以下、本発明に係る無線通信システムの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、1台の親機1と、複数台の子機2と、1乃至複数台の中継機3とで構成され、各子機2が搭載するセンサの検知結果を直接又は中継機3を介して親機1へ送信する無線式センサシステムである。ただし、本発明の技術思想が適用可能な無線通信システムは本実施形態の無線式センサシステムに限定されるものではなく、親機と子機と中継機で構成される無線通信システム全般に本発明の技術思想が適用可能である。
(実施形態1)
本実施形態の無線式センサシステムは、図2に示すように1台の親機1と、複数台(図示は3台)の子機2と、1乃至複数台(図示は2台)の中継機3とで構成される。
子機2は、子機制御部20、アンテナ21、子機送受信部22、センサ部23、電池電源部24を備える。子機送受信部22は、例えば、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線機」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信する。センサ部23は、対象物の存在や量などを検知して電気信号に変換するものであって、例えば、人体から放射される赤外線を焦電素子により検知する人感センサや、窓ガラスに加わる振動を検知する破壊センサ、火災に伴う煙や熱を検知する火災センサなどである。子機制御部20はマイクロコントローラ(以下、マイコンと略す。)を主構成要素とし、センサ部23の検知結果(例えば、不審者の侵入や火災の発生など)を示すメッセージを含む無線信号を子機送受信部22から送信させる処理などを行う。電池電源部24は、一次電池あるいは二次電池を電源として子機制御部20、子機送受信部22、センサ部23の動作電源を作成して供給している。
親機1は、親機制御部10、アンテナ11、親機送受信部12、操作入力受付部13、表示部14、電源部15を備える。親機送受信部12は、例えば、子機送受信部22と同様に、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線機」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信する。操作入力受付部13は、1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有し、当該スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を親機制御部10に出力する。親機制御部10は、子機制御部20と同様にマイコンを主構成要素とし、後述するように何れかの子機2から無線信号で送信される検知結果に応じた処理を行う。このような処理は、例えば、不審者の侵入や火災などの異常発生を警報音や警報表示で報知する処理や、何らかの外部通信手段を利用して遠隔地の通報先へ異常発生を報知する処理などである。表示部14は、発光ダイオードなどの発光素子からなり、例えば、後述するように子機2との通信に異常が生じたときに点灯(又は点滅)して異常の発生を報知する。ただし、表示部14は、発光素子の代わり、あるいは発光素子とともにブザーを備え、光だけでなく音によっても報知するように構成されてもよい。電源部15は外部の電源(例えば、商用交流電源4)から給電される交流電力を直流電力に変換して親機制御部10、親機送受信部12、表示部14に供給している。
中継機3は、中継機制御部30、アンテナ31、中継機送受信部32、操作入力受付部33、表示部34、電源部35を備える。中継機送受信部32は、例えば、子機送受信部22と同様に、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線機」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信する。操作入力受付部33は、1乃至複数のスイッチ(例えば、押釦スイッチ)を有し、当該スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに当該操作入力に対応した操作信号を中継機制御部30に出力する。中継機制御部30は、親機制御部10や子機制御部20と同様にマイコンを主構成要素とし、後述するように親機1から送信される無線信号を子機2又は他の中継機3に中継し、且つ子機2又は他の中継機3から送信される無線信号を親機1に中継する処理などを行う。表示部34は、発光ダイオードなどの発光素子からなり、例えば、親機1や子機2との通信に異常が生じたときに点灯(又は点滅)して異常の発生を報知する。ただし、表示部34は、発光素子の代わり、あるいは発光素子とともにブザーを備え、光だけでなく音によっても報知するように構成されてもよい。電源部35は外部の電源(例えば、商用交流電源4)から給電される交流電力を直流電力に変換して中継機制御部30、中継機送受信部32、表示部34に供給している。
なお、親機1及び子機2、中継機3にはそれぞれ固有の識別符号が割り当てられて各々の制御部10,20,30が有するメモリに格納されており、当該識別符号によって無線信号の送信先並びに送信元が特定できる。
図3は、本実施形態の無線式センサシステムで送受信する無線信号のフレームフォーマットを示している。すなわち、1フレームは同期ビット(プリアンブル)、フレーム同期パターン(ユニークワード)、送信先アドレス、送信元アドレス、データ(メッセージを含む)、CRC符号で構成されている。ここで、送信先アドレスのフィールドに識別符号が格納されていれば、当該識別符号が割り当てられている無線機(親機1、子機2、中継機3)のみが無線信号を受信してメッセージを取得することになる。しかしながら、送信先アドレスのフィールドに何れの無線機にも割り当てられていない特殊なビット列(例えば、すべてのビットを1としたビット列)が格納された場合、その無線信号が同報(マルチキャスト)されて全ての無線機でメッセージが取得される。例えば、定期監視(後述する)の返信要求メッセージやモード切換の制御コマンドがデータフィールドに格納された無線信号は、親機1から全ての子機2及び全ての中継機3に同報される。ただし、中継機3は、受信した無線信号の送信先アドレスが親機1又は子機2の識別符号である場合でも当該無線信号を受信し、送信先アドレス及び送信元アドレスを書き換えずに送信(中継)する。なお、以下の説明において、「メッセージを含む無線信号」とは、データフィールドにメッセージが格納された無線信号を意味する。
ところで、本実施形態においては、1台の親機1と複数台の子機2及び中継機3との間の無線通信を時分割多重アクセス(TDMA)方式で行っている。本実施形態では、図1に示すように複数の下り方向(親機1→子機2及び中継機3,中継機3→子機2又は中継機3)のタイムスロットTSD1〜TSDmと、複数の上り方向(子機2及び中継機3→親機1)のタイムスロットTSU1〜TSUnとで1つのフレームが構成されている。ただし、このフレームは、図3に示したフレームフォーマットを有する無線信号のフレームとは異なるものである。そして、1つのフレームにおける上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUnが各子機2及び中継機3に個別に割り当てられることによって、子機2及び中継機3から送信される無線信号同士の衝突を確実に回避することができる。
而して、各子機2の子機制御部20は、センサ部23の検知結果を示すメッセージをデータフィールドに格納し且つ送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、子機制御部20は、子機送受信部22を制御して、生成した無線信号を自己に割り当てられている上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUi(i<n)で送信させる。一方、親機1では、上り区間において親機制御部10が親機送受信部12を受信状態とし、子機2又は中継機3から送信される無線信号を受信する。そして、親機送受信部12が無線信号を受信し、当該無線信号に含まれる(データフィールドに格納されている)メッセージを取得すると、当該メッセージの内容に応じた処理を実行する。
ここで、本実施形態における親機1は、全ての子機2が正常に動作していることを定期的に確認する必要がある。そのため、親機1から定期的に返信要求メッセージを含む無線信号を送信(同報送信)し、各子機2から返信される応答メッセージ(肯定応答:ACKメッセージ)を親機1で受信するようにしている(以下、定期監視と呼ぶ。)。つまり、親機1では、何れかの上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUnで応答メッセージを含む無線信号を受信しなければ、応答メッセージを受信できなかった子機2に電池切れなどの異常が生じていると判断できる。なお、各子機2の子機制御部20は、返信要求メッセージを含む無線信号を受信したタイミングに基づいて内蔵のタイマを制御することにより、タイムスロットTSD1〜TSDm,TSU1〜TSUnのタイミングを決定している。すなわち、返信要求メッセージを含む無線信号が、TDMA方式のタイムスロットを決定するための同期信号(ビーコン)に利用されている。故に、以下の説明では返信要求メッセージを含む無線信号を同期信号と呼ぶことにする。なお、本実施形態では、同期信号を送信する先頭のフレーム(第1フレーム)の後に複数のフレームを繋げてスーパーフレームが構成されている。
また、各子機2の子機制御部20は、警戒モードと非警戒モードの2つの動作モードを択一的に選択して動作する。警戒モードは、センサ部23の検知結果(人の存在検知や窓ガラスの破壊検知など)を無線信号で親機1に送信する動作モードである。一方、非警戒モードは、センサ部23の検知結果を無線信号で親機1に送信しない動作モードである。なお、子機制御部20は、親機1からの指示(制御コマンド)に基づいて警戒モードと非警戒モードを切り換える。例えば、対象エリア(住宅や店舗あるいは事務所や工場など)内に人(住人あるいは従業員)がいるときは各子機2が非警戒モードとされ、対象エリア内に人がいないときに各子機2が警戒モードとされる。なお、子機制御部20は、非警戒モードにおいて、センサ部23を停止するか、あるいはセンサ部23を動作させつつ検知結果を含む無線信号の送信を行わないようにしている。
親機1の操作入力受付部13にはモード切換用のスイッチが設けられており、当該スイッチが操作されると操作入力受付部13にモード切換の操作入力が受け付けられ、当該操作入力に対応する操作信号が操作入力受付部13から親機制御部10に出力される。親機制御部10は、モード切換の操作信号が入力されると、各子機2を警戒モード又は非警戒モードに切り換えるための制御コマンドを生成する。さらに、親機制御部10は、当該制御コマンドをデータフィールドに格納し且つ送信先アドレスのフィールドにマルチキャスト用のアドレス(ビット列)を格納した無線信号を親機送受信部12から送信させる。
前記無線信号が各子機2で受信されると、子機制御部20が当該無線信号に含まれる制御コマンドに基づいて警戒モードと非警戒モードを切り換える。さらに子機制御部20は、制御コマンドに対する応答メッセージ(ACKメッセージ)を生成し、当該応答メッセージをデータフィールドに格納し且つ送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納した無線信号を子機送受信部22から送信させる。
親機1の親機制御部10は、モード切換が正常に行われたことを示す応答メッセージを全ての子機2から受け取れば、表示部14にモードの切換状態を表示させてモード切換の処理を終了する。
ここで、本実施形態では、下り方向のタイムスロットTSD1〜TSDmのうち、先頭のタイムスロット(下り方向の第1タイムスロット)TSD1を親機1に割り当て、2番目以降のタイムスロット(下り方向の第2タイムスロット)TSD2〜TSDmを各中継機3に割り当てている。また、上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUnのうち、先頭からi(<n)番目までのタイムスロット(上り方向の第1タイムスロット)TSU1〜TSUiを子機2に割り当てている。さらに、上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUnのうち、i+1番目以降のタイムスロット(上り方向の第2タイムスロット)TSUi+1〜TSUnを各中継機3に割り当てている。
而して、各中継機3は、下り方向の第1タイムスロットTSD1で親機1が送信した無線信号を受信し、当該無線信号を、自己に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDmで送信(中継)する。また、各子機2は、親機1又は何れかの中継機3が送信した無線信号を、下り方向の第1タイムスロットTSD1又は第2タイムスロットTSD2〜TSDmで受信する。そして、受信した無線信号に含まれるメッセージに対して応答が必要な場合、各子機2は、応答メッセージを含む無線信号を、自己に割り当てられた上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで送信する。
各中継機3は、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで子機2が送信した無線信号を受信し、当該無線信号を、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで送信(中継)する。そして、親機1は、子機2又は中継機3が送信した無線信号を上り区間で受信し、子機2から送信されたメッセージを受け取る。
上述のように本実施形態は、複数の無線機と、1乃至複数の中継機3とを有する。また、本実施形態における複数の無線機は、1つの親機1と1乃至複数の子機2からなる。そして、一定周期で繰り返されるフレームが下り区間と上り区間に分割され、さらに、下り区間が複数の下り方向のタイムスロットTSD1〜TSDmに分割され、上り区間が複数の上り方向のタイムスロットTSU1〜TSUnに分割される。子機2は、親機1との間で下り方向及び上り方向のタイムスロットで直接無線信号を送受信するか、または1乃至複数の中継機3に中継されて下り方向及び上り方向のタイムスロットで親機1との間で無線信号を送受信するように構成される。
親機1は、自己に割り当てられる下り方向の第1タイムスロットTSD1で無線信号を送信するように構成される。中継機3は、下り方向の第1タイムスロットTSD1で無線信号を受信し、且つ自己に割り当てられる下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDmで親機1から受信した無線信号を送信するように構成される。
子機2は、下り方向の第1タイムスロットTSD1又は下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDmで無線信号を受信し、且つ自己に割り当てられる上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで無線信号を送信するように構成される。
中継機3は、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで子機2が送信する無線信号を受信し、且つ自己に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで子機2から受信した無線信号を送信するように構成される。
親機1は、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUi及び上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで無線信号を受信するように構成される。
そして、下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDmは、フレームにおいて、下り方向の第1タイムスロットTSD1と上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiとの間に配置される。また、上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnは、フレームにおいて、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiの後に配置される。
上述のように、本実施形態における中継機3は、下り区間における2番目以降のタイムスロットTSD2〜TSDmが割り当てられているので、親機1が送信する無線信号を同一のフレーム(同一フレームにおける下り区間)で子機2に中継することができる。また、中継機3は、上り区間において子機2に割り当てられたタイムスロットTSU1〜TSUiの後のタイムスロットTSUi+1〜TSUnが割り当てられているので、子機2が送信する無線信号を同一のフレーム(同一フレームにおける上り区間)で親機1に中継することができる。その結果、中継機3を介して2つの無線機(親機1と子機2)が無線信号を送受信する場合においても同一のフレーム内で送受信が可能になる。なお、各中継機3に対するタイムスロットの割当は、例えば、各中継機3の操作入力受付部33に設けられたディップスイッチ(設定手段)を用いして設定すればよい。
ここで、親機1と子機2とが複数台の中継機3を介して無線信号を送受信する場合もある。例えば、図2に示すように、一方の中継機3(以下、第1中継機301と呼ぶ。)が親機1と直接無線信号を送受信し、他方の中継機3(以下、第2中継機311と呼ぶ。)が第1中継機301を介して親機1と無線信号を送受信すると仮定する。また、子機2(201)は、中継機3を介さずに親機1と直接無線信号を送受信し、子機2(211)は、第1中継機301を介して親機1と無線信号を送受信し、子機2(221)は、第1中継機301と第2中継機311を介して親機1と無線信号を送受信すると仮定する。
ところで、下り区間において、中継回数が相対的に多い第2中継機311に、中継回数が相対的に少ない第1中継機301に割り当てる第2タイムスロットTSDkよりも先頭に近い第2タイムスロットTSDk-1を割り当てたとする。この場合、第2中継機311が第1中継機301の送信した無線信号を受信した時点(第2タイムスロットTSDk)で、既に同一フレーム内において自己に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSDk-1が過ぎてしまっている。そのため、第1中継機301から第2中継機311へは次のフレームの下り区間で無線信号が中継され、親機1が無線信号を送信したフレームと同一フレーム内での中継が行えない。その結果、親機1と中継機3(第2中継機311)の間を別の中継機3(第1中継機301)が中継する場合(多段中継の場合)、同一フレーム内で親機1と子機2が無線信号を送受信できなくなってしまう。
そこで本実施形態では、図1に示すように、下り区間において、親機1との間で無線信号が中継される回数が少ない中継機3から優先的に、先頭に近いタイムスロット(下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDm)を割り当てる。つまり、中継回数が0回である第1中継機301に下り方向の2番目のタイムスロット(先頭の第2タイムスロットTSD2)を割り当て、中継回数が1回である第2中継機311に下り方向の3番目のタイムスロット(2番目の第2タイムスロットTSD3)を割り当てる。このようにすれば、第2中継機311は、親機1が無線信号を送信したフレームと同一のフレーム内で第1中継機301が送信(中継)する無線信号を受信し、且つ受信した無線信号を同一のフレーム内で送信(中継)することができる。なお、図1における「○」は受信可であることを示し、「×」は受信不可であることを示している。
また、上り区間において、中継回数が相対的に多い第2中継機311に、中継回数が相対的に少ない第1中継機301に割り当てる第2タイムスロットTSUkよりも最後尾に近い第2タイムスロットTSUk+1を割り当てたとする。この場合、第2中継機311が子機221の送信した無線信号を受信した時点(第2タイムスロットTSUk+1)で、第1中継機301に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUkが既に過ぎてしまっている。そのため、第1中継機301は、第2中継機311から受信した無線信号を、受信したフレームの次のフレームの上り区間でしか送信(中継)することができない。
そこで本実施形態では、図1に示すように、上り区間において、親機1との間で無線信号が中継される回数が少ない中継機3から優先的に、最後尾に近いタイムスロット(上り方向の第2タイムスロットTSUn〜TSUi+1)を割り当てる。例えば、中継回数が0回である第1中継機301に上り方向の最後尾のタイムスロット(最後の第2タイムスロットTSUn)を割り当て、中継回数が1回である第2中継機311に下り方向の最後から2番目のタイムスロット(第2タイムスロットTSUn-1)を割り当てる。このようにすれば、第1中継機301は、第2中継機311が無線信号を送信したフレームと同一のフレーム内で親機1へ無線信号を送信(中継)することができる。
上述のように本実施形態は、複数の中継機3が、親機1との間で直接無線信号を送受信する第1中継機301と、第1中継機301を介して親機1との間で無線信号を送受信する第2中継機311とを含んでいる。そして、フレームにおいて、第1中継機301に割り当てられる下り方向の第2タイムスロットTSDk-1の後に、第2中継機311に割り当てられる下り方向の第2タイムスロットTSDkが配置される。さらに、フレームにおいて、第1中継機301に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUkの前に、第2中継機311に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUk-1が配置される。
本実施形態は、上述のように構成されていることにより、中継機3が他の中継機3を介して親機1及び子機2と無線信号を送受信する場合においても、同一のフレーム内で親機1から子機2、子機2から親機1へ無線信号を送受信することができる。ただし、本実施形態では、親機1と直接無線信号を送受信する第1中継機301を1台しか図示していないが、このような第1中継機301が複数台存在しても構わない。同じく、他の中継機3(第1中継機301)を介して親機1と無線信号を送受信する第2中継機311を1台しか図示していないが、このような第2中継機311が複数台存在しても構わない。
ここで、親機1の親機制御部10は、上り区間における全てのタイムスロットTSU1〜TSUnで親機送受信部12を受信状態とする(図1参照)。また、中継機3(第1中継機301及び第2中継機311)の中継機制御部30は、子機2に割り当てられている全ての上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで中継機送受信部32を受信状態とする(図1参照)。このようにすれば、各中継機3に対して、全ての子機2の無線信号を受信する機会が与えられるので、各子機2に上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiを割り当てる際、中継回数に対応した制約条件が要らなくなる。つまり、各子機2に対して、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiをランダムに割り当てることができ、タイムスロットの割り当てに関する作業性の向上を図ることができる。また、中継機3は、中継元の子機2(子機2の識別符号)を認識する必要が無く、上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで子機2から受信した無線信号に含まれる全てのメッセージを中継すれば良い。
また、第2中継機311は、下り区間においては、下り方向の第2タイムスロットTSD2で第1中継機301が送信する無線信号を受信し、且つ自己に割り当てられる下り方向の第2タイムスロットTSD3で第1中継機311から受信した無線信号を送信するように構成される。さらに、第2中継機311は、上り区間においては、上り方向の全ての第1タイムスロットTSU1〜TSUiで子機2が送信する無線信号を受信し、且つ自己に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUn-1で子機2から受信した無線信号を送信するように構成される。
一方、第1中継機301は、上り区間においては、上り方向の全ての第1タイムスロットTSU1〜TSUiで子機2が送信する無線信号を受信し、且つ上り方向の第2タイムスロットTSUn-1で第2中継機311が送信する無線信号を受信するように構成される。さらに、第1中継機301は、自己に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUnで子機2及び第2中継機311から受信した無線信号を送信するように構成される。
ただし、本実施形態では、各子機2の識別符号に対応した領域がデータフィールドに確保されている。中継機制御部30は、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUjの直前のタイムスロットTSUj-1(i+1≦j≦n)までに受信した無線信号に含まれるメッセージ(例えば、ACKメッセージ)を、受信した無線信号の送信元アドレス(子機2の識別符号)に対応する領域に格納した無線信号を生成する。さらに、中継機制御部30は、生成した無線信号を、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで送信する。
上述のようにすれば、親機1は、何れの中継機3で中継されるかに関わらず、全ての子機2からメッセージ(ACKメッセージなど)を漏れなく受け取ることができる。しかも、各中継機3が親機1から子機2までの中継ルートを探索したり、当該中継ルートを記憶したりする必要が無い。また、子機2及び中継機3は、少なくとも1台の中継機3と通信できれば、親機1との間で無線信号を送受信することができる。
なお、本実施形態では中継機3の台数が2台の場合を例示しているが、中継機3が3台以上であっても構わない。また、中継回数が2回以上である中継機3が含まれていても構わない。
ところで、本実施形態の運用開始後に通信環境が変化し、親機1から子機2への中継ルートが変化してしまう場合がある。例えば、当初は親機1と直接通信可能であった中継機3(第1中継機301)が親機1と直接通信できなくなり、当初は第1中継機301を介してのみ親機1と通信可能であった中継機3(第2中継機311)が親機1と直接通信になったと仮定する。つまり、見掛け上、第1中継機301に割り当てられる下り方向及び上り方向のタイムスロットと、第2中継機311に割り当てられる下り方向及び上り方向のタイムスロットとがそれぞれ入れ替わったと仮定する。
このような仮定において、第1中継機301は、下り方向の第1タイムスロットTSD1で親機1から受信した無線信号を、自己に割り当てられている下り方向の第2タイムスロットTSD3で送信する。しかしながら、第2中継機311は、自己に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSD2が既に過ぎているため、第2タイムスロットTSD3で送信された無線信号を受信できない。そのため、定期監視において、同一のフレーム(スーパーフレームの先頭のフレーム<第1のフレーム>)内で子機221から送信されるべき無線信号(ACKメッセージを含む無線信号)が送信されない。
そこで、中継機3の中継機制御部30は、定期監視の返信要求メッセージを含む無線信号が、定期監視の周期(例えば、24時間)を十分に超える期間を超えて受信しなかった場合、中継ルートに支障が生じたと判断する。中継ルートに支障が生じたと判断した中継機制御部30は、自己の下り方向の第2タイムスロットTSDkよりも後のタイムスロット(例えば、第2タイムスロットTSDk+1〜TSDm)も全て受信するように中継機送受信部32を制御する。そして、中継機制御部30は、前記第2タイムスロットTSDk+1〜TSDmで受信した無線信号を、次のフレームにおいて、自己に割り当てられる下り方向の第2タイムスロットTSDkで中継機送受信部32から送信(中継)する。これにより、第1中継機301から第2中継機311へ、次のフレーム(第2フレーム)で無線信号が中継される。
また、中継機3の中継機制御部30は、上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnのうちで、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUjを除く全ての第2タイムスロットで中継機送受信部32を受信状態とする。中継機制御部30は、次のフレーム(第2フレーム)における上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで応答メッセージを含む無線信号を受信する。そして、中継機制御部30は、さらに次のフレーム(第3フレーム)における上り区間で、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUn-kで応答メッセージを含む無線信号を送信する。
上述のように親機1は、全ての子機2に対して応答メッセージの返信を要求する返信要求メッセージを含む無線信号を一定の周期で定期的に送信するように構成される。子機2は、返信要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、自己に割り当てられる上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成される。中継機3は、前記周期よりも長い期間に亘って親機1が送信する返信要求メッセージを含む無線信号を受信しなかった場合、自己に割り当てられている下り方向の第2タイムスロットTSDkを除く全ての下り区間で受信状態となる。且つ中継機3は、下り区間で受信した返信要求メッセージを含む無線信号を、次のフレームにおいて自己に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSDkで送信する。さらに中継機3は、上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnのうちで、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットTSUjを除く全ての第2タイムスロットで受信状態となる。且つ中継機3は、次のフレームにおける上り方向の第2タイムスロットで応答メッセージを含む無線信号を受信すれば、さらに次のフレームにおける上り区間で、自己に割り当てられた上り方向の第2タイムスロットで応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成される。
上述のように中継ルートに支障が生じた場合においても、同一のスーパーフレーム内で親機1と子機3とが無線信号を送受信することができる。
(実施形態2)
本実施形態の無線式センサシステムの構成は実施形態1と共通である。故に、共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
実施形態1においては、各中継機3に対するタイムスロットの割当の設定が、操作入力受付部33が備えるディップスイッチを用いて手動で行われている。
これに対して本実施形態は、各中継機3のタイムスロットの割当の設定を親機1から行うようにした点に特徴がある。例えば、本システムの運用開始前に親機1と中継機3が互いの識別符号を登録する作業(登録作業)において、親機1から中継機3にタイムスロットの割当の設定を行えばよい。
前記登録作業は、親機1と中継機3のそれぞれで登録開始の操作入力が操作入力受付部13,33で受け付けられることによって開始される。ただし、この登録作業は、親機1及び中継機3が実際の設置場所に在る状況で行われる。
まず、親機1と直接無線通信可能な場所に設置される中継機3の登録作業について説明する。中継機3の中継機制御部30は、登録開始の操作入力が操作入力受付部33で受け付けられると登録モードに移行する。登録モードに移行した中継機制御部30は、登録要求メッセージをデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドにマルチキャストアドレスを格納するとともに送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、中継機制御部30は、生成した無線信号を中継機送受信部32から送信(マルチキャスト)させる。ただし、この時点では親機1から同期信号が送信されていないため、中継機送受信部32は、キャリアセンスを行って衝突が生じないタイミングで無線信号を送信する。
一方、親機1の親機制御部10は、登録開始の操作入力が操作入力受付部13で受け付けられると登録モードに移行する。登録モードに移行した親機制御部10は、親機送受信部12を受信状態とする。そして、親機制御部10は、親機送受信部12で受信する無線信号から前記登録要求メッセージを取得すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている識別符号(中継機3の識別符号)をメモリ(図示せず)に記憶する。親機制御部10は、前記識別符号に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD2と上り方向の第2タイムスロットTSUnを割り当て、割り当てたタイムスロットTSD2,TSUnを当該識別符号に対応付けてメモリに記憶する。
さらに、親機制御部10は、送信先アドレスのフィールドに前記識別符号を格納し、且つ登録許可メッセージをデータフィールドに格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信させる。なお、登録許可メッセージは、登録要求元の中継機3の識別符号に対して割り当てたタイムスロットTSD2,TSUnを通知するためのものである。
中継機制御部30は、親機1から送信された無線信号を中継機送受信部32で受信すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている親機1の識別符号と、データフィールドに格納されている登録許可メッセージとを取得する。そして、中継機制御部30は、登録許可メッセージで通知されるタイムスロットTSD2,TSUnの情報と親機1の識別符号とをメモリ(図示せず)に記憶する。中継機制御部30は、親機1の識別符号をメモリに記憶した後、送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号が格納されている無線信号を受信したら、当該無線信号を送信(中継)する。
次に、親機1と直接無線通信ができない場所に設置される中継機3(第2中継機311)の登録作業について説明する。第2中継機311から送信される無線信号(登録要求メッセージを含む無線信号)は、親機1で受信されず、先に登録された中継機3(第1中継機301)に中継されて親機1で受信される。
親機制御部10は、受信した無線信号から登録要求メッセージを取得すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている識別符号(第2中継機311の識別符号)をメモリに記憶する。親機制御部10は、前記識別符号に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD3と上り方向の第2タイムスロットTSUn-1を割り当て、割り当てたタイムスロットTSD3,TSUn-1を当該識別符号に対応付けてメモリに記憶する。
さらに、親機制御部10は、送信先アドレスのフィールドに前記識別符号を格納し、且つ当該識別符号に対して割り当てたタイムスロットTSD3,TSUn-1を通知するための登録許可メッセージをデータフィールドに格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信させる。
親機1から送信された前記無線信号は、第1中継機301で中継されて第2中継機311の中継機送受信部32に受信される。第2中継機311の中継機制御部30は、中継機送受信部32で受信した無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている親機1の識別符号と、データフィールドに格納されている登録許可メッセージとを取得する。さらに、第2中継機311の中継機制御部30は、登録許可メッセージで通知されるタイムスロットTSD2,TSUnの情報と親機1の識別符号とをメモリに記憶する。
そして、親機1と各中継機301,311のそれぞれで登録終了の操作入力が操作入力受付部13,33で受け付けられることにより、登録作業が終了する。親機制御部10は、登録モードから通常モードに復帰すると、親機送受信部12から一定の周期で同期信号を送信させる。一方、各中継機301,311の中継機制御部30は、登録モードから通常モードに復帰すると、中継機送受信部32を受信状態とする。第1中継機301では、親機1から送信される同期信号を直接受信できる。そして、第1中継機301の中継機制御部30は、同期信号を受信したタイミングでタイマ(図示せず)をスタートさせて下り区間及び上り区間のタイムスロットを認識する。さらに、第1中継機301の中継機制御部30は、自己に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSD2を示す情報をデータフィールドに格納した無線信号(同期信号)を、この下り方向の第2タイムスロットTSD2で中継機送受信部32から送信させる。
第2中継機311では、親機1から送信される同期信号を直接受信できないが、第1中継機301で中継された無線信号(同期信号)を受信できる。そして、第2中継機311の中継機制御部30は、同期信号を受信したタイミングでタイマをスタートさせて下り区間及び上り区間のタイムスロットを認識する。ただし、第2中継機311が第1中継機301から同期信号を受信するタイミングは、親機1から直接同期信号を受信するタイミングよりも下り方向の第2タイムスロットのスロット幅分だけ遅延している。したがって、第2中継機311の中継機制御部30は、その1スロット幅の遅延を考慮して下り区間及び上り区間のタイムスロットを認識する。
上述のように、中継機3は、タイムスロットが割り当てられていない場合、親機1に対して登録要求メッセージを含む無線信号を送信した後、親機1から登録要求メッセージに対する登録許可メッセージを含む無線信号を受信する。中継機3は、前記無線信号を受信すると、前記登録許可メッセージに含まれる前記タイムスロットの割当情報に基づいて前記タイムスロットが割り当てられるように構成される。
さらに、中継機301は、前記タイムスロットが割り当てられている場合、他の中継機311が送信する前記登録要求メッセージを含む無線信号を受信すると、前記登録要求メッセージを含む無線信号を送信して親機1へ中継するように構成される。
親機1は、前記登録要求メッセージを含む無線信号を受信すると、前記フレームの先頭に近い下り方向の第2タイムスロットから順番に割り当て、且つ前記フレームの最後尾に近い上り方向の第2タイムスロットから順番に割り当てるように構成される。
親機1との無線通信に要する中継回数が少ない中継機3から順番に、上り区間及び下り区間のタイムスロットを適切に割り当てることができ、ディップスイッチ等による手動の割当設定が不要になる。
ところで、親機制御部10は、登録要求メッセージを含む無線信号の受信信号強度が所定の下限値を超えていなければ、当該登録要求メッセージを含む無線信号の送信元である中継機3に対してタイムスロットを割り当てないことが好ましい。なお、受信信号強度は、親機送受信部12から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)が用いられる。
而して、親機1で受信される無線信号の受信信号強度が下限値以下であるような中継機3を登録した場合、運用中に当該中継機3と親機1との無線通信が不能になってしまう可能性が高い。したがって、登録要求メッセージを含む無線信号の受信信号強度が所定の下限値を超えていないとき、親機制御部10が表示部14の発光素子を発光させたり、ブザーを鳴動させて報知し、中継機3の設置場所の変更などの処置を促すことが望ましい。
上記構成によれば、親機1と中継機3との間で安定して無線通信可能な中継ルートを構築することができる。
(実施形態3)
本実施形態の無線式センサシステムの構成は実施形態1と共通である。故に、共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。本実施形態は、実施形態2と同様に各中継機3のタイムスロットの割当の設定を親機1から行うようにした点に特徴がある。
親機制御部10は、登録モードに移行すると、中継回数の上限を指定した応答要求メッセージをデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドにマルチキャストアドレスを格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信(マルチキャスト)させる。ただし、1番目に送信される無線信号は、中継回数の上限がゼロ、すなわち、中継不可に設定される。
親機1から送信された前記無線信号は、親機1と直接無線通信可能な中継機3のみで受信される。中継機3の中継機制御部30は、前記無線信号を受信すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている親機1の識別符号をメモリに記憶する。さらに、中継機制御部30は、応答メッセージ(ACKメッセージ)をデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、中継機制御部30は、生成した無線信号を中継機送受信部32から送信させる。なお、中継機制御部30は、前記無線信号の中継回数の上限がゼロに設定されているので、当該無線信号の中継を行わない。
親機制御部10は、中継機3から送信された前記無線信号を受信すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている識別符号(中継機3の識別符号)をメモリに記憶する。親機制御部10は、前記識別符号に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD2と上り方向の第2タイムスロットTSUnを割り当て、割り当てたタイムスロットTSD2,TSUnを当該識別符号に対応付けてメモリに記憶する。
さらに、親機制御部10は、送信先アドレスのフィールドに前記識別符号を格納し、且つ登録許可メッセージをデータフィールドに格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信させる。なお、登録許可メッセージは、登録要求元の中継機3の識別符号に対して割り当てたタイムスロットTSD2,TSUnを通知するためのものである。
中継機制御部30は、親機1から送信された無線信号を中継機送受信部32で受信すると、当該無線信号のデータフィールドに格納されている登録許可メッセージを取得する。そして、中継機制御部30は、登録許可メッセージで通知されるタイムスロットTSD2,TSUnの情報をメモリに記憶する。
次に、親機制御部10は、中継回数の上限を1回に指定した応答要求メッセージをデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドにマルチキャストアドレスを格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信(マルチキャスト)させる。
親機1から送信された前記無線信号は、親機1と直接無線通信可能な中継機(第1中継機301)のみで受信される。第1中継機301の中継機制御部30は、前記無線信号を受信すると、応答要求メッセージで指定された中継回数の上限を確認する。今の場合、中継回数の上限が1回であるから、第1中継機301の中継機制御部30は中継可能と判断する。そして、中継機制御部30は、中継回数を1回にインクリメントした応答要求メッセージをデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドにマルチキャストアドレスを格納し且つ送信元アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、中継機制御部30は、生成した無線信号を中継機送受信部32から送信(マルチキャスト)させる。
第1中継機301から送信された前記無線信号は、第1中継機301と直接無線通信可能な中継機(第2中継機311)のみで受信される。第2中継機311の中継機制御部30は、前記無線信号を受信すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている親機1の識別符号をメモリに記憶する。さらに、中継機制御部30は、応答メッセージ(ACKメッセージ)をデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、中継機制御部30は、生成した無線信号を中継機送受信部32から送信させる。なお、中継機制御部30は、前記無線信号の中継回数が上限の1回に達しているので、当該無線信号の中継を行わない。
第2中継機311から送信された前記無線信号は、第1中継機301で受信される。第1中継機301の中継機制御部30は、前記無線信号を受信すると、当該無線信号の送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号が格納されているので、この無線信号を中継機送受信部32から送信(中継)させる。
親機制御部10は、第2中継機311から送信されて第1中継機301で中継された前記無線信号を受信すると、当該無線信号の送信元アドレスのフィールドに格納されている識別符号(第2中継機311の識別符号)をメモリに記憶する。親機制御部10は、前記識別符号に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD3と上り方向の第2タイムスロットTSUn-1を割り当て、割り当てたタイムスロットTSD3,TSUn-1を当該識別符号に対応付けてメモリに記憶する。
さらに、親機制御部10は、送信先アドレスのフィールドに第2中継機311の識別符号を格納し、且つ登録許可メッセージをデータフィールドに格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を親機送受信部12から送信させる。
第2中継機311の中継機制御部30は、親機1から送信されて第1中継機301で中継された無線信号を中継機送受信部32で受信すると、当該無線信号のデータフィールドに格納されている登録許可メッセージを取得する。そして、中継機制御部30は、登録許可メッセージで通知されるタイムスロットTSD3,TSUn-1の情報をメモリに記憶する。
以下、親機1の親機制御部10は、中継回数をインクリメントしながら応答要求メッセージを含む無線信号の送信を繰り返し、応答メッセージを含む無線信号を受信しなくなれば登録モードから通常モードに復帰する。なお、通常モードに復帰した後の親機1、第1中継機301、第2中継機311の動作は実施形態2と共通である。
上述のように、親機1は、中継機3にタイムスロットが割り当てられていない場合において、中継回数の上限を指定した応答要求メッセージを含む無線信号を送信し、前記応答要求メッセージに対する応答メッセージを含む無線信号を中継機3から受信する。親機1は、中継回数の上限が少ない応答要求メッセージに対して応答メッセージを返信する前記中継機3から順番に、フレームの先頭に近い下り方向の第2タイムスロット及びフレームの最後尾に近い上り方向の第2タイムスロットを割り当てるように構成される。
中継機3は、応答要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、応答要求メッセージの中継回数が上限に達していれば、応答要求メッセージを含む無線信号を送信しない。また、中継機3は、中継回数が上限に達していなければ、中継回数に1を加えて応答要求メッセージを含む無線信号を他の中継機へ送信し、且つ中継回数に関わらず、応答メッセージを含む無線信号を親機1へ送信するように構成される。
上述のように、親機1との無線通信に要する中継回数が少ない中継機3から順番に、上り区間及び下り区間のタイムスロットを適切に割り当てることができ、ディップスイッチ等による手動の割当設定が不要になる。
(実施形態4)
本実施形態の無線式センサシステムの構成は実施形態1と共通である。故に、共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。本実施形態は、実施形態2,3と同様に各中継機3のタイムスロットの割当の設定を親機1から行うようにした点に特徴がある。
まず、親機1と全ての中継機3とが直接無線通信可能な状況において、親機1から各中継機3に対して仮のタイムスロットを割り当てて設定する。その後、各中継機3を実際の設置場所に置いた状態で、親機1及び各中継機3が登録モードに切り換えられる。
親機制御部10は、登録モードに移行すると、応答要求メッセージをデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドにマルチキャストアドレスを格納した無線信号を生成する。そして、親機制御部10は、生成した無線信号を下り方向の第1タイムスロットTSD1で親機送受信部12から送信(マルチキャスト)させる。
親機1から送信された前記無線信号は、親機1と直接無線通信可能な中継機(第1中継機301)のみで受信される。第1中継機301の中継機制御部30は、前記無線信号を受信すると、データフィールドに用意されたカウンタをインクリメントした前記無線信号を、自己に割り当てられている下り方向の第1タイムスロットTSDkで中継機送受信部32から送信させる。さらに、中継機制御部30は、応答メッセージ(ACKメッセージ)をデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、中継機制御部30は、生成した無線信号を、自己に割り当てられている上り方向の第2タイムスロットTSUn-kで中継機送受信部32から送信させる。ただし、親機1に返信される無線信号のデータフィールドに用意されたカウンタはインクリメントされない。
第1中継機301で中継された無線信号は、親機1と直接無線通信できない中継機(第2中継機311)で受信される。第2中継機311の中継機制御部30は、第1中継機301で中継された前記無線信号を受信すると、データフィールドに用意されたカウンタをインクリメントした前記無線信号を、自己に割り当てられている下り方向の第2タイムスロットTSDj(j≠k)で中継機送受信部32から送信させる。ただし、第2中継機311に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSDjが第1中継機301に割り当てられた下り方向の第2タイムスロットTSDkよりも先である場合、前記無線信号は、次のフレームで送信される。
さらに、第2中継機311の中継機制御部30は、応答メッセージ(ACKメッセージ)をデータフィールドに格納し、送信先アドレスのフィールドに親機1の識別符号を格納し且つ送信元アドレスのフィールドに自己の識別符号を格納した無線信号を生成する。そして、第2中継機311の中継機制御部30は、生成した無線信号を、自己に割り当てられている上り方向の第2タイムスロットTSUn-jで中継機送受信部32から送信させる。ただし、親機1に返信される無線信号のデータフィールドに用意されたカウンタはインクリメントされない。
親機1は、各中継機301,311から送信された無線信号を、それぞれ同一フレームの上り区間又は異なるフレームの上り区間で受信する。親機制御部10は、各中継機301,311から受信した無線信号のデータフィールドからカウンタの値(中継回数)を取得する。そして、親機制御部10は、中継機301の下り方向の第2タイムスロットTSDkと、中継機311の下り方向の第2タイムスロットTSDjとの順番(添え字k,jの大小関係)に基づいて、それぞれのタイムスロットの変更の要否を判定する。
すなわち、中継回数が少ない方の中継機301の下り方向の第2タイムスロットTSDkが、中継回数が多い方の中継機311の下り方向の第2タイムスロットTSDjよりも先であれば(k<j)、親機制御部10は、タイムスロットの割当を変更する必要がないと判定する。一方、中継回数が少ない方の中継機301の下り方向の第2タイムスロットTSDkが、中継回数が多い方の中継機311の下り方向の第2タイムスロットTSDjよりも後であれば(k>j)、親機制御部10は、タイムスロットの割当を変更する必要があると判定する。
まず、タイムスロットの変更が必要でない(不要)と判定した場合、親機制御部10は、タイムスロットの確定を指示するメッセージをデータフィールドに格納した無線信号を、下り方向の第1タイムスロットTSD1で親機送受信部12から送信(同報送信)させる。各中継機301,311の中継機制御部30は、親機1から送信された前記無線信号を受信してデータフィールドに格納された前記メッセージを受け取れば、これ以降、メモリに記憶しているタイムスロットで無線信号を送信する。
一方、タイムスロットの変更が必要と判定した場合、親機制御部10は、各中継機301,311に対してタイムスロットの割当を変更する。具体的には、中継回数が少ない方の中継機301の下り方向の第2タイムスロットTSDkが、中継回数が多い方の中継機311の下り方向の第2タイムスロットTSDjよりも先に(フレームの先頭に近く)なるように変更される。親機制御部10は、変更後のタイムスロットの割当を通知する通知メッセージをデータフィールドに格納した無線信号を、下り方向の第1タイムスロットTSD1で親機送受信部12から各中継機301,311へ送信させる。各中継機301,311の中継機制御部30は、親機1から送信された前記無線信号を受信してデータフィールドに格納された通知メッセージを受け取り、当該通知メッセージで通知されたタイムスロットをメモリに記憶する。そして、各中継機301,311の中継機制御部30は、これ以降、メモリに記憶しているタイムスロットで無線信号を送信する。
上述のように、親機1は、中継機3に対して応答を要求する応答要求メッセージを含む無線信号を下り方向の第1タイムスロットTSD1で送信する。中継機3は、下り区間において、下り方向の第1タイムスロットTSD1で応答要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、応答要求メッセージ及び中継回数を含む無線信号を、自己に割り当てられている下り方向の第2タイムスロットで送信する。また、中継機3は、下り方向の第2タイムスロットで応答要求メッセージ及び中継回数を含む無線信号を受信した場合、応答要求メッセージを含み且つ中継回数をインクリメントして更新した中継回数を含む無線信号を、自己に割り当てられている下り方向の第2タイムスロットで送信する。さらに、中継機3は、上り区間において、下り区間に受信した無線信号に含まれる応答要求メッセージに対する応答メッセージ及び無線信号に含まれる中継回数を含む無線信号を、自己に割り当てられている上り方向の第2タイムスロットで送信するように構成される。親機1は、中継機3が送信した無線信号を受信すると、無線信号に含まれる中継回数が少ない中継機3から順番に、フレームの先頭に近い下り方向の第2タイムスロット及びフレームの最後尾に近い上り方向の第2タイムスロットを割り当てるように構成される。
上述のように、親機1との無線通信に要する中継回数が少ない中継機3から順番に、上り区間及び下り区間のタイムスロットを適切に割り当てることができ、ディップスイッチ等による手動の割当設定が不要になる。
ところで、複数台の中継機(第1中継機301,302,…)が親機1と直接無線通信可能な場合や、複数台の中継機(第2中継機311,312,…)が1回の中継で親機1と無線通信可能な場合がある。このような場合、中継先の中継機(第1中継機301)において、中継元の他の中継機(第2中継機311)から受信する無線信号の受信信号強度を計測し、その計測値を応答メッセージとともに親機1へ送信することが好ましい。なお、受信信号強度は、中継機送受信部32から出力される受信信号強度表示信号(RSSI信号)が用いられる。
親機制御部10は、例えば、中継回数が同じ(1回)である複数台の第2中継機311,312,…のうちで、第1中継機301,302,…における受信信号強度の計測値(RSSI信号の電圧値)が大きいものから順番に降順に並べる。そして、親機制御部10は、受信信号強度の計測値が大きいものから順番に、先頭に近い下り方向の第2タイムスロットTSDkを割り当て、且つ最後尾に近い上り方向の第2タイムスロットTSUn-kを割り当てる。
上述のように、中継機3は、他の中継機3が送信した無線信号を受信したときの受信信号強度を計測し、計測値と応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成される。親機1は、中継回数が等しい複数の中継機3に対して、複数の中継機3から受信した無線信号に含まれる計測値が大きい中継機3から順番に、フレームの先頭に近い下り方向の第2タイムスロットTSDk及びフレームの最後尾に近い上り方向の第2タイムスロットTSDn-kを割り当てるように構成される。
而して、受信信号強度の計測値が大きい中継機3が先に親機1からの無線信号を受信するため、中継ルートの安定性の向上を図ることができる。
ところで、中継機3は、応答要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、無線信号の受信信号強度が所定の下限値を超えていなければ、応答メッセージを含む無線信号を送信しないように構成されることが好ましい。例えば、第2中継機311において、第1中継機301から中継されて中継機送受信部32が受信した無線信号のRSSI値が下限値以下であった場合、中継機制御部30は、応答メッセージを含む無線信号を送信しない。
あるいは、中継機3は、他の中継機3が送信した無線信号を受信したときの受信信号強度を計測し、計測値と応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成されてもよい。さらに、親機1は、中継機3から受信した無線信号に含まれる計測値が所定の下限値を超えていなければ、中継機3に対してタイムスロットを割り当てないように構成されることが好ましい。
而して、無線信号の受信信号強度が下限値以下であるような中継機3を登録した場合、運用中に当該中継機3と親機1との無線通信が不能になってしまう可能性が高い。したがって、応答要求メッセージを含む無線信号の受信信号強度が所定の下限値を超えていないとき、中継機制御部30が表示部34の発光素子を発光させたり、ブザーを鳴動させて報知し、中継機3の設置場所の変更などの処置を促すことが望ましい。
上記構成によれば、親機1と中継機3との間で安定して無線通信可能な中継ルートを構築することができる。
ただし、中継機3の設置場所の変更等を行っても無線信号の受信信号強度が下限値を超えない場合、親機1の親機制御部10は、各中継機3に対して、受信信号強度が最も高くなる状況で、各中継機3にタイムスロットを割り当てることが好ましい。
(実施形態5)
ところで、下り方向及び上り方向のタイムスロットTSDk,TSUn-kを各中継機3に正しく割り当てれば、定期監視における親機1から子機2への返信要求メッセージの送信と、子機2から親機1への応答メッセージの送信とが同一フレーム内で完了するはずである。仮に、子機2から親機1への応答メッセージの返信が次のフレームにずれ込んだとすれば、通信環境が変化して親機1から子機2への中継ルートが変化してしまったと考えられる。なお、このような状況が放置されたままで本実施形態が運用されることは好ましくない。
そこで、親機制御部10は、同一フレーム(第1フレーム)内で何れかの子機2から定期監視の応答メッセージを受け取らなかった場合、表示部14の発光素子を発光させて報知する。ただし、親機制御部10は、発光素子を発光させる代わり、あるいは発光素子の発光とともにブザーを鳴動させて報知するようにしても構わない。
上述のように、親機1は、音又は光の少なくとも何れか一方で報知する報知手段(表示部14)を備える。また、親機1は、全ての子機2に対して応答メッセージの返信を要求する返信要求メッセージを含む無線信号を下り方向の第1タイムスロットTSD1で送信する。さらに、親機1は、返信要求メッセージを含む無線信号が送信されたフレーム内で、少なくとも1つの子機2から応答メッセージの返信を受信しなかった場合に報知手段で報知するように構成される。
上記構成によれば、通信環境が変化して親機1から子機2への中継ルートが変化してしまったことが親機1の報知手段(表示部14)で報知されるので、中継ルートの修正を利用者に促すことができる。なお、利用者は、実施形態2〜4に説明したタイムスロットの割り当て作業を実施することで中継ルートを修正することができる。
あるいは、返信要求メッセージを含む無線信号が送信されたフレーム内で、少なくとも1つの子機2から応答メッセージの返信を受信しなかった場合、親機制御部10が、自動的に各中継機3にタイムスロットを割り当て直すようにしても構わない。この場合、親機制御部10は、実施形態2〜4に説明した処理を実行して各中継機3へのタイムスロットの割当を変更すればよい。
上述のように親機1は、全ての子機2に対して応答メッセージの返信を要求する返信要求メッセージを含む無線信号を下り方向の第1タイムスロットTSD1で送信する。また、親機1は、返信要求メッセージを含む無線信号が送信されたフレーム内で、少なくとも1つの子機2から応答メッセージの返信を受信しなかった場合、中継機3に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDm及び上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnを割り当て直すように構成されることが好ましい。
上記構成によれば、親機1と子機2との間の中継ルートを、常に最適なルートに維持することができる。
(実施形態6)
ところで、親機1から中継機3までの中継ルートを維持するに当たっては、定期監視の周期よりも短い周期で前記中継ルートを確認する事が好ましい。つまり、子機2は電池を電源として動作するので、電池寿命の観点から、定期監視の周期をあまり短くすることは好ましくない。
一方、中継機3は、外部電源(商用交流電源4)から給電されているので、消費電力に関する制約がなく、定期監視の周期よりも短い周期で中継ルートの確認が行われることが望ましい。
そこで、本実施形態における親機制御部10は、定期監視の第1周期(例えば、24時間)よりも短い第2周期(例えば、数時間〜十数時間)で、全ての中継機3に対して返信要求メッセージを含む無線信号を定期的に送信する。そして、少なくとも1台の中継機3から、前記無線信号を送信したフレームと同一のフレーム内で応答メッセージの返信を受信しなかった場合、親機制御部10は、表示部14の発光素子を発光させて報知する。ただし、親機制御部10は、発光素子を発光させる代わり、あるいは発光素子の発光とともにブザーを鳴動させて報知するようにしても構わない。
上述のように子機2は内蔵する電池から給電されて動作するように構成される。親機1及び中継機3は外部電源(商用交流電源4)から給電されて動作するように構成され、且つ親機1は、音又は光の少なくとも何れか一方で報知する報知手段(表示部14)を備える。親機1は、全ての子機2に対して応答メッセージの返信を要求する第1返信要求メッセージを含む無線信号を第1周期で定期的に送信する。また、親機1は、全ての中継機3に対して応答メッセージの返信を要求する第2返信要求メッセージを含む無線信号を第1周期よりも短い第2周期で定期的に送信する。そして、親機1は、少なくとも1つの子機2又は少なくとも1つの中継機3から応答メッセージの返信を受信しなかった場合に報知手段で報知するように構成される。
子機2は、第1返信要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、自己に割り当てられる上り方向の第1タイムスロットTSU1〜TSUiで応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成される。
中継機3は、第2返信要求メッセージを含む無線信号を受信した場合、自己に割り当てられる上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnで応答メッセージを含む無線信号を送信するように構成される。
上記構成によれば、通信環境が変化して親機1と中継機3との中継ルートが変化してしまったことが親機1の報知手段(表示部14)で報知されるので、中継ルートの修正を利用者に促すことができる。なお、利用者は、実施形態2〜4に説明したタイムスロットの割り当て作業を実施することで中継ルートを修正することができる。
あるいは、第2返信要求メッセージを含む無線信号が送信されたフレーム内で、少なくとも1つの中継機3から応答メッセージの返信を受信しなかった場合、親機制御部10が、自動的に各中継機3にタイムスロットを割り当て直すようにしても構わない。この場合、親機制御部10は、実施形態2〜4に説明した処理を実行して各中継機3へのタイムスロットの割当を変更すればよい。
上述のように親機1は、少なくとも1つの中継機3から応答メッセージの返信を受信しなかった場合、中継機3に対して、下り方向の第2タイムスロットTSD2〜TSDm及び上り方向の第2タイムスロットTSUi+1〜TSUnを割り当て直すように構成されることが好ましい。
上記構成によれば、子機2の電池寿命を短くすることなく、親機1と子機2との間の中継ルートを、常に最適なルートに維持することができる。