考例1と同様にしてラテックスフォームを作製した。
[ラテックスフォームの評価方法及び評価基準]
上記のようにして作製した参考例及び参考比較例のラテックスフォームについて、セル状態(セルの細かさと均一さ)を評価した。「セル状態」に関する評価は、「セルが非常に微細で均一である」場合を「◎◎」、「セルが微細で均一である」場合を「◎」、「セルの細かさと均一さがやや劣る」場合を「○」、「セルが荒い」場合を「△」、「セルが非常に荒い、及びセルが形成されていない」場合を「×」という基準で行った。以上の評価の結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4に示すように、気泡安定剤として両性界面活性剤を配合した参考例1〜7は、いずれもセル状態が良好なものとなった。ここで、両性界面活性剤として、ベタイン型のものを用いた参考例1〜3、6、7はセル状態が特に優れており、アルキルベタインを用いた参考例1、2、7は、セル状態が更に優れており、両性界面活性剤とポリエチレンイミンの両方を含んでいる参考例7は、セル状態が最も優れていた。なお、参考例1、2、7と同様に、アルキルベタインを用いた参考例6は、気泡安定剤の炭素数と起泡剤の炭素数との差が2を超えていたため、セル状態は、参考例1、2、7と比較するとやや劣るものとなった。
Claims (4)
- 分散媒及び分散剤を含むゴムラテックスに、少なくとも加硫剤、起泡剤、気泡安定剤及び軟化剤を添加し、更に、ポリエチレンイミン及び/又はポリエチレンイミン誘導体を添加したラテックス組成物に、ゲル化剤及び気体を混合させることで発泡及びゲル化させ、加熱加硫してラテックスフォームを製造する方法であって、
前記起泡剤として、アニオン性界面活性剤を用い、
前記ゲル化剤として、ヘキサフルオロケイ酸塩を用い、
前記気泡安定剤として、両性界面活性剤を用いることを特徴とする、ラテックスフォームの製造方法。 - 前記両性界面活性剤の添加量が、前記軟化剤の固形分100質量部に対して、1質量部以上であり、前記ゴムラテックス中の固形分100質量部に対して、10質量部以下であることを特徴とする、請求項1に記載のラテックスフォームの製造方法。
- 前記両性界面活性剤が、ベタイン型両性界面活性剤である、請求項1又は2のいずれかに記載のラテックスフォームの製造方法。
- 前記ベタイン型両性界面活性剤が、アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタイン、及びカルボベタインからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラテックスフォームの製造方法。
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