JP6350931B2 - 発光素子点灯装置および、これを用いた照明器具 - Google Patents

発光素子点灯装置および、これを用いた照明器具 Download PDF

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Description

本発明は、発光素子点灯装置および、これを用いた照明器具に関するものである。
従来、商用電源と、3極双方向サイリスタであるトライアックとを電気的に接続し、トライアックを制御して、商用電源の電源電圧の導通角を可変とすることによって、発光素子を調光制御する発光素子点灯装置がある。発光素子は、有機EL(Electroluminescence)素子、LED(Light Emitting Diode)素子等がある。
トライアックは、ゲートにトリガ信号を加えることによってオンする。そして、トライアックに流れるアノード電流が保持電流以下になると、トライアックはオフする。
一般に、トライアックをオフ状態からオン状態に切り替えるときのみ(ターンオン時にのみ)、トライアックのゲート端子にパルス状のトリガ信号を入力する、所謂パルストリガ方式が採用される。しかしながら、このパルストリガ方式では、商用電源の電源ラインにノイズが重畳すると、ノイズによりトライアックを流れるアノード電流が保持電流を下回ることで、トライアックが不意にオフ状態に切り替わる場合がある。
また、トライアックをオンさせて導通させる期間のうち所定期間、トライアックをオンさせるトリガ信号を継続して供給する、所謂DCトリガ方式も提案されている。しかしながら、DCトリガ方式を用いた場合も、ノイズによりトライアックを流れるアノード電流が保持電流を下回ることで、トライアックが不意にオフ状態に切り替わる場合がある。
以下、DCトリガ方式を用いた場合について説明する。
まず、商用電源の電源ラインにノイズが重畳しない通常時において、トライアックは、図9(a)に示すように、トリガ信号の継続期間T51が終了した後、アノード電流が保持電流以下になるまでは、導通状態を維持する。この場合、トライアックの導通期間T52は、トリガ信号が立ち上がってからアノード電流が保持電流以下になるまでとなる。したがって、電源電圧がゼロクロス近傍に達するまで、照明器具に電源電圧が印加される。なお、図9(a)において、破線は商用電源の電源電圧を示し、実線は、照明器具の印加電圧を示す。
一方、商用電源の電源ラインにノイズが重畳する場合、トライアックは、図9(b)に示すように、トリガ信号の継続期間T51が終了した後、ノイズによりアノード電流が保持電流以下となってオフする虞がある。この場合、図9(b)に示すように、トライアックの導通期間T53は、期間T52よりも短くなる。なお、図9(b)において、破線は商用電源の電源電圧を示し、実線は、照明器具の印加電圧を示す。
したがって、商用電源の電源電圧のゼロクロス近傍において、商用電源の電源ラインにノイズが重畳する場合、トライアックの導通期間が変動することで、照明器具の点灯にチラツキが生じたり、不意に消灯する虞があった。
そこで、トライアックのゲートにトリガ信号が加えられていない期間において、保持電流を上回るアノード電流を確保してトライアックのオン状態を維持するため、トライアックにブリーダ電流を流す構成が提案された(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−185998号公報
しかし、従来の構成では、発光素子点灯装置に調光器が接続されていない場合、ブリーダ電流そのものが不要であるにも関わらずブリーダ電流が生成されており、電力損失増加の要因となっていた。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、調光器が接続されていない場合における電力損失を低減することができる発光素子点灯装置および、これを用いた照明器具を提供することにある。
本発明の発光素子点灯装置は、交流電源から電源電圧が入力され、発光素子からなる光源に供給する点灯電力を目標値に一致させる電力変換回路と、前記電力変換回路に並列接続されて、前記交流電源を供給源とするブリーダ電流を生成するブリーダ回路と、前記電力変換回路に入力される前記電源電圧の導通角を検出する位相検出回路と、前記位相検出回路が検出した前記導通角に応じて、前記目標値を設定する調光回路と、前記電源電圧を位相制御することで前記導通角を制御する調光器が接続されているか否かを検出する調光器検出回路とを備え、前記ブリーダ回路は、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていると判断した場合に前記ブリーダ電流を生成し、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていないと判断した場合に前記ブリーダ電流を生成せず、前記ブリーダ回路は、前記ブリーダ電流を生成する場合、前記電源電圧の瞬時値が高いほど前記ブリーダ電流の電流値を低くすることを特徴とする。
この発光素子点灯装置において、前記ブリーダ回路は、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていると判断し、かつ前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に前記ブリーダ電流を生成することが好ましい。
この発光素子点灯装置において、前記調光器検出回路は、前記電源電圧の導通角が所定値未満である場合に前記調光器が接続されていると判断し、前記電源電圧の導通角が前記所定値以上である場合に前記調光器が接続されていないと判断することが好ましい。
この発光素子点灯装置において、前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、前記調光器検出回路は、前記デューティ信号における前記第1の信号レベルに対応するデューティ比が第1の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていると判断し、前記デューティ信号における前記第1の信号レベルに対応するデューティ比が前記第1の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていないと判断することが好ましい。
この発光素子点灯装置において、前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に前記第1の信号レベルよりも低い第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、前記調光器検出回路は、前記デューティ信号の積分値が第2の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていると判断し、前記デューティ信号の積分値が前記第2の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていないと判断することが好ましい。
この発光素子点灯装置において、前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に前記第1の信号レベルよりも高い第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、前記調光器検出回路は、前記デューティ信号の積分値が第3の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていると判断し、前記デューティ信号の積分値が前記第3の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていないと判断することが好ましい。
この発光素子点灯装置において、前記発光素子は、LED素子または有機EL素子であることが好ましい。
本発明の照明器具は、上述の発光素子点灯装置と、前記発光素子点灯装置から点灯電力が供給される発光素子とを備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明では、調光器が接続されていない場合、ブリーダ電流が生成されない。これにより、調光器が接続されていない場合における電力損失を低減することができるという効果がある。
実施形態の照明器具のブロック構成図である。 実施形態の発光素子点灯装置の回路構成図である。 (a)〜(e)実施形態の発光素子点灯装置における各部の動作を示す波形図である。(a)は同期信号の波形図である。(b)はトリガ信号の波形図である。(c)は入力電圧の波形図である。(d)は力率改善機能を有する電力変換回路を用いた場合における入力電流の波形図である。(e)はコンデンサインプット型の電力変換回路を用いた場合における入力電流の波形図である。 実施形態のブリーダ回路およびブリーダ制御回路の回路構成図である。 (a)(b)実施形態の位相検出回路の動作を示す波形図である。(a)は入力電圧の波形図である。(b)はデューティ信号の波形図である。 (a)〜(c)実施形態のブリーダ回路による各部の動作を示す波形図である。(a)は入力電圧の波形図である。(b)は入力電流の波形図である。(c)はブリーダ電流の波形図である。 (a)〜(c)実施形態のブリーダ回路による各部の動作を示す波形図である。(a)は入力電圧の波形図である。(b)は入力電流の波形図である。(c)はブリーダ電流の波形図である。 実施形態のブリーダ制御回路の別構成の回路構成図である。 (a)(b)従来の動作を示す各部の波形図である。(a)はノイズが重畳しない通常時の波形図である。(b)はノイズが重畳した場合の波形図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本実施形態の照明器具1のブロック構成図を図1、発光素子点灯装置の回路構成図を図2に示す。本実施形態の発光素子点灯装置14は、電力変換回路1cとブリーダ回路12と位相検出回路1dと調光回路1eと調光器検出回路13aとを備える。電力変換回路1cは、商用電源10(交流電源)から電源電圧(入力電圧Vi)が入力され、LED素子(発光素子)からなる光源1gに供給する点灯電力を目標値に一致させる。ブリーダ回路12は、電力変換回路1cに並列接続されて、商用電源10を供給源とするブリーダ電流を生成する。位相検出回路1dは、電力変換回路1cに入力される電源電圧の導通角を検出する。調光回路1eは、位相検出回路1dが検出した導通角に応じて、目標値を設定する。調光器検出回路13aは、電源電圧を位相制御することで導通角を制御する調光器2が接続されているか否かを検出する。そして、ブリーダ回路12は、調光器検出回路13aが調光器2が接続されていると判断した場合にブリーダ電流Ibを生成し、調光器検出回路13aが調光器2が接続されていないと判断した場合にブリーダ電流Ibを生成しない。
以下に、本実施形態の発光素子点灯装置および照明器具1について詳細に説明する。
本実施形態の照明器具1は、商用電源10(交流電源)の両端間に接続され、使用状況に応じて調光器2が直列接続される。照明器具1は、照明負荷11と、ブリーダ回路12と、ブリーダ制御回路13とを備える。調光器2は、商用電源10の電源電圧(交流電圧)を位相制御する。
まず、照明負荷11は、図2に示すように、入力フィルタ回路1aと、整流回路1bと、電力変換回路1cと、位相検出回路1dと、調光回路1eと、出力フィードバック回路1fと、光源1gとを備える。なお、電力変換回路1cとブリーダ回路12と位相検出回路1dと調光回路1eとブリーダ制御回路13(調光器検出回路13a)とで、発光素子点灯装置14を構成する。
入力フィルタ回路1aは、照明負荷11の入力端間に接続したコンデンサC1と、照明負荷11の両電源ラインに直列接続したインダクタL1とを備える。この入力フィルタ回路1aは、電源ラインに伝播するノイズや、空間へ輻射するノイズを抑制する機能を有する。
整流回路1bは、ダイオードをフルブリッジ接続して構成され、商用電源10の電源電圧を全波整流する。
電力変換回路1cは、コンデンサC2,C3と、トランスT1と、スイッチング素子Q1と、制御回路K1と、ダイオードD1とを備えて、非絶縁型のフライバックコンバータを構成する。この電力変換回路1cは、損失低減、雑音低減のために、擬似共振回路を構成しており、さらに、商用電源10の力率を改善する力率改善機能を有する。
コンデンサC2は、整流回路1bの出力端間に接続したフィルムコンデンサであって、スイッチング素子Q1のターンオン時に発生する電圧・電流スパイクを抑制する。このコンデンサC2は、平滑用コンデンサに比べて容量が小さく、平滑作用を考慮したものではない。すなわち、電力変換回路1cは、電解コンデンサ等の容量が大きい平滑コンデンサを入力手段に備えておらず、コンデンサインプット型の電源回路を構成するものではない。
トランスT1は、一次巻線N1、二次巻線N2、三次巻線N3を備えて、各巻線は互いに磁気的に結合している。そして、一次巻線N1とスイッチング素子Q1との直列回路が、整流回路1bの出力端間に接続し、二次巻線N2の一端には、ダイオードD1が介挿されており、二次巻線N2とダイオードD1との直列回路には、平滑用のコンデンサC3が並列接続している。三次巻線N3は、制御回路K1に接続されて、制御回路K1の動作電源を生成する。
そして、制御回路K1は、スイッチング素子Q1をオン・オフ駆動する。まず、スイッチング素子Q1のオン時において、一次巻線N1およびスイッチング素子Q1の直列回路に電流が流れ、一次巻線N1に磁気エネルギーが蓄積される。次に、スイッチング素子Q1がオフすると、一次巻線N1の磁気エネルギーによって、二次巻線N2に誘起電圧が発生し、コンデンサC3の両端間に電圧が生じる。また、スイッチング素子Q1がオフした場合には、一次巻線N1の磁気エネルギーによって、三次巻線N3にも誘起電圧が発生し、制御回路K1へ動作電源として供給される。
さらに、制御回路K1は、スイッチング素子Q1をスイッチング制御することによって、電力変換回路1cの出力(点灯電力)を所定値に制御し、さらには商用電源10の力率を改善させる。なお、フライバックコンバータによる力率改善動作については、周知技術であり、詳細な説明は省略する。
光源1gは、単数のLED素子または有機EL素子、もしくは直列接続または並列接続した複数のLED素子または有機EL素子から構成されており、コンデンサC3の両端間に接続している。
位相検出回路1dは、整流回路1bの各入力端にアノードを接続したダイオードD2,D3の各カソードに接続しており、調光器2によって位相制御された電源電圧を全波整流した電圧波形が入力される。
そして、位相検出回路1dは、照明負荷11に入力される電源電圧の導通角を検出し、この検出した導通角に応じたデューティ比の信号101(デューティ信号101)を、調光回路1e,ブリーダ回路12,ブリーダ制御回路13へ出力する。
調光回路1eは、デューティ信号101のデューティ比に応じた負荷電流の目標値を設定し、この負荷電流の目標値に応じた電圧信号(目標信号)を、出力フィードバック回路1fへ出力する。
出力フィードバック回路1fは、光源1gに直列接続した抵抗等によって、光源1gに流れる負荷電流を検出する。また、出力フィードバック回路1fは、調光回路1eから入力された目標信号によって、負荷電流の目標値を取得する。そして、出力フィードバック回路1fは、負荷電流の検出値と目標値とに基づくフィードバック信号(例えば、負荷電流の検出値と目標値の誤差)を制御回路K1へ出力する。
制御回路K1は、フィードバック信号に応じて、スイッチング素子Q1の導通期間(オン期間)を設定することによって、負荷電流が目標値に一致するように定電流制御を行う。
次に、調光器2は、図1に示すように、雑音防止用のフィルタを構成するコンデンサC11及びインダクタL11と、自己保持機能を有する双方向スイッチング素子であるトライアックQ11とを備える。コンデンサC11は、調光器2の入力端間に接続し、コンデンサC11には、トライアックQ11とインダクタL11との直列回路が並列接続している。このトライアックQ11は、電力変換回路1cと商用電源10との直列回路に直列接続している。そして、トライアックQ11がオンしている導通状態にあるとき、商用電源10から照明器具1へ交流電力が供給される。
また、調光器2は、制御電源部4を備える。制御電源部4は、調光器2の各部(後述の調光制御部3等)の制御電源を生成するものであり、トライアックQ11に並列接続されている。
この制御電源部4は、ダイオードD11と、コンデンサC12と、電源回路K11と、コンデンサC13とを備える。
ダイオードD11は、照明器具1からの電源ラインに接続しており、コンデンサC12は、ダイオードD11を介してトライアックQ11に並列接続している。電源回路K11は、コンデンサC12の両端電圧を制御電圧Vccに変換して出力する。コンデンサC13は、電源回路K11の出力端間に接続された平滑用コンデンサである。ここで、コンデンサC13の低圧端子は、回路グランドに接続している。
さらに、調光器2は、調光制御部3を備える。調光制御部3は、位相検出回路K12、制御回路K13、操作部K14を備えており、トライアックQ11を制御することで、商用電源10の電源電圧の導通角を可変とする位相制御を行う。
まず、照明器具1からの電源ライン(ダイオードD11のアノード側)には、ダイオードD12を介して位相検出回路K12が接続されている。位相検出回路K12は、グランド端子を回路グランドに接続しており、商用電源10から供給される電源電圧の位相に基づいて、図3(a)に示す同期信号110を生成し、制御回路K13に出力する。具体的に、位相検出回路K12は、ダイオードD12を介して商用電源10の電源電圧を検出することによって、商用電源10の電源電圧と所定の閾値Vt1とを比較し、電源電圧が閾値Vt1を上回る期間をHレベルとした同期信号110を生成する。すなわち、同期信号110は、電源電圧が閾値Vt1を上回ると立ち上がり、閾値Vt1を下回ると立ち下がる。なお、図3(a)〜(c)において、破線は商用電源10の電源電圧を示している。
制御回路K13は、位相検出回路K12から与えられる同期信号110、および操作部K14から与えられる調光信号に基づいて、トライアックQ11をターンオンさせるトリガ信号111を生成する(図3(b)参照)。トリガ信号111の立ち上がりおよび立ち下がりは、何れも同期信号110の立ち上がりを基準にして決定される。制御回路K13がトリガ信号111をHレベルに切り替えることによって、トライアックQ11のゲートに駆動電流が流れてトライアックQ11が導通状態(オン状態)となる。
すなわち、調光制御部3は、トライアックQ11をオン制御することによって、電力変換回路1cに入力される電源電圧を位相制御している。
以下、本実施形態の調光動作について説明する。まず、位相検出回路K12が、同期信号110を生成し、制御回路K13に出力する。また、操作部K14は、ユーザ操作に応じた調光信号を制御回路K13に出力する。制御回路K13は、同期信号110および調光信号に基づいてトリガ信号111を生成し、トライアックQ11のゲートに出力する。トライアックQ11は、トリガ信号111の立ち上がり時にターンオンし、導通状態となる。したがって、図3(c)に示すように、電力変換回路1cには、商用電源10の電源電圧が位相制御されて入力される(以降、電力変換回路1cに入力される位相制御された電源電圧を入力電圧Viと称す)。なお、トリガ信号111の立ち上がりは、ユーザが操作する操作部K14から出力される電圧信号によって位相角が変化する。これにより、入力電圧Viの導通角が変化するため、調光を行うことができる。
その後、トリガ信号111が立ち下がると、トライアックQ11のゲートに駆動電流が流れなくなる。トライアックQ11は、アノード電流が保持電流を上回っている間は導通状態を維持するため、トリガ信号111の立ち下がり後も暫くは電力変換回路1cに商用電源10の電源電圧が印加され続ける(図3(c)参照)。そして、トライアックQ11のアノード電流が保持電流以下になると、トライアックQ11はターンオフして、非導通状態(オフ状態)に切り替わる。これにより、電力変換回路1cへの商用電源10の電源電圧の印加が停止する。
照明負荷11では、位相検出回路1dが、入力電圧Viの導通角を検出し、この検出した導通角に応じたデューティ信号101を調光回路1eへ出力する。調光回路1eは、デューティ信号101のデューティ比に応じて負荷電流の目標値を設定し、この目標値に応じた目標信号を出力する。出力フィードバック回路1fは、負荷電流の検出値と目標値とに基づくフィードバック信号を制御回路K1へ出力する。制御回路K1は、フィードバック信号に応じて、スイッチング素子Q1の導通期間(オン期間)を設定することによって、負荷電流が目標値に一致するように定電流制御を行い、光源1gを調光する。
ここで、図3(b)に示すように、トリガ信号111はパルストリガとは異なり、照明負荷11に点灯用の電力を与える期間のうち一定期間は継続してHレベルとなっている。これにより、トライアックQ11のゲート端子には、トリガ信号111が立ち下がるまで継続して駆動電流が流れる。すなわち、トライアックQ11を導通させる期間のうち一定期間(トリガ信号111のHレベル期間)、トライアックQ11に駆動電流を継続して与える。
また、照明負荷11は、電力変換回路1cを用いており、図3(d)に示すように、照明負荷11(電力変換回路1c)の入力電流Icは正弦波状となり、商用電源10の力率が改善されている。すなわち、商用電源10の電源電圧の振幅がピークを過ぎて低下し、ゼロクロス付近に達した場合でも、トライアックQ11のアノード電流を確保できる。したがって、商用電源10の電源電圧のゼロクロス近傍において、商用電源10の電源ラインにノイズが重畳したとしても、トライアックQ11の導通期間の変動を抑制でき、光源1gの点灯にチラツキが生じたり、不意に消灯する可能性を低減できる。
而して、本実施形態の発光素子点灯装置14、照明器具1は、電源電圧のゼロクロス近傍において、商用電源10の電源ラインにノイズが重畳しても、トライアックQ11が不意にオフすることなく、安定した調光を行うことができる。
一方、電力変換回路1cの代わりに、整流回路1bの整流電圧を平滑する大容量の平滑用コンデンサ(例えば、電解コンデンサ)を設け、この平滑用コンデンサの電圧を光源1gに印加したとする。この場合、照明負荷11の入力電流Icは、図3(e)に示す突入電流の波形となって、商用電源10の力率が低くなる。したがって、このようなコンデンサインプット型の電力変換回路を用いた場合、商用電源10の電源電圧の振幅がピークを過ぎて低下し、ゼロクロス付近に達した場合、トライアックQ11のアノード電流を確保することが難しくなる。したがって、電源電圧のゼロクロス近傍において、商用電源10の電源ラインにノイズが重畳すると、トライアックQ11が不意にオフして、調光が不安定になる虞がある。
さらに、本実施形態では、トリガ信号111のオフ期間においても、トライアックQ11に、保持電流を上回る十分なアノード電流が継続して流れるように、電力変換回路1cと並列にブリーダ回路12を設けている(図1、図2参照)。また、このブリーダ回路12は、トライアックQ11のオフ時に、調光器2の制御電源部4に電力を供給する機能も併せて有する。
図4に、ブリーダ回路12の回路構成図を示す。
ブリーダ回路12は、整流回路1bの各入力端にアノードを接続したダイオードD2,D3と、ダイオードD2,D3の各カソードと整流回路1bの整流出力の低圧側との間に接続した電流引込部12aとを備える。すなわち、ブリーダ回路12は、電力変換回路1c(照明負荷11)に並列接続したものと等価的に考えることができる。
電流引込部12aは、FET素子Q31、抵抗R31、抵抗R32の直列回路が、ダイオードD2,D3の各カソードと整流回路1bの整流出力の低圧側との間に接続している。FET素子Q31のドレインは、ダイオードD2,D3の各カソードに接続し、FET素子Q31のソースは、抵抗R31,R32の直列回路に接続している。さらに、FET素子Q31のゲートは、ダイオードD31の各カソードに接続している。ダイオードD31のアノードは、ブリーダ制御回路13を介して位相検出回路1dに接続している。ダイオードD31のアノードと整流回路1bの整流出力の低圧側との間には、ツェナダイオードZD31が接続している。
そして、位相検出回路1dは、入力電圧Viの導通角を検出している。具体的に、位相検出回路1dは、入力電圧Viを全波整流した電圧波形(図5(a)参照)が、ダイオードD2,D3を介して入力されており、この電圧波形を、閾値電圧Vt11と比較することによって、導通角に応じたデューティ信号101を生成している。デューティ信号101は、入力電圧Viの瞬時値が閾値電圧Vt11以上の場合、Lレベル(第2の信号レベル)となり、入力電圧Viの瞬時値が閾値電圧Vt11未満の場合、Hレベル(第1の信号レベル)となる(図5(b)参照)。位相検出回路1dは、このデューティ信号101を、後述するブリーダ制御回路13,ダイオードD31を介して電流引込部12aのFET素子Q31のゲートに印加する。
そして、FET素子Q31は、デューティ信号101がHレベルのとき、すなわち位相制御された電源電圧(入力電圧Vi)の振幅が閾値電圧Vt11未満のときに導通する。そして、ダイオードD2またはD3、FET素子Q31、抵抗R31,R32を介してブリーダ電流Ibが流れる。このブリーダ電流Ibは、商用電源10を供給源として、商用電源10、ブリーダ回路12、調光器2で構成される閉回路を流れる。
次に、ブリーダ回路12による動作を、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)に示す。なお、図6(a)〜(c)は調光時の動作である。図7(a)〜(c)は全点灯(定格点灯)時または、調光器2が省略され商用電源10に照明器具1のみが接続されている場合の動作である。
ブリーダ回路12は、電源電圧(入力電圧Vi)の振幅が閾値電圧Vt11未満である場合(図6(a)、図7(a)参照)、ブリーダ電流Ibが発生する(図6(c)、図7(c)参照)。なお、以下の説明では、ブリーダ電流Ibの発生期間によって、ブリーダ電流Ib1,Ib2の符号を付している。ブリーダ電流Ib1は、調光器2の制御電源を生成するための電流である。ブリーダ電流Ib2は、電源電圧のゼロクロス近傍においてもトライアックQ11のオン状態を維持するための電流である。
そして、照明器具1の入力電流Iiは、照明負荷11の入力電流Icとブリーダ電流Ibとの和となる(図6(b)、図7(b)参照)。ここで、ブリーダ電流Ib1は、トライアック制御のための制御電源を生成するために過不足の少ない電流値に設定される必要がある。また、ブリーダ電流Ib2は、耐ノイズ性を向上させるために、トライアックQ11の保持電流Ihを確保できればよい。
ここで、調光器2が未接続である場合、トライアックQ11,電源回路K11がないので、ブリーダ電流Ib(図7(b)の斜線部)そのものが不要となる。そして、調光器2が接続されていない場合にブリーダ電流Ibを生成することによって、電力損失増加の要因となる。
そこで、本実施形態では、調光器2が接続されていない場合、ブリーダ回路12を停止させるブリーダ制御回路13を備える。ブリーダ制御回路13は、調光器検出回路13aとスイッチSW41とを有する例えばMPU(Micro Processing Unit)で構成されている。そして、ブリーダ制御回路13は、位相検出回路1dとブリーダ回路12のダイオードD31のアノードとの間に設けられている(図4参照)。
スイッチSW41は、c接点型に構成されており、共通端子がダイオードD31のアノードに接続され、第1端子が位相検出回路1dに接続され、第2端子が回路グランドに接続されている。
調光器検出回路13aは、位相検出回路1dが出力するデューティ信号101に基づいて、調光器2が接続されているか否かを判断し、判断結果に基づいてスイッチSW41を切り替える。具体的には、調光器検出回路13aは、デューティ信号101のHレベルに対応するデューティ比(以降、Hデューティ比とする)と、第1の閾値とを比較する。上述したように、調光器2が接続されている場合、電源電圧が位相制御されるので、デューティ信号101のHデューティ比が大きくなる。
そこで、調光器検出回路13aは、デューティ信号101のHデューティ比が第1の閾値以上、すなわち入力電圧Viの導通角が所定値未満である場合に調光器2が接続されていると判断する。そして、調光器検出回路13aは、スイッチSW41を第1端子に接続してFET素子Q31のゲートと位相検出回路1dとを短絡させる。したがって、ブリーダ回路12は、上述したようにデューティ信号101がHレベルのときブリーダ電流Ibを生成する。
一方、調光器検出回路13aは、デューティ信号101のHデューティ比が第1の閾値未満、すなわち入力電圧Viの導通角が所定値以上である場合に調光器2が接続されていないと判断する。そして、調光器検出回路13aは、スイッチSW41を第2端子に接続してFET素子Q31のゲートと回路グランドとを短絡させる。これにより、FET素子Q31にはデューティ信号101が入力されず常にオフ状態となり、電源電圧の位相に関わらず、ブリーダ電流Ibは生成されない。
すなわち、ブリーダ回路12は、調光器検出回路13aが調光器2が接続されていると判断し、かつ電源電圧が閾値電圧Vth11未満である場合にブリーダ電流Ibを生成する。一方、ブリーダ回路12は、調光器検出回路13aが調光器2が接続されていないと判断した場合にブリーダ電流ibを生成しない。したがって、本実施形態では、調光器2が接続されていない場合における電力損失を低減することができる。
また、電源電圧の導通角が最大である光源1gの全点灯時または、電源電圧の導通角が最大値近傍である光源1gの調光度が大きい場合は、調光器2に十分な電力が供給されるのでブリーダ電流Ibが不要となる。しかし、本実施形態では、電源電圧の導通角が所定値以上である場合にブリーダ電流Ibを生成しないように構成できる。したがって、調光器2が接続されている場合であっても、光源1gの全点灯時または調光度が大きい場合、ブリーダ電流Ibを生成しないので、ブリーダ電流Ibによる電力損失を低減することができる。
また、図8にブリーダ制御回路13の別構成を示す。図8に示すブリーダ制御回路13は、抵抗R41〜R43と、コンデンサC41と、ダイオードD41と、FET素子Q41,Q42と定電圧源E41とで構成されている。抵抗R41は、位相検出回路1dと電流引込部12aとの間に直列接続されている。ダイオードD41と抵抗R42とコンデンサC41とは、位相検出回路1dの出力と回路グランドとの間に直列接続されている。また、抵抗R43とスイッチング素子Q43とは、定電圧源E41と回路グランドとの間に直列接続されている。FET素子Q41は、nチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Effect-Transistor)で構成されており、ゲートにコンデンサC41の両端電圧が印加される。FET素子Q42は、nチャネルMOSFETで構成されており、ドレインが電流引込部12aと抵抗R41との接続中点に接続され、ソースが回路グランドに接続され、ゲートが抵抗R43とFET素子Q41との接続中点に接続されている。なお、ダイオードD41,抵抗R42,コンデンサC41,FET素子Q41で、調光器検出回路13aを構成している。そして、コンデンサC41の両端には、デューティ信号101のHデューティに比例した電圧、すなわちデューティ信号101の積分値が生成される。
そして、コンデンサC41の両端電圧(デューティ信号101の積分値)が第2の閾値以上である場合、FET素子Q41がオンされる。FET素子Q41がオンされることによって、FET素子Q42がオフされ、位相検出回路1dから電流引込部12aにデューティ信号101が伝達される。これにより、ブリーダ回路12は、電源電圧の位相(デューティ信号101の信号レベル)に応じてブリーダ電流Ibを生成する。すなわち、調光器検出回路13aは、デューティ信号101の積分値が第2の閾値以上である場合に調光器2が接続されていると判断し、デューティ信号101を電流引込部12aに伝達させることで、ブリーダ回路12はブリーダ電流Ibを生成する。
一方、コンデンサC41の両端電圧(デューティ信号101の積分値)が第2の閾値未満である場合、FET素子Q41がオフされる。FET素子Q41がオフされることによって、FET素子Q42がオンされる。これにより、電流引込部12aの入力が回路グランドと短絡され、位相検出回路1dから電流引込部12aへのデューティ信号101の伝達が遮断される。これにより、ブリーダ回路12は、電源電圧の位相(デューティ信号101の信号レベル)に関わらず、ブリーダ電流Ibを生成しない。すなわち、調光器検出回路13aは、デューティ信号101の積分値が第2の閾値未満である場合に調光器2が接続されていないと判断し、デューティ信号101を遮断することで、ブリーダ回路12はブリーダ電流Ibを生成しない。
ブリーダ制御回路13を図8に示すように構成することによって、デューティ信号101の積分値を算出するという簡易な構成で、調光器2が接続されているか否かを判断することができる。
なお、上記では、デューティ信号101の信号レベルは、入力電圧Viの瞬時値が、閾値電圧Vt11以上の場合にLレベル、閾値電圧Vt11未満の場合にHレベルと設定している。しかし、設計に応じて、デューティ信号101の信号レベルを、入力電圧Viの瞬時値が閾値電圧Vt11以上の場合にHレベル、閾値電圧Vt11未満の場合にLレベルとなるように設定してもよい。このように構成した場合、調光器検出回路13aは、デューティ信号101の積分値が第3の閾値未満である場合に調光器2が接続されていると判断し、ブリーダ回路12はブリーダ電流Ibを生成する。一方、調光器検出回路13aは、デューティ信号101の積分値が第3の閾値以上である場合に調光器2が接続されていないと判断し、ブリーダ回路12はブリーダ電流Ibを生成しない。
なお、本実施形態では、調光器2が接続されている場合に、電源電圧(入力電圧Vi)の位相に応じて所定のブリーダ電流Ibを生成するように構成されてるが、ブリーダ電流Ibの値が変動するよう構成してもよい。この場合、入力電圧Viの瞬時値と比較する閾値電圧を複数設定することで、ブリーダ電流Ibは、入力電圧Viの瞬時値が高い場合に低い電流値、入力電圧Viの瞬時値が低い場合に高い電流値とすることができる。このように構成することで、ブリーダ電流Ibによる電力損失を抑制することができる。
また、本実施形態では、調光器検出回路13aは、デューティ信号101に基づいて調光器2が接続されているか否かを検出しているが、この方法に限定しない。例えば、調光器検出回路13aは、調光器2の接続有無を機械的または電気的に検出するスイッチを備え、このスイッチの接点状態に基づいて調光器2が接続されているか否かを検出するように構成してもよい。
1 照明器具
1c 電力変換回路
1g 光源
2 調光器
3 調光制御部
4 制御電源部
10 商用電源(交流電源)
12 ブリーダ回路
13 ブリーダ制御回路
13a 調光器検出回路
14 発光素子点灯装置
Q11 トライアック

Claims (8)

  1. 交流電源から電源電圧が入力され、発光素子からなる光源に供給する点灯電力を目標値に一致させる電力変換回路と、
    前記電力変換回路に並列接続されて、前記交流電源を供給源とするブリーダ電流を生成するブリーダ回路と、
    前記電力変換回路に入力される前記電源電圧の導通角を検出する位相検出回路と、
    前記位相検出回路が検出した前記導通角に応じて、前記目標値を設定する調光回路と、
    前記電源電圧を位相制御することで前記導通角を制御する調光器が接続されているか否かを検出する調光器検出回路とを備え、
    前記ブリーダ回路は、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていると判断した場合に前記ブリーダ電流を生成し、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていないと判断した場合に前記ブリーダ電流を生成せず、
    前記ブリーダ回路は、前記ブリーダ電流を生成する場合、前記電源電圧の瞬時値が高いほど前記ブリーダ電流の電流値を低くする
    ことを特徴とする発光素子点灯装置。
  2. 前記ブリーダ回路は、前記調光器検出回路が前記調光器が接続されていると判断し、かつ前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に前記ブリーダ電流を生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の発光素子点灯装置。
  3. 前記調光器検出回路は、
    前記電源電圧の導通角が所定値未満である場合に前記調光器が接続されていると判断し、
    前記電源電圧の導通角が前記所定値以上である場合に前記調光器が接続されていないと判断する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の発光素子点灯装置。
  4. 前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、
    前記調光器検出回路は、
    前記デューティ信号における前記第1の信号レベルに対応するデューティ比が第1の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていると判断し、
    前記デューティ信号における前記第1の信号レベルに対応するデューティ比が前記第1の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていないと判断する
    ことを特徴とする請求項3記載の発光素子点灯装置。
  5. 前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に前記第1の信号レベルよりも低い第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、
    前記調光器検出回路は、
    前記デューティ信号の積分値が第2の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていると判断し、
    前記デューティ信号の積分値が前記第2の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていないと判断する
    ことを特徴とする請求項3記載の発光素子点灯装置。
  6. 前記位相検出回路は、前記電源電圧が閾値電圧未満である場合に第1の信号レベル、前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に前記第1の信号レベルよりも高い第2の信号レベルに設定されたデューティ信号を出力し、
    前記調光器検出回路は、
    前記デューティ信号の積分値が第3の閾値未満である場合に前記調光器が接続されていると判断し、
    前記デューティ信号の積分値が前記第3の閾値以上である場合に前記調光器が接続されていないと判断する
    ことを特徴とする請求項3記載の発光素子点灯装置。
  7. 前記発光素子は、LED素子または有機EL素子である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の発光素子点灯装置。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の発光素子点灯装置と、
    前記発光素子点灯装置から点灯電力が供給される発光素子とを備える
    ことを特徴とする照明器具。


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