JP6351403B2 - 揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置 - Google Patents

揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置 Download PDF

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Description

本発明は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスから揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含んだ液体を回収液として回収する揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置に関する。
揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)は、大気中の光化学反応により、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)等を生成する原因物質の1つとされている。そして、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質は、目、のどに刺激を与えたり、呼吸器に悪影響を及ぼしたりすることが懸念されている。
よって、揮発性有機化合物を含む被処理ガス(排気ガス等)を、そのまま大気中に放出することなく、被処理ガスから揮発性有機化合物を回収する技術が研究されている。
例えば、特許文献1では、溶剤吸着装置に充填の吸着剤に吸着された溶剤を過熱水蒸気を用いて脱着し、回収するにあたり、過熱水蒸気発生装置に供給され、該過熱水蒸気発生装置で過熱水蒸気になる水は、溶剤吸着装置に供給され、溶剤脱着をした過熱水蒸気を用いて予熱する一方、溶剤脱着をした過熱水蒸気は予熱により冷却されるように設定されることを特徴とする溶剤回収方法が開示されている。
特開2011−167625号公報
しかしながら、特許文献1に開示された溶剤回収方法は、過熱水蒸気を発生させるために水を供給しており、別途水供給設備が必要となる。さらに、飽和水蒸気での脱着方法と比較すると、脱着、凝縮後に得られる回収液に含まれる水分は少なくなるものの、外部からの水の供給は必要であり、結果として排水が余分に排出され、別途排水処理の実施、もしくは、回収液からの大量の水分除去を行う必要がある。
また、回収液中の有機化合物をリサイクル(再利用)しようとした場合、回収液中の水分量が多いと、リサイクル時の水分除去の費用が嵩んでしまい、費用面からリサイクルが困難となることがある。
そこで、本発明は、外部からの水の供給量を抑えられるとともに、系外へ排出される排水の量を減少させることにより排水処理にかかる負担を軽減させることができる揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスから揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含んだ液体を回収液として回収する揮発性有機化合物回収方法であって、吸着材に被処理ガスを通過させることにより、前記吸着材に被処理ガス中の揮発性有機化合物を吸着させる吸着工程と、前記吸着材に過熱蒸気を通過させることにより、前記吸着材に吸着した揮発性有機化合物を脱着させる脱着工程と、前記脱着工程において前記吸着材を通過した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる熱交換工程と、前記熱交換工程において液化した過熱蒸気が回収液として回収される回収工程と、前記熱交換工程において気化した回収液である蒸気を過熱して過熱蒸気とする過熱工程と、を含み、前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収した回収液の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気であり、前記過熱工程における蒸気の過熱は、前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気が前記吸着材を通過した後も過熱状態であるように制御することを特徴とする。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、脱着工程において吸着材を通過させる過熱蒸気として、回収液を過熱した過熱蒸気を用いるため、基本的に過熱蒸気源としての水を用意しなくてもよい。その結果、この揮発性有機化合物回収方法によれば、別途、水を供給する設備は基本的に必要なく、さらに、系外へ排出される排水の量の増加を抑制することができるため、排水処理にかかる費用も軽減することができる。
また、この揮発性有機化合物回収方法によれば、回収液中の有機化合物をリサイクル(再利用)しようとした場合であっても、回収液中の水分量の増加を抑制できることから、リサイクル時の水分除去のコストを軽減することができる。
ここで、従来の揮発性有機化合物回収方法において、吸着材から揮発性有機化合物を脱着させる際に使用するガス(キャリアガス)として酸素を含んだ空気を用いる場合、爆発の危険を避けるために、爆発限界を考慮しなければならない。つまり、従来の揮発性有機化合物回収方法によると、揮発性有機化合物の濃度を下げるために、大量の空気を吸着材に供給する必要があり、使用する装置の大型化を避けられなかった。
また、従来の揮発性有機化合物回収方法において、キャリアガスとして酸素を含まない窒素(N)を用いる場合、窒素発生器や窒素ボンベが別途必要となってしまう。
一方、この揮発性有機化合物回収方法によれば、脱着工程において吸着材を通過させる過熱蒸気として、回収液を過熱した過熱蒸気を用いるため、過熱蒸気は無酸素状態となっている。したがって、この揮発性有機化合物回収方法によれば、爆発限界を考慮する必要はないことから、安全性が高いとともに、図1における被処理ガスG1の処理量に対する過熱蒸気M12の供給量を従来の方法と比較して大幅に少なく設定(つまり、濃縮率を高く設定)することができる。その結果、使用する装置を小型化することも可能となるとともに、窒素発生器等の機器も必要とならない。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記熱交換工程において、回収液の気化する温度が過熱蒸気の温度よりも低くなるように、回収液が存在する雰囲気を減圧するのが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、熱交換工程において、回収液が存在する雰囲気を減圧することにより、回収液の気化する温度が低くなる(過熱蒸気の温度よりも低くなる)ため、回収液を確実に気化させることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記熱交換工程において、過熱蒸気の温度が回収液の気化する温度よりも高くなるように、過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧するのが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、熱交換工程において、過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧することにより、過熱蒸気の温度が高くなる(回収液の気化する温度よりも高くなる)ため、回収液を確実に気化させることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記回収工程において回収された回収液が、有機化合物相と水相とに分相し、前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収された回収液のうちの水相の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気であることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、脱着工程において吸着材を通過させる過熱蒸気として、回収液の中でも本来排水として系外へ排出される水相を過熱して用いるため、系外へ排出される排水の量を減少させることができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記回収工程において回収された回収液が、有機化合物相と水相とに分相し、前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収された回収液のうちの水相の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気であり、過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合、前記回収工程において回収された回収液に水が供給されることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合に、回収工程において回収液に水が供給されることから、回収液の中でも水相(水)を過熱した過熱蒸気を確実に利用することができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記熱交換工程が、前記脱着工程において前記吸着材を通過した過熱蒸気と、気化した回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて、気化した回収液の温度を上昇させる第1熱交換工程と、前記第1熱交換工程において温度が低下した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度をさらに低下させて液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる第2熱交換工程と、を含み、前記第2熱交換工程において気化した回収液が、前記第1熱交換工程で用いられることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、第2熱交換工程において気化した回収液を、第1熱交換工程において温めることができるため、過熱工程における過熱量を軽減することができるとともに、吸着材を通過した過熱蒸気の余剰の熱エネルギーを有効利用することができるため、結果として、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法は、前記吸着材が、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、高分子吸着材のうち1種以上の材料から構成されることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収方法によれば、所定の材料から構成される吸着材を使用することから、揮発性有機化合物の吸着、及び脱着を好適に行うことができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスから揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含む液体を回収液として回収する揮発性有機化合物回収装置であって、被処理ガスが通過することにより、被処理ガス中の揮発性有機化合物が吸着するとともに、過熱状態の回収液である過熱蒸気が通過することにより、吸着した揮発性有機化合物が脱着する吸脱着手段と、前記吸脱着手段を経由するように、少なくとも一部の回収液、及び当該回収液が気化した蒸気を循環させる回収液循環流路と、前記回収液循環流路に設けられ、回収液を貯留して回収する回収液タンクと、前記吸脱着手段から前記回収液タンクに向かう過熱蒸気と、前記回収液タンクからの回収液とを熱交換させることで、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、前記回収液タンクからの回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる熱交換手段と、前記熱交換手段により気化し前記吸脱着手段に向かう蒸気を過熱し過熱蒸気とする過熱手段と、を備え、前記過熱手段による蒸気の過熱は、前記吸脱着手段を通過させる過熱蒸気が前記吸脱着手段を通過した後も過熱状態であるように制御されることを特徴とする。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、吸脱着手段を通過させる過熱蒸気として、回収液を過熱した過熱蒸気を用いるため、基本的に過熱蒸気源としての水を用意しなくてもよい。その結果、この揮発性有機化合物回収装置によれば、別途、水を供給する設備は基本的に必要なく、さらに、系外へ排出される排水の量の増加を抑制することができるため、排水処理にかかる費用も軽減することができる。
また、この揮発性有機化合物回収装置によれば、回収液中の有機化合物をリサイクル(再利用)しようとした場合であっても、回収液中の水分量の増加を抑制できることから、リサイクル時の水分除去のコストを軽減することができる。
そして、この揮発性有機化合物回収装置によれば、吸脱着手段を通過させる過熱蒸気として、回収液を過熱した過熱蒸気を用いるため、過熱蒸気は無酸素状態となっている。したがって、この揮発性有機化合物回収装置によれば、爆発限界を考慮する必要はないことから、安全性が高いとともに、図1における被処理ガスG1の処理量に対する過熱蒸気M12の供給量を従来の装置と比較して大幅に少なく設定(濃縮率を高く設定)することができる。その結果、揮発性有機化合物回収装置を小型化することも可能となる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記熱交換手段において回収液の気化する温度が過熱蒸気の温度よりも低くなるように、前記熱交換手段の内部であって回収液が存在する雰囲気を減圧する減圧手段を備えることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、減圧手段を備えることにより、回収液の気化する温度が低くなる(過熱蒸気の温度よりも低くなる)ため、回収液を確実に気化させることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記熱交換手段において過熱蒸気の温度が回収液の気化する温度よりも高くなるように、前記熱交換手段の内部であって過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧する加圧手段を備えることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、加圧手段を備えることにより、過熱蒸気の温度が高くなる(回収液の気化する温度よりも高くなる)ため、回収液を確実に気化させることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記回収液タンクに回収された回収液の有機化合物相と水相との界面の位置を検出する界面検出センサと、前記界面検出センサが検出した界面の位置に基づいて、水相のみを回収液として前記熱交換手段に向けて送出する送出手段と、を備えることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、吸脱着手段を通過させる過熱蒸気として、回収液の中でも本来排水として系外へ排出される水相を過熱して用いるため、系外へ排出される排水の量を減少させることができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記回収液タンクに回収された回収液の有機化合物相と水相との界面の位置を検出する界面検出センサと、前記界面検出センサが検出した界面の位置に基づいて、水相のみを回収液として前記熱交換手段に向けて送出する送出手段と、過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合、前記回収液タンクに回収された回収液に水を供給する水供給手段と、を備えることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合に、水供給手段により回収液タンクの回収液に水が供給されることから、回収液の中でも水相(水)を過熱した過熱蒸気を確実に利用することができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記熱交換手段が、前記吸脱着手段を通過した過熱蒸気と、気化した回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて、気化した回収液の温度を上昇させる第1熱交換器と、前記第1熱交換器において温度が低下した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度をさらに低下させて液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる第2熱交換器と、を備え、前記第2熱交換器において気化した回収液が、前記第1熱交換器で用いられることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、第2熱交換器により気化した回収液を、第1熱交換器において温めることができるため、過熱手段による過熱量を軽減することができるとともに、吸脱着手段を通過した過熱蒸気の余剰の熱エネルギーを有効利用することができるため、結果として、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明に係る揮発性有機化合物回収装置は、前記吸脱着手段が、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、高分子吸着材のうち1種以上の材料から構成されることが好ましい。
この揮発性有機化合物回収装置によれば、所定の材料から構成される吸脱着手段を備えることから、揮発性有機化合物の吸着、及び脱着を好適に行うことができる。
本発明によれば、外部からの水の供給量を抑えられるとともに、系外へ排出される排水の量を減少させることにより排水処理にかかる負担を軽減させることができる揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る揮発性有機化合物回収方法の内容を説明するフローチャートである。
以下、適宜図面を参照して、本発明に係る揮発性有機化合物回収方法、及び揮発性有機化合物回収装置を実施するための形態(実施形態)について説明する。
最初に、実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置1の概略について、図1を参照して説明する。
≪実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置の概略≫
実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置(以下、適宜「回収装置」という)1は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスG1から揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含む液体を回収液M4として回収する装置である。
そして、図1に示すように、回収装置1は、吸脱着手段2と、回収液循環流路t(配管t1〜t12)と、回収液タンク3と、熱交換手段4(41、42、43)と、過熱手段5(51、52)とを備える。
また、回収装置1は、減圧手段6を備えるとともに、回収液タンク3の内部に、界面検出センサ3aと、送出手段3bとを備える。
また、回収装置1は、吸脱着手段2に被処理ガスG1を通過させるための配管t13、t14、t15、ブロアB1と、吸脱着手段2に外気G2を通過させるための配管t16、17、t18、t19、ブロアB2とを備える。
次に、実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置1の各手段について、図1を参照して説明する。
<吸脱着手段>
吸脱着手段2とは、被処理ガスG1が通過することにより、被処理ガスG1中の揮発性有機化合物を吸着する手段である。また、吸脱着手段2とは、過熱状態の回収液である過熱蒸気が通過することにより、吸着した揮発性有機化合物を脱着する手段である。
(構成)
吸脱着手段2の構成は、いわゆる回転式吸着器の構成であり、円柱枠状の枠体に吸着材が充填された円柱状のロータ2a、当該ロータ2aを回転させるモータ(図示せず)等を備え、当該ロータ2aを回転させることで、連続的に被処理ガスG1の吸着・脱着処理が可能な構成となっている。
吸脱着手段2に対して、被処理ガスG1、外気G2、過熱蒸気M12を供給する供給口(配管t14、t17、t12の下流端)の位置は固定されている。そして、吸脱着手段2のロータ2aは、回転軸を中心に周方向に沿って、被処理ガスG1が通過する吸着領域2bと、過熱蒸気M12が通過する脱着領域2cと、外気G2が通過する冷却領域2dとに分けられる。吸着領域2bでは、被処理ガスG1中の揮発性有機化合物を吸着させ、脱着領域2cでは、吸着した揮発性有機化合物を、過熱蒸気M12により脱着させ、冷却領域2dでは、過熱蒸気の通過により高温となったロータ2aを外気G2により冷却する。
そして、吸脱着手段2のロータ2aの各領域2b、2c、2dは、ロータ2aが回転することにより、吸着領域2b→脱着領域2c→冷却領域2dとの順で移行する。
(材料)
吸脱着手段2の材料(詳細には、吸脱着手段2のロータに充填される材料)は、通過する揮発性有機化合物と化学反応せずに当該化合物を吸着し、かつ、加熱、減圧等によって当該化合物を脱着させることができるものであれば特に限定されず、回収する揮発性有機化合物の種類に応じて選択すればよい。
例えば、ミクロ孔、メソ孔、又は、マクロ孔を有する多孔質状であることが好ましく、具体的には、ゼオライト、活性炭、シリカゲル(疎水性シリカゲル)、活性アルミナ、及び高分子吸着剤(多孔質高分子吸着材)が挙げられ、これらの中から選択した1種を用いることができ、2種類以上を併用してもよい。特に、熱安定性や吸着作用及び水分吸着の点などから、シリカ/アルミナ比を5以上とした疎水性ゼオライトが好ましい。
なお、吸脱着手段2の材料が2種以上の材料から構成される場合、混合してロータに充填されていてもよいし、各材料が層状に充填されていてもよい。
そして、吸脱着手段2の材料は、ハニカム状(蜂の巣状)に加工されていてもよいし、繊維状に加工されていてもよい。
なお、吸脱着手段2を通過させる過熱蒸気M12は、吸脱着手段2内において、顕熱による温度変化のみが起こり、液体への状態変化は起こらない。よって、揮発性有機化合物を吸脱着手段2から脱着させる際、吸脱着手段2が水で濡れるといった状況を回避することができる。その結果、ゼオライト等の耐水性が低いと考えられている物質を吸脱着手段2の材料として好適に用いることができる。
<回収液循環流路>
回収液循環流路tとは、吸脱着手段2を経由するように、少なくとも一部の回収液、及び当該回収液が気化した蒸気を循環させる流路である。そして、回収液循環流路tは、配管t1〜t12を備える。
なお、蒸気は、飽和蒸気、過熱蒸気を含む概念である。そして、過熱蒸気とは、飽和蒸気(沸点で蒸発した状態の蒸気)を過熱することにより、飽和温度以上の温度を呈する蒸気である。
配管t1は、吸脱着手段2と第1熱交換器41とを連通する配管である。そして、配管t1の内部には、吸脱着手段2において気化(脱着)した揮発性有機化合物を含む過熱蒸気M1が、吸脱着手段2側から、第1熱交換器41側に向けて流れる。
配管t2は、第1熱交換器41と第2熱交換器42とを連通する配管である。そして、配管t2の内部には、第1熱交換器41において温度が低下した過熱蒸気M2が、第1熱交換器41側から、第2熱交換器42側に向けて流れる。
配管t3は、第2熱交換器42と第3熱交換器43とを連通する配管である。そして、配管t3の内部には、第2熱交換器42において温度が低下し液化した回収液M3が、第2熱交換器42側から、第3熱交換器43側に向けて流れる。
配管t4は、第3熱交換器43と回収液タンク3とを連通する配管である。そして、配管t4の内部には、第3熱交換器43において温度が低下した回収液M4が、第3熱交換器43側から、回収液タンク3側に向けて流れる。
配管t5、t6は、ポンプPを介して、回収液タンク3と第3熱交換器43とを連通する配管である。そして、配管t5、6の内部には、回収液タンク3から送出される回収液M6が、回収液タンク3側から、第3熱交換器43側に向けて流れる。
配管t7は、第3熱交換器43と第2熱交換器42とを連通する配管である。そして、配管t7の内部には、第3熱交換器42において温度が上昇した回収液M7が、第3熱交換器43側から、第2熱交換器42側に向けて流れる。
配管t8は、第2熱交換器42と第1熱交換器41とを連通する配管である。そして、配管t8の内部には、第2熱交換器42において温度が上昇し気化した蒸気M8が、第2熱交換器42側から、第1熱交換器41側に向けて流れる。
配管t9、t10は、減圧手段6を介して、第1熱交換器41と第1過熱器51とを連通する配管である。そして、配管t9、10の内部には、第1熱交換器41において温度が上昇した蒸気M9が、第1熱交換器41側から、第1過熱器51側に向けて流れる。
配管t11は、第1過熱器51と第2過熱器52とを連通する配管である。そして、配管t11の内部には、第1過熱器51において温度が上昇し過熱状態となった過熱蒸気M11が、第1過熱器51側から、第2過熱器52側に向けて流れる。
配管t12は、第2過熱器52と吸脱着手段2とを連通する配管である。そして、配管t12の内部には、第2過熱器52においてさらに温度が上昇した過熱蒸気M12が、第2過熱器52側から、吸脱着手段2側に向けて流れる。
<回収液タンク>
回収液タンク3とは、回収液を貯留して回収するタンクである。
そして、回収液タンク3は、回収液M4を供給できるように頂部付近に配管t4が接続されている。そして、有機化合物相Oが上方、水相Wが下方に分相して回収液が貯留する場合、回収液タンク3は、貯留した回収液M4(水相W)を熱交換手段4に送出できるように底面(又は底部側面)に配管t5が接続されているとともに、回収液M4(有機化合物相O)を系外に送出できるように中間高さ位置の側面に配管t20が接続されている。
一方、有機化合物相Oが下方、水相Wが上方に分相して回収液が貯留する場合は、貯留した回収液M4(水相W)を回収液タンク3の中間高さ位置の側面からオーバーフローさせて別のタンクに受け取り、当該別のタンクから熱交換手段4に送出できるように配管t5を接続するとともに、回収液M4(有機化合物相O)を系外に送出できるように回収液タンク3の底面(又は底部側面)に配管t20を接続すればよい。
なお、有機化合物相Oと水相Wとが分相しない場合、回収液タンク3に対する配管t5、t20の接続位置は特に限定されない。
(界面検出センサ、送出手段)
回収液タンク3は、界面検出センサ3aと、送出手段3bとを備えている。
界面検出センサ3aとは、回収液タンク3に回収された回収液M4の有機化合物相Oと水相Wとの界面の位置を検出するセンサである。なお、界面検出センサ3aの構成については、有機化合物相Oと水相Wとの界面を検出できる構成であれば特に限定されない。例えば、界面における反射光を検出して界面位置を算出する非接触式センサでも、有機化合物相Oと水相Wとの電気伝導度を検知して界面位置を特定する接触式センサでもよい。
そして、送出手段3bとは、回収液タンク3内の回収液M4(水相W)を配管t5側に送出する手段である。
なお、送出手段3bの構成については、水相Wを配管t5に送出する送出口の位置(高さ)を変更できる構成であれば特に限定されない。
例えば、送出手段3bは、前記した送出口を備える配管が固定されているとともに歯切り加工が施された上下に延びるラックを、当該ラックの歯切り部分に噛み合ったピニオンギアを回転させることにより、上下方向に移動させる構造(ラックアンドピニオン構造)のものを用いることができる。なお、界面検出センサ3aが検出した界面の位置データを制御手段(図示せず)が受信し、当該位置データに基づいて、送出口が水相Wを送出できる位置となるようにピニオンギアの回転を制御手段(図示せず)が制御するようになっている。
また、前記のとおり、有機化合物相Oが上方、水相Wが下方に分相して回収液が貯留する場合、回収液タンク3の底面に配管t5(送出手段3b)を接続することにより、回収液タンク3内の回収液M4(水相W)を確実に配管t5側に送出できる構成としてもよい。
<熱交換手段>
熱交換手段4は、吸脱着手段2から回収液タンク3に向かう過熱蒸気と、回収液タンク3からの回収液とを熱交換させることで、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、回収液タンク3からの回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる手段である。
そして、熱交換手段4は、第1熱交換器41と、第2熱交換器42と、第3熱交換器43とを備える。
第1熱交換器41は、配管t1を介して供給される過熱蒸気M1と、配管t8を介して供給される蒸気M8との間で熱交換を行う機器である。そして、第1熱交換器41において温度が低下した過熱蒸気M2は配管t2に送出され、温度が上昇した蒸気M9は配管t9に送出される。
第2熱交換器42は、配管t2を介して供給される過熱蒸気M2と、配管t7を介して供給される回収液M7との間で熱交換を行う機器である。そして、第2熱交換器42において過熱蒸気M2の温度が低下し液化した回収液M3は配管t3に送出され、回収液M7の温度が上昇し気化した蒸気M8は配管t8に送出される。
第3熱交換器43は、配管t3を介して供給される回収液M3と、配管t6を介して供給される回収液M6との間で熱交換を行う機器である。そして、第3熱交換器43において温度が低下した回収液M4は配管t4に送出され、温度が上昇した回収液M7は配管t7に送出される。
<減圧手段>
減圧手段6とは、回収液の気化する温度が、過熱蒸気の温度よりも低くなるように熱交換手段4の内部(詳細には、第2熱交換器42の配管t8に連通する内部)を減圧する手段である。
減圧手段6の構成については、所定雰囲気の圧力を減圧することが可能な構成であれば特に限定されず、例えば、公知の各種ブロワを用いることができる。なお、減圧手段6としてブロワを用いる場合、配管t9の下流端がブロワの吸気口に接続されることとなる。
ここで、減圧手段6は、配管t9内、第1熱交換器41内(配管t9と配管t8とに連通する内部)、及び配管t8内の蒸気M8、M9を、配管t10側に向けて大きな送圧で送出することにより、第2熱交換器42内部(配管t8に連通する内部)において回収液M7が存在する雰囲気(領域)を減圧することができる。
そして、減圧手段6は、制御手段(図示せず)により減圧のレベル(圧力低下量)が制御される。なお、制御手段(図示せず)による減圧手段6の制御方法については後に詳述する。
<過熱手段>
過熱手段5とは、熱交換手段4において気化した回収液である蒸気を過熱して過熱蒸気とする手段である。
過熱手段5は、第1過熱器51と、第2過熱器52とを備える。
第1過熱器51は、配管t10を介して供給される蒸気M9を過熱し、過熱状態とする機器(又は、過熱状態である蒸気M9を高温の過熱状態とする機器)である。また、第2過熱器52は、配管t11を介して供給される過熱蒸気M11を過熱し、さらに高温の過熱状態とする機器である。
なお、第1過熱器51、第2過熱器52については、過熱が可能な公知の過熱器を用いることができる。例えば、ヒーター、高温スチームにより過熱する過熱装置等を用いればよい。
そして、過熱手段5は、制御手段(図示せず)により過熱のレベル(過熱量)が制御される。なお、制御手段(図示せず)による過熱手段6の制御方法については後に詳述する。
≪回収の対象である揮発性有機化合物≫
回収の対象である揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)とは、常温・常圧で空気中に揮発し易い有機化合物である。
そして、揮発性有機化合物は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トルエン、キシレン、スチレン、トリメチルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン等である。そして、回収の対象である揮発性有機化合物は、1種、又は2種以上であってもよい。
これらの揮発性有機化合物は、環境・人体への悪影響が懸念されている化合物であることから、実施形態に係る回収装置1によって被処理ガスG1から分離・回収することにより、被処理ガスG1を安全な状態にして大気に放出することができる。
次に、実施形態に係る揮発性有機化合物回収方法について、図1、図2を参照して説明する。なお、前記した実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置1の動作も併せて説明する。
≪実施形態に係る揮発性有機化合物回収方法≫
実施形態に係る揮発性有機化合物回収方法(以下、適宜「回収方法」という)は、図2に示すように、吸着工程S1と、脱着工程S2と、熱交換工程S3、S5と、回収工程S4と、過熱工程S6とを含む。
以下、各工程を説明する。
<吸着工程>
吸着工程S1とは、吸脱着手段2の吸着材に被処理ガスG1を通過させることにより、吸着材に被処理ガスG1中の揮発性有機化合物を吸着させる工程である。
詳細には、吸着工程S1では、ブロアB1により配管t13、t14を介して被処理ガスG1を吸脱着手段2の吸着領域2bに通過させる。そして、被処理ガスG1が吸脱着手段2(吸着材)を通過する際、被処理ガスG1中の揮発性有機化合物が吸着材に吸着する。そして、揮発性有機化合物が除去された(分離した)被処理ガスG1が配管t15を介して大気に放出される。
<脱着工程>
脱着工程S2とは、吸脱着手段2の吸着材に過熱状態の回収液である過熱蒸気M12を通過させることにより、吸着材に吸着した揮発性有機化合物を吸着材から脱着させる工程である。
詳細には、脱着工程S2では、配管t12を介して過熱蒸気M12を吸脱着手段2の脱着領域2cに通過させる。過熱蒸気M12が吸脱着手段2(吸着材)を通過する際、吸着工程S1において吸着した揮発性有機化合物が、過熱蒸気M12により温められることで脱着する。そして、脱着した揮発性有機化合物が、過熱蒸気M12とともに吸脱着手段2を通過し、過熱蒸気M1として配管t1に送出される。
なお、脱着工程S2において、吸脱着手段2に吸着した揮発性有機化合物の大半は、気化することにより脱着すると推測するが、気化することなく過熱蒸気M12に押し出される形で脱着するものが含まれていてもよい。
そして、脱着工程S2において、吸脱着手段2の脱着領域2cは過熱蒸気M12が通過することにより高温となるが、吸着材は高温状態のままでは適切に吸着機能を発揮しない。よって、脱着工程S2の後、ブロアB2により配管t16、t17を介して外気G2を吸脱着手段2の冷却領域2dに通過させることで、吸着材を冷却させる。なお、吸脱着手段2の冷却領域2dを通過した外気G2は、配管t18を介して大気に放出されるか、配管t19を介して被処理ガスG1と混合させて吸脱着手段2の吸着領域2bに送出される。
つまり、吸脱着手段2のロータが回転することにより、吸着領域2bが脱着領域2cに移行し、脱着領域2cが冷却領域2dに移行し、冷却領域2dが吸着領域2bに移行する。これにより、吸着→脱着→冷却(吸着機能の再生)の連続した実施が可能となる。
<熱交換工程>
熱交換工程S3、S5とは、脱着工程S2において吸脱着手段2の吸着材を通過した過熱蒸気と、回収工程S4において回収した回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる工程である。
なお、以下では、「熱交換工程S3、S5」を、過熱蒸気が液化する「熱交換工程(液化側)S3」と、回収液が気化する「熱交換工程(気化側)S5」とに分けて説明する。
熱交換工程(液化側)S3では、吸脱着手段2の吸着材を通過した過熱蒸気M1が熱を奪われることで、温度が低下した過熱蒸気M2となり(顕熱による温度変化を起こす第1熱交換工程)、さらに、過熱蒸気M2が熱を奪われることで、温度が低下し液化した回収液M4となる(潜熱による状態変化を起こす第2熱交換工程)。
なお、過熱蒸気M2は、過熱状態ではない蒸気となっていてもよい。
詳細には、熱交換工程(液化側)S3では、吸脱着手段2から送出された過熱蒸気M1が配管t1を介して第1熱交換器41を通過する。過熱蒸気M1が第1熱交換器41を通過する際、熱を奪われることで、過熱蒸気M1の温度が低下する。そして、温度が低下した過熱蒸気M2が配管t2を介して第2熱交換器42を通過する。過熱蒸気M2が第2熱交換器42を通過する際、熱を奪われることで、過熱蒸気M2の温度が低下し液化して回収液M3となる。そして、回収液M3が配管t3を介して第3熱交換器43を通過する。回収液M3が第3熱交換器43を通過する際、熱を奪われることで、回収液M3の温度が低下する。その後、温度か低下した回収液M4は配管t4を介して回収液タンク3に供給される。
<回収工程>
回収工程S4とは、熱交換工程S3において液化した過熱蒸気が回収液として回収される工程である。
詳細には、回収工程S4では、熱交換手段4(第3熱交換器43)から送出された回収液M4が配管t4を介して回収液タンク3に供給され回収される。
なお、被処理ガスG1が水を含み、回収対象となる揮発性有機化合物が疎水性有機化合物である場合、回収工程S4にて回収された回収液M4は、有機化合物相O(若干、水が含まれている場合がある)と水相W(若干、揮発性有機化合物が含まれている場合がある)とに分相する。この場合、脱着工程S2にて用いる過熱蒸気M12の基となる溶液として、水相Wのみを用いることで、回収液タンクより排出される排水の量を減少させることができ、結果として省エネルギー化を図ることができる。
よって、回収工程S4にて回収した回収液が有機化合物相Oと水相Wとに分相する場合は、前記した界面検出センサ3a、制御手段(図示せず)、送出手段3bにより、水相Wを回収液タンク3から送出する。これにより、後記の熱交換工程(気化側)S5において水相Wを回収液M6として使用することができる。
<熱交換工程>
熱交換工程(気化側)S5とは、回収液タンク3から送出された回収液M6が熱を吸収することで、温度が上昇し気化した蒸気M8となり(潜熱による状態変化を起こす第2熱交換工程)、さらに、蒸気M8が熱を吸収することで温度が上昇した蒸気M9となる(顕熱による温度変化を起こす第1熱交換工程)。
なお、蒸気M9は、過熱状態(過熱蒸気)となっていてもよい。
詳細には、熱交換工程(気化側)S5では、ポンプPにより配管t5、t6を介して回収液M6が第3熱交換器43を通過する。回収液M6が第3熱交換器43を通過する際、熱を吸収することで、回収液M6の温度が上昇する。そして、温度が上昇した回収液M7が配管t7を介して第2熱交換器42に供給される。ここで、回収液M7は気化させるために一旦、熱交換器42内部に保持されるが、回収液M7が保持される雰囲気は、減圧手段6により減圧されている。そして、減圧された雰囲気(第2熱交換器42)に保持された回収液M7が過熱蒸気M2と熱交換し、熱を吸収することで、回収液M7の温度が上昇し気化して蒸気M8となる。そして、蒸気M8が配管t8を介して第1熱交換器41を通過する。蒸気M8が第1熱交換器41を通過する際、蒸気M8が熱を吸収することで、温度が上昇する。
その後、蒸気M9は配管t9、t10を介して過熱手段5(第1過熱器51)に供給される。
なお、熱交換工程(気化側)S5における減圧のレベル(圧力低下量)は、以下のように制御される。
配管t2内の過熱蒸気M2の温度及び流量を計測する第1計測計(図示せず)と、配管t8内の回収液M8の温度及び流量を計測する第2計測計(図示せず)と、からのデータを制御手段(図示せず)が受信する。そして、制御手段(図示せず)は、取得したデータの状況において、「回収液の気化する温度<過熱蒸気の温度」(好ましくは1℃以上の温度差、より好ましくは5℃以上の温度差)とする、又は所定の温度差とするために必要となる第2熱交換器42内部(配管t8に連通する内部)の雰囲気圧を算出し、減圧手段6が減圧すべきレベルを算出する。そして、制御手段(図示せず)から算出結果を受信した減圧手段6が減圧のレベルを変更(又は維持)する。
例えば、配管t2内の過熱蒸気M2の温度が低い場合、及び過熱蒸気M2の流量が少ない場合は、減圧手段6による減圧のレベルを大きく設定することとなる。また、配管t7内の回収液M7の温度が低い場合、及び回収液M7の流量が多い場合は、減圧手段6による減圧のレベルを大きく設定することとなる。
<過熱工程>
過熱工程S6とは、熱交換工程S5において気化した回収液である蒸気を過熱して過熱蒸気とする工程である。
詳細には、過熱工程S6では、減圧手段6により配管t9、t10を介して蒸気M9が第1過熱器51を通過する。蒸気M9が第1過熱器51を通過する際、蒸気M9が過熱されることで、過熱状態となる(又は、過熱状態であった蒸気がさらに高温となる)。そして、過熱状態となった過熱蒸気M11が配管t11を介して第2過熱器52を通過する。過熱蒸気M11が第2過熱器52を通過する際、過熱蒸気M11がさらに過熱されることで、より温度の高い過熱状態となる。
その後、過熱蒸気M12は配管t12を介して吸脱着手段2に供給される。
なお、過熱工程S6における過熱のレベル(過熱量)は、以下のように制御される。
配管t1内の過熱蒸気M1の温度を計測する第3計測計(図示せず)からのデータを制御手段(図示せず)が受信する。そして、制御手段(図示せず)は、取得したデータの状況において、過熱蒸気M12が吸脱着手段2内で吸着した揮発性有機化合物を十分に脱着するのに必要となる過熱量を算出し、過熱手段52が過熱すべきレベルを算出する。そして、制御手段(図示せず)から算出結果を受信した過熱手段52が過熱のレベルを変更(又は維持)する。
例えば、過熱蒸気M1の温度が高いことにより、被処理ガスG1中の揮発性有機化合物濃度が低いと想定される場合や、配管t11内の過熱蒸気M11の温度が高い、又は流量が大きいと想定される場合等、脱着に要する熱量が少ない場合には、過熱手段52のレベルを小さく設定することとなる。また、過熱蒸気M1の温度が低いことにより、被処理ガスG1中の揮発性有機化合物濃度が高いと想定される場合や、配管t11内の過熱蒸気M11の温度が低い、又は流量が小さいと想定される場合等、脱着に要する熱量が多い場合には、過熱手段52のレベルを大きく設定することとなる。
≪変形例≫
以上、実施形態に係る揮発性有機化合物回収装置、及び揮発性有機化合物回収方法について説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
実施形態に係る回収装置1は、配管t1部分にブロワ等の加圧手段(図示せず)を備える構成となっていてもよい。ここで、加圧手段(図示せず)は、配管t1内の過熱蒸気M1を、配管t1の上流側から下流側に向けて大きな送圧で送出することにより、第1熱交換器41内部、及び第2熱交換器42内部において過熱蒸気M1、M2が存在する雰囲気(領域)を加圧することができる。
同様に、実施形態に係る回収方法は、熱交換工程S3、S5において、過熱蒸気の温度が回収液の気化する温度よりも高くなるように、過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧する構成となっていてもよい。
このように、実施形態に係る回収装置1(回収方法)が、加圧手段を備える(過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧する)ことにより、熱交換手段4(熱交換工程S3、S5)における過熱蒸気の温度を上昇させることができ、その結果、回収液を確実に気化させることができる。
なお、加圧手段(図示せず)は、減圧手段6と併用してもよいが、いずれか一方を備えればよい。
また、実施形態に係る回収装置1が、配管t1部分に加圧手段(図示せず)を備える場合は、装置内の圧力を調整するために、配管t3部分に調圧弁(配管の開度を変更する弁)等の圧力調整手段(図示せず)やスチームトラップ(液体を通過させるとともに気体をトラップして通過させない機器)等を備えるのが好ましい。なお、実施形態に係る回収装置1が加圧手段(図示せず)を備えない場合であっても、圧力調整手段やスチームトラップ等を備えていてもよい。
実施形態に係る回収装置1は、回収液タンク3に水供給手段(図示せず)を備えるとともに、界面検出センサ3aからの界面の位置データを受信した制御手段(図示せず)が、過熱蒸気を生成するための水相Wの量が不足していると判断した場合、水を供給するように水供給手段(図示せず)を制御する構成となっていてもよい。
同様に、実施形態に係る回収方法は、前記のような場合(水相Wの量が不足している場合)、回収工程S4において回収された回収液に水を供給する水供給工程(図示せず)を含む構成となっていてもよい。
このように、実施形態に係る回収装置1(回収方法)が、水供給手段を備える(水供給工程を含む)ことにより、過熱蒸気を生成するために必要となる水相Wが不足するといった事態を回避することができる。
回収の対象となる揮発性有機化合物の種類によって、回収液M4が有機化合物相Oと水相Wとに分相しない場合がある。また、被処理ガスG1に水が含まれていない等の理由により、回収液M4が有機化合物相Oの単相から構成される場合がある。
これらの場合、実施形態に係る回収装置1は、界面検出センサ3aの代わりに液面検出センサ(図示せず)を備え、さらに、回収液タンク3に水供給手段(図示せず)を備えるとともに、液面検出センサ(図示せず)からの液面の位置データを受信した制御手段(図示せず)が、過熱蒸気を生成するための回収液M4の量が不足していると判断した場合、水を供給するように水供給手段(図示せず)を制御する構成となっていてもよい。
同様に、実施形態に係る回収方法は、前記のような場合(回収液M4の量が不足している場合)、回収工程S4において回収された回収液に水を供給する水供給工程(図示せず)を含む構成となっていてもよい。
このように、実施形態に係る回収装置1(回収方法)が、水供給手段を備える(水供給工程を含む)ことにより、過熱蒸気を生成するために必要となる回収液M4が不足するといった事態を回避することができる。
実施形態に係る回収装置1は、被処理ガスG1を吸脱着手段2に通過させる前に、被処理ガスG1中の水分を除去する水分除去手段(図示せず)を備えていてもよい。なお、水分除去手段(図示せず)は、例えば、乾燥材等に被処理ガスG1を通過させるような構成である。
同様に、実施形態に係る回収方法は、吸着工程S1の前に、吸脱着手段2に通過させる前の被処理ガスG1の水分を除去する水分除去工程(図示せず)を含んでいてもよい。
このように、実施形態に係る回収装置1(回収方法)が、水分除去手段を備える(水分除去工程を含む)ことにより、揮発性有機化合物の含有量の多い(純度の高い)回収液を回収することができる。
実施形態に係る回収装置1の吸脱着手段2は、回転式吸着器の構成に限定されず、公知の固定床式吸着法で用いられる吸着材が充填された2つ以上の吸着塔の構成であってもよい。そして、吸着材が充填された2つ以上の吸着塔を用いる場合は、一つの吸着塔で吸着処理を行い、別の吸着塔で脱着処理を行い、所定時間経過後に、異なる処理が行えるように交代することで連続的な処理を行うことができる。
なお、連続した処理が求められない場合、吸脱着手段2は、吸着材が充填された1塔式の吸着塔の構成であってもよい。
また、実施形態に係る回収装置1の吸脱着手段2は、いわゆる回転弁式の吸着器の構成であってもよい。なお、回転弁式の吸着器とは、図1に示す回転式吸着器とは異なり、吸着材を充填した吸脱着手段が多室に区切られているとともに、この吸脱着手段は回転することなく、弁体が回転することにより、各室へ供給される気体が、被処理ガスG1→過熱蒸気M12→外気G2と所定時間経過後に切り替わっていくという構成である。
実施形態に係る回収方法の熱交換工程(気化側)S5における減圧のレベル(圧力低下量)の制御について、「回収液の気化する温度<過熱蒸気の温度」との基準の代わりに、「回収液の気化する温度<過熱蒸気の液化する温度」との基準を用いてもよい。
また、熱交換工程(気化側)S5における減圧のレベル(圧力低下量)の制御を行うことなく、第2熱交換器42内部(配管t8に連通する内部)の雰囲気圧が大気圧以下の一定の圧力となるように、減圧のレベルを固定していてもよい。
また、過熱工程S6における過熱のレベル(過熱量)の制御を行うことなく、過熱蒸気M12が吸脱着手段2内で液化しないために必要となる過熱量を事前に算出し、算出した過熱量となるように、過熱のレベルを固定していてもよい。
実施形態に係る回収装置1は、熱交換手段4として、第3熱交換器43を備えず、第1熱交換器41、第2熱交換器42のみを備えていてもよい。
また、実施形態に係る回収装置1は、過熱手段5として、第1過熱器51及び第2過熱器52のいずれか1つのみを備えていてもよく、第3過熱器(図示せず)をさらに備えていてもよい。
また、減圧手段6は、配管t9と配管t10との間ではなく、配管t8部分に設けてもよく、加圧手段(図示せず)は、配管t1部分ではなく、配管t2部分に設けてもよい。
また、実施形態に係る回収装置1は、規模に合わせて、ポンプP、ブロアB1、B2の設置数を、適宜、増減させてよい。
また、実施形態に係る回収装置1は、減圧手段6及び第2熱交換器42を備えず、過熱蒸気M2と回収液M7とが間接的に熱交換させる構成となっていてもよい。
この構成では、例えば、過熱蒸気M2は、配管t15を介して大気に放出されるガスや、冷却水などの冷媒と、別の熱交換器(図示せず)において間接的に熱交換させることにより、顕熱及び潜熱を奪われて回収液M3となり、回収液M7は、電気ヒーターやスチーム加熱器(図示せず)などの熱媒と間接的に熱交換させることにより、蒸気化し蒸気M8となる。
このように、実施形態に係る回収装置1(回収方法)について、過熱蒸気M2と回収液M7とを間接的に熱交換させる構成とすることにより、回収装置1内の圧力調整を行わずとも効率的な熱交換を促し、結果として計器点数を減少でき省エネルギー化を図れるとともに、制御性を向上させることができる。
1 揮発性有機化合物回収装置(回収装置)
2 吸脱着手段
3 回収液タンク
3a 界面検出センサ
3b 送出手段
4 熱交換手段
41 第1熱交換器
42 第2熱交換器
5 過熱手段
6 減圧手段
t1〜t12 回収液循環流路
G1 被処理ガス
M1〜12 回収液、当該回収液が気化した蒸気(飽和蒸気、過熱蒸気)
O 有機化合物相
W 水相
S1 吸着工程
S2 脱着工程
S3 熱交換工程(液化側)
S4 回収工程
S5 熱交換工程(気化側)
S6 過熱工程

Claims (14)

  1. 揮発性有機化合物を含む被処理ガスから揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含んだ液体を回収液として回収する揮発性有機化合物回収方法であって、
    吸着材に被処理ガスを通過させることにより、前記吸着材に被処理ガス中の揮発性有機化合物を吸着させる吸着工程と、
    前記吸着材に過熱蒸気を通過させることにより、前記吸着材に吸着した揮発性有機化合物を脱着させる脱着工程と、
    前記脱着工程において前記吸着材を通過した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる熱交換工程と、
    前記熱交換工程において液化した過熱蒸気が回収液として回収される回収工程と、
    前記熱交換工程において気化した回収液である蒸気を過熱して過熱蒸気とする過熱工程と、
    を含み、
    前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収した回収液の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気であり、
    前記過熱工程における蒸気の過熱は、前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気が前記吸着材を通過した後も過熱状態であるように制御する
    ことを特徴とする揮発性有機化合物回収方法。
  2. 前記熱交換工程において、回収液の気化する温度が過熱蒸気の温度よりも低くなるように、回収液が存在する雰囲気を減圧することを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  3. 前記熱交換工程において、過熱蒸気の温度が回収液の気化する温度よりも高くなるように、過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  4. 前記回収工程において回収された回収液は、有機化合物相と水相とに分相し、
    前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収された回収液のうちの水相の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  5. 前記回収工程において回収された回収液は、有機化合物相と水相とに分相し、
    前記脱着工程において前記吸着材を通過させる過熱蒸気は、前記回収工程において回収された回収液のうちの水相の少なくとも一部が、前記熱交換工程において気化し、前記過熱工程において過熱された過熱蒸気であり、
    過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合、前記回収工程において回収された回収液に水が供給される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  6. 前記熱交換工程は、
    前記脱着工程において前記吸着材を通過した過熱蒸気と、気化した回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて、気化した回収液の温度を上昇させる第1熱交換工程と、
    前記第1熱交換工程において温度が低下した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度をさらに低下させて液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる第2熱交換工程と、
    を含み、
    前記第2熱交換工程において気化した回収液が、前記第1熱交換工程で用いられる
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  7. 前記吸着材は、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、高分子吸着材のうち1種以上の材料から構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収方法。
  8. 揮発性有機化合物を含む被処理ガスから揮発性有機化合物を分離し、分離した揮発性有機化合物を含む液体を回収液として回収する揮発性有機化合物回収装置であって、
    被処理ガスが通過することにより、被処理ガス中の揮発性有機化合物が吸着するとともに、過熱状態の回収液である過熱蒸気が通過することにより、吸着した揮発性有機化合物が脱着する吸脱着手段と、
    前記吸脱着手段を経由するように、少なくとも一部の回収液、及び当該回収液が気化した蒸気を循環させる回収液循環流路と、
    前記回収液循環流路に設けられ、回収液を貯留して回収する回収液タンクと、
    前記吸脱着手段から前記回収液タンクに向かう過熱蒸気と、前記回収液タンクからの回収液とを熱交換させることで、過熱蒸気の温度を低下させて過熱蒸気を液化させ、前記回収液タンクからの回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる熱交換手段と、
    前記熱交換手段により気化し前記吸脱着手段に向かう蒸気を過熱し過熱蒸気とする過熱手段と、
    を備え
    前記過熱手段による蒸気の過熱は、前記吸脱着手段を通過させる過熱蒸気が前記吸脱着手段を通過した後も過熱状態であるように制御されることを特徴とする揮発性有機化合物回収装置。
  9. 前記熱交換手段において回収液の気化する温度が過熱蒸気の温度よりも低くなるように、前記熱交換手段の内部であって回収液が存在する雰囲気を減圧する減圧手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  10. 前記熱交換手段において過熱蒸気の温度が回収液の気化する温度よりも高くなるように、前記熱交換手段の内部であって過熱蒸気が存在する雰囲気を加圧する加圧手段を備えることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  11. 前記回収液タンクに回収された回収液の有機化合物相と水相との界面の位置を検出する界面検出センサと、
    前記界面検出センサが検出した界面の位置に基づいて、水相のみを回収液として前記熱交換手段に向けて送出する送出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  12. 前記回収液タンクに回収された回収液の有機化合物相と水相との界面の位置を検出する界面検出センサと、
    前記界面検出センサが検出した界面の位置に基づいて、水相のみを回収液として前記熱交換手段に向けて送出する送出手段と、
    過熱蒸気を生成するための水相の量が不足する場合、前記回収液タンクに回収された回収液に水を供給する水供給手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  13. 前記熱交換手段は、
    前記吸脱着手段を通過した過熱蒸気と、気化した回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度を低下させて、気化した回収液の温度を上昇させる第1熱交換器と、
    前記第1熱交換器において温度が低下した過熱蒸気と、回収液との間で熱交換させることにより、過熱蒸気の温度をさらに低下させて液化させ、回収液の温度を上昇させて回収液を気化させる第2熱交換器と、
    を備え、
    前記第2熱交換器において気化した回収液が、前記第1熱交換器で用いられる
    ことを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
  14. 前記吸脱着手段は、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、高分子吸着材のうち1種以上の材料から構成されることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物回収装置。
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